JP6333689B2 - 工作機械及びワーク加工方法 - Google Patents

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本発明は、ワークに対して切削加工とバリ取り加工を連続して実施する工作機械及びワーク加工方法に関する。
例えば、スプールバルブの弁ボディは、アルミニウム合金の溶湯を用いる鋳造加工によって作製される。この際、弁ボディに、スプールが摺動するための弁孔が形成されるが、この時点では、弁孔の内壁はいわゆる鋳肌である。鋳肌は表面粗さが大きく、このため、スプールが摺接するときに摩耗粉が発生する原因となる。しかも、鋳造加工では、寸法精度に優れる弁孔を得ることは容易ではない。以上のような理由から、鋳造加工の後、弁孔の内壁に対して所定の孔加工が行われている。
すなわち、例えば、工作機械の主軸に取り付けられた中ぐり工具やドリルによって弁孔を拡径する拡径加工を行う。孔加工の最終工程では、工具としてリーマを用い、弁孔の内壁の表面粗さを小さくする仕上げ加工(切削加工)を施す。なお、中ぐり工具やリーマ等の各種の工具は、主軸の近傍に設けられた工具マガジンに保管されており、主軸に取り付けられた工具の交換は、自動工具交換機(ATC)によって自動的に行われる。また、仕上げ加工では、切削油が循環供給される。
仕上げ加工は、リーマを弁孔に沿って進行させることで遂行される。ここで、弁孔には、該弁孔の長手方向に略直交するように複数個の油路が連通しており、リーマが弁孔内を進行する際、弁孔と油路が連なる箇所にバリが発生する。このため、弁ボディは工作機械からバリ取り装置に搬送され、該バリ取り装置にて、バリを除去するバリ取り加工が実施される。
このバリ取り装置として、特許文献1に開示されているように、弁孔に挿入した噴射ノズルから油や水等の液体を高圧で噴射し、該高圧の液体によってバリを切断するものが知られている。また、特許文献2には、この種のバリ取り装置に用いられる噴射ノズルに関し、高圧の液体を噴射する際に撓みが生じ難い構成が提案されている。なお、特許文献1、2に記載の通り、液体としては、一般的には水が用いられている。
特許第2699185号公報 特開2001−105246号公報
上記の通り、弁孔に対する切削加工とバリ取り加工は、各々、専用の装置にて実施される。このため、工作機械からバリ取り装置まで弁ボディを搬送する必要がある。この搬送分、鋳造加工から完成品を得るまでに長時間を要する。しかも、工作機械とバリ取り装置の双方が必要となるので、設備投資が高騰する。
以上のように、鋳造品に対して切削加工及びバリ取り加工を施して完成品を得る従来技術には、完成品を低コストで効率よく得ることが困難であるという不具合が顕在化している。
本発明は上記した問題を解決するためになされたもので、切削加工又はバリ取り加工を選択的に(個別に)行うことが可能な工作機械及びそれを用いたワーク加工方法を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明に係る工作機械は、ワークに対して切削加工を行うための刃具、又は、前記切削加工の際に前記ワークに発生したバリを除去するバリ取り加工を行うための液体噴射ノズルのいずれかが選択的に取り付けられる主軸と、
前記刃具又は前記液体噴射ノズルに供給される液体を貯留した貯留槽と、
前記貯留槽から前記刃具又は前記液体噴射ノズルに前記液体を供給するための供給手段と、
前記供給手段に接続されて前記液体が流通する供給ラインと、
前記供給ラインを流通する前記液体の圧力を設定する圧力設定手段と、
を備え、
前記圧力設定手段は、前記貯留槽から前記刃具に前記液体を供給するときの第1の圧力に比して、前記貯留槽から前記液体噴射ノズルに前記液体を供給するときの第2の圧力を高圧に設定することを特徴とする。
また、本発明に係るワーク加工方法は、工作機械の主軸に取り付けられた刃具に、貯留槽に貯留された液体を、供給ラインを介して第1の圧力で供給しながら、前記刃具によりワークに対して切削加工を行う工程と、
前記刃具を液体噴射ノズルに交換し、該液体噴射ノズルに、前記供給ラインを流通する前記液体を第2の圧力で供給しながら、該液体噴射ノズルにより前記切削加工の際に前記ワークに発生したバリを除去するバリ取り加工を行う工程と、
を有し、
前記第2の圧力を、前記第1の圧力に比して高圧に設定することを特徴とする。
このように、本発明では、1台の工作機械において、主軸に取り付ける工具を交換し、且つ工具に供給されて加工箇所に噴射される液体の圧力を、如何なる加工を行うかに応じて変更する。具体的には、刃具を用いる切削加工では、液体の圧力を低圧な第1の圧力とすることで刃具の振動を抑制する。一方、液体噴射ノズルを用いるバリ取り加工では、液体の圧力を高圧な第2の圧力とすることでワークからバリが容易に切断されるようにする。以上のように加工に応じて液体の圧力を適宜設定することにより、切削加工又はバリ取り加工を選択的に(個別に)実施することができる。
このため、切削加工装置からワークを取り外してバリ取り装置に搬送する作業や、ワークをバリ取り装置に位置決め固定する作業等が不要となるので、バリが除去された完成品を効率よく得ることができる。しかも、専用のバリ取り装置が不要となるので、設備投資やコストの低廉化を図ることができる。
しかも、この場合、切削時の加工精度が向上するとともに、ワークからバリを容易に除去し得るようになる。上記のような液体の圧力設定により、刃具の振動が抑制される一方で、バリに対する切断力が大きくなるからである。
加えて、切削加工を行う際に加工箇所に噴射する液体と、バリ取り加工を行う際にバリに向けて噴射する液体とを同一のものとすることができる。従って、液体の回収が容易である上、別種の液体を個別に貯留する必要がない(貯留槽を複数個設ける必要がない)。このため、工作機械の構成が簡素となる。
供給ラインには、回収ラインを接続することが好ましい。この場合、回収ラインには回収用バルブを設ける。
回収用バルブは、液体が貯留槽から刃具又は液体噴射ノズルに供給されているときには閉状態となる。このため、供給時に液体が回収ラインから回収されることはない。その一方で、回収用バルブは、液体が供給停止された後に開状態となる。これに伴い、該供給ラインに残留した液体が貯留槽に戻される。同時に、供給ライン内の圧力が開放される。従って、例えば、高圧の第2の圧力でバリ取り加工を行った後、新たなワークに対して切削加工を施すべく低圧の第1の圧力で液体を供給したとき、液体が当初から第1の圧力で噴射される。上記の通り、供給ライン内の圧力が一旦開放されているからである。
これにより刃具から高圧の切削油が噴射されることが回避されるので、該刃具が振動することが防止される。このため、該刃具による切削加工時に孔の真円度を良好とする(真円からの狂いを小さくする)ことが可能となる。
また、供給ラインには圧力調整ラインを接続することが好ましい。この場合、圧力調整ラインには、供給ラインを流通する液体の圧力を第1の圧力又は第2の圧力の少なくともいずれかに維持するための圧力調整用バルブを設ける。
供給ライン内を流通する液体の圧力は、例えば、液体を吐出する吐出手段(ポンプ等)の送液力を調節することで変更することが可能であるが、圧力調整用バルブを設けることにより、圧力を一層精緻に調整することができる。
以上のようにして液体の圧力を制御することにより、刃具に振動が生じることを回避し得るとともに、吐出手段に作用する負荷を低減することができる。
なお、圧力調整ラインを2本設け、この中の1本に、供給ラインを流通する液体の圧力を第1の圧力に維持するための圧力調整用バルブを介装するとともに、残余の1本に、供給ラインを流通する液体の圧力を第2の圧力に維持するための圧力調整用バルブを介装するようにしてもよい。
上記の構成において、刃具から液体噴射ノズルへの交換を自動的に行うと、加工効率が一層向上する。このためには、工作機械に、工具を保管するための工具マガジンと、主軸に取り付けられた刃具を液体噴射ノズルに交換するための工具交換手段とを設けることが好ましい。すなわち、工作機械には自動工具交換装置を付設するとよい。
なお、刃具の具体例としてはリーマが挙げられる。リーマを用いる切削加工は、例えば、ワークに形成された孔の内壁を鏡面に仕上げる仕上げ加工である。
一方、液体噴射ノズルは、シャンク部の先端に、径方向に沿って複数個の噴射孔が形成されたものとして構成することができる。本発明者の検討によれば、このような方向に形成された噴射孔から液体を噴射した場合、シャンク部に対して傾斜する方向に形成された噴射孔から液体を噴射した場合に比して、バリを容易に除去することができる。噴射孔の個数は、2個であっても十分である。
ワーク、使用時にその内部に圧力流体が導入されるものである。そして、バリ取り加工を行う際の液体の圧力(第2の圧力)は、圧力流体の圧力よりも高圧に設定される。このような高圧を付与したバリ取り加工で除去し得えず残留したバリは、ワークに対する結合力が大きい。このため、液体に比して低圧の圧力流体が接触したときに切断される懸念がない。換言すれば、残留したバリがワークの使用時に脱落することが回避されるからである。
また、液体としては、切削加工に用いる切削剤が好適である。
本発明によれば、1台の工作機械において、主軸に取り付ける工具を交換し、且つ工具に供給されて加工箇所に噴射される液体の圧力を、如何なる加工を行うかに応じて変更するようにしている。すなわち、刃具を用いる切削加工では、液体の圧力を低圧に設定することで刃具の振動を抑制し、一方、液体噴射ノズルを用いるバリ取り加工では、液体の圧力を高圧に設定してバリに対する切断力を大きくしている。これにより、切削加工又はバリ取り加工を選択的に(個別に)実施することができるとともに、切削時の加工精度が向上し且つワークからバリを容易に除去し得るようになる。
また、1台の工作機械にて切削加工とバリ取り加工を行うので、切削加工装置からワークを取り外してバリ取り装置に搬送する作業や、ワークをバリ取り装置に位置決め固定する作業等が不要となる。その結果、バリが除去された完成品を効率よく得ることができる。しかも、専用のバリ取り装置が不要となるので、設備投資やコストの低廉化を図ることができる。
さらに、この構成では、切削加工を行う際に加工箇所に噴射する液体と、バリ取り加工を行う際にバリに向けて噴射する液体とを同一のものとすることができる。従って、液体の回収が容易である上、別種の液体を個別に貯留するべく貯留槽を複数個設ける必要がない。このため、工作機械が簡素なものとなる。
本発明の実施の形態に係るマシニングセンタ(工作機械)の概略構成を模式的に示すシステム系統図である。 刃具としてのリーマで、ワークである弁ボディに対して仕上げ加工(切削加工)を施している状態を示す概略縦断面図である。 液体噴射ノズルとしての油噴射ノズルで、前記弁ボディに形成されたバリを除去するバリ取り加工を施している状態を示す概略縦断面図である。 前記仕上げ加工を含む孔加工工程の概略フロー図である。 前記孔加工工程後に実施されるバリ取り加工工程の概略フロー図である。 変形例に係るマシニングセンタ(工作機械)の要部概略構成図である。
以下、本発明に係るワーク加工方法につき、それを実施するための工作機械との関係で好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。なお、本実施の形態では、スプールバルブの弁ボディをワークとする場合を例示して説明する。
図1は、本実施の形態に係る工作機械としてのマシニングセンタ10の概略構成を模式的に示すシステム系統図である。このマシニングセンタ10は、テーブル12と、該テーブル12に位置決め固定された弁ボディ14(ワーク)に対して種々の機械加工を施すための主軸16とを有する。コラム18に支持された主軸16は、図示しない昇降機構(例えば、ボールネジ機構等)の作用下に、テーブル12及び弁ボディ14に対して接近又は離間することが可能である。
いずれも図示しないが、テーブル12や主軸16は、ドアが設けられたカバーによって覆われている。すなわち、機械加工はカバーの内部で行われる。さらに、テーブル12には、弁ボディ14を位置決め固定するためのクランプが設けられている。
主軸16には、中ぐり工具、ドリル、リーマ20(図2参照)等の刃具や、液体噴射ノズルとしての油噴射ノズル22(図3参照)のいずれか1つの工具Tが、ホルダ24を介して選択的に取り付けられる。換言すれば、主軸16に取り付ける工具Tを適宜選定することにより、弁ボディ14に対し、該工具Tの種類に応じた機械加工を行うことができる。
各種の工具Tは、自動工具交換装置26(以下、「ATC」とも表記する)によって交換される。具体的には、ATC26は、工具マガジン28と、交換アーム30(工具交換手段)とを有する。工具Tの各々は、ホルダ24に取り付けられた状態で、主軸16の近傍に配設された工具マガジン28に保管されている。また、交換アーム30は、主軸16に取り付けられた工具Tを、工具マガジン28に保管された別の工具Tに交換する。工具マガジン28が、主軸16に次に取り付けられるべき工具Tを割り出す割り出し機構を具備していることは勿論である。
図2に示すように、弁ボディ14には弁孔32が形成されている。該図2に長手方向に沿った概略断面として示されるリーマ20は、この弁孔32に対して行う孔加工の最終工程、すなわち、仕上げ加工で用いられる。一方、図3には、仕上げ加工の後工程であるバリ取り加工で用いられる油噴射ノズル22を、長手方向に沿った概略断面として示している。リーマ20及び油噴射ノズル22の構成や、孔加工及びバリ取り加工については後述する。
図2及び図3に示すように、主軸16には、貯留槽34(図1参照)から供給された切削油36(切削剤)が流通する流通路38が形成される。この流通路38は、ホルダ24の長手方向に沿って形成された連通路39と、リーマ20の長手方向に沿って形成された導入路40とを介して噴射孔42に連通する。同様に、流通路38は、前記連通路39と、油噴射ノズル22の長手方向に沿って形成された導入路44を介して噴射孔46に連通する。すなわち、仕上げ加工やバリ取り加工は、弁孔32内の加工箇所に対し、リーマ20又は油噴射ノズル22から切削油36を噴射・供給しながら遂行される。
リーマ20(図2参照)は、公知の1枚刃のものや複数枚刃のものから選定することができる。例えば、真円度を重視する場合には1枚刃のものを選定し、加工速度を重視する場合には3枚刃のものや4枚刃のものを選定すればよい。刃数が多いほどバリを小さくすることができるとともに加工速度を大きくすることができるが、加工時の振動(いわゆるびびり)が大きくなり、このために弁孔32の真円度が大きくなる(真円からの狂いが大きくなる)傾向がある。これを回避するべく、複数枚刃であり且つ隣接する刃同士の間隔が同一ではない不等分割リーマを採用することが好ましい。周知の通り、不等分割リーマでは、振動を抑制しつつ加工速度を大きくすることが可能であるからである。
噴射孔42は、リーマ20の先端面のみならず、長手方向の任意の箇所に形成することができる。
また、油噴射ノズル22は、図3に示すように、略円筒形状のシャンク部48を有するものとして構成することができる。前記噴射孔46は、シャンク部48の先端に、導入路44に対して略直交するように、例えば、2個形成される。すなわち、2個の噴射孔46は、油噴射ノズル22の直径方向に沿って延在し、且つ互いに略180°で離間している。
図1に示すように、マシニングセンタ10は、主軸16、ひいては各工具Tに切削油36を供給するための油供給系統を具備する。この油供給系統には、前記貯留槽34と、該貯留槽34から主軸16(各工具T)に切削油36を供給するための供給ライン50とが含まれる。
貯留槽34には、切削油36を所定圧力で吐出して送液するための吐出手段であるポンプ52が設けられ、前記供給ライン50は、このポンプ52に接続されている。なお、図1においては、切削油36内にポンプ52を浸漬した状態を模式的に示しているが、貯留槽34外にポンプ52を設置するようにしてもよいことは勿論である。
ポンプ52には、モータ56が付設される。ポンプ52の送液力(吐出圧力)、換言すれば、供給ライン50を流通して弁孔32内に噴射される切削油36の圧力は、モータ56の回転数が変化することに応じて変化する。なお、モータ56の回転数は、NCプログラムを記憶した制御回路58の制御作用下に、インバータ60を介して変更することができる。すなわち、制御回路58は、圧力設定手段としても機能する。
供給ライン50には、貯留槽34に向かう回収ライン62及び圧力調整ライン64が個別に接続される。この中の回収ライン62には、上流側から電磁バルブ66が回収用バルブとして設けられる。この電磁バルブ66は、供給ライン50(上流側)から貯留槽34(下流側)に向かう流れのみを許容する。
電磁バルブ66は、供給ライン50に切削油36が流通しているとき、すなわち、主軸16に取り付けられた工具Tに対して切削油36が供給されているときには閉状態とされる。また、切削油36の供給が停止されたときに開状態となる。
一方、圧力調整ライン64には、圧力計70と、圧力調整用バルブとしてのリリーフバルブ72が設けられている。供給ライン50内を流通する切削油36の圧力は、圧力計70によってモニタリングされる。また、リリーフバルブ72は、通常は閉状態であり、供給ライン50内の切削油36の圧力が所定の閾値を超えたときに開状態となる。
以上の構成において、主軸16、ATC26、インバータ60、電磁バルブ66、圧力計70及びリリーフバルブ72は、制御回路58に対して電気的に接続されている。なお、モータ56とインバータ60も電気的に接続されている。図1においては、理解を容易にするべく、制御回路58と、インバータ60、電磁バルブ66、圧力計70、リリーフバルブ72の各々とを接続する信号線、インバータ60とモータ56を接続する信号線を示している。
図2及び図3に示す弁ボディ14について概略説明すると、該弁ボディ14は、アルミニウム合金の溶湯を用いる鋳造加工によって得られた鋳造品である。弁ボディ14には、鋳造加工の際、その長手方向に沿って延在する弁孔32と、該弁孔32に略直交する油路74とが形成される。弁孔32にはスプール(図示せず)が挿入され、一方、油路74は、弁孔32に対し、圧力流体である作動油を供給したり排出したりするための通路となる。
本実施の形態に係るマシニングセンタ10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその作用効果につき、本実施の形態に係るワーク加工方法との関係で説明する。
図4A及び図4Bは、本実施の形態に係るワーク加工方法の概略フロー図である。このワーク加工方法は、仕上げ加工(切削加工)を含む孔加工工程と、仕上げ工程の際に発生するバリを除去するバリ取り加工工程とを有する。便宜上、孔加工工程のフローを図4A、バリ取り工程のフローを図4Bに分割しているが、孔加工工程及びバリ取り工程の双方は、上記したマシニングセンタ10によって実施される。
弁ボディ14は、上記したようにアルミニウム合金の溶湯を用いる鋳造加工によって得られる。弁孔32及び油路74(図2及び図3参照)は、この鋳造加工の際に形成される。この時点では、弁孔32の内壁は鋳肌であり面粗さが大きく、しかも、弁孔32の寸法精度が十分ではない。そこで、弁孔32に対して所定の孔加工を行い、スプールが容易に摺動するとともに、この摺動時に摩耗粉が発生することを回避し得るようにする。この孔加工には、図4Aに示すように、拡径加工や仕上げ加工等が含まれる。
孔加工を行うべく、作業者は、先ず、弁ボディ14をテーブル12(図1参照)に載置し、さらに、クランプにて該弁ボディ14を位置決め固定する。その後、カバーのドアを閉止する。これにより、カバー内に加工空間が形成される。
工作機械の主軸16には、例えば、中ぐり工具が予め取り付けられている。従って、主軸16を回転動作させるとともに弁ボディ14に指向して下降させることにより、中ぐり工具が弁孔32の開口から押し込まれる。中ぐり工具は弁孔32に比して大径であり、このため、中ぐり工具の進行に伴って弁孔32の内壁が切削される。その結果、弁孔32が拡径される。
なお、この時点では、切削油36を、主軸16の内部を通過させて加工箇所に供給するのではなく、中ぐり工具の外方から掛けるようにして供給することができるが、主軸16の内部を通過させて加工箇所に供給してもよいことは勿論である。
また、必要に応じ、中ぐり工具をドリルに交換してさらなる拡径加工(切削加工)を行うようにしてもよい。この際にも、切削油36を供給することが好ましい。本実施の形態では、中ぐり工具にて拡径加工を行った後、リーマ20を用いて仕上げ加工を行う際に切削油36を供給する場合を例示するものとする(図4A参照)。
中ぐり工具からリーマ20への交換は、ATC26(図1参照)によって自動的に行われる。すなわち、拡径加工が終了して主軸16が上昇し、元の位置に戻ったことを制御回路58が認識すると、該制御回路58は、ATC26に対して「工具交換」の指令信号を発信する。この信号を受けたATC26は、工具マガジン28を適宜回転させてリーマ20を割り出す。さらに、交換アーム30を変位させ、工具マガジン28からリーマ20をホルダ24ごと引き抜いて保持すると同時に、主軸16から中ぐり工具をホルダ24ごと引き抜いて保持する。
交換アーム30は、この状態で所定角度(一般的には180°)回転する。その結果、主軸16にリーマ20が対向するとともに、工具マガジン28に中ぐり工具が対向する。交換アーム30は、さらに、上記とは逆方向に変位し、工具マガジン28に中ぐり工具をホルダ24ごと収納すると同時に、主軸16にリーマ20をホルダ24ごと取り付ける。以上により、中ぐり工具からリーマ20への工具交換が終了する。
工具交換が終了したことを認識した制御回路58は、インバータ60に対し、「第1の圧力で切削油36が吐出される回転数でモータ56を回転する」との指令信号を発する。これにより貯留槽34内の切削油36が第1の圧力でポンプ52から吐出され、供給ライン50から主軸16に向かって流通する。主軸16に供給された切削油36は、主軸16に形成された流通路38(図2参照)、及びリーマ20に形成された導入路40を経由し、該導入路40に連通する噴射孔42から噴射される。ここで、加工空間がカバー内に形成されているので、切削油36はカバーに堰止される。すなわち、切削油36がカバー外に飛散することはない。
このようにして切削油36を噴出するリーマ20が、主軸16とともに回転しながら弁孔32内を進行する。リーマ20の直径は、弁孔32の最小内径に略等しい。このため、弁孔32内の、内径が最小である部位(スプールの側壁が摺接する部位)の内壁が、リーマ20によって切削される。この切削により、該部位の内壁の表面粗さが小さくなり、いわゆる鏡面が得られる。すなわち、仕上げ加工が営まれる。場合によっては、リーマ20で弁孔32を若干拡径することもある。
上記したように、リーマ20が複数枚刃の不等分割リーマであると、振動が生じ難くなるために弁孔32の真円度が良好となるので好適である。ただし、リーマ20は1枚刃のものであってもよいし、2枚刃や3枚刃の等分割リーマであってもよい。
なお、第1の圧力が過度に低いと、加工箇所の潤滑ないし冷却が十分でなくなる。また、過度に高いと、リーマ20が振動するようになるので弁孔32の真円度が大きくなる。従って、第1の圧力は、加工箇所を十分に潤滑ないし冷却し得、且つリーマ20が加工精度に影響を及ぼすほど振動することがない範囲、好適には、1〜3MPaに設定される。
切削油36の供給が開始されてから仕上げ加工が終了するまでの間、供給ライン50内の切削油36の圧力は、圧力計70によってモニタリングされる。供給ライン50内の切削油36の圧力が第1の圧力以下であるときには、リリーフバルブ72は閉状態に保たれる。一方、供給ライン50内の切削油36の圧力が第1の圧力を上回ると、制御回路58の制御作用下に、リリーフバルブ72が所定の開度で開く(図4A参照)。このため、供給ライン50に流通する切削油36の一部が、圧力調整ライン64を介して貯留槽34に戻される。また、リリーフバルブ72が開状態となることに伴って供給ライン50の圧力が低減する。
リリーフバルブ72は、供給ライン50内の圧力が第1の圧力以下に低減したときに閉止する。勿論、供給ライン50内の切削油36の圧力が再び第1の圧力を上回ったときには、再度、所定の開度で開く。以上のようにして、仕上げ加工の最中の切削油36の圧力が略第1の圧力に保たれる。なお、リリーフバルブ72は、制御回路58の制御作用下に開閉するものではなく、所定圧力に到達したときに自動的に開閉するものであってもよい。
仕上げ加工は、リーマ20が所定量送り出されることによって終了する。このことを認識した制御回路58は、主軸16を上昇させることでリーマ20を弁孔32から離脱させ、元の位置に戻す。弁孔32が複数個形成されている場合、各弁孔32に対し、上記に準拠して仕上げ加工を順次行う。
全ての弁孔32に対して仕上げ加工が施された後、制御回路58は、インバータ60に対して「モータ56の回転停止」の指令信号を発信する。この信号を受けたインバータ60がモータ56を停止させることで、図4Bに示すように、ポンプ52からの切削油36の吐出が停止する。なお、以上の孔加工工程が進行している最中、電磁バルブ66は閉状態を維持する。
制御回路58は、バリ取り加工を行うべく、さらに、ATC26に対して「工具交換」の指令信号を発信する。この信号を受けたATC26は、工具マガジン28を適宜回転させて油噴射ノズル22を割り出す。制御回路58は、さらに、交換アーム30を変位させ、工具マガジン28から油噴射ノズル22をホルダ24ごと引き抜いて保持すると同時に、主軸16からリーマ20をホルダ24ごと引き抜いて保持する。
この状態で、交換アーム30が所定角度回転することにより、主軸16に油噴射ノズル22が対向するとともに、工具マガジン28にリーマ20が対向する。交換アーム30は、さらに、上記とは逆方向に変位し、工具マガジン28にリーマ20をホルダ24ごと収納すると同時に、主軸16に油噴射ノズル22をホルダ24ごと取り付ける。以上により、リーマ20から油噴射ノズル22への工具交換が終了する。
工具交換の開始と略同時に、制御回路58は、電磁バルブ66を開状態とする指令信号を発信する。その結果、電磁バルブ66が開き、供給ライン50に残留していた切削油36が回収ライン62から貯留槽34に回収される。また、供給ライン50の圧力が開放され、大気圧に戻る。
工具交換が終了したことを認識した制御回路58は、電磁バルブ66を閉状態とするとともに、インバータ60に対して「第2の圧力で切削油36が吐出される回転数でモータ56を回転する」との指令信号を発する。これにより貯留槽34内の切削油36が第2の圧力でポンプ52から吐出され、供給ライン50から主軸16に向かって流通する。主軸16に供給された切削油36は、主軸16に形成された流通路38(図3参照)、及び油噴射ノズル22に形成された導入路44を経由し、該導入路44に連通する噴射孔46から噴射される。この時点でも、加工空間がカバー内に形成された状態が維持されているので、切削油36がカバーに堰止される。従って、上記と同様に切削油36がカバー外に飛散することはない。
このようにして切削油36を噴出する油噴射ノズル22が、主軸16とともに回転しながら弁孔32内を進行する。油噴射ノズル22の外径は、弁孔32の最小内径に比して小さく設定されており、このため、油噴射ノズル22が弁孔32の内壁に摺接することはない。従って、油噴射ノズル22が進行することは容易である。
そして、進行の際、噴射孔46から噴射される切削油36がバリに接触することにより、該バリが弁ボディ14から切断される。すなわち、バリ取りが営まれる。
ここで、第2の圧力は、第1の圧力に比して高圧に設定される。第1の圧力よりも小さいと、バリを除去することが容易でなくなるからである。さらに、第2の圧力は、スプールバルブの動作時に弁孔32内に導入される作動油の圧力よりも高圧に設定することが好ましい。このような圧力の切削油36を接触させたときであっても除去し得ないバリは、切削油36に比して低圧の作動油が接触したときに切断される懸念がないからである。
また、第2の圧力の上限は、主軸16の許容使用油圧以下に設定する。これに加え、ポンプ52に過大な負荷が作用することを回避するべく、ポンプ52の最大吐出圧力を下回る値とすることが好ましい。なお、スプールバルブの動作時の一般的な作動油の圧力を考慮すると、第2の圧力は、7MPa程度であっても十分である。油圧がこの程度であれば、主軸16の許容使用油圧を十分に下回り、且つポンプ52の最大吐出圧力も十分に下回る。以上のような理由から、第2の圧力は、4〜7MPaに設定することが好適である。
油噴射ノズル22の外径は、上記したように弁孔32の最小内径に比して小さく設定されている。従って、その内部を上記のように高圧の切削油36が流通するときに振動が生じたとしてもなお、弁孔32の内壁と油噴射ノズル22との間に余裕空間がある。このため、弁孔32の内壁に油噴射ノズル22が当接したり、このことに起因して油噴射ノズル22の進行が妨げられたりすることが回避される。
切削油36の供給が開始されてからバリ取り加工が終了するまでの間、供給ライン50内の切削油36の圧力は、圧力計70によってモニタリングされる。供給ライン50内の切削油36の圧力が第2の圧力以下であるときには、リリーフバルブ72は閉状態に保たれる。一方、供給ライン50内の切削油36の圧力が第2の圧力を上回ると、制御回路58の制御作用下に、リリーフバルブ72が所定の開度で開く(図4B参照)。このため、供給ライン50に流通する切削油36の一部が、圧力調整ライン64を介して貯留槽34に戻される。また、リリーフバルブ72が開状態となることに伴って供給ライン50の圧力が低減する。
リリーフバルブ72は、供給ライン50内の圧力が第2の圧力以下に低減したときに閉止し、供給ライン50内の切削油36の圧力が再び第2の圧力を上回ったときには、所定の開度で再開する。以上のようにして、バリ取り加工の最中の切削油36の圧力が略第2の圧力に保たれる。
バリ取り加工は、油噴射ノズル22が所定量送り出されることによって終了する。このことを認識した制御回路58は、主軸16を上昇させることで油噴射ノズル22を弁孔32から離脱させ、元の位置に戻す。弁孔32が複数個形成されている場合、各弁孔32に対し、上記に準拠してバリ取り加工を順次行う。
全ての弁孔32に対してバリ取り加工が施された後、制御回路58は、インバータ60に対して「モータ56の回転停止」の指令信号を発信する。この信号を受けたインバータ60がモータ56を停止させることで、ポンプ52からの切削油36の吐出が停止する。作業者は、その後、ドアを開けて弁ボディ14をクランプから解放し、さらに、該弁ボディ14をテーブル12から搬出すればよい。
この搬出の最中、又は、次に孔加工を施す弁ボディ14をテーブル12に位置決め固定してドアを閉じる。その一方で、制御回路58の制御作用下に、電磁バルブ66を開状態とする。その結果、供給ライン50に残留していた切削油36が回収ライン62から貯留槽34に回収される。また、供給ライン50の圧力が開放され、大気圧に戻る。
新たな弁ボディ14に対して孔加工を施す場合、電磁バルブ66を閉状態とした上で、図4Aに示す過程を再度行えばよい。供給ライン50の圧力が一旦開放された後であるため、噴射開始時から切削油36が第1の圧力で供給・噴射される。すなわち、リーマ20から高圧(第2の圧力)の切削油36が噴射されることが回避されるので、該リーマ20が振動することを防止することができる。このため、仕上げ加工時の弁孔32の真円度が良好となる(真円からの狂いが小さくなる)。
以上のように、本実施の形態によれば、リーマ20又は油噴射ノズル22のいずれかを主軸16に対して選択的に取り付けることにより、仕上げ加工(切削加工)を含む孔加工と、バリを除去するバリ取り加工とを、1台のマシニングセンタ10によって個別に実施することができる。このため、仕上げ加工の後に弁ボディ14をマシニングセンタ10から解放したり、バリ取り装置に搬送したり、バリ取り装置に位置決め固定したりする必要がない。この分、作業が簡素となるとともに、完成品としての弁ボディ14を効率よく得ることができるようになる。
しかも、バリ取り装置が不要となるので、設備投資及びコストの低廉化を図ることができる。加えて、本実施の形態では、孔加工を行う際に用いる切削油36を、バリ取り加工を行うときにも用いるようにしている。すなわち、孔加工とバリ取り加工で同一の液体を供給・噴射している。このことも、コストの低廉化に寄与する。
なお、特に図示していないが、弁孔32内に噴射された切削油36は、テーブル12内等に設けられた回収槽に回収され、摩耗粉等が除去された後、貯留槽34に戻されて循環使用される。貯留槽34を回収槽として用いるようにしてもよい。この場合、切削油36をテーブル12から貯留槽34に案内するラインにフィルタを設ければよい。
上記した実施の形態では、1本の圧力調整ライン64を設けるとともに、該圧力調整ライン64に設けたリリーフバルブ72を制御回路58で制御することで開閉するようにしているが、図5に示すように、圧力調整ラインとして、第1圧力調整ライン80、第2圧力調整ライン82の2本を設けるようにしてもよい。以下、この形態について説明する。なお、図5において、図1に示す構成要素と同一の構成要素には同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
この場合、第1圧力調整ライン80には、上流側から電磁バルブ84及び手動バルブ86が圧力調整用バルブとして設けられる。電磁バルブ84は、制御回路58に対し、信号線を介して電気的に接続されている。すなわち、電磁バルブ84は制御回路58の制御作用下に開閉する。具体的には、切削油36が貯留槽34からリーマ20に送液されるときに開状態となり、切削油36が油噴射ノズル22に第2の圧力(高圧)で送液されるときには常時閉状態となる。この電磁バルブ84は、供給ライン50(上流側)から貯留槽34(下流側)に向かう流れのみを許容する。
また、手動バルブ86は、作業者の手作業によって開閉される。なお、手動バルブ86に代替し、ダイヤフラム式レギュレータからなるリリーフバルブを採用するようにしてもよい。
一方、第2圧力調整ライン82には、圧力計88と、ダイヤフラム式レギュレータからなるリリーフバルブ90とが設けられる。リリーフバルブ90内のダイヤフラムは、供給ライン50内の切削油36の圧力が所定の閾値、すなわち、第2の圧力を超えたときに変位する。このため、リリーフバルブ90は、通常は閉状態を維持し、切削油36が貯留槽34から油噴射ノズル22に第2の圧力(高圧)を上回る圧力で送液されるときには開状態となる。
第1圧力調整ライン80、第2圧力調整ライン82に設けられる構成要素中、制御回路58に対して電気的に接続されるのは電磁バルブ84のみである。すなわち、手動バルブ86(又はダイヤフラム式のリリーフバルブ)、圧力計88及びリリーフバルブ90として、制御を要しない簡素な構成のものが採用されている。このため、上記した実施の形態に比して設備投資を低廉化することができるので、一層の低コスト化を図ることができる。
この構成では、手動バルブ86の開度を調節する。すなわち、仕上げ加工を行うべく切削油36が貯留槽34から主軸16の内部を介してリーマ20に供給されるとき又はその前に、モータ56の回転数及びポンプ52の吐出圧力が、供給ライン50内を流通する切削油36の圧力が第1の圧力を若干上回るように設定される。従って、電磁バルブ84が開状態となる。作業者は、その後、手動バルブ86の開度を調節し、供給ライン50内を流通する切削油36の圧力が第1の圧力となる開度に設定する。この作業以降、手動バルブ86は常時開放される。
すなわち、切削油36が貯留槽34から供給されるときには、電磁バルブ84が制御回路58の制御作用下に開状態となるとともに、手動バルブ86が開状態とされていることにより、供給ライン50内の切削油36の圧力が調整される。一方、供給ライン50内の切削油36の一部が第1圧力調整ライン80を介して貯留槽34に戻される。これにより、供給ライン50内の圧力が第1の圧力に維持される。なお、リリーフバルブ90が閉状態を維持するため、切削油36の一部が第2圧力調整ライン82を介して貯留槽34に戻されることはない。
ATC26の作用下にリーマ20が油噴射ノズル22に交換されると略同時に、制御回路58は、電磁バルブ84を閉止する。制御回路58は、さらに、インバータ60を操作してモータ56の回転数を変化させ、ポンプ52の吐出圧力を大きくする。その結果、切削油36が第2の圧力(高圧)で貯留槽34から供給される。電磁バルブ84が既に閉状態となっているので、切削油36が第1圧力調整ライン80を流通して貯留槽34に戻されることはない。
供給ライン50内の切削油36の圧力が第2の圧力を上回ると、リリーフバルブ90は、その内部のダイヤフラムが自動的に変位することで所定の開度で開状態となる。このため、供給ライン50に流通する切削油36の一部が、第2圧力調整ライン82を介して貯留槽34に戻される。また、リリーフバルブ90が開状態となることに伴って供給ライン50の圧力が低減し、第2の圧力に維持される。作業者は、圧力計88をモニタリングすることで、供給ライン50の圧力が第2の圧力に維持されているか否かを確認することができる。
なお、リリーフバルブ90内のダイヤフラムは、供給ライン50内の圧力が第2の圧力以下に低減したときに自動的に元の位置に戻る。これに伴い、リリーフバルブ90が閉止する。
このように、第1圧力調整ライン80及び第2圧力調整ライン82を設けた場合には、低コストでありながら、供給ライン50内の圧力を制御して第1の圧力又は第2の圧力に保つことができる。
本発明は、上記した実施の形態に特に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
例えば、この実施の形態では、液体として切削油36を用いるようにしているが、これは、鉱物油を主成分とする油性切削油であってもよいし、水を主成分とする水溶性切削油であってもよい。
また、この実施の形態では、リーマ20を用いた仕上げ加工の後にバリ取り加工を行っているが、上記のバリ取り加工を、ドリル等を用いた所定の切削加工の後に行うようにしてもよい。
さらに、マシニングセンタ10が、横形のものや門形のものであってもよいことは勿論である。
そして、ワークはスプールバルブの弁ボディ14に限定されるものではなく、その他のものであってもよい。
10…マシニングセンタ(工作機械) 14…弁ボディ
16…主軸 20…リーマ
22…油噴射ノズル 26…自動工具交換装置(ATC)
28…工具マガジン 30…交換アーム
32…弁孔 34…貯留槽
36…切削油 38…流通路
40、44…導入路 42、46…噴射孔
48…シャンク部 50…供給ライン
52…ポンプ 56…モータ
58…制御回路 60…インバータ
62…回収ライン 64、80、82…圧力調整ライン
66、84…電磁バルブ 70、88…圧力計
72、90…リリーフバルブ 74…油路
86…手動バルブ T…工具

Claims (13)

  1. 内部に圧力流体が導入されるワークに対して切削加工を行うための刃具、又は、前記切削加工の際に前記ワークに発生したバリを除去するバリ取り加工を行うための液体噴射ノズルのいずれかが選択的に取り付けられる主軸と、
    前記刃具又は前記液体噴射ノズルに供給される液体を貯留した貯留槽と、
    前記貯留槽から前記刃具又は前記液体噴射ノズルに前記液体を供給するための供給手段と、
    前記供給手段に接続されて前記液体が流通する供給ラインと、
    前記供給ラインを流通する前記液体の圧力を設定する圧力設定手段と、
    を備え、
    前記圧力設定手段は、前記貯留槽から前記刃具に前記液体を供給するときの第1の圧力及び前記圧力流体の圧力に比して、前記貯留槽から前記液体噴射ノズルに前記液体を供給するときの第2の圧力を高圧に設定することを特徴とする工作機械。
  2. 請求項1記載の工作機械において、前記供給ラインに、該供給ラインに残留した前記液体を前記貯留槽に戻すための回収ラインが接続され、
    且つ前記回収ラインに、前記液体が前記貯留槽から前記刃具又は前記液体噴射ノズルに供給されているときには閉状態となる回収用バルブが設けられていることを特徴とする工作機械。
  3. 請求項1又は2記載の工作機械において、前記供給ラインに、該供給ラインを流通する前記液体を前記貯留槽に戻すための圧力調整ラインが接続され、
    且つ前記圧力調整ラインに、前記供給ラインを流通する前記液体の圧力を前記第1の圧力又は前記第2の圧力の少なくともいずれかに維持するための圧力調整用バルブが設けられていることを特徴とする工作機械。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の工作機械において、前記刃具又は前記液体噴射ノズルを保管するための工具マガジンと、前記主軸に取り付けられた前記刃具を前記液体噴射ノズルに交換する工具交換手段とを有することを特徴とする工作機械。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の工作機械において、前記刃具がリーマであることを特徴とする工作機械。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の工作機械において、前記液体噴射ノズルが、シャンク部の先端に、径方向に沿って複数個の噴射孔が形成されたものであることを特徴とする工作機械。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載の工作機械において、前記液体として切削剤を用いることを特徴とする工作機械。
  8. 工作機械の主軸に取り付けられた刃具に、貯留槽に貯留された液体を、供給ラインを介して第1の圧力で供給しながら、内部に圧力流体が導入されるワークに対し、前記刃具により切削加工を行う工程と、
    前記刃具を液体噴射ノズルに交換し、該液体噴射ノズルに、前記供給ラインを流通する前記液体を第2の圧力で供給しながら、該液体噴射ノズルにより前記切削加工の際に前記ワークに発生したバリを除去するバリ取り加工を行う工程と、
    を有し、
    前記第2の圧力を、前記第1の圧力及び前記圧力流体の圧力に比して高圧に設定することを特徴とするワーク加工方法。
  9. 請求項記載の加工方法において、前記供給ラインに、該供給ラインに残留した前記液体を前記貯留槽に戻すための回収ラインを接続し、且つ前記回収ラインに回収用バルブを設け、
    前記液体が前記貯留槽から前記刃具又は前記液体噴射ノズルに供給されているときには、前記回収用バルブを閉状態とすることを特徴とするワーク加工方法。
  10. 請求項又は記載の加工方法において、前記供給ラインに、該供給ラインを流通する前記液体を前記貯留槽に戻すための圧力調整ラインを接続し、且つ前記圧力調整ラインに、前記供給ラインを流通する前記液体の圧力を、前記第1の圧力又は前記第2の圧力の少なくともいずれかに維持するための圧力調整用バルブを設けることを特徴とするワーク加工方法。
  11. 請求項10のいずれか1項に記載の加工方法において、前記刃具として、リーマを用いることを特徴とするワーク加工方法。
  12. 請求項11のいずれか1項に記載の加工方法において、前記液体噴射ノズルとして、シャンク部の先端に、径方向に沿って複数個の噴射孔が形成されたものを用いることを特徴とするワーク加工方法。
  13. 請求項12のいずれか1項に記載の加工方法において、前記液体として切削剤を用いることを特徴とするワーク加工方法。
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