JP6336186B2 - 放電装置およびそれを用いた電気機器 - Google Patents

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Description

この発明は放電装置およびそれを用いた電気機器に関する。
従来より、イオン発生装置は、放電により針状の放電電極からイオンを発生させる。特許文献1に記載の空気調和機は、送風機の送風方向と垂直かつ、その先端が吹出口の間口中央部を向くように互いに並行して突設される複数本の針状のマイナスイオン発生電極を有する。複数の針状電極は吹出口間口方向に対して互いに平行となるように配置され、高電圧が印加された針状電極と接地された針状電極の高さを異なる構成としている。
また、複数の針状電極を吹出口上方向へ向けて配置し、さらに針状電極を保護する格子状の籠で覆っている。このように格子状の籠で覆うことにより、格子状の籠は、通風抵抗が増大しないように、指が入らない程度の格子間距離を持ちつつ、できるだけ細くされている。
特開2006−284164号公報
ところで、針状電極は使用を続けると、帯電した塵埃等が付着し、放電に悪影響を与えるおそれがあるため、使用環境によっては清掃ブラシ等を用いて清掃を行う必要がある。ここで、特許文献1に記載の空気調和機のように、イオンを発生させる針状電極を細かい格子状の籠で覆ってしまうと、清掃ブラシが格子状の籠の中に入りにくく、清掃作業を効率よく行うことが困難である。
それゆえに、この発明の主たる目的は、放電電極に指が触れにくくするとともに、放電電極の清掃を容易に行うことが可能な放電装置を提供することである。
この発明に係る放電装置は、筺体と、筺体の内部に収容される基板と、先端部が筺体の外部に突出するように基板に保持され、放電を発生させる放電電極と、筺体の内部で基板を絶縁封止する絶縁封止部と、筺体の外部で放電電極を保護するための電極保護部と、を備える。筺体には、放電電極の先端部側が挿通され、絶縁封止部で封止される開口部が設けられ、電極保護部は、筺体から放電電極の先端部よりも突出して設けられ、放電電極の両側で互いに間隔を設けて対向する第1保護部および第2保護部を有し、電極保護部の軸心部の根元側は絶縁封止部で封止される。
好ましくは、第1保護部および第2保護部のうち少なくとも一方には、放電電極へ向かう風が通過する孔が設けられる。
好ましくは、第1保護部および第2保護部は、絶縁封止部に封止されていない領域においては互いに分離している。
好ましくは、絶縁封止部は、放電電極の一部を封止する電極封止領域を有し、電極封止領域は、筺体の外部に露出している。
好ましくは、筺体内部に設けられ、針状電極との間で電界を形成する誘導電極をさらに備える。誘導電極は、絶縁封止部で封止される。
また、この発明に係る電気機器は、上記放電装置と、放電装置から発生した放電生成物を外部へ送出する送風装置とを備える。
この発明によれば、放電電極に指が触れにくくするとともに、放電電極の清掃を容易に行うことができる。
本発明の実施の形態1によるイオン発生装置の正面図 本発明の実施の形態1によるイオン発生装置の底面図 本発明の実施の形態1によるイオン発生装置の斜視図 図1のA−A線断面図 図1に示したイオン発生装置の構成を示す回路図 図1に示したイオン発生装置を用いた空気清浄機の構成を示す断面図 本発明の実施の形態2によるイオン発生装置の斜視図 本発明の実施の形態3によるイオン発生装置の斜視図 本発明の実施の形態4によるイオン発生装置の斜視図 本発明の実施の形態5によるイオン発生装置の斜視図 本発明の実施の形態6によるイオン発生装置の斜視図 本発明の実施の形態7によるイオン発生装置の斜視図 本発明の実施の形態8によるイオン発生装置の斜視図
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態においては、同一のまたは共通する部分について図中同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態によるイオン発生装置の正面図である。図2,図3はそれぞれ底面図,斜視図である。図4は図1のA−A線断面図である。
放電装置としてのイオン発生装置は、主として、正イオンを発生させるための放電電極としての針状電極11と、負イオンを発生させるための放電電極としての針状電極12と、針状電極11との間に電界を形成するための誘導電極13と、針状電極12との間に電界を形成するための誘導電極14と、プリント基板31,32と、略直方体状の筺体40と、針状電極11,12の先端部を覆う電極保護部20とを備える。
筺体40は、正面視略矩形であり、筺体本体41と、蓋体42とで構成される。筺体本体41は、平面視略矩形の基板設置面43を有し、基板設置面43の一方面(図4中の下面)の四辺から筺体壁面46が延出している。筺体本体は、基板設置面43と筺体壁面46とで下方が開口している箱状に形成されている。基板設置面43の他方面(図4中の上面)には、筺体40の長手方向の両側にそれぞれ角筒状を形成するように壁面47が延出している。筺体40には、筺体40の長手方向の両側にそれぞれ壁面47で囲われた開口部44が形成される。筺体40はさらに略矩形の板状をなす蓋体42を有する。蓋体42は、筺体本体の下方に形成された開口を覆う。
プリント基板31,32は、所定の間隔を開けて筺体40の内部に図4中の上下に平行に配置されている。プリント基板31は略矩形をなし、基板設置面43の一方面側に配置される。プリント基板32は略矩形をなし、基板設置面43の他方面側に配置される。プリント基板31,32の2枚の基板で基板設置面43を挟み込むように配置されている。
針状電極11,12は、プリント基板31,32に対して垂直に設けられている。すなわち、針状電極11の基端部(根元部)はプリント基板31の孔に挿通されており、その軸心部は筺体40に設けられた孔45の中心およびプリント基板32の孔32aの中心を貫通している。また、針状電極12の基端部はプリント基板31の孔に挿嵌されており、その軸心部は筺体40に設けられた孔45の中心およびプリント基板32の孔32aの中心を貫通している。プリント基板31で筺体40に設けられた孔45は塞がれる。針状電極11,12のそれぞれの基端部は、半田によってプリント基板31に固定されている。
針状電極11,12のそれぞれの先端部は、鋭く尖った形状をしている。なお、プリント基板は複数に分割し、針状電極11と針状電極12とをそれぞれ別の基板に設けてもよい。針状電極11と針状電極12とは所定の間隔をあけてプリント基板31上に設けられている。本実施形態では針状電極11と針状電極12との間隔を102mmとしている。なお、針状電極11,12のそれぞれの先端部は、先端が鋭く尖った形状をしていなくてもよい。
誘導電極13,14は、プリント基板32の長手方向の一方端部の表面および他方端部の表面に、それぞれプリント基板31の配線層を用いて、針状電極11,12の周囲を囲繞する環状に形成されている。誘導電極13,14の内側には、それぞれプリント基板32を貫通する孔32aが開口されている。なお、誘導電極は、環状に形成されていなくてもよい。
電極保護部20は、筺体40の長手方向の一方端部の針状電極11と、他方端部の針状電極12のそれぞれに対応するように2箇所設けられている。それぞれの電極保護部は、針状電極11,12の先端部の両側で互いに間隔を設けて対向する第1保護部21および第2保護部22を有する。第1保護部21と第2保護部22とは、筺体40の短手方向に針状電極11,12を挟んで並設されている。第1保護部21,第2保護部22は、それぞれ筺体40から外部に突出しており、針状電極11,12よりも外側に突出している。
第1保護部21および第2保護部22は、それぞれ天板21a,支持部21bおよび天板22a,支持部22bから構成される。天板21a,22aは短冊状をなし、天板21a,22aの両端から筺体40の方へそれぞれ支持部21b,22bが2本ずつ延出している。第1保護部21aおよび第2保護部22bは、アーチ状をなしており、2本の支持部21b,22bの間には開口が形成されている。本実施形態におけるイオン発生装置を筺体40の短手方向から見たとき、支持部21b,22bの間に設けられた開口から針状電極11,12の先端が視認可能である。
すなわち、筺体40の長辺の方向をX方向とし、筺体40の短辺の方向をY方向とし、筺体40から針状電極11,12が突出している方向をZ方向とすると、2本の針状電極11,12はZ方向に向けられてX方向に配列され、筺体40から突出している。また、電極保護部20には、Y方向から針状電極11,12が見えるように開口が設けられている。本実施の形態では、Y方向から針状電極11,12が見えるように開口が設けられているが、X方向から針状電極11,12が見えるように開口を設けてもよい。
電極保護部20は、支持部21b,22bがプリント基板32の表面に載置され、基板設置面43との間でプリント基板32を挟み込むように配置されている。図示しないが、支持部21b,22bは筺体40側の端部(根元側)で互いに繋がって一体に形成されている。なお、支持部21b,22bは互いに完全に独立した部材として形成されていてもよい。
プリント基板31は、基板設置面43の一方面側(針状電極11,12の先端部が突出する側とは反対側)から筺体40に設けられた孔45を塞ぐように設けられている。これにより基板設置面43と壁面47とで囲われた空間は、開口部44を除いて密封されている。開口部44からエポキシ樹脂を充填し、開口部44を封止することで絶縁封止部Mを形成する。図1および図4において、絶縁封止部Mは斜線で示している。
絶縁封止部Mは、プリント基板32および誘導電極13,14を封止している。また、絶縁封止部Mは、放電電極11,12の基端部側を封止している。また、絶縁封止部Mは、第1保護部21および第2保護部の根元側を封止している。本実施形態では、第1保護部21の支持部21bと第2保護部22の支持部22bとは端部で互いに繋がって一体となっているが、一体となっている部分は、絶縁封止部Mによって封止されている。なお、絶縁封止するのはエポキシ樹脂に限るものではなく、その他の絶縁封止用の材料を用いてもよい。
本実施形態では、図1および図3に示すように、正イオンを発生させる針状電極11が設けられている側と、負イオンを発生させる針状電極12が設けられている側とで、それぞれ独立して絶縁封止部Mが設けられている。針状電極11の基端部側を封止する絶縁封止部は、針状電極12の基端部側を封止する絶縁封止部と所定間隔をあけて離間して設けられている。
筺体本体41と、蓋体42とで囲まれる空間には、プリント基板31および後述する電源回路33、昇圧トランス34、ダイオード35,36などの回路部品が設けられている。筺体本体41と、蓋体42とで囲まれる空間は、高電圧を発生させる昇圧トランスが配置されるため、エポキシ樹脂で絶縁封止されている。絶縁封止するのはエポキシ樹脂に限るものではなく、その他の絶縁封止用の材料を用いてもよい。
図5は、本実施形態におけるイオン発生装置の構成を示す回路図である。図5において、イオン発生装置は、針状電極11,12および誘導電極13,14の他に、電源端子T1、接地端子T2、ダイオード35,36および昇圧トランス34を備える。図5の回路のうちの針状電極11,12および誘導電極13,14以外の部分は図示していない。
電源端子T1および接地端子T2には、それぞれ直流電源の正極および負極が接続される。電源端子T1には直流電源電圧(たとえば+12Vまたは+15V)が印加され、接地端子T2は接地される。電源端子T1および接地端子T2は、電源回路33を介して、昇圧トランス34に接続される。
昇圧トランス34は、1次巻線34aおよび2次巻線34bを含む。2次巻線34bの一方端子は誘導電極13,14に接続され、その他方端子はダイオード35のアノードおよびダイオード36のカソードに接続される。ダイオード35のカソードは針状電極11の根元側の基端部に接続され、ダイオード36のアノードは針状電極12の根元側の基端部に接続される。
次に、このイオン発生装置の動作について説明する。電源端子T1および接地端子T2間に直流電源電圧が印加されると、電源回路33が有するコンデンサ(不図示)に電荷が充電される。コンデンサに充電された電荷は、昇圧トランス34の1次巻線34aを介して放電され、1次巻線34aにはインパルス電圧が発生する。
1次巻線34aにインパルス電圧が発生すると、2次巻線34bに正および負の高電圧パルスが交互に減衰しながら発生する。正の高電圧パルスはダイオード35を介して針状電極11に印加され、負の高電圧パルスはダイオード36を介して針状電極12に印加される。これにより、針状電極11,12の先端でコロナ放電が発生し、それぞれ正イオンおよび負イオンが発生する。
なお、正イオンは、水素イオン(H)の周囲に複数の水分子がクラスター化したクラスターイオンであり、H(HO)(ただし、mは任意の自然数である)と表わされる。また負イオンは、酸素イオン(O )の周囲に複数の水分子がクラスター化したクラスターイオンであり、O (HO)(ただし、nは0または任意の自然数である)と表わされる。また、正イオンおよび負イオンを室内に放出すると、両イオンが空気中を浮遊するカビ菌やウィルスの周りを取り囲み、その表面上で互いに化学反応を起こす。その際に生成される活性種の水酸化ラジカル(・OH)の作用により、浮遊カビ菌などが除去される。
図6は、図1〜図4に示したイオン発生装置を用いた空気清浄機の構成を示す断面図である。図6において、この空気清浄機では、本体50の下部の背面に吸込口50aが設けられ、本体50の上部の背面および前面にそれぞれ吹出口50b,50cが設けられている。また、本体50の内部にはダクト51が設けられており、ダクト51の下端の開口部は吸込口50aに対向して設けられ、ダクト51の上端は吹出口50b,50cに接続されている。
ダクト51の下端の開口部にはクロスフローファン52が設けられ、ダクト51の中央部にはイオン発生装置10が設けられている。イオン発生装置10は、図1〜図4で示したものである。イオン発生装置10の筺体40はダクト51の外壁面に固定され、その針状電極11,12および電極保護部12はダクト51の壁を貫通してダクト51内に突出している。2本の針状電極11,12は、ダクト51内の空気が流れる方向(Y方向)と直交する方向(X方向)に配列されている。
また、吸込口50aには樹脂製の格子状のグリル54が設けられており、グリル54の内側に網目状の薄いフィルタ55が貼り付けられている。フィルタ55の奥にはクロスフローファン52に異物やユーザーの指が入り込まないようにファンガード56が設けられている。
クロスフローファン52が回転駆動されると、室内の空気は吸込口50aを介してダクト51内に吸込まれる。吸込まれた空気に含まれるカビ菌などは、イオン発生装置10によって生成されたイオンによって除去される。イオン発生装置10を通過した空気は、吹出口50b,50cを介してイオンとともに室内に放出される。
針状電極11,12に高電圧が印加されると、針状電極11,12と誘導電極13,14との間で電界が形成され、針状電極11,12の先端部でコロナ放電が発生してイオンが発生する。ここで、針状電極11,12の先端の直ぐ近傍に電極保護部20があると、針状電極11,12と誘導電極13,14との間で発生する電界が阻害される。しかし、本実施形態では、第1保護部21および第2保護部22が針状電極11,12の先端部の両側で互いに間隔を設けて対向するように配置されており、針状電極11,12の先端部周辺を塞いでいない。これにより針状電極11,12と誘導電極13,14との間で発生する電界が電極保護部20によって阻害されるのを抑制することができる。
また、イオン発生装置10は、所定時間運転した後にユーザーによって交換されるものである。ユーザーはイオン発生装置10を交換するとき、空気清浄装置の本体50の背面にある蓋体50dを外してダクト51に設置されたイオン発生装置10にアクセスできる。このとき、第1保護部21および第2保護部22が針状電極11,12の先端部よりも外側に突出しているので、ユーザーがイオン発生装置10を持った場合でも、ユーザーの指は第1保護部21および第2保護部22にあたり、針状電極11,12の先端部に触れにくくなり、ユーザーが指に怪我をすることはない。
なお、ユーザーによる交換を行わないイオン発生装置もあるが、その場合においても本願発明のイオン発生装置10であれば、その製造時に作業員が針状電極11,12の先端部に触れて指に怪我をすることはない。
以上のように、針状電極11,12の先端部が筺体40から突出しているので、針状電極11,12の先端部で発生したイオンを筺体40外に効率良く放出することができる。また、針状電極11,12の先端部を両側から覆う電極保護部20を設けたので、針状電極11,12の先端部に触れてユーザーが指などに怪我をすることを防止することができる。
また、Z方向からそれぞれ針状電極11,12の先端が見えるように、針状電極11,12を第1保護部21および第2保護部22bで挟み込んだので、針状電極11,12の先端部の周辺に発生する電界が電極保護部20で阻害されてイオン発生量が減少するのを防止することができる。また、Y方向から針状電極11,12が見えるように電極保護部20に開口を設けたので、Y方向に風を送ることにより、イオンを効率良く送出することができる。
針状電極11,12には、高電圧が印加されるため、針状電極周辺の帯電した塵埃などが針状電極に引きつけられて付着することがある。付着物が針状電極11,12に蓄積されると、コロナ放電が起こりにくくなるばかりでなく、異常放電が起きたり、針状電極11,12と筺体40との間、または、針状電極11,12と誘導電極13,14との間で電流のリーク(漏洩)が発生する原因となることがある。
詳説すると、針状電極11,12についた付着物が蓄積することで、針状電極11,12と筺体40との間の空間距離が短くなる。このとき、針状電極11,12に高電圧が印加されると、針状電極11,12と筺体40との間で絶縁破壊が起こることでリークが発生する。この現象は、特にイオン発生装置を使用する空間の空気中に不純物が多く含まれている場合に起こりやすい。
筺体40の開口部44は、絶縁封止部Mで封止されており、筺体40の内部に塵埃などが入り込む隙間が埋められている。針状電極11,12の根元部側は絶縁封止部Mに包み込まれるように封止されているため、筺体40の外部から開口部44を見ると図3に示すように絶縁封止部Mの中に針状電極11,12の基端部側が完全に埋まって状態になっている。
すなわち、絶縁封止部Mは、針状電極11,12の軸心部の周囲を封止しており、筺体40の内部に不純物が入らない構造となっている。これにより、針状電極11,12と、誘導電極13,14をはじめとする筺体40内部に設けられた部品との間での不純物の蓄積によるリーク現象を防ぎ、安定してイオンを発生させることができる。
一般的に針状電極11,12と、誘導電極13,14との間でも同様に付着物の蓄積によるリーク現象は起こり得る。しかしながら、本実施形態では、絶縁封止部Mは、針状電極11,12が設けられているプリント基板31、および誘導電極13,14が設けられているプリント基板32を封止しており、針状電極11,12と、誘導電極13,14との間には付着物が蓄積することはなく、針状電極11,12と、誘導電極13,14との間でのリーク現象を防ぐことができる。
本実施形態では、絶縁封止部Mは、正イオンを発生させる針状電極11の一部(基端部側)を封止する正イオン側の絶縁封止部と、負イオンを発生させる針状電極12の一部(基端部側)を封止する負イオン側の絶縁封止部とがそれぞれ独立して所定間隔を隔てて設けられている。これにより、正イオンを発生させる針状電極11が設けられている側と、負イオンを発生させる針状電極12が設けられている側とを、異なる絶縁封止部で封止することになる。すなわち、同じ一つの絶縁封止部で互いに異なる極性の電極を封止することがない。そのため、絶縁封止部の表面で起こり得る沿面リークを防止することができる。
第1保護部21および第2保護部22は、針状電極11,12の先端部の両側で互いに間隔を設けて対向するように配置されている。これにより、第1保護部21と第2保護部22の間に清掃ブラシなどの清掃部材を通すことで、効率よく針状電極11,12を清掃することができる。
清掃ブラシは、第1保護部と第2保護部にガイドされることでユーザーは針状電極11,12を容易に清掃することができる。また、針状電極11,12の先端部だけでなく、針状電極11,12の先端部以外の軸芯部も清掃することができる。
針状電極11,12の基端部側を絶縁封止する絶縁封止部Mが筺体40の開口部44から露出している。針状電極11,12の絶縁封止部Mから突出している軸心部のうちの根元側の部分の清掃も容易に行うことができる。絶縁封止部Mの露出している表面は非常に平滑度が高いため、清掃ブラシによる清掃を容易に行うことができる。
また、プリント基板32の配線層を用いて誘導電極13,14を形成したので、誘導電極13,14を低コストで形成することができ、イオン発生装置の低コスト化を図ることができる。
また、本実施形態では、プリント基板32の配線層を用いて誘導電極13,14を形成したが、誘導電極13,14のそれぞれを金属板で形成してもよい。また、誘導電極13,14の各々は、環状でなくてもかまわない。
また、図6には本実施形態のイオン発生装置を用いた空気清浄機の構成を示したが、本実施形態のイオン発生装置を用いる電気機器としては、空気清浄機以外にも例えば空気調和機、イオン発生機、除湿器、加湿器、冷蔵庫、ファンヒータ、洗濯乾燥機、掃除機、殺菌装置などがある。
(実施の形態2)
図7は、本発明の実施の形態2によるイオン発生装置を示す斜視図であって、図3と対比される図である。図7において、このイオン発生装置が図3のイオン発生装置と異なる点は、電極保護部20の形状が異なる点である。電極保護部20以外の構成については、実施の形態1におけるイオン発生装置と同様であるため、説明は省略する。
電極保護部20は、筺体40の長手方向の一方端部の針状電極11と、他方端部の針状電極12のそれぞれに対応するように2箇所設けられている。それぞれの電極保護部は、針状電極11,12の先端部の両側で互いに間隔を設けて対向する第1保護部21および第2保護部22を有する。第1保護部21と第2保護部22とは、筺体40の短手方向に針状電極11,12を挟んで並設されている。第1保護部21,第2保護部22は、それぞれ筺体40から外部に突出しており、針状電極11,12よりも外側に突出している。
第1保護部21および第2保護部22は、それぞれ天板21a,支持部21bおよび天板22a,支持部22bから構成される。天板21a,22aは短冊状をなし、天板21a,22aの両端および中央部の3箇所から筺体40の方へそれぞれ支持部21b,22bが延出している。第1保護部21aおよび第2保護部22bは、アーチ状の中央部にさらに支柱を備えた構造をなしており、3本の支持部21b,22bの間にはそれぞれ2箇所の開口が形成されている。本実施形態におけるイオン発生装置を筺体40の短手方向から見たとき、針状電極11,12の先端は、中央の支柱となっている支持部22bで隠れるが、支持部21b,22bに設けられた開口から風が通った場合は、針状電極11,12のすぐ近傍を風が流れるため、イオンは効率よく発生する。
(実施の形態3)
図8は、本発明の実施の形態3によるイオン発生装置を示す斜視図であって、図3と対比される図である。図8において、このイオン発生装置が図3のイオン発生装置と異なる点は、電極保護部20の形状が異なる点である。電極保護部20以外の構成については、実施の形態1におけるイオン発生装置と同様であるため、説明は省略する。
電極保護部20は、筺体40の長手方向の一方端部の針状電極11と、他方端部の針状電極12のそれぞれに対応するように2箇所設けられている。それぞれの電極保護部は、針状電極11,12の先端部の両側で互いに間隔を設けて対向する第1保護部21および第2保護部22を有する。第1保護部21と第2保護部22とは、筺体40の短手方向に針状電極11,12を挟んで並設されている。第1保護部21,第2保護部22は、それぞれ筺体40から外部に突出しており、針状電極11,12よりも外側に突出している。
第1保護部21および第2保護部22は、それぞれ天板21a,支持部21bおよび天板22a,支持部22bから構成される。天板21a,22aは短冊状をなし、天板21a,22aの両端および中央部の3箇所から筺体40の方へそれぞれ支持部21b,22bが延出している。第1保護部21aおよび第2保護部22bは、アーチ状の中央部にさらに支柱を備えた構造をなしており、3本の支持部21b,22bの間にはそれぞれ2箇所の開口が形成されている。本実施形態におけるイオン発生装置を筺体40の短手方向から見たとき、針状電極11,12の先端は、中央の支柱となっている支持部22bで隠れるが、支持部21b,22bに設けられた開口から風が通った場合は、針状電極11,12のすぐ近傍を風が流れるため、イオンは効率よく発生する。
(実施の形態4)
図9は、本発明の実施の形態4によるイオン発生装置を示す斜視図であって、図3と対比される図である。図9において、このイオン発生装置が図3のイオン発生装置と異なる点は、電極保護部20の形状が異なる点である。電極保護部20以外の構成については、実施の形態1におけるイオン発生装置と同様であるため、説明は省略する。
電極保護部20は、筺体40の長手方向の一方端部の針状電極11と、他方端部の針状電極12のそれぞれに対応するように2箇所設けられている。それぞれの電極保護部は、針状電極11,12の先端部の両側で互いに間隔を設けて対向する第1保護部21および第2保護部22を有する。第1保護部21と第2保護部22とは、筺体40の短手方向に針状電極11,12を挟んで並設されている。第1保護部21,第2保護部22は、それぞれ筺体40から外部に突出しており、針状電極11,12よりも外側に突出している。
第1保護部21および第2保護部22は、それぞれ天板21a,支持部21bおよび天板22a,支持部22bから構成される。天板21a,22aは短冊状をなし、天板21a,22aの一方端から筺体40の方へそれぞれ支持部21b,22bが延出している。第1保護部21aおよび第2保護部22bは、L字型をなしており、天板21a,22aの下方(筺体40側)には開口が形成されている。本実施形態におけるイオン発生装置を筺体40の短手方向から見たとき、前述の開口から針状電極11,12の先端が視認可能である。
(実施の形態5)
図10は、本発明の実施の形態5によるイオン発生装置を示す斜視図であって、図3と対比される図である。図10において、このイオン発生装置が図3のイオン発生装置と異なる点は、電極保護部20の形状が異なる点である。電極保護部20以外の構成については、実施の形態1におけるイオン発生装置と同様であるため、説明は省略する。
電極保護部20は、筺体40の長手方向の一方端部の針状電極11と、他方端部の針状電極12のそれぞれに対応するように2箇所設けられている。それぞれの電極保護部は、針状電極11,12の先端部の両側で互いに間隔を設けて対向する第1保護部21および第2保護部22を有する。第1保護部21と第2保護部22とは、筺体40の短手方向に針状電極11,12を挟んで並設されている。第1保護部21,第2保護部22は、それぞれ筺体40から外部に突出しており、針状電極11,12よりも外側に突出している。
第1保護部21および第2保護部22は、それぞれ天板21a,支持部21bおよび天板22a,支持部22bから構成される。天板21a,22aは短冊状をなし、天板21a,22aの中央部から筺体40の方へそれぞれ支持部21b,22bが延出している。第1保護部21aおよび第2保護部22bは、T字型をなしており、天板21a,22aの下方(筺体40側)領域における支持部21b,22bの両端には開口が形成されている。本実施形態におけるイオン発生装置を筺体40の短手方向から見たとき、針状電極11,12の先端は、中央の支柱となっている支持部22bで隠れるが、支持部21b,22bに設けられた開口から風が通った場合は、針状電極11,12のすぐ近傍を風が流れるため、イオンは効率よく発生する。
(実施の形態6)
図11は、本発明の実施の形態6によるイオン発生装置を示す斜視図であって、図3と対比される図である。図11において、このイオン発生装置が図3のイオン発生装置と異なる点は、電極保護部20の形状が異なる点である。電極保護部20以外の構成については、実施の形態1におけるイオン発生装置と同様であるため、説明は省略する。
電極保護部20は、筺体40の長手方向の一方端部の針状電極11と、他方端部の針状電極12のそれぞれに対応するように2箇所設けられている。それぞれの電極保護部は、針状電極11,12の先端部の両側で互いに間隔を設けて対向する第1保護部21および第2保護部22を有する。第1保護部21と第2保護部22とは、針状電極11,12を挟んで並設されている。第1保護部21,第2保護部22は、それぞれ筺体40から外部に突出しており、針状電極11,12よりも外側に突出している。
第1保護部21および第2保護部22は、それぞれ天板21a,支持部21bおよび天板22a,支持部22bから構成される。第1保護部21は棒状をなし、先端部が天板21a、先端部以外は支持部21bとなる。第2保護部22の天板22bはL字型の板状をなし、天板22bの両端部およびL字型の屈曲部の3箇所から筺体40の方へ支持部22bが延出している。3本の支持部22bの間には2箇所の開口が形成されている。本実施形態におけるイオン発生装置を筺体40の短手方向から見たとき、支持部22bの間に設けられた開口から針状電極11,12の先端が視認可能である。また、本実施形態におけるイオン発生装置を筺体40の長手方向から見たときも、支持部22bの間に設けられた開口から針状電極11,12の先端が視認可能である。
第1保護部21および第2保護部22は、針状電極11,12の先端部の両側で互いに間隔を設けて対向するように配置されている。これにより、第1保護部21と第2保護部22の間に清掃ブラシなどの清掃部材を通すことで、効率よく針状電極11,12を清掃することができる。本実施の形態によるイオン発生装置においては、清掃ブラシを直線状に通すのではなく、L字状に通すことで針状電極11,12の清掃を効率よく行うことができる。
(実施の形態7)
図12は、本発明の実施の形態7によるイオン発生装置を示す斜視図であって、図3と対比される図である。図12において、このイオン発生装置が図3のイオン発生装置と異なる点は、電極保護部20の形状が異なる点である。電極保護部20以外の構成については、実施の形態1におけるイオン発生装置と同様であるため、説明は省略する。
電極保護部20は、筺体40の長手方向の一方端部の針状電極11と、他方端部の針状電極12のそれぞれに対応するように2箇所設けられている。それぞれの電極保護部は、針状電極11,12の先端部の両側で互いに間隔を設けて対向する第1保護部21および第2保護部22を有する。第1保護部21と第2保護部22とは、筺体40の長手方向に針状電極11,12を挟んで並設されている。第1保護部21,第2保護部22は、それぞれ筺体40から外部に突出しており、針状電極11,12よりも外側に突出している。
第1保護部21および第2保護部22は、それぞれ天板21a,支持部21bおよび天板22a,支持部22bから構成される。天板21a,22aは短冊状をなし、天板21a,22aの両端から筺体40の方へそれぞれ支持部21b,22bが2本ずつ延出している。第1保護部21aおよび第2保護部22bは、アーチ状をなしており、2本の支持部21b,22bの間には開口が形成されている。本実施形態におけるイオン発生装置を筺体40の長手方向から見たとき、支持部21b,22bの間に設けられた開口から針状電極11,12の先端が視認可能である。
(実施の形態8)
図13は、本発明の実施の形態8によるイオン発生装置を示す斜視図であって、図3と対比される図である。図13において、このイオン発生装置が図3のイオン発生装置と異なる点は、電極保護部20の形状が異なる点である。電極保護部20以外の構成については、実施の形態1におけるイオン発生装置と同様であるため、説明は省略する。
電極保護部20は、筺体40の長手方向の一方端部の針状電極11と、他方端部の針状電極12が設けられている領域に対応するように1箇所ずつ設けられている。電極保護部は、針状電極11,12の先端部の両側で互いに間隔を設けて対向する第1保護部21および第2保護部22を有する。第1保護部21と第2保護部22とは、筺体40の短手方向に針状電極11,12を挟んで並設されている。第1保護部21,第2保護部22は、それぞれ筺体40から外部に突出しており、針状電極11,12よりも外側に突出している。本実施形態における電極保護部20は、一対の第1保護部21と第2保護部22とで、針状電極11および針状電極12の両方の電極を一緒に挟み込むように構成されている。
第1保護部21および第2保護部22は、それぞれ天板21a,支持部21bおよび天板22a,支持部22bから構成される。天板21a,22aは短冊状をなし、天板21a,22aの両端から筺体40の方へそれぞれ支持部21b,22bが2本ずつ延出している。第1保護部21aおよび第2保護部22bは、アーチ状をなしており、2本の支持部21b,22bの間には開口が形成されている。本実施形態におけるイオン発生装置を筺体40の短手方向から見たとき、支持部21b,22bの間に設けられた開口から針状電極11,12の先端が視認可能である。
このように、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって画定され、また特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
10 イオン発生装置
11,12 針状電極
13,14 誘導電極
20 電極保護部
21 第1保護部
22 第2保護部
31,32 プリント基板
40 筺体
41 筺体本体
42 蓋体
43 基板設置面
44 開口部
45 孔
46 筺体壁面
47 壁面
50 空気清浄機本体
52 クロスフローファン(送風装置)

Claims (6)

  1. 筺体と、
    前記筺体の内部に収容される基板と、
    先端部が前記筺体の外部に突出するように前記基板に保持され、放電を発生させる放電電極と、
    前記筺体の内部で前記基板を絶縁封止する絶縁封止部と、
    前記筺体の外部で前記放電電極を保護するための電極保護部と、を備え、
    前記筺体には、前記放電電極の先端部側が挿通され、前記絶縁封止部で封止される開口部が設けられ、
    前記電極保護部は、前記筺体から前記放電電極の先端部よりも突出して設けられ、前記放電電極の両側で互いに間隔を設けて対向する第1保護部および第2保護部を有し、
    前記電極保護部の軸心部の根元側は前記絶縁封止部で封止される、放電装置。
  2. 前記第1保護部および前記第2保護部のうち少なくとも一方には、前記放電電極へ向かう風が通過する孔が設けられる、請求項1に記載の放電装置。
  3. 前記第1保護部および前記第2保護部は、前記絶縁封止部に封止されていない領域においては互いに分離している、請求項1または2に記載の放電装置。
  4. 前記絶縁封止部は、前記放電電極の一部を封止する電極封止領域を有し、
    前記電極封止領域は、前記筺体の外部に露出している、請求項1から3のいずれか1項に記載の放電装置。
  5. 前記筺体内部に設けられ、前記放電電極との間で電界を形成する誘導電極をさらに備え、
    前記誘導電極は、前記絶縁封止部で封止される、請求項1から4のいずれか1項に記載の放電装置。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の放電装置と、前記放電装置から発生した放電生成物を外部へ送出する送風装置とを備える、電気機器。
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