JP6352411B2 - Dpp−iv阻害剤を含有する腎疾患予防または治療用組成物 - Google Patents

Dpp−iv阻害剤を含有する腎疾患予防または治療用組成物 Download PDF

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Description

本発明は、腎疾患予防または治療用組成物に関する。
腎臓は、生体の恒常性(homeostasis)を維持する重要な臓器であって、体内体液量、血液中のイオン濃度及びpHを調節し、代謝性老廃物、毒素、薬物などの老廃物を排泄し、血圧の調節及びその他の代謝性、内分泌機能を実行する。さらに、ビタミンDを活性化させて小腸内でのカルシウム吸収を助けるうえ、様々なホルモンの合成にも関与する。
このような腎臓が、排泄、調節、代謝及び内分泌的機能を正常に実行できず、全体的に機能が低下したり異常が生じた状態を腎疾患という。腎臓の損傷に起因する機能低下は、腎臓及び関連構造の増大、腎臓の萎縮、体液量の変化、電解質の不均衡、代謝性アシドーシス、ガス交換障害、抗感染機能の損傷、尿毒性毒素の蓄積などをもたらす。
腎疾患は、進行状態によって急性腎不全、慢性腎不全に分類され、あるいは、発病原因によって血管複合体の沈着による糸球体腎炎、糖尿病に伴う糖尿病性腎症または高血圧に伴う高血圧性腎症、抗生剤または抗癌剤などの薬物投与による中毒性腎症、細菌感染などに分けられる。
原因となる腎臓病の種類を問わず、慢性的に腎機能障害が進行して糸球体濾過量が50%以下に減少すると、ほとんどの場合、糸球体濾過量がますます減少し、最終的には末期腎不全に至り、血液学的異常、神経系の合併症、胃腸管系の合併症、免疫学的合併症、感染または骨形成異常症などの合併症が起こり、ひどい場合は死に至ることもある。
腎疾患は、全世界的に毎年、その発病者が増加しており、しかも、症状が現れていないかあるいはちゃんと認知されておらず、初期発見しても末期腎不全に至る場合が多い。米国腎臓データシステム(United States Renal Data System、USRDS)に報告されたメディケア(Medicare)受益者を対象とした分析によれば、2000年に2.7%であった慢性腎不全の有病率は、2009年に8.5%に増加した。韓国の場合も、2006年比で、2010年に慢性腎不全で診療を受けた患者数は合計37.1%、年平均に換算したときに8.2%ずつ増加したと報告されている。このような現象は、肥満及び糖尿病患者の増加による糖尿病性腎症の発症の増加とも密接な関連がある。
DPP−IV(Dipeptidyl peptidase−IV)は、アデノシンデアミナーゼ複合たんぱく質(adenosine deaminase complexing protein)2またはCD26としても知られているタンパク質であって、DPP−IV遺伝子によって暗号化される。DPP−IVは、免疫反応に関与すると報告されたことがあり、インスリンの分泌を促進し且つグルカゴンの分泌を抑制するタンパク質であるGLP−1(Glucagon−like peptide−1)の分解に関与して糖代謝に重要な役割を果たすと知られている。DPP−IVは、腎臓の近位尿細管細胞(proximal tubule cell)、糸球体基底膜及び有足細胞(podocyte)に多数分布すると報告されている。DPP−IV阻害剤は、GLP−1が分解されることを防ぎ、活性を維持するようにして血糖値を下げる機能があり、低血糖を誘発する副作用がないので糖尿病治療薬として現在用いられている。
本発明の目的は、腎疾患の予防または治療に効果的な組成物を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明者らは、DPP−IV阻害剤であるDA1229が腎疾患の予防または治療効果を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
そこで、本発明は、下記化学式1で表示される化合物、その光学異性体、それらの薬学的に許容される塩、またはそれらの水和物または溶媒和物を有効成分として含む、腎疾患予防または治療用薬学的組成物を提供する。
(式中、XはORを示し、RはそれぞれC1〜C5の低級アルキルを示す。)
前記化学式1のRは三級ブチル(tert−butyl)であってもよい。この化合物は、(R)−4−{(R)−3−アミノ−4−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ブタノイル}−3−(t−ブトキシメチル)ピペラジン−2−オン((R)−4−{(R)−3−amino−4−(2,4,5−trifluorophenyl)butanoyl}−3−(t−butoxymethyl)piperazin−2−one)またはDA1229と呼ばれ、その構造は下記化学式2のとおりである。
DPP−IV阻害剤は、従来から血糖を調節する糖尿病治療薬としてのみ認識されてきたが、本発明者らは、DPP−IV阻害剤が血糖調節効果とは別に、直接腎臓に対する保護効果を有することを実験によって確認し、本発明を完成するに至った。本発明のDPP−IV阻害剤は、DPP−IV活性を抑制し、脂質代謝を増進させて血漿及び肝臓の脂質濃度を低める。さらに、腎機能を改善させる、タンパク質排泄を減少させて微量アルブミン尿を改善する、腎線維化を減少させる、腎肥大(nephromegaly)を改善する、ネフリン発現量を増加させる、ネフリンの排泄を防ぐなどの効果がある。
本発明の組成物で予防または治療することが可能な腎疾患は、様々な原因によって誘発されて様々な臨床症状を示す可能性のあるものであり、糖尿病性腎症だけでなく、糖尿病とは無関係に発生した腎疾患、すなわち非糖尿病性腎疾患であってもよい。本発明の組成物で予防または治療することが可能な腎疾患は、例えば、糖尿病性腎症(diabetic nephropathy)、糸球体腎炎(glomerulonephritis)、高血圧性腎症(hypertensive renal disease)、多発性嚢胞腎(polycystic kidney disease)、炎症性腎疾患(糸球体腎炎など)、薬物または各種毒素によって誘発される中毒性腎症(toxic nephropathy)などであってもよい。臨床的には、大きくアルブミン尿を特徴とする糸球体の異常に起因する糸球体性腎疾患(glomerular renal disease)と尿細管血管間質の異常に起因する尿細管間質性疾患(tubulointerstitial disease)などであってもよい。
本発明において、前記薬学的に許容される塩は、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸(mucic acid)、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸、アジピン酸などを含む。酢酸、クエン酸、塩酸、リンゴ酸、リン酸、コハク酸、酒石酸及びアジピン酸よりなる群から選択できるが、これに限定されない。
本発明の前記化学式1で表示される化合物、その光学異性体、またはそれらの薬学的に許容される塩の水和物は、非共有性分子間力で結合される化学量論的または非化学量論的量の水を含むことができる。前記水和物は1当量以上、好ましくは1当量〜5当量の水を含有することができる。このような水和物は、水または水を含有する溶媒から、本発明の前記化学式1または2で表示される化合物、その光学異性体、またはそれらの薬学的に許容される塩を結晶化させて製造できる。
本発明の前記化学式1で表示される化合物、その光学異性体、またはそれらの薬学的に許容される塩の溶媒和物は、非共有性分子間力で結合される化学量論的または非化学量論的量の溶媒を含むことができる。前記溶媒として好ましいものは、不揮発性、非毒性、またはヒトへの投与に適した溶媒を挙げることができ、例えば、エタノール、メタノール、プロパノール、塩化メチレンなどがある。
前記化学式1で表示される化合物、その光学異性体、それらの薬学的に許容される塩、またはそれらの水和物または溶媒和物はDPP−IV(Dipeptidyl Peptidase−IV)阻害剤である。DPP−IV阻害剤は、GLP−1が分解されることを防ぎ、活性を維持するようにして血糖値を下げる機能がある。
本発明において、前記薬学的組成物は、化学式1以外の他の付加的な活性成分を含むことができる。前記付加的な活性成分は、化学式1と同じ活性または異なる活性を有することができる。
たとえば、前記付加的な活性成分は抗糖尿病薬であってもよい。したがって、本発明において、前記薬学的組成物は、他の抗糖尿病薬をさらに含むことができる。前記抗糖尿病薬はビグアニド薬(Biguanide)、インスリン抵抗性改善薬(insulin sensitizer)、インスリン分泌促進剤(insulin secretagogue)、α−グルコシダーゼ阻害剤(α−glucosidase inhibitor)及びカンナビノイド受容体−1拮抗薬(cannabinoid receptor 1 antagonist)よりなる群から選択できるが、これに限定されない。
本発明のビグアニド薬は、ビグアニド(biguanid)構造を含む嫌気性解糖促進作用、末梢でのインスリン作用を増強する効果、腸管からのグルコース吸収抑制及び肝臓での糖新生抑制効果などを有する薬物であって、前記ビグアニド薬は、メトホルミン(metformin)、ブホルミン(buformin)及びフェンホルミン(phenformin)よりなる群から選択できるが、これに限定されない。
本発明のインスリン抵抗性改善薬は、インスリン作用不全を改善して血糖値を減少させる作用をする薬物であって、共通的にチアゾリジンジオン(thiazolidin−dione、TZD)構造を持つ特徴があり、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(Peroxisome Proliferator−activated receptor、PPAR)に作用する。前記インスリン抵抗性改善薬は、トログリタゾン(troglitazone)、シグリタゾン(ciglitazone)、ロシグリタゾン(rosiglitazone)、ピオグリタゾン(pioglitazone)及びエングリタゾン(englitazone)よりなる群から選択できるが、これに限定されない。
本発明のインスリン分泌促進剤は、膵臓のβ細胞のインスリン分泌を促進する薬物であって、スルホニルウレア構造あるいは非スルホニルウレア構造の薬物(Non−sulfonylurea)であってもよい。好ましくは、グリベンクラミド(glybenclamide、グリブリド(glyburide))、グリピジド(glipizide)、 グリクラジド(gliclazide)、グリメピリド(glimepiride)、トラザミド(tolazamide)、トルブタミド(tolbutamide)、アセトヘキサミド(acetohexamide)、カルブタミド(carbutamide)、クロルプロパミド(chlorpropamide)、グリボルヌリド(glibornuride)、グリキドン(gliquidone)、グリセンチド(glisentide)、グリソラミド(glisolamide)、グリソキセピド(glisoxepide)、グリクロピラミド(glyclopyamide)、グリシクラミド(glycyclamide)及びグリペンチド(glipentide)よりなる群から選択されるスルホニルウレア構造の薬物であるか、あるいはレパグリニド(repaglinide)またはナテグリニド(nateglinide)の非スルホニルウレア構造の薬物であるが、これに限定されない。
本発明のα−グルコシダーゼ阻害剤は、腸内消化酵素の一種であるα−グルコシダーゼを競争的に抑制して澱粉、二糖類などの消化及び吸収を抑制する機能を持つ薬物である。前記α−グルコシダーゼ阻害剤は、アカルボース(acarbose)、ボグリボース(voglibose)、エミグリテート(emiglitate)及びミグリトール(miglitol)よりなる群から選択できるが、これに限定されない。
本発明のカンナビノイド受容体−1拮抗薬は、内因性カンナビノイド(endocannabinoid)の過剰な活性を抑制して体重、エネルギーバランスを調節するだけでなく、糖及び脂質代謝を調節する薬物である。前記カンナビノイド受容体−1拮抗薬は、リモナバント(Rimonabant)、オテナバント(Otenabant)、イビナバント(Ibinabant)及びスリナバント(Surinabant)よりなる群から選択できるが、これに限定されない。
また、例えば、本発明の組成物の付加的な活性成分は、アンジオテンシンの作用を抑制することが可能な成分であってもよい。したがって、本発明において、前記薬学的組成物は、アンジオテンシン変換酵素阻害薬(Angiotensin Converting Enzyme Inhibitor)またはアンジオテンシンII受容体遮断薬(Angiotensin II Receptor Blocker)をさらに含むことができる。
前記アンジオテンシン変換酵素阻害薬は、カプトプリル(captopril)、エナラプリル(enalapril)、ベナゼプリル(benazepril)、イミダプリル(imidapril)、リシノプリル(lisinopril)、ペリンドプリル(perindopril)、ラミプリル(ramipril)、モエキシプリル(moexipril)、ホシノプリル(fosinopril)及びキナプリル(quinapril)よりなる群から選択できるが、これに限定されない。
前記アンジオテンシンII受容体遮断薬は、カンデサルタン(candesartan)、エプロサルタン(eprosartan)、イルベサルタン(irbesartan)、ロサルタン(losartan)、テルミサルタン(telmisartan)及びバルサルタン(valsartan)よりなる群から選択できるが、これに限定されない。
また、例えば、本発明の組成物の付加的な活性成分は抗高血圧薬であってもよい。したがって、本発明において、前記薬学的組成物は、抗高血圧薬であるカルシウムチャンネル遮断薬(Calcium Chanel Blocker、CCB)、β遮断薬(beta blocker)または利尿剤をさらに含むことができるが、これに限定されない。
本発明の組成物に関連して使用された用語「薬学的に許容される」は、哺乳動物(例えば、ヒト)に投与したときに生理的に許容され、一般に望ましくない反応を生じさせないこのような組成物の分子本体及びその他の成分を意味する。
本発明の組成物は担体をさらに含むことができる。本発明の薬学的組成物に適用された用語「担体」は、活性化合物と一緒に投与される希釈剤、賦形剤またはビヒクルを意味する。このような薬剤学的担体は、水、塩水、デキストロース水溶液、グリセロール水溶液、及び落花生油、大豆油、鉱油、ゴマ油のような石油、動物、植物または合成起源のオイルを含むオイルなどの滅菌液体であってもよい。好適な薬剤学的担体は、文献(“Remington’s Pharmaceutical Sciences”by EW Martin、18th Edition)に記述されている。本発明において、特に好ましくは、即時放出、すなわち60分以下のような短時間にわたって活性成分のほとんどまたは全部を放出するのに適し、薬物の速やかな吸収を可能にする担体である。
本発明の前記化学式1で表示される化合物、その光学異性体、それらの薬学的に許容される塩、またはそれらの水和物または溶媒和物は、組成物の全重量に対して0.1〜50重量%で含むことが好ましいが、これに制限されない。
本発明の組成物は、実際の臨床投与の際に経口及び非経口の様々な剤形で投与できる。製剤化する場合には、通常使用する充填剤、増量剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤及び界面活性剤などの希釈剤または賦形剤を用いて調製できる。
経口投与のための固形製剤には錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤及びカプセル剤などが含まれ、これらの固形製剤は、本発明の薬学的組成物に少なくとも1種の賦形剤、例えば、澱粉、炭酸カルシウム、スクロース、ラクトース及びゼラチンなどを混ぜて調剤される。また、単純な賦形剤以外にマグネシウム、ステアリン酸、タルクなどの潤滑剤も使用できる。
経口投与のための液状製剤としては、懸濁剤、内用液剤、乳剤及びシロップ剤などが該当するが、よく使用される単純希釈剤である水、流動パラフィン以外に様々な賦形剤、例えば湿潤剤、甘味剤、芳香剤及び保存剤などが含まれ得る。
非経口投与のための製剤には、滅菌された水溶液、非水性溶剤、懸濁剤、乳剤、凍結乾燥製剤及び坐剤が含まれる。非水性溶剤と懸濁溶剤としては、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油などの植物油、オレイン酸エチルなどの注射可能なエステルなどが使用できる。坐剤の基剤としては、ウィテップゾール(witepsol)、マクロゴール、ツイン61、カカオ脂、ラウリン脂、グリセロール及びゼラチンなどが使用できる。本発明の薬学的組成物は、非経口投与の際に皮下注射、静脈注射または筋肉内注射を介して投与できる。
本発明の薬学的組成物の投与量は、体重70kgの成人を基準にして1日0.5〜100mg内で調節できる。但し、投与される最適の投与量は当業者によって容易に決定でき、疾患の種類、疾患の重症度、組成物に含有された有効成分及び他の成分の含有量、剤形の種類、及び患者の年齢、体重、一般健康状態、性別及び食餌、投与時間、投与経路、及び組成物の分泌率、治療期間、同時に使用される薬物などの様々な因子に応じて調節できる。
本発明は、治療が必要な対象体に、治療学的に有効な量の前記化学式1で表される化合物、その光学異性体、それらの薬学的に許容される塩、またはそれらの水和物または溶媒和物を投与して腎疾患を予防または治療する方法を提供する。
ここで使用された「治療が必要な対象体」は、ヒトを始めとする哺乳動物を意味し、「投与」は、任意の適切な方法で患者に所定の物質を提供することを意味する。「治療学的に有効な量」は、研究者、獣医師、医師またはその他の臨床医によって考えられる、動物またはヒトで生物学的または医学的反応を誘導する活性成分または薬学的組成物の量を意味するもので、これは治療される疾患または障害の症状緩和を誘導する量を含む。本発明の有効成分に対する治療上の有効投与量及び投与回数が所望の効果に応じて変化することは、当業者にとって自明である。
本発明は、腎疾患の治療のための薬剤学的製剤を製造するが、前記化学式1で表示される化合物、その光学異性体、それらの薬学的に許容される塩、またはそれらの水和物または溶媒和物を使用する用途を提供する。
本発明の前記化学式1で表示される化合物、その光学異性体、それらの薬学的に許容される塩、またはそれらの水和物または溶媒和物を有効成分として含む、腎疾患予防または治療用薬学的組成物は、脂質代謝を改善し、腎線維化などの組織学的損傷を防ぎ、微量アルブミン尿を改善する効果を持つ。よって、腎疾患の治療に有用である。
糖尿病の時期による血漿DPP−IV活性度の変化を示す図である。 糖尿病の時期による腎臓、肝臓、心臓、脂肪組織のDPP−IV活性度の変化を示す図である。 糖尿病の時期による腎臓、肝臓、心臓、脂肪組織のDPP−IV活性度の変化を示す図である。 糖尿病の時期による腎臓、肝臓、心臓、脂肪組織のDPP−IV活性度の変化を示す図である。 糖尿病の時期による腎臓、肝臓、心臓、脂肪組織のDPP−IV活性度の変化を示す図である。 DPP−IV阻害剤の使用後における腎臓、肝臓、心臓、脂肪組織のDPP−IV活性度の変化を示す図である。 DPP−IV阻害剤の使用後における腎臓、肝臓、心臓、脂肪組織のDPP−IV活性度の変化を示す図である。 DPP−IV阻害剤の使用後における腎臓、肝臓、心臓、脂肪組織のDPP−IV活性度の変化を示す図である。 DPP−IV阻害剤の使用後における腎臓、肝臓、心臓、脂肪組織のDPP−IV活性度の変化を示す図である。 DPP−IV阻害剤の使用後における脂質代謝の変化を示す図である。 DPP−IV阻害剤の使用後の肝臓脂肪症を観察して示す図である。 DPP−IV阻害剤の使用後における微量アルブミン尿の変化を示す図である。 DPP−IV阻害剤の使用後の腎メサンギウム拡大を示す図、及びこれをスコアリング(scoring)して示す図である。 DPP−IV阻害剤の使用後における腎臓の線維性タンパクの沈着を示す図である。 図8の組織学的変化をスコアリングして示す図である。 DPP−IV阻害剤の使用後における腎臓の線維性タンパク遺伝子発現を示す図である。 DPP−IV阻害剤の使用後における腎臓の脂質代謝タンパク遺伝子発現を示す図である。 DPP−IV阻害剤の使用後における腎臓の脂質代謝タンパク遺伝子発現のPCR結果を示す図である。 左の図は糖尿病性腎障害マウスモデルにおけるDPP−IV阻害剤の使用後の尿中ネフリン排泄量を測定して示すグラフであり、右の図はDPP−IV阻害剤の使用が腎糸球体のネフリン発現に及ぼす効果を免疫染色で確認して示す図である。 非糖尿病性腎障害マウスモデルにおける腎障害誘導と同時にDPP−IV阻害剤投与時の微量アルブミン尿(A)、及びネフリン排泄(B)に及ぼす効果を示す図である。 非糖尿病性腎障害マウスモデルにおける腎障害誘導後のDPP−IV阻害剤投与時の微量アルブミン尿(A)、及びネフリン排泄(B)に及ぼす効果を示す図である。 腎臓の有足細胞、近位尿細管細胞及びメサンギウム細胞に高グルコース、アンジオテンシンII及び脂肪酸の刺激を加えてDPP−IV遺伝子発現を観察して示す図である。 既存のDPP−IV阻害剤(リナグリプチン、サクサグリプチン及びシタグリプチン)と本発明のDPP−IV阻害剤とのDPP−IV活性抑制効果を比較して示す図である。 腎臓の有足細胞に高グルコース及びアンジオテンシンIIの刺激を加えて既存のDPP−IV阻害剤(リナグリプチン、サクサグリプチン及びシタグリプチン)と本発明のDPP−IV阻害剤とのネフリン発現に及ぼす効果を示す図である。
以下、本発明を実施例及び試験例によって詳細に説明する。ところが、これらの実施例及び試験例は、本発明を例示するためのもので、本発明を限定するものではない。
また、以下に記載された試薬及び溶媒は、特別な記載がない限り、Sigma−Aldrich Koreaから購入したものである。
〈実施例1〉体重、飲食摂取量、水分摂取量、空腹時血糖、尿量、ヘモグロビンA1c値及び血圧の評価
(1)非糖尿病対照群、糖尿病群及びDA1229投与群の準備
生後6週齢のマウスを使用した。db/mマウスを非糖尿病対照群(各時期別に7匹、n=28)とし、db/dbマウスを糖尿病群(各時期別に7匹、n=28)とDA1229投与群(n=8)に分けた。DA1229投与群にはDPP−IV阻害剤であるDA1229を0.3%(W/W、300mg/kg/day)用量で飼料に混ぜて供給し、糖尿病群には試料のみを供給した。
(2)体重、飲食摂取量、水分摂取量、空腹時血糖、尿量、ヘモグロビンA1c値及び血圧の測定
非糖尿病対照群(db/m対照群)及び糖尿病群(db/db)でそれぞれ投与0、4、8、12週目に体重、飲食摂取量、水分摂取量、空腹時血糖、尿量、ヘモグロビンA1c値(HbAlc)及び血圧(systolic blood pressure、SBP)を測定し、DA1229投与群では投与12週目に測定した。ヘモグロビンA1c値はDCA2000(Bayer Healthcare、Wuppertal、Germany)血糖測定器で測定した。
結果は下記表1に示す。
上記表において、各値は平均±SEMとして表され、統計的分析は同じ期間に各群で行われた。*P<0.05;**P<0.01;***P<0.001対(vs.)db/m対照群;#P<0.05対(vs.)db/db。
非糖尿病対照群と比較して、糖尿病群では体重が増加し、飲食摂取量、水分摂取量、空腹時血糖、尿量が大幅に増加した。
12週間DA1229を投与したDA1229投与群の場合は、糖尿病群と比較して体重、飲食摂取量、尿量には有意な差を示さなかった。ところが、水分摂取量及び空腹時血糖値は大幅に減少した。
上述した結果から、DA1229が血糖量を下げ且つ糖の排泄を減少させる機能を行うことが分かる。
〈実施例2〉DPP−IV活性の評価
DPP−IV(Dipeptidyl peptidase IV)はインクレチンを分解する酵素である。インクレチンは、小腸から分泌されてインスリンの分泌を促進するホルモンであって、DPP−IVの活性が抑制されると、インクレチンの活性が維持されてインスリンの分泌が促進される。
したがって、DA1229によってDPP−IV活性が効果的に抑制されるか否かを確認するために、血漿及び各臓器のDPP−IV活性を評価した。前記実施例1の(1)に記載されたのと同様に、非糖尿病対照群、糖尿病群及びDA1229投与群を準備して実験に使用した。
DPP−IV活性の測定は、従来報告された(J. Med. Chem. 2005, 48, 141-151)蛍光光度検定(fluorophotometric assay)法を用いて測定した。図1は血漿内のDPP−IV活性度を示す図である。非糖尿病対照群と糖尿病群は糖尿病の進行の各時期にDPP−IV活性における有意な差を示さなかった(図1A)。ところが、投与20週目にDA1229投与群は非糖尿病対照群及び糖尿病群と比較してDPP−IV活性が著しく抑制されることを確認することができた(図1B)。
図2は非糖尿病対照群と糖尿病群の腎臓、肝臓、心臓及び脂肪組織における糖尿病の進行の各時期のDPP−IV活性度を示す図である。各臓器におけるDPP−IV活性度は高かった。非糖尿病対照群と糖尿病群は肝臓、心臓及び脂肪組織におけるDPP−IV活性度が群間で大きな差を見せなかったが(図2B〜2D)、腎臓では糖尿病が進行するほど糖尿病群のDPP−IV活性度が有意に増加した(図2A)。
図3は投与20週目に非糖尿病対照群、糖尿病群及びDA1229投与群の腎臓、肝、心臓及び脂肪組織におけるDPP−IV活性度を示す図である。各臓器において、DA1229投与群は非糖尿病対照群及び糖尿病群と比較してDPP−IV活性度が大幅に減少した。このような減少は腎臓で著しかった(図3A)。
上記の結果から、DA1229は全ての臓器でDPP−IV活性を抑制し、特に腎臓でDPP−IV活性を効果的に抑制することが分かった。
〈実施例3〉脂質代謝の評価
糖尿病にかかると、脂質が正常に代謝されないため、血中脂質が増加し、肝に脂質が沈着する傾向(肝臓脂肪症)がある。DA1229によって脂質代謝改善効果が示されるかどうかを確認するために、次の実験を行った。前記実施例1の(1)に記載されたのと同様に、非糖尿病対照群、糖尿病群及びDA1229投与群を準備して実験に使用した。
(1)血漿中脂質濃度の評価
総コレステロールは、エステル型コレステロールと非エステル型(遊離)コレステロールを含み、中でも、LDL−コレステロールの濃度が増加すると、動脈硬化などの問題が発生する。
投与12週目に非糖尿病対照群、糖尿病群及びDA1229投与群で血漿から脂質である総コレステロール、トリグリセリド、HDL−コレステロール及びLDL−コレステロールの濃度を測定した。総コレステロールとトリグリセリドの濃度は、GPO−Trinderキット(Sigma、St.Louis、MO、USA)を使用した後、ELISAリーダー(Micro−Quant、Bio−Tek Instruments、Colmar、France)で測定し、HDL−コレステロール及びLDL−コレステロールはTBA−200FR NEO(東芝、日本)で測定した。
非糖尿病対照群と比較して、糖尿病群では総コレステロール、トリグリセリド及びLDL−コレステロールの濃度が約2倍以上増加するが、DA1229の投与によって、このような増加が非糖尿病対照群のレベルに回復することが観察された(図4)。
(2)肝臓脂肪症(hepatic steatosis)の評価
投与12週目に非糖尿病対照群、糖尿病群及びDA1229投与群から採取した肝組織をミクロトームで断片化した後、アルコール脱水過程を経て、パラフィン包埋した。この断片をヘマトキシリン−エオシン(Hematoxylin−eosin)で染色した後、顕微鏡(STM6−LM Olympus NDT Inc、USA)で脂質沈着有無を観察した(図5)。非糖尿病対照群と比較して、糖尿病群では肝組織の脂質沈着が増加したが、DA1229投与群ではこのような増加が非糖尿病対照群のレベルに回復することが観察された。
上記の結果から、DA1229は糖尿病によって減少した脂質代謝を増加させる効果があることが分かる。
〈実施例4〉腎機能の評価
DA1229投与で、腎疾患により低下した腎機能が改善されるかどうかを確認するために、次の実験を行った。前記実施例1の(1)に記載されたのと同様に、非糖尿病対照群、糖尿病群及びDA1229投与群を準備した。
(1)血漿クレアチニンの評価
クレアチンは、腎臓によって排泄される物質であって、腎臓クリアランスの問題が発生すると、血漿中のクレアチニンの濃度が高くなる。
上記の表では、各値は平均±SEMとして表され、統計的分析は同じ期間に各群で行われた。†P<0.01対(vs.)db/db。
TBA−200FR NEO(東芝、日本)を用いて、変形ヤッフェ法(modified Jaffe method)(Kang YS et al., CCR2 antagonism improves insulin resistance, lipid metabolism, and diabetic nephropathy in type 2 diabetic mice. Kidney Int. 2010 Nov;78(9):883-894, Kang YS et al., Visfatin is upregulated in type-2 diabetic rats and targets renal cells. Kidney Int. 2010 Jul;78(2):170-181)により血漿中のクレアチニン濃度を測定した。
前記表2から、非糖尿病対照群と比較して、糖尿病群では血漿クレアチニン濃度が増加し、DA1229投与群では血漿クレアチニン濃度が大幅に減少したことを確認することができる。
(2)微量アルブミン尿の観察
糖尿病が進行すると、腎糸球体が破壊されてタンパク質(アルブミン)が排泄される現象が現れ、少量が排泄された場合を微量アルブミン尿という。微量アルブミン尿は腎疾患の最初の指標の一つであり、糖尿病が進行すればするほど、腎糸球体がひどく破壊されてタンパク質の排泄量が増加する。前記実施例1の(1)に記載されたのと同様に、非糖尿病対照群、糖尿病群及びDA1229投与群を準備し、実験に使用した。
投与0、4、8、12週目に非糖尿病対照群、糖尿病群及びDA1229投与群で24時間尿中へ排泄されるアルブミンの量を測定して微量アルブミン尿を観察した。ELISAキット(Shibayagi、Shibukawa、日本)を使用した後、ELISAリーダー(Micro−Quant、Bio−Tek Instruments、Colmar、France)によって、排泄されるアルブミンの量を測定した。
非糖尿病対照群と比較して、糖尿病群では排泄されるアルブミンの量が増加し、このような増加は糖尿病が進行すればするほど顕著になった。ところが、DA1229投与群では、4週目まで微量アルブミン尿が現れておらず、その後も糖尿病群よりも一層少ない量のアルブミンが尿中へ排泄された(図6)。
上記の結果から、DA1229投与によって腎臓の排泄機能が改善されてタンパク質排泄が減少することが分かる。
〈実施例5〉腎メサンギウム拡大の組織学的評価
腎疾患で腎臓破壊が進行すると、腎臓でメサンギウム拡大(mesangial expansion)が起こる。したがって、非糖尿病対照群、糖尿病群及びDA1229投与群で糸球体のメサンギウムの拡大を確認した。前記実施例1の(1)に記載されたのと同様に、非糖尿病対照群、糖尿病群及びDA1229投与群を準備して実験を進行し、投与12週目に確認した。
腎糸球体組織を採取してミクロトームで断片化した後、アルコール脱水過程を経て、パラフィン包埋した。この断片をPAS(periodic acid−Schiff)で染色し、顕微鏡(STM6−LM Olympus NDT Inc、USA)で観察し(図7B)、病理学者がこれをスコアリングした(図7A)。
非糖尿病対照群と比較して、糖尿病群ではメサンギウム拡大が観察されるが、DA1229投与群ではこのような効果が非糖尿病対照群に近いレベルに改善された。
上記の結果から、DA1229が腎糸球体破壊効果を改善することが分かる。
〈実施例6〉腎線維化の評価
腎疾患で腎臓に線維性タンパク質が沈着して、病気が進行するにつれて腎臓が破壊される症状が現れる。
TGFβ1(Transforming Growth Factor β1)は、腎臓の線維化を誘発するサイトカインであり、タイプIVコラーゲンは線維組織を形成する基質である。PAI−1(Plasminogen Activator Inhibitor−1)は血栓の生成を誘発する。この3種のタンパク質はいずれも腎線維化の指標である。
DA1229が腎線維化を抑制する効果を示すか否かを確認するために、次の実験を行った。前記実施例1の(1)に記載されたのと同様に、非糖尿病対照群、糖尿病群及びDA1229投与群を準備して実験を行い、投与12週目に確認した。
(1)組織学的評価
腎糸球体組織を採取してミクロトームで断片化した後、アルコール脱水過程を経て、パラフィン包埋した。この断片を免疫組織化学方法で染色し、顕微鏡(STM6−LM Olympus NDT Inc、USA)で、腎臓に沈着したTGFβ1、タイプIVコラーゲン及びPAI−1をそれぞれ確認し(図8)、染色された程度及び範囲を基準として病理学者がこれをスコアリングした(図9)。
非糖尿病対照群と比較して、糖尿病群ではTGFβ1が増加したが、DA1229投与群ではこのような効果が大幅に減少した(図8のA、図9)。
非糖尿病対照群と比較して、糖尿病群ではタイプIVコラーゲンが増加したが、DA1229投与群では非糖尿病対照群のレベルに減少した(図8のB、図9)。
非糖尿病対照群と比較して、糖尿病群ではPAI−1が増加したが、DA1229投与群では非糖尿病対照群のレベルに減少した(図8のC、図9)。
(2)遺伝子発現の評価
前記(1)で確認した線維性タンパク質の減少が遺伝子発現レベルで起こるかどうかを確認するために、TGFβ1、タイプIVコラーゲン及びPAI−1のmRNA発現を確認した。腎臓組織試料からmRNAを抽出し、sybergreen試薬が含有されたPCR容器内でLight Cycler 1.5システム(Roche Diagnostics Corporation、Indianapolis、IN、USA)リアルタイムPCR機械を用いてmRNAを増幅させた。糖尿病群と非糖尿病対照群におけるそれぞれの標的遺伝子の発現程度をβ−アクチンの発現程度で割った値を図10に示した。
非糖尿病対照群と比較して、糖尿病群ではTGFβ1のmRNA発現が増加したが、DA1229投与群では大幅に減少した。
非糖尿病対照群と比較して、糖尿病群ではタイプIVコラーゲンのmRNA発現が2倍以上増加したが、DA1229投与群では減少した。
非糖尿病対照群と比較して、糖尿病群ではPAI−1のmRNA発現が約2倍増加したが、DA1229投与群では大幅に減少した。
上記の結果から、DA1229が腎線維化の抑制に優れた効果を発揮することが分かる。
〈実施例7〉腎臓の脂質代謝の評価
ABCA1は組織からの脂質流出に関与するタンパク質であり、HMG−CoAリダクターゼ(reductase)は脂質合成に関与するタンパク質である。ABCA1遺伝子及びHMG−CoAリダクターゼ遺伝子の発現を確認して、腎臓で脂質代謝が減少するかどうか、及びDA1229投与によってこのような現象が改善されるかどうかを確認するために、前記遺伝子のmRNA発現を確認した。前記実施例1の(1)に記載されたのと同様に、非糖尿病対照群、糖尿病群及びDA1229投与群を準備して実験を行い、投与12週目に確認した。
腎臓組織試料からmRNAを抽出し、SYBRグリーン(sybergreen)試薬が含有されたPCR容器内でLight Cycler 1.5システム(Roche Diagnostics Corporation、Indianapolis、IN、USA)リアルタイムPCR機械を用いてmRNAを増幅させた。結果は図11及び図12に示した。
非糖尿病対照群と比較して、糖尿病群ではABCA1のmRNA発現が減少したが、DA1229群では大幅に増加した。
非糖尿病対照群と比較して、糖尿病群ではHMG−CoAリダクターゼのmRNA発現が増加したが、DA1229投与群では非糖尿病対照群のレベルに減少した。
上記の結果から、DA1229は腎臓組織への脂質沈着を防ぎ且つ脂質合成を減少させることが分かる。
〈実施例8〉ネフリン排泄及びネフリン発現に対する影響の評価
ネフリン(nephrin)は、糸球体の濾過膜を形成する有足細胞(podocyte)の細胞膜に発現するタンパク質であって、隣接した有足細胞との結合で濾過障壁(filtration barrier)を形成する。糸球体の損傷によりアルブミン尿が現れる場合、有足細胞のネフリン発現が減少してネフリン障壁が損傷し、尿中へのネフリン分泌が増加する。したがって、投与12週目に非糖尿病対照群、糖尿病群及びDA1229投与群で尿中へのネフリン排泄及び腎臓でのネフリン発現を観察した。前記実施例1の(1)に記載されたのと同様に、非糖尿病対照群、糖尿病群及びDA1229投与群を準備し、実験に使用した。
(1)ネフリン排泄の評価
非糖尿病対照群、糖尿病群及びDA1229投与群それぞれの尿を採取し、Exocell社(Philadelphia、PA、USA)EIAキットを用いて尿中のネフリン含有量を定量した。これを尿量に比例するクレアチニン(creatinin)排泄量に補正(modified Jaffe法で測定)して図13の左のグラフで示した。グラフで示されるように、糖尿病群では非糖尿病対照群よりも尿中のネフリン含有量が増加したが、DA1229投与群では尿中のネフリン含有量が大幅に減少したことを確認することができた。
(2)ネフリン発現の評価
また、各群の腎臓を摘出し、腎臓組織を分離し、ネフリンに対して特異的な抗体で免疫染色して顕微鏡で観察し、図13の右の図に示した。図13の右の図から、糖尿病群では非糖尿病対照群と比較して観察された腎糸球体からのネフリンは少なかったが、DA1229投与群ではネフリンは多く観察されることが分かる。
上記の結果から、DA1229投与によって糸球体のネフリン障壁が保存されて腎糸球体の構造が維持され、尿中へのネフリン排泄が減少することが分かる。
〈実施例9〉非糖尿病性腎障害マウスモデルにおける微量アルブミン尿の観察及びネフリン排泄に対する影響の評価
血糖値や糖尿病とは関係なく、DA1229が腎臓に及ぼす影響を調べるために、非糖尿病性腎障害マウスモデルを準備して次の実験を行った。
(1)非糖尿病性腎障害マウスモデルの準備
抗癌剤アドリアマイシン(adriamycin、以下「ADX」という)を注射すると、糸球体有足細胞の損傷を誘発して非糖尿病性腎障害を起こす。
生後6週齢のマウス30匹にADX13mg/kgを単回静脈注射した後、3つの群に分け(n=10/群)、第1群には直ちにDA1229投与を開始して3週間投与することにより、腎障害が発生して進行すると同時にDA1229投与が行われるようにし、第2群には3週間待って腎障害が発生することを確認した後、2週間DA1229を投与して腎障害がある程度進行した後、DA1229投与が行われるようにした。第3群は何らの付加的な措置を取らずに対照群とした。第1群及び第2群では、DA1229は0.3%(W/W、300mg/kg/day)の用量で飼料に混ぜて投与した。対照群には飼料のみを供給した。投与5週目に、第1群〜第3群で微量アルブミン尿及びネフリン排泄を測定した。
(2)微量アルブミン尿の観察及びネフリン排泄に及ぼす影響の評価
投与3週目に、第1群〜第3群で前記実施例4の(2)に記載されたのと同様の方法で微量アルブミン尿(尿中のアルブミン)を観察し、前記実施例8に記載されたのと同様の方法で尿中ネフリン排泄量に及ぼす影響を評価した。
腎障害を誘導したと同時にDA1229を投与した第1群に対する結果は図14に示した(黒い棒は対照群たる第3群、白い棒は第1群に該当)。図14から、DA1229投与によって尿中アルブミン排泄量(A)と尿中ネフリン排泄量(B)が全て有意に減少することを確認することができた。
腎障害誘導の後にDA1229を投与した第2群に対する結果は図15に示した(黒い棒は対照群たる第3群、白い棒は第1群に該当)。図15から、DA1229投与によって尿中アルブミン排泄量(A)及び尿中ネフリン排泄量(B)が全て有意に減少することを確認することができた。左の図から、DA1229によるアルブミン排泄減少効果が、時間が経つほど著しく現れることを確認することができる。
上記の結果から、DA1229は糖尿病性腎症だけでなく、非糖尿病性で糸球体が損傷して現れる腎疾患においても糸球体を保護する効果を示すことが分かる。
〈実施例10〉糖尿病で発生する刺激時の腎臓細胞のDPP−IV発現の評価
糖尿病で発生する刺激によって、腎臓を構成する各細胞においてDPP−IV遺伝子発現が増加するかどうかを確認するために、次の実験を行った。
腎臓組織を構成する細胞である有足細胞(podocyte)、近位尿細管細胞(proximal tubule cell)及びメサンギウム細胞(mesangial cell)に、それぞれ糖尿病で発生する刺激と同様にグルコース30mM、アンジオテンシンII100nM、遊離脂肪酸(palmitic acid)100uMを48時間加えた。その後、DPP−IV遺伝子発現を確認した。各細胞で得られた試料からmRNAを抽出し、sybergreen試薬が含有されたPCR容器内でLight Cycler 1.5システム(Roche Diagnostics Corporation、Indianapolis、IN、USA)リアルタイムPCR機械を用いてmRNAを増幅させた。
メサンギウム細胞ではDPP−IV遺伝子発現の増加が観察されなかったが、有足細胞及び近位尿細管細胞ではDPP−IV遺伝子発現の増加が観察された(図16)。
上記の結果から、糖尿病性腎症において有足細胞を含む腎臓細胞のDPP−IV発現が増加することが分かる。
〈比較例〉DA1229とその他のDPP−IV阻害剤の腎保護効果の比較
DPP−IV抑制機序に作用する薬物であるリナグリプチン(linagliptin)、サクサグリプチン(saxagliptin)及びシタグリプチン(sitagliptin)とDA1229の効果を次のとおり比較した。
(1)有足細胞におけるDPP−IV活性抑制効果の比較
DA1229、リナグリプチン、サクサグリプチン及びシタグリプチンをそれぞれ0nM、1nM、10nM、100nMの濃度で含む培地で有足細胞を72時間培養した。その後、培地を除去し、有足細胞をリン酸緩衝液で洗浄した後、前記実施例2と同様に、以前に報告された方法(J. Med. Chem. 2005, 48, 141-151)のとおり蛍光光度検定方法を用いてDPP−IVの活性を測定した。
結果は図17に示した。図17から、DA1229が濃度依存的に有足細胞でDPP−IVの活性を抑制し、その効果はリナグリプチン及びシタグリプチンより優れるうえ、サクサグリプチンとは類似することが分かる。
(2)糖尿病と同様の刺激時のネフリン発現量に及ぼす影響の比較
DA1229、リナグリプチン、サクサグリプチン及びシタグリプチンが、糖尿病で発生する刺激と同様にグルコース及びアンジオテンシンIIの刺激下においてネフリンの発現量に及ぼす効果を次のとおり確認した。
グルコース30mM、アンジオテンシンII100nM、及びそれぞれDA1229 10nM、リナグリプチン10nM、サクサグリプチン1nM、シタグリプチン10nMを含む培地で有足細胞を72時間培養した。その後、培地を除去し、細胞を溶解(lysis)させた後、細胞内に発現したネフリンの変化を、ポリクローナル抗体(SantaCruz、SC−19000)を用いてウェスタンブロットで測定した。
結果は図18に示した。図18から、正常グルコース(normoglucose)を処理した対照群(NG、左の一番目)と比較してグルコースとアンジオテンシンIIの処理によってネフリンの発現が減少するが(左の2番目)、DA1229によって対照群と同等のレベルにネフリン発現量が維持されることが分かる(左の3番目)。一方、リナグリプチン、サクサグリプチン処理群のネフリン発現量は、グルコースとアンジオテンシンIIのみを処理した群より高かったが、DA1229処理群よりは遥かに低く、シタグリプチン処理群のネフリン発現量はグルコースとアンジオテンシンIIのみを処理した群とはほとんど差がなかった。
上記の結果から、DA1229が、市販の既存のDPP4阻害剤であるリナグリプチン、サクサグリプチン及びシタグリプチンよりもDPP−IV活性抑制効果に優れるうえ、糖尿病で発生するのと同様の刺激を加えた場合でも腎糸球体でネフリン発現を維持する効果に優れることが分かる。
本発明の腎疾患予防または治療用薬学的組成物は、脂質代謝を改善し、腎線維化を始めとする組織学的損傷を防ぎ、微量アルブミン尿を改善し、腎糸球体のネフリンを維持する効果を持つ。よって、腎疾患の治療に有用である。

Claims (9)

  1. 下記化学式1で表示される化合物、その光学異性体、それらの薬学的に許容される塩、またはそれらの水和物もしくは溶媒和物を有効成分として含む、腎疾患治療用薬学的組成物。
    (式中、XはORを示し、RはそれぞれC1〜C5の低級アルキルを示す。)
  2. 前記Rが三級ブチル(tert−butyl)である、請求項1に記載の薬学的組成物。
  3. 前記薬学的に許容される塩が、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸及びアジピン酸よりなる群から選ばれる、請求項1に記載の薬学的組成物。
  4. 前記化学式1で表示される化合物、その光学異性体、それらの薬学的に許容される塩、またはそれらの水和物もしくは溶媒和物が、DPP−IV(Dipeptidyl Peptidase−IV)阻害剤である、請求項1に記載の薬学的組成物。
  5. 前記薬学的組成物が他の抗糖尿病薬をさらに含む、請求項1に記載の薬学的組成物。
  6. 前記抗糖尿病薬が、ビグアニド薬(Biguanide)、インスリン抵抗性改善薬(insulin sensitizer)、インスリン分泌促進剤(insulin secretagogue)、α−グルコシダーゼ阻害剤(α−glucosidase inhibitor)及びカンナビノイド受容体−1拮抗薬(cannabinoid receptor 1 antagonist)よりなる群から選ばれる、請求項1に記載の薬学的組成物。
  7. 前記薬学的組成物がアンジオテンシン変換酵素阻害薬またはアンジオテンシンII受容体遮断薬をさらに含む、請求項1に記載の薬学的組成物。
  8. 前記腎疾患が糸球体腎疾患である、請求項1に記載の薬学的組成物。
  9. 前記腎疾患が糖尿病性腎症である、請求項1に記載の薬学的組成物。
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