JP6356883B2 - 超伝導マグネットアセンブリ及び冷却試料ヘッド部品を備えるnmr装置 - Google Patents

超伝導マグネットアセンブリ及び冷却試料ヘッド部品を備えるnmr装置 Download PDF

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Description

本発明は、NMR装置であって、真空タンクと100K未満の動作温度で動作され得る冷凍ステージとを有する低温槽を備え、且つ低温槽の室温アクセス部が係合する低温ボアを備える超伝導マグネットコイルシステムを備える、超伝導マグネットアセンブリと、動作中にもたらされる100K未満の動作温度まで冷却される試料ヘッド部品を備えるNMR試料ヘッドと、動作温度が35.4K未満の第2の冷却ステージと、動作温度が第2の冷却ステージの動作温度よりも高い第1の冷却ステージとを有し、断熱ハウジング内に配置された、少なくとも2段ステージの冷凍機と、断熱ハウジング内でもたらされる2つの対向する冷媒流のための、2つの流入口及び2つの流出口を備える対向流熱交換器と、冷凍機の第1の冷却ステージの熱交換器から、直接又は間接的に、対向流熱交換器の第1の流入口へと冷媒を案内する冷却ラインと、対向流熱交換器の第2の流出口から、直接又は間接的に、冷凍機の第2の冷却ステージの熱交換器へと冷媒を案内する冷却ラインと、冷却試料ヘッド部品へ、又は冷却試料ヘッド部品の熱交換器へ、冷媒を案内する冷却ラインと、低温槽の真空部分の熱交換器へ冷媒を案内する冷却ラインと、を備える、NMR装置に関する。
この種のアセンブリは、例えば特許文献1(文献[1])から知られている。
本発明は、超伝導マグネットコイルシステムを冷却するための、また、NMR試料ヘッドの部品を冷却するための低温システムの分野に関し、例えば、磁気共鳴分光法(NMR)又は磁気共鳴イメージング(MRI)で使用するための低温システムの分野に関する。しかしながら、本発明の適用可能性は、上記分野に限定されない。
超伝導マグネットコイルシステムは、超伝導体の転移温度未満の温度を保つために、低温槽内で動作させる。一般的に、低温槽は、1つ以上の低温タンクが内部に配置された真空タンクを有し、各低温タンクには、冷媒(例えば、液体ヘリウム又は液体窒素)が収容される。最低温の低温タンク内に、超伝導マグネットコイルシステムを設置する。これにより、超伝導マグネットコイルシステムは、極めて温度安定性高く、一様に冷却される。浴内で冷却されるこの種のシステムは、例えばNMR分光計において一般的である。これらのシステムでは、低温タンクへの熱流入によってどうしても冷媒が絶えず蒸発するため、定期的にタンクに冷媒を補充しなければならない。あるいは、低温槽の冷凍機によって冷媒を凝縮する場合もあれば、超伝導マグネットコイルシステム及び/又は低温槽の1つ以上の放射シールドを冷凍機の冷却ステージに熱的に取り付けることによって、冷却する場合もある。
NMR試料ヘッドを設置するために、低温槽の真空タンクには、一般的に、超伝導マグネットコイルシステムの低温ボア内に室温アクセス部が設けられる。NMR試料ヘッドを室温で動作させると信号の質に支障があることから、冷却部品を備えるNMR試料ヘッドが使用される。この種のNMR低温試料ヘッドの様々な設計が知られている。普通、NMR低温試料ヘッドは、取り外し可能とするために、低温槽の室温アクセス部に取り付けられ、このケースでは、冷却部品は、別個の断熱タンクに配置され、冷却回路によって冷却される。しかしながら、低温槽の断熱真空部分に少なくとも部分的に固定して取り付けられたNMR低温試料ヘッドもまた知られている。
従来技術
超伝導マグネットコイルシステムを冷却するための様々な低温システム及びNMR試料ヘッドの部品を冷却するための様々な低温システムが知られ、これらの違いは、特に、測定機器ベースのユニットにおけるマグネットアセンブリとNMR試料ヘッドとの機械的な一体化に関し、また、マグネットコイルシステム及びNMR試料ヘッドを冷却するための低温システムの部品の共用に関する。
特許文献2(文献[2])、特許文献3(文献[3])、特許文献4(文献[4])及び特許文献5(文献[5])は、マグネットアセンブリの低温槽の室温アクセス部に取り外し可能であるように取り付けられたNMR低温試料ヘッドを備えるアセンブリを開示している。
特許文献3、特許文献4及び特許文献5では、NMR低温試料ヘッドとマグネットアセンブリの低温槽の部品とは、共通の冷凍機によって冷却される。
特許文献3及び特許文献4では、超伝導マグネットアセンブリの低温槽からのヘリウムガスを、低温槽のヘリウムガス流出口において、冷凍機によって凝縮する。冷凍機はまた、熱交換器によって、NMR低温試料ヘッドの冷却回路を冷却する。特許文献5では、冷凍機が、ネック管において超伝導マグネットアセンブリの低温槽に取り付けられる。ネック管は、低温槽のヘリウムタンクに連通する。ネック管からのヘリウムガスは、冷却回路を通じて、NMR低温試料ヘッドへ案内される。ヘリウムガスは、ネック管の下端(最低温)において凝縮され、低温槽のヘリウムタンク内へ流れ戻る。
これらの3つのアセンブリは、冷凍機の最低温ステージを液体ヘリウムの沸点(4.2K)未満で動作させなければならないために、冷却コストが高い点で不利であり、また、冷凍機が低温槽のヘリウムガス流出口に直接取り付けられるために、冷凍機の振動が低温槽に伝わる点で不利である。振動は、NMR測定に影響を与える場合がある。
特許文献2では、NMR低温試料ヘッドは、マグネットアセンブリの低温槽の冷凍槽(例えば、窒素タンク)に熱的に接続される冷却回路によって冷却される。このアセンブリは、低温槽の低温液体消費が増える点で不利である。
特許文献6(文献[6])に係るアセンブリは、超伝導マグネットアセンブリの低温槽の真空タンクに設置されるNMR低温試料ヘッドを備える。このアセンブリは、マグネットアセンブリ及びNMR低温試料ヘッドがもはや機械的にモジュール式ではない点で不利である。NMR低温試料ヘッドを(例えば、故障の場合に)交換するためには、又はNMR低温試料ヘッドの機能範囲に様々な要件を課すNMR測定を行うためには、低温槽の真空部分を壊さなければならない。したがって、NMR試料ヘッドを変えるには、超伝導マグネットコイルシステムを放電し、マグネットアセンブリを加熱する必要がある。
最後に、特許文献1に係るアセンブリは、以下の特徴を有するNMR装置を開示している。
−超伝導マグネットアセンブリ
−真空タンクを備える低温槽
−低温槽の室温アクセス部が係合する低温ボアを備える超伝導マグネットコイルシステム
−室温アクセス部内の又は低温ボア内のNMR低温試料ヘッド
−100K未満の動作温度に冷却された試料ヘッド部品を備えるNMR低温試料ヘッド
−動作温度が30K未満である最低温冷却ステージを有する少なくとも2段ステージの冷凍機
−低温槽から空間的に隔てられるように、真空排気された断熱ハウジングに別個に配置された冷凍機
−断熱ハウジングとNMR低温試料ヘッドとの間に断熱冷却ラインを備える冷却回路
2段ステージの冷凍機は、断熱ハウジングに配置され、NMR低温試料ヘッドの冷却回路を熱交換器によって冷却し、低温槽の窒素タンクからの窒素ガスを凝縮するために、又は超伝導マグネットアセンブリの低温槽の放射シールドを冷却するために、第1の(より温度が高い)冷却ステージに余剰冷却能力をもたらす。このアセンブリは、冷凍機の冷却能力を、液体ヘリウムなどの、より低い沸点の低温流体の蒸発速度を下げるために使用できない点で不利であり、それは、冷凍機の第1の冷却ステージの温度が、そのためには高過ぎるためである(約35K)。
(文献[1])欧州特許第1655616号明細書、米国特許出願公開第2006/0096301号明細書 (文献[2])米国特許出願公開第2012/0242335号明細書 (文献[3])米国特許出願公開第2007/0107445号明細書 (文献[4])米国特許出願公開第2005/0202976号明細書 (文献[5])米国特許出願公開第2006/0130493号明細書 (文献[6])米国特許出願公開第2012/0319690号明細書
逆に言えば、本発明の目的は、低温槽に超伝導マグネットコイルシステムを備え、且つNMR低温試料ヘッドを備える、冒頭に述べたタイプのNMR装置の改良であって、最も簡素な技術的手段を用いて、NMR低温試料ヘッドの冷却回路を冷却する冷凍機の余剰冷却能力を使用して、超伝導マグネットアセンブリの低温槽からの液体ヘリウムの蒸発速度を低下できるように、又は無冷媒低温槽で超伝導マグネットコイルシステムを冷却できるように、改良することである。
本目的は、本発明により、驚くほど簡素且つ効果的な仕方で、容易に利用可能な技術的手段を用いて達成される。すなわち、超伝導マグネットアセンブリの、低温槽の真空部分又は低温槽のヘリウムタンクの懸架管に配置された熱交換器が、NMR低温試料ヘッドの冷却回路の一部において冷却回路に接続され、冷却回路において、冷媒が冷凍機の第2の冷却ステージに熱を運び、これは、対向流熱交換器によって、冷媒が熱を冷凍機の第1の冷却ステージに運ぶ部分から区切られる。特に、NMR低温試料ヘッドの冷却回路の冷却ラインが、対向流熱交換器の第2の流出口から直接、あるいは、対向流熱交換器の第2の流出口から、冷凍機の第2の冷却ステージの少なくとも1つの熱交換器を介して、及び/又は冷却試料ヘッド部品を介して、もしくは冷却試料ヘッド部品の熱交換器を介して間接的に、低温槽の真空部分の熱交換器へ、又は低温槽のヘリウムタンクの懸架管にある熱交換器へ冷媒を案内し、そこから直接、あるいは冷凍機の第2の冷却ステージの少なくとも1つの熱交換器を介して、及び/又は冷却試料ヘッド部品を介して、もしくは冷却試料ヘッド部品の熱交換器を介して間接的に、対向流熱交換器の第2の流入口へ、冷媒を案内することで、NMR装置の動作状態において、低温槽の真空部分の熱交換器へ又は低温槽のヘリウムタンクの懸架管にある熱交換器へと流れ込む冷却回路の冷媒の吸入温度と、この熱交換器から出てくる冷媒のリターンフロー温度と、の両方を、冷凍機の第1のステージの動作温度よりも少なくとも5K低くする。
本発明の動作モード及び従来技術を上回る利点
よって、本発明は、NMR低温試料ヘッドの冷却回路が超伝導マグネットアセンブリの低温槽からの熱出力を吸収して冷凍機の第2の冷却ステージに案内できる、NMR装置を提案する。このようにして、超伝導マグネットコイルシステムを受け入れ、且つ冷却するためのヘリウムタンクを備える低温槽では、例えば、ヘリウムタンクの周囲に配置された放射シールドを、一般的に10K〜30Kの温度まで冷却する冷却回路を用いて、ヘリウムタンクからのヘリウムの蒸発速度を著しく低下できる。必要な冷却能力をヘリウムの沸点未満の温度で備える必要はもはやないため、ヘリウムの蒸発を完全に抑制しないことが有利である。よって、低温槽上に冷却機を配置しなければならない、ヘリウムを凝縮するためのアセンブリとは対照的に、より好ましい冷凍機を使用することができ、冷凍機と低温槽との直接の機械的接触が必要ではなくなる。その結果、超伝導マグネットアセンブリへの振動の伝達を低減できる。
使用される超伝導体の超伝導転移温度が、10Kの温度よりも高ければ、放射シールドの代わりに、無冷媒低温槽の断熱真空部分に直接配置されたマグネットコイルアセンブリを冷却することもできる。これは、例えば、高温超伝導体(HTS)又は二ホウ化マグネシウム(MgB)を含む超伝導マグネットコイルシステムで当てはまる。
加えて、冷媒のリターンフロー温度が、冷凍機の第1のステージの動作温度よりも高い冷却回路によって、低温槽のさらなる冷凍ステージをも冷却できる。
発明の好ましい実施形態
特に好ましい本発明の実施形態では、冷却回路が、断熱ハウジングの外側に断熱冷却ラインを備え、且つ低温槽の真空タンクが、冷却回路の断熱冷却ラインの断熱真空部分から真空気密に密閉される。このことにより、冷却回路において真空が破壊された場合に、低温槽の断熱真空部分が壊れることが防止される。
本発明に係るNMR装置のさらなる好ましい実施形態では、冷却試料ヘッド部品が、低温槽の室温アクセス部の内側にある別個の断熱タンクに配置され、且つ断熱冷却ラインが、冷凍機の断熱ハウジングと冷却試料ヘッド部品との間、又は冷却試料ヘッド部品の熱交換器と低温槽の真空部分における熱交換器との間に案内される。冷却する試料ヘッド部品と低温槽の部品とを、装置の観点から互いに別個の断熱真空部分に配置することにより、NMR装置のモジュール性が本質的に一層高くなり、したがって、例えば、NMR試料ヘッドを変えるために低温槽の断熱真空部分を壊すことなく、NMR試料ヘッドを変えることができる。
本実施形態の有利な発展は、冷却回路が、冷凍機の第2の冷却ステージから、続けて、低温槽の真空部分の熱交換器へ、次いで冷却試料ヘッド部品へ又は冷却試料ヘッド部品の熱交換器へ、冷媒を案内することを特徴とする。
あるいは、さらなる実施形態では、冷却回路の冷媒が、冷凍機の第2の冷却ステージから、続けて、冷却試料ヘッド部品へ又は冷却試料ヘッド部品の熱交換器へ、次いで、低温槽の真空部分の熱交換器へ案内される。これらの2つの代替的な実施形態によって、冷却回路がもたらす最低温度を使用して、冷却試料ヘッド部品又は低温槽の冷凍ステージのいずれかを最適に冷却できる。
他の有利な発展は、冷却回路が、冷凍機の第2の冷却ステージから、冷却試料ヘッド部品又は冷却試料ヘッド部品の熱交換器と、低温槽の真空部分の熱交換器との両方へ、並列に冷媒を案内することを特徴とする。これらの実施形態によって、冷却試料ヘッド部品を冷却するための仕方と、低温槽の冷凍ステージを冷却するための仕方との両方と同じ仕方で、冷却回路がもたらす最低温度を確実に使用できる。
本発明のさらなる特に好ましい実施形態では、冷却試料ヘッド部品が、少なくとも部分的に、超伝導マグネットコイルシステムの低温ボアと低温槽の室温アクセス部との間の領域において、低温ボア内へ、低温ボアの半径方向内側であるが低温槽の室温アクセス部の外側に配置され、且つ、冷却回路に接続される低温槽の真空部分において、熱伝導するという方法で、熱交換器と接続される。冷却試料ヘッド部品を、超伝導マグネットコイルアセンブリの低温槽の断熱真空部分に設置することにより、超伝導マグネットコイルシステムの低温ボアとNMR試料ヘッドの内側の試料チャンバとの間の領域における空間が節約される。さらに、このようにして、アセンブリ及び冷却回路は、装置の観点から簡素化され、その結果、冷却回路の冷却能力の損失も低下する。この種類の本実施形態は、同じNMR試料ヘッドを用いて、NMR装置を永続的に動作させる場合に特に有利である。
これらの実施形態の好ましい発展では、冷却回路に接続される低温槽の真空部分の熱交換器が、熱伝導するという方法で、冷却NMR試料ヘッド部品と低温槽の冷凍ステージとの両方に接続される。これにより、冷却試料ヘッド部品及び冷却する低温槽の冷凍ステージの両方の最適な冷却が可能になる。
本発明のさらなる有利な実施形態は、冷却回路に接続される少なくとも2つの熱交換器が低温槽の真空部分に設けられ、冷却回路に接続される低温槽の真空部分の熱交換器から来る冷却回路の冷媒のリターンフロー温度が、冷凍機の第1の冷却ステージの動作温度よりも高いことを特徴とする。これらのアセンブリでは、冷凍機の第2の冷却ステージの冷却能力だけでなく、冷凍機の第1の(より温度が高い)冷却ステージの冷却能力も使用して、低温槽の冷凍ステージを冷却できる。特に、例えば、低温槽の窒素タンクからの窒素ガスを凝縮でき、あるいは、放射シールドを35K〜80Kの温度まで冷却できる。
さらに好ましい実施形態では、冷却回路に接続される熱交換器が、低温槽の真空部分に又は低温槽のヘリウムタンクの懸架管に配置され、熱伝導するという方法で、放射シールド又は冷媒タンクを備える低温槽の冷凍ステージに接続される。これらの実施形態は、低温槽が超伝導マグネットコイルシステムを受け入れるためのヘリウムタンクを一般的に備え、このヘリウムタンクが放射シールドによって囲まれ、そして放射シールドが窒素タンクによって囲まれる(ヘリウム−窒素浴低温槽)、低温超伝導体から構成される超伝導マグネットコイルシステムを備えるマグネットアセンブリに特に有利である。この種のアセンブリでは、熱交換器を、低温槽の真空部分に配置することで、放射シールドに熱的に接触させ得る。冷媒が熱を冷凍機の第2の冷却ステージに運ぶ、NMR低温試料ヘッドの冷却回路の一部において、熱交換器が冷却回路に接続される場合、放射シールドは、一般的に、10K〜30Kの温度まで冷却される。その結果、ヘリウムの蒸発速度を、冷却回路へのこの接続をもたない低温槽と比較して著しく低下させられる。
ヘリウム−窒素浴低温槽では、ヘリウムガス流を使用して放射シールドを冷却するために、好ましくは、放射シールドに熱的に接触するための手段で、ヘリウムタンクの懸架管に取り付けられ、その懸架管はまた、気化したヘリウムガスのための流出口として作用する。低温試料ヘッドの冷却回路に接続される熱交換器は、この点でヘリウムタンクの懸架管に取り付けられ得、この点で、熱交換器は、放射シールドを冷却できる。低温槽の真空部分における熱交換器の構成と比較すると、熱交換器のこの構成の利点は、例えば、既存のヘリウム−窒素浴低温槽をこれで改良できることである。これらの実施形態のさらなる変形例では、低温試料ヘッドの冷却回路に接続される、低温槽の真空部分における熱交換器を窒素タンクに取り付けることで、該窒素タンクを77K未満の温度まで冷却するようにし、その結果、タンクからの窒素の蒸発を防ぐ。
本発明の有利な実施形態では、超伝導マグネットコイルシステムが、低温槽の断熱真空部分に直接配置され、且つ冷却回路に接続される低温槽の真空部分の熱交換器が、熱伝導するという方法で、超伝導マグネットコイルシステムに接続され、超伝導マグネットコイルシステムが、超伝導材料MgB、又はHTS(BSCCO、ReBCO)を含むことを特徴とする。これらのアセンブリでは、低温槽の真空部分の熱交換器において達成され得る30K未満の温度は、超伝導マグネットアセンブリにとって特に有利である。これは、言及した超伝導材料が、これらの温度で既に超伝導状態であり得るからであり、ひいては、より複雑な、液体ヘリウム浴を用いた冷却を、省略可能であるからである。
代替的な実施形態では、冷却試料ヘッド部品が、低温槽の室温アクセス部の内側にある、別個の断熱タンクに配置され、低温槽が、超伝導マグネットコイルシステムを受け入れるためのヘリウムタンクと、第1の放射シールド及び窒素タンク又は第2の放射シールドと、を備え、冷却回路が、低温槽の真空タンクを通して、低温槽の真空部分の少なくとも2つの熱交換器へ案内され、冷却回路に接続される第1の熱交換器が、熱伝導するという方法で、第1の放射シールドに接続され、熱交換器から来る冷媒のリターンフロー温度が、冷凍機の第1のステージの動作温度よりも低く、冷却回路に接続される第2の熱交換器が、熱伝導するという方法で、窒素タンクへ又は第2の放射シールドに接続され、熱交換器から来る冷媒のリターンフロー温度が、冷凍機の第1のステージの動作温度よりも高い。これらの実施形態は、有利なことに、市販のNMR低温試料ヘッド及びその冷却回路上で構築される。さらに、上記実施形態は、特に、低温超伝導体から構成される超伝導マグネットコイルシステムを冷却するための、超伝導マグネットアセンブリの低温槽の従来の設計を使用する。特別な利点は、NMR低温試料ヘッドの冷却回路の冷凍機の両方の冷却ステージからの余剰冷却能力を使用して、低温槽を冷却することである。
さらなる代替的な実施形態は、冷却試料ヘッド部品が、低温槽の室温アクセス部の内側にある、別個の断熱タンクに配置され、且つ低温槽が、超伝導マグネットコイルシステムを受け入れるためのヘリウムタンクと、放射シールド及び窒素タンクと、を備え、冷却回路が、低温槽の真空タンクを通して、熱伝導するという方法で、放射シールドに接続される低温槽の真空部分にある熱交換器へ案内され、この熱交換器から来る冷媒のリターンフロー温度が、冷凍機の第1のステージの動作温度よりも低く、並びに、冷却回路に接続される第2の熱交換器が、窒素タンクに又は窒素タンクと連通するタンクに配置され、熱交換器から来る冷媒のリターンフロー温度が、冷凍機の第1のステージの動作温度よりも高いことを特徴とする。これらの実施形態は、有利なことに、市販のNMR低温試料ヘッド及びその冷却回路上で構築される。さらに、上記実施形態は、特に、低温超伝導体から構成される超伝導マグネットコイルシステムを冷却するための、超伝導マグネットアセンブリの低温槽の従来の設計を使用する。特別な利点は、NMR低温試料ヘッドの冷却回路の冷凍機の両方の冷却ステージからの余剰冷却能力を使用して、低温槽を冷却することである。冷却回路に接続される第2の熱交換器を、低温槽の窒素タンクに又は窒素タンクに連通するタンクに取り付けることは、該熱交換器を低温槽の真空部分の熱交換器に取り付けることと比較すると、装置の観点から有利な簡素化である。さらに、このアセンブリは、既存の低温槽を改良するのに特に適する。
最後に、冷却試料ヘッド部品が、HF共振器及び/又はプリアンプを備えると、これも極めて有利である。冷却は、NMR試料ヘッドのこれらの2つの部品における信号の質に対して特に有利な効果を有する。
本発明を図面に示す。
NMR装置の概略図であって、超伝導マグネットアセンブリ27と、NMR試料ヘッド11と、冷凍機2を受け入れるための断熱ハウジング1と、低温槽の真空部分の熱交換器202、窒素タンク18に連通するタンク204の熱交換器203、及びNMR試料ヘッド11への接続部によって例として示される3つの冷却連結インターフェースと、を備えるNMR装置の概略図である。 NMR装置の冷却回路の一実施形態の概略図である。本冷却回路では、冷媒流が、いずれの場合においても2つの温度レベルに亘って分配され、より低い温度レベルにおいて超伝導マグネットアセンブリ27の放射シールド110と冷却試料ヘッド部品9とが冷却され、より高い温度レベルにおいて、冷却試料ヘッド部品10が冷却されるのに加えて、超伝導マグネットアセンブリ27の窒素タンク18に連通するタンク204において窒素が凝縮される。 NMR装置の冷却回路の一実施形態の概略図である。本冷却回路では、冷媒流が、いずれの場合においても2つの温度レベルに亘って分配され、より低い温度レベルにおいて超伝導マグネットアセンブリ27の放射シールド110と冷却試料ヘッド部品9とが冷却され、より高い温度レベルにおいて、冷却試料ヘッド部品10が冷却されるのに加えて、超伝導マグネットアセンブリ27の窒素タンク18の窒素が凝縮される。熱交換器19が、窒素タンク18に配置される。 NMR装置の冷却回路の一実施形態の概略図である。本冷却回路では、冷媒流が、いずれの場合においても2つの温度レベルに亘って分配され、より低い温度レベルにおいて超伝導マグネットアセンブリ27の放射シールド110と冷却試料ヘッド部品9とが冷却され、より高い温度レベルにおいて、冷却試料ヘッド部品10と、加えて、超伝導マグネットアセンブリ27の第2の放射シールド21とが冷却される。 NMR装置の冷却回路の一実施形態の概略図である。本冷却回路では、冷媒流が、いずれの場合においても2つの温度レベルに亘って分配され、より低い温度レベルにおいて超伝導マグネットアセンブリ27の超伝導マグネットコイルシステム111と冷却試料ヘッド部品9とが冷却され、より高い温度レベルにおいて、冷却試料ヘッド部品10と、加えて、超伝導マグネットアセンブリ27の第2の放射シールド21とが冷却される。 NMR装置の冷却回路の一実施形態の概略図である。本冷却回路では、冷媒流が、いずれの場合においても2つの温度レベルに亘って分配され、より低い温度レベルにおいて超伝導マグネットアセンブリ27の放射シールド110と冷却試料ヘッド部品9とが冷却され、より高い温度レベルにおいて、冷却試料ヘッド部品10と、加えて、熱交換器22とが冷却される。熱交換器22は、窒素が窒素タンク18において凝縮するように、窒素タンク18と熱的に接触する。 NMR装置の冷却回路の一実施形態の概略図である。本冷却回路では、冷媒流が、より高い温度レベルにのみに亘って分配され、冷媒流が、続けて(直列に)、より低い温度レベルの部品を通して流れる。まず、より低い温度レベルにおいて、超伝導マグネットアセンブリ27の放射シールド110と、次いで冷却試料ヘッド部品9とが冷却され、そして、より高い温度レベルにおいて、冷却試料ヘッド部品10が冷却されるのに加えて、超伝導マグネットアセンブリ27の窒素タンク18に連通するタンク204において窒素が凝縮される。 NMR装置の冷却回路の一実施形態の概略図である。本冷却回路では、冷媒流が、より高い温度レベルにのみに亘って分配され、冷媒流が、続けて(直列に)、より低い温度レベルの部品を通して流れる。まず、より低い温度レベルにおいて、冷却試料ヘッド部品9と、次いで超伝導マグネットアセンブリ27の放射シールド110とが冷却され、そして、より高い温度レベルにおいて、冷却試料ヘッド部品10が冷却されるのに加えて、超伝導マグネットアセンブリ27の窒素タンク18に連通するタンク204において窒素が凝縮される。 流入口8.1e及び8.2eと流出口8.1a及び8.2aとを備える対向流熱交換器8を示す図である。 NMR装置の超伝導マグネットアセンブリ27及びNMR試料ヘッド11の一実施形態の概略図である。NMR試料ヘッド11の冷却試料ヘッド部品9、10が、低温槽の真空部分に配置され、該試料ヘッドが、低温槽の真空タンク102を真空気密となるように閉鎖し、また、NMR試料ヘッド11の冷却試料ヘッド部品9の位置までだけ低温槽の室温ボア103が軸方向に形成される。 NMR装置の超伝導マグネットアセンブリ27及びNMR試料ヘッド11の一実施形態の概略図である。室温ボア103が途切れておらず、NMR試料ヘッド11の断熱タンク201が室温ボア103の内側に配置され、超伝導マグネットアセンブリ27が窒素タンク18を備える。 NMR装置の超伝導マグネットアセンブリ27及びNMR試料ヘッド11の一実施形態の概略図である。室温ボア103が途切れておらず、NMR試料ヘッド11の断熱タンクが室温ボア103の内側に配置され、超伝導マグネットアセンブリ27が第2の放射シールド21を備える。 NMR装置の超伝導マグネットアセンブリ27、NMR試料ヘッド11及び冷却回路の一実施形態の概略図である。冷媒流が、2つの温度レベルで超伝導マグネットアセンブリ27に案内され、より低い温度レベルにおいて超伝導マグネットアセンブリ27の放射シールド110が冷却され、より高い温度レベルにおいて、超伝導マグネットアセンブリ27からの気化した窒素が凝縮され、放射シールド110が超伝導マグネットアセンブリ27のヘリウムタンク105の懸架管に配置される熱交換器205によって冷却される。
以下、図面を参照しながら、本発明をより詳細に説明する。
図2は、例として、一実施形態における冷媒流のトポロジを概略的に示している。続く図3〜図8は、この基本設計を他の用途用に変えたものである。
構造は、4つの機能ユニットを備え、具体的には、冷凍機2と、冷却されるべき部品(以下、「冷却する部品」と呼ぶ)と、コンプレッサと、熱交換器を備える流体ラインと、を備える。図面の左側に、冷凍機2を、その第1及び第2の冷却ステージ3、4と共に示す。右側には、例として、冷却する4つの部品110、9、10及び204を示す。上記部品のうちの2つはそれぞれ、ほぼ第1及び第2の冷却ステージ3、4の温度である。冷却ステージ3、4のそれぞれを、そこから空間的に分離された冷却する部品110、9、10、204に熱的に連結する冷媒を循環させることによって冷却を行う。この連結は、冷媒が流れる熱交換器によって、又は部品が冷媒に直接接触することによって、達成される。流体は、例えば冷凍機2のコンプレッサでもある、室温のコンプレッサを通して運ばれ、そこから少量の部分流が迂回する。2つの対向流熱交換器は、同様に極めて重要であり、個々の部品が3つの異なる温度レベルで動作できるようにし、具体的には、室温においてコンプレッサを、中間温度において第1の冷却ステージ3及び冷却する部品のうちのより温度が高い2つの部品10、204を、最低温度において第2の冷却ステージ4及び冷却する部品のうちのより温度が低い2つの部品110、9を動作できるようにする。
コンプレッサから始まり、冷媒は、まず、該冷媒を第1の冷却ステージ3の温度よりも高いが同じオーダー内の温度にする対向流熱交換器を通過する。この段階で、冷媒は、対向流熱交換器8によって、第2の冷却ステージ4の温度よりも高いが同じオーダー内の温度に到達する前に、第1の冷却ステージ3の温度に冷却され、さらにこの段階で、次いで、冷媒は、第2の冷却ステージ4の温度まで冷却される。このようにして、冷媒は、冷却回路の最低温点に到達し、その後、冷却回路の枝路を通過する。この枝路では、冷媒が最終的に室温に再度達し、コンプレッサの低圧側へ案内されて戻されるまで、該冷媒が、冷却する部品及び対向流熱交換器において熱を吸収する。異なる実施形態では、冷却する部品によって、又はトポロジ的にどのように冷媒を案内するかによって、冷却回路のこの枝路は異なる。本ケースでは、同じ温度段階にある2つの部品が直列又は並列に接続され得る。
図2に示す変形例では、全ての変形例に存在する冷却試料ヘッド部品9、10の他に、第1の放射シールド110を2つの温度レベルのうちのより低い温度レベルまで冷却することと、窒素タンク18に連通するタンク204において窒素を凝縮するために熱交換器203を冷却することとがさらに示されている。冷媒流によって、第1の放射シールド110を2つの温度レベルのうちのより低い温度レベルまで冷却することにより、従来の低温槽アセンブリと比較して、放射シールドの温度を下げ、その結果、超伝導マグネットアセンブリ27のヘリウムの蒸発速度を低下させることができ、ひいては、液体ヘリウムの補充間隔を延ばすことができる。
真空技術の観点から、全体構造は、それぞれ真空排気され、断熱ハウジング1、低温槽の真空タンク102、及びNMR試料ヘッド11の断熱タンク201によって囲まれた、3つの空間に分割できる。図面において、これらの真空部分は、連通するものとして簡単に示されている。しかしながら、該真空部分はまた、真空技術の観点から空間を機能的に分離可能にする、バルブ、フィードスルー及び/又は流体連結部などの構造手段を用いて形成され得る。同様に、断熱ハウジング1と、低温槽の真空タンク102及び/又はNMR試料ヘッド11の断熱タンク201と、の間の連通ラインのパイプ状の断熱真空部分もまた、真空技術の観点から、例えば、バルブ、フィードスルー又は流体連結部によって分離され得る空間として形成できる。
図2では、第1の放射シールド110と冷却試料ヘッド部品9とはそれぞれ、熱交換器に簡単に連結されている。これらの2つの熱交換器は、ほぼ同じ温度レベルにある。例えば図10に示すように超伝導マグネットアセンブリ27とNMR試料ヘッド11とを一体化した設計のケースでは、第1の放射シールド110と冷却試料ヘッド部品9とはまた、共に単一の熱交換器202に連結され得る。この場合、第2の熱交換器は省略される。
図3は、図2の変形例であり、このケースでは、窒素タンク18に連通する別個のタンク204で窒素が凝集されるのではなく、窒素は、窒素タンク18で直接凝縮される。
図4は、図2の変形例であり、ここでは、超伝導マグネットアセンブリ27の窒素タンク18に代えて、第2の放射シールド21が配置されている。
図5は、図2の変形例であり、ここでは、超伝導マグネットコイルシステム111が使用され、超伝導マグネットコイルシステム111の動作温度は、冷凍機2の第2の冷却ステージ4の動作温度よりも高い。このケースでは、ヘリウム浴及びヘリウムタンク105を完全に省略でき、マグネットは、冷媒によって直接冷却され、例えば、熱交換器による熱伝導で冷却される。このケースでは、第1の放射シールド110は省略され、第2の放射シールド21は、図4と同様に冷媒流によって冷却される。この変形例は、高温超伝導体又はMgB超伝導体を含む使用に特に有利である。
図6は、図3の変形例であり、窒素凝縮用の冷却能力を提供するための熱交換器22が、窒素タンク18にではなく隣接する真空領域に収容され、冷却能力は、真空空間を画定する壁を通した熱伝導から得られる。
図7は、図2の変形例であり、より温度の低い部分の冷媒が、並列ではなく、直列(連続する)の2つのアーム部を通って流れる。この構成により、冷却回路のこの部分において、冷却する部品の温度勾配を達成できる。このことは、例えば、一方のアーム部によって流入する熱が他方よりもかなり少なく、システムの性能がこの点において安定且つ低い温度からより恩恵を受ける場合に有利である。
図8は、図7の変形例であり、冷媒が、直列に接続された冷却する部品を通って逆の順番で流れる。
図10は、NMR装置の超伝導マグネットアセンブリ27及びNMR試料ヘッド11の一実施形態の概略図である。NMR試料ヘッド11の冷却試料ヘッド部品9、10が、低温槽の真空部分に配置され、上記試料ヘッドが、低温槽の真空タンク102を真空気密となるように閉鎖し、また、NMR試料ヘッド11の冷却試料ヘッド部品9の位置までだけ低温槽の室温ボア103が軸方向に形成される。このケースでは、超伝導マグネットコイルシステム111は、一般的にヘリウムが液体である場合のその動作温度に保たれたヘリウムタンク105内に配置される。
ヘリウムタンク105は第1の放射シールド110によって囲まれ、これによって、ヘリウムタンク105を、窒素タンク18から入射する大半の放射熱から遮断し、ひいては、ヘリウム消費値の低減をもたらす。この第1の放射シールド110の温度が低いほど、ヘリウムタンク105からのヘリウムの蒸発速度が低下する。第1の放射シールド110は窒素タンク18によって囲まれ、これによって、今度は、第1の放射シールド110を、低温槽の室温真空タンク102からの大半の入射熱から遮断する。
熱伝導及び対流による熱流入を防ぐために、低温槽の、ヘリウムタンク105、第1の放射シールド110、窒素タンク18及び真空タンク102の間の全ての中間空間は、真空排気される(真空部分である)。超伝導マグネットコイルシステム111は、室温アクセス部103が係合する低温ボア101を備える。該アクセス部は、超伝導マグネットアセンブリの中央に測定試料を配置するために使用される。冷却試料ヘッド部品9は、この中央磁場領域と超伝導マグネットコイルシステム111との間に配置される。該冷却試料ヘッド部品9は、ラジオ周波数放射を試料に照射するため、且つ試料から返る信号を検出するために使用される。さらなる冷却試料ヘッド部品10は、冷却試料ヘッド部品9の下に配置され、試料から来る極めて弱いラジオ周波数信号を処理するために使用され、その後、該信号は、NMR分光計の他の部分に送信される。これらの2つの部品はNMR試料ヘッド11の一部であって、ここでは、超伝導マグネットアセンブリ27の断熱真空部分を画定する機能をさらに有する。
図11は、NMR装置の超伝導マグネットアセンブリ27及びNMR試料ヘッド11の一実施形態の概略図である。冷却試料ヘッド部品9、10を備えるNMR試料ヘッド11は、超伝導マグネットアセンブリ27とは構造的に分離されている。本実施形態では、超伝導マグネットアセンブリ27の構造は、途切れていない室温アクセス部103を有するように設計されている。NMR試料ヘッド11は、冷却試料ヘッド部品9、10を受け入れるための断熱真空部分を有する断熱タンク201を備える。よって、超伝導マグネットアセンブリ27及びNMR試料ヘッド11は、真空技術の観点から、互いに完全に独立である。
図12は、図11の変形例であり、ここでは、超伝導マグネットアセンブリ27の窒素タンク18に代えて、第2の放射シールド21が配置されている。
最後に、図13は、図1の変形例であり、冷却回路は、超伝導マグネットアセンブリ27のヘリウムタンク105懸架管を通って、ヘリウムタンクの懸架管の熱交換器205へ案内される。この熱交換器205は、第1の放射シールド110と熱的に密接する懸架管の場所に配置されることで、この場所において、冷却能力が効率的に連結され得るようにする。本実施形態では、既存の超伝導マグネットアセンブリ27において改造設置できるが、これは、該アセンブリに対して構造的な変更を行う必要がないためである。
1 断熱ハウジング
2 冷凍機
3 冷凍機の第1の冷却ステージ
4 冷凍機の第2の冷却ステージ
8 対向流熱交換器
8.1a 対向流熱交換器の第1の流出口
8.1e 対向流熱交換器の第1の流入口
8.2a 対向流熱交換器の第2の流出口
8.2e 対向流熱交換器の第2の流入口
9 冷却試料ヘッド部品
10 冷却試料ヘッド部品
11 NMR試料ヘッド
18 窒素タンク
19 窒素タンク内の熱交換器
21 第2の放射シールド
22 低温槽の真空部分の熱交換器
27 超伝導マグネットアセンブリ
101 超伝導マグネットコイルシステムの低温ボア
102 低温槽の真空タンク
103 室温アクセス部
105 ヘリウムタンク
110 第1の放射シールド
111 超伝導マグネットコイルシステム
201 断熱タンク
202 低温槽の真空部分の熱交換器
203 窒素タンクと連通するタンク内の熱交換器
204 窒素タンクと連通するタンク
205 ヘリウムタンクの懸架管内の熱交換器

Claims (14)

  1. 真空タンク(102)と100K未満の動作温度で動作され得る冷凍ステージとを有する低温槽を備え、且つ前記低温槽の室温アクセス部(103)が係合する低温ボア(101)を備える超伝導マグネットコイルシステム(111)を備える、超伝導マグネットアセンブリ(27)と、
    動作中にもたらされる100K未満の動作温度まで冷却される試料ヘッド部品(9、10)を備えるNMR試料ヘッド(11)と、
    動作温度が35.4K未満の第2の冷却ステージ(4)と、動作温度が前記第2の冷却ステージ(4)の前記動作温度よりも高い第1の冷却ステージ(3)とを有し、断熱ハウジング(1)内に配置された、少なくとも2段ステージの冷凍機(2)と、
    前記断熱ハウジング(1)内でもたらされる2つの対向する冷媒流のための、2つの流入口(8.1e、8.2e)及び2つの流出口(8.1a、8.2a)を備える対向流熱交換器(8)と、
    前記冷凍機(2)の前記第1の冷却ステージ(3)の熱交換器から、直接又は間接的に、前記対向流熱交換器(8)の前記第1の流入口(8.1e)へと冷媒を案内する冷却ラインと、
    前記対向流熱交換器(8)の前記第2の流出口(8.2a)から、直接又は間接的に、前記冷凍機(2)の前記第2の冷却ステージ(4)の熱交換器へと冷媒を案内する冷却ラインと、
    冷却試料ヘッド部品(9、10)へ、又は冷却試料ヘッド部品(9、10)の熱交換器へ、冷媒を案内する冷却ラインと、
    前記低温槽の真空部分の熱交換器(22、202)へ冷媒を案内する冷却ラインと、 を備える、NMR装置であって、
    冷却ラインが、前記対向流熱交換器(8)の前記第2の流出口(8.2a)から直接、あるいは、前記対向流熱交換器(8)の前記第2の流出口(8.2a)から、前記冷凍機(2)の前記第2の冷却ステージ(4)の少なくとも1つの熱交換器を介して、及び/又は冷却試料ヘッド部品(9)を介して、もしくは冷却試料ヘッド部品(9)の熱交換器を介して間接的に、前記低温槽の真空部分の熱交換器(202)へ、又は前記低温槽のヘリウムタンク(105)の懸架管にある熱交換器(205)へ、冷媒を案内し、そこから直接、あるいは前記冷凍機(2)の前記第2の冷却ステージ(4)の少なくとも1つの熱交換器を介して、及び/又は冷却試料ヘッド部品(9)を介して、もしくは冷却試料ヘッド部品(9)の熱交換器を介して間接的に、前記対向流熱交換器(8)の前記第2の流入口(8.2e)へ、冷媒を案内することで、前記NMR装置の動作状態において、前記低温槽の真空部分の前記熱交換器(202)へ又は前記低温槽のヘリウムタンク(105)の前記懸架管にある前記熱交換器(205)へと流れ込む冷却回路の前記冷媒の吸入温度と、前記熱交換器(202、205)から出てくる前記冷媒のリターンフロー温度と、の両方を、前記冷凍機(2)の前記第1の冷却ステージ(3)の前記動作温度よりも少なくとも5K低くすることを特徴とするNMR装置。
  2. 前記冷却回路は、断熱ハウジング(1)の外側に断熱冷却ラインを備えること、且つ前記低温槽の前記真空タンク(102)は、前記冷却回路の前記断熱冷却ラインの断熱真空部分から真空気密に密閉されることを特徴とする請求項1に記載のNMR装置。
  3. 冷却試料ヘッド部品(9、10)は、前記低温槽の前記室温アクセス部(103)の内側にある、前記NMR試料ヘッド(11)の別個の断熱タンク(201)に配置されること、且つ断熱冷却ラインは、前記冷凍機(2)の前記断熱ハウジング(1)と前記冷却試料ヘッド部品(9、10)との間、又は前記冷却試料ヘッド部品(9、10)の熱交換器と前記低温槽の真空部分における熱交換器(22、202)との間に案内されることを特徴とする請求項1又は2に記載のNMR装置。
  4. 前記冷却回路は、前記冷凍機(2)の前記第2の冷却ステージ(4)から、続けて、前記低温槽の真空部分の熱交換器(202)へ、次いで冷却試料ヘッド部品(9)へ又は冷却試料ヘッド部品(9)の熱交換器へ、冷媒を案内することを特徴とする請求項3に記載のNMR装置。
  5. 前記冷却回路は、前記冷凍機(2)の前記第2の冷却ステージ(4)から、続けて、冷却試料ヘッド部品(9)へ又は冷却試料ヘッド部品(9)の熱交換器へ、次いで、前記低温槽の真空部分の熱交換器(202)へ、冷媒を案内することを特徴とする請求項3に記載のNMR装置。
  6. 前記冷却回路は、前記冷凍機(2)の前記第2の冷却ステージ(4)から、冷却試料ヘッド部品(9)又は冷却試料ヘッド部品(9)の熱交換器と、前記低温槽の真空部分の熱交換器(202)との両方へ、並列に冷媒を案内することを特徴とする請求項3に記載のNMR装置。
  7. 冷却試料ヘッド部品(9)は、少なくとも部分的に、前記超伝導マグネットコイルシステム(111)の前記低温ボア(101)と前記低温槽の前記室温アクセス部(103)との間の領域において、前記低温ボア(101)内へ、前記低温ボア(101)の半径方向内側であるが前記低温槽の前記室温アクセス部(103)の外側に配置され、且つ、前記冷却回路に接続される前記低温槽の真空部分において、熱伝導するという方法で、熱交換器(202)と接続されることを特徴とする請求項1又は2に記載のNMR装置。
  8. 前記冷却回路に接続される前記低温槽の真空部分の熱交換器(202)は、熱伝導するという方法で、冷却試料ヘッド部品(9)と前記低温槽の冷凍ステージとの両方に接続されることを特徴とする請求項7に記載のNMR装置。
  9. 前記冷却回路に接続される少なくとも2つの熱交換器(22、202)が前記低温槽の真空部分に設けられ、前記冷却回路に接続される前記低温槽の真空部分の熱交換器(22)から来る前記冷却回路の前記冷媒の前記リターンフロー温度は、前記冷凍機(2)の前記第1の冷却ステージ(3)の前記動作温度よりも高いことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のNMR装置。
  10. 前記冷却回路に接続される熱交換器(22、202、205)は、前記低温槽の真空部分に又は前記低温槽のヘリウムタンク(105)の懸架管に配置され、熱伝導するという方法で、放射シールド(21、110)又は冷媒タンク(18、105)を備える前記低温槽の冷凍ステージに接続されることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載のNMR装置。
  11. 前記超伝導マグネットコイルシステム(111)は、前記低温槽の前記断熱真空部分に直接配置されること、並びに、前記冷却回路に接続される前記低温槽の真空部分の熱交換器(202)は、熱伝導するという方法で、前記超伝導マグネットコイルシステム(111)に接続され、前記超伝導マグネットコイルシステム(111)は、超伝導材料MgB2、又はHTS(BSCCO、ReBCO)を含むことを特徴とする請求項に記載のNMR装置。
  12. 冷却試料ヘッド部品(9、10)は、前記低温槽の前記室温アクセス部(103)の内側にある、別個の断熱タンク(201)に配置されること、前記低温槽は、超伝導マグネットコイルシステム(111)を受け入れるためのヘリウムタンク(105)と、第1の放射シールド(110)及び窒素タンク(18)又は第2の放射シールド(21)と、を備えること、並びに、前記冷却回路は、前記低温槽の前記真空タンク(102)を通して、前記低温槽の真空部分の少なくとも2つの熱交換器(22、202)へ案内され、前記冷却回路に接続される第1の熱交換器(202)は、熱伝導するという方法で、前記第1の放射シールド(110)に接続され、前記熱交換器(202)から来る前記冷媒の前記リターンフロー温度は、前記冷凍機(2)の前記第1の冷却ステージ(3)の前記動作温度よりも低く、前記冷却回路に接続される第2の熱交換器(22)は、熱伝導するという方法で、前記窒素タンク(18)に又は前記第2の放射シールド(21)に接続され、前記熱交換器(22)から来る前記冷媒の前記リターンフロー温度は、前記冷凍機(2)の前記第1の冷却ステージ(3)の前記動作温度よりも高いこと、を特徴とする請求項1乃至6、9、及び10のいずれか1項に記載のNMR装置。
  13. 冷却試料ヘッド部品(9、10)は、前記低温槽の前記室温アクセス部(103)の内側にある、別個の断熱タンク(201)に配置されること、前記低温槽は、超伝導マグネットコイルシステム(111)を受け入れるためのヘリウムタンク(105)と、放射シールド(110)及び窒素タンク(18)と、を備えること、前記冷却回路は、前記低温槽の前記真空タンク(102)を通して、熱伝導するという方法で、前記放射シールド(110)に接続される前記低温槽の真空部分にある熱交換器(202)へ案内されること、前記熱交換器(202)から来る前記冷媒の前記リターンフロー温度は、前記冷凍機(2)の前記第1の冷却ステージ(3)の前記動作温度よりも低く、並びに、前記冷却回路に接続される第2の熱交換器(19、203)は、前記窒素タンク(18)に又は前記窒素タンク(18)と連通するタンク(204)に配置され、前記熱交換器(19、203)から来る前記冷媒の前記リターンフロー温度は、前記冷凍機(2)の前記第1の冷却ステージ(3)の前記動作温度よりも高いこと、を特徴とする請求項1乃至6、9、及び10のいずれか1項に記載のNMR装置。
  14. 前記冷却試料ヘッド部品(9、10)は、HF共振器及び/又はプリアンプを備えることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載のNMR装置。
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