JP6348739B2 - 治具、治具付きサークルカッターおよび開口を拡径する方法 - Google Patents

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Description

本発明は、既設円形開口を拡径するときに使用する治具、その治具付きサークルカッター及び開口を拡径する方法に関する。さらに詳しくは、壁面や天井のボードに既設の円形開口より大きい円形の開口を同心状に形成するのに使用する治具、治具付きサークルカッター及び開口を拡径する方法に関する。
業務用途の事務所、住居、公共施設など人が出入りする建築物では、見え掛りの美しい仕上げのため、天井面や壁面をボード仕上げやボード表面にシートや布などを張って仕上げることが多い。そして必要な設備器具を取り付けるために、そのボードに開口を施して、その裏に配線や配管などを隠す施工をし、器具を美しく見切って仕上げる。
例えば、ボード天井などの天井面に設置される天井埋込型のダウンライト器具は、新設現場では、取り付けられたばかりの穴のない天井ボードに、サークルカッターで取付け用の開口を形成して、設置される。このサークルカッターは、円形の開口を開設する場合、芯にあたる開口中心点にドリルで支点を取って、円形開口の半径位置にある切刃によって円形開口に天井ボードを切り取る工具である。
既設の建物において、天井に設置してあった既設の白熱灯のダウンライト器具などを、LEDやELなど省エネ灯具を使用したダウンライト器具などに改修する場面がある。既設のものより新規に設置するダウンライト器具の外径が大きい場合、天井ボードに手を入れないといけなくなる。
例えば、天井ボード自体を交換する例では、既設の器具が付いたまま取り外しても良いが、器具が取り付いていた天井ボードの目地まで1枚を全て天井下地から引き剥がし、同寸の新規天井ボードを張り直し、再び更新する器具に対応する開口をサークルカッターで形成することが考えられる。しかし、光で焼けたりして経年変色した既設天井ボードと新設天井ボードの色あわせは困難を極め美的に劣る結果となるし、天井内に長年積もった埃の落下防止措置などの養生の費用と手間が莫大に掛かる。
例えば、天井ボードはそのままで、作業する領域周辺の養生を行った後、既設の器具を取り外し、既存の開口に対し、新規の器具に対応する開口寸法を型紙などで罫書き、その罫書き線に沿って、引き回しという小さなのこぎりで天井ボードを切除しながら大径の開口を形成する。その後、ぎざぎざになりやすい引き回し切断面をやすりなどで研磨し、新規の照明器具を取り付けた後、清掃しながら養生を撤去することも行われる。
天井ボードではないが、マンホールの蓋に予め設けられた中心を利用し、その中心と同心の拡径されたマンホールの開口を形成する技術として、以下の特許文献1、2、3の技術が知られている。
特許文献1には、マンホール用蓋枠の舗装切削装置が開示されている。マンホールを交換する際に、その周囲の舗装は切削される。その切削される形状は、複数個の小径の円柱状の部位がマンホール用蓋枠に沿って連続するように切削される。この装置は、それらの隣接する円柱状の連結部における突出部分を切削し、滑らかに連続させ、ほぼ円形の切削形状を得るのに用いられる。具体的には、その装置は、マンホールの蓋の中心に支柱を位置決めしその後磁石の磁力にて支柱下の固定板を鉄製のマンホールの蓋に固定している。その支柱には放射状に延びるアームが設けられている。そのアームはアクチュエータにより前記支柱に対して上下動する。前記アームの先端には、突出切削カッターが設けられている。そのカッターで前記突出部を切削し、円形の切削形状を得る、というものである。
特許文献2には、路面補修方法が開示されている。この方法は、まずマンホールを形成
する地中に埋設されたコンクリートブロックの開口部を概ね覆うように仮蓋を置く。その仮蓋の中心には、上方に突出した円形カッターの案内部及び磁石が設けられている。そして、その仮蓋の上およびマンホールの周辺部に舗装を行う。その後に、その舗装の上から磁気を探知することにより、案内部を見つけ、それを露出させる。そして、その案内部に円形カッターの回転軸を配置して、マンホールの周辺の舗装を円形に切削する、というものである。
さらに、特許文献3には、円形カッター固定具が開示されている。この固定具は、路面のマンホールの鉄蓋上に設置されることを想定していて、マンホールの鉄蓋の周辺部には切り欠きが特別に施されている。円形カッターの回動中心を回動自在に支持する円形カッター固定部は、マンホールの鉄蓋上方に載置される基部を、マンホールの鉄蓋の切り欠きに係合する仮止め係止部にて一方向を決め、さらにマンホールの鉄蓋の別な位置に施される切り欠きに係合される二股のリンク部とで、三角形の頂点をそれぞれ固定して、鉄蓋に対して移動不能に固定する、というもので、基部の中央に円形カッターの回転中心軸を支持する円柱状の支持部が突出している。
また、特許文献4には、天井材の取付穴に設けられるダウンライト器具の取付方法が開示されている。その方法は、外周が取付穴より大径で、内周(透穴)がそれより小径の薄板のリング状の取付補助部材を用いている。その取付補助部材の透穴は、器具本体より大径であるが、その器具本体の鍔部より小径である。このため、この取付補助部材を介して、器具本体を天井に取り付けると、前記取付穴を器具本体に対して余裕のある大きさにできるから、設置作業が効率的になる、というものである。
特開平2−209506号公報 特開2009−121154号公報 特開2006−194071号公報 特開2009−93836号公報
サークルカッターなどの切削工具を用いると、新設の天井ボードや壁ボードなど、開口がないボードには開口を容易に形成することができる。しかし、既設の開口を、その中心位置をそのままにして拡径したい場合、中心となるべき位置にサークルカッターの中心回転軸であるドリル刃を保持すべき壁やボードがない。この場合、天井ボード自体を交換する例では、器具が取り付いていた天井ボードの目地まで1枚を全て天井下地から引き剥がし、同寸の新規天井ボードを張り直し、再び更新する器具に対応する開口をサークルカッターで形成するが、光で焼けたりして経年変色した既設天井ボードと新設天井ボードの色あわせは困難を極め美的に劣る結果となるし、天井内に長年積もった埃の落下防止措置などの養生の費用と手間が莫大に掛かる。また異なる対応として、既存の開口に対し、新規の器具に対応する開口寸法を型紙などで罫書き、その罫書き線に沿って、引き回しという小さなのこぎりで天井ボードを切除しながら大径の開口を形成することもあるが、上向き作業による型紙からの罫書き作業困難からの芯ズレ、上向き作業による引き回し工作精度悪化による天井ボードの切断寸法ミスなどを引き起こし手間が掛かる割には美的によくない開口となりかねない。
その他、特許文献1,2,3は、既設の開口の周囲に拡径された大開口を形成するのに、路面のマンホールに対して蓋状のものを利用して、その中央を開口の中心軸に利用しているものである。しかし、特許文献1では、マンホールの鉄製の蓋にコンクリートのボー
リングカッタを支持する支柱を設置しているが、支柱をマンホールの蓋に設置するのに芯出しをどうするかは記載がなく、強力な磁石が鉄の蓋に張り付く成り行きに任せている。特許文献2では、埋設した下水管などに連通するコンクリートブロックの上に土留めを兼ねて仮蓋し、一旦舗装した後舗装を大きく切り取るため、少しコンクリートブロックの開口中心をずれても問題としない仮蓋設置をしていて芯出しは不十分である。特許文献3では、マンホールの蓋の芯出しを行うにあたり、マンホールに特別な切り欠きを3箇所も要求するものである。このように、既設の円形開口に対し、簡単な構成でその円形開口の中心点を空間にドリル穴として出現させる、サークルカッターに利用可能な拡径すべき開口の中心を設定する治具などの開示はない。
そこで、本発明は既設円形開口を拡径するときに使用する簡易な構造の治具、その治具付きサークルカッター及び開口を拡径する方法を提供することを課題とする。
(1)本発明のサークルカッターの治具は、ドリルである回転軸と、その周囲に所定の距離をおいて設けられ前記回転軸と共に回転する切刃とからなる円形の開口を形成する切削工具に用いる治具であって、中心に前記回転軸が回転自在、かつ、軸方向に移動自在に挿通される孔を有すると共に、既設の円形開口の内周面に嵌められる側周面を全周に有する円板状の嵌合部材と、前記嵌合部材に前記回転軸の元側へ重ねるように設けられ、半径方向の外向きに前記側周面を超えて延びる止め部材と、前記回転軸を挿通するよう設置され、前記止め部材および前記嵌合部材を前記回転軸の先端側に付勢するコイルバネとを備えており、前記嵌合部材が、径の異なる複数の側周面を有する円板を大径のものから同心状に前記回転軸の元側から順次重ねた階段状の形態を有し、前記止め部材が最大径の円板の側周面を超えて半径方向の外向きに延びており、前記既設の円形開口を通過する前記円板のうち最大径の円板の側周面を、拡径すべき既設の円形開口の内周面に嵌め、その嵌めた側周面の円板より一段階大きな円板の段部または前記止め部材を前記既設の円形開口の周縁付近に前記コイルバネの付勢力に抗しながら押し当てる、切削工具に用いる治具であることを特徴とする
)本発明の治具付きサークルカッターは、ドリルである回転軸と、その周囲に所定の距離をおいて設けられ前記回転軸と共に回転する切刃とからなる円形の開口を形成する切削工具と、上述の治具とからなり、前記切削工具がボード天井やボード壁を切削するサークルカッターであり、そのサークルカッターには切削部を覆うシールドが設けられ、前記シールドに削りかすを吸引する吸引ホースが連結されている、ことを特徴とする。
)本発明の既設の円形開口を拡径する方法は、ドリルである回転軸と、その周囲に所定の距離をおいて設けられ前記回転軸と共に回転する切刃とからなる円形の開口を形成する切削工具と、既設の円形開口に嵌められ前記切削工具の回転軸の位置を固定する治具とを用意し、前記治具は、既設の円形開口の内周面に嵌められる側周面を全周に有する円板状の嵌合部材と、その円板状の前記嵌合部材に前記回転軸の元側へ重ねるように設けられ、半径方向の外向きに前記側周面を超えて延びる止め部材と、前記回転軸を挿通するよう設置する、前記止め部材および前記嵌合部材を前記回転軸の先端側に付勢するコイルバネと、を備え、かつ、前記嵌合部材が、径の異なる複数の側周面を有する円板を大径のものから同心状に前記回転軸の元側から順次重ねた階段状の形態を有し、前記止め部材が最大径の円板の側周面を超えて半径方向の外向きに延びており、前記既設の円形開口を通過する前記円板のうち最大径の円板の側周面を、拡径すべき既設の円形開口の内周面嵌めると共に、嵌めた側周面の円板より一段階大きな円板の段部または前記止め部材を前記既設の円形開口の周縁付近に前記コイルバネの付勢力に抗しながら押し当てることにより、前記既設の円形開口の中心に回転中心を設け、その回転中心と、前記回転軸とその周囲にある前記切刃との所定の距離を半径とする拡径された開口を形成する、ことを特徴としている
のような既設の円形開口を拡径する方法は、複数種の開口径の既設の円形開口に対応させた外径違いの複数の嵌合部材を揃えた後、各々の嵌合部材に対応する止め部材と嵌合部材との組を複数個用意し、既設の円形開口の開口径に応じて、複数の前記止め部材と嵌合部材との組の中から対応する組を選択して用いるのが好ましい。
(1)本発明のサークルカッターの治具では、円板状の嵌合部材の全周に設けた側周面を拡径すべき開口の内周面に嵌めているので、回転軸を前記開口の中心に安定して保持させることができる。その上で、バネにより前記側周面と連続する止め部材を前記開口の周縁付近に押し当てるので、切刃を進めても前記嵌合部材が嵌められた開口から抜けず、開口を拡径する加工を行うことができる。
さらに前記嵌合部材が、径の異なる複数の側周面を有する円板を大径のものから同心状に前記回転軸の元側から順次重ねた階段状の形態を有し、前記止め部材が最大径の円板の側周面を超えて半径方向の外向きに延びており、前記既設の円形開口を通過する前記円板のうち最大径円板の側周面を、拡径すべき既設の円形開口の内周面に嵌め、その嵌めた側周面の円板より一段階大きな円板の段部または前記止め部材を前記既設の円形開口の周縁付近に押し当てるので、対応する円板の側周面を嵌めて、一段大きな円板の段部を当接させることにより、前記開口を拡径することができる。このため、工具を共通化することができる。そして、既設の開口が複数あっても、対応する側周面を嵌めることにより、開口を拡径する作業の効率を高めることができる。
(2)本発明の治具付きのサークルカッターでは、シールドで削りかすの飛散を防止し、それらを内部に集めることができる。そして、吸引ホースによりそれらのかす等を吸引除去できる。このため、作業場周辺がきれいである。そして、前記シールドは、サークルカッターの切刃の外側で、切削除去されずに残っている側の部材に当接しているから、回転軸の傾きが防止され、回転中心の保持が安定する。特に、加工の最終段階で、切削で除去される部材と共に前記治具の位置が不安定になる際に、回転中心を保持するのに役立つ。
そして、吸引によりシールド内はいくらか負圧なるから、シールドと開口の周辺付近の部材とが密着し、シールドと部材との当接が確実になる。このため、前記回転軸の傾きが一層防止される。
(3)本発明の既設の円形開口を拡径する方法は、円板状の嵌合部材の全周に有する側周面を開口に嵌め、止め部材を開口の周縁部に押し当てるので、切刃を進めても、前記嵌合部材の側周面を開口に嵌めた状態が維持されるから、切刃の回転中心を開口内に保持することができる。
のような既設の円形開口を拡径する方法は、複数種の開口径の既設の円形開口に対応させた外径違いの複数の嵌合部材を揃えた後、各々の嵌合部材に対応する止め部材と嵌合部材との組を複数個用意し、既設の円形開口の開口径に応じて、複数の前記止め部材と嵌合部材との組の中から対応する組を選択して用いる場合は、作業効率が高い。
図1は本発明の治具付きサークルカッターの一実施形態を示す部分断面図である。 ダウンライトの取り換えを行う様子を示す概略フロー図である。 図3は本発明の治具の一実施形態を示す斜視図である。 図4は図1の治具付きサークルカッターを用いて開口を拡径する様子を示す部分断面図である。 図5は図1の治具付きサークルカッターを用いて開口を拡径する他の様子を示す模式図である。
まず、図2を用いて、治具付きサークルカッター1(図1参照)を用いて開口を拡径する様子および拡径した開口にダウンライトのフレームを取り付ける様子を説明する。建屋の天井ボード10の既設の円形の開口10aに古いダウンライト11(二点鎖線参照)が取り付けられている(S1)。そのダウンライト11を取り外す(S2)。次いで、その既設の開口10aを前記治具付きサークルカッター1を用いて拡径する(S3)。最後に、拡径された開口10bに新たなダウンライトのフレーム12を取り付ける(S4)。
図1に示すように、前記治具付きサークルカッター1は、電動ドリル(図示せず)の先端に設けられるサークルカッター2と、そのサークルカッターに取り付けられる治具3とからなる。
前記サークルカッター2は、電動ドリルや電動ドライバの取り付けチャック部(図示せず)に挿入され、チャック部に嵌着される回転軸4を備えている。その回転軸4には、その周囲に固定部5が設けられている。その固定部5の内部には、例えば回転軸4の一部には、同心円板状に膨張させたスラスト支持部が設けられている。そして、前記回転軸4のスラスト支持部以外の部分には、ラジアル荷重を受け持つ軸受けが設けられている。また、スラスト支持部にスラスト軸受けを設けて、アキシアル荷重を受け持つように構成してもよい。このような構成により、前記固定部5は、前記回転軸4の回転を許し、自身はその質量で回転軸4に同伴回転しにくく、かつ、回転軸4に対し軸方向に移動しないように設けられ、かつ後述する回転ベース6とも摺動して同伴回転しないように設けられている。その固定部5の上方には、前記回転軸4あるいはドリル刃7(後述する)に係合されて半径方向に延びる回転ベース6がある。
その回転ベース6には、2枚のサークルカッターの切刃(以下、単に切刃という)6a、6aが取り付けられている。その切刃6aにより、前記天井ボード10が切削される。そして、前記回転軸4の先端にはドリルチャックなどの取付部4aを介してサークルカッターのドリル刃(以下、単にドリル刃という)7が取り付けられている。さらに、前記固定部5には、天井ボード10側に向けて開口した椀状のシールド5aが前記固定部5の周囲に嵌合されて設けられている。そのシールド5aは、固定部5に対し軸方向に移動自在で、バネ5dにより先端側(天井ボード側)に付勢されている。このバネ5dは圧縮バネであり、本実施形態ではコイルスプリングが用いられている。
前記回転軸4は、電動ドリルにより回転駆動される。その回転力は回転ベース6に伝達される。その回転ベース6は、半径方向に延びる棒状の部材であり、前記切刃6aを半径方向にスライド自在に案内している。さらに、回転ベース6は、2枚の切刃6a、6aを回転軸4から所定の距離の位置に調節し、固定するための機構を備えている(図3参照)。すなわち、前記回転ベース6には、その半径方向にスライド自在にスライダー6bが設けられている。そのスライダー6bに前記切刃6aが設けられている。前記スライダー6bには、固定用のボルト6cが設けられ、その固定用のボルト6cを締め付けることにより、回転軸4から所定の位置でスライダー6bを回転ベース6に固定することができる。
前記回転ベース6および切刃6a、6aは共に回転する。このため、それらの切刃6a、6aの回転運動による軌跡は、前記切刃6aと回転軸4との距離を半径とする円形である。例えば、2枚の切刃6a、6aの中心からの距離を50mmとし、これらの切刃6a、6aを回転させると、100mmの直径の開口を形成することができる。
前記ドリル刃7は、前記取付部4aに差し込まれ、固定される。そのドリル刃7は、切刃6a、6aの回転中心に位置する。通常のサークルカッターにおいては、前記ドリル刃7により天井ボード10に孔を開け、その孔にドリル刃7を保持することにより、前記切刃6a、6aが切削する円形の位置がブレないように、位置決めされる。しかし、本実施形態においては、元の開口10aを拡径するので、新たに中心となる孔を形成する必要がないから、ドリル刃7の代わりに、刃を有しない棒状の部材を用いてもよい。さらに、前記ドリル刃7を設けずに、前記回転軸4を延長し、その回転軸4を治具3の貫通孔8aに嵌合してもよい。
前記シールド5aは、天井ボード10の加工されるべき箇所を半径方向に拡大した範囲を覆う。そのシールド5aは、切刃6aが進行すると、バネ5dの付勢力に逆らって基端側に後退し(図4参照)、かつ、天井ボード10を押圧する。このため、シールドの開口縁の密接状態が維持され、切削によるかすや粉の飛散が一層防止される。
そのシールド5aの開口端は、使用していないときは前記刃6a、6aの先端を超えている。このため、前記切刃6a、6aの先端がシールド5aで覆われており、不使用時などの取り扱いが容易である。
また、前記シールド5aはその内部を視認できる程度に透けている。このため、切削している状態を確認しながら、施工できる。
また、前記シールド5aには、掃除機の吸引ホース5bが取り付けられている。その掃除機により、シールド内部のかすや埃が吸引される。このため、施工する周囲の環境をきれいに保つことができる。そのシールド5aの開口端付近で吸引ホース5bの反対側には、孔5cが形成されている。このため、その孔5cから空気を取り込み、内部の削りかすなどを、その吸引の空気の流れに乗せて、吸引ホース5bへ導き、除去することができる。そして、吸引しているから、切刃6aが天井ボード10を貫通した際にも、天井ボード10の裏面に削りかすを撒き散らしにくい。
前記吸引ホース5bとしてはPF管が用いられている。PF管以外のホースとして、折れに対し強度のある構造を有するホースを用いることができる。
前記治具3は、嵌合部材8と、その嵌合部材8に重ねるように設けられる止め部材3aと、それらの嵌合部材8及び止め部材3aを付勢するコイルバネ9とからなる(図1参照)。図3に示すように、本実施形態では、前記嵌合部材8および止め部材3aは、径の異なる3枚の円板状の部材をそれらの径の順に積み重ねた形態をしている。そのうち小さい径からなる最初の二枚の円板が階段状の嵌合部材8であり、最大径のものが止め部材3aである。それらの3枚の円板は同心になるように重ねられ、互いに固定されており、その中心にドリル刃7が貫通する貫通孔8aが形成されている。そして、その嵌合部材8および止め部材3aは、コイルバネ9(図1参照)によりドリル刃7の先端側へ付勢されている。そのコイルバネ9のバネ内径はドリル刃7外径よりも大きく形成され、ドリル刃7を囲むように装着されており、その基端は前記回転ベース6の面に当接し、その回転ベース6が回転すると、その面で摺動するようにされている。
前記コイルバネ9は、圧縮力を利用して反発するバネであり、本実施形態では金属製線材を用いたコイルバネが用いられるが、材質はこれに限らず樹脂線材でも良く、コイルバネを圧縮してもコイル内径側に線材が張り出してこなければ良い。
また、前記治具3は、嵌合部材と止め部材、あるいは嵌合部材同士を張り合わせて形成しても良いし、一体成形品としてもよい。前記嵌合部材8および止め部材3aの材質とし
ては、軽くて強度のあるものが好ましい。例えば、ベニア板、ポリ塩化ビニルなどの合成樹脂製の板あるいはプラスチックベニアと呼ばれる気泡を含んだ樹脂板などである。
本実施形態では、各円板の直径は、ダウンライトなどの規格に応じて定めるが、例えば、小さいものから50mm、70mm、90mmである。なお、嵌合部材8の段数は、特に限定されない。
また一段の厚みは、10mm程度であり、天井ボード10の規格に応じて定める。
次に、図4を用いて治具付きサークルカッター1を用いて開口10aを拡径する様子を示す。この図は、直径は70mmの開口10aを100mmに拡径する様子を示している。図に示すように、前記嵌合部材8の二段目の側周面8bを開口10aの内周面に嵌める。そして、前記止め部材3aを天井ボード10の下面で前記開口10aの周縁付近に当接させる。このとき、シールド5aの先端は天井ボード10に押圧され、切刃6aに対して基端側(図の下方)に移動する。加工が進み、切刃6aがボードに深く切り込まれると、ドリル刃7は前記嵌合部材8および止め部材3aの貫通孔3a内を進むが、前記嵌合部材8および止め部材3aは止め部材3aが天井ボード10aに当接しているから、進まない。このため、二段目の側周面8bは開口10a内から外れない。
さらに、図5に示すように、一段目の側周面8bを開口10cに嵌めて、開口10cを拡径する様子を示す。この図は、直径50mmの開口10cを70mmに拡径する様子を示している。図に示すように、前記嵌合部材8の一段目の側周面8bを開口10cの内周面に嵌める。そして、二段目の段部8cを天井ボード10の下面で前記開口10cの周縁付近に当接させる。これにより、前記嵌合部材8は、開口10c内から外れず、ドリル刃7を進めることができる。
前記嵌合部材8は二段であるが(図1参照)、一段、すなわち一枚の円板状の嵌合部材8としてもよい。この場合は、嵌合部材8が軽量で小さくなり、交換の手間が少なくなる。さらに、嵌合部材8と止め部材3aを一体に設けたものを1つのセットにしておくと使い勝手がよい。
さらに、図示していないが、嵌合部材8を三段以上にし、1つの嵌合部材で多数の径の既設の開口に用いることができるようにしてもよい。
また、本実施形態の嵌合部材8の側周面8bは、開口の内周面にほぼ当接する程度に滑らかであるが、ドリル刃7の回転に抵抗するように、開口の内周面と摩擦による抵抗を生じる粗い面としてもよい。そして、前記側周面に、開口の内周面にいくらか食い込むような突出部を設けてもよい(図示せず)。その突出部の先端は、ドリル刃の回転方向と反対側に向くようにするとよい。
本実施形態の止め部材3aは、円板状の形態であるが、開口の周縁部に当接し、サークルカッターの切刃6aに接触しないものであれば、これに限らない。例えば、複数枚の短冊状の板片を等間隔に、放射状に延ばした形状にしたものを用いたり、さらには棒状の部材を用いてもよい。
前記回転ベース6は、棒状であるが、円形の板状にし、それにスライダー6bをスライド自在に設けてもよい。
さらに、前記切刃6aは2枚であるが、3枚以上でもよい。3枚の場合は、120°間隔で配置し、4枚の場合は90°間隔で配置するのがよい。その他の枚数の場合、切刃6aを等角度で配置するのがよい。
そして、前記回転ベース6に、左右逆ネジなどを用いて、1つの操作で左右の切刃6a、6aを回転軸4からほぼ等距離の位置に調節できるような機構を設けてもよい。
前記コイルバネ9の実施形態のほかに、バネ5dでも本実施形態では金属線材のコイルスプリングを用いているが、バネ5dには弾性のある合成樹脂を筒状にし、樹脂筒の撓みを利用した弾性体として用いると、シールド5a内の密閉性を維持したまま、シールド5aを容易に移動させることができる。
また、本発明の切削工具を回転させるものとしては、電動ドリル、エアードリルなどの従来公知のものが用いられる。
さらに、嵌めるべき開口10aの径が大きい場合には、前記ドリル刃7を大径なものに変更し、かつ、治具3を対応する大径の貫通孔8aのものに変更して、回転の軸の傾きを防止するようにしてもよい。
前記天井ボード10は石膏を芯材として用いる従来公知のものである。その他の天井ボードとしては、サークルカッターで開口を形成できる程度の柔らかなものが好ましい。なお、ホールソーを用いる場合には、強度のある壁材に用いることもできる。
本実施形態の治具は、サークルカッターに取り付けられているが、ホールソーに取り付けてもよい。
さらに、嵌合部材8をバネ9の先端付近と連結し、嵌合部材8が回転軸から抜け落ちるのを防止してもよい。この抜け落ちの防止により、横向きにして、使用するのが、容易になる。
前記ダウンライト11は、天井に埋め込んで取り付ける従来公知の照明器具である。通常は、天井に露出する下面の形状は角型、丸型などであるが、埋め込まれる部位は円形にされている。そして、その光源としては、白熱電球などが用いられており、図2に示すような手順で、例えば、LEDのダウンライトに交換される。
図2に戻って、前記ダウンライトのフレーム12は、天井ボード10の天井面に当接する薄板で中央に開口が形成されたリング状の基部12aと、その基部12aの開口の内周縁付近から立設し、対向するように配置された脚部12b、12bとを備えている。それらの脚部12b、12bのそれぞれの側面には板状の係止片12c、12cが設けられ、その下端が外向きに突出している。その係止片12cの上端は前記脚部12bに上下にスライド自在に固定され、その下端は自由にされている。そして、前記係止片12cの全体を板バネのように作用させることにより、前記下端は外向きに弾力的に拡がる。
このため、前記フレーム12を開口10aに挿入する際には、脚部12bの先端付近は撓んで縮径し、スムーズに開口10aに挿入される。そして、係止片12cの下端が開口10aを通り過ぎると、その下端が外向きに拡がる。そして、係止片12cを下方にスライドさせて、前記係止片12cの下端とリング状の基部12aとの間で前記天井ボード10を挟み込む。これにより、前記フレーム12が天井に固定される。
1 治具付きサークルカッター
2 サークルカッター
3 治具
3a 止め部材
4 回転軸
4a 取付部
5 固定部
5a シールド
5b 吸引ホース
5c 孔
5d バネ
6 回転ベース
6a 切刃
6b スライダー
6c 固定用のボルト
7 ドリル刃
8 嵌合部材
8a 貫通孔
8b 側周面
8c 段部
9 コイルバネ
10 天井ボード
10a 開口
10b 拡径された開口
10c 開口
11 ダウンライト
12 フレーム
12a 基部
12b 脚部
12c 係止片

Claims (3)

  1. ドリルである回転軸と、その周囲に所定の距離をおいて設けられ前記回転軸と共に回転する切刃とからなる円形の開口を形成する切削工具に用いる治具であって、
    中心に前記回転軸が回転自在、かつ、軸方向に移動自在に挿通される孔を有すると共に、既設の円形開口の内周面に嵌められる側周面を全周に有する円板状の嵌合部材と、
    前記嵌合部材に前記回転軸の元側へ重ねるように設けられ、半径方向の外向きに前記側周面を超えて延びる止め部材と、
    前記回転軸を挿通するよう設置され、前記止め部材および前記嵌合部材を前記回転軸の先端側に付勢するコイルバネとを備えており、
    前記嵌合部材が、径の異なる複数の側周面を有する円板を大径のものから同心状に前記回転軸の元側から順次重ねた階段状の形態を有し、
    前記止め部材が最大径の円板の側周面を超えて半径方向の外向きに延びており、
    前記既設の円形開口を通過する前記円板のうち最大径の円板の側周面を、拡径すべき既設の円形開口の内周面に嵌め、その嵌めた側周面の円板より一段階大きな円板の段部または前記止め部材を前記既設の円形開口の周縁付近に前記コイルバネの付勢力に抗しながら押し当てる、切削工具に用いる治具。
  2. ドリルである回転軸と、その周囲に所定の距離をおいて設けられ前記回転軸と共に回転する切刃とからなる円形の開口を形成する切削工具と、請求項1に記載の治具とからなり、
    前記切削工具がボード天井やボード壁を切削するサークルカッターであり、
    そのサークルカッターには切削部を覆うシールドが設けられ
    前記シールドに削りかすを吸引する吸引ホースが連結されている、治具付きサークルカッター。
  3. ドリルである回転軸と、その周囲に所定の距離をおいて設けられ前記回転軸と共に回転する切刃とからなる円形の開口を形成する切削工具と、既設の円形開口に嵌められ前記切削工具の回転軸の位置を固定する治具とを用意し、
    前記治具は、
    既設の円形開口の内周面に嵌められる側周面を全周に有する円板状嵌合部材と、円板状の前記嵌合部材に前記回転軸の元側へ重ねるように設けられ、半径方向の外向きに前記側周面を超えて延びる止め部材と、前記回転軸を挿通するよう設置する、前記止め部材および前記嵌合部材を前記回転軸の先端側に付勢するコイルバネと、を備え、
    かつ、前記嵌合部材が、径の異なる複数の側周面を有する円板を大径のものから同心状に前記回転軸の元側から順次重ねた階段状の形態を有し、前記止め部材が最大径の円板の側周面を超えて半径方向の外向きに延びており、
    前記既設の円形開口を通過する前記円板のうち最大径の円板の側周面を、拡径すべき既設の円形開口の内周面嵌めると共に、前記嵌めた側周面の円板より一段階大きな円板の段部または前記止め部材を前記既設の円形開口の周縁付近に前記コイルバネの付勢力に抗しながら押し当てることにより、前記既設の円形開口の中心に回転中心を設け、
    その回転中心と、前記回転軸とその周囲にある前記切刃との所定の距離を半径とする拡径された開口を形成する、既設の円形開口を拡径する方法。
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