JP6340229B2 - 構造体及びその製造方法 - Google Patents
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Description
[1]平均粒径が50〜350nmであり、屈折率naが1.0〜2.5である粒子と、屈折率nbが1.05〜1.9である化合物と、を含む構造体であって、粒子の屈折率naと化合物の屈折率nbとは異なっており、構造体の表面に入射させた光の入射角θ、構造体の表面から深さ方向における粒子の平均粒子間距離d及び構造体の平均屈折率neffから下記式(1)で計算された反射ピーク波長λcalと、構造体の表面に入射させた光の反射光のうち、反射率が最大となる実測の反射ピーク波長λexpと、が下記式(2)で表される関係を満たし、240〜2600nmの波長領域に含まれる特定波長の光を反射し、かつ、最大反射率が10%以上である、構造体。
[2]化合物がポリマーであり、該ポリマーの分子量分布が1.55以下である、[1]に記載の構造体。
[3]粒子が無機化合物粒子である、[1]又は[2]に記載の構造体。
[4]粒子と、該粒子に前記化合物が結合した複合粒子からなる、[1]〜[3]のいずれかに記載の構造体。
[5]300〜1100nmの波長領域に含まれる特定波長の光を反射し、かつ、最大反射率が10%以上である、[1]〜[4]のいずれかに記載の構造体。
[6]粒子の屈折率naと、化合物の屈折率nbとの差が0.05以上である、[1]〜[5]のいずれかに記載の構造体。
[7]複合粒子を、化合物のガラス転移温度よりも少なくとも120℃高い温度で、2MPa以上の圧力でプレスする工程を有する、[4]〜[6]のいずれかに記載の構造体を製造する方法。
本実施形態の構造体は、平均粒径が50〜350nmであり、屈折率naが1.0〜2.5である粒子と、屈折率nbが1.05〜1.9である化合物と、を含む。ただし、粒子の屈折率naと化合物の屈折率nbとは異なっている。そして、本実施形態の構造体は、構造体の表面に入射させた光の入射角θ、構造体の表面から深さ方向における粒子の平均粒子間距離d及び構造体の平均屈折率neffから下記式(1)で計算された反射ピーク波長λcalと、構造体の表面に入射させた光の反射光のうち、反射率が最大となる実測の反射ピーク波長λexpと、が下記式(2)で表される関係を満たす。
本実施形態に係る粒子は、50〜350nmの平均粒径を有し、1.0〜2.5の屈折率を有する。上記粒子は、ある一定の体積を持つ物質であり、球状でもよく、立方体でもよく、特に制限されない。粒子は、有機化合物から形成されていてもよく、無機化合物から形成されていてもよく、有機化合物及び無機化合物から形成されていてもよい。また、本実施形態に係る粒子は、空隙を有してもよい。
本実施形態に係る粒子は、無機化合物から形成される無機化合物粒子であることが好ましい。無機化合物とは、有機化合物以外の化合物であり、具体的には、一部の炭素化合物を除き、炭素以外の元素で構成される化合物を指す。
本実施形態に係る化合物は、1.05〜1.9の屈折率を有する。化合物は、有機化合物であってもよいし、無機化合物であってもよく、有機化合物及び無機化合物からなってもよい。上記化合物は、有機化合物であることが好ましく、ポリマーであることがより好ましい。ポリマーとしては、後述するポリマーが挙げられる。
本実施形態に係る複合粒子とは、上記粒子と、該粒子に結合している化合物とを含む粒子である。複合粒子は、無機化合物粒子と該無機化合物粒子に結合しているポリマーとを含む有機無機複合粒子であることが好ましい。
本実施形態における重合用カップリング剤は、無機化合物粒子表面と、上述のポリマーとを連結するために用いられる化合物である。この重合用カップリング剤は、重合開始基と、無機化合物粒子表面と反応して結合を生成する官能基とを有する化合物であれば、特に限定されるものではない。このときの無機化合物粒子表面は、無機化合物そのものから形成されていてもよいし、表面処理されていてもよい。ここでいう表面処理とは、化学反応、熱処理、光照射、プラズマ照射、放射線照射等により、無機化合物粒子表面を官能基により修飾することである。
X−Si(R11)(R12)(R13) ・・・(IV)
・3−(2−ブロモイソブチロキシ)プロピルジメチルクロロシラン(Cas番号:370870−81−8)
・プロピオン酸,2−ブロモ−2−メチル−,3−(ジクロロメチルシリル)プロピル エステル(Cas番号:1057260−39−5)
・プロピオン酸,2−ブロモ−2−メチル−,3−(トリクロロシリル)プロピル エステル(Cas番号:688359−84−4)
・3−(メトキシジメチルシリルプロピル)−2−ブロモ−2−メチルプロピオネート(Cas番号:531505−27−8)
・3−(ジメトキシメチルシリルプロピル)−2−ブロモ−2−メチルプロピオネート(Cas番号:1186667−60−6)
・3−(トリメトキシシリルプロピル)−2−ブロモ−2−メチルプロピオネート(Cas番号:314021−97−1)
・(3−(2−ブロモイソブチリル)プロピル)ジメチルエトキシシラン(Cas番号:265119−86−6)
・(3−(2−ブロモイソブチリル)プロピル)メチルジエトキシシラン(Cas番号:1186667−65−1)
・プロピオン酸,2−ブロモ−2−メチル−,3−(トリエトキシシリル)プロピル エステル(Cas番号:880339−31−1)
・プロピオン酸,2−ブロモ−,3−(クロロジメチルシリル)プロピル エステル(Cas番号:438001−36−6)
・プロピオン酸,2−ブロモ−,3−(トリクロロシリル)プロピル エステル(Cas番号:663174−64−9)
・プロピオン酸,2−ブロモ−,3−(メトキシジメチルシリル)プロピル エステル(Cas番号:861807−46−7)
・(3−(2−ブロモプロピオニル)プロピル)ジメチルエトキシシラン(Cas番号:265119−85−5)
・(3−(2−ブロモプロピオニル)プロピル)トリエトキシシラン(Cas番号:1233513−06−8)
重合用カップリング剤のほかに無機化合物粒子の表面の例えば水酸基のキャッピングのために、重合開始能を有しないシランカップリング剤を併用してもよい。これにより、無機化合物粒子の分散性を改善することができる。シランカップリング剤は無機化合物粒子表面と反応して結合を生成する官能基を有する化合物であれば、特に限定されるものではない。好適なシランカップリング剤の具体例としては、以下のようなシラン化合物がある。
・ヘキサメチルジシラザン(Cas番号:999−97−3)
・N,N−ビス(トリメチルシリル)ウレア(Cas番号:18297−63−7)
・N,O−ビス(トリメチルシリル)トリフロロアセトアミド(Cas番号:25561−30−2)
・トリメチルシリルトリフロロメタンスルホネート(Cas番号:27607−77−8)
・トリエチルシラン(Cas番号:617−86−7)
・トリメチルシリルアセチレン(Cas番号:1066−54−2)
・ヘキサメチルジシラン(Cas番号:1450−14−2)
・アリルトリメチルシラン(Cas番号:762−72−1)
・トリメチルビニルシラン(Cas番号:754−05−2)
・メチルトリメトキシシラン(Cas番号:1185−55−3)
・ジメチルジメトキシシラン(Cas番号:1112−39−6)
・フェニルトリメトキシシラン(Cas番号:2996−92−1)
・メチルトリエトキシシラン(Cas番号:2031−67−6)
・ジメチルジエトキシシラン(Cas番号:78−62−6)
・フェニルトリエトキシシラン(Cas番号:780−69−8)
・ヘキシルトリメトキシシラン(Cas番号:3069−19−0)
・ヘキシルトリエトキシシラン(Cas番号:18166−37−5)
・デシルトリメトキシシラン(Cas番号:5575−48−4)
上記ポリマーの重合形態は、特に限定されるものではないが、例えば、ホモポリマー、周期共重合ポリマー、ブロック共重合ポリマー、ランダム共重合ポリマー、グラジエント共重合ポリマー、テーパード共重合ポリマー又はグラフト共重合ポリマーが挙げられる。
本実施形態に係る有機無機複合粒子の製造方法は、例えば、無機化合物粒子の表面に、重合開始基を有する重合用カップリング剤を結合させる表面改質工程と、重合開始基により開始されるラジカル重合によりポリマー殻を形成させる重合工程を備える方法により得ることができる。
(1)無機化合物粒子の分散液に、重合開始基を有する重合用カップリング剤を加え、所定の温度で反応させ、更に重合開始基を含有しないシランカップリング剤加えて所定の温度で反応させ、表面改質無機化合物粒子の分散液を得る。
(2)室温まで冷却後、上記分散液を所定の溶媒で洗浄し、遠心分離等で固形分を分離・乾燥し、表面改質無機化合物粒子を得る。
(1)上記の方法で得られた表面改質無機化合物粒子を重合溶媒に分散させた後、ラジカル重合性モノマーと触媒を加え、所定の条件で反応し、重合開始基により開始されるリビングラジカル重合により、無機化合物粒子に結合しているポリマーを形成させ、有機無機複合粒子を得る。
(2)得られた有機無機複合粒子を洗浄し、未反応モノマー等と分離後、真空乾燥により紛体として回収する。
本実施形態の構造体は、例えば、粒子に化合物が結合した複合粒子の紛体をプレスすることにより成形することができる。
構造体の光学特性の評価方法は、240nm〜2600nmの領域で分光光度計により透過スペクトル又は反射スペクトルを測定することで特定の反射ピークを持つかどうかを判断する。構造体の構造に関する知見を詳しく得るためには、分光光度計を用いて正反射スペクトルを測定することがより好ましい。この際、入射角は、入射光がサンプルに入射する面に対して垂直な軸からの傾きを入射角とする。すなわち、入射面に対して垂直に入射光が入射する場合を入射角0°として、平行に入射する場合を入射角90°と定義する。なお正反射スペクトルの測定に際しては、入射角5°又は8°で測定するのが一般的であるが、入射角を明記してあれば、5°又は8°以外の入射角で測定しても構わない。なお、一般に入射角が0°〜15°の領域では、入射角による正反射のピーク波長の短波長シフトは小さいが、45°を超えるとピーク波長は大きく短波長にシフトする。
粒子のSEM像又はTEM像から、視野内の20個の粒子の直径を求めその平均値を平均粒径とした。
・重合開始基の含有量の分析方法
得られた表面改質無機化合物粒子を乾燥させた粉末中のBr量(質量%)をXRF(蛍光X線分析装置:ZSX(リガク))を用いて測定した。表面改質無機化合物粒子単位表面積当たりの重合開始基の修飾量は、以下の式より算出した。
(1)重合開始基の修飾量(本)=表面改質無機化合物粒子中のBr量(質量%)÷100÷79.9×6.022×1023
(2)表面改質無機化合物粒子の比表面積(nm2)=表面改質無機化合物粒子の比表面積(m2/g)×1018
(3)表面改質無機化合物粒子単位表面積当たりの重合開始基の修飾量(本/nm2)=(1)÷(2)
ポリマーの分子量及び分子量分布を、以下の方法で測定した。
無機化合物粒子に結合したポリマーの分子量測定のための前処理として、以下の手順に従って、有機無機複合粒子に対してふっ化水素酸処理(以下、「HF処理」という。)を施した。
(1)テフロン(登録商標)製回転子を入れたテフロン(登録商標)製、又は、任意の樹脂製容器に、3mLのトルエン(和光純薬工業株式会社製)と、23.4mgの相間移動触媒(Aldrich社製、「Alquat336」)を加え、攪拌して、相間移動触媒がトルエンに溶解した溶液を得る。
(2)溶液に有機無機複合粒子のサンプル300mgを加え、攪拌により溶解させる。
(3)得られた溶液から2mLを取り出し、2mLのふっ化水素酸(和光純薬工業株式会社製、濃度:46〜48%)を加え、室温で24時間攪拌して、無機化合物粒子からポリマーを分離する。
(4)上記溶液を、炭酸カルシウム(和光純薬工業株式会社製)の水溶液によって中和する。この時、相分離が困難な場合は、更にトルエン2mLを加えて遠心分離した溶液を使用してもよい。
上記前処理で得られたサンプル溶液について、下記の条件によりゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)の測定を行った。測定結果から、ポリメタクリル酸メチルスタンダード(昭和電工製 Shoedex STANDARD)を用いて作成した検量線に基づいて、メインピークのポリメタクリル酸メチル換算の数平均分子量(Mn)及び質量平均分子量(Mw)を求めた。
・装置:東ソー株式会社製、「HLC−8220GPC」
・検出器:RI検出器
・移動相:テトラヒドロフラン
・流量:1mL/分
・カラム:東ソー株式会社製の「TSKgel GMHXL」を2本、「TSKgel G3000HXL」を1本、「TSKgel G2000HXL」を1本連結したものを用いた。
・カラム温度:40℃
ポリメタクリル酸メチル換算のMn及びMwを以下の式に代入して、ポリマーの分子量分布を求めた。
分子量分布=Mw/Mn
熱重量測定装置により、以下の条件で有機無機複合粒子を加熱したときの質量減量を求めた。
・装置:株式会社島津製作所、「TGA−50」
・雰囲気:1%酸素含有窒素気流
・試料容器:アルミパン
・温度プログラム:25℃スタート→20℃/分で昇温→500℃に到達→500℃で20分間保持した。
次いで、測定された質量減量(質量%)を以下の式に代入し、無機化合物粒子の含有量(質量%)を算出した。
無機化合物含有量(質量%)=100−質量減量(質量%)
ポリマーのTgは、汎用のポリマーについては例えば、Polymer Handbook 第3版(John Wiley&Sons)などに記載の公知の値を用いることもできるが、有機無機複合粒子のTgを測定して代用してもかまわない。その場合、示差走査熱量測定装置(DSC)により、以下の条件で有機無機複合粒子のTgを求めた。
・装置:PerkinElmer社製、「Diamond DSC」
・温度プログラム:−40℃スタート→20分間保持→20℃/分で昇温→200℃
圧縮成形機を用いて、以下の条件で有機無機複合粒子を真空熱プレスすることによって、厚み約40〜180μmの構造体を作製した。
・装置:株式会社神藤金属工業所製、「SFV−30」
・温度:160〜255℃
・プレス圧:3〜9MPa
・真空度:5KPa以下
冷却用圧縮成形機
・装置:株式会社神藤金属工業所製、「AYS.10」
・冷却水温度:24℃
・プレス圧:70kgf/cm2
屈折率測定装置を使用し、平均屈折率を下記条件で測定した。
・装置:Metricon社製、「MODEL 2010 PRISM COUPLER」
・モード:バルクモード
・測定波長:633nm
neff=na×Va+nb×Vb (4)
Va=(Wa/A)÷(Wa/A+Wb/B) (5)
Vb=(Wb/B)÷(Wa/A+Wb/B) (6)
下記分光光度計で、波長240〜2600nmの範囲で、反射率を測定した。
・装置:株式会社日立ハイテクノロジーズ製、「日立分光光度計U−4100」、固体試料測定システム、5°正反射測定付属装置を使用し反射率を測定。
・測定:基準ミラー(210−7754)でベースライン補正を行った後、サンプルの裏面に黒のビニールテープを貼り、裏面の反射の影響をなくした状態で絶対反射率を測定した。入射角は、θ=5°で測定を行った。なお、図2は、構造体の表面への入射光の入射角及び反射光の位置関係を模式的に示す図である。UV/可視光領域はスキャンスピード300nm/min、スリット 6nm、近赤外領域はスキャンスピード700nm/min、スリット20nmで240〜2600nmの範囲を1nm間隔で測定した。
・前処理
構造体を、株式会社日立ハイテクノロジーズ製、「HITACHI E−3500」イオンミリング装置にて、ブロードイオンビーム(BIB)加工法により断面を作製した。その後、試料の観察面(表面、断面)に導電化処理を実施した。
株式会社日立ハイテクノロジーズ製、「HITACHI S−4800」(加速電圧1.0kV)にて各試料の表面及び断面のSEM観察を行った。
構造体の表層付近のBIB加工断面SEM写真から粒子間の平均粒子間距離dを求めた。図1は、構造体を構成する粒子間の平均粒子間距離dを模式的に示す図である。具体的には、BIB加工断面SEM写真の最表層から深さ方向に5層粒子が並んでいる個所を、任意に3か所選定した。粒子径が±10%以内のバラつきで揃っている個所について、3つの粒子の中心を通るように表層と平行線を5本引いた。各層の層間距離の平均値を粒子間距離とし、他の2か所で同様に求めた粒子間距離との平均値を平均粒子間距離dとした。
構造体の膜厚は、株式会社ミツトヨ製、ABSデジマチックシックネスゲージ(コードNo.547−401)にて測定した。
実施例及び比較例で使用した原材料の内容を(1)〜(8)に示す。
(1−1)100nm球状シリカ溶液:平均粒径96nm、日産化学工業株式会社製、商品名「MEK−ST−ZL」、SiO2含有量30質量%、屈折率1.45
(1−2)200nm球状シリカ溶液:平均粒径202nm、日産化学工業株式会社製、商品名「MEK−ST−2040」、SiO2含有量40質量%、屈折率1.45
(2−1)3−(2−ブロモイソブチロキシ)プロピルジメチルクロロシラン(以下、「BPS」という。)
(3−1)1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン(以下、「HMDS」という。):東京化成工業株式会社製
(4−1)臭化銅(I)(CuBr):和光純薬工業株式会社製
(4−2)臭化銅(II)(CuBr2):和光純薬工業株式会社製
(5−1)N,N,N’,N'',N''−ペンタメチルジエチレントリアミン(以下、「PMDETA」という。):Aldrich社製
(6−1)メタクリル酸ベンジル(以下、「BzMA」という。):和光純薬工業株式会社製。ポリ(メタクリル酸ベンジル)の屈折率は1.57であり、Tgは54℃である。
(6−2)N−ビニルカルバゾール(以下、「VK」という。):和光純薬工業株式会社製。ポリ(N−ビニルカルバゾール)の屈折率は、1.68で、Tgは227℃である。
(7−1)メタノール:和光純薬工業株式会社製
(7−2)アニソール:和光純薬工業株式会社製
(7−3)ヘキサン:和光純薬工業株式会社製
(8)還元剤
(8−1)2−エチルヘキサン酸すず(II):和光純薬工業株式会社製
冷却管を接続し、回転子を入れた二口フラスコの内部を、窒素置換した。窒素下で、フラスコ内に200nm球状シリカ溶液(日産化学工業株式会社製、「MEK−ST−2040」)を200g導入し、更に、14.3mLのBPSを導入し、攪拌を開始した。フラスコを80℃のオイルバスに浸し、攪拌しながら2時間反応を行った。窒素下で14.3mLのHMDSを導入した。室温で2時間攪拌後、80℃で2時間攪拌して反応を行い、反応液を室温まで冷却した。反応液を1Lのヘキサンに投入後、遠沈管に移し、遠心分離機(株式会社久保田製作所製、型式:7700)を用いて、8500rpm、10℃で、30分間、遠心分離を行った。遠沈管内の沈殿物を少量のMEKで溶解させて、更にヘキサンに投入後、遠心分離を行なった。この操作を計3回行った後、遠沈管内の沈殿物を60℃、真空下で、12時間乾燥させて、表面改質無機化合物粒子Aを得た。得られた改質無機化合物粒子AのXRFにより求めたBr含有率は0.11質量%であり、単位面積当たりの重合開始基の修飾量は、0.61本/nm2であった。
(1)回転子を入れたシュレンクフラスコに、180.7mgのCuBr、28.1mgのCuBr2を加え、フラスコ内部を真空処理してから窒素置換する操作を3回繰り返して、フラスコ内を脱酸素した後、アニソールを20mL窒素下で導入し、攪拌した。
(2)上記溶液に、0.318mLのPMDETAを加え、攪拌したものを触媒溶液とした。
(3)回転子を入れた別のシュレンクフラスコに、表面改質無機化合物粒子Aを10.0g投入した。
(4)(3)のフラスコ内部を真空処理してから窒素置換する操作を3回繰り返して、フラスコ内を脱酸素した。
(5)フラスコに、窒素下でアニソールを47.5mL導入し、更にBzMAを105mL導入し、90℃のオイルバスに浸し、攪拌した。
(6)更に、上記で調製した触媒溶液を5mL窒素下で導入後、反応液を攪拌し重合反応を行った。
(7)触媒投入後、1時間毎に反応液中の組成分析をGC測定より行い、BzMAの消費量を確認し、適宜、サンプリングしながら7時間重合した。
(8)重合終了後、シュレンクフラスコを氷浴で急冷し、反応液を1Lのメタノール中に攪拌しながらゆっくりと滴下し、10分間攪拌した。その後、30分間静置し十分沈殿したところで、上澄み液を除去し、再びメタノールを1L追加し、10分間攪拌。再び、30分間静置し十分沈殿したところで、上澄み液を除去し、再度メタノールを1L追加し、10分間攪拌。内容物を遠沈管に移し、遠心分離機(株式会社久保田製作所製、型式:7700)を用いて、8500rpm、10℃で、10分間、遠心分離を行った。遠沈管内の沈殿物を60℃、真空下で8時間乾燥させて、有機無機複合粒子Aを得た。得られた有機無機複合粒子Aは白色の粉末であった。
重合時間を12時間に変えた以外は、実施例1と同様の方法で有機無機複合粒子Bを得た。有機無機複合粒子Bを用いてプレス型枠を180μmに変えた以外は、実施例1と同等の方法で厚さ178μmの構造体2を得た。
重合時間を13時間に変えた以外は、実施例1と同様の方法で有機無機複合粒子Cを得た。有機無機複合粒子Cを用いて実施例1と同等の方法で構造体3を得た。
表面改質無機化合物粒子Bを用い、以下の手順で有機無機複合粒子を作製した。
(1)回転子を入れたシュレンクフラスコに、180.7mgのCuBr、28.1mgのCuBr2を加え、フラスコ内部を真空処理してから窒素置換する操作を3回繰り返して、フラスコ内を脱酸素した後、アニソールを20mL窒素下で導入し、攪拌した。
(2)上記溶液に、0.318mLのPMDETAを加え、攪拌したものを触媒溶液とした。
(3)回転子を入れた別のシュレンクフラスコに、表面改質無機化合物粒子粉末Bを2.0g投入した。
(4)(3)のフラスコ内部を真空処理してから窒素置換する操作を3回繰り返して、フラスコ内を脱酸素した。
(5)フラスコに、窒素下でアニソールを9.9mL導入し、更にBzMAを21mL導入し、60℃のオイルバスに浸し、攪拌した。
(6)更に、上記で調製した触媒溶液を1mL窒素下で導入後、反応液を攪拌し重合反応を行った。
(7)触媒投入後、0.5時間毎に反応液中の組成分析をGC測定より行い、BzMAの消費量を確認し、1時間重合した。
(8)重合終了後、シュレンクフラスコを氷浴で急冷し、反応液を1Lのメタノール中に攪拌しながらゆっくりと滴下し、10分間攪拌した。その後、30分間静置し十分沈殿したところで、上澄み液を除去し、再びメタノールを1L追加し、10分間攪拌。再び、30分間静置し十分沈殿したところで、上澄み液を除去し、再度メタノールを1L追加し、10分間攪拌。内容物を遠沈管に移し、遠心分離機(株式会社久保田製作所製、型式:7700)を用いて、8500rpm、10℃で、10分間、遠心分離を行った。遠沈管内の沈殿物を60℃、真空下で8時間乾燥させて、有機無機複合粒子Dを得た。得られた有機無機複合粒子Dは白色の粉末であった。
重合時間を1.5時間に変えた以外は、実施例4と同様の方法で有機無機複合粒子Eを得た。有機無機複合粒子Eを用いて実施例4と同等の方法で構造体5を得た。
重合時間を5.5時間に変えた以外は、実施例4と同様の方法で有機無機複合粒子Fを得た。有機無機複合粒子Fを用いて実施例4と同等の方法で構造体6を得た。
BzMAをVKに変えた以外は、実施例4と同様の方法で有機無機複合粒子Gを得た。有機無機複合粒子Gを用い、真空熱プレスのプレス温度を300℃に変更して実施例4と同等の方法で構造体7を得た。
実施例3で得られた有機無機複合粒子Cを用い、真空熱プレスのプレス圧を6MPaに変更して実施例1と同様に構造体8を作製した。
実施例3で得られた有機無機複合粒子Cを用い、真空熱プレスのプレス圧を3MPaに変更して実施例1と同様に構造体9を作製した。
実施例3で得られた有機無機複合粒子Cを用い、真空熱プレスのプレス温度を200℃に変更して実施例1と同様に構造体10を作製した。
実施例3で得られた有機無機複合粒子Cを用い、真空熱プレスのプレス温度を200℃にプレス圧を3MPaに変更して実施例1と同様に構造体11を作製した。
実施例1で得られた表面改質無機化合物粒子Aを用いて、以下の手順で有機無機複合粒子を作製した。
(1)回転子を入れたシュレンクフラスコに、51.5mgのCuBrを加え、フラスコ内部を真空処理してから窒素置換する操作を3回繰り返して、フラスコ内を脱酸素した後、アニソールを80mL窒素下で導入し、攪拌した。
(2)上記溶液に、0.1mLのPMDETAを加え、攪拌したものを触媒溶液とした。
(3)回転子を入れた別のシュレンクフラスコに、表面改質無機化合物粒子Aを1.5g投入した。
(4)(3)のフラスコ内部を真空処理してから窒素置換する操作を3回繰り返して、フラスコ内を脱酸素した。
(5)フラスコに、窒素下でアニソールを13.5mL導入し、更にBzMAを35mL導入し、60℃のオイルバスに浸し、攪拌した。その後、2−エチルヘキサン酸すず(II)0.1mLを投入した。
(6)更に、上記で調製した触媒溶液23mLを窒素下で導入後、反応液を攪拌し重合反応を行った。
(7)触媒投入後、反応液中の組成分析をGC測定より行い、BzMAの消費量を確認しながら1.5時間重合した。
(8)重合終了後、シュレンクフラスコを氷浴で急冷し、反応液を1Lのメタノール中に攪拌しながらゆっくりと滴下し、10分間攪拌した。その後、30分間静置し十分沈殿したところで、上澄み液を除去し、再びメタノールを1L追加し、10分間攪拌。再び、30分間静置し十分沈殿したところで、上澄み液を除去し、再度メタノールを1L追加し、10分間攪拌。内容物を遠沈管に移し、遠心分離機(株式会社久保田製作所製、型式:7700)を用いて、8500rpm、10℃で、10分間、遠心分離を行った。遠沈管内の沈殿物を60℃、真空下で8時間乾燥させて、有機無機複合粒子Gを得た。得られた有機無機複合粒子Hは白色の粉末であった。
実施例3で得られた有機無機複合粒子Cを真空熱プレスのプレス温度を160℃に変更して実施例1と同様に構造体13を作製した。
Claims (5)
- 平均粒径が80〜350nmであり、屈折率naが1.0〜2.5である粒子と、屈折率nbが1.05〜1.9である化合物と、を含む構造体であって、
前記化合物がポリマーであり、前記ポリマーの分子量分布が1.55以下であり、前記粒子が無機化合物粒子であり、
前記粒子の屈折率naと前記化合物の屈折率nbとは異なっており、
前記構造体の表面に入射させた光の入射角θ、前記構造体の表面から深さ方向における前記粒子の平均粒子間距離d及び前記構造体の平均屈折率neffから下記式(1)で計算された反射ピーク波長λcalと、前記構造体の表面に入射させた光の反射光のうち、反射率が最大となる実測の反射ピーク波長λexpと、が下記式(2)で表される関係を満たし、
240〜2600nmの波長領域に含まれる特定波長の光を反射し、かつ、最大反射率が10%以上である、構造体。
- 前記粒子と、該粒子に前記化合物が結合した複合粒子からなる、請求項1に記載の構造体。
- 300〜1100nmの波長領域に含まれる特定波長の光を反射し、かつ、最大反射率が10%以上である、請求項1又は2に記載の構造体。
- 前記粒子の屈折率naと、前記化合物の屈折率nbとの差が0.05以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の構造体。
- 前記複合粒子を、前記化合物のガラス転移温度よりも少なくとも120℃高い温度で、2MPa以上の圧力でプレスする工程を有する、請求項2〜4のいずれか1項に記載の構造体を製造する方法。
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