JP6334021B1 - 平面道路の液状化変形抑制対策構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】地震の際に路床・路体・原地盤が液状化を起こす場合であっても舗装・路床・路体・原地盤などから構成される平面道路の変形を抑制する平面道路の面状補強材による液状化変形抑制対策を提供すること。【解決手段】平面道路が、面状補強材RSと砕石層132とからなる液状化対策層130で一部構築されている平面道路の面状補強材による液状化変形抑制対策構造100で液状化の変形を抑制し、段差対策、沈下対策、舗装の亀裂や波うちを軽減し、平面道路の機能確保あるいは修復が容易で早期復旧が可能な対策。【選択図】図5A

Description

本発明は、平面道路の液状化変形抑制対策構造に関するものであって、特に、地震の際に路床・路体・原地盤が液状化を起こす場合であっても平面道路の変形を抑制する平面道路の液状化変形抑制対策構造に関するものである。
従来、港湾には、港施設・発電所・石油設備・化成品生産工場などの重要構造物が多く建設されている。
昨今の地震の多発に対し、港湾の土壌には埋立て砂地盤などの液状化を生じ易い地盤が多く存在するため、このような地盤を改良して液状化被害の低減に注力する必要がある。
現在、液状化対策工法として、杭改良工法やサンドコンパクションパイル工法による地盤改良などの液状化を起こさせない工法が上げられる。
また、盛土を対象としたいわゆるSecure−Gと称する液状化対策工法によって液状化を起こさせない工法もある(特許文献1参照)。
特開2009−249999号公報
従来の杭改良工法やサンドコンパクションパイル工法による地盤改良などは、何れも、高コスト、長い工期、工事中に生ずる振動や騒音など、種々の問題を抱えていた。
また、盛土を対象としたSecure−G液状化対策工法は、地震の際、平面道路のような軽い上載荷重が付加されている場合、盛土のような重い上載荷重が付加されている場合と比較すると、盤的効果や補強シートのストレッチ抑制効果が発揮され難いため、平面道路の液状化対策工法に適用できないという問題があった。
一方、2015年春先、国土交通省より国土強靭化の具体的指針が示され、土工物における性能設計・連続性能などが明確にされた。
例えば、性能2では、レベル2の地震動の際、路面の変形や路床・路体の液状化などを許容する代わりに液状化によって変形した路面や路床・路体などの修復を容易にするという考え方が明記されている。
そこで、本発明は、前述したような従来技術の問題を解決するものであって、すなわち、本発明の目的は、地震の際に路床・路体・原地盤が液状化を起こす場合であっても舗装・路床・路体・原地盤などから構成された平面道路における沈下や舗装面の亀裂や路面の波打ち現象による変形を抑制して平面道路の保形性を確保する平面道路の液状化変形抑制対策構造を提供することである。
本請求項1に係る発明は、複数の縦帯と該複数の縦帯を連結補強する横帯とを格子状に配置して平面道路に沿って敷設される面状補強材と該面状補強材を狭んで設けられる砕石層とからなる液状化変形抑制対策層で平面道路の一部を構築する平面道路の液状化変形抑制対策構造であって、前記面状補強材を形成する縦帯および横帯の少なくとも一方が、通常の工業用ポリエステル繊維より高弾性係数の高弾性補強材で構成され、前記面状補強材を形成する縦帯および横帯の少なくとも一方の厚みが、4mm以上を有して前記面状補強材と砕石層との摩擦係数を大きくするように選定されていることにより、前述した課題を解決するものである。
本請求項2に係る発明は、請求項1に記載された発明の構成に加えて、前記面状補強材が、前記平面道路の路床、路体および原地盤の少なくとも1つに配置されていることにより、前述した課題をさらに解決するものである。
本請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に記載された発明の構成に加えて、前記面状補強材と砕石層とが、前記平面道路の変形抑制を発揮するように構成されていることにより、前述した課題をさらに解決するものである。
(削 除)
本請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載された発明の構成に加えて、前記面状補強材が、前記平面道路に沿って敷設される複数の縦帯と該複数の縦帯を連結補強する横帯とを格子状に配置して形成された格子目を有していること、あるいは、トライアングル構造の目を有していることにより、前述した課題をさらに解決するものである。
(削 除)
本請求項5に係る発明は、請求項4に記載された発明の構成に加えて、前記面状補強材の格子目あるいはトライアングル構造の目が、前記砕石層を構築する砕石の粒径よりも大きいことにより、前述した課題をさらに解決するものである。
本請求項6に係る発明は、請求項4または請求項5に記載された発明の構成に加えて、前記面状補強材の格子目あるいはトライアングル構造の目が、40mm以上の縦格子間隔もしくは横格子間隔あるいは構造目間隔を有していることにより、前述した課題をさらに解決するものである。
(削 除)
(削 除)
本請求項7に係る発明は、請求項1乃至請求項6のいずれか1つに記載された発明の構成に加えて、前記高弾性補強材が、鉄とアラミド繊維とカーボン繊維と他の高弾性係数を有する合成繊維とのいずれかであることにより、前述した課題をさらに解決するものである。
本請求項8に係る発明は、請求項7に記載された発明の構成に加えて、前記高弾性補強材が、前記縦帯および横帯の少なくとも一方の長手方向に一致して使用されている、あるいは、縦帯及び横帯ともに使用されていることにより、前述した課題をさらに解決するものである。
本請求項9に係る発明は、請求項1乃至請求項8のいずれか1つに記載された発明の構成に加えて、前記面状補強材が、前記液状化変形抑制対策層の道路縦断方向および道路横断方向に高弾性係数を有する高弾性補強材を敷設していることにより、前述した課題をさらに解決するものである。
(削 除)
本請求項10に係る発明は、請求項1乃至請求項9のいずれか1つに記載された発明の構成に加えて、前記面状補強材が、前記液状化変形抑制対策層の道路縦断方向および道路横断方向に高弾性係数を有する高弾性補強材を複数敷設していることにより、前述した課題をさらに解決するものである。
(削 除)
本請求項11に係る発明は、請求項10に記載された発明の構成に加えて、前記液状化変形抑制対策層の上下に離間配置した面状補強材の相互間が、連結部材によって連結されていることにより、前述した課題をさらに解決するものである。
本請求項12に係る発明は、請求項1乃至請求項11のいずれか1つに記載された発明の構成に加えて、前記面状補強材を挟む砕石層が、透水係数1x10-4m/s以上の透水性と強度定数φ35°以上のせん断応力とを有することにより、前述した課題をさらに解決するものである。
本請求項1に係る平面道路の液状化変形抑制対策構造は、複数の縦帯とこれらの縦帯を連結補強する横帯とを格子状に配置して平面道路に沿って敷設される面状補強材とこの面状補強材を狭んで設けられる砕石層とからなる液状化変形抑制対策層で平面道路の一部を構築することにより、従来の盛土よりも軽い上載荷重が付加された状態の平面道路であっても、面状補強材が砕石層を拘束して面状補強材と砕石層との一体性を向上させるため、地震によって液状化しても、液状化変形抑制対策層が平面道路における沈下や舗装面の亀裂や路面の波打ち現象による変形を抑制して平面道路の保形性を確保することができる
そして、面状補強材を形成する縦帯および横帯の少なくとも一方が、通常の工業用ポリエステル繊維より高弾性係数の高弾性補強材で構成されていることにより、地震によって路床・路体が液状化した際、液状化変形抑制対策層の形状を確実に維持することができる。
加えて、面状補強材を形成する縦帯および横帯の少なくとも一方の厚みが、4mm以上を有してことにより、砕石層との摩擦をより確実にするため、地震の際に面状補強材の縦帯および横帯が十分な強度を発揮することができる。
しかも、面状補強材が、砕石層と面状補強材との摩擦係数が大きくなるように選定されていることにより、面状補強材が砕石層を構築する砕石の粒形状・粒寸法に応じて採用されるため、地震の規模が大きな場合であっても、砕石層と面状補強材との一体性を保持して平面道路における路面の性能を維持すべく路面の変形を抑制することができる。
本請求項2に係る発明は、請求項1に記載された発明が奏する効果に加えて、面状補強材が、平面道路の路床、路体および原地盤の少なくとも1つに配置されていることにより、路床、路体および原地盤が平面道路の施工環境や掘削規模や液状化の発生予測に応じて選択的に強化されるため、平面道路に対して効果的な面状補強材による液状化変形抑制対策構造を構築することができる。
本請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に記載された発明が奏する効果に加えて、面状補強材と砕石層とが、平面道路の変形抑制を発揮するように構成されていることにより、砕石層のみで平面道路を変形抑制するよりも大きな変形抑制力が生じるため、平面道路の路床や路体の変形を確実に抑制することができる。
(削 除)
本請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載された発明が奏する効果に加えて、面状補強材が、平面道路に沿って敷設される複数の縦帯とこの複数の縦帯を連結補強する横帯とを格子状に配置して形成された格子目を有していること、あるいは、トライアングル構造の目を有していることにより、砕石層と面状補強材との摩擦係数を大きくして液状化変形抑制対策層の一体性をさらに増すことができる。
(削 除)
本請求項5に係る発明は、請求項4に記載された発明が奏する効果に加えて、面状補強材の格子目あるいはトライアングル構造の目が、砕石層を構築する砕石の粒径よりも大きいことにより、摩擦力を発揮するところとなるため、平面道路の保形性をより確保することができる。
本請求項6に係る発明は、請求項4または請求項5に記載された発明が奏する効果に加えて、面状補強材の格子目あるいはトライアングル構造の目が、40mm以上の縦格子間隔もしくは横格子間隔あるいは構造目間隔を有していることにより、面状補強材の格子目あるいはトライアングル構造の目に40mm以下の粒径を有する砕石が拘束されるため、面状補強材と砕石層との摩擦力を発揮することができる。
(削 除)
(削 除)
本請求項7に係る発明は、請求項1乃至請求項6のいずれか1つに記載された発明が奏する効果に加えて、高弾性補強材が、鉄とアラミド繊維とカーボン繊維と他の高弾性係数を有する合成繊維とのいずれかであることにより、他の繊維、例えば、通常の工業用ポリエステル繊維よりも引張応力に対するひずみ量が少なくなるため、面状補強材の変形に起因した液状化変形抑制対策層の変形を確実に抑制することができる。
本請求項8に係る発明は、請求項7に記載された発明が奏する効果に加えて、高弾性補強材が、前記縦帯および横帯の少なくとも一方の長手方向に一致して使用されている、あるいは、縦帯及び横帯ともに使用されていることにより、面状補強材を敷設した際に得られる高弾性の方向が縦帯もしくは横帯の方向と一致するため、縦帯もしくは横帯の敷設方向によって液状化変形抑制対策層に必要な高弾性の方向を簡便に選定することができる。
本請求項9に係る発明は、請求項1乃至請求項8のいずれか1つに記載された発明が奏する効果に加えて、面状補強材が、前記液状化変形抑制対策層の道路縦断方向および道路横断方向に高弾性係数を有する高弾性補強材を敷設していることにより、道路縦断方向および道路横断方向の双方向への高剛性を発揮するため、道路縦断方向および道路横断方向に対する平面道路の路床や路体の変形を抑制することができる。
(削 除)
本請求項10に係る発明は、請求項1乃至請求項9のいずれか1つに記載された発明が奏する効果に加えて、面状補強材が、前記液状化変形抑制対策層の道路縦断方向および道路横断方向に高弾性係数を有する高弾性補強材を複数敷設していることにより、道路縦断方向および道路横断方向の双方向への高弾性係数のため、道路縦断方向および道路横断方向に対する平面道路の路床や路体の変形をより抑制することができる。
(削 除)
本請求項11に係る発明は、請求項10に記載された発明が奏する効果に加えて、液状化変形抑制対策層の上下に離間配置した面状補強材の相互間が、連結部材によって連結されていることにより、連結部材が、上下に離間配置した面状補強材を一体構造にして変形抑制効果を確実に増加させるため、液状化変形抑制対策層の高弾性係数を確実に向上して平面道路の路床や路体の変形をより抑制することができる。
本請求項12に係る発明は、請求項1乃至請求項11のいずれか1つ記載された発明が奏する効果に加えて、面状補強材を挟む砕石層が、透水係数1x10-4m/s以上の透水性と強度定数φ35°以上のせん断応力とを有することにより、液状化時の過剰間隙水圧の消散と盤的効果とが得られるため、JIS A 5001の耐久性を有することができる。
本発明の第1実施例における平面道路の液状化変形抑制対策構造を示す断面図。 図1Aに示す符号Xを拡大した正面断面図(道路縦断方向・道路横断方向の両方に同等の高弾性係数を有する面状補強材を採用)。 図1Aに示す符号Xを拡大した断面図(道路縦断方向・道路横断方向のいずれか一方に高弾性係数を有する面状補強材を採用)。 第1実施例で用いた道路縦断方向・道路横断方向の両方に同等の高弾性係数を有する面状補強材を示す平面図。 図2Aに示す符号2B−2Bから見た断面図。 図2Aに示す符号2C−2Cから見た断面図。 第1実施例で用いた道路縦断方向・道路横断方向のいずれか一方に高弾性係数を有する面状補強材を示す平面図。 図2Dに示す符号2E−2Eから見た断面図。 図2Dに示す符号2F−2Fから見た断面図。 面状補強材と砕石層との摩擦抵抗応力特性と、砕石層のせん断応力特性との関係を示す図。 面状補強材の引張応力とひずみ量(伸び)との関係を示す図。 第1実施例の液状化変形抑制対策構造を採用した場合の効果を示す概念断面図。 第1実施例の液状化変形抑制対策構造を採用していない場合を示す概念断面図。 本発明の第2実施例における平面道路の液状化変形抑制対策構造を示す断面図。 図6Aに示す符号Yを拡大した正面断面図(道路縦断方向・道路横断方向の両方に高弾性係数を有する面状補強材を採用)。 図6Aに示す符号Yを拡大した正面断面図(道路縦断方向・道路横断方向のいずれか一方に高弾性係数を有する面状補強材を採用)。 本発明の第3実施例における平面道路の液状化変形抑制対策構造を示す断面図。 本発明の液状化変形抑制対策構造を港湾のエプロン部・荷捌き場、あるいは荷捌き場に採用した場合の効果を示す概念断面図。 本発明の液状化変形抑制対策構造を港湾のエプロン部・荷捌き場、あるいは荷捌き場に採用した場合の効果を示す概念断面図。 本発明の液状化変形抑制対策構造を港湾のエプロン部・荷捌き場、あるいは荷捌き場に採用していない場合を示す概念断面図。 本発明の液状化変形抑制対策構造を港湾のエプロン部・荷捌き場、あるいは荷捌き場に採用していない場合を示す概念断面図。
本発明は、複数の縦帯と該複数の縦帯を連結補強する横帯とを格子状に配置して平面道路に沿って敷設される面状補強材とこの面状補強材を狭んで設けられる砕石層とからなる液状化変形抑制対策層で平面道路の一部を構築する平面道路の液状化変形抑制対策構造であって、面状補強材を形成する縦帯および横帯の少なくとも一方が、通常の工業用ポリエステル繊維より高弾性係数の高弾性補強材で構成され、面状補強材を形成する縦帯および横帯の少なくとも一方の厚みが、4mm以上を有して面状補強材と砕石層との摩擦係数を大きくするように選定され、地震の際に路床・路体・原地盤が液状化を起こす場合であっても、舗装・路床・路体・原地盤などから構成された平面道路における沈下や舗装面の亀裂や路面の波打ち現象による変形を抑制して平面道路の保形性を確保するものであれば、その具体的な実施態様は、如何なるものであっても構わない。
例えば、本発明において面状補強材を構成する高弾性補強材には、ジオシンセティックスが一例としてあげられるが、このジオシンセティックスは、ジオテキスタイル、ジオメンブレン、ジオコンポジットの総称であるが、要するに、本発明で用いる高弾性補強材としては、織物構造、格子構造、編目構造、不織布などシート状のものであれば、その材質は、設置環境に適した耐薬品性、耐寒性、耐熱性、耐腐食性を備えているもの、例えば、鉄、ステンレス、チタン合金のような金属繊維やアラミド繊維やカーボン繊維や他の非常に高剛性な合成繊維のような通常の工業用ポリエステル繊維よりも高弾性係数を有する高弾性補強材で少なくとも構成され、通常の工業用ポリエステル繊維を用いた場合よりも高弾性係数を有して変形に抵抗する高弾性係数を有する高弾性補強材であれば如何なるものであっても構わない。
また、平面道路は、地震発生などにより液状化して変形する虞があるため、液状化による変形を抑制する構造を要するものであれば、歩道を含む一般道路、港湾土工構造物のエプロン部や荷捌き場、電力会社における原子力、火力発電構内や構内道路、石油設備における精製所構内や構内道路、化成品生産工場における工場内や構内道路などであれば如何なるものであっても構わない。
以下に、本発明の第1実施例における平面道路の液状化変形抑制対策構造について、図1A乃至図5Bに基づいて説明する。
ここで、図1Aは、本発明の第1実施例における平面道路の液状化変形抑制対策構造を示す断面図であり、図1Bは、図1Aに示す符号Xを拡大した断面図(道路縦断方向・道路横断方向の両方に同等の高弾性係数を有する面状補強材を採用)であり、図1Cは、図1Aに示す符号Xを拡大した断面図(道路縦断方向・道路横断方向のいずれか一方に高弾性係数を有する面状補強材を採用)であり、図2Aは、第1実施例で用いた道路縦断方向・道路横断方向の両方に同等の高弾性係数を有する面状補強材を示す平面図であり、図2Bは、図2Aに示す符号2B−2Bから見た断面図であり、図2Cは、図2Aに示す符号2C−2Cから見た断面図であり、図2Dは、第1実施例で用いた道路縦断方向・道路横断方向のいずれか一方に高弾性係数を有する面状補強材を示す平面図であり、図2Eは、図2Dに示す符号2E−2Eから見た断面図であり、図2Fは、図2Dに示す符号2F−2Fから見た断面図であり、図3は、面状補強材と砕石層との摩擦抵抗応力特性と、砕石層のせん断応力特性との関係を示す図であり、図4は、面状補強材の引張応力とひずみ量(伸び)との関係を示す図であり、図5Aは、第1実施例の液状化変形抑制対策構造を採用した場合の効果を示す概念断面図であり、図5Bは、第1実施例の液状化変形抑制対策構造を採用していない場合を示す概念断面図である。
本発明の第1実施例における平面道路の液状化変形抑制対策構造100は、原地盤110と、原地盤110の上層にあたる路床・路体120と、路床・路体120の上層に一部造成されている液状化変形抑制対策層130と、液状化変形抑制対策層130の上層にあたる舗装140からなり、舗装140の中央に設けられた車道150と両側に設けられた歩道155とから構成される。
液状化変形抑制対策層130は、面状補強材RSと砕石層132とから造成されている。
液状化変形抑制対策層130は、砕石層132と面状補強材RSからなるが、面状補強材RSを下部砕石層132dと上部砕石層132uとの間に挟設した、所謂、サンドイッチ構造を採用することによって、平面道路の変形抑制を発揮するように構成されている。
これにより、面状補強材RSが砕石層132を拘束して面状補強材RSと砕石層132との一体性を向上させ、砕石層132のみで平面道路を変形抑制するよりも大きな変形抑制力が生じる。
図1Bは、液状化変形抑制対策層130における道路縦断方向および道路横断方向の両方に同等の高弾性係数を有する面状補強材RSを採用した例である。
この場合、平面道路は、液状化変形抑制対策層130に面状補強材RSを1層敷設することによって道路縦断方向および道路横断方向の両方に変形抑制の効果を得ることができる。
図1Cは、液状化変形抑制対策層130における道路縦断方向および道路横断方向のいずれか一方に高弾性係数を有する面状補強材RSを採用した例である。
この場合、平面道路は、液状化変形抑制対策層130に面状補強材RSを道路縦断方向と道路横断方向との2方向に敷設した2層構造とすることによって道路縦断方向および道路横断方向の両方に変形抑制の効果を得ることができる。
砕石層132には、道路用砕石の基準JIS A 5001「道路用砕石」に規格されているクラッシャランC40、または、クラッシャランC40相当の砕石を用いている。
これにより、透水性能1x10-4m/s以上が得られ、非液状化層としてさらに液状化時の過剰間隙水圧の消散として機能し、強度特性もφ=35°以上を持つことによる液状化時に盤的効果があり、耐久性もJIS A 5001の耐久性を有している。
一例として、面状補強材RSは、図2A乃至図2Cに示すように、平面道路の走行方向となる道路縦断方向に沿って敷設される複数の縦帯RSvとこの複数の縦帯RSvを連結補強する横帯RShとを格子状に配置して形成された格子目を有している。
面状補強材RSは、複数の縦帯RSvと横帯RShによって面状(シート状)の保形性を充分に発揮している。
面状補強材RSとして用いた高弾性係数を有するジオシンセティックスの縦帯RSvおよび横帯RShは、鋼や鉄やアラミド繊維やカーボン繊維や他の非常に高剛性、所謂、高弾性係数の合成繊維からなる芯材RScとこの芯材RScを被覆する合成樹脂からなる被覆層とで構成されている。
これにより、鋼や鉄やアラミド繊維やカーボン繊維や他の非常に高剛性な合成繊維からなる芯材RScが、面状補強材RSにおける長手方向のシート引張強度を確実に発揮して変形を抑制する。
面状補強材RSの縦帯RSvおよび横帯RShの少なくとも一方の厚み、もしくは、縦帯RSvおよび横帯RShの両方の厚みは、4mm以上を有している。
これにより、液状化変形抑制対策層130は、面状補強材RSと砕石層132の砕石との摩擦をより確実にして、地震の際に面状補強材RSの縦帯RSvおよび横帯RShが十分な強度を発揮し変形を抑制する。
さらに、合成樹脂の被膜層が、施工中の損傷に対する安全性を増し、耐候性、耐薬品性、耐寒性、耐熱性、耐腐食性を発揮している。
縦帯RSvまたは横帯RSh、あるいは、縦帯RSvおよび横帯RShにおける両方の表裏面に凹凸加工が施されており、この凹凸加工によって、砕石層132の砕石との摩擦係数を増加させている。
面状補強材RSの縦帯RSvと横帯RShとから構成される格子目は、縦格子間隔LGv(LG)と横格子間隔LGh(LG)とから形成される。
また、これら格子間隔LG(LGv、LGh)の少なくとも一方は、40mm以上の幅を有しており、砕石層132を構築する砕石の最大粒径(40mm以下)よりも大きくなっている。
これにより、面状補強材RSが砕石層132の砕石を拘束して面状補強材RSと砕石層132との一体性を向上させて一体構造となり、面状補強材RSと砕石層132との摩擦係数を高めている。
他の例として、面状補強材RSとして用いた高弾性係数を有する高弾性補強材のジオシンセティックスは、図2D乃至図2Fに示すように、平面道路の走行方向に沿って敷設される複数の縦帯RSvまたは横帯RShの一方を芯材RScとこの芯材RScを被覆する合成樹脂からなる被覆層とで構成してもよい。
面状補強材RSとして用いたジオシンセティックスにおいて、少なくとも芯材RScを有する縦帯RSvまたは横帯RShの厚み、もしくは、縦帯RSvおよび横帯RShの両方の厚みは、4mm以上を有している。
これにより、砕石層132の砕石との摩擦をより確実にして、地震の際に面状補強材RSの縦帯RSvおよび横帯RShが十分な強度を発揮し変形を抑制する。
なお、格子目に代えて、トライアングル構造の目にしても良い。
これにより、砕石層132を構築している砕石との摩擦係数を大きくし、変形を抑制する効果をより高めることができる。
なお、面状補強材RSは、芯材RScが無くても良い。
ここで、横軸に拘束圧σ、縦軸を摩擦抵抗応力fとした面状補強材RSと砕石層132との摩擦抵抗応力特性と、横軸に拘束圧σ、縦軸にせん断応力τとした砕石層132のせん断応力特性とを重ねたグラフを図3に示す。
図3に示すように、面状補強材RSと砕石層132との摩擦抵抗応力特性と、砕石層132のせん断応力特性とは、ほぼ同等である。
平面道路の液状化変形抑制対策構造100の保形性を、多少の変形は出るものの確保することができる。
また、面状補強材RSは、縦帯RSvまたは横帯RSh、あるいは、縦帯RSvおよび横帯RShにおける両方がポリエステル繊維より高剛性の素材である、すなわち、高弾性係数の高弾性補強材であるアラミド繊維を用いて形成されている。
これにより、図4に示すように、ポリエステル繊維を用いた場合よりも変形に抵抗する高剛性(高弾性係数)素材、すなわち、高弾性補強材となり、ポリエステル繊維よりも引張応力に対するひずみ量が少なくなっている。
なお、図4に示すように、地震によって路床・路体120や原地盤110が液状化した際、面状補強材RSに用いる高剛性(高弾性係数)の素材、すなわち、高弾性補強材が、ポリエステル繊維より高剛性のアラミド繊維とカーボン繊維と鉄と他の非常に高剛性な合成繊維とのいずれかであることにより、高弾性係数を有する面状補強材RSの変形抑制効果を増し、液状化変形抑制対策層130の形状を維持することが可能である。
さらに、高弾性補強材が、高弾性係数を有する面状補強材RSの縦帯RSvまたは横帯RSh、あるいは、縦帯RSvおよび横帯RShにおける両方の長手方向に一致して使用されることによって、面状補強材RSを敷設した際に得られる剛性の方向が高弾性補強材を使用した縦帯RSvまたは横帯RSh、あるいは、縦帯RSvおよび横帯RShにおける両方の長手方向と一致することとなる。
このように、面状補強材RSの具体的寸法や形態は、砕石層132の砕石粒形状・砕石粒寸法に応じて採用され、砕石層132と面状補強材RSとの摩擦係数が大きくなるように選定されている。
続いて、平面道路に液状化変形抑制対策層130を構成したことによる効果を図5Aおよび図5Bを用いて説明する。
図5Aに示すように、路床・路体120に液状化変形抑制対策層130が造成されると、地震発生の際に路床・路体120が液状化した場合、この路床・路体120の上層にある液状化変形抑制対策層130の盤的効果・面状補強材RSのストレッチ抑制・補強効果が発揮され、液状化した路床・路体120の変形による液状化変形抑制対策層130の沈下は軽減され、この沈下に伴った舗装140の軽減された沈下が見られるものの、舗装140の上表面であり車両の走行する舗装面には亀裂や波うちを殆ど生じない。
そのため、地震が発生して液状化変形抑制対策層130の下層にある路床・路体120が液状化した場合であっても、平面道路の路面における性能が確保される、もしくは修復が必要な場合であっても早急な修復が可能であり性能確保が容易に可能になる。
他方、図5Bに示すように、液状化変形抑制対策層130が造成されていない比較例では、路床・路体120の上層にある舗装140が影響を受けやすい状態にある。
そのため、地震発生して舗装140の下層にある路床・路体120が液状化した場合、液状化した路床・路体120の変形によって、舗装140の全体が変形して舗装面には亀裂や波うちを生ずる。
さらに、本実施例における平面道路の液状化変形抑制対策構造100では、従来の杭改良工法、サンドコンパクションパイル工法などによる液状化対策のような地盤改良の必要がない。
また、平面道路の液状化が発生した場合であっても、平面道路の路面における性能が確保された状態、あるいは、液状化による被害が発生しても軽微な変形であるために早期修復が可能な状態であるため、地震発生直後あるいは短期間後に緊急車両の通過が可能である。
なお、本発明の第1実施例では、面状補強材RSが、平面道路の液状化変形抑制対策構造100における路床・路体120の上層に配置した構造について説明したが、路床・路体120、原地盤110の上層の少なくとも1つに配置されていればよい。
このようにして得られた本発明の第1実施例における平面道路の液状化変形抑制対策構造100は、平面道路が、シート状の高弾性係数を有するジオシンセティックスからなる面状補強材RSと砕石層132とからなる液状化変形抑制対策層130で一部造成されていることにより、地震によって平面道路が液状化しても、液状化変形抑制対策層130が平面道路における舗装面の亀裂や路面の波打ち現象による変形を抑制して平面道路の保形性を確保することができる。
続いて、本発明の第2実施例における平面道路の液状化変形抑制対策構造について、図6A乃至図6Cに基づいて説明する。
ここで、図6Aは、本発明の第2実施例における平面道路の液状化変形抑制対策構造を示す断面図であり、図6Bは、図6Aに示す符号Yを拡大した断面図(道路縦断方向・道路横断方向の両方に高弾性係数を有する面状補強材を採用)であり、図6Cは、図6Aに示す符号Yを拡大した断面図(道路縦断方向・道路横断方向のいずれか一方に高弾性係数を有する面状補強材を採用)である。
第2実施例における液状化変形抑制対策構造200は、第1実施例における平面道路の液状化変形抑制対策構造100の液状化変形抑制対策層130に挟み込まれる面状補強材RSを複数にしたものであり、多くの要素について第1実施例における平面道路の液状化変形抑制対策構造100と共通するので、共通する事項については詳しい説明を省略し、下2桁が共通する200番台の符号を付すのみとする。
液状化変形抑制対策層230は、砕石層232と複数の面状補強材RSとから造成されている。
一例として、上下2層の上部面状補強材RSuと下部面状補強材RSdとからなる面状補強材RSを用いた場合、相互に離間配置した上下2層の面状補強材RSu、RSdからなる面状補強材RSを下部砕石層232dと中部砕石層232mと上部砕石層232uとの各々の間に挟設されたいわゆるサンドイッチ構造を採用することによって、平面道路の液状化変形抑制対策構造200の変形抑制を発揮するように構成されている。
図6Bは、液状化変形抑制対策層230において、道路縦断方向および道路横断方向の両方に同等の高弾性係数を有する面状補強材RS(図2A乃至図2C参照)を採用した例であり、上側に1層、下側に1層、合計で2層敷設している。
この面状補強材RSを2層敷設した構造は、道路縦断方向と道路横断方向のそれぞれに2層分の補強効果が得られる。
図6Cは、面状補強材RSが縦もしくは横一方向しか強度を有していない場合である。
上段に面状補強材RSを直角方向に2層敷設しており、下段にも面状補強材RSを直角方向に2層敷設している。
全体で合計4層敷設している。
縦方向に2層の補強効果が有り、横方向にも2層の補強効果が有る。
この面状補強材RSを4層敷設した構造であっても、道路縦断方向と道路横断方向のそれぞれに2層分の補強効果が得られる。
このようにして得られた本発明の第2実施例における平面道路の液状化変形抑制対策構造200は、液状化変形抑制対策層230に挟み込まれた面状補強材RSが複数のジオシンセティックスを敷設していることにより、液状化変形抑制対策層230をより確実に構築することができる。
続いて、本発明の第3実施例における平面道路の液状化変形抑制対策構造300について、図7に基づいて説明する。
第3実施例における平面道路の液状化変形抑制対策構造300は、複数の面状補強材RSが液状化変形抑制対策層330に挟み込まれ、上下に離間配置した面状補強材RS(RSu、RSd)の相互間の各々を連結部材CMによって連結した液状化変形抑制対策層330で構築されている。
ここで、この連結部材CMには、設置環境に適した耐候性、耐薬品性、耐寒性、耐熱性、耐腐食性を備えているもの、例えば、ステンレス、チタン合金のような金属やポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂のような合成樹脂などで形成された緊結材、環状締結具などが採用される。
なお、連結部材CMには、単に格子目間を貫通させる棒状体・管状体や、面状補強材RSにおける格子目の各々に係止させるかぎ状部を両端に設けた棒状体または管状体によって縦横方向へのズレを抑制する構造を採用してもよい。
これにより、上下に離間配置された面状補強材RS(RSu、RSd)を一体構造にして変形抑制効果を確実に増加させている。
このようにして得られた本発明の第3実施例における平面道路の液状化変形抑制対策構造300は、面状補強材RSが液状化変形抑制対策層330の上下に離間配置したジオシンセティックスの相互間を連結していることにより、液状化変形抑制対策層330の高弾性係数を確実に向上して平面道路の路床や路体の変形をより抑制することができる。
続いて、本発明の第4実施例における平面道路の液状化変形抑制対策構造400の効果について、図8A乃至図8Dに基づいて説明する。
ここで、図8Aは、本発明の液状化変形抑制対策構造を港湾のエプロン部・荷捌き場、あるいは荷捌き場に採用した場合の効果を示す概念断面図であり、図8Bは、本発明の液状化変形抑制対策構造を港湾のエプロン部・荷捌き場、あるいは荷捌き場に採用した場合の効果を示す概念断面図であり、図8Cは、本発明の液状化変形抑制対策構造を港湾のエプロン部・荷捌き場、あるいは荷捌き場に採用していない場合を示す概念断面図であり、図8Dは、本発明の液状化変形抑制対策構造を港湾のエプロン部・荷捌き場、あるいは荷捌き場に採用していない場合を示す概念断面図である。
第4実施例における平面道路の液状化変形抑制対策構造400は、第1実施例における平面道路の液状化変形抑制対策構造100を港湾に適用したものである。
多くの要素について第1実施例における平面道路の液状化変形抑制対策構造100と共通するので、共通する事項については詳しい説明を省略し、下2桁が共通する400番台の符号を付すのみとする。
図8Aに示すように、港湾のエプロン部・荷捌き場、あるいは荷捌き場には、海側に岸壁460を設け、岸壁460の内側に地盤改良対策済みの埋立地470、地盤改良対策済みの埋立地470の内側に地盤改良未対策の埋立地480が造成されている。
本発明の平面道路の液状化変形抑制対策構造400は、図8Aに示すように、地盤改良未対策の埋立地480の上層に造成されている。
地盤改良対策済みの埋立地470は、従来の杭改良工法、サンドコンパクションパイル工法などによる液状化変形抑制対策がされた構造であるため、液状化変形抑制対策が施された地盤改良対策済みの埋立地470の範囲内には液状化しないか、あるいは、変形がし難い。
他方、地盤改良未対策の埋立地480、特に、造成されてから経過期間の短い比較的最近の埋立地は、液状化による変形が発生しやすい。
図8Aに示すように、地盤改良未対策の埋立地480に液状化変形抑制対策層430が造成されると、地震発生の際に地盤改良未対策の埋立地480が液状化した場合、この地盤改良未対策の埋立地480の上層にある液状化変形抑制対策層430の盤的効果・面状補強材RSのストレッチ抑制・補強効果が発揮され、液状化した地盤改良未対策の埋立地480には変形がみられるものの、沈下を軽減して軽微なものとする効果に加え、舗装面の波うちや亀裂の大幅な発生抑制効果が得られる。
ただし、地盤改良対策済みの埋立地470が変形しない場合には、地盤改良対策済みの埋立地470と舗装440との継ぎ目に段差が生ずる。
継ぎ目に生ずる段差の対策として、図8Bに示す変形例のように、地盤改良未対策の埋立地480の上層に造成するとともに液状化変形抑制対策層430aの海側端部を地盤改良対策済みの埋立地470に固設する構造が考えられる。
図8Bに示す変形例のように、地震発生の際に地盤改良未対策の埋立地480が液状化した場合、地盤改良対策済みの埋立地470に固設された液状化変形抑制対策層430aの海側端部が沈下しないため、地盤改良対策済みの埋立地470と舗装440との継ぎ目に生ずる段差の発生量が軽減される。
そのため、地盤改良未対策の埋立地480が液状化した場合であっても、港湾のエプロン部・荷捌き場、あるいは荷捌き場における性能が確保される、もしくは、液状化による被害が発生しても修復が早急に可能な状態に変形を抑制できる。
他方、図8Cに示すように、地盤改良対策済みの埋立地470および地盤改良未対策の埋立地480に液状化変形抑制対策層430が造成されていない比較例では、地盤改良未対策の埋立地480が液状化した場合に、変形による不均一で大きな沈下が生じることとなって、舗装440の全体が変形して、沈下や舗装面に亀裂や大きな波うちを生ずる。
また、図8Dに示すように、岸壁460と地盤改良未対策の埋立地480との間に地盤改良対策済みの埋立地470が造成されている比較例では、地盤改良対策済みの埋立地470の変形は抑えられているものの、地盤改良未対策の埋立地480との間では大きな段差が生じやすく、また、港湾のエプロン部・荷捌き場、あるいは荷捌き場の舗装面には亀裂や波うちを生ずる。
このようにして得られた本発明の第4実施例における平面道路の液状化変形抑制対策構造400は、地盤改良未対策の埋立地480の変形を抑制するとともに、地盤改良対策済み埋立地470と地盤改良未対策の埋立地480との継ぎ目にも段差の発生を抑制することができる。
また、従来のような地盤改良未対策の埋立地480の全体を杭改良工法やサンドコンパクションパイル工法によって地盤改良対策済み埋立地470にする必要が無いため、工期短縮とコスト削減が図れ、工事中に生ずる振動や騒音を減少することができるなど、その効果は甚大である。
100 、200 、300 、400 ・・・ 平面道路の液状化変形抑制対策構造
110 、210 、310 、410 ・・・ 原地盤(基礎地盤)
120 、220 、320 、420 ・・・ 路床・路体
130 、230 、330 、430 ・・・ 液状化変形抑制対策層
132 、232 、332 、432 ・・・ 砕石層
132u、232u、332u ・・・ 上部砕石層
232m、332m ・・・ 中部砕石層
132d、232d、332d ・・・ 下部砕石層
140 、140 、340 、440 ・・・ 舗装
150 、250 、350 ・・・ 車道
155 、255 、335 ・・・ 歩道
460 ・・・ 岸壁
470 ・・・ 埋立地(地盤改良対策済)
480 ・・・ 埋立地(地盤改良未対策)
RS ・・・ 面状補強材(高弾性係数を有するジオシンセティックス)
RSu ・・・ 上部面状補強材
RSd ・・・ 下部面状補強材
RSv ・・・ 縦帯
RSh ・・・ 横帯
RSc ・・・ 芯材
CM ・・・ 連結部材

Claims (12)

  1. 複数の縦帯と該複数の縦帯を連結補強する横帯とを格子状に配置して平面道路に沿って敷設される面状補強材と該面状補強材を狭んで設けられる砕石層とからなる液状化変形抑制対策層で平面道路の一部を構築する平面道路の液状化変形抑制対策構造であって、
    前記面状補強材を形成する縦帯および横帯の少なくとも一方が、通常の工業用ポリエステル繊維より高弾性係数の高弾性補強材で構成され、
    前記面状補強材を形成する縦帯および横帯の少なくとも一方の厚みが、4mm以上を有して前記面状補強材と砕石層との摩擦係数を大きくするように選定されていることを特徴とする平面道路の液状化変形抑制対策構造。
  2. 前記面状補強材が、前記平面道路の路床、路体および原地盤の少なくとも1つに配置されていることを特徴とする請求項1に記載された平面道路の液状化変形抑制対策構造。
  3. 前記面状補強材と砕石層とが、前記平面道路の変形抑制を発揮するように構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載された平面道路の液状化変形抑制対策構造。
  4. 前記面状補強材が、前記平面道路に沿って敷設される複数の縦帯と該複数の縦帯を連結補強する横帯とを格子状に配置して形成された格子目を有していること、あるいは、トライアングル構造の目を有していることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載された平面道路の液状化変形抑制対策構造。
  5. 前記面状補強材の格子目あるいはトライアングル構造の目が、前記砕石層を構築する砕石の粒径よりも大きいことを特徴とする請求項4に記載された平面道路の液状化変形抑制対策構造。
  6. 前記面状補強材の格子目あるいはトライアングル構造の目が、40mm以上の縦格子間隔もしくは横格子間隔あるいは構造目間隔を有していることを特徴とする請求項4または請求項5に記載された平面道路の液状化変形抑制対策構造。
  7. 前記高弾性補強材が、鉄とアラミド繊維とカーボン繊維と他の高弾性係数を有する合成繊維とのいずれかであることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1つに記載された平面道路の液状化変形抑制対策構造。
  8. 前記高弾性補強材が、前記縦帯および横帯の少なくとも一方の長手方向に一致して使用されている、あるいは、縦帯及び横帯ともに使用されていることを特徴とする請求項7に記載された平面道路の液状化変形抑制対策構造。
  9. 前記面状補強材が、前記液状化変形抑制対策層の道路縦断方向および道路横断方向に高弾性係数を有する高弾性補強材を敷設していることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1つに記載された平面道路の液状化変形抑制対策構造。
  10. 前記面状補強材が、前記液状化変形抑制対策層の道路縦断方向および道路横断方向に高弾性係数を有する高弾性補強材を複数敷設していることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか1つに記載された平面道路の液状化変形抑制対策構造。
  11. 前記液状化変形抑制対策層の上下に離間配置した面状補強材の相互間が、連結部材によって連結されていることを特徴とする請求項10に記載された平面道路の液状化変形抑制対策構造。
  12. 前記面状補強材を挟む砕石層が、透水係数1x10-4m/s以上の透水性と強度定数φ35°以上のせん断応力とを有することを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか1つに記載された平面道路の液状化変形抑制対策構造。
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