JP6329774B2 - 難燃性を有する木質調合成樹脂組成物及びその製造方法。 - Google Patents

難燃性を有する木質調合成樹脂組成物及びその製造方法。 Download PDF

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Description

本発明は、難燃性を有する木質調合成樹脂組成物及びその製造方法に関するものであり、特に詳しくは、産業廃棄物としての使用済みの石膏ボードの発生を抑制し、且つ当該使用済みの石膏ボードのリサイクルを工業的に実現させると同時に、合成木材と称される、合成樹脂を主体として製造される、汎用的な天然木材代替製品の商品価値を高め、天然木材の消費量を激減させることにより地球環境の保護に大きく貢献することの出来る難燃性を有する木質調合成樹脂組成物である合成木材並びに当該合成木材の製造方法を提供するものである。
処で、石膏ボードは防火性をはじめとして,寸法安定性,遮音性に優れ、施工も容易であり経済的にも抵廉なことから,国際的にも最も使いやすい建築基礎資材となっており,世界で年間約75億m以上が生産されている。又、国内における平成23年度の生産量は469百万mとなっている。
このように当該石膏ボードは、現在では、建築用の基礎資材として、日本のみならず全世界に於いて大量に生産され、使用されている。
然しながら、その一方で、建築物の解体工事や建替え工事が頻繁に日本並びに、全世界でも実行されており、その結果、大量の石膏ボードが排出され、これが産業廃棄物として大量に発生しているのも現実である。
即ち、この様に、大量に新築現場から排出される新築系廃石膏と、解体現場から排出される解体系廃石膏の処理問題が環境保護の観点から近年極めて大きな問題となって来ている。
これまで、当該石膏ボードは、その分解処理が困難な物質であり、当該使用済みの石膏ボードは、他の素材、例えば合成樹脂等との混合処理する事が難しく、当該石膏ボードの成分を他の素材と混合して新しい素材を作り出し、石膏ボードのリサイクルを図ると言う事が不可能であるため、多くの場合は、当該石膏ボードを細かく粉砕して、地中に埋設すると言う方法が一般的利用されており、それ以外には、格別な石膏ボードのリサイクル方法が見出されていないのが現状である。
然しながら、係る産業廃棄物の処理方法では、先行きが見通せず、何れは行き詰まりとなる心配がある。
然も、当該産業廃棄物としての使用済み石膏ボードを、リサイクルせずにそのまま法律の認める方法に従って、廃棄処理する際の処理費用は、少なくとも1トンで1乃至1.5万円も掛るので、その建築業界での廃棄コスト負担は膨大なものとならざるを得ない。
一方、建築材料として天然の木材の人気は高く、その消費量は膨大なものであるが、建築材料として天然の木材にのみ依存する事は、森林資源の破壊を来し、その結果、終局的には地球環境の破壊による人類への危険度を高める結果を招来する事は予想される処である。
その為、当該天然の木材の代替品として、合成樹脂を利用した人工木材の開発が盛んに行われ、特には、天然の木材の特性、特に、強度や比重或いは表面の風合いや感触等を備えた工木材の開発が主たる目標であって、その為に、合成樹脂に適宜の粒状物を混在させることにより、その目的を達成しようとする努力が行われてきた。
その中で、これまでに、実際に工業化され、市場に提供されてきている当該人工木材の一つとして、合成樹脂中に木粉を混合して成型加工した人工木材(以下WPCと言う)がしられており、係る人工木材(WPC)は、その主体が合成樹脂でありながら、木材の風合いを有する一方、木材の様に短期で腐蝕するという事が無いと言う利点があり、屋外の各施設、例えば、ウッドデッキ、ルーパー、公園のベンチ等に使用されているが、その一方で、当該人工木材(WPC)は、線膨張(素材の温度変化による伸び縮み)が大きく、それによって、破損し易いと言う欠点が認められ、更には、難燃性が低く、その為、建築材料、特に屋内で使用される建材等には使用できないと言う問題が有った。
これに加えて、人工木材(WPC)を製造する方法は、複雑で、処理工程が多い為、生産効率が低く、従って製造コストがかなり高くなると言う問題も含んでいる。
係る状況下に於いて、本発明者等は、理想的な人工木材を製造する技術開発を実行する過程に於いて、種々の実験結果から、当該石膏(硫酸カルシウム)或いは石膏ボードを、適宜の合成樹脂に混在させることによって、市場で期待される特性や性能を有する合成木材を製造する可能性を検討してきた。
処で、石膏成分(硫酸カルシウム)をセメントや合成樹脂に混合することは、従来から種々試みられていたが、当該石膏成分とセメントや合成樹脂に混合する際に、当該石膏成分を均一にセメントや合成樹脂に混合させる事は難しく、従って当該両者を混合した製品は、強度が低く実用には不向きなものでしかなかった。
又、従来に於いては、以下の理由から、当該石膏成分を合成樹脂に混合する事自体、殆どメリットが無いものとされ、プラスチックの成形に於いては通常、使用されることの無い技術でしかなかった。
即ち、硫酸カルシウム(石膏成分)が二水石膏又は半水石膏であり、少なくとも20重量%の結晶水を持っているので、当該石膏を適宜の合成樹脂と混合する際、混合時に発生する温度或いは成形加工する際成形温度で、結晶水が放出され、その結果、当該樹脂そのものが水分発泡してしまい、樹脂の強度を低下させてしまう事で一般的或いは工業的には使用されていない。
その為、当該適宜樹脂に当該石膏成分を混合する場合には、例えば、当該石膏成分から予め当該結晶水、つまり水分を除去し、半水石膏又は無水石膏にして使用すれば、上記の問題は解決するものであるが、当該石膏成分から、それが内蔵する結晶水をすべて放出させるには、当該石膏成分を加熱する方法しかなく、わざわざ、当該二水石膏を加熱する為には、かなりのエネルギーが必要で、コストも掛ってしまう為、現実的ではない。
それなら、ほとんど含水していない炭酸カルシウム又は、タルクを使用した方がはるかにコスト安となる事は明らかであるから、石膏成分をプラスチックに混合して物性向上を伴う人工木材を得る事は期待出来無い。
一方、従来の人工木材では、難燃性に乏しい事から、特に建築用材料としての用途に制限を受け、汎用的な建築材料として使用される事が認められない事から、その難燃化が課題となっており、当該難燃性を向上させる為に、例えば、炭酸カルシウム又は、タルク(クレー・マイカ・メラシンミリカ等の無機質充填剤も有る)等の難燃剤を当該合成樹脂中に混入させる事が知られており、当該難燃剤を難燃性向上に使う意味は、燃えない物をブレンドするという考え方である。
即ち、燃焼抑制剤として炭カルやタルクを50%入れると、高分子自体の単位体積当り の発熱量は半分になる。しかし炭カルの様な無機質を入れても発熱量は減少し、燃焼抑制効果は上がるが、気相に炭カル分が出ない限り、気相における酸化反応を抑制する効果は持たない。
その他、従来の当該人工木材に於いては、天然の木材が持っている、ソフトで、温もり感や質感が要求欠如しているので、当該特性を発揮させる為には、当該石膏を混在させるのみでは、不十分である事は明らかである。
上記した様な種々の理由から、合成樹脂に石膏成分を混合して、人工木材を製造すると言う技術は、これまでには殆ど実用化されておらず、従って、公知の文献にも殆どそれに関連する技術が開示されたものが無い。
唯一、従来技術として、公開されている文献と合成樹脂に石膏成分を混合して人工木材を製造する技術が公開されている文献として、特開2010ー209237号公報(特許文献1)及び特開2010ー229423号公報(特許文献2)が見られるに過ぎない。
然しながら、これらの文献には、人工木材に木質調の風合いを与える為に、石膏ボードを使用し、当該石膏ボードに含まれるセルロース系繊維を合成樹脂の溶融熱により炭化しない様に、当該石膏に含まれる結晶水を蒸発させながら当該合成樹脂と当該石膏ボードとを混合処理する技術が開示されており、産業廃棄物としての使用済み石膏ボードのリサイクル処理技術としての画期的な技術を開示してはいるが、当該合成樹脂と当該石膏成分との混合が均一に行われないため、当該人工木材としての強度が弱く、また建材として使用される為の難燃性が不十分であったので、別途、難燃性を有する化合物を混入する事が必要とされるので、コストが高騰すると言う問題を有していた。
特開2010ー209237号公報 特開2010ー229423号公報
従って本発明の目的は、上記した従来に於ける問題点を解決し、天然の木材と同等若しくはそれを超える難燃性を有する木質調合成樹脂組成物及びその製造方法に関するものであり、特に詳しくは、産業廃棄物としての使用済みの石膏ボードの発生を抑制し、且つ当該使用済みの石膏ボードのリサイクルを工業的に実現させると同時に、当合成木材と称される、合成樹脂を主体として製造される、汎用的な天然木材代替製品の商品価値を高め、天然木材の消費量を激減させることにより地球環境の保護に大きく貢献することの出来る難燃性を有する木質調合成樹脂組成物である合成木材並びに当該合成木材の製造方法を提供するものである。
本発明は、上記のような目的を達成するため、基本的には、以下に示す様な技術構成を採用するものである。
即ち、本発明に係る第1の態様に於ける技術構成は、基本的には、合成樹脂成分100重量部と石膏成分30乃至200重量部とを含む樹脂組成物であって、当該組成物は、当該合成樹脂成分中に当該石膏成分が均一に分散して混合せしめられており、且つ、当該組成物には、更に繊維成分が混在せしめられており、更に、当該石膏成分には、その中に、2乃至15重量%、好ましくは、3乃至8%、より好ましくは4乃至6%の結晶水の水が閉じ込められている事を特徴とする難燃性を有する木質調合成樹脂組成物であり、又、本発明に係る第2の態様に於ける技術構成は、基本的には、合成樹脂成分と石膏成分とを混合して合成樹脂組成物を製造するに際し、当該合成樹脂成分と当該石膏ボードとを撹拌装置を有する混練り装置内に投入し、当該撹拌装置の撹拌操作により、少なくとも一方の成分から発生する内部摩擦熱により、当該合成樹脂成分を溶融させると共に、破砕された当該石膏成分と当該溶融された合成樹脂成分とを混合させた後に当該混合合成樹脂成分を成形加工処理する工程に於いて、当該石膏成分に2乃至15重量%、好ましくは3乃至8%、より好ましくは、4乃至6%の結晶水が閉じ込められる様に加熱処理制御を行う事を特徴とする難燃性を有する木質調合成樹脂組成物の製造方法である。
本発明に係る難燃性を有する木質調合成樹脂組成物及び難燃性を有する木質調合成樹脂組成物の製造方法は、上記した技術構成を採用した結果、従来に於ける問題点を完全に解決し、天然の木材に近似した木質調の風合い、外観を有すると共に、天然の木材と同等若しくはそれを超える難燃性を有し、且つ、強度に優れ然も生産コストが安価である難燃性を持った木質調合成樹脂組成物が容易に得られるのであり、又、それを容易に製造する為の新規な製造方法を提供する事が可能となると言う優れた作用効果を奏するものである。
更に、本発明に於いて特に強調すべき特徴は、本発明を実施することにより、従来、その処理が大きな社会的、産業界的問題となっていた、産業廃棄物としての使用済みの石膏ボードの発生を抑制し、且つ当該使用済みの石膏ボードのリサイクルを工業的に実現させると同時に、当合成木材と称される、合成樹脂を主体として製造される、汎用的な天然木材代替製品の商品価値を高め、天然木材の消費量を激減させることにより地球環境の保護に大きく貢献することの出来る難燃性を有する木質調合成樹脂組成物である合成木材並びに当該合成木材の製造方法を提供すると言う価値の高いエコ技術を提供すると言う効果も有するものである。
更に、本発明に於いて使用される当該合成樹脂成分も、使用済みの合成樹脂成分を活用出来る事は言うまでもなく、従って、本発明は、従来大きな社会問題ともなっている当該使用済みの合成樹脂及び当該使用済みの石膏ボード等の産業廃棄物の処理に関し、画期的なリサイクルシステムを提供する事が可能となったのである。
更に、本発明に於ける最も顕著な作用効果としては、上記した様に、最終製品である当該合成樹脂組成物に混合されている石膏成分が持つ結晶水の残存量を4乃至6%、好ましくは5%前後に規制する事によって、従来に於ける水酸化アルミニウム等の難燃材を使用しなくとも、当該難燃材を使用した場合と同等の難燃特性を得る事が出来ると言う点にある。
図1は、本発明に係る難燃性を有する木質調合成樹脂の構成の概略を模写した図である。 図2は、本発明に係る難燃性を有する木質調合成樹脂を製造する際の混練装置の一例を示す概略図である。 図3は、本発明に係る難燃性を有する木質調合成樹脂の一具体例に関する顕微鏡写真の模写図である。 図4は、本発明に係る難燃性を有する木質調合成樹脂の他の具体例に関する顕微鏡写真の模写図である。 図5は、本発明に係る難燃性を有する木質調合成樹脂の別の具体例に関する顕微鏡写真の模写図である。 図6は、本発明に係る難燃性を有する木質調合成樹脂の一具体例に於ける難燃性成分の粒子径分布を示すグラフである。 図7は、本発明に係る難燃性を有する木質調合成樹脂の他の具体例に於ける難燃性成分の粒子径分布を示すグラフである。 図8は、本発明に係る難燃性を有する木質調合成樹脂の別の具体例に於ける難燃性成分の粒子径分布を示すグラフである。 図9は、本発明に係る難燃性を有する木質調合成樹脂を製造する際の成型装置の一例を示す概略図である。
以下に本発明に係る当該難燃性を有する木質調合成樹脂組成物並びに当該難燃性を有する木質調合成樹脂組成物の製造方法の一具体例の構成を、図面を参照しながら詳細に説明する。
即ち、図1は、本発明に於ける当該難燃性を有する木質調合成樹脂組成物1の基本的な構造の具体例を示す図であって、図中、合成樹脂成分2が、例えば、100重量部と石膏成分3が、例えば、30乃至200重量部とを含む樹脂組成物1であって、当該組成物1は、当該合成樹脂成分2中に当該石膏成分3が均一に分散して混合せしめられており、且つ、当該組成物1には、更に繊維成分4が混在せしめられており、更に、当該石膏成分3には、その中に、2乃至15重量%、好ましくは、3乃至8%、より好ましくは4乃至6%の結晶水の水5が閉じ込められている事を特徴とする難燃性を有する木質調合成樹脂組成物1が示されている。
本発明に係る上記した構成を具備した難燃性を有する木質調合成樹脂組成物1は、基本的な第1の具体的態様としては、例えば、新規若しくは廃材として回収された合成樹脂2と新規もしくは使用済みの石膏成分3を含む石膏ボード6とを混合して合成樹脂組成物1を製造するに際し、図2に示す様に、例えば撹拌装置7を有す得る混練り処理装置8に当該両成分2及び3を同時に、或いは、時系列的に個別に投入して混練り処理し、当該一方の若しくはその両成分から発生する摩擦熱を利用して、当該石膏ボード6を微細な粒状体に破砕すると共に、当該合成樹脂成分2を溶融せしめ、当該溶融状態の合成樹脂成分2に当該石膏ボード6から破砕されて発生した微細粒径を有する当該石膏成分3を混合する方法が使用される。
又、本発明に於けるより好ましい第2の具体的な態様としては、例えば、合成樹脂2が、100重量部と使用済みの石膏ボード6から分離される当該石膏成分3が、30乃至200重量部とを混合して合成樹脂組成物1を製造するに際し、図2に示す装置を使用して、当該合成樹脂成分2の軟化点温度で、少なくとも30分間、当該合成樹脂2と当該使用済みの石膏ボード6との混合物を、例えば撹拌装置7を有す得る混練り処理装置8に投入して混練り処理しながら加熱する第1の工程と当該第1の工程に引き続き、当該混練りされた当該混合物9を、当該軟化点温度以上の温度で10乃至30分間の加熱処理を実行する第2の工程とから構成されている処理方法で製造する事も可能である。
此処で、本発明に係る難燃性を有する木質調合成樹脂組成物を製造する為の、基本的な技術思想について説明する。
即ち、本発明の基本的技術思想の根本は、合成樹脂成分と石膏成分とを混合して難燃性を有する木質調の再生合成木材を製造することにあるが、上記した通り、従来の技術ではコストの問題や、工程の複雑さ、強度の不足、線膨張係数の増大化等の多くの問題が存在する事から殆ど実現化された事が無く、従って、合成樹脂にフィラーとして石膏成分を混入させて再生合成樹脂を製造すると言う発想は、実現の具体性が無いものとして扱われているのが現状である。
係る背景にあって、本発明者らは、鋭意研究・検討を繰り返した結果、当該合成樹脂成分2と当該石膏成分3とを混合するに際し、当該石膏成分3を微細化すると同時に当該石膏成分3を当該合成樹脂成分内に均一に分散させる事によって、当該再生合成木材1の強度を飛躍的に高めると同時に望ましい難燃性を付与する事が可能な低コストで当該難燃性を有する木質調合成樹脂組成物1を容易に製造出来る方法を知得する事が出来たのである。
これによって、従来の合成木材(WPC)では、難燃性が不足すると言う欠点の為に、屋内の床材や壁材、天井材等には使用不可能であったのに対し、本発明に於ける当該難燃性を有する木質調合成樹脂組成物1からなる合成木材では、難燃性並びに強度、更には線膨張率の面で、規制を上回る特性を有することから、当該屋内材料としても使用可能となり、その展開可能な使用用途が大幅に拡大される事になったのである。
処で、本発明に係る当該難燃性を有する木質調合成樹脂組成物1は、合成樹脂成分2(本発明で使用される当該合成樹脂成分2は、新規の合成樹脂成分であっても良く或いは産業廃棄物として処理される使用済みの合成樹脂成分であっても良い。)に、従来に於ける様に、当該石膏成分3を直接混合するものではなく、当該合成樹脂成分2に使用済みの石膏ボード3をある程度粉砕した状態にして混合するものであり、その際に、図2に示す様に、当該合成樹脂成分2と当該使用済みの石膏ボード6とを撹拌装置7を有す得る混練り処理装置8に投入して混練り処理することにより、当該混練り処理によって、当該合成樹脂成分及び当該石膏ボード6から発生する内部摩擦熱により、当該両成分を溶融させながら更に混練り操作を行うことによって、当該石膏ボード6中の当該石膏成分3が極めて微細な粒状体である石膏成分3に粉砕され、且つ当該石膏成分3が、当該合成樹脂成分2中に、極めて均一な状態に混合されることになる。
本発明に係る当該難燃性を有する木質調合成樹脂組成物1は、上記した通り、当該合成樹脂成分中に、極めて粒径の小さい当該石膏成分3からなる粒状体が極めて多数個、極めて均一に分散されている構造を有するので、強度が向上し、又、従来問題となっている線膨張係数も大幅に低下させる事が可能となったのである。
即ち、当該石膏成分3そのものが難燃性成分として作用するものである事は言うまでもない。
そして、本発明に於いては、別の具体例として、当該石膏成分3に加えて更に当該合成樹脂成分2中に適宜の難燃性を有する物質を細かく裁断、破砕したものを混入させて、当該合成樹脂成分2中に当該石膏成分3と当該難燃材15とが均一に分散配置されている様に構成したものであっても良く、当該難燃性を有する木質調合成樹脂組成物1そのものも、十分な難燃性を有するものとなる。
係る具体例に於いては、当該石膏成分3が、当該難燃材15の研磨剤として機能するものであり、その結果、当該撹拌処理工程に於いて、当該難燃材15は、極めて微細な粒子に分割され、それにより、より均一に当該合成樹脂成分2中に分散させる事が可能となる。
更に、本発明に於いては、後述するように、当該石膏成分3内部に元々内蔵されている当該結晶水5を完全には蒸発除去させないで、当該難燃性を有する木質調合成樹脂組成物1に於ける当該合成樹脂成分2内に包含されている当該それぞれの石膏成分3内部に、元々当該石膏成分3内に内蔵されていた当該結晶水5の一部を、後述する様な、本発明に係る新規且つ有用な処理技術を適用して、効率よく、2乃至15重量%、好ましくは、3乃至8%の結晶水を残存させておくように処理することにより、当該完成品としての当該難燃性を有する木質調合成樹脂組成物1が、加熱された温度を低下させる機能を発揮し、その結果、当該難燃性を有する木質調合成樹脂組成物1が自己消火機能を更に具備した製品となる。
係る具体例に使用される当該難燃材15は特に限定されるものではなく、従来周知の、例えば、水酸化アルミニウム等の難燃材15を使用する事が出来る。
ちなみに、本発明に於ける当該難燃性を有する木質調合成樹脂組成物1は、米国に於ける難燃性に関する規格であるUL94規格に於いて、レベルのV−0或いはレベルのV−1をクリヤする実力を示している。
尚、当該UL94規格は、規定された寸法の試験片にガスバーナーの炎をあてて燃焼の程度を調べる試験であり、評価は、高い方から、5VA,5VB,V−0,V−1,V−2、BHの様な各段階に設定されている。
此処で、本発明に係る当該難燃性を有する木質調合成樹脂組成物1(PPC)の製造コストを、従来の木材及び従来の合成木材(WPC)の製造コストと比較した結果を表1に示す。

Figure 0006329774
上記表1に於ける製造コストの前提として、従来の合成木材(WPC)の製造工程と本発明に係る当該難燃性を有する木質調合成樹脂組成物1(PPC)の製造工程を比較すると、従来公知の合成木材(WPC)の基本的な製造工程の概要は、(木材荒粉砕)−(異物除去)−(木材細粉砕)−(木材微粉砕)−(添加剤混合)−(木粉乾燥)−(プラスチックとの混合)−(冷却)−(粉砕)と言う各工程をこの順に実行処理するものであり、工程が多岐に亘り、複雑であるのに対し、本発明に係る当該難燃性を有する木質調合成樹脂組成物(PPC)1の製造方法に於ける製造工程の概要は、(石膏ボードの荒粉砕)−(異物除去)−(プラスチックとの混合)−(冷却)−(粉砕)と言う極めて短い工程を経由するのみで十分であるので、製造工程の簡素化・簡略化が可能となると共に、生産効率の向上と生産コストの低減化を図る事が可能となるのである。
そして、従来の合成木材(WPC)に於いては、混合される当該合成樹脂成分として、純度の高い、バージンの合成樹脂成分を使用する必要があるのに対し、本発明に係る当該合成樹脂組成物(PPC)1では、使用済みの合成樹脂成分2を使用する事が可能である。
更に、従来の合成木材(WPC)に於いては、アルカリの発生を抑制する為の、PH調整機能を持つ添加剤を使用する必要があるが、本発明に係る当該合成樹脂組成物(PPC)1では、石膏ボード6を使用する事から当該PH調整を使用する必要はない。
又、本発明に係る当該難燃性を有する木質調合成樹脂組成物1の物理的特性値を従来の合成木材(WPC)並びに通常のポリプロピレン樹脂とポリカーボネート樹脂のそれぞれの物理特性とを比較した結果を第2表に示す。

Figure 0006329774


上記表2から明らかな通り、本発明に係る当該難燃性を有する木質調合成樹脂組成物1の物理特性は、線膨張係数を含めた何れの特性値に関しても、他の素材に対して、高度の優位性を示すものである事は明らかである。
以下に、本発明に係る当該難燃性を有する木質調合成樹脂組成物1の必須の技術構成とその製造方法の基本的構成に付いて、更に詳細に説明する。
即ち、上記した通り、本発明に於ける技術思想の基本は、単に当該石膏ボード6と当該合成樹脂成分2とを混合して難燃性を有する合成樹脂組成物1を得るに留まるものではなく、(A)
使用済み石膏ボード6と容器リサイクル樹脂又は、再生ペレット2を一定割合で混合するが、この混合する石膏ボード6の石膏成分3は二水石膏の状態の石膏ボードの石膏成分(CaSO・2HO)で、原理的には、元々21%の結晶水5を含んでおり、この二水石膏が内蔵している当該結晶水5を樹脂の溶熱によって水分蒸発させる事が前提となっている。
(B)そして、当該二水石膏の結晶水5は加熱温度と時間によって段階的に放出するメカニズムを発見した。
(C)係る知見に基づいて、最終製品に於ける当該木質調合成樹脂組成物1内に内蔵される当該結晶水の量をある所定の量に特定する事によって、好ましい難燃性を有する木質調合成樹脂組成物1が得られる事が知得された。
(D)より具体的には、当該石膏成分3である二水石膏(CaSO・2HO)から結晶水5を適度に抜く為に、第一の工程に於いては、当該結晶水5を数値的には21%から8%前後に成る様に脱気処理して当該石膏成分3内の残存する当該結晶水5の量を8%前後になる様に加熱処理すると共に、
(E)第2の工程として、8%前後に調整された結晶水5は、難燃性樹脂として必要な水分量である5%が含まれる様に調整する。この工程は混合された原料を成型する際行われる事が望ましく、当該成型温度は樹脂の熔解熱より高く、加熱時間も機械的にコントロールが可能となる。
(F)しかし従来の成形機の機能では、期待する脱気及びコンロルールが出来なかった為、後述する様な、新しい脱気方法、脱気装置を開発した。
(G)本発明に於いては、上記した通り、再生樹脂(又はバージン樹脂)2と使用済み石膏ボード6を混合するに際し、当該石膏成分3の持つ結晶水5をコントロールし、樹脂組成物2中に均一に分散させることにより、難燃性樹脂組成物1が得られるが、更に本発明に於いては、当該合成樹脂組成物1は、従来の木粉入り樹脂では、得られなかった強度及木質感を実現するとともに、高難燃性を確保する為に、更に当該石膏成分(硫酸カルシウム)3にハロゲン含有化合物を付着させ表面処理した石膏成分を分散させる事により難燃剤を従来の1/3程度にしても米国に於ける難燃性規格のUL94のVOを達成可能となる。
処で、本発明に於いては、当該難燃性を有する木質調合成樹脂組成物1の強度を高めると同時に、線膨張係数を低減させる必要があることから、当該石膏成分3を当該合成樹脂成分2に可能な限り均一に成る様に混合する事が必要であると同時に、当該石膏成分3が出来る限り微細な粒径を有する様に当該石膏ボード6を分解処理する必要がある。
本発明等は、鋭意実験を行い、分析を行った結果、当該石膏成分3は、平均粒径が小さい程、当該合成樹脂組成物1の物理的強度は向上する事が判明し、より具体的には、当該石膏成分3の平均粒径が80ミクロン以下の微細粒状体で構成されている事が好ましいとの結果を得たものである。
又、当該石膏成分3が、当該合成樹脂成分2中に分散されている状態に付いても鋭意実験を行い且つ分析を行った結果、分散状態が均一で有る程、当該合成樹脂組成物1の物理的強度と難燃性が向上する事が判明したものである。
本発明に於いて使用される当該石膏成分3は、使用済みの石膏ボード6を破砕して得られたものである事が好ましく、又、本発明に於いて使用される当該合成樹脂成分2は、オレフィン系合成樹脂若しくはオレフィン系合成樹脂を主体とする合成樹脂群からなる事が好ましく、当該合成樹脂成分2は新規な合成樹脂成分であっても良く或いは使用済みの合成樹脂成分であっても良い。
本発明に於ける当該オレフィン系合成樹脂以外の合成樹脂としは、例えば、ポリスチレン系合成樹脂が使用可能である。
更に、本発明により得られた当該合成樹脂組成物1の難燃性が、難燃性UL94規格に於ける、少なくともUL94V1及びUL94V0の難燃性特性を有している.
そして、本発明に於ける上記した特性を有する当該難燃性を有する木質調合成樹脂組成物1を製造する方法の一具体例を説明するならば、本発明に於ける当該難燃性を有する木質調合成樹脂組成物1を製造する方法の一具体例としては、図2に示す様な撹拌装置7を有する混練り処理装置8内に、当該合成樹脂成分2と当該使用済みの石膏ボード6とを投入し、当該撹拌装置7を駆動させながら当該合成樹脂成分2と当該使用済みの石膏ボード6とを撹拌装置7を混練り処理することにより、当該合成樹脂成分及び当該石膏ボード6内から発生する内部摩擦熱により、当該両成分を溶融させながら混練り操作を行う方法が望ましい。
係る方法を採用する事によって、当該石膏ボード6は、強力に破砕・分解され、微細な粒径を有する石膏成分3となり、当該合成樹脂成分2中に均一に分散される事になる。
更に、本発明に於ける望ましい具体例としては、当該混練り処理装置8内に最初に当該石膏ボード6のみを投入し、当該石膏ボード6を混練りしつつ、当該石膏成分3の温度が所定の温度以上に上昇した後に、当該混練り処理装置8内に当該合成樹脂成分2を投入して、両者を混練り処理する方法を採用することであり、係る方法を採用する事により、更に微細な当該石膏成分3が大量に発生すると共に、当該微細な石膏成分3がより均整な分散状態で均一に当該合成樹脂成分2内に分散させる事が可能になる。
即ち、本発明に於いて、当該合成樹脂成分2と当該石膏成分3とを均一に分散させるに際し、当該樹脂の難燃性の効果は、単に難燃性を持つ当該石膏成分3の添加量を上げれば良いだけではなく、当該石膏成分3の当該合成樹脂成分2中に於ける分散の程度、即ち均一な分散が出来ているから否かに係るものであり、当該石膏成分3と当該合成樹脂成分2とを均一に分散させる事により難燃性は向上するという事になる。この方法は、当該難燃性を有する木質調合成樹脂組成物1の製造過程で、ミキサー8内に投入する当該石膏成分3と当該合成樹脂成分2の投入タイミングに強く影響される事が、本発明者等によって判明したもので有る。
つまり、従来に於いては、当該合成樹脂成分2にフィラ成分3(炭カル・タルク等)を混合する場合には、当該ミキサー内に先ず、当該合成樹脂成分2を先に投入して、当該樹脂成分2がゲレーション(溶融)した後に、当該フィラ成分3を当該ミキサー内に投入して、当該樹脂成分2にフィラ成分3を混ぜ込む形を採用している。
係る従来の方法では、如何に正確に混合操作を行っても、当該石膏成分3の粒子径は細かく成らず、又、当該石膏成分3の当該合成樹脂成分2内に於ける分散程度も均一性がなく、当該再生樹脂組成物の物理的特性と難燃性特性は、低調なものであるに過ぎなかった。
然しながら、本発明に於いては、当該合成樹脂成分2と当該石膏ボード6と撹拌装置7を有する混練り装置8内に入れて、両者を混練りさせることにより、各成分から発生される摩擦熱により、各成分の温度が上昇すると共に、当該石膏ボード6が細かく、微細な粒子に分解され、当該内部摩擦熱により溶融された当該合成樹脂成分2内に均一に分散されながら混合されるので、それにより得られた当該難燃性を有する木質調合成樹脂組成物1の強度及び難燃特性は何れも高い値を示す事になる。
更に好ましい方法としては、当該合成樹脂成分2と当該石膏ボード6と撹拌装置7を有する混練り装置8内に入れて、両者を混練りさせるに際し、フィラ成分(ここでは石膏)3の原料である当該石膏ボード6を先に、撹拌装置7を有する混練り装置8内に入れて、当該石膏ボード6を破砕しつつ微細粒子状の石膏成分3であるフィラ成分に形成しながら当該石膏成分3をその内部摩擦により発生される熱を利用して高温に上昇させ、当該石膏成分3が所定の温度に到達した後に、当該合成樹脂成分2をその中に投入することにより当該合成樹脂成分2内に当該石膏成分3を均一に分散させる方法を取る事が望ましい。
係る新規な方法を採用する事により、当該ミキサー内8で、当該石膏成分3がスクリューの回転を受けて粒子が細かくなりながら摩擦熱により温度上昇を始める。
係る段階に於いて、当該合成樹脂成分2を当該ミキサー内8に投入すると当該樹脂成分2が容融に取り込む事が出来、結果樹脂内に均一に分散させる事が可能となる。
尚、本発明に於ける上記方法の実施に当たり、当該合成樹脂成分2を先に、撹拌装置7を有する混練り装置8内に入れて、当該合成樹脂成分2を内部摩擦熱によって所定の温度に上昇させた後に、当該加熱されて溶融している当該合成樹脂成分2内に当該石膏ボード6を投入する方法では、上記した逆の投入方法に比べて、当該石膏ボードの破砕により形成された当該石膏成分3の当該微細粒子の粒径は、それほど微細にはなっておらず、又その分散状態の均一性もやや劣る状態であった。
本発明に於いては、係る方法を採用することにより、従来の方法により得られている難燃性特性を持つと称される人工木材(WPC)では、決して到達出来ていない、難燃性特性のレベルである、米国での難燃性規格UL94に於けるレベルHB及びそれ以上の高ランクな難燃性レベルを達成する事が出来る樹脂組成物を得る事が可能となった。
此処で、上記した本発明に於ける基本的な当該難燃性を有する木質調合成樹脂組成物1の製造方法関する技術的背景に付いて概説する。
即ち、本発明に於いて、石膏ボード6の主成分である当該石膏成分3の硫酸カルシウムを適宜の合成樹脂成分2と混合する際に、先ず従来の技術思想に従えば、一般的には、当該合成樹脂成分2に主にタンタル又は炭酸カルシウムからなるフィラ成分3を混合する場合には、先ず、当該合成樹脂成分2を溶融状態にしておき、その後、当該石膏成分3を当該溶融状態にある当該合成樹脂成分2内に投入して混合操作を行うものであるが、本発明に於いては、係る従来の常識を打ち破り、撹拌装置7を有する混練り装置8内に、当該合成樹脂成分2と当該石膏ボード6とを同時に投入し、当該合成樹脂成分2と当該石膏ボード6を同時に撹拌しながら摩擦熱を発生させて、当該合成樹脂成分2を溶融させながら、その両者を混合するか、先に、当該石膏ボード6を当該混練り装置8内に投入し、当該石膏ボード6を摩擦熱により高温度に加熱せしめた後、当該高温下の石膏成分3に当該合成樹脂成分2を投入して溶融混合するものである。
本発明者等は、上記した本発明に係る当該難燃性を有する木質調合成樹脂組成物1の製造方法に於いて、上記した通り、当該混練り装置8内に、当該合成樹脂成分2を先に投入して当該撹拌処理操作を行わせ、当該合成樹脂成分2から発生される摩擦熱により当該合成樹脂成分2を溶融させた後、当該混練り装置8内に当該石膏ボード6を投入して当該石膏ボード6を粉砕しながら微細な石膏成分3を形成して、当該合成樹脂成分2と混合する第1の実施例と、当該混練り装置8内に、当該石膏ボード6を先に投入して当該撹拌処理操作を行わせ、当該石膏ボード6を粉砕しながら微細な石膏成分3を形成させると同時に、当該石膏ボード6から発生される摩擦熱により当該石膏ボード及び当該石膏成分3の温度を当該合成樹脂成分2の溶融温度以上に高めた後、当該混練り装置8内に当該合成樹脂成分2を投入して当該石膏ボード6が粉砕されて形成された微細な石膏成分3と混合する第2の実施例と、当該混練り装置8内に、当該合成樹脂成分2と当該石膏ボード6とを同時に投入し、当該合成樹脂成分2と当該石膏ボード6を同時に撹拌しながら摩擦熱を発生させて、当該摩擦熱により当該合成樹脂成分2を溶融させながら、その両者を混合する第3の実施例とを採用し、それぞれの実施例により形成された当該難燃性を有する木質調合成樹脂組成物1の断面を電子顕微鏡で観察した画像から、当該合成樹脂成分2内に分散している当該難燃性成分15の粒子の大きさと分散状態を模写した状態を図3乃至図5に示す。
図3は、上記した第1の実施例により製造された当該難燃性を有する木質調合成樹脂組成物1の断面形状を示す図であり、同様に図4及び図5は、それぞれ上記した実施例2及び実施例3により製造された当該難燃性を有する木質調合成樹脂組成物1の断面形状を個別に示す図である。
係る図面から判断すれば、本発明による当該第1の実施例により得られた当該難燃性を有する木質調合成樹脂組成物1は、図3に示す通り、当該難燃性成分15の粒径は、比較的大きく且つ、当該難燃性成分15が相互に凝集して大きな塊状部を形成しておりそれによって、該難燃性成分15の分散状態は、粗く、均一性が十分でない事が理解される。
係る難燃性を有する木質調合成樹脂組成物1は、米国に於ける当該難燃性評価規定に於けるUL94HBレベルを漸くクリヤ出来る特性を示すものであった。
一方、当該第2乃至第3の実施例により得られた当該難燃性を有する木質調合成樹脂組成物1は、図4及び図5に示す様に、微細な粒径を有する複数個の当該難燃性成分15が、極めて均一な状態で、当該合成樹脂成分2中に分散されている事が明らかであり、この様に当該難燃性成分15が、当該合成樹脂成分2内に均一に分散されている構成は、従来技術では全く形成されるものではなかったし、係る構成を採用する事が出来た結果、図4に係る本発明に於ける当該難燃性を有する木質調合成樹脂組成物1は、少なくとも、米国に於ける当該難燃性評価規定に於けるUL94V−1の基準を満たす事が判明しており、又、図5に係る本発明に於ける当該難燃性を有する木質調合成樹脂組成物1は、少なくとも、米国に於ける当該難燃性評価規定に於けるUL94V−0の基準を満たす事が判明している。
更に、上記各実施例によって製造されたそれぞれの当該難燃性を有する木質調合成樹脂組成物1に於ける当該石膏成分3の平均粒径と当該粒径の分布を検査した結果を図6乃至図8に示す。
即ち、図6乃至図8に示す様に、それぞれの当該難燃性を有する木質調合成樹脂組成物1に於ける当該石膏成分の平均粒径は、何れも80ミクロン(μm)以下の値を示すと共に、その分布形状は、当該平均粒子径部を中心に、尖鋭化された分布グラフが形成されている事から、当該平均粒子径を持つ微細な石膏成分3がかなりの割合で存在し、均整な分散状態を形成している事が判明する。
尚、図6乃至図8は、上記した図3乃至図5にそれぞれ対応するものである。
図6乃至図8を検討すると、図6に係る第1の実施例に於いては、当該石膏成分3の粒径が74ミクロン程度となっているが、その分布の均一性は、従来技術では、見られない様な均一状態を示しており、また図7に係る第2の実施例に於いては、当該石膏成分3の粒径が47ミクロン程度となり、かなり当該粒子径の微細化が促進されており、又その分散の均一性も前記実施例と略同様となっている。
又、また図8に係る第3の実施例に於いては、当該石膏成分3の粒径が39ミクロン程度となり、一層、当該粒子径の微細化が促進されており、又その分散の均一性も前記実施例と略同様となっている。
係る本発明の当該難燃性を有する木質調合成樹脂組成物1に於ける当該石膏成分3の分散の均一性についても、従来の方法によっては、達成不可能な状態である事は明らかである。
一方、後述する様に、本発明に於いては、当該石膏成分3に加えて、適宜の難燃性材料15を当該合成樹脂成分2に添加して分散を図り、より高いレベルの難燃性を持つ様な難燃性を有する木質調合成樹脂組成物1の製造方法を採用する事も実施例として考慮しているが、その場合に於いても、当該合成樹脂成分2中に分散される微細な粒径を有する当該石膏成分3と当該難燃性材料15との分散状態は、図3乃至図8に示すものと実質的な相違は無く、特に、図3乃至図5に示される微粒子は、当該両者が混在している事を示す事になる。
次に、本発明に於ける当該難燃性を有する木質調合成樹脂組成物1及びその製造方法に於いて、当該難燃性を有する木質調合成樹脂組成物1が、石膏ボード6から分解されて発生する難燃性の特性を多少有する当該石膏成分3のみを使用するものであり、特に難燃性物質、或いは所謂難燃材を使用しなくとも、当該難燃性を有する木質調合成樹脂組成物1を屋内用の家具、建材として使用出来る様な難燃性を有する事が可能となる事の本発明に於ける別の特徴的な技術的背景に付いて、以下に詳細に説明する。
即ち、簡単に本発明に係る当該技術構成の特徴を述べるとするならば、当該合成樹脂成分2に、一般的に難燃材と称される物質に比べるとその難燃性特性は、一般的に低い特性しか示さない当該石膏成分3を微細化して均一且つ均整に混合する事により当該難燃性を有する木質調合成樹脂組成物1の難燃性は、一般の混合処理製品に比べて向上するが、その難燃性の性能としては、米国に於ける難燃性を評価する規格であるUL94規格に於いては、HBのレベルにどうやら合格する程度のものにすぎないが(但し、従来公知の方法では、当該難燃性レベルにまで到達する事が無いのが現状である)、本発明に於いては、更に当該石膏成分3に予め内蔵されている結晶水5を有効に活用することにより、当該石膏成分3を自己消化性を有する難燃材として活用する事が可能となり、当該難燃性を有する木質調合成樹脂組成物1の難燃性能を格段に向上させる事が可能となったのである。
特に、本発明に於ける当該合成樹脂成分2としてPP(ポリプロピレン)系合成樹脂を使用する場合に於いては、当該PP(ポリプロピレン)系合成樹脂は一般的に難燃化するにもっとも難しい樹脂とされているものの、本発明の使用によって、特に従来一般的に使用されている難燃材を使用することなく、好ましい難燃効果を当該PP(ポリプロピレン)系合成樹脂にも付与する事が可能となるのである。
処で、従来技術にあっては、プラスチックの成形においては、合成樹脂成分2中に、硫酸カルシウム等の異物質を混入させる事は通常行われない。
その理由としては、当該流酸カルシウム(石膏)が元々内蔵している結晶水が、加熱されて二水石膏となる時点又は成形温度で、当該結晶水が放出されることにより、当該合成樹脂成分が水分発泡してしまい当該合成樹脂成分の強度を低下させてしまう事から、一般的には使用されないのであり、又それを使う事は全く無いのが現状である。
仮に二水石膏又は、半日石膏を無水石膏にして使用すれば問題は無いが、当該結晶水をすべて放出させるには、かなりのエネルギーが必要で、その為のコストもかかってしまう。
その為に、例えば、ほとんど含水していない炭酸カルシウム又は、タルクを使用した方がはるかにコスト安となる。
従って、従来の技術常識から見ると、石膏成分をプラスチックに混合して物性向上又は難燃性向上を期待する事は殆ど無く、その為の技術の開発は殆どなされていないのが現状である。
係る見地からみれば、本発明は、従来の技術思想を大胆に発想展開させるものであり、合成樹脂成分2に単に石膏成分3を混合すると言う一見単純に見える技術思想でありながら、上記した今日の大きな社会問題となっている産業廃棄物のリサイクル処理の実現に大きく貢献する技術である事は明らかである。
係る本発明の基本的な技術思想の一つとしては、前記した通り、石膏成分3内に元々含有されている結晶水5を如何に効率よく制御と言う点にある。
即ち、上記した通り、当該石膏成分3に含まれている結晶水5の存在が、各種の処理工程に於いて、悪影響を与えると言う現実が有ったが故に、当該石膏成分3の工業的な活用は殆どなされていないのが現実で有ったのに対し、本発明では、当該石膏成分3の当該結晶水5を積極的に、合成樹脂成分からなる組成物の難燃性を向上させる為に、積極的に活用する技術を開発したものである。
具体的には、本発明に於いては、当該石膏成分3内に元々存在している21%前後の結晶水5を後述する適正な処理と制御を施すことにより、当該合成樹脂成分2内に当該石膏成分3を混在させた際に、当該石膏成分3内に、2乃至15重量%、好ましくは、3乃至8%の結晶水、更に好ましくは、5%前後の結晶水5が残存し、内蔵されている様な状態を作り出す様に処理を行うものである。
その結果、当該石膏成分3はもともと難燃性を有しているが、当該石膏成分3に含まれる当該結晶水5が、加熱を受けて水分蒸発を行うことにより、当該合成樹脂成分2自体の温度の上昇を防止する事がかのうとなるので、所謂自己消火機能を発揮出来る事から、当該合成樹脂成分2の難燃特性が大幅に向上することになる。
係る本発明の技術思想に係る当該石膏成分3内部に所定の量の結晶水5を閉じ込める為のコントロール技術に付いて以下に詳細に説明する。
即ち、本発明に於いては、当該合成樹脂成分2に当該石膏成分3を混合させる段階で、当該石膏成分3の一例である二水石膏を当該合成樹脂成分2の溶熱で水分コントロールする事になる。(本発明に於いて、水分コントロールとは、具体的には、当該石膏成分3内部に当該結晶水5(水分)を最終的には5%残す様にコントロールする事を意味するものであ。)
処で、上記した通り、プラスチックの物性向上又は難燃性向上に使われる炭酸カルシウムタルク或いはクレー、マイカ、メラシンミリカ等の無機質充填剤等は、難燃性向上に使う意味は燃えない物をブレンドするという考え方である。
一方、燃焼抑制剤として炭カルやタルクを50%前後当該合成樹脂成分2に入れると高分子自体の単位体積当りの発熱量は半分になる。しかし炭カルの様な無機質を入れても発熱量は減少し、燃焼抑制効果は上がるが、気相に炭カル分が出ない限り、気相における酸化反応を抑制する効果は持ち得ない。
しかし、当該合成樹脂成分2等の成形を阻害しない結晶水5を例えば、3〜10%内蔵・保有した石膏成分を当該合成樹脂成分と混合した場合には、石膏成分3は無機質の不燃で炭カル、タルクと同様の燃焼抑制剤の効果は期待出来、かつ燃焼時には結晶水が放出され難燃性を向上させる仕組みとなる。
係る観点から、本発明者等は、鋭意実験を繰り返し、それらから得られた結果を分析検討した結果、上記した様に、石膏ボード6の石膏成分3は、主に、二水石膏の状態(CaSO・2HO)で存在しており、原理的には、元々21%の結晶水5を含んでいるが、この二水石膏が内蔵している当該結晶水5を樹脂の溶熱によって水分蒸発させる事が可能であり、且つ当該石膏成分3に内蔵されている当該結晶水5は、加熱温度と時間によって、段階的に放出されると言うメカニズムが存在する事を知得したものであり、本発明では、この知見を効率的に利用するものである。
具体的には、二水石膏が半水石膏になり、そして半水石膏が無水石膏になる現象に対する加熱温度と加熱時間をデーターを分析し、その具体的な傾向を把握する事が出来たものである。
従来から、石膏の結晶水の放出温度はさまざまな文献で記載されているが、統一性が無いものであったが、本発明等の検討結果により、係る現象は水が100℃で沸騰する、という単純なものでは無く、加熱温度と加熱時間に左右される事を知得したものである。
この結果から最終的に5%の結晶水5を当該合成樹脂成分2内に閉じ込めながら成形加工する為の混合処理工程に於ける温度及び時間、及び当該合成樹脂成分2を成形加工する際の温度及び時間をデーター化した。
即ち、本発明に於いては、最終製品である当該合成樹脂成分2内に、最終的に4乃至6%、望ましくは5%の結晶水5を意識的に残留させる為には、当該合成樹脂成分2に対する加熱処理温度と加熱処理時間をうまく調整する事によって、実施的に且つ意識的に制御する事が可能な技術思想を確立したものである。
その結果を第3表に示す。

Figure 0006329774

当初、石膏ボード6に含まれる当該石膏成分3が内蔵する結晶水5の量は21%で有り、この状態を二水石膏と呼ぶ。
当該二水石膏は2/3の結晶水を蒸発させて半石膏になる。
そして、係る処理操作は、具体的には、当該石膏成分3に内蔵されている当該結晶水5を21%から結晶水を8%前後になる様に蒸発させる工程である。
この工程は、例えば当該合成樹脂成分2を溶隔させ石膏成分3と混合する工程で行う事が可能で有るが、この工程では、当該合成樹脂成分2の樹脂温度が170℃となる。
逆に言うと、上記した工程では、当該合成樹脂成分2内に凡そ8%前後の結晶水5が内蔵される様に残留処理を行うことにして、残りの結晶水5は、次ぎの工程で行うようにする事が可能となる。
当該次の工程は、前記工程と同じ混合処理工程で有っても良く、或いは、当該合成樹脂成分2の成形工程で行うものであっても良い。
そして、当該合成樹脂成分2の成形加工時の成形温度は220℃となるので、表3より判断すると、10分以内で成形加工処理を終了させれば、当該合成樹脂成分2内の当該石膏成分3内には5%前後の結晶水5が内蔵されたままの状態で成形品が完成することになり、その結果、この結晶水5が自己消火性を発揮して、難燃性を向上させ、その効果を保有する事となる。
即ち、本発明に係る当該難燃性を有する木質調合成樹脂組成物1の製造方法の一具体例としては、当該難燃性を有する木質調合成樹脂組成物1に関する当該合成樹脂成分2と当該石膏成分3とを混合処理する工程で第1回目の水分コントロールが実行され、その後の当該難燃性を有する木質調合成樹脂組成物1の成形工程で、第2回目の水分コントロールを行うものである。
上記した本発明の技術思想を実現させる具体的な当該難燃性を有する木質調合成樹脂組成物の製造方法の一例としては、例えば、合成樹脂成分と使用済みの石膏成分とを混合して合成樹脂組成物を製造するに際し、当該合成樹脂成分と当該石膏ボードとを同時に撹拌装置を有する混練り装置内に投入し、撹拌操作により、両成分から発生する内部摩擦熱により、当該合成樹脂成分を溶融させ、その後、当該溶融された当該合成樹脂成分に当該石膏成分を混合させる様に構成した難燃性を有する木質調合成樹脂組成物の製造方法であっても良く、或いは、合成樹脂成分と使用済みの石膏成分とを混合して合成樹脂組成物を製造するに際し、当該合成樹脂成分のみを撹拌装置を有する混練り装置内に投入し、撹拌操作により、当該合成樹脂成分に発生する内部摩擦熱により、当該合成樹脂成分を溶融させ、その後、当該石膏ボードを当該混練り装置内に投入し、当該溶融された当該合成樹脂成分に当該石膏ボードから破砕されて形成された当該石膏成分を混合させる様に構成した難燃性を有する木質調合成樹脂組成物の製造方法であっても良い。
又、本発明に於ける当該難燃性を有する木質調合成樹脂組成物の製造方法の他の具体例としては、例えば、合成樹脂成分と使用済みの石膏成分とを混合して合成樹脂組成物を製造するに際し、当該石膏ボードのみを撹拌装置を有する混練り装置内に投入し、撹拌操作により、当該石膏ボード内及び当該石膏成分内に発生する内部摩擦熱により、当該石膏成分を加熱させ、その後、当該合成樹脂成分を当該混練り装置内に投入し、当該加熱された当該石膏成分により当該合成樹脂成分を溶融させて、当該合成樹脂成分と当当該石膏成分を混合させる様に構成された製造方法であっても良い。
更に、別の観点から見た、本発明に係る当該難燃性を有する木質調合成樹脂組成物の製造方法の他の具体例としては、例えば、合成樹脂100重量部と使用済みの石膏成分30乃至200重量部とを混合して合成樹脂組成物を製造するに際し、当該合成樹脂成分の軟化点温度で、少なくとも30分間、当該合成樹脂と当該使用済みの石膏ボードとの混合物を加熱しながら混練り処理する第1の工程と当該第1の工程に引き続き、当該混練りされた当該混合物を、当該軟化点温度以上の温度で10乃至30分間の加熱処理を実行する第2の工程とから構成されている難燃性を有する木質調合成樹脂組成物の製造方法であっても良く、その際に、当該第1の工程に於ける当該軟化点温度が160乃至180℃であり、当該第2の工程に於ける当該加熱処理温度が200℃乃至220℃である様に構成された当該製造方法であっても良い。
勿論、本発明に於ける当該製造方法に於いては、成型処理条件を考慮して、180乃至200℃の温度条件を採用する事も可能である事は言うまでもない。
更に、本発明に係る当該難燃性を有する木質調合成樹脂組成物の製造方法の更に別の具体例としては、上記した製造方法に於いて、当該第1の工程に於いては、当該石膏成分の当該結晶水量を、当該石膏成分が初期段階で含有している21重量%の当該結晶水を8重量%にまで減少させる操作が実行されるものであり、当該第2の工程に於いては、当該石膏成分内に少なくとも5重量%の当該結晶水が閉じ込められる様にし、残りの当該結晶水は気化させる操作が実行される様に構成されたものであっても良い。
そして、上記した各具体例に於ける当該第2の工程は、当該合成樹脂成分と当該石膏成分とが混合された当該難燃性を有する木質調合成樹脂組成物1の成形加工工程で有っても良い。
一方、本発明に於ける更に別の具体例としては、例えば、撹拌手段を有する混合装置内に、使用済み石膏ボードを投入し、当該使用済み石膏ボードを当該撹拌手段により粉砕、破砕することにより当該使用済み石膏ボードを細かい粒子状体の石膏成分に形成する第1のステップと、当該混合装置内で、当該撹拌手段により撹拌されつつ、粉砕、破砕処理を受けている当該石膏成分の温度が、摩擦による内部発熱により、予め定められている温度以上になった場合に、当該石膏成分内に当該合成樹脂成分を投入し、当該石膏成分と当該合成樹脂成分とを同時に撹拌処理して両成分を均一に混合する第2のステップと、から構成されている難燃性を有する木質調合成樹脂組成物の製造方法であっても良く、更には、上記製造方法に於いて、当該第2のステップにより得られた当該石膏成分と当該合成樹脂成分とが混合された合成樹脂組成物を適宜の押出装置を介して適宜の成型加工装置に供給して適宜の形状の合成樹脂成形体を成型加工する第3のステップが更に設けられている様に構成された当該製造方法であっても良い。
更に、前記した難燃性を有する木質調合成樹脂組成物の製造方法に於いて、当該第1及び第2のステップに於いては、当該合成樹脂成分の軟化点温度で、少なくとも30分間、当該混練り処理操作が実行されるものであり、当該第3のステップに於いては、当該軟化点温度以上の温度で10乃至30分間の加熱処理が実行される様に構成した難燃性を有する木質調合成樹脂組成物の製造方法であっても良い。
次に、本発明に係る当該難燃性を有する木質調合成樹脂組成物の製造方法に於ける当該第2の工程、(他の具体例では、第3のステップに相当する)である、当該成型加工工程に於ける当該結晶水5のコントロール方法に関して、更にその技術的特徴を詳細に説明する。
即ち、上記した本発明に係る当該難燃性を有する木質調合成樹脂組成物の製造方法に於ける当該第2の工程、或いは当該第3のステップとして説明されている当該難燃性を有する木質調合成樹脂組成物1の成型加工工程では、上記した第2の水分コントロールが行われるものであるが、具体的には、当該成型加工機に取り付けられた金型部から脱気を行う脱気処理を実行するものである。
上記した通り、当初石膏ボード6内に含まれている当該石膏成分3内の結晶水5は21%であり、第一の原料製造工程、つまり、当該合成樹脂成分2と当該石膏成分3との混合処理工程で、当初の含水量である21%から8%に落す第1の水分コントロールが実行される。
本発明に於ける最終的にプラスチック成分内に介在させたい結晶水5は5%なので、当該結晶水5の含水率を当該8%から当該5%に落とす工程を第二の脱気工程として、これを成形金型部で行うということである。
係る金型構造は、従来から当該金型部の全てに、樹脂圧がかかる加圧下に有る為、当該金型の継ぎ目は勿論ぴったり接合されているのが通常の構造である。
仮に、当該金型の接合部の少なくとも一部にすき間が有った場合、押出し圧により樹脂が金型接合部より、もれが生じることになる。
従って、当該金型をジョイントする場合、ボルト締めを十分行い接合部にすき間が無い様に接合するものである。
係るリスクが今回の金型構造の特徴として利用されることになる。
即ち、本発明の於ける当該成型加工装置の金型に於いては、第二の脱気工程として、8%から5%に結晶水5をコントロールするものであるが、一方、既に、第1の水分コントロール時点で当該結晶水5は、その含水率を21%から8%に成る異様に脱気処理されているので、当該結晶水5は、この段階では、容易には発散しないが、当該成形機内で成形温度が200℃程になると、当該結晶水5が発散し始める事が判明している。
この際、成形機内で溶融した当該合成樹脂組成物1は金型に入って行くが、この時樹脂圧が一気に高まる。これは圧力によるものである。
この一気に高まった圧力下で結晶水5はさかんに発散を始める。
しかし、通常の金型では樹脂の出口まで開口部は無く開口部にて結晶水は水蒸気にて一気に吹き出る様になる。しかしこの場合、金型内は圧力下に有り、発散した水蒸気は圧力により樹脂の表面に付着し、開口部付近で、樹脂圧が減圧され水蒸気は樹脂内に入り込み、その結果、成形物は水分により発泡してしまうことになる。
この事から、開口部(樹脂の出口)以外で水蒸気を抜かなくてはならない事になる。
当該開口部で水蒸気が一気に出るのは、金型内で圧力のかかった水蒸気が開口部で減圧された為である。本発明では、この状態を金型の途中で実行出来る様に当該金型の構造を改造するという技術思想を導入したものである。
即ち、本発明に於いては、当該金型内部の2ヶ所で、所定の脱気処理を行い、結晶水量をコントロールする事としたものである。
具体的には、図9に示す様に、一ヶ所目は成形機20に於けるホッパー部21から当該成型される樹脂組成物1が、スクリューを有する押し出し機22を介して、金型部23に入る所に配置されているブレーカープレート24に第1の脱気手段26を設けたものである。
以下に、上記した本発明の基本的技術思想に加えて、積極的に難燃剤を併用する場合の具体例に付いて、詳細に説明する。
即ち、本発明に於ける別の具体例としては、上記した基本的技術構成を有する難燃性を有する木質調合成樹脂組成物1及びその製造方法並びに当該難燃性を有する木質調合成樹脂組成物1の成形装置に於いて、当該石膏成分3と当該合成樹脂成分2の他にハロゲン含有化合物を含む難燃性成分15が含まれている事を特徴とする難燃性を有する木質調合成樹脂組成物及びその製造方法であり、又本発明の更に別の具体例としては、上記した基本的技術構成を有する難燃性を有する木質調合成樹脂組成物1及びその製造方法並びに当該難燃性を有する木質調合成樹脂組成物1の成形装置に於いて、当該石膏成分3に、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸バリウム等の表面処理剤51が付着されている難燃性を有する木質調合成樹脂組成物若しくは、当該石膏成分3に当該難燃剤を容易に付着させるために、当該石膏成分3の表面にステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸バリウム等の表面処理剤51を付着させる工程を含む難燃性を有する木質調合成樹脂組成物の製造方法である。
即ち、本発明に係る当該別の具体例に於いては、再生合成樹脂(又はバージンの合成樹脂)2と使用済み石膏ボード6を混合するに際し、当該石膏成分3の持つ結晶水5をコントロールし、樹脂組成物2中に均一に分散させることにより、難燃性樹脂組成物1が得られるが、更に当該合成樹脂組成物1に対して、従来の木粉入り樹脂では、得られなかった強度及木質感を実現するとともに、高難燃性を確保する為に、更に当該石膏成分(流酸カルシウム)3にハロゲン含有化合物からなる難燃性材料15を付着させ表面処理した石膏成分3を分散させる事により、難燃剤15を従来の1/3程度にしても米国に於ける難燃性規格のUL94のVOを達成する事が可能となる。
本発明に於ける難燃剤の併用に付いて、更に詳細に説明するならば、硫酸カルシウムは、一般的に合成樹脂の中に混合する炭酸カルシウム又はタルクと同様、樹脂組成物に良く分散する。しかし当該合成樹脂に混入させる粉体状の難燃剤は、ミクロン級の粉体で有り、混合の際、粉体が舞い上がり、当該合成樹脂に取り込む事が難しい。
その解決策として、本発明に於いては、当該硫酸カルシウムを運び屋にする技術を知得したものである。
即ち、本発明に於いては、前記の様に当該合成樹脂成分2と当該石膏成分3とを混合する時、一例として、ミキサー内に先ず石膏成分3の硫酸カルシウムを入れる。
この際、同時にステアリン酸亜鉛、又はステアリン酸バリウム等の表面処理剤51を1%〜5%混合すると当該石膏成分3の表面に、当該表面処理剤51が付着して、これが、その後に混合される当該難燃剤15のプライマーとなり、当該難燃剤15は、当該石膏成分3によって当該合成樹脂成分2中に均一に分散する事が出来る。ここで、当該難燃剤としては、ハロゲン含有化合物で有る事が望ましい。
次に、本発明に於いて使用される当該合成樹脂成分2の難燃剤15について説明うるならば、当該合成樹脂成分2に対する主な難燃剤15は、大別すると以下の4種のタイプに分類される。
(1)水酸化アルミニウムの代表される単純なメカニズムによる難燃効果を発揮するもの(吸熱や分解で生成する水などが燃焼を阻害するもので、本発明では石膏成分の結晶水が熱分解により放出するのと仕組みは同様。)
(2)炭酸カルシウムのように単に燃えない無機質の混入により燃焼を阻害するもの(石膏自体が不燃物質なのでこのタイプと同様)
(3)ハロゲン
(4)酸化アンチモン・リン酸アンモニウム
つまり、上記の4種類が樹脂用の難燃剤の主流となるが、本発明に於ける難燃性樹脂は、石膏成分を入れる事で(1)と(2)の難燃性は備わる事となる。
そして当該ハロゲン含有化合物を当該石膏成分3の表面に付着させて分散させる事により難燃特性としてのスペックが上る。
従来の難燃剤はハロゲン含有化合物や金属水酸化物が使用されている。
しかしながら、当該ハロゲン含有化合物は原材料が高価でありこのようなハロゲン含有化合物を配合して形成される難燃性樹脂組成物は高価なものとなってしまう。又、金属水酸化物は多量の添加しなければ十分な難燃性を得る事ができないことから金属水酸化物を配合して形成される難燃性樹脂組成物もまた高価になってしまう。さらに、金属水酸化物を配合した難燃性樹脂組成物を成型する場合には低温で加工しなければならず、金属水酸化物を使用して成形される樹脂は成形温度の低い樹脂に限られてしまう。
然しながら、本発明では、硫酸カルシウム等の石膏成分3に、ステアリン酸亜鉛又は、ステアリン酸バリウム等の表面処理材51のバインダー効果により、ハロゲン含有化合物を表面処理することにより、硫酸カルシウムの分散効果を利用し、ハロゲン含有化合物からなる難燃性材料15を効率よく当該合成樹脂成分2内部に均一に分散させる事が出来、その結果、当該難燃剤の使用量が少量でも、高い難燃性を得る事が出来る。
又、ここで使用する硫酸カルシウムは、使用済み石膏ボード6から入手するため逆に使用済み石膏ボード6の処理費用が入ってくる事になり、コスト的にも有利となる。
更に、この難燃性樹脂15に使用するハロゲン含有化合物は熱に強く、成形時の温度帯の制限を受けない。また当該石膏成分3の結晶水5も成形時の220℃まで耐えられる設計となり、金属水酸化物の様な温度制限を受けない。
本発明に於ける当該難燃剤としては、従来オレフィン系樹脂に難燃性を付与する場合としては、ハロゲン原子含有化合物をポリオレフィン系樹脂に配合する方法が有る。しかしハロゲン原子含有化合物は効果で有り、形成物の価格を大幅に上げてしまう。又別の難燃としては、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウム粉末のような水和金属化合物粉末を配合する方法が有るがハロゲン原子含有化合物よりも安価で有るが、多量に添加しなくてはならないので結果高価な物となる。また先にも説明したが、熱分解温度が低い水酸化アルミニウムは成形温度の低い樹脂での使用が可能であるが、ポリオレフィン系樹脂での使用は不可である。
一方、多量に添加された水和金属化合物は成形加工性に劣り機械強度が低下する。
つまり、本発明に於いては、このような単純配合により樹脂の強度を上げ、難燃性も向上し、なお安価である。
本発明に係る樹脂組成物は、主に当該合成樹脂成分2と当該石膏成分3を均一に混合することによって容易に難燃性樹脂組成物を合成できるものであるが、ポリオレフィン系樹脂の難燃性向上剤として公知の難燃剤、例えばハロゲン系、リン系、アンチモン系、赤リン系を配合することが可能であるが、その添加量を従来の1/3〜1/4に抑える事が出来、本発明の目的を損なわない限りその併用は差し支えない。
つまり、本発明に於いては、当該合成樹脂成分2と当該石膏成分3以外に難燃性向上剤として従来公知の難燃性材料15を添加する場合に、当該石膏成分の表面に付着させる成分として従来公知の表面処理剤51を使用する。
本発明に於いて、この難燃性材料15の成分を当該石膏成分3に付着させる為に当該石膏成分3の表面のぬれ性能を向上させる為に使用する表面処理剤51としては、ステアリン酸亜鉛又は、ステアリン酸ナトリウム等を使用する事も可能であり、その場合の構成の具体例は、例えば、以下のようになる。
即ち、難燃性を向上させる為に、当該石膏成分3及び当該難燃性材料15を当該合成樹脂成分2内部に高度に分散させる為に、予め当該石膏成分3の温度を上昇させた後、当該表面処理剤51を投入する。具体的には当該石膏成分3と当該表面処理剤51を加熱混合し、例えば、当該ステアリン酸成分が石膏表面を覆い、ぬれ性能を上げた状態で難燃性材料15を投入して加熱混合するのが好ましい。
本発明の難燃性樹脂組成物は、当該合成樹脂成分2及び当該石膏成分3、または当該合成樹脂成分2〜当該難燃剤成分50を均一に混合する事によって容易に得られるが、これらの成分を混合する手段としてはコンパウンドミキサー、混練押出機等の混合装置あるいは混練装置が例示される。
以上のような本発明の難燃性樹脂組成物は、成形加工性に優れる為、押出成形、射出成形などの一般的なプラスチック成形加工法によって、ムク状、中空状、ミート状などに容易に加工される。そして得られた組成物は、難燃性に優れ、安価で機械強度に優れた特徴を有するもので、かかる特性が要求される、建材等に主に適用される。
この事から、難燃性を持つ建材として公知の人工木材(WPC)では、UL94V−Oの難燃性基準は達成できていないが、本発明に係る当該難燃性樹脂組成物(PPC)プラスタープラスチックコンポジットは、UL94VーOの規格を十分に達成している。
よって現在社会問題となっている石膏ボード6のリサイクル処理も実現出来、環境的にも性能的にも有効な素材である。
更に、本発明に於ける当該難燃剤15を併用する具体例に於いても、前記した様に、当該難燃剤15は、微細な粒状体に破砕され、且つその当該合成樹脂成分2内に於ける分散の程度も、当該石膏成分3と同様に、極めて均整に分散されている事が判明しており、本発明に於ける基本的技術思想は十分維持されている事が理解出来る。
即ち、当該合成樹脂成分2と当該石膏成分3とを溶融混合するに当たり、例えば、適宜の混合器(ミキサー)に、先ず当該石膏ボード6を投入し、同時に難燃剤15(例えば、ハロゲン系若しくはりん系等)を投入すると、当該石膏ボード6が当該難燃剤15の運び屋となり、均一に当該合成樹脂成分2内に分散される。
当該合成樹脂成分2内に当該難燃剤15が均一に分散された場合、難燃効果が向上する事は一般的な事実として知られている。
その為、当該難燃剤15の分散テクニックとして、ステアリン酸亜鉛やシリカを分散剤として使用する事もあるが、難燃剤をミクロ以下の粒子として分散効果を上げる事が一番効果が上がると同時に当該難燃剤15そのものの添加量を減らす事が可能となる為、コスト的にも有利な方法である。
処で、当該難燃剤15の粒子の直径が小さくなればなる程、活性が強くなり、当該合成樹脂成分2内で凝集しにくくなり、平均に分散される事になる。
当該難燃剤15の添加量は、各難燃剤メーカーが明確な添加量を規定してはいない。
この理由は、当該樹脂に当該難燃剤15を分散した時、分散状態で難燃性が大きく影響する為と考えられる。
その為、本発明者等は、更に鋭意実験と検討を繰り返した結果、当該合成樹脂成分2として、ポリオレフィン系合成樹脂を使用して、当該合成樹脂成分2が50%、当該石膏ボード6を50%を、重量部100として、この100部に対して12%のハロゲン系難燃剤15を混合した場合、その混合時のタイミングを上記したと同様に、3種類の実施例(第1乃至第3の実施例)に分けて実施し、得られた樹脂組成物1の難燃性に付いてUL94規格に基づく難燃性の試験を行った。
即ち、
(1)第1の実施例:当該混練り装置8内に、当該合成樹脂成分2を先に投入して当該樹脂を内部摩擦熱によって溶融させた後に、当該混練り装置8内に、当該石膏ボード6と当該難燃剤15とを投入して溶融混合を行う方法;
(2)第2の実施例:当該混練り装置8内に、当該石膏ボード6を先に投入して当該撹拌処理操作を行わせ、当該石膏ボード6から発生される摩擦熱により当該石膏ボード及び当該石膏成分3の温度が、例えば、当該合成樹脂成分2の溶融温度以上に高まった後、当該混練り装置8内に当該合成樹脂成分2と当該難燃剤15とを投入して溶融混合を行う方法;
(3)第3の実施例:当該混練り装置8内に、当該石膏ボード6と当該難燃剤15とを同時に投入し、当該石膏ボード6及び当該石膏成分3を撹拌しながら摩擦熱を発生させて、当該摩擦熱により当該石膏ボード6及び当該石膏成分3の温度が、例えば、当該合成樹脂成分2の溶融温度以上に高まった後、当該混練り装置8内に当該合成樹脂成分2を投入して溶融混合を行う方法;
である。
係る実験の結果から得られた当該難燃性を有する木質調合成樹脂組成物1に於ける当該石膏成分3と当該難燃剤15の当該合成樹脂成分2内での分散状況とその分散の均一性に関する状況は、当該第1の実施例に関しては、前記した図3及び図6に示す状態と実質的に同じ状況を示し、一方、難燃特性に付いては、UL94HBに関しては規定レベルをクリヤしたものの、UL94のV−0、V−1、V−2のそれぞれの規定に対しては、不合格となった。
同様に、当該実施例2に関しては、前記した図4及び図7に示す状態と実質的に同じ状況を示し、一方、難燃特性に付いては、UL94のV−1の規定レベルをクリヤした。
一方、当該実施例3に関しては、前記した図5及び図8に示す状態と実質的に同じ状況を示し、一方、難燃特性に付いては、UL94のV−0の規定レベルをクリヤした。
係る実験結果から、同じ難燃剤15の添加量でも分散状態によって、難燃性が大きく変化する事が理解され、又、50%の当該石膏ボード6の分散状態に12%のハロゲン系難燃剤15を付着させ、50%の当該合成樹脂成分2に溶融混合した場合に、当該石膏ボード6が当該難燃剤15の運び屋となっている事が確認出来た。
又、上記実験では、当該難燃剤15の論理的な添加量は25%程度であるが、12%の当該難燃剤15の添加量でも顕著な難燃特性を示す事が判明した。
科学的には、ハロゲン原子1モル当たりの難燃効果はそれほど変わる事がないことからも、分散効果が上がったと考えられる。
又、少ない難燃剤15の添加量で優れた難燃性を示した事は、触媒の分散によって、有効に効く触媒割合が高いと考えられる。
係る分散効果は、石膏ボード6とハロゲン系難燃剤15が当該ミキサー8内で高速撹拌される事で、当該石膏成分粒子がハロゲン系難燃剤15を研磨して細かくした結果とかんが得られる。
通常ハロゲン系難燃剤15をナノ級の粒径を有する様に、粉砕する場合、破砕や研磨をするが、研磨剤と難燃剤15を後で分離する事が困難であり、事実上不可能な工程となるので、従来では、係る手法は全く使用されていないが、本発明に於いては、当該石膏成分3がそもそも難燃性を有するものであり、それが当該難燃剤15の研磨剤である研磨粉となっていることから、当該研磨剤としての当該石膏成分3を分離する必要がなく、同じ有効成分として当該合成樹脂成分2内に混合保持さえれる事で問題はなく、然も、当該石膏成分3と当該難燃剤とが相互に相乗効果を発揮することになるので、全体の難燃特性も大幅に向上するのである。
仮に、当該難燃剤をナノサイズにする事は、当該難燃剤15が共有結合するのを強制的に分離又は破砕及び研磨するエネルギーが膨大なものである事と、仮に破砕及び研磨してもその後に当該難燃剤15表面を何かで保護しなければ、再凝集してしまうことになる。
本発明に於いては、当該ミキサー内で高速回転で、当該石膏成分は当該難燃剤と激しくぶつかり合い、膨大なエネルギーで破砕及び研磨される粒子は細かくなる。
その後、当該石膏成分3により再凝集される事は無く、分散された状態が維持される。
尚、本発明に於いて、当該難燃剤15の粒径と添加量との関係を実験で追及した結果、例えば、当該ハロゲン系難燃剤の粒径を10%減少させることにより、その添加量を4%削減させる事が可能である事が判明した。
1…難燃性を有する木質調合成樹脂組成物
2…合成樹脂成分
3…石膏成分
4…繊維成分
5…結晶水の水
6…石膏ボード
7…撹拌装置
8…混練り処理装置
9…混合物
15…難燃剤、
20…成形機
21…ホッパー部
22…押し出し機
23…金型部
24…ブレーカープレート
25…成型品
26…第1の脱気手段
51…表面処理剤

Claims (10)

  1. 合成樹脂成分100重量部と石膏成分30乃至200重量部とを含む樹脂組成物であって、当該組成物は、当該合成樹脂成分中に当該石膏成分が均一に分散して混合せしめられており、且つ、当該組成物には、更に繊維成分が混在せしめられており、更に、当該石膏成分には、その中に、2乃至15重量%、好ましくは、3乃至8%、より好ましくは、4乃至6%の結晶水が閉じ込められている事を特徴とする難燃性を有する木質調合成樹脂組成物。
  2. 当該石膏成分に閉じ込められている当該結晶水が、難燃性成分として機能する様に構成されている事を特徴とする請求項1に記載の難燃性を有する木質調合成樹脂組成物。
  3. 当該石膏成分と当該合成樹脂成分の他に、ハロゲン系、リン系、アンチモン系、赤リン系から選択された少なくとも一つの成分を含有する化合物を含んでいる難燃性成分が含まれている事を特徴とする請求項1又は2に記載の難燃性を有する木質調合成樹脂組成物。
  4. 当該石膏成分に、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸バリウムの表面処理剤が付着されている事を特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の難燃性を有する木質調合成樹脂組成物。
  5. 当該石膏成分は、二水石膏状態(硫酸カルシウムを主体とする)の石膏である事を特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の木質調合成樹脂組成物。
  6. 合成樹脂成分と石膏成分とを混合して合成樹脂組成物を製造するに際し、当該合成樹脂成分と石膏ボードとを撹拌装置を有する混練り装置内に投入し、当該撹拌装置の撹拌操作により、少なくとも一方の成分から発生する内部摩擦熱により、当該合成樹脂成分を溶融させると共に、破砕された当該石膏成分と当該溶融された合成樹脂成分とを混合させた後に当該混合合成樹脂成分を成形加工処理する工程に於いて、当該石膏成分に2乃至15重量%、好ましくは3乃至8%、より好ましくは、4乃至6%の結晶水が閉じ込められる様に加熱処理制御を行う事を特徴とする難燃性を有する木質調合成樹脂組成物の製造方法。
  7. 合成樹脂成分と石膏成分とを混合して合成樹脂組成物を製造するに際し、石膏ボードのみを先に撹拌装置を有する混練り装置内に投入し、撹拌操作により、当該石膏ボードを粒状体に破砕すると同時に、当該石膏成分内に発生する内部摩擦熱により、当該石膏成分を加熱させ、その後、当該合成樹脂成分を当該混練り装置内に投入し、当該加熱された当該石膏成分により当該合成樹脂成分を溶融させて、当該合成樹脂成分と当該石膏成分を均一に混合させる事を特徴とする難燃性を有する木質調合成樹脂組成物の製造方法。
  8. 当該石膏成分内の当該結晶水を所定の規定範囲内に閉じ込める為の当該加熱処理制御は、2段階で実行されるものであって、その第1段目の当該加熱処理制御は、当該合成樹脂成分と当該石膏成分とを混合する成形用合成樹脂製造工程に於いて実行されるものであり、又、その第2段目の当該加熱処理制御は、当該成形用合成樹脂を成型する工程に於いて実行されるものであり、且つ、当該第1段目の加熱処理制御に於いては、当該石膏成分に閉じ込められている結晶水の含有量が8乃至10%となる様に加熱処理するものであり、更には、当該第2段目の加熱処理制御に於いては、当該石膏成分に閉じ込められている結晶水の含有量が4乃至6%、好ましくは5%となる様に加熱処理するものである事を特徴とする請求項6に記載の難燃性を有する木質調合成樹脂組成物の製造方法。
  9. 当該第1段目の加熱処理制御に於いては、当該合成樹脂成分の温度が、150乃至170℃となる様な加熱条件下で30乃至60分の加熱処理操作を実行する事を特徴とする請求項8に記載の難燃性を有する木質調合成樹脂組成物の製造方法。
  10. 当該第2段目の加熱処理制御に於いては、当該成型機の温度を180乃至230℃となる様に設定し、10乃至30分の加熱処理操作を実行する事を特徴とする請求項8に記載の難燃性を有する木質調合成樹脂組成物の製造方法。
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