JP6348872B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
そして、乱数を遊技制御に利用するこの種の遊技機には、乱数を生成する手段として所定周期でカウント動作を行う複数の乱数カウンタを備え、任意のタイミングでそれら乱数カウンタがカウントしていたカウンタ値を取得し、それらのカウンタ値を乱数として利用するものがある。
例えば、特許文献1のように、電源が供給されてから少なくとも最初の乱数初期値(乱数カウンタにおけるカウント開始時の値)が更新されるまで遊技球の発射を抑制することにより、電源の供給開始を基準として乱数カウンタの値が大当り判定値となるタイミングを予測して発射手段を操作しようとしても、遊技球を発射させないことで、大当りタイミングを故意に狙った発射を防止するようにした発明も提案されている。
始動条件の成立に基づき、複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームの結果態様が予め定めた特別結果態様となった場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与可能な特別遊技状態を発生可能な遊技機において、
遊技制御を行う遊技制御手段と、
前記遊技制御に利用する乱数値を所定の範囲内で生成する乱数生成手段と、
発射用の発振周波数に対応して、遊技盤の遊技領域内へ所定の発射周期で遊技球を発射する発射手段と、を備え、
前記遊技制御手段は、
前記乱数生成手段が生成する乱数値を任意のタイミングで取得し、取得した前記乱数値を遊技制御に利用し、
前記乱数生成手段により生成される前記乱数値の大きさをmの整数倍の値、前記乱数値を生成するための発振周波数をMの整数倍の値とし、前記乱数値の生成周期をm/Mで表せるように倍数を設定したとき、当該m/Mの分子を構成するm値と分母を構成するM値とは、互いに素となる整数であり、
前記発射周期をn/Nで表したとき、当該n/Nの分子を構成するn値と分母を構成するN値とは、互いに素となる整数であり、
前記m値と前記n値との積値mnを、前記N値と前記m値との積値Nmと前記M値と前記n値との積値Mnとの最大公約数Gcd(Nm,Mn)で割った値Dは、前記変動表示ゲームの最大変動時間よりも長く、
前記発射周期と前記乱数生成手段での前記所定の範囲内に属するすべての乱数値が生成される周期との同期間隔は、前記値Dと等しくなるように設定され、
前記乱数値を生成するための発振周波数は、前記発射用の発振周波数の値に含まれる素因数以外の素因数を含む値であることを特徴とする。
図1は、本発明の一実施形態の遊技機の説明図である。
本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は本体枠(外枠)11にヒンジ13を介して開閉回動可能に組み付けられている。前面に遊技領域を有する遊技盤は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(内枠)12には、遊技盤の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15が取り付けられている。
また、前面枠12の下部には、後述の打球発射装置に遊技球を供給する上皿21、遊技機10の裏面側に設けられている球払出装置から払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿23aを有する下皿ユニット25及び打球発射装置の操作ハンドル24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付けるための操作スイッチを内蔵した演出ボタン25が設けられている。
さらに、上皿21上方のガラス枠15の前面には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。
図2に示すように、前面枠12の前面であってガラス枠15の背後に相当する位置には、球払出装置46から払い出された遊技球を上皿21へ払い出すための球払出口47が設けられ、ガラス枠15の裏面には、球払出口47から払い出された遊技球を上皿21へ誘導する上皿連通路48が設けられている。
また、前面枠12の前面の下部であって上記操作ハンドル24の上方には、球発射杵と該球発射杵を駆動する駆動源を有する打球発射装置としての発射ユニット72が配設され、該発射ユニット72の左方には右下がりに傾斜した発射レール73が設けられ、発射ユニット72と発射レール73とによって遊技球発射装置が構成される。さらに、下皿23の奥部には、球払出装置46より払い出され上皿21からオーバーフローした遊技球が流出する下皿球出口23aが設けられている。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。
この実施例の遊技盤においては、遊技領域32のほぼ中央に表示装置41を備えたセンターケース40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられ、センターケース40の中央に形成された開口窓部より表示装置41の表示部が臨むように配置されている。即ち、センターケース40の周縁部には装飾部材が形成され表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出するように形成されている。
これら一般入賞口35、…には、各一般入賞口35に入った遊技球を検出するための入賞口スイッチ35a〜35n(図4参照)が配設されている。
また、センターケース40の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口36が設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材37bを備えるとともに内部に第2始動入賞口を有する普通変動入賞装置(普電)37が配設されている。
そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図4参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。
さらに、普通図柄始動ゲート34の下方には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。
即ち、特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図4参照)により駆動される開閉扉によって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。
さらに、特別変動入賞装置38の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口39が設けられている。
また、遊技領域32の外側(例えば、遊技盤30の右下部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを一箇所で実行する一括表示装置50が設けられている。
このように、表示装置41とは別に、特図変動表示ゲームを実行する特図1表示器51と特図2表示器52が設けられているため、表示装置41では当該遊技機の変動表示ゲームに関する演出ではなく他の遊技機の演出と連動した演出を行うようにしても、当該遊技機の本来の変動表示ゲームはきちんと実行することができる。
特図1保留表示器は、特図1表示器51の変動開始条件となる始動入賞口36への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を表示する。具体的には、保留数が「0」のときは4つのランプを全て消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1と2と3を点灯状態にし、保留数が「4」のときは4つのランプ1〜4をすべて点灯状態にする。
普図保留表示器は、普図表示器の変動開始条件となる普図始動ゲート34の始動記憶数(=保留数)を表示する。例えば保留数が「0」のときはランプ1と2を消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1を点滅、ランプ2を点灯状態にし、保留数が「4」のときはランプ1と2を点滅状態にする。
ラウンド表示部は、例えば、通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生した場合にはその大当りのラウンド数に対応するランプ(2ラウンドor15ラウンド)を点灯状態にする。なお、ラウンド表示部は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満でならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50のLED表示部53の始動入賞数報知用の記憶表示部に表示される。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられたLED表示部53の変動表示部(普図表示器)で実行されるようになっている。普図表示器は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当たりを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値が当たり値であるときには、LED表示部53の普図表示器に表示される普通図柄が当たり状態で停止し、当たり状態となる。このとき、普通変動入賞装置37は、内蔵されている普電ソレノイド37c(図4参照)が駆動されることにより、可動部材37bが所定の時間(例えば、0.3秒間)だけ開放する状態に変換され、遊技球の入賞が許容される。
また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(図4参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても表示される。
第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置41にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
そして、特図変動表示ゲームの結果として、特図1表示器51若しくは特図2表示器52の表示態様が特別結果態様となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41の表示態様も特別結果態様となる。なお、この実施例では、特図2表示器の第2変動表示ゲームで停止結果態様が特別結果態様となった場合には、特図1表示器の第1変動表示ゲームで停止結果態様が特別結果態様となった場合よりも、遊技者に付与する利益(例えばラウンド数)が多くなるように設定されている。
なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置41も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。
なお、以下の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、入力部120内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)121からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン111に入力させるインバータなどからなる反転回路112と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、即ち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、実施形態のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。乱数生成回路111Dを備えるCPUを使用する代わりに、プログラムで乱数を生成するようにしても良い。
変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が15R当りや2R当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、後半変動パターンテーブル、前半変動パターンテーブルが含まれている。
また、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当たり判定用乱数等を生成するための乱数生成回路111Dと、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路111Dの更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータ(図示省略)を備えている。
なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
また、出力部130には、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにするため、即ち、片方向通信を保証するために第1出力ポート131からの上記データストローブ信号SSTB及び第2出力ポート132からの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ133が設けられている。なお、第1出力ポート131から払出制御装置200へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
演出制御装置300は、主制御用マイコン(1stCPU)311と、該1stCPU311の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312と、該2ndCPU312からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)313と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314と、現在時刻を計時するリアルタイムクロック回路316と、を備えている。リアルタイムクロック回路316は、電池などの内蔵電源を備え、電源遮断中も計時動作を継続できるように構成されている。
主制御用マイコン(1stCPU)311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312の作業領域を提供するRAM311a,312aは、それぞれのチップ内部に設けられているが、チップの外部に設けるようにしてもよい。
なお、本実施形態においては、演出制御コマンドは16ビットで構成されており、これを8ビットのデータバスとストローブ信号SSBTで送信するため、16ビットの演出制御コマンドを8ビットの前半コマンド(MODE)と後半コマンド(ACTION)とに分けて、ストローブ信号SSBTを2度立ち上げることで送信し、受信側ではSSBの立ち上がりに同期してコマンドを取り込むようになっている。
遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当たり判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。そして、LED表示部53において、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当たりの場合は、LED表示部53に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の一対の可動部材37bを所定時間(例えば、0.3秒間)上述のように開放する制御を行う。
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)をRAM111Cに記憶し、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。
より詳細には、始動入賞が検出されるたびに乱数生成回路(乱数カウンタ)の値が乱数ラッチレジスタ(図示略)にラッチされる。そして、始動入賞を検出したタイミングで乱数生成回路の値をラッチするのではなく、始動入賞を検出した直後のクロック信号の立ち上がりで乱数ラッチレジスタに値をラッチさせる。なお、ラッチされる値は、始動入賞を検出したタイミングの乱数値であり、その乱数値を第1特図変動表示ゲームの大当り用判定用乱数値として抽出している。従って、RAM111Cは、始動入賞記憶手段として機能する。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御情報(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、一括表示装置50の特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が当たりの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。この特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉扉を開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として確変状態を発生可能となっている。
この確変状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態(高確率状態)である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき確変状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が確変状態となる。
この時短状態においては、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行う。具体的には、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間が第1の変動表示時間よりも短い第2の変動表示時間となるように制御され(例えば、10秒が1秒)、これにより、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放回数が実質的に多くなるように制御される。
また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間が通常状態の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御される(例えば、0.3秒が1.7秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数が1回の第1開放回数ではなく、2回以上の複数回(例えば、3回)の第2開放回数に設定される。以下、かかる制御モードを普電サポートと称する。
これにより、普通変動入賞装置37に遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームの始動が容易となる。
なお、確変状態と普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37の時短動作状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし、一方のみを発生させることも可能である。
図6に示すように、払出制御装置200は、ケーブル81を介して電源装置400と接続され、ケーブル82を介して遊技制御装置100と接続されており、払出制御装置200へは電源装置400から発射モータ用の電源電圧Vmotや発射操作ハンドル24のタッチセンサ用の電源電圧Vsw、接地電位GND、停電検出信号POD、RAM初期化信号RINなどが供給されている。また、払出制御装置200には、遊技制御装置100から払出コマンドデータDCD0〜DCD3や払出コントロール信号DCSなどが供給されている。払出制御装置200から遊技制御装置100へは払出異常信号が供給される。
発射制御装置210は、半導体集積回路として構成された発射制御回路211と、該発射制御回路211に接続され発射制御のためのクロック信号の元となる発振信号を生成するための水晶振動子212と、発射制御回路211の出力信号に基づいて発射モータ721へ発射モータ制御信号MCS1〜MCS4を出力するダーリントン型のドライバ回路216を備える。また、発射制御装置210は、発射停止スイッチ722やタッチセンサ723を接続するための前記ケーブル85が結合されるコネクタ215と、払出制御装置200との間を接続するための前記ケーブル83が結合されるコネクタ213と、発射モータ721を接続するための前記ケーブル84が結合されるコネクタ214を備える。
この発射制御回路211は、例えばオムロン株式会社が製造している型番W2RF001WPのようなICであり、払出制御装置200からの信号や発射停止スイッチ722、タッチセンサ723からの信号が入力される入力回路221と、水晶振動子212からの発振信号を分周して周波数の低いクロック信号CLK0〜CLK3を生成する分周回路222と、モータ制御信号を生成するモータ制御信号生成回路223と、ソレノイド制御信号を生成するソレノイド制御信号生成回路224と、これらの制御信号を外部へ出力する出力制御回路225を備える。
出力制御回路225は、外部から入力される設定信号SET1,SET2に応じて、使用するパルスモータ(ステッピンクモータ)に応じて2種類のモータ制御信号または2種類のモードのソレノイド制御信号のいずれか一つを生成し出力する機能を有する。本実施例では、設定信号SET1,SET2によって、使用するパルスモータ(ステッピンクモータ)に応じて2種類のモータ制御信号のいずれかが生成され、ソレノイド制御信号は生成されないように設定される。
先ず、メイン処理について説明する。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図9に示すように、まず、割込み禁止する処理(ステップS1)を行ってから、割込みが発生したときに実行するジャンプ先のベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理(ステップS2)、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS3)、割込み処理のモードを設定する割込みモード設定処理(ステップS4)を行う。
図10のステップS17では全ての停電検査領域をクリアし、チェックサム領域をクリアして(ステップS18)、エラーや不正監視に係る領域をリセットする(ステップS19)。次に、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS20)。ここで、高確率でない(ステップS20;No)と判定した場合は、ステップS21,S22をスキップしてステップS23へ移行する。
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS33)を行う。
乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施形態のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
図11に示すタイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理(ステップS51)を行う。なお、本実施形態において遊技用マイコンとして使用しているZ80系のマイコンでは、当該処理を表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避することで置き換えることができる。次に、各種センサ(始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、カウントスイッチ38aなど)からの入力の取込み、即ち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS52)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口SOL38b、普電SOL37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS53)を行う。
特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
図12に示すように、特図ゲーム処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。
この始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。
なお、本実施例では、始動口1スイッチ36aまたは始動口2スイッチ37aによって始動入賞が検出されるたびに乱数生成回路(乱数カウンタ)の値を乱数ラッチレジスタ(図示略)にラッチする。そして、始動入賞を検出したタイミングで乱数生成回路の値をラッチするのではなく、始動入賞を検出した直後のクロック信号の立ち上がりで乱数ラッチレジスタに値をラッチさせる。また、ラッチされる値は、始動入賞を検出したタイミングの乱数値であり、その乱数値を第1特図変動表示ゲームまたは第2特図変動表示ゲームの大当り用判定用乱数値として抽出している。
次に、特図ゲーム処理タイマを更新(−1)して、当該ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かをチェックして(ステップA3)、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした(ステップA4;Yes)と判定すると、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する処理(ステップA5)を行って、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する処理(ステップA6)を行う。
ステップA8にて、ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA9)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA10)を行う。
さらに、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類(2R大当りor15R大当り)に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当り(2R大当りor15R大当り)の大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA11)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA13)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理(ステップA9)へ移行するために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA15)を行う。
一方、ステップA4にて、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない(ステップA4;No)と判定すると、処理をステップA16に移行して、それ以降の処理を行う。
以上説明したように、本実施形態においては、遊技制御装置100が変動表示ゲーム実行手段および特別遊技状態制御手段として機能する。
主制御用マイコン311による制御処理は、図13に示す1stメイン処理と、所定時間ごと(例えば2msecごと)に行われるコマンド受信割込み処理とからなる。1stメイン処理では、プログラム全体の制御を行うようになっている。
〔演出制御装置の1stメイン処理〕
図13に示すように、1stメイン処理においては、先ず、割込みを禁止する処理(ステップB1)を行ってから、RAMを0クリアする処理(ステップB2)を行い、1stCPU311の初期化処理(ステップB3)を行う。
次に、RAMに初期値を設定する処理(ステップB4)を行い、乱数初期化処理(ステップB5)を行う。その後、各種割込みのタイマを起動する処理(ステップB6)を行い、割込みを許可する(ステップB7)。その後、主制御用マイコン311は、メインループ処理ステップB8〜B18を行う。
この遊技制御コマンド解析処理では、遊技制御装置100から送信される遊技に関するコマンドを正しく受信したかを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドを確定する処理を行う。遊技制御装置100から送信される一つのコマンドは、第1コマンド(MODE)と、第2コマンド(ACTION)との一対のデータにより構成されている。
続いて、テストモード処理(ステップB11)を行った後、特図変動表示ゲームに関する処理を行うシーン制御処理(ステップB12)を行う。このシーン制御処理(ステップB12)については、後に詳しく説明する。
コマンド識別子による分岐処理(ステップB67)では、受信したコマンドに基づき実行する処理を選択する。電源投入コマンドを受信した場合は電源投入時に必要な処理を行う電源投入処理(ステップB68)を行う。また、停電復旧コマンドを受信した場合は停電復旧時に必要な処理を行う停電復旧(客待ち以外)処理(ステップB69)を行う。また、客待ちデモコマンドを受信した場合は客待ちデモの表示に関する処理等を行う客待ち処理(ステップB70)を行う。
さらに、始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果等を当該特図変動表示ゲームの実行前に事前に判定する先読み演出判定処理(図16)により送信される先読み演出コマンド(始動口入賞演出コマンド、始動口入賞演出図柄コマンド)に基づく処理を行う先読み演出コマンド受信処理(ステップB79)を行う。その後、確率状態に関する情報を含む確率情報コマンド(確率情報コマンド(低確率、高確率))に基づく処理を行う確率情報コマンド受信処理(ステップB80)を行う。
ステップB79の先読み演出コマンド受信処理で、始動記憶の表示態様(保留図柄)を先読み結果に応じて変更する処理が行われる。
従来の遊技機の制御システムにおいては、大当り乱数の更新タイミングと打球の発射タイミングとの関係について何ら考慮を払っていなかった。そのため、比較的短い期間内に乱数の更新タイミングと打球の発射タイミングとが同期する瞬間が生じることがあり、連続発射をし続けることで、発射時の乱数値が所定時間後に再度出現し、同期するまでの発射毎の乱数値の列が常に一定となってしまい、同期を利用した大当りタイミングの狙い撃ちが可能となるという不都合が生じていた。
そのため、図16に示すように、パターン1(発射周期12ms)の場合には、発射5回(更新回数は60回)に一度は、発射タイミングと大当り乱数の出現タイミングとが一致してしまう。つまり、60msごとに同期することとなる。また、パターン2(発射周期11ms)の場合には、発射10回(更新回数は110回)に一度、発射タイミングと大当り乱数の出現タイミングとが一致することとなる。つまり、110msごとに同期することとなる。
ところで、遊技店における1日の営業時間を12時間とすれば、発射と乱数の同期間隔が12時間以上であれば、遊技者は1日中遊技をしたとしても、ある発射タイミングで出現した乱数は同日にもう1度現れることはないので、発射と乱数の同期を利用した大当りの狙い撃ちを確実に防止することができる。しかし、連続して同一の乱数が取得されないようにするために、乱数の更新は最低でも数ミリ秒に1回は実行する必要があることから、発射と乱数の同期間隔を12時間以上とするには、乱数の更新範囲を極端に大きくする必要があり、そのようにすると乱数生成回路の規模の増大やRAMの使用効率の低下をもたらすという不具合が生じる。
図18(A)には、本実施例の遊技機における発射制御装置の発射周期と1分間当りの発射回数(発射モータ721の回転数rpm)の式が示されている。ここで、水晶発振子212の発振周波数をPFとし、該発振子による発振信号を分周する発振制御回路220(図8参照)内の分周回路222の分周比をPCとする。また、本実施例で使用する発射モータはパルスモータであり、パルスモータを1回転させるのに必要なパスル数をPNとする。また、発射制御装置210は、発射モータ721が1回転されると遊技球を1個発射するように構成されているものとする。すると、発射周期は、発射周期=PN×PC/PFで表され、発射モータの回転数(rpm)すなわち1分間の発射回数は、発射回数(毎分)=T×PF/PN×PCで表される。なお、Tは1分、すなわち60秒である。
従って、発射手段としての発射モータは、所定のパルス数の駆動信号が印加されることで遊技球を1個発射する単位動作を行い、発射手段の発射周期は前記パルス数に対応して決定されることとなる。
200×12296/4.086407≒601.50となる。他の値も同様である。
一方、図19(A)に示すように、遊技制御装置100を構成する遊技用CPU111内の乱数生成回路111Dにおける乱数の更新範囲(乱数の大きさ)を例えば「0〜655535(=2の16乗)」とし、更新時期を例えば20MHzのシステムクロックの1/2の周波数10MHzを用いて100ns(ナノ秒)に1回と設定すると、乱数の更新周期は図19(B)に示すように、乱数の大きさ/周波数で表されるので、この式より、乱数の更新周期は6.5536msとなる。
えた。しかし、上述したような発振周波数や乱数更新時期を選択した場合、図18(B)や図19(B)に示されているように、発射周期と更新周期は、小数点の付く値となってしまう。そこで、図20(A)に示すように、発射周期と乱数更新周期を、整数の比である分数で表すことにより、分母と分子それぞれを整数で扱うことができるようにした。
具体的には、乱数更新周期をm/M、発射周期をn/Nで表す。ここで、mとMとはそれぞれ互いに素となる整数である。同様に、nとNもそれぞれ互いに素となる整数である。そして、1/MN(秒)を単位時間として扱うと、図20(B)に示されているように、同期周期TLを、その単位時間の倍数で表現できるようになるので都合がよい。なお、m/Mとn/Nは、既約分数にした状態であるならば、必然的にmとMとは「互いに素となる整数」である。
従って、mとMおよびnとNはそれぞれ互いに素となる整数であるという条件の下で上記のようにして得られたTLの値のうち、変動表示ゲームの変動時間の最大値X(例えば65秒)よりも大きい値を選択すれば、発射と乱数の同期を利用した大当りの狙い撃ちを防止することができる。なお、発射タイミングと乱数の同期周期TLは、実機では図20(B)に示す式の値よりも大きければ、例えば1時間とか12時間のような比較的長い時間であっても良いので、同期周期TLの最適な範囲を数値化すると、図20(C)に示すような不等式が得られる。
ここでは、特に限定されるものではないが、乱数生成回路111Dを「0」から1ずつカウントアップするカウンタモードで動作させ、乱数mの大きさを65536(=216)とし、0から65535(=216−1)まで計数させるものとする(なお、乱数生成回路111Dは「0」からでなく、「1」から65536まで1ずつカウントアップさせるようにしてもよい)。また、乱数生成回路111Dを動作させるクロックの周波数Mを10MHzに設定する。なお、図21において、2^16は2の16乗(=216)を意味し、10^7は10の7乗(=107)を意味する。
なお、図20(C)に示す不等式の右項のmn/Gcd(mN,nM)は、mとnが互いに素となる整数であり、MとNも互いに素となる整数である場合には、積値mNと積値nMの最大公約数は「1」のみであるので、単にmnで表すことができる。つまり、同期周期TLの条件を示す図20(C)の不等式は、X≦TL=mnとなる(Xは変動表示ゲームの最大変動時間)。
内における乱数の更新回数および打球発射回数を算出してみた。その結果、図22に示すような計算値が得られた。なお、図22において、周波数と同期間隔と乱数更新回数と発射回数の下の欄の数式(2^2*5*7*19*29*53等)は、各値を素因数分解して式で表したものである。
さらに、上から4つ目(水晶振動子の周波数Nとして4.034625MHzを使用した場合)は、同期間隔が約102秒であるので変動表示ゲームの最大変動時間が65秒であれば適用可能であるが、最大変動時間が100秒を超えるような変動表示ゲームを実行したい遊技機では適用不能である。
。
図24に示すように、結果が外れとなる場合でリーチなしの通常変動ゲームは前半変動のみとされる。変動時間が最大の変動表示ゲームは、15ラウンドの大当りとなる特別リーチであり、この変動は前半変動の変動時間が35s(秒)で、後半変動の変動時間が30s、合計65sの変動となる。本発明において、変動表示ゲームの変動時間とは特に限定しない限り、合計の変動時間を意味する。
先ず、mの値については、素因数として「2」を含む整数、望ましくは2のべき乗で表わされる数(例えば図19に示すように29)、さらに望ましくはm=2nと表わしたときのnを4の倍数(いわゆるバイトの倍数)とする。
上記のように、m値として2のべき乗で表わされる数を設定した場合には、バイナリカウンタ回路等で構成される乱数生成回路において、計数する乱数の範囲を規定する手段(回路)を設けることなく所望の大きさの乱数を生成することができるため、乱数生成回路の規模を小さくすることができる。また、m値としてm=2nと表わしたときのnを4の倍数とした場合には、通常遊技制御装置に使用されるCPU(マイクロコンピュータ)は、扱うデータサイズがバイトの整数倍であるため、CPUによる乱数の生成や乱数データの転送、加工等の処理が非常にやり易くプログラムの開発が容易となる。
始動条件の成立に基づき、複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームの結果態様が予め定めた特別結果態様となった場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与可能な特別遊技状態を発生可能な遊技機において、
遊技の進行を制御する遊技制御手段と、
所定数を更新範囲として第1カウンタ値を循環して更新する第1乱数生成手段と、
所定数を更新範囲として第2カウンタ値を循環して更新する第2乱数生成手段と、
前記遊技領域内に設けられた遊技球の入賞を第1始動条件とする第1始動入賞領域と、
前記遊技領域内に前記第1始動入賞領域とは別に設けられた遊技球の入賞を第2始動条件とする第2始動入賞領域と、
遊技盤の遊技領域内へ遊技球を発射する発射手段と、を備え、
前記遊技制御手段は、
前記第1及び第2乱数生成手段が更新する前記第1及び第2カウンタ値を任意のタイミングで取得し、取得した前記第1及び第2カウンタ値を乱数として遊技制御に利用し、
前記第2始動入賞領域への入賞に対応する変動表示である第2変動表示ゲームを、前記第1始動入賞領域への入賞に対応する変動表示である第1変動表示ゲームに優先して実行し、
前記発射手段は、
所定のパルス数の駆動信号が印加されることで単位動作を行い、当該駆動信号に対応して遊技球の発射を行い、
前記パルス数に対応して前記発射手段の発射周期が決定され、
前記第1乱数生成手段と第2乱数生成手段における更新範囲は、前記発射周期と前記第1と第2カウンタ値の更新周期との同期間隔が前記第1と第2変動表示ゲームの最大変動時間よりも長くなるようにそれぞれ設定され、
前記更新範囲に対応して前記第1と第2カウンタ値の更新周期が決定される発明が含まれていることが分かる。
そして、上記のような発明によれば、変動表示ゲームの変動時間は演出毎に定められているため、同期間隔を認識している遊技者がいた場合に、その時間を基に同期間隔が分かってしまい特定の変動表示ゲームの変動を基準とした特定乱数が狙い撃ちされるおそれがあるが、上記構成のように、発射周期とカウンタ値の更新周期(乱数更新周期)との同期間隔を変動表示ゲームの最大時間よりも長くすることで、特定の変動表示ゲームの変動を基準とした所定の乱数値の狙い撃ちを防止し、遊技の公正さを確保することが出来る。
また、パルス数に対応して発射手段としての発射ユニットの発射周期が決定され、この決定された発射周期と乱数更新周期との同期間隔が、前記変動表示ゲームの最大変動時間よりも長くなるように設定するので、発射周期および乱数更新周期の両方を同時に決定する手法に比べて設計者の負担が軽くなる。
さらに、乱数生成手段のカウンタ値の更新範囲の設定はソフトウェアで行えるため、変動表示ゲームの変動時間等を変更したい場合にも、プログラムを書き替えるだけで乱数値の狙い撃ちを防止可能な設定変更を容易に行うことができる。
前記発射手段は、
所定の発振周波数の発振信号を発生させる発振手段と、
当該発射手段により発射される遊技球の発射勢を調整する発射調整手段と、
前記発振信号と前記発射調整手段からの信号とに基づいて発射を制御する発射制御手段と、
所定のパルス数の駆動信号が印加されることで単位動作を行い、当該発射制御手段により遊技球を発射するための球発射杵の駆動を行う駆動源と、
予め定められた分周比により、前記発振周波数の調整を行う分周回路と、を備え、
前記発射周期は、前記パルス数と前記発振周波数及び前記分周比に対応して決定されるようにした発明が含まれる。
かかる発明によれば、発射手段は、発振周波数の発振信号を発生させる発振手段と、発振周波数の調整を行う分周回路を備え、発射周期を、球発射杵の駆動を行う駆動源の駆動パルス数と発振手段の発振周波数及び分周回路の分周比に対応して決定するので、市販されている複数種類の発振周波数の水晶発振子の中から使用する発振子を選択できるためコストアップを回避できるとともに、発射周期を適切に設定することで特定の変動表示ゲームの変動を基準とした所定の乱数値の狙い撃ちを容易に防止することが出来る。
前記第1乱数生成手段と第2乱数生成手段により更新される乱数の大きさをmの整数倍の値、乱数の更新周波数をMの整数倍の値とし、乱数の更新周期をm/Mで表わせるように倍数を設定したとき、当該m/Mの分子を構成するm値と分母を構成するM値とは、互いに素となる整数であり、
前記駆動源による1回の発射に要する駆動パルス数と前記分周回路による分周比との積を前記発振手段の発振周波数で割ることで得られる発射周期をn/Nで表わしたとき、当該n/Nの分子を構成するn値と分母を構成するN値とは、互いに素となる整数であり、
前記m値とn値との積値mnを、前記N値とm値との積値Nmと前記M値とn値との積値Mnとの最大公約数Gcd(Nm,Mn)で割った値Dは、前記第1と第2変動表示ゲームの最大変動時間よりも長く、
前記発射周期と乱数の更新周期の同期間隔は、前記第1及び第2変動表示ゲームの最大変動時間よりも長く前記値Dよりも短くなるように設定した発明が含まれている。
かかる発明によれば、第1乱数生成手段と第2乱数生成手段が生成する乱数の範囲を極端に大きくすることなく、発射周期と乱数の更新周期の同期間隔を第1と第2変動表示ゲームの最大時間よりも長くすることができ、遊技制御手段の負担を軽減することができる。
かかる発明によれば、乱数の更新周期を与える「乱数の大きさ/周波数=m/M」の式における分子のm値は素因数として「2」を含む値とすることで、乱数生成手段を一般的なバイナリカウンタ回路等で構成する場合に、乱数生成回路の規模を小さくすることができる。また、「乱数の大きさ/周波数=m/M」の式における分母のM値は素因数として「5」を含む値とすることで、遊技制御手段をCPUで構成する場合に動作周波数が10のべき乗すなわち5のべき乗であるCPUが容易に手に入るため、所望の条件を満足するシステムを容易に構成することができる。
かかる発明によれば、m値とn値との最大公約数に「2」または「2のべき乗数」が含まれる場合には、m値とN値との積値mNと、M値とn値との積値Mnと、の前記最大公約数Gcd(Nm,Mn)にも「2」または「2のべき乗数」が含まれることとなるので、m値とn値との積値mnを、N値とm値との積値NmとM値とn値との積値Mnとの最大公約数Gcd(Nm,Mn)で割った値Dを小さな値にすることができ、扱いが容易となるとともに、同期周期の値が決まっている場合にはm/Mやn/Nが取り得る値が多くなり、選択肢を広げることができる。
かかる発明によれば、m値とn値との積値mnを、N値とm値との積値NmとM値とn値との積値Mnとの最大公約数Gcd(Nm,Mn)で割った値Dをさらに小さな値にすることができ、扱いが容易となるとともに、同期周期の値が決まっている場合にはm/Mやn/Nが取り得る値が多くなり、選択肢を広げることができ、所望の条件を満たす振動子やCPUを手に入れ易くなる。
例えば、前記実施例では、大当り乱数の更新と遊技球の発射とが短い時間の間に同期するのを回避するようにする場合について説明したが、本発明は普図当り判定用の乱数の更新と遊技球の発射とが短い時間の間に同期するのを回避する場合にも適用することができる。
24 操作ハンドル(発射調整手段)
30 遊技盤
36 始動口(始動入賞領域)
37 普通変動入賞装置(始動入賞領域)
41 表示装置(変動表示装置)
46 球排出装置
72 発射ユニット(発射装置、発射手段)
110 遊技制御装置(遊技制御手段)
111 遊技用マイクロコンピュータ(遊技制御手段)
111C RAM(データ記憶手段)
111D 乱数生成回路(乱数生成手段)
200 払出制御装置
210 発射制御装置(発射制御手段)
211 発射制御回路
212 水晶振動子(発振手段)
222 分周回路
300 演出制御装置
721 発射モータ(駆動源)
Claims (1)
- 始動条件の成立に基づき、複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームの結果態様が予め定めた特別結果態様となった場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与可能な特別遊技状態を発生可能な遊技機において、
遊技制御を行う遊技制御手段と、
前記遊技制御に利用する乱数値を所定の範囲内で生成する乱数生成手段と、
発射用の発振周波数に対応して、遊技盤の遊技領域内へ所定の発射周期で遊技球を発射する発射手段と、を備え、
前記遊技制御手段は、
前記乱数生成手段が生成する乱数値を任意のタイミングで取得し、取得した前記乱数値を遊技制御に利用し、
前記乱数生成手段により生成される前記乱数値の大きさをmの整数倍の値、前記乱数値を生成するための発振周波数をMの整数倍の値とし、前記乱数値の生成周期をm/Mで表せるように倍数を設定したとき、当該m/Mの分子を構成するm値と分母を構成するM値とは、互いに素となる整数であり、
前記発射周期をn/Nで表したとき、当該n/Nの分子を構成するn値と分母を構成するN値とは、互いに素となる整数であり、
前記m値と前記n値との積値mnを、前記N値と前記m値との積値Nmと前記M値と前記n値との積値Mnとの最大公約数Gcd(Nm,Mn)で割った値Dは、前記変動表示ゲームの最大変動時間よりも長く、
前記発射周期と前記乱数生成手段での前記所定の範囲内に属するすべての乱数値が生成される周期との同期間隔は、前記値Dと等しくなるように設定され、
前記乱数値を生成するための発振周波数は、前記発射用の発振周波数の値に含まれる素因数以外の素因数を含む値であることを特徴とする遊技機。
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