<1:スロットマシンの外観構成>
図1は、本発明の一実施例にかかるスロットマシン1の概観を示す斜視図である。スロットマシン1は、前面が開口した箱状の本体2と本体2の前面に配置した前面扉3から構成されている。本体2と前面扉3とは片側で蝶番により開閉できるようになっている。前面扉3は、遊技者が遊技を行うためのボタン類を配置した操作部OP、リール可変表示装置RLの図柄を視認するリール窓20や遊技を進行するための表示される表示器類を配置したパネル表示部DP、遊技を進行するための表示される液晶表示器類や電飾装置を配置した演出表示部TP及び受皿部BPから構成されている。
操作部OPには、操作部OPの上面右側にメダル投入口10を配置し、上面左側にベットボタン11が配置されている。スロットマシン1の遊技は、メダル投入操作かベットボタン操作により開始できる。ベットボタン11の下部位置の前面側には、リールの回転を行うためのスタートレバー12を配置し、その右側には左リールの回転を停止させるための左ストップボタン13a、中リールの回転を停止させるための中ストップボタン13b及び右リールの回転を停止させるための右ストップボタン13cを配置し、遊技の基本操作順序となる、ベットボタン操作→スタートレバー操作→左ストップボタン操作→中ストップボタン操作→右ストップボタン操作の一連の流れの操作を行い易いようになっている。スタートレバー12の左側には、貯留装置に記憶されたクレジットを精算してメダル受皿40にメダルを払い出す精算ボタン14を配置する。この精算ボタン14は遊技をやめる場合に使用し、操作の頻度が低いことや遊技中に誤って操作しないよう、上記一連の操作の流れから外れる位置に配置してある。
パネル表示部DPには、1つのリールにつき3個の連続した図柄が目視でき、3つのリールで9個分の図柄をのぞむ透明アクリル板からなるリール窓20を設け、さらにリール窓20上には水平ラインの入賞ラインL1を有する。このリール窓20の左側には、入賞ラインL1に対応した入賞ライン表示器21を設け、遊技メダル1枚投入すると入賞ラインL1に対応した入賞ライン表示器21が点灯し、遊技メダル3枚投入すると入賞ラインL1に対応した入賞ライン表示器21を点灯するようになっている。また、遊技の結果、所定の図柄の組み合わせが成立した場合には、成立した入賞ラインに対応した入賞ライン表示器21が点滅表示し、遊技者に知らせるようになっている。また、リール窓20の右側には、入賞した場合に点灯する表示器やゲーム状態に応じた点灯するLEDなどの複数のLEDが配置された遊技ガイド表示器22が設けられている。さらにリール窓20の下側には、貯留装置に蓄えられたクレジット数を表示するクレジット数表示器23a、入賞した場合に付与された配当数を表示する配当数表示器23c、及び所定ゲーム中に付与された配当数を累積して獲得枚数の表示を行う獲得枚数表示器23bから構成される遊技価値情報表示部23を有している。
演出表示部TPには、遊技の進行状態を画像で表示する液晶表示器30、ゲーム状態に応じて色彩や点灯パターンを変化させて表示させる電飾LED31及びゲーム状態に応じて変化させるBGMやボタン操作に応じた操作音、ガイド音声を出力するスピーカ32が配置されている。
受皿部BPには、メダル払出装置が駆動されてメダル払出口40aから排出された遊技メダルを貯めるメダル受皿40を設け、メダル受皿40の左側には灰皿を設けてある。
<2:リール可変表示装置の構成>
図2は、スロットマシン1のリール可変表示装置RLの構造を示す説明図である。図2(A)は、リール可変表示装置RL全体の構造を示し、図2(B)は、右リールの詳細の構造を示す。
リールR1〜R3は、透明なABS樹脂等からなり、軸部から放射線状に延びた複数のスポーク部と環状の枠からなるリール枠56a〜56cと、そのリール枠56a〜56cの周面に貼り付けられている21個の各種の図柄(図柄番号PN:1〜21)が印刷されたリール帯58a〜58cから構成される。リールR1〜R3は、ステッピングモータ54a〜54cに固定され回転動作するようになっている。リールR1〜R3の回転動作には、400ステップのパルスを供給で1回転するステッピングモータ54a〜54cを使用し、所定のパルスを供給することで所定の図柄をリール窓20に表示させることができる。さらにLED(図示せず)を設置したバックライト装置53a〜53cを設け、リール帯58a〜58cの内側から光を照射できるようになっている。このように、リール帯58a〜58cの内側からバックライト装置53a〜53cによって光を照射することで、遊技者にリール帯58a〜58c上の図柄を目立たせることができる。
また、スポーク部の一つに検知板57a〜57cを取り付け、リール位置検出センサ55a〜55cによって、リールR1〜R3が1回転するごとに1パルスのリール位置検出信号155a〜155cを出力できるようになっている。このリール位置検出信号155a〜155cを検知したときに、図柄番号PN=1がリール窓の中央の入賞ラインL1上に位置するように検知板57a〜57cとリール帯58a〜58cとの位置が設定してある。
リール可変表示装置RLにおいて、リールR1〜R3、リールR1〜R3が固定されたステッピングモータ54a〜54c、バックライト装置53a〜53c及びリール位置検出センサ55a〜55cを、それぞれベース板52a〜52cに固定することで一つのユニット構成としている。また、リール可変表示装置RLは、ベース板52a〜52cをリール可変表示装置RLのケース体50に設けられたガイドレール51a〜51cに沿って挿入してケース体50内に収容するようになっている。
図3は、リール帯58a〜58cに印刷された図柄の配置を示す説明図である。各リールには”ベル”、”プラム”、”スイカ” 、”チェリー” 、”赤7” 、”青7” 、”BAR” 、”ブランク” 、”スター1” 、”スター2”の10種類の図柄が配されており、左、中、右のそれぞれのリール帯58a〜58cには21個の図柄を等間隔で配置して印刷されている。504ステップのパルスを供給で1回転するステッピングモータ54a〜54cを使用しているので、21個の図柄を配置すると図柄の間隔は24ステップとなる。また、リール位置検出信号155a〜155cを検知したときに、図柄番号PN=1がリール窓の中央の入賞ラインL1上に位置するようにしたから、リール位置検出信号155a〜155cを検知してから24ステップ進めれば図柄番号PN=2が入賞ラインL1上に位置し、48ステップ進めれば図柄番号PN=3が入賞ラインL1上に位置し、480ステップ進めれば図柄番号PN=21が入賞ラインL1上に位置することになる。480ステップより先に進めると、再びリール位置検出信号155a〜155cが検知される。これによりリール位置検出信号155a〜155cが検知されたタイミングを基点にして、進めるステップ数により所定の図柄を入賞ラインL1上に位置させることができる。各リールにベル図柄とベル図柄の間に最大4つの図柄を挟んだ4コマ間隔以内に配置されている。プラム図柄もベル図柄と同様である。左リールで図柄番号10のBAR図柄は、見た目に大きくなっており、目押するときの押下タイミング目印図柄として配置されており、BAR図柄を挟んでスイカ図柄とチェリー図柄が4コマ間隔で配置されている。これはBAR図柄を押下タイミングの目印図柄とすることによって、取りこぼしのあるスイカ図柄とチェリー図柄のいずれも同時に入賞ライン上に停止表示できるように配置した工夫である。ストップボタン13a〜13cが操作されてから、図柄の間隔で最大4コマ滑りする制御については後述する。
<3:スロットマシンの電気的構成>
図4は、スロットマシン1の電気的構成を示すブロック図である。スロットマシン1は、遊技の主たる制御を行うメイン制御基板100A、液晶表示器に対して表示制御を行い画像表示する表示制御基板100B、パネル表示部DP又は演出表示部TPのLED類や音の演出の制御を行う電飾制御基板100Cを備えている。メイン制御基板100Aは、CPU(central processing unit)101、クロック発生回路a102、クロック発生回路b103、ROM(read-only memory)104、RAM(random-access memory)105、データ送出回路106、入出力ポート107から構成されている。なお、CPU101としてROMやRAMを内蔵しているものを採用することができる。その場合には、外付けのROM104、RAM105は不要となる。
CPU101は、ROM104に格納されたプログラムを、クロック発生回路a102で発生したCLK信号のタイミングに基づいて読み出し、プログラムを逐次実行する。CPU101は、電源が投入されるとあらかじめ定められたアドレスからメインプログラムを実行し、クロック発生回路a102の周期とは異なるクロック発生回路b103で発生されられたINTR信号のタイミングで、あらかじめ定められたアドレスから始まる割込みプログラムを実行する。ここで、INTR信号のタイミングは、例えば、2ミリ秒である。CPU101はプログラムの実行に応じて、各種フラグや各種カウンタ又は各種遊技情報をRAM105に保存する。外部から供給される電源が遮断した場合でも、RAM105は電池により記憶情報が保持されており、その後電源が復帰した場合には、電源断発生の直前の状態から再開する。CPU101は、入出力ポート107を介して各種ボタン、センサの状態を読み取り、各種モータ、LEDを駆動する。
ベット操作指示信号111a〜111c、開始操作指示信号112、停止操作指示信号113a〜113c及び精算操作指示信号114は、それぞれ操作部OPに設けられたベットボタン11、スタートレバー12、ストップボタン13a〜13c、精算ボタン14ボタンが遊技者に操作されたことに応じて検知される信号であり、入出力ポート107を介してCPU101に送られる。
表示制御信号123a〜123cは、それぞれパネル表示部DPに設けられたクレジット数表示器23a、獲得枚数表示器23b、配当数表示器23cに表示するための表示信号であり、入出力ポート107を介してCPU101より駆動される。リール位置検出信号155a〜155cはそれぞれリール可変表示装置RLのそれぞれのリールに対応し、リールが1回転するたびに1回検出する信号であり入出力ポート107を介してCPU101に送られる。リール駆動信号154a〜154cは、それぞれリール可変表示装置のそれぞれのリールR1〜R3を駆動するステッピングモータ駆動信号であり、入出力ポート107を介してCPU101より駆動される。
メダル投入信号160は、投入された遊技メダルをメダル投入口10から通ずる前面扉3の内部に設けられたメダル検出装置に設けられたメダルを検出するセンサの信号であり、入出力ポート107を介してCPU101に送られる。また、メダルブロック信号161はメダル検出装置に設けられたソレノイドを駆動する信号であり入出力ポート107を介してCPU101より駆動される。メダル払出信号162はメダル払出装置のメダル放出部に設けられたメダルを検出するセンサ信号であり、入出力ポート107を介してCPU101に送られる。また、払出駆動信号163はメダル払出装置に設けられたモータを駆動する信号であり、入出力ポート107を介してCPU101より駆動される。
CPU101は、データ送出回路を介して表示制御基板100B及び電飾制御基板100Cへ各種コマンドを出力する。電飾制御基板100Cは、メイン制御基板100Aより各種コマンドを受信し、入賞ライン表示器21、遊技ガイド表示器22、電飾LED31による電飾装置の点灯制御、リール可変表示装置RLに設けられたバックライト装置53a〜53cの点灯制御及びBGMなどのサウンドをスピーカ32から出力する。
表示制御基板100Bは、CPU(central processing unit)191、クロック発生回路c192、クロック発生回路d193、ROM(read-only memory)194、RAM(random-access memory)195、データ入力回路196及びグラフィックLSIとその周辺回路からなる表示回路197を備えている。このCPU191は、ROM194に格納されたプログラムを、クロック発生回路c192で発生したCLK信号のタイミングに基づいて読み出し、プログラムを逐次実行する。CPU191は、電源が投入されるとあらかじめ定められたアドレスからメインプログラムを実行し、クロック発生回路a192の周期とは異なるクロック発生回路b193で発生されられたINTR1信号のタイミングで、あらかじめ定められたアドレスから始まる割込みプログラムを実行する。ここで、INTR1信号のタイミングは、例えば、2ミリ秒とする。CPU191のストローブ信号は、プログラムの実行に応じて、各種フラグや各種カウンタ又は各種遊技情報をRAM195に保存する。外部から供給される電源が遮断した場合でも、RAM19は電池により記憶情報が保持されており、その後電源が復帰した場合には、電源断発生の直前の状態から再開する。
また、メイン制御基板100Aのデータ送出回路からのデータ送出タイミングに同期して送出されるストローブ信号に基づいてINTR2信号を発生させ、このINTR2信号のタイミングで、あらかじめ定められたアドレスから始まる割込みプログラムを実行する。
<4:スロットマシンの遊技>
<4−2:スロットマシンの役と配当数>
図5は、スロットマシン1における役の種類とその役の図柄の組合せの構成と役に対応する規定枚数ごとの配当数を示す説明図である。スロットマシン1ではあらかじめ定められた図柄組み合わせが入賞ラインL1上に揃う入賞となり、図柄組み合わせによって定められた配当数に基づいて15枚のメダルを最大とした配当が付与される小役や通常ゲームから他の種類のゲームを開始させる役がある
他の種類のゲームを開始させる役として、BBゲームを開始する「赤7−バー−バー」の図柄の組み合わせからなる二種BB開始役がある。
配当を付与する小役として、規定数が3枚のときに15枚、規定数が2枚のときに2枚のメダルを配当とする「ベル−ベル−ベル」の図柄の組み合わせからなる8枚小役、規定数が3枚のとき1枚、規定数が2枚のときに2枚のメダルを配当とする「プラム−赤7−赤7」の図柄の組み合わせからなる1枚小役A、規定数が3枚のとき1枚、規定数が2枚のときに2枚のメダルを配当とする「プラム−赤7−ブランク」の図柄の組み合わせからなる1枚役B、規定数が3枚のとき1枚、規定数が2枚のときに2枚のメダルを配当とする「プラム−赤7−青7」の図柄の組み合わせからなる1枚役C、規定数が3枚のとき1枚、規定数が2枚のときに2枚のメダルを配当とする「プラム−赤7−BAR」の図柄の組み合わせからなる1枚役D、規定数が3枚のとき1枚、規定数が2枚のときに2枚のメダルを配当とする「プラム−青7−赤7」の図柄の組み合わせからなる1枚役E、規定数が3枚のとき1枚、規定数が2枚のときに2枚のメダルを配当とする「プラム−青7−ブランク」の図柄の組み合わせからなる1枚役F、規定数が3枚のとき1枚、規定数が2枚のときに2枚のメダルを配当とする「プラム−青7−青7」の図柄の組み合わせからなる1枚役G、規定数が3枚のとき1枚、規定数が2枚のときに2枚のメダルを配当とする「プラム−青7−BAR」の図柄の組み合わせからなる1枚役H、規定数が3枚のとき1枚、規定数が2枚のときに2枚のメダルを配当とする「プラム−BAR−赤7」の図柄の組み合わせからなる1枚役I、規定数が3枚のとき1枚、規定数が2枚のときに2枚のメダルを配当とする「プラム−BAR−ブランク」の図柄の組み合わせからなる1枚役J、規定数が3枚のとき1枚、規定数が2枚のときに2枚のメダルを配当とする「プラム−BAR−青7」の図柄の組み合わせからなる1枚役K、規定数が3枚のとき1枚、規定数が2枚のときに2枚のメダルを配当とする「プラム−BAR−BAR」の図柄の組み合わせからなる1枚役L、規定数が3枚のとき1枚、規定数が2枚のときに2枚のメダルを配当とする「プラム−ベル−赤7」の図柄の組み合わせからなる1枚役M、規定数が3枚のとき1枚、規定数が2枚のときに2枚のメダルを配当とする「プラム−ベル−青7」の図柄の組み合わせからなる1枚役N、規定数が3枚のとき1枚、規定数が2枚のときに2枚のメダルを配当とする「赤7−ベル−プラム」の図柄の組み合わせからなる1枚役O、規定数が3枚のとき1枚、規定数が2枚のときに2枚のメダルを配当とする「青7−ベル−プラム」の図柄の組み合わせからなる1枚役P、規定数が3枚のとき1枚、規定数が2枚のときに2枚のメダルを配当とする「プラム−赤7−ベル」の図柄の組み合わせからなる1枚役Q、規定数が3枚のとき1枚、規定数が2枚のときに2枚のメダルを配当とする「プラム−青7−ベル」の図柄の組み合わせからなる1枚役R、規定数が3枚のとき1枚、規定数が2枚のときに2枚のメダルを配当とする「赤7−プラム−ベル」の図柄の組み合わせからなる1枚役S、規定数が3枚のとき1枚、規定数が2枚のときに2枚のメダルを配当とする「青7−プラム−ベル」の図柄の組み合わせからなる1枚役T、規定数が3枚のとき1枚、規定数が2枚のときに2枚のメダルを配当とする「ベル−プラム−プラム」の図柄の組み合わせからなる1枚役U、規定数が3枚のとき1枚、規定数が2枚のときに2枚のメダルを配当とする「チェリー−プラム−プラム」の図柄の組み合わせからなる1枚役V、規定数が3枚のとき1枚、規定数が2枚のときに2枚のメダルを配当とする「チェリー−チェリー−プラム」の図柄の組み合わせからなる1枚役W、規定数が3枚のとき5枚、規定数が2枚のときに2枚のメダルを配当とする「スイカ−スイカ−スイカ」の図柄の組み合わせからなる5枚役A、規定数が3枚のとき5枚、規定数が2枚のときに2枚のメダルを配当とする「スイカ−スイカ−プラム」の図柄の組み合わせからなる5枚役B、規定数が3枚のとき5枚、規定数が2枚のときに2枚のメダルを配当とする「プラム−ベル−青7」の図柄の組み合わせからなる5枚役C、規定数が3枚のとき5枚、規定数が2枚のときに2枚のメダルを配当とする「プラム−ベル−BAR」の図柄の組み合わせからなる5枚役D、規定数が3枚のとき5枚、規定数が2枚のときに2枚のメダルを配当とする「プラム−ベル−赤7」の図柄の組み合わせからなる5枚役Eがある。入賞ラインが複数ある場合に同時に複数の入賞ラインで入賞となることを重複入賞という。
また、ベット操作なし(遊技メダルの投入なし)で次ゲームを開始可能とする「プラム−プラム−プラム」の図柄の組み合わせからなる再遊技役がある。
<4−3:スロットマシンの各種ゲームの説明>
図6は、スロットマシン1で行われるゲームの状態遷移を示す説明図である。
(1)二種BBゲームの開始と終了
通常ゲーム中に内部抽選で二種BB開始役に当選し、二種BB開始役が成立して入賞すると次ゲームから二種BBゲームが開始される。二種BBゲーム中における獲得枚数が規定枚数を超える場合に二種BBゲームは終了する。
(2)二種BB内部中ゲーム
通常ゲーム中に内部抽選で二種BB開始役に当選しても、二種BB開始役が成立しないと次ゲーム以降も入賞するまで二種BBの当選フラグの持ち越しがされる二種BB内部中ゲームとなる。二種BB内部中ゲームで二種BB開始役が成立して入賞すると次ゲームから二種BBゲームが開始される。
(3)ゲームの流れ
設定変更やRAMリセットをすることによって、通常ゲームから開始される。通常ゲーム中に二種BB役に内部当選すると、二種BB役に当選したゲームでは二種BB開始役を入賞させることができる停止テーブルを使用されるので、二種BB開始役を入賞させることはできる。二種BB内部中ゲームでは二種BB開始役の当選フラグが持ち越されるが、不当選の抽選区分がなく、いずれかの役に当選するようになっている。二種BB開始役より再遊技や小役を優先的に引き込めるように停止テーブルを作成してあるため、本願遊技機では二種BB内部中ゲームから他のゲーム状態に遷移することはない。ゆえに設定変更やRAMリセットの直後数ゲームは、通常ゲーム中に滞在するが二種BB開始役に当選した後は、再び設定変更やRAMリセットをするまでずっと二種BB内部中に滞在する。そのため後述するサブ基板100Bの状態遷移によって出玉の高低をつけている。
<5:スロットマシンの動作>
次に、スロットマシン1の全体動作の詳細を説明する。CPU101は、電源投入後初期化処理を行い、図7に示すフローチャートの処理を実行する。
<5−1:1ゲームの流れ>
図7は、1ゲームの流れの内容を示すフローチャートである。まずCPU101は、メダル投入信号160又はベット操作指示信号111a〜111cに基づいてメダル投入による投入ベット操作又はベットボタン11の押下による貯留ベット操作が行われたか否かを判定し、いずれかの信号を検出するまで待機する(S100)。信号を検知した場合は次に進み、開始操作指示信号112に基づいてスタートレバー操作が行われたか否かを判定し、信号を検出するまで待機する(S101)。信号を検出した場合は、ベット操作を禁止する(S102)。具体的には、メダルブロック信号161によりメダルセレクタ装置のソレノイドをOFFにし、メダルセレクタ装置の通過経路を切替えて、遊技メダルがメダル投入口10から投入された場合でもメダル受皿40に排出する。また、ベット操作指示信号111a〜111cも受け付けないようにする。
次にCPU101は、0000HからFFFFHの範囲で10ナノ秒毎に順次インクリメントし、約1.6ミリ秒で1巡回するカウンタ回路から入力ポート107を介してカウンタ値を取得し乱数値とする(S103)。次にゲーム種別データを参照して、当ゲームの種類に応じた役抽選テーブルを選択する(S104)。選択された役抽選テーブルを使用して、取得した乱数値が役抽選テーブル上の役グループごとに設定されたどの数値の範囲に属するかの判定を行い、その役の当選フラグをセットする(S105)。次にステップS105で設定された当選フラグに基づき停止制御で参照する停止データテーブル群を選択する(S106)。停止データテーブル群は、ストップボタン13a〜13cのいずれかが押されたときから、図柄数で最大4コマ以内でリールが停止するように設計されている。これはストップボタン13a〜13cのいずれかが押されたときから190ms以内でリールを停止させることと同義である。リールの定常速度は80rpmであり、1リール辺り21図柄配置されている。よって190msでストップボタンを押した位置から5図柄と少し進む。ストップボタンを押した位置の図柄で停止することを0コマ引き込み又は、ビタ押しとすると、最大4コマまでリール上の図柄が進むことになる。
この例では1ゲームの最小消費時間を4.1秒としているため、1ゲームの経過時間を示す2ミリ秒毎に0までカウントダウンするタイマ値を参照して、タイマ値が0まで到達するまで待機する(S107)。1ゲームの経過時間を計測する基点としてリールの回転開始とするためタイマ値が0に到達した場合には、タイマ値を4.1秒に相当する初期値(2050)をセットし、3つのリールを駆動するためリール駆動信号154a〜154cにパルスを供給して、ステッピングモータを同時又は順次回転させる(S108)。具体的には、リール駆動信号154a〜154cは複数の巻線相を励磁するための複数本の駆動信号ラインを備え、各駆動信号ラインにパルス信号を所定の位相パターンで供給することによりリールは回転する。また、ステップS101でスタートレバーが操作されても、前のゲームのリールの回転開始から4.1秒経過していないと、直ちにリールR1〜R3は回転しないで待機状態になり、待機状態になったことをランプや音で遊技者に知らせる。
次にCPU101は、10ステップの加速期間を経て3つのリールR1〜R3を全て一定回転速度に到達させた後、ストップボタン13a〜13cの受け付けができることを知らせるために、ストップボタンに内蔵したLEDを点灯させる。停止操作指示信号113a〜113cを検出し、ストップボタンの操作があった場合は、ステップS106で選択した停止データテーブル群に基づき、ストップボタンの操作の位置と停止データテーブル群の停止データから停止させる図柄を決定し、全ての巻線相を同時に励磁する全相励磁によってブレーキ力を与えて、全相励磁を開始してから15ステップ相当分の惰性で回転して停止させるリール停止処理をそれぞれのリールに対して行う(S109)。リールR1〜R3の回転開始後、30秒経過しても停止操作が行われなかったリールに対しては自動的にリールを停止させる。
次にCPU101は、全てのリールが停止した場合、有効な入賞ライン上に役が成立して入賞したかを判定し(S110)、入賞している場合には役毎に設定した遊技価値を付与する。次にゲーム種別データを参照して、二種BBゲーム中か否かを判定し(S111)、ゲーム中であると判定した場合には、特別ゲーム終了判定処理を行い(S112)、続いて当選フラグクリア処理を行う(S113)。ここでは、そのゲームで成立した当選フラグがフラグの持ち越しできる開始役であれば、入賞した場合にだけ当選フラグをクリアし、入賞せずに取りこぼした場合には当選フラグをクリアせずそのままとする。一方そのゲームで成立した当選フラグが小役であれば、入賞又は取りこぼしを問わずその当選フラグをクリアする。続いてステップS102で行ったベット操作の禁止を解除し(S114)、遊技メダルの投入又はベットボタン11の入力の受け付けを行えるようにし、次のゲームの開始に備えるため、ステップS100へ戻る。
<5−2:役抽選テーブル決定処理>
図8は、ステップS104の役抽選テーブル決定処理で選択されるゲーム種類に応じた抽選をする内容を示す説明図である。通常ゲーム中は、再遊技役、8枚小役、1枚小役A〜W、5枚小役A〜E、又はハズレのいずれかを抽選で決定するための抽選確率をそれぞれ65536分の抽選値と設定し、当選した役の当選フラグをセットする。各種内部中ゲーム中は、再遊技役、小役又はハズレのいずれかを抽選で決定するための抽選確率をそれぞれと設定し、当選した役の当選フラグをセットする。通常ゲーム中と各種内部中ゲーム中の小役の抽選確率は同一である。これらの抽選確率を示すデータを設定したものをそれぞれ役抽選テーブルTBL8001、TBL8002とする。
二種BBゲーム中は、再遊技役、8枚小役、5枚小役A〜E、1枚小役A〜W又はハズレのいずれかを抽選で決定するための抽選区分である抽選グループ1、抽選グループ2、抽選グループ3、抽選グループ4、抽選グループ5、抽選グループ6、抽選グループ7、抽選グループ8、抽選グループ9、抽選グループ10、抽選グループ11、抽選グループ12、抽選グループ13、抽選確率をそれぞれ6400、6400、6400、6400、6400、6400、1000、200、800、400、300、21435、3000と設定し、当選した役の当選フラグをセットする。また、複数の役が同時当選した場合はすべての当選フラグをセットする。これらの抽選確率を示すデータを設定したものを役抽選テーブルTBL8003とする。
なお、CPU101では、各ゲームの種類を通常ゲームであれば00H、BB内部中ゲームであれば01H、BBゲームであれば10Hというようにゲーム種別データとして管理する。
<5−3:当選フラグセット処理>
図9は、ステップS105の当選フラグセット処理の内容を示すフローチャートである。この当選フラグセット処理では、取得した乱数値とステップS104で決定されたゲームの種類に応じた役抽選テーブルTBL8001〜TBL8003から、そのゲームに有効な当選フラグのセットを行うことであり、同じ乱数値でもゲームにより役抽選テーブルが異なればセットされる当選フラグも異なり、同じ役抽選テーブルでも乱数値が異なればセットされる当選フラグも異なる。また、前ゲームから持ち越された当選フラグがある場合には、持ち越しフラグと当ゲームで取得した乱数値とを合わせて複数の当選フラグをセットする。また、二種BBゲーム中では、小役においては取得した乱数値に基づかないで当選フラグをセットすることも当処理で行う。
まずCPU101は、抽選グループ1に含まれる役に当選したか否かを、取得した乱数値が役抽選テーブルの抽選グループ1の抽選区分データが示す範囲に属するかで判定し(S105a)、属していると判定した場合は、抽選グループ1で同時当選している小役のフラグを「1」にセットする(S105b)。
次にCPU101は、抽選グループ2に当選したか否かを、取得した乱数値が役抽選テーブル抽選グループ2の抽選区分データが示す範囲に属するかで判定し(S105c)、属していると判定した場合は、抽選グループ2で同時当選している小役のフラグを「1」にセットする(S105d)。
次にCPU101は、抽選グループ3に当選したか否かを、取得した乱数値が役抽選テーブルの抽選グループ3の抽選区分データが示す範囲に属するかで判定し(S105e)、属していると判定した場合は、抽選グループ3で同時当選している小役のフラグを「1」にセットする(S105f)。
次にCPU101は、抽選グループ4に当選したか否かを、取得した乱数値が役抽選テーブルの抽選グループ4の抽選区分データが示す範囲に属するかで判定し(S105g)、属していると判定した場合は、抽選グループ3で同時当選している小役のフラグを「1」にセットする(S105h)。
次にCPU101は、抽選グループ5に当選したか否かを、取得した乱数値が役抽選テーブルの抽選グループ5の抽選区分データが示す範囲に属するかで判定し(S105i)、属していると判定した場合は、抽選グループ3で同時当選している小役のフラグを「1」にセットする(S105j)。
次にCPU101は、抽選グループ6に当選したか否かを、取得した乱数値が役抽選テーブルの抽選グループ6の抽選区分データが示す範囲に属するかで判定し(S105k)、属していると判定した場合は、抽選グループ3で同時当選している小役のフラグを「1」にセットする(S105l)。
次にCPU101は、抽選グループ7に当選したか否かを、取得した乱数値が役抽選テーブルの抽選グループ7の抽選区分データが示す範囲に属するかで判定し(S105m)、属していると判定した場合は、抽選グループ3で同時当選している小役のフラグを「1」にセットする(S105n)。
次にCPU101は、抽選グループ8に当選したか否かを、取得した乱数値が役抽選テーブルの抽選グループ8の抽選区分データが示す範囲に属するかで判定し(S105o)、属していると判定した場合は、抽選グループ3で同時当選している小役のフラグを「1」にセットする(S105p)。
次にCPU101は、抽選グループ9に当選したか否かを、取得した乱数値が役抽選テーブルの抽選グループ9の抽選区分データが示す範囲に属するかで判定し(S105q)、属していると判定した場合は、抽選グループ3で同時当選している小役のフラグを「1」にセットする(S105r)。
次にCPU101は、抽選グループ10に当選したか否かを、取得した乱数値が役抽選テーブルの抽選グループ10の抽選区分データが示す範囲に属するかで判定し(S105s)、属していると判定した場合は、抽選グループ3で同時当選している小役のフラグを「1」にセットする(S105t)。
次にCPU101は、抽選グループ11に当選したか否かを、取得した乱数値が役抽選テーブルの抽選グループ11の抽選区分データが示す範囲に属するかで判定し(S105u)、属していると判定した場合は、抽選グループ3で同時当選している小役のフラグを「1」にセットする(S105v)。
次にCPU101は、抽選グループ12に当選したか否かを、取得した乱数値が役抽選テーブルの抽選グループ12の抽選区分データが示す範囲に属するかで判定し(S105w)、属していると判定した場合は、抽選グループ3で同時当選している小役のフラグを「1」にセットする(S105x)。
<5−4:停止データ選択処理>
図10は、ステップS106の停止データ選択処理の内容を示すフローチャートである。この停止データ選択処理では、ステップS105で設定された当選フラグから、停止制御で使用する停止データテーブル群を選択する。図11に示すように、役ごとに設定された停止データテーブル群TBL21〜TBL32には、さらに左リールR1、中リールR2および右リールR3用の3つの停止データテーブル群TBL21A〜TBL21C(抽選グループ1の例)からなり、さらに各リールごとに、第2停止、第3停止時の停止データテーブルTBL21A1〜TBL21A5(抽選グループ1の例)を備える。また、遊技者の停止操作に応じて停止データテーブルを切り替えることも行うため、当処理が停止操作時に選択される最終的に使用する停止データテーブルまでを特定して選択する必要はない。
まずCPU101は、当選フラグを参照して抽選グループ1の条件装置がセットされているか否かを判定し(S106a)、セットされていると判定した場合は、再遊技用停止データテーブル群TBL21を選択する(S106b)。
次にCPU101は、当選フラグを参照して抽選グループ2の条件装置がセットされているか否かを判定し(S106c)、セットされていると判定した場合は、ベル用停止データテーブル群TBL22を選択する(S106d)。
次にCPU101は、当選フラグを参照して抽選グループ3の条件装置がセットされているか否かを判定し(S106e)、セットされていると判定した場合、はスイカ用停止データテーブル群TBL23を選択する(S106f)。
次にCPU101は、当選フラグを参照して抽選グループ4の条件装置がセットされているか否かを判定し(S106g)、セットされていると判定した場合、は抽選グループ4用停止データテーブル群TBL24を選択する(S106h)。
次にCPU101は、当選フラグを参照して抽選グループ5の条件装置がセットされているか否かを判定し(S106i)、セットされていると判定した場合、は抽選グループ5用停止データテーブル群TBL25を選択する(S106j)。
次にCPU101は、当選フラグを参照して抽選グループ6の条件装置がセットされているか否かを判定し(S106k)、セットされていると判定した場合、は抽選グループ6用停止データテーブル群TBL26を選択する(S106l)。
次にCPU101は、当選フラグを参照して抽選グループ7の条件装置がセットされているか否かを判定し(S106m)、セットされていると判定した場合、は抽選グループ7用停止データテーブル群TBL27を選択する(S106n)。
次にCPU101は、当選フラグを参照して抽選グループ8の条件装置がセットされているか否かを判定し(S106o)、セットされていると判定した場合、は抽選グループ8用停止データテーブル群TBL28を選択する(S106p)。
次にCPU101は、当選フラグを参照して抽選グループ9の条件装置がセットされているか否かを判定し(S106q)、セットされていると判定した場合、は抽選グループ9用停止データテーブル群TBL29を選択する(S106r)。
次にCPU101は、当選フラグを参照して抽選グループ10の条件装置がセットされているか否かを判定し(S106s)、セットされていると判定した場合、は抽選グループ10用停止データテーブル群TBL30を選択する(S106t)。
次にCPU101は、当選フラグを参照して抽選グループ11の条件装置がセットされているか否かを判定し(S106U)、セットされていると判定した場合、は抽選グループ11用停止データテーブル群TBL31を選択する(S106v)。
次にCPU101は、当選フラグを参照して抽選グループ12の条件装置がセットされているか否かを判定し(S106w)、セットされていると判定した場合、は抽選グループ12用停止データテーブル群TBL32を選択する(S106v)。
図12Aは、停止データ選択処理で選択される各リールで使用する入賞ラインL1に停止させる停止データテーブルを示す説明図である。図12A(A)は左リール帯の図柄並びを示し、図12A(B)、(C)、(D)、(E)、(F)、(G)はそれぞれベル図柄用停止データテーブルTBL1201、プラム図柄用停止データテーブルTBL1202、赤7図柄用停止データテーブルTBL1203、赤7青7図柄用停止データテーブルTBL1204、チェリー図柄用停止データテーブルTBL1205、スイカ図柄用停止データテーブルTBL1206を示す。これら停止データテーブルは、停止指示信号113cが検出した停止位置の直近の図柄位置(停止図柄位置)から何コマ先の図柄まで進めて停止することを指示する「0」〜「4」までの進みコマ数が記憶している。「0」であれば停止図柄位置で停止することを意味し、「4」であれば4コマ図柄先の図柄位置で停止することを意味する。なお、停止データテーブルは、どこの図柄まで進めて停止するかを指示できればよいので、「0」〜「4」のような進みコマ数ではなく、図14(B)のベル図柄用停止データテーブルにカッコ書きに記載したような停止させる図柄番号PNを記憶させるようにしてもよい。
ベル図柄用停止データテーブルTBL1201は、停止図柄位置が図柄番号PN=1〜21のどの位置であっても、中段(入賞ラインL1位置)にベル図柄を停止させることができる。またプラム図柄用停止データテーブルTBL1202も、停止図柄位置が図柄番号PN=1〜21のどの位置であっても、中段(入賞ラインL1位置)にプラム図柄を停止させることができる。このように21図柄のうち5個を4コマ間隔以内に配置すれば、どの位置で停止してもその図柄を必ず停止させることができる。このようなベル図柄、プラム図柄を100%引込み図柄という。
赤7図柄用停止データテーブルTBL1203は、停止図柄位置が図柄番号PN=15〜19の5箇所でのみ赤7図柄を中段(入賞ラインL1位置)に停止させることができる。停止図柄位置がそれ以外であった場合はプラム図柄を中段に停止させる。
赤7図柄青7図柄用停止データテーブルTBL1204は、停止図柄位置が図柄番号PN=16〜19の4箇所でのみ赤7図柄を中段(入賞ラインL1位置)に停止させることができる。停止図柄位置が図柄番号PN=11〜15の4箇所でのみ青7図柄を中段(入賞ラインL1位置)に停止させることができる。停止図柄位置がそれ以外であった場合はプラム図柄を中段に停止させる。
チェリー図柄用停止データテーブルTBL1205は、停止図柄位置が図柄番号PN=5〜9の4箇所でのみチェリー図柄を中段(入賞ラインL1位置)に停止させることができる。停止図柄位置がそれ以外であった場合はプラム図柄を中段に停止させる。
スイカ図柄用停止データテーブルTBL1206は、停止図柄位置が図柄番号PN=1〜6、8〜21の20箇所でスイカ図柄を中段(入賞ラインL1位置)に停止させることができる。停止図柄位置がそれ以外であった場合はプラム図柄を中段に停止させる。
遊技者の停止操作タイミングが図柄番号PN=5であった場合で例示すると、ベル図柄用停止データテーブルTBL1201が選択されている場合は、進みコマ数「3」を取得し、図柄番号PN=8のベル図柄を中段に表示させ、プラム図柄用停止データテーブルTBL1202が選択されている場合は、進みコマ数「2」を取得し、図柄番号PN=7のプラム図柄を中段に表示させ、赤7図柄用停止データテーブルTBL1203が選択されている場合は、進みコマ数「2」を取得し、図柄番号PN=7のプラム図柄を中段に表示させ、赤7青7図柄用停止データテーブルTBL1204が選択されている場合は、進みコマ数「2」を取得し、図柄番号PN=7のプラム図柄を中段に表示させ、チェリー柄用停止データテーブルTBL1205が選択されている場合は、進みコマ数「4」を取得し、図柄番号PN=9のチェリー図柄を中段に表示させ、スイカ図柄用停止データテーブルTBL1206が選択されている場合は、進みコマ数「1」を取得し、図柄番号PN=6のスイカ図柄を中段に表示させる。このように選択する停止データテーブルにより、同じ停止操作タイミングであっても中段に停止する図柄が異なる。
<5−5:リール停止処理>
図13、図14は、ステップS109のリール停止処理の内容を示すフローチャートである。このリール停止処理では、ステップS106で当選フラグに基づいて決定された停止データテーブル群の停止データにしたがって、停止操作されたストップボタンの順番に所定の図柄を停止させる。通常ゲーム中及び二種BB内部ゲーム中では停止位置から最大4コマ分先までにある当選フラグに基づく図柄を停止させる処理を行う。二種BBゲーム中は、右リール及び中リールは他のゲームと同様停止位置から最大4コマ分先までにある当選フラグに基づく図柄を停止させる処理を行うが、左リールでは停止位置から最大1コマ分先までにある当選フラグに基づく図柄を停止させる処理を行う。
まずCPU101は、回転開始から30秒経過したか否かの判定と(S109a)、1回目のストップボタンの停止操作があったか否かを、停止指示信号113a〜113cに基づいて判定する(S109b)。停止指示信号113a〜113cのいずれかの信号を検知した場合は、1回目のストップボタンの停止操作が行われたと判断する。また、ステップS109aで30秒経過したと判定した場合は、その時点で左リールに対して自動停止指示を行う(S109c)。
次にCPU101は、検出した停止指示信号113a〜113cからストップボタンの種別を示す停止ボタン番号を取得し、停止操作直後の図柄番号PNを取得する(S109d)。具体的には、各ストップボタン13a〜13cが押下されたタイミングで出力される停止指示信号113a〜11cを検知することにより、停止ボタン番号と当該タイミングにおける図柄番号PNを取得する。この例では、ストップボタン13a、13b、13cには停止ボタン番号「1」、「2」、「3」が各々割り当てられている。
次にCPU101は、ステップS106のリール停止データテーブル群選択処理で選択された当選フラグに基づいた停止データテーブル群の中から停止ボタン番号から使用可能な停止データテーブル群を限定する(S109e)。具体的には、停止すべき図柄が、上段、中段又は下段のいずれかに停止することができるかを判定する。左リールの場合、上段に停止可能であれば入賞ラインL2又はL4、中段に停止可能であれば入賞ラインL1、下段に停止可能であれば入賞ラインL3又はL5が入賞ラインの候補となる。中リールの場合、上段に停止可能であれば入賞ラインL2、中段に停止可能であれば入賞ラインL1、L4又はL5、下段に停止可能であれば入賞ラインL3が入賞ラインの候補となる。右リールの場合、上段に停止可能であれば入賞ラインL2又はL5、中段に停止可能であれば入賞ラインL1、下段に停止可能であれば入賞ラインL3又はL4が入賞ラインの候補となる。複数の段に停止可能であれば、それらを合わせた入賞ラインの候補の中から所定ライン用の停止データテーブルを抽選等により1つを選択する。
次にCPU101は、停止操作されたリールが左リールであって、二種BBゲーム中であるか否かを判定し(S109f)、停止操作されたリールが左リール(停止ボタン番号=3)であって、二種BBゲーム中であると判定した場合は、所定ライン用の停止データテーブル群の中から、左リール用の低引込み用停止データテーブルを決定し(S109h)、そうでないと判定した場合は、停止ボタン番号に基づいた停止データテーブルを決定する(S109g)。
次にCPU101は、決定された停止データテーブルからステップS109dで取得した図柄番号PNに応じた進みコマ数を取得し、進みコマ数に基づいて停止操作のあったリールを停止させる(S109i)。
次にCPU101は、回転開始から30秒経過したか否かの判定と(S109j)、2回目のストップボタンの停止操作があったか否かを、停止指示信号113a〜113cに基づいて判定する(S109k)。既に検知した以外の停止指示信号113a〜113cのいずれかの信号を検知した場合は、2回目のストップボタンの停止操作が行われたと判断する。また、ステップS109jで30秒経過したと判定した場合は、その時点で動作している残りリールの1つに対して自動停止指示を行う(S109l)。
次にCPU101は、検出した停止指示信号113a〜113cからストップボタンの種別を示す停止ボタン番号を取得し、停止操作直後の図柄番号PNを取得する(S109m)。
次にCPU101は、停止操作されたリールが左リール(停止ボタン番号=3)であって、二種BBゲーム中であるか否かを判定し(S109n)、停止操作されたリールが左リールであって、二種BBゲーム中であると判定した場合は、所定ライン用の停止データテーブル群の中から、左リール用の低引込み用停止データテーブルを決定し(S109p)、そうでないと判定した場合は、停止ボタン番号に基づいた停止データテーブルを決定する(S109o)。
次にCPU101は、決定された停止データテールからステップS109kで取得した図柄番号PNに応じた進みコマ数を取得し、進みコマ数に基づいて停止操作のあったリールを停止させる(S109q)。
次にCPU101は、回転開始から30秒経過したか否かの判定と(S109r)、2回目のストップボタンの停止操作があったか否かを、停止指示信号113a〜113cに基づいて判定する(S109s)。既に検知した以外の停止指示信号113a〜113cのいずれかの信号を検知した場合は、3回目のストップボタンの停止操作が行われたと判断する。また、ステップS109nで30秒経過したと判定した場合は残るリールに対して自動停止指示を行う(S109t)。
次にCPU101は、検出した停止指示信号113a〜113cからストップボタンの種別を示す停止ボタン番号を取得し、停止操作直後の図柄番号PNを取得する(S109u)。
次にCPU101は、停止操作されたリールが左リール(停止ボタン番号=3)であって、二種BBゲーム中であるか否かを判定し(S109v)、停止操作されたリールが左リールであって、二種BBゲーム中であると判定した場合は、所定ライン用の停止データテーブル群の中から、左リール用の低引込み用停止データテーブルを決定し(S109x)、そうでないと判定した場合は、停止ボタン番号に基づいた停止データテーブルを決定する(S109w)。
次にCPU101は、決定された停止データテールからステップS109uで取得した図柄番号PNに応じた進みコマ数を取得し、進みコマ数に基づいて停止操作のあったリールを停止させる(S109y)。
<5−6:入賞判定処理>
図15は、ステップS110の入賞判定処理の内容を示すフローチャートである。この入賞判定処理では、リール停止後に入賞ライン上に並んだ図柄の組み合わせをチェックし、入賞したか否か判定する。入賞したと判定した場合は、二種BB開始役であれば二種BBゲームを開始する処理を行い、小役であれば配当の付与を行う。
まずCPU101は、再遊技役に入賞したか否かを判定し(S110a)、入賞したと判定した場合に当選情報1データのビット0の再遊技当選フラグクリアを行う(S110b)。続いて自動ベット処理を行い(図8のS100a)、ステップS101に戻る。
次にCPU101は、8枚小役に入賞したか否かを判定し(S110c)、入賞したと判定した場合にはメダル8枚分の配当付与処理を行う(S110d)。この配当付与処理では、クレジット上限値(50枚)まで配当数をクレジットに加算する配当クレジット処理を行い、クレジット上限値を超えた分についてはメダル払出装置からメダル受皿40にメダルを払い出す配当払出処理に切り替える。続いて、1枚小役A〜Wに入賞したか否かを判定し(S110e)、入賞したと判定した場合にはメダル1枚分の配当付与処理を行う(S110f)。続いて、5枚小役A〜Eに入賞したか否かを判定し(S110g)、入賞したと判定した場合にはメダル5枚分の配当付与処理を行う(S110h)。
次にCPU101は、二種BB役に入賞したか否かを判定し(S110k)、入賞したと判定した場合には、ゲーム種別データのビット6のCBゲーム中フラグを「1」にセットする(S110l)。続いて獲得枚数カウンタをクリアする(S110m)。
<5−7:特別ゲーム終了判定処理>
図16は、ステップS112の特別ゲーム終了判定の内容を示すフローチャートである。この特別ゲーム終了判定処理では、所定のゲームの終了条件をもつ特別ゲーム(二種BBゲーム)が行われている場合に終了条件を充足したかの判定を行う。
まずCPU101は、二種BBゲーム中と判定した場合は、当ゲームにおいて小役賞が入賞して配当付与が発生したか否かを判定する(S112b)。配当付与が発生した場合は、獲得枚数カウンタ値にその配当分を加算し(S112c)、獲得枚数を獲得枚数表示器23bに表示する(S112d)。
次にCPU101は、獲得枚数カウンタ値が、二種BBゲームで定められた獲得枚数上限判定値と比較する(S112e)。獲得枚数上限判定値とは、二種BBゲームで定められたそのゲーム中に超えてはならない獲得枚数上限値に対して15小さい値を獲得枚数上限判定値としている。ステップS112eで獲得枚数上限判定値を超えた場合は、二種BBゲーム中フラグをクリアする(S112f)。
<5−8:当選フラグクリア処理>
図17は、ステップS113の当選フラグクリア処理の内容を示すフローチャートである。この当選フラグクリア処理では、1ゲーム中に内部抽選等によってセットされた当選フラグを、1ゲームの終了時にクリアする、又はクリアしないで次ゲームに持ち越しすることを行う。
まずCPU101は、当選情報2データをクリアする(S113a)。8枚役当選フラグ、1枚役A〜W当選フラグ及び5枚A〜E当選フラグは入賞を問わず、1ゲームでクリアされるため、無条件にクリアする。
次にCPU101は、当選情報1データのビット4を参照してFB当選フラグがセットされているか否かを判定し(S113b)、フラグがセットされていると判定した場合には、FB当選フラグをクリアする(S113c)。
次にCPU101は、二種BB当選フラグがセットされているか否かを判定し(S113d)、フラグがセットされていると判定した場合には、二種BB開始役に入賞したか否かをさらに判定し(S113e)二種BB開始役が成立して入賞したと判定した場合には二種BB当選フラグをクリアする(S113f)。ステップS113eで入賞しなかったと判定した場合は、二種BB内部ゲーム中フラグを「1」にセットし(S113g)、次ゲームから二種BB内部中ゲームとする。
<6−1:サブ基板の処理の流れ>
CPU181は、ROM194に格納されたプログラムを、クロック発生回路c192で発生したCLK信号のタイミングに基づいてプログラムを読み込み、プログラムを逐次実行する。CPU181は、電源が投入されるとあらかじめ定められたアドレスからプログラムを実行し、初期化処理(S1101)でクロック発生回路c192の周期とは異なるクロック発生回路c193で発生されられたINTR信号のタイミングで、あらかじめ定められたアドレスから始まる割込みプログラムを実行されるように設定する。
メイン基板100Aのデータ送出回路106から送信されたデータはデータ入力回路196に送信される。データ入力回路196はデータを受信すると割り込み信号INTR2をCPU191に送信する。CPU191は、割り込み信号INTR2を受け付けると現在実行中のプログラムを一旦中断し、割り込み信号INTR2に対応するプログラム(以下、通信割り込みプログラム)が実行される。通信割り込みプログラムは、データ入力回路196が受信したデータを読み出し、RAM195上の通信キューに保存し、通信割り込みプログラムは終了する。通信割り込みプログラムが終了すると、これまで一旦中断していた実行中のプログラムが再開される。
図18Aは、サブ基板100Bのメインプログラムの流れを示すフローチャートである。CPU191は、S1802の通信コマンド処理で通信割り込みプログラムによって翻ざれた通信キューから一番するデータを解読し、必要なデータをRAM195上に書き込む。例えば、レバーONと共に送信される当選役の情報であれば、RAM195上の当選役の情報を格納する領域に当選役情報を更新させる。
CPU191は、次にS1803でサブ遊技進行処理を実行する。サブ遊技進行処理は、S1802で更新した情報を現在実行中の演出とを鑑みてどのような絵を何処に表示するかを決定し、描画キューに書き込む。
CPU191は、次にS1804で描画キューに書き込まれたデータに基づいて、表示回路197に描画する画像情報を指定する。表示回路197は、一画面分の描画を終えるとVSYNC信号をCPU191に出力する。S1805では、CPU191が表示回路197からVSYNC信号が入力されるまで待つ。CPU191はVSYNC信号が入力されるとS1802に移行し、再び通信コマンド処理が行われる。一般的にVSYNC信号は1/60秒間隔で発生する。
図18Bは、ステップS1804の画像処理の内容を示すフローチャートである。CPU191は、S1804Aでチャンスゾーン1演出フラグとチャンスゾーン2演出フラグの内容を確認して、S1804Bでチャンスゾーン1とチャンスゾーン2を分割演出表示処理を行う。チャンスゾーン1演出フラグとチャンスゾーン2演出フラグについては、後述する図18Cで詳しく説明する。チャンスゾーン演出フラグに対応するチャンスゾーン1とチャンスゾーン2を分割演出表示処理は、後述する図18Dで詳しく説明する。S1804Bが終了するとS1804Hへ移行する。
CPU191は、S1804Cでチャンスゾーン1演出フラグの内容を確認して、S1804Dで、チャンスゾーン1演出表示処理を行う。ここでは二種類あるチャンスゾーン演出フラグの1つだけ立っている事を条件に処理が行われる。S1804Dが終了するとS1804Hへ移行する。
CPU191は、S1804Eでチャンスゾーン2演出フラグの内容を確認して、S1804Fで、チャンスゾーン2演出表示処理を行う。ここでは二種類あるチャンスゾーン演出フラグの1つだけ立っている事を条件に処理が行われる。S1804Fが終了するとS1804Hへ移行する。
CPU191は、二種類のチャンスゾーン演出フラグのいずれも立っていない場合にS1804Gで通常演出表示処理を行う。S1804Gが終了するとS1804Hへ移行する。
図18Cは、チャンスゾーン演出のフラグの内容を示す状態遷移図である。18C01〜18C03までの状態は、チャンスゾーン1演出のフラグの内容を表し、18C11〜18C13までの状態は、チャンスゾーン2演出のフラグの内容を表す。チャンスゾーン1ではない18C01状態は、チャンスゾーン1処理を行わない事を示す。S1913の判定処理で使われる。S1910A、S1914A及びS1916Aで抽選されるチャンスゾーン1抽選で当選すると18C02状態へ移行する。18C02状態で、チャンスゾーン1が終了すると18C01状態に戻る。18C02状態で、AT当選すると18C03状態へ移行する。チャンスゾーン1によるAT抽選によってATに当選したことがわかるように18C03状態が用意されている。チャンスゾーン演出のフラグは、RAM195の中に保存されている。
チャンスゾーン2ではない18C11状態は、チャンスゾーン2処理を行わない事を示す。S1915の判定処理で使われる。S1910B、S1914B及びS1916Bで抽選されるチャンスゾーン2抽選で当選すると18C12状態へ移行する。18C12状態で、チャンスゾーン2が終了すると18C11状態に戻る。18C12状態で、AT当選すると18C13状態へ移行する。チャンスゾーン2によるAT抽選によってATに当選したことがわかるように18C13状態が用意されている。チャンスゾーン演出のフラグは、RAM195の中に保存されている。
図18Dは、チャンスゾーン演出のフラグに対応する表示内容を示す図である。Aの列がチャンスゾーン1演出フラグの状態を表し、Bの列がチャンスゾーン2演出フラグの状態を表す。Cの列は、それぞれのチャンスゾーン演出のフラグに対応した映像をCPU191が液晶表示装置30に出力する内容を示す。1行目は、CPU191がS1804Gで出力する内容を表す。2行目は、CPU191がS1804Cで判定し、S1804Dで出力する内容を表す。3行目は、CPU191がS1804Eで判定し、S1804Fで出力する内容を表す。4行目と5行目は、CPU191がS1804Hで出力する内容を表す。6行目から9行目は、CPU191がS1804Aで判定し、S1804Bで出力する内容を表す。
一実施例としては、サブ基板100Bのメインプログラムとして解説するが、図18A、図18B、図18C及び図18Dは、CPU191で記載されているところをCPU101とし、ROM194で記載されているところをROM104とし、RAM195で記載されているところをRAM105と読み替えて実施する事ができる。
図19A及び図19Bは、サブ遊技実行処理S1803の内容を表すフローチャートである。サブ遊技実行処理S1803は、サブ基板のメイン処理から呼び出される処理であるため1/60秒に1回の間隔で処理される。サブ遊技実行処理S1803では、初期化状態、設定変更状態、通常電断状態、長期電断状態、通常遊技状態、AT遊技状態、チャンスゾーン1状態、チャンスゾーン2状態の状態に応じて処理される。初期化状態、設定変更状態、通常電断状態、長期電断状態は、遊技機1の電源がONになった後、遊技が開始されるようになるまでの間に滞在する状態である。電源投入後は必ず初期化状態になる。初期化状態ではサブ基板の初期化とサブ基板がメカ役物を制御している場合等にメカ役物の動作確認とメカ役物の初期位置に戻す作業を行う(S1902)。サブ基板の初期化が終了すると他の状態へ移行する。サブ基板の初期化等が終わった後設定変更キーがONである場合は設定変更状態に移行する。初期化処理S1902が終わった後設定変更キーがOFFであり、電源OFFにしてから3時間未満であった場合は通常電断状態に移行し、電源OFFにしてから3時間以上であった場合は長期電断状態に移行する。
CPU191は、現在の状態が設定変更状態であるかを判定し(S1903)、設定変更状態である場合は、サブ遊技設定変更処理S1904が実行される。サブ遊技設定変更処理S1904では、液晶表示装置30に設定変更中である旨の表示と、スピーカ32に設定変更中のサウンドを再生させる。
CPU191は、現在の状態が通常電断状態であるかを判定し(S1905)、通常電断状態である場合は、通常電断処理S1906が実行される。通常電断処理S1906では、電源OFFしたときの演出を不揮発性のRAMに情報をバックアップしておき、電源OFF時にAT遊技状態であった場合はAT遊技状態へ移行し、それ以外の場合は、通常遊技状態へ移行する。
CPU191は、現在の状態が設定変更状態であるかを判定し(S1907)、長期電断状態である場合は、長期電断処理S1908が実行される。
長期電断処理S1908は液晶表示装置30に表示する演出をデフォルトに戻し、電源OFF時にAT遊技状態であった場合は、AT遊技状態へ移行し、それ以外の場合は、通常遊技状態へ移行させる。
CPU191は、現在の状態が設定変更状態であるかを判定し(S1909)、通常遊技状態である場合は、通常遊技処理S1910が実行される。
通常遊技処理S1910は、通常遊技状態で毎ゲーム行われる演出を実行する。具体的にはレバーONなどの操作情報が通信コマンドによって受信された操作情報に基づいて演出を切り替える。予め決められたゲーム数だけ遊技を実行した場合に遊技者にチャンスゾーン1又はチャンスゾーン2のいずれかを選択させ、遊技者が選択したチャンスゾーンの状態に移行させる。遊技者が一定時間の間にどちらのチャンスゾーンを選択するか決定しなかった場合は、予め決めらえたチャンスゾーン又は、抽選によっていずれかのチャンスゾーンが決定され、決定されたチャンスゾーンの状態に移行させる。また、受信した役情報に基づいて、チャンスゾーン抽選を行い当選した場合は、遊技者にチャンスゾーン1とチャンスゾーン2のいずれかを選択させ、遊技者が選択したチャンスゾーンの状態に移行させる。遊技者が一定期間の間にどちらのチャンスゾーンを選択するか決定しなかった場合は、前述と同様にチャンスゾーンを決定する。操作態様については図25で詳しく説明する。
また、チャンスゾーン2に関連して、チャンスゾーン2中にもチャンスゾーン抽選を行っており、これに当選した場合には、実行権がストックされ、チャンスゾーン2終了後に再び、チャンスゾーンの選択画面になる。
通常遊技処理S1910は、チャンスゾーン抽選等によってチャンスゾーン状態に移行させない場合であっても、チャンスゾーン当選がストックされていた場合は、直ちにチャンスゾーン状態に移行させる又は、数ゲーム通常遊技状態で遊技後、チャンスゾーン状態に移行させる。この処理によって、通常遊技状態以外でチャンスゾーン抽選を行った場合に、通常遊技状態に移行されたときにチャンスゾーン抽選を開始させることができる。例えば、チャンスゾーン状態でチャンスゾーン抽選に当選した場合、新たなチャンスゾーンを即実行することはできない。そのような場合は、チャンスゾーンの当選をストックしておき、チャンスゾーン状態が終了し、通常遊技状態に戻った後再び、チャンスゾーン状態に移行する事ができる。いわゆるチャンスゾーン抽選の引き損をなくすために行われている処理である。
CPU191は、現在の状態がAT遊技状態であるかを判定し(S1911)、AT遊技状態である場合は、AT遊技処理S1912が実行される。このとき、AT当選によってAT遊技状態になっていたとしても、チャンスゾーン1状態又はチャンスゾーン2状態のいずれかの状態であった場合は、AT遊技処理S1912に移行しない。
AT遊技状態S1912でレバーONなどの操作情報が通信コマンドによって受信される。受信された役情報、特に押し順小役グループの条件装置が立っている場合は、押し順を報知する演出を実行するように、描画キューに押し順を報知する演出をセットする。AT遊技処理S1912でも通常遊技処理S1910と同様に所定ゲーム数遊技が行なわれた又は、チャンスゾーン抽選によって、チャンスゾーンに当選した場合は、チャンスゾーンの当選は一旦ストックさせて置き、通常遊技状態に移行した際に通常遊技処理S1910でストックしたチャンスゾーンの当選による処理を行う。
CPU191は、現在の状態がチャンスゾーン1状態であるかを判定し(S1913)設定変更状態であるかを判定し、チャンスゾーン1状態である場合は、チャンスゾーン1処理S1914が実行される。チャンスゾーン1処理S1914については後述する。チャンスゾーン1処理S1914でチャンスゾーン1状態であってもチャンスゾーン抽選を行っても良い。
CPU191は、現在の状態がチャンスゾーン2状態であるかを判定し(S1915)、チャンスゾーン2状態である場合は、チャンスゾーン2処理S1916が実行される。チャンスゾーン2処理S1916については後述する。チャンスゾーン2処理S1916でチャンスゾーン2状態であってもチャンスゾーン抽選を行っても良い。
S1911がAT遊技状態に移行させる手段であり、S1913がチャンスゾーン1状態に移行させる手段であり、S1915がチャンスゾーン2状態に移行させる手段である。また、通常遊技処理S1910で、役に応じた通常状態のAT抽選確率(図22A)でAT抽選処理を行う。チャンスゾーン1処理S1914で、役に応じたチャンスゾーン1状態のAT抽選確率(図22B)でAT抽選を行う。チャンスゾーン2処理S1916で役に応じたチャンスゾーン2状態のAT抽選確率(図22C)でAT抽選を行う。チャンスゾーン1とチャンスゾーン2のフラグが立っていた場合、チャンスゾーン1処理S1914が終わったあと続いてチャンスゾーン2抽選処理S1916も行われるため、チャンスゾーン1とチャンスゾーン2は重ねて処理させることができる。また、S1909で通常状態である場合は、通常遊技処理S1910をすると終了するため、チャンスゾーン1処理S1914やチャンスゾーン2処理S1916に進むことがないように設計されている。
図19Cは、通常遊技処理S1910の処理の内容を示すフローチャートである。通常処理S1910の処理は、チャンスゾーン1抽選処理S1910Aで、チャンスゾーン1が開始するかどうかの抽選をする。抽選した結果当選した場合、チャンスゾーン1状態にする。次にチャンスゾーン2抽選S1910Bで、チャンスゾーン2が開始するかどうかの抽選をする。抽選した結果当選した場合、チャンスゾーン2状態にする。次にAT抽選S1910Cを行う。AT抽選S1910Cは、図22(A)のテーブルを使って役毎に応じたAT抽選を行う。当然にチャンスゾーン1やチャンスゾーン2のようなチャンスゾーン中のAT抽選確率より低くなっている。通常状態用演出処理S1910Dは通常状態で発生する演出を決定し、演出内容を設定する。ここで設定された演出処理は、画像処理S1804でまとめて処理される。
図19Dは、チャンスゾーン1処理S1914の処理の内容を示すフローチャートである。
図19Eは、チャンスゾーン2処理S1916の処理の内容を示すフローチャートである。
図20は、ATに関する状態を表した図である。通常状態、チャンスゾーン1状態、チャンスゾーン2状態、チャンスゾーン1+チャンスゾーン2状態は、それぞれAT状態へ移行するための抽選を行っている状態である。
AT状態はゲーム種類に応じた役抽選テーブル決定(S103)処理を行った結果もっとも配当が高い役又はAT抽選やAT中の上乗せ抽選の対象となる役が入賞できるような停止ボタンを操作する順序や停止ボタンを操作するタイミングを報知する状態である。ここで報知する方法は、液晶画面に画像データとして出力しても、ランプの色やランプの位置、サウンドやBGMなどの音であってもよい。
通常状態はゲーム種類に応じた役抽選テーブル決定(S103)処理を行った結果当選した役があれば、当選した役に応じてAT抽選を行う状態である。なお、当選した役がなければ不当選に応じたAT抽選を行う場合もある。
チャンスゾーン1状態はゲーム種類に応じた役抽選テーブル決定(S103)処理を行った結果当選した役があれば、当選した役に応じて通常状態より高い確率でAT抽選を行う状態である。なお、当選した役がなければ不当選に応じたAT抽選を行う場合もある。
チャンスゾーン2状態はゲーム種類に応じた役抽選テーブル決定(S103)処理を行った結果当選した役があれば、当選した役に応じて通常状態より高い確率でAT抽選を行う状態である。なお、当選した役がなければ不当選に応じたAT抽選を行う場合もある。チャンスゾーン2状態は、チャンスゾーン1状態とAT抽選確率が同じ場合もあるし、違う場合もある。役毎に設定されているAT抽選の値の一部が異なる場合もある。具体的には、S103の処理によって決定した役がスイカ役1だった場合、チャンスゾーン1では、30%の確率でAT抽選を行い、チャンスゾーン2では50%の確率でAT抽選を行い、S103の処理によって決定された役がスイカ役2だった場合、チャンスゾーン21では、80%の確率でAT抽選を行い、チャンスゾーン2では10%の確率でAT抽選を行う場合もある。
チャンスゾーン1+チャンスゾーン2状態は、チャンスゾーン1状態とチャンスゾーン2状態が重なった状態である。具体的には、S103の処理によって決定された役が1ゲーム中にまず、チャンスゾーン1状態のAT抽選が行われる。続いてチャンスゾーン2状態のAT抽選が行われる。結果、2つのATに当選する場合と、いずれかのチャンスゾーンによるATに当選する場合と、何も当選しない場合とにわかれる。
チャンスゾーン1+チャンスゾーン2状態は、チャンスゾーン1状態とチャンスゾーン2状態が重なった状態であるので、チャンスゾーン1とチャンスゾーン2のそれぞれのAT当選確率より高い当選確率で1ゲームに1度だけAT抽選を行うという仕様でもよい。
図21(A)は、AT状態と非AT状態の移行について説明した図である。メインプログラムで管理しているゲームの種類とは別にAT状態と非AT状態の管理をしている。CPU101とCPU191のどちらで管理してもよい。
AT状態はゲーム種類に応じた役抽選テーブル決定(S103)処理を行った結果もっとも配当が高い役又はAT抽選やAT中の上乗せ抽選の対象となる役(5枚小役A〜E)が入賞できるような停止ボタンを操作する順序や停止ボタンを操作するタイミングを報知する状態である。ここで報知する方法は、液晶画面に画像データとして出力しても、ランプの色やランプの位置、サウンドやBGMなどの音であってもよい。
図21(B)は、通常状態の内部移行について説明した図である。非AT状態は、AT状態に移行するかどうかの抽選を行う状態である。
2101、2105、2107は、いずれのチャンスゾーン状態でもないため、通常状態のAT抽選確率でAT抽選を行う。
2102、2106は、チャンスゾーン1状態であるため、通常状態より高いAT抽選確率でAT抽選を行う。
2104は、チャンスゾーン2状態であるため、通常状態より高いAT抽選確率でAT抽選を行う。
2103は、チャンスゾーン1状態とチャンスゾーン2状態が重なっているため、チャンスゾーン1状態やチャンスゾーン2状態より高いAT抽選確率でAT抽選を行う。2103は、1ゲームの間にチャンスゾーン1状態の抽選とチャンゾーン2状態の抽選をそれぞれ1回ずつ別々に抽選する。2103は、ATが2つ当選することがある。ATが2つ当選すると、まず1つの目のATが開始されて終了した後、再びもう1つのATが開始される。また、2つのATが別々に開始される場合以外にAT当選で付与される規定ゲーム数が2倍になってATが開始されてもよい。
図22は役に対応するAT抽選の抽選テーブルを説明した図である。役は内部抽選によって複数の役が同時当選する場合があり、例えば1枚小役Mは内部抽選した結果、抽選グループ1と抽選グループ2のどちらが当選した場合であっても、1枚小役Mの当選フラグは立つ。そこでここでは、内部抽選結果である当選した抽選グループごとにAT抽選の確率が決められている。抽選グループごとにAT抽選確率を決めておくことで、役に応じたAT抽選を可能にしている。
図22(A)は、通常状態の役毎に応じたAT抽選確率テーブルである。複数の役がいくつか同時当選しているので内部抽選の抽選結果である抽選グループごとにAT抽選確率が設けられている。
図22(B)は、チャンスゾーン1状態の役毎に応じたAT確率テーブルである。複数の役がいくつか同時当選しているので図22Aと同様に内部抽選の抽選結果である抽選グループにAT抽選確率が設けられている。チャンスゾーン1状態で使われるAT確率テーブル(図22B)は、通常状態で使われるAT抽選確率テーブル(図22(A))より高く設定されている。
図22(C)は、チャンスゾーン2状態の役毎に応じたAT確率テーブルである。複数の役がいくつか同時当選しているので図22Aと同様に内部抽選の抽選結果である抽選グループにAT抽選確率が設けられている。チャンスゾーン2状態で使われるAT確率テーブル(図22(C))は、通常状態で使われるAT抽選確率テーブル(図22(A))より高く設定されている。チャンスゾーン1状態とチャンスゾーン2状態のAT抽選確率テーブルでは、部分的に高低が互いに逆転している部分もあるように作られている。
チャンスゾーン1状態とチャンスゾーン2状態が重なった状態では、まず、通常状態のAT抽選確率テーブルである図22Aではなく、チャンスゾーン1状態のAT抽選確率テーブルである図22(B)によってAT抽選を行い、続いてチャンスゾーン2状態のAT抽選確率テーブルである図22(C)によってAT抽選を行う。これによって、1度の内部抽選によって、異なる複数のチャンスゾーンによるAT抽選をが行われることが行われ、どちらかのAT抽選によってATに当選する場合もあるし、どちらの抽選でもATに当選することもある。
図23は一度の抽選で役に対応するAT抽選の抽選テーブルを説明した図である。チャンスゾーン1状態とチャンスゾーン2状態が重なった場合は、それぞれの抽選テーブルを使う場合だけでなく、1回の抽選で、1つのATに当選するか又は2つのATに当選するかを一度に抽選してもよい。例えば内部抽選結果が抽選グループ7のような場合は、30%でATが1つ当選し、6%でATが2つ当選し、64%の確率でAT当選しないという抽選を1度に行う。
図24Aは、非AT中の出玉率を表した図である。入賞による出玉率38%とは、規定枚数であるメダルの枚数に対して、内部抽選とATによる押し順の報知がなかった場合のでの入賞役の払出枚数の平均を表す。具体的には、図8より二種BB内部中に非ATであった場合は、抽選グループ1〜6に当選しても、ペナルティ等があるため順押ししかしないと想定され、出玉率は((1×6400/(65535−24435))+(1×6400/(65535−24435))+(1×6400/(65535−24435))+(1×6400/(65535−24435))+(1×6400/(65535−24435))+(1×6400/(65535−24435))+(1×1000/(65535−24435))+(1×200/(65535−24435))+(5×800/(65535−24435))+(5×400/(65535−24435))+(5×300/(65535−24435)))/3=38.1995%である。期待値として投入したメダル3枚に対して平均1.14枚しかメダルが払いだされるということを示す。よって非AT中の出玉率は100%を切っており、通常状態、チャンスゾーン1状態、チャンスゾーン2状態それぞれの出玉率は、100%超えることがない。
図24Bは、AT中の出玉率を表した図である。AT中も非AT中も内部抽選に使用する役抽選テーブルは同一のものを使うので、抽選グループそれぞれの当選確率に違いはない。しかし、AT中は、同時当選した役のうち最も配当が多くなる押し順である正解押し順を報知するため、遊技者は報知される押し順又は、報知されるタイミングによって、停止操作することで、100%を超える出玉率を得ることができる。出玉率は、((8×6400/(65535−24435))+(8×6400/(65535−24435))+(8×6400/(65535−24435))+(8×6400/(65535−24435))+(8×6400/(65535−24435))+(8×6400/(65535−24435))+(1×1000/(65535−24435))+(1×200/(65535−24435))+(5×800/(65535−24435))+(5×400/(65535−24435))+(5×300/(65535−24435)))/3=256.2%である。よって、AT中は図24Bに示されているように入賞による出玉率が約256%となる。AT中は出玉率が100%を超えるようになっている。
図25は、描画処理S1804で処理されたものが画像表示装置30に表示される内容を説明した図である。2501は、チャンスゾーン1に関する映像を表示した画像表示装置30の画面である。チャンスゾーン1のみに関する映像のみを表示する。直接的に画像を処理するのは画像処理S1804で行われるが、演出処理自体はチャンスゾーン1用演出処理S1914Dによって処理される。2502は、チャンスゾーン2に関する映像を表示した画像表示装置30の画面である。チャンスゾーン2のみに関する映像のみを表示する。直接的に画像を処理するのは画像処理S1804で行われるが、演出処理自体はチャンスゾーン2用演出処理S1916Dによって処理される。2502は、チャンスゾーン1に関する映像とチャンスゾーン2に関する映像を画像表示装置30を分割表示して表示した画面を表す。チャンスゾーン1用演出処理S1914Dとチャンスゾーン2用演出処理S1916Dが同時に行われることによって、2502のような画面になる。2502でチャンスゾーン1が終了すると2502の画面になる。2502でチャンスゾーン2が終了すると2501の画面になる。2501でチャンスゾーン2に移行すると2503になり、2502でチャンスゾーン1に移行すると2503になる。2504は、2503の画面のときにチャンスゾーン1によってATが確定すると2504の画面になり、2505は、2503の画面のときにチャンスゾーン2によってATが確定すると2505の画面になる。2504と2505の画面をみた遊技者は、片方のチャンスゾーンによってAT当選が確定した場合であっても、もう一方のチャンスゾーンの抽選は行われていることを理解することができる。2606は、2501又は2502のような単独のチャンスゾーン表示中にAT当選が確定した場合に表示される画面である。また、2504の画面のときにチャンスゾーン2が終了した場合と2505の画面のときにチャンスゾーン1が終了した場合にも表示される画面である。2507は、2504の画面のときにチャンスゾーン2によってAT当選が確定した場合と2505の画面のときにチャンスゾーン1によってAT当選が確定した場合に表示される画面である。2507を表示することで同時に実行されたチャンスゾーンのそれぞれによってAT当選が付与されたということを遊技者が理解することができる。
図26は、チャンスゾーン抽選とAT抽選の様子を表した模式図である。レバーON(S101)に基づいて、内部抽選(S103〜S105)を行う。内部抽選の結果に基づいて、制御1でチャンスゾーン1抽選を行う。その後、制御2でチャンスゾーン2抽選を行う。遊技の進行は左から右に向かって流れる。1ゲームというのが遊技媒体のベットから次のベット又は自動ベットまでの事を表す。チャンスゾーン1又はチャンスゾーン2は、複数ゲームに渡って継続する状態の事を示す。