JP6351124B2 - オリーヴ果実エキス及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、オリーヴの果実を主原料とする、高濃度のポリフェノールを含有し機能性に優れたオリーヴ果実エキス及びその製造方法に関する。
オリーヴは、地中海沿岸を原産地とするモクセイ科の植物であり、古くから食用および搾油用として栽培されている植物である。12月頃の熟したオリーヴ果実は15〜30%程度の油分を含み、この時期のオリーヴ果実からオリーヴ油が搾油される。こうして得られるオリーヴ果実およびオリーヴ油には、動脈硬化、胃潰瘍、便秘の軽減、骨の強化、老化の防止および美肌作用等、様々な優れた効果があることが知られている。
また、オリーヴ葉は、オリーヴ果実に比して遥かに高い含有率でビタミンAを有し、また、酸化防止剤であるビタミンEならびに抗炎症作用、消臭および抗菌作用を有するクロロフィル等を豊富に含んでいることが知られている。
さらに、オリーヴの実や葉はポリフェノールを含有しており、その健康増進作用等についても注目されている。オリーヴの果実に含まれるチロソール及びヒドロキシチロソールなどのポリフェノールは、抗酸化力を有するフェノール化合物として知られ、抗酸化力による各種疾病の予防や改善の効果が確認されている。
たとえば、特許文献1には、オリーヴ果実エキス、該エキスを配合してなるヒト白血球エラスターゼ阻害剤及びオリーヴ果実エキスの製造方法が記載されている。このオリーヴ果実エキスは、凍結後に粉砕されたオリーヴ果実粕より抽出されたオリーヴ果実抽出物と、1,3-ブチレングリコールと、水とを含む。このオリーヴ果実抽出物は、ポリフェノールとして、チロソール及びヒドロキシチロソールを含有する。
また、特許文献2には、美白、しわ・たるみの防止および乾燥の防止などのための化粧料が記載されている。この化粧料は、凍結されたオリーヴ果実粕の粉砕物より抽出されたオリーヴ果実抽出物と、1,3-ブチレングリコールと、水とを含むオリーヴ果実エキスを配合したものである。このオリーヴ果実抽出物は、ポリフェノールとして、チロソール及びヒドロキシチロソールを含有する。
特開2010-265183号公報 特開2011-026216号公報
しかしながら、特許文献1および2には、高濃度のポリフェノールを抽出するための最適な抽出条件を開示していない。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、高濃度のポリフェノールを含有するオリーヴ果実エキスの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、オリーヴの果実または果実粕から抽出溶媒を用いてオリーヴ果実エキスを抽出する工程を含み、抽出する工程において、抽出溶媒は水および/またはアルコールを含み、かつ80℃以上で抽出する、オリーヴ果実エキスの製造方法を提供する。
また、本発明は、上記オリーヴ果実エキスの製造方法において、抽出溶媒に対するオリーヴの果実または果実粕の添加量が20重量%以上である、オリーヴ果実エキスの製造方法を提供する。
また、本発明は、上記オリーヴ果実エキスの製造方法において、オリーヴの品種は、ルッカ(Lucca)、ミッション(Mission)、ネバディロ・ブランコ(Nevadillo Blanco)及びマンザニロ(Manzanillo)からなる群より選択される少なくとも1つである、オリーヴ果実エキスの製造方法を提供する。
また、本発明は、上記オリーヴ果実エキスの製造方法のいずれかにより製造されたオリーヴ果実エキスを提供する。
本発明によれば、高濃度のポリフェノールを含有するオリーヴ果実エキス及びその製造方法を提供することができる。
種々の抽出溶媒を用いて抽出したオリーヴ果実エキスの総ポリフェノール含量(mg/100g)を示すグラフ。 種々の抽出温度で抽出したオリーヴ果実エキスの総ポリフェノール含量(mg/100g)を示すグラフ。 種々の抽出時間で抽出したオリーヴ果実エキスの総ポリフェノール含量(mg/100g)を示すグラフ。 種々のポマス添加量で抽出したオリーヴ果実エキスの総ポリフェノール含量(mg/100g)を示すグラフ。 種々の抽出条件で抽出したオリーヴ果実エキスの総ポリフェノール含量(mg/100g)を比較したグラフ。 抽出条件による熱量cal当たりの総ポリフェノール量(mg/熱量cal)を比較したグラフ。 抽出条件による抽出時間当たりの総ポリフェノール量(mg/時間)を比較したグラフ。 抽出条件による添加ポマス量(g)当たりの総ポリフェノール量(mg/添加ポマスg)を比較したグラフ。
本発明は、オリーヴ果実エキスの製造方法を提供する。オリーヴ果実エキスは、オリーヴの果実または果実粕から抽出されたエキスであり、チロソール及びヒドロキシチロソールなどのポリフェノールを含有する。
本発明のオリーヴ果実エキスの製造方法は、オリーヴの果実または果実粕から抽出溶媒を用いてオリーヴ果実エキスを抽出する工程を含む。本明細書において「オリーヴの果実粕」とは、オリーヴの果実を搾油した後の果実粕をいう。また、オリーヴの果実または果実粕として、果実または果実粕を凍結した後に粉砕した粉砕物を用いてもよい。
また、本発明において使用するオリーヴ果実粕は、オリーヴの果実とオリーヴの葉とを共に乳酸発酵させ、次いで搾油した後の搾り粕であってもよい。このような搾り粕を用いることにより、ポリフェノール含量がより高いオリーヴ果実エキスを得ることができる。乳酸発酵は、任意の方法で行うことができ、たとえばオリーヴの果実およびオリーヴの葉を水中、たとえば塩水中に浸漬して行ってもよい。
本発明のオリーヴ果実エキスの製造方法は、抽出する工程の前に、オリーヴの果実または果実粕を凍結した後に粉砕する工程をさらに含んでもよい。オリーヴの果実または果実粕の凍結は、たとえば-10℃以下の温度にて行ってもよい。本明細書において「粉砕する」とは、物理的に破砕することによって対象物のサイズを小さくすること、たとえば微小な粒、小片または粉末などに物理的に破砕することをいう。たとえば、粉砕物の最大長さが1mm以下となるまで粉砕してもよい。オリーヴ果実または果実粕を凍結する方法及び粉砕する方法には、特に限定されず、任意の方法を用いることができる。
本発明に使用し得るオリーヴ果実または果実粕の品種には、たとえば、ルッカ(Lucca)、ミッション(Mission)、ネバディロ・ブランコ(Nevadillo Blanco)、マンザニロ(Manzanillo)、アメレンケ(Amellenque)、アルベキナ(Arbequina)、アスコラーナ・テレナ(Ascolana Terena)、アスコラノ(Ascolano)、アザパ(Azapa)、バーネア(Barnea)、バロウニ(Barouni)、ビアンコリッラ(Biancolilla)、ビーデル・ハマン(Bidh El Hamman)、ブランケッタ(Blanqueta)、カイエ・ブラン(Caillet Blane)、カロレア(Carolea)、カヨンヌ(Cayonne)、ケムラリ(Chemilali)、チトーニ(Chitoni)、チプレッシーノ(Cipressino)、コラティーナ(Coratina)、コルニカブラ(Cornicabra)、コレッジョラ(Correggiola)、クッコ(Cucco)、ギガンテ・ディ・チェリニョーラ(Gigante di Cerignola)、フラントイオ(Frantoio)、グラッポロ(Glappolo)、ゴルダル(Gordal)、ハーディーズ・マンモス(Hardy's Mammoth)、オヒブランカ(Hojiblanca)、イトラーナ(Itrana)、ジャンボ・カラマタ(Jumbo Kalamata)、カラマタ(Kalamata)、コロネイキ(Koroneiki)、レッチーノ(Leccino)、レッチオ・デル・コルノ(Leccio del Corno)、リャニ(Liani)、ルッケス(Lucques)、マンザニリャ(Manzanilla)、マウリーノ(Maurino)、ミシェレンケ(Michellenque)、モロイオロ(Moraiolo)、ナバリ・モハサン(Nabali Mohassan)、ナブ・タムリ(Nab Tamri)、ネグラル(Negral)、ノッチェラーラ・デル・ベリチェ(Nocellara del Belice)、オブリザ(Obliza)、オブロンガ(Oblonga)、パラゴン(Paragon)、ペンドリーノ(Pendolino)、ピクアル(Picual)、レッディング・ピショリン(Redding picholine)、レドゥナ(Redounan)、ソウリン(Saurin 大葉)、ソウリン(Saurin 中葉)、ソウリン(Saurin 小葉)、セビラノ(Sevillano)、ソラニ(Sorani)、サウス・オーストラリアン・ベルダル(South Australian Verdale)、セント・キャサリン(St. Catherin)、タジャスカ(Taggiasca)、タンシェ(Tanche)、ティニイ・オイル・カラマタ(Tiny Oil Kalamata)、ツナーティ(Tsunati)、ベルダル(Verdale)、ワッガ・ベルダル(Wagga Verdale)、サルサ(Zarza)、オリーヴェール及びFS17などが含まれる。本発明において、オリーヴ果実または果実粕は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
オリーヴ果実の採取時期は、特に限定されないが、たとえば、日本のような北半球にある地域においては、オリーヴ果実が多量の油分を含有するようになる12月頃が好ましく、また、オリーヴ果実が完熟して収穫を終えた後が好ましい。
抽出溶媒は、水および/またはアルコールを含む。アルコールには、たとえばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール及びポリエチレングリコールなどが含まれる。抽出溶媒は、水であってもよく、100%アルコールであってもよく、または水で希釈したアルコールであってもよい。抽出溶媒は、10〜50%のアルコールを含んでもよい。抽出溶媒は、1種類のみのアルコールを含んでもよいし、2種類以上のアルコールを含んでもよい。また、抽出溶媒は、水およびアルコール以外の成分を含んでもよく、たとえば日本酒および焼酎などのアルコール飲料であってもよい。抽出溶媒は、たとえば、水、エタノールもしくは1,3-ブチレングリコールまたはこれらの組み合わせであってもよい。
抽出する工程において、抽出温度は80℃以上である。80℃以上で抽出することにより、後述する実施例で示されるように、ポリフェノール含量が高いオリーヴ果実エキスを得ることができる。抽出温度の上限は特に限定されないが、たとえば100℃以下であることができる。
抽出溶媒に対するオリーヴ果実または果実粕の添加量は、特に限定されないが、たとえば20重量%以上であってもよく、好ましくは30重量%以上である。また、添加量の上限は特に限定されないが、たとえば50重量%以下であることができる。このような添加量であれば、後述する実施例で示されるように、ポリフェノール含量が高いオリーヴ果実エキスを得ることができる。
本発明は、上述したオリーヴ果実エキスの製造方法により製造されたオリーヴ果実エキスをも提供する。本発明のオリーヴ果実エキスは、本発明のオリーヴ果実エキスの製造方法によって製造されることにより、従来よりも高濃度のポリフェノールを含有する。したがって、本発明のオリーヴ果実エキスは、高い抗酸化力を有するため、この抗酸化力を利用した各種の医薬、食品および化粧品などに利用することができる。
本発明のオリーヴ果実エキスの100g当たりの総ポリフェノール含量は、たとえば、40mg以上、好ましくは60mg以上、より好ましくは80mg以上である。
(測定方法)
総ポリフェノール含量の測定に際しては、Folin-Ciocalteu法を用いた。これは、フォーリン試薬(フェノール試薬)がフェノール性水酸基により還元されて呈色することを利用する方法である。抗酸化力の測定に際しては、ORAC(Oxygen Radical Absorbance Capacity, 活性酸素吸収能力)を調べた(参考文献=Wu, X. et al., J.Agric.Food Chem.,m 2004, 52, 4026-4037。1μmolのTroloxが示す活性を単位とした)。
(条件検討1:抽出溶媒)
品種ミッション(Mission)のオリーヴ果実を搾油した後のオリーヴ果実粕を-15℃にて凍結させた。得られたオリーヴ凍結果実粕を粉砕機にて粉砕片の最大長さが1mm以下となるまで粉砕した。得られた粉砕品を抽出溶媒に対して10重量%添加した。抽出溶媒として、水、30%1,3-ブチレングリコール(BG)および50%エタノール(EtOH)を用いた。抽出溶媒中で、抽出温度50〜60℃で3時間抽出した。得られたオリーヴ果実エキスの総ポリフェノール含量(mg/100g)を測定し、表1および図1に示した。
その結果、抽出溶媒として水、1,3-ブチレングリコールおよびエタノールのいずれを用いた場合でも、総ポリフェノール含量が高いオリーヴ果実エキスを抽出できることが分かった。
(条件検討2:抽出温度)
品種ミッション(Mission)のオリーヴ果実を搾油した後のオリーヴ果実粕を-15℃にて凍結させた。得られたオリーヴ凍結果実粕を粉砕機にて粉砕片の最大長さが1mm以下となるまで粉砕した。得られた粉砕品を抽出溶媒に対して10重量%添加した。抽出溶媒には、30%1,3-ブチレングリコール(BG)を用いた。抽出温度を40℃〜100℃の範囲で段階的に変えて、3時間抽出した。得られたオリーヴ果実エキスの総ポリフェノール含量(mg/100g)および熱量(cal)当たりの総ポリフェノール量(mg/熱量cal)を測定し、表2および図2に示した。
その結果、抽出温度が80℃以上、特に90℃以上のとき、総ポリフェノール含量が高いオリーヴ果実エキスを抽出できることが分かった。
(条件検討3:抽出時間)
品種ミッション(Mission)のオリーヴ果実を搾油した後のオリーヴ果実粕を-15℃にて凍結させた。得られたオリーヴ凍結果実粕を粉砕機にて粉砕片の最大長さが1mm以下となるまで粉砕した。得られた粉砕品を抽出溶媒に対して10重量%添加した。抽出溶媒には、30%1,3-ブチレングリコール(BG)を用いた。抽出温度50〜60℃で、0.5、1、2、3または5時間抽出した。得られたオリーヴ果実エキスの総ポリフェノール含量(mg/100g)および抽出時間当たりの総ポリフェノール量(mg/時間)を測定し、表3および図3に示した。
その結果、抽出時間によって総ポリフェノール含量に大きな違いはなく、抽出時間0.5時間でも総ポリフェノール含量が十分に高いオリーヴ果実エキスを得られることが分かった。
(条件検討4:ポマス添加量)
品種ミッション(Mission)のオリーヴ果実を搾油した後のオリーヴ果実粕(ポマス)を-15℃にて凍結させた。得られたオリーヴ凍結果実粕を粉砕機にて粉砕片の最大長さが1mm以下となるまで粉砕した。得られた粉砕品を抽出溶媒に対して5、10、20、30、40および50重量%添加した。抽出溶媒には、30%1,3-ブチレングリコール(BG)を用いた。抽出温度50〜60℃で3時間抽出した。得られたオリーヴ果実エキスの総ポリフェノール含量(mg/100g)および添加ポマス量(g)当たりの総ポリフェノール量(mg/添加ポマスg)を測定し、表4および図4に示した。
その結果、5〜50重量%の範囲では、ポマス添加量が多いほど、総ポリフェノール含量が高くなることが分かった。
(抽出条件の比較1)
上述したように凍結した後粉砕したオリーヴ果実粕から、抽出溶媒として30%1,3-ブチレングリコールを用いて、2種類の抽出条件にてオリーヴ果実エキスを抽出した。オリーヴ果実粕の品種はミッション(Mission)を用いた。抽出条件1(比較例)では、オリーヴ果実粕は、抽出溶媒に対して10重量%添加し、50〜60℃で3時間抽出した。抽出条件2(実施例1)では、オリーヴ果実粕は、抽出溶媒に対して20重量%添加し、80〜90℃で1時間抽出した。得られたオリーヴ果実エキスの総ポリフェノール含量(mg/100g)を測定し、図5に示した。
その結果、抽出条件1と比較して、抽出条件2では、総ポリフェノール含量が約2.3倍高いオリーヴ果実エキスを得られることが示された。
また、この抽出条件2を用いたときの熱量cal当たりの総ポリフェノール量(mg/熱量cal)、抽出時間当たりの総ポリフェノール量(mg/時間)および添加ポマス量(g)当たりの総ポリフェノール量(mg/添加ポマスg)を算出した。
熱量cal当たりの総ポリフェノール量(mg/熱量cal)は、上述した条件検討2において得られたオリーヴ果実エキスの熱量cal当たりの総ポリフェノール量(mg/熱量cal)とともに図6に示した。条件2での熱量cal当たりの総ポリフェノール量(mg/熱量cal)は、条件検討2において温度条件を検討したときのいずれの条件よりも高かった。
抽出時間当たりの総ポリフェノール量(mg/時間)は、上述した条件検討3において得られたオリーヴ果実エキスの抽出時間当たりの総ポリフェノール量(mg/時間)とともに図7に示した。条件2での抽出時間当たりの総ポリフェノール量(mg/時間)は、条件検討3において抽出時間を検討したときのいずれの条件よりも高かった。
添加ポマス量(g)当たりの総ポリフェノール量(mg/添加ポマスg)は、上述した条件検討4において得られた添加ポマス量(g)当たりの総ポリフェノール量(mg/添加ポマスg)とともに図8に示した。条件2での添加ポマス量(g)当たりの総ポリフェノール量(mg/添加ポマスg)は、条件検討4において添加ポマス量を検討したときのいずれの条件よりも高かった。
(抽出条件の比較2)
上述したように凍結した後粉砕したオリーヴ果実粕から、抽出溶媒として30%1,3-ブチレングリコールを用いて、2種類の抽出条件にてオリーヴ果実エキスを抽出した。オリーヴ果実粕の品種はミッション(Mission)を用いた。抽出条件3(実施例2)では、オリーヴ果実粕は、抽出溶媒に対して20重量%添加し、80〜90℃で0.5時間抽出した。得られたオリーヴ果実エキスの総ポリフェノール含量(mg/100g)、熱量cal当たりの総ポリフェノール量(mg/熱量cal)、抽出時間当たりの総ポリフェノール量(mg/時間)、添加ポマス量(g)当たりの総ポリフェノール量(mg/添加ポマスg)および抗酸化力を測定し、表5に示した。
その結果、抽出条件1と比較して、抽出条件3では、総ポリフェノール含量が顕著に高いオリーヴ果実エキスを得られることが示された。また、抽出条件3を用いて抽出したオリーヴ果実エキスは、抽出条件1を用いて抽出したオリーヴ果実エキスと比較して、抗酸化力が高かった。
(条件検討5:抽出溶媒)
次に、オリーヴ果実をオリーヴ葉と共に乳酸発酵させた後に搾油することにより得られる搾り粕を用いて、オリーヴ果実エキスを抽出した。具体的には、オリーヴ果実とオリーヴ葉とを塩水中に共に浸漬させて乳酸発酵させ、搾油後、
固形分と液分とを分離させることにより搾り粕を得た。搾り粕は、条件検討1と同様に凍結させた後、粉砕した。得られた粉砕品を抽出溶媒に対して10重量%添加した。抽出溶媒として、水、30%1,3-ブチレングリコール(BG)および50%エタノール(EtOH)を用いた。抽出溶媒中で、抽出温度50〜60℃で3時間抽出した。得られたオリーヴ果実エキスの総ポリフェノール含量(mg/100g)を測定し、表6に示した。
その結果、抽出溶媒として水、1,3-ブチレングリコールおよびエタノールのいずれを用いた場合でも、総ポリフェノール含量が高いオリーヴ果実エキスを抽出できることが分かった。また、総ポリフェノール含量は、オリーヴ果実のみの搾り粕を用いた場合(条件検討1)と比較して2倍以上高かった。
(条件検討6:抽出温度)
条件検討5と同様に、オリーヴ果実をオリーヴ葉とともに乳酸発酵させた後に搾油することにより得られる搾り粕を用いて、オリーヴ果実エキスを抽出した。搾り粕の粉砕品を抽出溶媒に対して10重量%添加した。抽出溶媒には、30%1,3-ブチレングリコール(BG)を用いた。抽出温度を40℃〜100℃の範囲で段階的に変えて、3時間抽出した。得られたオリーヴ果実エキスの総ポリフェノール含量(mg/100g)および熱量(cal)当たりの総ポリフェノール量(mg/熱量cal)を測定し、表7に示した。
その結果、抽出温度が80℃以上、特に90℃以上のとき、総ポリフェノール含量が高いオリーヴ果実エキスを抽出できることが分かった。また、総ポリフェノール含量は、オリーヴ果実のみの搾り粕を用いた場合(条件検討2)と比較して2倍以上高かった。
(条件検討7:抽出時間)
条件検討5と同様に、オリーヴ果実をオリーヴ葉とともに乳酸発酵させた後に搾油することにより得られる搾り粕を用いて、オリーヴ果実エキスを抽出した。搾り粕の粉砕品を抽出溶媒に対して10重量%添加した。抽出溶媒には、30%1,3-ブチレングリコール(BG)を用いた。抽出温度50〜60℃で、0.5、1、2、3または5時間抽出した。得られたオリーヴ果実エキスの総ポリフェノール含量(mg/100g)および抽出時間当たりの総ポリフェノール量(mg/時間)を測定し、表8に示した。
その結果、抽出時間によって総ポリフェノール含量に大きな違いはなく、抽出時間0.5時間でも総ポリフェノール含量が十分に高いオリーヴ果実エキスを得られることが分かった。また、総ポリフェノール含量は、オリーヴ果実のみの搾り粕を用いた場合(条件検討3)と比較して2倍以上高かった。
(条件検討8:ポマス添加量)
条件検討5と同様に、オリーヴ果実をオリーヴ葉とともに乳酸発酵させた後に搾油することにより得られる搾り粕を用いて、オリーヴ果実エキスを抽出した。搾り粕の粉砕品を抽出溶媒に対して5、10、20、30、40および50重量%添加した。抽出溶媒には、30%1,3-ブチレングリコール(BG)を用いた。抽出温度50〜60℃で3時間抽出した。得られたオリーヴ果実エキスの総ポリフェノール含量(mg/100g)および添加ポマス量(g)当たりの総ポリフェノール量(mg/添加ポマスg)を測定し、表9に示した。
その結果、5〜50重量%の範囲では、ポマス添加量が多いほど、総ポリフェノール含量が高くなることが分かった。また、総ポリフェノール含量は、オリーヴ果実のみの搾り粕を用いた場合(条件検討4)と比較して2倍以上高かった。
(抽出条件の比較3)
上述したようにオリーヴ果実をオリーヴ葉とともに乳酸発酵させた後に搾油することにより得られる搾り粕から、抽出溶媒として30%1,3-ブチレングリコールを用いて、2種類の抽出条件にてオリーヴ果実エキスを抽出した。オリーヴ果実粕の品種はミッション(Mission)を用いた。抽出条件4(比較例)では、搾り粕は、抽出溶媒に対して10重量%添加し、50〜60℃で3時間抽出した。抽出条件5(実施例3)では、搾り粕は、抽出溶媒に対して20重量%添加し、80〜90℃で0.5時間抽出した。得られたオリーヴ果実エキスの総ポリフェノール含量(mg/100g)、熱量cal当たりの総ポリフェノール量(mg/熱量cal)、抽出時間当たりの総ポリフェノール量(mg/時間)、添加ポマス量(g)当たりの総ポリフェノール量(mg/添加ポマスg)および抗酸化力を測定し、表10に示した。
その結果、抽出条件4と比較して、抽出条件5では、総ポリフェノール含量が顕著に高いオリーヴ果実エキスを得られることが示された。また、抽出条件5を用いて抽出したオリーヴ果実エキスは、抽出条件4を用いて抽出したオリーヴ果実エキスと比較して、抗酸化力が高かった。さらに、オリーヴ果実をオリーヴ葉とともに乳酸発酵させた後の搾り粕を用いて得られる総ポリフェノール含量および抗酸化力(抽出条件5)は、オリーヴ果実のみの搾り粕を用いた場合(抽出条件2および3)と比較して顕著に高かった。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の改良・変更が可能であることは勿論である。
本発明のオリーヴ果実エキスは、高濃度のポリフェノールを含有し、高い抗酸化力を有するため、医薬、食品および化粧品などに好適に利用することができる。

Claims (3)

  1. 乳酸発酵させたオリーヴの果実粕から抽出溶媒を用いてオリーヴ果実エキスを抽出する工程を含み、
    前記抽出する工程において、前記抽出溶媒は水および1,3−ブチレングリコールを含み、かつ80℃以上で抽出する、オリーヴ果実エキスの製造方法。
  2. 前記抽出溶媒に対するオリーヴの果実粕の添加量が20重量%以上である、請求項1に記載のオリーヴ果実エキスの製造方法。
  3. 前記オリーヴの品種は、ルッカ(Lucca)、ミッション(Mission)、ネバディロ・ブランコ(Nevadillo Blanco)及びマンザニロ(Manzanillo)からなる群より選択される少なくとも1つである、請求項1または2に記載のオリーヴ果実エキスの製造方法。

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