JP6342703B2 - 自立基板の製造方法及び自立基板 - Google Patents

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Description

本発明は、自立基板の製造方法及び自立基板に関する。
下地基板(例:サファイア基板)上に窒化物半導体の層を成長させ、その後、下地基板から窒化物半導体の層を剥離することで自立基板(窒化物半導体の層)を製造する技術がある。当該技術の場合、窒化物半導体の層と下地基板との格子不整合や、熱膨張係数の違いに起因して、下地基板から剥離した自立基板(窒化物半導体の層)が反るという問題が発生し得る。
特許文献1には反りや残留歪みの少ない自立窒化物基板の製造方法が記載されている。
特開2008−74671号公報
特許文献1に記載の技術の場合、MBE法(Molecular Beam Epitaxy)を用いて極性を制御したZnOや窒化物からなるバッファー層を形成する必要があり、製造工程が複雑化する。本発明は、簡便な手段で、反りを低減した自立基板を提供することを課題とする。
本発明によれば、
ウルツ鉱型結晶構造を有する第1の窒化物半導体からなり、+c面からなる成長面が凹状に反った基板を準備する第1の工程と、
前記成長面上に、ウルツ鉱型結晶構造を有する第2の窒化物半導体からなる第1の層を形成する第2の工程と、
を含み、
前記第1の層を形成する前の前記第1の窒化物半導体のa軸方向の格子定数をx1とし、前記第2の窒化物半導体のa軸方向の格子定数をx2としたとき、x1<x2であり、
前記第2の工程では、炭素をドープされた前記第1の層を形成し、
前記第1の層における炭素の濃度(atms/cm )は、前記凹状に反った基板における炭素の濃度よりも高い自立基板の製造方法が提供される。
また、本発明によれば、
ウルツ鉱型結晶構造を有する第1の窒化物半導体からなる基板と、
前記基板の第1の面上に形成され、ウルツ鉱型結晶構造を有する第2の窒化物半導体からなる第1の層と、
を含み、
前記第1の面と表裏の関係にある前記基板の露出面近傍における前記第1の窒化物半導体の単位格子のa軸方向の格子定数をx3とし、
前記基板と接する面と表裏の関係にある前記第1の層の露出面近傍における前記第2の窒化物半導体の単位格子のa軸方向の格子定数をx4としたとき、x3<x4であり、
前記第1の層には炭素がドープされており、
前記第1の層における炭素の濃度(atms/cm )は、前記基板における炭素の濃度よりも高く、
曲率半径が4.5m以上である自立基板が提供される。
本発明によれば、簡便な工程で、反りを低減した自立基板を提供することができる。
本実施形態に係る自立基板の製造方法を説明するための図である。 基板の反りについて説明するための図である。 基板の反りについて説明するための図である。 基板の反りについて説明するための図である。 HVPE装置の構造を示す図である。 本実施形態の作用効果を説明するための図である。 実施例1で得られた基板と第1の層の積層体を示す平面図である。 実施例1で形成した第1の層における、炭素の含有濃度を測定した結果を示す図である。 基板に第1の層を形成することで反りが改善される事を示す図である。 第1の層に炭素をドープすることで、第1の層を構成する窒化物半導体の格子定数が拡大することを示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
図1は、第1の実施形態に係る自立基板の製造方法を説明するための図である。本実施形態の自立基板の製造方法は、ウルツ鉱型結晶構造を有する第1の窒化物半導体からなり、+c面からなる成長面が凹状に反った基板を準備する第1の工程と、当該成長面上に、ウルツ鉱型結晶構造を有する第2の窒化物半導体からなる第1の層を形成する第2の工程と、を含む。そして、第1の層を形成する前の第1の窒化物半導体のa軸方向の格子定数をx1とし、第1の層を構成する第2の窒化物半導体のa軸方向の格子定数をx2としたとき、x1<x2を満たす。本実施形態では、凹状に反った基板の成長面の直上に、上記特徴的な第1の層を形成することで、基板の成長面の凹状の反りを改善する。以下、詳細に説明する。
なお、第1の層を形成する前の第1の窒化物半導体のa軸方向の格子定数x1は、第1の層を形成する前の基板の露出面(凹状に沿った成長面)近傍における第1の窒化物半導体のa軸方向の格子定数の実測値である。第1の層を構成する第2の窒化物半導体のa軸方向の格子定数x2は、基板上に形成された第1の層の露出面(基板と接する面と表裏の関係にある面)近傍における第2の窒化物半導体のa軸方向の格子定数の実測値である。露出面表面近傍とは、露出面からの深さが15μm以内を意味する。
第1の工程では、図1(a)に示すように、ウルツ鉱型結晶構造を有する第1の窒化物半導体からなり、+c面からなる成長面が凹状に反った基板210を準備する。+c面からなる成長面が凹状に反った基板210は、「第1のc軸と、第1のc軸から離れている第2のc軸のペアの中の少なくとも一部のペアが、互いに平行でなく、かつ、+c面に向かうに連れて互いの間隔が狭くなっている基板」と定義される。+c面からなる成長面が凹状に反った基板210は、基板210の外形に反りが現れていてもよいし、外形に反りが現れていなくてもよい。結晶軸の傾き(第1のc軸と第2のc軸とのなす角)は、例えば、X線回折(XRD)により測定・算出することができる。以下、基板210の製造方法の一例、及び、+c面からなる成長面が凹状に反った基板210の具体例について説明する。
まず、基板210の製造方法の一例について説明する。最初に、下地基板を用意する。下地基板は異種基板(例:サファイア基板)とすることができる。この下地基板上に窒化物半導体を成長させ、その後、下地基板から窒化物半導体の層を剥離することで基板210を製造するが、下地基板から窒化物半導体の層を容易に剥離するため、これらの間に他の層を介在させてもよい。当該例では、下地基板上に、炭化物層を形成する。例えば、有機金属気相成長法(MOCVD法)により炭化アルミニウム層を形成しても良い。または、スパッタリング法により炭化チタン層を形成しても良い。次に、窒化ガス中で加熱することで炭化物層を窒化する。窒化ガスは、例えばアンモニアを用いることができる。
その後、窒化された炭化物層上に、例えばハイドライド気相成長法(HVPE法)を用いてIII族窒化物半導体層をエピタキシャル成長させる。III族窒化物半導体層は、例えば窒化ガリウム(GaN)の層である。III族窒化物半導体層の厚さは、取り扱い性の観点から、50μm以上であることが好ましい。
その後、下地基板、炭化物層、およびIII族窒化物半導体層で構成された積層体を、III族元素の液体に浸漬させた状態で熱処理し、III族窒化物半導体層から下地基板を剥離する。III族窒化物半導体層がGaNからなる場合、III族元素の液体はGaの液体である。その後、得られたIII族窒化物半導体層を含む基板をリン酸と硫酸の混合液で洗浄し、基板210とする。下地基板から剥離したIII族窒化物半導体層から一部を切出して(スライスして)、基板210としてもよい。なお、基板210を準備する方法は、ここで説明したものに限定されない。
次に、図2乃至図4を用いて、+c面からなる成長面が凹状に反った基板210の具体例について説明する。
上述の通り、+c面からなる成長面が凹状に反った基板210は、互いに離れている第1のc軸と第2のc軸のペアの中の少なくとも一部のペアが、互いに平行でなく、かつ、+c面に向かうに連れて互いの間隔が狭くなっている。結果、基板210の外形に反りが顕在化する場合がある。この場合、+c面からなる成長面(基板210の一方の表面)が凹状に反る。反りは、結晶成長段階での結晶軸の傾き、もしくは結晶軸が傾こうとする力に起因する。
まず、図2を用いて第1の具体例について説明する。図2(a)は、下地基板(例:サファイア基板)501上に基板210となるIII族窒化物半導体層502aを成長させた状態の断面図である。なお、図示していないが、上述の通り、下地基板(例:サファイア基板)501とIII族窒化物半導体層502aの間に他の層を介在させてもよい(以下同様)。図中、+c面に向かうc軸方向を点線の矢印で示している(以下同様)。
図2(b)はIII族窒化物半導体層503a(基板210)の断面図である。III族窒化物半導体層503aは、下地基板501から剥離されたIII族窒化物半導体層502a(図2参照)であり、外形が変形したものである。
剥離前の図2(a)の状態では、互いに離れている第1のc軸と第2のc軸のペアは、互いに略平行である。しかし、剥離後には図2(b)のように、第1のc軸と第2のc軸のペアの中の少なくとも一部のペアが、互いに平行でなく、かつ、+c面に向かうに連れて互いの間隔が狭くなる。結果、III族窒化物半導体層503a(基板210)の外形に反りが顕在化する。この理由は明らかではないが、積層したIII族窒化物半導体層502aには残留応力が存在していたり、転位が存在していたりするためであると考えられる。
次に、図3を用いて第2の具体例について説明する。図3(a)は、下地基板(例:サファイア基板)501上に基板210となるIII族窒化物半導体層を厚膜成長させた後、下地基板501を除去した後のIII族窒化物半導体層504を示す断面図である。例えば、厚膜成長したIII族窒化物半導体層から一部を切り出し、基板210とする。図3(a)に示すように、第1のc軸と第2のc軸のペアの中の少なくとも一部のペアが、互いに平行でなく、かつ、+c面に向かうに連れて互いの間隔が狭くなっている。
図3(b)は、厚膜成長したIII族窒化物半導体層504から切り出されたIII族窒化物半導体層503bの断面図である。切り出し方を図3(a)において点線で示している。当該例では、厚膜成長したIII族窒化物半導体層504から切り出されたIII族窒化物半導体層503bを、基板210とする。図3(b)のIII族窒化物半導体層503b(基板210)は、外形に反りが顕在化していない。しかし、第1のc軸と第2のc軸のペアの中の少なくとも一部のペアが、互いに平行でなく、かつ、+c面に向かうに連れて互いの間隔が狭くなっている。本実施形態の定義によれば、図3(b)に示す状態も+c面からなる成長面が凹状に反った状態となる。
なお、図3(c)に示すように、厚膜成長したIII族窒化物半導体層504から切り出されたIII族窒化物半導体層503cは、外形に反りが顕在化する場合もある。当然、このような状態も、+c面からなる成長面が凹状に反った状態となる。この場合、切り出したIII族窒化物半導体層503cのc軸の傾き(第1のc軸と第2のc軸のなす角)は、厚膜成長したIII族窒化物半導体層504のc軸の傾き(第1のc軸と第2のc軸のなす角)よりも大きくなる。
次に、図4を用いて第3の具体例について説明する。図4(a)は、下地基板(例:サファイア基板)501上に基板210となるIII族窒化物半導体層502bを成長させた状態の断面図である。図示するように、下地基板501から剥離する前に、すでに、+c面からなる成長面505が凹状に沿った状態となる場合がある。図示する例では、第1のc軸と第2のc軸のペアの中の少なくとも一部のペアが、互いに平行でなく、かつ、+c面に向かうに連れて互いの間隔が狭くなっている。結果、III族窒化物半導体層502bの外形(成長面505)に反りが顕在化している。本実施形態の定義によれば、図4(a)に示す状態も+c面からなる成長面が凹状に反った状態となる。
図4(b)はIII族窒化物半導体層503dの断面図であり、図4(a)の下地基板501から剥離されたIII族窒化物半導体層502b(基板210)が変形した後の様子を示す。この場合、下地基板501から剥離した後のIII族窒化物半導体層503dのc軸の傾き(第1のc軸と第2のc軸のなす角)は、下地基板501から剥離する前のIII族窒化物半導体層502bのc軸の傾き(第1のc軸と第2のc軸のなす角)よりも大きくなる。結果、外形に現れる反りも大きくなる。本実施形態の定義によれば、図4(b)に示す状態も+c面からなる成長面が凹状に反った状態となる。
次に、基板210の+c面からなる成長面上に、ウルツ鉱型結晶構造を有する第2の窒化物半導体からなる第1の層220を形成する第2の工程について説明する。
本実施形態では、第1の層220を形成する前の第1の窒化物半導体のa軸方向の格子定数をx1とし、第1の層220を構成する第2の窒化物半導体のa軸方向の格子定数をx2としたとき、x1<x2を満たすように、第1の層220を形成する。x1及びx2の定義は、上述の通りである。ここでは、このような第1の層220を形成する手段として、以下の(1)及び(2)の条件を満たすように第1の層220を形成する例を説明する。なお、その他の手段で第1の層220を形成してもよい。
(1)基板210を構成する第1の窒化物半導体と、第1の層220を構成する第2の窒化物半導体とは、同一組成の半導体である。
(2)第2の工程では、窒化物半導体からなる層にドープすると当該窒化物半導体のa軸方向の格子定数が拡大する元素を不純物としてドープされた第1の層220を形成し、第1の層220における当該元素の濃度(atms/cm)は、基板210における当該元素の濃度よりも高い。当該工程で不純物としてドープされる元素としては、第1の層220中におけるGa位置あるいはN位置を置換し、共有結合半径が長く、実用できる(危険でない)あらゆる元素が該当し、例えば、C、Mg、P、S、Cl、Ca、Ti、V、As、Se、Sr、Zr、Nb、Ag、Sn、Te、I、Ba、Hf、W、Bi等を例示できる。
以下の実施例で示すが、本発明者らは、上記(1)及び(2)の条件を満たすように第1の層220を形成した場合、上記「x1<x2」の関係が満たされることを確認している。そして、本発明者らは、上記「x1<x2」の関係を満たすように第1の層220を形成した場合、基板210の+c面からなる成長面505の凹状の反りが改善することを確認している。
このような第1の層220は、例えば、MOCVD法又はHVPE法により形成できる。以下、各々を利用した一例について説明する。
MOCVD法の場合、基板210をMOCVD装置内に取り付け、III族原料ガスおよび窒素原料ガスをキャリアガスと共に基板210表面へ供給することで、基板210上へ第1の層220を形成する。基板210の温度は例えば500℃に維持しておく。キャリアガスは窒素(N)ガスや水素(H)ガスである。例えば、III族原料ガスとしてトリメチルガリウム(Ga(CH、TMG)もしくはトリエチルガリウム(Ga(C、TEG)を、窒素原料ガスとしてアンモニア(NH)ガスを用いれば、ウルツ鉱型結晶構造を有する窒化物半導体(例:GaN)からなる第1の層220を形成することができる。
第1の層220を形成する際に、III族原料ガスから分解したメチル基もしくはエチル基と、キャリアガスとしての水素(H)もしくはアンモニアから分解した水素(H)とから、メタン(CH)やエタン(C)が生成される。このように生成されたメタンやエタンを利用して、第1の層220に炭素を不純物として導入することができる。第1の層220を形成する際に、基板210の温度およびIII族原料ガスの供給量を調整することで、第1の層220に含有させる濃度を制御しつつ炭素を導入できる。
次に、HVPE法を利用する例について説明する。図5は、本実施形態に係る自立基板の製造に用いるHVPE装置100の構造を示す図である。
HVPE装置100は反応管121、基板ホルダ123、III族ガス供給部139、窒素原料ガス供給部137、ドーピングガス供給管125、ガス排出管135、第1のヒータ129および第2のヒータ130を備える。基板ホルダ123は反応管121内に設けられている。III族ガス供給部139は、III族原料ガスを反応管121内のうち基板ホルダ123を含む成長領域122に供給する。窒素原料ガス供給部137は、窒素原料ガスを成長領域122に供給する。ドーピングガス供給管125は、ドーピングガスを成長領域122に供給する。ガス排出管135は、反応管121内のガスを排出する。
HVPE装置100では、基板ホルダ123に保持された基板133上に、III族窒化物半導体層を成長させる。基板ホルダ123は回転軸132に取り付けられており、回転自在となっている。
反応管121には、第1のガス供給管124および第2のガス供給管126が接続され、第1のガス供給管124の供給口と第2のガス供給管126の供給口の間には遮蔽板136が設けられている。以後、反応管121のうち、第1のガス供給管124、ドーピングガス供給管125、および第2のガス供給管126の供給口に近い側を上流側と呼び、ガス排出管135に近い側を下流側と呼ぶ。遮蔽板136は反応管121の上流側の空間を上層と下層のふたつの層に分離している。当該下層の領域には、ソースボート128が備えられており、ソースボート128にはIII族原料127が保持されている。第1のガス供給管124および第2のガス供給管126から供給されるガスは、必要に応じて反応管121内をパージするパージガスに切り替えることができる。パージガスは例えば窒素(N)ガスである。
第1のガス供給管124からは反応管121内へ窒素原料ガスがキャリアガスと共に供給される。第2のガス供給管126からは反応管121内へハロゲン含有ガスがキャリアガスと共に供給される。ドーピングガス供給管125からは反応管121内へドーピングガスが供給される。キャリアガスは例えば窒素(N)ガスや水素(H)ガスである。
窒素原料ガス供給部137は、第1のガス供給管124と、反応管121のうち遮蔽板136より上層の領域(ドーピングガス供給管125およびその内部を除く)とを含む。III族ガス供給部139は、第2のガス供給管126、ソースボート128、III族原料127、および反応管121のうち遮蔽板136より下層の領域を含む。窒素原料ガス供給部137およびIII族ガス供給部139の周囲には第1のヒータ129が配置されている。
第1のガス供給管124から供給された窒素原料ガスは窒素原料ガス供給部137中を下流に向かって通過し、基板133表面に供給される。その際、窒素原料ガス供給部137内は第1のヒータ129から加えられる熱により、例えば800℃以上900℃以下の温度に維持されている。この熱により、窒素原料ガス供給部137では窒素原料ガスの分解が促進される。
III族ガス供給部139では、第2のガス供給管126から供給されたハロゲン含有ガスとソースボート128に保持されたIII族原料127とから、III族原料ガスが生成される。生成されたIII族原料ガスは、基板ホルダ123に保持された基板133の表面に供給される。その際、III族ガス供給部139内は第1のヒータ129から加えられる熱により、例えば800℃以上900℃以下の温度に維持されている。第2のガス供給管126から供給されたハロゲン含有ガスは、III族ガス供給部139中を下流に向かって通過する際、ソースボート128中に保持されたIII族原料127の表面または揮発したIII族原料127と接触する。そして、III族原料ガスが生成される。
反応管121のうち、窒素原料ガス供給部137およびIII族ガス供給部139の下流側に位置する成長領域122には、基板133を保持した基板ホルダ123が配置されている。成長領域122には、窒素原料ガス供給部137から窒素原料ガスが供給され、III族ガス供給部139からIII族原料ガスが供給される。そして、この基板133上にIII族窒化物半導体層が形成される。成長領域122の周囲には第2のヒータ130が配置されており、必要に応じて成長領域122に熱を加える。III族窒化物半導体層を形成する間、基板ホルダ123を、回転軸132を軸として回転させることで、基板133の面内で均一な層を得ることができる。
HVPE法を利用する場合、まず、基板210をHVPE装置100の基板ホルダ123に取り付け、基板210上に第1の層220を形成する。ここでは、GaNからなる第1の層220を形成する例を説明するが、第1の層220は、ウルツ鉱型結晶構造を有する窒化物半導体からなればよく、これに限定されない。第1の層220は、ドーパントとして炭素を含む化合物を原料ガスと共に導入しながら形成する。
窒素原料ガスとしてアンモニア(NH)を、III族原料127としてガリウム(Ga)を、ハロゲン含有ガスとして塩化水素(HCl)を、ドーピングガスとして例えばメタン(CH)、エタン(C)、プロパン(C)、エチレン(C)等の炭化水素系化合物を用いることができる。この場合、第1の層220として、炭素を不純物として含むGaN層が形成される。第1の層220を形成する際、成長領域122の温度は、例えば1000〜1200℃程度の温度に維持する。
MOCVD法又はHVPE法等により形成される第1の層220の厚さは、15μm以上、好ましくは50μm以上である。また、第1の層220の最上面近傍の炭素の濃度は5×1018atoms/cm以上、好ましくは1×1020atoms/cm以上である。第1の層220における最上面近傍の炭素の濃度は1×1021atoms/cm以下、好ましくは5×1020atoms/cm以下である。
本実施形態は、基板210の上に第1の層220を形成した後、図1(b)に示すように、第1の層220の上にさらに、第3の窒化物半導体からなる第2の層230を形成する第3の工程を有してもよい。本実施形態では、第2の層230をHVPE法により形成する。ここでは、第2の層230がGaNからなり、第2の層230にn型不純物としてSiを添加する例について説明する。ただし、これに限定されるものではない。
HVPE装置100の基板ホルダ123に第1の層220を形成した基板210を取り付ける。窒素原料ガスとしてアンモニア(NH)を、III族原料127としてガリウム(Ga)を、ハロゲン含有ガスとして塩化水素(HCl)を、ドーピングガスとしてジクロロシラン(SiHCl)もしくはモノシラン(SiH)を用いて第2の層230を形成する。ハロゲン含有ガスがHClであり、III族原料127がGaである場合、III族ガス供給部139ではガリウム塩化物(GaCl)を含むIII族原料ガスが生成され、成長領域122へ供給される。そして、第1の層220上にGaNから成る第2の層230が形成される。
第2の層230を形成する際、成長領域122の温度は例えば1000〜1200℃程度の温度に維持する。このとき、基板210を除去した後の取り扱い性の観点から、第2の層230を50μm以上の厚さで形成することが好ましく、500μm以上の厚さで形成することがより好ましい。なお、本実施形態では、第2の層230がn型不純物を含む層である例について説明したが、アンドープ(un−dope)層とすることもできるし、p型不純物を含む層とすることもできる。例えば、第2の層230をGaNとする場合、Mg、Znなどをp型不純物として含有させることができる。
なお、第1の層220をHVPE装置100で形成する場合、第1の層220を形成後、ドーピングガスのみを炭素含有ガスからn型不純物を含有するガスに切り替えれば、第1の層220の形成後、連続的に、n型不純物を含む第2の層230を形成することができる。n型不純物を含むガスは、例えばジクロロシラン(SiHCl)もしくはモノシラン(SiH)を用いることができる。
本実施形態では、第2の層230を形成する工程の後に、基板210を除去する工程をさらに含んでもよい。ここでは、基板210を除去する工程において、第2の層230以外の層を除去する例について説明する。
図1(b)のように基板210、第1の層220および第2の層230から成る積層体の基板210側の表面を研磨し、基板210および第1の層220を除去することで、図1(c)のように第2の層230からなる自立基板を作製することができる。
本実施形態の変形例として、第1の層220と第2の層230との間や、第2の層230の上にさらに他の層をエピタキシャル成長させて形成しても良い。
本実施形態では、基板210を除去する工程において、第2の層230以外の層を除去する例について説明したが、基板210のみを除去し、第1の層220と第2の層230からなる自立基板を作製することもできる。その場合、第1の層220は、自立基板をもとに作製するデバイスにおいて高抵抗層として機能する。
基板210、第1の層220、および第2の層230はいずれも同じ窒化物半導体からなることが好ましい。格子定数や熱膨張率の違いが小さいため、結晶性の良い層が形成できるためである。例えば、基板210、第1の層220、および第2の層230はいずれもGaNからなることが好ましい。
次に、本実施形態の作用および効果について説明する。本実施形態では、+c面からなる成長面が凹状に沿った基板210上に、上述した「x1<x2」の条件を満たす第1の層220を形成することで、基板210の反りを改善する。以下、本発明者らが推測した原理を説明する。
図6に、基板210と第1の層220の界面の一部の状態を模式的に示す。図中、炭素原子がドープされている上半分が第1の層220であり、残りの下半分が基板210である。
第1の層220は、炭素原子の存在により、a軸方向の格子定数が拡張している。このため、第1の層220を構成する窒化物半導体のa軸方向の格子定数x2は、基板210を構成する窒化物半導体のa軸方向の格子定数x1よりも大きくなっている(x1<x2)。
しかし、図示する第1の層220と基板210の界面付近においては、第1の層220を構成する窒化物半導体のa軸方向の格子定数x2が圧縮され、かつ、基板210を構成する窒化物半導体のa軸方向の格子定数x1が引っ張られることで、互いの格子定数が揃った状態となっている。このような第1の層220には、a軸方向の格子定数が大きくなる方向の応力が生じる。また、基板210には、a軸方向の格子定数が小さくなる方向の応力が生じる。これらの応力に起因して、第1のc軸と第2のc軸のペアの中の少なくとも一部のペアが、+c面に向かうに連れて互いの間隔が広くなるよう変化する。結果、基板210及び第1の層220の外形に、第1の層220側が凸になる方向の変形が顕在化すると考えられる。
以上、説明した本実施形態の自立基板の製造方法によれば、以下の自立基板が実現される。
ウルツ鉱型結晶構造を有する第1の窒化物半導体からなる基板と、
前記基板の第1の面上に形成され、ウルツ鉱型結晶構造を有する第2の窒化物半導体からなる第1の層と、
を含み、
前記第1の面と表裏の関係にある前記基板の露出面近傍における前記第1の窒化物半導体の単位格子のa軸方向の格子定数をx3とし、
前記基板と接する面と表裏の関係にある前記第1の層の露出面近傍における前記第2の窒化物半導体の単位格子のa軸方向の格子定数をx4としたとき、x3<x4であり、
前記基板の曲率半径は、4.5m以上である自立基板。
露出面表面近傍とは、露出面からの深さが15μm以内を意味する。上記基板の曲率半径は、以下の実施例で説明する「第1の層220を形成した後の基板210の曲率半径」に該当する。なお、第1の窒化物半導体と第2の窒化物半導体とは、同一組成の窒化物半導体(例:いずれもGaN)であってもよい。
次に、本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
基板210をMOCVD装置内に取り付け、第1の層220を形成した。基板210は直径φ50mmのGaN自立基板とした。準備した基板210は、外形に反りが現れる態様で、+c面からなる成長面が凹状に反っていた。III族原料ガスとしてTMGを、窒素原料ガスとしてアンモニア(NH)ガスを、キャリアガスとしてHおよびNを用い、GaNからなる第1の層220を基板210の成長面上に形成した。また、III族原料ガスとして用いたTMGから分解して生成されたメタン(CH)、エタン(C)を用い、第1の層220に不純物として炭素を含有させた。この際、成長温度を基板面内で分布を持つように温度バランス設定をすることにより、含有する炭素の濃度が第1の層220の面内で不均一な分布を持つように形成した。
第1の層220の成長条件として、成長温度は900℃、TMGの供給量は500sccm、NHガスの供給量は5slm、キャリアガスの供給量はHについて13.5slm、Nについて1.5slmとし、基板210上に厚さ15μmの第1の層220を形成した。
図7は、本実施例で得られた基板210と第1の層220の積層体を示す平面図である。本図の右向き方向をx軸方向、上向き方向をy軸方向と定義する。図より、+x方向および+y方向に向かって色が濃く、すなわち炭素の濃度が高くなっていることが分かる。
図8は、SIMS(Secondary Ion Mass Spectrometry)により、図7に示した積層体の面内の3点について、第1の層220における炭素(C)の含有濃度を測定した結果である。水素(H)、酸素(O)、珪素(Si)の含有濃度、二次イオン強度も合わせて示している。横軸は第1の層220の表面からの深さ、縦軸は各元素の濃度もしくは二次イオン強度を示している。
第1の層220の表面近傍の炭素濃度は、(x,y)=(−20,0)の位置において5×1019atoms/cm、(x,y)=(0,0)の位置において9×1019atoms/cm、(x,y)=(20,0)の位置において3×1020atoms/cmであった。よって、この結果からも、+x方向に向かって炭素の濃度が高くなっていることが分かる。なお、SIMS測定において、試料の露出した表面近傍では、測定値が凹凸や吸着物などの影響を受ける。そのため、本測定における各元素の濃度は、数値が一定になっている部分の値を最上面近傍の濃度として読み取った。なお、基板210の炭素濃度は、第1の層220より小さかった。
第1の層220を形成する前の基板210の曲率半径はx軸方向に2.25mであり、y軸方向に2.85mであった。一方、第1の層220を形成した後の基板210の曲率半径、つまり基板210と第1の層220の積層体の曲率半径はx軸方向に4.99mであり、y軸方向に11.02mであった。
ここで、「第1の層220を形成する前の基板210の曲率半径」は、以下のように算出される値と定義する。まず、基板210の表面の略中心位置(第1の位置)と、当該第1の位置から10mm離れた第2の位置を定める。その後、XRDにより、第1の位置のc軸と第2の位置のc軸とのなす角を算出する。そして、このなす角と、第1及び第2の位置の距離(10mm)に基づいて、第1及び第2の位置を円周上に含む第1の円の半径を算出する。また、同様にして、基板210の表面の略中心位置(第1の位置)と、当該第1の位置から20mm離れた第3の位置を円周上に含む第2の円の半径を算出する。そして、第1の円の半径と第2の円の半径の平均値を、第1の層220を形成する前の基板210の曲率半径とする。
また、「第1の層220を形成した後の基板210の曲率半径」は、以下のように算出される値と定義する。まず、第1の層220の表面の略中心位置(第1´の位置)と、当該第1´の位置から10mm離れた第2´の位置を定める。その後、XRDにより、第1´の位置のc軸と第2´の位置のc軸とのなす角を算出する。そして、このなす角と、第1´及び第2´の位置の距離(10mm)に基づいて、第1´及び第2´の位置を円周上に含む第1´の円の半径を算出する。また、同様にして、第1の層220の表面の略中心位置(第1´の位置)と、当該第1´の位置から20mm離れた第3´の位置を円周上に含む第2´の円の半径を算出する。そして、第1´の円の半径と第2´の円の半径の平均値を算出する。そして、この平均値に、第1の層220の厚さを加えた値を、第1の層220を形成した後の基板210の曲率半径とする。
上記結果より、第1の層220を形成することにより基板210の曲率半径が大きくなっており、基板210の反りが低減できたことが分かる。
図9は、第1の層220を形成する前の基板210と、第1の層220を形成した後の基板210(積層体)の中心からの位置と反り量(外形的な反りの量)との関係を示した図である。「X形成前」は第1の層220を形成する前の基板210のx軸方向の反りを示し、「Y形成前」は第1の層220を形成する前の基板210のy軸方向の反りを示す。そして、「X形成後」は第1の層220を形成した後の基板210(積層体)のx軸方向の反りを示し、「Y形成後」は第1の層220を形成した後の基板210(積層体)のy軸方向の反りを示す。反り量は、XRDによって測定、算出した。図9から、x軸方向においてもy軸方向においても、第1の層220を形成することで、反りが改善していることが分かる。また、図9から、x軸方向においてもy軸方向においても、炭素の濃度が高い領域で、反り量がより小さくなっていることが分かる。
(実施例2)
基板210をHVPE装置100(図5参照)の基板ホルダ123に取り付け、第1の層220を形成した。基板210は直径2インチのGaN自立基板とした。準備した基板210は、+c面からなる成長面が凹状に反っていた。ハロゲン含有ガスとして塩化水素(HCl)ガスを、III族原料としてGaを、窒素原料ガスとしてアンモニア(NH)ガスを、キャリアガスとしてHを用い、GaNからなる第1の層220を形成した。ドーピングガスとしてメタン(CH)を用い、第1の層220に不純物として炭素を含有させた。
第1の層220の成長条件として、成長温度は1040℃、HClガスの供給量は400cc/min、NHガスの供給量は1L/min、CHガスの供給量は50cc/min、キャリアガスの供給量は17.7L/minとし、基板210上に厚さ20μmの第1の層220を形成した。
形成した第1の層220の最上面近傍について、SIMS分析により含有する炭素の濃度を測定したところ、3.0×1019atoms/cmであった。基板210の炭素濃度は、第1の層220より小さかった。また、X線回折法における(0004)ロッキングカーブの半値幅は第1の層220の面内平均で56arcsecであり、良好な結晶性を有することが分かった。
第1の層220を形成する前の基板210の曲率半径は4.2mであった。そして、第1の層220を形成した後の基板210の曲率半径は5.7mであった。曲率半径は実施例1と同様の手法で算出した。このように、第1の層220を形成することにより、曲率半径が大きくなっており、基板210の反りが低減できたことが分かる。
本実施例により、HVPE法で基板210上に第1の層220を形成することによって基板210の反りが低減することが確認できた。
(実施例3)
実施例1及び2と同様の手法で、GaNからなる基板210上に同じくGaNからなる第1の層220を形成した複数の積層体を形成した。なお、第1の層220を形成する際の成長条件を調整することで、各積層体が有する第1の層220にドープされた炭素の濃度を互いに異ならせた。
図10に、複数の積層体各々の第1の層220のa軸格子定数及びc軸格子定数を示す。「M−1」、「M−2」、「M−3」、「M−4」は、MOCVDで第1の層220を形成したサンプルである。「H−1」、「H−2」、「H−3」は、HVPEで第1の層220を形成したサンプルである。炭素の濃度はSIMSにより測定し、格子定数は(10−15)の逆格子マッピング測定手段を用いて第1の層220のサンプルの中心部の表面を測定した。炭素ドープ等の処理を施していないGaNのa軸格子定数は3.189Åであり、c軸格子定数は5.185Åであるので、図10より、炭素ドープによりGaNのa軸格子定数及びc軸格子定数が拡大していることが分かる。
本願発明者らは、炭素に代えて、Mg、P、S、Cl、Ca、Ti、V、As、Se、Sr、Zr、Nb、Ag、Sn、Te、I、Ba、Hf、W、Bi等を利用した場合も、同様の結果が得られることを確認している。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下、参考形態の例を付記する。
1. ウルツ鉱型結晶構造を有する第1の窒化物半導体からなり、+c面からなる成長面が凹状に反った基板を準備する第1の工程と、
前記成長面上に、ウルツ鉱型結晶構造を有する第2の窒化物半導体からなる第1の層を形成する第2の工程と、
を含み、
前記第1の層を形成する前の前記第1の窒化物半導体のa軸方向の格子定数をx1とし、
前記第2の窒化物半導体のa軸方向の格子定数をx2としたとき、
x1<x2
である、自立基板の製造方法。
2. 1に記載の自立基板の製造方法において、
前記第1の窒化物半導体と、前記第2の窒化物半導体とは、同一組成の半導体である自立基板の製造方法。
3. 1または2に記載の自立基板の製造方法において、
前記第2の工程では、窒化物半導体からなる層にドープすると当該窒化物半導体のa軸方向の格子定数が拡大する元素を不純物としてドープされた前記第1の層を形成し、
前記第1の層における前記元素の濃度(atms/cm)は、前記基板における前記元素の濃度よりも高い自立基板の製造方法。
4. 3に記載の自立基板の製造方法において、
前記元素は、C、Mg、P、S、Cl、Ca、Ti、V、As、Se、Sr、Zr、Nb、Ag、Sn、Te、I、Ba、Hf、W、Biの中のいずれかを含む自立基板の製造方法。
5. 1から4のいずれかに記載の自立基板の製造方法において、
前記第2の工程の後、前記第1の層の上に、第3の窒化物半導体からなる第2の層を形成する第3の工程をさらに含む自立基板の製造方法。
6. ウルツ鉱型結晶構造を有する第1の窒化物半導体からなる基板と、
前記基板の第1の面上に形成され、ウルツ鉱型結晶構造を有する第2の窒化物半導体からなる第1の層と、
を含み、
前記第1の面と表裏の関係にある前記基板の露出面近傍における前記第1の窒化物半導体の単位格子のa軸方向の格子定数をx3とし、
前記基板と接する面と表裏の関係にある前記第1の層の露出面近傍における前記第2の窒化物半導体の単位格子のa軸方向の格子定数をx4としたとき、x3<x4であり、
前記基板の曲率半径は、4.5m以上である自立基板。
7. 6に記載の自立基板において、
前記第1の窒化物半導体と、前記第2の窒化物半導体とは、同一組成の半導体である自立基板。
100 HVPE装置
121 反応管
122 成長領域
123 基板ホルダ
124 第1のガス供給管
125 ドーピングガス供給管
126 第2のガス供給管
127 III族原料
128 ソースボート
129 第1のヒータ
130 第2のヒータ
132 回転軸
133 基板
135 ガス排出管
136 遮蔽板
137 窒素原料ガス供給部
139 III族ガス供給部
210 基板
220 第1の層
230 第2の層
501 下地基板
502a III族窒化物半導体層
502b III族窒化物半導体層
503a III族窒化物半導体層
503b III族窒化物半導体層
503c III族窒化物半導体層
503d III族窒化物半導体層
504 III族窒化物半導体層
505 成長面

Claims (7)

  1. ウルツ鉱型結晶構造を有する第1の窒化物半導体からなり、+c面からなる成長面が凹状に反った基板を準備する第1の工程と、
    前記成長面上に、ウルツ鉱型結晶構造を有する第2の窒化物半導体からなる第1の層を形成する第2の工程と、
    を含み、
    前記第1の層を形成する前の前記第1の窒化物半導体のa軸方向の格子定数をx1とし、前記第2の窒化物半導体のa軸方向の格子定数をx2としたとき、x1<x2であり、
    前記第2の工程では、炭素をドープされた前記第1の層を形成し、
    前記第1の層における炭素の濃度(atms/cm )は、前記凹状に反った基板における炭素の濃度よりも高い自立基板の製造方法。
  2. 請求項1に記載の自立基板の製造方法において、
    前記第1の層における炭素の濃度は、5×10 18 atoms/cm 以上、1×10 21 atoms/cm 以下である自立基板の製造方法
  3. 請求項1又は2に記載の自立基板の製造方法において、
    前記第1の窒化物半導体と、前記第2の窒化物半導体とは、同一組成の半導体である自立基板の製造方法。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の自立基板の製造方法において、
    前記第2の工程の後、前記第1の層の上に、第3の窒化物半導体からなる第2の層を形成する第3の工程をさらに含む自立基板の製造方法。
  5. ウルツ鉱型結晶構造を有する第1の窒化物半導体からなる基板と、
    前記基板の第1の面上に形成され、ウルツ鉱型結晶構造を有する第2の窒化物半導体からなる第1の層と、
    を含み、
    前記第1の面と表裏の関係にある前記基板の露出面近傍における前記第1の窒化物半導体の単位格子のa軸方向の格子定数をx3とし、
    前記基板と接する面と表裏の関係にある前記第1の層の露出面近傍における前記第2の窒化物半導体の単位格子のa軸方向の格子定数をx4としたとき、x3<x4であり、
    前記第1の層には炭素がドープされており、
    前記第1の層における炭素の濃度(atms/cm )は、前記基板における炭素の濃度よりも高く、
    曲率半径が4.5m以上である自立基板。
  6. 請求項5に記載の自立基板において、
    前記第1の層における炭素の濃度は、5×10 18 atoms/cm 以上、1×10 21 atoms/cm 以下である自立基板
  7. 請求項5又は6に記載の自立基板において、
    前記第1の窒化物半導体と、前記第2の窒化物半導体とは、同一組成の半導体である自立基板。
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