JP6331588B2 - アクチュエータ、無段変速機及び車両 - Google Patents

アクチュエータ、無段変速機及び車両 Download PDF

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Description

本発明は、射出成形されて軸線方向に変位する軸線方向変位要素が収容されたハウジングの開口部を覆うカバー、該カバーを備えるアクチュエータ、該アクチュエータを備える無段変速機、及び、車両に関する。
一般に、ベルト式無段変速機のプーリ溝幅を可変するアクチュエータとして、軸線方向に変位するボールねじ(軸線方向変位要素)を収容するハウジングと、ボールねじの変位量を検出するセンサを有し、ハウジングの開口部を覆う樹脂製のカバーとを備えたアクチュエータが知られている。この種のアクチュエータでは、カバーが軸線方向に熱変形した場合に、カバーに一体に設けられたセンサのボールねじに対する相対位置が変動し、センサの検出特性に影響を与えるという問題が懸念される。
これを解決するために、従来、樹脂製のカバーのセンサ収納部に、カバーを構成する樹脂材料よりも線膨張係数が低い低線膨張部材を配置し、この低線膨張部材が、ボールねじの軸線方向に沿う方向に延在してセンサを囲むように一体モールドされた技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2012−112415号公報
しかしながら、従来の技術では、低線膨張部材を追加してカバーと一体に成形する必要があり、カバーの構造が煩雑になりコストが増加する問題があった。
本発明は、上述した課題を解決するものであり、簡単な構造で軸線方向への熱変形を抑え、熱によるセンサの検出特性の変化を低減できるカバー、アクチュエータ、無段変速機、及び、車両を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明のカバーは、軸線方向に変位する軸線方向変位要素が収容されたハウジングの開口部を覆うカバー本体と、カバー本体上に立設される周壁及び端面壁を有し、周壁及び端面壁で囲まれた空間内に軸線方向変位要素の変位量を検出するセンサが配置されるセンサ収納部とを備え、センサ収納部の端面壁に近接したゲート位置から、補強用の繊維を含む樹脂材を射出して、周壁における繊維を軸線方向に配向させた構造を含むことを特徴とする。
この構成によれば、特別な追加部品を必要とせず、射出成形時の樹脂材の流れにより、センサ収納部の周壁付近の繊維が軸線方向に配向されるため、これら繊維成分により、軸線方向への変形が抑えられる。このため、受熱した場合でもセンサ収納部が軸線方向へ変形しにくくなるため、熱によるセンサの特性変化を低減できる。
また、センサ収納部に隣接して軸線方向変位要素の軸端が変位する空間を形成する軸端収納部と、軸端収納部の周囲に設けられるリブとを備え、軸端収納部の軸線上にゲート位置を設け、リブにおける繊維を軸線方向に配向させる構造とすることが好ましい。この構成によれば、軸端収納部の軸線上にゲート位置を設けたため、軸端収納部の剛性を高めるためのリブにおける繊維も軸線方向に配向されやすくなる。このため、リブの剛性を向上させることができ、軸端収納部の変形を低減できる。
また、本発明のアクチュエータは、軸線方向変位要素を収容するハウジングと、上記カバーと、センサ収納部に配置されたセンサとを含むことを特徴とする。この構成によれば、カバーのセンサ収納部の周壁付近における繊維が軸線方向に配向されるため、この繊維成分により、軸線方向への変形が抑えられる。このため、受熱した場合でもセンサ収納部が軸線方向へ変形しにくくなるため、熱によるセンサの特性変化を低減でき、センサの検出精度が向上したアクチュエータを実現できる。
また、本発明の無段変速機は、プーリ軸に固定されて一体的に回転する固定シーブと、前記プーリ軸に沿って軸線方向に移動可能に支持された可動シーブと、前記固定シーブと可動シーブとの間に配置されたベルトと、前記可動シーブを軸線方向に移動させてプーリ溝幅を可変する上記アクチュエータとを備えたことを特徴とする。この構成によれば、センサの検出精度が向上するため、このセンサの検出結果に基づいて、プーリ溝幅を制御することにより、このプーリ溝幅を正確な値に変更制御することができ、変速を正確に行う無段変速機を実現できる。
また、本発明の車両は、エンジンと、エンジンのクランクシャフトが出力する回転を変速する上記無段変速機とを有することを特徴とする。この構成によれば、センサの検出精度が向上するため、無段変速機における変速を正確に行うことができ、所望の変速値に正確に制御できる車両を実現できる。
本発明によれば、センサ収納部の端面壁に近接したゲート位置から、補強用の繊維を含む樹脂材を射出して、周壁における繊維を軸線方向に配向させた構造を含むため、特別な追加部品を必要とせず、射出成形時の樹脂材の流れにより、センサ収納部の周壁付近の繊維を軸線方向に配向させることができる。このため、繊維成分により、軸線方向への変形が抑えられ、受熱した場合でもセンサ収納部が軸線方向へ変形しにくくなるため、熱によるセンサの特性変化を低減できる。
図1は、本発明の実施形態に係る無段変速機の概略構成図である。 図2は、本発明の実施形態に係るアクチュエータの内部構造を表す断面図である。 図3は、アクチュエータの作動を説明するための断面図である。 図4は、アクチュエータをアクチュエータハウジング側から見た図である。 図5は、アクチュエータをアクチュエータカバー側から見た図である。 図6は、アクチュエータカバーとセンサとを示す分解斜視図である。 図7は、アクチュエータカバーの内側の形状を示す部分拡大斜視図である。 図8は、射出成形時のゲート位置からの樹脂材の流れを示すシミュレーション図である。
以下、発明を実施するための形態(以下、実施形態という)を、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る無段変速機100の概略構成図である。本実施形態において、無段変速機100は、例えば、不図示の自動二輪車(車両)に搭載されて、エンジン1の回転出力を変速して自動二輪車の駆動輪80に伝達する。無段変速機100は、図1に示すように、エンジン1のクランクシャフト2に連結される駆動プーリ3と、この駆動プーリ3にベルト(Vベルト)4を介して連結される従動プーリ5と、この従動プーリ5に連結されるファイナルギヤ(減速機)6とを備え、このファイナルギヤ6は、ドライブシャフト81を介して駆動輪80に連結されている。
駆動プーリ3と従動プーリ5とは、それぞれ固定シーブ3a,5aと可動シーブ3b,5bとの組合せにより構成されている。駆動プーリ3の固定シーブ3aは、クランクシャフト2に連結される駆動側プーリ軸82に固定されて、駆動側プーリ軸82と共に一体で回転する。また、従動プーリ5の固定シーブ5aは、ファイナルギヤ6に連結される従動側プーリ軸83に固定されて従動側プーリ軸83と共に一体で回転する。
可動シーブ3b,5bは、それぞれ固定シーブ3a,5aのプーリ軸82,83と一体で回転すると共に、プーリ軸82,83に沿って軸線方向に移動可能に支持されている。駆動プーリ3の可動シーブ3bには、可動シーブ3bを駆動側プーリ軸82の軸線方向に移動させてプーリ溝幅(以下、溝幅という)を変更するアクチュエータ7が連結されている。
従動プーリ5の可動シーブ5bには、バネ201とダンパ202とが取付けられている。駆動プーリ3の溝幅の変更に伴ってベルト4の接触半径が変化すると、そのベルト4の移動に伴って可動シーブ5bが従動側プーリ軸83の軸線方向に移動して自動的に溝幅が変更される。駆動プーリ3の可動シーブ3bには、リターンスプリング203が取付けられ、このリターンスプリング203により可動シーブ3bは固定シーブ3aに向けて付勢されている。シーブ(sheave)は、それ自体がロープをかけるプーリの意味を有するが、本実施形態では、プーリの溝を形成する何れか一方の円錐体を意味する。
駆動側の可動シーブ3bには、揺動部材8の一端が連結され、この揺動部材8の他端は、アクチュエータ7のボールねじ軸(軸線方向変位要素)12に、リンク機構(不図示)を介して連結されている。揺動部材8は、中央部が、例えば、ピンなどの揺動連結構造9によって、例えば無段変速機100のハウジング100aに揺動可能に連結されている。従って、アクチュエータ7が揺動部材8の他端を駆動側プーリ軸82の軸線方向と略平行な直線方向に移動すると、駆動プーリ3の可動シーブ3bは、駆動側プーリ軸82の軸線方向に沿って移動し、この駆動プーリ3の溝幅を変更することができる。駆動プーリ3の可動シーブ3bは、従動プーリ5の可動シーブ5bと同様に、軸受204及び軸受ホルダ205を介してリターンスプリング203や揺動部材8に連結されている。具体的には、軸受204の内輪が可動シーブ3b,5bに嵌合され、外輪が軸受ホルダ205に嵌合される。従って、軸受204の内輪は可動シーブ3b,5bと一緒に回転するが、外輪及び軸受ホルダ205は回転しない。
次に、無段変速機100の動作について説明する。ここでは説明を簡略化するために前進についてのみ説明し、後進については省略する。自動二輪車におけるECU(Electronic Control Unit)等の制御装置(不図示)は、車速、エンジン回転数及びアクセル開度等に基づいて最適な変速比を選択し、この選択された変速比に基づいて、アクチュエータ7を駆動する。
駆動プーリ3の可動シーブ3bが、アクチュエータ7の動作により軸線方向内側に移動すると、可動シーブ3bと固定シーブ3aとが接近し、駆動プーリ3の溝幅が狭くなる。このため、ベルト4は、回転する可動シーブ3bと固定シーブ3aの各円錐面に狭持されながら、その半径方向外側へと移動する。すなわち、駆動プーリ3の溝幅におけるベルト4を圧接する領域である巻掛領域が外周側へ変位し、この巻掛領域の外径が拡大する。
ベルト4が駆動プーリ3の外周側に移動することに伴い、従動プーリ5は可動シーブ5bがバネ201の推力に抗して軸線方向外側へ移動し、溝幅が拡大する。このため、ベルト4は、回転する可動シーブ5bの円錐面と固定シーブ5aの円錐面とに狭持されながら、その半径方向内側へと移動する。従動プーリ5の溝幅における巻掛領域の外径が縮小することにより、入力軸である駆動側プーリ軸82の回転速度に対して、出力軸である従動側プーリ軸83の回転速度が低下し、減速を実現できる。
駆動プーリ3の可動シーブ3bが、アクチュエータ7の動作により軸線方向外側に移動されると、可動シーブ3bと固定シーブ3aとが離反し、駆動プーリ3の溝幅が広くなる。この動作により、ベルト4は、回転する可動シーブ3bと固定シーブ3aの各円錐面に狭持されながら、その半径方向内側へと移動する。すなわち、駆動プーリ3の溝幅におけるベルト4を圧接する領域である巻掛領域が内周側へ変位し、この巻掛領域の外径が縮小する。
ベルト4が駆動プーリ3の駆動側プーリ軸82側に移動することに伴い、従動プーリ5は可動シーブ5bがバネ201の推力によって軸線方向内側へ移動し、溝幅が縮小する。この動作により、ベルト4は、回転する可動シーブ5bと固定シーブ5aの各円錐面に狭持されながら、その半径方向外側へと移動する。従動プーリ5の溝幅における巻掛領域の外径が拡大することにより、入力軸である駆動側プーリ軸82の回転速度に対して、出力軸である従動側プーリ軸83の回転速度が増加し、加速を実現できる。
制御装置は、アクチュエータ7のセンサ(後述)からの信号に基づいて、所定位置までボールねじ軸12が変位したことを検知して、ボールねじ軸12を動作させるモータ(後述)への駆動制御を停止する。これにより、駆動プーリ3の可動シーブ3bの位置が固定されるので、ベルト4のプーリ半径が固定され、所定の変速比で駆動される。次に、アクチュエータ7について説明する。
図2は、アクチュエータ7の内部構造を表す断面図であり、図3は、アクチュエータ7の作動を説明するための断面図である。また、図4は、アクチュエータ7をアクチュエータハウジング13側から見た図であり、図5は、アクチュエータ7をアクチュエータカバー14側から見た図である。
アクチュエータ7は、図2及び図3に示すように、一方が開口したアクチュエータハウジング(ハウジング)13と、このアクチュエータハウジング13の開口部を覆うアクチュエータカバー(カバー)14とを備え、これらアクチュエータハウジング13とアクチュエータカバー14とで形成される内部空間にボールねじ機構10が収容されている。このボールねじ機構10は、ボールねじナット(回転要素)11とボールねじ軸(軸線方向変位要素)12とを備えている。アクチュエータ7は、ボールねじ機構10を駆動させるための電動モータ22を備える。この電動モータ22は、ボールねじ軸12の軸線方向と略平行に延びるモータ軸(不図示)を備え、アクチュエータハウジング13の外側に取り付けられている。
アクチュエータハウジング13は、アルミニウム等の金属で成形されており、このアクチュエータハウジング13内にボールねじナット11及びボールねじ軸12が収容される。アクチュエータハウジング13は、図4及び図5に示すように、外周部に複数(本実施形態では4つ)のフランジ部13aを一体に備える。このフランジ部13aには、ボルト等が貫通する貫通孔13bが設けられ、アクチュエータ7は、このボルトによって無段変速機100のハウジング100aの外側に取り付けられる。
ボールねじ軸12は、図2及び図3に示すように、らせん状のボールねじ溝12aが軸線方向の一方側(アクチュエータカバー14側)の半分だけに形成されており、他方側(アクチュエータカバー14と反対側)の半分が溝のない丸棒12bとなっている。ボールねじ軸12は、丸棒12bがボールねじ溝12aの外径より小さい。このボールねじ軸12は、丸棒12b側の突出端部12cがシール部材15を介してアクチュエータハウジング13から外方に突出しており、シール部材15によりボールねじ軸12の丸棒12bが摺動可能にシールされる。
ボールねじ軸12は、丸棒12bがこの丸棒12bより僅かに径の大きいアクチュエータハウジング13の円穴内に収納される。ボールねじ軸12は、ボールねじ溝12aがこの円穴に連通するアクチュエータハウジング13の収納部17に収納され、この収納部17に、ボールねじ溝12aに螺合するボールねじナット11も収納されている。ボールねじ軸12は、突出端部12cが揺動部材8(図1)の他端部に連結され、これによりボールねじ軸12自体の回転が規制される。また、ボールねじナット11は、ボール溝が3列(3回路)あり、このボールねじナット11の内周面に冷間鍛造によって成形された循環部11aでボールが循環するようになっている。
ボールねじナット11は、軸受16を介してアクチュエータハウジング13に回転自在に取付けられている。その結果、ボールねじナット11の軸線方向の移動が規制される。また、ボールねじナット11は、外周に減速機構の最終ギヤ18がキーを介して取付けられている。従って、最終ギヤ18が回転すると、ボールねじナット11が回転するが、ボールねじナット11自体の軸線方向への移動は規制されているため、ボールねじ軸12が軸線方向に沿って移動する。
アクチュエータカバー14は、樹脂材によって成形されており、図5に示すように、アクチュエータカバー14の外周部には、複数(本実施形態では5つ)の下孔14aが設けられる。これらの下孔14aは、それぞれアクチュエータハウジング13のフランジ部13aに相当する位置に設けられ、アクチュエータカバー14をアクチュエータハウジング13に取り付ける際にタッピングねじ37(図4参照)がねじ込まれることで雌ねじが形成される。さらに、図2に示すように、アクチュエータカバー14の合わせ面14bには溝38が環状に形成され、この溝38には、Oリング等のシール材39が配置される。アクチュエータカバー14の合わせ面14bとアクチュエータハウジング13の合わせ面13cとを突き合わせて、アクチュエータカバー14をタッピングねじ37(図4参照)でアクチュエータハウジング13に締結することにより、シール材39が押し潰され、アクチュエータ7の内部を気密状態とすることができる。次に、アクチュエータカバー14について詳細に説明する。
図6は、アクチュエータカバーとセンサとを示す分解斜視図であり、図7は、アクチュエータカバーの内側の形状を示す部分拡大斜視図である。アクチュエータカバー14は、図6に示すように、外周部に下孔14aが形成されたカバー本体40と、このカバー本体40の外面40A上に突出して形成されたセンサ収納部31と、このセンサ収納部31に隣接する軸端収納部41と、この軸端収納部41の周囲に配置される複数(本実施形態では5つ)のリブ42と、センサ収納部31の外側に配置されるカプラ36とを備えて一体に成形されている。
センサ収納部31は、カバー本体40の外面40A上に立設された略矩形状の周壁131Aと、この周壁131Aの上端に連結される天面壁(端面壁)131Bとを備え、これら周壁131Aと天面壁131Bとで形成された空間131C(図7参照)にボールねじ軸12(図2参照)の軸線方向への変位量を検出するセンサ19が収納配置されている。軸端収納部41は、センサ収納部31と同様に、カバー本体40の外面40A上に立設される円筒状の周壁141Aと、この周壁141Aの上端に連結される天面壁(端面壁)141Bとを備え、これら周壁141Aと天面壁141Bとで、ボールねじ軸12の一端部(軸端)が変位可能な空間141Cが形成されている。軸端収納部41とセンサ収納部31とは連結され、軸端収納部41の天面壁141Bとセンサ収納部31の天面壁131Bとは、軸線方向で同一の高さに位置している(すなわち面一に形成されている)。また、リブ42は、軸端収納部41の周壁141Aの周囲に放射状に配置され、周壁141Aの周面とカバー本体40の外面40Aとを連結することで、軸端収納部41の強度の向上を図っている。
センサ19は、ロータリポテンショメータであり、センサ19の回転軸19aにはアーム35が固定されている。このセンサ19は、図7に示すように、センサ収納部31の内側の空間131Cに配置される。センサ収納部31の内側には、複数の位置決め片131Dと、センサ収納部31内に露出した接続端子部131Eとが形成されている。これら位置決め片131D間にセンサ19を挿し込むことにより、センサ19の位置決めがなされるとともに、センサ19の端子19bと接続端子部131Eとが電気的に接続される。センサ19の端子19bと接続端子部131Eとは、ポッティング(樹脂盛り)又は接着剤によって固定され、センサ19は、アクチュエータカバー14のセンサ収納部31内に一体に固定される。
また、センサ収納部31の内側の空間131Cと軸端収納部41の内側の空間141Cとは、連通路132により連通されており、この連通路132にセンサ19のアーム35が配置される。アーム35の先端部35aは、連通路132を通じて、軸端収納部41の内側の空間141Cに延在し、図2及び図3に示すように、ボールねじ軸12の一端面に摺接しながら、ボールねじ軸12の軸線方向の移動に対してストロークの全域で追従する。その結果、センサ19の回転軸19aが回転されることによりセンサ19の出力信号が変化し、その変化を制御装置(不図示)で検出することで、ボールねじ軸12の軸線方向の変位が検出される。
カプラ36は、アクチュエータ7と外部機器とを電気的に接続する機能を有し、このカプラ36からセンサ収納部31までの間には、センサ19に接続される接続端子部131Eを有する薄板配線(不図示)がインサート成形されている。また、アクチュエータカバー14の内面には、電動モータ22と対向する位置に、電動モータ22の電源雄端子と嵌合する電源雌端子(不図示)がインサート成形され、この電源雌端子からカプラ36までの薄板配線(不図示)もアクチュエータカバー14にインサート成形されている。
さて、上述した構造を有するアクチュエータ7は、ボールねじ軸12が軸線方向に変位すると共に、この変位量をアクチュエータカバー14に一体に固定されたセンサ19で検出している。アクチュエータ7は、エンジン1の排熱等に晒されやすい環境下に配置されるため、アクチュエータカバー14が軸線方向に熱変形した場合に、アクチュエータカバー14に一体に設けられたセンサ19のボールねじ軸12に対する相対位置が変動し、センサ19の検出特性に影響を与えるという問題が懸念される。
本実施形態では、図6に示すように、アクチュエータカバー14は、ガラス繊維(補強用の繊維)Fを含む樹脂材により射出成形されており、少なくともセンサ収納部31の周壁131Aを形成する樹脂に含まれるガラス繊維Fが軸線方向に配向する構造を有する。この構造によれば、周壁131Aを形成する樹脂に含まれるガラス繊維Fが軸線方向に配向されることにより、周壁131Aは、軸線方向への線膨張係数が低くなることにより、軸線方向への熱変形が抑えられる。この結果、受熱した場合でもセンサ収納部31の周壁131Aが軸線方向へ変形しにくくなるため、熱によるセンサ19の特性変化を低減できる。
アクチュエータカバー14を成形する場合、キャビティ(不図示)内にガラス繊維Fを含んだ樹脂材を射出することで成形される。この場合、キャビティのゲート位置Gは、センサ収納部31の天面壁131Bに近接した位置が好ましく、本実施形態では、図6に示すように、軸端収納部41の天面壁141Bにおける軸線S上にゲート位置Gが設定される。
図8は、軸線上にゲート位置が設定された場合の、このゲート位置から樹脂材の流れを示すシミュレーション図である。軸端収納部41の天面壁141Bは、軸線S上におけるアクチュエータカバー14の最高端(一方の端部)であり、この最高端から樹脂材を射出することにより、樹脂材は、図8に示すように、ゲート位置Gからカバー本体40に位置する最下端(他方の端部)に向けて下方に流れる。このため、特別な追加部品を必要とせず、射出成形時の樹脂材の流れにより、センサ収納部31の周壁131A付近のガラス繊維Fを軸線方向に配向させることができる。また、軸端収納部41の軸線S上にゲート位置Gを設けたため、軸端収納部41の剛性を高めるためのリブ42におけるガラス繊維Fも軸線方向に配向されやすくなる。このため、軸端収納部41の変形を低減でき、リブ42の剛性を向上させることができる。
以上、説明したように、本実施形態によれば、軸線方向に変位するボールねじ軸12が収容されたアクチュエータハウジング13の開口部を覆うカバー本体40と、カバー本体40の外面40A上に立設される周壁131A及び天面壁131Bを有し、周壁131A及び天面壁131Bで囲まれた空間131C内にボールねじ軸12の変位量を検出するセンサ19が配置されるセンサ収納部31とを備え、センサ収納部31の天面壁131Bに近接したゲート位置Gから、ガラス繊維Fを含む樹脂材を射出して、周壁131Aにおけるガラス繊維Fを軸線方向に配向させた構造を含むため、特別な追加部品を必要とせず、射出成形時の樹脂材の流れにより、センサ収納部31の周壁131A付近のガラス繊維Fを軸線方向に配向させることができる。このため、受熱した場合でもセンサ収納部31の周壁131Aが軸線方向へ変形しにくくなるため、熱によるセンサ19の特性変化を低減できる。
また、本実施形態によれば、センサ収納部31に隣接してボールねじ軸12の一端部が変位する空間を形成する軸端収納部41と、軸端収納部41の周囲に設けられるリブ42とを備え、軸端収納部41の軸線S上にゲート位置Gを設けたため、軸端収納部41の剛性を高めるためのリブ42におけるガラス繊維Fも軸線方向に配向されやすくなる。このため、リブ42の剛性を向上させることができ、軸端収納部41の変形を低減できる。
また、本実施形態に係るアクチュエータ7は、ボールねじ軸12を収容するアクチュエータハウジング13と、アクチュエータハウジング13の開口部を覆うアクチュエータカバー14と、このアクチュエータカバー14のセンサ収納部31に配置されるセンサ19とを備え、アクチュエータカバー14は、軸線方向に変位するボールねじ軸12が収容されたアクチュエータハウジング13の開口部を覆うカバー本体40と、カバー本体40の外面40A上に立設される周壁131A及び天面壁131Bを有し、周壁131A及び天面壁131Bで囲まれた空間131C内にボールねじ軸12の変位量を検出するセンサ19が配置されるセンサ収納部31とを備え、センサ収納部31の天面壁131Bに近接したゲート位置Gから、ガラス繊維Fを含む樹脂材を射出して、周壁131Aにおけるガラス繊維Fを軸線方向に配向させた構造を含むため、受熱した場合でもセンサ収納部31の周壁131Aが軸線方向へ変形しにくくなるため、熱によるセンサ19の特性変化を低減でき、センサ19の検出精度が向上したアクチュエータ7を実現できる。
また、本実施形態に係る無段変速機100は、駆動側プーリ軸82に固定されて一体に回転する固定シーブ3aと、駆動側プーリ軸82に沿って軸線方向に移動可能に支持された可動シーブ3bと、固定シーブ3aと可動シーブ3bとの間に配置されるベルト4と、可動シーブ3bを軸線方向に移動させてプーリ溝幅を可変するアクチュエータ7とを備え、このアクチュエータ7のアクチュエータカバー14は、軸線方向に変位するボールねじ軸12が収容されたアクチュエータハウジング13の開口部を覆うカバー本体40と、カバー本体40の外面40A上に立設される周壁131A及び天面壁131Bを有し、周壁131A及び天面壁131Bで囲まれた空間131C内にボールねじ軸12の変位量を検出するセンサ19が配置されるセンサ収納部31とを備え、センサ収納部31の天面壁131Bに近接したゲート位置Gから、ガラス繊維Fを含む樹脂材を射出して、周壁131Aにおけるガラス繊維Fを軸線方向に配向させた構造を含むため、アクチュエータカバー14に一体に設けられたセンサ19の検出精度が向上する。このため、センサ19の検出結果に基づいて、プーリ溝幅を制御することにより、このプーリ溝幅を正確な値に変更制御することができ、正確に変速できる無段変速機100を実現できる。
また、実施形態に係る車両は、エンジン1と、エンジン1のクランクシャフト2が出力する回転を変速する無段変速機100とを備えるため、検出精度が向上したセンサ19を有する無段変速機100における変速を正確に行うことができ、所望の変速値に正確に制御できる車両を実現できる。
以上、実施形態を説明したが、前述した内容により実施形態が限定されるものではない。補強用の繊維としてガラス繊維Fを採用していたが、これに限るものではなく、アルミナ繊維、炭素繊維等を用いることもできる。
また、前述した実施形態において、回転要素及び軸線方向変位要素は必ずしもボールねじ機構でなくともよく、例えば、通常のボルト・ナットの組合せでもよい。また、本実施形態の無段変速機及びアクチュエータが適用される車両の駆動形態は、前述したものに限定されるものではなく、例えば、車両駆動源としてエンジンとモータを併用する、いわゆるハイブリッド車両であってもよい。
1 エンジン
2 クランクシャフト
3 駆動プーリ
3a 固定シーブ
3b 可動シーブ
4 ベルト
5 従動プーリ
7 アクチュエータ
10 ボールねじ機構
11 ボールねじナット(回転要素)
12 ボールねじ軸(軸線方向変位要素)
13 アクチュエータハウジング(ハウジング)
13c 合わせ面
14 アクチュエータカバー(カバー)
14a 下孔
19 センサ
22 電動モータ
40 カバー本体
40A 外面
41 軸端収納部
42 リブ
100 無段変速機
131A 周壁
131B 天面壁(端面壁)
131C 空間
131D 位置決め片
131E 接続端子部
132 連通路
141A 周壁
141B 天面壁(端面壁)
141C 空間
F ガラス繊維(繊維)
G ゲート位置
S 軸線

Claims (4)

  1. 軸線方向に変位する軸線方向変位要素と、
    前記軸線方向変位要素の変位量を検出するセンサと、
    前記軸線方向変位要素が収容されるハウジングと、
    前記ハウジングの開口部を覆うカバーと、を備えるアクチュエータであって、
    前記カバーは、
    カバー本体と、
    前記カバー本体上に立設された第1周壁及び第1端面壁を有し、前記第1周壁及び前記第1端面壁で囲まれた第1空間を有するセンサ収納部と
    前記カバー本体上に立設された第2周壁及び第2端面壁を有し、前記第2周壁及び前記第2端面壁で囲まれ且つ前記第1空間に連通する第2空間を有する軸端収納部と、
    前記第2周壁の周囲に放射状に配置され、前記第2周壁と前記カバー本体とを連結するリブと、を備え、
    前記センサは前記第1空間に配置され、
    前記軸線方向変位要素の軸端は前記第2空間で変位し、
    前記カバー本体、前記第1周壁、前記第1端面壁、前記第2周壁、前記第2端面壁及び前記リブは、補強用の繊維を含む樹脂材で一体に形成されており、
    前記第2端面壁において前記軸線方向変位要素の軸線と交差する領域が、前記樹脂材の注入のゲート位置である、アクチュエータ
  2. 前記第2周壁において、前記繊維は前記軸線方向に配向している、請求項1に記載のアクチュエータ。
  3. プーリ軸に固定されて一体的に回転する固定シーブと、
    前記プーリ軸に沿って軸線方向に移動可能に支持された可動シーブと、
    前記固定シーブと可動シーブとの間に配置されたベルトと、
    前記可動シーブを軸線方向に移動させてプーリ溝幅を変化させる請求項1又は2に記載のアクチュエータと、を含む無段変速機。
  4. エンジンと、
    前記エンジンのクランクシャフトが出力する回転を変速する請求項3に記載の無段変速機と、を含む車両。
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