JP6339391B2 - 圧力緩衝装置および減衰力発生機構 - Google Patents
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Description
そして、従来の技術の圧力緩衝装置において、区画部材の一方向および他方向の両方向の移動に伴って生じさせる減衰力の変更を行おうとすると、装置構成が複雑にならざるを得なかった。また、減衰力の変更に関しては、区画部材の移動速度に関して例えば低速領域から高速領域にわたる広範囲において変更可能であることが好ましい。
<実施形態1>
図1は、本実施形態の油圧緩衝装置1の全体構成図である。
図2は、図1の矢印IIが示すピストン部30周辺の拡大図である。
なお、以下の説明においては、図1に示す油圧緩衝装置1の軸方向における図中下側を「一方側」と称し、図中上側を「他方側」と称する。また、油圧緩衝装置1の半径方向の中心を「中央側」、半径方向の外側を単に「外側」と称する。
油圧緩衝装置1は、図1に示すように、シリンダ部10と、他方側がシリンダ部10の外部に突出して設けられるとともに一方側がシリンダ部10の内部にスライド可能に挿入されるロッド部20と、ロッド部20の一方側の端部に設けられるピストン部30と、シリンダ部10の一方側の端部に配置されるボトムバルブ部50とを備えている。
減衰ユニット40は、複数の油路を有するバルブシート41と、バルブシート41の他方側に設けられる減衰バルブ42と、減衰バルブ42の他方側に設けられる保持ボルト43と、保持ボルト43の一方側に設けられるナット44と、バルブシート41の一方側に設けられるロックピース45とを有する。
また、ピストン部30は、図2に示すように、ピストンハウジング31内に、第1油室Y1および第2油室Y2とは区分してオイルを収容する第1中間室P1、第2中間室P2および第3中間室P3を形成する。本実施形態では、第1中間室P1は、ピストンハウジング31の一方側にて、押付ユニット32、チェックバルブユニット33および減衰ユニット40によって形成される。第2中間室P2は、ピストンハウジング31の他方側にて、押付ユニット32およびチェックバルブユニット33によって形成される。第3中間室P3は、減衰ユニット40によって形成される。
そして、ボトムバルブ部50は、油圧緩衝装置1の一方側の端部に設けられて、後述のリザーバ室Rと第1油室Y1とを区分する。
以下、これらの構成について詳述する。
シリンダ11は、図1に示すように、一方側および他方側が開口した薄肉円筒状に形成される。シリンダ11は、一方側の端部がボトムバルブ部50によって閉じられ、他方側の端部がロッドガイド15によって閉じられる。そして、シリンダ11は、内部にオイルを収容する。
また、シリンダ11には、ピストン部30が内周面に対して軸方向にスライド可能に設けられる。さらに、シリンダ11は、他方側であってロッドガイド15よりも一方側に、半径方向に開口するシリンダ開口11Hを有している。シリンダ開口11Hは、シリンダ11の第2油室Y2と後述する連絡路Lとを連絡する。そして、シリンダ開口11Hは、第2油室Y2と連絡路Lとの間のオイルの流れを可能にする。
ロッド部材21は、図1に示すように、軸方向に長く延びる棒状の部材である。ロッド部材21は、内部に軸方向に貫通する貫通孔21Hを有する。また、ロッド部材21は、一方側の端部に設けられる一方側取付部21aと、他方側の端部に設けられる他方側取付部21bとを有する。
ロッド部材21の一方側取付部21aは、ピストン部30を保持する。また、ロッド部材21の他方側取付部21bには、油圧緩衝装置1を自動車などの車体などに連結するための連結部材(不図示)が取り付けられる。
なお、伝達部材22を移動させる移動手段23の機構は特に限定されるものではないが、本実施形態では、例えばモータの回転運動をねじ等の機構を用いて直進運動に変換する直動アクチュエータを用いている。
〔ピストン部30の構成・機能〕
(ピストンハウジング31)
ピストンハウジング31は、図3(a)および図3(b)に示すように、一方側が開口し、他方側が閉じられた中空の部材である。そして、ピストンハウジング31は、他方側の端部であって半径方向の中央側に設けられる接続部311と、半径方向の外側に配置されるハウジング油路312と、一方側における外周にピストンリング313とを備えている。
ハウジング油路312は、図3(b)に示すように、周方向において複数(本実施形態では例えば6つ)形成される。そして、図2に示すように、ハウジング油路312は、第2油室Y2と第2中間室P2とを連絡する。
(減衰ユニット40)
バルブシート41は、図4に示すように、内側に一方側に向けて開口する開口部41Hを有す有底円筒状に形成された部材である。また、バルブシート41は、ピストンハウジング31に固定される(図2参照)。さらに、バルブシート41は、保持ボルト43を通すために軸方向に形成されたボルト孔よりも半径方向の外側にて軸方向に形成された伸側油路48と、伸側油路48よりも半径方向のさらに外側にて軸方向に形成された圧側油路47とを有する。
突出部451は、一方側に向けて軸方向に突出する部分である。そして、突出部451は、バルブシート41の開口部41Hの内側に挿入される。また、突出部451は、上述した反転油路41Rを形成する軸方向に窪む凹部453と、軸方向に貫通する貫通孔455とを有する。
凹部453は、本実施形態では他方側を向く面を有し、この他方側を向く面によって他方側から一方側へと流れてきたオイルの流れを他方側へと反転させる。
そして、ロックピース45は、図2に示すように、バルブシート41を固定することで、減衰ユニット40全体を軸方向において固定する。
押付ユニット32は、図2に示すように、軸方向に延びるスプール321と、スプール321の他方側にてスプール321の外側に取り付けられるカラー322と、カラー322の一方側にてスプール321の外側に取り付けられる第2カラー323と、スプール321に取り付けられるプリセットバルブ324と、プリセットバルブ324の一方側に設けられるバルブストッパ325、バルブストッパ325の一方側に取り付けられるリング326と、プリセットバルブ324の一方側に配置される押付部材327と、スプール321の一方側の端部に設けられる絞り部材328とを備える。
バルブストッパ325は、図2に示すように、プリセットバルブ324を一方側から第2カラー323に向けて押し付ける。
リング326は、スプール321の外周に形成される溝に装着される。そして、リング326は、バルブストッパ325を軸方向に固定する。
第1押付部327a1および第2押付部327a2は、減衰バルブ42の他方側に押し付けられる部分である。第1押付部327a1および第2押付部327a2は、図2に示すように、半径方向の中央側から外側において並ぶように配置される。そして、第1押付部327a1は、減衰バルブ42における伸側油路48と対向する位置に設けられる。また、第2押付部327a2は、減衰バルブ42における圧側油路47と対向する位置に設けられる。被接触部327bは、プリセットバルブ324の外径と略等しい外径を有し、プリセットバルブ324が接触する部分を形成する。
すなわち、押付ユニット32は、移動手段23の制御によって伝達部材22が軸方向に移動することによって、押付部材327にて減衰バルブ42に対する押し付け荷重を変化させる。その結果として、押付ユニット32は、減衰バルブ42により発生させる減衰力を変更可能にする。また、押付ユニット32は、移動手段23の制御によって伝達部材22が軸方向に移動することによって、ロックピース45の貫通孔455に対する絞り部材328の距離を変化させる。その結果として、押付ユニット32は、貫通孔455におけるオイルの流れを制御する。
なお、押付ユニット32による減衰バルブ42の減衰力の可変、および貫通孔455におけるオイルの流れの制御については後に詳しく説明する。
チェックバルブユニット33は、図2に示すように、チェックバルブシート331と、チェックバルブシート331の他方側に設けられるチェックバルブ332と、チェックバルブ332の他方側に配置される第1保持ボルト333と、チェックバルブシート331の一方側に配置されるナット334と、チェックバルブシート331の一方側に設けられるロックナット335とを有する。
また、チェックバルブシート331は、半径方向の外側にて軸方向に貫通する複数の油路331Rを有する。油路331Rは、第1中間室P1と第2中間室P2との間におけるオイルの流路を形成する。
ロックナット335は、半径方向の中央側に開口を有する厚肉の略円筒状に形成される部材である。ロックナット335は、例えばネジ等によってピストンハウジング31の内側に固定される。そして、ロックナット335は、チェックバルブシート331を軸方向に固定することで、チェックバルブユニット33全体をピストンハウジング31に固定する。
第1バルブボディ51は、図1に示すように、軸方向に伸びて形成される複数の油路を有する。そして、圧側バルブ521および伸側バルブ522は、第1バルブボディ51に形成される複数の油路におけるオイルの流れを制御する。また、第1バルブボディ51は、連絡路Lにおける第1バルブボディ51を挟んだオイルの流れを可能にする。
第2バルブボディ54は、軸方向に伸びて形成される複数の油路を有する。そして、チェックバルブ55は、第2バルブボディ54の複数の油路におけるオイルの流れを制御する。
ベース部材58は、第1油室Y1、リザーバ室Rおよび連絡路Lの相互にオイルが流れる経路を形成する。
以上のように構成される油圧緩衝装置1では、ピストン部30(ロッド部材21)の移動速度(例えば、低速V1,高速V2)に応じて、減衰力の大きさが切り替わるようにしている。各バルブ等の調整によるが、本実施形態おいて、低速V1とは、減衰ユニット40における貫通孔455を主にオイルが流れるときの速度である。一方、高速V2とは、減衰ユニット40における伸側油路48または圧側油路47を主にオイルが流れるときの速度である。
以下、ピストン部30(ロッド部材21)の圧縮行程時(低速V1,高速V2)、伸張行程時(低速V1,高速V2)の順に、オイルの流れを詳細に説明する。
(圧縮行程時[低速V1])
まず、油圧緩衝装置1の圧縮行程時のオイルの流れを説明する。また、ピストン部30が低速V1である場合のオイルの流れを先に説明する。
図5(a)に示すように、ピストン部30が、白抜き矢印のようにシリンダ部10に対して軸方向の一方側へ移動すると、ピストン部30の移動により第1油室Y1内のオイルが押され、第1油室Y1内の圧力が上昇する。
すなわち、低速V1の場合、オイルは、後述する高速V2の場合のようにバルブシート41の圧側油路47は流れずに圧側油路47をバイパスして第1油室Y1から第2油室Y2に流れる。また、このときに発生する上記の減衰力は、圧側油路47および減衰バルブ42をオイルが流れる際に発生する減衰力よりも小さくなる。
ピストン部30が高速V2で移動する場合、第1油室Y1のオイルの圧力が一気に高まる。そして、第1油室Y1にて圧力が高められたオイルは、図5(b)に示すように、貫通孔455だけでは十分に第2油室Y2へと流すことができない。このとき、第1油室Y1のオイルは、ロックピース45の油路454に流れ込む。その後、オイルは、油路454から第3中間室P3に流れ込む。さらに、オイルは、第1油路口47P1から圧側油路47に流れ込む。
そして、オイルは、圧側油路47において軸方向の一方側から他方側への特定方向に流れる。さらに、オイルは、押付部材327から受ける力に抗しながら減衰バルブ42を開き、第2油路口47P2から第1中間室P1に流れ出る。圧縮行程時における高速V2の場合、この圧側油路47および減衰バルブ42をオイルが流れる際に生じる抵抗によって、比較的高い減衰力が生じる。
(伸張行程時[低速V1])
図6(a)に示すように、ピストン部30が、白抜き矢印のようにシリンダ部10に対して軸方向の他方側へ移動すると、ピストン部30の移動により第2油室Y2内のオイルが押され、第2油室Y2内の圧力が上昇する。
なお、図1に示すように、シリンダ開口11Hから連絡路Lを通じてオイルが流れようとしても、ボトムバルブ部50によって、連絡路Lを通じた第2油室Y2から第1油室Y1へのオイルの流れは生じない。
なお、第2中間室P2に圧力が高いオイルが流れ込むことによって、第2中間室P2の圧力が第1中間室P1よりも相対的に高くなっている。そのため、チェックバルブ332は油路331Rを開かず、チェックバルブユニット33を介したオイルの流れは生じない。
ピストン部30が高速V2で移動する場合、第2油室Y2のオイルの圧力が一気に高まる。そして、第2油室Y2にて圧力が高められたオイルは、図6(b)に示すように、ハウジング油路312から第2中間室P2にオイルが流れ込む。さらに、第2中間室P2のオイルは、カラー開口部322H、第1開口部321H1、中空部321Lおよび第2開口部321H2を通って、反転油路41Rに流れ込む。そして、圧力が高められたオイルは、貫通孔455だけでは十分に第1油室Y1へと流すことができない。
そして、伸側油路48のオイルは、押付部材327から受ける力に抗して減衰バルブ42を開き、第4油路口48P2から第1中間室P1に流れ出る。伸張行程時における高速V2の場合、この伸側油路48および減衰バルブ42をオイルが流れる際に生じる抵抗によって、比較的高い減衰力が生じる。
引き続いて、油圧緩衝装置1の減衰ユニット40における減衰力の変更制御について説明する。
図1に示すように移動手段23によって伝達部材22を軸方向の一方側に向けて一定量押し込む。そして、図2に示すように、伝達部材22の一方側への移動によって、押付ユニット32が一方側に移動する。押付ユニット32では、スプール321が一方側に移動する。これに伴って、スプール321に固定されるプリセットバルブ324が一方側に押し込まれる。そして、プリセットバルブ324が弾性変形しながら押付部材327を一方側に移動させる。さらに、押付部材327は、他方側から一方側に向けて減衰バルブ42を押す。このように、押付ユニット32は、他方側から一方側に向けて、一方向にのみ減衰バルブ42に荷重を付与する。
本実施形態では、減衰バルブ42は、他方側に変形または変位することで圧側油路47および伸側油路48を開く。そのため、押付部材327が減衰バルブ42を他方側から一方側に付与する荷重が大きくなることで、減衰バルブ42が開きにくくなる。その結果、油圧緩衝装置1において発生させる減衰力を大きくすることができる。
本実施形態では、基本的には低速V1時に、貫通孔455にてオイルを流すようにしている。そして、上記のとおり、押付ユニット32によって、貫通孔455においてオイルが流れ難くすることで、例えば低速V1において、貫通孔455にて発生させる減衰力を大きくすることができる。また、押付ユニット32によって、貫通孔455におけるオイルの流れを閉じることで、ピストン部30の速度が低速V1であっても、圧側油路47、伸側油路48および減衰バルブ42にオイルを流して、減衰力を大きくすることができる。すなわち、低速V1における減衰力を大きくすることが可能になる。
このように、本実施形態の油圧緩衝装置1では、ピストン部30の一方向および他方向の両方向の移動に伴って生じるピストン部30における減衰力の調整を簡易な構成で実現することができる。
上述した実施形態1の絞り部材328は、先端部328Pの断面形状が略円弧状に形成されているが、この形状に限定されるものではない。
例えば図7に示すように、変形例の絞り部材1328は、先端部1328Pの断面形状をテーパ状に形成する。そして、絞り部材1328がロックピース45の貫通孔455に対して近づく方向に移動した際に、先端部1328Pの一部が、貫通孔455内に進入するようにしてもよい。
図8は、実施形態2のピストン部230を説明するための図である。なお、図8には、圧縮行程時におけるオイルの流れを実線で示し、伸張行程時におけるオイルの流れを破線で示している。
図9は、実施形態2の減衰ユニット240を詳細に説明するための図である。なお、図9(a)には減衰バルブ42を他方側から見た上面図を示し、図9(b)にはバルブシート241を他方側から見た上面図を示している。
なお、実施形態2の説明において、実施形態1と同様な部材については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
実施形態2の油圧緩衝装置1のピストン部230は、図8に示すように、ピストンハウジング31と、ピストンハウジング31の一方側に設けられる減衰ユニット240と、押付ユニット32と、チェックバルブユニット33とを有している。
(減衰ユニット240)
減衰ユニット240は、バルブシート241と、バルブシート241の他方側に設けられる減衰バルブ42と、保持ボルト43と、バルブシート241の一方側に設けられる反転流路部244とを有する。
図10は、実施形態3のピストン部330を説明するための図である。なお、図10には、圧縮行程時におけるオイルの流れを実線で示し、伸張行程時におけるオイルの流れを破線で示している。
図11は、実施形態3の減衰ユニット340の分解斜視図である。
なお、実施形態3の説明において、他の実施形態と同様な部材については同一の符号を付すことでその詳細な説明を省略する。
実施形態3のピストン部330は、図10に示すように、ピストンハウジング31と、押付ユニット32と、チェックバルブユニット33と、押付ユニット32の一方側に設けられる減衰ユニット340とを有している。
(減衰ユニット340)
減衰ユニット340は、複数の油路を有するバルブシート341と、バルブシート341の他方側に設けられる減衰バルブ342と、これらの部材を保持する保持ボルト43と、ナット44と、ロックピース45と、バルブシート341の一方側に設けられるチェックバルブ346とを有している。
チェックバルブ346は、中央側にロックピース45を通す孔を有する円盤状の金属板材である。チェックバルブ346は、オイルの流れに応じて第2伸側油路349の一方側を開閉する。また、チェックバルブ346は、バルブシート341の一方側において軸方向に窪む圧側油路347の一方側を常に開放する。
図12は、実施形態4のピストン部430を説明するための図である。なお、図12には、圧縮行程時におけるオイルの流れを実線で示し、伸張行程時におけるオイルの流れを破線で示している。
図13は、実施形態4の減衰ユニット440を説明するための図である。なお、図13(a)には減衰バルブ42を他方側から見た上面図を示し、図13(b)にはバルブシート441を他方側から見た上面図を示し、図13(c)にはチェックバルブ446を他方側から見た下面図を示している。
なお、実施形態4の説明において、他の実施形態と同様な部材については同一の符号を付すことでその詳細な説明を省略する。
実施形態4のピストン部430は、図12に示すように、ピストンハウジング31と、減衰ユニット440と、押付ユニット32と、チェックバルブユニット33とを有している。
(減衰ユニット440)
減衰ユニット440は、バルブシート441と、バルブシート441の他方側に設けられる減衰バルブ42と、保持ボルト43と、バルブシート441の内側に設けられる反転流路部244と、バルブシート441の一方側に配置されるチェックバルブ446と、チェックバルブ446の一方側に配置される第2保持ボルト445とを有する。
チェックバルブ446は、図13に示すように、中央側に第2保持ボルト445を通す孔446Hを有する円盤状の金属板材である。また、チェックバルブ446は、図12に示すように、バルブシート441の一方側にて圧側油路447の一方側を常に開放し、第2伸側油路449(図13参照)の一方側を開閉可能にする。
図14は、実施形態5の減衰ユニット540を説明するための図である。なお、図14(a)には減衰バルブ542を他方側から見た上面図を示し、図14(b)にはバルブシート241を他方側から見た上面図を示し、図14(c)にはチェックバルブ546を他方側から見た上面図を示している。
実施形態5の油圧緩衝装置1は、基本構成が実施形態2と同様であるが、減衰ユニット540(減衰バルブ542、チェックバルブ546に凹凸を設けている構成)は実施形態2とは異なる。
以下で、実施形態5の油圧緩衝装置1について説明する。なお、実施形態5の説明において、他の実施形態と同様な部材については同一の符号を付すことでその詳細な説明を省略する。
減衰ユニット540は、バルブシート241と、バルブシート241の他方側に設けられる減衰バルブ542と、バルブシート241の一方側に設けられるチェックバルブ546とを有する。
そして、実施形態5の減衰ユニット540では、伸張行程時に第1中間室P1から第1油室Y1にオイルを流す際に、減衰バルブ542の開口部542Kが開放する圧側油路247にオイルを流す。このように、実施形態5では、伸張行程時に第1中間室P1から第1油室Y1にオイルを流す経路が独立し、より安定したオイルの流れを実現している。
図15は、実施形態6のピストン部630を説明するための図である。なお、図15には、圧縮行程時におけるオイルの流れを実線で示し、伸張行程時におけるオイルの流れを破線で示している。
実施形態6に係るピストン部630は、実施形態1〜5に係るピストン部と異なり、ピストン部の向きを、所謂軸方向において上下を反転させている。
以下で、実施形態6に係るピストン部630を詳述する。なお、実施形態6の説明において、他の実施形態と同様な部材については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
例えば実施形態1のピストン部30では、押付ユニット32を移動手段23(図1参照)によって、軸方向における「他方側」から「一方側」にかけて押付部材327および減衰バルブ42を押す方向に移動させる。これに対して、実施形態6のピストン部630では、押付ユニット632の移動方向を実施形態1の押付ユニット32と逆にして、押付ユニット632を、「一方側」(例えば図15中下側)から「他方側」(例えば図15中上側)に向けて引く方向に移動させるようにしてもよい。
軸方向流路632Sは、一方側にて中空部321Lに連絡し、他方側にて径方向流路632Rに連絡する。径方向流路632Rは、半径方向の中央側にて軸方向流路632Sに連絡し、外側にて第2中間室P2に連絡する。
また、例えば実施形態6において説明した貫通孔632Hと開閉部645Sとによるバイパス路の開閉機能を、他の実施形態において適用しても構わない。
図16は、実施形態7のピストン部730を説明するための図である。なお、図16には、圧縮行程時におけるオイルの流れを実線で示し、伸張行程時におけるオイルの流れを破線で示している。
実施形態7は、2つのバルブシートを有し、2つのバルブシートが圧縮行程時と伸張行程時とにおいて各々で減衰力を発生させる点で他の実施形態とは異なる。また、2つのバルブシートにおいて減衰力が可変に構成されている。
また、実施形態7の説明において、他の実施形態と同様な部材については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
実施形態7の油圧緩衝装置1のピストン部730は、図16に示すように、ピストンハウジング31と、ピストンハウジング31の一方側に設けられる減衰ユニット740と、押付ユニット32とを有している。
(減衰ユニット740)
減衰ユニット740は、複数の油路を有する第1バルブシート741と、第1バルブシート741の他方側に設けられる第1減衰バルブ742と、複数の油路を有して第1バルブシート741の軸方向における一方側に設けられる第2バルブシート743と、第2バルブシート743の他方側に設けられる第2減衰バルブ744と、第2バルブシート743の一方側に設けられるロックピース45とを有する。
第2バルブシート743は、伸張行程時にオイルが流れる伸側油路748を有する。また、第2減衰バルブ744は、伸側油路748を開閉可能にする。
図17は、実施形態8の油圧緩衝装置1を説明するための図である。
例えば実施形態1では、シリンダ11内に減衰力を発生させる機構(ピストン部30)を設ける例を用いているが、これに限らず、減衰力を発生させる機構は、シリンダ11のとは別に配置してもよい。
〔減衰力発生部820の構成・機能〕
減衰力発生部820は、略円筒状に形成され、オイルを収容可能な第2シリンダ830を備える。第2シリンダ830は、第1連絡路831および第2連絡路832を有する。そして、第2シリンダ830は、上述した実施形態1のピストン部30の各構成部品を収容する。第1連絡路831は、図17に示すように、シリンダ11に形成され、第1油室Y1との間でオイルの流れを可能にするシリンダ第2開口11Cに連絡する。また、第2連絡路832は、図17に示すように、外筒体12に形成され、連絡路Lとの間でのオイルの流れを可能にする外筒体開口12Tに連絡する。なお、第2連絡路832は、第2油路Y2に連絡していても構わない。
Claims (3)
- 液体を収容するシリンダと、
前記シリンダ内において軸方向に移動可能に設けられ、前記シリンダ内の空間を第1液室と第2液室とに区画する区画部材と、
前記区画部材内に設けられて前記液体の流路を形成する流路形成部と、
前記流路形成部に形成されるとともに、前記区画部材の軸方向における一方向の移動に伴って前記第1液室から前記第2液室に向かう前記液体を特定方向に流す第1流路と、
前記流路形成部に形成されるとともに、前記区画部材の前記軸方向における他方向の移動に伴って前記第2液室から前記第1液室に向かう液体を前記特定方向に沿って流す第2流路と、
前記第1流路および前記第2流路を開閉して、前記第1流路および前記第2流路における液体の流れを制御する制御手段と、
前記区画部材に設けられ、前記第1流路および前記第2流路とは別に、前記液体の流れを絞りながら前記第1液室と前記第2液室との間の前記液体の流路を形成するバイパス路と、
前記制御手段に対して一方向に荷重を付与するとともに、前記バイパス路における前記液体の流れの絞り量を調整する荷重付与手段と、
を備える圧力緩衝装置。 - 前記第1流路は、前記流路形成部の端部に形成されて前記液体を流出させる第1流路口を更に備え、
前記第2流路は、前記流路形成部の端部に形成されて前記液体を流出させる第2流路口を更に備え、
前記第1流路口と前記第2流路口とは、周方向に並べて配置される請求項1に記載の圧力緩衝装置。 - 液体を収容するシリンダ内の空間を第1液室と第2液室とに区画するとともに前記シリンダの軸方向に移動可能に設けられる区画部材の移動に伴って流れる前記液体の流路を形成する流路形成部と、
前記流路形成部に形成されるとともに、前記区画部材の軸方向における一方向の移動に伴って前記第1液室から前記第2液室に向かう前記液体を特定方向に流す第1流路と、
前記流路形成部に形成されるとともに、前記区画部材の前記軸方向における他方向の移動に伴って前記第2液室から前記第1液室に向かう液体を前記特定方向に沿って流す第2流路と、
前記第1流路および前記第2流路を開閉して、前記第1流路および前記第2流路における液体の流れを制御する制御手段と、
前記第1流路および前記第2流路とは別に、前記液体の流れを絞りながら前記第1液室と前記第2液室との間の前記液体の流路を形成するバイパス路と、
前記制御手段に対して一方向に荷重を付与するとともに、前記バイパス路における前記液体の流れの絞り量を調整する荷重付与手段と、
を備える減衰力発生機構。
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