JP6336584B2 - 有価物回収方法、有価物回収装置および有価物回収システム - Google Patents

有価物回収方法、有価物回収装置および有価物回収システム Download PDF

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Description

本発明は、有価物回収方法、有価物回収装置および有価物回収システムに関し、特に重質油(重油、原油、あるいは石油系の燃料の総称とする。)を燃料とするボイラで発生した石油系燃焼灰から有価物を回収する方法及びそれに用いられる装置並びにそれに用いられるシステムに関するものである。
一般に、重質油焚ボイラから排出される排ガスは、排ガス中に含まれる燃焼灰が集じん装置(主に電気集じん機)で取り除かれた後、煙突から系外へと排出される。排ガスには、燃焼ガスおよび燃焼灰などが含まれている。捕集された燃焼灰は、灰処理装置によりアッシュビンに集められた後、乾灰をダストが飛散しない程度に適度に加湿して湿灰として払い出される。払い出された湿灰は、トラック等に積み込まれて産業廃棄物として搬出され、専門の処理業者により処理された上で、埋め立て等の手段によって廃棄されている。
石油系燃焼灰には、バナジウムおよびニッケルなどの有価物が含まれているため、専門の処理業者により適宜有価物が回収されている。石炭焚ボイラなどで発生する石炭系燃焼灰(石炭灰、フライアッシュ)は、コンクリート用混和材として再利用されてきた。石炭灰中に含まれる未燃カーボンはコンクリート用混和材として使用した場合、品質の劣化を引き起こすため、未燃カーボンの少ないものが利用されている。特許文献1では、コンクリート用混和として利用できるよう、より高品質の石炭灰を得るために、石炭灰から未燃カーボンを分離する方法が記載されている。特許文献1において未燃カーボンは除去される側の物質であるが、特許文献2には未燃カーボンを再利用可能とするために石油系燃焼灰から分離する方法が記載されている。特許文献2で処理される燃焼灰はアンモニア注入をしていない石油コークス燃焼灰である。
ボイラの燃料として、石油精製の深絞り技術発展に伴い、より低揮発分・低品位化した重質油が再注目されている。重質油は、重油、原油、あるいは石油の精製過程で生じる残渣油(VR(Vacuum Residue)、SDA(Solvent De−Asphalting)ピッチ、石油コークス)など、硫黄分を含有する石油系燃料の総称である。重質油を燃料として使用するボイラを重質油焚ボイラと呼ぶ。
重質油には硫黄分が多く含まれているため、重質油焚ボイラで発生する排ガスには、燃料中の硫黄分に起因する硫黄酸化物(SO)が含まれている。硫黄酸化物の大部分はSOガスであるが、一部はさらに酸化してSOガスとして存在する。SOガスは主に湿式脱硫装置で除去される。
SOは、排ガス温度が酸露点より高い領域(例えばボイラ出口:通常温度120℃〜180℃程度)においてガス状で存在する。しかしながら、湿式脱硫装置にて冷却されてガス温度が酸露点以下となることで、排ガス中の水分と結合してSOはミスト化(液化)して、硫酸(HSO)ミストまたはSOミストなどと呼ばれる微粒子となる。この硫酸ミストは、粒径が1μm以下のいわゆる「サブミクロン粒子」であるため、湿式脱硫装置ではほとんど捕集されない。
排ガス中の硫酸ミストは、煙道および排煙処理用の機器の腐食の原因となる。また、硫酸ミストが捕集されずにそのまま煙突から放出されると、いわゆる紫煙と呼ばれる顕著な煙色をもたらす。こうした腐食および紫煙を防止する為に、集じん装置(主に電気集じん機)の上流(ボイラ出口)の煙道にアンモニアガスを噴霧し、ガス状のSOとアンモニアを反応させ硫酸アンモニウムとして固形化して、燃焼灰と共に集じん装置で除去することが一般的に行われている。
アンモニアガスを集じん装置(主に電気集じん機)の上流で注入した場合、集じん装置で捕集された燃焼灰には、排ガス中のSOと注入したアンモニアとの反応生成物である多量の硫酸アンモニウム、ボイラから飛来する未燃カーボンおよび灰分(重金属(バナジウムおよびニッケル等))が含まれることになる。多量の硫酸アンモニウムを含む燃焼灰は、かさ比重が非常に小さいという性質を有している。
燃料中の硫黄分が低い場合等、排ガス中のSO濃度が十分低い場合もあり、そのSOが未処理のまま煙突から排出されることもある。
その場合、集じん装置で捕集される燃焼灰はボイラから飛来する未燃カーボンおよび灰分(重金属(バナジウムおよびニッケル等))が主体となる。
特開2010−17619号公報(請求項1) 特許第3325363号公報(段落[0010]〜[0013])
石油系燃焼灰には複数の有価物が混在しているが、技術的な問題から回収されずに廃棄されている有価物がある。そのため従来回収が困難であった有価物を回収する技術が求められている。例えば、従来廃棄物である石油系燃焼灰に含まれる有価物としては、バナジウムおよびニッケルが挙げられる。条件によっては未燃カーボンも効率よく回収できないことがある。
石油系燃焼灰は、一般にかさ比重が小さく(乾灰:かさ比重0.2〜0.3)、貯留に大きな容量を必要としたり、産業廃棄物として搬出する際の輸送の効率が悪く非経済的である。特に、多量の硫酸アンモニウムを含む石油系燃焼灰(アンモニア注入灰)は、かさ比重が非常に小さい(乾灰:かさ比重=0.1〜0.2)ため、貯留に大容量が必要となり、輸送の効率も非常に悪く非経済的である。専門の処理業者に委託する処理費用は、搬出する石油系燃焼灰(産業廃棄物)の重量に応じており、かさ比重が小さいことにより輸送費がかかるため、より非経済的になるといった問題点がある。
多量の硫酸アンモニウムを含む石油系燃焼灰(アンモニア注入灰)は、吸湿性が高く、付着および固着しやすい等粉体としてのハンドリングが非常に難しい。そのため、現状では多量の硫酸アンモニウムを含むアンモニア注入灰は、貯留時間を極力短くし搬出している。
アンモニア注入灰は特許文献2に記載の従来法には適用されておらず、未燃カーボンをうまく分離することができない。特許文献1に記載の方法は、未燃カーボンを分離するために捕集剤を添加し、せん断翼でせん断した後、気泡に付着させ浮上分離させるものであるが、石炭灰の処理を対象としたものであるため、石油系燃焼灰に適用できない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、湿灰として産廃処理する方法よりも処理コストを抑えることができ、かつ、従来回収が困難であった有価物を回収できる有価物回収方法、有価物回収装置および有価物回収システムを提供することを目的とする。また、アンモニア注入灰であっても、燃料として再利用可能な未燃カーボンとして回収できる有価物回収方法、有価物回収装置および有価物回収システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の有価物回収方法および有価物回収装置並びに有価物回収システムは以下の手段を採用する。
本発明は、重質油を燃料とするボイラで発生した排ガスに含まれる燃焼灰から有価物を回収する方法であって、前記燃焼灰に調整水を添加して燃焼灰懸濁液を調整する燃焼灰懸濁液調整工程と、所定量の油系バインダを前記燃焼灰懸濁液に供給するバインダ供給工程と、前記燃焼灰懸濁液と前記油系バインダとを混合してペレットを造粒する造粒工程と、前記造粒工程の後、ふるいを用いて、前記燃焼灰懸濁液を前記ペレットと未燃カーボン分離廃液とに分離するふるい分け工程と、前記ペレットを主有価物である未燃カーボンとして回収するとともに、前記未燃カーボン分離廃液から副有価物としてバナジウムおよびニッケルを分離回収する有価物回収工程と、を含む有価物回収方法を提供する。
また、本発明は、重質油を燃料とするボイラで発生した排ガスに含まれる燃焼灰から有価物を回収する方法であって、前記燃焼灰に調整水を添加して燃焼灰懸濁液を調整する燃焼灰懸濁液調整工程と、所定量の油系バインダを前記燃焼灰懸濁液に供給するバインダ供給工程と、前記燃焼灰懸濁液と前記油系バインダとを混合してペレットを造粒する造粒工程と、前記造粒工程の後、ふるいを用いて、前記燃焼灰懸濁液を前記ペレットと未燃カーボン分離廃液とに分離するふるい分け工程と、前記ペレットを主有価物である未燃カーボンとして回収するとともに、前記未燃カーボン分離廃液を前記調整水として循環使用して副有価物としてバナジウムおよびニッケルを濃縮回収する有価物回収工程と、を含む有価物回収方法を提供する。
前記油系バインダは油脂(植物性、動物性、鉱物性を包含する。なお、鉱物性には石油から精製される重油を包含する。)、好ましくはC重油である。
本発明では、未燃カーボンが親油性であるという特徴を利用して造粒および分離を行う。本発明によれば、油系バインダを用いて造粒するため、燃焼灰懸濁液中に存在する未燃カーボン以外の成分の割合に大きく影響をうけず、高い効率で未燃カーボンを分離できる。本発明によれば、未燃カーボンを分離した後の未燃カーボン分離廃液から副有価物を回収できる。
未燃カーボンはペレットの形態で回収する。回収したペレットは、石油コークスなどの重質油燃料と比較すると、同程度の発熱量を有し、かつバインダとして使用した重油も同時に燃焼させるため着火性が良く効率的であり、重質油燃料の代替として利用することができる。
上記発明の一態様では、前記燃焼灰中の未燃カーボンの重量割合を予め取得する未燃カーボン重量割合取得工程を含み、前記バインダ供給工程において、未燃カーボン重量とそれを造粒可能な油系バインダ量とを関係付けた情報を予め得ておき、前記未燃カーボン重量割合取得工程で取得した未燃カーボンの重量割合に基づいて、前記情報から油系バインダの供給量を決定し、該決定した供給量の油系バインダを前記燃焼灰懸濁液に供給するとよい。
上記発明の一態様では、前記燃焼灰が、前記排ガス中のSOを除去するため前記排ガスにアンモニアを注入して得られたアンモニア注入灰であり、前記燃焼灰懸濁液がアンモニア注入灰懸濁液であり得る。
また、本発明は、重質油を燃料とするボイラで発生した排ガスに前記排ガス中のSOを除去するためアンモニアを注入して得られた燃焼灰であるアンモニア注入灰に含まれる有価物を回収する方法であって、前記アンモニア注入灰に調整水を添加してアンモニア注入灰懸濁液を調整するアンモニア注入灰懸濁液調整工程と、前記アンモニア注入灰中の未燃カーボンの重量割合を予め取得する未燃カーボン重量割合取得工程と、未燃カーボン重量とそれを造粒可能な油系バインダ量とを関係付けた情報を予め得ておき、前記未燃カーボン重量割合取得工程で取得した未燃カーボンの重量割合に基づいて、前記情報から油系バインダの供給量を決定し、該決定した供給量の油系バインダを前記アンモニア注入灰懸濁液に供給するバインダ供給工程と、前記アンモニア注入灰懸濁液と前記油系バインダとを混合してペレットを造粒する造粒工程と、前記造粒工程の後、ふるいを用いて、前記アンモニア注入灰懸濁液を前記ペレットと未燃カーボン分離廃液とに分離するふるい分け工程と、を含み、前記ペレットを主有価物である未燃カーボンとして回収する有価物回収方法を提供する。
従来、燃焼灰に供給するバインダ量は、燃焼灰全体量に対するバインダ比率で造粒化範囲が決まっているが、該従来法ではアンモニア注入灰から未燃カーボンを造粒することはできない。本発明者らは、アンモニア注入灰中の未燃カーボン重量のみに対するバインダ比率を規定することが必要であることを見出した。本発明は、燃焼灰(またはアンモニア注入灰)に含まれる未燃カーボンの重量割合を予め取得することで、造粒に適した割合で油系バインダを供給できるため、アンモニア注入灰などの未燃カーボンの重量割合が少ない燃料灰からでも安定して未燃カーボンを造粒・分離できる。油系バインダの供給量は、燃焼灰(またはアンモニア注入灰)の生成条件ごとに規定するとよい。燃焼灰に含まれる未燃カーボンの重量割合に応じて油系バインダを供給して造粒されたペレットは、ふるいにより容易に分離可能な性状となる。
上記発明の一態様では、前記未燃カーボン分離廃液に、酸化還元電位調整剤およびpH調整剤を添加して前記副有価物を析出させた副有価物析出廃液とし、前記副有価物析出廃液を、析出した前記副有価物を含む濃縮汚泥と二次廃液とに分離して、前記副有価物を回収することができる。
未燃カーボン分離廃液の酸化還元電位(ORP)およびpHを調整して、未燃カーボン分離廃液に含まれるバナジウムおよび、あるいはニッケルなどの副有価物を積極的に析出させることで、副有価物の回収率を向上させられる。
上記発明の一態様では、前記二次廃液を前記調整水として循環使用するとよい。
二次廃液は未回収の不純物等を含む廃液であるが、そのような廃液で燃焼灰懸濁液を調整した場合であっても、未燃カーボンを含むペレットを造粒し、回収できる。
副有価物を回収する過程で生じた二次廃液を、調整水として再利用することで、系外へ排出する廃液量を低減でき、廃液処理設備費用およびその運転・維持費用を低減できる。また、調整水用として新たに添加する水量を大きく低減できる。
上記発明の一態様では、前記未燃カーボン分離廃液を前記調整水として循環使用してもよい。
ふるい分け工程で分離された未燃カーボン分離廃液または副有価物を回収する過程で生じた二次廃液を、調整水として再利用することで、系外へ排出する廃液量を低減でき、廃液処理設備費用およびその運転・維持費用を低減できる。また、調整水用として新たに添加する水量を大きく低減できる。
上記発明の一態様によれば、循環させることにより未燃カーボン分離廃液中で副有価物が濃縮され、副有価物を多く含んだ濃縮汚泥として回収することが可能となる。
上記発明の一態様では、前記未燃カーボン分離廃液、または、前記未燃カーボン分離廃液から副有価物としてバナジウムおよびニッケルを分離回収する場合には前記未燃カーボン分離廃液および前記副有価物を分離した後に生じる二次廃液の少なくとも一方の廃液に蒸気を供給して前記廃液からアンモニアを分離して回収し、前記アンモニアを分離した後の廃液を前記調整水として循環使用するとよい。
アンモニア注入灰から未燃カーボンを分離した後の廃液(未燃カーボン分離廃液または二次廃液)には、アンモニアが含まれている。上記発明の一態様によれば、アンモニアを副有価物として回収できる。回収したアンモニアは、排ガス中のSOを除去する為に集じん装置上流に注入されるアンモニアとして循環再利用できる。
上記発明の一態様では、前記調整水として循環使用する前記廃液にアルカリ性のpH調整剤を添加してpHを調製した後、前記廃液に前記蒸気を供給するとよい。
アンモニアはpHが高い条件ほど、蒸気側への移行量が多くなる。pH調整剤を添加することで、アンモニアの回収効率を高めることができる。
上記発明の一態様では、前記廃液に硫酸成分を沈殿させる沈殿剤を添加して沈殿物を生成させ、前記廃液から前記沈殿物を分離した後、前記廃液に前記蒸気を供給するとよい。
調整水として循環使用する廃液(未燃カーボン分離廃液または二次廃液)には、硫酸成分(SO 2−)が含まれている。アンモニアを分離・回収する前に、廃液からSO 2−を分離しておくことで、アンモニア分離能を低下させずに、アンモニアを回収できる。
上記発明の一態様では、前記廃液のpHを計測し、廃液のpHが9以下であるよう前記沈殿剤の添加量を調整するとよい。
pHを上記範囲にすることで、アンモニアの放散を防止できる。それにより、安全に硫酸成分を分離でき、後の工程では、アンモニア分離能を低下させずに、廃液からアンモニアを分離できる。
上記発明の一態様では、前記燃焼灰が、前記排ガス中のSOを除去するため前記排ガスにアンモニアを注入して得られたアンモニア注入灰であり、前記アンモニア注入灰が複数の集じん部でそれぞれ捕集される場合に、所定の集じん部に捕集されるアンモニア注入灰中の未燃カーボンの重量割合を取得し、前記所定の集じん部に捕集されるアンモニア注入灰に含まれる未燃カーボンに対し前記油系バインダの混合割合を定め、該定めた混合割合となるよう前記油系バインダを前記所定の集じん部で捕集されたアンモニア注入灰に供給してもよい。
上記発明の一態様では、前記燃焼灰が、前記排ガス中のSOを除去するため前記排ガスにアンモニアを注入して得られたアンモニア注入灰であり、前記アンモニア注入灰が複数の集じん部でそれぞれ捕集される場合に、所定の集じん部に捕集されるアンモニア注入灰中の未燃カーボンの重量割合を取得し、前記取得した未燃カーボンの重量割合が所定値以上であるアンモニア注入灰を含むアンモニア注入灰懸濁液に前記油系バインダを供給してもよい。
アンモニア注入灰が集じん装置(主に電気集じん機)の複数の集じん部でそれぞれ捕集される場合、捕集されたアンモニア注入灰に含まれる未燃カーボンの割合は、集じん部毎に異なる。捕集される集じん部毎にアンモニア注入灰に含まれる未燃カーボンの重量割合を取得することで、集じん部毎に未燃カーボンを造粒できる。また、それにより、集じん部毎にアンモニア注入灰の処理系統を変更することが可能となる。未燃カーボンの重量割合が所定値以上であるアンモニア注入灰は、造粒回収するメリットの高い灰である。例えば、未燃カーボンの割合が高く造粒回収するメリットのあるアンモニア注入灰は未燃カーボンを分離する処理系統で処理し、未燃カーボンの割合が低く造粒設備に投入しても有効でないアンモニア注入灰については別の処理系統へ輸送することもできる。それにより効率よく未燃カーボンを回収できる。
本発明は、重質油を燃料とするボイラで発生した排ガスに含まれる燃焼灰から有価物を回収する有価物回収装置であって、前記燃焼灰に調整水を添加して燃焼灰懸濁液を調整する燃焼灰懸濁液調整部と、前記燃焼灰懸濁液に油系バインダを供給するバインダ供給部と、前記燃焼灰懸濁液と前記油系バインダとを混合してペレットを造粒する造粒部と、ふるいを用いて、前記燃焼灰懸濁液を前記ペレットと未燃カーボン分離廃液とに分離するペレット分離部と、前記ペレットを主有価物である未燃カーボンとして回収する主有価物回収部と、前記未燃カーボン分離廃液に含まれる副有価物としてバナジウムおよびニッケルを分離回収する副有価物回収部と、を有している有価物回収装置を提供する。
上記発明の一態様では、前記バインダ供給部が、未燃カーボン重量とそれを造粒可能な油系バインダ量とを関係付けた情報から、予め取得された前記燃焼灰中の未燃カーボンの重量割合に基づいて導き出された量の油系バインダを前記燃焼灰懸濁液に供給できる。
上記発明の一態様では、未燃カーボン重量とそれを造粒可能な油系バインダ量とを関係付けた情報から、予め取得された未燃カーボンの重量割合に基づいて前記油系バインダの供給量を導き出し、導き出された量の油系バインダが供給されるよう前記バインダ供給部を制御する制御部を有していてもよい。
上記発明の一態様では、前記副有価物回収部が、前記未燃カーボン分離廃液の酸化還元電位およびpHを調整して副有価物を析出させて副有価物析出廃液とする調整部と、前記副有価物析出廃液を、析出した前記副有価物を含む濃縮汚泥と二次廃液とに分離する副有価物分離部と、を有し、前記調整部が、前記未燃カーボン分離廃液に酸化還元電位調整剤を添加する酸化還元電位調整剤添加部と、前記未燃カーボン分離廃液にpH調整剤を添加するpH調整剤添加部と、を備えていることが好ましい。
上記発明の一態様では、前記二次廃液を、前記調整水として前記燃焼灰懸濁液調整部に循環供給する二次廃液循環供給部を有していてもよい。
上記発明の一態様では、前記排ガス中のSOを除去するために前記排ガスにアンモニアを注入して得られたアンモニア注入灰を処理対象の燃焼灰とし、前記二次廃液循環供給部が、前記二次廃液に蒸気を供給し、前記二次廃液からアンモニアを分離して回収するアンモニア分離部を備えているとよい。
上記発明の一態様では、前記二次廃液循環供給部が、前記アンモニア分離部の上流側で前記二次廃液にアルカリ性のpH調整剤を添加するアルカリ性pH調整剤添加部を備えているとよい。
上記発明の一態様では、前記二次廃液循環供給部は、前記二次廃液から硫酸成分を分離するSO分離部を備え、前記SO分離部は、前記アンモニア分離部の上流側で前記二次廃液に硫酸成分を沈殿させる沈殿剤を添加する沈殿剤添加部を備え、前記沈殿剤により生じた沈殿物を前記二次廃液から分離できるとよい。
上記発明の一態様では、前記SO分離部が前記二次廃液のpHを計測するpH計を備え、前記二次廃液のpHが9以下であるよう前記沈殿剤の添加量を調整できるとよい。
上記発明の一態様では、前記未燃カーボン分離廃液を前記調整水として前記燃焼灰懸濁液調整部に循環供給する未燃カーボン分離廃液循環供給部を有しているとよい。
本発明は、重質油を燃料とするボイラで発生した排ガスに含まれる燃焼灰から有価物を回収する有価物回収装置であって、前記燃焼灰に調整水を添加して燃焼灰懸濁液を調整する燃焼灰懸濁液調整部と、前記燃焼灰懸濁液に油系バインダを供給するバインダ供給部と、前記燃焼灰懸濁液と前記油系バインダとを混合してペレットを造粒する造粒部と、ふるいを用いて、前記燃焼灰懸濁液を前記ペレットと未燃カーボン分離廃液とに分離するペレット分離部と、前記ペレットを主有価物である未燃カーボンとして回収する主有価物回収部と、前記未燃カーボン分離廃液を前記調整水として前記燃焼灰懸濁液調整部に循環供給する未燃カーボン分離廃液循環供給部と、を有し、前記未燃カーボン分離廃液循環供給部で循環させた未燃カーボン分離廃液を、バナジウムおよびニッケルを含む副有価物として濃縮回収できる有価物回収装置を提供する。
上記発明の一態様では、前記バインダ供給部が、未燃カーボン重量とそれを造粒可能な油系バインダ量とを関係付けた情報から、予め取得された前記燃焼灰中の未燃カーボンの重量割合に基づいて導き出された量の油系バインダを前記燃焼灰懸濁液に供給できる。
上記発明の一態様では、未燃カーボン重量とそれを造粒可能な油系バインダ量とを関係付けた情報から、予め取得された未燃カーボンの重量割合に基づいて前記油系バインダの供給量を導き出し、導き出された量の油系バインダが供給されるよう前記バインダ供給部を制御する制御部を有しているとよい。
上記発明の一態様では、前記排ガス中のSOを除去するために前記排ガスにアンモニアを注入して得られたアンモニア注入灰を処理対象の燃焼灰とする。
また、本発明は、重質油を燃料とするボイラで発生した排ガスに前記排ガス中のSOを除去するためアンモニアを注入して得られた燃焼灰であるアンモニア注入灰に含まれる有価物を回収する有価物回収装置であって、前記アンモニア注入灰に調整水を添加してアンモニア注入灰懸濁液を調整するアンモニア注入灰懸濁液調整部と、前記アンモニア注入灰懸濁液に油系バインダを供給するバインダ供給部と、前記アンモニア注入灰懸濁液と前記油系バインダとを混合してペレットを造粒する造粒部と、ふるいを用いて、前記アンモニア注入灰懸濁液を前記ペレットと未燃カーボン分離廃液とに分離するペレット分離部と、前記ペレットを主有価物である未燃カーボンとして回収する主有価物回収部と、を有し、前記バインダ供給部が、未燃カーボン重量とそれを造粒可能な油系バインダ量とを関係付けた情報から、予め取得された前記アンモニア注入灰中の未燃カーボンの重量割合に基づいて導き出された量の油系バインダを前記アンモニア注入灰懸濁液に供給できる有価物回収装置を提供する。
上記発明の一態様では、未燃カーボン重量とそれを造粒可能な油系バインダ量とを関係付けた情報から、予め取得された未燃カーボンの重量割合に基づいて前記油系バインダの供給量を導き出し、導き出された量の油系バインダが供給されるよう前記バインダ供給部を制御する制御部を有しているとよい。
上記発明の一態様では、前記未燃カーボン分離廃液を前記調整水として前記アンモニア注入灰懸濁液調整部に循環供給する未燃カーボン分離廃液循環供給部を有しているとよい。
上記発明の一態様では、前記未燃カーボン分離廃液循環供給部が、前記未燃カーボン分離廃液に蒸気を供給し、前記未燃カーボン分離廃液からアンモニアを分離して回収するアンモニア分離部を備えているとよい。
上記発明の一態様では、前記未燃カーボン分離廃液循環供給部が、前記アンモニア分離部の上流側で前記未燃カーボン分離廃液にアルカリ性のpH調整剤を添加するアルカリ性pH調整剤添加部を備えているとよい。
上記発明の一態様では、前記未燃カーボン分離廃液循環供給部は、前記未燃カーボン分離廃液から硫酸成分を分離するSO分離部を備え、前記SO分離部は、前記アンモニア分離部の上流側で前記未燃カーボン分離廃液に硫酸成分を沈殿させる沈殿剤を添加する沈殿剤添加部を備え、前記沈殿剤により生じた沈殿物を前記未燃カーボン分離廃液から分離できるとよい。
上記発明の一態様では、前記SO分離部が前記未燃カーボン分離廃液のpHを計測するpH計を備え、前記未燃カーボン分離廃液のpHが9以下であるよう前記沈殿剤の添加量を調整できるとよい。
本発明は、重質油を燃料とするボイラで発生した排ガスに含まれる燃焼灰から有価物を回収する有価物回収システムであって、前記燃焼灰を捕集する集じん装置と、前記集じん装置で捕集された前記燃焼灰を輸送収集する灰処理装置と、前記灰処理装置から送られた前記燃焼灰から有価物を回収する有価物回収装置と、を備え、前記有価物回収装置が、前記燃焼灰に調整水を添加して燃焼灰懸濁液を調整する燃焼灰懸濁液調整部と、前記燃焼灰懸濁液に油系バインダを供給するバインダ供給部と、前記燃焼灰懸濁液と前記油系バインダとを混合してペレットを造粒する造粒部と、ふるいを用いて、前記燃焼灰懸濁液を前記ペレットと未燃カーボン分離廃液とに分離するペレット分離部と、前記ペレットを主有価物の未燃カーボンとして回収する主有価物回収部と、前記未燃カーボン分離廃液に含まれる副有価物を分離回収する副有価物回収部と、を有している有価物回収システムを提供する。
上記発明の一態様では、前記バインダ供給部が、未燃カーボン重量とそれを造粒可能な油系バインダ量とを関係付けた情報から、予め取得された前記燃焼灰中の未燃カーボンの重量割合に基づいて導き出された量の油系バインダを前記燃焼灰懸濁液に供給できる。
上記発明の一態様では、前記有価物回収装置が、未燃カーボン重量とそれを造粒可能な油系バインダ量とを関係付けた情報から、予め取得された未燃カーボンの重量割合に基づいて前記油系バインダの供給量を導き出し、導き出された量の油系バインダが供給されるよう前記バインダ供給部を制御する制御部を有しているとよい。
上記発明の一態様では、前記副有価物回収部が、前記未燃カーボン分離廃液の酸化還元電位およびpHを調整して副有価物を析出させて副有価物析出廃液とする調整部と、前記副有価物析出廃液を、析出した前記副有価物を含む濃縮汚泥と二次廃液とに分離する副有価物分離部と、を有し、前記調整部が、前記未燃カーボン分離廃液に酸化還元電位調整剤を添加する酸化還元電位調整剤添加部と、前記未燃カーボン分離廃液にpH調整剤を添加するpH調整剤添加部と、を備えているとよい。
上記発明の一態様では、前記二次廃液を、前記調整水として前記燃焼灰懸濁液調整部に循環供給する二次廃液循環供給部を有しているとよい。
上記発明の一態様では、前記排ガス中のSOを除去するためアンモニアを注入して得られたアンモニア注入灰を処理対象の燃焼灰とし、前記二次廃液循環供給部が、前記二次廃液に蒸気を供給し、前記二次廃液からアンモニアを分離して回収するアンモニア分離部を備えているとよい。
上記発明の一態様では、前記二次廃液循環供給部が、前記アンモニア分離部の上流側で前記二次廃液にアルカリ性のpH調整剤を添加するアルカリ性pH調整剤添加部を備えているとよい。
上記発明の一態様では、前記二次廃液循環供給部は、前記二次廃液から硫酸成分を分離するSO分離部を備え、前記SO分離部は、前記アンモニア分離部の上流側で前記二次廃液に硫酸成分を沈殿させる沈殿剤を添加する沈殿剤添加部を備え、前記沈殿剤により生じた沈殿物を前記二次廃液から分離できるとよい。
上記発明の一態様では、前記SO分離部が前記二次廃液のpHを計測するpH計を備え、前記二次廃液のpHが9以下であるよう前記沈殿剤の添加量を調整できるとよい。
上記発明の一態様では、前記未燃カーボン分離廃液を前記調整水として前記燃焼灰懸濁液調整部に循環供給する未燃カーボン分離廃液循環供給部を有しているとよい。
本発明は、重質油を燃料とするボイラで発生した排ガスに含まれる燃焼灰から有価物を回収する有価物回収システムであって、前記燃焼灰を捕集する集じん装置と、前記集じん装置で捕集された前記燃焼灰を輸送収集する灰処理装置と、前記灰処理装置から送られた前記燃焼灰から有価物を回収する有価物回収装置と、を備え、前記有価物回収装置が、前記燃焼灰に調整水を添加して燃焼灰懸濁液を調整する燃焼灰懸濁液調整部と、前記燃焼灰懸濁液に油系バインダを供給するバインダ供給部と、前記燃焼灰懸濁液と前記油系バインダとを混合してペレットを造粒する造粒部と、ふるいを用いて、前記燃焼灰懸濁液を前記ペレットと未燃カーボン分離廃液とに分離するペレット分離部と、前記ペレットを主有価物の未燃カーボンとして回収する主有価物回収部と、前記未燃カーボン分離廃液を前記調整水として前記燃焼灰懸濁液調整部に循環供給する未燃カーボン分離廃液循環供給部と、を有し、前記未燃カーボン分離廃液循環供給部で循環させた未燃カーボン分離廃液を副有価物として濃縮回収できる有価物回収システムを提供する。
上記発明の一態様では、前記バインダ供給部が、未燃カーボン重量とそれを造粒可能な油系バインダ量とを関係付けた情報から、予め取得された前記燃焼灰中の未燃カーボンの重量割合に基づいて導き出された量の油系バインダを前記燃焼灰懸濁液に供給できる。
上記発明の一態様では、前記有価物回収装置が、未燃カーボン重量とそれを造粒可能な油系バインダ量とを関係付けた情報から、予め取得された未燃カーボンの重量割合に基づいて前記油系バインダの供給量を導き出し、導き出された量の油系バインダが供給されるよう前記バインダ供給部を制御する制御部を有しているとよい。
上記発明の一態様では、前記排ガス中のSOを除去するために前記排ガスにアンモニアを注入して得られたアンモニア注入灰を処理対象の燃焼灰とする。
また、本発明は、重質油を燃料とするボイラで発生した排ガスに前記排ガス中のSOを除去するためアンモニアを注入して得られた燃焼灰であるアンモニア注入灰に含まれる有価物を回収する有価物回収システムであって、前記アンモニア注入灰を捕集する集じん装置と、前記集じん装置で捕集された前記アンモニア注入灰を輸送収集する灰処理装置と、前記灰処理装置から送られた前記アンモニア注入灰から有価物を回収する有価物回収装置と、
を備え、前記有価物回収装置が、前記アンモニア注入灰に調整水を添加してアンモニア注入灰懸濁液を調整するアンモニア注入灰懸濁液調整部と、前記アンモニア注入灰懸濁液に油系バインダを供給するバインダ供給部と、前記アンモニア注入灰懸濁液と前記油系バインダとを混合してペレットを造粒する造粒部と、ふるいを用いて、前記アンモニア注入灰懸濁液を前記ペレットと未燃カーボン分離廃液とに分離するペレット分離部と、前記ペレットを主有価物の未燃カーボンとして回収する主有価物回収部と、を有し、前記バインダ供給部が、未燃カーボン重量とそれを造粒可能な油系バインダ量とを関係付けた情報から、予め取得された前記アンモニア注入灰中の未燃カーボンの重量割合に基づいて導き出された量の油系バインダを前記アンモニア注入灰懸濁液に供給できる有価物回収システムを提供する。
上記発明の一態様では、前記有価物回収装置が、未燃カーボン重量とそれを造粒可能な油系バインダ量とを関係付けた情報から、予め取得された未燃カーボンの重量割合に基づいて前記油系バインダの供給量を導き出し、導き出された量の油系バインダが供給されるよう前記バインダ供給部を制御する制御部を有しているとよい。
上記発明の一態様では、前記未燃カーボン分離廃液を前記調整水として前記アンモニア注入灰懸濁液調整部に循環供給する未燃カーボン分離廃液循環供給部を有しているとよい。
上記発明の一態様では、前記未燃カーボン分離廃液循環供給部が、前記未燃カーボン分離廃液に蒸気を供給し、前記未燃カーボン分離廃液からアンモニアを分離して回収するアンモニア分離部を備えているとよい。
上記発明の一態様では、前記未燃カーボン分離廃液循環供給部が、前記アンモニア分離部の上流側で前記未燃カーボン分離廃液にアルカリ性のpH調整剤を添加するアルカリ性pH調整剤添加部を備えているとよい。
上記発明の一態様では、前記未燃カーボン分離廃液循環供給部は、前記未燃カーボン分離廃液から硫酸成分を分離するSO分離部を備え、前記SO分離部は、前記アンモニア分離部の上流側で前記未燃カーボン分離廃液に硫酸成分を沈殿させる沈殿剤を添加する沈殿剤添加部を備え、前記沈殿剤により生じた沈殿物を前記未燃カーボン分離廃液から分離できるとよい。
上記発明の一態様では、前記SO分離部が前記未燃カーボン分離廃液のpHを計測するpH計を備え、前記未燃カーボン分離廃液のpHが9以下であるよう前記沈殿剤の添加量を調整できるとよい。
上記発明では、油系バインダを用いるため、懸濁液中の他の成分の存在に大きく影響をうけず、高い回収率で未燃カーボンのペレットを造粒できる。そのため、他の有価物回収装置を備えた有価物回収システムに適用する場合であっても、プロセスの中である程度自由に有価物回収装置を配置でき、経済的なシステム構築が可能となる。
上記発明で造粒・分離されたペレットは、石油コークスなどの重質油燃料と比較すると、同程度の発熱量を有し、かつバインダとして使用した重油も同時に燃焼させるため効率的であり、重質油などの燃料の代替として利用することが可能である。
上記発明の一態様によれば、二次廃液循環供給部にて二次廃液を循環させて調整水として再利用することにより副有価物が濃縮され、容易に分離回収することが可能となる。
上記発明の一態様によれば、未燃カーボン分離廃液循環供給部にて未燃カーボン分離廃液を循環させて調整水として再利用することにより副有価物が濃縮され、副有価物を多く含んだ未燃カーボン分離廃液として濃縮回収することが可能となる。
ペレット分離部で分離した未燃カーボン分離廃液または副有価物分離部で分離した二次廃液を調整水として再利用することで、系外へ排出する廃液量を低減でき、廃液処理設備費用とその運転・維持費用および産業廃棄物処理費用を低減できる。また、調整水用として新たに添加する水量を大きく低減できる。
上記発明の一態様において、前記油系バインダは油脂(植物性、動物性、鉱物性を包含する。なお、鉱物性には石油から精製される重油を包含する。)、好ましくはC重油である。
上記発明の一態様では、前記集じん装置が燃焼ガス流れ方向に沿って並んで配置された複数の集じん部を備え、下流側に前記有価物回収装置が接続されている灰処理装置が所定の集じん部に接続され、前記所定の集じん部が、前記燃焼ガス流れ方向の最上流に位置する集じん部を含んでいてもよい。
上記発明の一態様によれば、集じん部で捕集された燃焼灰の一部を有価物回収装置以外の処理系統に送ることができる。それにより、未燃カーボンの割合が低いアンモニア注入灰などは別の処理系統で処理できるため、有価物回収システム全体を経済的な容量で設計することが可能となる。
上記発明の一態様では、前記バインダ供給部が、前記所定の集じん部に捕集された燃焼灰を含む燃焼灰懸濁液にそれぞれ前記油系バインダを供給できることが好ましい。
上記発明の一態様によれば、捕集される集じん部毎で燃焼灰に含まれる未燃カーボンの重量割合を取得するため、集じん部毎に未燃カーボンを造粒できる。それにより、有価物回収システム全体を経済的な容量で設計することが可能となる。
本発明によれば、燃焼灰中の未燃カーボンの重量割合を予め取得し、取得した未燃カーボンの重量割合に対して所定量の油系バインダを供給することで、石油系燃焼灰およびアンモニア注入灰の前処理方法および未燃カーボン以外の成分の存在によらず、安定して高い回収率で未燃カーボンを分離できる。分離した未燃カーボンは、重質油燃料の代替として使用できる。本発明によれば、未燃カーボンを分離した後の未燃カーボン分離廃液および二次廃液から副有価物を回収できる。
第1実施形態に係る有価物回収方法のフロー図である。 第1実施形態の変形例に係る有価物回収方法のフロー図である。 第1実施形態における重質油焚ボイラプラントの排ガス処理システムの概略構成図である。 第1実施形態に係る有価物回収装置の概略構成図である。 第2実施形態に係る有価物回収装置の概略構成図である。 第3実施形態に係る有価物回収装置の概略構成図である。 第4実施形態に係る有価物回収方法のフロー図である。 第4実施形態における重質油焚ボイラプラントの排ガス処理システムの概略構成図である。 第4実施形態に係る有価物回収装置の概略構成図である。 造粒試験(実験A)の結果を示すグラフである。 造粒試験(実験B)の結果を示すグラフである。 第5実施形態に係る有価物回収装置の概略構成図である。 第6実施形態に係る有価物回収装置の概略構成図である。 第7実施形態に係る有価物回収装置の概略構成図である。 第8実施形態における重質油焚ボイラプラントの排ガス処理システムの概略構成図である。
本発明に係る有価物回収方法、有価物回収装置および有価物回収システムは、重質油を燃料とするボイラ(重質油焚ボイラ)で発生した燃焼灰を処理するのに好適である。重質油は、重油、原油、あるいは石油の精製過程で生じる残渣油(VR(Vacuum Residue)、SDA(Solvent De−Asphalting)ピッチ、または石油コークス)である。重質油には硫黄分が含まれている。
〔第1実施形態〕
本実施形態に係る有価物回収方法について説明する。図1に本実施形態の有価物回収方法のフロー図を示す。本実施形態に係る有価物回収方法は、未燃カーボン重量割合取得工程(S1)、燃焼灰懸濁液調整工程(S2)、バインダ供給工程(S3)、造粒工程(S4)、ふるい分け工程(S5)、および有価物回収工程(S6,S7)を含む。
未燃カーボン重量割合取得工程(S1)は、燃焼灰中の未燃カーボンの重量割合を予め取得する工程である。例えば、集じん装置(主に電気集じん機)の各集じん部の燃焼灰を試料として、該試料中の未燃カーボン含有量を計測し、未燃カーボンの重量割合(未燃カーボン量または未燃カーボン重量)を得る。燃焼灰をすべてひとまとめにした後に処理する場合は、ひとまとめにした燃焼灰を試料としてもよい。未燃カーボン量は、CHN法(炭素・水素・窒素同時定量法)などにより計測できる。重質油の成分と、重質油の燃焼条件(ボイラ等の運転条件)などをひも付けしたライブラリを作成しておき、該ライブラリから未燃カーボン量を得てもよい。
燃焼灰懸濁液調整工程(S2)は、燃焼灰に調整水を添加して懸濁液を調整する工程である。調整水は工業用水などである。調整水の添加量は、後の造粒工程での造粒に適した懸濁液を調整できる量とする。
バインダ供給工程(S3)は、燃焼灰懸濁液調整工程(S2)にて調整した燃焼灰を含む懸濁液(燃焼灰懸濁液)に一定の比率で油系バインダを供給する工程である。油系バインダは油脂である。油脂は植物性、動物性、鉱物性を包含する。なお、鉱物性の油脂には石油から精製される重油が包含される。油系バインダはC重油であることがより好ましい。
油系バインダの供給量は、未燃カーボン量とそれを造粒可能な油系バインダ量とを関係付けた情報を用い、未燃カーボン重量割合取得工程(S1)で取得した未燃カーボンの重量割合に基づいて決定する。上記情報は予め得ておく。油系バインダの供給量決定に用いる情報は、重質油の燃焼条件(プラントの温度履歴、重質油の成分および空気過剰率など)に応じたものとする。未燃カーボン重量割合取得工程(S1)にて各集じん部で捕集された燃焼灰をそれぞれ試料として未燃カーボン量を取得した場合は、油系バインダの供給量はそれぞれに基づいて設定する。
造粒工程(S4)は、油系バインダが供給された燃焼灰懸濁液を撹拌し混合させてペレットを造粒する工程である。燃焼灰懸濁液に油系バインダが供給されると、未燃カーボン粒子の親油性に基づき油系バインダで未燃カーボン粒子が凝集される。凝集物は、撹拌・転動することで造粒される。造粒後、灰分および重金属分など造粒に関与しない成分は懸濁液中に残留している。ペレットとは、粒径が0.5mmより大きく2.0mm未満の固形粒子である。
ふるい分け工程(S5)は、ふるいを用いて、造粒工程で造粒したペレットを液体分(未燃カーボン分離廃液)と分離する工程である。ふるいは、ペレットがふるい上となるものを使用する。未燃カーボン分離廃液は、懸濁液であってよく、ペレットよりも粒径の小さい固形物が含まれていてもよい。
有価物回収工程(S6,S7)は、有価物(主有価物および副有価物)を回収する工程である。有価物回収工程は、主有価物回収工程(S6)および副有価物回収工程を含む(S7)。「主有価物」は、ふるい分け工程(S5)でふるい上に残ったものに含まれる有価物である。本実施形態において「主有価物」は未燃カーボンである。「副有価物」は、ふるい分け工程(S5)でふるいを通過したものに含まれる有価物である。本実施形態において「副有価物」はバナジウムおよびニッケル等の有価金属およびアンモニアである。
主有価物回収工程(S6)では、ふるい分け工程(S5)で燃焼灰懸濁液から分離されたペレットを、主有価物の未燃カーボンとして容器またはコンベアなどの搬送機器に回収する。副有価物回収工程(S7)では、ふるい分け工程(S5)でふるいを通過してなる未燃カーボン分離廃液から副有価物を回収する。
副有価物は次のように回収する。
ふるい分け工程(S5)で分離された未燃カーボン分離廃液に、酸化還元電位調整剤およびpH調整剤を添加して副有価物を析出させ副有価物析出廃液とする。
酸化還元電位調整剤は、ヒドラジン(N)に代表される還元剤である。酸化還元電位調整剤を加えることで有価金属(バナジウムおよび、あるいはニッケル等)などが析出できる環境にする。酸化還元電位調整剤は、未燃カーボン分離廃液の酸化還元電位が−150mVから200mV付近となるよう添加する。未燃カーボン分離廃液の酸化還元電位を計測し、未燃カーボン分離廃液の酸化還元電位が上記範囲付近になるよう酸化還元電位調整剤の添加量を制御するとよい。
pH調整剤は、未燃カーボン分離廃液のpHをpH5.5以上pH6.0以下付近となるよう添加する。pH調整剤は、例えば苛性ソーダなどである。未燃カーボン分離廃液のpHを計測し、未燃カーボン分離廃液のpHが上記範囲付近になるようpH調整剤の添加量を制御するとよい。未燃カーボン分離廃液のpHを上記範囲付近にすることで、溶解状態で存在するバナジウムおよび、あるいはニッケルなどの副有価物の析出を促進できる。
次に、副有価物析出廃液を、析出した副有価物を含む濃縮汚泥と二次廃液とに分離する。濃縮汚泥は副有価物として回収し、二次廃液は系外へと放出する。二次廃液は、濃縮汚泥分離時にすり抜けた固形物が含まれるような懸濁液であってもよい。
なお、燃焼灰が異なる集じん部で捕集される場合には、未燃カーボン重量割合取得工程において各集じん部で捕集された燃焼灰をそれぞれ試料とし、未燃カーボン量を取得してもよい。また、各集じん部で捕集された燃焼灰毎に懸濁液を調整し、油系バインダの供給量(混合割合)を設定してもよい。
なお、本実施形態に係る有価物回収方法(変形例)は、他の成分(副有価物)を抽出する他成分抽出工程を、造粒工程の前に備えていてもよい。他成分抽出工程は造粒工程の前に燃焼灰懸濁液を用いて行うことができる。他の成分(副有価物)とはバナジウムおよび、あるいはニッケルなどである。図2に他成分抽出工程(S8)を備えた有価物回収方法のフロー図を示す。他成分抽出工程を造粒工程の前に行った場合は、抽出残渣を燃焼灰懸濁液として造粒工程に供する。
次に、上記有価物回収方法を実現するための有価物回収装置およびそれを適用した有価物回収システムについて説明する。
図3は、重質油焚ボイラプラントの排ガス処理システムの概略構成図である。図3では、重質油焚ボイラ1、有価物回収システム(2A,2B,2C)、脱硫装置3および煙突4が順に排ガス通路(5A,5B,5C)で連結されている。重質油焚ボイラ1と有価物回収システムとを連結する排ガス通路5Aには、重質油焚ボイラ1から排出された排ガスを適正温度に冷却するためのエアヒータが設置されていてもよい(不図示)。
重質油焚ボイラ1は、重質油を燃料とする発電プラントなどに設置されたものである。重質油焚ボイラ1は、重質油を燃焼させることで生じる排ガスを排ガス通路5Aに排出する。排ガス通路5Aに排出される排ガスは、燃焼ガスおよび燃焼灰を含んでいる。
有価物回収システムは、集じん装置(主に電気集じん機)2A、灰処理装置2Bおよび有価物回収装置2Cを備えている。
集じん装置2Aは、重質油焚ボイラ1の出口に連結された排ガス通路5Aの他端部と連結されている。本実施形態において集じん装置2Aは、電気集じん機(EP:Electrostatic Precipitator)である。電気集じん機は、排ガス中の燃焼灰の粒子を荷電し、この荷電させた粒子を捕集するものである。電気集じん機は、放電極(不図示)、集じん極(不図示)およびホッパ7で構成された集じん部を備えている。集じん部は、燃焼ガスの流れ方向Fに沿って複数並んで配置されていてもよい。
放電極と集じん極との間に高電圧をかけて排ガスを流すと、両極間にコロナ放電が発生し、燃焼灰の粒子を荷電できる。荷電された粒子は静電引力によって集じん極へと付着・堆積する。集じん極の下部にはホッパ7が設けられており、集じん極に付着・堆積した粒子を捕集できる。電気集じん機が乾式である場合には、ハンマ槌打により集じん極へ衝撃力を与えることで、集じん極に付着・堆積した粒子をはく離できる。本実施形態において、複数の集じん部の各ホッパ出口はすべて1つの灰処理装置2Bに接続されている。灰処理装置2Bの出口は、有価物回収装置2Cに接続されている。
脱硫装置3は、湿式の排煙脱硫装置であり、燃焼ガスに含まれる亜硫酸ガス(SOガス)を回収液に回収できる。脱硫処理された排ガスは、煙突4から系外へと排出される。
有価物回収装置2Cは、集じん部で捕集した燃焼灰から主有価物(未燃カーボン)および副有価物(バナジウムおよび、あるいはニッケルなど)を分離し回収できる。図4は、本実施形態に係る有価物回収装置の概略構成図である。有価物回収装置2Cは、灰処理装置2B(アッシュビン)の出口に連結された燃焼灰懸濁液調整部11と、燃焼灰懸濁液調整部11の出口側に連結された造粒部12と、造粒部12に油系バインダを供給できるバインダ供給部13と、造粒部12の出口側に連結されたペレット分離部14と、主有価物回収部16と、副有価物回収部17と、を備えている。
燃焼灰懸濁液調整部11は、集じん装置で捕集され、灰処理装置2Bに送られた燃焼灰が送り込まれ、該燃焼灰を貯留できる槽である。燃焼灰懸濁液調整部11は燃焼灰に調整水を添加して燃焼灰懸濁液を調整できる。燃焼灰懸濁液調整部11は、貯留した燃焼灰に調整水を添加する調整水添加部15を備えている。調整水添加部15は、造粒に適した懸濁液となるよう添加する調整水の量を制御できる。
造粒部12は、未燃カーボン粒子の親油性を利用してペレットの造粒を行う装置である。詳細には、造粒部12は燃焼灰懸濁液に油系バインダを供給して撹拌混合し転動させることで、未燃カーボン粒子を凝集させて連続的に造粒する。
バインダ供給部13は、油系バインダが収容されている。バインダ供給部13に収容される油系バインダは油脂、好ましくは重油である。重油は、C重油が最適である。バインダ供給部13は、予め取得された燃焼灰懸濁液に含まれる燃焼灰中の未燃カーボンの重量割合に基づき、造粒部内の燃焼灰懸濁液に所定量の油系バインダを一定の比率で供給できる。バインダ供給部13は、未燃カーボン重量とそれを造粒可能な油系バインダ量とを関係付けた情報から、燃焼灰中の未燃カーボンの重量割合に基づいて導き出された量の油系バインダを燃焼灰懸濁液に供給できる。燃焼灰懸濁液に含まれる燃焼灰中の未燃カーボンの重量割合は、予め取得された値が用いられ得る。
バインダ供給部13は、油系バインダの供給量を制御する情報処理装置(制御部)を備えていてもよい(不図示)。情報処理装置は、未燃カーボン重量とそれを造粒可能な油系バインダ量とを関係付けた情報から、予め取得された未燃カーボンの重量割合に基づいて前記油系バインダの供給量を導き出し、導き出された量の油系バインダが供給されるようバインダ供給部13を制御できる。有価物回収装置2Cは燃焼灰に含まれる未燃カーボンの重量割合を計測するための計測部を備えていていも良い(不図示)。有価物回収装置2Cが計測部を備えている場合、情報処理装置は計測部で得られた未燃カーボン量に基づいて油系バインダの供給量を定め、バインダ供給部13を制御してもよい。
情報処理装置は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体等から構成されている。そして、各種機能を実現するための一連の処理は、一例として、プログラムの形式で記憶媒体等に記憶されており、このプログラムをCPUがRAM等に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、各種機能が実現される。なお、プログラムは、ROMやその他の記憶媒体に予めインストールしておく形態や、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等が適用されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等である。
ペレット分離部14は、ふるいを備えており、燃焼灰懸濁液をペレットと未燃カーボン分離廃液とに分離できる。ペレットはふるい上として後述の主有価物回収部16に回収できる。ペレット分離部14には、市販の振動ふるい機などを用いることができる。
本実施形態において主有価物回収部16は、ペレットを収容できる容器またはコンベアなどの搬送機器である。主有価物回収部16は、ペレット分離部14のふるい上側の出口に連結されている。主有価物回収部16は、ペレット分離部14のふるい上側の出口に設けられた回収路であってもよい。
副有価物回収部17は、未燃カーボン分離廃液に含まれる副有価物を回収できる。副有価物回収部17は、調整部18、副有価物分離部19および回収手段20を有している。
調整部18は、ペレット分離部14のふるい下側の出口に連結されている。調整部18は、ペレット分離部14で分離された未燃カーボン分離廃液を収容できる槽である。調整部18は、酸化還元電位調整剤添加部18aとpH調整剤添加部18bとを備えている。酸化還元電位調整剤添加部18aは、調整部18に収容された未燃カーボン分離廃液に酸化還元電位調整剤を添加できる。pH調整剤添加部18bは、調整部18に収容された未燃カーボン分離廃液にpH調整剤を添加できる。調整部18は、内部に収容された未燃カーボン分離廃液の酸化還元電位およびpHを調整して副有価物を析出させ、副有価物析出廃液を作製できる。
調整部18は、調整部18に収容された未燃カーボン分離廃液の酸化還元電位を計測できる酸化還元電位計、および調整部18に収容された未燃カーボン分離廃液のpHを計測できるpH計を備えていてもよい(不図示)。
副有価物分離部19は、調整部18の副有価物析出廃液が排出される出口側に連結されている。副有価物分離部19は、調整部18で作製した副有価物析出廃液を、濃縮汚泥と二次廃液とに分離できる。濃縮汚泥は、析出した副有価物を含んでいる。副有価物分離部19は、例えば凝集沈殿またはフィルタプレス・遠心分離脱水等の固液分離装置である。
回収手段20は、副有価物分離部19の濃縮汚泥が排出される出口側に連結されている。回収手段20は、濃縮汚泥を回収できる容器である。回収手段20は副有価物分離部19の濃縮汚泥が排出される出口側に連結されている回収路であってもよい。
なお、有価物回収装置2Cは、捕集された燃焼灰中の未燃カーボンの重量割合を計測する計測部を備えていてもよい。例えば、計測部は燃焼灰懸濁液調整部に送られた燃焼灰を試料として燃焼灰中の未燃カーボン量を計測できるよう設置される。例えば、計測部は複数の集じん部で捕集された燃焼灰をそれぞれ試料として燃焼灰中の未燃カーボン量を計測できるよう設置されてもよい。計測部が複数の集じん部で捕集された燃焼灰をそれぞれ試料とする場合、集じん部毎に対応する燃焼灰懸濁液調整部およびバインダ供給部が設けられてもよい。
なお、有価物回収装置2Cは、他の成分を抽出する他成分抽出部を備えていてもよい(不図示)。他成分抽出部は燃焼灰懸濁液調整部11と造粒部12との間に設置できる。
なお、処理対象の燃焼灰がアンモニア注入されていない灰である場合、燃焼灰懸濁液への油系バインダ供給量は、必ずしも未燃カーボンの重量割合に基づいて決定しなくてもよい。その場合、未燃カーボン重量割合取得工程(S1)は省略してもよい。
次に、上記排ガス処理システムにおける排ガス処理フローについて説明する。
重質油焚ボイラで重質油を燃焼させると排ガスが発生する。排ガスは、排ガス通路を経由して集じん装置(主に電気集じん機)に送られる。排ガスが排ガス通路を通過する際、排ガスをエアヒータにより適宜冷却するとよい。
排ガスは、集じん装置(主に電気集じん機)へと導かれ、燃焼灰と燃焼ガスとに分離される。燃焼ガスは脱硫装置へと送られ脱硫処理を施された後、煙突から系外へと排出される。燃焼灰は、複数の集じん部で捕集された後、各ホッパ出口から有価物回収装置に送られて有価物を回収するための処理がなされる。
各ホッパ7で捕集された燃焼灰は、まず燃焼灰懸濁液調整部11に送られる。燃焼灰懸濁液調整部11では、燃焼灰に調整水添加部15から調整水が添加され、造粒に適した燃焼灰懸濁液が調整される。燃焼灰懸濁液は造粒部12に送られた後、バインダ供給部13から油系バインダが供給される。造粒部12では、燃焼灰懸濁液およびバインダを撹拌混合させ、転動することでペレットが造粒される。造粒後ペレット及び液体分はペレット分離部14へと送られ、ふるい分けされる。ペレットはふるい上として主有価物回収部16に回収される。ふるいを通過した液体分は未燃カーボン分離廃液として副有価物回収部17の調整部18に送られる。
調整部18では、酸化還元電位調整剤添加部18aから未燃カーボン分離廃液に酸化還元電位調整剤が添加されて酸化還元電位が所定の範囲内になるよう調整されると同時に、pH調整剤添加部から未燃カーボン分離廃液にpH調整剤が添加されてpHが所定の範囲内になるよう調整される。これによりフェロバナジウム鋼等の原料となる貴重なバナジウム(V)および、あるいはニッケル(Ni)等を多く含む副有価物が析出し、副有価物析出廃液が作製される。副有価物析出廃液は、副有価物分離部へと導かれて濃縮汚泥と二次廃液とに分離される。副有価物析出廃液に含まれていた副有価物の析出物の大部分は、濃縮汚泥中にある。分離された濃縮汚泥は副有価物として回収される。分離された二次廃液は系外へと排出される。
〔第2実施形態〕
本実施形態は、副有価物分離部19で分離した二次廃液を燃焼灰懸濁液調整部11に循環させて燃焼灰懸濁液として使用するところが第1実施形態と異なる。第1実施形態と共通の構成に関しては、説明を省略する。
図5に本実施形態に係る有価物回収装置102Cの概略構成図を示す。有価物回収装置102Cは、副有価物分離部19と燃焼灰懸濁液調整部11とを連結する二次廃液循環供給部103を備えている。二次廃液循環供給部103は、副有価物分離部19で分離した二次廃液を燃焼灰懸濁液調整部11に循環供給できる。二次廃液循環供給部103の一端は、バルブV1を介して副有価物分離部19の二次廃液の出口側に連結されている。二次廃液循環供給部103の他端は、燃焼灰懸濁液調整部11に連結されている。
有価物回収装置102Cにおいて、少なくとも一部の二次廃液が二次廃液循環供給部103へと導かれる。バルブV1を開閉することで、二次廃液循環供給部103に導く二次廃液の量が調整され得る。二次廃液循環供給部に導かれた二次廃液は、燃焼灰懸濁液調整部11へと導かれ、調整水として燃焼灰懸濁液調整部11へと供給される。二次廃液循環供給部103の他端は、調整水添加部15に接続されてもよい。
燃焼灰懸濁液を調整する工程では、循環供給された二次廃液のみで燃焼灰懸濁液を調整できる。調整水として二次廃液と工業用水と合わせて使用してもよい。
循環供給された二次廃液を用いて調整された燃焼灰懸濁液は、造粒部12へ送られて造粒される。このとき得られたペレットは、適宜水洗処理されるとよい。
本実施形態によれば、二次廃液を調整水として循環使用した場合であっても、造粒部12でペレットを造粒でき、ペレット分離部14で造粒したペレットと未燃カーボン分離廃液とに分離できる。そのようにして得られたペレットは、適宜水洗処理を施すことで、石油コークスと同等の高位発熱量を有する代替燃料とすることができる。
本実施形態によれば、二次廃液を調整水として循環使用することで、液中に存在するアンモニアなどの副有価物濃度を高めることができる。それにより、燃焼灰中に含まれる従来廃棄物として扱っていたアンモニアを効率よく分離回収することが可能となる。
本実施形態によれば、二次廃液を循環使用することで、上記副有価物を濃縮でき、調整水に用いる工業用水量を抑えることができ、系外へと排出する廃液量を低減できる。
〔第3実施形態〕
本実施形態は、ペレット分離部14でペレットを分離された未燃カーボン分離廃液を燃焼灰懸濁液調整部11で調整水として再利用する点が第1実施形態と異なる。第1実施形態と共通の構成に関しては、説明を省略する。
図6に本実施形態に係る有価物回収装置112Cの概略構成図を示す。本実施形態に係る有価物回収装置112Cは、未燃カーボン分離廃液循環供給部113を備えている。未燃カーボン分離廃液循環供給部113の一端は、ペレット分離部14の未燃カーボン分離廃液の出口側に、バルブV2を介して連結されている。ペレット分離部14の未燃カーボン分離廃液の出口側には、バルブV3を介して調整部18が連結されている。未燃カーボン分離廃液循環供給部113の他端は、燃焼灰懸濁液調整部11に連結されている。未燃カーボン分離廃液循環供給部113は、ペレット分離部14でペレットと分離された未燃カーボン分離廃液を燃焼灰懸濁液調整部11に循環供給できる。バルブV2およびバルブV3は、開閉することにより未燃カーボン分離廃液循環供給部113に導く未燃カーボン分離廃液の量を調整できる。未燃カーボン分離廃液循環供給部113の他端は、調整水添加部15に接続されてもよい。
有価物回収装置112Cにおいて、ペレット分離部14で分離された未燃カーボン分離廃液は、少なくとも一部が未燃カーボン分離廃液循環供給部113へと導かれる。バルブV2およびバルブV3を開閉することで、未燃カーボン分離廃液循環供給部113に導く未燃カーボン分離廃液の量を調整するとよい。未燃カーボン分離廃液循環供給部113に導かれた未燃カーボン分離廃液は、燃焼灰懸濁液調整部11に導かれ、調整水として燃焼灰懸濁液調整部11へと供給される。
燃焼灰懸濁液を調整する工程では、循環供給された未燃カーボン分離廃液のみで燃焼灰懸濁液を調整できる。調整水として未燃カーボン分離廃液と調整水(工業用水等)と合わせて使用してもよい。
本実施形態によれば、未燃カーボン分離廃液を調整水として循環使用した場合であっても、造粒部12でペレットを造粒できる。そのようにして得られたペレットは、適宜水洗処理を施すことで、石油コークスと同等の高位発熱量を有する代替燃料とすることができる。
本実施形態によれば、未燃カーボン分離廃液を調整水として循環使用することで、未燃カーボン分離廃液における副有価物濃度を高めることができる。副有価物濃度を高めた未燃カーボン分離廃液が副有価物回収部17に送られるため、副有価物回収部17での副有価物の回収率を向上させられる。
本実施形態によれば、未燃カーボン分離廃液を循環使用することで、副有価物を濃縮できるとともに、調整水に用いる工業用水量を抑えることができ、系外へと排出する廃液量を低減できる。
〔第4実施形態〕
本実施形態では、重質油を燃料とするボイラで発生した排ガスに排ガス中のSOを除去するためアンモニアを注入して得られた燃焼灰から有価物を回収する方法について説明する。本実施形態では燃焼灰をアンモニア注入灰と呼ぶ。
図7に本実施形態の有価物回収方法のフロー図を示す。本実施形態に係る有価物回収方法は、未燃カーボン重量割合取得工程(S11)、アンモニア注入灰懸濁液調整工程(S12)、バインダ供給工程(S13)、造粒工程(S14)、及びふるい分け工程(S15)を含む。
未燃カーボン重量割合取得工程(S11)は、アンモニア注入灰中の未燃カーボンの重量割合を予め取得する工程である。例えば、集じん装置(主に電気集じん機)の各集じん部のアンモニア注入灰を試料として、該試料中の未燃カーボン含有量を計測し、未燃カーボンの重量割合(未燃カーボン量)を得る。アンモニア注入灰をすべて一括して収集し、混合した後に処理する場合は、混合したアンモニア注入灰を試料としてもよい。未燃カーボン量は、CHN法などにより計測できる。重質油の成分と、重質油の燃焼条件(ボイラ等の運転条件)、SO濃度およびアンモニアの注入量などをひも付けしたライブラリを作成しておき、該ライブラリから未燃カーボン量を得てもよい。
アンモニア注入灰懸濁液調整工程(S12)は、アンモニア注入灰に調整水を添加して懸濁液を調整する工程である。調整水は工業用水などである。調整水の添加量は、後の造粒工程での造粒に適した懸濁液を調整できる量とする。
バインダ供給工程(S13)は、アンモニア注入灰懸濁液調整工程(S12)にて調整したアンモニア注入灰を含む懸濁液(アンモニア注入灰懸濁液)に一定の比率で油系バインダを供給する工程である。油系バインダは油脂である。油脂は植物性、動物性、鉱物性を包含する。なお、鉱物性の油脂には石油から精製される重油が包含される。油系バインダはC重油であることがより好ましい。油系バインダの供給量は、未燃カーボン量とそれを造粒可能な油系バインダ量とを関係付けた情報を用い、未燃カーボン重量割合取得工程(S1)で取得した未燃カーボンの重量割合に基づいて決定する。上記情報は予め得ておく。油系バインダの供給量決定に用いる情報は、重質油の燃焼条件(プラントの温度履歴、重質油の成分および空気過剰率など)に応じたものとする。
例えば、Aプラントのボイラで発生した排ガスに含まれるアンモニア注入灰を処理する場合、油系バインダの供給量は、アンモニア注入灰懸濁液に含有されるアンモニア注入灰中の未燃カーボン重量に対して26%以上36%以下、好ましくは28%以上32%以下の重量となるよう、未燃カーボン重量割合取得工程にて予め取得したアンモニア注入灰中の未燃カーボン量に基づいて設定する。未燃カーボン重量割合取得工程にて各集じん部で捕集されたアンモニア注入灰をそれぞれ試料として未燃カーボン量を取得した場合は、それぞれに基づいて設定する。
Aプラントは、石油コークスを主燃料とする火力発電所ある。
例えば、Bプラントのボイラで発生した排ガスに含まれるアンモニア注入灰を処理する場合、油系バインダの供給量は、アンモニア注入灰懸濁液に含有されるアンモニア注入灰中の未燃カーボン重量に対して36%以上44%以下の重量となるよう、未燃カーボン量取得工程にて予め取得したアンモニア注入灰中の未燃カーボン量に基づいて設定することができる。未燃カーボン重量割合取得工程にて各集じん部で捕集されたアンモニア注入灰をそれぞれ試料として未燃カーボン量を取得した場合は、それぞれに基づいて設定する。
Bプラントは、石油コークスを主燃料とする火力発電所である。Bプラントは燃料の品質およびボイラの稼働条件がAプラントと異なる。
造粒工程(S14)は、油系バインダが供給されたアンモニア注入灰懸濁液を撹拌し混合させてペレットを造粒する工程である。アンモニア注入灰懸濁液に油系バインダが供給されると、未燃カーボン粒子が親油性であるため油系バインダが未燃カーボン粒子を凝集する。凝集物は、撹拌・転動することで連続的に造粒される。造粒後、灰分および重金属分など造粒に関与しない鉱物は懸濁液中に残留している。ペレットとは、粒径が0.5mmより大きく2.0mm未満の固形粒子である。
ふるい分け工程(S15)は、ふるいを用いて、造粒工程で造粒したペレットを液体分(未燃カーボン分離廃液)と分離する工程である。ふるいは、ペレットがふるい上となるものを使用する。未燃カーボン分離廃液は、懸濁液であってよく、ペレットよりも粒径の小さい固形物が含まれていてもよい。
ふるい分け工程(S15)でアンモニア注入灰懸濁液から分離したペレットを、主有価物の未燃カーボンとして容器またはコンベアなどの搬送機器に回収する。
なお、アンモニア注入灰が異なる集じん部で捕集される場合には、未燃カーボン重量割合取得工程において各集じん部で捕集されたアンモニア注入灰をそれぞれ試料として未燃カーボン量を取得してもよい。各集じん部で捕集されたアンモニア注入灰毎に懸濁液を調整し、油系バインダの供給量(混合割合)を設定してもよい。
なお、本実施形態に係る有価物回収方法は、他の成分を抽出する他成分抽出工程を備えていてもよい。他成分抽出工程は造粒工程の前にアンモニア注入灰懸濁液を用いて行うことができる。他の成分とはバナジウムおよびニッケルなどの有価物である。他成分抽出工程を造粒工程の前に行った場合は、抽出残渣をアンモニア注入灰懸濁液として造粒工程に供する。
次に、上記有価物回収方法を実現するための有価物回収装置およびそれを適用した有価物回収システムについて説明する。
図8は、重質油焚ボイラプラントの排ガス処理システムの概略構成図である。図8では、重質油焚ボイラ1、有価物回収システム(2A,2B,122C)、脱硫装置3および煙突4が順に排ガス通路(5A,5B,5C)で連結されている。重質油焚ボイラ1と有価物回収システムとを連結する排ガス通路5Aには、アンモニア注入部6が設けられている。重質油焚ボイラ1と有価物回収システムとを連結する排ガス通路5Aには、重質油焚ボイラ1から排出された排ガスを適正温度に冷却するためのエアヒータが設置されていてもよい(不図示)。
重質油焚ボイラ1は、重質油を燃料とする発電プラントなどに設置されたものである。重質油焚ボイラ1は、重質油を燃焼させることで生じる排ガスを排ガス通路5Aに排出する。排ガス通路5Aに排出される排ガスは、燃焼ガスおよび燃焼灰を含んでいる。
アンモニア注入部6は、排ガス中のSOを除去するために排ガス通路5Aにアンモニアを注入できる。アンモニアが注入された燃焼灰は、アンモニア注入灰となる。
有価物回収システムは、集じん装置(主に電気集じん機)2A、灰処理装置2Bおよび有価物回収装置122Cを備えている。
集じん装置2Aは、重質油焚ボイラ1の出口に連結された排ガス通路5Aの他端部と連結されている。本実施形態において集じん装置2Aは、電気集じん機(EP:Electrostatic Precipitator)である。電気集じん機は、排ガス中の燃焼灰の粒子を荷電し、この荷電させた粒子を捕集するものである。電気集じん機は、放電極(不図示)、集じん極(不図示)およびホッパ7で構成された集じん部を備えている。集じん部は、燃焼ガスの流れ方向Fに沿って複数並んで配置されていてもよい。
放電極と集じん極との間に高電圧をかけて排ガスを流すと、両極間にコロナ放電が発生し、燃焼灰の粒子を荷電できる。荷電された粒子は静電引力によって集じん極へと付着・堆積する。集じん極の下部にはホッパ7が設けられており、集じん極に付着・堆積した粒子を捕集できる。電気集じん機が乾式である場合には、ハンマ槌打により集じん極へ衝撃力を与えることで、集じん極に付着・堆積した粒子をはく離できる。本実施形態において、複数の集じん部の各ホッパ出口はすべて1つの灰処理装置2Bに接続されている。灰処理装置2Bの出口は、有価物回収装置122Cに接続されている。
脱硫装置3は、湿式の排煙脱硫装置であり、燃焼ガスに含まれる亜硫酸ガス(SOガス)を回収液に回収できる。脱硫処理された排ガスは、煙突4から系外へと排出される。
有価物回収装置122Cは、集じん部で捕集したアンモニア注入灰から未燃カーボンを分離できる。図9は、本実施形態に係る有価物回収装置の概略構成図である。有価物回収装置122Cは、灰処理装置2B(アッシュビン)の出口に連結されたアンモニア注入灰懸濁液調整部(燃焼灰懸濁液調整部)11と、アンモニア注入灰懸濁液調整部11の出口側に連結された造粒部12と、造粒部12に油系バインダを供給できるバインダ供給部13と、造粒部12の出口側に連結されたペレット分離部14と、ペレット分離部14のペレットの出口側に連結する主有価物回収部16と、ペレット分離部14にバルブV4を介して接続されペレット分離部14から未燃カーボン分離廃液を排出できる排出経路23と、を備えている。
アンモニア注入灰懸濁液調整部11は、集じん装置で捕集され、灰処理装置2Bに送られたアンモニア注入灰が送り込まれ、該アンモニア注入灰を貯留できる槽である。アンモニア注入灰懸濁液調整部11は、アンモニア注入灰に調整水を添加してアンモニア注入灰懸濁液を調整できる。アンモニア注入灰懸濁液調整部11は、貯留したアンモニア注入灰に調整水を添加する調整水添加部15を備えている。調整水添加部15は、造粒に適した懸濁液となるよう添加する調整水の量を制御できる。
造粒部12は、未燃カーボン粒子の親油性を利用してペレットの造粒を行う装置である。詳細には、造粒部12はアンモニア注入灰懸濁液に油系バインダを供給して撹拌混合し転動させることで、未燃カーボン粒子を凝集させて連続的に造粒する。
バインダ供給部13は、油系バインダが収容されている。バインダ供給部13に収容される油系バインダは油脂、好ましくは重油である。重油は、C重油が最適である。バインダ供給部13は、予め取得されたアンモニア注入灰懸濁液に含まれるアンモニア注入灰中の未燃カーボンの重量割合に基づき、造粒部内のアンモニア注入灰懸濁液に所定量の油系バインダを一定の比率で供給できる。具体的には、ある石油コークス焚き発電所(Aプラント)においては未燃カーボンの重量に対して26%以上36%以下、好ましくは28%以上32%以下の重量となるよう油系バインダを供給すると良好に造粒可能である。アンモニア注入灰懸濁液に含まれるアンモニア注入灰中の未燃カーボンの重量割合は、予め取得された値が用いられ得る。
バインダ供給部13は、油系バインダの供給量を制御する情報処理装置(制御部)を備えていてもよい(不図示)。情報処理装置は、未燃カーボン重量とそれを造粒可能な油系バインダ量とを関係付けた情報から、予め取得された未燃カーボンの重量割合に基づいて油系バインダの供給量を導き出し、導き出された量の油系バインダが供給されるようバインダ供給部13を制御できる。有価物回収装置122Cは計測部を備えていていも良い(不図示)。有価物回収装置122Cが計測部を備えている場合、情報処理装置は計測部で得られた未燃カーボン量に基づいて油系バインダの供給量を定め、バインダ供給部13を制御してもよい。
情報処理装置は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体等から構成されている。そして、各種機能を実現するための一連の処理は、一例として、プログラムの形式で記憶媒体等に記憶されており、このプログラムをCPUがRAM等に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、各種機能が実現される。なお、プログラムは、ROMやその他の記憶媒体に予めインストールしておく形態や、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等が適用されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等である。
ペレット分離部14は、ふるいを備えており、ペレットと液体分とを分離できる。ペレットはふるい上として主有価物回収部16に回収できる。ペレット分離部14には、市販の振動ふるい機などを用いることができる。
本実施形態において主有価物回収部16は、ペレットを収容できる容器またはコンベアなどの搬送機器である。主有価物回収部16は、ペレット分離部14のふるい上側の出口に連結されている。主有価物回収部16は、ペレット分離部14のふるい上側の出口に設けられた回収路であってもよい。
なお、有価物回収装置122Cは、捕集されたアンモニア注入灰中の未燃カーボンの重量割合を計測する計測部(不図示)を備えていてもよい。例えば、計測部はアンモニア注入灰懸濁液調整部11に送られたアンモニア注入灰を試料としてアンモニア注入灰中の未燃カーボン量を計測できるよう設置される。例えば、計測部は複数の集じん部で捕集されたアンモニア注入灰をそれぞれ試料としてアンモニア注入灰中の未燃カーボン量を計測できるよう設置されてもよい。計測部が複数の集じん部で捕集されたアンモニア注入灰をそれぞれ試料とする場合、集じん部毎に対応するアンモニア注入灰懸濁液調整部およびバインダ供給部が設けられてもよい。
なお、有価物回収装置122Cは、他の成分を抽出する他成分抽出部を備えていてもよい(不図示)。他成分抽出部はアンモニア注入灰懸濁液調整部11と造粒部12との間に設置できる。
次に、上記排ガス処理システムにおける排ガス処理フローについて説明する。
重質油焚ボイラで重質油を燃焼させると排ガスが発生する。排ガスは、排ガス通路を経由して集じん装置に送られる。排ガスが排ガス通路を通過する際、排ガスをエアヒータにより適宜冷却するとよい。また、排ガス通路(煙道)内には、アンモニア注入部からアンモニアを適宜注入する。アンモニアの注入量は、燃料となる重質油に含まれる硫黄分などに基づき設定する。
アンモニアが注入された燃焼灰(アンモニア注入灰)は、集じん装置(主に電気集じん機)へと導かれ、アンモニア注入灰と燃焼ガスとに分離される。燃焼ガスは脱硫装置へと送られ脱硫処理を施された後、煙突から系外へと排出される。アンモニア注入灰は、複数の集じん部で捕集された後、各ホッパ出口から有価物回収装置に送られて有価物を回収するための処理がなされる。
各ホッパで捕集されたアンモニア注入灰は、まずアンモニア注入灰懸濁液調整部に送られる。アンモニア注入灰懸濁液調整部では、アンモニア注入灰に調整水添加部から調整水が添加され、造粒に適したアンモニア注入灰懸濁液が調整される。アンモニア注入灰懸濁液は造粒部に送られた後、バインダ供給部から油系バインダが供給される。造粒部では、アンモニア注入灰懸濁液およびバインダを撹拌混合させ、転動することでペレットが造粒される。造粒後ペレット及び液体分はペレット分離部へと送られ、ふるい分けされる。ペレットはふるい上として回収される。ペレットは、主有価物である。
ふるいを通過した液体分(未燃カーボン分離廃液)は、排出経路23から系外へと排出される。
次に、油系バインダの供給量の設定根拠について説明する。
〔実験A〕
第4実施形態に従い、Aプラントで生じた燃焼灰から未燃カーボン(主有価物)の回収を行った。
Aプラントは、石油コークスを主燃料とする火力発電所である。Aプラントでは排ガス中のSOを除去するため排ガスにアンモニアを注入している。よって、Aプラントで得られる燃焼灰は、アンモニア注入灰である。
(造粒可否の判定)
未燃カーボンを含むアンモニア注入灰400g(または500g)に清水2100cc(または2000cc)を供給し、懸濁液を調整した。アンモニア注入灰は重質油を燃焼させた際に生じた灰、および該燃焼排ガスにアンモニアを注入し硫酸アンモニウムを生成させ捕集されたものを用いた。CHN法を用いてアンモニア注入灰中の未燃カーボン重量割合を計測した。
造粒機(永田エンジニアリング製、バッチ式試験機)に上記で調整した懸濁液2500gを入れ、そこに油系バインダとして重油を注入して、造粒試験を実施した。造粒機に供した懸濁液に含まれるアンモニア注入灰中の未燃カーボン量は、20g、25g、72g、90g、172g、215g、288g、または360gとした。重油はC重油を用い、未燃カーボンの重量に対して20%から50%(未燃カーボン量が低く造粒できなかった範囲を除く)の重量となるよう注入した。造粒時間は40minとした。
造粒後、ふるいにて固液分離して、得られた固体の粒径に基づき造粒可否を判定した。造粒可否の判定基準を以下に示す。
造粒不可(微粒) :粒径 0.5mm以下
造粒可(ペレット) :粒径 0.5mmより大きく2.0mm未満
造粒不可(ダンゴ状) :粒径 2.0mm以上
図10に造粒試験の結果を示す。同図において、横軸が未燃カーボン(C)量(g)、縦軸が重油量(g)であり、×印が造粒不可(ダンゴ状)、●印及び○印が造粒可、*印が造粒不可(微粒)を示す。図10によれば、未燃カーボン量が72g以下の試料では、重油量を変化させてもペレットを得ることはできなかった。未燃カーボン量が90g以上の試料では、重油を適量注入することでペレットを得ることができた。これにより、未燃カーボンの造粒範囲下限は90g(投入灰量500g中)であることが分かった。また、重油の注入重量を未燃カーボンの重量に対し26%から36%の範囲とすることで、未燃カーボンのペレットを造粒できることが確認された。図10によれば、重油の注入重量を、未燃カーボンの重量に対し28%から32%の範囲とすることで、より確実に造粒できることがわかる。
(ペレット分析)
上記(造粒可否の判定)の造粒試験で得られた造粒ペレット(図10の○印)を用い、工業分析(気乾ベース)を実施した。工業分析には、JIS M 8812,8814を用いた。
表1に、ペレット分析の結果を示す。また、表1には参考値として、石油コークス(以下PC:Petroleum Coke)の工業分析結果も示す(参照元:三菱重工技報 VOL.44 No.4:2007 特集論文「石油コークス専焼発電プラント運転実績」)。PCは石油精製で生じる副産物であり、発電用燃料として使用され得ることが知られている。
Figure 0006336584
表1によれば、造粒ペレットの高位発熱量は、PCの高位発熱量と同等であった。これにより、造粒した未燃カーボンのペレットは、PCなどの重質油燃料の代替として使用できることが確認できた。造粒ペレットはペレット全量の約80%が固定炭素(未燃カーボン量)であることが確認された。造粒ペレットの揮発分はペレット全量の20%程度であるため、重質油燃料の代替として使用した場合に着火性が従来よりも向上できる。
表1によれば、ペレットに含まれる硫黄分はPCよりも低いため、排ガスの汚染物質であるSOx発生量が低く抑えられる。上記造粒試験では未燃カーボン以外の成分の抽出は行っていないことから、表1によれば、固形物の溶解度(たとえば五酸化バナジウム等)を考慮せずに未燃カーボンを分離できる。すなわち、本実施形態によれば、アンモニア注入灰中の有価物回収システム構築に際し、未燃カーボン造粒・分離設備を全体システムの中である程度自由に配置でき、経済的なシステム構築が可能となる。
〔実験B〕
上記実施形態に従い、Bプラントの燃焼灰から未燃カーボンの回収を行った。
Bプラントは石油コークスを主燃料とする火力発電所である。Bプラントは、使用される燃料の品質およびボイラの稼働状態等がAプラントとは異なる。Bプラントで得られる燃焼灰は、Aプラントと同様にアンモニア注入灰である。
(造粒可否の判定)
未燃カーボンを含むアンモニア注入灰400g(または500g)に清水2100cc(または2000cc)を供給し、懸濁液を調整した。アンモニア注入灰は重質油を燃焼させた際に生じた灰、および該燃焼排ガスにアンモニアを注入し硫酸アンモニウムを生成させ捕集されたものを用いた。CHN法を用いてアンモニア注入灰中の未燃カーボン重量割合を計測した。
造粒機(永田エンジニアリング製、バッチ式試験機)に上記で調整した懸濁液2500gを入れ、そこに油系バインダとして重油を注入して、造粒試験を実施した。造粒機に供した懸濁液に含まれるアンモニア注入灰中の未燃カーボン量は、125gまたは255gとした。重油はC重油を用い、未燃カーボンの重量に対して約20%から50%(未燃カーボン量が低く造粒できなかった範囲を除く)の重量となるよう注入した。造粒時間は40minとした。
造粒後、ふるいにて固液分離して、得られた固体の粒径に基づき造粒可否を判定した。判定基準は実験Aと同様である。
図11に造粒試験の結果を示す。同図において、横軸が未燃カーボン(C)量(g)、縦軸が重油量(g)であり、×印が造粒不可(ダンゴ状、モチ状)、●印及び○印が造粒可、*印が造粒不可(微粒)を示す。ダンゴ状、モチ状とは、油系バインダ過多により造粒したペレット同士が付着合体し巨大化したり、粒状の形状にならず大きな塊になる状態を指す。図11から、重油の注入重量を未燃カーボンの重量に対し36%から44%の範囲とすることで、未燃カーボンのペレットを造粒できることが確認された。
実験Bで得られたペレットは、実験Aで得られたペレットと同様にPCなどの重質油燃料の代替として使用できることが確認できた。
従来、燃焼灰から未燃カーボンを分離する際には、燃焼灰量の全体重量に対して重油の供給比率を規定していた。しかしながら、ボイラ出口で排ガスにアンモニアを注入した灰(アンモニア注入灰)は、従来法では造粒できない。これは、アンモニアとSOとの反応生成物がアンモニア注入灰中に含まれるため、アンモニア注入灰中の未燃カーボンの割合が低下したことに起因すると考えられる。アンモニアが注入されていない燃焼灰の未燃カーボン量は、一般に燃焼灰全量に対して80%から90%程度であるため、燃焼灰全量に対して重油比率を規定するのと、未燃カーボン量に対して重油比率を規定するのに大きな違いはなかった。一方、アンモニア注入灰の未燃カーボン量は40%から60%程度であるため、アンモニア注入灰全量に対して規定した重油比率と、未燃カーボン量に対して規定した重油比率とは一致しない。
上記〔実験A〕および〔実験B〕によれば、反応生成物および燃料由来の灰分などをアンモニア注入灰量全体から差し引いて、未燃カーボンに対して一定の重油比率を規定することにより、従来法では造粒できなかったアンモニア注入灰においても、未燃カーボンの造粒が可能である。未燃カーボンに対して一定の重油比率を規定して未燃カーボンを分離する方法は、当然アンモニアが注入されていない燃焼灰にも適用可能である。
〔第5実施形態〕
本実施形態は、ペレット分離部14でペレットを分離された液体分(未燃カーボン分離廃液)をアンモニア注入灰懸濁液調整部11で調整水として再利用する点が第4実施形態と異なる。第4実施形態と共通の構成に関しては、説明を省略する。図12に本実施形態に係る有価物回収装置の概略構成図を示す。本実施形態に係る有価物回収装置123Cは、ペレット分離部14とアンモニア注入灰懸濁液調整部11とを連結する未燃カーボン分離廃液循環供給部33を備えている。
未燃カーボン分離廃液循環供給部33は、ペレット分離部14でペレットと分離された液体分(未燃カーボン分離廃液)をアンモニア注入灰懸濁液調整部11に循環供給できる。未燃カーボン分離廃液循環供給部33は、調整水添加部15に接続されてもよい。未燃カーボン分離廃液循環供給部33は、バルブV4を介して接続されている回収部33aを有している。回収部33aは、複数回循環させた未燃カーボン分離廃液を、未燃カーボン分離廃液循環供給部33の外へ導き、濃縮された副有価物として回収できる。
本実施形態に係る有価物回収方法では、ふるい分け工程(S15)で生じた未燃カーボン分離廃液をアンモニア注入灰懸濁液調整部11に循環供給し、アンモニア注入灰懸濁液を調整するための調整水として再利用する。
ふるいを通過した液体分(未燃カーボン分離廃液)は、未燃カーボン分離廃液循環供給部33によってアンモニア注入灰懸濁液調整部11に循環供給される。循環を複数回繰り返した未燃カーボン分離廃液では、循環前と比較して副有価物の濃度が高くなっている。副有価物濃度が高くなった未燃カーボン分離廃液を副有価物として回収する。
未燃カーボン分離廃液を循環利用することで、系外へ排出する廃液量を低減することができる。これにより、廃液として処理する場合の廃液処理設備費用およびその運転・維持費用を低減することが可能となる。また、廃液を産廃として処理する場合、その産廃処理費用を低減することが可能となる。また、調整水として別途使用する水量を大きく低減することが可能となる。
循環供給された未燃カーボン分離廃液を用いて調整されたアンモニア注入灰懸濁液は、造粒部12へ送られて造粒される。このとき得られたペレットは、水洗処理を適宜行うとよい。
(廃液の循環利用)
ふるいによりペレットから分離した未燃カーボン分離廃液(テール廃液)をアンモニア注入灰懸濁液の調整水として循環再利用した。
アンモニア注入灰は、上記〔実験A〕と同じプラントで発生したものを使用した。アンモニア注入灰に水を注入し、アンモニア注入灰懸濁液を調整した。調製した懸濁液を造粒機に移し、予め取得しておいた未燃カーボン量に対して所定の重量割合の重油を注入し、造粒・分離した。このとき得られたテール廃液を循環させて、そのまま懸濁液調整水として再利用した。表2に試験時の使用した灰の組成分析結果を示す。なお、試験の際には未燃カーボン量に対しC重油を28.9%の割合で添加し、循環は3回繰り返した。
Figure 0006336584
表3に循環条件および造粒可否の結果を示す。
Figure 0006336584
表3によれば、テール廃液(未燃カーボン分離廃液)を循環させた場合に未燃カーボンのペレットを造粒できることが確認された。油系バインダを用いた造粒は、燃焼灰懸濁液中に溶解する未燃カーボン以外の成分の割合に大きく影響をうけないため、循環供給する廃液は、未燃カーボン分離廃液に限定されず、二次廃液でも同様の効果が得られる。
別の試験を行った結果、硫酸アンモニウム比率60重量%のアンモニウム燃焼灰は、未燃カーボン分離廃液を8回循環供給してもペレットを造粒できることを確認した。硫酸アンモニウム比率20重量%のアンモニウム燃焼灰は、未燃カーボン分離廃液を16回循環供給してもペレットを造粒できることを確認した。いずれの場合も、循環後の未燃カーボン分離廃液ではバナジウムおよびアンモニウムが濃縮されていた。
表4に、表3のRun1(循環なし)で得られたペレット、Run4(循環3回)で得られたペレット、Run4で得られたペレットを水洗した後のペレットおよび石油の性状を示す。水洗は、ペレットを籠に投入し、軽く水に浸漬させて行った。また、表4には参考値として、石油コークス(以下PC:Petroleum Coke)の工業分析結果も示す(参照元:三菱重工技報 VOL.44 No.4:2007 特集論文「石油コークス専焼発電プラント運転実績」)。
Figure 0006336584
表4によれば、未燃カーボン分離廃液(テール廃液)を3回循環して調整水として利用した後に得られたペレットは、水洗を行うことで石油コークス(PC)と同等の高位発熱量を有していた。これにより、未燃カーボン分離廃液を循環再利用して得られたペレットを水洗処理することで、PCなどの重質油燃料の代替として使用できるようになることが確認された。
Run4の水洗後のペレットは、Run1(未燃カーボン分離廃液を循環させる前)のペレットと比較すると、ほぼ同等であった。
Run4の水洗後のペレットは、PCと比較すると揮発分が17.1wt%と高く、PCの代替燃料として使用した場合に着火性を従来よりも向上できる。
次に、表3のRun1(循環なし)でペレットを分離した後の未燃カーボン分離廃液、Run4(循環3回後)のペレットを分離した後の未燃カーボン分離廃液、およびpHおよび酸化還元電位(ORP)を調整した後のRun4の未燃カーボン分離廃液(副有価物析出廃液)について、懸濁物質量(suspended solids/SS)、SS中の副有価物量、未燃カーボン分離廃液中の窒素量を計測した。
Run4の未燃カーボン分離廃液のpHおよびORPの調整は、次のように行った。pH調整剤として苛性ソーダを用い、テール廃液のpHを5.5から6.0の範囲に調整した。酸化還元電位調整剤として亜硫酸ナトリウムを用い、テール廃液の酸化還元電位を−150mVから−200mVの範囲に調整した。
懸濁物質量は、重量法で計測した。SS中の副有価物量(バナジウムおよびニッケル)は、ICP発光分光分析法で計測した。未燃カーボン分離廃液中の窒素量は、中和滴定法で計測した。
表5に、未燃カーボン分離廃液中の各析出物およびろ液の成分の分析結果を示す。
Figure 0006336584
表5によれば、未燃カーボン分離廃液中の懸濁物質量は、未燃カーボン分離廃液を循環使用することにより上昇していた。これにより、未燃カーボン分離廃液中の不溶解分が濃縮されていることがわかる。懸濁物中のバナジウム濃度は、Run1では200mg/Lであったが、Run4では3600mg/Lと大きく上昇した。懸濁物中のニッケル濃度は、Run1では0mg/Lであったが、Run4では4060mg/Lと大きく上昇した。
懸濁物量および懸濁物中のバナジウム濃度は、未燃カーボン分離廃液のpHおよびORPを調整することで、さらに上昇した。これにより、pHおよびORPを調整することでバナジウムを析出させることができ、有価物としての価値が上昇していることが確認された。ニッケルについても同様の傾向が示された。
未燃カーボン分離廃液中の窒素分は、Run1では34000mg/Lであったが、Run4では93000mg/Lと大きく上昇した。このことから未燃カーボン分離廃液を循環利用することで、未燃カーボン分離廃液中からの窒素(アンモニア態様)を濃縮することが可能であることが確認できた。これにより、経済的な回収設備を提供することが可能となる。
ここでは未燃カーボン分離廃液を用いて循環による副有価物の濃縮効果を検討したが、二次廃液を循環させた場合でも同様の効果は得られる。
未燃カーボン分離廃液または二次廃液を循環利用することで、系外へ排出する廃液量を低減することができる。これにより、廃液として処理する場合の廃液処理設備費用およびその運転・維持費用を低減することが可能となる。廃液を産廃として処理する場合、その産廃処理費用を低減することが可能となる。また、調整水として別途使用する水量を大きく低減することが可能となる。
なお、上記は循環回数を定量的に評価するためバッチで行ったが、当然、連続であってもよい。
〔第6実施形態〕
本実施形態は、未燃カーボン分離廃液循環供給部にて未燃カーボン分離廃液からアンモニアを分離する点が第5実施形態と異なる。第5実施形態と共通の構成に関しては、説明を省略する。
図13に本実施形態に係る有価物回収装置132Cの概略構成図を示す。本実施形態に係る有価物回収装置132Cは、重質油を燃料とするボイラで発生した排ガスに排ガス中のSOを除去するためアンモニアを注入して得られた燃焼灰(アンモニア注入灰)から有価物を回収するための装置である。有価物回収装置132Cは、未燃カーボン分離廃液循環供給部133を備えている。
未燃カーボン分離廃液循環供給部133は、ペレット分離部14で分離された未燃カーボン分離廃液を燃焼灰懸濁液調整部(アンモニア注入灰懸濁液調整部)11へと導くことができる。未燃カーボン分離廃液循環供給部133は、回収部133aおよびアンモニア分離部134を有している。
回収部133aは、アンモニア分離部134よりも下流側で、バルブV4を介して未燃カーボン分離廃液循環供給部133に接続されている。回収部133aは、複数回循環させた未燃カーボン分離廃液を、未燃カーボン分離廃液循環供給部133の外へ導き、バナジウムおよび、あるいはニッケル等が濃縮された副有価物として回収できる。
アンモニア分離部134は、未燃カーボン分離廃液循環供給部133の途中に設けられている。アンモニア分離部134は、ペレット分離部14から排出された未燃カーボン分離廃液を内部に導き、未燃カーボン分離廃液からアンモニアを分離した後、下流側の未燃カーボン分離廃液循環供給部133に送出できる。アンモニア分離部134は蒸留塔である。アンモニア分離部134は蒸気供給部134aおよびアンモニア回収部134bを有している。蒸気供給部134aはアンモニア分離部134にある未燃カーボン分離廃液に蒸気を供給できる。蒸気供給部134aは、アンモニア分離部134に接続された配管である。蒸気供給部134aには、図示されてない蒸気源から蒸気が送られ得る。アンモニア回収部134bは、分離されたアンモニアを回収できる。アンモニア回収部134bは、アンモニア分離部134に接続された蒸留塔等である。
未燃カーボン分離廃液循環供給部133は、アンモニア分離部134よりも上流側にアルカリ性pH調整剤添加部135を備えていてもよい。アルカリ性pH調整剤添加部135は、アンモニア分離部134の上流側で未燃カーボン分離廃液にアルカリ性のpH調整剤を添加できる。未燃カーボン分離廃液に添加されるpH調整剤は、水酸化ナトリウム(NaOH)などである。
本実施形態では、調整水として循環使用される前の未燃カーボン分離廃液に蒸気を供給する。アンモニア注入灰懸濁液から分離された未燃カーボン分離廃液には一定量のアンモニアが含有されており、この未燃カーボン分離廃液を循環させることで未燃カーボン分離廃液にはアンモニアが蓄積される。アンモニアは沸点が低いため、未燃カーボン分離廃液に蒸気を供給すると、未燃カーボン分離廃液に含まれるアンモニアが蒸気側へと移行する。
アンモニアが移行した蒸気は、アンモニア回収部134bで副有価物として回収される。アンモニアが移行した蒸気または、その凝縮水から高アンモニア濃度の液体(アンモニアリッチ水)が得られる。回収したアンモニアは、アンモニア注入灰の作製に再利用できる。
未燃カーボン分離廃液に蒸気を供給する前に、アルカリ性のpH調整剤を用いて未燃カーボン分離廃液のpHを調整するとよい。未燃カーボン分離廃液のpHが高い条件ほど、アンモニアの蒸気側への移行量が多くなる。調整後の未燃カーボン分離廃液のpHは、11.5以上12.0以下であるとよい。本実施形態によれば、pH調整剤を添加することで、アンモニアの回収効率を高めることができる。
〔第7実施形態〕
本実施形態は、未燃カーボン分離廃液循環供給部がSO分離部を備えている点が第6実施形態と異なる。第6実施形態と共通の構成に関しては、説明を省略する。
図14に本実施形態に係る有価物回収装置の概略構成図を示す。本実施形態に係る有価物回収装置142Cは、未燃カーボン分離廃液循環供給部143を備えている。未燃カーボン分離廃液循環供給部143は、ペレット分離部14で分離された未燃カーボン分離廃液を燃焼灰懸濁液調整部(アンモニア注入灰懸濁液調整部)11へと導くことができる。
未燃カーボン分離廃液循環供給部143は、回収部143a、アンモニア分離部144、およびSO分離部146を有している。回収部143aおよびアンモニア分離部144は第5実施形態と同様の構成である。
SO分離部146は、未燃カーボン分離廃液循環供給部143の途中に設けられている。SO分離部146は、アンモニア分離部144の上流に位置する。SO分離部146は、未燃カーボン分離廃液から硫酸成分(SO 2−)を分離できる。SO分離部146は、沈殿剤添加部146aを備えている。沈殿剤添加部146aは、硫酸成分を沈殿させるための沈殿剤をSO分離部146に添加できる。SO分離部146は、pH計(不図示)を備えていてもよい。pH計は、
SO分離部146にある未燃カーボン分離廃液のpHを計測できる。
本実施形態は、未燃カーボン分離廃液循環供給部143にてアンモニア分離部144の上流側で未燃カーボン分離廃液から硫酸成分を分離する。硫酸成分の分離は、次のようにして行う。
まず、SO分離部146に未燃カーボン分離廃液を導いた後、沈殿剤添加部146aから未燃カーボン分離廃液に沈殿剤を添加する。沈殿剤は、硫酸を沈殿できるものである。例えば沈殿剤は水酸化バリウムである。沈殿剤が添加されると、未燃カーボン分離廃液中で沈殿物が生成される。沈殿物は硫酸塩である。沈殿剤を水酸化バリウムとした場合、沈殿物は硫酸バリウムである。
沈殿剤を添加する際には、pH計で未燃カーボン分離廃液のpHを計測し、未燃カーボン分離廃液のpHが9以下であるよう沈殿剤の添加量を制御するとよい。水酸化バリウムの沈殿物は、未燃カーボン分離廃液が中性であっても生成される。pHを上記範囲にすることで、アンモニアの放散を防止できる。それにより、安全に硫酸成分を分離でき、後の工程では、アンモニアをより多く含む廃液からアンモニアを分離できる。
未燃カーボン分離廃液中の硫酸は完全に除去する必要はない。沈殿剤の添加量は、未燃カーボン分離廃液循環供給部143を含む循環系統内での硫酸塩(硫酸バリウムまたは硫酸ソーダ等)の析出しない程度に制限して添加するとよい。
次に、未燃カーボン分離廃液から該沈殿物を分離する。分離は、凝集・沈殿・ろ過・脱水操作などによって行うことができる。分離された沈殿物は、系外へ排出される。沈殿物を除いた分離廃液に、アルカリ性pH調整剤添加部145からpH調整剤を添加してpHを調整する。アンモニア分離部で未燃カーボン分離廃液に蒸気を供給してアンモニアを分離する。アルカリ性pH調整剤添加部145では、SO分離部146で使用する沈殿剤とは別の種類のアルカリを用いることができる。ここで安価なpH調整剤を用いれば、運転コストを低減できる。
沈殿剤に水酸化バリウムなどのアルカリを用いた場合、アルカリ性pH調整剤添加部145からのpH調整剤の添加を省略してもよい。その場合、運転コストは低減できないが、装置構成を単純化できる。
なお、沈殿剤として水酸化カルシウムを用いてもよい。未燃カーボン分離廃液に水酸化カルシウムを添加すると、硫酸カルシウムの沈殿物が生成する。水酸化カルシウムは安価であるが、循環系統内でのスケール発生が起こりやすい。そのため、沈殿剤として水酸化カルシウムを用いる場合には、硫酸沈殿に必要な量のみを添加し、pH調整には水酸化ナトリウム等を使用することが望ましい。
未燃カーボン分離廃液には硫酸アンモニウムが解離して、アンモニアと硫酸が存在している。アンモニア分離部の前処理として未燃カーボン分離廃液にアルカリ性のpH調整剤を添加すると、未燃カーボン分離廃液での硫酸ソーダ濃度が上昇し、硫酸ソーダが析出するリスクが発生する。これにより未燃カーボン分離廃液に含まれる硫酸成分は、アンモニア分離部でのアンモニア分離性能を低下させる。アンモニアを分離・回収する前に、未燃カーボン分離廃液からSO 2−を分離しておくことで、アンモニア分離能を低下させずに、アンモニアを回収できる。回収したアンモニアは、排ガス処理システムのアンモニア注入部6で再利用することもできる。
〔第8実施形態〕
本実施形態は、アンモニア注入灰が複数の集じん部でそれぞれ捕集される場合に適用される。本実施形態は、所定の集じん部に捕集されたアンモニア注入灰を処理対象とする点が第4実施形態と異なる。第4実施形態と共通の構成に関しては、説明を省略する。図15に本実施形態に係る有価物回収システムを備えた排ガス処理システムの概略構成図を例示する。本実施形態に係る有価物回収システムは、集じん装置22A、第1灰処理装置22Bおよび第2灰処理装置22Cを備えている。
集じん装置22Aは、主に電気集じん機であり、重質油焚ボイラの出口に連結された排ガス通路の他端部と連結されている。電気集じん機は、燃焼ガスの流れ方向Fに沿って並んだ複数の集じん部を備えている。各集じん部は、放電極(不図示)、集じん極(不図示)およびホッパ7(7A,7B,7C)で構成されている。
第1灰処理装置22Bには、第1有価物回収装置22Dが接続されている。第1灰処理装置22Bおよび第1有価物回収装置22Dは、燃焼ガス流れ方向Fの最上流に位置する集じん部を含む所定の集じん部に接続されている。図15において、第1灰処理装置22B及び第1有価物回収装置22Dは、燃焼ガス流れ方向Fの最上流に位置する集じん部のみに接続されている。該集じん部はホッパ7Aを備えている。図15に限定されず、第1灰処理装置22B及び第1有価物回収装置22Dは、複数の集じん部に接続されてもよい。第1灰処理装置22B及び第1有価物回収装置22Dは、捕集されたアンモニア注入灰中の未燃カーボンの重量割合が所定値以上である集じん部に接続されるとよい。バインダ供給部では、所定の集じん部で捕集されたアンモニア注入灰中の未燃カーボンに対し油系バインダの供給量が設定される。
第2灰処理装置22Cは、第1灰処理装置22Bおよび第1有価物回収装置22Dが接続されない集じん部に接続されている。第2灰処理装置22Cに接続される第3灰処理装置22Eは、有価物回収装置以外の灰処理装置である。例えば、他の成分を抽出できる他成分抽出装置であってもよい。例えば、捕集されたアンモニア注入灰が舞い散らない程度に湿度を与え系外へ排出するだけの装置であってもよい。また、第1有価物回収装置22Dで発生した未燃カーボン分離廃液または二次廃液を第灰処理装置22Eの加湿水として使用してもよい。そうすることで、未燃カーボン分離廃液または二次廃液の処理費用を低減することが可能となる。
複数の集じん部を備えた集じん装置(主に電気集じん機)では、各集じん部で捕集されたアンモニア注入灰中の未燃カーボンの割合は異なる。燃焼ガス流れの上流側に位置する集じん部で捕集されたアンモニア注入灰ほど、多くの未燃カーボンが含まれている。例えば、3つの集じん部が燃焼ガスの流れ方向に沿って並んでいる場合、捕集されたアンモニア注入灰中の未燃カーボン量は上流側がもっとも高く下流側にいくにつれ低くなる。本実施形態によれば、ターゲットを絞って未燃カーボン分離処理を行うことができる。それにより、効率的に未燃カーボンを回収できる。
有価物回収装置を所定の集じん部に接続することで、他の集じん部の処理系統を変えることが可能となる。これにより全体設備を経済的な容量で設計することできる。
なお、第1実施形態から第3実施形態の排ガス処理システムは、第4実施形態の排ガス処理システムのようにアンモニア注入部を備えていてもよい。その場合、処理対象の燃焼灰はアンモニア注入灰となる。
なお、第3実施形態は第2実施形態と組み合わせることができる。
なお、第4実施形態および第5実施形態では、アンモニアが注入されていない燃焼灰からでも有価物を回収することができる。
なお、第6実施形態は第2実施形態と組み合わせることができる。第7実施形態は第2実施形態と組み合わせることができる。第8実施形態は第1実施形態から第3実施形態と組み合わせることができる。その場合、処理対象の燃焼灰はアンモニア注入灰であると効果的である。二次廃液循環供給部および未燃カーボン分離廃液循環供給部の両方を備えた有価物回収装置にアンモニア分離部およびSO分離部を適用する場合、アンモニア分離部およびSO分離部は二次廃液循環供給部または未燃カーボン分離廃液循環供給部のどちらか一方に設けられればよい。
1 重質油焚ボイラ
2A,22A 集じん装置
2B,22B 第1灰処理装置
2C,102C,112C,122C,123C,132C,142C 有価物回収装置
3 脱硫装置
4 煙突
5(5A,5B,5C) 排ガス通路
6 アンモニア注入部
7,7A,7B,7C ホッパ
11 燃焼灰懸濁液調整部(アンモニア注入灰懸濁液調整部)
12 造粒部
13 バインダ供給部
14 ペレット分離部
15 調整水添加部
16 主有価物回収部
17 副有価物回収部
18 調整部
18a 酸化還元電位調整剤添加部
18b pH調整剤添加部
19 副有価物分離部
20,33a,133a,143a 回収部
22C 第2灰処理装置
22D 第1有価物回収装置
22E 第3灰処理装置
23 排出経路
33,113,133、143 未燃カーボン分離廃液循環供給部
103 二次廃液循環供給部
134,144 アンモニア分離部
134a,144a 蒸気供給部
134b,144b アンモニア回収部
135,145 アルカリ性pH調整剤添加部
146 SO分離部
146a 沈殿剤添加部

Claims (40)

  1. 重質油を燃料とするボイラで発生した排ガスに含まれる燃焼灰から有価物を回収する方法であって、
    前記燃焼灰に調整水を添加して燃焼灰懸濁液を調整する燃焼灰懸濁液調整工程と、
    前記燃焼灰中の未燃カーボンの重量割合を予め取得する未燃カーボン重量割合取得工程と、
    未燃カーボン重量とそれを造粒可能な油系バインダ量とを関係付けた情報を予め得ておき、前記未燃カーボン重量割合取得工程で取得した未燃カーボンの重量割合に基づいて、前記情報から油系バインダの供給量を決定し、該決定した供給量の油系バインダを前記燃焼灰懸濁液に供給するバインダ供給工程と、
    前記燃焼灰懸濁液と前記油系バインダとを混合してペレットを造粒する造粒工程と、
    前記造粒工程の後、ふるいを用いて、前記燃焼灰懸濁液を前記ペレットと未燃カーボン分離廃液とに分離するふるい分け工程と、
    前記ペレットを主有価物である未燃カーボンとして回収するとともに、前記未燃カーボン分離廃液から副有価物としてバナジウムおよびニッケルを分離回収する有価物回収工程と、
    を含み、
    前記未燃カーボン分離廃液を前記調整水として循環使用する有価物回収方法。
  2. 前記未燃カーボン分離廃液に、酸化還元電位調整剤およびpH調整剤を添加して前記副有価物を析出させた副有価物析出廃液とし、前記副有価物析出廃液を、析出した前記副有価物を含む濃縮汚泥と二次廃液とに分離して、前記副有価物を回収する請求項1に記載の有価物回収方法。
  3. 前記二次廃液を前記調整水として循環使用する請求項2に記載の有価物回収方法。
  4. 重質油を燃料とするボイラで発生した排ガスに含まれる燃焼灰から有価物を回収する方法であって、
    前記燃焼灰に調整水を添加して燃焼灰懸濁液を調整する燃焼灰懸濁液調整工程と、
    前記燃焼灰中の未燃カーボンの重量割合を予め取得する未燃カーボン重量割合取得工程と、
    未燃カーボン重量とそれを造粒可能な油系バインダ量とを関係付けた情報を予め得ておき、前記未燃カーボン重量割合取得工程で取得した未燃カーボンの重量割合に基づいて、前記情報から油系バインダの供給量を決定し、該決定した供給量の油系バインダを前記燃焼灰懸濁液に供給するバインダ供給工程と、
    前記燃焼灰懸濁液と前記油系バインダとを混合してペレットを造粒する造粒工程と、
    前記造粒工程の後、ふるいを用いて、前記燃焼灰懸濁液を前記ペレットと未燃カーボン分離廃液とに分離するふるい分け工程と、
    前記ペレットを主有価物である未燃カーボンとして回収するとともに、前記未燃カーボン分離廃液を前記調整水として循環使用して副有価物としてバナジウムおよびニッケルを濃縮回収する有価物回収工程と、
    を含む有価物回収方法。
  5. 前記燃焼灰が、前記排ガス中のSOを除去するため前記排ガスにアンモニアを注入して得られたアンモニア注入灰であり、前記燃焼灰懸濁液がアンモニア注入灰懸濁液である請求項1または請求項に記載の有価物回収方法。
  6. 重質油を燃料とするボイラで発生した排ガスに前記排ガス中のSOを除去するためアンモニアを注入して得られた燃焼灰であるアンモニア注入灰に含まれる有価物を回収する方法であって、
    前記アンモニア注入灰に調整水を添加してアンモニア注入灰懸濁液を調整するアンモニア注入灰懸濁液調整工程と、
    前記アンモニア注入灰中の未燃カーボンの重量割合を予め取得する未燃カーボン重量割合取得工程と、
    未燃カーボン重量とそれを造粒可能な油系バインダ量とを関係付けた情報を予め得ておき、前記未燃カーボン重量割合取得工程で取得した未燃カーボンの重量割合に基づいて、前記情報から油系バインダの供給量を決定し、該決定した供給量の油系バインダを前記アンモニア注入灰懸濁液に供給するバインダ供給工程と、
    前記アンモニア注入灰懸濁液と前記油系バインダとを混合してペレットを造粒する造粒工程と、
    前記造粒工程の後、ふるいを用いて、前記アンモニア注入灰懸濁液を前記ペレットと未燃カーボン分離廃液とに分離するふるい分け工程と、
    を含み、前記ペレットを主有価物である未燃カーボンとして回収し、
    前記未燃カーボン分離廃液を前記調整水として循環使用する有価物回収方法。
  7. 前記未燃カーボン分離廃液、または、前記未燃カーボン分離廃液から副有価物としてバナジウムおよびニッケルを分離回収する場合には前記未燃カーボン分離廃液および前記副有価物を分離した後に生じる二次廃液の少なくとも一方の廃液に蒸気を供給して前記廃液からアンモニアを分離して回収し、前記アンモニアを分離した後の廃液を前記調整水として循環使用する請求項5または請求項7に記載の有価物回収方法。
  8. 前記調整水として循環使用する前記廃液にアルカリ性のpH調整剤を添加してpHを調製した後、前記廃液に前記蒸気を供給する請求項に記載の有価物回収方法。
  9. 前記廃液に硫酸成分を沈殿させる沈殿剤を添加して沈殿物を生成させ、前記廃液から前記沈殿物を分離した後、前記廃液に前記蒸気を供給する請求項または請求項に記載の有価物回収方法。
  10. 前記廃液のpHを計測し、廃液のpHが9以下であるよう前記沈殿剤の添加量を調整する請求項に記載の有価物回収方法。
  11. 前記アンモニア注入灰が複数の集じん部でそれぞれ捕集される場合に、
    所定の集じん部に捕集されるアンモニア注入灰中の未燃カーボンの重量割合を取得し、
    前記所定の集じん部に捕集されるアンモニア注入灰に含まれる未燃カーボンに対し前記油系バインダの混合割合を定め、該定めた混合割合となるよう前記油系バインダを前記所定の集じん部で捕集されたアンモニア注入灰に供給する請求項から請求項10のいずれかに記載の有価物回収方法。
  12. 前記アンモニア注入灰が複数の集じん部でそれぞれ捕集される場合に、
    所定の集じん部に捕集されるアンモニア注入灰中の未燃カーボンの重量割合を取得し、
    前記取得した未燃カーボンの重量割合が所定値以上であるアンモニア注入灰を含むアンモニア注入灰懸濁液に前記油系バインダを供給する請求項から請求項10のいずれかに記載の有価物回収方法。
  13. 前記油系バインダが油脂である請求項1から請求項12のいずれかに記載の有価物回収方法。
  14. 前記油系バインダが重油である請求項1から請求項12のいずれかに記載の有価物回収方法。
  15. 重質油を燃料とするボイラで発生した排ガスに含まれる燃焼灰から有価物を回収する有価物回収装置であって、
    前記燃焼灰に調整水を添加して燃焼灰懸濁液を調整する燃焼灰懸濁液調整部と、
    未燃カーボン重量とそれを造粒可能な油系バインダ量とを関係付けた情報から、予め取得された前記燃焼灰中の未燃カーボンの重量割合に基づいて導き出された量の油系バインダを前記燃焼灰懸濁液に供給できるバインダ供給部と、
    前記燃焼灰懸濁液と前記油系バインダとを混合してペレットを造粒する造粒部と、
    ふるいを用いて、前記燃焼灰懸濁液を前記ペレットと未燃カーボン分離廃液とに分離するペレット分離部と、
    前記ペレットを主有価物である未燃カーボンとして回収する主有価物回収部と、
    前記未燃カーボン分離廃液に含まれる副有価物としてバナジウムおよびニッケルを分離回収する副有価物回収部と、
    前記未燃カーボン分離廃液を前記調整水として前記燃焼灰懸濁液調整部に循環供給する未燃カーボン分離廃液循環供給部と、
    を有している有価物回収装置。
  16. 未燃カーボン重量とそれを造粒可能な油系バインダ量とを関係付けた情報から、予め取得された未燃カーボンの重量割合に基づいて前記油系バインダの供給量を導き出し、導き出された量の油系バインダが供給されるよう前記バインダ供給部を制御する制御部を有している請求項15に記載の有価物回収装置。
  17. 前記副有価物回収部が、
    前記未燃カーボン分離廃液の酸化還元電位およびpHを調整して副有価物を析出させて副有価物析出廃液とする調整部と、
    前記副有価物析出廃液を、析出した前記副有価物を含む濃縮汚泥と二次廃液とに分離する副有価物分離部と、
    を有し、
    前記調整部が、前記未燃カーボン分離廃液に酸化還元電位調整剤を添加する酸化還元電位調整剤添加部と、前記未燃カーボン分離廃液にpH調整剤を添加するpH調整剤添加部と、
    を備えている請求項15または請求項16に記載の有価物回収装置。
  18. 前記二次廃液を、前記調整水として前記燃焼灰懸濁液調整部に循環供給する二次廃液循環供給部を有している請求項17に記載の有価物回収装置。
  19. 前記排ガス中のSOを除去するために前記排ガスにアンモニアを注入して得られたアンモニア注入灰を処理対象の燃焼灰とし、
    前記二次廃液循環供給部が、前記二次廃液に蒸気を供給し、前記二次廃液からアンモニアを分離して回収するアンモニア分離部を備えている請求項18に記載の有価物回収装置。
  20. 前記二次廃液循環供給部が、前記アンモニア分離部の上流側で前記二次廃液にアルカリ性のpH調整剤を添加するアルカリ性pH調整剤添加部を備えている請求項19に記載の有価物回収装置。
  21. 前記二次廃液循環供給部は、前記二次廃液から硫酸成分を分離するSO分離部を備え、
    前記SO分離部は、前記アンモニア分離部の上流側で前記二次廃液に硫酸成分を沈殿させる沈殿剤を添加する沈殿剤添加部を備え、前記沈殿剤により生じた沈殿物を前記二次廃液から分離できる請求項19または請求項20に記載の有価物回収装置。
  22. 前記SO分離部が前記二次廃液のpHを計測するpH計を備え、前記二次廃液のpHが9以下であるよう前記沈殿剤の添加量を調整できる請求項21に記載の有価物回収装置。
  23. 重質油を燃料とするボイラで発生した排ガスに含まれる燃焼灰から有価物を回収する有価物回収装置であって、
    前記燃焼灰に調整水を添加して燃焼灰懸濁液を調整する燃焼灰懸濁液調整部と、
    未燃カーボン重量とそれを造粒可能な油系バインダ量とを関係付けた情報から、予め取得された前記燃焼灰中の未燃カーボンの重量割合に基づいて導き出された量の油系バインダを前記燃焼灰懸濁液に供給できるバインダ供給部と、
    前記燃焼灰懸濁液と前記油系バインダとを混合してペレットを造粒する造粒部と、
    ふるいを用いて、前記燃焼灰懸濁液を前記ペレットと未燃カーボン分離廃液とに分離するペレット分離部と、
    前記ペレットを主有価物である未燃カーボンとして回収する主有価物回収部と、
    前記未燃カーボン分離廃液を前記調整水として前記燃焼灰懸濁液調整部に循環供給する未燃カーボン分離廃液循環供給部と、
    を有し、前記未燃カーボン分離廃液循環供給部で循環させた未燃カーボン分離廃液をバナジウムおよびニッケルを含む副有価物として濃縮回収できる有価物回収装置。
  24. 未燃カーボン重量とそれを造粒可能な油系バインダ量とを関係付けた情報から、予め取得された未燃カーボンの重量割合に基づいて前記油系バインダの供給量を導き出し、導き出された量の油系バインダが供給されるよう前記バインダ供給部を制御する制御部を有している請求項23に記載の有価物回収装置。
  25. 前記排ガス中のSOを除去するために前記排ガスにアンモニアを注入して得られたアンモニア注入灰を処理対象の燃焼灰とする請求項15から請求項24のいずれかに記載の有価物回収装置。
  26. 重質油を燃料とするボイラで発生した排ガスに前記排ガス中のSOを除去するためアンモニアを注入して得られた燃焼灰であるアンモニア注入灰に含まれる有価物を回収する有価物回収装置であって、
    前記アンモニア注入灰に調整水を添加してアンモニア注入灰懸濁液を調整するアンモニア注入灰懸濁液調整部と、
    前記アンモニア注入灰懸濁液に油系バインダを供給するバインダ供給部と、
    前記アンモニア注入灰懸濁液と前記油系バインダとを混合してペレットを造粒する造粒部と、
    ふるいを用いて、前記アンモニア注入灰懸濁液を前記ペレットと未燃カーボン分離廃液とに分離するペレット分離部と、
    前記ペレットを主有価物である未燃カーボンとして回収する主有価物回収部と、
    前記未燃カーボン分離廃液を前記調整水として前記アンモニア注入灰懸濁液調整部に循環供給する未燃カーボン分離廃液循環供給部と、
    を有し、前記バインダ供給部が、
    未燃カーボン重量とそれを造粒可能な油系バインダ量とを関係付けた情報から、予め取得された前記アンモニア注入灰中の未燃カーボンの重量割合に基づいて導き出された量の油系バインダを前記アンモニア注入灰懸濁液に供給できる有価物回収装置。
  27. 未燃カーボン重量とそれを造粒可能な油系バインダ量とを関係付けた情報から、予め取得された未燃カーボンの重量割合に基づいて前記油系バインダの供給量を導き出し、導き出された量の油系バインダが供給されるよう前記バインダ供給部を制御する制御部を有している請求項26に記載の有価物回収装置。
  28. 前記未燃カーボン分離廃液循環供給部が、前記未燃カーボン分離廃液に蒸気を供給し、前記未燃カーボン分離廃液からアンモニアを分離して回収するアンモニア分離部を備えている請求項25または請求項27に記載の有価物回収装置。
  29. 前記未燃カーボン分離廃液循環供給部が、前記アンモニア分離部の上流側で前記未燃カーボン分離廃液にアルカリ性のpH調整剤を添加するアルカリ性pH調整剤添加部を備えている請求項28に記載の有価物回収装置。
  30. 前記未燃カーボン分離廃液循環供給部は、前記未燃カーボン分離廃液から硫酸成分を分離するSO分離部を備え、
    前記SO分離部は、前記アンモニア分離部の上流側で前記未燃カーボン分離廃液に硫酸成分を沈殿させる沈殿剤を添加する沈殿剤添加部を備え、前記沈殿剤により生じた沈殿物を前記未燃カーボン分離廃液から分離できる請求項28または請求項29に記載の有価物回収装置。
  31. 前記SO分離部が前記未燃カーボン分離廃液のpHを計測するpH計を備え、前記未燃カーボン分離廃液のpHが9以下であるよう前記沈殿剤の添加量を調整できる請求項30に記載の有価物回収装置。
  32. 前記油系バインダが油脂である請求項15から請求項31のいずれかに記載の有価物回収装置。
  33. 前記油系バインダが重油である請求項15から請求項31のいずれかに記載の有価物回収装置。
  34. 重質油を燃料とするボイラで発生した排ガスに含まれる燃焼灰から有価物を回収する有価物回収システムであって、
    前記燃焼灰を捕集する集じん装置と、
    前記集じん装置で捕集された前記燃焼灰を輸送収集する灰処理装置と、
    前記灰処理装置から送られた前記燃焼灰から有価物を回収する請求項15から請求項22のいずれかに記載された有価物回収装置と、
    を備える有価物回収システム。
  35. 重質油を燃料とするボイラで発生した排ガスに含まれる燃焼灰から有価物を回収する有価物回収システムであって、
    前記燃焼灰を捕集する集じん装置と、
    前記集じん装置で捕集された前記燃焼灰を輸送収集する灰処理装置と、
    前記灰処理装置から送られた前記燃焼灰から有価物を回収する請求項23から請求項25のいずれかに記載された有価物回収装置と、
    を備える有価物回収システム。
  36. 重質油を燃料とするボイラで発生した排ガスに前記排ガス中のSOを除去するためアンモニアを注入して得られた燃焼灰であるアンモニア注入灰に含まれる有価物を回収する有価物回収システムであって、
    前記アンモニア注入灰を捕集する集じん装置と、
    前記集じん装置で捕集された前記アンモニア注入灰を輸送収集する灰処理装置と、
    前記灰処理装置から送られた前記アンモニア注入灰から有価物を回収する請求項26から請求項31のいずれかに記載された有価物回収装置と、
    を備える有価物回収システム。
  37. 前記集じん装置が燃焼ガス流れ方向に沿って並んで配置された複数の集じん部を備え、
    下流側に前記有価物回収装置が接続されている灰処理装置が所定の集じん部に接続され、
    前記所定の集じん部が、前記燃焼ガス流れ方向の最上流に位置する集じん部を含む請求項34から請求項36のいずれかに記載の有価物回収システム。
  38. 前記バインダ供給部が、前記所定の集じん部に捕集された燃焼灰を含む燃焼灰懸濁液にそれぞれ前記油系バインダを供給できる、請求項37に記載の有価物回収システム。
  39. 前記油系バインダが油脂である請求項34から請求項38のいずれかに記載の有価物回収システム。
  40. 前記油系バインダが重油である請求項34から請求項38のいずれかに記載の有価物回収システム。
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