JP6328754B2 - 貯蔵寿命の長いスライス可能な乳製品 - Google Patents

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Description

本発明は、スライス可能な乳製品を製造する方法および前記方法により取得可能な製品に関する。
従来の方法で製造されるブリックチーズ等のスライス可能な乳製品は、まず調製しその後、最終的な形状に成形してからパッケージされることが多い。これは、プロセスの観点からいうと複雑な方法であり、しかも製品を汚染のリスクに曝すことになる。汚染により、貯蔵寿命が短くなり、製品が早く腐敗する。より簡単で効率的な製造プロセスへの改善が求められる。更に、低温流通系に依存する必要および/または消費者に早く届ける必要がない場合、貯蔵寿命が長いと流通がより簡単かつ効率的なので望ましい。
したがって、スライス可能な乳製品、特に貯蔵寿命の長い製品を調製する改良された方法が有利になる。
更に、「クリーンラベル」付き、すなわち、添加物が最小である製品、を提供することが望ましい。
豆腐は、多くの国において食事の主な材料であるが、消費者へ同じような魅力を有するミルクベースの製品を製造することが望ましい。更に、ミルクは、豆腐よりも多くの必須アミノ酸を含んでおり、栄養価がより高いと考えられる。
よって、本発明は、材料ミックスを液状形態のままパッケージ化し、パッケージごと加熱して固体にする、スライス可能な乳製品を製造する改良された方法を提供する。この方法は、作業を改善し、よってコストを削減する。
また、本発明は、保存剤を使用しない貯蔵寿命の長いスライス可能な乳製品も提供する。
更に、本発明は、ミルクベースで豆腐の様な製品を提供する。この製品は、大豆ベースの豆腐と同じまたは類似する密度(consistency)、味および外観を有し、大豆ベースの豆腐と同じ用途に適する。
本発明の方法は、効率的かつ安全に食品を製造するのに有用である。
したがって、本発明の一態様は、スライス可能な乳製食品を製造する方法に関し、前記方法は、以下の工程を含む:
a)ミルクおよび補助乳清タンパク質を含む液体材料ミックスを調製する工程;
b)前記材料ミックスを70℃以下の温度にする工程;
c)pHを5.5〜8.0の範囲内の値に調整する工程;
d)場合により、塩を添加する工程;
e)前記材料ミックスをホモジナイズする工程;
f)前記材料ミックスをパッケージに充填する工程;
g)前記パッケージに入っている材料ミックスを、90℃〜155℃の範囲内の温度に加熱する工程;並びに
h)前記材料ミックスを前記工程g)で選択した温度にて30秒〜9時間の範囲内の期間維持することによってスライス可能な乳製食品を形成する工程。
本発明の更なる態様は、本方法により取得可能(obtainable)である、スライス可能な乳製食品に関する。
図1は、本発明の方法の一実施形態の概要を示す。点線は、プロセスを一晩保持することを示す。図1Aは、本発明に係る方法の工程a)(液体材料ミックスを調製する工程)の一例を示す。ここで、液体材料ミックスは液体ミルクから調製される。
図1Bは、本発明に係る方法の更なる工程の一例を示す。
図2は、試験製品の粘弾性領域(viscoelastic region)を決定するために行った歪み掃引を示す。
図3は、各試験製品の貯蔵弾性率(Storage Modulus)の測定値を示す。表3も参照のこと。
図4は、本発明に係る一の方法のフローチャートの概要を示す。実施例5も参照のこと。
図5は、本発明に係る更なる方法のフローチャートの概要を示す。実施例5も参照のこと。
図6は、本発明に係る更なる方法のフローチャートの概要を示す。実施例5も参照のこと。
図7は、質感分析から得た曲線の一例を示す。実施例6も参照のこと。
図8は、実施例5により調製したサンプルの固さの質感分析による測定値を示す。
図9は、プロセス3Aから得たサンプルの色測定を継時的に示す(実施例5および7も参照)。図中、A= 5℃; B= 21℃; C=30℃。
定義
本発明をさらに詳細に説明する前に、まず、以下の用語および表現を定義する。
本発明の文脈において、特に明記しない限り、パーセントとして示すのは重量/重量パーセントである。
「Xおよび/またはY」の文脈において使用する用語「および/または」は、「X」、または「Y」、または「XおよびY」と解釈すべきである。
本明細書で使用される数値範囲は、具体的に開示されているか否かにかかわらず、その範囲内に含まれるあらゆる数字および数字のサブセットを含む意図である。更に、これらの数値範囲は、その範囲内の任意の数字またはサブセットについても特許請求の範囲をサポートするものとして解釈すべきである。例えば、1〜10という開示の場合、1〜8、3〜7、4〜9、3.6〜4.6、3.5〜9.9、等の範囲もサポートすると解釈すべきである。
特に指定しないかあるいは参照されている文献の文脈によって逆の意味であると明示されていない限り、本発明の特徴や制限についての単数形は全て、対応する特徴や制限についての複数形をも包含し、その逆も然りである。
特に定義しない限り、本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は、当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。
「乳清」は、牛乳を凝固させ濾した後に残った液体を指す。乳清は、甘性乳清(Sweet Whey)または酸性乳清(Acid Whey)であってもよく、主に水中に乳糖を含み、ミネラルやタンパク質も含む。
用語「乳清タンパク質」は、乳清のタンパク質成分を指す。乳清タンパク質は、典型的には、β-ラクトグロブリン(〜65%)、α-ラクトアルブミン(〜25%)、および血清アルブミン(〜8%)の混合物である。
用語「乳清タンパク質濃縮物」(Whey Protein Concentrate: WPC)は、乳清に比べて乳清タンパク質の量が多い組成物に関し、典型的には、元の乳清、甘性乳清または酸性乳清中に存在する全タンパク質の少なくとも80%(w/w)を含む。
用語「変性乳清タンパク質」は、例えば、熱への暴露により変性した乳清タンパク質を指す。変性により、乳清タンパク質と他のタンパク質との間の疎水性相互作用が可能になる。
用語「食用酸」とは、ヒト消費用の食品の調製に使用するのに適する酸を指す。食用酸の例として、例えば、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、酢酸、シュウ酸、乳酸、タンニン酸、カフェインタンニン酸、酪酸、安息香酸、グルコノデルタラクトンのような有機酸;並びにリン酸が挙げられる。食用酸は、食品グレードの酸(food grade acids)とも称されることもあり、これらの用語は、本明細書において互換的に使用される。
用語「分(minutes)」は、「分(min)」や「分(mins)」と省略され、そして用語「秒(seconds)」は、「秒(sec)」または「秒(secs)」と省略される。
スライス可能な乳製食品を調製する方法
本発明は、第一の態様では、スライス可能な乳製食品を製造する方法であって、以下の工程を含む前記方法に関する:
a)ミルクおよび補助乳清タンパク質を含む液体材料ミックスを調製する工程;
b)前記材料ミックスを70℃以下の温度にする工程;
c)pHを5.5〜8.0の範囲内の値に調整する工程;
d)場合により、塩を添加する工程;
e)前記材料ミックスをホモジナイズする工程;
f)前記材料ミックスをパッケージに充填する工程;
g)前記パッケージに入っている材料ミックスを90℃〜155℃の範囲内の温度に加熱する工程;並びに
h)前記材料ミックスを前記工程g)で選択した温度にて30秒〜9時間の範囲内の期間維持することによってスライス可能な乳製食品を形成する工程。
工程a)液体材料ミックスを調製する工程
ミルク
液体材料ミックスは、ミルクを含む。ミルクは、牛の乳、山羊の乳、羊の乳、水牛の乳等、任意の適切な供給源由来でよい。ミルクは、液体形態または乾燥形態等、任意の適切な形態で設けてよい。液体形態のミルクの例として、スキムミルク、全乳、生乳、練乳等が挙げられる。液体ミルクを低温殺菌してもよい。乾燥形態のミルクの例として、脱脂粉乳等の粉末ミルクが挙げられる。
本発明の一実施形態は、工程a)において、液状形態のミルクを用いて液体材料ミックスを調製する方法に関する。
別の実施形態では、本発明は、工程a)において、乾燥形態のミルク、例えば、脱脂粉乳、バターミルク粉末を用いて液体材料ミックスを調製する方法に関する。
これらの実施形態を、以下でさらに説明する。「工程a)の更なる実施形態」という見出しを参照されたい。
工程a)において、液状形態のミルクおよび乾燥形態のミルクを組み合わせて用いて液体材料ミックスを調製することも想定される。したがって、液体材料ミックスは、液体ミルク、乾燥ミルク、またはそれらの組み合わせを用いて調製してもよい。
液体材料ミックスは、主にミルクから構成されてもよい。例えば、液体材料ミックスは、例えば、50%〜95%の範囲内、例えば、60〜95%、70〜95%、80%〜95%、85%〜95%、90%〜95%、94%〜95%、例えば、約95%のミルクを含んでもよい(ここでのパーセントは全てw/v%を示す)。
更なる実施形態では、液体材料ミックスは、ミルクおよび補助乳清タンパク質から本質的に成る(consists essentially of)、あるいは、例えば、ミルクおよび補助乳清タンパク質から成る(consists of)。
補助乳清タンパク質
液体材料ミックスは、さらに補助乳清タンパク質を含む。この補助乳清タンパク質は、ミルクを設けることにより得られる乳清タンパク質に追加するものである。
いくつかの実施形態では、ミルクの体積:補助乳清タンパク質の体積の比は、例えば、90:10〜10:90の範囲内、例えば、80:20〜20:80、例えば、70:30〜30:70、例えば、60:40〜40:60、例えば、55:45〜45:55;あるいは、35:65、40:60、45:55、50:55、50:50、55:50、60:40、65:35、70:30、80:20、または90:10等であり得る。
特定の実施形態では、ミルクの体積:補助乳清タンパク質の体積の比は、30:70〜70:30の範囲内、例えば、60:40〜40:60、例えば、55:45〜45:55、例えば、35:65、40:60、45:55、50:55、55:50、60:40、65:35または70:30等であり得る。
追加する補助乳清タンパク質は、任意の適切な乳清であってもよい。
理論に拘束されることを望まないが、カゼイングリコマクロペプチド(cGMP)は、ゲル化/凝固を阻害し得ると考えられている。
したがって、本発明のいくつかの実施形態では、補助乳清のcGMPレベルは、補助乳清タンパク質の乾燥重量のわずか15%(w/w)、例えば、わずか12%、わずか10%、わずか8%、わずか6%、わずか5%、わずか4%、わずか3%、例えば、わずか2%、またはわずか1%である。
カゼイングリコマクロペプチドは、カゼインがキモシンで切断されることにより形成されるペプチドである。このペプチドは、チーズまたはカゼインの製造において形成される。cGMPは主に、レンネットタイプのチーズの製造における副産物である甘性乳清に由来する。
一実施形態では、設けられる補助乳清タンパク質は、酸性乳清由来である。酸性乳清は、カッテージチーズや水切りヨーグルトなどの酸性タイプの乳製品の製造における副産物であり、本質的にcGMPを含まない。対照的に、甘性乳清は、ゲル化を阻害するレベルのcGMPが含まれているため、不適当である。別の実施形態では、本発明における甘性乳清の使用が排除される。
本発明のいくつかの実施形態では、最終製品におけるcGMPの含有量は、6%(重量%)以下、例えば、5%以下、4%以下、3%以下、2%以下、1%以下、0.5%以下、0.2%以下、0.1%以下、または例えば、本質的に0%である。
液体材料ミックスは、変性乳清タンパク質を含んでもよい。液体材料ミックスにおける変性乳清タンパク質の供給源は、ミルク由来、補助乳清タンパク質由来、またはこれらの組み合わせに由来するものであってよい。好ましい実施形態では、液体材料ミックスにおける変性乳清タンパク質の供給源は、補助乳清タンパク質由来である。
別の実施形態では、液体材料ミックスは、変性乳清タンパク質を含まない。液体材料ミックスは、一実施形態では、本発明の方法において、乳清タンパク質を変性させる条件に曝してもよい。
別の実施形態では、補助乳清を、液体材料ミックスに添加する前に、変性条件に曝す。
一実施形態では、補助乳清は、変性乳清タンパク質を含む。補助乳清タンパク質の全部または一部が変性してもよい。例えば、補助乳清タンパク質の乾燥重量で少なくとも50%が変性してもよく、または例えば、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%;または例えば、50〜95%、例えば、55〜85%、または60〜96%、または70〜85%または80〜95%が変性してもよい。乳清タンパク質の変性により、乳清のゲル化特性が改善する。
別の実施形態では、液体材料ミックスは更に親水コロイドを含む。親水コロイドの添加により、製品が加熱により固くなるのに必要な補助乳清タンパク質の量を減らすことができるだろう。
親水コロイドは、例えば、寒天、ペクチン、ゼラチン、ローカストビーンガム、キサンタンガム、グアーガム、カラギーナン、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、デンプン等のセルロース誘導体からなる群から選択される1つまたは複数であり得る。例えば、補助乳清タンパク質の乾燥重量で最大75%が親水コロイドに置換されてもよい、または例えば、最大70%、最大65%、最大60%、最大55%、最大50%、最大45%、最大40%、または例えば、5〜50%、例えば、5〜40%、6〜30%、10〜25%、または10〜20%が親水コロイドに置換されてもよい。
例えば、親水コロイドは、最終製品の最大20%(重量%)、例えば、最大18%、最大16%、最大14%、最大12%、最大10%、最大8%、最大6%、最大4%、最大2%を構成してもよく;または例えば、2〜19%、3〜15%の範囲を構成してもよい。
補助乳清タンパク質、例えば、補助変性乳清タンパク質、の割合は、最終的なスライス可能な製品におけるタンパク質の少なくとも50%が補助乳清タンパク質由来になるように選択してもよい。別の実施形態では、最終製品におけるタンパク質の少なくとも50%、例えば、50〜70%、例えば、50〜65%、例えば、50〜60%、例えば、50〜55%、例えば、約50%、例えば、55%、60%、65%が補助乳清タンパク質由来である。
特定の実施形態では、ミルク由来のタンパク質:補助乳清タンパク質由来のタンパク質の比は、30:70〜70:30; 例えば、60:40〜40:60、例えば、55:45〜45:55の範囲内;例えば、35:65、40:60、45:55、50:55、55:50、60:40、65:35、または70:30である。
好ましい一実施形態では、ミルクタンパク質:補助乳清タンパク質の比は50:50である。
一例では、補助乳清タンパク質は、WPC粉末、例えば、WPC 85、WPC 70、WPC 60、またはNutrilac、例えばNutrilac QU7660(Arla foods製)から選択される一つ又は複数である。WPCに付される数字85、70、または60は、該当する数字の乾燥重量パーセントがタンパク質から構成されることを意味する。したがって、WPC 85は、乾燥重量の85%がタンパク質であるWPCである。
一実施形態では、WPC粉末を水中に含む溶液を調製し、ミルクと混合する。かかる溶液における補助乳清タンパク質の濃度は、例えば、2%〜20%(重量/体積)、例えば、2〜18、2〜15、2〜14、2〜12、2〜10、2〜8、2〜6、2〜4、2〜3%(タンパク質の重量/体積)、または例えば、6〜20%、6〜16、6〜10、8〜10%(タンパク質の重量/体積)%であり得る。特定の実施形態では、溶液は、補助乳清タンパク質を10%(重量/体積)の濃度で有する。
上述の本発明に係るスライス可能な乳製食品を調製するための方法の工程a)で調製される液体材料ミックスにおけるタンパク質の量は、例えば、2%〜20%(重量/体積)、例えば、2〜18、2〜15、2〜14、2〜12、2〜10、2〜8、2〜6、2〜4、2〜3%(タンパク質の重量/体積)、または例えば、6〜20%、6〜16、6〜10、8〜10%(タンパク質の重量/体積)であり得る。
更なる実施形態では、最終製品におけるタンパク質の少なくとも35%が補助乳清タンパク質由来で、残りのタンパク質がミルク由来である。
特定の実施形態では、工程a)で調製される液体材料ミックスのタンパク質含有量は、10%〜12%(重量/体積)、例えば、10%である。
さらなる特定の実施形態では、液体材料ミックスのタンパク質含有量は、ミルクおよび補助乳清タンパク質由来のタンパク質から成る。
さらに別の特定の実施形態では、液体材料ミックスにおけるミルク由来のタンパク質:補助乳清タンパク質の比は、40:60〜60:40の範囲内、例えば、50:50である。
したがって、好ましい実施形態は、工程a)で調製される液体成分のタンパク質濃度が10%〜12%(重量/体積)、例えば、10%であり、液体材料ミックスのタンパク質含有量がミルク由来のタンパク質および補助乳清タンパク質から成り、そして、さらに、ミルク由来のタンパク質:補助乳清タンパク質の比が40:60〜60:40の範囲内、例えば、50:50である、本発明の方法に関する。
工程b)pHを調整する工程
材料ミックスのpHを、少なくとも5.5、例えば、5.5〜8.0の範囲内、例えば、5.5〜7.5、5.5〜7.6、5.8〜7.8、6.0〜7.8、6.0〜7.6、6.0〜7.5、6.0〜7.4、6.0〜7.3、6.0〜7.2、6.0〜7.0の範囲内;または例えば、少なくとも5.8、例えば、5.8〜7.8、5.8〜7.6、5.8〜7.5の範囲内;または更に例えば、5.8〜7.4、5.8〜7.3、5.8〜7.2、5.8〜7.0の範囲内;または例えば、5.7〜6.5、5.8〜6.5、5.8〜6.4;または5.7〜6.4、5.7〜6.3、5.7〜6.2、または5.8〜6.3、または5.8〜6.2の範囲内、または約5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.7、6.8、6.9または7.0の値に調整する。
pHは、食用酸、例えば、乳酸、グルコノデルタラクトン(GDL)、クエン酸、酢酸からなる群より選択される食用酸、好ましくはクエン酸、の添加により調整してもよい。
酸の添加により、タンパク質は凝固せず、あるいは乳製食品が固くなってスライス可能な乳製食品に形成されることがない。pHは、最終製品の貯蔵寿命および密度の両方に影響し得る。pHが低いと、貯蔵寿命を延ばすが、最終製品の質感を損う。pHが低すぎると、例えば5.5未満の場合、最終製品は、望ましくない砂のようなざらついた質感になったり、あるいは柔らかすぎで固さが十分でないことがある。
工程c)場合により塩を添加する工程
いくつかの実施形態では、塩を材料ミックスに添加してもよい。塩は、任意の所望の塩を使用してもよいが、典型的には、塩化ナトリウム(NaCl)の形態で添加される。塩は、望ましい味および密度を与える。塩濃度が低い、例えば、0〜1%である実施形態は、塩味が薄いことが必要な用途に有用である。塩濃度が高い、例えば、1%超、例えば1.5%〜5%である実施形態は、塩味が強いことが必要な用途に有用である。
塩含有量は、例えば、0〜5%w/wであり得る。塩含有量は、例えば、0〜1%、例えば、0〜0.9%、0〜0.8%、0〜0.7%、0〜0.6%、0〜0.5%、0〜0.4%. 0〜0.3%、0〜0.2%、0〜0.1%であり得る。別の実施形態では、塩は、例えば、1%超、例えば、1.5〜5%、2〜5%、2.5〜5%、3〜5%、4〜5%;または例えば、約1%、2%、3%、4%、または5%であり得る。
工程b)およびc)を同時に行ってもよく、あるいは塩を、pH調整の前に加えてもよく、その逆であってもよい。
さらなる任意成分を、この時点で添加してもよい。例えば、緑茶抽出物を添加してもよい。このような抽出物は、加熱工程でのメイラード反応による褐変が起こらないようにすることで最終製品を改善し得る。緑茶抽出物の一例には、DSMが販売するTeavigoがある。
工程d)材料ミックスを70℃以下の温度にする工程
材料ミックスを70℃以下の温度にする。加熱しすぎるとミックスがゲル化したり、70℃より高い温度になり早期にゲル化するリスクを引き起こす可能性がある。温度は、例えば、70℃以下、68℃以下、65℃以下、63℃以下、60℃以下、58℃以下、56℃以下、55℃以下、53℃以下、例えば、52℃以下、例えば、50℃以下であり得る。他の例では、温度は、 35〜70℃または35〜65℃、例えば、36〜56℃、例えば、38〜56℃、例えば、38〜55℃、例えば、40〜55℃、例えば、48〜52℃、例えば、約50℃であり得る。
材料ミックスが、例えば、工程a)において液体材料ミックスの調製の間に冷却工程に供される場合、材料ミックスが70℃以下になるように加熱しなくてはならないことがある。あるいは、材料ミックスは、工程a)において液体材料ミックスの調製中に、例えば70℃を超えて加熱された場合、70℃以下の温度になるように冷却しなくてはならないことがある。
温度は、材料中の全脂肪分が溶けるほど十分に高いが、材料ミックスは凝固しないほど低くなるように、工程b)で選択される。脂肪分が溶けないと、最終製品の質感を損なう。
工程e)材料ミックスをホモジナイズする工程
材料ミックスをパッケージに充填する前にホモジナイズする。ホモジナイズは、適切な任意の方法で行うことができ、ホモジナイズの圧力は、少なくとも50bar、例えば、50〜150bar; 50〜120bar、例えば、50〜100bar; 例えば、約100bar、120bar、または150barの範囲内であり得る。ホモジナイズにより、製品の質感が滑らかになる。
ホモジナイズにより、脂肪粒子がより小さなサイズの粒子に分割し、その結果、製品が白色でより美しい色になる。
ホモジナイズの温度は、ゲル化温度より高くてもよいが、時間を非常に短くして(典型的には2分未満、例えば90秒、80秒、60秒、45秒、30秒、20秒、15秒、10秒)、早期のゲル化が起こらないようにする。
工程f)材料ミックスをパッケージに充填する工程
材料ミックスがまだ液状形態で凝固する前に、材料ミックスをパッケージに充填する。材料ミックスを液体形態のままパッケージに充填すると、プロセス上の利点がある。つまり、スライス可能な乳製品を個々に包装するよりも、パッケージの中に液体を充填する方が簡単である。
好ましい一実施形態では、充填工程は、本方法の1つまたは複数の別の工程に沿って行う。
パッケージに充填したら密封してもよい。密封は、充填直後に行ってもよい。充填直後に密封すると、製品の安全性が保たれる。一旦密封されれば、パッケージ内のスライス可能な乳製食品は汚染されなくなる。更に、密封により、スライス可能な乳製品の熱処理および形成前であっても、材料ミックスを含むパッケージを取り扱うのが容易になる。
いくつかの実施形態では、プロセスをここで一旦停止して、工程g)およびh)の前に充填済みパッケージを冷却し一定期間保存してもよい。
工程g)パッケージに入っているミックスを加熱する工程
本発明の方法は、材料ミックスをパッケージに充填した後に加熱する工程を更に含む。加熱は、少なくとも73℃、例えば、少なくとも90℃、例えば、90〜155℃、90〜150℃、90〜145℃、90〜130℃、90〜120℃、95〜120℃、95〜110℃の範囲内の温度にする。
他の例では、温度は、少なくとも121℃、例えば、121〜155℃、121〜150℃、121〜145℃、121〜140℃、121〜130℃である。一例では、加熱は、121〜140℃、例えば、121〜140℃、122〜140℃、123〜140℃、124〜140℃、125〜140℃;または例えば、121〜130℃、122〜130℃、123〜130℃、124〜130℃、または125〜130℃の範囲内; 例えば、121℃、122℃、123℃、124℃、および125℃の温度にする。
少なくとも121℃の温度だと、菌の死滅が増えるので、貯蔵寿命が長くなる。
本発明の一実施形態では、加熱は、充填後に直接行わない。例えば、充填したパッケージを加熱前に密封および/または冷却して、例えば一晩保存することがある。
また、加熱は、少なくとも2段階で行い、充填したパッケージを、まず、例えば、5〜70℃、例えば、50〜60℃の範囲内の温度、例えば、約60℃の温度に予熱し、その後より高い温度、例えば、上記に引用した温度に加熱するようにしてもよい。
工程h)材料ミックスを工程g)で選択した温度にて一定の期間維持する工程
本発明の方法は、材料ミックスを選択した温度にて一定の期間維持する工程を更に含む。
したがって、パッケージ内の材料ミックスを、加熱後の温度にて一定の期間維持することによってスライス可能な乳製食品を形成する。
一実施形態では、材料ミックスを、選択した温度にて30秒〜9時間の範囲内の期間維持してもよい。更なる実施形態では、時間は、5分〜9時間の範囲内であり得る。
期間は、少なくとも15秒、少なくとも30秒、少なくとも1分、少なくとも2分、少なくとも5分、少なくとも10分、少なくとも15分、少なくとも30分、少なくとも1時間、少なくとも2時間、少なくとも3時間、少なくとも4時間;例えば、90分〜4時間、例えば、90分〜3時間、例えば、90分〜2時間、例えば、2時間、または例えば、30分〜3時間、例えば、30分〜2時間、例えば、30分〜1時間;または例えば、5〜90分、例えば、5〜60分、例えば、5〜40分、5〜30分、5〜15分;または例えば、30秒〜2分、30秒〜5分であり得る。
いくつかの例では、期間は、例えば、少なくとも5分、例えば、5、6、7、8、9、10、11、12、13分であり得る。
よって、インキュベーション時間の例として、90℃で2時間、95℃で少なくとも2時間、140℃で5〜15分、121℃で10分等が挙げられる。
より高い温度でインキュベーションすると、加熱に使用される時間が短くなる。
パッケージは、任意の適切なパッケージであってもよいが、充填工程の後に行う加熱工程において、上述したような温度で選択された時間耐え得るものでなくてはならない。好ましくは、例えば、パッケージは、製品をパッケージ内で滅菌させる熱および/または圧力により滅菌可能でなくてはならない。パッケージは、例えば、プラスチック製であってもよい。一実施形態では、パッケージは、プラスチック製で再密封可能である。
パッケージ内で材料ミックスを加熱すると、貯蔵寿命の長いスライス可能な乳製品が形成される。加熱により、材料ミックスが凝固し、固い製品が形成される。このように、加熱により固い製品が形成され、例えば、スライス可能な製品を製造するために冷却する時間や設定をする必要がなくなる。
また、加熱は、内在する微生物を死滅させる効果を有するので、製品の貯蔵寿命が長くなる。
本方法は、典型的に、まず形成を行いその後包装してスライス可能な乳製品を製造するという既知の方法よりも優れた利点をもたらす。自動化に際し、既に形成された後のスライス可能な乳製品を取り扱うのは、パッケージに液体を充填することほど容易ではない。特に、既に形成されたスライス可能な乳製品を包装するために、これらの製品を取り扱わなくてはならず、製品の変形および/または破損につながる可能性があり、このような場合、廃棄しなければならない。更に、連続して取り扱うと、汚染の危険性がある。
工程a)の更なる実施形態
上述のように、工程a)において、液体材料ミックスは、液体ミルク、乾燥ミルク、またはそれらの組み合わせを用いて調製してもよい。液体材料ミックスの調製は、ミルクが提供される形態によって様々であり得て、本発明の実施形態を以下に説明する。
以下では、工程a)の二つの代替的な実施形態を述べる。第一の代替的な実施形態では、液体材料ミックスを液体ミルクから調製する。第二の代替的な実施形態では、液体材料ミックスを乾燥ミルクから調製する。各実施形態は、以下各見出しの下に記載の副工程を含む。
液体材料ミックスを液体ミルクから調製する工程
いくつかの実施形態において、本発明は、液状のミルクを用いて液体材料ミックスを調製する本発明の方法に関する。
液状のミルクを用いて液体材料ミックスを調製する工程a)の例を図1Aに示す。
ミルクが液体形態で提供される場合、典型的に乾燥粉末の形態で設けられる補助乳清タンパク質を、液体ミルクに加え混合してもよい。
液体材料ミックスを加熱してもよい。加熱によりミックスがゲル化したり、70℃より高い温度になり早期にゲル化するリスクがある。したがって、温度は、例えば、70℃以下、68℃以下、65℃以下、63℃以下、60℃以下、58℃以下、56℃以下、55℃以下、53℃以下、例えば、52℃以下、例えば、50℃以下であり得る。他の例では、温度は35〜70℃または35〜65℃、例えば、36〜56℃、例えば、38〜56℃、例えば、38〜55℃、例えば、40〜55℃、例えば、48〜52℃、例えば、約50℃であってもよい。
時間が経過するほど、上記リスクが増大する。
ミックスをホモジナイズおよび/または低温殺菌し、その後冷却してもよい。
ホモジナイズにより、脂肪球を破壊し、その結果、白色でより美しい外観になる。更に、ホモジナイズにより、タンパク質の水結合能力が向上し望ましい。ホモジナイズは、例えば、少なくとも50bar、例えば、50〜150bar、例えば、70〜120bar、好ましくは100barの圧力で、任意の適切な条件下で行いうる。
低温殺菌を達成するのに適する任意の条件下で低温殺菌を行いうる。温度は、例えば、67〜74℃、好ましくは72℃であり得る。温度の持続時間は、15秒〜30秒、好ましくは15秒であり得る。したがって、最も好ましくは、低温殺菌を72℃で15秒行う。70℃を超えて加熱するとゲル化のリスクが増大するので、低温殺菌は、ゲル化しない程度の短い時間で行う。67〜74℃の温度で2分以下の時間だと、ゲル化は起こらない。
ホモジナイズおよび低温殺菌した後、液体ミックスを、限外濾過によって濃縮してもよい。
本発明の方法の一実施形態では、液体材料ミックスから乳糖を除去する。乳糖は、任意の適切な方法によって除去してよい。例えば、透析濾過工程によって乳糖を除去し得る。所望の場合、乳糖は、例えばラクターゼ処理によって酵素的に分解してもよい。透析濾過および/またはラクターゼ処理は、ホモジナイズおよび低温殺菌後に行い得る。
好ましい一実施形態では、透析濾過および酵素処理の組み合わせによって乳糖を低減または除去する。
本発明のいくつかの実施形態は、乳糖のレべルは、0.5〜5%(重量/体積)、例えば、1.4〜4.7%、1.5〜4.5%または例えば、0.5%〜2.5%、例えば、1.5%〜2%の範囲内、または約1.5%または約2%である場合に関する。
透析濾過工程では、材料ミックスから更に乳清を除去することにより、乾物成分含量が増す。
濃縮工程後の材料ミックスのタンパク質含有量は、少なくとも6%w/v、例えば、少なくとも7%、例えば、少なくとも8%、例えば、少なくとも9%、例えば、少なくとも10%、例えば、6〜12%、例えば、7〜12%、例えば、7〜11%、例えば、8〜10%、例えば、9〜10%、例えば、10%であり得る。好ましい実施形態では、最終製品のタンパク質含有量は、10%w/vである。
別の方法で測定し、補助乳清タンパク質、例えば、補助変性乳清タンパク質の割合を選択して、限外濾過および/または透析濾過後の濃縮物中のタンパク質の少なくとも35%が補助乳清タンパク質由来になるようにし得る。別の実施形態では、限外濾過濃縮物におけるタンパク質の少なくとも35%、例えば、35%〜70%が補助乳清タンパク質由来である、例えば、乾燥重量でタンパク質の35〜60%、35〜55%、35〜50%、40〜50%、約50%が補助乳清タンパク質、例えば、補助変性乳清タンパク質由来である。
濃縮工程後の材料ミックスのタンパク質含有量は、おおよそ最終製品のタンパク質濃度に相当する。したがって、最終製品のタンパク質含有量を操作する1つの手段は、上記の透析濾過工程を制御することである。
したがって、一実施形態では、本発明は、工程a)において液状形態のミルクを用いて液体材料ミックスを調製し、工程a)が以下の副工程を含む、本発明の方法に関する:
a.i.)液状形態のミルクを設ける工程;
a.ii.)補助乳清タンパク質、例えば、変性乳清、例えば、QU7660を添加する工程;
a.iii.)工程a.ii.)のミックスを、70℃以下、例えば、50℃以下、例えば、35〜50℃の範囲、例えば、約50℃の温度に加熱する工程;
a.iv.)工程a.iii.)から得たミックスをホモジナイズする工程;
a.v.)工程a.iv.)から得たミックスを低温殺菌する工程;
a.vi.)場合により、工程a.v.)から得たミックスを冷却する工程;および
a.vii.)工程a.vi.)から得たミックスを透析濾過および限外濾過する工程。
好ましい実施形態では、工程a.vii.)において、透析濾過によって乳糖を低減または除去する。更に好ましい実施形態では、透析濾過後に、例えば、ラクターゼ処理工程等の酵素処理工程を行う。
本発明の方法の更なる実施形態は、工程a.vii.)により、タンパク質含有量が、少なくとも6%w/v、例えば、少なくとも8%、例えば、少なくとも10%、例えば、6〜12%、例えば7〜11%、例えば、8〜10%、例えば、9〜10%、例えば、10%w/vになる方法に関する。別の例では、タンパク質含有量は、8〜20%、例えば、8〜18%、例えば、10〜18%、例えば、10〜16%、例えば、12〜16%、例えば、12〜14%であってもよい。好ましい実施形態では、工程a.vii.)により、タンパク質含有量が、10%w/vになる。
本発明の方法は、更に、工程a)が、上述の副工程a.i.)〜a.vii.)を含む方法であって、本明細書に記載の工程b)〜h)を更に含む方法に関する。
限外濾過により濃縮した後、材料ミックスを低温殺菌する。更に、材料ミックスを冷却してもよい。材料ミックスを5℃で一晩保存して、例えば翌日にこのプロセスを再開してもよい。
一実施形態では、DSS/Tetraから得られるGR60膜(分子量カットオフ=20000 Da)を使用して限外濾過および/または透析濾過を行ってもよい。いくつかの実施形態では、同じ膜を用いて限外濾過および透析濾過を行ってもよい。あるいは、異なる膜を用いて限外濾過および透析濾過を行ってもよい。大規模生産では、典型的に、異なる膜を用いて限外濾過および透析濾過を行う。
補助乳清タンパク質、例えば、補助変性乳清タンパク質の割合を選択して、限外濾過および/または透析濾過後の濃縮物中のタンパク質の少なくとも35%が補助乳清タンパク質由来になるようにし得る。別の実施形態では、限外濾過濃縮物におけるタンパク質の少なくとも40%、または例えば、35%〜45%が補助乳清タンパク質由来である、例えば、例えば、36〜41重量%が補助乳清タンパク質由来である。
液体材料ミックスを乾燥ミルクから調製する工程
本発明のいくつかの実施形態では、液体材料ミックスを乾燥形態のミルク、例えば、粉末ミルクから調製する。ミルクを乾燥形態で設ける場合、液体材料ミックスを調製する工程a)は、乾燥ミルクを液体、好ましくは水中で再構成する、再構成工程を含む。
よって、本発明は、ミルクおよび補助乳清を含む液体材料ミックスを調製する工程が、以下の工程を含む本発明の方法に関する:
a)水、乾燥形態のミルク、および補助乳清タンパク質を混合する工程。
実施形態の更なる例では、例えば、ミルク脂肪および/または植物性脂肪、例えば、バター、油(例えば、ヤシ油および/またはナタネ油)および/またはクリームの1種または複数であり得る脂肪分を、乾燥形態のミルク、水、および補助乳清タンパク質に添加する。かかる実施形態は、以下の工程を含んでもよい:
a)脂肪分を、70℃以下、例えば、30℃〜70℃の範囲内の温度に加熱した水に添加および/または混合して溶かす工程。
水の加熱は、脂肪分が溶けるほど十分に高いが、ミルクタンパクおよび材料ミックスのゲル化を起こすほど高くはない。よって、水またはミックスの温度は70℃以下である。本発明の実施形態では、温度は、例えば、65℃以下、60℃以下、55℃以下、50℃以下であり得る。一実施形態では、加熱は、30℃〜70℃の範囲内の温度である。
乾燥形態のミルクおよび/または補助乳清タンパク質は、脂肪分および水と混合してもよい。成分を添加する順序は重要ではない。乾燥形態のミルクおよび/または補助乳清タンパク質は、脂肪分を溶かす前にミックスに添加してもよいし、脂肪分と同時または脂肪分を溶かした後に添加してもよい。典型的には、乾燥ミルクを添加する前に、脂肪分を水に分散する。これにより、脂肪分が製品に乳化される。
ミックスをホモジナイズおよび低温殺菌してもよい。好ましい一実施形態では、ミックスに、高速モーター(例えばScanima TX等の回転ステータ(回転ステータ))を囲む穿孔ステータを介する回転を施す。この手順により、ミックスのホモジナイズと殺菌が同時にできる。この手順により、最終製品の質感が非常に滑らかになる。
低温殺菌は、60℃〜70℃、例えば、65℃〜70℃、例えば、65℃〜68℃、例えば、約35℃、約66℃、約67℃、または68℃の温度に加熱することにより行い得る。この温度は、30分〜60分、例えば、約30〜40分の範囲内、例えば、約30分、約35分、約40分、約45分の時間保持し得る。加熱は、例えば、直接蒸気によって行い得る。
したがって、一実施形態では、本発明は、直接蒸気により60℃〜70℃の温度に30〜60分加熱することにより低温殺菌を行う方法に関する。さらなる実施形態では、本発明は、直接蒸気により65℃に30分加熱することにより低温殺菌を行う方法に関する。
よって、一実施形態では、本発明は、工程a)において、乾燥形態のミルクを用いて材料ミックスを調製し、工程a)は、以下の副工程を含む本発明の方法に関する:
a.i.)水を、70℃以下、例えば、30〜70℃の範囲の温度に加熱する工程;
a.ii.)脂肪を水に添加する工程;
a.iii.)乾燥形態のミルクおよび補助乳清タンパク質を、工程a.ii.)から得たミックスに添加して、混合する工程;
a.iv.)工程a.iii.)から得たミックスをホモジナイズする工程;および
a.v.)工程a.iv.)から得たミックスを低温殺菌する工程。
更なる実施形態は、回転ステータによってホモジナイズを行う、本発明に係る方法に関する。
ミルクを乾燥形態、例えばミルク粉末として設ける場合、一部が変性した乳清タンパク質の量は、少なくとも3.5重量%である。
変性補助乳清を調製する方法
別の態様では、本発明は、以下の工程を含む変性補助乳清を調製する方法に関する:
I. 乳清タンパク質を含む液体を調製する工程;
II. 1種または複数種の食用酸を添加することにより、工程Iから得た液体のpHを下げる工程;
III. 場合により、工程IIから得た液体をホモジナイズする工程;
IV. 工程IIまたはIIIから得た液体を超高温(UHT)処理する工程;
V. 工程IVのUHT処理した液体を冷却する工程;および
VI. 工程Vから得た液体のpHを調整する工程。
ここで得られる乳清の調製物は、本明細書の他の箇所に記載のスライス可能な乳製品を調製する方法における補助乳清として添加するのに有用である。この調製物はゲル化特性を有し、これによりスライス可能な乳製品のゲル化が改善する。
理論に拘束されることを望まないが、カゼイングリコマクロペプチドは、ゲル化/凝固を阻害し得ると考えられている。
従って、本発明のいくつかの実施形態では、工程Iの乳清タンパク質、および/または工程Iの乳清タンパク質を含む液体のcGMP(カゼイングリコマクロペプチド)レベルは、補助乳清タンパク質の乾燥重量のわずか15%w/w、例えば、わずか12%、わずか10%、わずか8%、わずか6%、わずか5%、わずか4%、わずか3%、例えば、わずか2%、またはわずか1%である。
カゼイングリコマクロペプチドは、カゼインがキモシンで切断されることにより形成されるペプチドである。このペプチドは、チーズまたはカゼインの製造において形成される。cGMPは主に、レンネットタイプのチーズの製造における副産物である甘性乳清に由来する。
一実施形態では、工程Iで設けられる乳清タンパク質は、酸性乳清の形態で設けられる。酸性乳清は、本質的にcGMPを含まない。
対照的に、甘性乳清は、ゲル化を阻害するレベルのcGMPが含まれているため、不適当である。別の実施形態では、本発明における甘性乳清の使用が排除される。
本発明のいくつかの実施形態では、工程VIで得られる最終製品におけるcGMPの含有量は、6%(重量%)以下、例えば、5%以下、4%以下、3%以下、2%以下、1%以下、0.5%以下、0.2%以下、0.1%以下、または例えば、本質的に0%である。
工程Iで調製した乳清タンパク質を含む液体は、乳清タンパク質を8%〜12%重量/体積の量で含む。好ましい実施形態では、前記液体は、乳清タンパク質を10%重量/体積の量で含む。食用酸を添加することにより、工程I)で調製した液体のpHを下げる。食用酸は、1種または複数種の有機酸、例えば、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、酢酸、シュウ酸、乳酸、タンニン酸、カフェインタンニン酸、酪酸、安息香酸、グルコノデルタラクトン;並びにリン酸から選択し得る。特定の実施形態では、クエン酸および/または乳酸を使用する。
pHを2.5〜5、例えば、3〜4の範囲内、例えば、約3.5に下げる。
pH調整した液体を、場合により、ホモジナイズしてもよい。ホモジナイズは、任意の適切な方法で行ってもよく、圧力は0〜150bar;例えば、0〜120bar、0〜100bar、0〜75bar、0〜50bar、0〜20barの範囲内;または例えば、約0bar;または例えば、約100bar、120barまたは150barであり得る。
pH調整した(そして場合により、ホモジナイズした)液体を、超高温で処理する。液体は、場合により、ホモジナイズの前に、例えば、60〜80℃、例えば、70〜75℃、例えば、約75℃の温度に予熱してもよい。
UHT処理は、例えば、液体を、135℃を超える温度に、短期間、例えば長くとも10秒加熱することによって行い得る。加熱は、例えば、135〜145℃、136〜145℃、138〜145℃、または136〜144℃、138〜144℃;または例えば、約143℃、144℃、または145℃の温度にし得る。加熱は、長くとも10秒、例えば、1秒〜10秒、または3〜4秒、または例えば、4〜6秒行い得る。特定の一実施形態は、UHT処理を144℃で4〜6秒行う、本発明の方法に関する。
UHT処理の後、工程Vの液体を冷却する。冷却は、例えば、18℃より低い、例えば、3℃〜18℃、例えば、3〜12℃、4〜11℃、4〜11℃、5〜10℃の範囲;または例えば、約4、5、6、7、8、9または10℃の温度にし得る。
冷却後、典型的には水酸化ナトリウム(NaOH)を添加することにより、冷却したUHT処理液体のpHを再び調整する。
pHは、5を超えるpH、例えば、5.5〜7、例えば5.5〜6.8、5.5〜6.7、5.7〜6.7、5.8〜6.7、6〜6.5、6.2〜6.5、例えば、約6.3、6.3、6.4、6.5の範囲内のpHに調整する。
よって、変性補助乳清を調製するための本発明の方法の好ましい一実施形態は、該方法が以下の工程を含む場合に関する:
I. 乳清タンパク質を10%重量/体積の量で含む液体を調製する工程;
II. クエン酸および乳酸の一方または両方から選択される1種又は複数種の食用酸を添加することにより、工程Iから得た液体のpHを下げる工程;
III. 場合により、工程IIから得た液体をホモジナイズする工程;
IV. 工程IIまたはIIIから得た液体を超高温(UHT)処理する工程、ここでUHT処理は144℃で4〜6秒行う;
V. 工程IVのUHT処理した液体を冷却する工程、ここで冷却は約10℃にする;および
VI. 工程IVから得た液体のpHを調整する工程、ここで調整は水酸化ナトリウムを用いてpH6.5にする。
スライス可能な乳製食品を調製する更なる方法
更なる態様において、本発明は、以下の工程を含む、スライス可能な乳製食品を製造する方法に関する:
1.)上述の本発明の方法により、変性補助乳清を調製する工程;
2.)以下の方法により液体材料ミックスを調製する工程;
i)ミルク、例えば、スキムミルク濃縮物を設ける工程;
ii)例えば、50℃で限外濾過する工程;
iii)例えば、2%乳糖および10%タンパク質に透析濾過する工程;
iv)場合により、ミルク脂肪を、例えば、脂肪分2.5%に標準化する工程;
v)場合により、工程iv)から得たミックスを、例えば、75℃に予熱する工程;
vi)例えば、150barでホモジナイズする工程;
vii)例えば、144℃で4秒UHT処理する工程;および
viii)場合により、5℃で保存する工程;
3.)工程1.)の変性補助乳清を、工程2.)から得た液体材料ミックスと混合する工程;
4.)工程3.)から得たミックスをパッケージに充填する工程;
5.)前記パッケージに入っているミックスを加熱する工程;並びに
6.)材料ミックスを、工程5.)で選択した温度で一定期間維持する工程。
ミルクについて上述した内容は、本発明の方法の工程2.)i)で設けるミルクにも該当する。
限外濾過および透析濾過は、任意の適切な温度、例えば、50℃で行い得る。
本方法における工程2.)vi)のホモジナイズは、任意の適切な方法で行ってもよく、圧力は0〜150bar; 例えば、0〜120bar、0〜100bar、0〜75bar、0〜50bar、0〜20barの範囲内;または例えば、約0bar;または例えば、少なくとも50bar、例えば、50〜150bar、50〜120barまたは50〜100barの範囲内;または例えば、約100bar、120barまたは150barであり得る。ホモジナイズにより、製品の質感が滑らかになる。
ホモジナイズにより、脂肪粒子がより小さなサイズの粒子に分割し、その結果、製品が白色でより美しい色になる。
本方法における工程2.)vii)のUHT処理は、例えば、液体を、135℃を超える温度に、短期間、例えば長くとも10秒加熱することによって行い得る。加熱は、例えば、135〜145℃、136〜145℃、138〜145℃、または136〜144℃、138〜144℃;または例えば、約143℃、144℃または145℃の温度にし得る。加熱は、長くとも10秒、例えば、1秒〜10秒、または3〜4秒、または例えば、4〜6秒行い得る。特定の一実施形態は、UHT処理を144℃で4秒行う、本発明の方法に関する。
本発明の方法のいくつかの実施形態は、工程2.)iii)の透析濾過により、乳糖のレべルを、5%〜0.5%、例えば、4.7%〜1.4%、4.5%〜1.5%、または例えば、0.5%〜2.5%、例えば、1.5%〜2%の範囲内、または約1.5%または約2%にする場合に関する。
乳糖を低減すると(典型的には約4.7%の乳糖を有するミルクと比較して)、乳糖不耐症の消費者が製品をより飲みやすくなるのでとって望ましい。
更に、乳糖のレベルが低いと、メイラード反応による褐変が起こりにくい。
本発明の方法の一実施形態では、工程3)において、工程1)から得た変性補助乳清を、工程2)から得た液体材料ミックスと同量(体積ベース)ずつ混合する。
したがって、好ましい実施形態では、工程3)におけるミックスは、ミルクおよび変性補助乳清タンパク質から本質的に成り、または例えば、ミルクおよび変性補助乳清タンパク質から成る。
特定の実施形態では、工程3)で調製した液体材料ミックスのタンパク質含有量は、 6%〜18%、例えば、8〜14%、例えば、10%〜12%(重量/体積)、例えば、10%である。
さらなる特定の実施形態では、液体材料ミックスのタンパク質含有量は、ミルク由来のタンパク質および変性補助乳清タンパク質から成る。
さらに別の特定の実施形態では、液体材料ミックスにおけるミルク:変性補助乳清タンパク質の比は、40:60〜60:40の範囲内、例えば、50:50である。
よって、好ましい実施形態は、工程3)で調製した液体材料ミックスのタンパク質含有量が、10%〜12%(重量/体積)、例えば、10%であって、液体材料ミックスのタンパク質含有量が、ミルク由来のタンパク質および補助乳清タンパク質から成り、そして更にミルク由来のタンパク質:補助乳清タンパク質の比が40:60〜60:40の範囲内、例えば、50:50である、本発明の方法に関する。工程f)、g)およびh)について上述した内容は、本方法の4)、5)および6)にもそれぞれ該当する。
一実施形態では、G60膜(分子量カットオフ=20000 Da)を、限外濾過および/または透析濾過に使用してもよい。
このプロセスの利点は、充填前に成分がUHT処理してあるので、加熱(オートクレーブ)を強力にしなくて済み、これにより加熱工程におけるメイラード褐変の問題を避けることができることである。例えば、加熱は、70〜110℃、例えば、90〜110℃、例えば、95℃〜 100℃の範囲内の温度で; 例えば、45分〜90分、例えば、45分〜75分、例えば、50分〜75分、例えば、約60分の期間行い得る。
製品は、例えば、冷蔵、例えば、3〜18℃、例えば、4〜12℃、好ましくは5〜8℃で保存してもよい。
本方法により取得可能な製品
別の態様において本発明は、本発明の方法により取得可能な乳製品、例えば、スライス可能な乳製食品、または例えば、貯蔵寿命の長いスライス可能な乳製食品に関する。
本発明に係る製品は、スライス可能な乳製品であり、微生物、例えば細菌および/または菌による増殖が関与せず製造されるので、本質的にそのような微生物を含まない。更に、本発明の製品は、レンネットを含まない。更に、本発明の製品は、酸凝固による乳製品に関連する低pHを有さない。
本発明の製品は、滑らかで軽い食感があり、ナイフでスライスすると、製品がナイフにくっつかないまたはほとんどくっつかないずにきれいにナイフから離れ落ちる(つまり、粘着性が無いまたはほとんどな無い)。この製品はポロポロと崩れることがないが、圧力をかけると均等に分けられる。質感は、ゆで卵の白を思わせるが、密度は低い。本発明の製品は、ナイフでスライスしてもよいが、チーズ面として知られるチーズスライサーは使用できない。
本製品の味はニュートラルであり得る。
本方法により取得可能な製品は、少なくとも2000、例えば、少なくとも2500、例えば、少なくとも2800の弾性率G’を有する。いくつかの実施形態では、本方法により取得可能な製品は、2500〜20000; 例えば、2500〜5000;または例えば、5000〜20000;または例えば、2500〜6500、例えば、3500〜6050、3500〜5000;または例えば、15000〜20000の弾性率G’を有する。
ミルクは、最終製品について所望の脂肪分および/またはタンパク質の割合に応じて選択し得る。更に、最終製品の脂肪含有量を増加させるために、ミルク脂肪および/または植物性脂肪、例えば、バター、油および/またはクリームの1種または複数であってもよい脂肪分を、材料ミックスに添加してもよい。これは、例えば、工程a)における液体材料ミックスの調製中に行ってもよい。
本製品の脂肪含有量は、25%(w/w)以下、例えば、20%以下、17%以下、15%以下、12%以下、10%以下、8%以下、6%以下、5%以下、4%以下、3%以下、2%以下、1%以下であり得る。他の例では、脂肪含有量は、0.1%〜20%、例えば、脂肪含有量が2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、12%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%であり得る。いくつかの実施形態では、追加成分、例えば、クリーム、脂肪、油を、材料ミックスに添加してもよい。一例では、1つまたは複数の乳化剤、例えば、レシチンを添加してもよい。
本発明の一実施形態は、少なくとも5.5、例えば、5.5〜8.0、例えば、5.5〜7.5、5.5〜7.6、5.8〜7.8、6.0〜7.8、6.0〜7.6、6.0〜7.5、6.0〜7.4、6.0〜7.3、6.0〜7.2、6.0〜7.0の範囲内;または例えば、約6.2、6.3、6.4、6.5、6.7、6.8、6.9または7.0のpHを有する本発明の製品に関する。
本方法により取得可能な製品は、カゼインおよび乳清タンパク質を含むミルク由来のタンパク質を含む。本製品は、補助乳清タンパク質、例えば、Nutrilac QU7660を更に含む。
本発明の製品は、タンパク質の存在量による特徴を有することもある。本発明の製品は、タンパク質の量が少なくとも6%(重量/体積)、例えば、少なくとも7%、例えば、少なくとも8%、例えば、少なくとも9%、例えば、少なくとも10%、例えば、6〜12%、例えば、7〜12%、例えば、7〜11%、例えば、8〜10%、例えば、9〜10%、例えば、10%であり得る。好ましい実施形態では、最終製品のタンパク質含有量は、10%重量/体積である。
別の例では、本発明の製品は、タンパク質含有量が6%〜20%の範囲内にある。
タンパク質含有量が6%未満だと、製品が柔らか過ぎとなり、タンパク質含有量が20%を超えると、本発明の製品が固すぎて望ましくない砂のようなざらついた食感になる。
一実施形態では、全タンパク質含有量の少なくとも40%が補助乳清タンパク質由来でなくてはならない。本発明の一実施形態では、全タンパク質含有量の少なくとも50%が補助乳清タンパク質由来である。
本発明に係る製品は、1種または複数種の食用酸を含み得る。食用酸の例として、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、酢酸、シュウ酸、乳酸、タンニン酸、カフェインタンニン酸、酪酸、安息香酸、グルコノデルタラクトンのような有機酸、リン酸およびソルビン酸が挙げられる。
本発明の製品は、長い貯蔵寿命を有する。よって、本発明の製品は、貯蔵寿命による特徴を有することもある。製品を充填した後に殺菌するプロセスは、まず調製してから個々に包装される製品、例えば、従来のブリックチーズ製造により製造される製品に比べ、製品の貯蔵寿命が長くなる。このようなチーズは、典型的には、数ヶ月の貯蔵寿命を有する。貯蔵寿命は、典型的には約1ヶ月であるフレッシュタイプの豆腐および/または典型的には1日〜数日であるフレッシュタイプのチーズの貯蔵寿命よりも長くなる。
本発明の製品は、例えば、少なくとも6カ月、例えば、少なくとも9カ月、例えば、少なくとも12カ月、例えば、少なくとも18カ月、例えば、少なくとも24カ月、例えば、少なくとも5年の貯蔵寿命を有し得る。
一実施形態では、貯蔵寿命は、少なくとも5年、例えば、少なくとも10年と計算される。
本発明は、パッケージ内に含まれる本発明の乳製食品、例えば、スライス可能な乳製食品、例えば、貯蔵寿命の長いスライス可能な乳製食品に関する。
「パッケージ内に含まれる」とは、最終製品、すなわち最終的に形成されたスライス可能な乳製品が最終形成に用いたパッケージ内に入っていることを指す。
よって、本発明は、一実施形態では、本発明の任意の方法により取得可能な(obtainable)または取得される(obtained)スライス可能な乳製品であって、パッケージ内に含まれる前記製品に関する。
本発明の一実施形態は、本発明の任意の方法により取得可能なまたは取得されるスライス可能な乳製品と、前記製品が含まれているパッケージと共にある製品の組み合わせにも関する。
本発明の一実施形態は、本発明に係る方法により取得可能なまたは取得されるスライス可能な乳製品であって、ミルクおよび補助乳清タンパク質、食用酸、および場合により、塩化ナトリウムおよび/または水酸化ナトリウムを含む前記製品に関する。更なる実施形態は、本発明に係る方法により取得可能なまたは取得されるスライス可能な乳製品であって、ミルクおよび補助乳清タンパク質、食用酸、および場合により、塩化ナトリウムおよび/または水酸化ナトリウムから成る前記製品に関する。
本発明の一態様の文脈で説明した実施形態および特徴が、本発明の他の態様にも当てはまることに留意すべきである。特に、本方法に関連して説明した実施形態および特徴は、本方法により取得可能な製品にも当てはまる。更に、液体ミルクを設ける文脈で説明した特徴は、乾燥形態のミルクを設ける文脈にも当てはまることがある。
本出願において引用される全ての特許および非特許文献は、本明細書にその全体が参考として援用される。
本発明を、以下の非限定的な実施例および図面においてさらに詳細に説明する。
実施例1:限外濾過方法(液体材料ミックスを液体ミルクから調製する工程)
ミックスを所望のタンパク質含有量に濃縮する(UF濃縮物)。このUF濃縮物をStephan cookerに加えた。
実施例2:Scanimaの方法(液体材料ミックスを乾燥ミルクから調製する工程)
水を50℃に加熱し、バターを添加する。WPCおよび水をホモジナイズによって混合する。最終的にpHを所望のレベルに調整する。
実施例3:
様々な試験製品を、実施例1の方法を用いて製造した。
試験製品N20
20 kgの8%タンパク質UF濃縮物と2,27 kgのクリームを、Stephan cooker内で50℃に加熱し、150barでホモジナイズし、パッケージ材に充填し、125℃で9分オートクレーブした。
試験製品N22
20 kgの8%タンパク質UF濃縮物と2,27 kgのクリームと50gの塩を、Stephan cooker内で50℃に加熱し、150barでホモジナイズし、パッケージ材に充填し、125℃で9分オートクレーブした。
試験製品N23
20 kgの12%タンパク質UF濃縮物と2,27 kgのクリームと300 gのクエン酸(20%希釈)を、Stephan cooker内で50℃に加熱し、150barでホモジナイズし、パッケージ材に充填し、125℃で9分オートクレーブした。
試験製品N24
20 kgの12%タンパク質UF濃縮物と2,27 kgのクリームを、Stephan cooker内で50℃に加熱し、150barでホモジナイズし、パッケージ材に充填し、125℃で9分オートクレーブした。
試験製品N25
20 kgの12%タンパク質UF濃縮物と2,27 kgのクリームと50 gの塩を、Stephan cooker内で50℃に加熱し、150barでホモジナイズし、パッケージ材に充填し、125℃で9分オートクレーブした。
試験製品N26
20 kgの10%タンパク質UF濃縮物と2,27 kgのクリームと180 gのクエン酸(20%希釈)と25 gの塩を、Stephan cooker内で50℃に加熱し、150barでホモジナイズし、パッケージ材に充填し、125℃で9分オートクレーブした。
試験製品N27
20 kgの10%タンパク質UF濃縮物と2,27 kgのクリームと180 gのクエン酸(20%希釈)と25 gの塩を、Stephan cooker内で50℃に加熱し、150barでホモジナイズし、パッケージ材に充填し、125℃で9分オートクレーブした。
試験製品N28
20 kgの10%タンパク質UF濃縮物と2,27 kgのクリームと180 gのクエン酸(20%希釈)と25 gの塩を、Stephan cooker内で50℃に加熱し、150barでホモジナイズし、パッケージ材に充填し、125℃で9分オートクレーブした。
参考例
市販の木綿豆腐、Tau Kwaの木綿豆腐を参考例として使用した。
試験製品のレオロジー測定
制御歪みレオメーター測定システムの原理は、制御下非破壊でサンプルを変形し、その弾性応答G’を測定することである。
形状寸法が20mmのプレート/プレート測定システムを装備したTA Instruments Ltd.製のDHR-2レオメーターを用いて測定を行った。測定温度は20℃であった。
サンプル容器から直接サンプルを、ステンレス鋼シリンダーにより穏やかに直径20mmの円筒形に切り出す。サンプルから1mmのスライスを切断し、レオメーターに移す。
レオメーター上で実行した結果を比較できるようにするためには、線形粘弾性領域(viscoelastic linear region)内で検出し測定を行うことが重要である。この領域では、サンプルの構造が測定の歪み(deformation of the measurement)による影響を受けない。従って、レオロジー特性評価を行う前に、粘弾性領域を決定するための予備実験を行った(図2参照)。歪み掃引(strain sweep)に基づいて、1%の歪み値(0,01-/-)を選択し、サンプルのレオロジー特性評価を行った。
セットアップ:
環境システムペルチェプレート
直径20 mm
ギャップ1000.0 マイクロメートル
ローディングギャップ: 45000.0 マイクロメートル
トリムギャップオフセット: 50.0 マイクロメートル
プレート材質:スチール
形状: 20 mm パラレルプレート、クロスハッチ
最小サンプル体積は、0,314159 mLである。
サンプルを調整した後、振動させた。
振動は、20℃で行った。試験パラメーターは以下の通り:
温度: 20℃; 浸潤時間0 秒; 期間: 120秒; 歪み0,01
シングルポイント; 周波数0,1Hz; 制御歪みの種類: 連続振動(直接歪み)
モータモード: 自動
全てのサンプルを二重に測定した。各サンプルは6個の測定点から成る。結果を表3および図3に示す。
実施例4
乳清およびカゼインタンパク質含有量に対する乳清タンパク質の量を決定するために、UF濃縮物の測定を行った。
実施例5
サンプルの調製
本発明に係る様々な方法に従って、サンプルを調製した。
プロセス1A(図4も参照)
スキムミルクを15秒72℃に加熱し、クリームを添加し、ミルクを0.7〜0.8%重量/体積の脂肪分に標準化した。これにより、最終製品の脂肪分が2〜3%重量/体積の範囲内になる。加熱したスキムミルクとクリームの混合物を50℃に加熱した。その後、限外濾過を50℃で行い、透析濾過を行い液中で2.00%重量/体積の乳糖および10%重量/体積のタンパク質のレベルにした。
WPCを、pH6.2および10%タンパク質に調整し、限外濾過および透析濾過後のミックスに添加した。
水和(hydration)が少なくとも1時間起こるようにした後ミックスをパッケージ内に充填した。ミックスをパッケージごと98℃で60分オートクレーブし、その後冷蔵(5℃)した。
プロセス1Aの変形例では、使用される乳清タンパク質調製物をQU7660にした。QU7660はpH調整せず、タンパク質レベルのみを10%タンパク質に調整した。
プロセス1B
プロセス1Bは、水和までをプロセス2Aと同じ方法で行った(水和を含める)。水和後、ミックスを90℃に5分間加熱し、グルコノデルタラクトンの0.7%溶液を添加する。その後、ミックスをパッケージ内に充填し、5℃で保存する(図4に図示せず)。
プロセス2A(図5も参照)
スキムミルクを15秒72℃に加熱し、クリームを添加し、ミルクを0.7〜0.8%の脂肪分に標準化した。これにより、最終製品の脂肪分が2〜3%の範囲内になる。その後、限外濾過を8℃で行い、透析濾過を行い1.50%の乳糖および10%のタンパク質のレベルにした。
WPCを、pH6.2および10%タンパク質に調整し、透析濾過後のミックスに添加した。
水和が少なくとも1時間起こるようにした後ミックスをパッケージ内に充填した。ミックスをパッケージごと98℃で60分オートクレーブし、その後冷蔵(5℃)した。
プロセス2Aの変形例では、使用される乳清タンパク質調製物をQU7660にした。QU7660は、pH調整せず、タンパク質レベルのみを10%タンパク質に調整した。
プロセス2B
プロセス2Bは、水和までをプロセス2Aと同じ方法で行った(水和を含める)。水和後、ミックスを90℃に5分間加熱し、グルコノデルタラクトンの0.7%溶液を添加する。その後、ミックスをパッケージ内に充填し、5℃で保存する(図5には図示せず)。
プロセス3A(図6も参照)
1日目
1000Lのスキムミルク濃縮物を50℃で限外濾過し10%タンパク質に濃縮し、2%の乳糖に透析濾過した。限外濾過したミックスを、2.5%脂肪分に標準化し、72℃で15秒低温殺菌し、冷蔵中に一晩置いた。
2日目
2日目に、2.5%脂肪分および10%タンパク質に標準化したミルクのミックスを75℃に予熱し、150barでホモジナイズし、144℃で4秒UHT処理し、その後5℃に冷却した。
10%タンパク質およびpH3.5のWPC83溶液を75℃に予熱し、0barでホモジナイズし、144℃で4秒UHT処理し、50℃に冷却し、最後にpHを6.2に調整した。
2種類のミックス(それぞれ、標準化された乳脂肪のミックスと、WPC83のミックス)を、50/50の比率で混合し、パッケージ化し、パッケージごと98℃に60分加熱した後、5℃で冷蔵した。
プロセス3B
プロセス3Bは、50/50の比率で混合するところまでをプロセス3Aと同じ方法で行った(該混合を含める)。混合工程後、ミックスを90℃に5分間加熱し、グルコノデルタラクトンの0.7%溶液を添加する。その後、ミックスをパッケージ内に充填し、5℃で保存する(図5に図示せず)。
各プロセスに従って調製したサンプルを5℃、21℃および30℃で保存し、保存がサンプルに如何に影響をするかを解析した。サンプルは、質感分析、離漿、および色の変化について評価した。
導き出せる一つの結論は、サンプルの質感がサンプルの貯蔵寿命と相関することである。サンプルが劣化し始めると、質感も悪くなる。
新鮮な場合、サンプルは全て許容可能な質感を示した。プロセスにかかわらず、30℃で保存したサンプルは、5℃で保存したものよりも早く劣化した。
GLDプロセスで製造したサンプルは、GDLを用いずに製造したものよりも貯蔵寿命が短かった。
実施例7:離漿
離漿(syneresis)(水分の喪失)は、スライス可能な乳製品から排出された水を除去する前後のサンプルを秤量することによって決定した。
水分が失われると、製品の質感が変化する。より固くてもろくなり、本製品に望ましくない。したがって、離漿を最小化する条件が好ましい。
全てのサンプルで、時間の経過および温度の上昇とともに離漿が増加した。しかし、各GDLプロセスで製造したサンプルは、より多くより早期の離漿を示すようであった。
よって、プロセス1A、2A、および3Aは、離漿についての品質は同等の製品を製造するようだ。
更に、UHT処理したミルクから製造された製品は、水分をより良く維持(または保持)するようだ。
実施例8
サンプルの色
サンプルの色を測定した。メイラード褐変が現れるかをモニターするために色を測定した。更に、微生物の増殖および/または製品の腐敗度は、白色の喪失および赤色および/または緑色の増加という色の変化と関連する。
サンプルを、一定間隔で貯蔵から取り出し分析した。
サンプルは、昼光を模倣する6504ケルビンの色温度を有する標準光源にあてた。反射光を小さい波長間隔に分割し、それぞれが分光反射率を示すようにする。これを、色座標L*、a*およびb*に変換する。
色の測定結果をL*-、a*-およびb*- 値として示す。
L*-値は、0〜100の間隔で測定され、0が黒色で、100が白色である。
a*-値は、-60〜+60の間隔で測定され、-60が緑色で、+60が赤色である。
b*-値は、-60〜60までの間隔で測定され、-60が青色で、60黄色である。
サンプルは、システムのキャリブレーション後、5℃で測定する。
結果を図X-Yに示す。
L*値は、製品の白色度を示す。
データは、異なる方法によって調製されたサンプルが異なることを示している。
a*-およびb*-値は、いずれの方法から得たサンプルについても経時的な変化があまりなかった。したがって、いずれの方法によって製造したサンプルも、経時的に比較的安定したa*およびb*-値を示した。
しかし、ある方法から得たサンプルについてのL-*値は、経時的な変化が幾分みられるようだ。例えば、図11にプロセス3Aで製造したサンプルの色値を示す。
実施例9:微生物学的検討
実施例5に記載した各プロセスから得たサンプルを、5、21および30℃で保存した。異なる時点でサンプルを取得し、微生物学的に分析した。
試験の結果を表5に示す。
表から分かるように、5℃で1週間の保存では、試験した全ての微生物レベルは許容可能であった。
上記微生物学的データにより、GDLを用いる方法は、おそらく5℃で短期間貯蔵する以外の貯蔵に適していないことが示される。残りのプロセスでも同等の結果が得られた。残りの全サンプルについて、データにより、5℃で貯蔵するとほとんど微生物が増殖できないが30℃で貯蔵すると微生物の増殖が可能になることが示される。
実施例10:官能パネル
各プロセスから得たサンプルを、官能パネルによっても評価した。
実施例11
サンプルの化学組成
サンプルを化学組成について分析した。結果を表9に示す。

Claims (21)

  1. スライス可能な乳製食品を製造する方法であって、以下の工程を含む前記方法:
    a)ミルクおよび補助乳清タンパク質を含む液体材料ミックスを調製する工程;
    b)前記材料ミックスを70℃以下の温度にする工程;
    c)pHを5.5〜8.0の範囲内の値に調整する工程;
    e)前記材料ミックスをホモジナイズする工程;
    f)前記材料ミックスが液状形態である間に該材料ミックスをパッケージに充填する工程;
    g)前記パッケージに入っている材料ミックスを90〜155℃の範囲内の温度に加熱する工程;および
    h)前記材料ミックスを前記工程g)で選択した温度にて30秒〜9時間の範囲内の期間維持することによってスライス可能な乳製食品を形成する工程。
  2. 前記工程c)の後かつ前記e)の前に、工程d)を含み、
    前記工程d)は、塩を添加することからなる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記工程a)において、液状形態のミルクを用いて前記液体材料ミックスを調製する、請求項1に記載の方法。
  4. 前記工程a)において、乾燥形態のミルクを用いて前記液体材料ミックスを調製する、請求項1に記載の方法。
  5. 前記工程a)において、ミルク粉末を用いて前記液体材料ミックスを調製する、請求項4に記載の方法。
  6. 前記工程a)において、液状形態のミルクを用いて前記液体材料ミックスを調製し、ここで前記工程a)は、以下の副工程を含む:
    a.i.)液状形態のミルクを設ける工程;
    a.ii.)補助乳清タンパク質を添加する工程;
    a.iii.)工程a.ii.)のミックスを、最大70℃の温度に加熱する工程;
    a.iv.)工程a.iii.)から得たミックスをホモジナイズする工程;
    a.v.)工程a.iv.)から得たミックスを低温殺菌する工程;および
    a. vii.)工程a.v.)から得たミックスを透析濾過する工程;
    請求項3に記載の方法。
  7. 前記工程a.v.)の後かつ前記a.vii.)の前に、工程a.vi.)を含み、
    前記a.vi.)は、工程a.v.)から得たミックスを冷却することからなる、請求項6に記載の方法。
  8. 前記ホモジナイズの圧力は、少なくとも50barである、請求項6または7に記載の方法。
  9. 前記低温殺菌は、67〜74℃の温度で15〜30秒の期間行う、請求項6〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記ミルクおよび乳清を含む液体材料ミックスを調製する工程は、以下の工程を含む:
    a.i.)水を70℃以下に加熱する工程;
    a.ii.)脂肪分を水に添加する工程;
    a.iii.)乾燥形態のミルクおよび補助乳清タンパク質を、工程a.ii.)から得たミックスに添加して、混合する工程;
    a.iv.)工程a.iii.)から得たミックスをホモジナイズする工程;および
    a.v.)工程a.iv.)から得たミックスを低温殺菌する工程;
    請求項4または5に記載の方法。
  11. 前記ホモジナイズを、回転ステータによって行う、請求項10に記載の方法。
  12. 前記低温殺菌を、直接蒸気により60℃〜70℃の温度に30〜60分加熱することにより行う、請求項10または11に記載の方法。
  13. 工程a)で調製される液体材料ミックスは、10%〜12%重量/体積のタンパク質含有量を有する、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記液体材料ミックスにおけるミルク由来のタンパク質:補助乳清タンパク質の比は、40:60〜60:40の範囲内である、請求項13に記載の方法。
  15. 前記液体材料ミックスにおけるミルク由来のタンパク質:補助乳清タンパク質の比は、50:50である、請求項14に記載の方法。
  16. 請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法により取得可能であり、
    ミルクおよび補助乳清タンパク質、および食用酸を含み、
    前記スライス可能な乳製品は、少なくとも2000の弾性率G'を有する、前記スライス可能な乳製品。
  17. 塩化ナトリウムおよび/または水酸化ナトリウムを更に含む、請求項16に記載のスライス可能な乳製品。
  18. 前記スライス可能な乳製品は、少なくとも6%(重量/体積)のタンパク質を含む、請求項16又は17に記載の製品。
  19. 前記スライス可能な乳製品は、少なくとも5.5のpHを有する、請求項16〜18のいずれか1項に記載の製品。
  20. 前記スライス可能な乳製品は、少なくとも6カ月の貯蔵寿命を有する、請求項16〜19のいずれか1項に記載の製品。
  21. 請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法により取得可能であり、パッケージ内に含まれているスライス可能な乳製品。
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