JP6334034B1 - 表面処理銅箔及びその製造方法、並びに銅張積層板 - Google Patents

表面処理銅箔及びその製造方法、並びに銅張積層板 Download PDF

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Abstract

【課題】樹脂基材、特に高周波用途に好適な樹脂基材との接着性を高めることが可能な表面処理銅箔を提供する。【解決手段】本発明は、第1シラン化合物及び第1シラン化合物とは異なる第2シラン化合物を含む混合物、2種類の第1シラン化合物を含む混合物、又は2種類の第2シラン化合物を含む混合物を用いて形成されたシラン処理層を銅箔表面上に有する表面処理銅箔である。第1シラン化合物は、アミノ基及びエポキシ基から選択される少なくとも1種を末端に有する反応性官能基と加水分解性基又は炭化水素基とを有するシラン化合物であり、第2シラン化合物は、エポキシ基、(メタ)アクリル基、チオール基及びアミノ基から選択される少なくとも1種を末端に有する反応性官能基と加水分解性基若しくは炭化水素基とを有するシラン化合物、又はテトラアルコキシシラン化合物である。【選択図】なし

Description

本発明は、表面処理銅箔及びその製造方法、並びに銅張積層板に関する。詳細には、本発明は、フレキシブルプリント配線板(FPC)、リジッド配線板、シールド材、RF−ID(radio-frequency identifier)、面状発熱体、放熱体などに用いられる銅張積層板を製造するための表面処理銅箔及びその製造方法、並びに該表面処理銅箔を用いた銅張積層板に関する。
銅張積層板は、フレキシブルプリント配線板などの各種用途において広く用いられている。このフレキシブルプリント配線板は、銅張積層板の銅箔をエッチングして導体パターン(「配線パターン」とも称される)を形成し、導体パターン上に電子部品を半田で接続して実装することによって製造される。
近年、パソコン、モバイル端末などの電子機器では、通信の高速化及び大容量化に伴い、電気信号の高周波化が進んでおり、これに対応可能なフレキシブルプリント配線板が求められている。電気信号の周波数が高周波、例えば1GHz以上になると、電流が導体パターンの表面にだけ流れる表皮効果の影響が顕著になり、導体パターンの表面の凹凸によって電流伝送経路が変化して導体損失が増大する影響が無視できなくなる。そのため、導体パターンとなる銅箔の表面粗さを小さくすることが必要である。
銅張積層板の銅箔としては、銅箔の製造方法から電解銅箔と圧延銅箔とに一般に分類され、フレキシブルプリント配線板には、耐屈曲性に優れる圧延銅箔が用いられることが多い。ここで、電解銅箔の表面は銅の電着粒によって形成され、圧延銅箔の表面は圧延ロールとの接触によって形成される。そのため、圧延銅箔の表面粗さは電解銅箔の表面粗さよりも一般的に小さい。また、銅箔の表面には粗化処理が一般的に行われるが、粗化処理によって電着する粗化粒子は、圧延銅箔の方が微細である。これらの観点から、圧延銅箔は高周波回路用の銅箔として優れていると言える。
一方、高周波になるほど、信号電力の損失(減衰)も大きくなり、データが読み取れなくなり易い。そのため、フレキシブルプリント配線板の回路長さが制限される。このような信号電力の損失(減衰)を減らすために、導体側は、銅箔の表面粗さが小さいものへ、また、樹脂基板側としては、低誘電材料から形成される樹脂基板へと移行する傾向にある。なお、表皮効果の観点から最も望ましいのは、粗化処理を行わない、表面粗さが小さい銅箔であると考えられる。
電子回路における信号電力の損失(減衰)は大きく二つに分けることができる。その一は、導体損失、すなわち銅箔による損失であり、その二は、誘電体損失、すなわち樹脂基板による損失である。
導体損失は、高周波域では表皮効果があり、電流は導体の表面を流れるという特性を有するため、銅箔表面が粗いと複雑な経路を辿って、電流が流れることになる。したがって、導体損失を少なくするためには、表面粗さが小さい圧延銅箔を用いることが望ましい。
他方、誘電体損失は、樹脂基材の種類に依存するため、低誘電材料(例えば、液晶ポリマー、低誘電ポリイミド)から形成された樹脂基材を用いることが好ましい。また、誘電体損失は、銅箔と樹脂基材との間を接着する接着剤によっても影響を受けるため、銅箔と樹脂基材との間は接着剤を用いずに接着することが望ましい。
そこで、銅箔と樹脂基材との間を接着剤なしに接着するために、銅箔に粗化処理を施すと共に、銅箔と樹脂基材との間にシラン処理層を設ける方法が提案されている(例えば、特許文献1)。銅箔の粗化処理は、銅箔表面に粗化粒子が樹木状に形成されるため、アンカー効果によって銅箔と樹脂基材との間の接着性を高めることができる。
特開2012−112009号公報
しかしながら、銅箔表面に電着した粗化粒子は、表皮効果によって導体損失を増大させると共に、粉落ちと称される粗化粒子が剥がれ落ちる現象を引き起こす原因となるため、銅箔表面に電着させる粗化粒子を少なくすることが望ましい。他方、銅箔表面に電着させる粗化粒子を少なくすると、粗化粒子によるアンカー効果が低下してしまい、銅箔と樹脂基材との接着性が十分に得られない。特に、液晶ポリマー、低誘電ポリイミドなどの低誘電材料から形成された樹脂基材は、従来の樹脂基材よりも銅箔と接着し難いため、銅箔と樹脂基材との間の接着性を高める別の手段が要求されている。
また、シラン処理層は、銅箔と樹脂基材との間の接着性を向上させる効果を有するものの、その種類によっては、接着性の向上効果が十分とは言えない状況である。
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、樹脂基材、特に高周波用途に好適な樹脂基材との接着性を高めることが可能な表面処理銅箔及びその製造方法を提供することを課題とする。
また、本発明は、樹脂基材、特に高周波用途に好適な樹脂基材と表面処理銅箔との間の接着性に優れた銅張積層板を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記のような問題を解決すべく鋭意研究した結果、特定のシラン化合物を選択して用い、シラン処理層を銅箔表面上に形成することにより、樹脂基材との接着性を高めることが可能な表面処理銅箔が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の第(1)項〜第(27)項である。
(1)第1シラン化合物及び前記第1シラン化合物とは異なる第2シラン化合物を含む混合物、2種類の前記第1シラン化合物を含む混合物、又は2種類の前記第2シラン化合物を含む混合物の硬化物であるシラン処理層を銅箔表面上に有する表面処理銅箔であって、
前記第1シラン化合物は、アミノ基及びエポキシ基から選択される少なくとも1種を末端に有する反応性官能基と加水分解性基又は炭化水素基とを有するシラン化合物であり、
前記第2シラン化合物は、エポキシ基、(メタ)アクリル基、チオール基及びアミノ基から選択される少なくとも1種を末端に有する反応性官能基と加水分解性基若しくは炭化水素基とを有するシラン化合物、又はテトラアルコキシシラン化合物である表面処理銅箔。
(2)第1シラン化合物、又は前記第1シラン化合物とは異なる第2シラン化合物の硬化物であるシラン処理層を銅箔表面上に有する表面処理銅箔であって、
前記第1シラン化合物は、アミノ基及びエポキシ基から選択される少なくとも1種を末端に有する反応性官能基と加水分解性基又は炭化水素基とを有するシラン化合物であり、
前記第2シラン化合物は、エポキシ基、(メタ)アクリル基、チオール基及びアミノ基から選択される少なくとも1種を末端に有する反応性官能基と加水分解性基若しくは炭化水素基とを有するシラン化合物又はテトラアルコキシシラン化合物である表面処理銅箔。
(3)前記第1シラン化合物は、一般式(1):

Figure 0006334034
(式中、Xは加水分解性基であり、Yはアミノ基又はエポキシ基から選択される官能基であり、R1はヘテロ原子を含んでもよい炭素数1〜10の炭化水素鎖であり、R2は炭素数1〜15の炭化水素基であり、nは0〜3の整数である)によって表されるシラン化合物である、第(1)項又は第(2)項に記載の表面処理銅箔。
(4)前記第2シラン化合物は、一般式(2):
Figure 0006334034
(式中、Xは加水分解性基であり、Yはエポキシ基、(メタ)アクリル基、チオール基又はアミノ基から選択される官能基であり、Lは直接結合又は−OCO−であり、R1は、ヘテロ原子を含んでもよい炭素数1〜10のアルキレン鎖であり、R2は炭素数1〜15の炭化水素基であり、nは0〜3の整数である)によって表されるシラン化合物である、第(1)項〜第(3)項のいずれか一項に記載の表面処理銅箔。
(5)前記第1シラン化合物及び前記第2シラン化合物の前記加水分解性基が、メトキシ基、エトキシ基又はプロポキシ基である、第(1)項〜第(4)項のいずれか一項に記載の表面処理銅箔。
(6)前記第1シラン化合物の反応性官能基の末端がアミノ基である、第(1)項〜第(5)項のいずれか一項に記載の表面処理銅箔。
(7)前記一般式(1)において、R1が、炭素数1〜5のアルキレン鎖、又は窒素原子を含む炭素数3〜7のアルキレン鎖であり、nが0である、第(3)項〜第(6)項のいずれか一項に記載の表面処理銅箔。
(8)前記第2シラン化合物の反応性官能基の末端が、エポキシ基、メタクリル基又はアミノ基である、第(1)項〜第(7)項のいずれか一項に記載の表面処理銅箔。
(9)前記一般式(2)において、Xがメトキシ基であり、Yがエポキシ基であり、Lが直接結合であり、R1が、酸素原子を含む炭素数2〜6のアルキレン鎖であり、nが0である、第(4)項〜第(8)項のいずれか一項に記載の表面処理銅箔。
(10)前記一般式(2)において、Xがエトキシ基であり、Yがメタクリル基であり、Lが直接結合であり、R1が炭素数1〜5のアルキレン鎖であり、nが0である、第(4)項〜第(8)項のいずれか一項に記載の表面処理銅箔。
(11)前記一般式(2)において、Xがエトキシ基であり、Yがアミノ基であり、Lが直接結合であり、R1が炭素数2〜6のアルキレン鎖であり、nが0である、第(4)項〜第(8)項のいずれか一項に記載の表面処理銅箔。
(12)前記一般式(2)において、Xがメトキシ基であり、Yがアミノ基であり、Lが直接結合であり、R1が窒素原子を含む炭素数5〜9のアルキレン鎖であり、nが0である、第(4)項〜第(8)項のいずれか一項に記載の表面処理銅箔。
(13)前記第1シラン化合物が3−アミノプロピルトリエトキシシラン又はN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランであり、前記第2シラン化合物がグリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、4−アミノブチルトリエトキシシラン又はN−(6−アミノヘキシル)アミノメチルトリエトキシシランである、第(1)項〜第(12)項のいずれか一項に記載の表面処理銅箔。
(14)前記第1シラン化合物と前記第2シラン化合物との体積比、2種類の前記第1シラン化合物の体積比、又は2種類の前記第2シラン化合物の体積比が10:90〜90:10である、第(1)項及び第(3)項〜第(13)項のいずれか一項に記載の表面処理銅箔。
(15)前記第1シラン化合物と前記第2シラン化合物との体積比が25:75〜90:10である、第(1)項及び第(3)項〜第(14)項のいずれか一項に記載の表面処理銅箔。
(16)前記第1シラン化合物がN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランであり、前記第2シラン化合物が4−アミノブチルトリエトキシシランであり、前記第1シラン化合物と前記第2シラン化合物との体積比が50:75〜90:10である、第(1)項及び第(3)項〜第(15)項のいずれか一項に記載の表面処理銅箔。
(17)前記第1シラン化合物がN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランであり、前記第2シラン化合物がN−(6−アミノヘキシル)アミノメチルトリエトキシシランであり、前記第1シラン化合物と前記第2シラン化合物との体積比が90:10である第(1)項及び第(3)項〜第(15)項のいずれか一項に記載の表面処理銅箔。
(18)前記第1シラン化合物がN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランであり、前記第2シラン化合物がグリシドキシプロピルトリエトキシシラン又は3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランであり、前記第1シラン化合物と前記第2シラン化合物との体積比が75:25である第(1)項及び第(3)項〜第(15)項のいずれか一項に記載の表面処理銅箔。
(19)前記第1シラン化合物が3−アミノプロピルトリエトキシシランであり、前記第2シラン化合物がN−(6−アミノヘキシル)アミノメチルトリエトキシシランであり、前記第1シラン化合物と前記第2シラン化合物との体積比が50:50である第(1)項及び第(3)項〜第(15)項のいずれか一項に記載の表面処理銅箔。
(20)前記銅箔と前記シラン処理層との間に、耐熱処理層、防錆処理層及びクロメート処理層からなる群から選択される1種以上の層を有する、第(1)項〜第(19)項のいずれか一項に記載の表面処理銅箔。
(21)樹脂基材に接合される、第(1)項〜第(20)項のいずれか一項に記載の表面処理銅箔。
(22)前記樹脂基材が低誘電材料である、第(21)項に記載の表面処理銅箔。
(23)前記低誘電材料が、液晶ポリマー、低誘電ポリイミド、低誘電エポキシ樹脂、フッ素樹脂又はポリフェニレンエーテル樹脂である、第(22)項に記載の表面処理銅箔。
(24)第(1)項〜第(23)項のいずれか一項に記載の表面処理銅箔の前記シラン処理層上に、樹脂基材が接合された銅張積層板。
(25)前記樹脂基材が、液晶ポリマー、低誘電ポリイミド、低誘電エポキシ樹脂、フッ素樹脂又はポリフェニレンエーテル樹脂である、第(24)項に記載の銅張積層板。
(26)フレキシブル配線板、リジッド配線板、シールド材、RF−ID、面状発熱体又は放熱体に用いられる、第(24)項又は第(25)項に記載の銅張積層板。
(27)第1シラン化合物及び前記第1シラン化合物とは異なる第2シラン化合物を含む混合溶液、2種類の前記第1シラン化合物を含む混合溶液、又は2種類の前記第2シラン化合物を含む混合溶液を調製した後、銅箔表面に前記混合溶液を塗布して乾燥させることでシラン処理層を形成する表面処理銅箔の製造方法であって、
前記第1シラン化合物は、アミノ基及びエポキシ基から選択される少なくとも1種を末端に有する反応性官能基と加水分解性基又は炭化水素基とを有するシラン化合物であり、
前記第2シラン化合物は、エポキシ基、(メタ)アクリル基、チオール基及びアミノ基から選択される少なくとも1種を末端に有する反応性官能基と加水分解性基若しくは炭化水素基とを有するシラン化合物、又はテトラアルコキシシラン化合物である、表面処理銅箔の製造方法。
本発明によれば、樹脂基材、特に高周波用途に好適な樹脂基材との接着性を高めることが可能な表面処理銅箔及びその製造方法を提供することができる。
また、本発明によれば、樹脂基材、特に高周波用途に好適な樹脂基材と表面処理銅箔との間の接着性に優れた銅張積層板を提供することができる。
第1シラン化合物及び第1シラン化合物とは異なる第2シラン化合物を含む混合物、2種類の第1シラン化合物を含む混合物若しくは2種類の第2シラン化合物を含む混合物を用いて形成されたシラン処理層、又は第1シラン化合物若しくは第2シラン化合物を用いて形成されたシラン処理層を銅箔表面上に有する。このような特定のシラン化合物を選択して用い、シラン処理層を銅箔表面上に形成することにより、粗化処理で銅箔表面に電着させた粗化粒子が少ない場合又は粗化処理を行わない場合であっても、樹脂基板との接着性に優れる表面処理銅箔とすることができる。
ここで、本明細書において「銅箔」とは、銅箔だけでなく銅合金箔を含む。また、「シラン処理層」とは、シラン化合物を含む混合物から形成されたシラン化合物の皮膜のことを意味する。
第1シラン化合物は、アミノ基及びエポキシ基から選択される少なくとも1種を末端に有する反応性官能基と加水分解性基とを有するシラン化合物である。
ここで、本明細書において「反応性官能基」とは、樹脂基材と化学結合し得る反応基を意味する。また、「加水分解性基」とは、水分によって加水分解され、銅箔と化学結合し得る反応基を意味する。
第1シラン化合物は、上記のような官能基を有するものであれば特に限定されないが、下記の一般式(1)によって表すことができる。
Figure 0006334034
一般式(1)中、Xは加水分解性基であり、Yはアミノ基又はエポキシ基から選択される官能基であり、R1はヘテロ原子を含んでもよい炭素数1〜10の炭化水素鎖であり、R2は炭素数1〜15の炭化水素基であり、nは0〜3の整数である。ここで、本明細書において「炭化水素基(鎖)」とは、脂肪族炭化水素基(鎖)の他、芳香族炭化水素基(鎖)をも含む概念である。脂肪族炭化水素基は、直鎖であっても分岐していてもよく、不飽和結合を1又は2以上含んでいてもよく、また環状であってもよい。
加水分解性基としては、特に限定されないが、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などのアルコキシ基;アシロキシ基などが挙げられる。その中でも、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などのアルコキシ基は、樹脂基材と表面処理銅箔との間の接着性を高める効果が高くなるため好ましい。
反応性官能基の末端であるYは、アミノ基であることが好ましい。Yがアミノ基の場合、樹脂基材と表面処理銅箔との間の接着性を高める効果が特に高くなる。また、水などの溶媒に対するシラン化合物の溶解性が高くなるため、均質なシラン処理層を形成することが容易になる。
1に含まれていてもよいヘテロ原子としては、特に限定されないが、酸素原子、窒素原子、硫黄原子などが挙げられる。
1は、炭素数1〜5のアルキレン鎖、又は窒素原子を含む炭素数3〜7のアルキレン鎖であることが好ましく、炭素数2〜4のアルキレン鎖、又は窒素原子を含む炭素数4〜6のアルキレン鎖であることがより好ましい。R1が、これらのアルキレン鎖である場合、樹脂基材と表面処理銅箔との間の接着性を高める効果が高くなる。
nは、0であることが好ましい。nが0である場合、樹脂基材と表面処理銅箔との間の接着性を高める効果が高くなる。
第1シラン化合物は、公知の方法によって製造することができるが、市販品を用いてもよい。第1シラン化合物として利用可能な市販品の例としては、信越化学工業株式会社製のKBM603(化学名:N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン)、KBE903(化学名:3−アミノプロピルトリエトキシシラン)、KBM4803(化学名:8−グリシドオキシオクチルトリメトキシシラン)など;東レ・ダウコーニング株式会社製のSH6040(化学名:グリシドキシプロピルトリエトキシシラン)などが挙げられる。これらの中でも、第1シラン化合物として好ましい市販品は、KBE603及びKBE903である。
第2シラン化合物は、エポキシ基、(メタ)アクリル基、チオール基(メルカプト基)及びアミノ基から選択される少なくとも1種を末端に有する反応性官能基と加水分解性基とを有するシラン化合物である。
第2シラン化合物は、上記のような官能基を有するものであれば特に限定されないが、下記の一般式(2)によって表すことができる。
Figure 0006334034
一般式(2)中、Xは加水分解性基であり、Yはエポキシ基、(メタ)アクリル基、チオール基又はアミノ基から選択される官能基であり、Lは直接結合又は−OCO−であり、R1は、ヘテロ原子を含んでもよい炭素数1〜10のアルキレン鎖であり、R2は炭素数1〜15の炭化水素基であり、nは0〜3の整数である。
ここで、本明細書において「(メタ)アクリル基」とは、アクリル基及びメタクリル基の両方を意味する。
加水分解性基としては、特に限定されないが、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などのアルコキシ基;アシロキシ基などが挙げられる。その中でも、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などのアルコキシ基は、樹脂基材と表面処理銅箔との間の接着性を高める効果が高いため好ましい。
反応性官能基の末端であるYは、エポキシ基、メタクリル基又はアミノ基であることが好ましい。Yがこれらの官能基である場合、樹脂基材と表面処理銅箔との間の接着性を高める効果が高くなる。また、Yがアミノ基である場合、水などの溶媒に対するシラン化合物の溶解性が高くなるため、均質なシラン処理層を形成することが容易になる。
第2シラン化合物の中でも、一般式(2)において、Xがメトキシ基であり、Yがエポキシ基であり、Lが直接結合であり、R1が、酸素原子を含む炭素数2〜6のアルキレン鎖であり、nが0であるシラン化合物;Xがエトキシ基であり、Yがメタクリル基であり、Lが直接結合であり、R1が炭素数1〜5のアルキレン鎖であり、nが0であるシラン化合物;Xがエトキシ基であり、Yがアミノ基であり、Lが直接結合であり、R1が炭素数2〜6のアルキレン鎖であり、nが0であるシラン化合物;及びXがメトキシ基であり、Yがアミノ基であり、Lが直接結合であり、R1が窒素原子を含む炭素数5〜9のアルキレン鎖であり、nが0であるシラン化合物は、樹脂基材と表面処理銅箔との間の接着性を高める効果が特に高いため好ましい。
第2シラン化合物は、公知の方法によって製造することができるが、市販品を用いてもよい。第2シラン化合物として利用可能な市販品の例としては、信越化学工業株式会社製のKBE503(化学名:3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン)、KBE5803(化学名:8−メタクリロキシオクチルトリメトキシシラン)、KBM5103(化学名:3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン)、KBM4803(化学名:8−グリシドオキシオクチルトリメトキシシラン)、KBM803(化学名:3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン)など;東レ・ダウコーニング株式会社製のZ6030(化学名:3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン)、SH6040(化学名:グリシドキシプロピルトリエトキシシラン)など;和光純薬工業株式会社製のS00550(化学名:4−アミノブチルトリエトキシシラン)、S25035(化学名:N−(6−アミノヘキシル)アミノメチルトリエトキシシラン)などが挙げられる。これらの中でも、第2シラン化合物として好ましい市販品は、SH6040、KBE503、S00550及びS25035である。
第1シラン化合物と第2シラン化合物とを組み合わせて用いる場合、2種類の第1シラン化合物又は第2シラン化合物を組み合わせて用いる場合、その体積比は、好ましくは10:90〜90:10である。特に、第1シラン化合物と第2シラン化合物とを組み合わせて用いる場合、第1シラン化合物と第2シラン化合物との体積比は、より好ましくは25:75〜90:10、さらに好ましくは50:50〜90:10である。体積比を上記範囲内とすることにより、樹脂基材と表面処理銅箔との間の接着性を高める効果を安定して高めることができる。
銅箔としては、特に限定されず、圧延銅箔又は電解銅箔を用いることができる。その中でも圧延銅箔は、表面粗さが小さく、導体損失を低減させることができるため好ましい。また、銅箔は、キャリアと、キャリア上に積層された中間層と、中間層上に積層された銅箔とを備えたキャリア付き銅箔であってもよい。キャリア及び中間層としては、特に限定されず、公知のものを用いることができる。
銅箔の表面には、樹脂基材との接着性を高めるなどの観点から、粗化処理を施すことによって粗化処理層を形成してもよい。ここで、本明細書において「粗化処理層」とは、銅箔上に電着した粗化粒子の層を意味する。
粗化粒子としては、特に限定されず、粗化処理に一般的に用いられる銅、ニッケル、リン、タングステン、ヒ素、モリブデン、クロム、コバルト、亜鉛、又はそれらの1種以上を含む合金から形成された微粒子を用いることができる。
ただし、銅箔表面に電着した粗化粒子は、表皮効果によって導体損失を増大させると共に、粉落ちと称される粗化粒子が剥がれ落ちる現象を引き起こす原因となるため、必要に応じて銅箔表面に電着させる粗化粒子を少なくするか、又は粗化処理を行わない態様としてもよい。
銅箔とシラン処理層との間には、各種特性を向上させる観点から、耐熱処理層、防錆処理層及びクロメート処理層からなる群から選択される1種以上の層を設けてもよい。これらの層は、単層であってもよいが、複数層であってもかまわない。
2種類のシラン化合物を用いて形成されるシラン処理層を有する表面処理銅箔は、2種類のシラン化合物を含む混合溶液を調製した後、銅箔表面に混合物を塗布して乾燥させることでシラン処理層を形成することによって製造することができる。また、1種類のシラン化合物を用いて形成されるシラン処理層を有する表面処理銅箔は、1種類のシラン化合物を含む混合溶液を調製した後、銅箔表面に混合物を塗布して乾燥させることでシラン処理層を形成することによって製造することができる。
混合溶液は、シラン化合物以外に水などの溶媒を含むことができる。混合溶液中のシラン化合物の濃度としては、特に限定されないが、混合溶液中のシラン化合物全体のシラン濃度が0.5体積%〜10体積%となるようにすることが好ましい。また、混合溶液中の溶媒に対する溶解性などの観点からは、混合溶液中のシラン化合物全体のシラン濃度は、好ましくは0.1体積%〜5.0体積%である。
混合溶液は、例えば、シラン化合物を溶媒に加えて混合することによって調製することができる。
シラン処理の条件は、特に限定されず、公知のシラン処理と同様にして行うことができる。例えば、混合溶液の温度を10℃〜60℃、混合溶液のpHを2.0〜14.0、処理時間を1秒〜10秒、乾燥温度を80℃〜150℃、乾燥時間を1秒〜10秒としてシラン処理を行うことによってシラン処理層を形成することができる。混合溶液のpHは中性付近、すなわち3〜10とすることが好ましい。シラン処理に用いるシラン化合物がアミノ基を含む場合、混合溶液のpHを6〜14とすることが好ましい。
シラン処理層に含まれる化合物の同定は既知の方法によって行うことができる。例えばシラン処理層からサンプルを採取し、NMRや、TOF−SIMS等のMSスペクトルを解析することによって行うことができる。
シラン処理を行う前に銅箔表面に粗化処理を施す場合、電気めっき法を用いることができる。粗化粒子の銅箔表面に対する電着量は、電流密度を調製することによって制御することができる。
粗化処理としては、例えば、以下の粗化処理方法(1)や粗化処理方法(2)を用いることができる。
(粗化処理方法(1))
液組成:銅10〜20g/L、ニッケル7〜10g/L、コバルト7〜10g/L
液温:30〜60℃
電流密度:1〜50A/dm2
pH:2.0〜3.0
時間:0.12〜1.15秒
粗化処理によって付着する1dm2当たりの各金属量は、銅15〜40mg、ニッケル100〜1500μg、コバルト700〜2500μgが好ましい。
(粗化処理方法(2))
1次粒子めっき(1)
組成:銅10〜15g/L、ニッケル0〜10g/L、コバルト0〜20g/L、硫酸10〜60g/L
液温:30〜40℃
電流密度:10〜30A/dm2
時間:0.2〜5秒
1次粒子めっき(2)
組成:銅20〜30g/L、硫酸70〜90g/L
液温:30〜50℃
電流密度:10〜30A/dm2
時間:0.2〜5秒
2次粒子めっき
組成:銅10〜20g/L、ニッケル0〜10g/L、コバルト0〜10g/L
液温:30〜40℃
電流密度:10〜30A/dm2
時間:0.2〜5秒
銅箔とシラン処理層との間に耐熱処理層、防錆処理層又はクロメート処理層を設ける場合、シラン処理を行う前に、耐熱処理、防錆処理又はクロメート処理を銅箔表面に行えばよい。これらの処理方法としては、特に限定されず、公知の方法に準じて行うことができる。
上記のようにして製造される表面処理銅箔は、特定のシラン化合物を用いて形成されたシラン処理層によって接着力を高めているため、粗化処理で銅箔表面に電着させた粗化粒子が少ない場合又は粗化処理を行わない場合であっても、樹脂基材に対する接着性を高めることができる。したがって、この表面処理銅箔は、従来の樹脂基材だけでなく、従来の樹脂基材よりも銅箔と接着し難い高周波用途に好適な樹脂基材(液晶ポリマー、低誘電ポリイミドなどの低誘電材料から形成された樹脂基材)等に接合するためにも用いることができる。
本発明の銅張積層板は、上記のような表面処理銅箔のシラン処理層上に、低誘電材料から形成された樹脂基材が接合されている。
ここで、本明細書において「低誘電」とは、誘電正接(1GHz)が0.01以下であることを意味する。
低誘電材料としては、特に限定されないが、液晶ポリマー(LCP)、低誘電ポリイミド、低誘電エポキシ樹脂、フッ素樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂などが挙げられる。
ここで、本明細書において「液晶ポリマー」とは、液相で光学的な異方性を示す芳香族ポリエステルを意味する。液晶ポリマーは、一般に市販されており、例えば、クラレ株式会社製のVecstar(登録商標)シリーズなどを用いることができる。
また、本明細書において「低誘電ポリイミド」とは、例えば、比誘電率(1GHz)が3.3以下、誘電正接(1GHz)が0.005以下のポリイミドを意味する。低誘電ポリイミドは、一般に市販されており、例えば、宇部興産株式会社製のUワニス、ユーピレックス(登録商標)などを用いることができる。
フッ素樹脂としては、例えば、PTFEなどが挙げられる。
ポリフェニレンエーテル樹脂は、ポリスチレンなどの他の樹脂とのコンパウンドも含む。
上記のような構成を有する銅張積層板は、表面処理銅箔のシラン処理層上に樹脂基材を配置した後、表面処理銅箔と樹脂基材との間を加圧して貼り合わせることによって製造することができる。
加圧力としては、特に限定されず、使用する表面処理銅箔及び樹脂基材の種類に応じて適宜設定すればよい。
上記のようにして製造される銅張積層板は、2種類の特定のシラン化合物を用いて形成されたシラン処理層によって接着力を高めた表面処理銅箔を備えているため、表面処理銅箔と樹脂基材との間の接着性に優れている。したがって、この銅張積層板は、フレキシブル配線板、リジッド配線板、シールド材、RF−ID、面状発熱体、放熱体などの用途に用いるのに適している。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、これらによって本発明が限定されるものではない。
各実施例で使用したシラン化合物は以下の通りである。
<第1シラン化合物>
・KBE903(信越化学工業株式会社製,3−アミノプロピルトリエトキシシラン,一般式(1)において、Xがエトキシ基であり、Yがアミノ基であり、R1がプロピレン鎖であり、nが0であるシラン化合物)
・KBM603(信越化学工業株式会社製,N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン,一般式(1)において、Xがメトキシ基であり、Yがアミノ基であり、R1が−(CH23NH(CH22−であり、nが0であるシラン化合物)
・SH6040(東レ・ダウコーニング株式会社製,グリシドキシプロピルトリエトキシシラン,一般式(1)において、Xがエトキシ基であり、Yがエポキシ基であり、R1が−(CH23OCH2−であり、nが0であるシラン化合物)
・KBM4803(信越化学工業株式会社製,8−グリシドオキシオクチルトリメトキシシラン,一般式(2)において、Xがメトキシ基であり、Yがエポキシ基であり、Lが直接結合であり、R1が−(CH28OCH2−であり、nが0であるシラン化合物)
<第2シラン化合物>
・S00550(和光純薬工業株式会社製,4−アミノブチルトリエトキシシラン,一般式(2)において、Xがエトキシ基であり、Yがアミノ基であり、Lが直接結合であり、R1がブチレン鎖であり、nが0であるシラン化合物)
・S25035(和光純薬工業株式会社製,N−(6−アミノヘキシル)アミノメチルトリエトキシシラン,一般式(2)において、Xがエトキシ基であり、Yがアミノ基であり、Lが直接結合であり、R1が−CH2NH(CH26−であり、nが0であるシラン化合物)
・SH6040(東レ・ダウコーニング株式会社製,グリシドキシプロピルトリエトキシシラン,一般式(2)において、Xがエトキシ基であり、Yがエポキシ基であり、Lが直接結合であり、R1が−(CH23OCH2−であり、nが0であるシラン化合物)
・KBE503(信越化学工業株式会社製,3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン,一般式(2)において、Xがエトキシ基であり、Yがメタクリル基であり、Lが−OCO−であり、R1がプロピレン鎖であり、nが0であるシラン化合物)
・Z6030(東レ・ダウコーニング株式会社製,3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン,一般式(2)において、Xがメトキシ基であり、Yがメタクリル基であり、Lが−OCO−であり、R1がプロピレン鎖であり、nが0であるシラン化合物)
・KBM5803(信越化学工業株式会社製,8−メタクリロキシオクチルトリメトキシシラン,一般式(2)において、Xがメトキシ基であり、Yがメタクリル基であり、Lが直接結合であり、R1が−(CH28OCH2−であり、nが0であるシラン化合物)
・KBM5103(信越化学工業株式会社製,3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン,一般式(2)において、Xがメトキシ基であり、Yがアクリル基であり、Lが−OCO−であり、R1がプロピレン鎖であるシラン化合物)
・KBM4803(信越化学工業株式会社製,8−グリシドオキシオクチルトリメトキシシラン,一般式(2)において、Xがメトキシ基であり、Yがエポキシ基であり、Lが直接結合であり、R1が−(CH28OCH2−であり、nが0であるシラン化合物)
・KBM803(信越化学工業株式会社製,3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン,一般式(2)において、Xがメトキシ基であり、Yがチオール(メルカプト)基であり、Lが直接結合であり、R1がプロピレン鎖であり、nが0であるシラン化合物)
・TEOS(信越化学株式会社製,テトラエトキシシラン,テトラアルコキシシラン化合物)
(実施例1)
厚さ12μmの圧延銅箔に対し、上述した粗化処理方法(2)条件で粗化処理を行った。
次に、第1シラン化合物としてKBM903、第2シラン化合物としてS00550を選択し、これらを水に加えて混合することによって混合溶液を調製した。このとき、混合溶液中のシラン化合物全体のシラン濃度は1.2体積%に設定した。また、KBM903とS00550との体積比は90:10に設定した。
次に、この混合物を用い、粗化処理を行った圧延銅箔の表面をシラン処理してシラン処理層を形成することにより、表面処理銅箔を得た。シラン処理の条件は以下の通りとした。
温度:10〜30℃
pH:1〜12
処理時間:1〜5秒
乾燥温度:100〜120℃
乾燥時間:10〜300秒
次に、上記で得られた表面処理銅箔のシラン処理層上に、厚さ50μmの液晶ポリマー(クラレ株式会社製Vecstar(登録商標)CT−Z)からなる樹脂基材を配置した後、加圧して張り合わせることによって銅張積層板を得た。このとき、加圧力は4MPaに設定した。
(実施例2)
KBM903とS00550との体積比を75:25に変更したこと以外は実施例1と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例3)
KBM903とS00550との体積比を50:50に変更したこと以外は実施例1と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例4)
KBM903とS00550との体積比を25:75に変更したこと以外は実施例1と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例5)
KBM903とS00550との体積比を10:90に変更したこと以外は実施例1と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例6)
第2シラン化合物としてS25035を用いたこと以外は実施例1と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例7)
KBM903とS25035との体積比を75:25に変更したこと以外は実施例6と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例8)
KBM903とS25035との体積比を50:50に変更したこと以外は実施例6と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例9)
KBM903とS25035との体積比を25:75に変更したこと以外は実施例6と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例10)
KBM903とS25035との体積比を10:90に変更したこと以外は実施例6と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例11)
第2シラン化合物としてSH6040を用いたこと以外は実施例1と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例12)
KBM903とSH6040との体積比を75:25に変更したこと以外は実施例11と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例13)
KBM903とSH6040との体積比を50:50に変更したこと以外は実施例11と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例14)
KBM903とSH6040との体積比を25:75に変更したこと以外は実施例11と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例15)
KBM903とSH6040との体積比を10:90に変更したこと以外は実施例11と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例16)
第2シラン化合物としてKBE503を用いたこと以外は実施例1と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例17)
KBM903とKBE503との体積比を75:25に変更したこと以外は実施例16と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例18)
KBM903とKBE503との体積比を50:50に変更したこと以外は実施例16と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例19)
KBM903とKBE503との体積比を25:75に変更したこと以外は実施例16と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例20)
KBM903とKBE503との体積比を10:90に変更したこと以外は実施例16と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例21)
第2シラン化合物としてZ6030を用いたこと以外は実施例1と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例22)
KBM903とZ6030との体積比を75:25に変更したこと以外は実施例21と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例23)
KBM903とZ6030との体積比を50:50に変更したこと以外は実施例21と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例24)
KBM903とZ6030との体積比を25:75に変更したこと以外は実施例21と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例25)
第2シラン化合物としてKBM5803を用いたこと以外は実施例1と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例26)
KBM903とKBM5803との体積比を75:25に変更したこと以外は実施例25と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例27)
KBM903とKBM5803との体積比を50:50に変更したこと以外は実施例25と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例28)
KBM903とKBM5803との体積比を25:75に変更したこと以外は実施例25と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例29)
第2シラン化合物としてKBM5103を用いたこと以外は実施例1と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例30)
KBM903とKBM5103との体積比を75:25にしたこと以外は実施例1と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例31)
第2シラン化合物としてKBM803を用いたこと以外は実施例1と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例32)
第2シラン化合物としてKBM4803を用いたこと以外は実施例1と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例33)
第2シラン化合物としてTEOSを用いたこと以外は実施例2と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例34)
KBM903とTEOSとの体積比を50:50にしたこと以外は実施例33と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例35)
KBM903とTEOSとの体積比を25:75にしたこと以外は実施例33と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例36)
第1シラン化合物としてKBM603を用いたこと以外は実施例1と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例37)
KBM603とS00550との体積比を75:25に変更したこと以外は実施例36と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例38)
KBM603とS00550との体積比を50:50に変更したこと以外は実施例36と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例39)
KBM603とS00550との体積比を25:75に変更したこと以外は実施例36と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例40)
第1シラン化合物としてKBM603を用いたこと以外は実施例6と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例41)
KBM603とS25035との体積比を75:25に変更したこと以外は実施例40と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例42)
KBM603とS25035との体積比を50:50に変更したこと以外は実施例40と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例43)
KBM603とS25035との体積比を25:75に変更したこと以外は実施例40と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例44)
第1シラン化合物としてKBM603を用いたこと以外は実施例11と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例45)
KBM603とSH6040との体積比を75:25に変更したこと以外は実施例44と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例46)
KBM603とSH6040との体積比を50:50に変更したこと以外は実施例44と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例47)
KBM603とSH6040との体積比を25:75に変更したこと以外は実施例44と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例48)
第1シラン化合物としてKBM603を用いたこと以外は実施例16と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例49)
KBM603とKBE503との体積比を75:25に変更したこと以外は実施例48と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例50)
KBM603とKBE503との体積比を50:50に変更したこと以外は実施例48と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例51)
KBM603とKBE503との体積比を25:75に変更したこと以外は実施例48と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例52)
第1シラン化合物としてKBM603を用いたこと以外は実施例32と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例53)
KBM603とKBM4803との体積比を75:25に変更したこと以外は実施例52と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例54)
KBM603とKBM4803との体積比を50:50に変更したこと以外は実施例52と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例55)
KBM603とKBM4803との体積比を25:75に変更したこと以外は実施例52と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例56)
第1シラン化合物としてKBM603を用い、KBM603とTEOSとの体積比を90:10に変更したこと以外は実施例33と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例57)
KBM603とTEOSとの体積比を75:25に変更したこと以外は実施例56と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例58)
KBM603とTEOSとの体積比を50:50に変更したこと以外は実施例56と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例59)
KBM603とTEOSとの体積比を25:75に変更したこと以外は実施例56と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例60)
第1シラン化合物としてSH6040を用いたこと以外は実施例56と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例61)
SH6040とTEOSとの体積比を75:25に変更したこと以外は実施例60と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例62)
SH6040とTEOSとの体積比を50:50に変更したこと以外は実施例60と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例63)
SH6040とTEOSとの体積比を25:75に変更したこと以外は実施例60と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例64)
シラン化合物としてKBE903のみを水に加えて混合することによって混合溶液を調製したこと以外は実施例1と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例65)
シラン化合物としてKBM603のみを水に加えて混合することによって混合溶液を調製したこと以外は実施例1と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例66)
シラン化合物としてSH6040のみを水に加えて混合することによって混合溶液を調製したこと以外は実施例1と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例67)
シラン化合物としてKBE503のみを水に加えて混合することによって混合溶液を調製したこと以外は実施例1と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例68)
シラン化合物としてZ6030のみを水に加えて混合することによって混合溶液を調製したこと以外は実施例1と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例69)
シラン化合物としてKBM5803のみを水に加えて混合することによって混合溶液を調製したこと以外は実施例1と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例70)
シラン化合物としてKBM5103のみを水に加えて混合することによって混合溶液を調製したこと以外は実施例1と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例71)
シラン化合物としてKBM803のみを水に加えて混合することによって混合溶液を調製したこと以外は実施例1と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例72)
シラン化合物としてKBM4803のみを水に加えて混合することによって混合溶液を調製したこと以外は実施例1と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例73)
シラン化合物としてS00550のみを水に加えて混合することによって混合溶液を調製したこと以外は実施例1と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例74)
シラン化合物としてS25035のみを水に加えて混合することによって混合溶液を調製したこと以外は実施例1と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例75)
シラン化合物としてTEOSのみを水に加えて混合することによって混合溶液を調製したこと以外は実施例1と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
上記の実施例で得られた銅張積層板について90度ピール強度を測定した。90度ピール強度の測定は、JIS C6471:1995に準拠して行った。具体的には、導体(表面処理銅箔)幅を3mmとし、90度の角度で50mm/分の速度で樹脂基材と表面処理銅箔とを引き剥がしたときの強度を測定した。測定は2回行い、その平均値を90度ピール強度の結果とした。90度ピール強度は、0.25kg/cm以上を合格とした。90度ピール強度は、0.60kg/cm以上が好ましく、0.80kg/cm以上がより好ましく、1.00kg/cm以上がさらに好ましい。
また、上記の実施例のシラン処理で用いた混合物について、シラン化合物の溶媒に対する溶解性を目視観察によって評価した。溶解性の評価では、混合物に白濁及び/又は沈殿が発生しなかったものを〇、白濁及び/又は沈殿が発生したものを△と表す。
これらの結果を表1〜3に示す。
Figure 0006334034
Figure 0006334034
Figure 0006334034
表1〜3に示されるように、実施例1〜75の銅張積層板は、特定のシラン化合物を用いてシラン処理層を形成したため、90度ピール強度が0.25kg/cm以上となり、表面処理銅箔と樹脂基材との間の接着性が高くなった。
以上の結果からわかるように、本発明によれば、樹脂基材、特に高周波用途に好適な樹脂基材との接着性を高めることが可能な表面処理銅箔及びその製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、樹脂基材、特に高周波用途に好適な樹脂基材と表面処理銅箔との間の接着性に優れた銅張積層板を提供することができる。
本発明の表面処理銅箔は、特定のシラン化合物を用いて形成されたシラン処理層を銅箔表面上に有するため、粗化処理で銅箔表面に電着させた粗化粒子が少ない場合又は粗化処理を行わない場合であっても、樹脂基板との接着性が高い。よって、本発明の表面処理銅箔は、銅張積層板の製造に利用することができる。また、本発明の銅張積層板は、樹脂基材との間の接着性に優れているため、フレキシブル配線板、リジッド配線板、シールド材、RF−ID、面状発熱体、放熱体などの用途に利用することができる。

Claims (27)

  1. 第1シラン化合物及び前記第1シラン化合物とは異なる第2シラン化合物を含む混合物、2種類の前記第1シラン化合物を含む混合物、又は2種類の前記第2シラン化合物を含む混合物の硬化物であるシラン処理層を銅箔表面上に有する表面処理銅箔であって、
    前記第1シラン化合物は、アミノ基及びエポキシ基から選択される少なくとも1種を末端に有する反応性官能基と加水分解性基又は炭化水素基とを有するシラン化合物であり、
    前記第2シラン化合物は、エポキシ基、(メタ)アクリル基、チオール基及びアミノ基から選択される少なくとも1種を末端に有する反応性官能基と加水分解性基若しくは炭化水素基とを有するシラン化合物、又はテトラアルコキシシラン化合物である表面処理銅箔。
  2. 第1シラン化合物、又は前記第1シラン化合物とは異なる第2シラン化合物の硬化物であるシラン処理層を銅箔表面上に有する表面処理銅箔であって、
    前記第1シラン化合物は、アミノ基及びエポキシ基から選択される少なくとも1種を末端に有する反応性官能基と加水分解性基又は炭化水素基とを有するシラン化合物であり、
    前記第2シラン化合物は、エポキシ基、(メタ)アクリル基、チオール基及びアミノ基から選択される少なくとも1種を末端に有する反応性官能基と加水分解性基若しくは炭化水素基とを有するシラン化合物又はテトラアルコキシシラン化合物である表面処理銅箔。
  3. 前記第1シラン化合物は、一般式(1):
    Figure 0006334034
    (式中、Xは加水分解性基であり、Yはアミノ基又はエポキシ基から選択される官能基であり、R1はヘテロ原子を含んでもよい炭素数1〜10の炭化水素鎖であり、R2は炭素数1〜15の炭化水素基であり、nは0〜3の整数である)によって表されるシラン化合物である、請求項1又は2に記載の表面処理銅箔。
  4. 前記第2シラン化合物は、一般式(2):
    Figure 0006334034
    (式中、Xは加水分解性基であり、Yはエポキシ基、(メタ)アクリル基、チオール基又はアミノ基から選択される官能基であり、Lは直接結合又は−OCO−であり、R1は、ヘテロ原子を含んでもよい炭素数1〜10のアルキレン鎖であり、R2は炭素数1〜15の炭化水素基であり、nは0〜3の整数である)によって表されるシラン化合物である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の表面処理銅箔。
  5. 前記第1シラン化合物及び前記第2シラン化合物の前記加水分解性基が、メトキシ基、エトキシ基又はプロポキシ基である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の表面処理銅箔。
  6. 前記第1シラン化合物の反応性官能基の末端がアミノ基である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の表面処理銅箔。
  7. 前記一般式(1)において、R1が、炭素数1〜5のアルキレン鎖、又は窒素原子を含む炭素数3〜7のアルキレン鎖であり、nが0である、請求項3〜6のいずれか一項に記載の表面処理銅箔。
  8. 前記第2シラン化合物の反応性官能基の末端が、エポキシ基、メタクリル基又はアミノ基である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の表面処理銅箔。
  9. 前記一般式(2)において、Xがメトキシ基であり、Yがエポキシ基であり、Lが直接結合であり、R1が、酸素原子を含む炭素数2〜6のアルキレン鎖であり、nが0である、請求項4〜8のいずれか一項に記載の表面処理銅箔。
  10. 前記一般式(2)において、Xがエトキシ基であり、Yがメタクリル基であり、Lが直接結合であり、R1が炭素数1〜5のアルキレン鎖であり、nが0である、請求項4〜8のいずれか一項に記載の表面処理銅箔。
  11. 前記一般式(2)において、Xがエトキシ基であり、Yがアミノ基であり、Lが直接結合であり、R1が炭素数2〜6のアルキレン鎖であり、nが0である、請求項4〜8のいずれか一項に記載の表面処理銅箔。
  12. 前記一般式(2)において、Xがメトキシ基であり、Yがアミノ基であり、Lが直接結合であり、R1が窒素原子を含む炭素数5〜9のアルキレン鎖であり、nが0である、請求項4〜8のいずれか一項に記載の表面処理銅箔。
  13. 前記第1シラン化合物が3−アミノプロピルトリエトキシシラン又はN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランであり、前記第2シラン化合物がグリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、4−アミノブチルトリエトキシシラン又はN−(6−アミノヘキシル)アミノメチルトリエトキシシランである、請求項1〜12のいずれか一項に記載の表面処理銅箔。
  14. 前記第1シラン化合物と前記第2シラン化合物との体積比、2種類の前記第1シラン化合物の体積比、又は2種類の前記第2シラン化合物の体積比が10:90〜90:10である、請求項1及び3〜13のいずれか一項に記載の表面処理銅箔。
  15. 前記第1シラン化合物と前記第2シラン化合物との体積比が25:75〜90:10である、請求項1及び3〜14のいずれか一項に記載の表面処理銅箔。
  16. 前記第1シラン化合物がN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランであり、前記第2シラン化合物が4−アミノブチルトリエトキシシランであり、前記第1シラン化合物と前記第2シラン化合物との体積比が50:75〜90:10である、請求項1及び3〜15のいずれか一項に記載の表面処理銅箔。
  17. 前記第1シラン化合物がN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランであり、前記第2シラン化合物がN−(6−アミノヘキシル)アミノメチルトリエトキシシランであり、前記第1シラン化合物と前記第2シラン化合物との体積比が90:10である請求項1及び3〜15のいずれか一項に記載の表面処理銅箔。
  18. 前記第1シラン化合物がN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランであり、前記第2シラン化合物がグリシドキシプロピルトリエトキシシラン又は3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランであり、前記第1シラン化合物と前記第2シラン化合物との体積比が75:25である請求項1及び3〜15のいずれか一項に記載の表面処理銅箔。
  19. 前記第1シラン化合物が3−アミノプロピルトリエトキシシランであり、前記第2シラン化合物がN−(6−アミノヘキシル)アミノメチルトリエトキシシランであり、前記第1シラン化合物と前記第2シラン化合物との体積比が50:50である請求項1及び3〜15のいずれか一項に記載の表面処理銅箔。
  20. 前記銅箔と前記シラン処理層との間に、耐熱処理層、防錆処理層及びクロメート処理層からなる群から選択される1種以上の層を有する、請求項1〜19のいずれか一項に記載の表面処理銅箔。
  21. 樹脂基材に接合される、請求項1〜20のいずれか一項に記載の表面処理銅箔。
  22. 前記樹脂基材が低誘電材料である、請求項21に記載の表面処理銅箔。
  23. 前記低誘電材料が、液晶ポリマー、低誘電ポリイミド、低誘電エポキシ樹脂、フッ素樹脂又はポリフェニレンエーテル樹脂である、請求項22に記載の表面処理銅箔。
  24. 請求項1〜23のいずれか一項に記載の表面処理銅箔の前記シラン処理層上に、樹脂基材が接合された銅張積層板。
  25. 前記樹脂基材が、液晶ポリマー、低誘電ポリイミド、低誘電エポキシ樹脂、フッ素樹脂又はポリフェニレンエーテル樹脂である、請求項24に記載の銅張積層板。
  26. フレキシブル配線板、リジッド配線板、シールド材、RF−ID、面状発熱体又は放熱体に用いられる、請求項24又は25に記載の銅張積層板。
  27. 第1シラン化合物及び前記第1シラン化合物とは異なる第2シラン化合物を含む混合溶液、2種類の前記第1シラン化合物を含む混合溶液、又は2種類の前記第2シラン化合物を含む混合溶液を調製した後、銅箔表面に前記混合溶液を塗布して乾燥させることでシラン処理層を形成する表面処理銅箔の製造方法であって、
    前記第1シラン化合物は、アミノ基及びエポキシ基から選択される少なくとも1種を末端に有する反応性官能基と加水分解性基又は炭化水素基とを有するシラン化合物であり、
    前記第2シラン化合物は、エポキシ基、(メタ)アクリル基、チオール基及びアミノ基から選択される少なくとも1種を末端に有する反応性官能基と加水分解性基若しくは炭化水素基とを有するシラン化合物、又はテトラアルコキシシラン化合物である、表面処理銅箔の製造方法。
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