JP6341747B2 - 画像処理装置、画像処理方法、およびプログラム - Google Patents

画像処理装置、画像処理方法、およびプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP6341747B2
JP6341747B2 JP2014093609A JP2014093609A JP6341747B2 JP 6341747 B2 JP6341747 B2 JP 6341747B2 JP 2014093609 A JP2014093609 A JP 2014093609A JP 2014093609 A JP2014093609 A JP 2014093609A JP 6341747 B2 JP6341747 B2 JP 6341747B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
density
image
dot
image data
halftone
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014093609A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015211429A (ja
Inventor
光 内舘
光 内舘
石川 尚
尚 石川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2014093609A priority Critical patent/JP6341747B2/ja
Publication of JP2015211429A publication Critical patent/JP2015211429A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6341747B2 publication Critical patent/JP6341747B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Facsimile Image Signal Circuits (AREA)
  • Accessory Devices And Overall Control Thereof (AREA)
  • Color, Gradation (AREA)
  • Image Processing (AREA)

Description

本発明は、画像形成装置の出力特性に応じたガンマ補正をするための画像処理方法に関する。
従来、記録媒体上に画像を形成する画像形成装置では一般に、入力されたデジタルな画像データにより表される階調数よりも再現可能な階調数が少ない。そのため入力画像データに対してハーフトーン処理を施すことにより、入力画像データを階調数の少ないハーフトーン画像データに変換する。このときハーフトーン画像データが表すドットパターンは、画像形成装置の出力特性に適したパターンになるように、ハーフトーン処理が設定されている。
また、画像形成装置がハーフトーン画像データに基づいて画像を記録媒体上に出力したときの出力特性を一定に保つために、ハーフトーン処理に対応したガンマ補正(階調補正)処理を画像データに対して行う。ガンマ補正処理には、画像形成装置の出力特性を補正するためのガンマ補正テーブルが用いられる。さらに画像形成装置は、温度や湿度等の環境や経年変化によってその出力特性が変化する。そのため、画像形成装置の出力特性の変化に応じてガンマ補正テーブルを更新するキャリブレーションが行われる。
画像形成装置が複数の異なるハーフトーン処理を実行する場合、ハーフトーン画像データにおけるドットパターンの形状によって出力特性の変化の度合いも異なる。そのため、画像形成装置が複数の異なるハーフトーン処理を実行する場合、ハーフトーン処理ごとに複数階調のハーフトーン画像データに基づくパッチ画像を出力し、出力された画像(トナー像)の濃度を測定する必要がある。その結果ハーフトーン処理ごとにガンマ補正テーブルのキャリブレーションをするためには、多くのトナーや時間を要する。
そこで特許文献1に記載された方法によれば、基準とするハーフトーン処理のキャリブレーション結果に基づいて、統計的な分析によって変動予測式を算出する。そして、基準とするハーフトーン処理以外のハーフトーン処理によって得られるハーフトーン画像データの濃度変動を予測する。
特開2013−13045号公報
しかしながら、特許文献1に開示された方法によれば、変動予測式の算出に際して基準となるハーフトーン処理の出力特性を測定するために、複数の階調に対応する基準とするハーフトーン画像データに基づいて複数のパッチ画像を出力し、その濃度を測定する必要がある。
そこで本発明は、より少ないパッチ画像の測定に基づいて、他のドットパターンを表すハーフトーン画像データを画像形成装置が出力した画像の濃度を予測することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明は、入力画像データに基づいて、記録剤によって記録媒体上に画像を形成する画像形成装置であって、ドットパターンを表すパッチ画像データに基づいて記録剤によって記録媒体上に形成したパッチ画像の濃度を測定し、第1の濃度として出力する測定手段と、前記パッチ画像を表すドットパターンを構成するドットの周長と面積とに基づいて、第1のドット形状パラメータを導出する導出手段と、前記第1のドット形状パラメータとは異なる第2のドット形状パラメータに対応するドットにより構成されるドットパターンを表すハーフトーン画像データに基づいて前記記録剤により形成される画像の濃度を、前記第1のドット形状パラメータと前記第1の濃度に基づいて予測し、第2の濃度として出力する予測手段とを有することを特徴とする。
本発明によれば、少ないパッチ画像に基づいて、任意のドットパターンを表すハーフトーン画像データを画像形成装置が出力した画像の濃度を予測することができる。
画像形成装置のハードウェア構成を示すブロック図 画像処理コントローラとプリンタエンジンの論理構成を示すブロック図 濃度測定の動作を説明する図 入力階調値と出力濃度のグラフを示す図 ハーフトーン画像データの一例を示す図 ハーフトーン画像データと濃度変動を説明する図 ハーフトーン画像データにおけるドットと濃度変動を説明する図 ドットの形状パラメータと濃度変動との相関を説明する図 濃度変動の特性モデルを説明する図 濃度変動検出部204および濃度変動予測部203の詳細な論理構成を示すブロック図 濃度検出モードにおけるフローチャートを示す図 濃度変動判定処理のフローチャートを示す図 濃度予測モードにおけるフローチャートを示す図 濃度補正モードにおけるフローチャートを示す図 ガンマ補正テーブルの更新を説明する図 第1実施形態による効果を示す図 異なるハーフトーン処理に対応するガンマ補正テーブルの更新を説明する図 ドットのエッジごとの周長係数を表す図 ドットの形状パラメータと濃度変動との相関を示す図 周長係数決定方法のフローチャート 周長係数を決定するために用いるハーフトーン画像データの一例を示す図 周長係数決定方法を説明する図
以下、添付図面を参照し、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、以下の実施例において示す構成は一例にすぎず、本発明は図示された構成に限定されるものではない。
<第1実施形態>
(構成の概要)
図1は、第1実施形態に係る画像形成装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。本実施形態における画像形成装置1として、電子写真方式により記録剤を用いて記録媒体上に画像を形成するプリンタを例に説明する。画像形成装置1は、CPU100、RAM101、ROM102、操作部103、表示部104、外部記憶装置105、画像処理コントローラ106、プリンタエンジン107、I/F部108、バス109を有する。
CPU100は、入力されたデータや後述のRAM101やROM102に格納されているコンピュータプログラムに従って画像形成装置の各部を制御する。なお、ここではCPU100が装置全体を制御する場合を例に説明するが、複数のCPUが処理を分担することにより、装置全体を制御するようにしてもよい。RAM101は、外部記憶装置105から読み取ったコンピュータプログラムやデータ、I/F部108を介して外部から受信したデータを一時的に記憶する。また、RAM101は、CPU100が各種の処理を実行するために用いる作業領域としても使用される。ROM102には、画像形成装置の設定パラメータやブートプログラム等が格納されている。
操作部103は、ボタンやスイッチ等、画像形成装置1を操作する操作者による指示を受け付ける。これにより操作者による各種指示をCPU100に対して入力することができる。表示部104は、CRTや液晶画面などにより構成されており、CPU100に指示可能なモードや設定を表示することができる。なお、表示部104がタッチ操作を検知可能なタッチパネルの場合、表示部104が操作部103として機能してもよい。
外部記憶装置105は、ハードディスクドライブに代表される大容量情報記憶装置である。外部記録装置105にはCPU100に処理を実行させるためのコンピュータプログラムやデータなどが保存されている。また、画像データや画像処理部コントローラ106が実行する各部の処理によって生成されるデータを一時的に保存することもできる。外部記憶装置105に保存されているコンピュータプログラムやデータは、CPU100による制御に従って、適宜RAM101に読み取られ、CPU100による処理対象となる。
画像処理コントローラ106は、コンピュータプログラムを実行可能なプロセッサや専用の画像処理回路として実現され、印刷対象として入力された画像データを画像形成装置1が出力可能な画像データにするための各種画像処理を実行する。プリンタエンジン107は、記録媒体上に画像を形成する印刷動作を実行する。
I/F部108は、画像形成装置1と外部装置とを接続するためのインターフェースである。さらに、I/F部108は、赤外線通信や無線LAN等を用いて通信装置とデータのやりとりを行う際にインターネットに接続するためのインターフェースとしても機能する。上記各部はいずれもバス109に接続されている。
(画像処理コントローラおよびプリンタエンジンの構成)
本実施形態における画像処理コントローラ106およびプリンタエンジン107の構成について説明する。図2は、画像処理コントローラ106およびプリンタエンジン107の詳細な論理構成を示す。プリンタエンジン107は、画像形成部208と濃度測定部210を有する。
画像形成部208は、画像形成部208が出力可能な階調数であるハーフトーン画像データに基づいて、記録媒体上に記録剤(トナー)により画像を形成する。本実施形態において画像形成部208が実行する一般的な電子写真方式における画像形成プロセスを説明する。まず、ハーフトーン画像データに応じてレーザ光等の光ビームを帯電した像担持体上に対して露光し、像担持体上に静電潜像を形成する。次に現像手段が像担持体上の静電潜像に記録剤(トナー)を付着させて現像し、感光体上にトナー像を形成する。そしてトナー像は、一度中間転写ベルト上に転写された後、さらに記録媒体上に転写される。最後に記録媒体上のトナー像を定着することで印刷が完了する。
濃度測定部210は、濃度を測定するための画像データに基づいて画像形成部208が不図示の中間転写ベルト上に出力したトナー像(以下、パッチ画像)の濃度を測定する。図3は、濃度センサ209の動作を説明する図である。画像形成部208が前述の電子写真プロセスにおいて、中間転写材上にパッチ画像を形成する。濃度センサ209は、出力されたパッチ画像(トナー像)の濃度を測定する。濃度センサ209は発光素子と受光素子から構成されている。濃度センサ209は、濃度を測定する画像に対して発光素子から光を照射し、反射光を受光素子により受光することでパッチ画像の濃度を測定する。なおここでは、中間転写ベルト上の画像の濃度を測定したが、記録媒体に転写された画像の濃度を測定する構成であってもよい。濃度測定部210は、濃度センサ209により測定した結果を画像処理コントローラ106に出力する。
画像処理コントローラ106は、入力されるデジタルな画像データ(以下、入力画像データ)をプリンタエンジン12が出力可能なデータに変換するための各種画像処理を行う。本実施形態において画像処理コントローラ106は、ガンマ補正部201、ハーフトーン処理部202、濃度変動予測部203、濃度変動検出部204、ガンマ補正テーブル保持部205、更新部206、判定部207を有する。入力画像データは1画素当たり8ビットで0〜255のいずれかの画素値が格納された画素からなるデータである。画像処理コントローラ106により、入力画像データを画像形成部208が出力するドットのオンとオフを画素毎に表す2値のハーフトーン画像データに変換する。
ガンマ補正部201は、プリンタエンジン107における画像形成部208の出力特性に応じて、入力画像データに対して画素毎にガンマ補正を行う。図4は、ガンマ補正を説明するためのグラフである。図4において、横軸は画像処理コントローラ106から入力画像データの階調(入力階調値)を示し、縦軸は画像形成部208が出力したトナー像の濃度を示す。画像形成部208による出力特性は、入力階調値に対して線形な出力が得られる状態Aであることが望ましい。ところが実際には、環境変化や経時変化、画像形成部208における機械的ずれ等によって、画像形成部208による出力特性は、入力階調値に対して非線形な状態Bになってしまうことが多い。そこでガンマ補正部201は、入力階調値と出力濃度とが線形になるように、入力画像データに対してガンマ補正をする。本実施形態におけるガンマ補正部201は、ガンマ補正テーブル保持部205が有するガンマ補正テーブルを用いる。
ハーフトーン処理部202は、ガンマ補正部202により得られるガンマ補正後データに対して、予め定められたハーフトーン処理を行う。電子写真方式を用いる画像形成部208は、ドットが周期的、かつ集中している方が出力特性が安定しやすい。そこでハーフトーン処理部202は、図5に示すような、複数の画素からなる単位領域ごとに入力階調値(目標とする濃度)を疑似的に表現する面積階調のハーフトーン画像データを生成する。面積階調のハーフトーン画像データでは、再現したい入力階調値の増加に応じて単位領域におけるドットがオンになる数が増える。つまり、同じハーフトーン処理を実行しても、入力画像データによって、ハーフトーン画像データが表すドットパターンにおけるドットの形状は異なる。また単位領域において再現したい階調が同じであっても、ハーフトーン処理によって、異なる形状のドットからなるハーフトーン画像データに変換されることもある。例えば図5は、4画素×4画素の領域ごとに階調を擬似的に表すハーフトーン画像データを一例として示している。図5において(a)、(b)、(c)、(d)の順に、入力画像データが表す濃度(階調)が濃くなる。領域において表現したい階調が高いほど、オンドット(黒画素)となる画素の数が増えていく。図5が示すハーフトーン画像データは、単位領域における中心から順にドットがオンになり、単位領域ごとにドットを構成するように設定されている。
なお、面積階調のハーフトーン画像データを生成するための方法は、一般の方法を用いればよい。ここでは、ハーフトーン処理202はディザ処理を行うものとする。ハーフトーン処理部202は複数の閾値マトリクスを有し、色毎やモードごとにディザ処理に用いる閾値マトリクスを切り替えて処理する。またガンマ補正テーブル保持部205は、ハーフトーン処理部202が実行するハーフトーン処理の閾値マトリクスそれぞれに対応するガンマ補正テーブルを保持している。これは、ハーフトーン処理によって、画像形成部208における出力特性が異なるためである。
濃度変動検出部204は、予め設定したパッチ画像を形成するためのハーフトーン画像データを画像形成部208に出力する。パッチ画像の形成に用いるハーフトーン画像データは、第1のドット形状であるドットが、周期的に配置されたドットパターンを表すデータであるとする。すなわち、図3が示すようにパッチ画像全体において一様な階調を再現するデータである。さらに濃度変動検出部204は、形成されたパッチ画像(トナー像)の濃度を濃度測定部210が測定した結果を取得する。パッチ画像におけるドット形状とパッチ画像の測定濃度とに基づいて、画像形成部208が出力した画像(トナー像)の濃度変動を検出する。ここで濃度変動とは、目標濃度に対する差分を意味する。パッチ画像の濃度変動に基づいて、画像形成部208が出力した画像(トナー像)における濃度変動の特性モデルを算出する。詳細は後述する。
判定部207は、濃度変動検出部204が検出した結果に基づいて、ガンマ補正テーブルを更新(キャリブレーション)するべきか否かを判定する。濃度変動検出部204が測定した結果が、予め保持している目標濃度と比較して所定値以上濃度変動している場合は、ガンマ補正テーブルを更新すると判定する。
本実施形態では、1つのドットパターンを画像形成部208がパッチ画像として出力し、濃度測定部210が測定し、濃度変動の特性モデルを算出する。パッチ画像のドットパターン以外のドットパターンについては、画像形成部208による出力、濃度測定部210による測定をせずに、濃度変動の特性モデルに基づいて画像形成部208が出力したときのトナー像の濃度を予測する。
濃度変動予測部203は、パッチ画像を構成する第1のドット形状とは異なる第2のドット形状のドットにより構成されたドットパターン(被予測ドットパターン)について、画像形成部208が出力した画像の濃度変動を予測する。濃度変動予測部203は、濃度変動検出部204によって算出された画像形成部208の特性モデルに基づいて、予め保持している被予測ドットパターンの濃度変動を予測し、出力濃度を算出する。被予測ドットパターンは、パッチ画像が得られるハーフトーン処理によって得られる、パッチ画像と異なる階調を表すハーフトーン画像データや、パッチ画像に対応するハーフトーン処理とは異なるハーフトーン処理によって得られるハーフトーン画像データでもよい。詳細は後述する。
更新部206は、判定部207によりガンマ補正テーブルの更新(キャリブレーション)が必要と判定された場合、濃度変動予測部203が予測した濃度変動に応じて、被予測ドットパターンに対応するガンマ補正テーブルを更新する。更新したガンマ補正テーブルは、ガンマ補正テーブル205に格納する。詳細は後述する。
本実施形態における画像形成装置1は、通常印刷モード、濃度検出モード、濃度予測モード、濃度補正モードの4つのモードを有しており、それぞれのモードにおいて画像処理コントローラ11およびプリンタエンジン12の動作は異なる。それぞれのモードはCPU100が状態を監視しており、所定タイミングに応じてCPU100がモードの遷移を行う。以下に、モードごとの画像形成装置1の動作の概略について説明する。
[通常印刷モード]
通常、画像形成装置1は、通常印刷モードの状態で動作している。通常印刷モードにおける画像形成装置1は、I/F部108から入力された画像データに応じて通常印刷を行う。ガンマ補正部201は、ガンマ補正テーブルを参照して入力画像データに対してガンマ補正を行い、ハーフトーン処理部202はガンマ補正後データに対してハーフトーン処理を施し、ハーフトーン画像データへと変換する。2値のハーフトーン画像データは画像形成部208へと送られ、ドットのオン、オフによる印刷動作が行われる。
[濃度検出モード]
CPU100、もしくはその他の制御部より濃度検出モードへの移行命令信号が入力されると画像形成装置1は濃度検出モードへ移行する。濃度検出モードへの移行のタイミングとしては、例えば画像形成装置1の電源投入時や、電源起動から一定の時間経過時又は、ユーザからの指示が入力された時などが挙げられる。濃度検出モードでは、濃度変動検出部204がパッチ画像形成するためのハーフトーン画像データを画像形成部208に出力し、画像形成部208がパッチ画像を出力する。濃度測定部210はトナー像として形成された中間転写材上のパッチ画像の濃度を測定し、濃度変動検出部204に測定結果を出力する。濃度変動検出部204は、目標濃度に対する測定されたパッチ画像の濃度変動を検出する。
[濃度予測モード]
濃度変動検出部204によって検出された、目標濃度に対するパッチ画像の濃度変動量が所定値以上変動していると判定部207が判定した場合、CPU100やその他の制御部からの移行命令信号により画像形成装置1は濃度予測モードへと移行する。濃度予測モードでは、濃度変動検出部204が濃度検出モードにおいて取得した測定結果から画像形成部208における濃度変動の特性モデルを作成する。濃度変動の特性モデルとは、ハーフトーン画像データが表すドットパターンを構成するドットの形状の変化により生じる濃度変動を数式化したものである。濃度変動の特性モデルについての詳細な説明は後述する。この濃度変動の特性モデルを用いることによって、任意の形状のドットを印刷したときのハーフトーン画像データの濃度を予測することができる。濃度変動予測部203は、濃度変動の特性モデルを用いて、複数の被予測ドットパターンを画像形成部208が出力した結果の濃度を予測する。算出された予測濃度は、ガンマ補正テーブルの更新情報として更新部206に出力される。
[濃度補正モード]
濃度変動予測部203において、被予測ドットパターンの濃度予測が完了すると、CPU100やその他の制御部からの移行命令信号により画像形成装置1は濃度補正モードへと移行する。濃度補正モードでは、濃度予測モードで算出された任意のハーフトーン画像データに対する予測濃度を用いて、更新部206によりガンマ補正テーブルを更新する。更新したルックアップテーブル(LUT)は、被予測ドットパターンに対応するガンマ補正テーブルとして、ガンマ補正テーブル保持部205に保存される。
このように、本実施形態における画像形成装置1は、濃度変動の特性モデルを生成する。これにより、第1のドット形状のドットによって構成されるドットパターンで表されるハーフトーン画像データの濃度変動から、その他の任意のドット形状のドットによって構成されるドットパターンで表されるハーフトーン画像データの濃度変動を予測する。
(濃度変動の特性モデルについて)
まず、画像形成部208が出力するトナー像の形状変動と濃度変動との相関関係について説明する。図6(a)の上段は、画像処理コントローラ106が出力する2値のデジタルなハーフトーン画像データを示す。図6(b)(c)の上段は画像形成部208が異なる条件下で図6(a)が示すハーフトーン画像データに基づいて形成したトナー像を示す。このとき、それぞれの画像の拡大図を下段に示す。図6(b)に示すトナー画像Pは濃度D、図6(c)が示すトナー画像Pは濃度Dと検出されている。前述したとおり、ハーフトーン画像データのある領域において表す階調が同じであっても、異なる条件下において画像形成部208によって記録媒体上に出力された画像の濃度は変動してしまう(ここでは濃度D<D)。
このときのミクロ的な視点でトナー画像PおよびPそれぞれにおけるドット形状をみると、トナー画像Pよりもトナー画像Pの方が1つ1つのドット形状の面積が大きくなっていることが確認できる。つまり、ミクロなドット形状の変動がマクロな画像の濃度変動に関係していることがわかる。これは、ドット形状の変動によりトナーと下地との比率が変化するためと考えられる。デジタルなハーフトーン画像データで表される理論的なドット(黒画素)の面積率と画像形成部208が実際に形成したトナー画像におけるドット(トナー)の面積率とが一致せず、入力階調値に対して出力濃度が変化する現象は、一般的にドットゲインと呼ばれる。特に、物理的なドットの形状変化は、物理的ドットゲインと呼ばれる。図6では、トナー画像Pにおけるドットに対してトナー画像Pにおけるドットの方が放射状に大きく、トナー面積が大きい。これによってトナー画像Pではトナー画像Pと比較して物理的ドットゲインが発生し、マクロ的に見たときの画像の濃度が増加していると言い換えることができる。すなわち、物理的ドットゲインは画像の濃度変動と等価ということになる。
ここでさらに、形成されたトナー像の物理的ドットゲインとハーフトーン画像データにおけるドットとの関係について、図7を用いて説明する。図7(a)は、4画素×4画素の領域において、3つのドット(黒画素)が集中して1つのドットを表すハーフトーン画像データである。図7(b)は、状態Aにおいて画像形成部208が図7(a)のハーフトーン画像データに基づいて形成したトナー像である。また図7(c)は、画像形成部208が状態Bにおいて図7(a)のハーフトーン画像データに基づいて形成したトナー像である。状態Aから状態Bへの変化した結果、トナー像面積が増大しドットゲインが発生している。このとき、トナー像はエッジ(下地との境界)に沿って放射状に増大することでドット全体の面積が大きくなっていることがわかる。また、1画素に対応するドットそれぞれが放射状にトナー像が増大している。1画素に対応するドット同士が隣り合っていると、それぞれのドットの面積増大とともに重複部分も増大する。そのため、トナー像はエッジ部分が外側に広がるように面積が増大しているように見える。つまり、トナー像のエッジ部分の長さが長いほどトナー像が肥大しやすいといえる。言い換えると、デジタルなハーフトーン画像データにおけるドット周長の長さと、トナー像面積の増大量は関係があるということである。このことから、ハーフトーン画像データにおけるドット周長と濃度変動には相関があると仮定することができる。以降の説明は、この仮定が成り立つものとして説明する。また、この仮定についての検証は後述する。
図7(d)は4画素×4画素の領域において4つのドット(黒画素)が集中して1つのドットを構成するハーフトーン画像データである。図7(e)は、画像形成部208が状態Aにおいて図7(d)のハーフトーン画像データを形成したトナー像であり、図7(f)は画像形成部208が状態Bにおいて図7(d)のハーフトーン画像データを形成したトナー像である。このとき、図7(d)のハーフトーン画像データにおけるドット周長の長さは図7(a)と同じ(画素1辺の長さを1とすると、ドット全体のエッジを構成する周長は8)である。ドット周長と濃度変動とか対応しているとすると、状態Aから状態Bに変化した時のトナー像面積の増大量は3画素分のドットの場合も4ドット画素分の場合とで、ほぼ同じになると予測される。しかしながら、3画素分のドットと4画素分のドットでは、元々のトナー像の面積が異なるためドット形状変化によるトナー像の面積の増大量への影響度が異なる。具体的には、3画素分のドットを形成するトナー像の面積よりも4画素分のドットを形成するトナー像の面積の方が大きいため、単位面積あたりの面積の増大量は3画素分のドットを形成するトナー像の方が大きいということになる。つまり、ハーフトーン画像データにおいて同じドット周長であっても、物理的ドットゲインの増大率はもともとのドット面積(黒画素数)によって異なることとなる。そのため、物理的ドットゲインの増大率と相関のある指標としては、ドット面積当たりの周長が望ましい。そこで本実施形態では、物理的ドットゲインの増大率と相関のある指標としてドットの周長/面積を用いる。ハーフトーン画像データが表すドットパターンを構成するドットの周長/面積と物理的ドットゲインの増大率には相関があると言える。さらにはドットパターンを構成するドットのドット周長/ドット面積と濃度変動には相関関係があるとも言える。なおエッジとなるドット周長は、画素の1辺を1とし、ドットを構成する画素のうち白画素に隣接する辺の数とする。またドット面積は、1画素の面積を1とするとドットを構成する黒画素の数によって決められる。
次に、ハーフトーン画像データが表すドットパターンを構成するドットの形状と、画像形成部208が実際に出力した画像(トナー像)における濃度変動には関係があるという前述の仮定について検証する。図8は、ドットパターンを構成するドットの形状と濃度変動との関係を示すグラフである。図8のグラフにおいて、横軸はハーフトーン画像データが表すドットパターンから計算されるドットの周長/面積とし、縦軸はハーフトーン画像データに基づいて形成された画像(トナー像)の濃度の変動係数CVである。濃度の変動係数CVとは、複数の条件下で画像形成部208が出力したトナー像の濃度測定結果の標準偏差を平均値で除算した値である。つまり濃度の変動係数CVは、濃度のばらつき度合いを示す指標となっている。この濃度の変動係数CVが大きいほど、画像形成部208が画像を出力する時の条件が変わると出力される画像の濃度が変動しやすく、濃度のばらつきが大きいことを示す。図8は、ドットの周長/面積が異なるドットから構成される11通りのドットパターンに基づいて、濃度の変動係数CVを求めた結果得られたグラフである。これにより、ドットパターンを構成するドット周長/ドット面積によって、画像(トナー像)の濃度の変動係数CVが異なることがわかる。さらに図8のグラフより、ドットの周長/面積と濃度の変動係数CVは強い正の相関(R=0.9328)を示し、比例関係にあることが読み取れる。この結果から、ドットパターンを表すハーフトーン画像データにおけるドット形状と画像形成部208が出力した画像における濃度変動には相関関係にあることがわかる。
ここで濃度の変動係数CVは、目標濃度をDとすると、目標濃度Dに対する濃度の変動の割合(濃度変動率)とみなすことが出来る。従ってドットの周長/面積と濃度変動率の関係は、特性式で表わすことができる。つまりこの特性式が既知となればドット/面積を表すパラメータから濃度変動率を演算によって予測することが可能ということになる。
濃度変動の特性モデルについて詳細に説明する。濃度変動の特性モデルとは、ハーフトーン画像データが表すドットパターンを構成するドットの形状が、トナー像として実際に出力されたときの画像の濃度変動へ与える影響の度合いを数式化したものである。ドットの周長/面積と濃度変動率との相関関係を利用して、濃度変動の特性モデルを算出する。図8が示す通り、ドットの周長/面積と濃度の変動係数(濃度変動率)には比例関係があることが分かっているため、本実施形態ではドットの周長/面積と濃度変動率を比例関係(y=ax)とみなして濃度変動の特性モデルを構築する。
濃度変動の特性モデルは、ドットの周長/面積を形状パラメータFとし、そのときの画像の濃度変動率をVと、濃度の変動勾配をGとすると、V=G×Fとして定義される。ここで、濃度の変動勾配Gはドット形状パラメータFと濃度変動率Vとの間に成立する一次関数の傾きを示している。また濃度の変動勾配Gは、画像形成部208が画像を出力するときの条件に応じて変化するパラメータである。ある条件下で画像形成部203が画像を出力する時の濃度変動の特性モデルを構築するためには、この濃度の変動勾配Gを求める必要がある。
濃度変動の特性モデルV=G×Fの算出について説明する。図9は、濃度変動の特性モデルを説明するグラフである。図9に示すグラフは、図6(a)が示すハーフトーン画像データにより表されるドットパターンをパッチ画像として画像形成部208が出力し、濃度測定した結果から、濃度変動の特性モデルを作成した結果である。このときパッチ画像の目標濃度Dに対し、測定して得られた結果が濃度Dである場合、濃度変動率Vは(D−D)/Dで規定される。また図6(a)が示すハーフトーン画像データに基づいて、ドット周長=8、ドット面積=4より、形状パラメータFは、F=2(=8/4)と算出される。この2つの値より、ドット形状パラメータと濃度の変動率とを対応付ける点Pの位置は、図9の通りに図示される。点Pよりこの時の原点を通る直線の傾き(濃度勾配)はG=(D−D)/2Dとして求められる。以上より、図9における濃度変動の特性モデルはV=(D−D)/2D×Fとして規定される。濃度変動の特性モデルが作成されると、ハーフトーン画像データにおけるドットの形状パラメータFを入力することにより、濃度変動率Vを一意的に算出することが可能となる。すなわち、任意の第2のドット形状のドットによって構成されるドットパターンを表すハーフトーン画像データに対して、濃度変動率Vを求めることによりトナー像として実際に出力したときの画像濃度を予測することができる。
(濃度変動検出部204の詳細な構成)
以上を踏まえて、本実施形態における濃度変動検出部204の詳細な論理構成について、図10(a)を用いて説明する。濃度変動検出部204は、パッチ画像保持部1001、濃度取得部1002、濃度変動率算出部1003、特性モデル生成部1004を有する。
パッチ画像保持部1001は、予め決められたサイズのパッチ画像を表すハーフトーン画像データを保持する。例えば、図6(a)が示すようなドットが周期的に配置されたドットパターンを表すデジタルなハーフトーン画像データである。本実施形態では前述の通り、複数の画素を含む単位領域毎に階調を表す面積階調のハーフトーン画像データに基づいてパッチ画像を形成する。従って、ハーフトーン画像データが表すドットパターンは、1つまたは複数の画素が第1のドット形状を形成し、第1のドット形状が周期的に配置された構成となっている。パッチ画像保持部1001は、画像形成部208にパッチ画像形成用のハーフトーン画像データを出力する。また、パッチ画像保持部1001は、パッチ画像における第1のドット形状の形状パラメータF(ドット周長/ドット面積)を特性モデル生成部1004に出力する。
濃度取得部1002は、画像形成部208により中間転写ベルト上にトナー像として出力されたパッチ画像の濃度を、濃度測定部210が測定した結果を取得する。濃度変動率算出部1003は、パッチ画像の濃度として基準とする目標濃度Dを記憶している。濃度取得部1002から測定結果である濃度Dを取得すると、濃度変動率算出部1003は、目標濃度Dに対する濃度変動率V=(D−D)/Dを算出する。
特性モデル生成部1004は、パッチ画像保持部1001から取得する形状パラメータFと、濃度変動率Vとから、濃度変動の特性モデルを算出する。具体的には、濃度勾配GをG=V/Fにより算出する。
(濃度変動予測部203の詳細な構成)
本実施形態における濃度変動予測部203の詳細な論理構成について、図10(b)を用いて説明する。濃度変動予測部203は、被予測ドットパターン保持部1005、形状パラメータ導出部1006、特性モデル取得部1007、予測濃度算出部1008を有する。
被予測ドットパターン保持部1005は、画像形成部208により出力されたトナー像の濃度を予測したい複数のドットパターン(以下、被予測ドットパターン)を表すハーフトーン画像データそれぞれを予め保持している。このとき、被予測ドットパターンを構成する第2のドットの形状は任意でよい。ガンマ補正テーブルを更新するために予測すべきドットパターンは、ハーフトーン処理202におけるハーフトーン処理に応じて予め決めておく。
形状パラメータ導出部1006は、被予測ドットパターンを被予測ドットパターン保持部1005から受け取ると、被予測ドットパターンが表すドットパターンを構成するドット形状(第2のドット形状)の形状パラメータFを算出する。形状パラメータFは、ドット周長/ドット面積によって定義される。
特性モデル取得部1007は、濃度変動検出部204から濃度変動の特性モデルを特定する濃度勾配Gを取得する。予測濃度算出部1008は、被予測ドットパターンの形状パラメータFと濃度勾配Gとから、濃度変動の特性モデルを用いて被予測ドットパターンにおける濃度変動率を算出する。さらに濃度変動率から、被予測ドットパターンを出力したトナー像の濃度を予測する。
(濃度検出モードの詳細な動作)
図11は、濃度検出モードにおける画像形成装置1の動作を示すフローチャートである。図11が示すフローチャートを実行するためのプログラムは、画像形成装置1内部のROM102に記憶されており、CPU100の指示により実行される。
ステップS1101においてパッチ画像保持部1001は、濃度の測定に用いるパッチ画像を表すハーフトーン画像データを画像形成部208に出力する。ここでは、所定の単位領域におけるドットパターンは、第1のドット形状dmによって構成されたパッチ画像P(dm)を用いる。本実施形態におけるパッチ画像P(dm)は、図3が示す4画素×4画素の領域の中心に4つの黒画素のドット形状により構成されたドットパターンであるとする。本実施形態では、濃度検出モードにおいて用いるパッチ画像は1つを想定して説明するが、生成するドットパターンの数はこれに限定されない。例えば、ドットパターンを複数生成し、複数のドットパターンによるパッチ画像の濃度検出を行うことで、より精度を高めるなどの構成にも適用可能である。
ステップS1102において画像形成部208は、パッチ画像P(dm)を表すハーフトーン画像データに基づいてパッチ画像を出力する。
ステップS1103において濃度測定部206は、画像形成部208が出力した中間転写ベルト上のパッチ画像(トナー像)に対して濃度を測定し、パッチ画像の濃度Dを得る。以上で濃度検出モードを完了する。
(濃度変動判定処理の詳細な動作)
濃度検出モードが完了した後に実行される濃度変動判定処理の詳細を説明する。図12は、判定部207が実行する濃度変動判定処理のフローチャートを示す図である。図12が示すフローチャートを実行するためのプログラムは、画像形成装置1内部のRAM101に記憶されており、CPU100の指示により実行される。
まずステップS1201において判定部207は、濃度変動検出部204からパッチ画像の濃度の検出結果を取得する。このときの検出濃度をDとする。
ステップS1202において判定部207は、測定濃度Dとパッチ画像に対応する目標濃度Dとを比較する。具体的には、測定濃度Dと目標濃度Dとの差分の絶対値を濃度変動量として算出する。
ステップS1203において、予め設定された所定値とステップS1202において算出した濃度変動量とを比較する。濃度変動量が所定値以上であれば、ガンマ補正テーブルを更新する必要があると判定し、ステップS1204にすすむ。ステップS1204において判定部207は濃度予測モードの開始をCPU100に通知する。濃度変動量が所定値未満であれば、処理を完了する。
(濃度予測モードの詳細な動作)
図13は、濃度予測モードにおける画像形成装置1の動作を示すフローチャートである。図13が示すフローチャートを実行するためのプログラムは、画像形成装置1内部のRAM101に記憶されており、CPU100の指示により実行される。濃度予測モードは、判定部207によりガンマ補正テーブルの更新が必要と判定されると、CPU100からの命令を介して実行される。図13において、ステップS1301からS1303は濃度変動検出部113が実行し、ステップS1304からS1307のステップは濃度変動予測部114が実行する。図13が示す動作について、図3および図6(a)が示すようなパッチ画像P(dm)を出力した場合を例に説明する。
濃度予測モードが開始されるとまず、ステップS1301において濃度変動率算出部1003は、目標濃度Dと濃度検出モードにおいて濃度取得部1002が取得した測定濃度Dから濃度変動率Vを計算する。濃度変動率はV=(D−D)/Dにより算出される。
ステップS1302においてパッチ画像保持部1001は、濃度予測モード時に形成したパッチ画像P(dm)におけるドットの形状パラメータFを出力する。図6(a)が示す画像をパッチ画像とする場合は、所定の単位領域におけるドットは、4つの黒画素により構成されるのでドット面積は4、ドット周長は8辺であることから、F=8/4=2となる。
ステップS1303において特性モデル生成部1004は、形状パラメータFと濃度変動率Vとから濃度勾配G=V/F=(D−D)/2Dを算出する。算出した濃度勾配Gは、濃度変動の特性モデルを特定するパラメータとして画像形成装置1内部のRAM101等に記録される。
ステップS1304において被予測ドットパターン保持部1005は、濃度変動を予測すべきドットパターンがあるかを検証する。ここで、濃度変動を予測すべきドットパターンがない場合には濃度予測モードを終了する。濃度変動を予測すべきドットパターンがある場合には、ステップS1305に進む。
ステップS1305において被予測ドットパターン保持部1005は、任意の被予測ドットパターンdpを特定する。本実施形態では、予め予測したいドットパターンをハーフトーン画像データとして保持しているとしたが、これに限定されない。例えば、必要に応じて任意の被予測ドットパターンdpをハーフトーン処理部112において生成し、受け取る構成でもよい。あるいは、入力画像データ内に含まれる任意のドットパターンを被予測ドットパターンdpとすることでも濃度変動予測は可能である。つまり、ドットパターンが既知ならば本実施形態は適用可能である。mた、ハーフトーン画像データとして保持していなくても、ドットパターンを構成するドットの形状パラメータと目標濃度を示す情報を保持していればよい。
次にステップS1306において形状パラメータ導出部1006は、任意の被予測ドットパターンdpが入力されると、入力された被予測ドットパターンdpを構成するドットの形状パラメータF(dp)を計算する。形状パラメータF(dp)は、前述の通りドットの周長/面積で定義され、入力される被予測ドットパターンdpに応じて一意的に計算される。
ステップS1307において予測濃度算出部1008は、形状パラメータF(dp)と濃度変動の特性モデル(V(dp)=G×F=(D−D)/2D×F(dp))より任意の被予測ドットパターンdpよって構成される画像の予測濃度D(dp)を算出する。ここで、予測濃度D(dp)はD(dp)=D(dp)+D(dp)×V(dp)計算される。被予測ドットパターンに対応する目標濃度D(dp)は、予め記憶されている。ステップS1307の後、ステップS1304〜S1307を繰り返すことで必要なドットパターンの予測濃度を算出し、濃度予測したいすべてのドットパターンについての演算が終わると濃度予測モードを終了する。
(濃度補正モードの詳細な動作)
次に更新部206が実行する濃度補正モードの詳細について説明する。濃度予測モードが終了すると画像形成装置1は濃度補正モードへ移行する。図14は、濃度補正モードにおける画像形成装置1の動作を説明するフローチャートである。図14が示すフローチャートを実行させるためのプログラムは、画像形成装置1内部のROM102に記憶されており、CPU100を通じて実行される。濃度補正モードでは、被予測ドットパターンとその予測濃度とに基づいてガンマ補正テーブルを更新する。
濃度補正モードが開始されるとまずステップS1401において、更新部206は、ドットパターンdpの形状パラメータF(dp)と予測濃度D(dp)の関係から入力階調値と予測濃度の関係を求める。ドットの形状パラメータF(dp)と予測濃度D(dp)との対応は濃度予測モードにおいて算出されている。更新部206は、予め予測するドットパターンに対応する形状パラメータF(dp)とドットパターンが表す入力階調値との関係を保持している。ドットの形状パラメータF(dp)と予測濃度D(dp)との関係および、形状パラメータF(dp)と入力階調値との関係を用いて、入力階調値と予測濃度Dとを対応付けることにより、画像形成部208の出力特性を生成する。
ステップS1402において更新部206は、ステップS1401において算出した入力階調値と予測濃度との関係から、ガンマ補正テーブルを作成する。ガンマ補正テーブルは、入力階調値に対する出力濃度のガンマ特性を補正するテーブルである。
ステップS1403において更新部206は、ガンマ補正テーブル保持部205に保持されたドットパターンdpに対応するガンマ補正テーブルを、ステップS1402において作成したガンマ補正テーブルに更新する。こ以上の処理によりガンマ補正テーブルの更新をした後、濃度補正モードは終了する。
(本実施形態による処理結果と効果)
以下に、本実施形態による処理結果を説明する。まず図15は、一様な入力階調値からなる入力画像データについて、ハーフトーン処理部202によりハーフトーン処理して得られるドットパターンdpL1、dpL2、dpL3、dpL4を例に示す図である。各ドットパターンdpL1、dpL2、dpL3、dpL4は、ハーフトーン処理によって得られるドットパターンであるが、再現したい階調が異なるために、それぞれのドットパターンを構成するドットのドット形状が異なる場合である。入力階調値に応じた目標濃度は、D(dpL1)<D(dpL2)<D(dpL3)<D(dpL4)である。前述の通り、本実施形態におけるハーフトーン処理部202は、閾値マトリクスを用いたディザ法によりハーフトーン処理を実行する。閾値マトリクスを用いたディザ法の場合、入力画像データが表す階調が大きい(画像が濃い)ほど、順にドット数が増えていく。図15が示す通り、目標とする濃度が高いほど、単位領域における黒画素の数が増え、ドットが大きくなっていることがわかる。図15(a)は、それぞれの被予測ドットパターンについてドット周長、ドット面積、目標濃度を示す。また本実施形態により算出した予測濃度を示している。例えば、被予測ドットパターンdpL3の場合、ドットパターンを構成するドットの周長は、12である。またドット面積を示す黒画素数は6である。濃度変動の特性モデルである濃度変動率(V)=濃度勾配(G)×ドット形状パラメータ(F)により、ドットパターンdpL3に対応する濃度変動率V(dpL3)=(D−D)/2D×12/6=2((D−D)/2D)と算出される。従ってドットパターンdpL3の予測濃度D(dpL3)=D(dpL3)+2((D−D)/2D)D(dpL3)と算出される。
図15(b)(c)(d)は、ドットパターンdpL1、dpL2、dpL3、dpL4を生成するハーフトーン処理(HT1)に対応するガンマ補正テーブルの作成を説明する図である。図15(b)は、図15(a)が示す本実施形態による処理の結果に基づいて、ドットの形状パラメータと予測濃度との関係をプロットしてグラフにした図である。また図15(c)は、予め保持されているそれぞれのドットパターンに対応する入力階調値と形状パラメータとの対応を示すグラフである。図15(b)と図15(c)とから、画像形成装置208における出力特性を示す図15(d)のグラフが得られる。この出力特性に基づいて、ガンマ補正テーブルを作成する。
図16は、本実施形態による効果を示す図である。図19は、横実が入力階調値であり、縦軸が出力された画像(トナー像)における濃度である。図19にプロットされている濃度は、実測値である。前述の通り入力階調値によってハーフトーン画像データが表すドットパターンのドット形状は異なる。ハーフトーン処理(HT1)によって得られるドットパターンdpL1、dpL2、dpL3、dpL4を含む8つのドットパターンを画像形成部208が印刷し、濃度測定部210が測定した実測値をプロットしている。従来ではこのように、それぞれ異なるドットにより構成されるドットパターンごとに、パッチ画像の出力と測定を行っていた。一方図16の実線は、本実施形態により図15が示すように算出した予測濃度から求めた出力特性である。図16が示す通り、実測値とほぼ同等の精度で予測できていることがわかる。本実施形態の場合、パッチ画像の出力と測定は、1つのドットパターンに対してのみ実行し、他のドットパターンの濃度については特性モデルにより算出した。以上のことから本実施形態では、より少ないパッチ画像からガンマ補正テーブルを更新するための出力特性を検出することができる。従ってパッチ画像の形成に必要なトナーや時間を節約することができる。
さらに本実施形態では、ドットパターンを構成するドットの形状とドットパターンが擬似的に表現すべき目標濃度がわかっていれば、異なるハーフトーン処理によって得られるドットパターンの出力特性も予測できる。図17は、それぞれ解像度の異なるハーフトーン処理によって得られた3つのドットパターンについて本実施形態による処理を実行した結果を示す。HT1は図15が示すdpL1と同じ150線、HT2は212線、HT3は300線のハーフトーン処理によって得られたドットパターンdpL1、dpM1、dpH1をそれぞれ示している。
いずれのドットパターンも、ドット周長4、ドット面積1のドット形状により構成されている。一方、ドットパターンdpL1、dpM1、dpH1の目標濃度はそれぞれD(dpL1)、D(dpM1)、D(dpH1)と異なる。なお、D(dpL1)<D(dpM1)<D(dpH1)である。従って、濃度変動率(V)=濃度勾配(G)×ドット形状パラメータ(F)により算出できる各予測濃度も異なる。図17(b)は、算出したドットの形状パラメータと予測濃度との関係を示す。また図17(c)は、入力階調値とドットの形状パラメータF(dp)との関係を表わす。入力階調値とドットの形状パラメータF(dp)との関係は、ガンマ補正部111内部に記憶されているガンマ補正テーブルより計算される。図17(b)および(c)より、入力階調値−予測濃度D’の関係(出力特性)を示す図17(d)のグラフを求めることができる。図17(c)は、入力階調値に対する目標濃度とそれに対する3種類のハーフトーンの予測濃度D’の関係を示すグラフとなっている。図17(c)が示す出力特性に基づいて、更新部206は各ハーフトーンに対応するガンマ補正テーブルを作成する。以上のように、測定したパッチ画像が表すドットパターンとは異なるハーフトーン処理によって得られるドットパターンに対しても、本実施形態による処理により、出力特性を予測することができる。従って、ハーフトーン処理202が保持する閾値マトリクス全てに対応するパッチ画像の出力・測定をすることなく、各ハーフトーン処理に応じたガンマ補正テーブルを更新できる。
以上、説明したように本実施形態において説明した画像形成装置1は、画像形成部208が出力したトナー像における濃度変動に対して、ドット形状が与える影響に注目して、濃度変動の特性モデルを特定する。これにより、任意のドットパターンの濃度変動を予測することができる。
なお本実施形態では、濃度変動の特性モデルを用いて予測した濃度に基づいて、ドットのオンとオフを画素毎に表す2値のハーフトーン画像データに対応するガンマ補正テーブルを行う構成について説明した。しかしながら、濃度予測に用いるドット形状は2値のハーフトーン画像データでなくてもよい。その場合でも前述した方法と同様に、任意のドットパターンを構成するドットの形状パラメータと濃度変動の特性モデルから濃度予測が可能である。また本実施形態では、1画素毎にドットのオンオフを形成する構成について説明したが、構成はこれに限定されない。例えば、画像形成部208における露光手段の露光幅を制御することにより、1画素未満のトナー像形成が可能な構成でもよい。この場合は、露光制御可能な分解能を最小値としてドット周長を計算することで同様の効果が得られる。
<第2実施形態>
前述の実施形態では、ドット周長が濃度変動に及ぼす影響について、ドットのエッジに相当する画素1辺を一律に1として扱った。おなじ画素1辺に相当するエッジであっても、その近傍におけるドット(黒画素)パターンによって、濃度変動に寄与する影響度は異なる場合がある。第2実施形態では、第1実施形態で説明した濃度予測方法について、ドット周長が濃度変動に及ぼす影響度を、より厳密に定義することによって予測濃度の精度を高める方法について説明する。
具体的には、デジタルなハーフトーン画像データにおけるドット周長を計算する際、画素1辺ごとに近傍のドットパターンに応じて濃度変動への影響度を考慮した所定の重みづけを行う。重みづけした各エッジを加算し、総和をドット周長として定義する。この重みづけ係数を周長係数とし、周長係数を用いたドット周長とドット面積に基づいてドットの形状パラメータFを算出することで、濃度変動率Vとドット形状パラメータFとの相関をより高める。周長係数は画像形成装置1内部のRAM101に予め記録されておりドットの形状パラメータFの計算時に適宜読みだされて適用される。
図18は、第2実施形態におけるドットパターンごとの周長係数を表わす一例である。図18は、エッジ(ドットを構成する画素辺のうち白画素に隣接する画素辺)近傍におけるドットのパターン6つにおいて、エッジの方向が水平と垂直の2方向である場合それぞれに対して周長係数を定義した表である。図示されたドットパターンは水平エッジのみ描かれている。対象エッジが垂直方向の場合は、図示されたドットパターンを90度回転したパターンを対象とし、垂直エッジの列を参照して周長係数を得られるものとする。また、図18が示すドットパターンは、左右対称、上下反転となるパターンも包括してドットパターンとして図示している。なお、第2実施形態では、周長係数として12種類(2方向×6パターン)をパターン化して定義しているが数はこれに限定されない。
第2実施形態では、ハーフトーン画像データが表すドットパターンを構成するドットの周長を計算する場合、ドット周長を構成するエッジと合致する図14の周長係数がエッジの長さとして定義される。例えば、図7(a)のドットパターンにおけるドット周長を計算する場合を例として説明する。図7(a)のハーフトーン画像データにおいて、第1実施形態で説明した方法では、画素の1辺の長さを1として、エッジは8辺あるため、ドット周長は8と算出した。
次に、図18の表に従って、図7(a)の周長係数を考慮してドット周長を計算してみる。図7(a)における起点をスタートとし、時計回りに順にエッジ1、エッジ2、としエッジ8まで8辺それぞれのエッジの周長係数を考える。まず、起点より右に1画素辺のエッジ1について考える。エッジ1は水平エッジであり右にドット(黒画素)があるパターンなので、図18において単連の水平エッジに該当する。よって、エッジ1は0.9と定義される。次に、エッジ2について考える。エッジ2は水平エッジであり左にドット(黒画素)があるパターンである。これはエッジ1と左右対称な単連の水平エッジに該当する。よって、エッジ2は0.9と定義される。以下同様にすべてのエッジの周長係数を求めると、エッジ3は1.0、エッジ4は0.8、エッジ5は0.75、エッジ6は1.0、エッジ7は0.85、エッジ8は0.85となる。これらすべての総和は、0.9+0.9+1.0+0.8+0.75+1.0+0.85+0.85=7.05となる。すなわち、7.05が周長係数を考慮したドット周長として算出される。つまり、第2本実施形態における図7(a)が示すドットの形状パラメータは、7.05/3=2.35として算出される。
<ドット周長への重みづけによる効果>
図19は、図18が示す周長係数に基づいてドット形状パラメータFを演算した場合の、ドットの形状パラメータFと濃度の変動係数CVとの関係を示すグラフである。図19は、図8と同様にように発明者が複数の条件である12個のドットパターンにおける濃度の変動係数CVを求めたグラフである。このグラフより、周長係数を用いて算出したドット形状パラメータFと濃度変動率には非常に強い正の相関(R=0.9864)があることが分かる。これは、図8で説明した相関係数より高い数値を示している。言い換えると、エッジ近傍のドットパターンに応じた周長係数を用いてドットの形状パラメータFを算出することで濃度予測の精度が高まるといえる。
<周長係数の決定方法>
周長係数は、図18で示すようにエッジ近傍のドットパターンごとに予め記憶されている。第2実施形態における周長係数については、同じ製品内では固有の値であるとし、画像形成条件が変わる場合は適宜新しい周長係数を定義するものとする。これは周長係数の特性が、ハーフトーン画像データが表すドットパターンにおいて、各エッジが出力された画像(トナー像)の濃度へ与える影響度を数値化したものである。そのため、出力画像の濃度に影響ある条件(例えば、トナーの成分、感光ドラムの感度など)が異なる場合は、ドットの周長係数を変える必要があるためである。このように画像形成条件が変化する場合は、改めて周長係数の最適値を求める必要がある。
ここで、周長係数の決定方法について説明する。第2実施形態における画像形成装置1では、周長係数は製品開発にあたり予め決定されているものとする。以下に、製品開発において周長係数決定を行う場合について説明する。周長係数を決定するためには、デジタルなハーフトーン画像データが表すドットパターンのドットについて、エッジがドットの濃度変動に及ぼす影響度を数値化する必要がある。そのため、製品開発において特定のドットパターンを表すハーフトーン画像データを様々な条件で出力と測定を実行し、その濃度変動に応じて周長係数を決定する。
図20は、周長係数決定方法を示すフローチャートである。まずステップS2001において画像形成部208は、複数の条件下において、図21が示す周長係数測定用画像P(dc)を出力する。図17が示す周長係数測定用画像はそれぞれ、ドットパターンdc〜dcを複数配置した画像である。複数の条件下とは、例えば室温変化、湿度変化、画像形成装置1の耐久変化、経時変化などを様々に変化させた状態であり、濃度変動を及ぼす外的変化ならばこれらに限定されない。
ステップS2002において、画像形成部208が出力した周長係数測定用画像(トナー像)の濃度を測定する。濃度の測定手段としては、濃度センサ209を用いて濃度を測定してもいいし、外部の濃度計測器などを使用してもよい。
ステップS2003において、ステップS2002における濃度測定の結果に基づいて、濃度の変動係数CVを算出する。変動係数CVは、前述のように標準偏差を平均値で除算した値であり、濃度変動のばらつきを示す指標である。
次にステップS2004において、変動係数CVとドットパターンdcより計算されるドットの形状パラメータF(dc)との相関係数が高くなるように周長係数を決定する。具体的には、エッジ近傍のドットパターンごとに周長係数を変化させる。周長係数の値を変えるごとに、形状パラメータF(dc)を算出し、図22に示すようにCVと形状パラメータF(dc)との回帰直線Sと形状パラメータF(dc)との差分ΔF(dc)を算出する。すべてのドットの形状パラメータFにおけるΔF(dc)が小さくなる周長係数を最適な周長係数として決定する。決定された周長係数は例えば、図18に示したような値で定義される。決定された周長係数は、画像形成装置1内部のRAM101に記憶され、本実施形態で説明したとおり濃度変動予測の処理に使用される。
以上、説明したように第2実施形態において説明した画像形成装置1は、ドットを形成するエッジごとに周長係数を定義することによって、濃度変動の特性モデルによる濃度の予測精度を向上させることが可能となる。
なお、第2実施形態では画像形成装置1の設計時に周長係数を決定する場合について説明したが、画像形成装置1内で周長係数決定処理を行う構成としてもよい。この場合は、図20が示すフローチャートを画像形成装置1内部のCPU100を通じて実行される。実行のタイミングとしては、濃度変動に起因する状態変化が起きた場合などが挙げられる。このような状態変化の発生は、画像形成装置1内部の不図示のセンサ(温度センサ、湿度センサ、など)のモニタ結果によってCPU100が適宜判断すればよい。
<第3実施形態>
第1および第2実施形態では、物理的ドットゲインが原因となる濃度変動について、濃度変動の特性モデルを用いて濃度予測を行う構成について説明した。第3実施形態ではさらに、光学的ドットゲインの原因も考慮してドットパターンの濃度変動を予測する構成について説明する。なお前述の同様の構成については詳細な説明を省略する。
光学的ドットゲインとは、トナー像の物理的な面積の大きさの変化ではなく、反射光量が変化することにより視覚的に濃度が変化しているように見える現象である。画像の濃度は、トナーが光を吸収することで表現するため、その光の吸収量が変化すると同じ画像でも濃度が異なって見えてしまう。このような光学的ドットゲインに影響を及ぼすパラメータの一つに、ハーフトーン画像データにおける線数がある。従って、ハーフトーン画像データにおける線数に応じて、ドットの形状変化が出力される濃度に与える影響度(周長係数)を切り替えることによって高精度に濃度予測できる。
(線数による周長係数の切り替え)
ここでは、ドットパターンの線数に応じて、周長係数を切り替える構成について説明する。一般に、線数が高いほど光学的ドットゲインは増加する。これは、ドット同士が近づくことによってドット間の下地からの光量反射が弱まり、見ため濃度が濃くなるためである。そこで第3実施形態における画像形成装置1は、複数の周長係数テーブルを予め記憶しておき、ハーフトーン画像データが表すドットパターンの線数に応じて周長係数を切り替えることで、線数違いによる光学的ドットゲインの影響も考慮した濃度予測をする。
第3実施形態における画像形成装置1の構成を示すブロック図は、図1が示す構成と同様であるが、周長係数の切り替えのために、ハーフトーン処理部202から濃度変動予測部203に対して被予測ドットパターンに加えてその線数の情報も伝送する。具体的には、濃度予測モード時に濃度予測部203は、ハーフトーン処理部202から被予測ドットパターンと合わせて、被予測ドットパターンの線数を示す情報を受け取る。濃度変動予測部203は、線数に対応する周長係数テーブルを選択し、被予測ドットパターンを構成するドットの形状と周長係数テーブルとから形状パラメータFを計算し、濃度予測を行う。濃度予測の結果に応じたガンマ補正テーブルの更新情報は、前述の実施形態と同様に更新部206へと送られ、ガンマ補正テーブルの更新が行われる。複数の周長係数の決定方法については、第2実施形態で説明したドット周長に加え、ハーフトーンの線数(ドット間の距離などでもよい)による濃度変動へも加味して濃度変動の相関係数を求めることで容易に決定することができる。
以上、説明したように線数に応じて周長係数を切り替えることによって光学的ドットゲインを加味することができ、少ない濃度測定回数で高精度な濃度予測が可能となる。
<その他の実施形態>
前述の実施形態では、判定部207が、所定値以上濃度変動が発生しているかどうかを判定する構成を例に説明した。しかしながら必ずしも判定部207による判定は必要ではない。例えば、濃度検出モードが実行されるたびに、濃度予測モード、濃度補正モードに順に移行されるようにしてもよい。あるいは、画像形成装置1の電源投入時は判定部207の判定によらずガンマ補正テーブルの更新を行い、それ以外のタイミングで濃度検出モードが実行された場合にのみ、判定部207による判定に応じてガンマ補正テーブルを更新するようにしてもよい。
なお前述の実施形態では、画像形成部208は電子写真方式による印刷を想定して説明したが、この構成に限定されない。インクジェット方式を用いた印刷であっても、本実施形態を適用することは可能である。
本発明は、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給することによっても実現できる。この場合、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU)が、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することにより、上述した実施形態の機能を実現する。
1 画像形成装置
201 階調補正部
203 濃度変動予測部
204 濃度変動検出部
206 更新部
210 濃度測定部

Claims (15)

  1. 入力画像データに基づいて、記録剤によって記録媒体上に画像を形成する画像形成装置であって、
    ドットパターンを表すパッチ画像データに基づいて記録剤によって記録媒体上に形成したパッチ画像の濃度を測定し、第1の濃度として出力する測定手段と、
    前記パッチ画像を表すドットパターンを構成するドットの周長と面積とに基づいて、第1のドット形状パラメータを導出する導出手段と、
    前記第1のドット形状パラメータとは異なる第2のドット形状パラメータに対応するドットにより構成されるドットパターンを表すハーフトーン画像データに基づいて前記記録剤により形成される画像の濃度を、前記第1のドット形状パラメータと前記第1の濃度に基づいて予測し、第2の濃度として出力する予測手段と
    を有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記予測手段は、前記第1の濃度と第1のドット形状パラメータと前記パッチ画像の目標濃度とに基づいて得られる前記画像形成装置の出力特性のモデルに基づいて、前記第2の濃度を算出することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. さらに、前記モデルを保持する保持手段を有し、
    前記予測手段は、複数のドットパターンを表すハーフトーン画像データの濃度を予測することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記第1もしくは第2のドット形状パラメータは、ドットの周長/面積によって定義されることを特徴とする請求項1乃至3いずれか一項に記載の画像形成装置。
  5. 前記導出手段は、前記ドットのエッジ近傍におけるドットパターンに基づいて重み係数を保持し、前記ドットのエッジに相当する画素1辺ごとに前記重み係数により重み付けした値の総和を、前記ドットの周長として算出することを特徴とする請求項1乃至3のいれか一項に記載の画像形成装置。
  6. ハーフトーン画像データに基づいて記録剤により画像を形成する画像形成装置のための画像処理装置であって、
    入力画像データに対してガンマ補正テーブルを用いてガンマ補正するガンマ補正手段と、
    前記ガンマ補正手段によりガンマ補正された入力画像データに対してハーフトーン処理するハーフトーン処理手段と、
    前記ハーフトーン画像データを表すドットパターンを構成するドットの周長と面積とに基づいてドット形状パラメータを導出する導出手段と、
    前記ハーフトーン画像データが目標とする目標濃度を取得する取得手段と、
    前記ドット形状パラメータと前記目標濃度とに基づいて、前記ハーフトーン画像データに応じて前記記録剤により形成される画像の濃度を予測する予測手段と、
    前記予測手段の結果に応じて、前記ガンマ補正テーブルを更新する更新手段と
    を有すことを特徴とする画像処理装置。
  7. 前記ドット形状パラメータは、ドットの周長/面積によって定義されることを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
  8. 前記導出手段は、前記ドットのエッジ近傍におけるドットパターンに基づいて重み係数を保持し、前記ドットのエッジに相当する画素1辺ごとに前記重み係数により重み付けして加算した結果を、前記ドットの周長として算出することを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
  9. 前記予測手段は、前記ハーフトーン画像データを出力して得られる画像の目標濃度に対する濃度変動率は、所定の濃度勾配とドット形状パラメータの積によって求められる関係を用いて、前記画像の濃度を予測することを特徴とする請求項6乃至8のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  10. 前記所定の濃度勾配を算出するため、前記画像形成装置にパッチ画像を出力する出力手段と、
    前記画像形成装置が前記パッチ画像を前記記録剤により形成した画像の濃度を測定した測定濃度を取得する取得手段と、
    前記パッチ画像のドット形状パラメータと前記測定濃度とから、前記所定の濃度勾配を算出する算出手段を有することを特徴とする請求項9に記載の画像
    処理装置。
  11. コンピュータに読み込み込ませ実行させることで、前記コンピュータを請求項1乃至5の何れか一項に記載された画像形成装置として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
  12. コンピュータに読み込み込ませ実行させることで、前記コンピュータを請求項7乃至10の何れか一項に記載された画像処理装置として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
  13. 入力画像データに基づいて、記録剤によって記録媒体上に画像を形成する画像形成方法であって、
    ドットパターンを表すパッチ画像データに基づいて記録剤によって記録媒体上に形成したパッチ画像の濃度を測定し、第1の濃度として出力し
    前記パッチ画像を表すドットパターンを構成するドットの周長と面積とに基づいて、第1のドット形状パラメータを導出し
    前記第1のドット形状パラメータとは異なる第2のドット形状パラメータに対応するドットにより構成されるドットパターンを表すハーフトーン画像データに基づいて前記記録剤により形成される画像の濃度を、前記第1のドット形状パラメータと前記第1の濃度に基づいて予測し、第2の濃度として出力することを特徴とする画像形成方法。
  14. ハーフトーン画像データに基づいて記録剤により画像を形成する画像形成装置のための画像処理方法であって、
    入力画像データに対してガンマ補正テーブルを用いてガンマ補正し、
    前記ガンマ補正された入力画像データに対してハーフトーン処理し、
    前記ハーフトーン画像データを表すドットパターンを構成するドットの周長と面積とに基づいてドット形状パラメータを導出し、
    前記ハーフトーン画像データが目標とする目標濃度を取得し、
    前記ドット形状パラメータと前記目標濃度とに基づいて、前記ハーフトーン画像データに応じて前記記録剤により形成される画像の濃度を予測し、
    前記予測結果に応じて、前記ガンマ補正テーブルを更新することを特徴とする画像処理方法。
  15. ハーフトーン画像データが表現したい目標濃度を取得し、
    ハーフトーン画像データが表すドットパターンを構成するドットの周長と面積とに基づいてドット形状パラメータを取得し、
    前記目標濃度と前記ドット形状パラメータとから、前記ハーフトーン画像データに基づいて画像形成装置が記録媒体上に形成した画像の濃度を予測し、
    前記予測した濃度に基づいてガンマ補正テーブルを作成するガンマ補正テーブルの作成方法。
JP2014093609A 2014-04-30 2014-04-30 画像処理装置、画像処理方法、およびプログラム Active JP6341747B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014093609A JP6341747B2 (ja) 2014-04-30 2014-04-30 画像処理装置、画像処理方法、およびプログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014093609A JP6341747B2 (ja) 2014-04-30 2014-04-30 画像処理装置、画像処理方法、およびプログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015211429A JP2015211429A (ja) 2015-11-24
JP6341747B2 true JP6341747B2 (ja) 2018-06-13

Family

ID=54613307

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014093609A Active JP6341747B2 (ja) 2014-04-30 2014-04-30 画像処理装置、画像処理方法、およびプログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6341747B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6668759B2 (ja) * 2016-01-08 2020-03-18 株式会社リコー 画像形成装置、階調補正方法、および階調補正プログラム

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2791527B2 (ja) * 1992-07-23 1998-08-27 大日本スクリーン製造株式会社 網目版画像記録方法
JP2007003707A (ja) * 2005-06-22 2007-01-11 Brother Ind Ltd 画像形成装置及びプログラム
JP4618333B2 (ja) * 2008-06-10 2011-01-26 コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 画像形成装置、階調補正方法、および階調補正プログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015211429A (ja) 2015-11-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10194053B2 (en) Image forming apparatus and density correction method in image forming apparatus based on correction characteristics
JP4725755B2 (ja) プリンタ階調補正方法およびカラーパッチ画像
JP5717361B2 (ja) 画像形成装置
JP6729103B2 (ja) 色変換装置及び色変換プログラム並びに色変換方法
JP2007059990A (ja) 画像形成装置
JP2017195522A (ja) 画像形成装置及び色変換制御プログラム並びに色変換制御方法
JP5219731B2 (ja) 画像形成装置および方法
JP2007078888A (ja) 画像形成装置
JP2021152598A (ja) 画像形成装置
JP6486044B2 (ja) 画像形成装置
JP2016208151A (ja) 画像処理装置、画像処理方法、画像処理装置を有する画像形成装置、及びプログラム。
JP6341747B2 (ja) 画像処理装置、画像処理方法、およびプログラム
JP4900902B2 (ja) 画像形成装置および濃度制御方法
JP6360298B2 (ja) 画像形成装置
JP4793246B2 (ja) 画像形成装置
JP2017078754A (ja) 画像形成装置
JP6729227B2 (ja) 画像処理装置、画像形成装置及びプログラム
JP6406982B2 (ja) 画像形成装置およびその制御方法
JP2013240952A (ja) 階調補正システムおよび画像形成装置
JP6537022B2 (ja) 画像形成装置、画像形成方法及び画像形成プログラム
JP6428000B2 (ja) 色補正装置、画像形成装置、及び色補正プログラム
JP6536086B2 (ja) 画像形成装置及びテストパターンの生成方法
JP5981962B2 (ja) 画像形成装置及びその制御方法
JP5869455B2 (ja) 濃度測定装置、画像形成システム、及び濃度測定プログラム
JP2010019968A (ja) 画像形成装置、画像補正方法、画像補正プログラム及び記録媒体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170428

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180129

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180206

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180406

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180417

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180515

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6341747

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151