以下、本発明を具体化した一実施形態として、液体を噴射する液体噴射ヘッドを備え、被噴射媒体としての用紙(ロール紙)に、液体を噴射して文字や図形を含む画像等を形成(印刷)する液体噴射装置の一例としてのインクジェットプリンター(以降、単に「プリンター」)について、図を参照して説明する。
図1に示すように、プリンター11は、本体ケース12と、本体ケース12に対して供給される長尺シート状の用紙RPがロール状態で備えられる給紙部13と、を有している。本体ケース12内には、供給される用紙RPに対して液体を噴射して画像等を形成する液体噴射部15と、画像等が形成された用紙RPを本体ケース12に設けられた排紙口からカット紙CPとして排紙トレイ12aに排出する排紙部14と、が備えられている。
給紙部13は、本体ケース12に対して排紙部14とは反対側に、用紙RPを、ロール軸13aを中心に回動可能に備え、本体ケース12内へ用紙RPを供給する。本体ケース12内には、用紙RPの先端部分が案内されるガイド部材16aなどを備えた搬送路16が設けられている。ロール軸13aの回転に伴ってロール状態から巻き解かれて供給される用紙RPの先端部分はこの搬送路16に沿って搬送され、搬送路16に設けられた紙送りローラー17aと、紙送りローラー17aの回転に従動する紙押さえローラー17bとの一対のローラー間に送られる。用紙RPは、不図示の駆動源(モーター)によって駆動される紙送りローラー17aと紙押さえローラー17bとによって挟持されながら、搬送方向Y(図中白抜き矢印方向)の下流側に位置する液体噴射部15側へ搬送される。従って、本実施形態では、紙送りローラー17aと紙押さえローラー17bとが搬送部の一例として機能する。
液体噴射部15は、搬送される用紙RPの上側にキャリッジ18を備えている。なお本実施形態では、上下とは、プリンター11が水平面に置かれていることを前提とした場合の鉛直方向における上下を意味する(ただし、搬送方向Yにおける上流下流を除く)。キャリッジ18は、搬送方向Yと直交する用紙RPの幅方向(図1では紙面の手前側と奥側との間の方向)に沿って略水平方向に延びる状態で本体ケース12内に架設されたガイド軸(不図示)に支持され、そのガイド軸に沿って移動可能とされている。キャリッジ18には、搬送される用紙RPに対向する下面側に液体噴射ヘッド19が取り付けられている。液体噴射ヘッド19には、液体の一例であるインクを噴射する複数のノズル(不図示)が設けられ、キャリッジ18がガイド軸に案内されつつ用紙RPの幅方向に沿って往復移動することにより、キャリッジ18とともにガイド軸に沿う方向(主走査方向Xとも呼ぶ)に往復移動する。
また、プリンター11は、搬送される用紙RPを挟んで液体噴射ヘッド19と対向する位置に、用紙RPを下側から支持する支持部20を備えている。支持部20は、液体噴射ヘッド19と対峙する上面に主走査方向Xを長手方向とする略矩形形状の面を備え、支持部20に付与される負圧によって用紙RPをこの上面に吸引して支持する。
支持部20は、その上面が、搬送方向Yへ搬送される用紙RPを支持する媒体支持面SM(図2参照)として形成された略平板状の支持面形成部材21と、支持面形成部材21に対して、媒体支持面SMとは反対側となる下面側に連結固定された上方が開口する支持部枠部材22とを備えている。連結された支持面形成部材21と支持部枠部材22とによって内部空間が形成され、この内部空間は、用紙RPを媒体支持面SMに吸着させるための負圧が付与される負圧室60として機能する。支持部20や、その一部である支持面形成部材21は、プラテン等とも呼ばれる。
また、本実施形態では、負圧室60と連通するように接続され、負圧室60から空気を吸引する吸引室23aと回転ファン23bとからなる負圧発生部23が、支持部20の下側に設けられている。負圧発生部23には、吸引室23aにおいて、負圧室60と連通孔61を介して連通するとともに、回転ファン23b側へ通気口62を介して通気する室内空間23sが設けられている。従って、回転ファン23bの回転によって空気(大気)が図中二点鎖線の矢印Kで示したように流れることによって負圧発生部23に発生する負圧が、室内空間23sを介して負圧室60に付与される。そして、支持部20に吸着されて支持された用紙RPの表面(上面)に、液体噴射ヘッド19からインクが噴射されることで、インクの付着による画像等の形成(印刷)が用紙RPに対して行われる。
また、本体ケース12内には、支持部20(支持面形成部材21)よりも搬送方向Yの下流側に、用紙RPを支持部20側から排紙部14側へ搬送する案内板26および中間ローラー対27が備えられている。さらに、排紙口から用紙RPを排紙トレイ12aへ排出する排紙ローラー対28が備えられている。なお、中間ローラー対27と排紙ローラー対28との間には、画像形成後の用紙RPを所定長さのカット紙CPに切断するカッターや、カッターよりも搬送方向Yの下流側に、カット紙CPの印刷面に温風(乾燥風)を吹き付けてインクを乾燥させる乾燥装置などが必要に応じて設けられる。
さらに、プリンター11では、例えば、用紙RPを幅寸法の異なる別の用紙RPに交換する場合などにおいて、ロール軸13aを逆転させて用紙RPを液体噴射部15から搬送方向Yとは反対方向に戻すことが行われる。その際に、紙押さえローラー17bを紙送りローラー17aから離れるようにリリースするためのリリース機構25が、歯車列などによって備えられている。
また、本実施形態のプリンター11において縁なし印刷が行われる場合に支持部20(用紙外)に噴射されたインクが流れて排出される流路管24が、支持部20に設けられている。流路管24は、負圧室60とは連通しない流路である。本体ケース12内には、流路管24の下側に、流路管24から排出されるインクを受けて図示しない廃インクタンクへ流す樋形状部29aが設けられたインク誘導部材29が配設されている。
本実施形態では、搬送方向Yと直交する幅方向の寸法が異なる複数の用紙RPが支持部20へ搬送される。そして、搬送される用紙RPが媒体支持面SMに吸着される際に、用紙RPに対する前記幅方向における吸引力が、できるだけ均一化されるように構成されている。この構成について、図2を参照して説明する。
図2に示すように、支持部20は、上側が開口する略箱形状を呈する支持部枠部材22の開口周囲に設けられた複数の突起部位22aに対して、略平板状を呈する支持面形成部材21に設けられたフック形状部位21aが係合して、支持面形成部材21と支持部枠部材22とが連結固定されて形成される。
支持面形成部材21には、媒体支持面SMに開口し、支持される用紙RPから離れるように媒体支持面SMから下側へそれぞれ所定量凹んで形成された第1凹部Hm(m=1〜31)と第2凹部Fn(n=0〜8)とが、搬送方向Yと直交する幅方向に並んで複数設けられている。本実施形態では、幅寸法の異なる8種類の用紙RP(RP1〜RP8)のそれぞれの幅方向の端部に対応する位置に、縁なし印刷時に液体噴射ヘッド19から噴射されるインクを受容する9つの第2凹部Fn(F0〜F8)が所定の間隔を空けて設けられている。このうち搬送方向Yの上流側から見て最も左側に設けられた第2凹部F0は、支持部20に支持される用紙RPについて、左側のそれぞれの端部RPeが全て共通して対応する位置に設けられている。
本実施形態では、第1凹部Hmの開口における搬送方向Yの上流側の縁から、搬送方向Yの下流側に向かってリブ35(図3も適宜参照)が延設されている。このリブ35によって、第1凹部Hmの開口における搬送方向Yの上流側は、下流側よりも幅方向の幅寸法が小さく形成され、用紙RPは媒体支持面SMに安定して吸着される。リブ35は必ずしも設けられなくてもよい。
媒体支持面SMに設けられた第1凹部Hmには、その凹み形成部分において負圧室60と連通する吸引孔32が設けられ、第1凹部Hmは、この吸引孔32によって、負圧発生部23と負圧室60を介して連通する。また、第2凹部Fnは、用紙RPによって覆われる用紙RPの内側に隣り合う第1凹部Hmと、媒体支持面SMから所定量下がって形成された連通部31(図3も適宜参照)を介して連通している。第2凹部Fnの凹み形成部分に対して、負圧室60の負圧が第1凹部Hmと連通部31とを介して付与される。従って、用紙RPはその端部も含めて第1凹部Hmと第2凹部Fnによって吸引される。
本実施形態では、第2凹部F0は第1凹部H1と、第2凹部F1は第1凹部H15と、第2凹部F2は第1凹部H17と、それぞれ連通する。また、第2凹部F3は第1凹部H18と、第2凹部F4は第1凹部H22と、それぞれ連通する。さらに、第2凹部F5は第1凹部H23と、第2凹部F6は第1凹部H27と、第2凹部F7は第1凹部H31と、それぞれ連通する。第2凹部Fnは、凹み形成部分の底面の一部において、開口30を介して流路管24と連通している。
図2では省略しているが、第2凹部Fnには、縁なし印刷の際に用紙外に噴射されたインクを受けて吸収する吸収体40が収容される。吸収体40は、例えば、ポリプロピレンやポリエステルなどの合成繊維による不織布で形成されており、所定程度の撥水性を有する。吸収体40に噴射されたインクは、吸収体40に吸収されつつ流路管24側へ流れる。インクは、流路管24を流れることによって、流路管24の下側に配設されたインク誘導部材29に排出される。なお、媒体支持面SMにおいて、第1凹部Hmおよび第2凹部Fnよりも搬送方向Yの下流側の複数箇所に、吸引孔33が設けられてもよい。吸引孔33も、吸引孔32と同様に負圧室60と連通しており、用紙RPを媒体支持面SMへ吸着させる機能を果たす。
図3は、連通部31を介して連通する1組の第1凹部Hmおよび第2凹部Fnを含む媒体支持面SMの一部範囲を斜視図により示している。ここでは、連通する第1凹部Hmおよび第2凹部Fnの組み合わせとして、第1凹部H1および第2凹部F0を例示しているが、連通する第1凹部Hmおよび第2凹部Fnの組み合わせの全てにおいて、以下に述べる説明が同様に適用される。また、連通する1組の第1凹部Hmおよび第2凹部Fnを搬送方向Yから見たとき、第1凹部Hmが右側(第2凹部Fnが左側)であってもよいし、第1凹部Hmが左側(第2凹部Fnが右側)であってもよい。
図3に示すように、第1凹部Hmと第2凹部Fnは、媒体支持面SMと同じ高さのリブ34によって隔てられている。そして、連通部31は、リブ34の一部を、媒体支持面SMから所定量下げることにより形成されている。図3の例では、1組の第1凹部Hmと第2凹部Fnとを隔てるリブ34の2箇所に連通部31が形成されている。なお、リブ34は、隣り合っているが連通しない第1凹部Hmと第2凹部Fnとの間や、隣り合っているが連通しない第1凹部Hmと第1凹部Hm+1との間等にも存在するが、以下では特に断らない限り、リブ34とは連通部31が形成されたリブ34を意味する。
また図3に示すように、第2凹部Fnには吸収体40が収容されている。吸収体40は、略矩形の板状の部材である。吸収体40は、第2凹部Fnに収容されたとき、上面が、連通部31よりも下側に存在する。言い換えると、上下方向Zにおける吸収体40の厚みは、第2凹部Fnの底面から連通部31の底面までの距離よりも薄い。このような構成において、本実施形態では、吸収体40は、連通部31側に「切欠き」を有する。具体的には、吸収体40の外縁4辺のうち搬送方向Yに沿うリブ34側の1辺(第1辺42)に「切欠き」が形成される。図3の例では、第1辺42における連通部31に対応する位置に切欠き41が形成されている。リブ34には連通部31が2箇所形成されているため、切欠き41も第1辺42の2箇所に形成されている。
図4は、図3に示した吸収体40のみを斜視図により示している。図4は、図3に示した吸収体40を、上下方向Zに垂直な面内で180°回転させた状態を示している。図3,4の例では、切欠き41は、半円形状であり、かつ、吸収体40を上下方向Zに貫通している。本実施形態では、切欠き41の開口の幅W2(図4および後述の図5参照)は、連通部31の第2凹部Fn側の開口の幅W1(図3参照)と同じか、あるいは、当該幅W1よりも大きい構成とする。幅W1,W2はいずれも、搬送方向Yに沿った長さである。
このような本実施形態によれば、吸収体40の切欠き41の存在により、連通部31の第2凹部Fn側の開口と吸収体40との間に、一定以上の距離が確保される。そのため、吸収体40が受けたインクが、前記負圧により連通部31を通って第1凹部Hm側へ吸引されることが抑制される。より具体的には、連通部31の中心部付近内は前記負圧による吸引力がかなり強いが、前記確保された距離が有るため、吸収体40が受けたインクは、前記負圧を受けても液体の表面張力により切欠き41のエッジまでで留まり、連通部31側へ引き込まれない。その結果、第1凹部Hm内の吸引孔32や、吸引孔32に通じる負圧室60や負圧発生部23や、媒体支持面SMに吸着される用紙RPの裏面(下面)等が、吸収体40が受けたインクで汚れることが防止される。また、切欠き41の開口の幅W2を、連通部31の第2凹部Fn側の開口の幅W1と同じかそれ以上とすることで、確実に連通部31と吸収体40との距離が確保されるようにしている。
切欠き41の形状としては、図3,4に示したものに限られず、図5A,5B,5C等に例示した形状を採用可能である。例えば、切欠き41は、図5Aに示すように、第1辺42を矩形状に切欠かれたものであってもよいし、図5Bに示すように、第1辺42を三角形状に切欠かれたものであってもよい。ただし、連通部31近傍に位置する吸収体40を満遍なく連通部31の中心部から一定距離以上離し、かつ、インクを吸収するための吸収体40の体積をできるだけ減らさない、という視点に立てば、切欠き41は半円形状が一つの理想的な形であると言える。
図5Cは、吸収体40の第1辺42側を、第1辺42の全長に亘って切欠いた例を示している。図5Cでは切欠き41(切欠かれて除去された部分)を鎖線で示している。このような図5Cに示した吸収体40は、図3,4,5A,5Bそれぞれに示した吸収体40と比較して、主走査方向Xにおける幅を単に縮めただけとも言える。図5Cに示した吸収体40を採用する場合には、第2凹部Fn内において、吸収体40とリブ34との間に、切欠き41に相当する分の隙間が確保されるように吸収体40が第2凹部Fnに収容される。
吸収体40は、図6A,6B等に例示した形状であってもよい。切欠き41は、図6Aに示すように吸収体40を上下方向Zに貫通せず、下側(第2凹部Fnの底面に接する側)に、吸収体40の他の部位よりも薄い薄肉部43を有する(薄肉部43を残す)形状であってもよい。図6Aの例においては、切欠き41の開口の幅W2は、薄肉部43の幅であるとも言える。つまり、薄肉部43の幅W2は、連通部31の第2凹部Fn側の開口の幅W1(図3参照)と同じか、あるいは、当該幅W1よりも大きい。
図6Bは、薄肉部43を、吸収体40の第1辺42の全長に亘って形成した例を示している。図6Aや図6Bに示した吸収体40には、薄肉部43と吸収体40の他の部位との間に、上下方向Zの段差が設けられていると言える。むろん図6Bの例においては、薄肉部43の幅W2は、連通部31の第2凹部Fn側の開口の幅W1(図3参照)よりも大きい。このような図6Aや図6Bの例によれば、本実施形態にかかる吸収体40は、連通部31側に「薄肉部」を有すると言える。つまり、吸収体40の薄肉部43により、連通部31の第2凹部Fn側の開口と吸収体40との間に、一定以上の距離が確保される。そのため、吸収体40が受けたインクが、前記負圧により連通部31を通って第1凹部Hm側へ吸引されることが抑制され、上述したようなインクによる各所の汚れ発生が防止される。
さらに吸収体40は、図7A,7B,7C等に例示した形状であってもよい。図7Aは、吸収体40の上面の全体を、第1辺42側に向かって下る斜面44とした例を示している。図7Bは、インクを吸収するための吸収体40の体積をできるだけ減らさないという視点に立ち、吸収体40の上面の全体ではなく当該上面の一部範囲(第1辺42側の一部範囲)を、第1辺42側に向かって下る斜面44とした例を示している。このような図7A,7Bに示した斜面44を形成することで、吸収体40の厚みは、第1辺42側に向かって徐々に薄くなるため、吸収体40のうち第1辺42を含む一帯(例えば図7A,7Bにおいて斜線で示した範囲)は、吸収体40の他の部位よりも薄い薄肉部43であると言える。図7A,7Bの例では、薄肉部43は、吸収体40の他の部位と連続する斜面44を有しているため、吸収体40の他の部位との間に図6A,6Bの例のような明確な段差がある訳ではない。しかしながら、本実施形態による前記効果を奏する上では、薄肉部43と吸収体40の他の部位とが見た目で明確に区別できなくてもよい。
図7Cに例示した吸収体40は、図7Bと比較したとき、斜面44が下る方向とは反対側へ下る斜面45が更に形成されている点で異なる。つまり、吸収体40の上面は、斜面44および斜面45で構成されている。斜面45の面積は、斜面44の面積よりも広い。上述したように吸収体40は、ある程度の撥水性を有する。そのため、噴射されたインクは、吸収体40に接触した直後、吸収体40内に吸収される前に一部が吸収体40上を流れる場合がある。このような状況において、図7Cのように斜面45を設けておくと、吸収体40に噴射されたインクが吸収体40内に吸収される前に吸収体40上を流れる場合であっても、そのような流れるインクの殆どが斜面45によって第1辺42から遠ざかる方へ(つまり連通部31から遠ざかる方へ)流れる。そのため、吸収体40が受けたインクが第1凹部Hm側へ吸引されることが、より強く抑制される。なお、斜面44,45は、カーブした斜面であってもよい。
本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば後述するような変形例を採用可能である。各実施形態や変形例を適宜組み合わせた構成も、本発明の開示範囲に入る。
図8は、連通部31を介して連通する1組の第1凹部Hmおよび第2凹部Fnを含む媒体支持面SMの一部範囲を上側から見た平面図により示しており、本発明の一変形例に該当する。図8では、一例として図3,4に示した形状の切欠き41を有する吸収体40が第2凹部Fnに収容されている。ただし図8においては、吸収体40は、係止用凸部46を有している。係止用凸部46は、吸収体40の4辺の一部分を突出させてなる部位である。係止用凸部46の数や位置は種々採用可能であるが、図8の例では、吸収体40の第1辺42および第1辺42と反対側の辺である第2辺47にそれぞれ係止用凸部46が形成されている。
より具体的には、第1辺42における係止用凸部46は、第1辺42における2つの切欠き41,41の間に形成されている。一方、第2辺47における係止用凸部46は、吸収体40の中心を挟んで第1辺42の係止用凸部46と対称となる位置に形成されている。このような係止用凸部46は、吸収体40が第2凹部Fnに収容されるとき、支持面形成部材21に形成された係止用凹部36に挿入される。図8の例では、リブ34の第2凹部Fn側を向く側面に、第2凹部Fn側へ開口する係止用凹部36が形成されており、このリブ34に形成された係止用凹部36へ、第1辺42に形成された係止用凸部46が挿入されている。また図8の例では、第2凹部Fnを挟んでリブ34と反対側に在るリブ34Aの第2凹部Fn側を向く側面に、第2凹部Fn側へ開口する係止用凹部36が形成されており、このリブ34Aに形成された係止用凹部36へ、第2辺47に形成された係止用凸部46が挿入されている。なお図8の説明において、リブ34Aとは、連通部31が形成されていないリブ34を指すものとする。
当該変形例によれば、吸収体40は、第2凹部Fnに収容されたときに第2凹部Fnに対してしっかりと係止され、位置が固定される。従って、連通部31と切欠き41(あるいは薄肉部43)との間の隙間が確実に維持される。吸収体40が有する係止用凸部46は、第2凹部Fnに係止するための係止部の一例に該当する。ただし、係止部の具体的構成は、係止用凸部に限定されず、例えば、支持面形成部材21側に係止用凸部が形成され、吸収体40側に係止用凹部(係止部)が形成されるとしてもよい。むろん、第2凹部Fnに係止するための係止部は、図5〜7に例示した様々な形状の吸収体40に形成され得るものである。
被噴射媒体は用紙(ロール紙)に限るものでなく、金属板、樹脂板、布などを材料とするシート状部材であってもよい。液体噴射ヘッド19から噴射される液体で画像等の形成が可能な部材であれば、被噴射媒体として採用できる。
液体噴射ヘッド19は、噴射される液体が収容された液体収容容器がキャリッジ18上に搭載されるオンキャリッジタイプであってもよいし、液体収容容器がキャリッジ18上に搭載されないオフキャリッジタイプであってもよい。あるいは、キャリッジ18が主走査方向Xに移動するシリアル式のプリンターに限らず、液体噴射ヘッド19を固定したままで用紙RPの最大幅範囲の印字が可能なラインヘッド式のプリンターであってもよい。
これまでは液体噴射装置を、液体としてのインクを噴射するプリンター11として具体化したが、インク以外の他の液体を噴射したり吐出したりする液体噴射装置として具体化してもよい。微小量の液滴を吐出させる液体噴射ヘッド等を備える各種の液体噴射装置に流用可能である。なお、液滴とは、上記液体噴射装置から吐出される液体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう液体とは、液体噴射装置が噴射させることができるような材料であればよい。例えば、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状体、また物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなどを含む。また、液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。液体噴射装置の具体例としては、例えば液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルターの製造などに用いられる電極材や色材などの材料を分散又は溶解のかたちで含む液体を噴射する液体噴射装置がある。あるいは、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体噴射装置、捺染装置やマイクロディスペンサー等であってもよい。さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置を採用してもよい。そして、これらのうちいずれか一種の液体噴射装置に本発明を適用することができる。