JP6353692B2 - 縫合糸用パッケージ - Google Patents

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Description

本発明は、外科手術などに用いる縫合糸用パッケージに関する。
従来、外科手術などに用いる縫合糸を収容するパッケージとして、先端に針が取り付けられた縫合糸を、パッケージ内に巻回させて保持する構造が知られている。このようなパッケージでは、使用時には、先端の針をパッケージから引き出すことにより、パッケージ内に巻回された縫合糸が引き出される。
縫合糸をパッケージ内に巻回する方法としては、例えば特許文献1に開示されるように、パッケージ内に渦巻き状の通路を形成し、該通路の奥から空気を吸引する、及び/または通路の入り口から空気を送り込むことにより、縫合糸を該通路内に装填して保持する縫合糸用パッケージを用いる方法が挙げられる。しかしながら、該パッケージでは、パッケージ内に収容可能な糸の長さが、渦巻き状の通路の長さまでに限定されるため、長い糸を保持させるにはパッケージを大きくする必要があるという問題があった。また、渦巻き状の通路の中心に近い部分における曲率が大きいため、渦巻きの中心に近い通路部分に保持された縫合糸部分に巻き癖がつきやすいという問題もあった。
そこで、例えば特許文献2には、楕円形状の糸保持溝部内に縫合糸を巻回して保持するパッケージ(包装用支持体)が開示されている。このパッケージでは、糸保持溝部と連通する案内溝部に、圧力空気ノズルから噴出されるエアを導入することにより、糸保持溝部を周回する気流を形成する。そして、縫合糸を案内溝部より導入し、該気流に乗せて周回させることにより、縫合糸を糸保持部内に巻回することができる。
特開平10−216137号公報 特開2004−215876号公報
しかしながら、特許文献2のパッケージでは、溝部内に気流を形成する場合、エア及び縫合糸の入口である案内溝部から遠くなるにつれ、気流の速度が遅くなるため、縫合糸の先端部分の流動速度よりも後ろに続く部分の方が速くなることによって縫合糸が撓み、糸保持溝部内に引っ掛かって詰まってしまう等の問題があった。同様に、糸送りロールを用いる場合でも、縫合糸が糸送りロールと係合点の先で撓み、糸保持溝部内で詰まる等の問題があった。
本発明は、上記問題点に鑑み、パッケージ内に容易に装填でき、かつパッケージが比較的小型であっても長い縫合糸を収容でき、しかも収容された縫合糸に巻き癖がつき難い縫合糸用パッケージを提供することを課題とする。
本発明に係る縫合糸用パッケージは、環状の巻回管路と、前記巻回管路と連通し、前記巻回管路から空気を吸引により排出させることが可能な吸引孔と、前記巻回管路と連通し、前記巻回管路の長さ方向における特定の一方向に向かって空気を流入させ、縫合糸を前記巻回管路内へと案内することが可能な流入孔とを備え、前記吸引孔から前記巻回管路内の空気を吸引して排出することにより、前記流入孔から前記巻回管路内に空気が流入して前記巻回管路内に気流が形成され、該気流により前記巻回管路内に縫合糸を巻回して収容保持するように構成されている。
斯かる縫合糸用パッケージでは、前記吸引孔より前記巻回管路内の空気を吸引することにより、縫合糸を空気と共に前記流入孔より前記巻回管路内へと案内する。該縫合糸は、前記気流に案内されて前記巻回管路内を移動し、前記巻回管路内を周回することで前記巻回管路内に巻回される。
このように、斯かる縫合糸用パッケージでは、前記巻回管路内からの空気の吸引により、縫合糸を前記巻回管路内に引き込むため、縫合糸の詰まりを抑えつつ、縫合糸を縫合糸用パッケージ内へ容易に装填することができる。
また、斯かる縫合糸用パッケージでは、前記巻回管路内に縫合糸を複数回周回させて巻回できるため、パッケージが比較的小型であっても、長い縫合糸を巻回して収容することができる。
さらに、斯かる本発明の縫合糸用パッケージでは、前記巻回管路内に縫合糸を複数回周回させて巻回した場合においても、巻き数によって曲率は変わらないため、縫合糸用パッケージに収容した縫合糸に巻き癖がつき難くなるという利点も有する。
また、本発明に係る縫合糸用パッケージにおいては、好ましくは、前記吸引孔が、前記巻回管路の前記一方向に直交する方向を長手方向とする長穴形状である。
斯かる縫合糸用パッケージによれば、縫合糸の進行方向における前記吸引孔の幅が狭いため、前記吸引孔から縫合糸が流出し難くなるため、前記巻回管路内に縫合糸をより確実に巻回することができる。
さらに、本発明に係る縫合糸用パッケージにおいては、好ましくは、前記吸引孔が前記巻回管路と連通している部分における前記一方向を該吸引孔の幅方向としたとき、それぞれの前記吸引孔の最小幅が2mm以下である。
斯かる縫合糸用パッケージによれば、縫合糸の進行方向における前記吸引孔の幅が狭いため、前記吸引孔から縫合糸が流出し難くなるため、前記巻回管路内に縫合糸をより確実に巻回することができる。
また、本発明に係る縫合糸用パッケージにおいては、好ましくは、前記巻回管路を前記一方向に沿って周回するとき、前記流入孔が設けられた位置の直後から、前記流入孔が設けられた位置の直前に至るまで、前記巻回管路を進行していくに従い、前記一方向に直交する前記巻回管路の断面積が小さくなるように構成されている。
斯かる縫合糸用パッケージによれば、前記流入孔より流入した空気の一部が前記吸引孔より吸引され、その先の前記巻回管路内において気流の量が減少したとしても、気流の流速の低下が小さい。したがって、前記巻回管路内に縫合糸をより容易に巻回することができる。
さらに、本発明に係る縫合糸用パッケージにおいては、好ましくは、前記流入孔に空気及び縫合糸を案内する流入路をさらに備え、前記流入路は、前記流入孔を介して前記巻回管路の前記一方向に向かって空気を流入させることが可能な向きに配されている。
斯かる縫合糸用パッケージによれば、前記流入孔を介して前記巻回管路の長さ方向の前記一方向に向かって空気を流入させ、縫合糸を前記巻回管路内へと案内することが容易になる。したがって、前記巻回管路内に縫合糸をより容易に巻回することができる。
また、本発明に係る縫合糸用パッケージにおいては、好ましくは、前記巻回管路の前記一方向に直交し、前記巻回管路の内周壁に沿った方向の一方を上としたとき、前記流入路内において、上下いずれかの方向に縫合糸を案内可能な第1の案内部と、前記巻回管路内において、前記第1の案内部による案内方向と上下逆方向に縫合糸を案内可能な第2の案内部とが形成されている。
斯かる縫合糸用パッケージによれば、前記巻回管路内で縫合糸が絡まり難くなる。したがって、使用時にパッケージ内から縫合糸を引き出しやすくなる。
さらに、本発明に係る縫合糸用パッケージにおいては、好ましくは、前記巻回管路の内周壁に、前記巻回壁の長さ方向に向かって延びた凹状帯が形成されている。
斯かる縫合糸用パッケージによれば、前記巻回管路の内周壁付近において、2つの部材が接合した形態であっても、該2部材の間に縫合糸が入り込み難くなるため、使用時に縫合糸を取り出しやすくなる。
また、本発明に係る縫合糸用パッケージにおいては、好ましくは、前記縫合糸用パッケージが、少なくとも一部が開口した環状の巻回路を備えるパッケージ本体部と、前記巻回路の開口を覆う蓋部とを含み、前記巻回路と前記蓋部とで前記巻回管路が形成されており、前記パッケージ本体部と前記蓋部との接合部分が、非直線状となっている。
斯かる縫合糸用パッケージによれば、前記巻回管路の内周壁付近において、2つの部材が接合した形態であっても、該2部材の間に縫合糸が入り込み難くなるため、使用時に縫合糸を取り出しやすくなる。
さらに、本発明に係る縫合糸用パッケージにおいては、好ましくは、前記縫合糸用パッケージが、複数の突起が設けられたパッケージ本体部及び蓋部を含み、前記巻回管路の内周壁が、前記パッケージ本体部及び前記蓋部の複数の突起同士が嵌合することにより形成されている。
斯かる縫合糸用パッケージによれば、前記巻回管路の内周壁付近において、2つの部材が接合した形態であっても、該2部材の間に縫合糸が入り込み難くなるため、使用時に縫合糸を取り出しやすくなる。
また、本発明に係る縫合糸用パッケージにおいては、好ましくは、前記巻回管路の前記一方向に向かって空気を流入させることが可能な追加の空気流入孔をさらに備えている。
斯かる縫合糸用パッケージによれば、前記巻回管路に空気を効率よく流入させることができる。したがって、前記巻回管路内に縫合糸をより効率的に巻回することができる。
さらに、本発明に係る縫合糸用パッケージにおいては、好ましくは、前記巻回管路がベースシート上に形成されているとき、前記ベースシートには、前記流入路の延長線上において、送風機の送風ノズルを通すためのノズル出口が開口している。
斯かる縫合糸用パッケージによれば、前記ベースシートの裏面より送風機の送風ノズルを前記ノズル出口から出すことができるため、流入路の入口付近に送風ノズルの位置を固定しやすい。したがって、前記吸引孔からの吸引と共に前記流入路に空気を吹き込むときに、前記流入路に空気を吹き込みやすくなる。
また、本発明に係る縫合糸用パッケージにおいては、好ましくは、前記巻回管路がベースシート上に形成されているとき、前記ベースシート上の前記内壁より内側の位置において、縫合糸の端部に取り付けられた針を固定するための針留め材を嵌め込み可能なホルダーが設けられている。前記ホルダーには、嵌め込まれた針留め材が抜けることを防止する抜け止め機構が形成されている。
斯かる縫合糸用パッケージによれば、前記針留め材を前記ホルダーに嵌め込むだけでパッケージに容易に固定できる。また、前記針留め材がパッケージ内側の空間に配置され、前記巻回管路の外側に針留め材を配置するスペースが必要ないため、パッケージを比較的コンパクトにすることができる。
さらに、本発明に係る縫合糸用パッケージにおいては、好ましくは、前記巻回管路がベースシート上に形成されているとき、前記ベースシート上の前記内壁より内側の位置において、縫合糸の端部に取り付けられた針を固定するためのエラストマーからなる針留め材が、前記ベースシートと一体成形されている。
斯かる縫合糸用パッケージによれば、針留め材をパッケージに固定する作業が必要ない。また、前記針留め材がパッケージ内側の空間に配置され、前記巻回管路の外側に針留め材を配置するスペースが必要ないため、パッケージを比較的コンパクトにすることができる。
本発明によれば、パッケージ内に容易に装填でき、かつパッケージが比較的小型であっても長い縫合糸を収容でき、しかも収容された縫合糸に巻き癖がつき難い縫合糸用パッケージを提供し得る。
本発明の一実施形態に係る縫合糸用パッケージにおいて、蓋部を設けていない縫合糸用パッケージの略図的平面図である。 本発明の一実施形態に係る縫合糸用パッケージにおいて、蓋部を設けた縫合糸用パッケージの略図的平面図である。 本発明の一実施形態に係る縫合糸用パッケージに設けられた第1の案内部の略図的側面図である。 本発明の一実施形態に係る縫合糸用パッケージに設けられた第2の案内部の略図的側面図である。 本発明の一実施形態に係る縫合糸用パッケージに設けられたホルダーを表す略図的側面図である。 本発明の一実施形態に係る縫合糸用パッケージにおいて、ノズル出口から送風機の送風ノズルを出した状態を表す略図的側面図である。 本発明の他の実施形態に係る縫合糸用パッケージの内壁の状態を表す略図的断面図である。 本発明のさらに他の実施形態に係る縫合糸用パッケージにおいて、パッケージ本体部と蓋部との接合形態を表す略図的側面図である。 本発明のまた他の実施形態に係る縫合糸用パッケージにおいて、パッケージ本体部と蓋部との接合形態を表す略図的側面図である。 本発明の別の実施形態に係る縫合糸用パッケージに設けられたホルダーの略図的側面図である。 本発明のさらに別の実施形態に係る縫合糸用パッケージにおいて、蓋部を設けていない縫合糸用パッケージの略図的平面図である。 本発明のまた別の実施形態に係る縫合糸用パッケージにおいて、蓋部を設けていない縫合糸用パッケージの略図的平面図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態について説明する。ただし、下記の実施形態は、単なる例示である。本発明は、下記の実施形態に何ら限定されない。
また、実施形態などにおいて参照する各図面において、実質的に同一の機能を有する部材は同一の符号で参照することとする。また、実施形態において参照する図面は、模式的に記載されたものであり、図画に描写された物体の寸法の比率等は、現実の物体の寸法の比率等と異なる場合がある。具体的な物体の寸法比率等は、以下の説明を参酌して判断されるべきである。
図1及び図2に示すように、縫合糸用パッケージ1は、環状の巻回管路21と、巻回管路21と連通し、巻回管路21から空気を吸引により排出させることが可能な吸引孔33と、巻回管路21と連通し、巻回管路21の巻回方向Rに向かって空気を流入させ、縫合糸を巻回管路21内へと案内することが可能な流入孔31とを備え、吸引孔33から巻回管路21内の空気を吸引して排出することにより、流入孔31から巻回管路21内に空気が流入して巻回管路21内に気流が形成され、該気流により前記巻回管路21内に縫合糸を巻回して収容保持するように構成されている。
具体的には、縫合糸用パッケージ1は、パッケージ本体部10と、パッケージ本体部10を部分的に覆う蓋部40とを備える。パッケージ本体部10及び蓋部40の材料は特に限定されず、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレートなど、縫合糸用パッケージの材料として通常使用される種々の高分子材料などを用いることができる。
パッケージ本体部10及び蓋部40は、射出成形、真空成形、溶着、機械加工、機械的組立またはそれらの組み合わせなど、通常使用される様々な製造方法により製造できる。特に、パッケージ本体部10は、射出成形により製造される成形体であることが好ましい。蓋部40は、押出成形などにより製造されたシート状成形体でもよく、該シート状成形体はラミネート加工されていてもよい。また、蓋部40は湿式法などにより製造された紙、合成紙または不織布などでもよい。パッケージ本体部10と蓋部40とは別々に成形されていてもよく、一体として成形されていてもよい。
図1は、パッケージ本体部10を表す模式的平面図である。図1に示すように、パッケージ本体部10は、ベースシート11を有する。ベースシート11の一方の面上(以下、上面という)には、ベースシート11の外縁部を囲うように起立している外壁12と、外壁12の内側を周回するように起立している内壁13とが設けられている。
本実施形態では、内壁13は、渦巻きの巻き数が1より大きい渦巻き形状を有する。詳細には、内壁13は、開環状の巻回壁13aと、巻回壁13aの一方の端部から該開環の内側へと伸びる流入路形成部13bとにより構成される。巻回壁13aは、パッケージ1内に縫合糸が収容された際に、該縫合糸が巻回される部分である。そして、外壁12と巻回壁13aとの間に、通路21(蓋40が設けられた際に巻回管路21となる通路。以下、蓋40を設ける前の該通路についても、巻回管路21と呼ぶ)が形成される。
巻回壁13aの両端部間(すなわち、巻回壁13aの開環部分)には、巻回管路21と連通する流入孔31が開口している。また、外方を向く流入路形成部13bの面と、該面と対向する内壁13の面との間には、流入孔31を介して巻回管路21と連通する流入路22が形成されている。流入路22の上流側には、流入口32が開口している。
すなわち、流入路22は、巻回管路21の隣り合う部分と略平行に形成されている。そのため、流入路22が巻回管路21と連通する流入孔31において、流入路22と巻回管路21とのなす角度が小さい。したがって、流入路22の進行方向とほぼ同じ方向に空気を巻回管路21へと流入させることができる。このように、流入路22は、流入孔31を介して巻回管路21の長さ方向の特定の一方向(巻回方向R)に向かって空気を流入させることが可能な向きに配されている。
流入路22と巻回管路21とがなす角度は、可能な限り小さいことが好ましく、例えば、60°以下が好ましく、45°以下がより好ましく、30°以下がさらに好ましい。該角度を前記の範囲とすることで、流入路22からより効率的に巻回管路21の巻回方向Rに向かって空気を流入させることができる。なお、本明細書において、流入路22と巻回管路21とのなす角度とは、流入路22が巻回管路21に突入する方向R1と流入孔31とのなす角をいうが、これは、流入路22の中央を通る線と、流入孔31の中央を通る線とのなす角により決定するものとする。
なお、本発明では、流入孔31及び流入路22は、巻回管路21の巻回方向Rに向かって空気を流入させ、縫合糸を巻回管路21内へと案内できる限り、特に限定されず、上述の形態でなくともよい。流入路22は、流入路形成部と内壁13の面との間に形成されていなくともよく、ベースシート11の上面に起立する一対の流入路形成壁との間に流入路22が形成されていてもよい。
また、流入孔31及び流入路22の形成される場所は、特に限定されず、例えば、流入孔31及び流入路22は、外壁12に形成されていてもよく、ベースシート11上おいて巻回管路21が設けられた部分や、蓋部40の後述する巻回管路21を覆う部分に形成されていてもよい。もっとも、流入孔31及び流入路22が内壁13の巻回壁13aと接続するように形成されている場合には、後述するように縫合糸の一端を内壁13より内側の位置に固定できるため、好ましい。
本実施形態では、内壁13の巻回壁13aの形状は、略長円形状である。このように、巻回壁13aの巻回管路21側の壁面(すなわち、巻回管路21の内周壁)は、角を有しない非多角形状が好ましい。その場合には、巻回壁13aに縫合糸が巻回された際に、内周面に当接した状態で保持されても、巻き癖がつかないという利点がある。このような形状としては、例えば、略長円形状、略楕円形状または略円形状などが挙げられる。もっとも、本発明においては、該壁面の形状は特に限定されない。
また、巻回壁13aに縫合糸が巻回された際、該縫合糸に巻き癖がつかないように、巻回壁13aの巻回管路21側の壁面は、曲率が小さいことが望ましい。該壁面の曲率は、巻回される縫合糸の材質等により適宜決定されるが、例えば、該壁面の最小曲率が、1.2mm-1以下が好ましく、0.8mm-1以下がより好ましい。
内壁13の巻回壁13aの曲面部分には、巻回管路21と連通する流入孔33が、径方向にちょうど正反対の位置に2つずつ(計4つ)開口している。このように、本発明の縫合糸用パッケージには、複数の吸引孔が開口していることが好ましく、3つ以上がより好ましい。その場合には、巻回管路21より効率的に空気を吸引できる。もっとも、吸引孔33は必ずしも複数である必要はなく、1つだけでもよい。
また、複数の吸引孔33が開口している場合には、巻回壁13aの径方向にそれぞれ正反対となる位置に吸引孔33が開口していることが好ましい。
本実施形態では、巻回壁13aが複数個所において切り欠かれており、吸引孔33は切り欠かれた巻回壁13aの隙間にそれぞれ形成されている。このように、巻回管路21内を周回する縫合糸が空気と共に吸引孔33から吸引されないように、周回方向における孔の大きさが小さいことが好ましい。より好ましくは、吸引孔33の形状は、巻回方向Rと略直交する長穴形状の孔が好ましい。その場合、長穴形状の流出孔33における最小幅は、2mm以下が好ましく、1mm以下がより好ましく、0.4mm以下がさらに好ましい。
また、本実施形態では、吸引孔33は、内壁13を斜め方向に切断されるように形成されており、その切断方向R2と巻回方向Rとが巻回管路21内にてなす角度は、鋭角となっている。該角度は鋭角が好ましく、60°以下がより好ましく、45°以下がさらに好ましい。このように、吸引孔33は、周回方向Rに周回する縫合糸が吸引孔33から吸引されないために、斜め方向に形成されていることが好ましい。
もっとも、吸引孔33の形状及び形態は、巻回管路21より空気を吸引して、巻回管路21内に縫合糸を巻回できる限りにおいて、特に限定されない。吸引孔33は、単に巻回壁13aの壁面を貫通する孔であってもよい。
なお、本発明において、吸引孔33の位置は、巻回管路21より空気を吸引して、巻回管路21内に縫合糸を巻回できる限りにおいて、特に限定されず、長円状の巻回壁13aの壁面における平面部分に開口していてもよい。もっとも、縫合糸をより容易に巻回するには、吸引孔33の位置は、巻回管路21内において、流入孔31が形成されている位置から、巻回方向Rに所定の道程を進行した位置の壁面に設けられていることが好ましい。具体的には、縫合糸用パッケージ1に吸引孔33が1つだけ設けられているとき、流入孔31が形成されている位置の中心を起点として巻回管路21内を巻回方向Rに進行する場合において、巻回管路21の全道程に対して10〜70%(10%を進行した位置から70%を進行した位置までの範囲内)の道程に係るいずれかの位置が好ましく、20〜60%がより好ましく、30〜50%がさらに好ましい。縫合糸用パッケージ1に複数の吸引孔33が設けられているときは、各吸引孔33の位置までの道程の平均が、上記範囲となっていることが好ましい。
また、吸引孔33は、外壁12に開口していてもよく、巻回管路21の周囲のベースシート11や蓋部40に開口していてもよい。もっとも、吸引孔33が内壁13の巻回壁13aの曲面部分に開口している場合には、縫合糸が巻回管路21の曲部を通過する際に、縫合糸を内壁側に吸い寄せる作用により、該縫合糸が該曲面部分に沿って移動することを促進するため、好ましい。
本実施形態では、パッケージ本体部10は、ベースシート11上において巻回壁13aより内側に、その両端において巻回壁13aと接続し、巻回壁13aと共に空気排出空間を形成するように起立する吸引路形成壁14をさらに備える。吸引孔33は、該空間と連通している。
さらに、本実施形態では、巻回壁13aと吸引路形成壁14とに囲まれた部分において、ベースシート11に吸引口34が開口している。そして、該吸引空間は、吸引孔33と吸引口34とを連通させる吸引路23となる。
図2は、蓋部40を設けた縫合糸用パッケージ1を表す模式的平面図である。図2に示すように、蓋部40は、巻回管路21、流入路22、吸引路23を覆うように、パッケージ本体部10上に設けられる(以下、蓋部40が設けられている方向を上側とする)。このとき、外壁12、内壁13及び吸引路形成壁14は、上側の端辺において、蓋部40と接合する。これにより、蓋部40に覆われた巻回管路21は、空気が循環可能な環状の管体流路(管路)となる。蓋部40に覆われた流入路22は、流入口32から空気が流入し、流入孔31を介して巻回管路21へと空気を流入させることが可能な管体流入路となる。蓋部40に覆われた吸引路23は、巻回管路21から複数の吸引孔33を通じて空気が吸引され、ベースシート11に開口している吸引口34を介してベースシート11の下側に空気を吸引することが可能な吸引路となる。
本実施形態では、巻回管路21内を巻回方向Rに進行していくに従い、巻回管路21の断面積が小さくなっている。具体的には、巻回管路21内を巻回方向Rに沿って周回するとき、流入孔31が設けられた位置の直後から、流入孔31が設けられた位置の直前に至るまで、巻回管路21内を進行していくに従い、巻回方向Rに直交する巻回管路21の断面積が小さくなるように構成されている。これにより、流入孔31から流入した空気が巻回管路21内を進行していくにつれ、該空気の流速が低下することを抑制することができる。
外壁12、内壁13または吸引路形成壁14と蓋部40との接合方法は特に限定されない。例えば、蓋部40の当該接合部分が外壁12、内壁13または吸引路形成壁14と嵌合可能な形状を有している場合には、嵌合により接合してもよい。また、蓋部40を外壁12、内壁13または吸引路形成壁14に溶着、接着、貼付等してもよい。
また、パッケージ本体部10に蓋部40を確実に固定するために、ベースシート11の上面に1つ以上の蓋固定部18を設けてもよい。蓋固定部18は、例えば、蓋部40に設けられた嵌合突起と嵌合することにより、蓋部40を固定してもよい。
図3及び図4は、縫合糸用パッケージ1に設けられた第1及び第2の案内部15及び45の略図的側面図である。本実施形態では、流入路22及び巻回管路21の上下に第1及び第2の案内部15及び45を備えている。具体的には、第1の案内部15は、流入路22を区画形成しているベースシート11の上面に設けられる。第2の案内部45は、巻回管路21を区画形成している蓋部40の巻回管路21側の面に設けられる。
第1の案内部15は、流入路22内に流入する縫合糸を、上方向(蓋部40方向)へと案内する構造を有する。具体的には、図3に示されるように、第1の案内部15は、流入路22における流入方向R1に向かって上方向に上るような傾斜面を有している。これにより、流入路22において第1の案内部15が形成されている部分では、流入路22が上方向に向かって傾斜するため、縫合糸を上方向へと案内することができる。
第2の案内部45は、巻回管路21内に周回する縫合糸を、下方向(ベースシート11方向)へと案内する構造を有する。具体的には、図4に示されるように、第2の案内部45は、巻回管路21における周回方向Rに向かって下方向に下るような斜面を有している。これにより、巻回管路21において第2の案内部45が形成されている部分では、巻回管路21が下方向に向かって傾斜するため、縫合糸を下方向へと案内することができる。
本実施形態では、第1及び第2の案内部15及び45は、流入路22の流入方向R1及び巻回管路21の巻回方向Rにおいて、流入孔31のちょうど手前付近に設けられている。すなわち、第1の案内部15は、縫合糸を流入孔31より巻回管路21内に案内する直前において、該縫合糸を上方向へと案内する位置に設けられている。第2の案内部45は、流入孔31より巻回管路21内に案内された縫合糸が、巻回管路21内を一周する直前において、該縫合糸を下方向へと案内する位置に設けられている。
もっとも、流入路22内における第1の案内部15の位置は、縫合糸を上方向へと案内し、流入孔31を介して巻回管路21内に縫合糸を上方向から流入させることができる限り、特に限定されない。巻回管路21内における第2の案内部45の位置は、第1の案内部15により上方向から巻回管路21内に流入してきた縫合糸を下方向に案内できる限り、特に限定されない。また、縫合糸が巻回管路21内を周回中に自重により下方向へと下がっていく場合には、第2の案内部45は必須でなく、なくともよい。
なお、第1及び第2の案内部15及び45は、流入路22を区画形成している蓋部40の流入路22側の面及び巻回管路21を区画形成しているベースシート11の上面に設けられていてもよい。すなわち、第1及び第2の案内部15及び45は、互いに逆の向きとなるように設けられていればよい。その場合には、上述の第1及び第2の案内部15及び45に関する記述については、上下の記載を逆にして読み替えればよい。
本発明の縫合糸用パッケージ1では、外壁12と内壁13との間に形成される巻回管路21内に縫合糸を保持するため、ベースシート11上において内壁13より内側の空間がフリースペースとなる。そのため、該スペースに縫合糸の端部を固定する固定部を形成することができる。
本実施形態では、ベースシート11上において内壁13より内側に、一組のホルダー16が形成されている。ホルダー16は、縫合糸の端部に取り付けられた針を固定するための針留め材を嵌め込み可能な構造を有している。針留め材をホルダー16に嵌め込み、該位置に配することにより、巻回管路21に巻回する縫合糸の端部に取り付けられた針を、内壁13より内側に固定することができる。
具体的には、図5に示すように、ホルダー16は、ベースシート11上に起立し、エラストマーからなる針留め材50を保持可能な保持空間16cを形成する一対の保持壁16aと、保持壁16aのそれぞれの上端部に形成され、保持空間16cから針留め材50が抜けることを防止する抜け止め部16bとを有する。抜け止め部16bは、保持空間16cの外側へ向かってのみ広がるように斜めに切り込まれているため、針留め材50を外側から保持空間へと嵌め込む際には抵抗が小さく、保持空間から外側へと取り出す際には抵抗が大きくなる。
なお、ベースシート11上に針留め材を配するにあたり、ホルダー16は必ずしも必要ない。針留め材50は、例えば、ベースシート11上に溶着、接着、貼付等されていてもよい。好ましくは、製造工程の簡略化のため、針留め材50はベースシート11と一体に成形されていてもよい。
針留め材50に用いるエラストマーの材質は、縫合糸の端部に取り付けられた針を固定できる限り特に限定されず、例えば、シリコーンゴム、ポリウレタンゴム、ポリスチレンゴム、ポリオレフィンゴムなど、医療分野において通常用いられる種々のエラストマーを用いることができる。なかでも、衛生面に優れたシリコーンゴム、ポリウレタンゴムなどのエラストマーが好ましく、加硫及び添加剤が不要なポリウレタンゴムなどが特に好ましい。
なお、本発明において、縫合糸の端部に取り付けられた針を固定する手段としては、必ずしもエラストマーからなる針留め材を用いる必要はない。例えば、発泡体からなる針留め材が配されていてもよく、本体部10に針留め可能な構造が形成されていてもよい。また、粘着テープなどにより、ベースシート11上に針を貼付して固定してもよい。
また、本実施形態では、ベースシート11には、針留め材50が配される近くにおいて、周囲に切れ込みの入った窓部36が形成されている。窓部36は、ベースシート11の下部及び上部に開閉可能な構造を有している。そのため、針留め材50に固定された針を使用時にピンセット等で掴む際に、窓部が開くことによりベースシート11の底がピンセット等の邪魔にならず、針をつかみやすくなる。
本実施形態では、窓部36は略四角形状であり、三辺にベースシート11を貫通する切れ込みが入っており、残り一辺をヒンジとしてベースシート11の下部及び上部に開閉可能な構造を有している。もっとも、窓部36は開閉可能な構造であればよく、形状は略四角形上に限らず、略円形状、略多角形状または略星形形状などでもよい。
本実施形態では、流入口32付近において、ベースシート11にノズル出口35が開口している。具体的には、ベースシート11において、流入路22の延長線上にあたる位置に、ベースシート11の下部から送風ノズルを出すためのノズル出口35が開口している。これにより、図6に示すように、ベースシート11の裏面よりノズル出口35を通して送風機の送風ノズル60を出すことができる。このようにして、流入路22の入口付近に送風ノズルの位置を固定し、流入路22に空気を容易に吹き込むことができる。
次に、本発明の縫合糸用パッケージ1に縫合糸を巻回する方法を説明する。縫合糸用パッケージ1に巻回される縫合糸は特に限定されず、例えば、絹などの天然材料からなる縫合糸であってもよく、ナイロン等のポリアミド、ポリジオキサノン、ポリグリコール酸等のポリエステル、ポリプロピレン等のポリオレフィン、またはポリビニリデンフルオライドなどの合成材料からなる縫合糸であってもよい。該縫合糸は、モノフィラメント縫合糸であってもよく、マルチフィラメント縫合糸であってもよいが、縫合糸の腰が強く、巻回時に吸引孔33より吸引され難い点において、モノフィラメント縫合糸が好ましい。また、特に限定されないが、該縫合糸の直径が0.05〜0.5mmの範囲である場合には、吸引孔33より吸引され難く、巻回管路内にスムーズに巻回され得るため、より好ましい。
まず、環状の巻回管路21内の空気を、吸引孔33から吸引して排出する。それによって、流入孔31より巻回管路21内に空気を流入させ、巻回方向Rに沿った気流を生成することができる。該気流は、好ましくは、巻回管路21内において、巻回方向Rに周回する循環流である。
吸引孔33から空気を吸引する方法としては、例えば、吸引口34に減圧吸引機を取り付けて、吸引孔33を介して巻回管路21内の空気を吸引する方法が挙げられる。このとき、巻回管路21内が負圧になるため、流入孔31より巻回管路21内に空気が流入する。このようにして流入した空気が、巻回管路21内に流れる気流となる。
好ましくは、上記のようにして流入した空気の一部が、吸引孔33から排出されずに巻回管路21内に残り、巻回方向Rに沿って周回する。このようにして、巻回管路21内に循環流が形成される。
このとき、巻回管路21内における気流(好ましくは、循環流)の形成を助けるため、吸引孔33からの吸引と共に、流入口32に空気を吹き込み、流入孔31から巻回管路21内に直接空気を流入させてもよい。流入口32に空気を吹き込む方法としては、例えば、ベースシート11の裏面よりノズル出口35を通して送風機の送風ノズルを出すことにより送風ノズルの位置を固定し、流入口32に向かって送風する方法が挙げられる。
続いて、または上述の空気の流れの生成と同時に、縫合糸の一端を流入口32に接近させる。これにより、該縫合糸は、流入口32より流入する空気の流れに引き込まれて、流入孔31を通って巻回管路21内に案内される。続いて、該縫合糸は、巻回管路21内の空気の気流(好ましくは、循環流)の流れに乗って、巻回管路21内を巻回方向Rに沿って移動する。そして、該縫合糸は、気流(好ましくは、循環流)及び縫合糸自身の慣性力により、巻回管路21内を周回する。このようにして、縫合糸が巻回管路21内(特に、巻回壁13a)に巻回されてゆく。
なお、本実施形態では、巻回管路21内を巻回方向Rに進行していくに従い、巻回管路21の断面積が小さくなっているため、上記のようにして流入した空気の一部が吸引孔33より吸引され、その先の巻回管路21内において気流の量が減少したとしても、気流の流速の低下が小さい。そのため、巻回管路21内に案内された縫合糸の速度も低下し難くなるため、縫合糸を巻回管路21内により容易に巻回することができる。
本実施形態では、流入路22及び巻回管路21の上下に第1及び第2の案内部15及び45を備えている。これにより、流入路22へと引き込まれた縫合糸は、第1の案内部15により流入路22の上方向(蓋部40方向)に案内される。該縫合糸は、そのまま巻回管路21の上側に流入し、巻回管路21の上側を周回する。そして、巻回南路21内に設けられた第2の案内部45により下方向(ベースシート11方向)に案内され、続いて巻回管路21の下側を周回し続ける。すなわち、巻回管路21に引き込まれた縫合糸は、第2の案内部45が設けられた場所までは巻回管路21の上側を通過し、第2の案内部45に案内されて以降は巻回管路21の下側を周回することとなる。
そして、縫合糸の先端付近が巻回管路21の内周壁に巻回された状態で巻回管路21の一番下を周回しているとき、該縫合糸に続く部分は、先に下側を周回していた縫合糸の上に積み重なるように巻回される。そのため、巻回管路21内で縫合糸が絡まり難くなる。したがって、使用時に縫合糸用パッケージ1より縫合糸をスムーズに引き出すことができる。
なお、案内部15及び45の上下関係が逆の場合にも、上下が逆である以外は上記と同様の機構により、縫合糸が巻回される。
その後、縫合糸の他の一端を縫合糸用パッケージ1に固定することにより、保持させる。縫合糸を固定する位置及び手段は特に限定されないが、好ましくは、縫合糸の端部に取り付けられた針を、内壁13より内側のベースシート11上に配された針留め材50に固定する方法が挙げられる。その場合には、縫合糸用パッケージ1の内側に針付き縫合糸を比較的コンパクトに収納することができる。また、使用時には針留め材50から針をピンセット等で掴んで取り外すことにより、すぐに縫合を開始することができる。
本実施形態の縫合糸用パッケージ1は、上記のように構成されているので、以下の利点を有する。
すなわち、本実施形態の縫合糸用パッケージ1は、環状の巻回管路21と、巻回管路21と連通し、巻回管路21から空気を吸引により排出させることが可能な吸引孔33と、巻回管路21と連通し、巻回管路21の巻回方向Rに向かって空気を流入させ、縫合糸を巻回管路21内へと案内することが可能な流入孔31とを備え、吸引孔33から巻回管路21内の空気を吸引して排出することにより、流入孔31から巻回管路21内に空気が流入して巻回管路21内に気流が形成され、該気流により前記巻回管路21内に縫合糸を巻回して収容保持するように構成されているため、縫合糸の詰まりを抑えつつ、縫合糸を縫合糸用パッケージ内へ容易に装填することができる。
また、本実施形態の縫合糸用パッケージ1は、巻回管路21内に縫合糸を繰り返し周回させることにより、パッケージが比較的小型であっても、長い縫合糸を巻回して収容することができるという利点も有する。
さらに、本実施形態の縫合糸用パッケージ1は、巻回管路21内に縫合糸を繰り返し周回させて巻回した場合においても、巻き数によって曲率は変わらないため、縫合糸用パッケージ1に収容した縫合糸に巻き癖がつきにくくなるという利点も有する。
また、本実施形態の縫合糸用パッケージ1は、吸引孔33の形状が、巻回方向Rと略直交する長穴形状であるため、吸引孔33から縫合糸が流出し難く、前記巻回管路内に縫合糸をより確実に巻回することができるという利点も有する。
さらに、本実施形態の縫合糸用パッケージ1は、流入孔31が設けられた位置の直後から、流入孔31が設けられた位置の直前に至るまで、巻回管路21内を進行していくに従い、巻回管路21の断面積が小さくなるように構成されているため、前記巻回管路内に縫合糸をより容易に巻回することができるという利点も有する。
また、本実施形態の縫合糸用パッケージ1は、流入孔31に空気及び縫合糸を案内する流入路22を備え、流入路22は、流入孔31を介して巻回管路21の巻回方向Rに向かって空気を流入可能な向きに配されているため、巻回管路21に縫合糸を容易に巻回できるという利点も有する。
さらに、本実施形態の縫合糸用パッケージ1は、流入路22内において、縫合糸を上方向に案内可能な第1の案内部15と、巻回管路21内において、縫合糸を下方向に案内可能な第2の案内部45とが形成されているため、巻回管路21内で縫合糸が絡まり難くなるという利点も有する。
また、本実施形態の縫合糸用パッケージ1は、ベースシート11には、流入路22の延長線上において、送風機の送風ノズルを通すためのノズル出口35が開口しているため、流入路22に空気を吹き込みやすいという利点も有する。
さらに、本実施形態の縫合糸用パッケージ1は、ベースシート11上の内壁13より内側の位置において、縫合糸の端部に取り付けられた針を固定するための針留め材を嵌め込み可能なホルダー16が設けられ、ホルダー16には、嵌め込まれた針留め材が抜けることを防止する抜け止め機構16bが形成されているため、前記針留め材を前記ホルダーに嵌め込むだけでパッケージに容易に固定できるという利点も有する。また、前記針留め材がパッケージ内側の空間に配置されるため、パッケージをよりコンパクトにすることができるという利点も有する。
なお、本発明の縫合糸用パッケージは、上記構成に限定されず、適宜設計変更可能である。例えば、図7に示されるように、巻回壁13aの巻回管路21側の壁面には、長さ方向に延びる凹状帯13cが形成されていてもよい。この場合には、縫合糸が巻回壁13aに巻回される際に、周回経路が最も短くなる凹状帯13cに集中して巻回される。従って、巻回壁13aと蓋部40とが接合している隙間に縫合糸が入り込むことを防止できる。
また、図8に示されるように、巻回壁13aと蓋部40との接合部分を、巻回壁13aの長さ方向において非直線状となるようにしてもよい。この場合にも、巻回壁13aと蓋部40とが接続している隙間に縫合糸が入り込むことを防止できる。なお、図6では、該接合部分は波状として表されているが、該接合部分は波状には限定されない。すなわち、該接合部分は非直線状であればよく、例えば、矩形状、鋸歯状または櫛歯状などであってもよい。
さらに、図9に示されるように、巻回壁13aが、ベースシート11上に設けられた嵌合突起19と、蓋部40のベースシート11と対向する面に設けられた嵌合突起49とが嵌合することにより形成されていてもよい。この場合にも、巻回壁13aと蓋部40とが接続している隙間に縫合糸が入り込むことを防止できる。
なお、巻回壁13aと蓋部40との接合部分に限らず、内壁13の流入路形成部13bや外壁12など、本体部10と蓋部40とが接合するその他の部分についても、図8または図9のように接合していてもよい。
また、ホルダー16の代替として、図10に示されるような構造のホルダー17が設けられていてもよい。具体的には、ホルダー17は、ベースシート11上に起立した鉤型の保持壁17aと、保持壁17aの端部に形成された抜け止め部17bとを有する。保持壁17aとベースシート11との間には針留め材50を保持可能な保持空間17cが形成されており、保持空間17cの外側へ向かってのみ広がるように斜めに切り込まれた抜け止め部17bにより、保持空間17cから針留め材50が抜けることを防止する。
さらに、図11に示される縫合糸用パッケージ2のように、流入孔31及び流入路22が、外壁12側に設けられていてもよい。この場合にも、流入口32より空気及び縫合糸を流入させることにより、巻回管路2内に縫合糸を巻回することができる。
また、縫合糸用パッケージ2のように、外壁12より外側に、一組のホルダー16等の針留め可能な構造が設けられていてもよい。この場合にも、ベースシート11の下部及び上部に開閉可能な窓部36が、該針留め可能な構造の傍に設けられていることが好ましい。
また、図12に示される縫合糸用パッケージ3では、外壁12において、巻回管路21に連通する追加の空気流入孔38が形成されている。また、追加の空気流入孔38を介して巻回管路21の巻回方向Rに向かって空気を流入可能な追加の空気流入路28が形成されている。このように、追加の空気流入孔38を設けることにより、巻回管路21内に空気を巻回方向Rに向かって効率よく流入させることができる。例えば、追加の空気流入路28に空気を吹き込んで巻回管路21内に空気を送りつつ、吸引口34より巻回管路21から空気を吸引してもよい。
追加の流入路28と巻回管路21とがなす角度は、60°以下が好ましく、45°以下がより好ましく、30°以下がさらに好ましい。
なお、縫合糸用パッケージ2においては、追加の空気流入孔38及び追加の空気流入路28は、外壁12に形成されているが、これらの形成される場所は、巻回管路21の巻回方向Rに向かって空気を流入させることが可能である限り、特に限定されない。例えば、追加の空気流入孔38及び追加の空気流入路28は、内壁13の巻回壁13aに形成されていてもよく、巻回管路21の周囲のベースシート11や蓋部40に形成されていてもよい。また、複数の追加の空気流入孔36及び追加の空気流入路28が形成されていてもよい。
1〜3…縫合糸用パッケージ
10…パッケージ本体部
11…ベースシート
12…外壁
13…内壁
13a…巻回壁
13b…流入路形成部
13c…凹状帯
14…吸引路形成壁
15…第1の案内部
16,17…ホルダー
16a,17a…保持壁
16b,17b…抜け止め部
16c,17c…保持空間
18…蓋固定部
19…嵌合突起
21…巻回管路
22…流入路
23…吸引路
31…流入孔
32…流入口
33…吸引孔
34…吸引口
35…ノズル出口
36…窓部
40…蓋部
45…第2の案内部
49…嵌合突起
50…針留め材
60…送風ノズル
R…巻回方向

Claims (12)

  1. 環状の巻回管路と、
    前記巻回管路と連通し、前記巻回管路から空気を吸引により排出させることが可能な吸引孔と、
    前記巻回管路と連通し、前記巻回管路の長さ方向における特定の一方向に向かって空気を流入させ、縫合糸を前記巻回管路内へと案内することが可能な流入孔とを備え、
    前記吸引孔から前記巻回管路内の空気を吸引して排出することにより、前記流入孔から前記巻回管路内に空気が流入して前記巻回管路内に気流が形成され、該気流により前記巻回管路内に縫合糸を巻回して収容保持するように構成されており、
    前記吸引孔が、前記巻回管路の前記一方向に直交する方向を長手方向とする長穴形状である、縫合糸用パッケージ。
  2. 環状の巻回管路と、
    前記巻回管路と連通し、前記巻回管路から空気を吸引により排出させることが可能な吸引孔と、
    前記巻回管路と連通し、前記巻回管路の長さ方向における特定の一方向に向かって空気を流入させ、縫合糸を前記巻回管路内へと案内することが可能な流入孔とを備え、
    前記吸引孔から前記巻回管路内の空気を吸引して排出することにより、前記流入孔から前記巻回管路内に空気が流入して前記巻回管路内に気流が形成され、該気流により前記巻回管路内に縫合糸を巻回して収容保持するように構成されており、
    前記巻回管路を前記一方向に沿って周回するとき、前記流入孔が設けられた位置の直後から、前記流入孔が設けられた位置の直前に至るまで、前記巻回管路を進行していくに従い、前記一方向に直交する前記巻回管路の断面積が小さくなるように構成されている、縫合糸用パッケージ。
  3. 前記吸引孔が前記巻回管路と連通している部分における前記一方向を該吸引孔の幅方向としたとき、前記吸引孔の最小幅が2mm以下である、請求項1または2に記載の縫合糸用パッケージ。
  4. 前記流入孔に空気及び縫合糸を案内する流入路をさらに備え、
    前記流入路は、前記流入孔を介して前記巻回管路の前記一方向に向かって空気を流入可能な向きに配されている、請求項1〜のいずれか1項に記載の縫合糸用パッケージ。
  5. 前記巻回管路の前記一方向に直交し、前記巻回管路の内周壁に沿った方向の一方を上としたとき、
    前記流入路内において、上下いずれかの方向に縫合糸を案内可能な第1の案内部と、
    前記巻回管路内において、前記第1の案内部による案内方向と上下逆方向に縫合糸を案内可能な第2の案内部とが形成されている、請求項に記載の縫合糸用パッケージ。
  6. 前記巻回管路の内周壁に、前記巻回壁の長さ方向に向かって延びた凹状帯が形成されている、請求項1〜のいずれか1項に記載の縫合糸用パッケージ。
  7. 前記縫合糸用パッケージが、少なくとも一部が開口した環状の巻回路を備えるパッケージ本体部と、前記巻回路の開口を覆う蓋部とを含み、
    前記巻回路と前記蓋部とで前記巻回管路が形成されており、
    前記パッケージ本体部と前記蓋部との接合部分が、非直線状となっている、請求項1〜のいずれか1項に記載の縫合糸用パッケージ。
  8. 前記縫合糸用パッケージが、複数の突起が設けられたパッケージ本体部及び蓋部を含み、
    前記巻回管路の内周壁が、前記パッケージ本体部及び前記蓋部の複数の突起同士が嵌合することにより形成されている、請求項1〜のいずれか1項に記載の縫合糸用パッケージ。
  9. 前記巻回管路の前記一方向に向かって空気を流入させることが可能な追加の空気流入孔をさらに備える、請求項1〜のいずれか1項に記載の縫合糸用パッケージ。
  10. 前記巻回管路及び前記流入路がベースシート上に形成されており、
    前記ベースシートにおいて、前記流入路の延長線上において、送風機の送風ノズルを通すためのノズル出口が開口している、請求項またはに記載の縫合糸用パッケージ。
  11. 前記巻回管路がベースシート上に形成されており、
    前記ベースシート上の前記巻回管路より内側の位置において、縫合糸の端部に取り付けられた針を固定するための針留め材を嵌め込み可能なホルダーが設けられており、
    前記ホルダーには、嵌め込まれた針留め材が抜けることを防止する抜け止め機構が形成されている、請求項1〜10のいずれか1項に記載の縫合糸用パッケージ。
  12. 前記巻回管路がベースシート上に形成されており、
    前記ベースシート上の前記巻回管路より内側の位置において、縫合糸の端部に取り付けられた針を固定するためのエラストマーからなる針留め材が、前記ベースシートと一体成形されている、請求項1〜10のいずれか1項に記載の縫合糸用パッケージ。
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