JP6346074B2 - 消音器及び車両用吸気ダクト - Google Patents
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Description
請求項1,4の発明では、1対の膜部材を連絡するシーソー部材の回動バーが、膜部材の膜厚方向で膜部材に近い部位と遠い部位との間で熱による膨張及び収縮量が異なっていて、温度変化により回動バーが曲げ変形することによって支持脚部が膜部材の膜厚方向に往復移動可能となっている。また、膜部材を挟む1対の膜挟持部に形成された1対の露出孔は、孔径が異なっていて、1対の膜挟持部のうち小径な前記露出孔を有する小径膜挟持部は、温度が上昇したときに支持脚部が移動する側に配置され、大径な露出孔を有する大径膜挟持部は、温度が低下したときに支持脚部が移動する側に配置されている。従って、膜部材は、温度が上昇すると、小径膜挟持部に押し付けられ、温度が低下すると、大径膜挟持部に押し付けられる。これにより、温度が上昇したときには、膜部材が振動可能な範囲を小さくして膜部材のテンション低下による消音周波数のずれを抑えることが可能となり、温度が低下したときには、膜部材が振動可能な範囲を大きくして膜部材のテンション上昇による消音周波数のずれを抑えることが可能となる。このように、本発明によれば、温度変化による消音器の消音性能のばらつきを抑えることが可能となる。
本発明の効果を実験により確認した。この確認実験では、本発明に係る実施品1と、実施品1において第1露出孔13Aと第2露出孔13Bを同じ大きさにし且つ回動バー24の断面形状を変更した比較品1のそれぞれについて、消音周波数の温度依存性を調べた。
図9に示すように、実施品1におけるダクト10の始端部の開口にスピーカー92を対向配置すると共に、ダクト10の始端部と終端部に始端マイク91Aと終端マイク91Bを配置する。そして、23℃(常温)、100℃(高温)、−30℃(低温)の各温度で、スピーカー92を介して出力する音の周波数を20〜180[Hz]の範囲で変更しながら、始端マイク91A及び終端マイク91Bにて拾音する。終端マイク91Bは、ダクト10の延長線に対して45度傾斜した直線上でダクト10の終端から距離L2が10cmとなる位置に配置した。そして、周波数毎に終端マイク91Bによる拾音量から始端マイク91Aによる拾音量を差し引いた減音量を求め、図11のグラフg1を作成した。また、同様の手順で、実施品1に代わりに比較品1を用いて図12のグラフg2を作成した。
まず、23℃(常温)での実験結果について見ると、実施品1及び比較品1は共に、周波数が75Hz付近の音を最も減音していることが分かる。次に、100℃(高温)での実験結果について見ると、比較品1は、最も減音される音の周波数(以下、「最大消音周波数」という。)が55Hz付近まで低くなっているのに対し(図12参照)、実施品1は、最大消音周波数が75Hz付近のままになっている(図11参照)。以上のことから、実施品1は、比較品1に対して、23℃(常温)から温度が上昇したときの最大消音周波数のずれが小さいことが分かる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
13 壁孔
13A 第1露出孔
13B 第2露出孔
15 膜部材
20 消音器
22 シーソー部材
25 支持脚部
24 回動バー
31 第1ベースプレート(膜挟持部)
32 第2ベースプレート(膜挟持部)
Claims (4)
- ダクトのダクト壁を貫通する1対の壁孔と、
前記1対の壁孔を塞いだ状態に張られた1対の膜部材と、
前記ダクト壁に沿って延びると共に前記1対の膜部材の間で前記ダクト壁に対して回動可能に支持された回動バーと、前記回動バーの両端部から前記膜部材の膜厚方向に延びて前記1対の膜部材の中心部に連絡する1対の支持脚部とからなるシーソー部材と、を備えた消音器において、
前記ダクト壁に前記膜部材を挟んで固定する1対の膜挟持部を設けると共に、それら1対の膜挟持部に前記膜部材の中心部を露出させる1対の露出孔を形成して、それら1対の露出孔により前記壁孔を構成し、
前記回動バーのうち前記膜厚方向で前記膜部材に近い部位と遠い部位との間で熱による膨張及び収縮量を異ならせ、温度変化に伴う前記回動バーの曲げ変形によって前記支持脚部を前記膜厚方向に往復移動可能とし、
前記1対の露出孔の間で孔径を異ならせて、前記1対の膜挟持部のうち小径な前記露出孔を有する小径膜挟持部を、温度が上昇したときに前記支持脚部が移動する側に配置し、大径な前記露出孔を有する大径膜挟持部を、温度が低下したときに前記支持脚部が移動する側に配置したことを特徴とする消音器。 - 前記回動バーの断面形状をT字形状として、そのT字の幅狭な部位と幅広な部位との間で熱による膨張及び収縮量を異ならせたとしたことを特徴とする請求項1に記載の消音器。
- 前記支持脚部の長さは、常温で、前記膜部材を前記小径膜挟持部に押し付けた状態にする長さに設定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の消音器。
- 前記車両のエンジンの吸気経路に配置され、請求項1乃至3のうち何れか1の請求項に記載の消音器を備えたことを特徴とする車両用吸気ダクト。
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JP2014238935A JP6346074B2 (ja) | 2014-11-26 | 2014-11-26 | 消音器及び車両用吸気ダクト |
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