JP6353149B1 - 電力輸送部門業務支援システム - Google Patents
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Abstract
Description
しかし、各業務支援システムの目的は、いずれも電力輸送設備についての計画や管理であること、それらの業務運営は設備によらず共通した部分も多いことから、全ての業務支援システムを一つの業務支援システムに統合する開発が実施された。
その後、その業務支援システムがカバーする範囲を運用業務まで拡大し、操作伝票作成支援、制御所と現場・事業所とを結んだ現地操作支援も行えるようになった。
例えば、本出願人等は、非特許文献1(電気評論、2016年1月号、「九州電力における技術革新のあゆみ」IV.変電部門、174〜175頁)に記載されるように、電力輸送部門ITシステム(TSMS:Transmission & System operation Management System)を開発し、2003年に運用を開始している。
そして、非特許文献2(電気学会誌、124巻10号「電力輸送分野におけるERP」、646〜649頁、2004年)には、TSMSの概要や特徴等についての説明が掲載されている。
また、本出願人等は、特許文献1(特許第4057580号公報)に記載されるように、現場での誤操作を未然に防止するため、個別の機器に識別番号を電子的に記録した機器札を設置するとともに、作業時に操作を行う機器に対して操作内容及び識別番号を電子的に記録した表示札を一時的に設置しておき、表示札が設置してある機器を操作する際に、表示札と機器札から識別番号を携帯端末で電子的に読み取って、それらの識別番号が一致しないとき、不一致の旨を報知する設備誤操作防止システムも開発している。
また、本発明の第2の課題は、一旦発注した作業について作業計画調整の要求が行われた場合に、その計画変更要求情報を関係箇所の全てに報知するとともに、その後確定した作業計画の内容を関係箇所の全てに報知できるようにすることである。
電力輸送部門サーバ、電力輸送部門内に設置されている部門内情報端末及び電力輸送部門以外に設置されている部門外情報端末を備え、
前記電力輸送部門サーバは、電力輸送データベース、分析評価手段、電子承認手段、前記部門内情報端末との間で情報の送受信を行う部門内情報送受信手段及び前記部門外情報端末との間で情報の送受信を行う部門外情報送受信手段を有し、
前記部門外情報端末は、
前記電力輸送部門から作業の依頼を受けた協力会社が保有しており、
前記電力輸送部門サーバとの間で情報の送受信を行う情報送受信手段と、
前記電力輸送部門サーバから受信した前記作業の計画に関する作業計画情報を報知する作業計画報知手段と、
報知された作業計画情報に基づいて、前記協力会社が前記作業の計画を承諾したことを示す承認情報及び前記作業を実施する日時を含む計画の変更を求めていることを示す変更要求情報を入力することができる協力会社情報入力手段と、
入力された前記承認情報又は前記変更要求情報を前記電力輸送部門サーバに送信する協力会社情報伝達手段を有し、
前記電力輸送部門サーバは、
前記部門外情報端末から前記承認情報又は前記変更要求情報を受信した時、前記部門内情報端末のうち、前記作業に関係する業務を取り扱う作業関連情報端末に前記承認情報又は前記変更要求情報を送信する協力会社情報送信手段と、
前記変更要求情報を受信した前記作業関連情報端末で作成された前記作業の計画変更に関する変更情報を受信した時、当該変更情報を前記作業関連情報端末及び前記部門外情報端末に送信する変更情報送信手段を有していることを特徴とする。
前記電力輸送部門サーバと前記部門外情報端末は、オープンネットワークを介して接続され、
前記部門外情報送受信手段は、前記部門外情報端末から送信された協力会社ID情報を確認して前記承認情報又は前記変更要求情報を受け入れ、
前記情報送受信手段は、前記電力輸送部門サーバに前記承認情報又は前記変更要求情報を送信する時には協力会社ID情報を送信することを特徴とする。
また、電力輸送部門サーバは、部門外情報端末から承認情報又は変更要求情報を受信した時、部門内情報端末のうち、作業に関係する業務を取り扱う作業関連情報端末に承認情報又は変更要求情報を送信する協力会社情報送信手段と、変更要求情報を受信した作業関連情報端末で作成された作業の計画変更に関する変更情報を受信した時、変更情報を作業関連情報端末及び部門外情報端末に送信する変更情報送信手段を有しているので、協力会社から作業計画変更の要求が行われた場合には、その変更要求情報を関係部署の部門内情報端末に送信することができ、その後確定した作業計画変更の内容を関係部署の部門内情報端末及び部門外情報端末に送信することができる。
図1に示すとおり、実施例に係る電力輸送部門業務支援システムは、電力輸送部門内に設置されている電力輸送部門サーバ1及び部門内情報端末2、電力輸送部門以外に設置されている部門外情報端末3、協力会社連携サーバ4を備え、電力輸送部門サーバ1、部門内情報端末2、部門外情報端末3及び協力会社連携サーバ4は、それぞれ入力部1N、2N、3N及び4N並びにモニタ1M、2M、3M及び4Mを備えている。
また、電力輸送部門サーバ1と部門内情報端末2は、適宜の情報通信手段(LAN等のクローズドネットワークや専用回線)を介して各種情報の送受信を行うことができるようになっており、電力輸送部門サーバ1と部門外情報端末3は、インターネット回線等のオープンネットワーク、協力会社連携サーバ4及びファイヤウォール5を介して各種情報の送受信を行うことができるようになっている。
なお、電力輸送部門サーバ1には、入力部1N及びモニタ1Mを設けず、特定の部門内情報端末2の入力部2N及びモニタ2Mを用いて、電力輸送部門サーバ1の制御や必要な情報の表示を行うことができるようにしても良い。
(1)部門内情報端末2、部門外情報端末3から送信された各種の情報及び入力部1Nから入力された情報に基づいて、電力輸送部門サーバ1内の各手段と情報をやり取りして各手段を制御するとともに、必要な情報をモニタ1Mに表示するCPU11。
(2)電力系統を構成する設備(発電設備、変電設備、送電設備、制御設備、保護設備等)に関する情報、過去の作業や費用等に関する実績情報、懸案情報、系統計画情報、系統運用情報、設備工事情報、設備保全情報、電力所・電気所・機器等に関する設備カルテ情報、設備所在地の地図や各種設備の回路図等の図面情報、各種設備の説明書やマニュアル等の資料情報を記録している電力輸送データベース12。
なお、電力輸送データベース12は、分析評価用データベースや運用計画・実績データベース等も含んでおり、大容量の磁気ディスク装置、その磁気ディスク装置を制御するデータベースサーバ、認証・ワークフローサーバ及びGISベースサーバを備えるとともに、各種サーバに接続されるアプリケーションサーバ、GISベースサーバに接続されるGISアプリケーションサーバ等も有している。
そして、各種サーバは相互バックアップをとることができるように複数台設置され、アプリケーションサーバ及びGISアプリケーションサーバには、負荷分散を行うロードバランサが接続されている。
なお、電力輸送データベース12に蓄積されたデータのうち、懸案、障害、点検、工事等のデータは、分析評価用データベースに設備キーで関連付けされて取り込まれている。
(4)部門内情報端末2から送信された作業計画等をモニタ1Mに表示し、保全・工事業務プロセスにおける情報提示、調整、確認、指示、申請、承認についての入力を要求する電子承認手段14。
なお、部門内情報送受信手段15は、社内連携サーバ等からなっている。
(6)保全・工事業務プロセスにおける情報提示、調整、確認、指示、申請、承認、承諾等の要求や応答についての情報を整理した上で、その作業計画に関係している全ての部門内情報端末2に必要な情報を送信する協力会社情報送信手段16。
(7)部門外情報端末3から保全・工事業務プロセスにおいて調整の要求があった場合に、その後確定した当該保全・工事業務プロセスの内容について、その作業計画に関係している全ての部門内情報端末2及び部門外情報端末3に送信する変更情報送信手段17。
なお、監視手段19は、障害監視サーバ及びジョブ管理サーバ等からなっている。
(9)電気工事会社や電力設備メーカー等の協力会社に設置されている複数の部門外情報端末3との間で、インターネット回線等のオープンネットワークを介して情報の送受信を行うための協力会社連携サーバ4。
そして、協力会社連携サーバ4は、CPU41、部門外連携データベース42、部門外情報送受信手段43、モニタ4M及び入力部4Nを備え、電力輸送部門サーバ1との間で、インターネット回線及びファイヤウォール5を介して情報の送受信を行うことができるようになっている。
(10)電力輸送部門サーバ1から送信された各種の情報及び入力部3Nから入力された情報に基づいて、部門外情報端末3全体を制御するとともに、必要な情報をモニタ3Mに表示するCPU30。
(11)電力輸送部門サーバ1との間でインターネット回線等のオープンネットワーク、協力会社連携サーバ4及びファイヤウォール5を介して情報の送受信を行う情報送受信手段31。
(12)入力部3Nから保全・工事業務プロセスにおいて承諾したことを示す承認情報又は保全・工事業務プロセスにおける日時、内容等の変更を求めていることを示す変更要求情報が入力された時に、電力輸送部門サーバ1に必要な情報を送信する協力会社情報伝達手段32。
図1〜3には、本発明の電力輸送部門業務支援システムの概要及び本発明において特徴的な構成のみを示し、それらの構成についての説明を行ったが、電力輸送部門業務支援システムは電力輸送部門で行っている各種の業務を網羅的に支援し、円滑な管理運用を図るために2002年から約15年に亘って開発されており非常に多くの機能を有している。
そこで、以下ではこれらの業務機能の概要について簡単に説明する。
そして、電力輸送部門業務支援システムは、保全、評価、系統計画、事業計画、工事、需給・系統運用支援、運用・操作支援、運用管理支援、設備カルテに関するサブシステムを有しており、各サブシステムはこの輸送DBと相互連結されている。
そのため、データ入力の漏れや各部署が入手する情報に差異が発生しにくく、設備カルテサブシステムにより、輸送DBを横断的に検索でき、設備に関する作業、工事、点検、事故、懸案、障害の履歴に関するデータを可視化できる。
また、運用サブシステムから発信される電気事故速報の情報により、電気事故報告情報を登録して懸案事項があれば同時に登録できる。
さらに、障害が発生した際にも障害管理情報を登録するとともに、懸案事項があれば同時に登録できる。
作業実施段階には作業計画の管理、作業票の作成、作業に関わる人員の入退所管理を行い、作業実施後には必要であった要員、作業工数、作業実績等の記録を作成し、作業記録簿として登録できるようになっている。
そのため、作業実施の遂行にあたる複数の協力会社に対する精算を行うに際して、電力会社又は保全統括会社は、指定した年月で締め処理を行い、協力会社が確認した作業件名について精算することができる。
すなわち、作業実施後における各種の処理をスムーズに行うことができ、これまでチェックと確認に時間を要していた精算処理を早期に完了させることができる。
なお、登録された懸案事項に基づいて作業が実施され作業記録簿が登録され精算処理が完了した時には、当該懸案事項の消し込みが自動的に実施される。
評価サブシステムでは、懸案・障害・事故の発生状況、設備経年、使用状況等に基づく設備の劣化度と、供給支障等のお客様及び系統への影響度を点数付けしたリスクマップを作成でき、リスクに応じた設備更新計画に活用される。
工事に伴う作業が必要な場合は、工事件名に紐付けて作業件名を作成し、停止作業の申請等を行う。工事実施段階では、工事日報、工事費用、費用実績配分及び工事記録簿の登録ができる。
また、工事完了により設備が新設された時には、輸送DBの設備情報に新規設備情報が加えられるとともに、保全サブシステムにおいて新たな点検項目や計画が策定される。
さらに、工事の実施結果は、工事実施中及び実施後において、設備カルテサブシステムや評価サブシステムによって、様々な角度・視点から評価・分析し可視化できるようになっている。
そして、停電日程が決まったら、申請部署及び関係部署に決定内容を自動的に通知する。
また、現地操作支援のため、当日の伝票を現地端末にダウンロードする機能も有しており、各機器に機器札を取り付けておき、総括伝票の情報と機器札の情報を電子的に照合することにより、設備の誤認や誤操作を防止している。
さらに、運用管理支援サブシステムでは、運用に関係する文書の受発信を行うとともに、運用引継日誌の作成及び管理を行う。
そして、運用・操作支援サブシステムで作成された電子伝票形式の総括伝票並びに運用管理支援サブシステムで受発信及び作成された運用文書や運用引継日誌は、運用計画・実績DBに蓄積される。
そして、図1、2に示すように、協力会社連携では、協力会社連携サーバ4をファイヤウォール5の外に置き、内部ネットワークと切り離している。また、部門外情報端末3にアプリケーションソフトをインストールしておき、送受信する情報は暗号化して万が一情報が漏れても情報の内容は読み取れないようにしている。
さらに、各種情報の送受信を行うに際しては、ユーザID及びパスワードを用いたユーザ認証を行うとともに、ウィルスチェックや特定のアドレスからの送信情報のみとの通信を行う等の対策を施している。
(1)実施例の電力輸送部門業務支援システムにおいては、電力輸送部門サーバ1及び部門内情報端末2の両方を、一組織の電力輸送に関係する部署に設置していたが、電力輸送に関係する部署は一組織内に限らず、電力会社の電力輸送部門と電力輸送管理会社といった複数の組織に分散して設置されていても良い。
そのため、本明細書において「電力輸送部門」は、一又は複数の組織に属する電力輸送に関係する部署を含むものとして用いる。
また、電力輸送部門サーバ1は、必ずしも電力輸送部門内に設置しなくても良く、例えば、レンタルスペースや保全統括会社に設置したり、クラウドサーバを利用したりするものであっても良い。
また、電力輸送部門サーバ1と部門外情報端末3については、クローズドネットワークや専用回線を介して各種情報の送受信を行えるようにしても良く、協力会社連携サーバ4を介さずに、直接電力輸送部門サーバ1と部門外情報端末3とをインターネット回線等のオープンネットワーク及びファイヤウォール5を介して接続しても良い。
さらに、入力部1N、2N、3N及び4Nに、カードリーダやバーコードリーダを設け、カード認証やバーコード認証によるチェックを追加しても良い。
(3)実施例の電力輸送部門業務支援システムにおいては、電力輸送部門サーバ1と部門外情報端末3は、インターネット回線等のオープンネットワークを介して接続され、各種情報の送受信を行うに際しては、ユーザID及びパスワードを用いたユーザ認証を行うとともに、送受信する情報は暗号化したが、ユーザIDのみによるユーザ認証を行うものとしても良く、また、送受信する情報は暗号化しなくても良い。
2 部門内情報端末 2N 入力部 2M モニタ
3 部門外情報端末 3N 入力部 3M モニタ
4 協力会社連携サーバ 4N 入力部 4M モニタ
5 ファイヤウォール
11 CPU 12 電力輸送データベース 13 分析評価手段
14 電子承認手段 15 部門内情報送受信手段
16 協力会社情報送信手段 17 変更情報送信手段 18 監視手段
30 CPU 31 情報送受信手段 32 協力会社情報伝達手段
41 CPU 42 部門外連携データベース 43 部門外情報送受信手段
Claims (2)
- 電力輸送部門の各業務を統合管理する電力輸送部門業務支援システムであって、
電力輸送部門サーバ、電力輸送部門内に設置されている部門内情報端末及び電力輸送部門以外に設置されている部門外情報端末を備え、
前記電力輸送部門サーバは、電力輸送データベース、分析評価手段、電子承認手段、前記部門内情報端末との間で情報の送受信を行う部門内情報送受信手段及び前記部門外情報端末との間で情報の送受信を行う部門外情報送受信手段を有し、
前記部門外情報端末は、
前記電力輸送部門から作業の依頼を受けた協力会社が保有しており、
前記電力輸送部門サーバとの間で情報の送受信を行う情報送受信手段と、
前記電力輸送部門サーバから受信した前記作業の計画に関する作業計画情報を報知する作業計画報知手段と、
報知された作業計画情報に基づいて、前記協力会社が前記作業の計画を承諾したことを示す承認情報及び前記作業を実施する日時を含む計画の変更を求めていることを示す変更要求情報を入力することができる協力会社情報入力手段と、
入力された前記承認情報又は前記変更要求情報を前記電力輸送部門サーバに送信する協力会社情報伝達手段を有し、
前記電力輸送部門サーバは、
前記部門外情報端末から前記承認情報又は前記変更要求情報を受信した時、前記部門内情報端末のうち、前記作業に関係する業務を取り扱う作業関連情報端末に前記承認情報又は前記変更要求情報を送信する協力会社情報送信手段と、
前記変更要求情報を受信した前記作業関連情報端末で作成された前記作業の計画変更に関する変更情報を受信した時、当該変更情報を前記作業関連情報端末及び前記部門外情報端末に送信する変更情報送信手段を有している
ことを特徴とする電力輸送部門業務支援システム。 - 前記電力輸送部門サーバと前記部門外情報端末は、オープンネットワークを介して接続され、
前記部門外情報送受信手段は、前記部門外情報端末から送信された協力会社ID情報を確認して前記承認情報又は前記変更要求情報を受け入れ、
前記情報送受信手段は、前記電力輸送部門サーバに前記承認情報又は前記変更要求情報を送信する時には協力会社ID情報を送信する
ことを特徴とする請求項1に記載の電力輸送部門業務支援システム。
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