JP6348739B2 - 治具、治具付きサークルカッターおよび開口を拡径する方法 - Google Patents
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Description
例えば、ボード天井などの天井面に設置される天井埋込型のダウンライト器具は、新設現場では、取り付けられたばかりの穴のない天井ボードに、サークルカッターで取付け用の開口を形成して、設置される。このサークルカッターは、円形の開口を開設する場合、芯にあたる開口中心点にドリルで支点を取って、円形開口の半径位置にある切刃によって円形開口に天井ボードを切り取る工具である。
既設の建物において、天井に設置してあった既設の白熱灯のダウンライト器具などを、LEDやELなど省エネ灯具を使用したダウンライト器具などに改修する場面がある。既設のものより新規に設置するダウンライト器具の外径が大きい場合、天井ボードに手を入れないといけなくなる。
例えば、天井ボード自体を交換する例では、既設の器具が付いたまま取り外しても良いが、器具が取り付いていた天井ボードの目地まで1枚を全て天井下地から引き剥がし、同寸の新規天井ボードを張り直し、再び更新する器具に対応する開口をサークルカッターで形成することが考えられる。しかし、光で焼けたりして経年変色した既設天井ボードと新設天井ボードの色あわせは困難を極め美的に劣る結果となるし、天井内に長年積もった埃の落下防止措置などの養生の費用と手間が莫大に掛かる。
例えば、天井ボードはそのままで、作業する領域周辺の養生を行った後、既設の器具を取り外し、既存の開口に対し、新規の器具に対応する開口寸法を型紙などで罫書き、その罫書き線に沿って、引き回しという小さなのこぎりで天井ボードを切除しながら大径の開口を形成する。その後、ぎざぎざになりやすい引き回し切断面をやすりなどで研磨し、新規の照明器具を取り付けた後、清掃しながら養生を撤去することも行われる。
する地中に埋設されたコンクリートブロックの開口部を概ね覆うように仮蓋を置く。その仮蓋の中心には、上方に突出した円形カッターの案内部及び磁石が設けられている。そして、その仮蓋の上およびマンホールの周辺部に舗装を行う。その後に、その舗装の上から磁気を探知することにより、案内部を見つけ、それを露出させる。そして、その案内部に円形カッターの回転軸を配置して、マンホールの周辺の舗装を円形に切削する、というものである。
リングカッタを支持する支柱を設置しているが、支柱をマンホールの蓋に設置するのに芯出しをどうするかは記載がなく、強力な磁石が鉄の蓋に張り付く成り行きに任せている。特許文献2では、埋設した下水管などに連通するコンクリートブロックの上に土留めを兼ねて仮蓋し、一旦舗装した後舗装を大きく切り取るため、少しコンクリートブロックの開口中心をずれても問題としない仮蓋設置をしていて芯出しは不十分である。特許文献3では、マンホールの蓋の芯出しを行うにあたり、マンホールに特別な切り欠きを3箇所も要求するものである。このように、既設の円形開口に対し、簡単な構成でその円形開口の中心点を空間にドリル穴として出現させる、サークルカッターに利用可能な拡径すべき開口の中心を設定する治具などの開示はない。
そして、吸引によりシールド内はいくらか負圧なるから、シールドと開口の周辺付近の部材とが密着し、シールドと部材との当接が確実になる。このため、前記回転軸の傾きが一層防止される。
その回転ベース6には、2枚のサークルカッターの切刃(以下、単に切刃という)6a、6aが取り付けられている。その切刃6aにより、前記天井ボード10が切削される。そして、前記回転軸4の先端にはドリルチャックなどの取付部4aを介してサークルカッターのドリル刃(以下、単にドリル刃という)7が取り付けられている。さらに、前記固定部5には、天井ボード10側に向けて開口した椀状のシールド5aが前記固定部5の周囲に嵌合されて設けられている。そのシールド5aは、固定部5に対し軸方向に移動自在で、バネ5dにより先端側(天井ボード側)に付勢されている。このバネ5dは圧縮バネであり、本実施形態ではコイルスプリングが用いられている。
前記回転ベース6および切刃6a、6aは共に回転する。このため、それらの切刃6a、6aの回転運動による軌跡は、前記切刃6aと回転軸4との距離を半径とする円形である。例えば、2枚の切刃6a、6aの中心からの距離を50mmとし、これらの切刃6a、6aを回転させると、100mmの直径の開口を形成することができる。
そのシールド5aの開口端は、使用していないときは前記刃6a、6aの先端を超えている。このため、前記切刃6a、6aの先端がシールド5aで覆われており、不使用時などの取り扱いが容易である。
また、前記シールド5aはその内部を視認できる程度に透けている。このため、切削している状態を確認しながら、施工できる。
前記吸引ホース5bとしてはPF管が用いられている。PF管以外のホースとして、折れに対し強度のある構造を有するホースを用いることができる。
前記コイルバネ9は、圧縮力を利用して反発するバネであり、本実施形態では金属製線材を用いたコイルバネが用いられるが、材質はこれに限らず樹脂線材でも良く、コイルバネを圧縮してもコイル内径側に線材が張り出してこなければ良い。
また、前記治具3は、嵌合部材と止め部材、あるいは嵌合部材同士を張り合わせて形成しても良いし、一体成形品としてもよい。前記嵌合部材8および止め部材3aの材質とし
ては、軽くて強度のあるものが好ましい。例えば、ベニア板、ポリ塩化ビニルなどの合成樹脂製の板あるいはプラスチックベニアと呼ばれる気泡を含んだ樹脂板などである。
また一段の厚みは、10mm程度であり、天井ボード10の規格に応じて定める。
さらに、図示していないが、嵌合部材8を三段以上にし、1つの嵌合部材で多数の径の既設の開口に用いることができるようにしてもよい。
また、本実施形態の嵌合部材8の側周面8bは、開口の内周面にほぼ当接する程度に滑らかであるが、ドリル刃7の回転に抵抗するように、開口の内周面と摩擦による抵抗を生じる粗い面としてもよい。そして、前記側周面に、開口の内周面にいくらか食い込むような突出部を設けてもよい(図示せず)。その突出部の先端は、ドリル刃の回転方向と反対側に向くようにするとよい。
さらに、前記切刃6aは2枚であるが、3枚以上でもよい。3枚の場合は、120°間隔で配置し、4枚の場合は90°間隔で配置するのがよい。その他の枚数の場合、切刃6aを等角度で配置するのがよい。
そして、前記回転ベース6に、左右逆ネジなどを用いて、1つの操作で左右の切刃6a、6aを回転軸4からほぼ等距離の位置に調節できるような機構を設けてもよい。
さらに、嵌めるべき開口10aの径が大きい場合には、前記ドリル刃7を大径なものに変更し、かつ、治具3を対応する大径の貫通孔8aのものに変更して、回転の軸の傾きを防止するようにしてもよい。
さらに、嵌合部材8をバネ9の先端付近と連結し、嵌合部材8が回転軸から抜け落ちるのを防止してもよい。この抜け落ちの防止により、横向きにして、使用するのが、容易になる。
2 サークルカッター
3 治具
3a 止め部材
4 回転軸
4a 取付部
5 固定部
5a シールド
5b 吸引ホース
5c 孔
5d バネ
6 回転ベース
6a 切刃
6b スライダー
6c 固定用のボルト
7 ドリル刃
8 嵌合部材
8a 貫通孔
8b 側周面
8c 段部
9 コイルバネ
10 天井ボード
10a 開口
10b 拡径された開口
10c 開口
11 ダウンライト
12 フレーム
12a 基部
12b 脚部
12c 係止片
Claims (3)
- ドリルである回転軸と、その周囲に所定の距離をおいて設けられ前記回転軸と共に回転する切刃とからなる円形の開口を形成する切削工具に用いる治具であって、
中心に前記回転軸が回転自在、かつ、軸方向に移動自在に挿通される孔を有すると共に、既設の円形開口の内周面に嵌められる側周面を全周に有する円板状の嵌合部材と、
前記嵌合部材に前記回転軸の元側へ重ねるように設けられ、半径方向の外向きに前記側周面を超えて延びる止め部材と、
前記回転軸を挿通するよう設置され、前記止め部材および前記嵌合部材を前記回転軸の先端側に付勢するコイルバネと、を備えており、
前記嵌合部材が、径の異なる複数の側周面を有する円板を大径のものから同心状に前記回転軸の元側から順次重ねた階段状の形態を有し、
前記止め部材が最大径の円板の側周面を超えて半径方向の外向きに延びており、
前記既設の円形開口を通過する前記円板のうち最大径の円板の側周面を、拡径すべき既設の円形開口の内周面に嵌め、その嵌めた側周面の円板より一段階大きな円板の段部または前記止め部材を前記既設の円形開口の周縁付近に前記コイルバネの付勢力に抗しながら押し当てる、切削工具に用いる治具。 - ドリルである回転軸と、その周囲に所定の距離をおいて設けられ前記回転軸と共に回転する切刃とからなる円形の開口を形成する切削工具と、請求項1に記載の治具とからなり、
前記切削工具がボード天井やボード壁を切削するサークルカッターであり、
そのサークルカッターには切削部を覆うシールドが設けられ、
前記シールドに削りかすを吸引する吸引ホースが連結されている、治具付きサークルカッター。 - ドリルである回転軸と、その周囲に所定の距離をおいて設けられ前記回転軸と共に回転する切刃とからなる円形の開口を形成する切削工具と、既設の円形開口に嵌められ前記切削工具の回転軸の位置を固定する治具とを用意し、
前記治具は、
既設の円形開口の内周面に嵌められる側周面を全周に有する円板状の嵌合部材と、円板状の前記嵌合部材に前記回転軸の元側へ重ねるように設けられ、半径方向の外向きに前記側周面を超えて延びる止め部材と、前記回転軸を挿通するよう設置する、前記止め部材および前記嵌合部材を前記回転軸の先端側に付勢するコイルバネと、を備え、
かつ、前記嵌合部材が、径の異なる複数の側周面を有する円板を大径のものから同心状に前記回転軸の元側から順次重ねた階段状の形態を有し、前記止め部材が最大径の円板の側周面を超えて半径方向の外向きに延びており、
前記既設の円形開口を通過する前記円板のうち最大径の円板の側周面を、拡径すべき既設の円形開口の内周面に嵌めると共に、前記嵌めた側周面の円板より一段階大きな円板の段部または前記止め部材を前記既設の円形開口の周縁付近に前記コイルバネの付勢力に抗しながら押し当てることにより、前記既設の円形開口の中心に回転中心を設け、
その回転中心と、前記回転軸とその周囲にある前記切刃との所定の距離を半径とする拡径された開口を形成する、既設の円形開口を拡径する方法。
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JP2014054117A JP6348739B2 (ja) | 2014-03-17 | 2014-03-17 | 治具、治具付きサークルカッターおよび開口を拡径する方法 |
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