JP6352818B2 - セネデスムス(Scenedesmus)による混合栄養モードでのルテインの産生 - Google Patents

セネデスムス(Scenedesmus)による混合栄養モードでのルテインの産生 Download PDF

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Description

本発明は、セネデスムス(Scenedesmus)属の微細藻類を混合栄養モードで特に不連続な照明および/または変化する照明、特にフラッシュの形態の存在下にて培養する方法に関する。この方法により、バイオマスを高収率にすることと、このようにして培養された微細藻類のルテインを豊富にすることが可能になる。また、また、本発明は、セネデスムス属に属する微細藻類の株のうちで特にカロテノイドの産生に適した新規な株にも関する。セネデスムス種のこの新規な株は、混合栄養モードでのルテインの産生に有用である。
微細藻類は、独立栄養性の光合成微生物、すなわち光合成によって自律的に増殖する傾向を有する光合成微生物である。
微細藻類は、海水環境や、淡水または塩水のほか、さまざまな地上環境でも増殖する。
淡水または海洋で見つかる微細藻類の大半の種は、一般に、独立栄養性である、すなわち光合成によってしか増殖することができない。それらの種にとって、環境中に炭素含有基質または有機材料が存在することは有利ではなく、増殖を向上させることはない。
しかし科と起源が非常に多彩な微細藻類のいくつかの種は、一般には独立栄養性ではないことがわかっている。例えばそのうちの従属栄養性と呼ばれるいくつかは、光がまったくない状態で、発酵によって、すなわち有機材料を利用して増殖することができる。
増殖する上で光合成が不可欠な微細藻類の他の種は、光合成と、環境中に存在する有機材料の両方を利用することができる。混合栄養性と呼ばれるこれらの中間種は、光と有機材料の両方が存在する状態で培養することができる。
“混合栄養性”と呼ばれる藻類のこの特徴は代謝と結び付いていて、その代謝によってこの藻類が光合成と発酵を同時に実行することが可能になっているように思われる。これら2種類の代謝は、藻類の増殖に対するプラスの全体的効果と共存している[Yang, C.他(2000年);Biochemical Engineering Journal、第6巻:87〜102ページ]。
現在、微細藻類は多くの工業的プロジェクトの対象となっている。なぜならいくつかの種は、大量のカロテノイドを蓄積または分泌することができるからである。
カロテノイドは600種類程の化合物が知られており、橙色や黄色の色素であり、様々な生物が含有している。それらは脂質に溶解するため、一般に、生物により容易に吸収される。それらはテルペノイドの化学的ファミリーに属し、イソプレン単位と脂肪族又は脂環式の構造との重合により形成される。実際に、「カロテノイド」は、カロテン及びキサントフィルを含む。
微細藻類中、カロテノイドは複数の機能を有する。実際に、それらは光の吸収プロセスに関与するだけでなく、光合成複合体の構造の安定化及びその機能の促進に関与し、更に活性酸素誘導体の捕捉及び過剰なエネルギーの消散にも関与する。カロテノイドの内在的な抗酸化活性は、それらの酸化ストレスに対する保護作用の基礎をなす。
これらの分子の抗酸化特性は、実際に、食品産業及び製薬産業において非常に魅力的である。食品への抗酸化剤の添加は、フリーラジカルによる酸化を阻害又は遅延させ、またフリーラジカルの伝搬を阻止し得る。
カロテノイドは色素として使用されるが、それらは抗酸化剤としてヒトの健康にとって重要な役割を有する。それらは、免疫系の刺激機能も有する。
ルテイン(ラテン語で黄色を意味するLuteusに由来する)(C40H5602)は、キサントフィルであり、卵黄、黄色野菜(トウモロコシ、ニンジン)又は緑葉野菜(ホウレンソウ、ヒメスイバ)、及びマリーゴールド等の可食花中に存在する。
この分子は、食品産業において色素として主に使用されている。しかしながら、その食品添加物としての使用の増大は、留意すべきである。ルテイン、あるいはゼアキサンチンは、摂取されると血中に吸収され、ヒトの網膜中に蓄積される。ルテインは、青色光により引き起こされる眼及び皮膚の病変に関するリスクを低下させる可能性がある。特に、加齢黄斑変性症(ARMD)の防止に関与する。
ルテインはオレオレジンを生産する抽出プロセス後に、主にジエステルの形態のルテインを5〜50%含有するカレンデュラの花弁から取得される。そうして取得されたルテインは、更に、鹸化、濃縮及び結晶形態を形成するための最終的な結晶化により精製される。結晶形態のルテインは扱いが困難であり、トウモロコシ又はヒマワリ油中の懸濁物として販売される。
しかしながら、カレンデュラは、ルテインの供給源として不十分である。この花は周期的に回収されなければならず、抽出前に花弁を分離しなければならない。花弁中のルテインの含有量は変動的で、0.03%まで落ちる場合もある。故に、カレンデュラの花弁の生産は、集中的な研究室及び広い生産面積を要求するプロセスである。
合成化学経路によるルテインの生産は、カレンデュラからの抽出経路よりも遥かに高コストである。他のルテインの供給源(貝類、卵黄)は入手が限定され、含有量も僅かであるため、それらを産業スケールでのルテイン生産に利用するのは困難である。
微細藻類によるルテインの生産は、化学経路や植物経路での生産と比較して有利な代替手段を表す。この手段は植物経路と比較して要求されるマンパワーの入力が少なく、化学経路と比較して格段に低コストである。
従って、カロテノイド、特にルテインの新たな供給源の確立は、この物質の将来増大する需要を充たすために、対処されるべき事柄である。
現在のところ、藻類の分類は、主に、形態的基準と、細胞に含まれる光合成色素の性質とに相変わらず基づいている。そのため、藻類は種と形態が非常に多彩であるにもかかわらず、この分類では、藻類の種が、独立栄養性、従属栄養性、混合栄養性のどれであるかがほとんどわからない[Dubinsky他(2010年);Hidrobiologia、第639巻:153〜171ページ]。真核性藻類の分類には14の門が含まれる。脂肪酸を産生するこれらの門を構成するさまざまな綱の種の間で、微細藻類に含まれるカロテノイドの含量が大きく異なっている。さらに、様々なカロテノイド、特にルテインの相対的な比率は、種と培養条件によって異なる。
微細藻類による脂肪酸及び/又はカロテノイドの産生を工業的スケールで実現するには、複数の因子を考慮する必要がある。例えば培養は、株、温度、光の条件、発酵装置のサイズに応じ、独立栄養条件、混合栄養条件、従属栄養条件のいずれかで実施することができる。培養は、例えば1リットルの容器の中で、実験室で、光バイオリアクターの中で、100,000リットルの容器の中で実施することや、開放された(数ヘクタールの)池の中で実施することもできる。しかし理想的な培養条件を開発するには、エネルギーのコストやそれ以外の資源(例えば労力、培養状態の監視の容易さ)を考慮する必要がある。
いずれにせよ、微細藻類は、産生するカロテノイドの収率増大にとって最適な条件で培養することが望ましい。したがってできるだけ大きな収率が得られることが好ましい(例えば培養物1リットルあたり乾燥材料が30gを超えるバイオマスと、乾燥材料に対して0.9重量%超のカロテノイド)。
ルテインを生産する様々な微細藻類の中で、ムリエロプシスspp.(Murielopsis spp.)及びセネデスムス・アルメリエンシス(Scenedesmus almeriensis)が、大スケールでルテインを生産するのに適した培養条件下で試験されてきた。
セネデスムスは、Chloroccocales目Scenedesmaceae科に属する緑色微細藻類である。セネデスムスは線形又は段違いに2、4又は8個の細胞を含む連生体の形態で存在する。細胞数は、当該生物の生息条件に依存する。細胞は楕円形又は紡錘形をしており、それぞれ明瞭に目視出来るピレノイドを担持するプラスチドを有する。それらは幅が2.2〜9.6μm、長さが6〜15μmである。増殖は、細胞の側壁の崩壊を経る自己胞子形成(autosporulation)により起こり、それぞれの細胞が完全な連生体を形成する[Bourelly, P. (1966) Les algues d’eau douce. Initiation a la systematique. Vol I: Les Algues vertes]。
米国特許8,067,225において、セネデスムス・アルメリエンシスの独立栄養培養が4000Lの円筒培養槽で行われ、乾燥バイオマスの重量の0.5%に達するルテインを含有するバイオマスを生産したことを報告している。著者らは、温度30℃、pH8、ビタミン不添加の条件が、セネデスムス・アルメリエンシスの増殖に最も適していることを見出した。
国際特許出願WO 2010/063256において、セネデスムスの培養株を用いて、乾燥材料の2〜6mg/g(0.6%)のルテインを取得したことが記載されている。当該培養は、独立栄養条件下、限定された量のリン酸塩及び硝酸塩を含む無機培地中、16〜35℃の温度、pH6〜8で実施されている。
文献“Effect of acetate on growth and ammonium uptake in the microalga Scenedesmus obliquus” Physiologia Plantarum 1994, vol. 91, no.4, pp. 729−734において、セネデスムス・オブリクウス株が様々な培養条件下で試験されている。混合栄養条件下、細胞の増殖速度は独立栄養条件及び従属栄養条件よりも優れていたことを記載している。一方、照明条件下で酢酸塩を使用出来るS.ファルカツスにおいて、従属栄養条件下では増殖しないことが観察されている[Fingergut, U., Groeneweg, J. & Soeder, C.J., Acetate utilization in Scenedesmus falcatus, an alga from high−rate ponds (1990), Algol. Stud. 60:57−64]。
より効率的且つ費用対効果の優れた産業的生産のため、ルテインの収量を増大することが望ましい。
そこで出願人は、通常ではない光条件下での多数の実験と、さまざまな基質の添加により、混合栄養モードで培養できるセネデスムス属の微細藻類の株を単離することで、本発明の条件下におけるカロテノイド、特にルテインの高収率での産生を可能にした。
このようにして単離されて選択されたセネデスムス種の新規な株である1つの株(FCC174)が、ブダペスト条約の規定に従ってCCAP(藻類と原生生物の培養コレクション、スコットランド海洋科学協会、ダンスタッフネージ海洋研究所、オーバン、アルギル PA371QA、スコットランド、イギリス国)に登録番号CCAP 276/75として2012年3月8日に寄託された。
培養と選択の方法は、より具体的には、光の強度と周波数がある範囲で特定の変化をする、変化する照明および/または不連続な照明(特にフラッシュの形態の照明)の存在下で微細藻類を有機炭素含有基質とともに混合栄養条件下で培養するというものであった。
微細藻類にとってストレスとなると一般に考えられる明相と暗相(または光の強度がより小さい相)の頻繁な交代により、驚くべきことに、セネデスムス種の株で、バイオマスと脂質と多不飽和脂肪酸、その中でも特にルテインの産生を増大させることができた。本発明による株を用いることで、光の照射を少なくしてルテインを発酵装置の中で工業的に産生させる展望が開け、したがって独立栄養モードでの培養と比べてエネルギーを節約することができるはずである。
本発明のさまざまな側面と利点を以下に詳細に記載する。
したがって本発明は、セネデスムス属の微細藻類を、不連続な照明および/または時間変化する照明の条件にて、混合栄養モードで培養する方法に関する。照明は強度が変化し、その振幅は一般に5マイクロモル/m秒〜1,000マイクロモル/m秒だが、30〜400マイクロモル/m秒であることが好ましい。この変化は、一般に1時間につき2〜3,600回にできるが、1時間につき2〜200回であることが好ましい。
これらの培養条件により、規定量の光を照射することができる。光のこの照射は、不連続な照明の段階および/または変化する照明の段階を含むことができ、強度の変化は、振幅が同じでも異なっていてもよい。照射は、特にフラッシュの形態で行なうことができる。
この方法の利点は、培養で得られるバイオマスの収率が増大することである。別の利点は、このようにして培養した微細藻類のルテインが豊富になることである。この方法は、混合栄養性でカロテノイド、特にルテインの収率が高いセネデスムス属の株を選択するのにも利用できる。
この微細藻類の混合栄養モードでの培養は、照明条件がどのようであれ、5mM〜1M、好ましくは50mM〜800mM、より好ましくは70mM〜600mM、より一層好ましくは100mM〜500mMの有機炭素含有基質の存在下でなされることが好ましい。細胞が高濃度のカロテノイドを蓄積できるよう、基質は培養中を通じて連続的に添加される。培養中に追加の基質を培地に添加して一定の濃度を維持する。この有機炭素含有基質は、グルコース、および/またはセルロースの誘導体、および/または乳酸塩、および/または澱粉、および/またはラクトース、および/または蔗糖、および/または酢酸塩、および/またはグリセロールを純粋な形態または混合物の形態で含んでいることが好ましい。
培地に含まれる有機炭素含有基質は、複合分子または基質混合物で構成することができる。例えばトウモロコシ、コムギ、ジャガイモに由来するデンプンの生体内変化による産物、特にデンプンのサイズが小さな分子からなる加水分解産物は、例えば、本発明に従って微細藻類を混合栄養モードで培養するのに適した炭素含有基質である。
この方法は、より具体的には、セネデスムス属の微細藻類(門:クロロフィタ(Chlorophyta)、目:クロロコッカレス(Chlorococcales)、科:セネデスマケアエ(Scenedesmaceae))[生命のITISカタログ、2010年]の株のうちで、混合栄養性であって、有機炭素含有基質を添加した無機培地、例えばBG11培地[Rippka et al. (1979) Rippka, R., J. Deruelles, J. Waterbury, M. Herdman and R. Stanier, Generic assignments, strain histories and properties of pure cultures of cyanobacteria. J.Gen. Microbiol. 111: 1−61]の中で特に10μEを超える光を照射して培養できる株を選択するためのものである。有機炭素含有基質は、グルコースまたはサッカロースを5mM以上の濃度で含んでいることが好ましい。
セネデスムス種のこの新規な株は、以下に記載する本発明の方法による選択と培養の方法によって単離し、選択することができる。
本発明によるセネデスムス種の代表的な1つの株は、出願人が単離したFCC174株であり、CCAPに登録番号CCAP 276/75として2012年3月8日に寄託された。このような株は、本発明によれば、変化する光または不連続な光を照射して混合栄養モードで培養するとき、大量のバイオマスとルテインを産生することが出来る。
本発明は、本願に記載したような混合栄養培養条件で増殖できてルテインの産生が可能なセネデスムス種のあらゆる株に関する。
本発明は、本願に記載されるような混合栄養培養条件下で増殖し、ルテインを生産できるセネデスムス属の微細藻類のあらゆる種にも関する。
本発明によって単離されたセネデスムスの株により、本発明の混合栄養条件下で、約30〜50g/l、一般に約35〜40g/Lの大量のバイオマスを生産することが可能になる。また、それらにより、ルテインに富む脂質を取得することが可能で、ルテインの収量は、乾燥材料の重量に対して1%に及ぶことが可能である。また、それらにより、微細藻類中に含まれる全疎水性物質の10%超、25%超、又は50%超の収量でルテインを取得することが可能である。微細藻類の疎水性物質は、脂質とカロテノイドを含有する。
本発明では、出願人が単離したFCC174株を用い、変化する照明および/または不連続な照明(特にフラッシュの形態の照明)の存在下にて混合栄養条件で培養することによって得られるルテインの生産量は、従属栄養モードで同じ株を培養した場合よりも2倍以上、一般に5倍以上多くなり得る。従属栄養モードとは、照明がないものの、同一の培養培地を用いた培養条件を意味する。
出願人が単離したFCC174株を用い、変化する照明および/または不連続な照明(特にフラッシュの形態の照明)の存在下にて混合栄養条件で培養することによって得られるバイオマス量は、独立栄養モードで同じ株を培養した場合よりも一般に50〜100倍、一般に80倍多くなり得る。
したがって本発明は、セネデスムス属の微細藻類を、時間変化する照明および/または不連続な照明(例えばフラッシュの形態の照明)の存在下にて混合栄養モードで培養し、ルテインを産生させる方法に関する。
したがって本発明は、混合栄養性であってカロテノイド、特にルテインの収率が大きいセネデスムス属の微細藻類を、時間とともに変化する照明および/または不連続な照明の存在下で選択する方法に関する。
特に混合栄養モードで培養するときに培養物に変化する照明および/または不連続な照明を照射すると、藻類の増殖に好ましい影響があり、特に疎水性物質の産生に関して藻類の生産性を増大させうることがわかった。
発明者は、理論に囚われることなく、不連続な光および/または変化する光を微細藻類に照射すると、増殖とカロテノイド合成にとって有利な“ストレス”を生じさせることができると考えている。この現象は、自然界において微細藻類は環境の制約に対抗するため予備の疎水性物質を蓄積する傾向を有するという事実によって一部が説明できよう。
不連続な照明とは、複数の暗い期間によって区切られた照明を意味する。暗い期間は、1/4の時間、好ましくは半分以上の時間存在することができ、その間に藻類が培養される。
本発明の好ましい一実施態様によれば、照明は不連続であり、フラッシュの形態であることがより好ましい。フラッシュは、本発明の意味では、短時間の照明、すなわち30分未満の照明である。フラッシュの持続時間は15分未満が可能であり、5分未満が好ましく、1分未満がさらに好ましい。本発明のいくつかの実施態様によれば、フラッシュの持続時間は、1秒未満にすることができる。フラッシュの持続時間は、例えば1/10秒、2/10秒、3/10秒、4/10秒、5/10秒、6/10秒、7/10秒、8/10秒、9/10秒のいずれかが可能である。光の照射またはフラッシュは、一般に15秒よりも長い期間にわたる。フラッシュの持続時間は一般に5秒間〜10分間だが、10秒間〜2分間が好ましく、20秒間〜1分間がより好ましい。
一般に、フラッシュの数は1時間につき約2〜3600回である。この数は、例えば1時間につき100〜3600回にすることができる。この数は、1時間につき120〜3000回、または400〜2500回、さらには600〜2000回、または800〜1500回にすることもできる。この数は、1時間につき2〜200回にすることもできるが、10〜150回が好ましく、15〜100回がより好ましく、20〜50回がさらに好ましい。フラッシュは、定期的な時間間隔で発生させること、または不定期な時間間隔で発生させることができる。定期的な時間間隔での発生の場合、1時間あたりのフラッシュの数は、時間間隔(T)を持つ頻度(F)に対応し、F=1/Tになると考えられる。この時間間隔は1秒〜30分、または1秒〜36秒、または1.2秒〜30秒、または1.44秒〜9秒、または1.8秒〜6秒、または2.4秒〜4.5秒にすることができる。この時間間隔は18秒〜30分にすることもできるが、24秒〜6分が好ましく、36秒〜4分がより好ましく、72秒〜3分がさらに好ましい。1時間あたりのフラッシュの数は、フラッシュの強度と持続時間の関数として選択される(下記参照)。一般に、フラッシュの形態で照射する光の強度は5〜1000マイクロモル/m秒だが、5〜500マイクロモル/m秒または50〜400マイクロモル/m秒が好ましく、150〜300マイクロモル/m秒がより好ましい。定義により、1マイクロモル/m秒は、文献でしばしば用いられる単位である1μE/m秒に対応する(アインシュタイン)。
本発明の特別な一実施態様によれば、光の強度は50〜200マイクロモル/m秒であり、フラッシュの時間間隔は、フラッシュの持続時間が1秒間〜1分間だと10秒〜60分である。
本発明の別の一実施態様によれば、照明は変化させることができる。これは、照射が暗相によって中断されることはないが、光の強度が時間とともに変化することを意味する。光の強度のこの変化は規則的であり、周期的または循環式にすることができる。本発明によれば、連続した照明の段階と不連続な照明の段階を組み合わせた光照射にすることもできる。
本発明によれば、どのような照明条件であれ、培養している藻類に対する光の強度(1秒あたり、1平方メートルあたりのフォトンのマイクロモル数(マイクロモル/m秒)を単位として表示)が、1時間のうちに少なくとも1回は変化する。光の強度のこの変化の振幅は、一般に、5〜1,000、または50〜800、または100〜600マイクロモル/m秒である。光の強度は、5〜400マイクロモル/m秒で変化させることもできる。光の強度変化の振幅は70〜300マイクロモル/m秒が好ましく、100〜200マイクロモル/m秒がより好ましい。
光のこの強度は、変化する照明という条件では、1時間に数回、順番に、例えば50と100マイクロモル/m秒に、または5と400マイクロモル/m秒に、または50と800マイクロモル/m秒にすることができる。光のこの強度は、順番に50と200マイクロモル/m秒にできることが好ましい。あるいは不連続な照明という条件では、光のこの強度は、1時間に数回、順番に、例えば0と50マイクロモル/m秒に、または0と100マイクロモル/m秒にすることができるが、順番に0と200マイクロモル/m秒にできることがさらに好ましい。光のこの強度は、1時間に数回、順番に、例えば0と300マイクロモル/m秒に、または0と600マイクロモル/m秒に、または0と800マイクロモル/m秒に、または0と1,000マイクロモル/m秒にすることもできる。
本発明の一実施態様によれば、どのような照明条件であれ、培養している藻類に対する光の強度は、細胞密度の関数として変化する。細胞がより密になるほど、光を強くすることができる。細胞密度は1mlあたりの細胞の数であり、当業者に知られている技術に従って測定される。
培養の初期段階において細胞密度が約10〜5×10細胞/mlであるとき、光の強度を5〜15マイクロモル/m秒、好ましくは5〜10マイクロモル/m秒にすることができる。培養物が10〜10細胞/mlに到達すると、光の強度を例えば15〜200マイクロモル/m秒まで大きくできるが、20〜50マイクロモル/m秒まで大きくすることが好ましい。培養物が最終段階で10〜10細胞/mlの密度に到達すると、光の強度を例えば50〜400マイクロモル/m秒まで大きくできるが、50〜150マイクロモル/m秒まで大きくすることが好ましい。
本発明のいくつかの実施態様によれば、フラッシュの持続時間が例えば1分未満または1秒未満であるとき、光の強度は上記の値よりも大きくすることができる。培養の初期段階において細胞の密度が10〜5×10細胞/mlであるとき、光の強度を5〜200マイクロモル/m秒、好ましくは5〜100マイクロモル/m秒にすることができる。培養物が10〜10細胞/mlに到達すると、光の強度を例えば30〜500マイクロモル/m秒まで大きくできるが、50〜400マイクロモル/m秒まで大きくすることが好ましい。培養物が最終段階で10〜10細胞/mlの密度に到達すると、光の強度を例えば100〜1,000マイクロモル/m秒まで大きくできるが、200〜500マイクロモル/m秒まで大きくすることが好ましい。
本発明の一実施態様によれば、1時間に培養物に照射する光の量は所定の値に留まる。この量は、約2,000〜600,000、好ましくは2,000〜300,000マイクロモル/mである。この量は、1時間あたり約4,000〜200,000マイクロモル/mにすることができる。
本発明の一実施態様によれば、培養物にフラッシュを1時間に30回照射する。各フラッシュは持続時間が30秒間であり、強度は10マイクロモル/m秒である。これは、1時間あたりの光の全照射量が9,000マイクロモル/mであることを意味する。本発明の別の一実施態様によれば、培養物にフラッシュを1時間に20回照射する。各フラッシュは持続時間が30秒間であり、強度は20マイクロモル/m秒である。これは、1時間あたりの光の全照射量が12,000マイクロモル/mであることを意味する。本発明の別の一実施態様によれば、培養物にフラッシュを1時間に45回照射する。各フラッシュは持続時間が15秒間であり、強度は5マイクロモル/m秒である。これは、1時間あたりの光の全照射量が3,375マイクロモル/mであることを意味する。本発明の別の一実施態様によれば、培養物にフラッシュを1時間に120回照射する。各フラッシュは持続時間が10秒間であり、強度は200マイクロモル/m秒である。これは、1時間あたりの光の全照射量が240,000マイクロモル/mであることを意味する。
光の強度に関して上に説明したように、本発明の一実施態様によれば、培養物に照射する光の量は、細胞密度の関数として変化させることができる。培養の初期段階において細胞密度が約10〜5×10細胞/mlであるとき、1時間あたりの光の全照射量は、一般に約1500〜8000マイクロモル/mだが、1500〜6000マイクロモル/mであることが好ましく、2000〜5000マイクロモル/mであることがさらに好ましい。培養物が10〜10細胞/mlに到達すると、1時間あたりの光の全照射量を6000〜67,000マイクロモル/mまで増大させることができるが、例えば6000〜50,000マイクロモル/mまで増大させることが好ましく、12,000〜45,000マイクロモル/mまで増大させることがさらに好ましい。培養物が最終段階で10〜10細胞/mlの密度に到達すると、1時間あたりの光の全照射量を例えば45,000〜300,000マイクロモル/mまで増大させることができるが、例えば45,000〜200,000マイクロモル/mまで増大させることが好ましく50,000〜150,000マイクロモル/mまで増大させることがさらに好ましい。
本発明の一実施態様によれば、培養の初期段階において(細胞密度が約10〜5×10細胞/ml)、培養物にフラッシュを1時間に30回照射する。各フラッシュは持続時間が30秒間であり、強度は5〜10マイクロモル/m秒である。これは、1時間あたりの光の全照射量が2250マイクロモル/m〜4500マイクロモル/mであることを意味する。次に、中間段階(細胞密度が10〜10細胞/ml)において、培養物にフラッシュを1時間に30回照射する。各フラッシュは持続時間が30秒間であり、強度は15〜50マイクロモル/m秒である。これは、1時間あたりの光の全照射量が13,500〜45,000マイクロモル/mであることを意味する。次に培養物の最終段階(細胞密度が10〜10細胞/ml)において、培養物にフラッシュを1時間に30回照射する。各フラッシュは持続時間が30秒間であり、強度は50〜150マイクロモル/m秒である。これは、1時間あたりの光の全照射量が45,000〜135,000マイクロモル/mであることを意味する。
本発明の一実施態様によれば、例えばフラッシュの持続時間が1分間未満または1秒間未満のとき、培養の初期段階において(細胞密度が約10〜5×10細胞/ml)、培養物にフラッシュを1時間に30回照射する。各フラッシュは持続時間が10秒間であり、強度は50〜100マイクロモル/m秒である。これは、1時間あたりの光の全照射量が15,000マイクロモル/m〜30,000マイクロモル/mであることを意味する。次に、中間段階(細胞密度が10〜10細胞/ml)において、培養物にフラッシュを1時間に50回照射する。各フラッシュは持続時間が10秒間であり、強度は200〜300マイクロモル/m秒である。これは、1時間あたりの光の全照射量が100,000〜150,000マイクロモル/mであることを意味する。次に培養物の最終段階(細胞密度が10〜10細胞/ml)において、培養物にフラッシュを1時間に120回照射する。各フラッシュは持続時間が10秒間であり、強度は350〜450マイクロモル/m秒である。これは、1時間あたりの光の全照射量が420,000〜540,000マイクロモル/mであることを意味する。
培養物への光の照射は、発酵装置の外壁の周囲に配置した複数のランプによって実現できる。クロックが、これらのランプを決められた照射時間だけ稼働させる。発酵装置は、日光があたらない容器の中に位置している。その容器の周囲温度は制御できることが好ましい。
出願人が確認できたように、このようにして選択した株が混合栄養モードで不連続な光および/または変化する光の存在下においてうまく増殖できるという事実があるため、上記の株はカロテノイド、特にルテインをより多く産生することができる。
したがって本発明の培養方法により、出願人が単離してCCAPにCCAP 276/75という番号で寄託した株と同様、混合栄養性であってカロテノイドの収率が高いセネデスムス属の株を選択することができる。この培養方法は、
a)強度が変化し、その変化の振幅は5〜1,000マイクロモル/m秒、好ましくは5〜400マイクロモル/m秒であり、その変化は1時間に2〜3,600回、好ましくは5〜400回である、不連続な照明および/または時間変化する照明という条件下でセネデスムス属の1種類以上の株を混合栄養モードで培養するステップと、
b)培地の中で有機炭素含有基質の存在下にてこの培養物を数世代にわたって維持するステップと、必要に応じて
c)このようにして培養した微細藻類を回収するステップ
を含むことを特徴とする。
“回収ステップ”とは、より具体的には、上記の継代の間に細胞の数が最も増加した株の単離を意味する。
株を選択するため、セネデスムス属のさまざまな株を同一の容器内の複数のマイクロプレート上で並列に培養し、そのさまざまな培養物の条件と変化をしっかりとモニタすることができる。したがってさまざまな株が、不連続な照明および/または変化する照明に対してと、場合によっては培地に添加した1種類または複数種類の炭素含有基質に対してどのように応答するかが容易にわかる。
不連続な照明および/または変化する照明と炭素含有基質の添加に対して好ましい応答をする株が、品質(脂質プロファイル中にルテインがより豊富になる)と量(脂質が、ルテインより多い割合で含む)の面で脂質の産生に関して一般に最高の収率を提供する。
微細藻類は、発酵装置の中で不均一な集団から選択することができる。その集団から、本発明の選択法により、特定の範囲の光強度と特定の周波数を持つ不連続な光および/または変化する光を混合栄養という培養条件と組み合わせて有利な変異体を選択する。この場合、培養は、培養物の中で微細藻類を多くの世代にわたって維持しながら実施し、次いで培養が終わったとき、培地の中で過半を占めるようになった成分を単離する。
本発明の培養方法により、ルテインも産生させることができる。
その場合、本発明の方法は、更に次の工程:
d)疎水性物質を回収する工程;及び任意で
e)回収された疎水性物質からルテインを抽出する工程
を含む。
本発明の培養方法は、本発明の混合栄養条件において増殖できてルテインの産生が可能なセネデスムス属のあらゆる種にも適用できる。
本発明の培養方法により、培養で得られるバイオマスの産生を最適化することができる。この方法により、このようにして培養された微細藻類のカロテノイド、特にルテインを豊富にすることもできる。
したがって本発明は、上記の方法に従って培養または選択することが好ましい混合栄養性のセネデスムス属の微細藻類の培養を通じてバイオマスの産生とカロテノイド、特にルテインの産生を最適化し、次いでこのようにして培養した微細藻類を回収してそこから疎水性成分、特にルテインを抽出することも目的とする。セネデスムス種の株が特に関係する。
ルテインを含むカロテノイドを選択的に抽出及び解析する方法は当業者に知られており、例えばS .W . Wright et al., [Wright, S.W. et al.(1991): Improved HPLC method for the analysis of chlorophylls and carotenoids from marine phytoplankton. Marine ecology progress series: Vol. 77: 183−196)]に記載されている。
本発明は、上記の本発明の方法に従って得ることのできるセネデスムス属の微細藻類にも関する。これら微細藻類はルテインが豊富である。このような微細藻類の疎水性物質には、一般に、その微細藻類に含まれる全疎水性成分の10%超または25%超、又は50%超のルテインが含まれている。
コンピューターで監視する専用の自動制御装置を備えた有効体積が2リットルの発酵装置(バイオリアクター)の中でセネデスムス種FCC174を培養する。このシステムのpHは、塩基(1Nの水酸化ナトリウム溶液)および/または酸(1Nの硫酸溶液)を添加して調節する。培養温度は25℃に設定する。ラッシュトンの配置(下方にポンピングする3枚刃のインペラ)に従ってシャフトに取り付けた2つの撹拌用ロータを利用して撹拌する。撹拌速度と換気量は、最小=200rpm、最大=600rpm、Q最小=0.5vvm、Q最大=2vvmにそれぞれ調節する。バイオリアクターには、透明な容器を取り囲む外部照射システムが取り付けられている。光の強度及び照射サイクルは、コンピューターで制御された専用の自動化デバイスにより調整される。
温度制御した容器(25℃)内の撹拌台(140rpm)の上で事前培養物を反応装置に接種し、80〜100μEの光を照射した。事前培養とバイオリアクター内での培養は、窒素を強化したBG11培地[Rippka et al. 1979]の中で実施する。バイオリアクター内で混合栄養モードでの培養に用いる有機炭素含有基質は、濃度が100mM〜150mMのグルコースである。
培養物のモニタリング
乾燥質量を測定して全バイオマスの濃度をモニタリングする(GFBフィルタ(Whatman社)で濾過し、次いで真空下100℃及び−0.8barにて少なくとも24時間にわたって乾燥させた後、計量する)。
全脂質を定量するため、10細胞/mlを抽出した。脂質の抽出法は当業者に知られており、例えば[Bligh, E.G. and Dyer, W.J. (1959); A rapid method of total lipid extraction and purification, Can J.Biochem. Physiol 37:911−917]に記載されている。
照明
培養物に1時間につき120回のフラッシュを照射する。各フラッシュは持続時間が10秒間であり、強度は200マイクロモル/m秒である。
バイオリアクターの中での培養物に対する光の照射は、発光ダイオードの外壁の周囲に配置した複数のLED(発光ダイオード)ランプによってなされた。照明時間又はパルスにおいて、時計がLEDランプを点灯する。
Figure 0006352818

Claims (7)

  1. セネデスムス(Scenedesmus)属の微細藻類の培養においてルテインの生産を増大させる方法であって、以下の工程;
    a)強度が50〜1,000μmol.m−2.s−1であり、フラッシュが1時間につき2〜200回起こる、明相と暗相が切り替わる光のフラッシュの形態の不連続な照明
    の条件下にて、澱粉、乳酸塩、ラクトース、蔗糖、酢酸塩、グリセロール、グルコース、及びこれらの混合物からなる群から選択される有機炭素含有基質を含有する培養培地中で、数世代に渡り、混合栄養モードでセネデスムス属の1つ以上の株を培養するステップ、ここで暗相の期間が藻類を培養する時間の半分以上を占める;及び
    b)ルテインを蓄積したセネデスムス微細藻類を回収するステップ;及び
    c)ルテインを回収するステップ;
    を含む方法。
  2. 前記有機炭素含有基質の濃度が5mM〜1Mであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 培地の中に存在する前記有機炭素含有基質が少なくとも5mMのグルコースを含むことを特徴とする、請求項2に記載の方法。
  4. フラッシュの持続時間が5秒間〜10分間であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. フラッシュの数が、1時間につき10〜150回であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 1時間あたりの全光照射量が、フォトンのマイクロモル数を単位として2,000〜600,000マイクロモル/mであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記セネデスムス属の微細藻類が、2012年3月8日に受入番号CCAP 276/75でCCAP(Culture Collection of Algae and Protozoa)に供託されたFCC174株である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
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