JP2019049017A - 表面処理銅箔及び銅張積層板 - Google Patents
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Abstract
【課題】樹脂基材、特に高周波用途に好適な樹脂基材との接着性を高めることが可能な表面処理銅箔を提供する。【解決手段】本発明は、シラン化合物の表面処理層を銅箔表面上に有する表面処理銅箔である。この表面処理銅箔は、表面処理層をTOF−SIMSによって測定した際に、C、H及びNからなるフラグメントイオンのピークが検出される。【選択図】なし
Description
本発明は、表面処理銅箔及び銅張積層板に関する。詳細には、本発明は、フレキシブルプリント配線板(FPC)、リジッド配線板、シールド材、RF−ID(radio-frequency identifier)、面状発熱体、放熱体などに用いられる銅張積層板を製造するための表面処理銅箔、及び該表面処理銅箔を用いた銅張積層板に関する。
銅張積層板は、フレキシブルプリント配線板などの各種用途において広く用いられている。このフレキシブルプリント配線板は、銅張積層板の銅箔をエッチングして導体パターン(「配線パターン」とも称される)を形成し、導体パターン上に電子部品を半田で接続して実装することによって製造される。
近年、パソコン、モバイル端末などの電子機器では、通信の高速化及び大容量化に伴い、電気信号の高周波化が進んでおり、これに対応可能なフレキシブルプリント配線板が求められている。特に、電気信号の周波数は、高周波になるほど信号電力の損失(減衰)が大きくなり、データが読み取れなくなり易いため、信号電力の損失を低減することが求められている。
電子回路における信号電力の損失は大きく二つに分けることができる。その一は、導体損失、すなわち銅箔による損失であり、その二は、誘電体損失、すなわち樹脂基材による損失である。
導体損失は、高周波域では表皮効果があり、電流は導体の表面を流れるという特性を有するため、銅箔表面が粗いと複雑な経路を辿って、電流が流れることになる。したがって、導体損失を少なくするためには、銅箔の表面粗さを小さくすることが望ましい。
導体損失は、高周波域では表皮効果があり、電流は導体の表面を流れるという特性を有するため、銅箔表面が粗いと複雑な経路を辿って、電流が流れることになる。したがって、導体損失を少なくするためには、銅箔の表面粗さを小さくすることが望ましい。
他方、誘電体損失は、樹脂基材の種類に依存するため、低誘電材料(例えば、液晶ポリマー、低誘電ポリイミド)から形成された樹脂基材を用いることが望ましい。また、誘電体損失は、銅箔と樹脂基材との間を接着する接着剤によっても影響を受けるため、銅箔と樹脂基材との間は接着剤を用いずに接着することが望ましい。
そこで、銅箔と樹脂基材との間を接着剤なしに接着するために、銅箔に粗化処理を施すと共に、銅箔と樹脂基材との間にシラン化合物の表面処理層を設ける方法が提案されている(例えば、特許文献1)。銅箔の粗化処理は、銅箔表面に粗化粒子が樹木状に形成されるため、アンカー効果によって銅箔と樹脂基材との間の接着性を高めることができる。
そこで、銅箔と樹脂基材との間を接着剤なしに接着するために、銅箔に粗化処理を施すと共に、銅箔と樹脂基材との間にシラン化合物の表面処理層を設ける方法が提案されている(例えば、特許文献1)。銅箔の粗化処理は、銅箔表面に粗化粒子が樹木状に形成されるため、アンカー効果によって銅箔と樹脂基材との間の接着性を高めることができる。
しかしながら、銅箔表面に電着した粗化粒子は、表皮効果によって導体損失を増大させると共に、粉落ちと称される粗化粒子が剥がれ落ちる現象を引き起こす原因となるため、銅箔表面に電着させる粗化粒子を少なくすることが望ましい。他方、銅箔表面に電着させる粗化粒子を少なくすると、粗化粒子によるアンカー効果が低下してしまい、銅箔と樹脂基材との接着性が十分に得られない。特に、液晶ポリマー、低誘電ポリイミドなどの低誘電材料から形成された樹脂基材は、従来の樹脂基材よりも銅箔と接着し難いため、銅箔と樹脂基材との間の接着性を高める別の手段が要求されている。
また、シラン化合物の表面処理層は、銅箔と樹脂基材との間の接着性を向上させる効果を有するものの、その種類によっては、接着性の向上効果が十分とは言えない状況である。
また、シラン化合物の表面処理層は、銅箔と樹脂基材との間の接着性を向上させる効果を有するものの、その種類によっては、接着性の向上効果が十分とは言えない状況である。
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、樹脂基材、特に高周波用途に好適な樹脂基材との接着性を高めることが可能な表面処理銅箔を提供することを目的とする。
また、本発明は、樹脂基材、特に高周波用途に好適な樹脂基材と表面処理銅箔との間の接着性に優れた銅張積層板を提供することを目的とする。
また、本発明は、樹脂基材、特に高周波用途に好適な樹脂基材と表面処理銅箔との間の接着性に優れた銅張積層板を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記のような問題を解決すべく鋭意研究した結果、シラン化合物の表面処理層をTOF−SIMSによって測定した際にピーク検出されるフラグメントイオンの種類が、表面処理層と樹脂基材との間の接着性と関係していることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、シラン化合物の表面処理層を銅箔表面上に有する表面処理銅箔であって、前記表面処理層をTOF−SIMSによって測定した際に、C、H及びNからなるフラグメントイオンのピークが検出される表面処理銅箔である。
また、本発明は、シラン化合物の表面処理層を銅箔表面上に有する表面処理銅箔であって、前記表面処理層をTOF−SIMSによって測定した際に、CaHbYc(式中、aは1〜6であり、bは1〜9であり、cは1〜3であり、YはO又はSである)で表されるフラグメントイオンのピークが検出される表面処理銅箔である。
さらに、本発明は、前記表面処理銅箔の前記表面処理層上に、樹脂基材が接合された銅張積層板である。
また、本発明は、シラン化合物の表面処理層を銅箔表面上に有する表面処理銅箔であって、前記表面処理層をTOF−SIMSによって測定した際に、CaHbYc(式中、aは1〜6であり、bは1〜9であり、cは1〜3であり、YはO又はSである)で表されるフラグメントイオンのピークが検出される表面処理銅箔である。
さらに、本発明は、前記表面処理銅箔の前記表面処理層上に、樹脂基材が接合された銅張積層板である。
本発明によれば、樹脂基材、特に高周波用途に好適な樹脂基材との接着性を高めることが可能な表面処理銅箔を提供することができる。
また、本発明によれば、樹脂基材、特に高周波用途に好適な樹脂基材と表面処理銅箔との間の接着性に優れた銅張積層板を提供することができる。
また、本発明によれば、樹脂基材、特に高周波用途に好適な樹脂基材と表面処理銅箔との間の接着性に優れた銅張積層板を提供することができる。
本発明の表面処理銅箔は、シラン化合物の表面処理層を銅箔表面上に有する。
ここで、本明細書において「シラン化合物の表面処理層」とは、シラン化合物から形成される皮膜のことを意味する。また、「銅箔」とは、銅箔だけでなく銅合金箔を含む。
ここで、本明細書において「シラン化合物の表面処理層」とは、シラン化合物から形成される皮膜のことを意味する。また、「銅箔」とは、銅箔だけでなく銅合金箔を含む。
本発明の表面処理銅箔は、表面処理層をTOF−SIMS(飛行時間型二次イオン質量分析法)によって測定した際に、C、H及びNからなるフラグメントイオン、及び/又はCaHbYc(式中、aは1〜6、好ましくは1〜4であり、bは1〜9、好ましくは3〜7であり、cは1〜3、好ましくは1又は2であり、YはO又はSである)で表されるフラグメントイオンのピークが検出される。詳細な理由は明らかではないが、このようなフラグメントイオンのピークが検出される表面処理層であれば、樹脂基材に対する接着性を向上させることができる。
C、H及びNからなるフラグメントイオンとしては、特に限定されないが、例えば、CH2N、CH4N、C2H2N、C2H3N、C2H4N、C2H5N、C2H6N、C2H6N2、C2H7N、C3H5N2、C3H6N、C3H7N2、C3H9N2、C4H6N、C4H7N2、C4H8N、C4H9N2、C5H9N2、C6H11N2、C6H13N2、C7H2N、C7H13N2などが挙げられる。これらのフラグメントイオンのピークは、1つのみ検出されてもよいし、2種以上検出されてもよい。また、これらのフラグメントイオンの中でも、樹脂基材に対する接着性の観点から、CH2N、CH4N及びC3H6Nのフラグメントイオンのピークが検出されることが好ましい。
CaHbYcで表されるフラグメントイオンとしては、特に限定されないが、例えば、CH3O、13CH3O、C2H3O、C2H5O、C4H5O、C4H7O、C6H9O、CH3S、C4H4S、C4H5Sなどが挙げられる。これらのフラグメントイオンのピークは、1つのみ検出されてもよいし、2種以上検出されてもよい。また、これらのフラグメントイオンの中でも、樹脂基材に対する接着性の観点から、C2H5Oが好ましい。
シラン化合物としては、シラン化合物の表面処理層をTOF−SIMSによって測定した際に、上記のフラグメントイオンのピークが検出されるものであれば特に限定されない。典型的には、シラン化合物は、反応性官能基と加水分解性基とを有する。
ここで、本明細書において「反応性官能基」とは、樹脂基材と化学結合し得る反応基を意味する。また、「加水分解性基」とは、水分によって加水分解され、銅箔と化学結合し得る反応基を意味する。
ここで、本明細書において「反応性官能基」とは、樹脂基材と化学結合し得る反応基を意味する。また、「加水分解性基」とは、水分によって加水分解され、銅箔と化学結合し得る反応基を意味する。
シラン化合物の反応性官能基としては、特に限定されないが、樹脂基材に対する接着性の観点から、アミノ基、(メタ)アクリル基、チオール基(メルカプト基)及びエポキシ基から選択される少なくとも1種を末端に有することが好ましい。なお、「(メタ)アクリル基」とは、アクリル基及びメタクリル基の両方を意味する。
シラン化合物の加水分解性基としては、特に限定されないが、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などのアルコキシ基;アシロキシ基などが挙げられる。その中でも、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などのアルコキシ基は、樹脂基材と表面処理銅箔との間の接着性を高める効果が高いため好ましい。
シラン化合物の加水分解性基としては、特に限定されないが、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などのアルコキシ基;アシロキシ基などが挙げられる。その中でも、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などのアルコキシ基は、樹脂基材と表面処理銅箔との間の接着性を高める効果が高いため好ましい。
シラン化合物は、公知の方法によって製造することができるが、市販品を用いてもよい。シラン化合物として利用可能な市販品の例としては、信越化学工業株式会社製のKBM603(N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン)、KBE603(N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン)、KBE903(3−アミノプロピルトリエトキシシラン)、KBM4803(8−グリシドオキシオクチルトリメトキシシラン)、KBE503(3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン)、KBE5803(8−メタクリロキシオクチルトリメトキシシラン)、KBM5103(3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン)、KBM803(3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン)、KBE803(3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン)など;東レ・ダウコーニング株式会社製のSH6040(グリシドキシプロピルトリエトキシシラン)、Z6030(3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン)など;和光純薬工業株式会社製のS00550(4−アミノブチルトリエトキシシラン)、S25035(N−(6−アミノヘキシル)アミノメチルトリエトキシシラン)などが挙げられる。
シラン化合物は、2種以上のシラン化合物の混合物であることが好ましい。2種以上のシラン化合物の混合物を用いることにより、樹脂基材と表面処理銅箔との間の接着性を高めることができる。
2種以上のシラン化合物の混合比率は、特に限定されず、使用するシラン化合物の種類に応じて適宜調整すればよい。
2種以上のシラン化合物の混合比率は、特に限定されず、使用するシラン化合物の種類に応じて適宜調整すればよい。
銅箔としては、特に限定されず、圧延銅箔又は電解銅箔を用いることができる。その中でも圧延銅箔は、表面粗さが小さく、導体損失を低減させることができるため好ましい。また、銅箔は、キャリアと、キャリア上に積層された中間層と、中間層上に積層された銅箔とを備えたキャリア付き銅箔であってもよい。キャリア及び中間層としては、特に限定されず、公知のものを用いることができる。
銅箔の表面には、樹脂基材との接着性を高めるなどの観点から、粗化処理を施すことによって粗化処理層を形成してもよい。ここで、本明細書において「粗化処理層」とは、銅箔上に電着した粗化粒子の層を意味する。
粗化粒子としては、特に限定されず、粗化処理に一般的に用いられる銅、ニッケル、リン、タングステン、ヒ素、モリブデン、クロム、コバルト、亜鉛、又はそれらの1種以上を含む合金から形成された微粒子が挙げられる。
ただし、銅箔表面に電着した粗化粒子は、表皮効果によって導体損失を増大させると共に、粉落ちと称される粗化粒子が剥がれ落ちる現象を引き起こす原因となるため、必要に応じて銅箔表面に電着させる粗化粒子を少なくするか、又は粗化処理を行わない態様としてもよい。
銅箔の表面には、樹脂基材との接着性を高めるなどの観点から、粗化処理を施すことによって粗化処理層を形成してもよい。ここで、本明細書において「粗化処理層」とは、銅箔上に電着した粗化粒子の層を意味する。
粗化粒子としては、特に限定されず、粗化処理に一般的に用いられる銅、ニッケル、リン、タングステン、ヒ素、モリブデン、クロム、コバルト、亜鉛、又はそれらの1種以上を含む合金から形成された微粒子が挙げられる。
ただし、銅箔表面に電着した粗化粒子は、表皮効果によって導体損失を増大させると共に、粉落ちと称される粗化粒子が剥がれ落ちる現象を引き起こす原因となるため、必要に応じて銅箔表面に電着させる粗化粒子を少なくするか、又は粗化処理を行わない態様としてもよい。
銅箔と表面処理層との間には、各種特性を向上させる観点から、耐熱処理層、防錆処理層及びクロメート処理層からなる群から選択される1種以上の層を設けてもよい。これらの層は、単層であってもよいが、複数層であってもかまわない。
上記の特性を備える表面処理層を銅箔表面上に有する表面処理銅箔は、シラン化合物を含む溶液を調製した後、この溶液を用いて銅箔を表面処理することによって製造することができる。
シラン化合物を含む溶液は、シラン化合物以外に水などの溶媒を含むことができる。溶液中のシラン化合物の濃度としては、特に限定されないが、溶液中のシラン化合物のシラン濃度が0.5体積%〜10体積%となるようにすることが好ましい。また、溶液中の溶媒に対する溶解性などの観点からは、溶液中のシラン化合物全体のシラン濃度は、好ましくは0.1体積%〜5.0体積%である。
シラン化合物を含む溶液は、例えば、シラン化合物を溶媒に加えて混合することによって調製することができる。
シラン化合物を含む溶液は、シラン化合物以外に水などの溶媒を含むことができる。溶液中のシラン化合物の濃度としては、特に限定されないが、溶液中のシラン化合物のシラン濃度が0.5体積%〜10体積%となるようにすることが好ましい。また、溶液中の溶媒に対する溶解性などの観点からは、溶液中のシラン化合物全体のシラン濃度は、好ましくは0.1体積%〜5.0体積%である。
シラン化合物を含む溶液は、例えば、シラン化合物を溶媒に加えて混合することによって調製することができる。
表面処理の条件は、使用するシラン化合物の種類に応じて適宜調整すればよい。具体的には、溶液の温度を10℃〜30℃、溶液のpHを1〜12、処理時間を1秒〜5秒、乾燥温度を100℃〜150℃、乾燥時間を10秒〜300秒として表面処理を行うことにより、TOF−SIMSによって測定した際に、上記のフラグメントイオンのピークが検出される表面処理層を形成することができる。また、溶液のpHは、特に中性付近、すなわち3〜10とすることが好ましい。シラン化合物がアミノ基を含む場合、溶液のpHを6〜12とすることが好ましい。
表面処理を行う前に銅箔表面に粗化処理を施す場合、電気めっき法を用いることができる。粗化粒子の銅箔表面に対する電着量は、電流密度を調製することによって制御することができる。
粗化処理としては、例えば、以下の粗化処理方法(1)や粗化処理方法(2)を用いることができる。
<粗化処理方法(1)>
液組成:銅10〜20g/L、ニッケル7〜10g/L、コバルト7〜10g/L
液温:30〜60℃
電流密度:1〜50A/dm2
pH:2.0〜3.0
時間:0.12〜1.15秒
粗化処理によって付着する1dm2当たりの各金属量は、銅15〜40mg、ニッケル100〜1500μg、コバルト700〜2500μgが好ましい。
粗化処理としては、例えば、以下の粗化処理方法(1)や粗化処理方法(2)を用いることができる。
<粗化処理方法(1)>
液組成:銅10〜20g/L、ニッケル7〜10g/L、コバルト7〜10g/L
液温:30〜60℃
電流密度:1〜50A/dm2
pH:2.0〜3.0
時間:0.12〜1.15秒
粗化処理によって付着する1dm2当たりの各金属量は、銅15〜40mg、ニッケル100〜1500μg、コバルト700〜2500μgが好ましい。
<粗化処理方法(2)>
1次粒子めっき(1)
液組成:銅10〜15g/L、ニッケル0〜10g/L、コバルト0〜20g/L、硫酸10〜60g/L
液温:30〜40℃
電流密度:10〜30A/dm2
時間:0.2〜5秒
1次粒子めっき(2)
液組成:銅20〜30g/L、硫酸70〜90g/L
液温:30〜50℃
電流密度:10〜30A/dm2
時間:0.2〜5秒
2次粒子めっき
液組成:銅10〜20g/L、ニッケル0〜10g/L、コバルト0〜10g/L
液温:30〜40℃
電流密度:10〜30A/dm2
時間:0.2〜5秒
1次粒子めっき(1)
液組成:銅10〜15g/L、ニッケル0〜10g/L、コバルト0〜20g/L、硫酸10〜60g/L
液温:30〜40℃
電流密度:10〜30A/dm2
時間:0.2〜5秒
1次粒子めっき(2)
液組成:銅20〜30g/L、硫酸70〜90g/L
液温:30〜50℃
電流密度:10〜30A/dm2
時間:0.2〜5秒
2次粒子めっき
液組成:銅10〜20g/L、ニッケル0〜10g/L、コバルト0〜10g/L
液温:30〜40℃
電流密度:10〜30A/dm2
時間:0.2〜5秒
銅箔と表面処理層との間に耐熱処理層、防錆処理層又はクロメート処理層を設ける場合、表面処理を行う前に、耐熱処理、防錆処理又はクロメート処理を銅箔表面に行えばよい。これらの処理方法としては、特に限定されず、公知の方法に準じて行うことができる。
上記のようにして製造される表面処理銅箔は、TOF−SIMSによって測定した際に特定のフラグメントイオンのピークが検出される表面処理層を有しているため、表面処理層と樹脂基材との間の接着性が高い。特に、この表面処理銅箔は、粗化処理で銅箔表面に電着させた粗化粒子が少ない場合又は粗化処理を行わない場合であっても、樹脂基材に対する接着性を高めることができる。したがって、この表面処理銅箔は、従来の樹脂基材のみならず、従来の樹脂基材よりも銅箔と接着し難い高周波用途に好適な樹脂基材(液晶ポリマー、低誘電ポリイミドなどの低誘電材料から形成された樹脂基材)などに接合するためにも用いることができる。
本発明の銅張積層板は、上記のような表面処理銅箔の表面処理層上に樹脂基材が接合されている。樹脂基材としては、低誘電材料から形成された樹脂基材であることが好ましい。
ここで、本明細書において「低誘電」とは、誘電正接(1GHz)が0.01以下であることを意味する。
低誘電材料としては、特に限定されないが、液晶ポリマー(LCP)、低誘電ポリイミド、低誘電エポキシ樹脂、フッ素樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂などが挙げられる。
ここで、本明細書において「液晶ポリマー」とは、液相で光学的な異方性を示す芳香族ポリエステルを意味する。液晶ポリマーは、一般に市販されており、例えば、クラレ株式会社製のVecstar(登録商標)シリーズなどを用いることができる。
また、本明細書において「低誘電ポリイミド」とは、例えば、比誘電率(1GHz)が3.3以下、誘電正接(1GHz)が0.005以下のポリイミドを意味する。低誘電ポリイミドは、一般に市販されており、例えば、宇部興産株式会社製のUワニス、ユーピレックス(登録商標)などを用いることができる。
フッ素樹脂としては、例えば、PTFEなどが挙げられる。
ポリフェニレンエーテル樹脂は、ポリスチレンなどの他の樹脂とのコンパウンドも含む。
ここで、本明細書において「低誘電」とは、誘電正接(1GHz)が0.01以下であることを意味する。
低誘電材料としては、特に限定されないが、液晶ポリマー(LCP)、低誘電ポリイミド、低誘電エポキシ樹脂、フッ素樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂などが挙げられる。
ここで、本明細書において「液晶ポリマー」とは、液相で光学的な異方性を示す芳香族ポリエステルを意味する。液晶ポリマーは、一般に市販されており、例えば、クラレ株式会社製のVecstar(登録商標)シリーズなどを用いることができる。
また、本明細書において「低誘電ポリイミド」とは、例えば、比誘電率(1GHz)が3.3以下、誘電正接(1GHz)が0.005以下のポリイミドを意味する。低誘電ポリイミドは、一般に市販されており、例えば、宇部興産株式会社製のUワニス、ユーピレックス(登録商標)などを用いることができる。
フッ素樹脂としては、例えば、PTFEなどが挙げられる。
ポリフェニレンエーテル樹脂は、ポリスチレンなどの他の樹脂とのコンパウンドも含む。
上記のような構成を有する銅張積層板は、表面処理銅箔の表面処理層上に樹脂基材を配置した後、表面処理銅箔と樹脂基材との間を加圧して接合することによって製造することができる。
加圧力としては、特に限定されず、使用する表面処理銅箔及び樹脂基材の種類に応じて適宜設定すればよい。
加圧力としては、特に限定されず、使用する表面処理銅箔及び樹脂基材の種類に応じて適宜設定すればよい。
上記のようにして製造される銅張積層板は、TOF−SIMSによって測定した際に特定のフラグメントイオンのピークが検出される表面処理層を有する表面処理銅箔を備えているため、表面処理銅箔と樹脂基材との間の接着性に優れている。したがって、この銅張積層板は、フレキシブル配線板、リジッド配線板、シールド材、RF−ID、面状発熱体、放熱体などの用途に用いるのに適している。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、これらによって本発明が限定されるものではない。
各実施例で使用したシラン化合物は以下の通りである。
・KBE903(信越化学工業株式会社製,3−アミノプロピルトリエトキシシラン)
・KBE603(信越化学工業株式会社製,N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン
・SH6040(東レ・ダウコーニング株式会社製,グリシドキシプロピルトリエトキシシラン)
・KBM5803(信越化学工業株式会社製,8−メタクリロキシオクチルトリメトキシシラン)
・KBE503(信越化学工業株式会社製,3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン)
・KBE803(信越化学工業株式会社製,3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン)
・KBM603(信越化学工業株式会社製,N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン)
各実施例で使用したシラン化合物は以下の通りである。
・KBE903(信越化学工業株式会社製,3−アミノプロピルトリエトキシシラン)
・KBE603(信越化学工業株式会社製,N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン
・SH6040(東レ・ダウコーニング株式会社製,グリシドキシプロピルトリエトキシシラン)
・KBM5803(信越化学工業株式会社製,8−メタクリロキシオクチルトリメトキシシラン)
・KBE503(信越化学工業株式会社製,3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン)
・KBE803(信越化学工業株式会社製,3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン)
・KBM603(信越化学工業株式会社製,N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン)
(実施例1)
厚さ12μmの圧延銅箔に対し、上述した粗化処理方法(2)条件で粗化処理を行った。粗化処理を行った圧延銅箔を表面処理して表面処理層を形成することにより、表面処理銅箔を得た。表面処理の条件は以下の通りとした。
シラン化合物:KBE−903
溶液中のシラン化合物の濃度:0.5〜5.0体積%
温度:10〜30℃
pH:1〜12
処理時間:1〜5秒
乾燥温度:100〜150℃
乾燥時間:10〜300秒
厚さ12μmの圧延銅箔に対し、上述した粗化処理方法(2)条件で粗化処理を行った。粗化処理を行った圧延銅箔を表面処理して表面処理層を形成することにより、表面処理銅箔を得た。表面処理の条件は以下の通りとした。
シラン化合物:KBE−903
溶液中のシラン化合物の濃度:0.5〜5.0体積%
温度:10〜30℃
pH:1〜12
処理時間:1〜5秒
乾燥温度:100〜150℃
乾燥時間:10〜300秒
次に、上記で得られた表面処理銅箔の表面処理層上に、厚さ50μmの液晶ポリマー(クラレ株式会社製Vecstar(登録商標)CT−Z)からなる樹脂基材を配置した後、加圧して接合することによって銅張積層板を得た。このとき、加圧力は4MPaに設定した。
(実施例2)
シラン化合物をKBE−603に変更したこと以外は実施例1と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例3)
シラン化合物をSH−6040に変更したこと以外は実施例1と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例4)
シラン化合物をKBM−5803に変更したこと以外は実施例1と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例5)
シラン化合物をKBE−503に変更したこと以外は実施例1と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
シラン化合物をKBE−603に変更したこと以外は実施例1と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例3)
シラン化合物をSH−6040に変更したこと以外は実施例1と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例4)
シラン化合物をKBM−5803に変更したこと以外は実施例1と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例5)
シラン化合物をKBE−503に変更したこと以外は実施例1と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例6)
シラン化合物をKBE−803に変更したこと以外は実施例1と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例7)
シラン化合物をKBM−603とSH−6040との混合物に変更したこと以外は実施例1と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例8)
シラン化合物をKBM−603とKBE−503との混合物に変更したこと以外は実施例1と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
シラン化合物をKBE−803に変更したこと以外は実施例1と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例7)
シラン化合物をKBM−603とSH−6040との混合物に変更したこと以外は実施例1と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
(実施例8)
シラン化合物をKBM−603とKBE−503との混合物に変更したこと以外は実施例1と同様にして表面処理銅箔及び銅張積層板を作製した。
上記の実施例で得られた銅張積層板について90度ピール強度を測定した。90度ピール強度の測定は、JIS C6471:1995に準拠して行った。具体的には、導体(表面処理銅箔)幅を3mmとし、90度の角度で50mm/分の速度で樹脂基材と表面処理銅箔との間を引き剥がしたときの強度を測定した。測定は2回行い、その平均値を90度ピール強度の結果とした。90度ピール強度は、0.25kg/cm以上を合格とした。90度ピール強度は、0.60kg/cm以上が好ましく、0.80kg/cm以上がより好ましく、1.00kg/cm以上がさらに好ましい。
上記の実施例で得られた表面処理銅箔の表面処理層についてTOF−SIMS分析を行った。分析条件は以下に示す。
装置:Ion−tof社製TOF−SIMS 4S
一次イオン種:Bi3+
測定モード:positive
測定面積:200μm×200μm
中和銃使用:無
バックグラウンドに対して0.5×101以上の強度を有するピークを、シラン化合物の表面処理層に由来するフラグメントイオンとした。
上記の評価結果を表1に示す。
装置:Ion−tof社製TOF−SIMS 4S
一次イオン種:Bi3+
測定モード:positive
測定面積:200μm×200μm
中和銃使用:無
バックグラウンドに対して0.5×101以上の強度を有するピークを、シラン化合物の表面処理層に由来するフラグメントイオンとした。
上記の評価結果を表1に示す。
表1に示されるように、実施例1〜8の表面処理銅箔の表面処理層は、TOF−SIMSによって測定した際に特定のフラグメントイオンのピークが検出されることを確認した。また、この表面処理層を有する表面処理銅箔を用いて形成した銅張積層板は、表面処理層と樹脂基材との間の90度ピール強度が0.25kg/cm以上であり、接着性が高いことを確認した。
以上の結果からわかるように、本発明によれば、樹脂基材、特に高周波用途に好適な樹脂基材との接着性を高めることが可能な表面処理銅箔を提供することができる。また、本発明によれば、樹脂基材、特に高周波用途に好適な樹脂基材と表面処理銅箔との間の接着性に優れた銅張積層板を提供することができる。
本発明の表面処理銅箔は、樹脂基板との接着性が高い表面処理層を有するため、銅張積層板の製造に利用することができる。また、本発明の銅張積層板は、樹脂基材と表面処理銅箔との間の接着性に優れているため、フレキシブル配線板、リジッド配線板、シールド材、RF−ID、面状発熱体、放熱体などの用途に利用することができる。
Claims (11)
- シラン化合物の表面処理層を銅箔表面上に有する表面処理銅箔であって、
前記表面処理層をTOF−SIMSによって測定した際に、C、H及びNからなるフラグメントイオンのピークが検出される表面処理銅箔。 - シラン化合物の表面処理層を銅箔表面上に有する表面処理銅箔であって、
前記表面処理層をTOF−SIMSによって測定した際に、CaHbYc(式中、aは1〜6であり、bは1〜9であり、cは1〜3であり、YはO又はSである)で表されるフラグメントイオンのピークが検出される表面処理銅箔。 - 前記表面処理層をTOF−SIMSによって測定した際に、CaHbYc(式中、aは1〜6であり、bは1〜9であり、cは1〜3であり、YはO又はSである)で表されるフラグメントイオンのピークが検出される、請求項1に記載の表面処理銅箔。
- 前記シラン化合物が、2種以上のシラン化合物の混合物である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の表面処理銅箔。
- 前記銅箔と前記表面処理層との間に、耐熱処理層、防錆処理層及びクロメート処理層からなる群から選択される1種以上の層を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の表面処理銅箔。
- 樹脂基材に接合される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の表面処理銅箔。
- 前記樹脂基材が低誘電材料である、請求項6に記載の表面処理銅箔。
- 前記低誘電材料が、液晶ポリマー、低誘電ポリイミド、低誘電エポキシ樹脂、フッ素樹脂又はポリフェニレンエーテル樹脂である、請求項7に記載の表面処理銅箔。
- 請求項1〜8のいずれか一項に記載の表面処理銅箔の前記表面処理層上に、樹脂基材が接合された銅張積層板。
- 前記樹脂基材が、液晶ポリマー、低誘電ポリイミド、低誘電エポキシ樹脂、フッ素樹脂又はポリフェニレンエーテル樹脂である、請求項9に記載の銅張積層板。
- フレキシブル配線板、リジッド配線板、シールド材、RF−ID、面状発熱体又は放熱体に用いられる、請求項9又は10に記載の銅張積層板。
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