JP6357854B2 - 携帯型画像形成装置 - Google Patents
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Description
しかしながら、現在普及している携帯型プリンタは通常のプリンタ(非携帯型のプリンタ)と同様の構造であり、指定された用紙のみでしか印刷が可能でなく、持ち運びするためには別途専用の用紙を用意する必要がある。
これらは光学センサや加速度センサといった位置検知モジュール、プリンタヘッドを備え、ユーザがモバイルプリンタを動かすと記録媒体に対するプリンタ自身の位置を把握し(例えばマウスのように)、その情報に基づいて印刷を行う構成が知られている。
図1はモバイルプリンタにおける位置情報の取得を説明するための概略図である。図1に示すように、記録媒体1上に画像を形成する領域2があり、この領域2にモバイルプリンタ200が画像を形成する。このとき、例えば図1に示す基準位置3を基準とし、現在のモバイルプリンタ200の位置と相対比較をすることで現在位置を算出している。
しかしながら、位置情報を取得する際には複数の要因から発生する位置誤差が含まれ、一度の更新(位置の補正)での誤差は小さくても何度も更新を繰り返すと誤差が累積し、実際の位置との誤差が大きくなり、画像が伸びたり縮んだりする画像品質の劣化が発生するという問題があった。
しかしながら特許文献1に記載された構成では、所定の記録媒体のみしか使用できず、任意の記録媒体を使用して位置情報を与えずプリンタ単体で補正するとことができないという問題が生じる。
すなわち本発明では、モバイルプリンタ200に搭載されているプリンタヘッド部202と光学センサ201との距離X0を予め記憶しておき、あるタイミングでプリンタヘッド部202から画像を印刷し、そのときの画像パターンと位置情報を記憶しておく。そして、これをトリガにして光学センサ201で画像を定期的にスキャンして取り込む。そして、その画像が記憶した画像パターンと一致したときに、そのときの位置情報とトリガとなった画像を印刷した際に取得した位置情報との差分から距離X1を算出し、それを予め記憶している距離X0と比較して補正を行う。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であるから技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は以下の説明において本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
図2は本発明に係る携帯型画像形成装置の一実施の形態であるモバイルプリンタにおける機能ブロック図である。
本発明に係る携帯型画像形成装置の一実施の形態であるモバイルプリンタ200のその大きさ及び重量は携帯性を損なわないことを要し、特に手ごろなものとして持ち運びができ片手で操作できる程度の大きさ及び重量であることが好ましい。
なお、モバイルプリンタ200の使用時における長手方向の長さは、一般的に用いられる記録媒体のサイズ程度の長さであると、所定の進行方向へ一回のみ操作(走査)することで一般的に用いられる記録媒体の画像形成が行われるため好ましい。例えば、モバイルプリンタ200がA4の短手方向の長さを有し、A4の長手方向の長さ分(1回だけ連続で)移動しながら画像形成することで、A4サイズの面積の画像形成が可能である。
ただし、本発明は上述した態様に何ら限定されるものではなく、所定の進行方向へ複数回操作(走査)することで画像形成(並びに、読み取りによる位置情報の取得)が行われるものであってもよい。例えば、一行ずつ画像形成できるものであって、所望の行数分だけ操作(走査)することで所望の画像を得るものとすることができる。
コントローラ/エンジン機能部100はモバイルプリンタ200全体の制御を行う。
電源110はモバイルプリンタ200全体の電力供給を行うものであり、電池等の交換可能なもの、あるいは外部電源に接続可能で該外部電源により充電可能なものであることが好ましい。
位置検知センサ204はモバイルプリンタ200の位置を検知し、光学センサ201は位置検知センサ204で取得した位置情報の補正制御時に使用するものである。
不揮発性メモリ102はプログラムや制御や補正用のパラメータやデータといった情報を記憶する。
図3は、本発明に係る携帯型画像形成装置の一実施の形態であるモバイルプリンタにおけるプリンタ底面部の構成を示す底面図である。
モバイルプリンタ200は、画像検出手段である光学センサ201、記録ヘッドであるプリンタヘッド部202、ホイール部203、位置検知手段である位置検知センサ204を有している。光学センサ201は位置補正用のセンサである。これは、図2の光学センサ検知モジュール105を使用して、光学センサ201からの信号を画像に変換する。位置検知センサ204は図2でも挙げたとおり、加速度センサや光学センサといったものが用いられる。またこれは、図2の位置検知モジュール104を使用して、センサからの信号を位置座標情報に変換する。光学センサ201を位置検知としても使用する場合(光学センサ201が位置検知センサの機能を兼ねる場合)は位置検知センサ204を設けなくてもよい。
このとき、光学センサ201の大きさは必ずしもプリンタヘッド部202が形成した全ての画像を取り込める大きさである必要はない。つまり、図3における上下方向の長さが、(プリンタヘッド部202)>(光学センサ201)となる構成をとることも可能である。
また、光学センサ201の各センサの配列方向と、プリンタヘッド部202の吐出ヘッドの配列方向とが平行になるように配置を行う。
次に、図4を参照しながら所定の進行方向に進行するときの位置ずれの補正を行う補正処理内容について説明する。
図4は、本発明に係る携帯型画像形成装置の一実施の形態であるモバイルプリンタにおける位置情報の補正処理方法について説明する図である。
モバイルプリンタ200は、プリンタヘッド部202、光学センサ201、位置検知センサ204を有する。なお、位置検知センサ204は光学センサ201を位置検知センサとしても使用する場合には設けなくてもよい。
モバイルプリンタ200は記憶画像パターン303とそのときの位置情報を記憶したことを起点として、光学センサ201を使用し定期的に(一定時間毎に)画像を取得し、モバイルプリンタ200が記憶した記憶画像パターン303と当該取得した画像(比較画像パターン304)とが同じかを比較判定する。
そして、X1>X0+ΔX、もしくはX1<X0−ΔXの場合、組み付け誤差±ΔXを含めた距離(X0±ΔX)との差分(X1−(X0±ΔX))を補正値として用い、現在の位置情報からこの補正値を引くことで補正を行う。
一方X0−ΔX≦X1≦X0+ΔXの場合、差分(X1−X0)を補正値として用い、現在の位置情報からこの補正値を引くことで補正を行う。
組み付け誤差ΔXに関しては、組み付けの際に生じる誤差の最大値をΔX、最小値を−ΔXとしてもよいし、組み付けの際に生じる誤差が正規分布的に発生するとみなしてその平均(正負それぞれについての平均値)を±ΔXとしてもよい。
図5は本発明に係る携帯型画像形成装置の一実施の形態であるモバイルプリンタにおける位置情報の補正処理の制御フローを示す図である。
まず、S501でプリンタヘッド部202から記録媒体1へインクが吐出され、画像が形成されたかどうかを判断する。noの場合は、プリンタヘッド部202から画像パターンが吐出されるまで繰り返し判定を行う。yesになったら、S502で形成した画像パターンaとそのときの位置情報aをRAMやROMに記憶しておく。
これまでに説明した補正処理に加え、目的の画像パターンを読み取る前に同様のパターンが読み取られた場合の誤認識回避処理を行ってもよい。
図6は本発明に係る携帯型画像形成装置の一実施の形態であるモバイルプリンタにおける位置情報の補正処理での誤認識回避を説明するための図である。
ここで、図6(a)ではプリンタヘッド部202から記憶画像パターン303が形成されるが、このとき既に記憶画像パターン303と同じ画像パターンである同一画像パターン305が形成されている場合に補正処理を行うときには、誤認識回避処理を行うことが好ましい。図6(a)に示す状態から図5に示す制御フローで処理した場合、図6(b)に示すように、同一画像パターン305を読み取ったときに記憶画像パターン303と同じと判断され、補正値算出フローに入ってしまい、本来期待されない補正値が算出される。このような誤認識を防ぐために、以下のような誤認識回避のための制御を行うことが好ましい。
この誤認識回避の処理は、想定している距離X0(あるいはX0±ΔX)とかけ離れているものであれば、目的の画像パターンとは異なっていると判断するものである。本実施形態の補正処理では定期的に位置情報の補正を行っているため、位置情報はある程度の精度が出せており、距離X2が大きく離れた値にはならないことから、この誤認識回避方法を取ることができ、補正処理における誤認識を防ぐことができる。
図7は、本発明に係る携帯型画像形成装置の一実施の形態であるモバイルプリンタにおける光学センサ201の読み取り誤差に対する補正方法について説明する図である。
画像パターンaである記憶画像パターン300はプリンタヘッド部202から吐出し形成した画像パターンの一例(上面図)を示している。
一致読取画像パターン301は光学センサ201で読み取った画像パターンを示している。この場合は、光学センサ201で読み取った画像パターンと記憶画像パターン300とは位置も形状(画像パターン)も完全に一致するので、そのときに検知した位置情報も読み取りタイミングによる誤差が発生しない。
そこで、記憶画像パターン300と不一致読取画像パターン302との誤差が何画素分あるかを比較し、(ずれた画素数)×(光学センサ201の画素間隔)からずれ量(ずれた距離)を算出し、それを算出する距離X1に対して補正することで、読み取りタイミング誤差を打ち消す。光学センサ201の画素間隔は光学センサ201の解像度より算出することが可能である。
図8は、本発明に係る携帯型画像形成装置の一実施の形態であるモバイルプリンタにおけるプリンタ底面部の変形例(第2の実施形態)の構成を示す底面図である。
すなわち図8に示す第2の実施形態のモバイルプリンタ200では、上述した一方向(図3における右方向)のみに進行可能な第1の実施形態と異なり、一方向およびその反対方向に進行可能に(図8における左右方向に進退可能に)構成されている。
光学センサに関しては、光学センサ201a,201bの2つが設けられ、これらでプリンタヘッド部202を挟んだ構成である。すなわち、プリンタヘッド部202に対して1の進行方向側および該1の進行方向の反対方向側に光学センサ201a,201bがそれぞれ配置されている。なお、図3に示す構成と同様に、光学センサ201a,201bとプリンタヘッド部202とは平行に配置する。
また、光学センサ201a,201bそれぞれとプリンタヘッド部202との進行方向における距離Xa(あるいは組み付け誤差±ΔXaを加えた量)、距離Xb(あるいは組み付け誤差±ΔXbを加えた量)を予め決めておき、不揮発性メモリ102に記憶しておく。
補正処理の制御フローの詳細については以下において詳述する。
図9は、本発明に係る携帯型画像形成装置の一実施の形態であるモバイルプリンタにおける位置情報の補正処理の変形例(第2の実施形態)の制御フローを示す図である。
すなわち図9に示す第2の実施形態のモバイルプリンタ200では、上述した一方向(図3における右方向)のみに進行可能な第1の実施形態と異なり、一方向およびその反対方向に進行可能に(図8における左右方向に進退可能に)構成されている。
図8における右方向に進んでいる場合はS902に進み、その際の補正では左側の光学センサ201aを使用するように設定する。
一方、図8における左方向に進んでいる場合はS903に進み、その際の補正では右側の光学センサ201bを使用するように設定する。
このように、モバイルプリンタ200の進行方向に基づき、2つの光学センサ201a,201bうちいずれを使うかを切り替える。なお、後述するように距離Xaと距離Xbのいずれを使うかについても同様に切り替える。
S904でプリンタヘッド部202から記録媒体1へインクが吐出され、画像が形成されたかどうかを判断する。noの場合は、プリンタヘッド部202から画像パターンが吐出されるまで繰り返し判定を行う。yesになったら、S905で形成した画像パターンaとそのときの位置情報aをRAMやROMに記憶しておく。
さらに、S914においてS912、もしくはS913で算出した補正値情報をメモリ内にある補正値パラメータ情報に更新を行い、終了する。
すなわち、X1>Xa+ΔXa、もしくはX1<Xa−ΔXaの場合、差分(X1−(Xa±ΔXa))を補正値とし、Xa−ΔXa≦X1≦Xa+ΔXaの場合、差分(X1−Xa)を補正値として、位置ずれの補正に用いる。あるいは、X1>Xb+ΔXb、もしくはX1<Xb−ΔXbの場合、差分(X1−(Xb±ΔXb))を補正値とし、Xb−ΔXb≦X1≦Xb+ΔXbの場合、差分(X1−Xb)を補正値として、位置ずれの補正に用いる。
101 CPU101
102 不揮発性メモリ
103 画像処理モジュール
104 位置検知モジュール
105 光学センサ検知モジュール
106 ヘッド制御部
107 ヘッド駆動部
108 インターフェイス部
110 電源
200 モバイルプリンタ
201 光学センサ
201a 光学センサ(左側)
201b 光学センサ(右側)
202 プリンタヘッド部
203 ホイール部
204 位置検知センサ
204’ 位置検知センサ(移動前)
300 記憶画像パターン(上面図)
301 一致画像パターン(上面図)
302 不一致画像パターン(上面図)
303 記憶画像パターン(側面図、t=0)
304 比較画像パターン(側面図、t<0)
305 同一画像パターン(側面図、t<0)
Claims (10)
- 所定の進行方向に進行しながら記録媒体上に画像を形成する携帯型画像形成装置であって、
記録ヘッドを有し、前記記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、
前記記録媒体上に形成された画像を検出する画像検出手段と、
当該携帯型画像形成装置の位置を検知する位置検知手段と、
前記所定の進行方向に進行するときの位置ずれの補正を行う補正手段と、を備え、
前記記録ヘッドは、前記画像検出手段に対して前記所定の進行方向における進行方向先端側に、且つ、前記画像検出手段に対して前記所定の進行方向において距離X0の間隔を設けて配置され、
前記記録ヘッドが前記記録媒体上に画像パターンaを形成するとき、前記位置検知手段は位置情報aを検知し、
前記画像検出手段は、前記記録媒体上に形成された画像を定期的に読み取り、前記画像パターンaと一致するか否かの判定を行い、
当該判定で前記画像パターンaと一致した場合、前記位置検知手段は、前記画像検出手段が前記画像パターンaを検出したときの位置情報bを検知し、
前記補正手段は、前記位置情報aおよび前記位置情報bから当該携帯型画像形成装置が前記画像パターンaを形成したときから前記画像検出手段が前記画像パターンaを検出したときまでに進んだ距離X1を計算し、前記距離X0との差分(X1−X0)を補正値として位置ずれの補正に用いることを特徴とする携帯型画像形成装置。 - 前記距離X0は、組み付け誤差±ΔXを有し、
前記補正手段は、
X1>X0+ΔX、もしくはX1<X0−ΔXの場合、差分(X1−(X0±ΔX))を補正値とし、
X0−ΔX≦X1≦X0+ΔXの場合、差分(X1−X0)を補正値として、位置ずれの補正に用いることを特徴とする請求項1に記載の携帯型画像形成装置。 - 前記差分(X1−X0)が所定の値以上である場合、
前記補正手段は、当該差分(X1−X0)を補正値として用いず、
前記画像検出手段は、前記記録媒体上に形成された画像を定期的に読み取り、前記画像パターンaと一致するか否かの判定を続けることを特徴とする請求項1または2に記載の携帯型画像形成装置。 - 前記補正手段は、前記画像検出手段が前記画像パターンaを検出したときに、読み取りタイミングによるずれが生じていた場合、当該読み取りタイミングによるずれを算出し、前記位置情報bに対して補正をして前記距離X1を算出することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の携帯型画像形成装置。
- 前記画像検出手段と、前記位置検知手段とが、1のセンサからなり、当該1のセンサが画像の検出と位置の検知とを行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の携帯型画像形成装置。
- 前記所定の進行方向は、1の方向と、該1の方向の反対方向とであり、
前記画像検出手段は2つ設けられ、前記記録ヘッドに対して前記1の方向側および前記1の方向の反対方向側にそれぞれ配置されてなり、
一方の画像検出手段は、前記所定の進行方向において前記記録ヘッドと距離Xaの間隔を設けて配置され、
他方の画像検出手段は、前記所定の進行方向において前記記録ヘッドと距離Xbの間隔を設けて配置されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の携帯型画像形成装置。 - 当該携帯型画像形成装置の進行方向に基づき、2つの前記画像検出手段のうちいずれを使うかを切り替えると共に、前記距離Xaおよび前記距離Xbのいずれを使うかを切り替えることを特徴とする請求項6に記載の携帯型画像形成装置。
- 前記距離Xaは、組み付け誤差±ΔXaを有し、
前記補正手段は、
X1>Xa+ΔXa、もしくはX1<Xa−ΔXaの場合、差分(X1−(Xa±ΔXa))を補正値とし、
Xa−ΔXa≦X1≦Xa+ΔXaの場合、差分(X1−Xa)を補正値として、位置ずれの補正に用い、
前記距離Xbは、組み付け誤差±ΔXbを有し、
前記補正手段は、
X1>Xb+ΔXb、もしくはX1<Xb−ΔXbの場合、差分(X1−(Xb±ΔXb))を補正値とし、
Xb−ΔXb≦X1≦Xb+ΔXbの場合、差分(X1−Xb)を補正値として、位置ずれの補正に用いることを特徴とする請求項6または7に記載の携帯型画像形成装置。 - 前記距離X0、前記距離Xaまたは前記距離Xbは、組み付け誤差を有し、
前記組み付け誤差は、組み付けの際に生じる誤差のうち最大値および最小値であることを特徴とする請求項6乃至8のいずれかに記載の携帯型画像形成装置。 - 前記距離X0、前記距離Xaまたは前記距離Xbは、組み付け誤差を有し、
前記組み付け誤差は、組み付けの際に生じる誤差を正規分布とみなしたときの正の値の平均値および負の値の平均値であることを特徴とする請求項6乃至8のいずれかに記載の携帯型画像形成装置。
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