JP6329203B2 - 樹脂フィルム及びその製造方法並びに積層体及び離型性の調整方法 - Google Patents

樹脂フィルム及びその製造方法並びに積層体及び離型性の調整方法 Download PDF

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Description

本発明は、食品、医薬品、化学品、光学部材、電気・電子材料などの各種分野における離型に有用な樹脂フィルム及びその製造方法並びに積層体及び離型性の調整方法に関する。
一般に、ポリマー層を形成するための支持基材として離型フィルムを使用する方法が知られている。離型フィルムは、目的のポリマー層が形成された後に、そのポリマー層から剥離できる性質、すなわち離型性が要求される。この離型性が不足すると、目的のポリマー層から離型フィルムを剥離する際に、離型フィルム上にポリマー層が残存したり、ポリマー層が破壊することがある。一方、この離型性が高すぎると、ポリマー層形成時や保管時に、離型フィルムとポリマー層との間に浮きが生じたり、離型フィルムの剥離を必要としない加工工程でポリマー層から離型フィルムが剥離してしまう問題が発生し、離型フィルムが支持基材としての役割を果たせない。
例えば、イオン交換樹脂を含むイオン交換層に対して良好な離型性を示す離型フィルムとして、特許第5300240号公報(特許文献1)には、プラスチック基材に積層され、塩素含有樹脂で構成された第一層と、この第一層に積層され、環状オレフィン系樹脂で構成された第二層とで構成された積層フィルムが開示されている。この文献では、塩素含有樹脂で構成された第一層を、プラスチック基材と第二層との間に介在させることにより、プラスチック基材と第二層との密着性を向上させている。実施例では、第二層を形成するための塗布液の塗布量は3.3g/m(乾燥厚み3μm)又は5g/m(乾燥厚み5μm)である。
特開2015−218276号公報(特許文献2)には、基材層の少なくとも一方の面に、環状オレフィン系樹脂と塩素含有樹脂とを含む樹脂組成物で形成された離型層が積層された積層フィルムが開示されている。この文献では、環状オレフィン系樹脂と塩素含有樹脂とを組み合わせることにより、固体高分子型燃料電池の電解質膜及び電極膜に対する適度な剥離性と密着性を有するとともに、易接着層などの接着層を介在させることなく、汎用の基材フィルムに密着できる。
しかし、これらの特許文献では、塩素含有樹脂は環状オレフィン系樹脂と基材との接着性樹脂として認識されており、離型層の離型性を制御することは想定されていない。例えば、特許文献1の実施例の離型フィルムでは、用途によっては離型性が高すぎる傾向があるが、環状オレフィン系樹脂により離型性を制御するのが困難である。また、特許文献2の離型フィルムでは、基材層と離型層との密着力を向上させるために、塩素含有樹脂が配合されるため、離型性が低すぎる傾向がある。
特許第5300240号公報(請求項1、段落[0009][0012]、実施例) 特開2015−218276号公報(特許請求の範囲、段落[0013][0018])
従って、本発明の目的は、目的のポリマー層に対して離型性を容易に調整できる樹脂フィルム及びその製造方法並びに積層体及び離型性の調整方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、イオン交換樹脂を含むイオン交換層などのポリマーに対して、必要なときに容易に剥離でき、保管時などの剥離が不要なときに剥離を抑制できる樹脂フィルム及びその製造方法並びに積層体及び離型性の調整方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、イオン交換層に対する離型性と自身の安定性(基材層と表層との密着性)とを高度に両立できる樹脂フィルム及びその製造方法並びに積層体及び離型性の調整方法を提供することにある。
本発明の別の目的は、コーティングにより容易に薄肉化できる樹脂フィルム及びその製造方法並びに積層体及び離型性の調整方法を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、基材層と環状オレフィン系樹脂を含む表層とを含む樹脂フィルムにおいて、前記表層の表面ハロゲン元素濃度を0.07Atom%以上に調整することにより、目的のポリマー層に対して離型性を容易に調整できること、特に、前記基材層と前記表層との間に塩素含有樹脂を含む中間層を介在させると、意外なことに、表層の溶媒が中間層の塩素含有樹脂に対して貧溶媒であり、かつ中間層の溶媒が表層の環状オレフィン系樹脂に対して貧溶媒であるにも拘わらず、製造過程で前記塩素含有樹脂由来の塩素が中間層から表層に移行し、表層の離型性を制御できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の樹脂フィルムは、基材層と環状オレフィン系樹脂を含む表層とを含む樹脂フィルムであって、前記表層の表面ハロゲン元素濃度が0.07Atom%以上である。前記表面ハロゲン元素濃度は表面塩素濃度であってもよい。前記表面塩素濃度は0.1〜2Atom%程度である。本発明の樹脂フィルムは、前記基材層と表層との間に、塩素含有樹脂を含む中間層が介在していてもよい。前記表層の表面に存在するハロゲン元素は、中間層(中間層を形成するための液状組成物)に含まれる塩素含有樹脂由来の塩素であってもよい。前記表層の単位面積当たりの重量は3g/m以下であってもよい。前記表層は塩素含有樹脂を含んでいてもよい。前記環状オレフィン系樹脂は環状オレフィン系共重合体であってもよい。前記塩素含有樹脂は塩化ビニリデン系重合体であってもよい。前記基材層は、ポリオレフィン、ポリビニルアルコール系重合体、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド及びセルロース誘導体からなる群より選択された少なくとも1種を含んでいてもよい。
本発明には、環状オレフィン系樹脂を含む液状組成物をコーティングして表層を形成する表層形成工程を含む前記樹脂フィルムの製造方法も含まれる。さらに、本発明には、基材層の上に、塩素含有樹脂を含む液状組成物をコーティングして中間層を形成する中間層形成工程、中間層の上に環状オレフィン系樹脂を含み、かつ塩素含有樹脂を含まない液状組成物をコーティングして表層を形成する表層形成工程を含む前記樹脂フィルムの製造方法も含まれる。
本発明には、前記樹脂フィルムと、この樹脂フィルムの表層の上に積層され、かつイオン交換樹脂を含むイオン交換層とを含む積層体も含まれる。
本発明には、基材層と環状オレフィン系樹脂を含む表層とを含む樹脂フィルムにおいて、前記表層の表面ハロゲン元素濃度を調整することにより前記表層の離型性を調整する方法も含まれる。この方法において、前記基材層と前記表層との間に、塩素含有樹脂を含む中間層が介在し、前記中間層を形成するための液状組成物に含まれる塩素含有樹脂によって、前記表層の表面塩素濃度を調整してもよい。
なお、本明細書及び特許請求の範囲において、樹脂フィルムの「表層」とは、樹脂フィルムの表面、裏面を問わず、少なくとも一方の面側の最表層を意味する。
本発明では、基材層と環状オレフィン系樹脂を含む表層とを含む樹脂フィルムにおいて、前記表層の表面ハロゲン元素濃度が0.07Atom%以上に調整されているため、目的のポリマー層に対して離型性を容易に調整できる。特に、イオン交換樹脂を含むイオン交換層などのポリマーに対して、必要なときに容易に剥離でき、保管時などの剥離が不要なときに剥離を抑制できる。さらに、基材層と表層との間に塩素含有樹脂を含む中間層を介在させると、イオン交換層に対する離型性と自身の安定性(基材層と表層との密着性)とを高度に両立できる。このような樹脂フィルムは、コーティングにより容易に薄肉化できる。そのため、ロールでの巻き取りが可能であり、ロール・ツー・ロール(roll to roll)方式で連続的に製造でき、生産性も高い。
[基材層]
本発明の樹脂フィルムは、基材層を含む。基材層は、樹脂フィルムの寸法安定性を向上でき、特に、ロール・ツー・ロール方式において張力が負荷されても、伸びを抑制でき、さらに乾燥工程や加熱圧着処理などによって高温に晒されても、高い寸法安定性を維持し、目的のポリマー層との剥離を抑制できる点から、耐熱性及び寸法安定性の高い材質で形成されているのが好ましく、具体的には、150℃における弾性率が100〜1000MPaの合成樹脂で形成されていてもよい。前記弾性率は、例えば、120〜1000MPa、好ましくは150〜1000MPa、さらに好ましくは200〜1000MPa程度であってもよい。弾性率が小さすぎると、樹脂フィルムの寸法安定性が低下し、ロール・ツー・ロール方式での製造において表層とポリマー層との剥離が発生する虞がある。
このような合成樹脂としては、例えば、各種の熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂が使用できるが、ロール・ツー・ロール方式で製造できる柔軟性を有する点から、熱可塑性樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン(ポリプロピレン系樹脂、環状ポリオレフィンなど)、ポリビニルアルコール系重合体、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、セルロース誘導体(セルロースアセテートなどのセルロースエステルなど)などが挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。本発明では、表層又は中間層が基材層に対する密着性に優れるため、これらの熱可塑性樹脂は、密着性を向上させるための反応性基や極性基(反応性基で形成された側鎖など)を実質的に有さないのが好ましい。これらの熱可塑性樹脂のうち、ポリオレフィン、ポリビニルアルコール系重合体、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド及びセルロース誘導体からなる群より選択された少なくとも1種(特に、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド及びセルロースエステルからなる群より選択された少なくとも1種)が好ましく、耐熱性と柔軟性とのバランスに優れる点から、ポリエステル、ポリイミドが特に好ましい。さらに、ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリC2−4アルキレンアリレート系樹脂が好ましく使用できる。ポリイミドとしては、熱可塑性ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミドなどが挙げられる。
基材層は、樹脂フィルムのフィルム強度を向上させる点から、延伸フィルムで形成されていてもよい。延伸は、一軸延伸であってもよいが、フィルム強度を向上できる点から、二軸延伸が好ましい。延伸倍率は、縦及び横方向において、それぞれ、例えば、1.5倍以上(例えば、1.5〜6倍)であってもよく、好ましくは2〜5倍、さらに好ましくは3〜4倍程度である。延伸倍率が低すぎると、フィルム強度が不十分となり易い。
基材層は、慣用の添加剤を含んでいてもよい。慣用の添加剤としては、例えば、充填剤、滑剤(ワックス、脂肪酸エステル、脂肪酸アミドなど)、帯電防止剤、安定剤(酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤など)、難燃剤、粘度調整剤、増粘剤、消泡剤などが挙げられる。基材層中の合成樹脂の割合は、例えば、基材層全体に対して80重量%以上、好ましくは90重量%以上、さらに好ましくは95重量%以上(例えば95〜100重量%)であってもよい。
基材層の表面平滑性は、コーティングにより表層を形成できればよく、特に限定されないが、JIS B0601に準拠した算術平均粗さRaは1μm以下であってもよく、好ましくは100nm以下(例えば、10〜100nm)程度である。
基材層の表面は、表層又は中間層との密着性を向上させるために、表面処理に供してもよい。表面処理としては、慣用の表面処理、例えば、コロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理、オゾンや紫外線照射処理などが挙げられる。これらのうち、コロナ放電処理が好ましい。
基材層は、慣用の接着性樹脂で形成された易接着層(例えば、基材層がポリエステル樹脂である場合、低分子量のポリエステル系樹脂、脂肪族ポリエステル樹脂、非晶性ポリエステル樹脂などの接着性樹脂で形成された易接着層など)を有していてもよく、易接着層を実質的に有していなくてもよい。これらのうち、表層又は中間層が基材層に対する密着性に優れ、基材層が易接着層を有していなくても、高い密着性を有する点から、易接着層を有さない基材層が特に好ましい。そのため、本発明では、易接着層を有さない基材層を用いることにより、樹脂フィルムの層構造を簡略化でき、薄肉化することもできる。
基材層の平均厚みは、例えば、1〜300μm、好ましくは5〜200μm、さらに好ましくは10〜100μm(特に20〜80μm)程度である。基材層の厚みが大きすぎると、ロール・ツー・ロール方式での生産が困難となり、薄すぎると、寸法安定性、ロール・ツー・ロール方式での搬送性が低下し、シワなどが混入する虞がある。
[表層]
本発明の樹脂フィルムは、さらに表層を含む。この表層は、環状オレフィン系樹脂を含み、かつ表面ハロゲン元素濃度が0.07Atom%以上である。本発明では、表層の表面ハロゲン元素濃度が0.07Atom%以上であるため、ハロゲン元素濃度を調整することにより、環状オレフィン系樹脂を含む表層の離型性を調整できる。
表層の表面に含まれるハロゲン元素は、例えば、塩素、臭素、ヨウ素などが挙げられる。これらのハロゲン元素は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのうち、取り扱い易く、離型性を調整し易い点から、塩素が好ましい。
表面に含まれるハロゲン元素の形態は、単体、化合物のいずれの形態であってもよいが、離型性の安定性や耐久性などに優れる点から、ハロゲン含有樹脂(特に塩素含有樹脂)又はそのモノマー又はオリゴマーの形態が好ましい。なお、ハロゲン元素(特に塩素)は、表層の原料由来のハロゲン元素であってもよいが、基材層や中間層の原料に由来するハロゲン元素であってもよく、後述するように、中間層を形成するための液状組成物に含まれる塩素含有樹脂由来の塩素であってもよい。
表層の表面ハロゲン元素濃度(特に表面塩素濃度)は、目的のポリマー層の種類に応じて0.07Atom%以上の範囲に調整すればよい。表面ハロゲン元素が小さすぎると、ハロゲン元素による離型性の調整が困難となる。特に、表層の表面ハロゲン元素濃度(特に表面塩素濃度)は、0.07〜10Atom%程度の範囲から選択でき、ポリマー層がイオン交換樹脂を含むイオン交換層である場合、例えば0.07〜5Atom%、好ましくは0.1〜4Atom%(例えば0.1〜2Atom%)、さらに好ましくは0.1〜3Atom%(特に0.5〜1.5Atom%)程度である。表面ハロゲン元素が大きすぎると、離型性が低下し過ぎる虞がある。なお、本明細書及び特許請求の範囲では、表面ハロゲン元素濃度(特に表面塩素濃度)は、X線光電子分光法(又はESCA分析:Electron Spectroscopy for Chemical Analysis)に基づいて測定でき、詳細には、後述の実施例に記載の方法で測定できる。
(塩素含有樹脂)
表層は、0.07Atom%以上の表面ハロゲン元素濃度を有していれば、ハロゲン元素の形態は特に限定されないが、塩素含有樹脂を含んでいてもよく、特に、中間層を介さずに、基材層の上に表層を形成する場合、基材層との密着性を向上できる点から、塩素含有樹脂を含むのが好ましい。
塩素含有樹脂は、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレンなどの塩素化された樹脂であってもよいが、通常、塩素含有モノマーを重合成分とする重合体である。塩素含有モノマーとしては、例えば、塩化ビニルモノマー、塩化ビニリデンモノマーなどが挙げられる。これらの塩素含有モノマーは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのうち、基材層又は中間層(特に基材層)に対する密着性の点から、塩化ビニリデンモノマーが好ましい。
塩素含有樹脂は、塩素含有モノマー単位以外の他の共重合性単位を含んでいてもよい。他の共重合性単位を形成するための重合成分(共重合性モノマー)としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル系モノマー;ブタジエン、イソプレンなどのジエン系モノマー;(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、メサコン酸、アンゲリカ酸などのエチレン系不飽和カルボン酸;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチルなど(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、グリシジル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリロニトリルなどのシアン化ビニル系モノマーなどが挙げられる。これらの共重合性モノマーは単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。前記共重合性モノマーのうち、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリルなどが汎用される。
他の共重合性単位(共重合性モノマー)の割合は、塩素含有樹脂の特性を損なわない程度であればよく、塩素含有樹脂全体に対して、通常0.1〜50重量%(例えば0.3〜25重量%)、好ましくは0.5〜20重量%、さらに好ましくは1〜15重量%(例えば3〜10重量%)程度であってもよい。
塩素含有樹脂としては、例えば、塩化ビニル系重合体[塩化ビニルモノマーの単独重合体(ポリ塩化ビニル)、塩化ビニル系共重合体(塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体など)など]、塩化ビニリデン系重合体[塩化ビニリデンの単独重合体(ポリ塩化ビニリデン)、塩化ビニリデン系共重合体(塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニリデン−(メタ)アクリル酸共重合体、塩化ビニリデン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニリデン−(メタ)アクリロニトリル共重合体など)など]などが挙げられる。これらの塩素含有樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
これらの塩素含有樹脂のうち、基材層又は中間層(特に基材層)との密着性を向上できる点から、塩化ビニリデン系重合体(特に、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体などの塩化ビニリデン系共重合体)が好ましい。塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体において、塩化ビニリデン単位と塩化ビニル単位の割合(モル比)は、例えば、前者/後者=99/1〜5/95、好ましくは97/3〜10/90、さらに好ましくは95/5〜50/50程度である。塩化ビニリデン系重合体は、水性エマルジョンに含有される乳化剤、界面活性剤などを含んでいなくてもよい。
塩素含有樹脂の数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)において、ポリスチレン換算で、例えば10,000〜500,000、好ましくは20,000〜250,000、さらに好ましくは25,000〜100,000程度であってもよい。
塩素含有樹脂の割合は、表面塩素濃度が0.07Atom%以上であれば、特に限定されないが、樹脂フィルムの離型性の点から、例えば0.1〜10重量部(例えば0.15〜5重量部)、好ましくは0.2〜3重量部(例えば0.2〜1重量部)、さらに好ましくは0.3〜0.8重量部(特に0.4〜0.6重量部)程度である。塩素含有樹脂の割合が少なすぎると、基材層の上に表層を形成する場合、両層の密着性が低下する虞があり、多すぎると、樹脂フィルムの離型性が低下する虞がある。
(環状オレフィン系樹脂)
環状オレフィン系樹脂は、少なくとも繰り返し単位として環状オレフィン単位を含んでいればよい。環状オレフィン単位を形成するための重合成分(モノマー)は、環内にエチレン性二重結合を有する重合性の環状オレフィンであり、単環式オレフィン、二環式オレフィン、三環以上の多環式オレフィンなどに分類できる。
単環式オレフィンとしては、例えば、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどの環状C4−12シクロオレフィン類などが挙げられる。
二環式オレフィンとしては、例えば、2−ノルボルネン;5−メチル−2−ノルボルネン、5,5−ジメチル−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノルボルネンなどのC1―2アルキル基を有するノルボルネン類;5−エチリデン−2−ノルボルネンなどのアルケニル基を有するノルボルネン類;5−メトキシカルボニル−2−ノルボルネン、5−メチル−5−メトキシカルボニル−2−ノルボルネンなどのアルコキシカルボニル基を有するノルボルネン類;5−シアノ−2−ノルボルネンなどのシアノ基を有するノルボルネン類;5−フェニル−2−ノルボルネン、5−フェニル−5−メチル−2−ノルボルネンなどのアリール基を有するノルボルネン類;オクタリン;6−エチル−オクタヒドロナフタレンなどのC1−2アルキル基を有するオクタリン類などが例示できる。
多環式オレフィンとしては、例えば、ジシクロペンタジエン;2,3−ジヒドロジシクロペンタジエン、メタノオクタヒドロフルオレン、ジメタノオクタヒドロナフタレン、ジメタノシクロペンタジエノナフタレン、メタノオクタヒドロシクロペンタジエノナフタレンなどの誘導体;シクロペンタジエンとテトラヒドロインデンなどとの付加物;シクロペンタジエンの3〜4量体などが挙げられる。
これらの環状オレフィンは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの環状オレフィンのうち、樹脂フィルムの離型性と柔軟性とのバランスに優れる点から、二環式オレフィンが好ましい。環状オレフィン(環状オレフィン単位を形成するための環状オレフィン)全体に対して二環式オレフィン(特にノルボルネン類)の割合は10モル%以上であってもよく、例えば、30モル%以上、好ましくは50モル%以上、さらに好ましくは80モル%以上(特に90モル%以上)であり、二環式オレフィン単独(100モル%)であってもよい。特に、三環以上の多環式オレフィンの割合が大きくなると、ロール・ツー・ロール方式での製造に用いることが困難となる。
代表的な二環式オレフィンとしては、例えば、置換基を有していてもよいノルボルネン(2−ノルボルネン)、置換基を有していてもよいオクタリン(オクタヒドロナフタレン)などが例示できる。前記置換基としては、メチル基、エチル基、アルケニル基、アリール基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、シアノ基、アミド基、ハロゲン原子などが例示できる。これらの置換基は、単独で又は二種以上組み合わせてもよい。これらの置換基のうち、樹脂フィルムの離型性を損なわない点から、メチル基やエチル基などの非極性基が好ましい。これらの二環式オレフィンのうち、ノルボルネンやC1−2アルキル基を有するノルボルネンなどのノルボルネン類(特にノルボルネン)が特に好ましい。
環状オレフィン系樹脂は、少なくとも繰り返し単位として環状オレフィン単位を含んでいればよいが、基材層又は中間層との密着性や機械的特性の点から、環状オレフィン系共重合体(シクロオレフィンコポリマー)が好ましい。環状オレフィン系共重合体は、異なる種類の環状オレフィン単位を含む環状オレフィン単位の共重合体であってもよく、環状オレフィン単位と他の共重合性単位との共重合体であってもよい。これらの共重合体のうち、前記密着性及び機械的特性のバランスに優れる点から、環状オレフィン単位と他の共重合性単位との共重合体が好ましく、繰り返し単位として環状オレフィン単位及び鎖状オレフィン単位を含む共重合体が特に好ましい。
鎖状オレフィン単位は、環状オレフィンの開環により生じた鎖状オレフィン単位であってもよいが、環状オレフィン単位と鎖状オレフィン単位との割合を制御し易い点から、鎖状オレフィンを重合成分とする単位が好ましい。
鎖状オレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセンなどの鎖状C2−12オレフィン類などが挙げられる。これらの鎖状オレフィンは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの鎖状オレフィンのうち、ハロゲン元素濃度を抑制できる点から、α−鎖状C2−3オレフィン類が好ましく、エチレンが特に好ましい。
環状オレフィン単位と鎖状オレフィン単位との割合(モル比)は、例えば、前者/後者=1/99〜99/1程度の範囲から選択でき、例えば、前者/後者=30/70〜95/5、好ましくは50/50〜90/10(例えば55/45〜80/20)、さらに好ましくは60/40〜75/25(特に65/35〜70/30)程度である。環状オレフィン単位の割合が少なすぎると、耐熱性が低下し、多すぎると、機械的特性も低下し易い。
環状オレフィン系樹脂は、環状オレフィン単位及び鎖状オレフィン単位以外に他の共重合性単位を含んでいてもよい。他の共重合性単位を形成するための重合成分(共重合性モノマー)としては、例えば、前記塩素含有樹脂の項で例示された共重合性モノマーなどが挙げられる。前記共重合性モノマーは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
他の共重合性単位の割合は、樹脂フィルムの離型性を損なわない範囲が好ましく、オレフィン単位の合計(例えば、環状オレフィン単位及び鎖状オレフィン単位の合計)に対して、例えば10モル%以下、好ましくは5モル%以下、さらに好ましくは1モル%以下である。
環状オレフィン系樹脂の数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)において(溶媒:トルエン)、ポリスチレン換算で、例えば、10,000〜100,000、好ましくは20,000〜80,000程度である。分子量が小さすぎると、製膜性が低下し易く、大きすぎると、粘度が高くなるため、取り扱い性が低下し易い。
環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度(Tg)は、JIS K7121−1087に準拠した方法において、例えば50〜350℃、好ましくは80〜300℃、さらに好ましくは100〜250℃(特に130〜200℃)程度である。ガラス転移温度が低すぎると、耐熱性が低いため、ポリマー層との剥離不良が起こり易く、高すぎると、生産が困難となる虞がある。なお、本明細書及び特許請求の範囲において、ガラス転移温度は、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定できる。例えば、示差走査熱量計(エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製「DSC6200」)を用い、JIS K7121に準じ、窒素気流下、昇温速度10℃/分で測定してもよい。
環状オレフィン系樹脂は、付加重合により得られた樹脂であってもよく、開環重合(開環メタセシス重合など)により得られた樹脂であってもよい。また、開環メタセシス重合により得られた重合体は、水素添加された水添樹脂であってもよい。環状オレフィン系樹脂の重合方法は、慣用の方法、例えば、メタセシス重合触媒を用いた開環メタセシス重合、チーグラー型触媒を用いた付加重合、メタロセン系触媒を用いた付加重合(通常、メタセシス重合触媒を用いた開環メタセシス重合)などを利用できる。具体的な重合方法としては、例えば、特開2004−197442号公報、特開2007−119660号公報、特開2008−255341号公報、Macromolecules, 43, 4527(2010)、Polyhedron, 24, 1269(2005), J. Appl. Polym. Sci, 128(1), 216(2013), Polymer Journal, 43, 331(2011)に記載の方法などを利用できる。また、重合に用いる触媒も、慣用の触媒、例えば、Macromolecules, 31, 3184(1988)、Journal of Organometallic Chemistry, 2006年, 691巻, 193頁に記載の方法で合成された触媒などを利用できる。
(表層の特性)
表層は、他の樹脂や基材層の項で例示された慣用の添加剤を含んでいてもよい。他の樹脂としては、例えば、鎖状オレフィン系樹脂(ポリエチレンやポリプロピレンなど)などが挙げられる。また、表面平滑性を損なわない範囲で、有機又は無機粒子(特にゼオライトなどのアンチブロッキング剤)を含んでいてもよい。特に、本発明では、シリコーン化合物などの低分子量の離型剤を含んでいなくても剥離性を向上でき、シリコーン化合物を実質的に含んでいないのが好ましい。表層中の環状オレフィン系樹脂の割合は、例えば、表層全体に対して80重量%以上、好ましくは90重量%以上、さらに好ましくは95重量%以上(例えば95〜99.9重量%)であってもよい。
表層の単位面積当たりの重量(乾燥塗膜の塗布量又は乾燥塗布量)は、特に限定されず、例えば0.05〜20g/m程度の範囲から選択できるが、コーティングにより表面が平滑で薄肉な表層も形成でき、例えば0.1〜10g/m、好ましくは0.15〜8g/m、さらに好ましくは0.2〜5g/m(特に0.3〜4g/m)程度である。
表層の平均厚みは、特に限定されず、例えば0.01〜100μm程度の範囲から選択でき、例えば0.01〜20μm、好ましくは0.03〜15μm、さらに好ましくは0.05〜10μm(特に0.1〜5μm)程度である。なお、平均厚みは、コーティング膜の場合、表層の乾燥塗布量(単位面積当たりの固形分重量)及び密度に基づいて算出できる。
さらに、樹脂フィルムが塩素含有樹脂を含む中間層を備えており、表層を形成するための液状組成物がハロゲン含有化合物(特に塩素含有樹脂)を含まない場合、表層の単位面積当たりの重量は3g/m以下であってもよく、例えば0.1〜3g/m、好ましくは0.15〜2.5g/m、さらに好ましくは0.2〜2g/m(特に0.3〜1g/m)程度である。表層の平均厚みは2.5μm以下であってもよく、例えば0.01〜2.5μm、好ましくは0.03〜2μm(例えば0.05〜1.5μm)、さらに好ましくは0.1〜1.2μm(特に0.3〜1μm)程度である。表層の単位面積当たりの重量及び厚みが大きすぎると、中間層から表層表面へのハロゲン元素の移行量が低下し、樹脂フィルムの離型性を調整するのが困難となる虞がある。
表層は、樹脂フィルムの少なくとも一方の最表面に位置していればよく、基材層の一方の面側に形成されていてもよく、基材層の両面側に形成されていてもよい。
[中間層]
本発明の樹脂フィルムは、さらに基材層と表層との間に中間層が介在していていもよい。中間層を介在させることにより、離型性と自身の安定性(基材層と表層との密着性)とを高度に両立できるため、離型性の高いフッ素樹脂の主鎖と、離型性の低いスルホン酸基を含む側鎖とを有する特異な構造を有するイオン交換樹脂を含むイオン交換層に対しても、優れた離型性(必要なときに容易に剥離でき、不要なときに剥離を抑制できる特性)を示し、自身の安定性も向上できる。
中間層は、基材層と表層との密着性を向上させるため、塩素含有樹脂を含む。塩素含有樹脂として、表層の項で例示された塩素含有樹脂を利用できる。モノマーの種類及び分子量の好ましい範囲についても、表層の塩素含有樹脂と同様である。
中間層は、密着性を調整するために、塩素含有樹脂に加えて、さらに反応性接着成分[イソシアネート系化合物、イミノ基含有ポリマー(ポリエチレンイミンなど)など]を含んでいてもよく、なかでもイソシアネート系化合物を含むのが好ましい。
前記イソシアネート系化合物は、末端イソシアネート基を有するプレポリマー又はオリゴマーなどであってもよいが、通常、ポリイソシアネート、例えば、脂肪族イソシアネート、脂環族イソシアネート、芳香族イソシアネート、これらの誘導体などであってもよい。
前記脂肪族イソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)などが挙げられる。前記脂環族イソシアネートとしては、例えば、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,3−シクロペンテンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水添トリレンジイソシアネート(水添TDI)、水添キシリレンジイソシアネート(水添XDI)、水添ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)などが挙げられる。前記芳香族イソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)などが挙げられる。
また、イソシアネートの誘導体としては、例えば、前記イソシアネートの多量体[2量体(ウレットジオン基含有イソシアネート)、3量体(イソシアヌレート環含有イソシアネート)、5量体、7量体など]、前記イソシアネートの変性体(アロハネート変性イソシアネート、ビュレット変性イソシアネート、ウレア変性イソシアネート、カルボジイミド変性イソシアネートなど)、多価アルコールと前記イソシアネートとの付加体などが挙げられる。
これらのイソシアネート系化合物のうち、TDI、MDI、XDI、TMXDIなどの芳香族イソシアネート及びこれらの誘導体が好ましい。
反応性接着成分(特にイソシアネート系化合物)の割合は、前記塩素含有樹脂100重量部に対して0.1〜30重量部、好ましくは0.5〜20重量部、さらに好ましくは1〜10重量部程度であってもよい。
中間層は、基材層の項で例示された慣用の添加剤を含んでいてもよい。中間層中の塩素含有樹脂の割合は、例えば、中間層全体に対して80重量%以上、好ましくは90重量%以上、さらに好ましくは95重量%以上(例えば95〜99.9重量%)であってもよい。
中間層の単位面積当たりの重量(乾燥塗布量)は、特に限定されず、例えば0.01〜10g/m程度の範囲から選択でき、例えば0.02〜5g/m、好ましくは0.03〜3g/m、さらに好ましくは0.05〜1g/m(特に0.1〜0.5g/m)程度である。
表層との乾燥塗布量と中間層の乾燥塗布量との比は、前者/後者=50/1〜1/10程度の範囲から選択でき、例えば30/1〜1/5、好ましくは25/1〜1/3、さらに好ましくは20/1〜1/2(特に10/1〜1/1.5)程度である。表層の乾燥塗布量の割合が少なすぎると、樹脂フィルムの離型性が低下する虞があり、多すぎると、ポリマー層に適度に密着して固定できなくなったり、基材層と表層とが剥離し易くなる虞がある。
中間層の平均厚みは、特に限定されず、例えば0.01〜100μm程度の範囲から選択でき、例えば0.01〜20μm、好ましくは0.03〜15μm、さらに好ましくは0.05〜10μm(特に0.1〜5μm)程度である。
[樹脂フィルムの製造方法]
本発明の樹脂フィルムは、環状オレフィン系樹脂を含む液状組成物をコーティングして表層を形成する表層形成工程を含んでいればよい。
樹脂フィルムが基材層と表層とで形成されている場合、樹脂フィルムは、基材層の上に、表層を形成するための液状組成物をコーティングして表層を形成する表層形成工程を経て得られる。具体的には、基材層の上に、環状オレフィン系樹脂及び溶媒を含む液状組成物(コーティング剤)をコーティング(又は流延)した後、乾燥する方法により製造できる。
コーティング方法としては、慣用の方法、例えば、ロールコーター、エアナイフコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、リバースコーター、バーコーター、コンマコーター、ダイコーター、グラビアコーター、スクリーンコーター法、スプレー法、スピナー法などが挙げられる。これらの方法のうち、ブレードコーター法、バーコーター法、グラビアコーター法などが汎用される。
溶媒としては、例えば、水;エタノール、イソプロパノール、ブタノール、シクロヘキサノールなどのアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブなどのセロソルブ類;セロソルブアセテート類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類;ヘキサンなどの脂肪族炭化水素類;シクロヘキサンなどの脂環族炭化水素類;トルエンやキシレンなどの芳香族炭化水素類;ジクロロメタンやジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類;ソルベントナフサなどの芳香族系油などが挙げられる。これらの溶媒は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
溶媒は、液状組成物に含まれる成分に応じて適宜選択でき、例えば、環状オレフィン系樹脂のみを含む場合、溶媒はトルエンなどの芳香族炭化水素類であってもよい。また、液状組成物が環状オレフィン系樹脂及び塩素含有樹脂を含む場合、溶媒は、トルエンなどの芳香族炭化水素類とテトラヒドロフランなどの環状エーテル類との混合溶媒であってもよい。
液状組成物中における固形分濃度は、例えば0.1〜50重量%、好ましくは1〜30重量%、さらに好ましくは3〜20重量%(特に5〜15重量%)程度である。
乾燥は、自然乾燥であってもよいが、加熱して乾燥することにより溶媒を蒸発させてもよい。乾燥温度は、50℃以上であってもよく、例えば50〜200℃、好ましくは60〜150℃、さらに好ましくは80〜120℃程度である。
一方、樹脂フィルムが中間層を含む場合、樹脂フィルムは、基材層の上に、中間層を形成するための液状組成物をコーティングして中間層を形成する中間層形成工程、中間層の上に、表層を形成するための液状組成物をコーティングして表層を形成する表層形成工程を経て得られる。具体的には、基材層の上に、塩素含有樹脂及び溶媒を含む液状組成物をコーティングした後、乾燥した後、得られた中間層の上に、環状オレフィン系樹脂及び溶媒を含む液状組成物をコーティングした後、乾燥する方法により製造できる。
中間層形成工程において、コーティング方法及び乾燥方法としては、前記表層形成工程と同様の方法を利用できる。
溶媒としても、表層形成工程で用いられる溶媒として例示された溶媒を利用できる。前記溶媒のうち、塩素含有樹脂に対する溶解性が高い溶媒が好ましく、例えば、メチルエチルケトンなどのケトン類、テトラヒドロフランなどの環状エーテル類、トルエンなどの芳香族炭化水素類などを利用してもよく、ケトン類と環状エーテル類と芳香族炭化水素類との混合溶媒が特に好ましい。混合溶媒において、ケトン類と環状エーテル類の割合は、溶媒全体に対して50〜90重量%、好ましくは60〜80重量%程度である。ケトン類の割合は、環状エーテル類100重量部に対して5〜50重量部、好ましくは10〜30重量部程度である。
表層形成工程において、コーティング方法及び乾燥方法としては、基材層と表層とで形成された樹脂フィルムの表層形成工程と同様の方法を利用できる。
表層を形成するための液状組成物は、環状オレフィン系樹脂を含んでいればよく、塩素含有樹脂などのハロゲン含有化合物をさらに含んでいてもよく、含んでいなくてもよい。基材層と表層との間に中間層を介在させる樹脂フィルムでは、製造条件を調整することにより、中間層の塩素含有樹脂が表層表面に移行できるため、表層を形成するための液状組成物がハロゲン化合物を含んでいなくても、表層の表面ハロゲン元素濃度を0.07Atom%以上に調整できる。そのため、表層を形成するための樹脂組成物は、環状オレフィン系樹脂を含み、ハロゲン化合物(特に塩素含有樹脂)を含まない組成物であってもよい。
溶媒としても、基材層と表層とで形成された樹脂フィルムの表層形成工程で用いられる溶媒として例示された溶媒を利用できる。前記溶媒のうち、環状オレフィン系樹脂に対する溶解性が高い溶媒が好ましく、例えば、トルエンなどの芳香族炭化水素類などが好ましい。このように表層を形成するための液状組成物を構成する溶媒と中間層を形成するための溶媒とでは溶媒が異なるにも拘わらず、本発明では、溶媒の選択や塗布量の調整などにより、メカニズムは不明であるが、意外なことに、中間層のハロゲン元素(特に塩素)を表層に移行できる。
[積層体]
本発明の積層体は、前記樹脂フィルムと、この樹脂フィルムの表層の上に積層され、かつイオン交換樹脂を含むイオン交換層とを含む。
前記イオン交換樹脂としては、燃料電池などで利用される慣用のイオン交換樹脂を利用できるが、なかでも、強酸性陽イオン交換樹脂や弱酸性陽イオン交換樹脂などの陽イオン交換樹脂が好ましく、例えば、スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、ホスホン酸基などを有するイオン交換樹脂(詳しくは、電解質機能を有する電解質基として、スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、ホスホン酸基などが導入されたイオン交換樹脂)などが挙げられ、スルホン酸基を有するイオン交換樹脂(電解質基としてスルホン酸基が導入されたイオン交換樹脂)が特に好ましい。
前記スルホン酸基を有するイオン交換樹脂としては、スルホン酸基を有する各種の樹脂を使用できる。各種の樹脂としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリアセタール、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエーテル、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、フッ素樹脂などが挙げられる。
前記スルホン酸基を有するイオン交換樹脂のなかでも、スルホン酸基を有するフッ素樹脂、架橋ポリスチレンのスルホン化物などが好ましく、スルホン酸基を有するポリスチレン−グラフト−ポリエチレンテトラフルオロエチレン共重合体、ポリスチレン−グラフト−ポリテトラフルオロエチレン共重合体などであってもよい。なかでも、離型性などの点から、スルホン酸基を有するフッ素樹脂(少なくとも一部の水素原子がフッ素原子に置換されたフルオロ炭化水素樹脂など)が特に好ましい。特に、固体高分子型燃料電池では、側鎖にスルホン酸基(又は−CFCFSOH基)を有するフッ素樹脂、例えば、[2−(2−スルホテトラフルオロエトキシ)ヘキサフルオロプロポキシ]トリフルオロエチレンとテトラフルオロエチレンとの共重合体(ブロック共重合体など)などが好ましく利用される。
イオン交換樹脂のイオン交換容量は0.1meq/g以上であってもよく、例えば、0.1〜2.0meq/g、好ましくは0.2〜1.8meq/g、さらに好ましくは0.3〜1.5meq/g(特に0.5〜1.5meq/g)程度であってもよい。
このようなイオン交換樹脂としては、デュポン社製「登録商標:ナフィオン(Nafion)」などの市販品を利用できる。なお、イオン交換樹脂としては、特開2010−234570号公報に記載のイオン交換樹脂などを用いてもよい。
イオン交換層は、例えば、固体高分子型燃料電池の電解質膜、電極膜、膜電極接合体であってもよく、例えば、前記イオン交換樹脂で形成された電解質膜、前記イオン交換樹脂及び触媒粒子を含む電極膜であってもよい。
電極膜(触媒層又は電極触媒膜)において、触媒粒子は触媒作用を有する金属成分(特に、白金(Pt)などの貴金属単体又は貴金属を含む合金)を含んでおり、通常、カソード電極用電極膜では白金を含み、アノード電極用電極膜では白金−ルテニウム合金を含む。さらに、触媒粒子は、通常、前記金属成分を、導電材料(カーボンブラックなどの炭素材料など)に担持させた複合粒子として使用される。電極膜において、イオン交換樹脂の割合は、例えば、触媒粒子100重量部に対して、例えば、5〜300重量部、好ましくは10〜250重量部、さらに好ましくは20〜200重量部程度である。
イオン交換層も、基材層の項で例示された慣用の添加剤を含んでいてもよく、例えば、無機粒子や無機繊維などの無機材料(炭素質材料、ガラス、セラミックスなど)を含んでいてもよい。
イオン交換層の平均厚みは、例えば1〜500μm、好ましくは1.5〜300μm、さらに好ましくは2〜200μm程度である。
電解質膜の平均厚みは、例えば1〜500μm、好ましくは5〜300μm、さらに好ましくは10〜200μm程度である。
電極膜の平均厚みは、例えば1〜100μm、好ましくは2〜80μm、さらに好ましくは2〜50μm程度である。
積層体の製造方法は、樹脂フィルムの表層の上に、イオン交換層を形成するための液状組成物をコーティングした後、乾燥する方法により得られる。
コーティング方法及び乾燥方法としては、基材層と表層とで形成された樹脂フィルムの表層形成工程と同様の方法を利用できる。
溶媒としては、例えば、水、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロパノール、1−ブタノールなどのC1−4アルカノールなど)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)、エーテル類(ジオキサン、テトラヒドロフランなど)、スルホキシド類(ジメチルスルホキシドなど)などが挙げられる。これらの溶媒は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの溶媒のうち、取り扱い性などの点から、水や、水とC1−4アルカノールとの混合溶媒が汎用される。溶液中の溶質(イオン交換樹脂、触媒粒子)の濃度は、例えば1〜80重量%、好ましくは2〜60重量%、さらに好ましくは3〜50重量%程度である。
本発明では、前記樹脂フィルム又は前記積層体が柔軟性に優れるため、このような搬送を伴う積層工程をロール・ツー・ロール方式で行うことができ、生産性を向上できる。さらに、表層と基材層との組み合わせにより、樹脂フィルムの寸法安定性にも優れるため、ロール・ツー・ロール方式でも、樹脂フィルムの張力による伸びが抑制される。そのため、イオン交換層が剥離することなく、ロール状に巻き取ることができ、生産性を向上できる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。実施例及び比較例で得られた樹脂フィルムの特性は、以下の方法で評価した。
[使用した原料]
イオン交換樹脂溶液:側鎖にスルホン酸基を有するパーフルオロポリマーの溶液、デュポン社製「ナフィオン(登録商標)DE2020CS」、固形分20重量%
塩化ビニリデン系共重合体:旭化成ケミカルズ(株)製「PVDCレジン R204」
環状オレフィン系樹脂:ポリプラスチックス(株)製「TOPAS(登録商標)6015」、ガラス転移温度158℃
二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム:ユニチカ(株)製「ポリエステルフィルム エンブレット S50」、厚み50μm、易接着層なし
セロテープ(登録商標):ニチバン(株)製「CT−24」。
[乾燥塗布量]
(実施例1〜4及び比較例1で得られた樹脂フィルムの塗布量)
中間層を積層した基材層を10cm×25cmに切り出しサンプルとし、重量を測定した後、テトラヒドロフランにて、基材層から中間層を溶出させた後、十分に拭き取った。再度サンプルの重量を測定し、重量の減少から表層の塗布量を算出した。また、基材層に積層された中間層の上に表層を形成した樹脂フィルムを10cm×25cmに切り出しサンプルとし、重量を測定した後、中間層及び表層をトルエン及びテトラヒドロフランにて、基材層から十分に剥がした。再度サンプルの重量を測定し、重量の減少から中間層及び表層の合計の塗布量を算出し、表層の塗布量も算出した。
(実施例5で得られた樹脂フィルムの塗布量)
表層を形成した樹脂フィルムを10cm×25cmに切り出しサンプルとし、重量を測定した後、トルエン及びテトラヒドロフランにて、基材層から表層を溶出させた後、十分に拭き取った。再度サンプルの重量を測定し、重量の減少から表層の塗布量を算出した。
[表面塩素濃度]
樹脂フィルムの表層の表面塩素濃度は、X線光電子分光分析装置(アルバック・ファイ(株)製「Physical Electronics PHI 5800 ESCA System」)を使用し、Monochrolated AlKα線、X線入射角90°、光電子検出角45°、絞り800μmφで検出された元素の合計を100%とし、塩素元素の比率より算出した。
[密着性(基材層に対する密着性)]
樹脂フィルムの表層の上にセロテープを貼り付け、ローラーで十分に圧着した後、15mm幅にカットし、23℃、50%RHで1時間以上静置した後、樹脂フィルムを固定し、セロテープの一端を300mm/分の条件で180°剥離する方法で剥離強度を測定した。
[離型性(イオン交換層の剥離強度)]
樹脂フィルムの表層の上に、イオン交換樹脂溶液をメイヤーバーコーティング法によりコーティングし、100℃の温度で3分間乾燥した後、160℃の温度で10分加熱処理して、イオン交換層(厚さ4μm)を形成した。得られたイオン交換層の上にセロテープを貼り付け、ローラーで十分に圧着した後、15mm幅にカットし、23℃、50%RHで1時間以上静置した後、樹脂フィルムを固定し、セロテープの一端を300mm/分の条件で180°剥離する方法で剥離強度を測定した。剥離強さが大きすぎると、イオン交換層を樹脂フィルムから剥離する際に、樹脂フィルム上にイオン交換層が残存したり、イオン交換層が破壊する虞があり、剥離強さが小さすぎると、保管時や剥離を必要としない加工工程でイオン交換層が剥離してしまう虞がある。
実施例1〜4及び比較例1
(塗布液Pの調製)
トルエン、メチルエチルケトン及びテトラヒドロフラン(トルエン:メチルエチルケトン:テトラヒドロフラン(重量比)=1.5:1.5:7)を混合し、撹拌して均一な溶媒(溶剤)を調製した。この溶媒に、塩化ビニリデン系重合体100重量部、及びトリレンジイソシアネート(TDI)3重量部を溶解し、固形分濃度3重量%の塗布液Pを得た。
(塗布液Cの調製)
環状オレフィン系樹脂を固形分濃度15重量%となるようにトルエンに添加し、加温して溶解し、塗布液Cを得た。
(樹脂フィルムの製造)
基材層として、二軸延伸PETフィルムを用い、このフィルムの片面にコロナ放電処理を施した。コロナ放電処理を施した面に、塗布液Pをメイヤーバーコーティング法によりコーティングし、100℃の温度で1分間乾燥して中間層を形成した。さらに、中間層の上に塗布液Cをメイヤーバーコーティング法によりコーティングし、100℃の温度で3分間乾燥して表層を形成し樹脂フィルムを得た。
このような方法で、異なるメイヤーバーを用いてコーティングすることにより、表1に示す塗布量の樹脂フィルムを得た。
Figure 0006329203
実施例5
(塗布液Dの調製)
環状オレフィン系樹脂100重量部及び塩化ビニリデン系重合体0.5重量部を、固形分濃度が5重量%となるように、トルエン及びテトラヒドロフランの混合溶媒(トルエン/テトラヒドロフラン=70/30(重量比))に添加し、加温して溶解し、塗布液Dを得た。
(樹脂フィルムの製造)
基材層として、二軸延伸PETフィルムを用い、このフィルムの片面にコロナ放電処理を施した。コロナ放電処理を施した面に、塗布液Dをメイヤーバーコーティング法によりコーティングし、100℃の温度で1分間乾燥して、樹脂フィルムを得た。得られた樹脂フィルムの表層の塗布量は0.3g/mであった。
実施例1〜5及び比較例1で得られた樹脂フィルムの表面塩素濃度及び離型性を評価した結果を表2に示す。
Figure 0006329203
実施例1〜5で得られた樹脂フィルムは、イオン交換層の剥離強さが適度なため、剥離しようとした時には容易に剥離でき、保管時や剥離を必要としない加工工程で剥離することがない特性を示した。これに対して、比較例1で得られた樹脂フィルムは、イオン交換層の剥離強さが小さいため、保管時や剥離を必要としない加工工程でイオン交換層が剥離した。
さらに、基材層に対する密着性については、実施例1〜4及び比較例1で得られたフィルムは、セロテープと表層との間で剥離しているため、基材層と中間層との剥離強度及び中間層と表層との剥離強度はいずれも5.5N/15mmを超えていると判断でき、高度な密着性を有していた。一方、実施例5で得られたフィルムは、基材層と表層とが剥離し、両層の間での剥離強度が0.4N/15mmであり、実施例1〜4及び比較例1に比べると、密着性が低下した。但し、実施例5で得られたフィルムの離型性が70mN/15mm(0.07N/15mm)であるため、実施例で使用したイオン交換層に対しては表層が剥離することなく使用できた。
本発明の樹脂フィルムは、離型性を容易に調整できるため、食品、医薬品、化学品、光学部材、電気・電子材料などの各種分野における離型フィルム、例えば、ポリマー層に対する離型フィルムとして利用できる。特に、イオン交換層に対して適度な剥離性と密着性とを有するため、固体高分子型燃料電池の膜電極接合体(Membrane Electrode Assembly:MEA)を製造するための離型フィルム、特に、イオン交換樹脂を含む電解質膜及び/又は電極膜をその上に積層し、MEAを製造した後、MEAから剥離するためのフィルムに好ましく利用できる。

Claims (14)

  1. 基材層と環状オレフィン系樹脂を含む表層とを含み、かつ前記基材層と前記表層との間に、塩素を含む中間層が介在する樹脂フィルムであって、前記表層の表面塩素濃度が0.1〜2Atom%である樹脂フィルム。
  2. 表面塩素濃度が0.5〜1.5Atom%である請求項1記載の樹脂フィルム。
  3. 中間層が、塩素含有樹脂を含む請求項1又は2記載の樹脂フィルム。
  4. 表層の表面に存在する塩素が、中間層に含まれる塩素含有樹脂由来の塩素である請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂フィルム。
  5. 表層の単位面積当たりの重量が3g/m以下である請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂フィルム。
  6. 表層が塩素含有樹脂を含む請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂フィルム。
  7. 環状オレフィン系樹脂が環状オレフィン系共重合体である請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂フィルム。
  8. 塩素含有樹脂が塩化ビニリデン系重合体である請求項3〜7のいずれかに記載の樹脂フィルム。
  9. 基材層が、ポリオレフィン、ポリビニルアルコール系重合体、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド及びセルロース誘導体からなる群より選択された少なくとも1種を含む請求項1〜8のいずれかに記載の樹脂フィルム。
  10. 基材層の上に、中間層を形成するための液状組成物をコーティングして中間層を形成する中間層形成工程、中間層の上に、環状オレフィン系樹脂を含む液状組成物をコーティングして表層を形成する表層形成工程を含む請求項1〜9のいずかに記載の樹脂フィルムの製造方法。
  11. 基材層の上に、塩素含有樹脂を含む液状組成物をコーティングして中間層を形成する中間層形成工程、中間層の上に環状オレフィン系樹脂を含み、かつ塩素含有樹脂を含まない液状組成物をコーティングして表層を形成する表層形成工程を含む請求項3〜9のいずれかに記載の樹脂フィルムの製造方法。
  12. 請求項1〜9のいずれかに記載の樹脂フィルムと、この樹脂フィルムの表層の上に積層され、かつイオン交換樹脂を含むイオン交換層とを含む積層体。
  13. 基材層と環状オレフィン系樹脂を含む表層とを含み、かつ前記基材層と前記表層との間に、塩素を含む中間層が介在する樹脂フィルムにおいて、前記表層の表面塩素濃度を調整することにより前記表層の離型性を調整する方法。
  14. 基材層と表層との間に、塩素含有樹脂を含む中間層が介在し、中間層を形成するための液状組成物に含まれる塩素含有樹脂によって、前記表層の表面塩素濃度を調整する請求項13記載の方法。
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