JP6332470B2 - 複合材料の成形方法および成形装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複合材料の成形方法および成形装置に関する。
近年、自動車の車体軽量化のために樹脂成形品が自動車部品として用いられている。樹脂成形品は、開閉可能な一対の下型(雌型)、上型(雄型)からなる成形型内のキャビティに樹脂を注入し、キャビティ内において樹脂を硬化させることによって得られる。樹脂成形品は、剛性を高めるために、強化基材とともに樹脂が硬化されてなる複合材料として形成される場合がある。この場合、キャビティ内に強化基材を設置した後に、樹脂の注入および硬化がなされる。
特開2002−59435号公報
キャビティ内に樹脂を注入する際に、樹脂の注入圧力を高くすることによって成形時間を短縮することができる。しかしながら、樹脂を高圧で注入することによって、成形型内に配置した強化基材が所定の位置からずれてしまう。強化基材の位置がずれると、成形品の強度が設計通りにならないなどの成形不良の原因となる。そのため、樹脂の注入圧力を高めることができず、成形時間を短縮できないという問題が生じている。
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、成形不良を防ぎつつ、成形時間の短縮を可能とする複合材料の成形方法および成形装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明に係る複合材料の成形方法は、開閉可能な成形型内の樹脂が注入される空間であるキャビティに強化基材を配置し、成形型に型締圧力を負荷した状態においてキャビティ内に樹脂を注入し、樹脂を硬化させて複合材料を成形する成形方法である。当該成形方法では、主剤と硬化剤とを混合する混合部を前記成形型内に配置するとともに、強化基材を成形型に対して押圧する押圧部を成形型に設ける。そして、当該成形方法では、キャビティへの樹脂の注入開始前に、押圧部によって強化基材を成形型に対して押圧することにより、強化基材を成形型内で位置ずれしない状態にする。また、当該成形方法では、混合部において主剤と硬化剤とを混合することにより樹脂を形成する。
また、上記目的を達成する本発明に係る複合材料の成形装置は、強化基材を配置し、樹脂が注入される空間であるキャビティが形成された開閉可能な成形型と、成形型に型締圧力を負荷するプレス部と、キャビティ内に樹脂を注入する樹脂注入部と、を有する。当該成形装置は、成形型に設けられ、強化基材を成形型に対して押圧する押圧部をさらに有するとともに、主剤と硬化剤とを混合する混合部を成形型内に備える。当該成形装置において、押圧部は、樹脂注入部によりキャビティ内に樹脂が注入される前に強化基材を成形型に対して押圧し、樹脂は、混合部において主剤と硬化剤とが混合されることにより形成される。
実施形態1に係る複合材料の成形装置の概略図である。 同成形装置の樹脂注入部の構成を示す概略図である。 同成形装置の押圧部を示す概略図であって、図1の破線部Aによって囲まれる部分に対応する拡大図である。 同成形装置のダイレクトゲートから吐出される樹脂から炭素繊維に作用される力を説明する説明図であって、図1の破線部Cによって囲まれる部分に対応する拡大図である。 図5(A)、図5(B)は同成形装置の押圧部の作用を説明する説明図であって、それぞれ型閉じ前および型閉じ中の図1の破線部Aによって囲まれる部分に対応する部分の様子を示す拡大図である。 図6(A)、図6(B)は同成形装置の押圧部の作用を説明する説明図であって、それぞれ型閉じ前および型閉じ中の図1の破線部Bによって囲まれる部分に対応する部分の様子を示す拡大図である。 実施形態1に係る複合材料の成形方法を示すフローチャートである。 図8(A)は、複合材料を使用した自動車部品を示す図であり、図8(B)は、部品を接合した車体を示す図である。 実施形態2に係る複合材料の成形方法を示すフローチャートである。 図10(A)、図10(B)は改変例に係る成形装置の押圧部を示す概略図であって、それぞれ押圧部を構成する押し込み治具を取り付ける前および取り付けた後の図1の破線部Aによって囲まれる部分に対応する部分を示す拡大図である。 図11(A)、図11(B)は同成形装置の押圧部を示す概略図であって、それぞれ型閉じ前および型閉じ中の図1の破線部Aによって囲まれる部分に対応する部分を示す拡大図である。 図12(A)、図12(B)は別の改変例に係る成形装置の押圧部を示す概略図であって、それぞれ型閉じ前および型閉じ中の図1の破線部Aによって囲まれる部分に対応する部分を示す拡大図である。
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。なお、以下の記載は特許請求の範囲に記載される技術的範囲や用語の意義を限定するものではない。また、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
(実施形態1)
図1は、複合材料200の成形装置100の概略図である。図2は、樹脂注入部30の構成を示す概略図である。図3は、押圧部90を示す概略図であって、図1の破線部Aによって囲まれる部分に対応する拡大図である。図4は、ダイレクトゲート13から吐出される樹脂220から炭素繊維210に作用される力を説明する説明図であって、図1の破線部Cによって囲まれる部分に対応する拡大図である。図5(A)、図5(B)は押圧部90の作用を説明する説明図であって、それぞれ型閉じ前および型閉じ中の図1の破線部Aによって囲まれる部分に対応する部分の様子を示す拡大図である。図6(A)、図6(B)は押圧部90の作用を説明する説明図であって、それぞれ型閉じ前および型閉じ中の図1の破線部Bによって囲まれる部分に対応する部分の様子を示す拡大図である。図7は、複合材料200の成形方法を示すフローチャートである。図8(A)は、複合材料200を使用した自動車部品301〜303を示す図であり、図8(B)は、部品301〜303を接合した車体300を示す図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
本実施形態に係る成形方法および成形装置100によって得られる複合材料200は、強化基材210と、樹脂220と、によって構成されている。強化基材210と組み合わせることによって樹脂220単体に比べて高い強度および剛性を備える複合材料200となる。また、図8に示すように、自動車の車体300(図8(B)を参照)に使用される部品であるフロントサイドメンバー301やピラー302等の骨格部品、ルーフ303等の外板部品に複合材料200を使用することによって、鉄鋼材料を使用した場合に比べて車体の軽量化が可能となる。
強化基材210は、炭素繊維、ガラス繊維、有機繊維等の織物シートによって形成され、積層された状態において成形型10に形成されたキャビティ15内に配置してプリフォームする。本実施形態においては、熱膨張係数が小さく寸法安定性に優れ、高温下においても機械的特性の低下が少ない炭素繊維を用いる。なお、プリフォームは成形型10以外の別型により行ってもよい。
樹脂220は、主剤と硬化剤とを混合することにより形成される。具体的には、樹脂220として、熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂、フェノール樹脂等が用いられる。本実施形態においては、機械的特性、寸法安定性に優れたエポキシ樹脂を用いる。エポキシ樹脂は2液タイプが主流であり、主剤はビスフェノールA型のエポキシ樹脂、硬化剤はアミン系のものが一般的に用いられるが、特にこれに限定されるものではなく、所望の材料特性に合わせて適宜選択できる。樹脂220の粘度は、主剤と硬化剤との混合から時間が経つにつれて増加する。
図1を参照して、本実施形態に係る成形装置100は、概説すると、炭素繊維210(強化基材に相当)を配置するキャビティ15が形成された開閉可能な成形型10と、成形型10に型締圧力Pmを負荷するプレス部20と、キャビティ15内に樹脂220を注入する樹脂注入部30と、を有する。成形装置100は、キャビティ15内の圧力Prを測定する圧力計50と、成形型10内を真空引きする吸引部60と、成形型10の温度を調整する成形型温度調整部70と、成形装置100全体の作動を制御する制御部80と、成形型10に設けられ、炭素繊維210を成形型10に対して押圧する押圧部90と、をさらに有する。以下、成形装置100について詳述する。
成形型10は、開閉可能な一対の上型11(雄型)と、下型12(雌型)と、を有する。上型11と下型12の間に、密閉自在なキャビティ15を形成する。炭素繊維210は、積層してプリフォームした状態において予めキャビティ15内に配置する。上型11の上方部に、ダイレクトゲート13を設ける。ダイレクトゲート13を樹脂注入部30に連結し、上方からキャビティ15内に樹脂220を注入する。樹脂220は、炭素繊維210の上面から内部に含浸する。また、下型12の端部に、吸引口14を設ける。吸引口14を吸引部60に連結し、キャビティ15内を真空引きして空気を吸引除去する。さらに、上型11においてキャビティ15を形成する面の周辺部には溝16が設けられる。溝16は、後述する押圧部90が設置される。キャビティ15内を密閉状態にするために、上型11と下型12の合わせ面にシール部材等を設けてもよい。
プレス部20は、成形型10の上型11に型締圧力Pmを負荷する。プレス部20は、油圧等の流体圧を用いたシリンダー21を有し、油圧等を制御することによって型締圧力Pmを調整する。
樹脂注入部30は、主剤を充填した主剤タンク31と、硬化剤を充填した硬化剤タンク32と、主剤および硬化剤の搬送流路を形成するチューブ33と、樹脂220のキャビティ15内への注入圧力Piを測定する圧力計34と、主剤と硬化剤とを混合するミキシングヘッド40(混合部に相当)と、を有する。圧力計34は、樹脂220の注入圧力Piを測定するため、ダイレクトゲート13に接続される。
図2を参照して、樹脂注入部30は、主剤タンク31および硬化剤タンク32に連結されるチューブ33a、33bにそれぞれ配置されたポンプ35a、35bをさらに有する。ポンプ35a、35bは、主剤および硬化剤を一定圧力においてミキシングヘッド40に向けて吐出する。
ミキシングヘッド40は、主剤と硬化剤とを混合して樹脂220を形成する。本実施形態において、ミキシングヘッド40は上型11内に配置される。ミキシングヘッド40はダイレクトゲート13に接続され、ダイレクトゲート13を介して樹脂220をキャビティ15に吐出する。
より具体的には、ミキシングヘッド40は、シリンダー41と、ピストン42と、を有する。シリンダー41は、ピストン42の基端部42aによって区画された2つのチャンバ41u、41dを有する。2つのチャンバ41u、41dに供給する空圧または油圧などの流体圧を調整することによって、ピストン42は図において上下方向に移動する。
シリンダー41は、上側吸入口44a、44bと、下側吐出口45a、45bと、を有する。ピストン42が図において上方に移動すると、下側吐出口45a、45bが開かれて主剤および硬化剤が吐出される。下側吐出口45a、45bのそれぞれから吐出した主剤および硬化剤は、混合されて樹脂220を形成する。形成された樹脂220は、ダイレクトゲート13に吐出される。ピストン42が図において下方に移動すると、上側吸入口44a、44bと下側吐出口45a、45bとが、ピストン42に形成した凹部43a、43bを介して連通する。主剤および硬化剤は、下側吐出口45a、45bから凹部43a、43bを通り、上側吸入口44a、44bから主剤タンク31および硬化剤タンク32に再び戻される。この動作によって、主剤および硬化剤は、一定の圧力においてチューブ33a、33b内を循環する。
図2におけるピストン42の上下方向の移動量を調節することにより、主剤および硬化剤の流通経路の開度が調整される。流通経路の開度によって、樹脂220のキャビティ15内への注入量Qiを調整し、成形型10に搬送される樹脂220の注入圧力Piを調整する。なお、樹脂220が硬化する前の状態において粘度が200[mPa・s]以下のとき、キャビティ15内への樹脂220の注入量Qiと注入圧力Piは、Qi=A×Pi(Aは、流出係数、流路面積および流体密度によって決まる値)の式によって表される相関関係にあることが知られている。
上述したように、ミキシングヘッド40は成形型10内に配置される。これにより、成形型10内で炭素繊維210を位置ずれさせることなく、樹脂220の注入圧力Piをさらに高めることができる。
具体的には、図4に示すように、ダイレクトゲート13から吐出された樹脂220は、炭素繊維210に接触することにより、炭素繊維210を位置ずれさせようとする力を炭素繊維210に作用させる。炭素繊維210を位置ずれさせようとする力は、例えば、図4の矢印F1〜F3で示す方向の力である。矢印F1またはF3で示される方向の力は、それぞれ図4において炭素繊維210を左または右に位置ずれさせ得る。また、矢印F2で示される方向の力は、図4において炭素繊維210を上下方向にばたつかせ得る。炭素繊維210が上下方向にばたつくことによって、炭素繊維210は位置ずれし得る。
樹脂220から作用される炭素繊維210を位置ずれさせようとする力は、樹脂220の粘度が低い方が、粘度が高い状態と比較して弱い。そして、樹脂220の粘度は、主剤と硬化剤とが混合されてから時間が経つにつれて増加する。本実施形態では、ミキシングヘッド40は成形型10内に配置されるから、主剤と硬化剤とが混合されて樹脂220が形成されてから、キャビティ15に樹脂220が注入されるまでの時間が短い。すなわち、樹脂220は粘度が低い状態でキャビティ15内に注入される。これにより、粘度が高い状態と比較して、注入時に樹脂220が接触することにより炭素繊維210に作用される炭素繊維210を位置ずれさせようとする力が弱い。そのため、成形型10内で炭素繊維210を位置ずれさせることなく、樹脂220の注入圧力Piを高めることができる。
また、粘度が低い場合の方が、粘度が高い場合と比較して炭素繊維210への含浸性が高い。そのため、同じ注入圧力Piであっても樹脂220の粘度を低くすることにより樹脂220の注入量Qiを高めることができる。
図1を再び参照して、圧力計50は、ひずみゲージ等を備え、キャビティ15内の圧力Prを測定するために成形型10に配置される。
吸引部60は、真空ポンプ(図示せず)を有する。吸引部60は、成形型10の型閉じ後、かつ、樹脂220の注入開始前に、吸引口14からキャビティ15内の空気を吸引(真空引き)し、キャビティ15内を真空状態にする。
成形型温度調整部70は、加熱部材を有し、成形型10を樹脂220の硬化温度まで加熱し、キャビティ15内に注入された樹脂220を硬化させる。加熱部材は、電気ヒーターであり、直接的に成形型10を加熱する。なお、加熱部材はこれに限定されず、たとえば、油などの熱媒体を電気ヒーターによって加熱し、成形型10内に熱媒体を循環させることによって、成形型10の温度を調整してもよい。
制御部80は、成形装置100全体の動作を制御する。制御部80は、記憶部81と、演算部82と、入出力部83と、を有する。入出力部83は、圧力計34、50と、プレス部20と、バルブ40と、吸引部60と、成形型温度調整部70とに接続される。記憶部81は、ROMやRAMから構成される。演算部82は、CPUを主体に構成され、入出力部83を介して圧力計34、50からの樹脂220の注入圧力Pi、キャビティ15内の圧力Pr、およびプレス部20からの成形型10の開閉状態のデータを受信する。演算部82は、記憶部81から読み出したデータおよび入出力部83から受信したデータを基にミキシングヘッド40のピストン42位置、吸引部60の吸入圧および成形型温度調整部70による成形型10の加熱温度を算出する。算出データを基にした制御信号は、入出力部83を介してミキシングヘッド40、吸引部60および成形型温度調整部70に送信する。このようにして、制御部80は、樹脂220の注入圧力Pi、樹脂220の注入タイミング、真空引き時のキャビティ15内の圧力Pr、成形型温度等を制御する。
押圧部90は、成形型10に設けられ、炭素繊維210を成形型10に対して押圧する。具体的には、押圧部90は、樹脂注入部30によりキャビティ15内に樹脂220が注入される前に炭素繊維210を成形型10に対して押圧する。より具体的には、押圧部90は、成形型10の型閉じ前に炭素繊維210を成形型10に対して押圧する。さらに具体的には、押圧部90は、成形型10の型締圧力Pmとは異なる調整自在の圧力により炭素繊維210を成形型10に対して押圧する。実施形態1にあっては、押圧部90は、成形型10とは別体として成形型10に設けられる。
図3に示すように、押圧部90は、本実施形態において、成形型10とは別体として形成される弾性部材91と、押圧要素92と、により構成される。弾性部材91は、一端が上型11の溝16の底部に取り付けられ、他端が押圧要素92の上面に取り付けられる。
図5(A)および図5(B)を参照して、成形型10の型閉じ開始前において、弾性部材91の長さは自然長の状態にある。そして、成形型10の型閉じが進むと、押圧要素92が炭素繊維210に接触する。さらに、成形型10の型閉じが進むと、弾性部材91の長さは図5(B)の矢印の方向に収縮していく。弾性部材91の長さが収縮することにより、押圧要素92には弾性部材91から弾性力が作用される。これにより、押圧要素92は炭素繊維210を成形型10に対して押圧する。
図6(A)および図6(B)を参照して、成形型10を型閉じするとき上型11の側部Sは炭素繊維210に接触する。このとき、炭素繊維210は、上型11の側部Sから図6(B)の矢印方向に力を受ける。炭素繊維210は、上型11の側部Sから作用する力によって位置ずれし得る。この位置ずれを防止するために、上型11および下型12には一般に抜き勾配が設けられる。本実施形態において、弾性部材91の長さの収縮は、成形型10の型閉じ完了前に始まる。すなわち、押圧要素92への弾性部材91からの弾性力の作用は、成形型10の型閉じ完了前に始まる。そのため、押圧要素92は、成形型10の型閉じ完了前に炭素繊維210を成形型10に対して押圧する。これにより、図6(B)に示す矢印方向の力によって炭素繊維210が位置ずれするのを防止できる。また、抜き勾配を小さく設定できるため、上型11および下型12の形状の設計の自由度が増す。
また、弾性部材91の長さの収縮は、上述したように成形型10の型閉じ完了前に始まる。そして、制御部80は、上述したように成形型10の型閉じ完了後に樹脂220の注入を開始する。すなわち、押圧要素92は、樹脂注入部30によりキャビティ15内に樹脂220が注入される前に炭素繊維210を成形型10に対して押圧する。これにより、注入圧力Piが付加された樹脂220がキャビティ15内に注入されたときに、樹脂220から受ける力によって炭素繊維210がキャビティ15内で位置ずれするのを防ぐことができる。すなわち、成形型10内で炭素繊維210を位置ずれさせることなく、樹脂220の注入圧力Piを高めることができる。注入圧力Piを高めることにより成形時間を短縮できるから、成形不良を防ぎつつ成形時間を短縮できる。
また、押圧部90による炭素繊維210の押圧は、上述したように成形型10の型締圧力Pmとは異なり弾性要素91の弾性力によりなされる。すなわち、押圧部90は、成形型10の型締圧力Pmとは異なる調整自在の圧力により炭素繊維210を成形型10に対して押圧する。これにより、炭素繊維210を押圧するときの圧力を型締圧力Pmとは独立して調整できるため、炭素繊維210を安定して押圧できる。具体的には、型締圧力Pmは非常に大きな圧力のため、炭素繊維210を安定して押圧するように圧力の大きさを制御するのは難しい。また、上型11と下型12の接触は、上型11と上型12の成形誤差等の影響により均等になされるとは限らない。そのため、成形型10の型締圧力Pmとは異なる調整自在の圧力により炭素繊維210を成形型10に対して押圧することにより、炭素繊維210に均等に圧力を負荷することが容易になる。すなわち、炭素繊維210を安定して押圧できる。
さらに、押圧部90は、成形型10とは別体として成形型10に設けられる。これにより、成形装置100の製造が容易になるとともに成形装置100の製造コストを抑えることができる。例えば、押圧部90を備えていない既存の成形型に、当該成形型とは別体として製造された押圧部90を当該成形型に取り付ける簡易な方法によって、成形装置100を製造できる。これにより、成形装置100の製造が容易になるとともに製造コストを抑えることができる。
また、成形型10を変更することなく押圧部90のみを設計変更できる。これにより、成形型10内で炭素繊維210が位置ずれしないように、成形装置100を最適に設計し易くなる。例えば、強化基材210の形状や材質、および強化基材210の押圧位置等に応じて、弾性部材91の弾性力や押圧要素92の形状等を最適に設計しやすくなる。
さらに、成形型10と押圧部90とをそれぞれ独立して交換できる。これにより、成形装置100のメンテンス性が向上する。例えば、押圧部90が損傷した場合、押圧部90のみを交換することにより、成形型10を交換することなく複合材料の成形を続けることができる。
以下、図7を参照して複合材料200の成形方法の手順について説明する。
図7に示すように、複合材料200の成形方法は、炭素繊維210を配置する工程(ステップS1)と、成形型10の型閉じを開始する工程(ステップS2)と、炭素繊維210を成形型10内で位置ずれしない状態にする工程(ステップS3)と、成形型10の型閉じを完了する工程(ステップS4)と、真空吸引を行う工程(ステップS5)と、樹脂220を注入する工程(ステップS6およびステップS7)と、樹脂220を硬化させる工程(ステップS8)と、脱型する工程(ステップS9)と、を有する。以下、各工程について詳述する。なお、ステップS1、S8、S9の操作を除き、制御部80が各ステップの処理を実行する。
まず、炭素繊維210を積層し、成形型10のキャビティ15内に配置してプリフォームする(ステップS1)。このとき、キャビティ15に臨む型内面を、所定の有機溶剤を用いて脱脂処理し、離型剤を用いて離型処理を施しておく。
次に、成形型10の型閉じを開始する(ステップS2)。本実施形態では、プレス部20により成形型10に型締圧力Pmを負荷することにより成形型10の上型11と下型12が接近して型閉じが進行する。
次に、炭素繊維210を成形型10内で位置ずれしない状態にする(ステップS3)。これにより、成形型10を型閉じするときに、図6(B)に示す矢印方向の力によって炭素繊維210がキャビティ15内で位置ずれすることが防止される。そのため、成形型10を型閉じするときに成形型10に接触することによって炭素繊維210が位置ずれすることが防止される。本実施形態では、成形型10に設けられた押圧部90によって炭素繊維210を成形型10に対して押圧することにより、炭素繊維210を成形型10内で位置ずれしない状態にする。上述したように、実施形態1にあっては、押圧部90を、成形型10とは別体として成形型10に設ける。
次に、成形型10の型閉じを完了する(ステップS4)。成形型10の上型11が下型12に接触すると成形型10の型閉じが完了となる。このとき、上型11と下型12の間に、密閉自在なキャビティ15が形成される。
次に、吸引部60によって吸引口14から空気を吸引し、真空引きを行い、キャビティ15内を真空状態にする(ステップS5)。このとき、圧力が負圧となるように圧力計50のデータを基に制御部80によって調整する。真空引き終了後、吸引口14は完全に閉じ、成形終了まで閉じた状態にしておく。真空引きを行うことによって、表面に発生する気泡を防止し、成形品である複合材料200のボイドやピットを減らすことができ、複合材料200の機械的特性や意匠性を向上させることができる。
次に、樹脂220をキャビティ15内に注入する(ステップS6)。このとき、ステップS2によって、炭素繊維210は成形型10内で位置ずれしない状態にされている。そのため、樹脂220から作用される力による炭素繊維210のキャビティ15内での位置ずれが防止される。そのため、炭素繊維210が成形型10内で位置ずれすることなく、樹脂220の注入圧力Piを高めることができる。また、樹脂220は、成形型10内に配置されたミキシングヘッド40において主剤と硬化剤とを混合することにより形成される。主剤と硬化剤とが混合されて樹脂220が形成されてから、キャビティ15に樹脂220が注入されるまでの時間が短い。すなわち、樹脂220は粘度が低い状態でキャビティ15内に注入される。これにより、粘度が高い状態と比較して、注入時に樹脂220が接触することにより炭素繊維210に作用される炭素繊維210を位置ずれさせようとする力が弱い。そのため、成形型10内で炭素繊維210を位置ずれさせることなく、樹脂220の注入圧力Piを高めることができる。また、粘度が低い場合の方が、粘度が高い場合と比較して炭素繊維210への含浸性が高いから、同じ注入圧力Piであっても樹脂220の注入量Qiを高めることができる。樹脂220のキャビティ15内への注入は、キャビティ15内に樹脂220が完全に充填されるまで継続される(ステップS7:「No」、ステップS6)。
キャビティ15内に樹脂220を規定量注入し終えると(ステップS7:「Yes」)、キャビティ15内の樹脂220が十分硬化するまで放置する(ステップS8)。なお、成形型10全体は、成形型温度調整部70によって樹脂220の硬化温度に予め温度調節してある。
成形型10を開き、成形された複合材料200を脱型すると、成形が完了する(ステップS9)。
以上説明したように、本実施形態に係る成形装置100および成形方法では、炭素繊維210は、キャビティ15への樹脂220の注入開始前に成形型10内で位置ずれしない状態にされる。
このように構成した成形装置100および成形装置100を使用する成形方法によれば、成形型10内で炭素繊維210を位置ずれさせることなく、樹脂220の注入圧力Piを高めることができる。従って、成形不良を防ぎつつ成形時間を短縮できる。
また、本実施形態に係る成形装置100および成形装置100を使用する成形方法では、押圧部90は、成形型10とは別体として成形型10に設けられる。
このように構成した成形装置100および成形装置100を使用する成形方法によれば、成形型10とは別体として製造された押圧部90を成形型10に取り付けることによって成形装置100を製造できる。これにより、成形装置100の製造が容易になるとともに成形装置100の製造コストを抑えることができる。また、成形型10を変更することなく押圧部90のみを設計変更できる。これにより、成形型10内で炭素繊維210が位置ずれしないように、成形装置100を最適に設計し易くなる。さらに、成形型10と押圧部90とをそれぞれ独立して交換できる。これにより、成形装置100のメンテンス性が向上する。従って、成形不良を防ぎつつ成形時間を短縮できる成形装置を最適かつ低コストに製造できるとともに、当該成形装置のメンテナンス性が向上する。
また、本実施形態に係る成形装置100および成形装置100を使用する成形方法では、樹脂220は、成形型10内に配置されたミキシングヘッド40において主剤と硬化剤とが混合されることにより形成される。
このように構成した成形装置100および成形装置100を使用する成形方法によれば、主剤と硬化剤とが混合されて樹脂220が形成されてから、キャビティ15に樹脂220が注入されるまでの時間を短くできる。樹脂220の粘度は、主剤と硬化剤との混合から時間が経つにつれて増加する。すなわち、主剤と硬化剤とが混合されてから樹脂220がキャビティ15内に注入されるまでの時間を短くすることにより、粘度が低い状態で樹脂220をキャビティ15内に注入できる。これにより、粘度が高い状態と比較して、注入時に樹脂220が接触することにより炭素繊維210に作用される炭素繊維210を位置ずれさせようとする力を弱めることができる。そのため、成形型10内で炭素繊維210を位置ずれさせることなく、樹脂220の注入圧力Piをさらに高めることができる。また、粘度が低い場合の方が、粘度が高い場合と比較して炭素繊維210への含浸性が高いから、同じ注入圧力Piであっても樹脂220の注入量Qiを高めることができる。従って、成形不良を防ぎつつ成形時間をさらに短縮できる。
また、本実施形態に係る成形装置100および成形装置100を使用する成形方法では、炭素繊維210は、成形型10の型閉じ前に位置ずれしない状態にされる。
このように構成した成形装置100および成形装置100を使用する成形方法によれば、型閉じするときに成形型10に接触することによって炭素繊維210が位置ずれすることを防止できる。従って、成形不良をより確実に防ぎつつ成形時間を短縮できる。
また、本実施形態に係る成形装置100および成形装置100を使用する成形方法では、成形型10の型閉じ後、かつ、樹脂220を注入する前に、成形型10内を真空引きする。
このように構成した成形装置100および成形装置100を使用する成形方法によれば、樹脂220の注入前にキャビティ15内を真空状態にすることによって、樹脂220の注入後に樹脂220内および表面に発生する気泡を防止し、成形品である複合材料200のボイドやピットを減らすことができる。これによって、複合材料200の機械的特性や意匠性を向上させることができる。
また、本実施形態に係る成形装置100および成形装置100を使用する成形方法では、成形型10の型締めの圧力とは異なる調整自在の圧力により炭素繊維210を成形型10に対して押圧する。
このように構成した成形装置100および成形装置100を使用する成形方法によれば、炭素繊維210を押圧するときの圧力を型締めの圧力とは独立して調整できるため、炭素繊維210を安定して押圧できる。従って、成形不良をより確実に防ぎつつ成形時間を短縮できる。
また、本実施形態に係る成形装置100および成形装置100を使用する成形方法では、強化基材210は炭素繊維から形成されてなる。
このように構成した成形装置100および成形装置100を使用する成形方法によれば、炭素繊維を強化基材に使用することによって、熱膨張係数が小さく寸法安定性に優れ、高温下においても機械的特性の低下が少ない複合材料200を成形することができる。
また、本実施形態に係る成形装置100および成形装置100を使用する成形方法では、複合材料200は自動車部品に使用される。
このように構成した成形装置100および成形装置100を使用する成形方法によれば、量産に適した複合材料200の自動車部品を成形することができ、車体の軽量化が可能となる。
(実施形態2)
実施形態2に係る成形装置は、次の点で実施形態1に係る成形装置100と異なる。すなわち、実施形態1に係る成形装置100の樹脂注入部30は、成形型10の型閉じ後にキャビティ15への樹脂220の注入を開始した。一方、実施形態2に係る成形装置の樹脂注入部は、炭素繊維210を成形型10内で位置ずれしない状態にした後、かつ、成形型10の型閉じ前に、キャビティ15内への樹脂220の注入を開始する点において実施形態1に係る成形装置100と異なる。
上述した相違点に係る構成について以下に説明する。実施形態1に係る成形装置100の構成と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態に係る樹脂注入部は、押圧部90が炭素繊維210を成形型10に対して押圧した後、かつ、成形型10の型閉じ前に、キャビティ15内への樹脂220の注入を開始する。これにより、炭素繊維210が成形型10内で位置ずれすることなく、樹脂220の注入を成形型10の型閉じ前に開始できる。
次に本実施形態に係る複合材料200の成形方法について説明する。実施形態2に係る成形方法は、次の点で実施形態1に係る成形方法と異なる。すなわち、実施形態1に係る成形方法の樹脂の注入(ステップS6)は、成形型10の型閉じ完了(ステップS4)後に開始された。一方、実施形態2に係る成形方法は、炭素繊維210を成形型10内で位置ずれしない状態にした後、かつ、成形型10の型閉じ前に、樹脂の注入(ステップS31)を開始する点において実施形態1に係る成形方法と異なる。
上述した相違点に係る構成について以下に説明する。
図9は、本発明の実施形態2に係る複合材料200の成形方法を示すフローチャートである。実施形態1に係る成形方法と同一のステップについては同一の符号を付して説明を省略する。
ステップS31では、樹脂220を注入する。ステップS31は、炭素繊維210を成形型10内で位置ずれしない状態にした(ステップS3)後、かつ、成形型10の型閉じ完了(ステップS4)前に実施される。すなわち、本実施形態に係る成形方法では、炭素繊維210を成形型10内で位置ずれしない状態にした後、かつ、成形型10の型閉じ前に、キャビティ15への樹脂220の注入が開始される。具体的には、押圧部90が炭素繊維210を成形型10に対して押圧した後、かつ、成形型10の型閉じ前に、キャビティ15内への樹脂220の注入が開始される。これにより、炭素繊維210が成形型10内で位置ずれすることなく、樹脂220の注入を成形型10の型閉じ完了前に開始できる。
ステップS32では、樹脂220の注入が継続される。樹脂220のキャビティ15内への注入は、成形型10の型閉じ完了(ステップS4)後、キャビティ15内に樹脂220が完全に充填されるまで継続される(ステップS7:「No」、ステップS32)。
以上説明したように、本実施形態に係る成形装置および成形方法では、炭素繊維210を成形型10内で位置ずれしない状態にした後、かつ、成形型10の型閉じ前に、樹脂220の注入を開始する。
このように構成した成形装置および当該成形装置を使用する成形方法によれば、炭素繊維210が成形型10内で位置ずれすることなく、樹脂220の注入を成形型10の型閉じ前に開始できる。従って、成形不良を防ぎつつ成形時間をさらに短縮できる。
(その他の改変例)
実施形態1及び実施形態2において、押圧部90は、成形型10の型締めの圧力Pmとは異なる調整自在の圧力により炭素繊維210を成形型10に対して押圧した。当該構成に限らず、押圧部の構成は、樹脂注入部によりキャビティ15内に樹脂220が注入される前に炭素繊維210を成形型10に対して押圧する限りにおいて変更することが可能である。
図10(A)、図10(B)は改変例に係る成形装置の押圧部490を示す概略図であって、それぞれ後述する押し込み治具491、492を取り付ける前および取り付けた後の図1の破線部Aによって囲まれる部分に対応する部分を示す拡大図である。図11(A)、図11(B)は同成形装置の押圧部490を示す概略図であって、それぞれ型閉じ前および型閉じ中の図1の破線部Aによって囲まれる部分に対応する部分を示す拡大図である。
図10(A)、図10(B)を参照して、成形型410は、溝416が設けられた上型411と、溝417が設けられた下型412と、を有する。上型411および下型412は、溝416、417が設けられる点を除いて、上型11および下型12と同様に構成される。
押圧部490は、押し込み治具491、492を有する。押し込み治具491、492は、溝416、417にそれぞれ着脱可能に取り付けられる。押し込み治具491は凸部493を有し、押し込み治具492は凹部494を有する。
図11(A)、図11(B)を参照して、成形型410を型閉じするに従って、押し込み治具491の凸部493が押し込み治具492の凹部494に炭素繊維210を押し込む。これにより、炭素繊維210が成形型10内で位置ずれしない状態にされる。当該構成によれば、押し込み治具491、492を成形型410に着脱可能に取り付ける簡易な構成によって押圧部490を構成できる。押し込み治具491および押し込み治具492の形状や材質は、成形される複合材料200の形状や、炭素繊維210および樹脂220を構成する材料の種類に応じて選択可能である。
また、図12(A)、図12(B)は別の改変例に係る成形装置の押圧部590を示す概略図であって、それぞれ型閉じ前および型閉じ中の図1の破線部Aによって囲まれる部分に対応する部分を示す拡大図である。
図12(A)、図12(B)を参照して、押圧部590を、成形型510の一部として構成してもよい。具体的には、成形型510を、凸部591が設けられた上型511と、凹部592が設けられた下型512と、を有するように構成する。このとき、上型511および下型512は、凸部591および凹部592が設けられる点を除いて、上型11および下型12と同様に構成される。そして、押圧部590を、上型511に設けられた凸部591と、下型512に設けられた凹部592と、によって構成してもよい。凸部591が凹部592に炭素繊維210を押し込むことによって炭素繊維210が成形型510内で位置ずれしない状態にされる。当該構成によれば、成形型510の形状を変更する簡易な構成によって押圧部590を構成できる。
以上、実施形態および改変例を通じて複合材料200の成形方法および成形装置を説明したが、本発明は実施形態において説明した構成のみに限定されることはなく、特許請求の範囲の記載に基づいて適宜変更することが可能である。
10、410、510 成形型、
11、411、511 上型、
12、412、512 下型、
13 ダイレクトゲート、
14 吸引口、
15 キャビティ、
16、416、417 溝、
20 プレス部、
30 樹脂注入部、
31 主剤タンク、
32 硬化剤タンク、
33 チューブ、
34、50 圧力計、
35 ポンプ、
40 ミキシングヘッド(混合部)、
41 シリンダー、
42 ピストン、
60 吸引部、
70 成形型温度調整部、
80 制御部、
90、490、590 押圧部、
91 弾性部材、
92 押圧要素、
100 成形装置、
200 複合材料、
210 炭素繊維(強化基材)、
220 樹脂、
300 車体、
301、302、303 自動車部品、
491、492 押し込み治具、
493、591 凸部、
416、417、494、592 凹部、
Pm 型締圧力、
Pr キャビティ内の圧力、
Pi 注入圧力、
Qi 注入量、
S 側部。

Claims (16)

  1. 開閉可能な成形型内の樹脂が注入される空間であるキャビティに強化基材を配置し、前記成形型に型締圧力を負荷した状態において前記キャビティ内に前記樹脂を注入し、前記樹脂を硬化させて複合材料を成形する成形方法であって、
    主剤と硬化剤とを混合する混合部を前記成形型内に配置し、
    前記強化基材を前記成形型に対して押圧する押圧部を、前記成形型に設け、
    前記キャビティへの前記樹脂の注入開始前に、前記押圧部によって前記強化基材を前記成形型に対して押圧することにより、前記強化基材を前記成形型内で位置ずれしない状態にし、
    前記混合部において前記主剤と前記硬化剤とを混合することにより前記樹脂を形成する、複合材料の成形方法。
  2. 前記押圧部を、前記成形型とは別体として前記成形型に設ける、請求項1に記載の成形方法。
  3. 前記成形型の型閉じ前に前記強化基材を前記成形型内で位置ずれしない状態にし、
    前記成形型の型閉じ後に前記キャビティへの前記樹脂の注入を開始する、請求項1または請求項2に記載の成形方法。
  4. 前記成形型の型閉じ前に前記強化基材を前記成形型内で位置ずれしない状態にし、
    前記強化基材を前記成形型内で位置ずれしない状態にした後、かつ、前記成形型の型閉じ前に、前記キャビティへの前記樹脂の注入を開始する、請求項1または請求項2に記載の成形方法。
  5. 前記成形型の型閉じ後、かつ、前記樹脂の注入開始前に、前記成形型内を真空引きする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の成形方法。
  6. 前記押圧部によって前記強化基材を前記成形型に対して押圧するときは、前記成形型の型締めの圧力とは異なる調整自在の圧力により押圧する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の成形方法。
  7. 前記強化基材は炭素繊維から形成されてなる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の成形方法。
  8. 前記複合材料は自動車部品に使用される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の成形方法。
  9. 強化基材を配置し、樹脂が注入される空間であるキャビティが形成された開閉可能な成形型と、
    前記成形型に型締圧力を負荷するプレス部と、
    前記キャビティ内に前記樹脂を注入する樹脂注入部と、
    前記成形型に設けられ、前記強化基材を前記成形型に対して押圧する押圧部と、を有し、
    主剤と硬化剤とを混合する混合部を前記成形型内に備え、
    前記押圧部は、前記樹脂注入部により前記キャビティ内に前記樹脂が注入される前に前記強化基材を前記成形型に対して押圧し、
    前記樹脂は、前記混合部において前記主剤と前記硬化剤とが混合されることにより形成される、複合材料の成形装置。
  10. 前記押圧部は、前記成形型とは別体として前記成形型に設けられる、請求項9に記載の成形装置。
  11. 前記押圧部は、前記成形型の型閉じ前に前記強化基材を前記成形型に対して押圧し、
    前記樹脂注入部は、前記成形型の型閉じ後に前記キャビティへの前記樹脂の注入を開始する、請求項9または請求項10に記載の成形装置。
  12. 前記押圧部は、前記成形型の型閉じ前に前記強化基材を前記成形型に対して押圧し、
    前記樹脂注入部は、前記押圧部が前記強化基材を前記成形型に対して押圧した後、かつ、前記成形型の型閉じ前に、前記キャビティへの前記樹脂の注入を開始する、請求項9または請求項10に記載の成形装置。
  13. 前記成形型内を真空引きする吸引部をさらに有し、
    前記吸引部は、前記成形型の型閉じ後、かつ、前記樹脂の注入開始前に、前記成形型内を真空引きする、請求項9〜11のいずれか1項に記載の成形装置。
  14. 前記押圧部は、前記成形型の型締めの圧力とは異なる調整自在の圧力により前記強化基材を前記成形型に対して押圧する、請求項9〜13のいずれか1項に記載の成形装置。
  15. 前記強化基材は炭素繊維から形成されてなる、請求項9〜14のいずれか1項に記載の成形装置。
  16. 前記複合材料は自動車部品用の材料である、請求項9〜15のいずれか1項に記載の成形装置。
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