JP6326111B2 - 走行クレーンの制動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、走行クレーンの制動装置に関する。
従来、港湾の岸壁に沿って敷設されたレールに沿って走行する走行クレーンは、突風や地震等によって逸走するのを防止するために、レール頭部側面を挟持(挟圧)して制動するレールクランプ装置を備えている(特許文献1参照)。
特許文献1記載のレールクランプ装置は、停止時の保持性能が所要制動力に対し高めに設定されている。従って、走行クレーンの運転中に、停電や故障等によりレールクランプ装置が作動した場合、衝撃的な制動力が作用して急激な減速が行われ、クレーン本体に破壊が生じ、あるいは、部分的な変形や構造的にダメージを与える虞れがあった。
また、走行クレーンの運転中に制動力を作用させてもクレーン本体に破壊や部分的変形を与えないように、ブレーキパッドをレール頭部上面に摺接して制動する摺動ブレーキ装置が提案されている(特許文献2参照)。
特許文献2記載の摺動ブレーキ装置は、クレーンの重量で制動の押圧力を受けるため、軽量なクレーンでは制動力に限界があることや、レールが経年的に浮沈してクレーン本体を支える走行装置間の高低差(不陸)が大きく変動するため、油圧プランジャのストロークが大きくなり、装置の大型化を招く問題があった。
特開2014−210623号公報 特開2010−247944号公報
しかし、走行クレーンの制御装置として、特許文献1等に記載のレールクランプ装置に、特許文献2等に記載の摺動ブレーキ装置をシーケンス制御するように付加しようとすると、
(i)設置スペースの確保が困難である。(ii)相互の信号のやりとりが必要となる。(iii)停電や故障等の異常時の作動順序の制御が難しい。(iv)レール頭部全体の寸法維持や凹凸の修正管理に手間がかかる。(v)制動装置の経年的な保守・管理が面倒である。(vi)製造コストが増大する。という様々な問題がある。
そこで、本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、新設・既設の走行クレーンに取付け可能であって、従来の走行クレーンの制動装置(レールクランプ装置)と同等のスペースに設置でき、かつ、摺動ブレーキ装置とレールクランプ装置の性能を併せ持つ制動装置を提供することを目的とする。
本発明に係る走行クレーンの制動装置は、レールに沿って移動する走行クレーンに取付けられ、左右一対のクランプアームの各下端部に設けた制動部材をレール頭部側面に押圧する走行クレーンの制動装置に於て、上記制動部材は、上記レール頭部側面に圧接する圧接面を有する第1段制動部と、上記レール頭部側面に圧接する圧接面を有する第2段制動部とを、有し、非制動状態において上記第1段制動部の圧接面が上記第2段制動部の圧接面より上記レール頭部側面に接近する方向に突出するように、上記第1段制動部が弾発部材を介して設けられ、各上記クランプアームは、上記第1段制動部の圧接面が上記レール頭部側面に圧接する予備制動を行った後に、上記第2段制動部の圧接面が上記レール頭部側面に圧接して、本制動を行うように構成したものである。
また、レールに沿って移動する走行クレーンに取付けられ、左右一対のクランプアームの各下端部に設けた制動部材をレール頭部側面に押圧する走行クレーンの制動装置に於て、上記制動部材は、上記レール頭部側面に圧接する圧接面を有する第1段制動部と、上記レール頭部側面に圧接する圧接面を有する第2段制動部とを、有し、各上記クランプアームは、上記第1段制動部を下端部に有する第1差動アームと、上記第2段制動部を下端部に有する第2差動アームとを、有し、左右一対の上記第2差動アームを左右一対の上記第1差動アームよりも遅れて作動させて、上記第1段制動部の圧接面が上記レール頭部側面に圧接する予備制動を行った後に、上記第2段制動部の圧接面が上記レール頭部側面に圧接して、本制動を行うように構成したものである。
また、上記第1段制動部の圧接面は、レジン系のブレーキパッドによって形成されているものである。
また、上記第2段制動部の圧接面は、上記レール頭部側面よりも硬質であって、上記レール頭部側面に高面圧で圧接するよう凹凸面状に形成されているものである。
また、上記レール頭部側面に局部的に生じた塑性変形突隆部を、クレーンの走行に伴って削除するレール頭部側面修正具を備えているものである。
本発明の走行クレーンの制動装置によれば、第1段制動部・第2段制動部による制動を段階的に行うことができ、衝撃的な制動力を作用させることなく、クレーン本体の破壊や部分的な変形を防止し、ダメージを軽減できる。第1段制動部・第2段制動部がレール頭部側面に圧接するので、レールの状態すなわち浮沈の状況に関係なく、確実に制動力を発揮できる。また、従来の装置と同等のスペースに設置できる。本発明は要するに、摺動タイプの制動と、クランプ(掴持)タイプの制動の2種の制動作用を、機械的な機構によって、順次行うことができ───作動順序が決まっており───シーケンス制御の信号のやり取りが不要となるばかりか、クレーン本体からブレーキ制御が独立して、しかも、摺動タイプとクランプタイプ間の信号のやり取りも省略できる。
本発明の走行クレーンの制動装置の概略側面図である。 本発明の実施の一形態を示した断面正面図である。 図2の要部拡大断面正面図であり、(A)は非制動状態の拡大断面正面図であり、(B)は予備制動状態の拡大断面正面図であり、(C)は本制動状態の拡大断面正面図である。 本発明の段階的制動作用を説明する拡大断面平面図であり、(A)は非制動状態の拡大断面平面図であり、(B)は予備制動状態の拡大断面平面図であり、(C)は本制動状態の拡大断面平面図である。 レール頭部側面修正具を示す要部拡大断面正面図である。 本発明の他の実施形態を示した斜視図である。 図6の要部拡大断面正面図であり、(A)は非制動状態の拡大断面正面図であり、(B)は予備制動状態の拡大断面正面図であり、(C)は本制動状態の拡大断面正面図である。 本発明の段階的制動作用を説明する拡大断面平面図であり、(A)は非制動状態の拡大断面平面図であり、(B)は予備制動状態の拡大断面平面図であり、(C)は本制動状態の拡大断面平面図である。 本発明の別の実施形態を示した斜視図である。 走行クレーンの概略図である。
以下、実施の形態を示す図面に基づき本発明を詳細に説明する。
本発明に係る走行クレーンの制動装置は、例えば、図10に示すように、門型のクレーン本体41の支持脚の下端に、レールR,Rに沿って走行するための走行装置42,42を備えた走行クレーン(ガントリークレーン)40に設けられ、走行クレーン(ガントリークレーン)40が突風や地震によって逸走するのを防止するものである。
図1と図2に示すように、本発明に係る走行クレーンの制動装置Zは、クレーン本体41の支持脚を繋ぐように水平状に伸びる下部フレーム41aに取着されるブラケット44と、ブラケット44の内部に収容される内部ユニット45を備えている。
ブラケット44は、平面的に見て矩形状に形成され、内部ユニット45を遊嵌状に包囲している。内部ユニット45は、レールR上を転動する(前後一対の)走行ローラ32を有する走行台車33に搭載されている。ブラケット44と内部ユニット45は連結固定されていないため、内部ユニット45がレールRの浮沈に追従して走行することが可能である。走行クレーン40がレールRに沿って走行する際、ブラケット44が内部ユニット45を押して、あるいは、引いて動かすように構成されている。
図2に示すように、(制動装置Zの)内部ユニット45は、制動部材5(ブレーキシュー12)を下端部に有する左右一対のクランプアーム6,6と、制動部材5がレール頭部側面9に接近する方向にクランプアーム6,6を常時弾発付勢する閉作動用弾発部材29と、閉作動用弾発部材29の弾発力に抗して制動部材5がレール頭部側面9から離間する方向にクランプアーム6,6を開かせるための開作動用油圧アクチュエータ28とを、備えている。さらに、開作動用油圧アクチュエータ28と閉作動用弾発部材29を下方から支持すると共に、クランプアーム6,6を枢支軸23,23によって揺動自在に枢支するベース部材27を備え、ベース部材27上に開作動用油圧アクチュエータ28と閉作動用弾発部材29が、平面視で同一軸心状に載置されている。
図3(A)に示すように、(クランプ)アーム6のアーム端部に設けられた制動部材5は、第1段制動部1と、この第1段制動部1から遅れて作動する第2段制動部2を備えている。
第1段制動部1・第2段制動部2は、レール頭部側面9に対向する内面側に圧接面10,20を有している。
第1段制動部1は、レール頭部側面9に接近する方向に弾発付勢する弾発部材8を介して設けられ、図3(A)に示す非制動状態で、第1段制動部1の圧接面10が、第2段制動部2の圧接面20よりレール頭部側面9に接近する方向に突出して設けられている。弾発部材8は、皿ばねを用いるのが好ましい。
第1段制動部1の圧接面10は、ブレーキパッド11によって形成され、摺動タイプのブレーキ制御を行うものである。
ブレーキパッド11は、レジン系の材質であって、例えば、有機繊維にケイ素(炭化ケイ素)や酸化アルミニウム等の金属系材料を加え、合成樹脂で焼き固めて成型したレジン系複合材料である。なお、ガラス繊維等の無機材料を付加するも好ましい。
第2段制動部2の圧接面20は、レール頭部側面9よりも硬質である。図3(C)のように第2段制動部2の圧接面20がレール頭部側面9に圧接される本制動状態で、圧接面20がレール頭部側面9に高面圧で圧接するよう凹凸面状に形成されている(図4(C)参照)。このように、第2段制動部2の圧接面20は、クランプタイプの本制動を行うものである。
第2段制動部2は、例えば、セラミックや、浸炭・焼入れされた鋼材を用い、圧接面20に断面形状が台形あるいは三角形の狭小凸部を多数形成して、凹凸面状(ギザギザ状)とし、レール頭部側面9に食い込むように構成するのが好適である。なお、圧接面20に格子状の溝を形成するも良い。
図2に示すように、内部ユニット45は、油圧アクチュエータ28のロッド28bの先端が連結されると共に弾発部材29によって常時上方へ弾発付勢される昇降連動部材26を備え、昇降連動部材26に左右一対の押圧ローラ25,25が枢着されている。クランプアーム6,6の上端部には、上方へ向かうにつれて次第に接近するテーパー面13a,13aを有するクサビ部材13,13が固着され、押圧ローラ25,25は、昇降連動部材26の上昇に伴って、クサビ部材13,13のテーパー面13a,13aを押圧するように構成されている。なお、クランプアーム6,6には、上端部同士が互いに接近する方向に弾発付勢する引っ張りバネ14が付設されている。
内部ユニット45は、油圧アクチュエータ28の作動状態で、昇降連動部材26を介して(弾発付勢力に抗して)弾発部材29を短縮させ、かつ、引っ張りバネ14の弾発付勢力によって、クランプアーム6,6の上端部を相互に接近させて、クランプアーム6,6の下端部の制動部材5,5(ブレーキシュー12,12)が、レール頭部側面9,9から(僅かに)離間した非制動状態となるように構成している。
また、図示省略するが、内部ユニット45は、油圧アクチュエータ28の非作動状態で、弾発部材29の弾発付勢力によって、昇降連動部材26が上昇し、押圧ローラ25,25がクサビ部材13,13のテーパー面13a,13aを押圧することで、(引っ張りバネ14の弾発付勢力に抗して)クランプアーム6,6の上端部を押し広げ、クランプアーム6,6の下端部の制動部材5,5(ブレーキシュー12,12)がレール頭部側面9,9に圧接して、レール頭部を挟持状にクランプして制動する制動状態となるように構成している。
上述した本発明の走行クレーンの制動装置の使用方法(作用)について説明する。
図3(A)と図4(A)に示す非制動状態から、図3(B)と図4(B)に示すように、第2段制動部2の圧接面20がレール頭部側面9に圧接するより先に、第1段制動部1の圧接面10がレール頭部側面9に圧接して制動する。第1段制動部1は、弾発部材8によって弾発付勢され、レール頭部側面9,9を比較的小さな圧接力F,Fをもって挟圧(挟持)する。この状態を、予備制動状態とする。
次に、予備制動状態から、図3(C)と図4(C)に示すように、第2段制動部2の圧接面20がレール頭部側面9に圧接して、レール頭部をクランプして制動する。第2段制動部2は、レール頭部側面9,9を比較的大きな圧接力F,Fをもって強く挟圧(挟持)し、圧接面20の多数の狭小凸部をレール頭部側面9に食い込ませて、逸走防止用の本制動状態に切換わる。
即ち、図3(A),図4(A)の非制動状態から図3(B),図4(B)の第1段制動状態(予備制動状態とも言う)へ、そして、第1段制動状態(予備制動状態)から図3(C),図4(C)の(逸走防止用)本制動状態へと、段階的に切換わって、制動力を(段階的に)増大させる。
走行クレーン40が走行している際、停電や故障等の異常事態が発生した場合であっても、先に、第1段制動部1の圧接面10がレール頭部側面9に摺接(摺動)して、走行クレーン40の減速制動を行って、その後、第2段制動部2の圧接面20がレール頭部側面9に圧接して、レール頭部をクランプする。つまり、急激な減速・停止による走行クレーン40へのダメージ(クレーン本体41の破壊や部分的な変形)を軽減できる。第1段制動部1・第2段制動部2は、レール頭部側面9,9を挟持して制動を行うため、レールRの状態、即ち、浮沈の状況に関係なく制動力を作用できる利点がある。なお、内部ユニット45の油圧アクチュエータ28のストロークを規制する機構を設ければ、予備制動状態を維持することも可能となり、第1段制動部1の圧接面10がレール頭部側面9に摺接(摺動)させて、走行クレーン40が完全に停止した後に、第2段制動部2の圧接面20をレール頭部側面9に圧接させて、本制動状態に切換えるも好ましい。
本発明の走行クレーンの制動装置は、上述のような構成と作用で制動力を付与できるが、レール頭部側面9が平坦でない場合は、第1段制動部1・第2段制動部2の圧接面10,20との摩擦力が確保できない虞れがある。通常、レールRの経年的な変化として、レール上面が潰れて、レール頭部側面9に局部的に塑性変形突隆部Xが生じることがある(図5(A)参照)。この塑性変形突隆部Xが生じた状態で、第1段制動部1の圧接面10を圧接すると、圧接面10(ブレーキパッド11)と塑性変形突隆部Xが局部的な当たり(摺接)となり、摩擦特性を確保できない虞れがある。
そこで、図4と図5に示すように、レール頭部側面9に局部的に生じた塑性変形突隆部Xを、クレーンの走行に伴って削除するレール頭部側面修正具3,3を設けている。
レール頭部側面修正具3は、砥石又は切削刃等によって形成される塑性変形突隆部Xを削除するための修正面部30と、砥石又は切削刃等を支持するための支持台の一端面をもって形成されるフラットガイド面部31とを、有している。修正面部30とフラットガイド面部31は、同一面状に形成されている。フラットガイド面部31は、耐摩耗性に優れるセラミックや焼入れ鋼材等で形成するのが好適である。
レール頭部側面修正具3は、レール頭部側面9に常時接触するように設けられている。図5(A)に示すように、レール頭部側面9に塑性変形突隆部Xが形成された状態で、修正面部30だけが塑性変形突隆部Xに摺接して、レール頭部側面9から膨らんだ塑性変形突隆部Xを削り取る。塑性変形突隆部Xを削った後は、図5(B)に示すように、フラットガイド面部31が、レール頭部側面9の下方寄りに摺接し、修正面部30が、必要以上にレール頭部側面9(塑性変形突隆部Xのあった部位)を削らないようにし、レール頭部側面9全体を平坦面状に修正・維持するように構成されている。
次に、本発明の走行クレーンの制動装置の他の実施形態について説明する。
図6に示すように、走行クレーン40が移動しているときでも制動できる摺動タイプの第1段制動部1を構成するアーム21(第1差動アームと呼ぶ場合もある)と、停止時の保持を目的にしたクランプタイプの第2段制動部2を構成するアーム22(第2差動アームと呼ぶ場合もある)を、別体として構成している。第1段制動部1・第2段制動部2を、機械的にシーケンス制御できる。
各クランプアーム6は、(第1段制動部1を有する)第1差動アーム21と、(第2段制動部2を有する)第2差動アーム22,22によって形成されている。第1差動アーム21と第2差動アーム22,22は、枢支軸23によって同一軸心状に枢着され、第1差動アーム21が、軸心方向中間部に配設され、第1差動アーム21の軸心方向両隣(両側)に、前後一対の第2差動アーム22,22が配設されている。
第1差動アーム21の下端部に、レジン系のブレーキパッド11を取付けた第1段制動部1が設けられ、かつ、前後一対の第2差動アーム22,22の下端部に、停止保持(クランプ)用の第2段制動部2,2が設けられている。
図6に於て、図示省略するが、内部ユニット45は、図2と同様に、閉作動用弾発部材29と、開作動用油圧アクチュエータ28と、油圧アクチュエータ28のロッド28bの先端が連結されると共に弾発部材29によって常時上方へ弾発付勢される昇降連動部材26とを、備えている。
図6では、第1差動アーム21の上端部には、テーパー面18aを有するクサビ部材18が固着され、第2差動アーム22,22の上端部には、テーパー面19a,19aを有するクサビ部材19,19が固着されている。昇降連動部材26に左右一対の偏心押圧部材15,15が設けられている。偏心押圧部材15は、第1差動アーム21の上端部に設けたクサビ部材18のテーパー面18aを押圧するための先当りローラ部16と、第2差動アーム22,22の上端部に設けたクサビ部材19,19のテーパー面19a,19aを押圧するための後当りローラ部17,17とを、有し、先当りローラ部16の軸心が、後当りローラ部17,17の軸心より少し上方に位置ズレさせて偏心するよう配設されている。
図7(A)に示すように、非制動状態で、第1差動アーム21の上端部に設けたクサビ部材18のテーパー面18aと、第2差動アーム22の上端部に設けたクサビ部材19のテーパー面19aは、同一平面上に配設されている。
図7(A)から図7(B)に示すように、先当りローラ部16・後当りローラ部17(偏心押圧部材15)が上昇すると、先当りローラ部16がクサビ部材18のテーパー面18aを押圧して、第1差動アーム21だけが先に作動する。
次に、図7(A)から図7(B)に示すように、先当りローラ部16・後当りローラ部17がさらに上昇して、後当りローラ部17がクサビ部材19のテーパー面19aを押圧して、第2差動アーム22が遅れて作動する。この際、先当りローラ部16は、クサビ部材18の逃げ面18bに摺接して、第1差動アーム21を、それ以上押し広げないように構成されている。
図8(A)に示す非制動状態から、図8(B)に示すように、(第2差動アーム22の下端部に設けた)第2段制動部2の圧接面20がレール頭部側面9に圧接するより先に、(第1差動アーム21の下端部に設けた)第1段制動部1の圧接面10が、レール頭部側面9に圧接力F,Fをもって圧接して制動する。レジン系のブレーキパッド11によって形成された第1段制動部1の圧接面10は、レール頭部側面9,9に摺接(摺動)して、減速制動を行う。この状態を、第1段制動状態、又は、予備制動状態と呼ぶ。
次に、予備制動状態(第1段制動状態)から、図8(C)に示すように、第2段制動部2,2の圧接面20,20がレール頭部側面9,9に圧接して、レール頭部をクランプ制動する。第2段制動部2の圧接面20は、レール頭部側面9よりも硬質であり、断面形状が台形あるいは三角形の狭小凸部が多数形成された凹凸面状(ギザギザ状)に形成され、レール頭部側面9,9を大きな圧接力F,Fをもって強く挟圧(挟持)し、圧接面20がレール頭部側面9に高面圧で圧接されて、圧接面20の多数の狭小凸部をレール頭部側面9に食い込ませて、逸走防止用の本制動状態に切換わる。
即ち、図8(A)の非制動状態から図8(B)の予備制動状態へ、そして、予備制動状態から図8(C)の本制動状態へと、段階的に切換わって、制動力を(段階的に)増大させる。本制動状態で、第1段制動部1・第2段制動部2,2は、圧接力F,Fの合力によって、レール頭部側面9,9を強力に挟圧(挟持)して、クランプする。
図9に示すように、第1差動アーム21に対し、第2段制動部2を構成する第2差動アーム22の作動を遅らせるための緩衝(ダンパー)部材24を備えていても良い。
緩衝部材24は、左右一対の第2差動アーム22,22を連結している。緩衝部材24は、ダンピング部材(機構)と言い換えることもできる。緩衝部材24を設置することで、停電や故障により電源を喪失した場合であっても、第1差動アーム21と第2差動アーム22,22の動きの時間差を増加させることができるので、クレーン本体へのダメージを一層軽減できる。
図9では、前後一対の第2差動アーム22,22の各々に、緩衝部材24,24が取付けられている。この2個の緩衝部材24,24のダンパー特性に差を与えるも好ましい。緩衝部材24,24のダンパー特性に差を付けることで、2段階で制動力を作用させるだけでなく、3段階の制動力の付加もできるようになる。
なお、本発明は、設計変更可能であって、例えば、アクチュエータ28は、電動アクチュエータでも良い。また、図7(A)の非制動状態で、テーパー面18aの傾きを、他のテーパー面19aより大きく設定し、先当りローラ部16にテーパー面18aが先に当たるように構成し、第1差動アーム21と第2差動アーム22の動きに時間差をもたせても良い。
以上のように、本発明に係る走行クレーンの制動装置は、レールR,Rに沿って移動する走行クレーン40に取付けられ、アーム端部に設けた制動部材5をレール頭部側面9に押圧し把持する走行クレーンの制動装置に於て、上記制動部材5は、第1段制動部1と、該第1段制動部1から遅れて作動する第2段制動部2とを、有するので、第1段制動部1・第2段制動部2による制動を段階的に行うことができ、衝撃的な制動力を作用させることなく、クレーン本体41の破壊や部分的な変形を防止し、ダメージを軽減できる。第1段制動部1・第2段制動部2がレール頭部側面9に圧接するので、レールRの状態すなわち浮沈の状況に関係なく、確実に制動力を発揮できる。低コストで、小さなスペースに設置できる。クレーン本体側からシーケンス制御信号を送信せずに、第1段制動部1・第2段制動部2による制動を、機械的に時間差を与え得る。
また、上記第1段制動部1は、弾発部材8を介して設けられ、上記第1段制動部1の圧接面10が、上記第2段制動部2の圧接面20より上記レール頭部側面9に接近する方向に突出して設けられているので、低コストで製造でき、かつ、従来のレールクランプ装置1台分のスペースで、摺動ブレーキ装置とレールクランプ装置の性能を付加することができる。第1段制動部1・第2段制動部2は機械的な機構により作用順序が決まっているため、特別な制御信号のやり取りを要せず、停電や故障等の異常時でも段階的に制動力を作用でき、かつ、維持管理が容易な制動装置を提供できる。
また、上記第1段制動部1の圧接面10は、レジン系のブレーキパッド11によって形成されているので、ブレーキパッド11(圧接面10)をレール頭部側面9に摺接させて、摺動タイプの制動力を作用させることができる。
また、上記第2段制動部2の圧接面20は、上記レール頭部側面9よりも硬質であって、上記レール頭部側面9に高面圧で圧接するよう凹凸面状に形成されているので、圧接面20をレール頭部側面9に食い込ませて、強力な第2段制動力を発生でき、確実に逸走を防止できる。
また、上記レール頭部側面9に局部的に生じた塑性変形突隆部Xを、クレーンの走行に伴って削除するレール頭部側面修正具3,3を備えているので、レール頭部側面9を平坦面状に修正・維持でき、第1段制動部1の圧接面10(ブレーキパッド11)が塑性変形突隆部Xに局部的な当たりとなるのを防止でき、好適な摩擦特性を確保できる。
また、上記第1段制動部1を構成するアーム21と、上記第2段制動部2を構成するアーム22を、それぞれ独立して構成しているので、第1段制動部1を構成するアーム21と、第2段制動部2を構成するアーム22,22を、時間差をもたせて独立して作動させ、段階的に制動力を作用できる。従来のレールクランプ装置1台分のスペースで、摺動ブレーキ装置とレールクランプ装置の性能を付加することができる。アーム21・アーム22を別体で構成することで、夫々のアーム21,22が軽くなり、組立などの取り扱い性向上だけでなく、製造コストを低減できる。
また、上記第2段制動部2を構成するアーム22の作動を遅らせるための緩衝部材24を備えているので、停電や故障により電源を喪失した場合であっても、第1段制動部1を構成するアーム21に対し、上記第2段制動部2を構成するアーム22の作動を遅らせて、第1段制動部1・第2段制動部2,2の制動力を、段階的に作用させることができ、走行クレーン40へのダメージを軽減できる。
1 第1段制動部
2 第2段制動部
3 レール頭部側面修正具
5 制動部材
8 弾発部材
9 レール頭部側面
10 圧接面
11 ブレーキパッド
20 圧接面
21 第1差動アーム
22 第2差動アーム
24 緩衝部材
40 走行クレーン
R レール
X 塑性変形突隆部

Claims (5)

  1. レール(R)(R)に沿って移動する走行クレーン(40)に取付けられ、左右一対のクランプアーム(6)(6)の各下端部に設けた制動部材(5)をレール頭部側面(9)に押圧する走行クレーンの制動装置に於て、
    上記制動部材(5)は、上記レール頭部側面(9)に圧接する圧接面(10)を有する第1段制動部(1)と、上記レール頭部側面(9)に圧接する圧接面(20)を有する第2段制動部(2)とを、有し、
    非制動状態において上記第1段制動部(1)の圧接面(10)が上記第2段制動部(2)の圧接面(20)より上記レール頭部側面(9)に接近する方向に突出するように、上記第1段制動部(1)が弾発部材(8)を介して設けられ、
    各上記クランプアーム(6)は、上記第1段制動部(1)の圧接面(10)が上記レール頭部側面(9)に圧接する予備制動を行った後に、上記第2段制動部(2)の圧接面(20)が上記レール頭部側面(9)に圧接して、本制動を行うように構成したことを特徴とする走行クレーンの制動装置。
  2. レール(R)(R)に沿って移動する走行クレーン(40)に取付けられ、左右一対のクランプアーム(6)(6)の各下端部に設けた制動部材(5)をレール頭部側面(9)に押圧する走行クレーンの制動装置に於て、
    上記制動部材(5)は、上記レール頭部側面(9)に圧接する圧接面(10)を有する第1段制動部(1)と、上記レール頭部側面(9)に圧接する圧接面(20)を有する第2段制動部(2)とを、有し、
    各上記クランプアーム(6)は、上記第1段制動部(1)を下端部に有する第1差動アーム(21)と、上記第2段制動部(2)を下端部に有する第2差動アーム(22)とを、有し、左右一対の上記第2差動アーム(22)(22)を左右一対の上記第1差動アーム(21)(21)よりも遅れて作動させて、上記第1段制動部(1)の圧接面(10)が上記レール頭部側面(9)に圧接する予備制動を行った後に、上記第2段制動部(2)の圧接面(20)が上記レール頭部側面(9)に圧接して、本制動を行うように構成したことを特徴とする走行クレーンの制動装置。
  3. 上記第1段制動部(1)の圧接面(10)は、レジン系のブレーキパッド(11)によって形成されている請求項1又は2記載の走行クレーンの制動装置。
  4. 上記第2段制動部(2)の圧接面(20)は、上記レール頭部側面(9)よりも硬質であって、上記レール頭部側面(9)に高面圧で圧接するよう凹凸面状に形成されている請求項1,2又は3記載の走行クレーンの制動装置。
  5. 上記レール頭部側面(9)に局部的に生じた塑性変形突隆部(X)を、クレーンの走行に伴って削除するレール頭部側面修正具(3)(3)を備えている請求項1,2,3又は4記載の走行クレーンの制動装置。
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