JP6348467B2 - デッキプレート - Google Patents
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Description
このデッキプレートは、コンクリートが硬化した時点でその役割を終えるため、スラブの施工が完了した段階で速やかにコンクリートから分離・回収して、再利用を図ることが望ましい。
ここで、特許文献1に記載されたデッキプレートについて、図5乃至図7を用いて説明する。ただし、図5(a)は従来技術に係るデッキプレートの側面図であり、図5(b)及び図5(c)は図5(a)に示したデッキプレートを構成する2種類の型枠部材の平面図である。また、図6(a)及び図6(c)は型枠部材の外観斜視図であり、図6(b)及び図6(d)はそれぞれ図6(a)におけるB−B線矢視断面図及び図6(c)におけるC−C線矢視断面図である。さらに、図7(a)乃至図7(c)は図5(a)に示したデッキプレートが回収される際の状態を説明するための図である。
なお、図5(b)及び図5(c)は図5(a)において矢印Aで示す方向に見たデッキプレート51を型枠部材52,53に分解した状態を示す図に相当する。
角パイプ56,57はいずれも一端が扁平状に押圧変形されており、この端部(以下、扁平端56b,57bという。)を閉塞するように鋼板製の長尺部材58(図6(b)及び図6(d)参照)がその内部に挿設されている。そして、角パイプ56の外径は角パイプ57の内径よりも小さく、開口端56aは開口端57aに対して挿通可能に形成されている。
なお、平板54,55は厚さが0.8mm程度と薄いため、平板54の下面54bと角パイプ56の上面56cの間に平板55を挿入して平板54,55の一部を重ね合わせた後、上面54a,55aにコンクリートを打設した場合でも、平板54の下面54bと平板55の上面55aの間にコンクリートが入り込むおそれはない。
そして、この状態で型枠部材52の保持を止めると、図7(a)に矢印Yで示すように、型枠部材53の上方に配置された型枠部材52は、角パイプ57の開口端57aの端縁に角パイプ56の係止部材59が係止するまで自重によって落下し、図7(b)に示した状態となる。
このような構造のデッキプレートにおいては、第1の発明の作用に加えて、第1の角パイプを第2の角パイプに対してスライドさせる際に、弾性部材からなる閉塞部が適宜変形することにより第2の角パイプの内面との接触状態を保ちつつ、その内面に沿って摺動するという作用を有する。これにより、第2の角パイプの開口部は閉塞部によって確実に閉塞される。
上記構造のデッキプレートにおいて、第2の発明の場合と同様に、第1の角パイプを第2の角パイプに対してスライドさせると、閉塞部は第2の角パイプの内面に沿って摺動するため、蓋体を繰り返し使用しているうちに、第2の角パイプとの間の摩擦によって摩耗してしまう。このように閉塞部が摩耗した場合、第2の発明では、蓋体ごと交換しなければならないのに対し、上記構造であれば、閉塞部のみを交換することができる。したがって、本発明は、第2の発明に比べて保守作業が容易である。
上記構造のデッキプレートにおいて、第2の角パイプの扁平端側を床面等に接地するなどして固定した状態で、全体が鉛直方向と平行をなすように設置し、さらに、上方に配置された第1の角パイプ及び第1の平板の保持を止めると、蓋体が貫通穴の設けられた箇所の上方に位置している間は、第1の角パイプの下降に伴って第2の角パイプの内部の空気が貫通穴から外部へ追い出されるため、第2の角パイプの内部の空気が圧縮されることはなく、第1の角パイプに対する制動力は発生しない。
一方、貫通穴が設けられた箇所を蓋体が通過した後は、第2の角パイプの内部の空気が第1の角パイプの下降に伴って圧縮されるため、第1の角パイプに対する制動力が発生する。すなわち、上記構造のデッキプレートにおいては、第1の発明乃至第3の発明の作用に加えて、貫通穴を設ける位置によって、第1の角パイプの下降に伴って制動力が発生するタイミングが異なるという作用を有する。
上記構造のデッキプレートでは、第1の角パイプ及び第2の角パイプの下面が、扁平状に押し潰された一端から長手方向に沿って所定の長さにわたって平坦部及びそれに続く傾斜部を有することになる。そして、この平坦部が角材の上面に載置された状態で第1の平板及び第2の平板の上面にコンクリートが打設される。その際、平坦部と傾斜部の境目において応力集中が起き易いが、上記構造であれば、長尺部材が平坦部と傾斜部の境目における剛性を高めるように作用する。すなわち、本発明においては、第1の発明乃至第4の発明の作用に加え、平坦部と傾斜部の境目における剛性が高いため、第1の角パイプ及び第2の角パイプに破損や変形が発生し難いという作用を有する。
また、図2(a)乃至図2(c)は図1に示したデッキプレートの断面を部分的に拡大して示した図であり、図1(b)において型枠部材52に型枠部材53を追加した図に相当する。ただし、図2(a)はデッキプレートが水平に設置された状態を表し、図2(b)及び図2(c)はデッキプレートが鉛直方向と平行に設置された状態を表している。
さらに、図3(a)及び図3(b)は図2に示した型枠部材の変形例を示した図であり、図2(b)及び図2(c)にそれぞれ対応している。なお、図5〜図7に示した構成要素については同一の符号を付してその説明を省略する。
一方、閉塞部3は、角パイプ57(図5を参照)に内挿された場合に、その内面に対して4つの側面がそれぞれ当接可能な大きさに形成されており、嵌合部2とともに角パイプ56に装着された状態で角パイプ57に内挿された場合、図2(a)に示すように、嵌合部2の底板2aから四方にはみ出した部分によって角パイプ56の外面と角パイプ57の内面の隙間を閉塞可能に、底板2aの外面に接着剤等を用いて接合されている。
したがって、型枠部材52は、係止部材59によって角パイプ57の開口端57aの一部を破損させたり、平板54のスポット溶接を剥離させたりすることなく、角パイプ57の開口端57aの端縁に角パイプ56の係止部材59が係止する状態(図2(c)参照)となるまで安全に下降する。
一方、閉塞部3を角パイプ56に固定する嵌合部2は、閉塞部3と別部材であるため、例えば、嵌合部2を閉塞部3よりも剛性の高い部材によって形成することができる。このような構造によれば、角パイプ56に対する閉塞部3の位置決めの精度が向上する。その結果、閉塞部3によって角パイプ57の開口部を閉塞するという作用がより一層確実に発揮される。
そして、このような構造によれば、デッキプレートを複数回繰り返して利用することができる。なお、本実施例では長尺部材58を鋼板製としているが、これに限定されるものではなく、例えば、長尺部材58はアルミニウム等の金属や繊維強化樹脂等の成形品であっても良い。
あるいは、図3(a)及び図3(b)に示すように、角パイプ57の下面57dに空気抜き用の貫通穴57eを設けた構造とすることもできる。なお、図3には示していないが、下面57dに限らず、角パイプ57の側面に設けた構造であっても良い。
これに対し、図3(b)に示すように、貫通穴57eが設けられた箇所を蓋体1aが通過した後は、角パイプ57の内部の空気が型枠部材52の下降に伴って圧縮されるため、角パイプ56に対する制動力が発生し、型枠部材52は下降速度が低下する。すなわち、上記構造のデッキプレートにおいては、貫通穴57eを設ける位置によって、型枠部材52の下降に伴って角パイプ56に対する制動力が発生するタイミングが異なるという作用を有する。したがって、角パイプ57の破損や平板54の剥離といった不具合を招くことなく、型枠部材52の下降に要する時間を短縮して、デッキプレートの回収作業のさらなる効率化を図ることができる。
図4(a)乃至図4(c)に示すように、本実施例のデッキプレートは実施例1のデッキプレートにおいて蓋体1aの代わりに、角パイプ56に嵌入可能に形成される合成樹脂製の嵌合部4と、この嵌合部4に対して着脱自在に取り付けられるゴム製の閉塞部5と、からなる蓋体1bを備えた構造となっている。
なお、本実施例では、上板7の大きさと形状を嵌合部4の底板4aと同一としているが、上板7が少なくとも嵌合部4の底板4aよりも小さければ、角パイプ56に内挿可能となるため、その場合には必ずしも上板4は底板4aと大きさ及び形状が同一でなくとも良い。また、係止部5a及び係止穴6は本実施例に示した個数に限定されるものではなく、適宜変更可能である。
Claims (5)
- 構造物の床等にコンクリートスラブを形成する際に型枠として用いられるデッキプレートにおいて、
閉塞された一端から所定の長さにわたって扁平状に押し潰されてそれぞれ平坦部が形成されるとともに他端が開放された第1の角パイプ及び第2の角パイプと、
前記第1の角パイプの上面が前記他端から所定の長さまでの範囲を除いて下面に接合される第1の平板と、
前記第2の角パイプの上面が下面に接合される第2の平板と、
前記第1の角パイプの前記他端に設置される蓋体と、を備え、
前記第1の角パイプは前記第2の角パイプに前記他端側から挿通可能に形成され、
前記第1の角パイプ及び前記第2の角パイプは前記他端同士が挿通可能に前記第1の平板及び前記第2の平板に対してそれぞれ接合され、
前記蓋体は前記第2の角パイプの開口部を閉塞可能に形成されることを特徴とするデッキプレート。 - 前記蓋体が、前記第1の角パイプに嵌入される嵌合部と、この嵌合部に接合され弾性部材によって形成される閉塞部と、からなることを特徴とする請求項1記載のデッキプレート。
- 前記閉塞部が前記嵌合部に対して接合される代わりに、着脱可能に取り付けられることを特徴とする請求項2記載のデッキプレート。
- 前記第2の角パイプに対し、側面や下面に空気抜き用の貫通穴が設けられることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のデッキプレート。
- 前記第1の角パイプ及び前記第2の角パイプの内部にそれぞれ前記一端の近傍から長手方向に沿って少なくとも前記平坦部を超えるように長尺部材が内部に設置されることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のデッキプレート。
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