JP6357398B2 - 間接印刷のための反応性ラテックスを含むデュアル構成成分インク - Google Patents
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Description
本実施形態のインクは、デュアル構成成分を含み、ここでこの構成成分の一方は、第1の架橋性官能基を有する第1の反応性ラテックスを含み、もう一方は、第2の架橋性官能基を有する第2の反応性ラテックスを含む。2つの構成成分は、互いに接触しないように包装できる。各成成分は、他の構成成分と混合される場合に、架橋または重合を行うことができる反応性材料を含む。さらに、反応性構成成分のそれぞれは、エマルション連続相(水)と接触して反応を生じ、エマルション内に薄いコーティングまたはスキンを形成してもよく、さらに反応は、2つの乳化された構成成分が混ぜられ、機械的圧力が適用されて各乳化された反応構成成分液滴を囲む保護スキン層が「破れる」場合に生じ得る。第1の反応性ラテックスは、第2の反応性ラテックスと反応でき、互いに接触した場合に架橋されたポリマーマトリックスを形成する。架橋されたポリマーマトリックスは、ポリウレタン、フェノール−メタナール、尿素−ホルムアルデヒド、メラミン−ホルムアルデヒド、またはエポキシドであることができる。
実施形態において、架橋されたポリマーマトリックスは、ポリウレタンを含む。第1の反応性ラテックスおよび第2の反応性ラテックスの一方は、ポリオールを含んでいてもよく、第1の反応性ラテックスおよび第2の反応性ラテックスの他方は、ジイソシアネートを含んでいてもよい。
実施形態において、架橋ポリマーマトリックスは、フェノール−メタナールを含む。第1の反応性ラテックスおよび第2の反応性ラテックスの一方は、フェノールを含んでいてもよく、第1の反応性ラテックスおよび第2の反応性ラテックスの他方は、メタナールを含んでいてもよい。フェノールとメタナールとのモル比は、連続的に約0.5:1〜約2:1、約0.5:1〜約1:1、または約1:1〜約2:1で変動できる。
実施形態において、架橋されたポリマーマトリックスは、尿素−ホルムアルデヒドを含む。第1の反応性ラテックスおよび第2の反応性ラテックスの一方は、尿素を含んでいてもよく、第1の反応性ラテックスおよび第2の反応性ラテックスの他方は、ホルムアルデヒドを含んでいてもよい。尿素とホルムアルデヒドとのモル比は、連続的に約0.5:1〜約2:1、約0.5:1〜約1:1、または約1:1〜約2:1で変動し得る。
実施形態において、架橋されたポリマーマトリックスは、メラミン−ホルムアルデヒドを含む。第1の反応性ラテックスおよび第2の反応性ラテックスの一方は、メラミンを含んでいてもよく、第1の反応性ラテックスおよび第2の反応性ラテックスの他方は、ホルムアルデヒドを含んでいてもよい。メラミンとホルムアルデヒドとのモル比は、連続的に約0.5:1〜約2:1、約0.5:1〜約1:1、または約1:1〜約2:1で変動し得る。
実施形態において、架橋されたポリマーマトリックスは、エポキシド(オキシランとしても既知)と、種々の求核物質、例えばヒドロキシド、アミンおよびカルボン酸官能基との反応から誘導される。好適なエポキシドの例としては、以下が挙げられる:
インク組成物は、水、または水と共溶媒、保湿剤など(以降、共溶媒)と称される水溶性または水混和性有機構成成分との混合物を含んでいてもよく、この共溶媒としては、例えばアルコールおよびアルコール誘導体(脂肪族アルコール、芳香族アルコール、ジオール(dial)、グリコールエーテル、ポリグリコールエーテル、長鎖アルコール、一級脂肪族アルコール、二級脂肪族アルコール、1,2−アルコール、1,3−アルコール、1,5−アルコール、エチレングリコールアルキルエーテル、プロピレングリコールアルキルエーテル、メトキシル化グリセロール、エトキシル化グリセロール、ポリエチレングリコールアルキルエーテルの高級同族体などを含み、具体的な例としてはエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,3,−プロパンジオール、2−エチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、3−メトキシブタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、2,4−ヘプタンジオールなどが挙げられる)であり;または好適にはアミド、エーテル、尿素、置換尿素、例えばチオ尿素、エチレン尿素、アルキル尿素、アルキルチオ尿素、ジアルキル尿素、およびジアルキルチオ尿素、カルボン酸およびそれらの塩、例えば2−メチルペンタン酸、2−エチル−3−プロピルアクリル酸、2−エチル−ヘキサン酸、3−エトキシプロピオン酸(proponic,acid)など、エステル、オルガノスルフィド、オルガノスルホキシド、スルホン(例えばスルホラン)、カルビトール、ブチルカルビトール、セロソルブ(cellusolve)、エーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、エーテル誘導体、ヒドロキシエーテル、アミノアルコール、ケトン、N−メチルピロリジノン、2−ピロリジノン、シクロヘキシルピロリドン、アミド、スルホキシド、ラクトン、ポリ電解質、メチルスルホニルエタノール、イミダゾール、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ベタイン、糖、例えば1−デオキシ−D−ガラクチトール、マンニトール、イノシトールなど、置換および非置換ホルムアミド、置換および非置換アセトアミド、および他の水溶性または水混和性材料、ならびにこれらの混合物である。実施形態において、共溶媒は、エチレングリコール、N−メチルピロリドン、メトキシル化グリセロール、エトキシル化グリセロール、およびこれらの混合物からなる群から選択される。水と、水溶性または水混和性有機液体との混合物が液体ビヒクルとして選択される場合、水と有機物との比の範囲は、いずれかの好適なまたは所望の比、実施形態においては約100:0〜約30:70、または約97:3〜約40:60、または約95:5〜約60:40であることができる。液体ビヒクルの非水構成成分は、一般に水(100℃)の場合よりも高い沸点を有する保湿剤または共溶媒として作用する。インクビヒクルの有機構成成分はまた、インクの表面張力を変更し、インク粘度を変更し、着色剤を溶解または分散し、および/またはインクの乾燥特徴に影響を与えるように作用し得る。
本明細書のインク組成物はまた、着色剤を含有してもよい。いずれかの好適なまたは所望の着色剤は、顔料、染料、染料分散液、顔料分散液、およびこれらの混合物および組み合わせを含んで、本明細書の実施形態において使用できる。
実施形態のインクは、いずれかの好適な技術およびプロセス、例えば成分の単純な混合によって調製されてもよい。1つのプロセスは、インク成分すべてを共に混合し、この混合物を濾過することによりインクを得ることを必要とする。インクは、成分を混合し、所望により加熱し、濾過し、続いていずれかの所望の追加添加剤を混合物に添加し、室温で適度な振とうにより均一な混合物が得られるまで、1つの実施形態においては約5〜約10分混合することによって調製できる。あるいは、任意のインク添加剤は、インク調製プロセスの間に他のインク成分と混合でき、これはいずれかの所望の手順に従って、例えばすべての成分を混合し、所望により加熱し、濾過することによって行われる。さらにインク調製方法の例は、以下の実施例に示される。
ポリマー性樹脂
いずれかの好適なポリマー樹脂が使用できる。可能性としての樹脂は、事実上非晶質および結晶性であるポリエステルまたは両方の混合物である。好適な非晶質ポリエステル樹脂は、以下の式(I)を有するコポリ(プロポキシル化ビスフェノールAコ−フマレート)−コポリ(プロポキシル化ビスフェノールAコ−テレフタレート)樹脂(非晶質ポリエステルX)であってもよい:
式中、Rは、水素またはメチル基であってもよく、mおよびnは、コポリマーのランダムユニットを表し、mは約2〜10であってもよく、nは約2〜10であってもよい。好適な結晶性ポリエステル樹脂は、以下の式を有するエチレングリコール、ならびにドデカン二酸およびフマル酸コモノマーの混合物から形成される樹脂(結晶性ポリエステルY)を含んでいてもよい:
予測実施例:インク1Aのための反応性ラテックスの調製
190gの非晶質ポリエステルXおよび15gの1,12−ドデカンジアミンを、1Lのケトルに計量する。100gのメチルエチルケトン(MEK)および40gのイソプロパノール(IPA)を別個に計量し、ビーカーに共に混合する。溶媒を樹脂を含有する1Lのケトルに注ぐ。カバーを付け、ガスケット、冷却器、2つのゴムストッパーを備えたケトルを、樹脂が「軟質」になるまで、48℃(Trが45〜46℃に近づくように確実にする)に設定された水浴内に1時間置く。アンカーブレードインペラをケトル中に設置し、おおよそ150RPMにて回転するようにスイッチを入れる。3時間後、すべての樹脂が溶解したとき、8.69gの10%NH4OHを、ゴムストッパーを通して使い捨てピペットを用いて混合物に滴下する。混合物を10分間撹拌する。600gの脱イオン水(DIW)を、ゴムストッパーを通してポンプによりケトルに添加することにする。まず400gを、約4.4g/分の速度に設定されたポンプで90分以内に添加する。最後の200gを、約6.7g/分に設定されたポンプを用いて30分以内に添加する。装置を取り除き、混合物をガラスパンに注いで、これをドラフトに一晩維持し、磁性撹拌棒によって撹拌し、結果として溶媒を蒸発除去できる。
予測実施例:インク1Aの配合物
50mLのアンバーガラスバイアル瓶に、界面活性剤およびカーボンブラック分散液を添加し、混合物を200RPMにて磁性撹拌棒で撹拌しながら、水(−20%、ラテックスビーカーを洗浄するため)を徐々に添加した。ラテックス(インク1Aについて上記で調製された)のpHを、別個に約6.8に調整し、次いでバイアル瓶に徐々に添加し、これに20%の水を流し、ラテックス残留物を洗浄した。次いでインクを2,000RPMで5分間均質化した。
予測実施例:インク1Bのための反応性ラテックスの調製
1,12−ドデカンジアミンを25.5gのビスフェノールAジグリシジルエーテルと置き換えて上記で概要された手順を繰り返す。
予測実施例:インク1Bの配合物
インク1Aのために調製された反応性ラテックスを、インク1Bのために調製されたものと置き換えて、上記で概要された手順を繰り返す。
Claims (17)
- 間接印刷プロセスに使用するためのデュアル構成成分インクであって:
第1の架橋性官能基を有する第1の反応性ラテックスを含む第1の成分インク;および
第2の架橋性官能基を有する第2の反応性ラテックスを含む第2の成分インクを含み、 前記第1の反応性ラテックスおよび前記第2の反応性ラテックスは互いに接触していないが、互いに接触したときに前記第1の反応性ラテックスは前記第2の反応性ラテックスと反応して、架橋されたポリマーマトリックスを形成することができ、
前記架橋されたポリマーマトリックスはポリウレタン、フェノール−メタナール、尿素−ホルムアルデヒド、メラミン−ホルムアルデヒド、およびエポキシ樹脂からなる群から選択され、
前記第1の成分インク及び前記第2の成分インクは、それぞれ、顔料、染料、顔料と染料との混合物、顔料の混合物、および染料の混合物からなる群から選択される着色剤を更に含む、
デュアル構成成分インク。 - 前記第1の反応性ラテックスおよび前記第2の反応性ラテックスの一方がポリオールを含み、
前記第1の反応性ラテックスおよび前記第2の反応性ラテックスの他方がジイソシアネートを含む、
請求項1に記載のデュアル構成成分インク。 - 前記ポリオールはアルキレングリコールを含む、請求項2に記載のデュアル構成成分インク。
- 前記ジイソシアネートは脂肪族ジイソシアネートを含む、請求項2又は請求項3に記載のデュアル構成成分インク。
- 前記第1の反応性ラテックスおよび前記第2の反応性ラテックスの一方がフェノールを含み、
前記第1の反応性ラテックスおよび前記第2の反応性ラテックスの他方がメタナールを含み、
前記架橋されたポリマーマトリックスはフェノール−メタナールである、
請求項1に記載のデュアル構成成分インク。 - 前記第1の反応性ラテックスおよび前記第2の反応性ラテックスの一方が尿素を含み、 前記第1の反応性ラテックスおよび前記第2の反応性ラテックスの他方がホルムアルデヒドを含み、
前記架橋されたポリマーマトリックスは尿素−ホルムアルデヒドである、
請求項1に記載のデュアル構成成分インク。 - 前記第1の反応性ラテックスおよび前記第2の反応性ラテックスの一方がメラミンを含み、
前記第1の反応性ラテックスおよび前記第2の反応性ラテックスの他方がホルムアルデヒドを含み、
前記架橋されたポリマーマトリックスはメラミン−ホルムアルデヒドである、
請求項1に記載のデュアル構成成分インク。 - 前記第1の成分インクは表面張力が15〜50mN/mであり、
前記第2の成分インクは表面張力が15〜50mN/mである、
請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のデュアル構成成分インク。 - 前記第1の成分インクは30℃での粘度が2cp〜20cpであり、
前記第2の成分インクは30℃での粘度が2cp〜20cpである、
請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載のデュアル構成成分インク。 - 前記第1の成分インク及び前記第2の成分インクはそれぞれ保湿剤を更に含む、請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載のデュアル構成成分インク。
- 間接印刷システムであって:
a)噴出されたインクを受容するための中間受容部材;
b)前記中間受容部材に隣接した、デュアル構成成分インクを保持する保持構成、
ここで、前記デュアル構成成分インクは、第1の架橋性官能基を有する第1の反応性ラテックスを含む第1の成分インクおよび第2の架橋性官能基を有する第2の反応性ラテックスを含む第2の成分インクを含み、
前記第1の反応性ラテックスと前記第2の反応性ラテックスとが互いに接触したときに前記第1の反応性ラテックスは前記第2の反応性ラテックスと反応して、架橋されたポリマーマトリックスを形成することができ、
前記架橋されたポリマーマトリックスは、ポリウレタン、フェノール−メタナール、尿素−ホルムアルデヒド、メラミン−ホルムアルデヒド、およびエポキシ樹脂からなる群から選択され、
前記第1の成分インク及び前記第2の成分インクは、それぞれ、顔料、染料、顔料と染料との混合物、顔料の混合物、および染料の混合物からなる群から選択される着色剤を更に含み、
前記保持構成は、前記第1の成分インクを保持する第1の容器および前記第2の成分インクを保持する第2の容器を更に含む;
c)前記第1の成分及び前記第2の成分の両方ともが前記中間受容部材に噴出され、混合されることにより、前記第1の反応性ラテックスを前記第2の反応性ラテックスと反応させて、架橋されたポリマーラテックスが形成されるように、前記デュアル構成成分インクを噴出するための、前記第1の容器と前記第2の容器とに接触した状態で形成されている1つ以上のインクジェットノズル、
ここで、前記架橋されたポリマーマトリックスは、ポリウレタン、フェノール−メタナール、尿素−ホルムアルデヒド、メラミン−ホルムアルデヒド、およびエポキシ樹脂からなる群から選択される;および、
d)前記架橋されたポリマーマトリックスを加熱するためのヒーターデバイス、
を含む間接印刷システム。 - 前記第1の成分インクは前記中間受容部材に噴出され、
続いて、前記第2の成分インクは前記中間受容部材に噴出される、
請求項11に記載の間接印刷システム。 - 水性インクを用いて印刷する方法であって:
a)デュアル構成成分インクを付与すること、
ここで、前記デュアル構成成分インクは、第1の架橋性官能基を有する第1の反応性ラテックスを含む第1の成分インクと、第2の架橋性官能基を有する第2の反応性ラテックスを含む第2の成分インクと、含み、
前記第1の反応性ラテックスおよび前記第2の反応性ラテックスは互いに接触していないが、互いに接触したときに前記第1の反応性ラテックスは前記第2の反応性ラテックスと反応して、架橋されたポリマーマトリックスを形成することができ、
前記第1の成分インクおよび前記第2の成分インクは、それぞれ、顔料、染料、顔料と染料との混合物、顔料の混合物、および染料の混合物からなる群から選択される着色剤を更に含む、
b)第1のインクジェットによって前記第1の反応性ラテックスを中間基材に塗布して、第2のインクジェットによって前記第2の反応性ラテックスを前記中間基材に塗布すること;
c)前記第1の反応性ラテックスおよび前記第2の反応性ラテックスを反応させて、架橋されたポリマーマトリックスを含むインクフィルムを形成すること、
ここで、前記架橋されたポリマーマトリックスは、ポリウレタン、フェノール−メタナール、尿素−ホルムアルデヒド、メラミン−ホルムアルデヒド、およびエポキシ樹脂からなる群から選択される;および、
d)前記インクフィルムを前記中間基材から最終基材に転写すること、
を含む、水性インクを用いて印刷する方法。 - 前記第1の反応性ラテックスおよび前記第2の反応性ラテックスは前記中間基材上で混合される、請求項13に記載の方法。
- 前記架橋されたポリマーマトリックスは、ポリウレタン、フェノール−メタナール、尿素−ホルムアルデヒド、メラミン−ホルムアルデヒド、およびエポキシ樹脂からなる群から選択される、請求項13又は14に記載の方法。
- 前記水性インクは表面張力が15〜50mN/mである、請求項13〜請求項15のいずれか1項に記載の方法。
- 前記水性インクは30℃での粘度が2cp〜20cpである、請求項13〜請求項16のいずれか1項に記載の方法。
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