JP6340870B2 - オーステナイト系ステンレス鋼 - Google Patents

オーステナイト系ステンレス鋼 Download PDF

Info

Publication number
JP6340870B2
JP6340870B2 JP2014070798A JP2014070798A JP6340870B2 JP 6340870 B2 JP6340870 B2 JP 6340870B2 JP 2014070798 A JP2014070798 A JP 2014070798A JP 2014070798 A JP2014070798 A JP 2014070798A JP 6340870 B2 JP6340870 B2 JP 6340870B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steel
content
austenitic stainless
stainless steel
preferable
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014070798A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015190054A (ja
Inventor
西山 佳孝
佳孝 西山
茂浩 石川
茂浩 石川
礼文 河内
礼文 河内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP2014070798A priority Critical patent/JP6340870B2/ja
Publication of JP2015190054A publication Critical patent/JP2015190054A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6340870B2 publication Critical patent/JP6340870B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Heat Treatment Of Articles (AREA)

Description

本発明は、オーステナイト系ステンレス鋼に関し、より詳しくは、発電設備のボイラ、配管、廃熱回収ボイラ、各種熱交換器などに用いられるオーステナイト系ステンレス鋼に関する。
近年、様々な技術分野において温暖化を初めとする地球環境問題への関心が高まっている。そのような状況下において、発電プラントでは、炭酸ガスの総排出量を抑制することが急務となっており、新規に建設されるプラントでは、高効率に発電できる設備が強く要求されている。
例えば、火力発電ボイラにおいては、高効率発電のために、蒸気の高温化および高圧化が有効な対策として採用されている。この蒸気の高温化および高圧化は、ボイラの過熱器管および再熱器管の管壁温度の上昇を招く。また、ボイラ用鋼管は、高温強度とともに、水蒸気による高温酸化に対する耐性が求められる。鋼管の水蒸気酸化を防止する方法として、特許文献1〜9に示すように、種々の提案がなされている。
[鋼組織を細粒化する技術]
特許文献1には、鋼管の内表面側に結晶粒度番号がNo.7以上の細粒組織を有し、その細粒層部のC+Nが0.15%以上であるオーステナイトステンレス鋼管が開示されている。
特許文献2には、Tiを均一に分散したNb含有鋼の結晶粒度番号をNo.7以上の細粒組織とすることで耐水蒸気酸化性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼管が開示されている。
[表層にピーニング吹き付けを付与する技術]
特許文献3には、オーステナイトステンレス鋼管の最終熱処理後、内表面に粒子吹き付けによるピーニング加工が開示されている。
特許文献4には、オーステナイトステンレス鋼管に所定の条件でピーニング加工をして、10μm以上の加工層を形成したオーステナイトステンレス鋼管が開示されている。
特許文献5には、既設ボイラから取り出した管体に対し、熱処理後に管体の内面に脱スケールを行うことを目的とした化学洗浄を施し、その後、管体の内面に対し、冷間加工層形成を目的としたショットブラスト加工を施す既設ボイラのステンレス管体処理方法が開示されている。
[高加工度の冷間加工を付与する技術]
特許文献6には、16〜20重量%のCr量を含有し、内面が冷間加工されたオーステナイト系ステンレス鋼管であって、鋼管内表面近傍位置でのCr濃度が14重量%以上であり、鋼管内面100μm位置の硬さが母材の平均硬度の1.5倍以上またはHv300以上の硬度を有するボイラ用オーステナイト系ステンレス鋼管が開示されている。
特許文献7には、質量%でCrを8〜28%含有する鋼管の硬度の高い加工層を有する耐水蒸気酸化性に優れた鋼管が開示されている。
特許文献8には、鋼管内表面から深さ10〜20μmの金属組織中に、体積率で0.3%以上のサブグレイン(小角粒界またはさらに大角粒界)組織が存在する耐水蒸気酸化性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼管が開示されている。
特許文献9には、鋼管内表面側にXRD測定により求めた平均転位密度が3.0×1014/m以上である金属組織を有するオーステナイト系ステンレス鋼管が開示されている。
特開昭58−133352号公報 特開2003−268503号公報 特開昭49−135822号公報 特開昭52−8930号公報 特開昭63−54598号公報 国際公開第2008/023410号公報 特開2009−68079号公報 国際公開第2011/155296号公報 国際公開第2013/001956号公報
鋼組織を細粒化することにより、耐水蒸気酸化性は向上する。しかしながら、細粒鋼の場合、クリープ強度を低下させてしまう傾向にある。一方、粗粒鋼によりクリープ強度の向上を図ると、耐水蒸気酸化性が低下してしまう。
また、粗粒鋼の表層に加工層を形成することにより、鋼の耐水蒸気酸化性は向上する。しかしながら、粗粒鋼に付与したときの耐水蒸気酸化性は、細粒鋼に付与したときの耐水蒸気酸化性よりも劣る。このため、粗粒鋼の表層に加工層を形成した場合でも、クリープ強度を損なうことなく、耐水蒸気酸化性に優れるオーステナイト系ステンレス鋼を得ることができないという問題がある。
本発明の目的は、クリープ強度を損なうことなく、耐水蒸気酸化性に優れるオーステナイト系ステンレス鋼を提供することである。
本発明の一実施形態によるオーステナイト系ステンレス鋼は、質量%で、C:0.2%以下、Si:2.0%以下、Mn:0.1〜3.0%、Cr:14〜22%、Ni:6〜34%、Cu:5%以下、N:0〜0.3%、Al:0.3%以下、Co:0〜10%、V:0〜1.0%、Ti:0〜0.5%、Ca:0〜0.02%、Mg:0〜0.02%、Zr:0〜0.5%、B:0〜0.02%、及び、希土類元素:0〜0.1%を含有し、残部はFe及び不純物からなる化学組成を有し、かつ、鋼の表面におけるNi含有量はNi含有量よりも大きい。
本発明によれば、クリープ強度を損なうことなく、耐水蒸気酸化性に優れるオーステナイト系ステンレス鋼を提供することができる。
以下、本発明の実施形態によるオーステナイト系ステンレス鋼を説明する。ここで、各元素の含有量の「%」は「質量%」を意味する。
本発明者らは、多数の鋼管から管状試験片を切出して水蒸気酸化試験を行い、鋼管の内表面に生成する酸化スケールの調査を行った。その結果、調査した試験片は酸化スケールの厚さにばらつきがあることが判明した。また、酸化スケールを解析したところ、いずれも外層がFe、内層はFeやCrなどからなるスピネル型酸化物で構成されている。一方、内層と鋼界面にCrが連続的に形成しているものと、不連続なものがあることが判明した。
同一の化学組成を有する鋼管においてもばらつきがみられた。このため、水蒸気酸化試験前における鋼管の内表面の化学組成を調査した。その結果、酸化スケールが比較的薄い試験片では、鋼の表面におけるNi含有量が鋼全体の平均Ni含有量より大きいことを確認した。また、均一化熱処理および/またはその後のNi表面濃化処理の条件を変化させたところ、鋼の表面におけるNi含有量が鋼全体の平均Ni含有量より大きい試験片は、水蒸気酸化試験後の酸化スケールが薄くなることを確認した。すなわち、オーステナイト系ステンレス鋼の耐水蒸気酸化性が向上していた。
このように、鋼の表面におけるNi含有量が水蒸気酸化時にCrを形成することに影響し、酸化スケールの厚さが変化する。鋼の表面におけるNi含有量が鋼全体の平均Ni含有量より大きい場合に、Crが連続形成されやすくなる理由は定かではないが、Crの外方流束が関係していると推測される。すなわち、Crの流束は、鋼の表面と鋼全体とのそれぞれにおけるCrの化学ポテンシャルの差に依存している。Crの化学ポテンシャルの差が大きいほど、Crの流束が大きくなる。このため、鋼の表面にCrが形成されやすくなる。このように、鋼の表面におけるNi含有量がCrの化学ポテンシャルに影響し、その結果として、オーステナイト系ステンレス鋼の耐水蒸気酸化性が向上すると推測される。
さらに、鋼の表面におけるFe含有量に対する鋼の表面におけるNi含有量の比が0.130以上になると、鋼の表面におけるNi含有量が鋼全体の平均Ni含有量よりもさらに大きい状態となるため、オーステナイト系ステンレス鋼の耐水蒸気酸化性がより向上する。
本発明は、以上の知見に基づき完成されたものである。
本発明の実施形態によるオーステナイト系ステンレス鋼の化学組成は、次の元素を含有する。
[C:0.2%以下]
炭素(C)は、不可避的に含有され、鋼の強度及びクリープ強度を高める。しかしながら、C含有量が高すぎれば、溶体化処理後であって未固溶の炭化物が残存し、強度が低下する。C含有量が高すぎればさらに、靭性等の機械的性質が低下する。したがって、C含有量は0.2%以下である。C含有量の好ましい下限は0.01%以上であり、さらに好ましくは0.02%である。C含有量の好ましい上限は0.2%未満であり、さらに好ましくは0.16%であり、さらに好ましくは0.12%である。
[Si:2.0%以下]
シリコン(Si)は、不可避的に含有される。Siは鋼を脱酸する。Siはさらに、鋼の耐水蒸気酸化性を高める。しかしながら、Si含有量が高すぎれば、鋼の溶接性及び熱間加工性が低下する。したがって、Si含有量は2.0%以下である。Si含有量の好ましい下限は0.1%であり、さらに好ましくは0.12%である。Si含有量の好ましい上限は2.0%未満であり、さらに好ましくは1.5%であり、さらに好ましくは0.8%である。
[Mn:0.1〜3.0%]
マンガン(Mn)はSiと同様に、鋼を脱酸する。Mnはさらに、Sと結合してMnSを形成し、熱間加工性を高める。Mn含有量が低すぎれば、上記効果は得られない。一方、Mn含有量が高すぎれば、鋼が脆化する。したがって、Mn含有量は0.1〜3.0%である。Mn含有量の好ましい下限は0.1%よりも高く、さらに好ましくは0.2%であり、さらに好ましくは0.5%である。Mn含有量の好ましい上限は3.0%未満であり、さらに好ましくは2.5%であり、さらに好ましくは2.0%である。
[Cr:14〜22%]
クロム(Cr)は鋼の高温強度を高める。Crはさらに、水蒸気酸化環境において、鋼の表面に酸化物(Cr)を形成し、耐水蒸気酸化性を高める。Cr含有量が低すぎれば、上記効果は得られない。一方、Cr含有量が高すぎれば、鋼の靭性及び熱間加工性が低下する。したがって、Cr含有量は14〜22%である。Cr含有量の好ましい下限は14%よりも高く、さらに好ましくは15%であり、さらに好ましくは16%である。Cr含有量の好ましい上限は22%未満であり、さらに好ましくは21%であり、さらに好ましくは20.5%である。
[Ni:6〜34%]
ニッケル(Ni)は、鋼中のオーステナイト組織を安定化する。Niはさらに、クリープ強度を高める。Ni含有量が低すぎれば、上記効果が得られない。一方、Ni含有量が高すぎれば、上記効果が飽和し、製造コストも増加する。したがって、Ni含有量は6〜34%である。Ni含有量の好ましい下限は6%よりも高く、さらに好ましくは7%であり、さらに好ましくは8%である。Ni含有量の好ましい上限は34%未満であり、さらに好ましくは33%であり、さらに好ましくは31%である。
[Cu:5%以下]
銅(Cu)は、鋼の高温強度を高める。しかしながら、Cu含有量が高すぎれば、鋼の溶接性及び熱間加工性が低下する。したがって、Cu含有量は0〜5%である。Cu含有量の好ましい下限は0.1%であり、さらに好ましくは0.15%である。Cu含有量の好ましい上限は5%未満であり、さらに好ましくは4%である。
[N:0〜0.3%]
窒素(N)は不可避的に含有される。Nは任意元素であり、積極的に含有されなくてもよい。Nを積極的に含有する場合、Nは鋼に固溶して鋼の強度を高める。Nはさらに、他の元素と結合して窒化物を析出させ、鋼を強化する。しかしながら、N含有量が高すぎれば、鋼の靭性及び溶接性が低下する。したがって、N含有量の上限は0.3%である。鋼を強化するためにNを積極的に含有する場合、N含有量の好ましい下限は0.005%であり、さらに好ましくは0.01%である。N含有量の好ましい上限は0.3%未満であり、さらに好ましくは0.28%であり、さらに好ましくは0.27%である。Nを積極的に含有しない場合、N含有量は0.005%未満である。
[Al:0.3%以下]
アルミニウム(Al)は、鋼の強度及び耐水蒸気酸化性を高める。しかしながら、Al含有量が高すぎれば、鋼の加工性及び溶接性が低下する。したがって、Al含有量は0〜0.3%である。ここで、Al含有量は、sol.Al(酸可溶Al)の含有量を意味する。Al含有量の好ましい下限は0.001%であり、さらに好ましくは0.005%である。Al含有量の好ましい上限は0.3%未満であり、さらに好ましくは0.2%である。
本発明の実施形態によるオーステナイト系ステンレス鋼の化学組成の残部は、Feおよび不純物からなる。ここで、不純物とは、鋼材を工業的に製造する際に、原料としての鉱石、スクラップ、または製造環境などから混入されるものである。
[Co:0〜10%]
コバルト(Co)は任意元素であり、含有されなくてもよい。Coが含有される場合、CoはNiの一部を代替して鋼のクリープ強度を高める。Co含有量が高すぎれば、上記効果が飽和し、製造コストも増加する。したがって、Co含有量は0〜10%である。Co含有量の好ましい下限は0.1%であり、さらに好ましくは0.15%である。Co含有量の好ましい上限は10%未満であり、さらに好ましくは8%である。
[V:0〜1.0%、Ti:0〜0.5%]
本実施形態のオーステナイト系ステンレス鋼はさらに、バナジウム(V)及びチタン(Ti)からなる群から選択される1種又は2種を含有してもよい。V及びTiはいずれも任意元素である。これらの元素はいずれも、C及びNと結合して炭窒化物を析出させ、鋼を強化する。しかしながら、これらの元素の含有量が高すぎれば、鋼の加工性が低下する。したがって、V含有量は0〜1.0%であり、Ti含有量は0〜0.5%である。V含有量の好ましい下限は0.01%であり、さらに好ましくは0.03%である。V含有量の好ましい上限は1.0%未満であり、さらに好ましくは0.8%である。Ti含有量の好ましい下限は0.01%であり、さらに好ましくは0.03%である。Ti含有量の好ましい上限は0.5%未満であり、さらに好ましくは0.4%である。
[Ca:0〜0.02%、Mg:0〜0.02%、Zr:0〜0.5%、B:0〜0.02%、REM:0〜0.1%]
本実施形態のオーステナイト系ステンレス鋼はさらに、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、ジルコニウム(Zr)、ボロン(B)及び希土類元素(REM)からなる群から選択される1種又は2種以上を含有してもよい。Ca、Mg、Zr、B及びREMはいずれも任意元素である。これらの元素はいずれも、鋼の強度、加工性及び耐水蒸気酸化性を高める。しかしながら、これらの元素含有量が高すぎれば、鋼の加工性及び溶接性が低下する。したがって、Ca含有量は0〜0.02%であり、Mg含有量は0〜0.02%であり、Zr含有量は0〜0.5%であり、B含有量は0〜0.02%であり、REM含有量は0〜0.1%である。本明細書におけるREMは、Sc、Y、及び、ランタノイド(原子番号57番のLa〜71番のLu)の少なくとも1種以上を含有する。REM含有量は、これらの元素の合計含有量を意味する。
Ca含有量の好ましい下限は、0.0001%であり、さらに好ましくは0.0005%である。Ca含有量の好ましい上限は0.02%未満であり、さらに好ましくは0.015%である。
Mg含有量の好ましい下限は0.0001%であり、さらに好ましくは0.0005%である。Mg含有量の好ましい上限は0.02%であり、さらに好ましくは0.015%である。
Zr含有量の好ましい下限は0.0001%であり、さらに好ましくは0.0005%である。Zr含有量の好ましい上限は0.5%未満であり、さらに好ましくは0.4%である。
B含有量の好ましい下限は0.0001%であり、さらに好ましくは0.0005%である。B含有量の好ましい上限は0.02%未満であり、さらに好ましくは0.015%である。
REM含有量の好ましい下限は0.0001%であり、さらに好ましくは0.0005%である。REM含有量の好ましい上限は0.1%未満であり、さらに好ましくは0.07%である。
さらに好ましくは、これらの元素(Ca、Mg、Zr、B及びREM)の総含有量は0.8%以下である。
[鋼の表面におけるNi含有量]
本発明の実施形態によるオーステナイト系ステンレス鋼に関して、鋼の表面におけるNi含有量はNi含有量よりも大きい。すなわち、鋼の表面におけるNi含有量を鋼全体の平均Ni含有量よりも大きくすることにより、鋼の表面におけるNi含有量がCrの化学ポテンシャルに影響し、鋼の表面における保護皮膜としてのCrが形成されやすくなる。その結果、クリープ強度に優れる粗粒鋼であっても、耐水蒸気酸化性を向上させることができる。ここで、鋼の表面とは、オーステナイト系ステンレス鋼における外表面の位置から深さ5μmまでの範囲を指す。
さらに、本発明の実施形態によるオーステナイト系ステンレス鋼の化学組成は、下記の式を満たす。
Ni(sf)/Fe(sf)≧0.130
ここで、Ni(sf)は鋼の表面におけるNi含有量を表し、Fe(sf)は鋼の表面におけるFe含有量を表す。
すなわち、Ni(sf)/Fe(sf)の値が0.130以上になると、鋼の表面におけるNi含有量が鋼全体の平均Ni含有量よりもさらに大きい状態となるため、オーステナイト系ステンレス鋼の耐水蒸気酸化性がより向上する。ここで、Ni(sf)/Fe(sf)の値の好ましい下限は0.135であり、さらに好ましくは0.140である。Ni(sf)/Fe(sf)の値が高いほど耐水蒸気酸化性が良好となるため、特に上限を定めないが、耐水蒸気酸化性の効果が飽和することから、Ni(sf)/Fe(sf)の値の好ましい上限は1.000である。さらに好ましい上限は0.95である。
[製造方法]
上述のオーステナイト系ステンレス鋼の製造方法の一例を説明する。本発明の実施形態による製造方法は、鋼材(鋼管、鋼板等)を準備する工程(準備工程)と、鋼材に対して熱処理を実施する工程(熱処理工程)と、化学液で熱処理により表面に形成した酸化スケールを除去すると同時に鋼の表面におけるNiを濃化する工程(Ni表面濃化処理工程)とを備える。以下、各工程について説明する。
[準備工程]
上述の化学組成を有する素材を準備する。素材は、連続鋳造法(ラウンドCCを含む)により製造された鋳片であってもよい。また、造塊法により製造されたインゴットを熱間加工して製造された鋼片でもよい。鋳片から製造された鋼片でもよい。
準備された素材を加熱炉又は均熱炉に装入し、加熱する。続いて、加熱した素材を熱間加工してオーステナイト系ステンレス鋼材を製造する。オーステナイト系ステンレス鋼管を製造する場合、たとえば、熱間加工としてマンネスマン法を実施する。具体的には、素材を穿孔機により穿孔圧延して素管にする。
続いて、マンドレルミルやサイジングミルにより、素管をさらに圧延する。熱間加工として熱間押出を実施してもよいし、熱間鍛造を実施してもよい。必要に応じて、熱間加工された素管に対して軟化熱処理を行った後、冷間加工してもよい。冷間加工はたとえば、冷間圧延や、冷間引抜等である。素材を熱間加工してオーステナイト系ステンレス鋼板を製造してもよい。
以上の工程によりオーステナイト系ステンレス鋼材が製造される。
[熱処理工程]
準備工程のオーステナイト系ステンレス鋼材に対して、均一化熱処理を実施する。熱処理により、結晶粒の均一化を図る。
好ましい熱処理温度は1100〜1240℃である。熱処理温度が低すぎれば、結晶粒の均一化が不十分となる他、後述のNi表面濃化処理工程後に鋼の表面におけるNi含有量が鋼全体の平均Ni含有量より大きくならないため、優れた耐水蒸気酸化性が得られない。一方、熱処理温度が高すぎれば、結晶粒径が著しく粗大化するために施工性が低下する。したがって、好ましい熱処理温度は1100〜1230℃である。熱処理温度の好ましい下限は1110℃であり、さらに好ましくは1120℃である。熱処理温度の好ましい上限は1240℃未満であり、さらに好ましくは1230℃であり、さらに好ましくは1220℃である。
熱処理の好ましい均熱時間(熱処理温度で保持する時間)は、0.5〜60分である。均熱時間が短すぎれば、結晶粒の均一化が不十分となる他、後述のNi表面濃化処理工程後に鋼の表面におけるNi含有量が鋼全体の平均Ni含有量より大きくならず、優れた耐水蒸気酸化性が得られない。一方、均熱時間が長すぎれば、結晶粒径が粗大化するため施工性が低下する。したがって、好ましい均熱時間は0.5〜60分である。均熱時間の好ましい下限は1分であり、さらに好ましくは2分である。均熱時間の好ましい上限は30分であり、さらに好ましくは20分である。
[Ni表面濃化処理工程]
熱処理工程のオーステナイト系ステンレス鋼材に対して、Ni表面濃化処理を実施する。Ni表面濃化処理により熱処理時に形成した酸化スケールの除去と鋼の表面におけるNi含有量の制御ができる。Ni表面濃化処理溶液はふっ酸と硝酸の混合、ふっ酸と硫酸の混合、ふっ酸と塩酸の混合がよい。硝酸溶液でも適用できる。これらは希釈して使用することも可能である。
好ましいNi表面濃化処理温度は5〜50℃である。Ni表面濃化処理温度が低すぎれば、酸化スケール除去が不十分となるほか、鋼の表面におけるNi含有量が鋼全体の平均Ni含有量より大きくならないため、優れた耐水蒸気酸化性が得られない。一方、Ni表面濃化処理温度が高すぎても特に問題はないが、Ni濃化が不均一になる恐れがある。
したがって、好ましいNi表面濃化処理温度は10〜50℃である。Ni表面濃化処理温度の好ましい下限は10℃であり、さらに好ましくは12℃である。Ni表面濃化処理温度の好ましい上限は50℃未満であり、さらに好ましくは45℃である。
好ましいNi表面濃化処理時間は0.5〜15時間である。Ni表面濃化処理時間が短すぎれば、酸化スケール除去が不十分となるほか、鋼の表面におけるNi含有量が鋼全体の平均Ni含有量より大きくならないため、優れた耐水蒸気酸化性が得られない。一方、Ni表面濃化処理時間が長すぎても特に問題はないが、生産能率を低下させる。したがって、好ましいNi表面濃化処理時間は0.5〜10時間である。Ni表面濃化処理時間の好ましい下限は1時間であり、さらに好ましくは1.5時間である。Ni表面濃化処理時間の好ましい上限は15時間未満であり、さらに好ましくは12時間である。
以上の製造工程に加え、Ni表面濃化処理工程後にオーステナイト系ステンレス鋼材の表面に対して、投射材を用いたブラスト処理を実施して、加工層を形成することも可能である。オーステナイト系ステンレス鋼管の場合、たとえば、鋼管内面に対してブラスト処理を実施して加工層を形成することも可能である。オーステナイト系ステンレス鋼板の場合、一表面に対してブラスト処理を実施して加工層を形成することも可能である。
以上より、本発明の実施形態によるオーステナイト系ステンレス鋼が製造される。
[その他の実施形態]
以上、本発明についての実施形態を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、発明の範囲内で種々の変更が可能である。
表1に示す化学組成を有する溶鋼を製造した。
Figure 0006340870
表1を参照して、鋼番号1〜12における化学組成は、本発明の実施形態における化学組成の範囲内であった。一方、表1中の※印に示すように、鋼番号13のCr含有量は、本発明の実施形態におけるCr含有量の範囲外とした。鋼番号14のNi含有量は、本発明の実施形態におけるNi含有量の範囲外とした。
鋼番号1〜5及び7〜14の化学組成の溶鋼を真空溶解により製造した。これらの溶鋼を用いて、180kgのインゴットを製造した。インゴットに対して熱間鍛造及び熱間押出しを実施し、110mmの外径と、15mmの肉厚とを有する鋼管を製造した。
鋼番号2の鋼管に対して、表面スケールを除去した。鋼番号1、3〜5及び7〜14の素管に対しては、冷間圧延を実施し、50.8mmの外径と、10mmの肉厚とを有する鋼管を製造した。
鋼番号6の化学組成の溶鋼を真空溶解により製造した。この溶鋼を用いて、50kgのインゴットを製造した。インゴットに対して熱間鍛造及び冷間圧延を実施し、10mmの厚さを有する鋼板を製造した。
表2を参照して、試料番号5〜14および17〜25は本発明の実施例のサンプルであり、試料番号1〜4、15、16、26、および27は比較例のサンプル(表2中の※印)である。表2に、各試料番号で実施された均一化熱処理の熱処理温度(℃)と均熱時間(分)とを示す。また、均一化熱処理後のNi表面濃化処理溶液、温度(℃)と時間(h)とを示す。試料番号6及び17については、Ni表面濃化処理を実施した後、鋼の表面にショットブラストを実施した。
Figure 0006340870
[鋼の表面の元素分析]
Ni表面濃化処理後に試験片を作製した。この試験片を鋼断面が分析できるように樹脂に埋め込み、研磨を実施した。鋼の表面をEDX(エネルギー分散型X線分光)により組成分析し、Ni及びFe量を質量%で求めた。
[水蒸気酸化試験]
各供試材から試験片を作製した。この試験片を冶具に吊り下げた形で保持し、横型管状加熱炉に挿入し、600℃で200時間、溶存酸素量100ppbの水蒸気雰囲気中で酸化試験を行った。炉冷後に取り出した試験片を樹脂に埋め込み、断面を切断して鏡面研磨を施した後、試験片表面に生成した酸化スケール断面を光学顕微鏡で観察した。4視野観察し、酸化スケールの厚さの平均値を求めた。表2にその値を示す。酸化スケールの厚さが20μm以下のものを合格とした。
表2より、試料番号6〜12、14、および17〜25では、鋼の表面におけるNi含有量が鋼全体の平均Ni含有量より大きく、かつ、Ni(sf)/Fe(sf)の値が0.130以上であった。このため、試料番号6〜12、14、および17〜25では、600℃の水蒸気酸化試験において、酸化スケール厚さが20μm以下となり、優れた耐水蒸気酸化性を示した。特に、試料番号6及び17については、Ni表面濃化処理を実施した後、鋼の表面にショットブラストを実施したため、酸化スケール厚さが2μm以下となり、より優れた耐水蒸気酸化性を示した。
試料番号5及び13では、鋼の表面におけるNi含有量が鋼全体の平均Ni含有量より大きいが、Ni(sf)/Fe(sf)の値が0.130未満であった。このため、試料番号5及び13では、酸化スケール厚さが20μm以下であるものの、試料番号6〜12、14、および17〜25と比較して、酸化スケールの厚さが比較的厚くなった。
一方、試料番号1では、均一化熱処理の温度が1100℃未満であった。このため、鋼の表面におけるNi量が鋼全体の平均Ni含有量より小さくなり、鋼の表面に保護皮膜としてのCrが形成されにくくなったと推測される。その結果、試料番号1では、酸化スケールの厚さが20μmを超えた。
試料番号2では、均一化熱処理の時間が0.5分未満であった。このため、鋼の表面におけるNi量が鋼全体の平均Ni含有量より小さくなり、鋼の表面に保護皮膜としてのCrが形成されにくくなったと推測される。その結果、試料番号2では、酸化スケールの厚さが20μmを超えた。
試料番号3では、Ni表面濃化処理の温度が5℃未満であった。このため、鋼の表面におけるNi量が鋼全体の平均Ni含有量より小さくなり、鋼の表面に保護皮膜としてのCrが形成されにくくなったと推測される。その結果、試料番号3では、酸化スケールの厚さが20μmを超えた。
試料番号4では、Ni表面濃化処理の時間が0.5時間未満であった。このため、鋼の表面におけるNi量が鋼全体の平均Ni含有量より小さくなり、鋼の表面に保護皮膜としてのCrが形成されにくくなったと推測される。その結果、試料番号4では、酸化スケールの厚さが20μmを超えた。
試料番号15では、Ni表面濃化処理の時間が0.5時間未満であった。このため、鋼の表面におけるNi量が鋼全体の平均Ni含有量より小さくなり、鋼の表面に保護皮膜としてのCrが形成されにくくなったと推測される。その結果、試料番号15では、酸化スケールの厚さが20μmを超えた。
試料番号16では、均一化熱処理の温度が1100℃未満であった。このため、鋼の表面におけるNi量が鋼全体の平均Ni含有量より小さくなり、鋼の表面に保護皮膜としてのCrが形成されにくくなったと推測される。その結果、試料番号16は、酸化スケールの厚さが20μmを超えた。
試料番号26は、本発明の実施形態によるCr含有量の下限未満となるCr含有量を有する鋼番号13を用いた。このため、試料番号26では、鋼の表面におけるNi含有量が鋼全体の平均Ni含有量より大きいものの、Cr含有量が低すぎたため、鋼の表面に保護皮膜としてのCrが形成されにくくなったと推測される。その結果、試料番号26は、600℃の水蒸気酸化試験において、酸化スケールの厚さが20μmを超えた。
試料番号27は、本発明の実施形態によるNi含有量の下限未満となるNi含有量を有する鋼番号14を用いた。このように、試料番号27では、他の試料番号のサンプルと比較して、Ni含有量が少ないため、鋼の表面におけるNi含有量が鋼全体の平均Ni含有量より大きいものの、Ni(sf)/Fe(sf)の値が0.130未満となり、鋼の表面に保護皮膜としてのCrが形成されにくくなったと推測される。その結果、試料番号27は、600℃の水蒸気酸化試験において、酸化スケールの厚さが20μmを超えた。
本発明によれば、クリープ強度を損なうことなく、耐水蒸気酸化性に優れるオーステナイト系ステンレス鋼として産業上の利用が可能である。

Claims (4)

  1. オーステナイト系ステンレス鋼であって、
    質量%で、C:0.2%以下、Si:2.0%以下、Mn:0.1〜3.0%、Cr:14〜22%、Ni:6〜34%、Cu:0〜5%、N:0〜0.3%、Al:0〜0.3%、Co:0〜10%、V:0〜1.0%、Ti:0〜0.5%、Ca:0〜0.02%、Mg:0〜0.02%、Zr:0〜0.5%、B:0〜0.02%、及び、希土類元素:0〜0.1%を含有し、残部はFe及び不純物からなる化学組成を有し、かつ、前記鋼の表面におけるNi含有量は前記Ni含有量よりも大きい、オーステナイト系ステンレス鋼。
  2. 請求項1に記載のオーステナイト系ステンレス鋼であって、
    前記化学組成が下記の式を満たす、オーステナイト系ステンレス鋼。
    Ni(sf)/Fe(sf)≧0.130
    ここで、Ni(sf)は前記鋼の表面におけるNi含有量を表し、Fe(sf)は前記鋼の表面におけるFe含有量を表す。
  3. 請求項1または2に記載のオーステナイト系ステンレス鋼であって、
    Co:0.1〜10%、V:0.01〜1.0%、Ti:0.01〜0.5%、Ca:0.0001〜0.02%、Mg:0.0001〜0.02%、Zr:0.0001〜0.5%、B:0.0001〜0.02%、及び、希土類元素:0.0001〜0.1%からなる群から選択される1種又は2種以上を含有する、オーステナイト系ステンレス鋼。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のオーステナイト系ステンレス鋼からなる鋼管
JP2014070798A 2014-03-31 2014-03-31 オーステナイト系ステンレス鋼 Active JP6340870B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014070798A JP6340870B2 (ja) 2014-03-31 2014-03-31 オーステナイト系ステンレス鋼

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014070798A JP6340870B2 (ja) 2014-03-31 2014-03-31 オーステナイト系ステンレス鋼

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015190054A JP2015190054A (ja) 2015-11-02
JP6340870B2 true JP6340870B2 (ja) 2018-06-13

Family

ID=54424811

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014070798A Active JP6340870B2 (ja) 2014-03-31 2014-03-31 オーステナイト系ステンレス鋼

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6340870B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101659186B1 (ko) * 2014-12-26 2016-09-23 주식회사 포스코 가요성이 우수한 오스테나이트계 스테인리스강
WO2018003823A1 (ja) * 2016-06-29 2018-01-04 新日鐵住金株式会社 オーステナイト系ステンレス鋼
RU2651067C1 (ru) * 2017-11-20 2018-04-18 Юлия Алексеевна Щепочкина Сплав на основе железа
CN108193135B (zh) * 2018-02-08 2020-06-16 四川维珍高新材料有限公司 一种低碳高强度奥氏体耐热钢及其制备方法
JP7486339B2 (ja) 2020-04-24 2024-05-17 日本製鉄株式会社 ステンレス鋼、シームレスステンレス鋼管、及びステンレス鋼の製造方法

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5500038B2 (ja) * 2010-10-13 2014-05-21 新日鐵住金株式会社 皮膜に対する密着性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015190054A (ja) 2015-11-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6244939B2 (ja) オーステナイト系ステンレス鋼管
JP4952862B2 (ja) 耐水蒸気酸化性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼管およびその製造方法
JP6244938B2 (ja) オーステナイト系ステンレス鋼溶接継手
JP5500038B2 (ja) 皮膜に対する密着性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼
CA2837281C (en) Austenitic stainless steel tube
JP5124857B2 (ja) マルテンサイト系ステンレス鋼
JP5201297B2 (ja) オーステナイト系ステンレス鋼及びオーステナイト系ステンレス鋼材の製造方法
JP6340870B2 (ja) オーステナイト系ステンレス鋼
JP6614347B2 (ja) オーステナイト系ステンレス鋼
JP6137434B1 (ja) オーステナイト系ステンレス鋼
JP5589965B2 (ja) オーステナイト系ステンレス鋼管の製造方法及びオーステナイト系ステンレス鋼管
JP7114998B2 (ja) オーステナイト系ステンレス鋼
JP2009068079A (ja) 耐水蒸気酸化性に優れた鋼管
JP2021167445A (ja) 二相ステンレス鋼材
JPWO2019107456A1 (ja) Ni基合金の製造方法及びNi基合金
CN108431246B (zh) 油井用不锈钢管的制造方法及油井用不锈钢管
JP2022160634A (ja) 鋼材
WO2020067444A1 (ja) オーステナイト系合金
JP6327077B2 (ja) オーステナイト系ステンレス鋼
JPWO2019098233A1 (ja) 2相ステンレス鋼及び2相ステンレス鋼の製造方法
CN111601913B (zh) 奥氏体系耐热合金及其制造方法
JP6575265B2 (ja) オーステナイト系ステンレス鋼
JP6575266B2 (ja) オーステナイト系ステンレス鋼
JP5780212B2 (ja) Ni基合金
JP7231136B1 (ja) 締結部材の素材として用いられる鋼材、及び、締結部材

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161104

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170922

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171017

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171212

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180417

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180430

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6340870

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350