JP6328604B2 - セグメント化した、半結晶性ポリ(ラクチド−コ−ε−カプロラクトン)吸収性コポリマー - Google Patents

セグメント化した、半結晶性ポリ(ラクチド−コ−ε−カプロラクトン)吸収性コポリマー Download PDF

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Description

本発明は、長期吸収性医療用途、特に外科縫合糸及びヘルニアメッシュのための、新規の半結晶性の、ラクチドとε−カプロラクトンのブロックコポリマーに関する。本発明のコポリマーの1つの用途は、モノフィラメントの外科縫合糸の製造である。
合成吸収性ポリエステルは、当該技術分野において周知である。公開文献及び特許文献には特に、グリコリド、L(−)−ラクチド、D(+)−ラクチド、メソ−ラクチド、ε−カプロラクトン、p−ジオキサノン、及びトリメチレンカーボネートから作製されるポリマー及びコポリマーが記載されている。
任意の生体吸収性医療用デバイスに関する大変重要な態様は、その機械特性が生体内で保持される時間の長さである。例えば、一部の外科用途では、その所望の機能を発揮しながら、身体が治癒するのに必要な時間であるかなり長い時間、強度を維持することが重要である。かかる緩慢な治癒状況としては、例えば、糖尿病の患者、又は血液供給が乏しい若しくは減少している身体の区域が挙げられる。長期吸収性縫合糸は、既知であり、かつ従来のポリマー、主としてラクチドから作製されてきた。例としては、高ラクチド、ラクチド/グリコリドコポリマーから製造された編組縫合糸が挙げられる。当業者は、モノフィラメント生体吸収性縫合糸及びマルチフィラメント生体吸収性縫合糸が存在すること、並びに短期生体吸収性縫合糸及び長期生体吸収性縫合糸が存在することを理解するであろう。長期の機能は、生体内でのある程度の機械的完全性を、植え込み後10〜12週間を超えて保持することであると言うことができる。
モノフィラメント構成体を有し、外科医に優れた取扱い特性を提供するように十分軟らかく、しかもその特性が植え込み後長期間機能するように維持される縫合糸を作製することができる生体吸収性ポリマーは、現在の所存在しない。その結果、そのようなポリマーを提供するという問題が残っている。かかるポリマーから作製される吸収性外科縫合糸の必要性も存在する。吸収性縫合糸は一般に、マルチフィラメント編組及びモノフィラメント繊維という2種の基本形で提供される。モノフィラメントとして機能するポリマーの場合、そのガラス転移温度Tは一般に室温未満でなければならない。低Tは低ヤング率を保証する一因となり、その結果、柔軟で成形容易なフィラメントが得られる。Tが高い材料は、結果的にワイヤー状の繊維がもたらされることになりがちで、比較的取り扱いが困難なモノフィラメント縫合糸となり、当該技術分野では、かかる縫合糸は、「作り」が悪いと見なされ、又は称されることになる。ポリマーのTが高く、そうしたポリマーから縫合糸が作製される場合、それは常にマルチフィラメント糸に基づく構造でなければならず、この場合の良好な例は編組構造である。モノフィラメント縫合糸はマルチフィラメント縫合糸に優る利点を有し得ることが知られている。モノフィラメント構造体の利点としては低表面積が挙げられ、それにより、組織への挿入時に組織があまり引張られず、組織反応が生じる可能性も低い。他の利点としては、細菌が移動して位置し生物膜を形成する可能性がある、フィラメントの隙間内への灯心現象が生じないことが挙げられる。灯心現象により、隙間によって感染性液体がマルチフィラメント構造の長さに沿ってより容易に移動する可能性があるとも考えられるが、これは勿論、モノフィラメントでは起こり得ない。加えて、モノフィラメント繊維は一般に、マルチフィラメント糸に通常付きものの編み工程がないので製造がより容易である。
これらポリマーは、外科用メッシュなどの繊維作製物にも有用であると理解すべきである。長期縫合糸及びメッシュにおける機会に加えて、かかるポリマーは、変形可能樹脂から製造しなければならないデバイスであって、理想的には、例えば射出成型などを包含する、既知の常套法で製造されるデバイスにおける機会も存在する。
ε−カプロラクトンとp−ジオキサンとの結晶性ブロックコポリマーは米国特許第5,047,048号に開示されている。コポリマーは、ε−カプロラクトンが約5〜約40重量%に及び、吸収プロファイルはポリ(p−ジオキサノン)と同様である。
これらのコポリマーから作製された吸収性外科用フィラメントは、引張強さがポリ(p−ジオキサノン)と同様だが、柔軟性はポリ(p−ジオキサノン)よりも良好で、しかも弾性のヤング率が低い。上記コポリマーはランダムコポリマーである。
このp−ジオキサノンを多く含むε−カプロラクトン/p−ジオキサノンコポリマーから製造される繊維は、第‘048号特許の教示を用いると、p−ジオキサノンホモポリマーと同様に植え込み後に機械特性を保持すると予想される。これらのコポリマーから作製された外科縫合糸は、生体内で約8〜10週間後、事実上機械的強度が全く残っていないことが予想される。そこで、第‘048号特許のコポリマーで提示されたよりもかなり長期間にわたり機械特性を維持できる材料であって、縫合糸又はメッシュ構成要素として有用な柔軟なモノフィラメント繊維を製造できるほど十分に低いヤング率を有する材料が依然として求められている。
「Absorbable Composition」という名称の米国特許第5,314,989号は、モノフィラメント外科縫合糸などの生体吸収性物品の製造に使用するためのブロックコポリマーについて記載している。このコポリマーは、1種以上の硬質相形成モノマーと1,4−ジオキサン−2−オンとを共重合した後、1種以上の硬質相形成モノマーとジオキサン含有コポリマーとを重合することによって調製される。第‘989号特許の(コ)ポリマーは、長期強度、すなわち、植え込み後8〜10週間を超える強度を有するモノフィラメント繊維をもたらさない。
同様に、「Absorbable Block Copolymers and Surgical Articles Fabricated Therefrom」という名称の米国特許第5,522,841号は、ブロックの一方が硬質相形成モノマーから製造され、そしてブロックのもう一方が軟質相形成モノマーのランダムコポリマーから製造されたブロックコポリマーから形成される吸収性外科用物品について記載している。第‘841号特許で特許請求されたコポリマーの軟質相は、ポリアルキレンオキシドセグメントを含むことを必要とする。
「Method of Making Absorbable Polymer Blends of Polylactides,Polycaprolactone and Polydioxanone」という名称の米国特許第5,705 181号は、ポリ(ラクチド)、ポリ(グリコリド)、ポリ(ε−カプロラクトン)、及びポリ(p−ジオキサノン)のホモポリマー及びコポリマーの吸収性2成分及び3成分ブレンドについて記載している。これらの材料は、ブレンドであって、コポリマーではない。
米国特許第5,133,739号には、及びグリコリドから調製された、硬質相を有するブロックコポリマーが記載されている。米国特許出願公開第2009/0264040A1号には、カプロラクトン/グリコリドコポリマーから調製されたメルトブロー不織布材料が記載されている。これら両方の開示はいずれも、重合カプロラクトンを含有する吸収性材料を対象としているが、それらの材料はどちらかというと迅速に吸収するので、長期植え込みには有用ではない。
米国特許第5,797,962号は、ラクチドとε−カプロラクトンのコポリマーを記載するが、これらは、ランダムな性質である。所与の(重合した)モノマー組成物について、このクラスの材料(開環ラクトン系のポリエステル)のランダムコポリマーは、低い結晶化度レベルを呈し、ガラス転移温度を超える温度に露出されるとき、対応するブロックコポリマーと比較すると、その寸法安定性を保持する能力が限られる。
米国特許第6,342,065号は、ラクチド構成要素が86%以上のラクチドとε−カプロラクトンのコポリマーを開示する。かかる高いラクチド含有量の1つの重要な欠点は、ヤング率がとても高い(Tg値が高いことに起因する)ことであり、これはある特定の医療用の使用にはしばしば不適切であり、これらの使用としては、モノフィラメント用途が挙げられる。
「Synthesis,characterization and melt spinning of a block copolymer of L−lactide and epsilon−caprolactone for potential use as an absorbable monofilament surgical suture」と題する、Y.Baimark、R.Molloy、N.Molloy、J.Siripitayananon、W.Punyodom、およびM.Sriyaiの著述による論文[参照:Journal of Materials Science:Materials In Medicine 16(2005)699〜707]は、ラクチドとε−カプロラクトンの組成が52/48のプレポリマー組成物を用いた、ラクチドとε−カプロラクトンの全体的な最終的な組成が79/21のコポリマーについて記述している(それぞれ、モル数に基づく)。追加的に、プレポリマー組成物は、繊維の取扱いに良くない影響を与える半結晶性である。これらの特性の理由により、この材料は、極めて硬く、したがってモノフィラメント外科縫合糸としての使用に適さないことが予想される。
当該技術分野では、良好な取扱特性と生体内での強度保持力とを有する新規の長期生体吸収性縫合糸が必要とされている。更に当該技術分野では、かかる縫合糸及び他の生体吸収性医療用デバイスを製造するための新規の生体吸収性ポリマー組成物も必要とされている。
長期吸収性医療用途のための、新規の半結晶性の、ラクチドとε−カプロラクトンのブロックコポリマーが開示される。半結晶性吸収性セグメント化コポリマーは、重合したラクチドと重合したε−カプロラクトンとの繰返しユニットを有する。重合したラクチドの重合したε−カプロラクトンに対するのモル比は、約60:40と約75:25との間であり、コポリマーは、示差走査熱量測定によって10℃/分の走査速度で測定されるとき、0℃以下の第1の熱Tを有し、広角X線回折によって測定されるとき、約25パーセント〜約50パーセントの結晶化度レベルを有する。コポリマーは、また、HFIPの0.1g/dL溶液中で25℃で測定するとき、少なくとも約0.5dL/gの固有粘度を有する。
本発明の別の態様は、A−B−A構造の生体再吸収性コポリマーである。このコポリマーの端部セグメントAは、重合したラクチドブロックからなり、中間セグメントBは、重合したラクチド−コ−ε−カプロラクトンブロックブロックからなる。中間セグメントBは、コポリマーの約25重量パーセント〜約60重量パーセントに相当する。
本発明の更なる態様は、生体吸収性、半結晶性セグメント化コポリマーであって、(a)反応開始剤及び好ましくは、好適な量の触媒の存在下で、ラクチドモノマーと、ε−カプロラクトンモノマーとの重合から形成されるプレポリマーであって、プレポリマー中のラクチドのε−カプロラクトンに対するモル比が約45:55と約30:70との間のであるプレポリマーと、(b)ラクチドモノマーと、の反応生成物を含む。
本発明の更に別の態様は、上述のコポリマーのうちの1つから作製された長期生体吸収性縫合糸である。
本発明の別の態様は、上述のコポリマーのうちの1つから作製された生体吸収性医療用デバイスである。
本発明のなお更に別の態様は、前記新規コポリマーから医療用デバイスを製造する方法である。
本発明の追加的な態様は、上述のコポリマーのうちの1つから射出成型される医療用デバイスであり、このデバイスは、変形可能である。
本発明の更なる態様は外科手順の実施方法であって、本発明の新規コポリマーから製造される医療用デバイスを患者の組織に植え込む、方法である。
本発明のこれらの並びに他の態様及び利点は、以下の説明文及び添付図面からより明らかとなるであろう。
示差走査熱量計によって測定された、実施例1及び3Aの最終的な本発明のコポリマーの等温結晶化動力学のプロットである。 13C NMRによって測定された、実施例1、2A、2B、3A、及び3Bの最終的な本発明のコポリマーに対する連鎖分布結果のヒストグラムである。
明瞭性の目的で、いくつかの用語を定義する。ランダム(コポリエステル)コポリマーを、モノマー部分の鎖に沿った連鎖分布を有するコポリエステルとして定義し、少なくともそのコポリマーと同程度にランダムであり、全体的な組成物は、ラクトンモノマー又はヒドロキシ酸から作製され、ここですべてのモノマーは、重合反応器に単一の工程で添加され、重合の時に反応比の考慮によって支配される。
統計的コポリマーは、モノマーの順序の残基が統計的な規則に従うコポリマーである。鎖の中の特定の点において所与のタイプのモノマー残基を見出す確率は、鎖の中のモノマー残基のモル分率に等しく、その結果ポリマーは、「真にランダムなコポリマー」と呼んでもよい。ランダムコポリマーでは、モノマー状のユニットの連鎖分布は、ベルヌーイの統計学に従う。
真のランダムコポリマーは、モノマー反応比の現象の複雑さに起因して見出すのが困難である。モノマーは、単一の工程でバッチ反応器に添加されてもよいが、成長している鎖に別のモノマーの上に1つのモノマーを添加するのに、わずかな傾向がある場合がある。これについては、本明細書で更に考察される。
バッチ重合プロセスでランダムコポリマーを形成するために、モノマーは、一般に単一の工程でバッチ反応器に添加される。連続的な重合プロセスでは、モノマーは、実質的に一定の組成で連続的な反応器に添加される。
セグメント化(コポリエステル)コポリマーは、一方で、反応比の考慮に基づいて予想されるものを超えた、ランダムコポリマーよりもランダムでない非ランダム連鎖分布を有する。
所与のモノマーの連鎖長さが大きくなり始めると、ブロック状構造に近くなり始める。「ブロックコポリマー」は、マルチブロックの性質となる可能性があり、テトラブロック、トライブロック、又はジブロックなど、異なる化学ブロックの数に依存する。
「ジブロックコポリマー」であるブロックコポリマーは、2つの異なる化学ブロックを含む構造を有してもよく、A−Bブロックコポリマーと呼ばれる。トライブロックコポリマーが、1つのモノマー連鎖を有する場合、その両端部にA、そして2番目にBをその内側に置くと、A−B−Aブロックコポリマー呼ばれる場合がある。
非ランダム連鎖分布を開環重合で生産する技法は、異なるモノマー供給を段階的に反応器に追加する方法である。ある量のモノマーBを、1官能性反応開始剤とともに反応器に添加してもよい。B連鎖のみで作製されたポリマーが形成される。第2のモノマー、Aが、次いで、反応器に添加され、したがって形成されるコポリマーは、A−Bブロックコポリマーとなり得る。あるいは、重合の開始時に二官能性反応開始剤を使用した場合、したがって形成されたコポリマーは、その結果A−B−Aブロックコポリマーとなリ得る。
コポリマーの連鎖分布の「ブロック性」を特徴付ける助けとなるように、Harwood(参照:Harwood,H.J.;Ritchey,W.M.Polymer Lett.1964,2,601)は、「ランナンバー」の概念を導入した。重合した「A」繰返しユニットと、重合した「B」繰返しユニットと、を作り上げたコポリマーについて、対応するランナンバーは、個別の「モノマー」に対する平均鎖連鎖長さを反映する。鎖を見下ろしていくと、Aユニットに遭遇する度に、カウンターが作動する。別のAユニットを横切るたびに、カウンターは1ずつ数が増え、Bユニットに達するとすぐにカウンターは停止する。鎖全体がサンプリングされ、樹脂の残りについて作業が完了すると、「A」ユニットに対するHarwoodのランナンバーの平均値を確立することができる。「B」についても同様のことを行うことができる。統計処理は、理論的にA/Bモル組成のランダムコポリマーに対して、構成要素のそれぞれに対するHarwoodのランナンバーを、下記の式に基づいて計算することができることを示している。
HRN=1+([A]/[B])及びHRN=1+([B]/[A]) (1)
式中HRN及びHRNは、繰返しユニットA及びBのそれぞれに対するHarwoodのランナンバーであり、[A]及び[B]は、繰返しユニットA及びBのそれぞれのモル分率である。
したがって、A及びBユニットから作製された20/80 A/Bランダムコポリマーは、A及びBのそれぞれに対して1.25及び5.0のHarwoodのランナンバーを有することが予想される。ここで非ランダムコポリマーに対処する。同じ20/80組成物で、A構成成分に対するHarwoodのランナンバーが、ランダムコポリマーで示される1.25よりずっと高い、例えば、1.5又は3のコポリマーを有することができる。これは、明らかに「A」ユニットの性質をブロック状の連鎖分布と一緒に示す。
共重合では、モノマーは、モノマー1を「モノマー1繰返しユニット」で終端する成長している鎖に添加する大きい傾向がある、又はモノマー1を「モノマー2繰返しユニット」で終端する成長している鎖に添加する大きい傾向がある現象に起因して、正確にランダムに連鎖されない場合がある。この現象を記述するために、反応比の概念、r及びrが、開発されてきた。具体的には、重合化学での共重合方程式とも呼ばれる、Mayo−Lewis式が、コポリマー中のモノマーの分布を記述する。2つの構成成分M及びMのモノマー混合と、いずれかのモノマー(M)でこれらの反応速度定数k:
Figure 0006328604
で終端する、反応性鎖末端部において実施される可能性がある4つの異なる反応を考慮すると、反応比は、以下のように定義される:
=(k11/k12) (6)
=(k22/k21) (7)
式中k11、k12、k21、及びk22は、式2〜式5にそれぞれ示される、反応の速度定数である。
統計的なランダムコポリマーは、一般に、rとrとの値が両方とも1であるときに形成される。ラクチジル(lactidyl)部分(すなわち、重合したL(−)−ラクチド連鎖)で終端する鎖に添加するε−カプロラクトンモノマーに対応する反応比は、実験的に44と測定されるが、一方でカプロイル部分(すなわち、重合したε−カプロラクトンの連鎖)で終端する、鎖に添加するL(−)−ラクチドモノマーに対応する反応比は、0.28である。2つの反応比は相当異なるので、両方のモノマーが、重合の開始時に一緒に反応器に添加された場合でさえも、その結果、これはわずかに非ランダム連鎖分布を有するコポリマーにつながる。
所与のコポリマーについては、連鎖の性質が真のランダムであると仮定して、重合したモノマーのそれぞれに関連して、Harwoodのランナンバーが予想される。実験的に決定される、構成成分のそれぞれに対する平均の鎖連鎖長さの値もある。ここで、重合したモノマーのそれぞれに対する「ランダム性因子」を定義し、RFと略記し、xは、考慮中の特定のモノマーを表す。モノマーxに対するRFは、平均連鎖長さと対応するHarwoodのランナンバーから実験的に決定される比である。
例えば、前に記載したAユニット及びBユニットで作製された20/80 A/Bランダムコポリマーでは、もし実際に統計的にランダムである場合、予想されるHarwoodのランナンバーは、A及びBに対してそれぞれ1.25及び5.0であるべきである。実験的に構成成分A及びBに対する平均的な鎖連鎖長さの値がそれぞれ1.88及び8.50であることが見出された場合、次いで、RFの値が1.5(=1.88/1.25)であり、RFの値が1.7(=8.5/5.0)であることを計算することができる。再度、「ランダム性因子」は、統計的なランダム連鎖分布を仮定して、実験的に測定された平均の鎖連鎖長さと対応する理論的なHarwoodのランナンバーとの比から計算される。
ラクトンモノマーから作製されたランダム(コポリエステル)コポリマーの例は、70モルのラクチドと30モルのε−カプロラクトンを反応器内で組み合わせ、この組み合わせをそれに続く工程でいかなる追加的なモノマーも導入せずに重合する。60/40〜75/25の組成範囲でラクチドとε−カプロラクトンとから作製したランダム(コポリエステル)コポリマーは、大変低いレベルの結晶化度しか有しておらず、すなわち、非晶質に近いことに留意すべきである。低いレベルの結晶化度を有する、かかるラクチド/ε−カプロラクトンコポリマーは寸法安定性に欠けるので、高い強度を達成するには、高い配向が必要であるとの観点から、強い繊維として使用するのには不適切である。ラクチドとε−カプロラクトンから60/40〜75/25の組成範囲で作製された、ランダム(コポリエステル)コポリマーは、中程度の分子量であってさえ、室温より高いガラス転移温度を有し、硬い物品につながることに留意するべきである。
ラクトンモノマー又はヒドロキシ酸から作製した非ランダム(コポリエステル)コポリマーの例は、反応器にモノマーが逐次的に添加されるものの1つである。重合の第1の段階で、70モルのラクチドと30モルのε−カプロラクトンとを反応器へと添加し、この混合物を重合してもよく、それに続く「プレポリマー」の形成の後、モノマーのうちの1つの追加的な部分、又は第3のモノマーが追加される。次いで、様々な鎖に沿ったモノマーの連鎖分布が、意図的に制御される。
吸収性、生体吸収性、生体再吸収性、再吸収性、生分解性という用語は、本明細書では、交換可能に使用される。
プレポリマーは、非晶質であるが、本発明の最終的なコポリマーは、半結晶性である。モル基準で、L(−)−ラクチド/ε−カプロラクトン比で、プレポリマー組成物が45/55〜30/70の範囲であり、最終的な組成物が60/40〜75/25であるとき、本発明のコポリマーが半結晶性の性質で、ガラス転移温度が室温よりはるかに低いことを、意外にも発見した。かかるポリマーに対する1つの可能性のある用途は、新規の、強くて軟らかい繊維の製作である。
ポリ(ラクチド)は、高いガラス転移(Tが65℃)の、半結晶性ポリエステルである。この材料は、高弾性率を有し、したがって大変硬く、モノフィラメント外科縫合糸のためには一般に不適切である。加えて、この材料は、多くの重要な外科用途に対して十分に速く吸収されず、すなわち、生体内で長持ちしすぎる。しかしながら、ある特定のラクチドとε−カプロラクトンのコポリマーが、驚くべきことに、そして意外なことに、柔軟性及びより長期間の機械的な特性損失プロファイルの両方を要する用途のために特に有用であることが判明した。
例えば、72/28モル/モルポリ(ラクチド−コ−ε−カプロラクトン)コポリマー[72/28 Lac/Cap]は、逐次添加タイプの重合で、ラクチドとε−カプロラクトンの装填(45/55 Lac/Capモルパーセント)の第1段階の装填で開始し、続いてそれに続く第2段階のラクチド添加のみによって調製された。初期の総装填は、75/25モル/モルのラクチド/ε−カプロラクトンであった。モノマーからポリマーへの転化が不十分でしかも反応性に差があるため、最終(コ)ポリマー組成と供給組成とに差が生じることは珍しいことではない。コポリマーの最終組成物は、72/28モル/モルのラクチド/ε−カプロラクトンであることが分かった。この共重合の詳細については実施例2Aを参照のこと。
本発明は、ラクチドとε−カプロラクトンのコポリマーを目的とする。より具体的には、このクラスのコポリマーはラクチドを多く含み、ランダムではない、ブロック状の連鎖分布を有するように作製される。材料の大部分がラクチド系である、かかるラクチド/ε−カプロラクトンコポリマーでは、樹脂の形態は、長期用途で有用であるように最適化される必要がある。組成物は、ラクチドを豊富に有する必要があることが発見され、例えば、50パーセント以上の重合したラクチド含有量を有することを我々は発見した。
比較的狭い組成物範囲及び非ランダム連鎖分布を有する新規の生体吸収性ポリマーが、意外なことに発見され、これは、モノフィラメント繊維へと作製すると、十分軟らかく、良好な取扱い特性を有し、更に植え込み後の生体内で10〜12週間を超えて、十分有効な機械的完全性を有する縫合糸を産する。反応比の考慮に基づいて、それを超えることが期待されることになる、非ランダム連鎖分布を有するセグメント化した、60パーセントと75パーセントとの間のモル濃度を有する重合したラクチド、及び25パーセントと40パーセントとの間のモル濃度の重合したε−カプロラクトンを含む、ポリ(ラクチド−コ−ε−カプロラクトン)コポリマーは、本発明の実践に有用である。ラクチドが豊富な、このクラスのコポリマー、ポリ(ラクチド−コ−ε−カプロラクトン)ファミリーは、理想的には、約25〜約35モルパーセントの重合したε−カプロラクトンを含む。
具体的には、重合したラクチドが豊富な、約60モルパーセントより低い濃度の組込まれたラクチドを有する、ポリ(ラクチド−コ−ε−カプロラクトン)コポリマーは、結晶化し難いことから、本発明のコポリマーには不適切である。一方で、重合したラクチドが豊富な、約75モルパーセントより高い濃度の組込まれたラクチドを有する、ポリ(ラクチド−コ−ε−カプロラクトン)コポリマーは、高弾性及び吸収時間が長すぎるため、不適切である。
外科縫合糸を製造するのに使用される繊維の寸法安定性は、使用前の滅菌包装中と外科的植え込み後の患者体内の両者において収縮しないことが非常に重要である。低T材料の寸法安定性は、形成された物品を結晶化することによって達成することができる。コポリマーの結晶化現象に関し、多数の因子が重要な役割を果たす。これらの因子は、総合的な化学組成及び連鎖分布を含む。
全体的な結晶化度(及び材料のT)は寸法安定性に関与するが、結晶化度が達成される速度が処理にとって重要であるということに気付くことが重要である。より低Tgの材料を加工する場合であって、その結晶化速度が非常に遅い場合、収縮と反りが発生し易いので寸法許容差が非常に維持し難い。したがって、迅速な結晶化が有利である。手元のシステムに関し、所与の全体的な化学的組成物のコポリマーの結晶化速度を高めるために、ブロック構造がランダム連鎖分布より好ましいことを我々は発見した。しかしながら、驚くべきことに、かつ意外なことに、本発明者らは、実験的な困難及びエステル交換及び他の要因に起因する困難にもかかわらず、2つのラクトンモノマー、例えば、ラクチドとε−カプロラクトンとを用いてこれを達成することができた。
本発明によると、本発明の半結晶性コポリマーの組成上の連鎖が、以下のように概略的に図示され、
Figure 0006328604
コポリマーの約45〜70重量パーセントに相当する半結晶性ポリラクチドブロックと、重合したラクチドとε−カプロラクトンとに基づくほぼ非晶質のランダムプレポリマーから形成される中間ブロックとを有する。上の式で、Lはラクチドを示し、Cはε−カプロラクトンを示す。
本発明の新規コポリマーは、先ず、ラクチドとε−カプロラクトンモノマーとを約170℃と約240℃との間の温度で重合することによって調製される。約185℃と約195℃との間の温度が特に有利である。ドデカノールなどの単官能アルコールを反応開始のために使用することもあるが、ジエチレングリコールなどのジオールが良好に作用することが分かっている。従来の1官能性反応開始剤と、2官能性又は多官能性の反応開始剤との組み合わせもまた、結晶化速度並びに最終的な結晶化度レベルを含む形態生成などの更にいくつかの重要な特性の影響を与える手段として使用されてもよい。反応時間は触媒濃度に応じて変えてもよい。好適な触媒としては、オクタン酸スズ(stannous octoate)などの従来の触媒が挙げられる。十分に有効な量の触媒が利用される。触媒は、約10,000/1〜約300,000/1の範囲の全体的なモノマー/触媒濃度で、好ましくは25,000/1〜約100,000/1の濃度で使用されてもよい。この第1段階の重合(例えば、4〜6時間)の完了後、温度は、200℃より上(典型的には205〜210℃)に上げられる。一旦温度が、例えば205℃まで上げられると、ラクチドモノマーの残部を反応器に添加することができるが、これは、このモノマーを予め溶融して溶融形態で添加することによって簡便に行うことができる。一旦ラクチドモノマーの第2の部分が添加されると、温度は約190℃〜約200℃にされ、共重合を完了する(例えば、1〜2時間)。
本発明のコポリマーを生産するための様々な代替的な重合の方策及びパラメーターが可能であることが当業者には明らかであろう。例えば、好ましくはないが、重合のすべて又は一部を触媒の存在無しで行うことも可能である場合がある。
プレポリマーへのモノマーの供給の添加は、必ずしも純粋なラクチドが必要なわけではないことが理解されるであろう。プレポリマーに純粋なラクチドモノマーを添加する代わりに、プレポリマーに添加するモノマー供給を調節するために、最高約10モルパーセントの別のモノマーを使用してもよい。例えば、プレポリマーに添加されたモノマー供給は、少量のε−カプロラクトンを含んでもよく、モノマー供給は、例えば、90/10ラクチド/ε−カプロラクトンであってもよい。ε−カプロラクトンの「末端ブロック」への添加は、融点、結晶化速度、及び最終的なコポリマーの全体的な結晶化度を下げる。約10モルパーセントより多い添加は、特性を悪化させすぎてほとんどの用途で有用でなくなってしまう。本発明の半結晶性コポリマーのこの変異型の組成上の連鎖は、以下のように概略的に図示される。
LLCLLLLLLLLCLL−CLCLCCLCLCLCCCLCLCCLC−LLLLLLLCLLLLLL
ある特定の実施形態では、プレポリマーに添加するモノマー供給に、少量のグリコリドを添加することを望む場合がある。例えば、プレポリマーに添加されるモノマー供給は、最高約10モルパーセントのグリコリドを含んでもよく、モノマー供給は、例えば、90/10ラクチド/グリコリドである。グリコリドの「末端ブロック」への添加は、融点、結晶化速度、及び最終的なコポリマーの全体的な結晶化度を下げ、加えてコポリマーの吸収率を増加させる。ここでも、約10モルパーセントを超える添加は、特性を悪化させすぎてほとんどの用途で有用でなくなってしまう。本発明の半結晶性コポリマーのこの変異型の組成上の連鎖は、以下のように概略的に図示される。
LLLLLGLLLLLLLL−CLCLCCLCLCLCCCLCLCCLC−LLLLGLLLLLGLLL
上記の式で、Lはラクチドを示し、Cはε−カプロラクトンを示し、Gはグリコリドを示す。
ある特定の所望の特性を提供するために、第1の段階のプレポリマーモノマー供給組成物のわずかな修正を、調節することができ、すべてが本発明の範囲内であることも理解される。したがってp−ジオキサノン、トリエチレンカーボネート、又はグリコリドなどの他のラクトン類は、第1段階のラクチドとε−カプロラクトンの混合物に添加されてもよい。特性を調整するためにこの第1段階で添加される別のモノマーの量は、最高でおおよそ、又は約20モルパーセントである場合がある。例えば、第1段階のプレポリマーモノマー供給内で、少ない量のグリコリドをラクチドとε−カプロラクトンに添加することは、縫合糸の破壊強度保持プロファイルを低減し、これは、結晶化速度又は最終的なコポリマーの全体的な結晶化度に影響することなく生じる場合がある。本発明の半結晶性コポリマーのこの変異型の組成上の連鎖は、以下のように概略的に図示される。
LLLLLLLLLLLLLL−CLGLCCLCLCLCGCLCLCCGC−LLLLLLLLLLLLLL
重合の変化形は、「第2段階」モノマーのプレポリマーへの多重工程での添加の可能性を含む。あるいは、次いで、形成されたプレポリマーに、短期間にわたって(例えば、10分間)又は比較的長い期間にわたって(例えば、2時間)連続的な様式で、追加的なモノマーを添加する場合がある。
すべての触媒を重合の開始時に、すなわちプレポリマーの形成の開始時において添加するように記載しているが、触媒の一部分のみを重合のこの段階で添加し、残部を後で、今形成されたプレポリマーにモノマーを導入している間に添加してもよい。
十分効果的な量の、許容される染料及び顔料などの着色剤が、重合の任意の段階で添加されてもよいことを理解するべきである。かかる着色剤としては、D&C Violet No 2又はD&C Green No 6が挙げられる。
本発明は、ラクチドモノマーのL(−)異性体、L(−)−ラクチド、又はD(+)異性体、D(+)−ラクチドを使用して実施することができる。結果として得られる最終的なコポリマーを、寸法安定性を効果的に提供するために必要な程度まで十分に結晶化することを条件として、2つのモノマーの混合物が使用されてもよい。それゆえ、95パーセントL(−)−ラクチド及び5パーセントD(+)−ラクチドに相当する異性体ラクチドモノマーブレンドを使用してもよい。あるいは、L異性体とD異性体との50/50混合物[ラセミ混合物]を、プレポリマーを形成するための適当な濃度のε−カプロラクトンとの組み合わせで、しかしL(−)−ラクチド[又はD(+)−ラクチド]のみを使用して、形成されたプレポリマー内に導入されるように、モノマー供給で使用することができる。ように生産された本発明のコポリマーは、半結晶性の性質である。
本発明のコポリマーを作製するために、低温重合技法も使用してもよいことを理解するべきである。一例として、反応をある期間(例えば、3〜4時間)溶融反応温度に維持し、続いて反応生成物を好適な収納器内に排出し、それに続き低温度重合(例えば、120℃)のために効果的に共重合を完了するのに十分なだけ長期間維持する。モノマーからポリマーへの転化水準が高ければ、この別法の低温での仕上げ方法を利用できる場合がある。
ここでも、当業者は、本発明の新規のコポリマーを提供するために、様々な代替的な重合スキームを提供することができる。
本発明の新規のコポリマーは、半結晶性の性質であり、結晶化度レベルは約25%〜約50%の範囲である。その分子量は、その意図される機能を発揮するのに必要とされる機械特性を事実上有する医療用デバイスをそれらから形成できるほど十分に高い。メルトブロー不織布構造及びマイクロスフェア形成については、分子量は少し低い場合があり、従来の溶融押出繊維については、分子量が少し高い場合がある。典型的に、例えば、本発明のコポリマーの分子量は、ヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP、又はヘキサフルオロ−2−プロパノール)中、25℃において0.1g/dlの濃度で測定されたときに約0.5〜約2.5dL/gの固有粘度を示す程度である。
本発明の新規のコポリマーから作製される外科縫合糸は好ましくは、ヤング率が約2068.4MPa(300,000psi)未満のモノフィラメントである。モノフィラメント繊維が本発明の焦点とはいえ、本発明のコポリマーからマルチフィラメントヤーンを編むこともできることを理解するべきである。結果として得られるヤーンは、外科用編組縫合糸並びに外科用メッシュ構成物及び他の繊維系製品を提供するために使用することができる。外科用メッシュ製品は、本発明のポリマーから作製されたモノフィラメント繊維から製作することができる。かかるメッシュ製品がモノフィラメント繊維から構築されるとき、約1mmと約0.25mm(10mil)との間の繊維直径が特に有用であることが見出される。一実施形態では、熱処理されたコポリマーは、DSC(10℃/分の加熱速度)によって測定されるとき、約−5℃より低い第1の熱でガラス転移温度を有する。本発明の新規のコポリマーは、好ましくは、生体内で約12カ月と約24カ月との間の吸収時間を有する。
一実施形態では、本発明の共重合体で作製された医療用装置は、十分に有効な量の従来の有効成分を含んでもよく、又はかかる成分を含むコーティングを含んでもよく、かかる成分としては、抗菌剤、抗生物質、治療薬、止血薬、放射線不透過性材料、組織増殖因子、及びこれらの組み合わせなどが挙げられる。一実施形態では、抗菌剤は、トリクロサン、PHMB、銀及び銀誘導体、又は任意の他の生物活性剤である。
使用してもよい治療薬の種類は、数限りない。一般に、本発明の医療用デバイス及び組成物によって投与されてもよい治療薬としては、抗生物質及び抗ウイルス薬等の抗感染薬;鎮痛剤及び鎮痛剤配合剤;食欲抑制剤;駆虫薬;抗関節炎薬;抗ぜんそく薬;接着防止剤;抗痙攣剤;抗うつ薬;抗利尿薬;下痢止め剤;抗ヒスタミン剤;抗炎症剤;抗偏頭痛製剤;避妊薬;制吐薬;抗新生物薬;抗パーキンソン病薬;鎮痒薬;抗精神病薬;解熱薬、鎮痙薬;抗コリン作動薬;交感神経様作用薬;キサンチン誘導体;心血管用製剤(カルシウムチャネル遮断薬及びベータ遮断薬、例えばピンドロール、及び抗不整脈薬を含む);抗高血圧薬;利尿薬;血管拡張薬(一般的な冠状動脈、末梢、及び脳を含む);中枢神経系刺激薬;咳及び感冒用製剤(うっ血除去薬を含む);エストラジオール及び他のステロイド(コルコチステロイドを含む)等のホルモン;催眠剤;免疫抑制薬;筋弛緩薬;副交感神経遮断薬;精神刺激薬;鎮静薬;精神安定剤;天然由来かまたは遺伝子操作されたタンパク質、多糖類、糖タンパク質、若しくはリポタンパク質;オリゴヌクレオチド、抗体、抗原、コリン作用薬、化学療法薬、止血薬、血栓溶解薬、放射性医薬品、並びに膀胱静止剤等が挙げられるが、これらに限定されない。治療的に有効な用量は、生体外又は生体内方法によって決定されてもよい。それぞれの特定の添加剤又は有効成分については、要求される最適な投与量を判定するために個々に決定することができる。所望の結果を得るための効果的な用量濃度の決定は、当業者の範囲内である。添加剤又は有効成分の放出速度はまた、治療すべき治療状態に応じて、有利なプロファイルを決定するために当業者の範囲内で異なる場合がある。
本発明のコポリマーは、様々な常套法によって溶融押出成形されてもよい。モノフィラメント繊維の形成は、溶融押出した後、成形品をアニール処理しながら又はアニール処理せずに延伸させることによって達成できる。マルチフィラメント繊維の形成は、常套法で実行できる。モノフィラメント及びマルチフィラメント編組縫合糸の製造方法については、「Segmented Copolymers of epsilon−Caprolactone and Glycolide」という名称の米国特許第5,133,739号、及び「Braided Suture with Improved Knot Strength and Process to Produce Same」という名称の米国特許第6,712,838号に開示されており、これら特許文献の全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
本発明のコポリマーは、従来のプロセスを用いて従来の医療用デバイス、更には縫合糸を製造するのに使用してもよい。例えば、鋳型中でコポリマーを結晶化させてから射出成型を達成してもよく、別法としては、生体適合性の核形成剤をコポリマーに添加してサイクル時間を短縮してもよい。本発明のコポリマーは、著しい破壊、割れ、分離、又は他の形態の破損を被ることなく変形可能とすることによって部分的に機能する医療用デバイスを製造するために使用されてもよい。変形可能とすることによって部分的に機能する医療用デバイスとしては、蝶番を有するもの、又は実質的に曲がるように求められるものが挙げられる。医療用デバイスとしては、ステープル、鋲、クリップ、縫合糸、かえり付きの縫合糸、組織定着デバイス、メッシュ定着デバイス、吻合デバイス、縫合糸及び骨アンカー、組織及び骨ネジ、骨プレート、プロステーシス、支持構造体、組織増強デバイス、組織結紮デバイス、パッチ、基板、メッシュ、組織工学スカフォールド、薬物送達デバイス、並びにステント、等々を含む従来の医療用デバイス、特に植え込み可能な医療用デバイス、が挙げられる(しかしこれに限定されない)。
本発明のコポリマーは、従来のメルトブロー不織布技法を用いて布地を作製するために使用されてもよいことを理解するべきである。加えて、本発明のコポリマーの一般的な有機溶媒中での予想される良好な溶解性に起因して、有用な医療用デバイスは、静電紡績布技法によって作製することができる。同様に、本発明のコポリマーは、マイクロカプセル及びマイクロスフェアを製作するために使用されてもよく、これらは患者に送達するために治療薬を収容するように作製される場合がある。
本発明のコポリマーから製造される縫合糸は、組織を接合するか又は組織を医療用デバイスに付着させるために従来の外科手順で使用されてもよい。典型的には、従来の外科用縫合針は、縫合糸の一方又は両方の端部に取り付けられる。典型的には、外皮を抗菌溶液で消毒して患者に麻酔をかけることを包含する常套の状況で患者の手術の用意をした後、外科医が必要な切開を行い、そして必要な手順を進めた後、本発明の新規コポリマーから製造された本発明の長期吸収性縫合糸(具体的には、モノフィラメント縫合糸)を用いて、常套の縫合技法及びそれと同等のものを使用して組織を接合する。組織の接合に加えて、縫合糸を用いて、植え込まれた医療用装置を組織に常套法で固着させてもよい。縫合糸は、血管閉塞、血管吻合、動脈管閉鎖、組織及び器官支持、医療用デバイス付着、等々を含む、他の従来の手技のために利用されてもよい。切開の後は、接合であり、そして手技は完了し、次いで患者は回復区域に移動される。植え込み後に患者体内にある本発明の長期吸収性縫合糸は、その強度を生体内で、有効な治療及び回復を与えるのに必要な時間の間、十分に保持する。
下記の実施例は本発明の主旨及び実践の説明のためであり、これらに限定されるものではない。
(実施例1)
セグメント化したブロックコポリマーポリ(L(−)−ラクチド−コ−ε−カプロラクトン)の64/36(モルによる)における合成[70/30 Lac/Capの初期供給装填]
従来の7.6L(2ガロン)の撹拌機付きステンレス鋼製オイルジャケット付き反応器を使用して、1,520グラムのε−カプロラクトンと、1,571グラムのL(−)−ラクチドとを、3.37グラムのジエチレングリコール、と2.34mLのオクタン酸スズ(stannous octoate)の0.33Mトルエン溶液26.2mLと共に加えた。初期投入後、回転数10RPMにおいて下向きに撹拌しながらパージサイクルを開始した。反応器を、0.02kPa(150mTorr)未満の圧力まで真空排気し、続いて、窒素ガスを導入した。そのサイクルをもう一度繰り返して、乾燥雰囲気を確保した。最後の窒素パージ終了時に、その圧力を、1気圧を少し上回るように調節した。撹拌機の回転数は、下向きに、7RPMまで低下させた。油温制御器を190℃に設定して、容器を加熱した。バッチ温度が110℃に達したとき、撹拌機の回転を上向きに切り替えた。反応を、油温が190℃に達した時点から4.5時間続けた。
重合の第1段階部分が完了した後、ごく少量の樹脂が解析の目的で排出され、選択された特性評価が実施された。プレポリマーの化学的組成は、NMRによって測定されたとき、45モルパーセントが重合したラクチドであり、55モルパーセントが重合したカプロラクトンであり、約2パーセントが残留の未反応モノマーであった。DSCデータは、プレポリマーが完全に非晶質であり、熱処理の後でさえも、結晶化がまったく進んでいなかったことを明らかにした。ガラス転移温度は、−17℃(氷点下17℃)であることが測定された。
重合の第2段階部分では、加熱油温制御器の設定点が、205℃に上げられ、2,909グラムの溶融L(−)−ラクチドモノマーが溶融タンクから添加され、撹拌機を、速度12.5RPMで下向きに15分間用いた。撹拌機の速度を下向きに7.5RPMまで低下させた。次いで、油温制御器を、200℃に低下し、反応は、排出する前に更に2.5時間続けられた。
最終反応時間の終了時に、撹拌機の速度を下向きに2RPMまで低下させて、ポリマーを容器から好適な収納器へ排出させた。冷却の際、ポリマーを収納器から取り出して、約−20℃に設定された冷凍庫に最低24時間入れた。次いで、ポリマーを冷凍庫から取り出して、ポリマー顆粒のサイズを約0.5cm(約3/16インチ)まで小さくするために、サイジングスクリーンを装備したCumberland造粒機に入れた。顆粒をふるいにかけてあらゆる「微粒子」を取り除き、そして秤量した。粉砕してふるいにかけたポリマーの正味重量は5.065kgであり、次いで粉砕したポリマーを、残留モノマーを除去するために0.08立方メートル(3立方フィート)のPatterson−Kelley回転式乾燥機に入れた。
Patterson−Kelley回転式乾燥機は閉鎖され、そして圧力が0.03kPa(200mTorr)未満まで下げられた。圧力が0.03kPa(200mTorr)未満になったら、乾燥機の回転を開始し、回転数は10RPMで加熱せずに18時間作動させた。18時間後、オイルジャケット温度を55℃に設定し、この温度で4時間乾燥した。油温を再度上げ、今度は65℃とし、この期間が2時間続いた。2つの追加的な加熱期間が採用され、これらは85℃で12時間と、110℃で3時間とであった。最終的な加熱期間の終了時に、バッチを、回転及び真空を維持しながら4時間冷却した。窒素で容器を加圧することによって、ポリマーを乾燥機から取り出し、放出弁を開口し、ポリマー顆粒を長期保管用の待機容器に降下させた。
長期保管容器は、樹脂が真空下で保管されるように、気密され、排気を可能にする弁が取り付けられた。乾燥した樹脂は、0.10g/dLの濃度のヘキサフルオロイソプロパノール中で25℃で測定したとき1.27dL/gの固有粘度を示した。ゲル透過クロマトグラフィー解析は、重量平均分子量が約60,000ダルトンであることを示した。核磁気共鳴分析法により、樹脂は、64モル%の重合したL(−)−ラクチドと、36モル%の重合したε−カプロラクトンを、約1.6%の残留モノマー含量と共に含むことが確かめられた。乾燥した樹脂のガラス転移温度Tは−17℃、融点は160℃、そして融解熱ΔHは、第1の熱スキャン及び10℃/分の加熱速度を使用して示差走査熱量測定によって測定した場合、26J/gであった。広角X線回折(WAXD)解析は、乾燥樹脂が34パーセントの結晶化度を含んでいることを明らかにした。
(実施例2A)
セグメント化したブロックコポリマーポリ(L(−)−ラクチド−コ−ε−カプロラクトン)の72/28(モルによる)における合成[75/25 Lac/Capの初期供給装填]
従来の37.9L(10ガロン)の撹拌機付きステンレス鋼製オイルジャケット付き反応器を使用して、5,221グラムのε−カプロラクトンと、5,394グラムのL(−)−ラクチドとを、13.36グラムのジエチレングリコール、と9.64mLのオクタン酸スズ(stannous octoate)の0.33Mトルエン溶液9.64mLと共に加えた。初期投入後、回転数10RPMにおいて下向きに撹拌しながらパージサイクルを開始した。反応器を、0.02kPa(150mTorr)未満の圧力まで真空排気し、続いて、窒素ガスを導入した。そのサイクルをもう一度繰り返して、乾燥雰囲気を確保した。最後の窒素パージ終了時に、その圧力を、1気圧を少し上回るように調節した。撹拌機の回転数は、下向きに、7RPMまで低下させた。油温制御器を190℃に設定して、容器を加熱した。バッチ温度が110℃に達したとき、撹拌機の回転が上向きに切り換えられた。反応は、油温が190℃に達した時点から6時間続けられた。
重合の第1段階部分が完了した後、ごく少量の樹脂が解析の目的で排出され、選択された特性評価が実施された。プレポリマーの化学的組成は、実施例1と同一であり、NMRによって測定した場合、45/55 Lac/Capモルパーセント、及び残留モノマーは約2パーセントであった。
DSCデータは、プレポリマーが完全に非晶質であり、熱処理の後でさえも、結晶化がまったく進んでいなかったことを明らかにした。ガラス転移温度は、ここでも−17℃(氷点下17℃)であることが測定された。
第2の段階では、油温制御器の設定点を205℃に上げて、14,384グラムの溶融L(−)−ラクチドモノマーを溶融タンクから添加し、撹拌機の速度を下向きに12.5RPMとして15分間撹拌した。次いで、撹拌機の速度を下向きに7.5RPMまで低下させた。次いで、油温制御器を、190℃に低下し、反応は、排出する前に更に3時間続けられた。最終反応時間の終了時に、撹拌機の速度を下向きに2RPMまで低下させて、ポリマーを前記器から好適な収納器の中に放出させた。
樹脂は、2つの部分に分けられた。分けた樹脂の少ない方の部分は、実施例2Bに記載するように処理された。コポリマーの主要部分である13,930グラムは、次の加熱/乾燥処理を用いて実施例1に記載したのと同じ粉砕、ふるい分け、及び乾燥工程を受けた。すなわち、それぞれ、25℃で12時間、55℃で4時間、75℃で4時間、そして110℃で12時間であった。
乾燥した樹脂は、0.10g/dLの濃度のヘキサフルオロイソプロパノール中で25℃で測定したとき1.52dL/gの固有粘度を示した。ゲル透過クロマトグラフィー分析は、約79,000ダルトンの重量平均分子量を示した。核磁気共鳴分析法により、樹脂が、72モル%の重合したL(−)−ラクチドと、28モル%の重合したε−カプロラクトンを、約1.5%の残留モノマー含量と共に含むことが確かめられた。乾燥した樹脂のガラス転移温度Tは−8℃、融点は169℃、そして融解熱ΔHは、第1の熱スキャン手順及び10℃/分の加熱速度を使用して示差走査熱量測定によって測定した場合、33J/gだった。広角X線回折(WAXD)解析は、乾燥樹脂が43パーセントの結晶化度を含んでいることを明らかにした。
(実施例2B)
セグメント化したブロックコポリマーポリ(L(−)−ラクチド−コ−ε−カプロラクトン)の74/26(モルによる)における合成[75/25 Lac/Capの初期供給装填、固体状態重合最終処置]
上記実施例2Aで生産され、記載された、排出された樹脂の少ない方の部分である6,900グラムは、窒素パージされた炉内に置かれ、120℃で72時間加熱された。この固体状態重合工程は、モノマー転化を更に増加するために実施された。固体状態重合処置の後、樹脂は、実施例1及び2Aの初めの方に記載されているのと同一の手順を使用して、粉砕され、ふるい分けされ、そして乾燥された。
乾燥した樹脂は、0.10g/dLの濃度のヘキサフルオロイソプロパノール中で25℃で測定したとき1.58dL/gの固有粘度を示した。ゲル透過クロマトグラフィー分析は、約83,000ダルトンの重量平均分子量を示した。核磁気共鳴分析法により、樹脂は、74モル%の重合したL(−)−ラクチドと、26モル%の重合したε−カプロラクトンを、約1.0%の残留モノマー含量と共に含むことが確かめられた。乾燥した樹脂のガラス転移温度Tは−8℃、融点は168℃、そして融解熱ΔHは、第1の熱データ及び10℃/分の加熱速度を使用して示差走査熱量測定によって測定した場合、39J/gだった。広角X線回折(WAXD)解析は、乾燥樹脂が43パーセントの結晶化度を含んでいることを明らかにした。
(実施例3A)
セグメント化したブロックコポリマーポリ(L(−)−ラクチド−コ−ε−カプロラクトン)の74/26(モルによる)における合成[75/25 Lac/Capの初期供給装填]
従来の37.9L(10ガロン)の撹拌機付きステンレス鋼製オイルジャケット付き反応器を使用して、5,221グラムのε−カプロラクトンと、2,826グラムのL(−)−ラクチドとを、9.65グラムのジエチレングリコール、と9.64mLのオクタン酸スズ(stannous octoate)の0.33Mトルエン溶液9.64mLと共に加えた。反応器の条件は、第1段階での反応が油温が190℃に到達した時点から4時間続くことを除いて、実施例2Aと同一であった。
第1重合段階が完了した後、ごく少量の樹脂が解析の目的で排出され、選択された特性評価が実施された。プレポリマーの化学的組成は、NMRによって測定した場合、この場合30/70 Lac/Capモルパーセントであり、残留モノマーが約3パーセントだった。DSCデータは、プレポリマーが完全に非晶質であり、熱処理の後でさえも結晶化がまったく進んでいなかったことを明らかにした。ガラス転移温度は、実施例1及び2Aより低いことが見出され、−39℃(氷点下39℃)であり、より高いε−カプロラクトン含有量が第1段階で存在することに起因する可能性が最も高い。
第2段階では、油温制御器の設定点を205℃に上げて、16,953グラムの溶融L(−)−ラクチドモノマーを溶融タンクから添加した。次いで、油温制御器を、200℃に低下し、反応は、排出する前に更に3時間続けられた。
コポリマーの主要部分である13,870グラムは、次の加熱/乾燥処理を用いて実施例1に記載したのと同じ粉砕、ふるい分け、及び乾燥工程を受けた。すなわち、それぞれ、25℃で12時間、55℃で4時間、75℃で4時間、そして110℃で12時間であった(実施例2Aと同一の条件)。
乾燥した樹脂は、0.10g/dLの濃度のヘキサフルオロイソプロパノール中で25℃で測定したとき1.63dL/gの固有粘度を示した。ゲル透過クロマトグラフィー分析は、約90,000ダルトンの重量平均分子量を示した。核磁気共鳴分析法により、樹脂は、74モル%の重合したL(−)−ラクチドと、26モル%の重合したε−カプロラクトンを、約1.5%の残留モノマー含量と共に含むことが確かめられた。乾燥した樹脂のガラス転移温度Tは−34℃、融点は170℃、そして融解熱ΔHは、第1の熱データ及び10℃/分の加熱速度を使用して示差走査熱量測定によって測定した場合、35J/gであった。広角X線回折(WAXD)解析は、乾燥樹脂が45パーセントの結晶化度を含んでいることを明らかにした。
(実施例3B)
セグメント化したブロックコポリマーポリ(L(−)−ラクチド−コ−ε−カプロラクトン)の76/24(モルによる)における合成[75/25 Lac/Capの初期供給装填、固体状態重合最終処置]
実施例3Aで生産され、記載された、排出された樹脂の少ない方の部分である8,500グラムは、窒素パージされた炉内に置かれ、固体状態の様式で120℃で72時間加熱された。この工程は、モノマー転化を更に増加するために実施された。固体状態重合処置の後、樹脂は、実施例の初めの方に記載されている同一の手順を使用して、粉砕され、ふるい分けされ、そして乾燥された。
乾燥した樹脂は、0.10g/dLの濃度のヘキサフルオロイソプロパノール中で25℃で測定したとき1.70dL/gの固有粘度を示した。ゲル透過クロマトグラフィー分析は、約91,000ダルトンの重量平均分子量を示した。核磁気共鳴分析法により、樹脂は、76モル%の重合したL(−)−ラクチドと、24モル%の重合したε−カプロラクトンを、約1.0%の残留モノマー含量と共に含むことが確かめられた。乾燥した樹脂のガラス転移温度Tは−34℃、融点は170℃、そして融解熱ΔHは、第1の熱データ及び10℃/分の加熱速度を使用して示差走査熱量測定によって測定した場合、49J/gであった。広角X線回折(WAXD)解析は、乾燥樹脂が50パーセントの結晶化度を含んでいることを明らかにした。
(実施例4)
本発明のコポリマーの選択された特性
a)示差走査熱量測定(DSC)及びメルトインデックス(MI)特性
DSC測定は、自動サンプラーを装備した、TA Instruments(米国デラウエア州New Castle)からのモデルQ20−3290カロリメーターを使用して実施された。個々の実験で、実施例1、2A、2B、3A、及び3Bに記載された乾燥した、熱処理されたコポリマー樹脂がDSCパンの中に置かれ、−60℃より低い温度まで急冷され、そして10℃/分の一定の加熱速度で加熱され、それらの熱量測定特性(第1の熱特性)を決定し、これらには、ガラス転移温度T、融点Tおよび融解熱ΔHが含まれた。第2の熱測定から(樹脂は200℃で溶融され、次いで−60℃より低い温度まで急冷された)、以前の熱処理の履歴とは独立であるT、T、T(結晶化温度)、及びΔHの値を得た。
熱量測定及びメルトインデックス測定を使用して得られたデータを表1に記載する。
Figure 0006328604
表1の結果は、実施例1の樹脂が他の実施例より低い全体的な結晶化度レベル(より低いΔH値)及び低い融点を呈することを示した。これは、このコポリマー内に存在する重合したε−カプロラクトンの含有量が、他の樹脂と比較してより高い(36モルパーセント)ためである可能性が最も高い。先に述べたように、実施例1の樹脂は、より低い重量平均分子量及びIVも有する。構造中の重合したラクチド濃度の増大により(実施例2A〜2B、3A〜3B)、結晶化度のレベルが上昇し(ΔH値がより高い)、加えて融点の値も上昇する。すべての場合に、第1の加熱スキャン後に単一のTのみが観察されていることに留意することが、大変重要である。T値はすべて室温よりはるかに低く、−8°〜−34℃の範囲であり、T値が低いことは、これらの材料から作り出された医療用デバイスの軟らかさの向上に貢献し得る。
メルトインデックス(MI)が、樹脂の融解粘度の測定値として使用される。本発明の乾燥樹脂でのMIの実験が、Tinius Olsen(米国ペンシルバニア州Willow Grove)のExtrusion Plastometerを使用して、175℃で、公称重量2,060gで実施された。MI測定で使用されたダイは、直径約0.06cm(約0.023インチ)で長さ0.8cm(0.315インチ)のキャピラリーを有した。MIデータ(表1の第2列)は、実施例1に対して最低の融解粘度を示し、実施例3A及び3Bに対して最高の融解粘度を示し、これは前述の分子量及びIVデータと一致する。
潜在的な繊維特性の予備情報を得るために、本発明のコポリマーがメルトインデックス装置(215℃で)を通して押し出され、非配向の繊維部品が収集され、次いで、繊維が完全に伸びきるまで、手動で高温又は低温延伸プロセスを施した。延伸された繊維片は、取扱の目的のためにのみ試験された。本発明のすべての樹脂から得た繊維(実施例1〜3B)は、モノフィラメントを作製するのに適した良好な柔軟性及び軟らかさを示すことが見出された。
b)DSCによる等温結晶化動力学
結晶化特性が評価された。本発明のポリマーの等温結晶化動力学が、示差走査熱量測定技法を使用して実施された。実施例1、2A、2B、3A、及び3Bに記載した、乾燥した、熱処理したコポリマー樹脂が、DSCパン内に置かれ、200℃で2分間で完全に溶融され、サンプル中に存在するあらゆる核生成部位が除去された。引き続いて、試験された材料は、所望の結晶化温度まで急速に冷却/急冷された(速度は−65℃/分)。等温方法は、サンプルが試験温度に達するまで結晶化が生じないと仮定され、得られたデータは、この仮定を裏付けた。5つのサンプルの結晶化挙動は、40℃と130℃との間の幅広い温度範囲にわたって特徴付けられた。等温結晶化動力学(一定温度における)は、時間の関数としての熱流の変化として監視された。等温熱流量曲線が結晶化度パラメーターを決定するために積分された。あらゆる偏見を避けるために、等温DSC実験が無作為的な順番で行われたことに留意する価値がある。
経時的な結晶部分の生成は、結晶化の程度αで評価することができ、これは比αで表現され、
Figure 0006328604
式中、dQ/dtは、それぞれの熱流量であり、dHは、DSC曲線と時間tにおける時間軸との間の部分面積であり、dHは、ピークの下の総面積で、結晶化の全体的な熱に対応する。したがって、結晶化の程度、αは、時間tにおいて生成された結晶体積分率である。
熱流量/時間曲線の積分を実施した後、結晶化半減時間、t1/2を決定することができる。結晶化半減時間は、等温実験の間に生成される総量の50パーセント結晶化度に達するために必要とされる時間である。結晶化動力学を表現するために、相互の結晶化半減時間は、結晶化温度の関数として提示された。これらのデータが、実施例1及び3Aの樹脂に対して図1に示される。樹脂2A、2B、及び3Bも、試験され、2Aと2Bとの両方のサンプルは、実施例1と良く似た傾向を示す。樹脂3A、3Bは、ほとんど同じ挙動を示した。いくつかの重要な点を、図1のデータから導き出すことができる。最初に、すべての調べた樹脂は、特に同一組成物のランダムコポリマーと比較すると、幅広い温度範囲にわたって迅速な結晶化速度を示した。調べた樹脂の中で最も迅速な動力学は、約95℃で観察された。
興味深いことに、実施例1のプロットは、普通と違ってより低い結晶化温度(約65℃)において第2の最大値を示し、実施例2A及び2Bの樹脂も、同様に、第2の最大値を同じ温度で示した。この情報は、例えば、引抜工程の間の結晶化効率を高めるように押し出しの条件を最適化するために、有用である場合がある。一方で、サンプル3Aそして3Bは、このより低い温度での最大値を呈さず、ここでは、実施例1のものと同様な結晶化速度を有する通常の釣鐘型の曲線がみられるのみであった。3A及び3B樹脂に対して、図1のより低い温度の最大値が無いことは、これらのコポリマーに対して表1で前に報告したように、より高い第2の熱T値に起因する可能性がある。
c)加水分解プロファイルデータ−ポリ(p−ジオキサノン)との比較
生体外方法によって本発明の樹脂の吸収性を評価した。方法は、合成吸収性ポリエステルが生体内で分解する時間を見積もるために好適であることが見出された。本質的に、試験される物品は、所与の試験温度及び一定のpHで加水分解に供される。pHスタット技術を使用して、週塩基の溶液が水性環境で試験物品に添加され、添加される塩基の量が、時間の関数として記録される。生体内での吸収時間が生成された生体外データと比較され、当初は、モデル化合物及びいくつもの市販の吸収性製品と比較されて、相関曲線が確立された。
生体外吸収時間は、自動化滴定ユニット(米国ニューヨーク州、718 Stat Titrino、Brinkmann、Westbury)によって、70℃で、一定のpH(7.3)で70mLの脱イオン(DI)水中で、0.05NのNaOHを塩基として使用して測定された。材料の重量は、約100mgであった。すべてのポリマーサンプルは、粒状の形状で、それぞれの樹脂に付き類似の形状及び寸法の6片が選択された。
加水分解データは、すべての試験された材料が試験条件下で加水分解され、本発明のコポリマーの消失の割合が、対照サンプルのポリ(p−ジオキサノン)ホモポリマーより遅かったことを示した。加水分解の結果を、加水分解半減時間の形で表2に示す。加水分解半減時間は、本来存在しているエステル基の半分を加水分解するのに必要な時間として定義されている。より短い時間は、より迅速な加水分解を示唆し、逆もまた同様である。
Figure 0006328604
表2から、本発明の実施例(1、2A、及び3A)のコポリマーがすべて、より低いレベルの結晶化度を呈したという事実にもかかわらず、ポリ(p−ジオキサノン)ホモポリマーの対照よりも遅い加水分解速度を呈したことが明白である。
(実施例6)
セグメント化したポリ(L(−)−ラクチド−コ−ε−カプロラクトン)セグメント化したブロックコポリマーの平均鎖連鎖長さ(ACSL)の測定
実施例1、2A、2B、3A及び3Bに記載したコポリマーは、13C NMR解析(UNITYplus、Varian 400MHz NMR system)を受け、実験的に、カプロイル及びラクチジルブロック(それぞれ、ACSLCap、及びACSLLL)に対する平均鎖連鎖長さ、ACSLを測定した。使用されるピーク割当て及び方法解析は、同様のコポリマーのクラスについて以前に報告されている研究に基づいた(Z.Wei et al./Polymer 50(2009)1423〜1429)。表3に一覧表示されているのは、それぞれ実施例1、2A、2B、3A、及び3Bの最終的なコポリマー、加えていくつかの比較のための先行技術コポリマーに対する、最終的な組成(重合したラクチド/ε−カプロラクトンモル比)、ACSLLL値及びACSLCap値、重合したラクチドとε−カプロラクトンに対するランダム係数、RFLL及びRFCapである。比較コポリマーXは、Weiらが2009年に報告した(Z.Wei et al./Polymer 50(2009)1423〜1429)、融解調製されたランダムコポリマーであり、比較コポリマーYは、Vanhoorneらが1992年に報告した(Vanhoorne、et al./Macromolecules 25(1992)37〜44溶液調製されたランダムコポリマーであり、そして比較コポリマーZは、Baimarkらが2005年に報告した(Journal of Materials Science:Materials In Medicine 16(2005)699〜707)融解調製されたブロックコポリマーである。
Figure 0006328604
表3のデータは、本発明の実施例1、2A、2B、3A、及び3Bについてのデータを示し、カプロイル及びラクチジルブロック(それぞれACSLCap及びACSLLL)に対する平均鎖連鎖長さ、ACSLは、類似の組成物の比較ポリマーに対して、比較的長い。図2には、様々な3員、4員、及び5員連鎖の組み合わせのモル基準の相対的な比を示し、具体的には、CCC、LLCC、CCLL、LLCLL、LLLLC、CLLC、CLLLL、及びLLLLLである。特に重要な連鎖の組み合わせは、コポリマー中の結晶化可能なラクチドの相対量を反映するので5員LLLLLであり、結果として結晶化可能性が上昇し、その結果それから形成される物品の寸法安定性が上昇する。
本発明の実施例のラクチジルブロック(RFLL)のためのランダム性因子は、表3に示すように、特に大きくなる。高いランダム性因子パラメーターを有することは、比較例よりも本発明のサンプルの方がラクチド連鎖のブロック性がずっと高いことを示す。本発明のコポリマーが高水準のブロック性を有する結果、結晶化速度が高められ、かつ最終的な結晶化度レベルが高められ、より良好な繊維特性につながる。
本発明の新規の生体吸収性コポリマーは、従来の手段を使用して、医療用途に適したモノフィラメント繊維へと溶融押し出しすることができ、これらの用途としては、モノフィラメント外科縫合糸及び外科用メッシュの製造が挙げられる。本発明の新規の生体吸収性コポリマーは、従来の手段を使用して、医療用途に適したマルチフィラメント繊維へと溶融押し出しすることができ、これらの用途としては、編組外科縫合糸及び外科用メッシュの製造が挙げられる。
本発明の新規の生体吸収性コポリマー、及びかかるコポリマーから作製した新規の医療用デバイスは、多数の利点を有すると考えられ、かつ予想される。利点としては、以下のもの、すなわち、結果として得られる繊維の柔軟性、破壊強度保持プロファイルの拡張、組織反応の低い、組織貫通値の低い、及び組織の引っ張りの少ない)軟らかいモノフィラメントへと作製する能力、良好な成形性、及び成形されたデバイスの寸法安定性が挙げられるが、これに限定されない。コポリマーは、モノフィラメント構造だけでなく編組構造も有する、優れた特性の長期吸収性縫合糸が容易に作製することができる。
以上、本発明をその詳細な実施形態について図示及び説明したが、当業者であれば、特許請求される発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく本発明の形態及び詳細に様々な変更を行いうる点は理解されるであろう。
〔実施の態様〕
(1) 半結晶性生体吸収性セグメント化コポリマーであって、重合したラクチドと重合したε−カプロラクトンとの繰返しユニットを含み、重合したラクチドの重合したε−カプロラクトンに対するモル比は、約60:40と75:25との間であり、前記コポリマーは、示差走査熱量測定によって10℃/分の走査速度で測定されるとき、0℃以下の第1の熱Tを有し、広角X線回折によって測定されるとき、結晶化度レベルが約25〜約50パーセントである、生体吸収性セグメント化コポリマー。
(2) HFIPの0.1g/dL溶液内で25℃で測定するとき固有粘度が少なくとも約0.5dL/gである、実施態様1に記載の生体吸収性セグメント化コポリマー。
(3) 前記コポリマーの第1の熱Tgが、約−5℃より低い、実施態様1に記載の半結晶性セグメント化コポリマー。
(4) 前記コポリマー内の重合したラクチドのランダム性因子が約1.8以上である、実施態様1に記載の半結晶性セグメント化コポリマー。
(5) 前記コポリマー内の重合したε−カプロラクトンのランダム性因子が1.6以上である、実施態様4に記載の半結晶性セグメント化コポリマー。
(6) 実施態様1に記載のコポリマーを含む、縫合糸。
(7) モノフィラメント繊維を含む、実施態様6に記載の縫合糸。
(8) 約2413.2MPa(350,000psi)未満のヤング率を有する、実施態様7に記載のモノフィラメント繊維。
(9) 植え込み後約3カ月間機械的強度を保持する、実施態様6に記載の縫合糸。
(10) 植え込み後約3カ月間機械的強度を保持する、実施態様7に記載の縫合糸。
(11) 植え込み後約6カ月間機械的強度を保持する、実施態様6に記載の縫合糸。
(12) 植え込み後約6カ月間機械的強度を保持する、実施態様7に記載の縫合糸。
(13) 植え込み後約9カ月間機械的強度を保持する、実施態様6に記載の縫合糸。
(14) 植え込み後約9カ月間機械的強度を保持する、実施態様7に記載の縫合糸。
(15) 構造A−B−Aの生体再吸収性コポリマーであって、端部セグメントAが、重合したラクチドブロックを含み、前記中間セグメントBが、重合したラクチド−コ−ε−カプロラクトンブロックを含み、前記中間セグメントBが、前記コポリマーの約25重量パーセント〜約60重量パーセントに相当する、生体再吸収性コポリマー。
(16) 前記コポリマー内の前記重合したラクチドの重合したε−カプロラクトンに対するモル比が、約60:40と約75:25との間である、実施態様15に記載の生体再吸収性コポリマー。
(17) 前記Aブロックが、実質的に半結晶性であり、かつ前記Bブロックが、実質的に非晶質である、実施態様15に記載の生体再吸収性コポリマー。
(18) 前記Aブロックが、最高約10モルパーセントのε−カプロラクトンを含む、実施態様15に記載の生体再吸収性コポリマー。
(19) 前記Aブロックが、最高約10モルパーセントのグリコリドを含む、実施態様15に記載の生体再吸収性コポリマー。
(20) 前記Aブロックが、最高約10モルパーセントのグリコリドと、最高約10モルパーセントのε−カプロラクトンと、を含む、実施態様15に記載の生体再吸収性コポリマー。
(21) 前記Bブロックが、最高約10モルパーセントのグリコリドを含む、実施態様15に記載の生体再吸収性コポリマー。
(22) 前記Aブロックが、前記コポリマーの約40重量パーセント〜約75重量パーセントに相当する重合したラクチドである、実施態様15に記載の生体再吸収性コポリマー。
(23) 生体吸収性半結晶性セグメント化コポリマーであって、
(a)重合するラクチドモノマーと、ε−カプロラクトンモノマーとから、反応開始剤の存在下で形成されるプレポリマーであって、前記プレポリマー内のラクチドのε−カプロラクトンに対するモル比が、約45:55と約30:70との間である、プレポリマーと、
(b)ラクチドモノマーと、の反応生成物を含む、生体吸収性半結晶性セグメント化コポリマー。
(24) 前記プレポリマーが、前記反応開始剤に加えて、好適な量の触媒の存在下で形成される、実施態様23に記載のコポリマー。
(25) 前記プレポリマーが、実質的に非晶質である、実施態様23に記載の生体吸収性半結晶性セグメント化コポリマー。
(26) HFIPの0.1g/dL溶液中で25℃で測定するとき、前記プレポリマーの前記固有粘度が、約0.5dL/gと約1.5dL/gとの間である、実施態様23に記載の生体吸収性半結晶性セグメント化コポリマー。
(27) 前記プレポリマーが、実質的に非晶質であり、HFIPの0.1g/dL溶液中で25℃で測定するとき、前記プレポリマーの前記固有粘度が、約0.5dL/gと約1.5dL/gとの間である、実施態様23に記載の生体吸収性半結晶性セグメント化コポリマー。
(28) HFIPの0.1g/dL溶液中で25℃で測定するとき、前記ポリマーの前記固有粘度が、約0.6dL/gと約2.5dL/gとの間である、実施態様23に記載の生体吸収性半結晶性セグメント化コポリマー。
(29) 前記反応開始剤が、二官能性である、実施態様23に記載の生体吸収性半結晶性セグメント化コポリマー。
(30) 前記二官能性反応開始剤が、ジオールである、実施態様23に記載の生体吸収性半結晶性セグメント化コポリマー。
(31) 前記プレポリマーが、前記最終的なコポリマーの約25重量%〜約60重量%の量で存在する、実施態様23に記載のコポリマー。
(32) 生体吸収性繊維であって、
半結晶性吸収性セグメント化コポリマーであって、重合したラクチドと重合したε−カプロラクトンとの繰返しユニットを含み、重合したラクチドの重合したε−カプロラクトンに対するモル比が、約60:40と75:25との間である、コポリマーを含み、前記コポリマーが、示差走査熱量測定によって10℃/分の走査速度で測定されるとき、0℃以下の第1の熱Tを有し、広角X線回折によって測定されるとき、結晶化度レベルが約25〜約50パーセントである、生体吸収性繊維。
(33) 実施態様32に記載の繊維を含む、生体吸収性外科縫合糸。
(34) 前記縫合糸がモノフィラメント縫合糸である、実施態様33に記載の縫合糸。
(35) 前記縫合糸が、少なくとも2つの繊維を含むマルチフィラメント縫合糸である、実施態様33に記載の縫合糸。
(36) 抗菌剤を追加的に含む、実施態様33に記載の縫合糸。
(37) 前記抗菌剤がトリクロサンを含む、実施態様36に記載の縫合糸。
(38) 実施態様32に記載の繊維を含む、外科用メッシュ。
(39) 少なくとも1つのかえりを追加的に含む、実施態様33に記載の外科縫合糸。
(40) 生体吸収性医療用デバイスであって、前記医療用デバイスが実施態様1に記載のコポリマーを含む、医療用デバイス。
(41) 前記デバイスが、組織修復布、縫合糸アンカー、ステント、整形外科用インプラント、メッシュ、ステープル、鋲、ファスナー、及び創傷クリップからなる群から選択される、実施態様40に記載の医療用デバイス。
(42) 前記組織修復布が、メルトブロー不織布である、実施態様41に記載の医療用デバイス。
(43) 前記組織修復布が、静電紡績布である、実施態様41に記載の医療用デバイス。
(44) 抗菌剤を更に含む、実施態様40に記載の医療用デバイス。
(45) 前記抗菌剤が、トリクロサンを含む、実施態様44に記載の医療用デバイス。
(46) 実施態様1に記載のポリマーを含む医療用デバイスであって、前記医療用デバイスが射出成型され、かつ変形可能である、医療用デバイス。
(47) 治療薬を更に含む、実施態様46に記載の医療用デバイス。
(48) 実施態様1に記載のポリマーを含む医療用デバイスであって、前記医療用デバイスが、マイクロカプセル又はマイクロスフェアである、医療用デバイス。
(49) 治療薬を更に含む、実施態様48に記載の医療用デバイス。

Claims (47)

  1. 生体吸収性半結晶性セグメント化コポリマーであって、
    (a)重合するラクチドモノマーと、ε−カプロラクトンモノマーとから、二官能性である反応開始剤の存在下で形成されるプレポリマーであって、前記プレポリマー内のラクチドとε−カプロラクトンとのモル比が、約45:55と約30:70との間である、プレポリマーと、
    (b)ラクチドモノマーと、の反応生成物を含み、
    前記反応生成物は、重合したラクチドと重合したε−カプロラクトンとの繰返しユニットを含み、重合したラクチドと重合したε−カプロラクトンとのモル比は、64:36と75:25との間である、生体吸収性半結晶性セグメント化コポリマー。
  2. 前記コポリマーは、示差走査熱量測定によって10℃/分の走査速度で測定されるとき、0℃以下の第1の熱T を有し、広角X線回折によって測定されるとき、結晶化度レベルが約25〜約50パーセントである、請求項1に記載の生体吸収性半結晶性セグメント化コポリマー。
  3. HFIPの0.1g/dL溶液内で25℃で測定するとき固有粘度が少なくとも約0.5dL/gである、請求項1または2に記載の半結晶性セグメント化コポリマー。
  4. 前記コポリマーの第1の熱Tが、約−5℃より低い、請求項1または2に記載の半結晶性セグメント化コポリマー。
  5. 前記コポリマー内の重合したラクチドのランダム性因子が約1.8以上である、請求項1または2に記載の半結晶性セグメント化コポリマー。
  6. 前記コポリマー内の重合したε−カプロラクトンのランダム性因子が1.6以上である、請求項5に記載の半結晶性セグメント化コポリマー。
  7. 請求項1または2に記載のコポリマーを含む、縫合糸。
  8. モノフィラメント繊維を含む、請求項7に記載の縫合糸。
  9. 前記モノフィラメント繊維が約2413.2MPa(350,000psi)未満のヤング率を有する、請求項8に記載の縫合糸。
  10. 植え込み後約3カ月間機械的強度を保持する、請求項7に記載の縫合糸。
  11. 植え込み後約3カ月間機械的強度を保持する、請求項8に記載の縫合糸。
  12. 植え込み後約6カ月間機械的強度を保持する、請求項7に記載の縫合糸。
  13. 植え込み後約6カ月間機械的強度を保持する、請求項8に記載の縫合糸。
  14. 植え込み後約9カ月間機械的強度を保持する、請求項7に記載の縫合糸。
  15. 植え込み後約9カ月間機械的強度を保持する、請求項8に記載の縫合糸。
  16. 構造A−B−Aの生体再吸収性コポリマーであって、端部セグメントAが、重合したラクチドブロックを含み、前記中間セグメントBが、重合したラクチド−コ−ε−カプロラクトンブロックを含み、前記中間セグメントBが、前記コポリマーの約25重量パーセント〜約60重量パーセントに相当し、前記生体再吸収性コポリマーが、
    (a)重合するラクチドモノマーと、ε−カプロラクトンモノマーとから、反応開始剤の存在下で形成されるプレポリマーであって、前記プレポリマー内のラクチドとε−カプロラクトンとのモル比が、約45:55と約30:70との間である、プレポリマーと、
    (b)ラクチドモノマーと、の反応生成物を含み、
    前記反応生成物は、重合したラクチドと重合したε−カプロラクトンとの繰返しユニットを含み、重合したラクチドと重合したε−カプロラクトンとのモル比は、64:36と75:25との間である、生体再吸収性コポリマー。
  17. 前記Aブロックが、実質的に半結晶性であり、かつ前記Bブロックが、実質的に非晶質である、請求項16に記載の生体再吸収性コポリマー。
  18. 前記Aブロックが、最高約10モルパーセントのε−カプロラクトンを含む、請求項16に記載の生体再吸収性コポリマー。
  19. 前記Aブロックが、最高約10モルパーセントのグリコリドを含む、請求項16に記載の生体再吸収性コポリマー。
  20. 前記Aブロックが、最高約10モルパーセントのグリコリドと、最高約10モルパーセントのε−カプロラクトンと、を含む、請求項16に記載の生体再吸収性コポリマー。
  21. 前記Bブロックが、最高約10モルパーセントのグリコリドを含む、請求項16に記載の生体再吸収性コポリマー。
  22. 前記Aブロックが、前記コポリマーの約40重量パーセント〜約75重量パーセントに相当する重合したラクチドである、請求項16に記載の生体再吸収性コポリマー。
  23. 前記プレポリマーが、前記反応開始剤に加えて、好適な量の触媒の存在下で形成される、請求項に記載のコポリマー。
  24. 前記プレポリマーが、実質的に非晶質である、請求項に記載の生体吸収性半結晶性セグメント化コポリマー。
  25. HFIPの0.1g/dL溶液中で25℃で測定するとき、前記プレポリマーの前記固有粘度が、約0.5dL/gと約1.5dL/gとの間である、請求項に記載の生体吸収性半結晶性セグメント化コポリマー。
  26. 前記プレポリマーが、実質的に非晶質であり、HFIPの0.1g/dL溶液中で25℃で測定するとき、前記プレポリマーの前記固有粘度が、約0.5dL/gと約1.5dL/gとの間である、請求項に記載の生体吸収性半結晶性セグメント化コポリマー。
  27. HFIPの0.1g/dL溶液中で25℃で測定するとき、前記ポリマーの前記固有粘度が、約0.6dL/gと約2.5dL/gとの間である、請求項に記載の生体吸収性半結晶性セグメント化コポリマー。
  28. 前記二官能性反応開始剤が、ジオールである、請求項に記載の生体吸収性半結晶性セグメント化コポリマー。
  29. 前記プレポリマーが、前記最終的なコポリマーの約25重量%〜約60重量%の量で存在する、請求項に記載のコポリマー。
  30. 生体吸収性繊維であって、
    半結晶性吸収性セグメント化コポリマーであって、重合したラクチドと重合したε−カプロラクトンとの繰返しユニットを含み、重合したラクチドと重合したε−カプロラクトンとのモル比が、64:36と75:25との間である、コポリマーを含み、前記コポリマーが、示差走査熱量測定によって10℃/分の走査速度で測定されるとき、0℃以下の第1の熱Tを有し、広角X線回折によって測定されるとき、結晶化度レベルが約25〜約50パーセントであ
    前記半結晶性吸収性セグメント化コポリマーが、
    (a)重合するラクチドモノマーと、ε−カプロラクトンモノマーとから、二官能性である反応開始剤の存在下で形成されるプレポリマーであって、前記プレポリマー内のラクチドとε−カプロラクトンとのモル比が、約45:55と約30:70との間である、プレポリマーと、
    (b)ラクチドモノマーと、の反応生成物を含む、生体吸収性繊維。
  31. 請求項30に記載の繊維を含む、生体吸収性外科縫合糸。
  32. 前記縫合糸がモノフィラメント縫合糸である、請求項31に記載の縫合糸。
  33. 前記縫合糸が、少なくとも2つの繊維を含むマルチフィラメント縫合糸である、請求項31に記載の縫合糸。
  34. 抗菌剤を追加的に含む、請求項31に記載の縫合糸。
  35. 前記抗菌剤がトリクロサンを含む、請求項34に記載の縫合糸。
  36. 請求項30に記載の繊維を含む、外科用メッシュ。
  37. 少なくとも1つのかえりを追加的に含む、請求項31に記載の外科縫合糸。
  38. 生体吸収性医療用デバイスであって、前記医療用デバイスが請求項1または2に記載のコポリマーを含む、医療用デバイス。
  39. 前記デバイスが、組織修復布、縫合糸アンカー、ステント、整形外科用インプラント、メッシュ、ステープル、鋲、ファスナー、及び創傷クリップからなる群から選択される、請求項38に記載の医療用デバイス。
  40. 前記組織修復布が、メルトブロー不織布である、請求項39に記載の医療用デバイス。
  41. 前記組織修復布が、静電紡績布である、請求項39に記載の医療用デバイス。
  42. 抗菌剤を更に含む、請求項38に記載の医療用デバイス。
  43. 前記抗菌剤が、トリクロサンを含む、請求項42に記載の医療用デバイス。
  44. 請求項1または2に記載のコポリマーを含む医療用デバイスであって、前記医療用デバイスが射出成型され、かつ変形可能である、医療用デバイス。
  45. 治療薬を更に含む、請求項44に記載の医療用デバイス。
  46. 請求項1または2に記載のコポリマーを含む医療用デバイスであって、前記医療用デバイスが、マイクロカプセル又はマイクロスフェアである、医療用デバイス。
  47. 治療薬を更に含む、請求項46に記載の医療用デバイス。
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