以下に、本願に係る広告配信管理装置および広告配信管理方法を実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る広告配信管理装置および広告配信管理方法が限定されるものではない。
〔1.広告配信管理システムの構成〕
まず、実施形態に係る広告配信管理システムの構成について説明する。図1は、実施形態に係る広告配信管理システムの構成例を示す図であり、かかる広告配信管理システム1によってユーザの実行動に基づいた属性情報で広告配信の注文要求を受け付けることができる。
図1に示すように、実施形態に係る広告配信管理システム1は、無線LAN(Local Area Network)アクセスポイント21〜2m(以下、無線LANアクセスポイント2と総称する場合がある)と、情報提供装置3と、広告配信管理装置4とを備える。無線LANアクセスポイント2、情報提供装置3および広告配信管理装置4は通信ネットワーク7を介して相互に通信可能に接続される。通信ネットワーク7は、例えば、インターネットなどのWAN(Wide Area Network)である。
かかる広告配信管理システム1は、無線LANアクセスポイント2で検出した情報に基づき、無線端末51〜5n(以下、無線端末5と総称する場合がある)のユーザの属性であるユーザ属性を設定し、設定したユーザ属性に対する広告主端末6からの広告配信の注文要求を通信ネットワーク7経由で受け付ける。広告主端末6は、広告配信を希望する広告主の端末装置である。
無線端末5は、例えば、無線LAN通信機能を搭載した携帯電話機であり、無線LANアクセスポイント2の通信エリア内では、無線LANアクセスポイント2経由で情報提供装置3や広告配信管理装置4にアクセスが可能である。なお、無線端末5は、携帯電話基地局などの無線WAN基地局(図示せず)を経由して通信ネットワーク7に接続された情報提供装置3や広告配信管理装置4へのアクセスが可能である。
無線LANアクセスポイント2は、無線LAN通信部を備えており、かかる無線LAN通信部によって、無線端末5と相互に無線通信可能である。無線LANアクセスポイント2は、例えば、小売店、飲食店、美容院・理容院、病院、ホテル、映画館、複合レジャー施設などの商業空間の他、駅、商店街、コンサートやスポーツなどが行われるイベント会場などを通信エリアとする。
図1に示す例では、無線LANアクセスポイント21は、コンビニエンスストアであるA店舗に設置され、無線LANアクセスポイント22〜2mは、B駅に設置される。また、その他の無線LANアクセスポイント2は、他の場所へ設置されるが、図1に示す例では省略している。
情報提供装置3は、無線端末5からアクセスがあった場合、例えば、Webページなどの広告配信対象ページを無線端末5へ送信する。広告配信対象ページには、広告情報のURL(Uniform Resource Locator)が含まれており、無線端末5は、かかるURLに基づいて、広告配信管理装置4に対して広告情報を要求する。広告配信管理装置4は、無線端末5から広告情報の要求を受信すると、無線端末5のユーザ(以下、端末ユーザと記載する場合がある)が有するユーザ属性に対応する広告情報を無線端末5へ送信する。
広告配信管理装置4は、無線LANアクセスポイント2で検出した情報に基づき、無線端末5のユーザのユーザ属性を設定し、設定したユーザ属性に対する広告主端末6からの広告配信の注文要求を受け付ける。そして、広告配信管理装置4は、受け付けた注文要求に対する受注在庫の割り当て処理、注文要求で指定された広告情報の配信を実行する処理を行うことによって、広告配信の注文の受け付けから配信までの処理を実行する。
〔2.広告配信管理方法〕
次に、広告配信管理システム1による広告配信管理方法の一例について説明する。図2は、実施形態に係る広告配信管理方法の説明図である。
図2に示すように、無線LANアクセスポイント2の通信エリア(以下、AP通信エリアと記載する)に存在する無線端末5が無線LANアクセスポイント2へ無線信号を送信する(ステップS1)。無線LANアクセスポイント2は、無線端末5から送信される無線信号に基づき、端末情報として、無線端末5の端末IDや電波強度情報を検出する(ステップS2)。
端末IDは、例えば、無線端末5の無線LAN通信部のMACアドレス(Media Access Control address)であり、電波強度情報は、例えば、無線端末5から送信されて無線LANアクセスポイント2で受信される無線信号の電波強度の情報である。無線LANアクセスポイント2は、無線端末5の端末IDおよび電波強度情報を含む端末情報を検出情報として広告配信管理装置4へ送信する(ステップS3)。
広告配信管理装置4は、無線LANアクセスポイント2から送信される検出情報に基づき、無線端末5のユーザのユーザ属性を設定する(ステップS4)。かかる処理においては、広告配信管理装置4は、無線LANアクセスポイント2から送信される検出情報に基づき、AP通信エリア内に存在し、かつ、所定条件を満たす無線端末5の情報を検出する。
そして、広告配信管理装置4は、AP通信エリア内に存在し、かつ、所定条件を満たす無線端末5のユーザのユーザ属性としてAP属性を設定する。AP属性は、無線LANアクセスポイント2単位または2以上の無線LANアクセスポイント2のグループ単位で設定される属性情報である。広告配信管理装置4は、無線端末5の情報(端末IDまたはユーザのユーザID)とAP属性とを関連付けて内部のDBに記憶する。
例えば、無線端末51が無線LANアクセスポイント21の通信エリアに存在し、所定条件を満たす場合、無線端末51のユーザに対し、AP属性として、例えば、無線LANアクセスポイント21の設置場所の業態である「コンビニエンスストア」が設定される。
また、無線端末53が無線LANアクセスポイント22の通信エリアに存在し、所定条件を満たす場合、無線端末53のユーザに対して、AP属性として、例えば、無線LANアクセスポイント22の設置場所である「B駅」が設定される。
広告配信管理装置4は、将来の所定期間において広告配信先となる配信対象ユーザのユーザ属性を含む情報を予測し、かかる予測結果を将来ログとして内部の記憶部に設定する(ステップS5)。かかる処理において、広告配信管理装置4は、将来の5日間に情報提供装置3へアクセスするユーザがどのようなユーザ属性(AP属性を含む)を有し、どのくらいアクセスするかを予測し、将来ログとして内部の記憶部に設定する。
例えば、無線端末5のユーザが情報提供装置3へアクセスする頻度の平均が1日/回であり、AP属性「コンビニエンスストア」として設定される無線端末5のユーザの数が1日で「1000」であるとする。この場合、広告配信管理装置4は、例えば、将来の5日間にAP属性「コンビニエンスストア」を有する配信対象ユーザが「5000」であると予測する。
その後、広告主端末6からAP属性を指定ユーザ属性とする注文要求O1が送信されると(ステップS6)、広告配信管理装置4は、注文要求O1を受け付けるか否かの判定を行う(ステップS7)。注文要求O1には、広告情報、ユーザ属性、配信数および配信期間の情報が含まれる。
例えば、注文要求O1が、指定するAP属性を「コンビニエンスストア」とし、配信期間を将来の5日間とし、その配信数を「5000」とする注文要求である場合、将来の5日間にAP属性「コンビニエンスストア」を有する配信対象ユーザの数が「5000」以上である場合、広告配信管理装置4は、注文要求O1を受け付ける。
その後、注文要求O1で指定された配信期間において、無線端末5から情報提供装置3へのページ要求が送信されると(ステップS8)、例えば、Webページなどの広告配信対象ページを無線端末5へ送信する(ステップS9)。広告配信対象ページには、広告情報のURLが含まれており、無線端末5は、かかるURLに基づいて、広告配信管理装置4に対して広告情報を要求する(ステップS10)。
広告配信管理装置4は、無線端末5から広告情報の要求を受信すると無線端末5のユーザが有するユーザ属性に対応する広告情報を無線端末5へ送信する(ステップS11、S12)。例えば、広告情報の要求を送信した無線端末5がAP属性「コンビニエンスストア」のユーザ属性を有する場合、広告配信管理装置4は、AP属性「コンビニエンスストア」を指定する注文要求O1の広告情報を要求元の無線端末5へ送信する。無線端末5は、広告配信管理装置4から送信される広告情報を表示部に表示する(ステップS13)。なお、広告情報として、例えば、バナー広告、テキスト広告、動画広告などの2次元コンテンツや3次元コンテンツなどがある。
このように、実施形態に係る広告配信管理処理では、無線LANアクセスポイント2の設置場所に応じた情報をユーザ属性として広告配信の注文要求を受け付けることができ、広告主に対してユーザの実行動に対応する属性をターゲットとして提供できる。これにより、通信ネットワーク7上のユーザの行動に応じた属性とは異なる新たな属性をターゲットとして提供でき、広告主に対する広告配信サービスの魅力を向上させることができる。
以下、広告配信管理システム1を構成する無線LANアクセスポイント2および広告配信管理装置4について、さらに詳細に説明する。
〔3.無線LANアクセスポイント2の構成〕
まず、無線LANアクセスポイント2の構成について具体的に説明する。図3は、無線LANアクセスポイント2の構成の一例を示す図である。図3に示すように、無線LANアクセスポイント2は、無線LAN通信部21と、WAN通信部22と、制御部23と、記憶部24とを有する。
無線LAN通信部21は、例えば、対象とする空間(例えば、飲食店やイベント会場などの空間)がその通信エリアとなるように設置される。かかる無線LAN通信部21は、無線LAN通信を行う通信インタフェースであり、無線LAN通信機能を搭載した無線端末5との間で情報の送受信を行う。なお、無線LANとして、例えば、IEEE802.11によって規定される無線LANなどがあるが、かかる規格の無線LANに限定されるものではない。
WAN通信部22は、通信ネットワーク7に接続され、通信ネットワーク7を介して情報提供装置3や広告配信管理装置4との間で情報の送受信を行う。かかるWAN通信部22は、通信ネットワーク7との接続を有線または無線で行う。
制御部23は、情報中継処理を行う中継部25と、無線端末5の検出処理を行う検出部26を備えており、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部23の内部構成は、かかる構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
中継部25は、例えば、無線端末5から無線LAN通信部21を介して取得した情報をWAN通信部22から情報提供装置3や広告配信管理装置4へ送信し、また、情報提供装置3や広告配信管理装置4からWAN通信部22を介して取得した情報を無線LAN通信部21から無線端末5へ送信する。
なお、無線LANアクセスポイント2から情報提供装置3や広告配信管理装置4への情報送信は、例えば、無線LANアクセスポイント2に割り当てられる通信ネットワーク7のアドレスを送信元アドレスとし、情報提供装置3や広告配信管理装置4に割り当てられる通信ネットワーク7のアドレスを送信先アドレスとしたパケット通信により行われる。通信ネットワーク7のアドレスは、例えば、WAN通信部22に割り当てられるアドレスである。
検出部26は、無線端末5から送信される無線パケットを無線LAN通信部21を介して取得することで、無線端末5の存在を検出する。図4Aおよび図4Bは、無線LANアクセスポイント2と無線端末5との間のセッション確立のシーケンスを示す図である。
図4Aに示す例では、無線端末5から周期的にプローブ要求と呼ばれる無線パケットがブロードキャストなどによって送信されており、検出部26は、かかる無線パケットを無線LAN通信部21経由で取得することで、無線端末5の存在を検出する。
プローブ要求にはBSSID(Basic Service Set Identifier)が含まれており、検出部26は、無線LAN通信部21のBSSIDと一致する場合に、プローブ応答を無線端末5へ送信する。プローブ応答を受信した無線端末5は、自動通信の設定がされている場合、通信中状態へ移行する。
通信中状態への移行は、図4Aに示すように、アソシエーション要求とアソシエーション応答によりセッションを確立することによって行われ、その後、無線端末5と無線LAN通信部21との間で、データフレームやコントロールフレームの送受信が行われて通信中状態になる。
なお、無線端末5から切断要求があった場合や、無線端末5と無線LAN通信部21との間で無線パケットを送受信できなくなった場合に、通信中状態が解除される。検出部26は、通信中状態へ移行した場合、通信中状態が解除されるまで繰り返し無線パケットを受信しており、無線端末5の存在を検出している状態である。
また、検出部26は、周期的に無線パケットが送信されない無線端末5に対して、例えば、図4Bに示すように、ビーコンと呼ばれる無線パケットを無線LAN通信部21を介してブロードキャストし、かかるビーコンに対するアソシエーション要求を受信することで、無線端末5の存在を検出する。
アソシエーション要求を受信した検出部26は、アソシエーション応答を無線端末5へ送信することによってセッションを確立し、無線端末5と無線LAN通信部21との間を通信中状態にする。なお、無線端末5から切断要求があった場合や、無線端末5と無線LAN通信部21との間で無線パケットを送受信できなくなった場合に、通信中状態が解除される。図4Aに示す例の場合に、検出部26は、通信中状態へ移行すると、その後、通信中状態が解除されるまで繰り返し無線パケットを受信しており、無線端末5の存在を検出している状態である。
検出部26は、例えば無線端末5を検出したと判定すると、検出情報をWAN通信部22を介して情報提供装置3へ送信する。具体的には、検出部26は、無線端末5から送信される無線パケットに含まれる端末IDを抽出し、さらに電波強度を検出する。
端末IDは、例えば、無線端末5の無線LAN通信部のMACアドレスであり、無線パケットに付加されて無線端末5から送信される。電波強度は、無線LANアクセスポイント2で受信される無線信号の電波強度である。なお、電波強度は、無線端末5において取得された電波受信強度(RSSI:Received Signal Strength Indication)であってもよい。この場合、電波強度の情報を含む無線信号が無線端末5から無線LANアクセスポイント2へ送信される。
検出部26は、無線端末5の端末IDおよび電波強度の情報に加え、AP−IDを含む情報を検出情報として、情報提供装置3へ送信する。AP−IDとしては、例えば、WAN通信部22に割り当てられる通信ネットワーク7のネットワークアドレスを用いることができる。
また、検出部26は、AP通信エリアでの無線端末5の滞在時間をカウントすることもでき、この場合、無線端末5の滞在時間を検出情報に含めて情報提供装置3へ送信することもできる。
〔4.広告配信管理装置4の構成〕
図5は、実施形態に係る広告配信管理装置4の構成例を示す図である。図5に示すように、広告配信管理装置4は、通信部30と、記憶部31と、制御部32とを有する。さらに、記憶部31は、広告情報DB41と、過去ログDB42と、ユーザ情報DB43と、空間情報DB44と、将来ログDB45とを有し、制御部32は、広告配信部51と、検出部52と、将来ログ予測部53と、受付部54と、割当部55とを有する。
通信部30は、NIC(Network Interface Card)等のインタフェースである。制御部32は、通信部30および通信ネットワーク7を介して、無線LANアクセスポイント2や広告主端末6との間で各種の情報を送受信する。
広告情報DB41、過去ログDB42、ユーザ情報DB43、空間情報DB44および将来ログDB45は、例えば、ハードディスク、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、光ディスク等の記憶装置である。なお、広告情報DB41、過去ログDB42、ユーザ情報DB43、空間情報DB44および将来ログDB45を一つのDBとしてもよい。
制御部32は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。また、制御部32は、CPU(Central Processing Unit)またはMPU(Micro Processing Unit)によって内部の記憶装置に記憶されたプログラムがRAMを作業領域として実行されることで、広告配信部51、検出部52、将来ログ予測部53、受付部54および割当部55として機能する。なお、制御部32の構成は、かかる構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
(広告配信部51)
広告配信部51は、無線端末5から広告情報の配信要求があった場合に、無線端末5のユーザが有するユーザ属性に応じた広告情報を広告情報DB41の広告情報テーブルから取得し、取得した広告情報を通信部30から配信要求元の無線端末5へ送信する。
図6は、広告情報DB41に記憶された広告情報テーブルの一例を示す図である。図6に示すように、広告情報テーブルは、「広告ID」毎に、「ユーザ属性」、「配信期間」、「配信数」および「広告情報」が関連付けられた情報である。
「広告ID」は、受付部54によって注文要求毎に割り当てられる識別情報である。「ユーザ属性」は、注文要求で指定されたユーザ属性であり、「配信期間」は、注文要求で指定された広告情報の配信期間であり、「配信数」は、注文要求で指定された広告情報の配信数である。また、「広告情報」は、注文要求で指定された広告情報である。
例えば、広告ID「O1」の注文要求では、配信対象のユーザ属性が「コンビニエンスストア」であり、広告情報の配信期間が「2013年1月1日〜1月31日」であり、広告情報の配信数が「100回」であり、広告情報が「バナー広告Ya」であることを示す。なお、広告情報の配信期間内であっても広告情報の配信数が「100回」を超えた場合に、注文要求に対する広告情報の配信処理が終了する。
広告情報の配信要求を行った無線端末5のユーザがユーザ属性「コンビニエンスストア」を有する場合、広告配信部51は、例えば、広告情報DB41の広告情報テーブルから広告ID「O1」の広告情報「バナー広告Ya」を取得し、配信要求元の無線端末5へ送信する。
無線端末5のユーザが有するユーザ属性は、ユーザ情報DB43のユーザ情報テーブルに基づいて判定される。図7は、ユーザ情報DB43に記憶されたユーザ情報テーブルの一例を示す図である。図7に示すように、ユーザ情報テーブルは、「ユーザID」毎に、「端末ID」および「ユーザ属性」が関連付けられた情報である。「ユーザ属性」には、「デモグラフィック属性」、「サイコグラフィック属性」および「AP属性」が含まれる。
「ユーザID」は、無線端末5を利用するユーザを識別するための識別情報である。かかる「ユーザID」は、例えば、広告配信管理装置4と無線端末5との間で送受信されるHTTPクッキー(HyperText Transfer Protocol Cookie)に設定されるユーザ識別情報に該当する。
「端末ID」は、例えば、無線端末5の無線LAN通信部のMACアドレスであり、無線端末5のユーザのユーザIDに関連付けてユーザ情報テーブルに設定される。
「デモグラフィック属性」は、人口統計学的なユーザの属性情報を示す。かかる「デモグラフィック属性」は、例えば、ユーザの「性別」、「年齢」などの属性区分に分類される。図7に示す「性別」には、ユーザが女性である場合には「1」が記憶され、ユーザが男性である場合には「2」が記憶される。また、「年齢」には、ユーザの年齢が記憶される。なお、「デモグラフィック属性」は、図7に示した属性区分の例に限られず、ユーザの職業、家族構成、年収、住所、出身地、学歴など様々な属性区分が含まれてもよい。
「サイコグラフィック属性」は、ユーザの価値観、ライフスタイル、性格、嗜好などを示す情報である。かかる「サイコグラフィック属性」は、例えば、「車」、「化粧品」、などの属性区分に分類される。図7に示す例では、属性区分毎に、ユーザの嗜好が相対的に高い場合に「1」が記憶され、それ以外の場合には「0」が記憶される。また、「サイコグラフィック属性」は、図7に示した属性区分の例に限られず、経済、政治、野球、サッカー、その他スポーツ、スイーツ、パソコン、白物家電、家具など様々な属性区分が含まれてもよい。
「AP属性」は、上述したように、無線LANアクセスポイント2単位または2以上の無線LANアクセスポイント2のグループ単位で設定される属性情報である。例えば、無線LANアクセスポイント21の通信エリアに存在し、所定条件を満たす無線端末5のユーザに対して「コンビニエンスストア」の区分に「1」が設定される。また、無線LANアクセスポイント22〜2mの通信エリアに存在し、所定条件を満たす無線端末5のユーザに対して「B駅」の区分に「1」が設定される。
なお、無線LANアクセスポイント2単位のAP属性が第1の属性情報の一例であり、2以上の無線LANアクセスポイント2のグループ単位のAP属性が第2の属性情報の一例である。例えば、AP属性「コンビニエンスストア」は、第1の属性情報であり、AP属性「B駅」は、第2の属性情報である。
広告配信部51は、例えば、図7に示すユーザID「U1」のユーザが有する無線端末5から広告情報の配信要求が行われた場合、かかる無線端末5のユーザのユーザ属性が「男性」、「21才」、「車」、「コンビニエンスストア」などであると判定する。また、例えば、図7に示すユーザID「U2」のユーザが有する無線端末5から広告情報の配信要求が行われた場合、広告配信部51は、かかる無線端末5のユーザのユーザ属性が「女性」、「36才」、「化粧品」、「B駅」などであると判定する。
また、広告配信部51は、広告情報の配信要求を行った無線端末5のユーザのユーザIDを過去ログDB42のアクセスログテーブルに設定する。図8は、過去ログDB42に記憶されるアクセスログテーブルの一例を示す図である。
図8に示すように、アクセスログテーブルには、無線端末5のユーザが広告配信管理装置4に対して広告情報の配信要求を行った日時とユーザIDとを関連付けた情報(以下、過去ログと記載する場合がある)が設定されるテーブルである。広告配信部51は、無線端末5から広告情報の配信要求がある毎に、アクセスログテーブルを更新する。
(検出部52)
検出部52は、無線LANアクセスポイント2の通信エリア内に存在し、かつ、所定条件を満たす無線端末5を検出する。かかる検出部52は、無線LANアクセスポイント2から送信される検出情報に基づいて、所定条件(以下、属性設定条件と記載する)を満たす無線端末5のユーザにAP属性を関連付ける。
検出部52は、無線LANアクセスポイント2から検出情報を受信した場合、空間情報DB44の端末情報テーブルに受信した検出情報を設定する。図9は、空間情報DB44に記憶される端末情報テーブルの一例を示す図である。
図9に示すように、端末情報テーブルは、「空間ID」毎に、1以上の「AP−ID」が対応付けられ、「AP−ID」毎に、「端末ID」、「チェックイン時刻」、「チェックアウト時刻」、「電波強度」などの情報を対応付けた情報である。
「空間ID」は、無線LANアクセスポイント2の設置場所の識別情報であり、無線LANアクセスポイント2単位または2以上の無線LANアクセスポイント2のグループ単位で設定される。
「AP−ID」は、対応する「空間ID」の空間内に設置された無線LANアクセスポイント2の識別情報であり、例えば、無線LANアクセスポイント2のWAN通信部22に割り当てられる通信ネットワーク7のネットワークアドレスである。図9に示す例では、空間ID「R1」の空間に、AP−ID「E1」の無線LANアクセスポイント21が設置されていることを示し、空間ID「R2」の空間に、AP−ID「E2」〜「Em」の無線LANアクセスポイント22〜2mが設置されていることを示している。
「端末ID」は、対応するAP通信エリア内に存在する無線端末5の端末IDである。例えば、図9に示す例では、AP−ID「R1」の無線LANアクセスポイント21の通信エリア内に、端末ID「T1」、「T2」などの無線端末5が存在していることを示している。
「電波強度」は、AP通信エリア内に存在する無線端末5の電波強度の情報である。図9に示す例では、便宜上、各端末IDに対応して最新の電波強度の情報が示されているが、無線端末5がAP通信エリアへ進入(以下、チェックインと記載する)したときからの電波強度の情報やその平均値が端末情報テーブルに設定される。また、図9に示す例では、電波強度の単位を「dBm」で表しているが、その他の単位で設定することもできる。
検出部52は、無線LANアクセスポイント2から検出情報を受信した場合、検出情報に含まれる「AP−ID」に対応付けて、検出情報に含まれる端末IDおよび電波強度情報を端末情報テーブルに設定する。
「チェックイン時刻」は、AP通信エリアへの無線端末5の進入時刻である。かかる進入時刻と現時刻とを比較することによってAP通信エリア内での無線端末5の滞在時間を検出することができる。
「チェックアウト時刻」は、AP通信エリアへ進入した無線端末5がその後AP通信エリアから退出した時刻である。図9に示す例では、AP通信エリアから退出した無線端末5の情報は含まれていないが、AP通信エリアに進入した無線端末5がAP通信エリアから退出した場合には、検出部52によって、その退出時刻がチェックアウト時刻として端末情報テーブルに設定される。例えば、検出部52は、AP通信エリアへ進入した無線端末5の電波強度情報を受信しなくなって所定時間経過した時刻を、その無線端末5の「チェックアウト時刻」とする。
なお、「チェックアウト時刻」が設定された「端末ID」、「チェックイン時刻」、「チェックアウト時刻」および「電波強度」の組は、検出部52によって履歴情報として管理される。
検出部52は、端末情報テーブルに設定された無線端末5のうち、電波強度が所定閾値以上であり、滞在時間が所定値以上である無線端末5に対し、属性設定条件を満たすと判定し、かかる無線端末5のユーザに対応するユーザ属性を更新する。
検出部52は、無線端末5の電波強度および滞在時間が属性設定条件を満たすか否かを、空間情報DB44の空間情報テーブルに基づいて判定する。図10は、空間情報DB44に記憶される空間情報テーブルの一例を示す図である。
図10に示すように、空間情報テーブルは、「空間ID」毎に、1以上の「AP−ID」、「空間名」、「空間場所」、「AP属性」、「属性設定条件」などの情報を対応付けた情報である。
「属性設定条件」は、ユーザ情報テーブルの「AP属性」に「1」を設定するための条件であり、図10に示す例では、「電波強度閾値」、「滞在時間閾値」、「回数閾値」が含まれる。
「電波強度閾値」は、無線端末5の電波強度と比較する閾値であり、検出部52は、無線端末5の電波強度が「電波強度閾値」以上である場合に、電波強度の条件を満たすと判定する。また、「滞在時間閾値」は、無線端末5のAP通信エリア内での滞在時間と比較する閾値であり、検出部52は、無線端末5の滞在時間が「滞在時間閾値」以上である場合に、滞在時間の条件を満たすと判定する。
また、「回数閾値」は、無線端末5が対応するAP通信エリアに進入して電波強度および滞在時間の条件を満たすことになった回数である。検出部52は、無線端末5が対応するAP通信エリアに進入して電波強度および滞在時間の条件を満たすことになった回数が「回数閾値」以上である場合に、無線端末5のユーザのユーザ属性として対応するAP属性を設定する。
例えば、空間情報テーブルが図10に示す状態であり、また、無線端末5のユーザがA店舗に来店した場合の無線端末5の電波強度が「−40(dBm)」以上であるとする。この場合、端末ID「T1」の無線端末51のユーザがA店舗に来店して滞在した時間が滞在時間閾値(2分)となる来店回数が回数閾値(10回/月)以上である場合、検出部52は、空間情報テーブルにおいて、図7に示すように、無線端末51に対応するユーザID「U1」に対してAP属性「コンビニエンスストア」に「1」を設定する。
また、図10に示す空間情報テーブルでは、空間ID「R2」に対してAP−ID「E2」〜「Em」が関連付けられ、AP−ID「E2」〜「Em」の無線LANアクセスポイント2の通信エリアが一つの通信エリア(以下、広域通信エリアと記載する)に設定される。かかる広域通信エリアに進入して電波強度および滞在時間の条件を満たすことになった回数が「回数閾値」以上である場合に、検出部52は、AP属性「B駅」を設定する。
例えば、空間情報テーブルが図10に示す状態であり、また、無線端末5のユーザがB駅(例えば、駅ビル)に進入した場合の無線端末5の電波強度が−45(dBm)以上であるとする。この場合、端末ID「T2」の無線端末52のユーザがB駅に進入して滞在した時間が滞在時間閾値(5分)となる来店回数が回数閾値(30回/月)以上である場合、検出部52は、空間情報テーブルにおいて、図7に示すように、無線端末52に対応するユーザID「U2」に対してAP属性「B駅」に「1」を設定する。
また、図10に示す空間情報テーブルでは、空間ID「R3」に対してAP−ID「E2」が関連付けられ、広域通信エリア内の一つのAP通信エリアが設定される。かかるAP通信エリアに進入して電波強度および滞在時間の条件を満たすことになった回数が「回数閾値」以上である場合に、検出部52は、AP属性「本屋」を設定する。
例えば、空間情報テーブルが図10に示す状態であり、また、無線端末5のユーザがC店舗に進入した場合の無線端末5の電波強度が−35(dBm)以上であるとする。この場合、端末ID「T3」の無線端末53のユーザがC店舗に進入して滞在した時間が滞在時間閾値(5分)となる来店回数が回数閾値(5回/月)以上である場合、検出部52は、空間情報テーブルにおいて、図7に示すように、無線端末53に対応するユーザID「U3」に対してAP属性「本屋」に「1」を設定する。
なお、図10に示す空間情報テーブルに設定された属性設定条件は一例であり、空間情報テーブルには種々の属性設定条件を設定することができる。例えば、無線端末5のユーザがA店舗を通り過ぎる場合の無線端末5の電波強度が−55〜−45(dBm)となり、AP通信エリアの通過時間が5〜15秒の範囲である場合に、「コンビニエンスストアを頻繁に通り過ぎる」というAP属性を設定してもよい。
また、上述においては、属性設定条件として、「電波強度閾値」、「滞在時間閾値」および「回数閾値」を例に挙げて説明したが、「電波強度閾値」および「回数閾値」の組み合わせを属性設定条件としてもよく、また、「滞在時間閾値」および「回数閾値」の組み合わせを属性設定条件としてもよい。
さらに、時間や地域の情報を属性設定条件としてもよい。図11は、空間情報テーブルにおけるAP属性および属性設定条件の他の例を示す図である。図11に示すように「、AP属性」として「AP種別」、「時間」、「地域」の情報が設定される。また、「属性設定条件」として、「強度閾値(電波強度閾値)」、「時間閾値(滞在時間閾値)」、「回数閾値」、「時間閾値」および「地域閾値」が含まれる。
例えば、図11に示す例では、「出勤前の時間帯に中央区または千代田区のコンビニエンスストアを頻繁に利用するユーザ」として、AP種別「コンビニエンスストア」、時間「朝」、地域「中央区、千代田区」のAP属性が設定される。かかるAP属性は、中央区または千代田区のコンビニエンスストアのAP通信エリアへ6時〜9時の時間帯に進入した回数が月10回以上であり、AP通信エリアに進入している時の無線端末5の電波強度が−40(dBm)以上であり、滞在時間が5〜10分であることを属性設定条件とする。また、図11に示す例では、「昼」や「夜」についての属性設定条件も設定されている。
また、図11に示す例では、「千代田区の駅を通勤や通学に利用するユーザ」として、AP種別「通勤・通学」、時間「朝」、地域「千代田区」のAP属性が設定される。かかるAP属性は、千代田区にある駅としてB駅、D駅、E駅のAP通信エリアへ7時〜10時の時間帯に進入した回数が週5回以上であり、AP通信エリアに進入している時の無線端末5の電波強度が−40(dBm)以上であり、滞在時間が2〜10分であることを属性設定条件とする。
また、図11に示す例では、「新宿から六本木のルートを通勤や通学に利用するユーザ」として、AP種別「通勤・通学」、時間「朝」、地域「新宿⇒六本木」のAP属性が設定される。かかるAP属性は、新宿に設定されたAP通信エリアと六本木に設定されたAP通信エリアのいずれにも7時〜10時の時間帯に進入し、その回数が週5回以上であり、AP通信エリアに進入している時の無線端末5の電波強度が−40(dBm)以上であり、滞在時間が2〜10分であることを属性設定条件とする。
このように、AP属性として、無線LANアクセスポイント2に関連する情報(例えば、コンビニエンスストア、駅、本屋など)のみならず、時間や地域の情報を設定することによって、AP属性を細分化することができる。これにより、広告主に対する細かい要望に対して適切に対応することができ、広告主側にとっては効果的な広告配信ができ、一方で、広告配信サービス業者側ではサービスの向上により顧客を増やし収益増加を図ることができる。
なお、図10や図11に示す例では、無線LANアクセスポイント2に関連する情報として、コンビニエンスストア、駅および本屋を一例に挙げて説明したが、上述したように、小売店、飲食店、美容院・理容院、病院、ホテル、映画館、複合レジャー施設などの商業空間の他、商店街、コンサートやスポーツなどが行われるイベント会場など、種々の場所をAP通信エリアや広域通信エリアとすることができる。
(将来ログ予測部53)
将来ログ予測部53は、過去ログDB42に記憶されたアクセスログテーブルに基づいて、将来の広告配信先として予測される複数の配信対象ユーザを判定し、判定した配信対象ユーザのユーザ情報を将来ログDB45の将来ログテーブルに設定する。
図12は、将来ログDB45に記憶される将来ログテーブルの一例を示す図である。図12に示すように、将来ログテーブルは、将来の所定期間に広告配信先として予測される配信対象ユーザに関する情報(以下、将来ログと記載する場合がある)が設定される。図12に示す将来ログテーブルは、「配信対象ID」毎に、「割り当て状態」、「割り当て対象」、「ユーザ属性」を対応付けた情報である。「ユーザ属性」には、「サイコグラフィック属性」、「デモグラフィック属性」および「AP属性」が含まれる。
「配信対象ID」は、将来の広告配信先として予測される配信対象ユーザ毎に割り当てられる識別情報である。かかる配信対象ユーザは、ユーザ情報DB43のユーザ情報テーブルに設定されるユーザとは異なる仮想的なユーザである。
「割り当て対象」は、配信対象ユーザが割り当てられた注文要求の広告IDである。例えば、配信対象IDが「F5」の配信対象ユーザは、注文要求O3が割り当てられている。なお、注文要求が割り当てられていない場合には、「0」が設定される。
「割り当て状態」は、注文要求に対して割り当てられた配信対象ユーザであるか否かを示す情報である。注文要求に対して割り当てられた配信対象ユーザである場合には「1」が記憶され、注文要求に対して割り当てられていない配信対象ユーザである場合には「0」が記憶される。
「サイコグラフィック属性」、「デモグラフィック属性」および「AP属性」は、ユーザ情報DB43のユーザ情報テーブルと同様の項目である。なお、ユーザ情報テーブルに設定されているユーザを配信対象ユーザとして推定し、配信対象IDをユーザIDとすることもできる。この場合、「サイコグラフィック属性」、「デモグラフィック属性」および「AP属性」の情報は、ユーザIDに基づいてユーザ情報テーブルから取得することができる。
将来ログ予測部53は、将来の所定期間に広告配信先となる配信対象ユーザの予測を、1年前の同時期のアクセスログや直前の所定期間のアクセスログなどから行うことができる。例えば、将来ログ予測部53は、直前の過去1ヶ月間に広告情報の配信要求を行ったユーザを将来の1ヶ月間の配信対象ユーザと推定することができる。
また、将来ログ予測部53は、アクセスログテーブルに設定された過去ログを統計処理することによって、将来の広告配信先となる配信対象ユーザの傾向を判定し、かかる判定結果に基づいて、将来ログを予測することもできる。この場合、例えば、天候や気温などの変動情報を加味して配信対象ユーザの傾向を判定するようにしてもよい。
なお、将来ログ予測部53は、予測した将来ログを将来ログテーブルに設定することができるが、外部装置から通信部30を介して取得された将来ログを将来ログテーブルに設定することもできる。
(受付部54)
受付部54は、将来ログテーブルに設定された将来ログに基づいて、広告主端末6からの注文要求を受け付けるか否かを判定し、注文要求を受け付ける場合に、広告主端末6に対して注文受付応答を行う。
広告主端末6からの注文要求には、上述のように、ユーザ属性および配信数などの指定情報が含まれている。受付部54は、注文要求に未割り当ての配信対象ユーザのうち新たな注文要求で指定されたユーザ属性を有する配信対象ユーザの数をカウントし、カウント結果が注文要求で指定された配信数以上である場合に、広告主端末6からの新たな注文要求を受け付ける。なお、「割り当て状態」に「0」が設定された配信対象ユーザが注文要求に対して未割り当ての配信対象ユーザ(以下、未割り当てユーザと記載する場合がある)であり、受注在庫に対応する。
例えば、図6に示す広告ID「O1」の注文要求を受信した場合、受付部54は、将来ログテーブルにおいて「コンビニエンスストア」の属性区分に「1」が設定されている未割り当てユーザの数をカウントする。受付部54は、カウント結果が「100」以上である場合に、広告主端末6からの注文要求を受け付け、「100」未満である場合に、広告主端末6からの注文要求を受け付けない。
また、例えば、図6に示す広告ID「O2」の注文要求を受信した場合、受付部54は、将来ログテーブルにおいて「B駅」の属性区分に「1」が設定されている未割り当てユーザの数をカウントする。受付部54は、カウント結果が「200」以上である場合に、広告主端末6からの注文要求を受け付け、「200」未満である場合に、広告主端末6からの注文要求を受け付けない。
なお、受付部54は、注文要求で指定される頻度が閾値以上ある2以上のユーザ属性の組み合わせを一つのユーザ属性(以下、結合ユーザ属性と記載する場合がある)としてカウントすることができる。例えば、受付部54は、「化粧品」および「B駅」の組み合わせが注文要求で指定される頻度が高い場合、「化粧品」および「B駅」の組み合わせを一つのユーザ属性としてカウントすることができる。
広告情報DB41の広告情報テーブルには受付部54によって受け付けた注文要求の情報が設定されており、かかる広告情報テーブルに基づき、受付部54は、注文要求で指定される頻度が閾値以上ある2以上のユーザ属性の組み合わせを判定できる。
例えば、受付部54は、広告情報テーブルに基づき、過去の注文要求で指定された配信数の合計を第1の合計値として求め、また、2以上のユーザ属性の組み合わせ毎に過去の注文要求で指定された配信数の合計を第2の合計値として求める。そして、受付部54は、第1の合計値に対する第2の合計値の比が所定閾値以上のユーザ属性の組み合わせを一つのユーザ属性としてカウントする。
「化粧品」および「B駅」の組み合わせが注文要求で指定される頻度が高く、また、将来ログテーブルが図12に示す状態である場合、配信対象ID「F6」の配信対象ユーザのユーザ属性は、「化粧品」や「B駅」ではなく「化粧品&B駅」となる。
なお、注文要求で指定される頻度が閾値以上ある2以上のユーザ属性の組み合わせは、受付部54で判定するのではなく、外部装置などから別途ユーザ情報DB43に設定するようにしてもよい。
また、受付部54は、未割り当てユーザの数が所定値以下となった場合や結合ユーザ属性を有する未割り当てユーザの数が所定値以下となった場合などにおいて、結合ユーザ属性を複数のユーザ属性に分割することができる。これによりユーザ属性の総数を増加させることができ、その結果、結合ユーザ属性を指定した注文要求の受け付け可能性が低減するものの、他の注文要求の受け付け可能性を増加させることができる。
(割当部55)
割当部55は、受付部54で受け付けた新たな広告配信の注文要求に対し、未割り当てユーザを割り当てる。割当部55は、受付部54と同様に、結合ユーザ属性を一つのユーザ属性として取り扱うことができる。
配信対象ユーザは、図12に示すように、有効なAP属性区分が複数である場合がある。例えば、配信対象IDが「F6」の配信対象ユーザは、AP属性として「コンビニエンスストア」、「B駅」、「本屋」の3つが設定されている。一方、図6に示す広告ID「O1」〜「O4」の注文要求は、それぞれAP属性「コンビニエンスストア」、「B駅」、「本屋」、「コンビニエンスストア」が指定される。
したがって、配信対象IDが「F6」の配信対象ユーザは、広告ID「O1」〜「O4」の注文要求のいずれにも割り当てることができる。このように複数の注文要求に割り当てることができる配信対象ユーザがある場合、割当部55は、設定された割り当て条件に基づき、配信対象ユーザに割り当てる注文要求を決定する。
割り当て条件としては、例えば、第1条件〜第3条件の条件があり、これらの条件のいずれかまたはこれらの組み合わせによって、配信対象ユーザに割り当てる注文要求を決定する。
第1条件:配信単価の高い属性を指定する注文要求を優先して割り当て
第2条件:未割り当てユーザの数が少ない属性を指定する注文要求を優先して割り当て
第3条件:広告効果の高い属性を指定する注文要求を優先して割り当て
まず、第1条件による割り当て処理について説明する。割当部55は、設定された配信単価の高い属性を指定する注文要求に対して優先して未割り当てユーザを割り当てる。将来ログDB45には、属性情報テーブルが記憶されており、割当部55は、かかる属性情報テーブルに基づいて、注文要求に対して未割り当てユーザを割り当てる。
図13は、空間情報DB44に記憶される属性情報テーブルの一例を示す図である。図13に示すように、属性情報テーブルは、「AP属性」毎に、「配信対象ユーザ情報」、「配信単価」および「広告効果」を対応付けた情報である。
「配信対象ユーザ情報」には、配信対象ユーザの総数、注文要求に割り当て済みの配信対象ユーザの数、未割り当てユーザの数が設定される。例えば、AP属性「コンビニエンスストア」を有する配信対象ユーザの数は、「2000」であり、そのうち注文要求に割り当て済みの配信対象ユーザの数は「350」であり、未割り当てユーザの数は「1650」である。
また、「配信単価」は、注文要求に対する広告配信で広告配信サービス業者へ支払われる対価であり、例えば、広告配信1回あたりの対価である。図13に示す例では、AP属性「コンビニエンスストア」、「B駅」、「本屋」に対応する配信単価は「10円/回」、「8円/回」、「12円/回」である。
したがって、配信単価は、AP属性「本屋」が最も高く、割当部55は、例えば、配信対象IDが「F6」の配信対象ユーザに対してはAP属性「本屋」を指定する広告ID「O3」の注文要求を優先して割り当てる。
なお、割当部55は、配信単価の相対的な比率に基づいて選択した注文要求に配信対象ユーザを割り当てるようにしてもよい。例えば、AP属性「コンビニエンスストア」、「B駅」、「本屋」における配信単価の平均値は「10円/回」であり、AP属性「コンビニエンスストア」、「B駅」、「本屋」における配信単価の相対的な比率は「1.0」、「0.8」、「1.2」である。
割当部55は、かかる比率に応じた確率で注文要求に対して未割り当てユーザを割り当てることができる。これによっても、設定された配信単価が相対的に高い属性を指定する注文要求に対して優先して割り当てることができる。
このように、注文要求には、広告配信に対する対価の情報が設定されており、割当部55は、複数の注文要求に割り当て可能な未割り当てユーザを、配信単価が相対的に高い注文要求に対して割り当てる。
ユーザ属性の数が多い未割り当てユーザは、割り当てることができる注文要求が多いことから、価値ある受注在庫であり、このように価値ある未割り当てユーザに対しては配信単価が高い注文要求に割り当てる。これにより、注文要求に対して適切に配信対象ユーザを割り当てることができる。
次に、第2条件による割り当て処理について説明する。割当部55は、未割り当てユーザの数が少ない属性を指定する注文要求に対して優先して未割り当てユーザを割り当てる。上述したように、空間情報DB44には、図13に示す属性情報テーブルが記憶されており、割当部55は、かかる属性情報テーブルに基づいて、注文要求に対して未割り当てユーザを割り当てる。
図13に示す属性情報テーブルでは、AP属性「コンビニエンスストア」、「B駅」、「本屋」に対応する未割り当てユーザの数は、それぞれ「1650」、「7000」、「650」である。したがって、未割り当てユーザの数は、AP属性「本屋」が最も少なく、割当部55は、例えば、配信対象IDが「F6」の未割り当てユーザに対してはAP属性「本屋」を指定する広告ID「O3」の注文要求を優先して割り当てる。なお、割当部55は、未割り当てユーザの数の相対的な比率の逆数に基づいて選択した注文要求に未割り当てユーザを割り当てるようにしてもよい。
このように、注文要求には、割当部55は、複数の注文要求に割り当てることができる未割り当てユーザを、未割り当てユーザの数が少ない属性を指定する注文要求に対して割り当てる。ユーザ属性の数が多い未割り当てユーザは、上述したように、価値ある受注在庫であり、このような未割り当てユーザに対しては未割り当てユーザの数が少ない属性を指定する注文要求を割り当てる。これにより、注文要求に対して適切に未割り当てユーザを割り当てることができる。
次に、第3条件による割り当て処理について説明する。割当部55は、広告効果が相対的に高い属性を指定する注文要求に対して優先して未割り当てユーザを割り当てる。上述したように、空間情報DB44には、図13に示す属性情報テーブルが記憶されており、割当部55は、かかる属性情報テーブルに基づいて、注文要求に対して未割り当てユーザを割り当てる。
図13に示す「広告効果」は、対応するAP属性を有する無線端末5のユーザに対して広告情報を配信した場合に、広告情報による広告効果を示す情報である。例えば、広告情報がバナー広告である場合、CTR(クリックスルーレート)である。CTRは、バナー広告の配信数に対してバナー広告をクリックした数の割合である。なお、広告効果は、CTRに限られるものではなく、例えばコンバージョン率(広告情報に対応する商品を購入した比率)であってもよい。
図13に示す属性情報テーブルでは、AP属性「コンビニエンスストア」、「B駅」、「本屋」に対応する広告効果は、それぞれ「0.01」、「0.005」、「0.02」である。したがって、広告効果は、AP属性「本屋」が最も高く、割当部55は、例えば、配信対象IDが「F6」の未割り当てユーザに対してはAP属性「本屋」を指定する広告ID「O3」の注文要求を優先して割り当てる。なお、割当部55は、広告効果の相対的な比率に基づいて選択した注文要求に未割り当てユーザを割り当てるようにしてもよい。
このように、注文要求には、割当部55は、複数の注文要求に割り当てることができる未割り当てユーザを、広告効果が相対的に高いユーザ属性を指定する注文要求に対して割り当てる。ユーザ属性の数が多い未割り当てユーザは、上述したように、価値ある受注在庫であり、このような未割り当てユーザに対しては広告効果が高い注文要求に割り当てる。これにより、注文要求に対して適切に未割り当てユーザを割り当てることができる。
なお、割当部55は、上述のように、第1条件〜第3条件のうち2以上の条件を組み合わせた割り当て条件に基づき、未割り当てユーザに割り当てる注文要求を決定することができる。例えば、割当部55は、配信単価の相対的な比率、未割り当てユーザの数の相対的な比率の逆数および広告効果の相対的な比率のうちいずれか2以上の乗算結果に基づく確率で未割り当てユーザに割り当てる注文要求を決定することができる。
また、割当部55は、例えば、第1条件および第3条件を割り当て条件とし、第1条件を第3条件に優先させるようにしてもよい。この場合、割当部55は、配信単価が相対的に高い属性を指定する注文要求に対して優先して割り当てるようにし、配信単価が同じ場合には、広告効果が相対的に高い属性を指定する注文要求に対して優先して割り当てるようにする。
このように、割当部55は、第1条件〜第3条件のうち2以上を組み合わせた割り当て条件により、複数のユーザ属性を有する未割り当てユーザに割り当てる注文要求を決定することができる。また、その他の条件を組み合わせたものであってもよい。
〔5.広告配信管理システム1の処理フロー〕
次に、実施形態に係る広告配信管理システム1による広告配信管理処理の手順について説明する。図14〜図16は、広告配信管理システム1による情報提供処理フローを説明するための図である。以下においては、図14を参照して無線LANアクセスポイント2の処理を説明し、図15および図16を参照し、広告配信管理装置4の処理を説明する。
(無線LANアクセスポイント2の処理)
まず、実施形態に係る無線LANアクセスポイント2の情報処理について、図14を参照して説明する。図14は、無線LANアクセスポイント2における情報処理のフローチャートである。かかる動作は、無線LANアクセスポイント2の制御部23によって繰り返し実行される処理である。
図14に示すように、無線LANアクセスポイント2の制御部23は、無線端末5を検出したか否かを判定する(ステップS10)。かかる処理において、無線端末5を検出したと判定すると(ステップS10;Yes)、WAN通信部22を介して検出情報を広告配信管理装置4へ送信する(ステップS11)。
ステップS10の処理において、無線端末5を検出していないと判定した場合(ステップS10;No)、または、ステップS11の処理が終了した場合、制御部23は、通信ネットワーク7に接続された装置(以下、WAN側装置と記載する)からWAN通信部22を介して情報を受信したか否かを判定する(ステップS12)。WAN側装置から情報を受信したと判定すると(ステップS12;Yes)、制御部23は、受信した情報をこの情報の宛先となる無線端末5へ転送する(ステップS13)。
ステップS12において、情報を受信していないと判定した場合(ステップS12;No)、または、ステップS13の処理が終了した場合、制御部23は、無線端末5からWAN側装置に対する要求があるか否かを判定する(ステップS14)。無線端末5からWAN側装置に対する要求があると判定すると(ステップS14;Yes)、制御部23は、無線端末5からWAN側装置に対する要求をWAN通信部22を介してWAN側装置に転送する(ステップS15)。
ステップS15の処理が終了した場合、または、ステップS14において、無線端末5からWAN側装置に対する要求がないと判定された場合(ステップS14;No)、制御部23は処理を終了する。制御部23は、例えば、ステップS10、S11の処理、ステップS12、S13の処理、および、ステップS14、S15の処理をそれぞれマルチタスク処理によって実行することができる。
(広告配信管理装置4の処理)
次に、広告配信管理装置4の処理について説明する。図15は、広告配信管理装置4における情報処理のフローチャートである。かかる動作は、広告配信管理装置4の制御部32によって繰り返し実行される処理である。
図15に示すように、制御部32は、通信部30を介して無線LANアクセスポイント2からの検出情報を受信したか否かを判定する(ステップS21)。検出情報を受信した場合(ステップS21;Yes)、制御部32は、受信した検出情報に基づいて端末情報テーブルを更新する(ステップS22)。
次に、制御部32は、端末情報テーブルに基づき、端末情報テーブルに設定された無線端末5のうち、属性設定条件を充足する無線端末5があるか否かを判定する(ステップS23)。属性設定条件を充足する無線端末5がある場合(ステップS23;Yes)、制御部32は、ユーザ情報テーブルにおいて、属性設定条件を充足する無線端末5のユーザに対応するAP属性を更新する(ステップS24)。
ステップS21において、検出情報を受信していない場合(ステップS21;No)、ステップS23において、属性設定条件を充足する無線端末5がない場合(ステップS23;No)、または、ステップS24の処理が終了した場合、制御部32は、通信部30を介して無線端末5から広告配信要求を受け付けたか否かを判定する(ステップS25)。
広告配信要求を受け付けた場合(ステップS25;Yes)、制御部32は、広告配信要求を行った無線端末5の情報(端末IDまたはユーザID)に基づいて広告情報テーブルから広告情報を選択し、要求元の無線端末5へ送信する広告配信処理を行う(ステップS26)。
一方、広告配信要求を受け付けていない場合(ステップS25;No)、または、ステップS26の処理が終了した場合、制御部32は、通信部30を介して広告主端末6から広告配信の注文要求を受信したか否かを判定する(ステップS27)。注文要求を受信した場合(ステップS27;Yes)、制御部32は、注文要求受付処理を実行する(ステップS28)。かかる注文要求受付処理は、図16に示すステップS31〜S36に示す処理であり、後で詳述する。
ステップS27において、注文要求を受信していない場合(ステップS27;No)、または、ステップS28の処理が終了した場合、制御部32は、将来ログ生成タイミングとなったか否かを判定する(ステップS29)。将来ログ生成タイミングとなった場合(ステップS29;Yes)、制御部32は、ユーザ情報テーブルおよびアクセスログテーブルに基づいて、将来の所定期間の配信先となる配信対象ユーザを推測して将来ログを生成し、将来ログテーブルに設定する(ステップS30)。
ステップS30の処理が終了した場合、または、ステップS29において将来ログ生成タイミングとなっていない場合(ステップS29;No)、制御部32は、処理を終了する。
次に、図15に示すステップS28に示す注文要求受付処理について説明する。図16は、図15に示す注文要求受付処理のフローチャートである。
図16に示すように、注文要求受付処理では、制御部32は、将来ログテーブルに設定された将来ログに基づいて、広告主端末6からの注文要求を受け付けるか否かを判定する(ステップS31)。制御部32は、例えば、将来ログテーブルに設定された未割り当てユーザのユーザ属性のうち注文要求で指定されたユーザ属性の数をカウントし、かかるカウント結果が注文要求で指定された配信数以上である場合に注文要求を受け付けると判定する。
広告主端末6からの注文要求を受け付けると判定した場合(ステップS31;Yes)、制御部32は、注文要求に含まれる情報を広告情報テーブルに設定して広告情報テーブルを更新する(ステップS32)。なお、注文要求に含まれる情報には、ユーザ属性、配信期間、配信数および広告情報などが含まれており、これらの情報が広告情報テーブルに設定される。
次に、制御部32は、配信対象ユーザの割り当て処理を行う(ステップS33)。かかる割り当て処理は、注文要求で指定されたユーザ属性を有する配信対象ユーザを注文要求に対して割り当てる処理である。
次に、制御部32は、ステップS33の割り当て処理の結果に基づき、将来ログテーブルの更新を行う(ステップS34)。具体的には、制御部32は、将来ログテーブルに設定された配信対象ユーザのうち、注文要求に対して割り当てた配信対象ユーザの「割り当て状態」を「1」に設定する。なお、注文要求に対して割り当てない配信対象ユーザの「割り当て状態」は「0」のままである。
その後、制御部32は、通信部30を介して注文受付応答を広告主端末6へ送信し(ステップS35)、注文要求受付処理を終了する。一方、ステップS31において、広告主端末6からの注文要求を受け付けないと判定した場合(ステップS31;No)、制御部32は、通信部30を介して注文拒否応答を広告主端末6へ送信し(ステップS36)、注文要求受付処理を終了する。
〔6.変形例〕
上述の実施形態では、属性設定条件として、AP種別、時間および地域の情報を条件とする例を説明したが、属性設定条件は、かかる例に限定されるものではない。例えば、検出部52は、AP通信エリアで無線LANアクセスポイント2を介してサイトサーバへアクセスしたことを属性設定条件に含むようにしてもよい。また、検出部52は、温度、湿度または天気などを属性設定条件に含むようにしてもよい。
また、検出部52は、AP通信エリアで無線LANアクセスポイント2を介してアクセスしたページのURL情報を無線LANアクセスポイント2から取得し、かかるページの情報をAP種別に関連付けてもよい。例えば、AP属性「コンビニエンスストア」が設定される無線LANアクセスポイント2を介してアクセスしたページが「コーヒ」のページである場合、割当部55は、AP種別「コンビニエンスストア」とユーザの嗜好属性「コーヒ」とを関連付けたAP属性とする。これにより、例えば、「コンビニエンスストアに頻繁に来店するユーザのうちコーヒ好きのユーザ」をAP属性とすることができる。
また、上述の例では、広告主端末6から送信される注文要求で指定されるユーザ属性をAP属性としたが、複数のAP属性の組み合わせ、AP属性とデモグラフィック属性との組み合わせ、AP属性とサイコグラフィック属性との組み合わせなどにより注文要求でユーザ属性を指定することができる。
また、上述の実施形態では、説明を分かり易くするために、将来の広告配信先を予測する対象期間と注文要求の配信期間とを同一のものとして説明した。しかしながら、将来の広告配信先を予測する対象期間と注文要求の配信期間とは同一でなくてもよく、例えば、将来の広告配信先を予測する対象期間を1日単位とし、注文要求の配信期間を1日単位で設定してもよい。また、将来の広告配信先を予測する対象期間の一部が注文要求の配信期間となる場合であってもよい。
また、上述の実施形態においては、広告情報のURLを広告配信管理装置4のURLとしたが、広告情報のURLを情報提供装置3のURLとすることもできる。この場合、無線端末5は、広告情報のURLに基づいて、情報提供装置3に対して広告情報を要求する。かかる要求を受信した場合、情報提供装置3は、広告配信管理装置4に対して広告情報の送信要求を行う。広告配信管理装置4は、情報提供装置3からの送信要求に対応する広告情報を情報提供装置3へ送信する。
〔7.効果〕
実施形態にかかる広告配信管理システム1において、検出部52(検出手段の一例に相当)が、無線LANアクセスポイント2の通信エリア内に存在し、かつ、所定条件を満たす無線端末5を検出し、受付部54(取得手段の一例に相当)が、ユーザ属性および配信数を指定した注文要求を取得し、記憶部31(記憶手段の一例)が、検出部52によって検出された無線端末5の情報と無線LANアクセスポイント2に設定されたAP属性の情報とを関連付けた将来ログテーブルを記憶し、受付部54(検出手段の一例に相当)が、AP属性の情報を指定する広告配信の注文要求を、AP属性の情報に関連付けてユーザ情報DB43に記憶された無線端末5の情報に基づいて受け付ける。
かかる構成により、無線LANアクセスポイント2の設置場所に応じた情報をユーザ属性として広告配信の注文要求を受け付けることができ、広告主に対してユーザの実行動に対応する属性をターゲットとして広告配信することができる。これにより、従来にはない新たな属性をターゲットとして提供でき、広告主に対する広告配信サービスの魅力を向上させることができる。
また、AP属性の情報には、無線LANアクセスポイント2単位に設定される第1の属性情報と、2以上の無線LANアクセスポイント2のグループ単位で設定される第2の属性情報とが含まれ、ユーザ情報DB43は、第1の属性情報および第2の属性情報を無線端末5の情報と関連付けて記憶する。
かかる構成により、1つの無線LANアクセスポイント2の設置場所に応じたユーザ属性のみならず、複数の無線LANアクセスポイント2が設置された領域に応じたユーザ属性をも広告配信の対象とすることができる。これにより、広告主の細かい要望に対しても対応することができ、広告主側にとっては効果的な広告配信ができ、一方で、広告配信サービス業者側ではサービスの向上により顧客を増やし収益増加を図ることができる。
また、将来ログ予測部53(設定部の一例)が、ユーザ情報DB43に記憶された無線端末5の情報に基づいて将来の広告配信先として予測される配信対象ユーザを設定し、割当部55(割当手段の一例)が、注文要求に対して将来ログ予測部53により設定された配信対象ユーザを割り当て、受付部54が、将来ログ予測部53により設定された配信対象ユーザのうち、割当部55により注文要求に割り当てられていない配信対象ユーザに基づいて、新たな注文要求に対する受け付けを行う。
かかる構成により、受け付けた注文要求に対して配信対象ユーザを割り当てて、配信対象ユーザ(受注在庫)を適切に管理することができる。
また、AP属性には、広告配信に対する対価の情報として配信単価が設定されており、割当部55が、複数のAP属性に関連付けられた配信対象ユーザを、これら複数のAP属性のうち配信単価が相対的に高いAP属性を指定する注文要求へ優先して割り当てる。
ユーザ属性の数が多い未割り当てユーザは、割り当てることができる注文要求が多いことから、価値ある受注在庫であり、このように価値ある未割り当てユーザに対しては配信単価が高いAP属性を指定する注文要求に割り当てることができる。これにより、注文要求に対して適切に未割り当てユーザを割り当てることができる。
また、割当部55が、複数のAP属性に関連付けられた配信対象ユーザを、これら複数のAP属性のうち注文要求に未割り当てユーザの数が相対的に少ないAP属性を指定する注文要求へ優先して割り当てる。
ユーザ属性の数が少ない未割り当てユーザは、価値ある受注在庫であり、このような未割り当てユーザに対しては未割り当てユーザの数が相対的に少ないAP属性を指定する注文要求に割り当てることができる。これにより、注文要求に対して適切に未割り当てユーザを割り当てることができる。
また、記憶部31は、AP属性と、AP属性を指定した広告配信に対する広告効果とを関連付けた属性情報テーブルを記憶し、割当部55は、複数のAP属性に関連付けられた配信対象ユーザを、これら複数のAP属性のうち広告効果が相対的に高いAP属性を指定する注文要求へ優先的に割り当てる。
ユーザ属性の数が多い未割り当てユーザは、価値ある受注在庫であり、このような未割り当てユーザに対しては広告効果が高い注文要求に割り当てることができる。これにより、注文要求に対して適切に未割り当てユーザを割り当てることができる。
また、検出部52が、広告配信の注文要求で指定される頻度が閾値以上ある2以上のユーザ属性の組み合わせを一つのユーザ属性として注文要求を受け付ける。
かかる構成により、注文要求で指定される頻度が閾値以上ある2以上のユーザ属性の組み合わせでユーザ属性を指定した注文要求を受け付けることができ、これにより、将来の広告配信の注文に対する受け付け可能性を増加させ、販売機会の損失を抑制できる。
また、検出部52が、無線端末5の電波強度および/または滞在時間が所定閾値以上である場合に、所定条件を満たすと判定する。
かかる構成により、無線LANアクセスポイント2の設置場所に応じた属性を精度よく検出することができる。
また、検出部52が、無線端末5を検出した時間帯および検出回数が予め定められた条件を満たす場合に、所定条件を満たすと判定する。
かかる構成により、無線LANアクセスポイント2の設置場所に応じた属性を精度よく検出することができる。
〔8.その他〕
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
上述した広告配信管理装置4は、それぞれ複数のサーバコンピュータで実現してもよく、また、機能によっては外部のプラットフォーム等をAPI(Application Programming Interface)やネットワークコンピューティングなどで呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。また、情報提供装置3および広告配信管理装置4を一つのサーバコンピュータで実現してもよい。