JP6325791B2 - 樹脂組成物、積層体、プリント配線板、及びその製造方法 - Google Patents
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ツー・ロールによるプリント配線板の連続生産が可能となる。従来の化学的なエッチングを用いたプリント配線板の製造工程においては、導電層上に樹脂組成物溶液を塗工及び乾燥して樹脂組成物層を設け、この樹脂組成物層上に導電層を積層する。そして、この樹脂組成物層上に設けられた導電層の所定の領域を金属エッチング液により除去してから、樹脂層をアルカリ溶液によりエッチング除去してビアホールを形成する。そして、樹脂組成物を加熱してキュアした後、ビアホール内壁にめっきを形成することにより、ビアホールを介して一方の導電層と他方の導電層と電気的に接続する。ここで、アルカリ溶液として水酸化ナトリウム水溶液などを用いた場合、導電層のエッチングレジストとして機能するドライフィルムレジストを剥離する工程と樹脂層をエッチングする工程を同時に効率よく成し遂げることができる(特許文献1参照)。これらに用いられる樹脂組成物には、ビアホール形成時にはアルカリ加工性を有し、キュア後には絶縁保護膜としての機能が要求されるためにアルカリ耐性を有する必要がある。特許文献1においてはフェノール性水酸基を含有するポリイミドとオキサゾリン化合物の組み合わせが紹介されている。また、特許文献2にはフェノール性水酸基を含有するポリイミドとエポキシ化合物の組み合わせが紹介されており、これを用いてもビアホール形成時にはアルカリ加工性を有し、キュア後にはアルカリ耐性を有するという性能を付与することができる。
本実施の形態に係る多層プリント配線板の製造方法について、添付図面を参照して詳細に説明する。まず、図1を参照して両面フレキシブル配線板10の製造方法について説明する。図1は、本実施の形態に係る両面フレキシブル配線板の製造方法の各工程を示す断面概略図である。この両面フレキシブル配線板10の製造方法においては、積層体11を用いる(図1A参照)。この積層体11は、導電層12a(例えば、銅箔F2−WS(12μm))と、この導電層12a上に設けられ、本実施の形態に係る、上述のアルカリ可溶性樹脂を含有する樹脂組成物を含む樹脂組成物層14(例えば、厚さ12.5μm)と、を備える。
次に本実施の形態に係る樹脂組成物について、詳細を説明する。本実施の形態に係る樹脂組成物は、(A)フェノール性水酸基と下記一般式(1)で表される構造を有するポリイミドと(B)オキサゾリン化合物を含み、ガラス転移温度(Tg)が110℃以下であることを特徴とする。ここでいうTgは熱・応力・歪測定装置(TMA法)で測定した値を示す。
フェノール性水酸基と下記一般式(1)を構造中に有していれば特に制限はないが、フェノール性水酸基としては、有機溶媒への溶解性、重合時の反応性、入手性などの観点から、下記一般式(2)で表される構造を有することが好ましい。
(B)オキサゾリン化合物とは、分子内に少なくとも1個のオキサゾリン基を有する化合物である。オキサゾリン化合物としては、ポリイミドの水酸基を封止し、更にポリイミドとの間に架橋を形成する観点から、分子内に2個以上のオキサゾリン基を有するものが好ましい。
また、本実施の形態に係る樹脂組成物においては、難燃性を向上する観点から、難燃剤を含有させて用いることもできる。難燃剤の種類としては、特に制限はないが、含ハロゲン化合物、含リン化合物及び無機難燃剤などが挙げられる。これらの難燃剤は、単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
本実施の形態に係る樹脂組成物は、樹脂組成物のTgを110℃以下にまで低減する目的で(D)可塑剤を含有させて用いることができる。可塑剤としては例えば、ジメチルフタレート、ジブチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジトリデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジフェニルフタレート、ジアリルフタレート、オクチルカプリールフタレートなどのフタル酸エステル類;トリエチレングリコールジアセテート、テトラエチレングリコールジアセテート、ジメチルグリコースフタレート、エチルフタリールエチルグリコレート、メチルフタリールエチルグリコレート、ブチルフタリールブチルグリコレート、トリエチレングリコールジカブリル酸エステルなどのグリコールエステル類;トルエンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、N−n−ブチルベンゼンスルホンアミド、N−n−ブチルアセトアミドなどのアミド類;ジイソブチルアジペート、ジオクチルアジペート、ジメチルセバケート、ジブチルセパケート、ジオクチルセパケート、ジオクチルアゼレート、ジブチルマレートなどの脂肪族二塩基酸エステル類;クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、グリセリントリアセチルエステル、ラウリン酸ブチル、4,5−ジエポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジオクチルなど、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのグリコール類が挙げられる。
本実施の形態に係る樹脂組成物においては、樹脂組成物の酸化を防ぐ観点から、酸化防止剤を用いることもできる。酸化防止剤としては、例えば、ビス[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオン酸][エチレンビス(オキシエチレン)](商品名:イルガノックス(登録商標)245(IRGANOX245)、BASF社製)などを用いることができる。
本実施の形態に係る樹脂組成物は、有機溶媒に溶解して、樹脂組成物溶液として使用することができる。
本実施の形態に係る積層体11は樹脂組成物溶液を塗布後加熱することによって得ることができる。加熱の態様については特に制限されないが、溶媒、残存モノマーなどの揮発成分を十分に除去し、アルカリ水溶液に可溶とする観点から、50℃〜140℃において1分間〜60分間加熱することが好ましく、真空乾燥法などで実施しても良い。
先述の通り、図1及び図2を参照して、多層フレキシブル配線板1を例に挙げて説明したが、本実施の形態に係る樹脂組成物は、多層フレキシブル配線板用途に限定されず、多層プリント配線板全般に適用することができる。
重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にて、下記の条件により測定した。溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド(和光純薬工業社製、高速液体クロマトグラフ用)を用い、測定前に24.8mmol/Lの臭化リチウム一水和物(和光純薬工業社製、純度99.5%)及び63.2mmol/Lのリン酸(和光純薬工業社製、高速液体クロマトグラフ用)を加えたものを使用した。また、重量平均分子量を算出するための検量線は、スタンダードポリスチレン(東ソー社製)を用いて作成した。
カラム:Shodex KD−806M(昭和電工社製)
流速:1.0mL/分
カラム温度:40℃
ポンプ:PU−2080Plus(JASCO社製)
検出器:RI−2031Plus(RI:示差屈折計、JASCO社製)
UV―2075Plus(UV−VIS:紫外可視吸光計、JASCO社製)
樹脂組成物溶液を、12μm厚の電解銅箔(F2−WS)(古河電工社製)のマット面にバーコータを用いて塗布し、室温で5分間〜10分間レベリングを行った。この樹脂組成物溶液塗布銅箔を、95℃の熱風オーブンにて15分間加熱し、更に真空乾燥器(DRR420DA、ADVANTEC社製)、及び、ベルト駆動型油回転真空ポンプ(TSW−150、佐藤真空社製)を用い、90℃にて30分間真空乾燥(約6.7×10−2Paの減圧下)して25μmの厚みの樹脂組成物層が銅箔上に積層された積層体を得た。この積層体をアルカリ加工性の評価用の試料とした。
前記積層体の銅箔全面を塩化第二鉄水溶液でエッチング除去して、水洗し、50℃で5時間乾燥して得られた樹脂組成物の自立膜をあらかじめ準備した。この試料を熱・応力・歪測定装置(TMA試験機(EXSTAR6000、セイコーインスツルメント社製))にセットし、加重1.25mN/μm、窒素下、10℃/minの昇温速度で測定し、室温から200℃まで昇温させた。測定して得られたTMA曲線の熱変形量の変曲点を読み取り、これをTg(単位℃)とした。
3%塩酸水溶液で酸洗浄した両面フレキシブル基板(エスパネックス(登録商標)M、新日鉄化学社製)の一方の導電層上に先述の積層体の樹脂組成物層を真空プレス機(北川精機社製)にて、1.0MPaで2分間加圧して積層した。この際、プレス機の温度設定は先述のTgよりも30℃高い温度とした。次に、積層体の導電層上にドライフィルムレジスト(サンフォート(登録商標)AQ2578、旭化成イーマテリアルズ社製)をラミネートし、マスクによる露光、さらに現像により150μmφの円孔パターンを形成した後、塩化第二鉄水溶液で円孔形成部の導電層をエッチング除去した。
先述の最小アルカリエッチング時間から5秒刻みでアルカリエッチング時間を増やしながら、先述の方法でブラインドビアホール形成を行った後、これらのサンプルを180℃の熱風オーブンで、1時間キュアした。こうして形成したブラインドビアホールは、エポキシ樹脂で包埋し、包埋された配線板に垂直に研磨装置(丸本ストラトス社製)を用いてブラインドビアホール径の中央位置まで断面研磨加工を行った後、測長機能付光学顕微鏡により観察し、形成されたビアホールにおける、下記図4で説明するブラインドビアホール形状のパラメータx、yの値を測定した。最小アルカリエッチング時間から5秒刻みでアルカリエッチング時間を増やした際、後述するビアホール形状の判定基準を満たしているアルカリエッチング時間範囲が広いほど過エッチング耐性が良好と言えるが、この時間範囲が15秒未満の場合を×、15秒以上25秒未満の場合を△、25秒以上40秒未満の場合を○、40秒以上の場合を◎とした。
ビアホール24の形状について説明する。図4は、実施例における過エッチング量の評価方法を説明するための説明図である。図4に示すように、まず、ビアホール24の垂直断面を観察した場合、導電層22aの開口部22a−1の内側の端面105から、ビアホール24の導電層22a側(図4中の上方)の端部106までの水平距離を、パラメータxと規定する。ここで、端面105よりもビアホール24の端部106が内側である場合パラメータxを+、外側である場合を−とした。
0≧x≧−15μmかつ−15μm≦y≦20μm
三口セパラブルフラスコに窒素導入管、温度計、水分分離トラップを備えた玉付冷却管を取り付けた。オイルバス室温で、γ―ブチロラクトン92.0g、トルエン60.0g、2,2−ビス((4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル)プロパン二無水物(商品名:BISDA−2000、SABICイノベーティブプラスチックス社製)52.05gを60℃で均一になるまで攪拌した。さらに、ポリアルキルエーテルジアミン(商品名:ジェファーミン(登録商標)XTJ−542、ハンツマン社製)40.00gを少しずつ添加した後に180℃まで昇温し、3時間加熱撹拌した。反応中、副生する水は、トルエンと共沸し、水分分離トラップを備えた玉付冷却管を用いて、還流下、脱水を行った。この反応溶液を一旦35℃まで冷却した後、γ―ブチロラクトン115.7g、2,2’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(6FAP)17.58gを少しずつ加え、70℃で3時間加熱撹拌した。さらにアニリン2.24gを添加した後に反応溶液を180℃まで昇温し、3時間還流した。副生水を抜いた後、還流を止め、トルエンを全抜きし、室温まで冷却した。次に生成物を5μmのフィルターで加圧ろ過することでポリイミドAワニスを得た。重量平均分子量は2.0万であった。
三口セパラブルフラスコに窒素導入管、温度計、水分分離トラップを備えた玉付冷却管を取り付けた。オイルバス室温で、γ―ブチロラクトン81.0g、トルエン60.0g、BISDA−2000;39.04g、4,4’−オキシジフタル酸二無水物(ODPA)7.76gを60℃で均一になるまで攪拌した。さらに、XTJ−542;42.00gを少しずつ添加した後に180℃まで昇温し、3時間加熱撹拌した。反応中、副生する水は、トルエンと共沸し、水分分離トラップを備えた玉付冷却管を用いて、還流下、脱水を行った。この反応溶液を一旦35℃まで冷却した後、γ―ブチロラクトン120.6g、6FAP;18.31gを少しずつ加え、70℃で3時間加熱撹拌した。さらにアニリン1.49gを添加した後に反応溶液を180℃まで昇温し、3時間還流した。副生水を抜いた後、還流を止め、トルエンを全抜きし、室温まで冷却した。次に生成物を5μmのフィルターで加圧ろ過することでポリイミドBワニスを得た。重量平均分子量は2.7万であった。
三口セパラブルフラスコに窒素導入管、温度計、水分分離トラップを備えた玉付冷却管を取り付けた。オイルバス室温で、γ―ブチロラクトン68.7g、トルエン60.0g、BISDA−2000;24.72g、ODPA;14.74gを60℃で均一になるまで攪拌した。さらに、XTJ−542;44.00gを少しずつ添加した後に180℃まで昇温し、3時間加熱撹拌した。反応中、副生する水は、トルエンと共沸し、水分分離トラップを備えた玉付冷却管を用いて、還流下、脱水を行った。この反応溶液を一旦35℃まで冷却した後、無水フタル酸1.48gを加え均一になるまで撹拌した後、γ―ブチロラクトン127.1g、6FAP;20.51gを少しずつ加え、70℃で3時間加熱撹拌した後に反応溶液を180℃まで昇温し、3時間還流した。副生水を抜いた後、還流を止め、トルエンを全抜きし、室温まで冷却した。次に生成物を5μmのフィルターで加圧ろ過することでポリイミドCワニスを得た。重量平均分子量は6.2万であった。
三口セパラブルフラスコに窒素導入管、温度計、水分分離トラップを備えた玉付冷却管を取り付けた。オイルバス室温で、N−メチル−2−ピロリドン79.5g、トルエン60.0g、BISDA−2000;49.45gを60℃で均一になるまで攪拌した。さらに、ポリアルキルエーテルジアミン(Baxxodur(登録商標)EC302、BASF社製)30.10gを少しずつ添加した後に180℃まで昇温し、3時間加熱撹拌した。反応中、副生する水は、トルエンと共沸し、水分分離トラップを備えた玉付冷却管を用いて、還流下、脱水を行った。この反応溶液を一旦35℃まで冷却した後、無水フタル酸1.48gを加え均一になるまで撹拌した後、N−メチル−2−ピロリドン91.3g、6FAP;10.99gを少しずつ加え、70℃で3時間加熱撹拌した後に反応溶液を180℃まで昇温し、3時間還流した。副生水を抜いた後、還流を止め、トルエンを全抜きし、室温まで冷却した。次に生成物を5μmのフィルターで加圧ろ過することでポリイミドDワニスを得た。重量平均分子量は5.4万であった。
三口セパラブルフラスコに窒素導入管、温度計、水分分離トラップを備えた玉付冷却管を取り付けた。オイルバス室温で、N−メチル−2−ピロリドン80.5g、トルエン60.0g、BISDA−2000;38.52g、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)7.65gを60℃で均一になるまで攪拌した。さらに、XTJ−542;42.00gを少しずつ添加した後に180℃まで昇温し、3時間加熱撹拌した。反応中、副生する水は、トルエンと共沸し、水分分離トラップを備えた玉付冷却管を用いて、還流下、脱水を行った。この反応溶液を一旦35℃まで冷却した後、N−メチル−2−ピロリドン106.1g、3,3’−ジアミノビフェニル−4,4’−ジオール(HAB)10.81gを少しずつ加え、70℃で3時間加熱撹拌した。さらにアニリン1.49gを添加した後に反応溶液を180℃まで昇温し、3時間還流した。副生水を抜いた後、還流を止め、トルエンを全抜きし、室温まで冷却した。次に生成物を5μmのフィルターで加圧ろ過することでポリイミドEワニスを得た。重量平均分子量は2.5万であった。
三口セパラブルフラスコに窒素導入管、温度計、水分分離トラップを備えた玉付冷却管を取り付けた。オイルバス室温で、N−メチル−2−ピロリドン67.2g、トルエン60.0g、BISDA−2000;30.19g、ODPA;9.93gを60℃で均一になるまで攪拌した。さらに、シリコーンジアミン(KF−8010、信越化学社製)36.98gを少しずつ添加した後に180℃まで昇温し、3時間加熱撹拌した。反応中、副生する水は、トルエンと共沸し、水分分離トラップを備えた玉付冷却管を用いて、還流下、脱水を行った。この反応溶液を一旦35℃まで冷却した後、無水フタル酸1.48gを加え均一になるまで撹拌した後、N−メチル−2−ピロリドン120.3g、6FAP;20.88gを少しずつ加え、70℃で3時間加熱撹拌した後で反応溶液を180℃まで昇温し、3時間還流した。副生水を抜いた後、還流を止め、トルエンを全抜きし、室温まで冷却した。次に生成物を5μmのフィルターで加圧ろ過することでポリイミドFワニスを得た。重量平均分子量は3.8万であった。
三口セパラブルフラスコに窒素導入管、温度計、水分分離トラップを備えた玉付冷却管を取り付けた。オイルバス室温で、γ―ブチロラクトン66.1g、トルエン60.0g、BISDA−2000;22.12g、ODPA;16.29gを60℃で均一になるまで攪拌した。さらに、XTJ−542;44.00gを少しずつ添加した後に180℃まで昇温し、3時間加熱撹拌した。反応中、副生する水は、トルエンと共沸し、水分分離トラップを備えた玉付冷却管を用いて、還流下、脱水を行った。この反応溶液を一旦35℃まで冷却した後、無水フタル酸1.48gを加え均一になるまで撹拌した後、γ―ブチロラクトン127.8g、6FAP;20.51gを少しずつ加え、70℃で3時間加熱撹拌した後に反応溶液を180℃まで昇温し、3時間還流した。副生水を抜いた後、還流を止め、トルエンを全抜きし、室温まで冷却した。次に生成物を5μmのフィルターで加圧ろ過することでポリイミドGワニスを得た。重量平均分子量は6.1万であった。
三口セパラブルフラスコに窒素導入管、温度計、水分分離トラップを備えた玉付冷却管を取り付けた。オイルバス室温で、N−メチル−2−ピロリドン155.4g、トルエン50.0g、BISDA−2000;52.05gを60℃で均一になるまで攪拌した。さらに、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン(商品名:APB−N、三井化学社製)14.03g、6FAP;16.12gを添加して均一になるまで撹拌してからアニリン1.49gを加えて180℃まで昇温し、3時間加熱撹拌した。副生水を抜いた後、還流を止め、トルエンを全抜きし、室温まで冷却した。次に生成物を5μmのフィルターで加圧ろ過することでポリイミドHワニスを得た。重量平均分子量は3.7万であった。
三口セパラブルフラスコに窒素導入管、温度計、水分分離トラップを備えた玉付冷却管を取り付けた。オイルバス室温で、γ―ブチロラクトン72.7g、トルエン55.0g、ODPA;30.09gを60℃で均一になるまで攪拌した。さらに、XTJ−542;42.60gを少しずつ添加した後に180℃まで昇温し、3時間加熱撹拌した。反応中、副生する水は、トルエンと共沸し、水分分離トラップを備えた玉付冷却管を用いて、還流下、脱水を行った。この反応溶液を一旦35℃まで冷却した後、無水フタル酸0.89gを加え均一になるまで撹拌した後、γ―ブチロラクトン103.0g、6FAP;21.02gを少しずつ加え、70℃で3時間加熱撹拌した後で180℃まで昇温し、3時間還流した。副生水を抜いた後、還流を止め、トルエンを全抜きし、室温まで冷却した。次に生成物を5μmのフィルターで加圧ろ過することでポリイミドIワニスを得た。重量平均分子量は8.3万であった。
シアノ基を有するホスファゼン化合物Aは、特開2002−114981号公報の合成例17記載の方法で合成した。
フェノール性水酸基を有するホスファゼン化合物Bは、国際公開第2005/019231号パンフレットの合成例4記載の方法で合成した。
ポリイミドAの固形分が52.9質量%、オキサゾリン化合物として1,3−ビス(4,5−ジヒドロ−2−オキサゾリル)ベンゼン(PBO)が5.1質量%、酸化防止剤としてイルガノックス245(IRG245、BASF社製)が2.0質量%、難燃剤として複合水酸化マグネシウム(商品名:MGZ−5R、堺化学工業社製)が40.0質量%になるように樹脂組成物を調製し、γ−ブチロラクトンで樹脂組成物の総固形分が43質量%になるように希釈した。この樹脂組成物溶液を用いて積層体を作製し、作製した積層体を用いて、TMA法でTgを測定し、最小アルカリエッチング時間と過エッチング耐性を評価した。樹脂組成物の組成、Tg、評価結果を下記表1に示す。
実施例1と同様に樹脂組成物を調製して積層体を作製し、作製した積層体を評価した。
なお、溶媒をN−メチル−2−ピロリドンで合成したポリイミドD,E,F,Gに関しては、γ−ブチロラクトンの替わりにN−メチル−2−ピロリドンを用いた。実施例2〜10に関しては、可塑性を有する難燃剤であるホスファゼン化合物A又はホスファゼン化合物Bを用いた。実施例2〜10の樹脂組成物の組成、Tg、評価結果を下記表1に示す。
実施例1〜9と同様に樹脂組成物を調製して積層体を作製し、作製した積層体を評価した。比較例2においては、オキサゾリン化合物に代えて3官能エポキシ化合物(商品名:VG3101、プリンテック社製)を用いた。比較例1〜比較例3の樹脂組成物の組成、Tg、評価結果を下記表1に示す。表1中、「OH/オキサゾリン」は、樹脂組成物中の水酸基の数量/オキサゾリン基の数量を示す。
Claims (10)
- 前記(A)ポリイミドを構成する全酸二無水物のうち、前記一般式(1)で表される構造を有する酸二無水物を50mol%以上含有することを特徴とする請求項1記載の樹脂組成物。
- 前記(A)ポリイミド中の前記一般式(4)中のQ1が直鎖状テトラメチレン基である構造を含むことを特徴とする請求項3記載の樹脂組成物。
- 請求項1から請求項4のいずれかに記載の樹脂組成物を、有機溶媒に溶かしてなる樹脂組成物溶液。
- 基材と、前記基材上に設けられた請求項1から請求項4のいずれかに記載の樹脂組成物からなる樹脂組成物層と、を具備することを特徴とする積層体。
- 前記基材が、導体であることを特徴とする請求項6記載の積層体。
- 前記基材が、銅箔であることを特徴とする請求項7記載の積層体。
- 配線を有する基材と、前記配線を覆うように設けられた請求項1から請求項4のいずれかに記載の樹脂組成物を熱硬化した樹脂硬化物からなる樹脂硬化物層とを具備することを特徴とする多層プリント配線板。
- 配線を有する基材と、前記配線を覆うように設けられた樹脂組成物を熱硬化した樹脂硬化物からなる樹脂硬化物層とを具備する多層プリント配線板の製造方法であって、
前記樹脂組成物は、(A)フェノール性水酸基と下記一般式(1)で表される構造を有するポリイミドと(B)オキサゾリン化合物を含み、ガラス転移温度が110℃以下であり、
前記基材が有する前記配線を覆うようにして前記樹脂組成物からなる前記樹脂組成物層を形成する工程と、
前記樹脂組成物層の表面上に導電層を形成する工程と、
前記導電層の上にレジストマスクを形成する工程と、
前記レジストマスクを用いて前記導電層の一部をエッチングにより除去してコンフォーマルマスクを形成する工程と、
前記コンフォーマルマスクを介して前記樹脂組成物層の一部をアルカリ溶液により除去してビアホールを形成すると共に、前記レジストマスクを除去する工程と、
前記樹脂組成物層を熱硬化させて樹脂硬化物層を形成する工程と、
を具備することを特徴とする多層プリント配線板の製造方法。
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