以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、情報提供システムに対して本発明を適用した場合の実施形態である。
[1.情報提供システムの構成及び機能概要]
先ず、図1等を参照して、用いて本実施形態に係る情報提供システムSの構成及び概要機能について説明する。図1は、本実施形態に係る情報提供システムSの概要構成例を示す図である。図1に示すように、情報提供システムSは、複数のメーカ端末MTl(l=1,2,3・・・)、複数の店舗端末STm(m=1,2,3・・・)、複数のユーザ端末UTn(n=1,2,3・・・)、及び情報提供サーバSA等を含んで構成される。メーカ端末MTl、店舗端末STm、ユーザ端末UTn、及び情報提供サーバSAは、夫々、ネットワークNWに接続される。ネットワークNWは、例えば、インターネット、専用通信回線(例えば、CATV(Community Antenna Television)回線)、移動体通信網(基地局等を含む)、及びゲートウェイ等により構築される。
メーカ端末MTlは、それぞれ、商品を生産するメーカMl(l=1,2,3・・・)により使用される端末装置である。店舗端末STmは、商品を販売する店舗SHm(m=1,2,3・・・)により使用される端末装置である。メーカと店舗は、それぞれ、商品を提供する提供主体の一例である。ユーザ端末UTnは、それぞれ、商品の購入を希望するユーザUn(n=1,2,3・・・)により使用される端末装置である。メーカ端末MTl、店舗端末STm、及びユーザ端末UTnは、それぞれ、操作・表示部、通信部、記憶部、及び制御部等を備える。操作・表示部は、例えば、人の指やペン等による操作(ユーザ操作)を受け付ける入力機能と、情報を表示画面に表示する表示機能を有するタッチパネルを備える。通信部は、ネットワークNWに接続して通信を行う機能を担う。記憶部は、オペレーティングシステム(OS),アプリケーションプログラム,Webブラウザプログラム等を記憶する。制御部は、CPU(Central Processing Unit),ROM(Read Only Memory),及びRAM(Random Access Memory)等を備え、OS上でアプリケーションプログラムやWebブラウザプログラム等を実行する。なお、メーカ端末MTl、店舗端末STm、及びユーザ端末UTnには、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)、携帯電話機、携帯情報端末 (PDA:Personal Digital Assistant)、携帯電話機と携帯情報端末を融合させた携帯端末(Smartphone)、又は携帯ゲーム機等が適用可能である。メーカ端末MTl、店舗端末STm、及びユーザ端末UTnは、それぞれ、通信部及びネットワークNWを介して情報提供サーバSAにアクセスし、情報提供サーバSAと通信可能になっている。メーカ端末MTl、店舗端末STm、及びユーザ端末UTnは、それぞれ、例えば、情報提供サーバSAへの要求により当該情報提供サーバSAから送信された例えばWebページをWebブラウザのウインドウに表示する。
情報提供サーバSAは、本発明の情報処理装置の一例であり、例えばショッピングサイト、及びオークションサイト等のWebサイトを提供するサーバである。図2(A)は、本実施形態に係る情報提供サーバSAの概要構成例を示すブロック図である。図2(A)に示すように、情報提供サーバSAは、通信部1、記憶部2、入出力インターフェース部3、及びシステム制御部4等を備える。システム制御部4と入出力インターフェース部3とは、システムバス5を介して接続される。通信部1は、ネットワークNWに接続して通信を行う機能を担う。入出力インターフェース部3は、通信部1及び記憶部2とシステム制御部4との間のインターフェース処理を行うようになっている。記憶部2は、例えば、ハードディスクドライブ等からなり、オペレーティングシステム(OS),サーバプログラム(本発明の情報処理プログラムを含む)等を記憶する。なお、サーバプログラムは、所定のサーバから情報提供サーバSAにダウンロードされる。或いは、サーバプログラムは、CD、DVDなどの記録媒体に記録(コンピュータにより読み取り可能に記録)されており、当該記録媒体から読み込まれて記憶部2に記憶されるようにしてもよい。また、記憶部2には、例えばWebページを構成する電子データ等が記憶される。更に、記憶部2には、メーカ情報データベース(DB)21、店舗情報データベース(DB)22、ユーザ情報データベース(DB)23、商品情報データベース(DB)24、関連商品データベース(DB)25、想定閲覧情報データベース(DB)26、原資情報データベース(DB)27、及びクーポン情報データベース(DB)28等が構築される。
メーカ情報データベース21は、本情報提供システムSの利用会員となったメーカMlに関する情報を管理するデータベースである。メーカ情報データベース21には、例えば、メーカMlのメーカID、パスワード、メーカコード、及びメーカ商品情報等がメーカMl毎に対応付けられて登録されている。メーカIDは、メーカMl毎に固有の識別情報である。メーカID及びパスワードは、メーカMlがシステムにログインするために必要な認証情報である。メーカコードは、メーカMl毎に固有のコードであり、例えば店舗SHmやサイト運営者等の第三者がメーカMlを区別するために用いられる。メーカ商品情報には、例えば、メーカMlにより生産される商品の共通商品コード、当該商品の在庫数、当該商品の広告予算額、当該商品の売上目標額、及び当該商品の売上実績(売上額)等が含まれる。共通商品コードは、商品毎に固有のコード(例えば、商品の型式、または当該型式に応じて固有の商品番号)であり、複数の店舗SHm間で共通するコード(店舗を跨いで通用するコード)である(例えば、商品仕様及びメーカ価格(定価)が同一の商品には、同一の共通商品コードが付与される)。メーカ商品情報は、例えば、情報提供サーバSAにアクセスしたメーカ端末MTlからの登録要求に応じて登録される。メーカ商品情報に含まれる商品の在庫数、及び商品の売上実績は、例えば、商品取引が成立(つまり、商品の販売が完了)する度または所定時間間隔で更新される。なお、1つのメーカMlで、商品仕様(型式)が異なる複数種類の商品を生産して提供する場合、メーカ情報データベース21には、複数種類の商品のメーカ商品情報が登録されることになる。
次に、店舗情報データベース22は、本情報提供システムSの利用会員となった店舗SHmに関する情報を管理するデータベースである。店舗情報データベース22には、例えば、店舗SHmの店舗ID、パスワード、店舗コード、及び店舗商品情報が店舗SHm毎に対応付けられて登録されている。店舗IDは、店舗SHm毎に固有の識別情報である。店舗ID及びパスワードは、店舗SHmがシステムにログインするために必要な認証情報である。店舗コードは、店舗SHm毎に固有のコードであり、例えばメーカMlやサイト運営者等の第三者が店舗SHmを区別するために用いられる。店舗商品情報には、例えば、店舗SHmにより販売される商品の店舗商品コード、当該商品の共通商品コード、当該商品の在庫数、当該商品の広告予算額、当該商品の売上目標額、及び当該商品の売上実績(売上額)等が含まれる。店舗商品コードは、例えば各店舗SHmにより同一仕様(同一型式)の商品に付与される商品識別情報であり、当該システムSにおいて重複しないコードである。また、同一仕様の商品であっても、販売する店舗SHmが異なれば、店舗商品コードは異なることになる。例えば、メーカM1により生産された同一仕様の一眼レフカメラ(型式:C−123)という商品であっても、販売する店舗SHmが異なれば店舗商品コードが異なり、当該商品の価格も店舗SHmが個別により設定するので様々である。店舗商品情報は、例えば、情報提供サーバSAにアクセスした店舗端末STmからの登録要求に応じて登録される。店舗商品情報に含まれる商品の在庫数、及び商品の売上実績は、例えば、商品の取引が成立(つまり、商品の販売が完了)する度または所定時間間隔で更新される。なお、1つの店舗SHmで、商品仕様が異なる複数種類の商品を販売(提供)する場合、店舗情報データベース22には、複数種類の商品の店舗商品情報が登録されることになる。
次に、ユーザ情報データベース23は、本情報提供システムSの利用会員となったユーザUnに関する情報を管理するデータベースである。ユーザ情報データベース23には、例えば、会員となったユーザUnのユーザID、パスワード、ユーザランク、性別、年齢、興味のある商品カテゴリ、電子メールアドレス、検索履歴、閲覧履歴、ブックマーク登録履歴、及び購入履歴等がユーザUn毎に対応付けられて登録されている。なお、検索履歴、閲覧履歴、ブックマーク登録履歴、及び購入履歴は、ユーザUnの行動(操作)履歴を示す履歴情報の一例である。ユーザUnの履歴情報は、ユーザ情報データベース23とは別に設けられた履歴情報データベースに、ユーザUn毎のユーザIDに対応付けられて登録されてもよい。ユーザIDは、ユーザUn毎に固有の識別情報である。ユーザID及びパスワードは、ユーザUnがシステムにログインするために必要な認証情報である。ユーザランクは、会員としてのランクを示し、例えば、シルバー会員、ゴールド会員、プラチナ会員、ダイヤモンド会員の順にランクが高くなる。高いランクになるほど、ユーザUnにとってお得な特典が受けられる。このようなユーザランクは、ユーザUnの商品の購入実績やアンケート回答実績等によって上がる(ランクアップする)ようになっている。商品カテゴリは、商品を区分するためものであり、大別すると、例えば、家電、食品、ファッション、インテリア、書籍等に区分される。また、家電は、さらに、例えば、テレビ、オーディオ、パソコン、カメラ等に区分され、カメラは、さらに、例えば、一眼レフカメラ、コンパクトカメラ等に区分される。このような商品カテゴリのうち、ユーザUnに興味のある商品カテゴリは、例えば、情報提供サーバSAにアクセスしたユーザ端末UTnからの登録要求に応じて登録される。また、ユーザUnに興味のある商品カテゴリは、当該ユーザUnの検索履歴、閲覧履歴、ブックマーク登録履歴、及び購入履歴に基づいて特定され適宜のタイミングで更新される。なお、情報提供サーバSAは、ユーザUnの性別、年齢、及び興味のある商品カテゴリの少なくとも何れか一つをユーザUnの分類条件として、複数のユーザUnを複数のユーザ層(セグメント)に分類することができる。ユーザ層(セグメント)の例として、“20代の女性” “30代の女性”、“20代の男性” “30代の男性” 、“カメラ好き男性”、“オーディオ好き男性”、“アクセサリ好き女性”、“香水好き女性”などがある。
検索履歴には、検索時刻、検索クエリ、セッションID、及び検索結果等が対応付けられて含まれる。検索時刻とは、例えば、情報提供サーバSAにより検索クエリが受信された時刻、または情報提供サーバSAにより検索が実行された時刻である。検索時刻は、検索日+時刻で表されてもよいし、検索月日+時刻で表されてもよいし、検索年月日+時刻で表されてもよい(後述する閲覧時刻、ブックマーク登録時刻、購入時刻、及び電子クーポンの発行時刻についても同様)。検索クエリは、1または複数のワード(絞りこみ条件)から構成される。1または複数のワード(絞りこみ条件)や数値は、例えばユーザ端末UTnのWebブラウザにより表示されたWebページ上のワード入力欄に入力されるか、或いは商品カテゴリの一覧から指定(クリックまたはタップ)されることで検索クエリとして情報提供サーバSAにより取得される。検索結果には、検索クエリに基づく検索によりヒットした商品(つまり、検索クエリ(例えば、“一眼レフ&カメラ”)を満たす商品)の共通商品コード、当該商品の店舗商品コード、当該商品の生産元のメーカコード、当該商品の販売元の店舗コード、当該商品が属する商品カテゴリ等が含まれる。検索クエリに基づく検索により商品がヒットしなかった場合、検索結果にはヒットしなかったことを示す情報(NULL)が含まれる。なお、検索履歴は、例えば、ユーザ端末UTnからの検索クエリを含む検索要求毎に区別されるレコードから構成され、1レコードで検索回数が1回となる。また、同一の検索クエリが、異なるレコードに含まれる場合もある(例えば、ユーザUnが異なる日に同じ検索クエリで検索した場合)、同一の検索クエリをまとめて1つの検索クエリとしてカウントされる。また、同一の検索クエリだけでなく、類似または関連する検索クエリをまとめて1つの検索クエリとしてカウントされてもよい。例えば、“一眼レフ&カメラ”(ここで、“&”は、通常、スペース(空白)で指定される)という検索クエリと、“デジタル一眼レフカメラ”という検索クエリと、“一眼レフ&カメラ”という検索クエリと、“デジタルカメラ&レフ”という検索クエリとは、類似または関連する検索クエリとして処理されることで、これらの検索クエリが4つのレコードに分けられていても、1つの検索クエリとしてカウントされる。なお、類似または関連する検索クエリの範囲は、例えば商品カテゴリに基づき、サイト運営者側で任意に決められる。
情報提供サーバSAは、検索履歴に基づき、例えばユーザUnにより商品が検索された検索時間や検索頻度等を特定する。検索時間は、例えば、1セッションにおける複数のレコード(つまり、同一のセッションIDを含む連続する複数のレコード)において、最初のレコードに含まれる検索時刻から最後のレコードに含まれる検索時刻までの時間である。検索頻度は、所定期間(例えば、過去1週間)内における上記検索回数である。また、情報提供サーバSAは、検索履歴に基づき、例えばユーザUnが商品について重視する項目(以下、「ユーザUnの重視項目」という)を特定する。ユーザUnの重視項目は、例えば検索クエリに含まれるワードや数値から特定可能される。例えば、ユーザUnの検索クエリに商品の価格を示す数値が含まれる割合(例えば、当該ユーザUnの検索クエリの総数に対する割合)が相対的に高ければ、ユーザUnの重視項目は商品の価格になる。また、例えば、検索クエリに商品の仕様を示すワードが含まれる割合が相対的に高ければ、ユーザUnの重視項目は商品の仕様になる。なお、情報提供サーバSAは、ユーザUnの検索時間、または重視項目をユーザUnの分類条件として、複数のユーザUnを複数のユーザ層(セグメント)に分類することができる。これによって、複数のユーザUnをタイプ別または傾向別に分類できる。この場合のユーザ層(セグメント)の例として、“検索時間が短い(例えば、1分未満)”、“検索時間が普通(例えば、1分以上10分未満)”、“検索時間が長い(例えば、10分以上)”、“価格重視”、“仕様重視”などがある。
閲覧履歴には、閲覧時刻、閲覧時間(長さ)、閲覧された商品の共通商品コード、当該商品の店舗商品コード、当該商品の生産元のメーカコード、当該商品の販売元の店舗コード、当該商品が属する商品カテゴリ、閲覧箇所情報、セッション開始時刻、及びセッション終了時刻等が含まれる。閲覧時刻とは、例えば、商品の詳細情報を表すWebページがユーザ端末UTnのWebブラウザのウインドウ上に表示された時刻(表示開始時刻または表示開始時刻から数秒後の時刻)である。商品の詳細情報を表すWebページは、例えば、ユーザUnの検索クエリにより検索された検索結果(つまり、商品一覧)を表すWebページ上で、当該ユーザUnが閲覧操作により所望の商品を選択することで、情報提供サーバSAから取得されてWebブラウザのウインドウ上に表示される。閲覧時間は、例えば、閲覧された商品のレコードにおけるセッション開始時刻からセッション終了時刻までの時間である。また、閲覧箇所情報は、例えばWebページの表示中に、ユーザ端末UTnのWebブラウザから情報提供サーバSAへ適宜のタイミングで送信される。閲覧箇所情報は、Webページ上における座標で示されてもよいし、画像またはテキストの別で示されてもよい。例えば、Webページ上に配置された画像が所定時間以上継続して表示された場合、画像を示す閲覧箇所情報が閲覧履歴に含まれることになる。なお、閲覧履歴は、例えば、ユーザ端末UTnからの閲覧要求毎に区別されるレコードから構成され、1レコードで閲覧回数が1回となる。情報提供サーバSAは、ユーザUnの閲覧時間、または閲覧箇所情報をユーザUnの分類条件として、複数のユーザUnを複数のユーザ層(セグメント)に分類することができる。これによっても、複数のユーザUnをタイプ別または傾向別に分類できる。この場合のユーザ層(セグメント)の例として、“閲覧時間が短い(例えば、3分未満)”、“閲覧時間が普通(例えば、3分以上15分未満)”、“閲覧時間が長い(例えば、15分以上)”、“画像重視”、“テキスト重視”などがある。
ブックマーク登録履歴には、ブックマーク登録時刻、ブックマーク登録された商品(例えばユーザUnのブックマーク登録操作により登録された商品)の共通商品コード、当該商品の店舗商品コード、当該商品の生産元のメーカコード、当該商品の販売元の店舗コード、及び当該商品が属する商品カテゴリ等が含まれる。購入履歴には、購入時刻、購入額、購入された商品の共通商品コード、当該商品の店舗商品コード、当該商品の生産元のメーカコード、当該商品の販売元の店舗コード、及び当該商品が属する商品カテゴリ等が含まれる。なお、購入履歴は、例えば、ユーザ端末UTnからの購入要求毎に区別されるレコードから構成され、1レコードで購入回数が1回となる。
次に、商品情報データベース24は、店舗SHmから取引対象として出品された商品(アイテム)に関する情報を管理するデータベースである。商品情報データベース24には、例えば、店舗SHmから取引対象として出品された商品の共通商品コード、当該商品の店舗商品コード、当該商品の生産元のメーカコード、当該商品の販売元の店舗コード、当該商品の名称、当該商品の価格、当該商品の仕様、当該商品が属する商品カテゴリ、当該商品の在庫数(出品した店舗SHmにおける当該商品の在庫数)、及びクーポン発行フラグ等が商品毎に対応付けられて登録されている。ここで、クーポン発行フラグは、電子クーポンの発行対象とする否かを示す。例えば、後述する電子クーポンの発行処理(Push型)において用いられる。商品情報データベース24は、店舗商品コードに対応付けられて商品の被検索回数、被閲覧回数、被ブックマーク登録数、及び被購入数が、店舗毎SHmまたはメーカMl毎に区別されて登録されてもよい。関連商品データベース25には、例えば、互いに関連する商品の共通商品コードが、互いに関連する商品のグループ毎に対応付けられて登録される。なお、関連する商品の範囲は、例えば商品カテゴリに基づき、サイト運営者側で任意に決められる。
次に、想定閲覧情報データベース26は、複数のユーザUnそれぞれの履歴情報に基づいて特定された、商品毎の想定閲覧時間を示す想定閲覧情報(以下、「想定閲覧時間情報」という)と、複数のユーザUnそれぞれの履歴情報に基づいて特定された商品毎の想定閲覧順位を示す想定閲覧情報(以下、「想定閲覧順序情報」という)との少なくとも何れか一方を管理するデータベースである。ここで、想定閲覧時間情報及び想定閲覧順序情報は、それぞれ、複数に区別された検索クエリ毎に生成され、検索クエリ毎に対応付けられて登録される。検索クエリ毎とは、“一眼レフ&カメラ”という1つの検索クエリ毎であってもよいし、上述したように類似または関連する複数の検索クエリをまとめた検索クエリ群毎であってもよい。それぞれの想定閲覧時間情報には、例えば、商品の店舗商品コードと想定閲覧時間とが商品毎(本実施形態では、店舗商品コード毎)に対応付けられて含まれる。想定閲覧時間は、例えば、複数のユーザUnそれぞれの検索時刻から閲覧時刻までの経過時間(言い換えれば、検索から閲覧までに要した時間)の平均値(または標準偏差値)である。一方、それぞれの想定閲覧順序情報には、例えば、商品の店舗商品コードと想定閲覧順位とが商品毎(本実施形態では、店舗商品コード毎)に対応付けられて含まれる。想定閲覧順位は、例えば、複数のユーザUnそれぞれの検索時刻から閲覧時刻までの経過時間の平均値(または標準偏差値)に応じた順位である。ここで、経過時間の平均値(または標準偏差値)が短いほど順位が上位(高い順位)になる。このような想定閲覧情報データベース26により、情報の提供対象(例えば、電子クーポンの発行対象)となるユーザUnの履歴情報に含まれない商品であっても、ユーザUnが閲覧したであろう商品として特定して利用することができる。
次に、原資情報データベース27は、商品取引の際の支払いに利用可能な特典を示す電子クーポンの原資(言い換えれば、予算額)に関する情報を管理するデータベースである。電子クーポンの原資を、以下、「電子クーポン原資」という。商品取引の際の支払いに利用可能な特典の例としては、商品の価格から所定額(例えば、1,000円)値引き(割引き)や、商品の価格から所定割合(例えば、50%)値引きなどがある。例えば、電子クーポンの特典が“商品の価格から¥1,000値引き”である場合、当該特典に相当する価額(つまり、電子クーポンの値打ちであり、値引額(割引額)ともいう)は¥1,000となる。また、電子クーポンの特典が、“商品の価格¥1,000から50%値引き”である場合、当該特典に相当する価額は¥500となる。本実施形態では、後述するように決定された特典に相当する価額(以下、「クーポン額」という)に対する電子クーポン原資の割り当てが決定され、決定された割り当てに基づき電子クーポン原資から拠出される拠出額の総額に相当するクーポン額を示す電子クーポンが発行される。
原資情報データベース27には、原資種別、原資提供元(提供主体)、総予算額、基準額、追加額、拠出累積額、残予算額、消化目標期限、適用対象商品、及び適用対象ユーザ等が電子クーポン原資毎に対応付けられて登録されている。原資種別には、店舗原資、メーカ原資、及びイベント原資などがある。店舗原資は、例えば所定数の店舗SHmが当該予算を確保して用意した電子クーポン原資である。メーカ原資は、例えば、所定数のメーカMlが当該予算を確保して用意した電子クーポン原資である。イベント(例えば、キャンペーン)原資は、例えば、サイト運営者や広告主が当該予算を確保して用意した電子クーポン原資である。原資種別が店舗原資である場合の原資提供元は、例えば、当該電子クーポン原資を提供する店舗SHmであり、その店舗コードで示される。また、原資種別がメーカ原資である場合の原資提供元は、例えば、当該電子クーポン原資を提供するメーカMlであり、そのメーカコードで示される。また、原資種別がイベント原資である場合の原資提供元は、例えば、当該電子クーポン原資を提供するサイト運営者や広告主であり、サイト運営者や広告主の名称やイベント名等で示される。総予算額は、原資提供元により当初用意された電子クーポン原資である。基準額は、1電子クーポンあたり拠出する拠出額の上限である。追加額は、割り当てに基づき基準額が拠出されたにも関わらず、まだ電子クーポンのクーポン額に満たない場合に、所定の条件の下、追加で拠出される追加額の上限である。拠出累積額は、既に拠出された拠出額の累積額である。残予算額は、総予算額から拠出累積額を差し引いた残りの額(つまり、所定額拠出された後に残っている電子クーポン原資)である。つまり、電子クーポン原資には、当初額(つまり、総予算額)と、拠出により使われた後の残高(つまり、残予算額)とが該当する。消化目標期限は、電子クーポン原資の消化目標期限であり、原資提供元により設定される。
適用対象商品は、電子クーポン原資の適用対象となる商品を示す。例えば、店舗SH1が提供する電子クーポン原資の適用対象商品は、当該電子クーポン原資の適用対象となる商品、すなわち、店舗SH1が販売する全部または一部の商品を共通商品コードで示す。また、例えば、メーカM1が提供する電子クーポン原資の適用対象商品は、当該電子クーポン原資の適用対象となる商品、すなわち、メーカM1が生産する全部または一部の商品を共通商品コードで示す。また、例えば、サイト運営者が提供する電子クーポン原資の適用対象商品は、全ての商品を示す(特に商品を限定しない)。
適用対象ユーザは、電子クーポン原資の適用対象となるユーザを示す。例えば、店舗SH1が提供する電子クーポン原資の適用対象ユーザ、及びメーカM1が提供する電子クーポン原資の適用対象ユーザは、それぞれ、全てのユーザを示す(特にユーザを限定しない)。また、例えば、サイト運営者が提供する電子クーポン原資の適用対象ユーザは、電子クーポン原資の適用対象となるユーザを、ユーザランク(例えば、ダイヤモンド会員)で示す。この場合、当該ユーザランクを満たす(例えば、ダイヤモンド会員である)ユーザが、電子クーポン原資の適用対象となる。なお、電子クーポン原資は、ユーザランク毎に提供される場合もある。この場合、それぞれの電子クーポン原資の適用対象ユーザは、それぞれのユーザランク(例えば、(i)シルバー会員、(ii)ゴールド会員、(iii)プラチナ会員、(iv)ダイヤモンド会員)を示し、それぞれの電子クーポン原資の総予算額は同一であってもよいし異なっていてもよい。
また、電子クーポン原資の適用対象ユーザは、電子クーポン原資の適用対象となるユーザを、所定期間あたりの商品の購入額の範囲(例えば、過去1ヶ月以内の購入額が¥50,000以上)で示す場合もある。この場合、所定期間あたりの商品の総購入額の範囲を満たす(例えば、過去1ヶ月以内の総購入額が¥50,000以上の)ユーザが、電子クーポン原資の適用対象となる。ここで、例えば、店舗SH1が提供する電子クーポン原資の場合、総購入額の算出対象となる商品は、当該店舗SH1が販売した商品である。また、例えば、メーカM1が提供する電子クーポン原資の場合、総購入額の算出対象となる商品は、当該メーカM1が生産した商品である。また、例えば、サイト運営者が提供する電子クーポン原資の場合、総購入額の算出対象となる商品は、商品情報データベース24に登録された全商品となる。なお、電子クーポン原資は、商品の総購入額の範囲毎に提供される場合もある。この場合、それぞれの電子クーポン原資の適用対象ユーザは、それぞれの総購入額の範囲(例えば、(i)¥10,000未満、(ii)¥10,000以上¥50,000未満、(iii)¥50,000以上¥100,000未満、(iv)¥100,000以上)を示し、それぞれの電子クーポン原資の総予算額は同一であってもよいし異なっていてもよい。
また、電子クーポン原資の適用対象ユーザは、電子クーポン原資の適用対象となるユーザを、所定期間あたりの商品の購入回数の範囲(例えば、過去1ヶ月以内の購入回数が10回以上)で示す場合もある。この場合、所定期間あたりの商品の購入回数の範囲を満たす(例えば、過去1ヶ月以内の購入回数が10回以上の)ユーザが、電子クーポン原資の適用対象となる。ここで、例えば、店舗SH1が提供する電子クーポン原資の場合、購入回数の算出対象となる商品は、当該店舗SH1が販売した商品である。また、例えば、メーカM1が提供する電子クーポン原資の場合、購入回数の算出対象となる商品は、当該メーカM1が生産した商品である。また、例えば、サイト運営者が提供する電子クーポン原資の場合、購入回数の算出対象となる商品は、商品情報データベース24に登録された全商品となる。なお、電子クーポン原資は、商品の購入回数の範囲毎に提供される場合もある。この場合、それぞれの電子クーポン原資の適用対象ユーザは、それぞれの購入回数の範囲(例えば、(i)0回(ii)1回以上5回未満、(iii)5回以上10回未満、(iv)10回以上)を示し、それぞれの電子クーポン原資の総予算額は同一であってもよいし異なっていてもよい。
また、電子クーポン原資の総予算額は、商品カテゴリ別に、所定の分配率で分配されてもよい。ここで、電子クーポン原資の分配率は、例えば商品カテゴリ毎に均等に設定される。例えば、店舗SH1が販売する商品が4つの商品カテゴリ(例えば、テレビ、オーディオ、パソコン、カメラ)に亘る場合、店舗SH1が提供する電子クーポン原資の分配率は、それぞれの商品カテゴリに対して25%ずつ設定される。或いは、電子クーポン原資の分配率は、商品数が相対的に多い商品カテゴリほど高く設定される。ここで、商品数とは、例えば店舗SH1が販売している商品の数、またはメーカM1が生産している商品の数である。或いは、電子クーポン原資の分配率は、在庫数が相対的に多い商品カテゴリほど高く設定される。ここで、在庫数とは、例えば店舗SH1が保管している商品の在庫数、またはメーカM1が保管している商品の在庫数である。
また、電子クーポン原資の分配率は、購入期待値(商品取引の成立が期待される期待値の一例)が相対的に高い商品カテゴリほど高く設定されると効果的である。つまり、商品カテゴリ別の電子クーポン原資は、購入期待値が相対的に高い商品カテゴリほど多く分配されるように構成すれば、購入期待値が相対的に高い商品カテゴリに対応する電子クーポン原資からの拠出額をより多くすることができ、その結果、当該商品カテゴリに属する商品の取引成立に寄与することができる。ここで、購入期待値が高い商品カテゴリには、被検索数、被閲覧数、被ブックマーク登録数、及び被購入数の少なくとも何れか一つが相対的に多い商品が属する商品カテゴリが該当する。例えば、システム制御部4は、店舗SH1が販売する商品の被検索数、被閲覧数、被ブックマーク登録数、及び被購入数の少なくとも何れか一つを当該商品毎に算出し、算出した数を商品カテゴリ(当該店舗SH1が扱う商品カテゴリ)毎に集計することで購入期待値を算出する。なお、商品の被検索数、被閲覧数、被ブックマーク登録数、及び被購入数は、商品情報データベース24に登録された情報やユーザ情報データベース23に登録された各種履歴から算出することができる。例えば、店舗SH1が販売する商品が4つの商品カテゴリ(例えば、テレビ、オーディオ、パソコン、カメラ)に亘る場合、店舗SH1が提供する電子クーポン原資の分配率は、購入期待値が最も高い商品カテゴリ“カメラ”に対しては40%、購入期待値がその次に高い商品カテゴリ“オーディオ”に対しては30%、購入期待値がその次に高い商品カテゴリ“パソコン”に対しては20%、購入期待値が最も低い高い商品カテゴリ“テレビ”に対しては10%というように設定される。
また、電子クーポン原資の分配率は、過去に発行された電子クーポンの被利用率が相対的に高い商品カテゴリほど高く設定されると効果的である。つまり、商品カテゴリ別の電子クーポン原資は、電子クーポンの被利用率が相対的に高い商品カテゴリほど多く分配されるように構成すれば、過去に発行された電子クーポンの被利用率が相対的に高い商品カテゴリに対応する電子クーポン原資からの拠出額をより多くすることができ、その結果、当該商品カテゴリに属する商品の取引成立に寄与することができる。例えば、システム制御部4は、店舗SH1が販売する商品の中で、電子クーポンの発行対象となった商品の数を商品カテゴリ(当該店舗SH1が扱う商品カテゴリ)毎に集計し、その中で電子クーポンが支払いに利用された商品の数の割合を商品カテゴリ毎に算出することで電子クーポンの被利用率を算出する。また、電子クーポン原資の分配率は、投資対効果(ROI)が相対的に高い商品カテゴリほど高く設定されると効果的である。つまり、商品カテゴリ別の電子クーポン原資は、投資対効果が相対的に高い商品カテゴリほど多く分配されるように構成すれば、投資対効果が相対的に高い商品カテゴリに対応する電子クーポン原資からの拠出額をより多くすることができ、その結果、当該商品カテゴリに属する商品の売上向上に寄与することができる。投資対効果は、例えば、数値で表され、商品の価格またはクーポン額に基づき決定される。例えば、システム制御部4は、店舗SH1が販売する商品の価格または商品に対して発行された電子クーポンのクーポン額を商品カテゴリ毎に集計することで投資対効果を算出する。
また、電子クーポン原資の総予算額は、ユーザ層(セグメント)別に所定の分配率で分配されてもよい。ここで、電子クーポン原資の分配率は、例えばユーザ層毎に均等に設定される。例えば、ユーザ層が“20代の女性”、“30代の女性”、“40代の女性”、“50代の女性”である場合、電子クーポン原資の分配率は、それぞれのユーザ層に対して25%ずつ設定される。或いは、電子クーポン原資の分配率は、ユーザ数が相対的に多いユーザ層ほど高く設定される。それぞれのユーザ層におけるユーザ数は、ユーザ情報データベース23に登録された情報から算出することができる。
また、電子クーポン原資の分配率は、購入期待値が相対的に高いユーザ層ほど高く設定されると効果的である。つまり、ユーザ層別の電子クーポン原資は、購入期待値が相対的に高いユーザ層ほど多く分配されるように構成すれば、購入期待値が相対的に高いユーザ層に対応する電子クーポン原資からの拠出額をより多くすることができ、その結果、当該ユーザ層に属するユーザの取引成立に寄与することができる。ここで、購入期待値が高いユーザ層には、検索数、閲覧数、ブックマーク登録数、及び購入数の少なくとも何れか一つが相対的に多いユーザが属するユーザ層が該当する。例えば、システム制御部4は、検索数、閲覧数、ブックマーク登録数、及び購入数(ここでの購入数は、ユーザが購入した商品の数であるが、購入要求毎に積算される購入回数でもよい)の少なくとも何れか一つを当該ユーザ毎に算出し、算出した数をユーザ層毎に集計することで購入期待値を算出する。なお、ユーザの検索数、閲覧数、ブックマーク登録数、及び購入数は、ユーザ情報データベース23に登録された各種履歴から算出することができる。例えば、ユーザ層が“20代の女性”、“30代の女性”、“40代の女性”、“50代の女性”である場合、電子クーポン原資の分配率は、購入期待値が最も高いユーザ層“30代の女性”に対しては40%、購入期待値がその次に高いユーザ層“20代の女性”に対しては30%、購入期待値がその次に高いユーザ層“40代の女性”に対しては20%、購入期待値が最も低い高いユーザ層“50代の女性”に対しては10%というように設定される。
また、電子クーポン原資の分配率は、過去に発行された電子クーポンの利用率が相対的に高いユーザ層ほど高く設定されると効果的である。つまり、ユーザ層別の電子クーポン原資は、電子クーポンの利用率が相対的に高いユーザ層ほど多く分配されるように構成すれば、過去に発行された電子クーポンの利用率が相対的に高いユーザ層に対応する電子クーポン原資からの拠出額をより多くすることができ、その結果、当該ユーザ層に属するユーザの取引成立に寄与することができる。例えば、システム制御部4は、電子クーポンの発行対象となったユーザの数をユーザ層毎に集計し、その中で電子クーポンを支払いに利用したユーザの数の割合をユーザ層毎に算出することで電子クーポンの利用率を算出する。また、電子クーポン原資の分配率は、投資対効果(ROI)が相対的に高いユーザ層ほど高く設定されると効果的である。つまり、ユーザ層別の電子クーポン原資は、投資対効果が相対的に高いユーザ層ほど多く分配されるように構成すれば、投資対効果が相対的に高いユーザ層に対応する電子クーポン原資からの拠出額をより多くすることができ、その結果、当該ユーザ層における売上向上に寄与することができる。例えば、システム制御部4は、ユーザが購入した商品の価格または利用した電子クーポンのクーポン額をユーザ層毎に集計することで投資対効果を算出する。
次に、クーポン情報データベース28は、発行された電子クーポンの管理情報を管理するデータベースである。クーポン情報データベース28には、発行された電子クーポンのクーポンID、発行対象となった商品の共通商品コード、当該商品の店舗商品コード、当該商品の生産元のメーカコード、当該商品の販売元の店舗コード、発行対象となったユーザのユーザID、電子クーポンの発行時刻、電子クーポンの特典(クーポン額)、電子クーポン原資の拠出元と拠出額、電子クーポンの有効期間、及び電子クーポンの利用有無等の管理情報が電子クーポン毎に対応付けられて登録されている。クーポンIDは、発行された電子クーポン毎に固有の識別情報である。
コンピュータとしてのシステム制御部4は、CPU41(プロセッサ),ROM42,及びRAM43等を備え、OS上でサーバプログラム等を実行する。図2(B)は、システム制御部4における機能ブロックの一例を示す図である。システム制御部4(システム制御部4内のプロセッサ)は、サーバプログラム等の実行により、図2(B)に示すように、対象ユーザ特定部41a、発行対象商品特定部41b、比較対象商品特定部41c、履歴情報取得部41d、想定閲覧情報取得部41e、想定閲覧商品特定部41f、特典決定部41g、原資特定部41h、割当決定部41i、有効期間設定部41j、及びクーポン発行部41k等として機能する。なお、対象ユーザ特定部41aは、対象ユーザ特定手段の一例である。発行対象商品特定部41bは、発行対象商品特定手段の一例である。比較対象商品特定部41cは、比較対象商品特定手段の一例である。想定閲覧情報取得部41eは、取得手段の一例である。想定閲覧商品特定部41fは、算出手段、及び想定閲覧商品特定手段の一例である。特典決定部41gは、決定手段の一例である。有効期間設定部41jは、検討時間特定手段、推定時間特定手段、及び設定手段の一例である。クーポン発行部41kは、発行手段の一例である。
対象ユーザ特定部41aは、例えばユーザ情報データベース23に登録(つまり、ユーザIDが登録)されたユーザUnの中から、電子クーポンの発行対象となるユーザUn(以下、「対象ユーザ」という)を特定(例えば、当該ユーザのユーザIDを特定)する。
発行対象商品特定部41bは、例えば商品情報データベース24に登録(つまり、商品IDが登録)された商品の中から、電子クーポンの発行対象となる商品(以下、「発行対象商品」という)を1または複数特定(例えば、当該商品の共通商品コード及び店舗商品コードを特定)する。
比較対象商品特定部41cは、例えば商品情報データベース24に登録された商品の中から、発行対象商品特定部41bにより特定された発行対象商品と比較対象となる商品(以下、「比較対象商品」という)を1または複数特定(例えば、当該商品の共通商品コード及び店舗商品コードを特定)する。なお、発行対象商品が複数特定された場合、発行対象商品毎に比較対象商品が特定される。比較対象商品特定部41cは、例えば、共通商品コードが発行対象商品と同一の商品であって店舗商品コードが発行対象商品と異なる商品を、比較対象商品として特定する。このような商品は、発行対象商品を販売する店舗以外の他の店舗SHmが販売する商品である。また、比較対象商品特定部41cは、共通商品コードが発行対象商品と関連する商品であって店舗商品コードが発行対象商品と異なる商品を、比較対象商品として特定してもよい。このような商品も、発行対象商品を販売する店舗以外の他の店舗SHmが販売する商品である。共通商品コードが発行対象商品と同一または関連する商品は、発行対象商品との間で販売を競い合う競合商品ということができる。なお、共通商品コードが発行対象商品と関連する商品は、関連商品データベース25から特定できる。
また、比較対象商品特定部41cは、共通商品コードが発行対象商品と同一または関連する商品であって店舗商品コードが発行対象商品と異なる商品で、且つ、上記対象ユーザの履歴情報から特定された商品を比較対象商品として特定するとよい。ここで、履歴情報取得部41dは、対象ユーザの履歴情報(つまり、対象ユーザのユーザIDに対応付けられた履歴情報)を、ユーザ情報データベース23から取得する。そして、履歴情報取得部41dは、例えば、取得した履歴情報に含まれる検索履歴、閲覧履歴、またはブックマーク登録履歴から、対象ユーザにより検索、閲覧、またはブックマーク登録された商品を特定する。そして、比較対象商品特定部41cは、共通商品コードが発行対象商品と同一または関連する商品の中で、履歴情報から特定された商品を比較対象商品として特定する。このような商品は対象ユーザにより関心(または興味)がある商品である可能性が高いため、このような商品を比較対象商品とすることで、特典決定部41gにより適切な特典を決定することが可能となる。なお、比較対象商品特定部41cは、共通商品コードが発行対象商品と同一または関連する商品の中で、上記対象ユーザの履歴情報から特定された商品のうち、当該履歴情報(つまり、検索履歴または閲覧履歴)から特定される検索回数または閲覧回数が所定回数(閾値)以上の商品を比較対象商品として特定してもよい。これは、検索回数または閲覧回数が多いほど対象ユーザによる関心度(または興味度)が高い商品であるため、このような商品を比較対象商品とすることで、より一層、適切な特典を決定することが可能となる。
また、比較対象商品特定部41cは、共通商品コードが発行対象商品と同一または関連する商品の中で、発行対象商品の検索時刻(または閲覧時刻)と、共通商品コードが発行対象商品と同一または関連する商品の検索時刻(または閲覧時刻)とを比較し、当該時刻間(検索時刻間または閲覧時刻間)の時間差が所定差(閾値:例えば、30分程度)未満(または以下)である商品(つまり、共通商品コードが発行対象商品と同一または関連する商品)を、比較対象商品として特定すれば、より効果的である。このような商品は、発行対象商品の検索時期または閲覧時期と同時期に検索または閲覧されていたと可能性が高いので、このような商品を比較対象商品とすることで、より一層、適切な特典を決定することが可能となる。なお、発行対象商品の検索時刻及び閲覧時刻と、共通商品コードが発行対象商品と同一または関連する商品の検索時刻及び閲覧時刻とは、それぞれ、履歴情報取得部41dにより取得された対象ユーザの履歴情報から特定される。
以上のように、対象ユーザの履歴情報を用いれば、より適切な比較対象商品を特定することができるが、対象ユーザの全ての履歴情報を取得することが困難な場合がある。例えば、仮に、対象ユーザの履歴情報に基づき比較対象商品が特定され、これに従って後述するように、クーポン発行部41kにより発行された電子クーポンが対象ユーザに提供された後、当該対象ユーザが当該提供された電子クーポンを実際に確認するまでの間に、当該対象ユーザが別の商品を閲覧する場合がある。これは、対象ユーザの履歴情報に基づいて電子クーポンを発行(生成)するタイミングと、当該対象ユーザが提供された電子クーポンを確認するタイミングとで時間差が生じるからである。このような場合、対象ユーザの履歴情報に基づく比較対象商品の特定には、上記別の商品の閲覧履歴が反映されていない。このため、対象ユーザの履歴情報を用いたとしても、より適切な比較対象商品を特定することが困難なことが予想される。また、例えば、対象ユーザが複数種類のユーザ端末STm(例えば、パーソナルコンピュータ(デスクトップ)、携帯端末)、複数種類のWebブラウザプログラム、または複数のWebサイトを利用している場合、それらの履歴情報を一つに集約することが困難となる。また、対象ユーザが同一のWebサイトを利用する場合であっても、ログインしていない状態で利用する場合、当該対象ユーザの全ての履歴情報を取得することが困難となる。このような場合、対象ユーザの履歴情報を用いたとしても、より適切な比較対象商品を特定することが困難なことが予想される。
そこで、本実施形態では、想定閲覧情報データベース26に登録された想定閲覧時間情報または想定閲覧順序情報を利用することで、対象ユーザの履歴情報に含まれない商品が、対象ユーザにより閲覧されたであろう商品として特定され、特定された商品が当該対象ユーザの閲覧履歴に補完される。
ここで、図3を参照して、想定閲覧時間情報を利用することで特定された商品が対象ユーザの閲覧履歴に補完される方法について説明する。図3は、想定閲覧時間情報を利用することで対象ユーザの閲覧履歴に補完される一例を示す概念図である。この場合、想定閲覧情報取得部41eは、対象ユーザの履歴情報に含まれる検索履歴から、対象ユーザの検索クエリと当該検索クエリに対応付けられた検索時刻とを特定する。次に、想定閲覧情報取得部41eは、対象ユーザの検索履歴から特定された検索クエリに対応する想定閲覧時間情報を、想定閲覧情報データベース26から取得する。例えば、対象ユーザの検索履歴から特定された検索クエリと一致する検索クエリが対応付けられた想定閲覧時間情報が取得される。或いは、対象ユーザの検索履歴から特定された検索クエリを含む検索クエリ群が対応付けられた想定閲覧時間情報が取得される。図3の例では、対象ユーザの検索履歴から特定された検索クエリ“一眼レフ&カメラ”を含む検索クエリ群が対応付けられた想定閲覧時間情報が取得されている。
次に、想定閲覧商品特定部41fは、対象ユーザの検索履歴から特定された検索時刻から現在時刻(つまり、当該処理の時刻)までの経過時間と、対象ユーザが現在時刻から閲覧に至るまでの予想時間とを加算して閲覧予想時間(図3の例では、32分)を算出する。そして、想定閲覧商品特定部41fは、想定閲覧情報取得部41eにより取得された想定閲覧時間情報に含まれる商品のうち、上記算出した閲覧予想時間未満(または以下)の想定閲覧時間(つまり、閲覧予想時間>or≧想定閲覧時間)が対応付けられた商品を特定する。こうして特定された商品(図3の例では、店舗商品コードがItem002からItem062までの商品)のうち、対象ユーザの履歴情報(つまり、閲覧履歴)に含まれない商品(図3の例では、店舗商品コードがItem022,Item242,Item082である商品)を想定閲覧商品(補完商品)という。想定閲覧商品特定部41fは、上記特定した想定閲覧商品を、対象ユーザの閲覧履歴に補完することで、図3に示すように補完閲覧履歴を生成する。
次に、図4を参照して、想定閲覧順序情報を利用することで特定された商品が対象ユーザの閲覧履歴に補完される方法について説明する。図4は、想定閲覧順序情報を利用することで対象ユーザの閲覧履歴に補完される一例を示す概念図である。この場合、想定閲覧情報取得部41eは、対象ユーザの履歴情報に含まれる検索履歴から、対象ユーザの検索クエリを特定する。次に、想定閲覧情報取得部41eは、対象ユーザの検索履歴から特定された検索クエリに対応する想定閲覧順序情報を、想定閲覧情報データベース26から取得する。例えば、対象ユーザの検索履歴から特定された検索クエリと一致する検索クエリが対応付けられた想定閲覧順序情報が取得される。或いは、対象ユーザの検索履歴から特定された検索クエリを含む検索クエリ群が対応付けられた想定閲覧順序情報が取得される。図4の例では、対象ユーザの検索履歴から特定された検索クエリ“一眼レフ&カメラ”を含む検索クエリ群が対応付けられた想定閲覧順序情報が取得されている。或いは、想定閲覧情報取得部41eは、対象ユーザの履歴情報(つまり、閲覧履歴)に含まれる複数の商品の組合せを含む想定閲覧順序情報を取得してもよい。図4の例では、対象ユーザの閲覧履歴に含まれる商品(店舗商品コードがItem202からItem012までの商品)は、何れも想定閲覧順序情報に含まれることから、対象ユーザの検索履歴から検索クエリを特定できなくても、当該想定閲覧順序情報を取得することができる。そして、想定閲覧商品特定部41fは、対象ユーザの閲覧履歴に含まれる商品で、且つ想定閲覧情報取得部41eにより取得された想定閲覧順序情報に含まれる商品のうち、想定閲覧順位が最下位の商品(図4の例では、店舗商品コードがItem062の商品)より上位の商品を想定閲覧順序情報から特定する。こうして特定された商品(図4の例では、店舗商品コードがItem002からItem082までの商品)のうち、対象ユーザの履歴情報(つまり、閲覧履歴)に含まれない商品(図4の例では、店舗商品コードがItem022,Item242,Item082である商品)を想定閲覧商品という。想定閲覧商品特定部41fは、上記特定した想定閲覧商品を、対象ユーザの閲覧履歴に補完することで、図4に示すように補完閲覧履歴を生成する。
そして、比較対象商品特定部41cは、共通商品コードが発行対象商品と同一または関連する商品であって店舗商品コードが発行対象商品と異なる商品で、且つ、想定閲覧商品特定部41fにより特定された想定閲覧商品を、比較対象商品として特定する。これにより、対象ユーザの履歴情報に基づいて電子クーポンを発行するタイミングと、当該対象ユーザが提供された電子クーポンを確認するタイミングとで時間差が生じる場合や、対象ユーザの全ての履歴情報を取得することが困難な場合であっても、より適切な比較対象商品を特定することができ、より一層、適切な特典を決定することが可能となる。
次に、特典決定部41gは、発行対象商品特定部41bにより特定された発行対象商品の価格と、比較対象商品特定部41cにより特定された比較対象商品の価格との差額に応じた特典(例えば、所定額値引きや、商品の価格から所定割合値引き)を決定する。例えば、発行対象商品の価格が比較対象商品の価格より大きい場合に、発行対象商品の価格から比較対象商品の価格を引いた差額が、当該特典に相当するクーポン額として決定される。つまり、この場合、価格の差額=クーポン額となり、発行対象商品は、価格面において比較対象商品(例えば、競合商品)に対抗することができる。また、特典決定部41gは、差額に所定額加算した額をクーポン額として決定してもよい。この場合、例えば、差額が¥1,000であるとき、クーポン額が¥1,200に決定(つまり、クーポン額を増額)される。
次に、原資特定部41hは、特典決定部41gにより決定された特典に相当するクーポン額の原資として利用可能な複数の電子クーポン原資であって、発行対象商品特定部41bにより特定された発行対象商品と、対象ユーザ特定部41aにより特定された対象ユーザとの少なくとも何れか一方に対応付けられる複数の電子クーポン原資を原資情報データベース27から特定する。ここで、発行対象商品に対応付けられる電子クーポン原資とは、例えば、原資情報データベース27において、発行対象商品を示す(例えば、発行対象商品の共通商品コードを示す)適用対象商品が対応付けられた電子クーポン原資が該当する。また、対象ユーザに対応付けられる電子クーポン原資とは、例えば、原資情報データベース27において、対象ユーザを示す(例えば、対象ユーザのユーザランクを示す)適用対象ユーザが対応付けられた電子クーポン原資が該当する。
次に、割当決定部41iは、原資特定部41hにより特定された、利用可能な複数の電子クーポン原資に基づいて、特典決定部41gにより決定された特典に相当するクーポン額に対する電子クーポン原資の割り当てを決定する。例えば、割当決定部41iは、残予算額が相対的に多い電子クーポン原資を優先してクーポン額に割り当てる。
次に、有効期間設定部41jは、割当決定部41iにより決定された特典を示す電子クーポンの有効期間を設定する。例えば、電子クーポンの有効期間が、所定の期間(例えば、数時間など)に設定される。
次に、クーポン発行部41kは、割当決定部41iにより決定された割り当てに基づき電子クーポン原資から拠出された拠出額の総額に相当する特典(つまり、特典決定部41gにより決定された特典に相当するクーポン額)を示す電子クーポンを、対象ユーザ特定部41aにより特定された対象ユーザに対して発行する。電子クーポンの発行では、例えば、特典決定部41gにより決定された特典を示す電子クーポン(クーポンデータ)の生成、当該電子クーポンに対するクーポンIDの割り当て、当該電子クーポンの管理情報の登録(クーポン情報データベース28への登録)、及び対象ユーザに対する当該電子クーポンの提供が行われる。ここで、電子クーポンの管理情報には、クーポンID、発行対象商品の共通商品コード、発行対象商品の店舗商品コード、発行対象商品の生産元のメーカコード、発行対象商品の販売元の店舗コード、対象ユーザのユーザID、発行時刻、特典(クーポン額)、電子クーポン原資の拠出元と拠出額、有効期間等が含まれる。
[2.情報提供システムSの動作]
次に、本実施形態に係る情報提供システムSの動作について説明する。
(2−1.想定閲覧時間情報の生成処理)
先ず、図5を参照して、情報提供サーバSAのシステム制御部4により実行される想定閲覧時間情報の生成処理について説明する。図5は、システム制御部4により実行される想定閲覧時間情報の生成処理の一例を示すフローチャートである。図5に示す処理は、例えば所定期間(例えば、24時間)毎にタイマーにより設定された時刻が到来すると開始される。図5に示す処理が開始されると、システム制御部4は、複数のユーザUn(例えば、全てのユーザUn)それぞれの履歴情報をユーザ情報データベース23から取得する(ステップS1)。次いで、システム制御部4は、ステップS1で取得したそれぞれの履歴情報から検索クエリをユーザ(つまり、ユーザID)毎に特定する(ステップS2)。
次いで、システム制御部4は、ステップS2で特定された検索クエリのうち、1つの検索クエリ(または1つの検索クエリ群)を選定する(ステップS3)。次いで、システム制御部4は、ステップS3で選定した検索クエリ(または検索クエリ群に含まれる何れかの検索クエリ)に基づく検索によりヒットした商品(以下、「検索クエリ(または検索クエリ群)に紐付く商品」という)を、上記取得された履歴情報からユーザ毎に特定(例えば店舗商品コードで特定)する(ステップS4)。
次いで、システム制御部4は、ステップS4で特定された商品(例えば店舗商品コード)の検索時刻、及び当該商品の閲覧時刻(当該検索時刻以降の閲覧時刻)を、上記取得された履歴情報から商品毎、且つユーザ毎に特定する(ステップS5)。次いで、システム制御部4は、ステップS5で特定された検索時刻から閲覧時刻までの経過時間(つまり、検索から閲覧までに要した時間)を、商品毎、且つユーザ毎に算出(カウント)する(ステップS6)。
ここで、システム制御部4は、上記取得された履歴情報に基づいて、それぞれの商品の平均的な閲覧時間を決定(例えば、複数の閲覧時間を平均して決定)、当該決定した閲覧時間(例えば、Webブラウザにより商品の詳細情報を見ている時間)を、カウントする経過時間の上限(例えば、30分)として設定するとよい。例えば、検索クエリに対応付けられた検索時刻が11時00分であり、当該検索クエリに紐付く商品(Item001)の閲覧時刻が11時10分であり、商品(Item002)の閲覧時刻が11時20分であり、商品(Item003)の閲覧時刻が16時10分であるとすると、商品(item001)と商品(item002)の経過時間がそれぞれ10分と20分であるのに対して、商品(item003)の経過時間が5時間となり、これは商品の平均的な閲覧時間である30分と比べて不自然に長く、経過時間のデータとしては信用性が低くなるため、カウントする経過時間の上限を設けることで、より適切な想定閲覧時間を得ることができる。
なお、カウントする経過時間の上限は、ユーザ毎またはユーザ層(セグメント)毎に設定されるとよい(例えば、ユーザ毎またはユーザ層毎に平均的な閲覧時間が異なる)。また、例えば、カウントする経過時間の上限は、時間帯毎に設定されてもよい。例えば、20時から2時までの時間帯(例えばユーザが習慣的にアクセスする時間帯)にはカウントする経過時間の上限が2時間に設定され、その他の時間帯にはカウントする経過時間の上限が30分に設定される。また、例えば、カウントする経過時間の上限は、ユーザ端末の種類(例えば、パーソナルコンピュータ(デスクトップ)、携帯端末)毎に設定されてもよい。例えば、パーソナルコンピュータにはカウントする経過時間の上限が2時間に設定され、携帯端末にはカウントする経過時間の上限が30分に設定される。この場合、ユーザ端末の種類が検索時又は閲覧時に取得(例えばクッキーから取得)され履歴情報中に登録される。
また、ステップS6で算出された経過時間が所定時間(閾値:例えば10秒)未満(または以下)の商品は、ノイズとして除外されてもよく、この場合、当該商品に対応する経過時間は、以下のステップS7での想定閲覧時間の算出演算から除外される。
次いで、システム制御部4は、ステップS6でユーザ毎に算出された経過時間に基づいて、複数のユーザ全体としての想定閲覧時間を商品毎に算出する(ステップS7)。つまり、システム制御部4は、商品毎且つユーザ毎の検索時刻と、当該商品毎且つ当該ユーザ毎の閲覧時刻とに基づいて、複数のユーザ全体としての商品毎の経過時間を想定閲覧時間として算出する。例えば、ステップS6で算出されたユーザ毎の経過時間の平均値または標準偏差値が複数のユーザ全体としての想定閲覧時間として商品毎に算出される。
次いで、システム制御部4は、ステップS7で商品毎に算出した想定閲覧時間と、それぞれの商品の店舗商品コードとを対応付けた想定閲覧時間情報を生成する(ステップS8)。次いで、システム制御部4は、ステップS8で生成した想定閲覧時間情報を、上記ステップS3で選定された検索クエリ(または検索クエリ群)に対応付けて想定閲覧情報データベース26に登録する(ステップS9)。次いで、システム制御部4は、ステップS2で特定された検索クエリのうち、ステップS3でまだ選定されていない検索クエリがあるか否かを判定する(ステップS10)。システム制御部4は、まだ選定されていない検索クエリがあると判定した場合(ステップS10:YES)、ステップS3に戻り、他の検索クエリに対して上記と同様の処理を行う。一方、システム制御部4は、選定されていない検索クエリがないと判定した場合(ステップS10:NO)、図5に示す処理を終了する。
なお、システム制御部4は、図5に示す処理の開始後、ステップS1の処理を行う前に、複数のユーザを所定の分類条件(例えば、上述した検索時間(短い、普通、長い)、または重視項目(画像重視、テキスト重視)など)に基づいて複数のユーザ層(セグメント)に分類し、分類されたユーザ層毎に、当該ユーザ層に属する複数のユーザそれぞれの履歴情報をステップS1で取得してもよい。この場合、システム制御部4は、分類されたユーザ層毎にステップS2以降の処理を行うことで、分類されたユーザ層毎に想定閲覧時間を算出して想定閲覧時間情報を生成する。こうして生成された想定閲覧時間情報は、検索クエリ(または検索クエリ群)及びユーザ層に対応付けられて想定閲覧情報データベース26に登録される。これにより、上述した対象ユーザに、より合った利用価値が高い想定閲覧時間情報を生成することができる。
(2−2.想定閲覧順序情報の生成処理)
次に、図6を参照して、情報提供サーバSAのシステム制御部4により実行される想定閲覧順序情報の生成処理について説明する。図6は、システム制御部4により実行される想定閲覧順序情報の生成処理の一例を示すフローチャートである。図6に示す処理は、例えば所定期間(例えば、24時間)毎にタイマーにより設定された時刻が到来すると開始される。図6に示す処理が開始されると、システム制御部4は、複数のユーザUn(例えば、全てのユーザUn)それぞれの履歴情報をユーザ情報データベース23から取得する(ステップS21)。次いで、システム制御部4は、ステップS21で取得したそれぞれの履歴情報から検索クエリをユーザ(つまり、ユーザID)毎に特定する(ステップS22)。
次いで、システム制御部4は、ステップS22で特定された検索クエリのうち、1つの検索クエリ(または1つの検索クエリ群)を選定する(ステップS23)。次いで、システム制御部4は、ステップS23で選定した検索クエリ(または検索クエリ群に含まれる何れかの検索クエリ)に紐付く商品を、上記取得された履歴情報からユーザ毎に特定(例えば店舗商品コードで特定)する(ステップS24)。
次いで、システム制御部4は、ステップS24で特定された商品(例えば店舗商品コード)の検索時刻、及び当該商品の閲覧時刻(当該検索時刻以降の閲覧時刻)を、上記取得された履歴情報から商品毎、且つユーザ毎に特定する(ステップS25)。次いで、システム制御部4は、ステップS25で特定された検索時刻から閲覧時刻までの経過時間(つまり、検索から閲覧までに要した時間)を、商品毎、且つユーザ毎に算出(カウント)する(ステップS26)。
ここで、システム制御部4は、上記取得された履歴情報に基づいて、それぞれの商品の平均的な閲覧時間を決定(例えば、複数の閲覧時間を平均して決定)、当該決定した閲覧時間(例えば、Webブラウザにより商品の詳細情報を見ている時間)を、カウントする経過時間の上限(例えば、30分)として設定するとよい。例えば、検索クエリに対応付けられた検索時刻が11時00分であり、当該検索クエリに紐付く商品(Item001)の閲覧時刻が11時10分であり、商品(Item002)の閲覧時刻が11時20分であり、商品(Item003)の閲覧時刻が16時10分であるとすると、商品(item001)と商品(item002)の経過時間がそれぞれ10分と20分であるのに対して、商品(item003)の経過時間が5時間となり、これは商品の平均的な閲覧時間である30分と比べて不自然に長く、経過時間のデータとしては信用性が低くなるため、カウントする経過時間の上限を設けることで、より適切な想定閲覧時間を得ることができる。
なお、カウントする経過時間の上限は、ユーザ毎またはユーザ層(セグメント)毎に設定されるとよい(例えば、ユーザ毎またはユーザ層毎に平均的な閲覧時間が異なる)。また、例えば、カウントする経過時間の上限は、時間帯毎に設定されてもよい。例えば、20時から26時までの時間帯(例えばユーザが習慣的にアクセスする時間帯)にはカウントする経過時間の上限が2時間に設定され、その他の時間帯にはカウントする経過時間の上限が30分に設定される。また、例えば、カウントする経過時間の上限は、ユーザ端末の種類(例えば、パーソナルコンピュータ(デスクトップ)、携帯端末)毎に設定されてもよい。例えば、パーソナルコンピュータにはカウントする経過時間の上限が2時間に設定され、携帯端末にはカウントする経過時間の上限が30分に設定される。この場合、ユーザ端末の種類が検索時又は閲覧時に取得(例えばクッキーから取得)され履歴情報中に登録される。
また、ステップS26で算出された経過時間が所定時間(閾値:例えば10秒)未満(または以下)の商品は、ノイズとして除外されてもよく、この場合、当該商品に対応する経過時間は、以下のステップS27での想定閲覧時間の算出演算から除外される。
次いで、システム制御部4は、ステップS26でユーザ毎に算出された経過時間に基づいて、複数のユーザ全体としての経過時間を想定閲覧時間として商品毎に算出する(ステップS27)。つまり、システム制御部4は、商品毎且つユーザ毎の検索時刻と、当該商品毎且つ当該ユーザ毎の閲覧時刻とに基づいて、複数のユーザ全体としての商品毎の想定閲覧時間を算出する。例えば、ステップS26で算出されたユーザ毎の経過時間の平均値または標準偏差値が複数のユーザ全体としての想定閲覧時間として商品毎に算出される。
次いで、システム制御部4は、ステップS27で算出された商品毎の想定閲覧時間に基づいて当該想定閲覧時間が所定の時間範囲にある商品(例えば店舗商品コード)を一つのグループとしてまとめて同一の想定閲覧順位として特定する(ステップS28)。つまり、システム制御部4は、商品毎且つユーザ毎の閲覧時刻に基づいて、当該閲覧時刻が古い(より過去)の商品ほど上位になるように商品毎の想定閲覧順位(つまり、複数のユーザ全体としての商品毎の想定閲覧順位)を特定する。例えば、想定閲覧時間が「0分以上10分未満」の範囲内にある商品を含むグループが1位とされ、想定閲覧時間が「10分以上20分未満」の範囲内にある商品を含むグループが2位とされ、想定閲覧時間が「20分以上30分未満」の範囲内にある商品を含むグループが3位とされ、想定閲覧時間が「30分以上40分未満」の範囲内にある商品を含むグループが4位とされる。つまり、この例では、想定閲覧時間の開始から10分単位(時間範囲単位)でグループ化される。なお、この時間単位は、任意に設定可能である。このように、所定の時間範囲の単位で商品をグループ化することにより、想定閲覧時間の誤差を吸収して、より適切な想定閲覧順位を特定することができる。
或いは、ステップS28において、システム制御部4は、ステップS27で算出された商品毎の想定閲覧時間に基づいて相対的に当該想定閲覧時間の時間差が小さい(例えば、時間差が2分以内)商品を一つの商品グループとしてまとめて同一の想定閲覧順位として特定してもよい。例えば、商品(Item001)の経過時刻が1分、商品(Item002)の経過時刻が5分、商品(Item003)の経過時刻が6分、商品(Item004)の経過時刻が7分、商品(Item004)の経過時刻が10分、商品(Item005)の経過時刻が11分であるとすると、商品(Item001)を含むグループが1位とされ、商品(Item002)、商品(Item003)、及び商品(Item004)を含むグループが2位とされ、商品(Item004)、及び商品(Item005)を含むグループが3位とされる。なお、この時間差は、任意に設定可能である。このように、相対的に当該想定閲覧時間の時間差が小さい商品をグループ化することにより、想定閲覧時間の誤差を吸収して、より適切な想定閲覧順位を特定することができる。
次いで、システム制御部4は、ステップS28で商品毎に特定した想定閲覧順位と、それぞれの商品の店舗商品コードとを対応付けた想定閲覧順序情報を生成する(ステップS29)。次いで、システム制御部4は、ステップS29で生成した想定閲覧順序情報を、ステップS23で選定された検索クエリ(または検索クエリ群)に対応付けて想定閲覧情報データベース26に登録する(ステップS30)。次いで、システム制御部4は、ステップS22で特定された検索クエリのうち、ステップS23でまだ選定されていない検索クエリがあるか否かを判定する(ステップS31)。システム制御部4は、まだ選定されていない検索クエリがあると判定した場合(ステップS31:YES)、ステップS23に戻り、他の検索クエリに対して上記と同様の処理を行う。一方、システム制御部4は、選定されていない検索クエリがないと判定した場合(ステップS31:NO)、図6に示す処理を終了する。
なお、システム制御部4は、図6に示す処理の開始後、ステップS21の処理を行う前に、複数のユーザを所定の分類条件(例えば、上述した検索時間(短い、普通、長い)、または重視項目(画像重視、テキスト重視)など)に基づいて複数のユーザ層(セグメント)に分類し、分類されたユーザ層毎に、当該ユーザ層に属する複数のユーザそれぞれの履歴情報をステップS21で取得してもよい。この場合、システム制御部4は、分類されたユーザ層毎にステップS22以降の処理を行うことで、商品毎(グループ毎)の想定閲覧順位を特定して想定閲覧順序情報を生成する。こうして生成された想定閲覧順序情報は、検索クエリ(または検索クエリ群)及びユーザ層に対応付けられて想定閲覧情報データベース26に登録される。これにより、上述した対象ユーザに、より合った利用価値が高い想定閲覧順序情報を生成することができる。
また、図6に示す処理においては、システム制御部4は、商品毎の想定閲覧時間に基づいて想定閲覧順位を特定したが、別の例として、システム制御部4は、ステップS25でユーザ毎に特定した閲覧時刻、またはステップS26でユーザ毎に算出された経過時間に基づいて、ユーザ毎に商品の閲覧順位を特定(例えば、閲覧時刻が古い(より過去)の商品ほど上位になるように特定)してもよい。この場合、システム制御部4は、それぞれのユーザにおける各商品の閲覧順位の平均値を想定閲覧順位として特定する。例えば、ユーザU1における商品(Item003)が3位であり、ユーザU2における商品(Item003)が2位であり、ユーザU3における商品(Item003)が1位である場合、当該商品(Item003)の想定閲覧順位は2位となる。或いは、システム制御部4は、複数のユーザにおいて最も多くのユーザの閲覧順序を想定閲覧順序として特定してもよい。例えば、ユーザU1における商品(Item003)が3位であり、ユーザU2における商品(Item003)が3位であり、ユーザU3における商品(Item003)が1位である場合、当該商品(Item003)の想定閲覧順位は3位となる。また、システム制御部4は、所定割合(閾値)以上のユーザに対応する閲覧順位が所定順位幅に含まれる商品に限り想定閲覧順位を特定してもよい。例えば、所定割合が50%に設定され、所定順位幅が5位に設定されているとし、ユーザU1における商品(Item003)が3位であり、ユーザU2における商品(Item003)が2位であり、ユーザU3における商品(Item003)が1位であり、ユーザU4における商品(Item003)が10位であり、ユーザU5における商品(Item003)が20位である場合、50%以上のユーザU1〜U3における当該商品(Item003)の閲覧順位が所定順位幅である5位以内にあるので、当該商品(Item003)の想定閲覧順位が上記の通り決定される。一方、ユーザU1における商品(Item003)が3位であり、ユーザU2における商品(Item003)が2位であり、ユーザU3における商品(Item003)が10位であり、ユーザU4における商品(Item003)が18位であり、ユーザU5における商品(Item003)が26位である場合、50%以上のユーザUnにおける当該商品(Item003)の閲覧順位が5位以内にない(この場合、ユーザU2とユーザU3における閲覧順位が5位以内にあるが、その割合が2/5と、50%未満)ので、当該商品(Item003)は除外され、その想定閲覧順位は決定されない。これにより、イレギュラーな閲覧順序の商品をノイズとして想定閲覧順序から除外することができるので、より適切な想定閲覧順位を特定することができる。なお、このような構成は、ステップS28においても適用されてもよい。この場合、システム制御部4は、上述したように、想定閲覧時間が所定の時間範囲にある商品を一つのグループとしてまとめる際に、商品毎の閲覧順位をユーザ毎に特定し、所定割合(例えば、50%)以上のユーザに対応する閲覧順位が所定順位幅(例えば、前後5位以内など)に含まれる商品に限り想定閲覧順位を特定する。より具体的には、システム制御部4は、想定閲覧時間が所定の時間範囲にある商品を一つのグループとしてまとめた後に、商品毎の閲覧順位をユーザ毎に特定し、所定割合以上のユーザに対応する閲覧順位が所定順位幅に含まれない商品を、想定閲覧順位が特定された商品群から除外する。或いは、システム制御部4は、想定閲覧時間が所定の時間範囲にある商品を一つのグループとしてまとめる前に、商品毎の閲覧順位をユーザ毎に特定し、所定割合以上のユーザに対応する閲覧順位が所定順位幅に含まれない商品を除外してから、上記グループとしてまとめて同一の想定閲覧順位として特定する。
(2−3.電子クーポンの発行処理(Pull型))
次に、図7を参照して、情報提供サーバSAのシステム制御部4により実行される電子クーポンの発行処理(Pull型)について説明する。図7は、システム制御部4により実行される電子クーポンの発行処理(Pull型)の一例を示すフローチャートである。なお、図7に示す処理は、情報提供サーバSAにアクセスしたユーザ端末UT1からのログイン要求に応じて、当該ユーザ端末UT1のユーザU1のログインがなされることにより開始される。ここで、ログイン要求は、Webブラウザのツールバーからなされる場合もある。ツールバーとは、例えば、Webブラウザのウインドウの上部に表示され、種々の機能を実行させるボタンなどが配置される帯状の領域をいう。なお、情報提供サーバSAは、ユーザU1のログインにより、当該ユーザU1のユーザIDを特定する。
図7に示す処理が開始されると、情報提供サーバSAのシステム制御部4は、ログインしたユーザU1がクーポン発行条件を満たすユーザであるか否かを判定する(ステップS51)。この判定は、例えば、ユーザU1のユーザIDに対応付けられてユーザ情報データベース23に登録されているユーザランクや履歴情報等が参照されることにより行われる。ここで、クーポン発行条件の例として、以下の(i)〜(vii)に示す条件が挙げられる。
(i)ユーザのユーザランクが所定のユーザランクである(例えば、プラチナ会員以上である)こと
(ii)ユーザの所定期間内の検索回数が所定回数(閾値)以上である(例えば、過去1週間以内の検索回数が10回以上である)こと
(iii)ユーザの所定期間内の検索クエリ数が所定数(閾値)以上である(例えば、過去1週間以内の検索クエリが20個以上である)こと
(iv)ユーザの所定期間内の閲覧回数が所定回数(閾値)以上である(例えば、過去1週間以内の閲覧回数が20回以上である)こと
(v)ユーザの所定期間内の閲覧時間が所定時間(閾値)以上である(例えば、過去1週間以内の累計閲覧時間が30分以上である)こと
(vi)ユーザの所定期間内の購入金額が所定金額(閾値)以上である(例えば、過去1週間以内の購入金額が3万円以上である)こと
(vii)ユーザの所定期間内の購入回数が所定回数(閾値)以上である(例えば、過去1週間以内の購入回数が10回以上である)こと
ここで、検索クエリ数とは、ユーザU1のユーザIDに対応付けられた検索履歴に含まれる全ての検索クエリの数である。或いは、検索クエリ数とは、ユーザU1のユーザIDに対応付けられた検索履歴に含まれる全ての検索クエリうち、検索によりヒットした商品が1つ以上である検索クエリの数であってもよい。或いは、検索クエリ数とは、ユーザU1のユーザIDに対応付けられた検索履歴に含まれる全ての検索クエリうち、同一の検索クエリと、類似または関連する検索クエリとをまとめて1つの検索クエリとしてカウントしたときの数であってもよい。
そして、システム制御部4は、クーポン発行条件を満たす(例えば上記(i)〜(vii)の条件うち少なくとも何れか1つ)ユーザであると判定した場合(ステップS51:YES)、ステップS52へ進む。一方、システム制御部4は、クーポン発行条件を満たさないユーザであると判定した場合(ステップS51:NO)、図7に示す処理を終了する。
ステップS52では、システム制御部4(対象ユーザ特定部41a)は、ログインしたユーザU1を、電子クーポンの発行対象となる対象ユーザとして特定する。次いで、システム制御部4は、ステップS52で特定した対象ユーザ(この例では、ユーザU1)のユーザ端末UT1のWebブラウザにより表示されたWebページから商品の情報(例えば、商品の店舗商品コード、商品の名称、商品の価格など)を取得できたか否かを判定する(ステップS53)。例えば、情報提供サーバSAからユーザ端末UT1へ送信されたWebページ(例えば、商品の詳細情報を表すWebページ)である場合、システム制御部4は、当該Webページから商品(店舗SHmより出品された商品)の情報を取得することができる。一方、情報提供サーバSA以外のサーバ(他のWebサイト)からユーザ端末UT1へ送信されたWebページ(例えば、商品の詳細情報を表すWebページ)である場合であっても、システム制御部4は、例えば、Webブラウザのツールバーにより当該Webページから当該商品の情報(例えば、商品の名称、商品の価格など)を取得することができる場合がある。
そして、システム制御部4は、商品の情報を取得できたと判定した場合(ステップS53:YES)、ステップS54へ進む。一方、システム制御部4は、ユーザ端末UT1の商品の情報を取得できないと判定した場合(ステップS53:NO)、例えば商品以外のWebページが表示されている場合など、図7に示す処理を終了する。
ステップS54では、システム制御部4は、ステップS53で取得した商品の情報に基づいて店舗商品コード及び共通商品コードを特定できたか否かを判定する。例えば、情報提供サーバSAからユーザ端末UT1へ送信されたWebページから商品の情報が取得された場合、当該商品の店舗商品コード及び共通商品コードは例えば商品情報データベース24から特定できる。一方、情報提供サーバSA以外のサーバ(他のWebサイト)からユーザ端末UT1へ送信されたWebページから商品の情報が取得された場合において、例えば、この商品の名称等に予め対応付けられて競合商品の情報が設定(例えば、システム管理者等により任意に設定)されていれば、当該競合商品の店舗商品コード及び共通商品コードは、商品情報データベース24から特定できる。この場合、Webページから情報が取得された商品は電子クーポンの発行のトリガとなる商品であり、当該競合商品は発行対象商品の候補である。
そして、システム制御部4は、店舗商品コード及び共通商品コードを特定できたと判定した場合(ステップS54:YES)、ステップS55へ進む。一方、システム制御部4は、店舗商品コード及び共通商品コードを特定できないと判定した場合(ステップS54:NO)、図7に示す処理を終了する。
ステップS55では、システム制御部4は、店舗商品コード及び共通商品コードを特定できた商品がクーポン発行条件を満たす商品であるか否かを判定する。この判定は、例えば、当該商品の店舗商品コードに対応付けられてメーカ情報データベース21または店舗情報データベース22に登録されている当該商品の在庫数、当該商品の広告予算額、当該商品の売上目標額、及び当該商品の売上額等が参照されることにより行われる。例えば、当該商品の在庫数が所定数(閾値:例えば5個)以上の場合、または、当該商品の売上額が売上目標額(閾値)未満(または以下)である場合、または、当該商品の在庫数が所定数以上であり且つ当該商品の売上額が売上目標額未満(または以下)である場合、当該商品がクーポン発行条件を満たす商品であると判定される。
そして、システム制御部4は、クーポン発行条件を満たす商品であると判定した場合(ステップS55:YES)、ステップS56へ進む。一方、システム制御部4は、クーポン発行条件を満たす商品でないと判定した場合(ステップS55:NO)、図7に示す処理を終了する。
ステップS56では、システム制御部4(発行対象商品特定部41b)は、ステップS55でクーポン発行条件を満たすと判定された商品を、電子クーポンの発行対象となる発行対象商品として特定し、当該特定した発行対象商品の店舗商品コード、共通商品コード、及び価格等の情報をRAMの所定領域に記憶する。次いで、システム制御部4(比較対象商品特定部41c)は、ステップS56で特定された発行対象商品と比較対象となる比較対象商品の特定処理を実行する(ステップS57)。比較対象商品の特定処理の例として、以下の(a)〜(e)が挙げられる。
(a)比較対象商品の特定処理(例1)
比較対象商品の特定処理(例1)では、システム制御部4は、共通商品コードが発行対象商品と同一の商品であって店舗商品コードが発行対象商品と異なる商品を、比較対象商品として商品情報データベース24から特定し、当該特定した比較対象商品の店舗商品コード、共通商品コード、及び価格等の情報をRAMの所定領域に記憶する。図8(A)は、ステップS56で特定された発行対象商品の店舗商品コード、共通商品コード、店舗コード、及び価格と、比較対象商品の特定処理(例1)で特定された比較対象商品の店舗商品コード、共通商品コード、店舗コード、及び価格の一覧を示す図である。図8(A)に示すように、発行対象商品の共通商品コードと、比較対象商品の共通商品コードとは互いに一致している。
(b)比較対象商品の特定処理(例2)
比較対象商品の特定処理(例2)では、システム制御部4は、比較対象商品の特定処理(a)と同様に、共通商品コードが発行対象商品と同一の商品であって店舗商品コードが発行対象商品と異なる比較対象商品を特定し、当該特定した比較対象商品の店舗商品コード、共通商品コード、及び価格等の情報をRAMの所定領域に記憶する。次いで、システム制御部4は、共通商品コードが発行対象商品と関連する商品であって店舗商品コードが発行対象商品と異なる商品を、比較対象商品として商品情報データベース24から特定し、当該特定した比較対象商品の店舗商品コード、共通商品コード、及び価格等の情報をRAMの所定領域に記憶する。例えば、システム制御部4は、発行対象商品の共通商品コードに対応付けられて関連商品データベース25に登録されている発行対象商品に関連する関連商品の共通商品コードを取得し、取得した共通商品コードを用いて商品情報データベース24から比較対象商品を特定する。図8(B)は、ステップS56で特定された発行対象商品の店舗商品コード、共通商品コード、店舗コード、及び価格と、比較対象商品の特定処理(例2)で特定された比較対象商品の店舗商品コード、共通商品コード、店舗コード、及び価格の一覧を示す図である。図8(B)の例において、比較対象商品の共通商品コードN-510,RW-77,S1100,N-660,K1220Z,S1300,及びRW-35は、それぞれ、発行対象商品の共通商品コード「C-123」と関連するコードである。
(c)比較対象商品の特定処理(例3)
比較対象商品の特定処理(例3)では、システム制御部4は、共通商品コードが発行対象商品と同一の商品であって店舗商品コードが発行対象商品と異なる商品と、共通商品コードが発行対象商品と関連する商品であって店舗商品コードが発行対象商品と異なる商品とを比較対象商品の候補として特定し、当該特定した比較対象商品の候補の店舗商品コード、共通商品コード、及び価格等の情報をRAMの所定領域に記憶する。次いで、システム制御部4(履歴情報取得部41d)は、ステップS52で特定された対象ユーザの履歴情報(当該対象ユーザのユーザIDに対応付けられた履歴情報)をユーザ情報データベース23から取得し、取得した履歴情報に含まれる検索履歴、閲覧履歴、またはブックマーク登録履歴から商品を特定する。そして、システム制御部4は、上記特定された比較対象商品の候補の中で、履歴情報から特定された商品を、比較対象商品として特定し、当該特定した比較対象商品の店舗商品コードに対応付けてログフラグ“1”を記憶する。ログフラグは、対象ユーザにより閲覧等されたか否かを示す。なお、システム制御部4は、上記特定された比較対象商品の候補の中で、履歴情報(つまり、検索履歴または閲覧履歴)から特定される検索回数または閲覧回数が所定回数(閾値)以上の商品を比較対象商品として特定してもよい。また、システム制御部4は、上記特定された比較対象商品の候補の中で、発行対象商品の検索時刻(または閲覧時刻)と、共通商品コードが発行対象商品と同一または関連する商品の検索時刻(または閲覧時刻)とを比較し、当該時刻間の時間差が所定差(閾値)未満(または以下)である商品を、比較対象商品として特定してもよい。図9(A)は、ステップS56で特定された発行対象商品の店舗商品コード、共通商品コード、店舗コード、及び価格と、比較対象商品の特定処理(例3)で特定された比較対象商品の店舗商品コード、共通商品コード、店舗コード、価格、及びログフラグの一覧を示す図である。図9(A)の例において、ログフラグ“1”が対応付けられた店舗商品コードの商品が、比較対象商品である。
(d)比較対象商品の特定処理(例4)
比較対象商品の特定処理(例4)では、システム制御部4は、比較対象商品の特定処理(c)と同様に、上記特定された比較対象商品の候補の中で、履歴情報から特定された商品を、比較対象商品として特定し、当該特定した比較対象商品の店舗商品コードに対応付けてログフラグを記憶する。次いで、システム制御部4(想定閲覧商品特定部41f)は、後述する想定閲覧商品特定処理を実行することで想定閲覧商品を特定する。そして、システム制御部4は、上記特定された比較対象商品の候補の中で、想定閲覧商品特定処理により特定された想定閲覧商品を、比較対象商品として特定し、当該特定した比較対象商品の店舗商品コードに対応付けて想定ログフラグを記憶する。図9(B)は、ステップS56で特定された発行対象商品の店舗商品コード、共通商品コード、店舗コード、及び価格と、比較対象商品の特定処理(例4)で特定された比較対象商品の店舗商品コード、共通商品コード、店舗コード、価格、ログフラグ、及び想定ログフラグの一覧を示す図である。図9(B)の例では、履歴情報に含まれていない商品についても想定ログフラグ“1”が対応付けられて記憶されている。
ここで、図10を参照して、想定閲覧商品特定処理について説明する。図10は、想定閲覧商品特定処理の2つの例を示すフローチャートである。なお、図10(A)に示す想定閲覧商品特定処理と、図10(B)に示す想定閲覧商品特定処理とのどちらが実行されてもよい。図10(A)に示す想定閲覧商品特定処理では、システム制御部4は、ステップS52で特定された対象ユーザの履歴情報に含まれる検索履歴から、当該対象ユーザの検索クエリと当該検索クエリに対応付けられた検索時刻とを特定する(ステップS101)。次いで、システム制御部4(想定閲覧情報取得部41e)は、ステップS101で特定された検索クエリに対応する想定閲覧時間情報を、上述したように、想定閲覧情報データベース26から取得する(ステップS102)。次いで、システム制御部4は、ステップS102で特定された検索時刻から現在時刻(つまり、当該処理の時刻)までの経過時間と、当該対象ユーザが現在時刻から閲覧に至るまでの予想時間とを加算して閲覧予想時間を算出する(ステップS103)。次いで、システム制御部4は、ステップS102で取得された想定閲覧時間情報に含まれる商品のうち、ステップS103で算出された閲覧予想時間より短い想定閲覧時間が対応付けられた商品で、且つ対象ユーザの履歴情報に含まれない商品を、想定閲覧商品として特定する(ステップS104)。なお、閲覧に至るまでの予想時間は、以下のように決定される。
例えば、システム制御部4は、ユーザU1の電子メールアドレス宛てに所定の商品情報を送信してから当該ユーザU1のユーザ端末ST1より所定の返信が受信されるまでの返信時間を、当該ユーザU1が閲覧に至るまでの予想時間として特定する。なお、この処理は、図7に示す処理が実行される前に行われ、特定された予想時間は、当該ユーザU1のユーザIDに対応付けられてユーザ情報データベース23に登録される。上記所定の返信には、例えば、ユーザU1のユーザ端末ST1より取得された上記電子メールの本文中に記述されたURL(Uniform Resource Locator)が、当該ユーザU1により指定(例えばマウスでクリックまたは指等でタップ)されることで当該ユーザ端末ST1から情報提供サーバSAへ送信されたリクエストが該当する。或いは、上記所定の返信には、例えば、ユーザU1のユーザ端末ST1より取得された上記電子メール(例えばHTMLメール)に設定されたコンテンツ(例えば画像)のダウンロード指定部が、当該ユーザU1により指定(例えばマウスでクリックまたは指等でタップ)されることで当該ユーザ端末ST1から情報提供サーバSAへ送信されたリクエストが該当する。なお、上記所定の返信は、電子メールにおけるURLまたはダウンロード指定部が指定されない場合であっても特定できる場合もある。例えば、システム制御部4は、ユーザU1の電子メールアドレス宛てに所定の商品情報を送信してから当該ユーザU1のユーザ端末ST1のWebブラウザから当該所定の商品情報に係る所定のWebサイト(情報提供サーバSAが提供するWebサイト)へアクセス(所定の返信の一例)されるまでの返信時間を、当該ユーザU1が閲覧に至るまでの予想時間として特定してもよい。このような状況には、例えば、ユーザU1が電子メールで興味のある商品情報を見たことで、ユーザ端末ST1のWebブラウザを起動させて上記Webサイトへアクセスさせるという状況が該当する。
また、別の例として、システム制御部4は、ログイン中のユーザU1のユーザ端末ST1のWebブラウザにツールバー宛てに所定の情報(例えばポップアップされるメッセージ等)を送信してから、当該ユーザU1により当該Webブラウザ上で当該情報が指定されることで所定のWebサイト(情報提供サーバSAが提供するWebサイト)へアクセスされるまでの返信時間を、当該ユーザU1が閲覧に至るまでの予想時間として特定してもよい。以上のように、情報提供サーバSAがユーザU1に対して情報を送信してから当該ユーザU1のユーザ端末ST1より所定の返信があるまでの返信時間に基づいて当該ユーザU1が閲覧に至るまでの予想時間として特定するように構成すれば、ユーザUn毎の行動の傾向に応じた予想時間を特定できるので、より正確な閲覧予想時間を算出することが可能となる。なお、システム制御部4は、上記返信時間を複数回数取得してもよい。この場合、システム制御部4は、取得した複数の返信時間の平均値、最小値、または最大値を上記予想時間として特定してもよい。
また、別の例として、閲覧に至るまでの予想時間は、例えばユーザU1のユーザ端末ST1のWebブラウザから上記Webサイトへのアクセス履歴の習慣性に基づいて特定されたアクセスを行うことが多い時刻(時間帯)のうち、現在時刻(つまり、当該処理の時刻)から直近の時刻(時間帯)までの時間としてもよい。この場合、システム制御部4は、ユーザU1の履歴情報に基づいて、当該ユーザU1による商品に対するアクセス頻度が相対的に高い時間帯(例えば、7時から7時30分と12時30分から13時と23時から24時まで時間帯)における時刻(例えば、7時、12時30分、23時)を特定し、現在時刻(例えば、午後22時)から当該特定した時刻のうち最も近い時刻(23時)までの時間を、閲覧に至るまでの予想時間として特定する。この構成によっても、ユーザ毎の行動の傾向に応じた予想時間を特定できるので、より正確な閲覧予想時間を算出することが可能となる。
一方、図10(B)に示す想定閲覧商品特定処理では、システム制御部4(想定閲覧情報取得部41e)は、ステップS52で特定された対象ユーザの履歴情報(つまり、閲覧履歴)に含まれる複数の商品の組合せを含む想定閲覧順序情報を、想定閲覧情報データベース26から取得する(ステップS111)。なお、上述したように、対象ユーザの検索クエリに対応する想定閲覧順序情報が、想定閲覧情報データベース26から取得されてもよい。次いで、システム制御部4は、ステップS111で想定閲覧順序情報が複数取得されたか否かを判定する(ステップS112)。システム制御部4は、想定閲覧順序情報が複数取得されてない(つまり、想定閲覧順序情報が1つ取得された)と判定した場合(ステップS112:NO)、ステップS114へ進む。一方、システム制御部4は、想定閲覧順序情報が複数取得されたと判定した場合(ステップS112:YES)、ステップS113へ進む。
ステップS113では、システム制御部4は、異なる複数の想定閲覧順序情報のうち、対象ユーザの閲覧履歴に含まれる商品の組合せ中の商品の想定閲覧順序情報における想定閲覧順位の差が相対的に小さい想定閲覧順序情報を取得する。例えば、図4に示す閲覧履歴において、店舗商品コードがItem202の商品の想定閲覧順序情報における想定閲覧順位は1位であり、店舗商品コードがItem062の商品の想定閲覧順序情報における想定閲覧順位は4位であるので、これら商品の想定閲覧順位の差は「3」となる。このような想定閲覧順位の差が小さい想定閲覧順序情報ほど、対象ユーザに、より合った想定閲覧順序情報ということができる。そのため、対象ユーザに、より合った想定閲覧順序情報を取得することができる。
或いは、システム制御部4は、異なる複数の想定閲覧順序情報のうち、対象ユーザの閲覧履歴に含まれる商品の組合せ中の商品の閲覧履歴における閲覧順序と、当該商品の組合せ中の商品の想定閲覧順序情報における想定閲覧順序とが一致する想定閲覧順序情報を取得してもよい。例えば、図4に示す閲覧履歴における商品の組合せ中の商品の閲覧順序は、店舗商品コードがItem202の商品が1位であり、Item002の商品が2位であり、Item102の商品が3位であり、Item062の商品が4位であり、Item012の商品が5位である。一方、これらの商品の想定閲覧順序情報における想定閲覧順序は、Item202の商品が1位であり、Item002の商品が1位であり、Item102の商品が2位であり、Item062の商品が4位であり、Item012の商品が1位である。このため、商品の組合せ中の商品の閲覧履歴における閲覧順序と、当該商品の組合せ中の商品の想定閲覧順序情報における想定閲覧順序とが一致していないことになる。閲覧順序と想定閲覧順序が一致するような想定閲覧順序情報ほど、対象ユーザに、より合った想定閲覧順序情報ということができる。そのため、この構成でも、対象ユーザに、より合った想定閲覧順序情報を取得することができる。なお、システム制御部4は、異なる複数の想定閲覧順序情報のうち、対象ユーザの閲覧履歴に含まれる商品の組合せ中の商品の想定閲覧順序情報における想定閲覧順位の差が相対的に小さい想定閲覧順序情報で、且つ、対象ユーザの閲覧履歴に含まれる商品の組合せ中の商品の閲覧履歴における閲覧順序と、当該商品の組合せ中の商品の想定閲覧順序情報における想定閲覧順序とが一致する想定閲覧順序情報を取得するようにしてもよい。これにより、より一層、対象ユーザに合った想定閲覧順序情報を取得することができる。
ステップS114では、システム制御部4は、対象ユーザの閲覧履歴に含まれる商品で、且つステップS111またはステップS113で取得された想定閲覧順序情報に含まれる商品のうち、想定閲覧順位が最下位の商品(図4の例では、店舗商品コードがItem062の商品)より上位の商品で、且つ対象ユーザの閲覧履歴に含まれない商品を、想定閲覧商品として想定閲覧順序情報から特定する。
(e)比較対象商品の特定処理(例5)
比較対象商品の特定処理(例5)では、システム制御部4は、共通商品コードが発行対象商品と同一の商品であって店舗商品コードが発行対象商品と異なる商品と、共通商品コードが発行対象商品と関連する商品であって店舗商品コードが発行対象商品と異なる商品とを比較対象商品の候補として特定し、当該特定した比較対象商品の候補の店舗商品コード、共通商品コード、価格、及び在庫数等の情報をRAMの所定領域に記憶する。次いで、システム制御部4は、特定した比較対象商品の候補それぞれの在庫数を積算して累計在庫数を算出する。次いで、システム制御部4は、最新の転換率を取得する。ここで、転換率(商品が購入される確率)は、例えば、複数のユーザによりWebページ上で閲覧された商品の数に対して、当該ユーザにより購入された商品の数の割合である。このような転換率は、例えば、複数のユーザの閲覧履歴及び購入履歴に基づき所定時間間隔で算出することができる。次いで、システム制御部4は、上記算出した累計在庫数に、上記取得した転換率を乗算することで予想需要数を算出する。次いで、システム制御部4は、上記特定された比較対象商品の候補の中で、価格の安い商品からの累計在庫数が予測需要数以上となる商品を、比較対象商品として特定する。つまり、システム制御部4は、共通商品コードが発行対象商品と同一または関連する商品で、且つ、価格の安い商品からの累計在庫数が予測需要数以上となる商品を、比較対象商品として特定する。ここで、価格の安い商品からの累計在庫数が予測需要数以上となる商品のうち価格が最も安い商品が比較対象商品として特定されることが望ましく、このように構成すれば、最適な比較対象商品を特定することができる。図11(A)は、ステップS56で特定された発行対象商品の店舗商品コード、共通商品コード、店舗コード、及び価格と、比較対象商品の特定処理(例5)で特定された比較対象商品の店舗商品コード、共通商品コード、店舗コード、価格、在庫数、予想需要数、及び累計需要数の一覧を示す図である。図11(A)の例では、価格の安い商品からの累計在庫数(5)が予測需要数(5)以上となる商品のうち価格が最も安い商品は、店舗商品コードがItem002の商品である。このような商品を比較対象商品とするのは、発行対象商品が当該比較対象商品の前にギリギリ入り込む(つまり、累計需要数「5」内に入り込む)ためである。
なお、上述したように、電子クーポンの発行のトリガとなる商品との競合商品が発行対象商品として特定された場合、当該トリガとなる商品がステップS57で比較対象商品として特定されることになる。
次いで、システム制御部4は、ステップS57で特定された比較対象商品のうち、発行対象商品の価格より安い価格が対応付けられた比較対象商品があるか否かを判定する(ステップS58)。そして、システム制御部4は、発行対象商品の価格より安い価格の比較対象商品があると判定した場合(ステップS58:YES)、発行対象商品の価格より安い価格の比較対象商品を特定し(ステップS59)、ステップS60へ進む。一方、システム制御部4は、発行対象商品の価格より安い価格の比較対象商品がないと判定した場合(ステップS58:NO)、図7に示す処理を終了する。なお、発行対象商品の価格より安い価格の比較対象商品がない場合であっても、電子クーポンが発行されるように構成してもよく、この場合も差額に応じた特典を決定してもよい。ステップS60では、システム制御部4は、発行対象商品の価格と、ステップS59で特定された比較対象商品の価格との差額を算出する。ここで、比較対象商品が複数特定されている場合、発行対象商品の価格と、それぞれの比較対象商品の価格との差額が算出される。
次いで、システム制御部4(特典決定部41g)は、ステップS60で算出された差額に応じた特典に相当するクーポン額を決定する(ステップS61)。ここで、比較対象商品が複数特定されている場合、システム制御部4は、発行対象商品の価格と、複数の比較対象商品の価格の中で最も低い価格との差額に応じた特典に相当するクーポン額を決定するとよい。これにより、比較対象商品に対して対抗力のある適切なクーポン額を決定することができる。図11(B)は、比較対象商品の特定処理(例1)〜(例5)それぞれで特定された比較対象商品の中で最も低い価格(最安値)の比較対象商品との差額に応じた特典に相当するクーポン額の例を示す図である。
なお、比較対象商品が複数特定されている場合、システム制御部4は、複数の比較対象商品の中で対象ユーザによる発行対象商品との過去の比較において所定回数以上(閾値:例えば、所定期間内に5回以上)選ばれた比較対象商品の価格と、発行対象商品の価格との差額に応じた特典(クーポン額)を決定しても、比較対象商品に対して対抗力のある適切なクーポン額を決定することができる。ここで、過去の比較において選ばれた比較対象商品には、例えば、対象ユーザの検索クエリにより過去に検索された検索結果を表すWebページにおいて、発行対象商品と比較対象商品とが選択可能に一覧表示されている状態で、対象ユーザの閲覧操作により選択された比較対象商品が該当する。このような状態で選択された商品の履歴は対象ユーザの履歴情報から特定することができる。また、発行対象商品と比較対象商品との過去の比較において比較対象商品が選ばれたとは、当該比較において発行対象商品が負けたことを意味する。一方、発行対象商品と比較対象商品との過去の比較において発行対象商品が選ばれたとは、当該比較において発行対象商品が勝ったことを意味する。このように、発行対象商品が勝ったり負けたりする比較対象商品は、互いにライバル関係にあるライバル商品である。特に、システム制御部4は、例えば、発行対象商品の勝率が2割以上で且つ5割未満の発行対象商品をライバル商品として特定し、当該特定したライバル商品の価格と、発行対象商品の価格との差額に応じた特典を決定してもよい。これは、発行対象商品が一方的に負けている商品を除外することを意味する。なお、ライバル商品は、例えば、発行対象商品を販売する店舗SHmまたは発行対象商品を生産するメーカMlにより任意に設定され、上述した何れかのデータベースに登録されてもよい。また、ライバル商品は、原資提供元により任意に設定され、上述した何れかのデータベースに登録されてもよい。
また、特典が決定される元になった比較対象商品がライバル商品である場合、対象ユーザが発行対象商品を販売する店舗SHmのお得意様である場合、または商品流通(商品取引)が鈍化傾向にある場合など、所定の条件が満たされる場合に、システム制御部4は、ステップS60で算出された差額に所定額加算した額をクーポン額として決定してもよい。ここで、お得意様には、例えば、発行対象商品を販売する店舗SHmにおける購入金額が所定金額(閾値)以上、または購入回数が所定回数(閾値)以上であるユーザUnなどが該当する。また、商品流通が鈍化傾向には、例えば、所定期間(例えば、1週間)における全商品(商品情報データベース24に登録された全商品)の総売上額が減少傾向にある場合または全商品の総販売数が減少傾向にある場合が該当する。
次いで、システム制御部4(原資特定部41h)は、ステップS61で決定されたクーポン額の原資として利用可能な電子クーポン原資を原資情報データベース27から特定する(ステップS62)。例えば、システム制御部4は、原資情報データベース27に登録されている電子クーポン原資のうち、残予算額が基準額以上の電子クーポン原資を、利用可能な電子クーポン原資として特定する。つまり、電子クーポン原資の基準額の条件(条件1)を満たす電子クーポン原資が利用可能として特定(判定)される。なお、ステップS62で利用可能な電子クーポン原資が特定されない場合、図7に示す処理が終了する。
図12は、原資情報データベース27に登録された情報の一例を示す図である。図12(A)の例は、原資種別が店舗原資を示し、図12(B)の例は、原資種別がメーカ原資を示し、図12(C)の例は、原資種別がイベント原資を示す。例えば、店舗コードがS−303である店舗SH1の電子クーポン原資の基準額は¥500であり、残予算額は¥30,000になっている。このため、店舗SH1の電子クーポン原資は利用可能な電子クーポン原資として特定される。その他、図12の例では、店舗SH2の電子クーポン原資及びメーカM4の電子クーポン原資を除く他の電子クーポン原資も利用可能な電子クーポン原資として特定される。ただし、ステップS62において、電子クーポン原資の基準額の条件1に代えて、或いは当該基準額の条件と共に(つまり、AND条件で)、利用可能な電子クーポン原資と判定される他の条件を設定してもよい。例えば、システム制御部4は、残予算額が所定額(閾値:例えば、残予算額の3分の1)以上の電子クーポン原資を、利用可能な電子クーポン原資として特定する(条件2)。また、例えば、システム制御部4は、電子クーポン原資の消化目標期限までの進捗率が所定割合(閾値:例えば、50%)未満(または以下)の電子クーポン原資を、利用可能な電子クーポン原資として特定する(条件3)。また、例えば、システム制御部4は、電子クーポン原資の原資提供元(例えば、店舗SHmまたはメーカMl)の売上額が所定額未満(または以下)の電子クーポン原資を、利用可能な電子クーポン原資として特定する(条件4)。また、例えば、システム制御部4は、電子クーポン原資の原資提供元(例えば、店舗SHmまたはメーカMl)の売上目標額までの進捗率が所定割合(例えば、50%)未満(または以下)の電子クーポン原資を、利用可能な電子クーポン原資として特定する(条件5)。なお、上記条件1〜条件5の何れか2つ以上の条件の組合せをAND条件として、利用可能な電子クーポン原資が特定されてもよい。
また、別の例として、システム制御部4は、残予算額が基準額以上の電子クーポン原資で、且つ価格の安い商品(発行対象商品、比較対象商品)からの累計在庫数が予測需要数より大きくなる原資提供元の電子クーポン原資を、利用可能な電子クーポン原資として特定してもよい。図13は、店舗コード、商品の価格、当該商品の在庫数、当該商品の予測需要数、累計在庫数、基準額、及び残予算額の一覧を示す図である。図13の例では、店舗SH4、店舗SH62、店舗SH7、及び店舗SH1の電子クーポン原資が利用可能な電子クーポン原資として特定される。価格の安い商品からの累計在庫数が予測需要数未満である例えば店舗SH6が販売する商品は、電子クーポンを発行しなくても十分売れる可能性が高い。そのため、店舗SH6の電子クーポン原資から拠出する必要がないので、利用可能な電子クーポン原資として特定しない趣旨である。
次いで、システム制御部4(原資特定部41h)は、ステップS62で特定された電子クーポン原資のうち、上記発行対象商品と上記対象ユーザとの少なくとも何れか一方に対応付けられる電子クーポン原資を原資情報データベース27から特定する(ステップS63)。例えば、発行対象商品(店舗商品コード:Item111、共通商品コード:C-123)は、店舗コードがS−303である店舗SH1により販売される商品であり、図12(A)に示すように、当該店舗SH1の電子クーポン原資の適用対象商品に示される。このため、ステップS63において、店舗SH1の電子クーポン原資が、発行対象商品に対応付けられる(発行対象商品に紐付く)電子クーポン原資として特定される。この例では、その他の店舗原資は、ステップS63では特定されない。また、発行対象商品(店舗商品コード:Item111、共通商品コード:C-123)は、メーカコードがM−001であるメーカM1により生産される商品であり、図12(B)に示すように、当該メーカM1の電子クーポン原資の適用対象商品に示される。このため、ステップS63において、メーカM1の電子クーポン原資が、発行対象商品に対応付けられる電子クーポン原資として特定される。この例では、その他のメーカ原資は、ステップS63では特定されない。また、対象ユーザのユーザランクがシルバー会員であるとすると、図12(C)に示すように、イベントαの電子クーポン原資(総予算額が¥500,000)の適用対象ユーザに示される。このため、ステップS63において、イベントαの電子クーポン原資(総予算額が¥500,000)が、対象ユーザに対応付けられる(対象ユーザに紐付く)電子クーポン原資として特定される。なお、対象ユーザのユーザランクは、対象ユーザのユーザIDをキーとしてユーザ情報データベース23から特定される。また、対象ユーザの当該システムSにおける過去所定期間(例えば、1週間内)の購入履歴がない場合、図12(C)に示すイベントβの電子クーポン原資は特定されないように構成してもよい。なお、ステップS63で利用可能な電子クーポン原資が特定されない場合、図7に示す処理が終了する。
次いで、システム制御部4は、ステップS63において電子クーポン原資が複数特定されたか否かを判定する(ステップS64)。システム制御部4は、電子クーポン原資が複数特定されていない(つまり、特定された電子クーポン原資が一つである)と判定した場合(ステップS64:NO)、ステップS65へ進む。ステップS65では、システム制御部4は、ステップS61で決定されたクーポン額に相当する特典を示す電子クーポンの有効期間を設定する。次いで、システム制御部4は、上記特定された電子クーポン原資から拠出される基準額(または基準額+追加額)に相当する特典を示す電子クーポンを対象ユーザに対して発行し(ステップS66)、図7に示す処理を終了する。
一方、システム制御部4(割当決定部41i)は、電子クーポン原資が複数特定されたと判定した場合(ステップS64:YES)、ステップS63で特定された複数の電子クーポン原資に基づいて、ステップS61で決定されたクーポン額に対する電子クーポン原資の割り当てを決定する(ステップS67)。例えば、システム制御部4は、残予算額が相対的に多い電子クーポン原資を優先してクーポン額に割り当てる。つまり、残予算額が多いほど、当該割り当ての優先順位が上位に決定される。図14は、残予算額が相対的に多い電子クーポン原資への割り当てが優先される例を示す図である。図14(A)に示すように、ステップS63で3つの電子クーポン原資が特定され、クーポン額が¥500であり、3つの電子クーポン原資の基準額がそれぞれ¥500である場合、残予算額が最も多い電子クーポン原資(優先順位が1位のメーカM1の電子クーポン原資)の¥500(基準額の全部)のみがクーポン額に割り当てられ、他の電子クーポン原資は割り当てられない。また、図14(B)に示すように、ステップS63で3つの電子クーポン原資が特定され、クーポン額が¥1,000であり、3つの電子クーポン原資の基準額がそれぞれ¥500である場合、残予算額が最も多い電子クーポン原資の¥500(基準額の全部)と、残予算額が次に多い電子クーポン原資(優先順位が2位のイベントαの電子クーポン原資)の¥500(基準額の全部)とがクーポン額に割り当てられ、残予算額が最も少ない電子クーポン原資(優先順位が3位の店舗SH1の電子クーポン原資)は割り当てられない。また、図14(C)に示すように、ステップS63で3つの電子クーポン原資が特定され、クーポン額が¥1,300であり、3つの電子クーポン原資の基準額がそれぞれ¥500である場合、残予算額が最も多い電子クーポン原資の¥500(基準額の全部)と、残予算額が次に多い電子クーポン原資の¥500(基準額の全部)と、残予算額が最も少ない電子クーポン原資の¥300(基準額の一部)がクーポン額に割り当てられる。また、図14(D)に示すように、ステップS63で3つの電子クーポン原資が特定され、クーポン額が¥1,800であり、3つの電子クーポン原資の基準額と追加額がそれぞれ¥500と¥300である場合、残予算額が最も多い電子クーポン原資の¥500(基準額の全部)と、残予算額が次に多い電子クーポン原資の¥500(基準額の全部)と、残予算額が最も少ない電子クーポン原資の¥500(基準額の全部)とがクーポン額に割り当てられるが、まだ足りないので、残予算額が最も多い電子クーポン原資の¥300(追加額の全部)がクーポン額に割り当てられる。また、図14(E)に示すように、ステップS63で3つの電子クーポン原資が特定され、クーポン額が¥2,000であり、3つの電子クーポン原資の基準額と追加額がそれぞれ¥500と¥300である場合、残予算額が最も多い電子クーポン原資の¥500(基準額の全部)と、残予算額が次に多い電子クーポン原資の¥500(基準額の全部)と、残予算額が最も少ない電子クーポン原資の¥500(基準額の全部)とがクーポン額に割り当てられるが、まだ足りないので、残予算額が最も多い電子クーポン原資の¥300(追加額の全部)がクーポン額に割り当てられ、続いて、残予算額が次に多い電子クーポン原資の¥200(追加額の一部)がクーポン額に割り当てられる。
なお、上述したように残予算額が相対的に多い電子クーポン原資を優先して割り当てる構成では、そもそもの総予算額の開きが大きい場合、総予算額が多い方の電子クーポン原資ばかりが割り当てられてしまうため、公平ではない。例えば、図12に示すように、店舗SHmの電子クーポン原資の総予算額とメーカMlの電子クーポン原資の総予算額を比較した場合、メーカMlの電子クーポン原資の総予算額の方が大きい。このため、例えば、原資提供元それぞれの電子クーポン原資の残予算額を、原資提供元それぞれに紐付く潜在ユーザ数で割ってから比較するように構成するとよい。ここで、潜在ユーザ数とは、原資提供元の潜在的なユーザUnの数である。例えば、システム制御部4は、ステップS63で特定された複数の電子クーポン原資それぞれの原資提供元の潜在ユーザ数を原資提供元毎に特定し、当該特定した、原資提供元毎の潜在ユーザ数に基づいて、ユーザUnの所定単位数あたりの電子クーポン原資の残予算額(つまり、当該予算額を潜在ユーザ数で割った残予算額)を原資提供元毎に算出する。そして、システム制御部4は、上記所定単位数あたりの残予算額が相対的に多い電子クーポン原資を優先してクーポン額に割り当てる。図15(A)は、潜在ユーザ数で割った残予算額(ユーザUnの所定単位数あたりの残予算額)が相対的に多い電子クーポン原資への割り当てが優先される例を示す図である。図15(A)の例では、メーカM1の電子クーポン原資において潜在ユーザ数で割った残予算額が¥500であるのに対し、店舗SH1の電子クーポン原資において潜在ユーザ数で割った残予算額が¥600である。このため、この例では、メーカM1の電子クーポン原資よりも、店舗SH1の電子クーポン原資への割り当てが優先される。これにより、そもそもの総予算額の開きが大きい場合であっても、電子クーポン原資を公平に割り当てることができる。なお、原資提供元の潜在ユーザ数は、例えば、原資提供元が販売(出品)または生産した商品を検索したユーザの数、原資提供元が販売(出品)または生産した商品を閲覧したユーザの数、または原資提供元が販売(出品)または生産した商品をブックマーク登録しているユーザの数として特定される。これらのユーザUnの数は、ユーザ情報データベース23に登録された各ユーザUnの検索履歴、閲覧履歴、またはブックマーク登録履歴に含まれる店舗コードまたはメーカコードの数を、店舗コード毎またはメーカコード毎に集計することで特定できる。
或いは、例えば、原資提供元それぞれの電子クーポン原資の残予算額を、原資提供元それぞれに紐付く商品の在庫数で割ってから比較するように構成するとよい。ここで、商品の在庫数とは、発行対象商品の在庫数、または発行対象商品の在庫数のうち販売期待値に応じた在庫数(以下、「販売期待在庫数」という)である。販売期待在庫数とは、商品取引の成立が期待される商品の数をいう。例えば、システム制御部4は、ステップS63で特定された複数の電子クーポン原資それぞれの原資提供元が販売または生産した発行対象商品の販売期待在庫数を原資提供元毎に特定し、当該特定した、原資提供元毎の販売期待在庫数に基づいて、販売期待在庫商品の所定単位数あたりの電子クーポン原資の残予算額(つまり、当該予算額を販売期待在庫数で割った残予算額)を原資提供元毎に算出する。そして、システム制御部4は、上記所定単位数あたりの残予算額が相対的に多い電子クーポン原資を優先してクーポン額に割り当てる。図15(B)は、販売期待在庫数で割った残予算額(販売期待在庫商品の所定単位数あたりの残予算額)が相対的に多い電子クーポン原資への割り当てが優先される例を示す図である。図15(B)の例では、メーカM1の電子クーポン原資において販売期待在庫数で割った残予算額が¥1,000であるのに対し、店舗SH1の電子クーポン原資において販売期待在庫数で割った残予算額が¥1,200である。このため、この例では、メーカM1の電子クーポン原資よりも、店舗SH1の電子クーポン原資への割り当てが優先される。これにより、そもそもの総予算額の開きが大きい場合であっても、電子クーポン原資を公平に割り当てることができる。なお、発行対象商品の販売期待在庫数は、例えば、当該発行対象商品の過去の販売実績に基づいて算出される想定販売数として特定することができる。さらに、発行対象商品の販売期待在庫数は、ユーザUnの履歴情報を考慮して特定されてもよい。例えば、発行対象商品の販売期待在庫数は、当該発行対象商品の被検索数または当該被検索数の変動が同じ傾向の期間の販売実績に基づいて算出される想定販売数として特定されてもよい。また、発行対象商品の販売期待在庫数は、当該発行対象商品の被閲覧数または当該被閲覧数の変動が同じ傾向の期間の販売実績に基づいて算出される想定販売数として特定されてもよい。また、発行対象商品の販売期待在庫数は、当該発行対象商品の被ブックマーク登録数または被ブックマーク登録数の変動が同じ傾向の期間の販売実績に基づいて算出される想定販売数として特定されてもよい。
また、システム制御部4は、原資提供元毎の上記発行対象商品が属する商品カテゴリに対して分配された電子クーポン原資(総予算額、または残予算額)が相対的に多い電子クーポン原資を優先してクーポン額に割り当てるようにしてもよい。これにより、発行対象商品が属する商品カテゴリに応じて、より効率的に電子クーポン原資を利用することができる。また、システム制御部4は、原資提供元毎の上記対象ユーザが属するユーザ層に対して分配された電子クーポン原資(総予算額、または残予算額)が相対的に多い前記電子クーポン原資を優先してクーポン額に割り当てるようにしてもよい。これにより、対象ユーザが属するユーザ層に応じて、より効率的に電子クーポン原資を利用することができる。なお、システム制御部4は、ステップS63で特定された複数の電子クーポン原資毎の消化目標期限に基づいて、上記クーポン額に対する電子クーポン原資の割り当てを決定してもよい。例えば、システム制御部4は、ステップS63で特定された複数の電子クーポン原資それぞれの残予算額をそれぞれの残利用日数(現在時刻から消化目標期限までの日数)で割った単位日数あたりの電子クーポン原資の残予算額を原資提供元毎に算出する。そして、システム制御部4は、上記単位日数あたりの残予算額が相対的に多い電子クーポン原資を優先してクーポン額に割り当てる。これにより、消化目標期限までの残利用日数に応じて、より効率的に電子クーポン原資を利用することができる。単位日数あたりの電子クーポン原資の残予算額は、商品カテゴリに算出されてもよい。
次いで、システム制御部4(有効期間設定部41j)は、ステップS61で決定されたクーポン額に相当する特典を示す電子クーポンの有効期間を設定する(ステップS68)。例えば、電子クーポンの有効期間が、所定の期間(例えば、数時間など)に設定される。また、システム制御部4は、上記発行対象商品を閲覧した複数のユーザUnのそれぞれの履歴情報に基づいて発行対象商品の検討時間を特定し、当該特定した検討時間(例えば、30分)に基づいて上記電子クーポンの有効期間を設定(例えば、当該検討時間を有効期間(例えば、30分)として設定)してもよい。ここで、検討時間は、複数のユーザUnの履歴情報それぞれから特定される閲覧時間(発行対象商品の閲覧時間)の平均値、最小値または最大値として特定される。これにより、電子クーポンが提供された対象ユーザに対して、発行対象商品の購入検討のために最低限必要な時間を与えて効果的に購入を促すことができる。また、システム制御部4は、ユーザ情報データベース23に登録された複数のユーザUnからの所定の商品に対するアクセス数の推移を特定し、当該特定した推移からアクセス数が所定数(閾値)以上となるまでの推定期間を特定してもよい。この場合、システム制御部4は、当該特定した推定時間に基づいて、ステップS61で決定されたクーポン額に相当する特典を示す電子クーポンの有効期間(例えば、当該推定時間を有効期間として設定)を設定する。これにより、商品に対するアクセス数が一定以上増加するまでの間に、電子クーポンが提供された対象ユーザに対して、発行対象商品の購入を促すことができる。ここで、所定の商品に対するアクセス数とは、商品情報データベース24に登録された全商品に対するアクセス数、発行対象商品が属する商品カテゴリの商品に対するアクセス数、または共通商品コードが発行対象商品と同一または関連する商品に対するアクセス数である。このようなアクセス数は、例えば、所定数のユーザUnそれぞれの履歴情報に含まれる上記商品の検索回数または閲覧回数の総和として特定される。
次いで、システム制御部4(クーポン発行部41k)は、ステップS66で決定された割り当てに基づき電子クーポン原資から拠出される拠出額の総額に相当する特典(つまり、特典決定部41gにより決定された特典に相当するクーポン額)を示す電子クーポンを、ステップS52で特定された対象ユーザに対して発行し(ステップS69)、図7に示す処理を終了する。電子クーポンの発行では、上述したように、ステップS61で決定されたクーポン額に相当する特典を示す電子クーポンの生成、当該電子クーポンに対するクーポンIDの割り当て、当該電子クーポンの管理情報の登録、及び対象ユーザに対する当該電子クーポンの提供が行われる。対象ユーザに対する当該電子クーポンの提供では、例えば、当該電子クーポンが、システム制御部4から当該対象ユーザのユーザ端末UT1のWebブラウザ、または当該対象ユーザの電子メールアドレス宛て等に送信される。そして、ユーザ端末UT1のWebブラウザに送信された電子クーポンは、当該Webブラウザのウインドウにポップアップ表示されるか、或いはWebブラウザのツールバー上に表示され、当該対象ユーザによる発行対象商品の購入時の支払いに利用可能となる。なお、電子クーポン原資から拠出される拠出額は、当該電子クーポン原資の拠出累積額に加算されると共に、残予算額から減算されて原資情報データベース27に更新登録される。なお、発行対象商品が属する商品カテゴリに対して分配された電子クーポン原資が割り当てられた場合、当該商品カテゴリに対して分配された電子クーポン原資の残予算額から減算されることになる。また、対象ユーザが属するユーザ層に対して分配された電子クーポン原資が割り当てられた場合、当該ユーザ層に対して分配された電子クーポン原資の残予算額から減算されることになる。
(2−4.電子クーポンの発行処理(Push型))
次に、図16を参照して、情報提供サーバSAのシステム制御部4により実行される電子クーポンの発行処理(Push型)について説明する。図16は、システム制御部4により実行される電子クーポンの発行処理(Push型)の一例を示すフローチャートである。例えば、システム制御部4は、例えば、所定時間間隔で、電子クーポンの発行処理の開始条件を満たすかどうかを判定しており、電子クーポンの発行処理の開始条件を満たすと判定した場合、図16に示す処理を開始する。ここで、上記開始条件の例として、以下の(I)〜(VI)に示す条件が挙げられる。
(I)タイマーにより設定された時刻が到来したこと
(II)商品情報データベース24に登録されている商品の広告予算額(例えば全部または一部の商品の累計)が所定期間内において所定額変動(特に、増加)したこと
(III)商品情報データベース24に登録されている商品の在庫数(例えば全部または一部の商品の累計)が所定期間内において所定数変動(特に、増加)したこと
(IV)商品情報データベース24に登録されている商品の被検索数(例えば全部または一部の商品の累計)が所定期間内において所定数増加したこと
(V)商品情報データベース24に登録されている商品の被閲覧数(例えば全部または一部の商品の累計)が所定期間内において所定数増加したこと
(VI)商品情報データベース24に登録されている商品の所定期間における売上額(例えば全部または一部の商品の累計)が比較対象となる他の所定期間における売上額と比較して所定額減少したこと
(VII)商品情報データベース24に登録されている商品の所定期間における売上額(例えば全部または一部の商品の累計)の増加率が比較対象となる他の所定期間における売上額の増加率と比較して所定値以上減少したこと
図16に示す処理が開始されると、システム制御部4(発行対象商品特定部41b)は、クーポン発行条件を満たす商品を、電子クーポンの発行対象となる発行対象商品として特定し(ステップS71)、特定した発行対象商品の店舗商品コード、共通商品コード、及び価格等の情報をRAMの所定領域に記憶する。例えば、上記(I)の条件が満たされることにより、図16に示す処理が開始された場合、システム制御部4は、例えば、商品情報データベース24に登録された商品のうち、クーポン発行フラグが“1”(オン)の商品を、クーポン発行条件を満たす発行対象商品として特定する。一方、例えば、上記(II)の条件が満たされることにより、図16に示す処理が開始された場合、システム制御部4は、例えば、商品情報データベース24に登録された商品のうち、広告予算額が所定額(閾値)以上の店舗に対応する商品を、クーポン発行条件を満たす発行対象商品として特定する。一方、例えば、上記(III)の条件が満たされることにより、図16に示す処理が開始された場合、システム制御部4は、例えば、商品情報データベース24に登録された商品のうち、在庫数が所定数(閾値)以上の商品を、クーポン発行条件を満たす発行対象商品として特定する。一方、例えば、上記(IV)の条件が満たされることにより、図16に示す処理が開始された場合、システム制御部4は、例えば、商品情報データベース24に登録された商品のうち、被検索数が所定数(閾値)以上の商品(例えば、単位期間あたりの被検索数の合計が所定数以上の商品)を、クーポン発行条件を満たす発行対象商品として特定する。或いは、この場合、システム制御部4は、過去の平均増加数または直近の期間(例えば、24時間前の時刻以前の単位期間)の増加数に対する、現在の単位期間(例えば、現在時刻以前の単位期間(例えば、24時間程度))あたりの被検索数の増加数の差分が所定値(閾値)以上の商品(所謂、トレンド商品)を、クーポン発行条件を満たす発行対象商品として特定してもよい。一方、例えば、上記(V)の条件が満たされることにより、図16に示す処理が開始された場合、システム制御部4は、例えば、商品情報データベース24に登録された商品のうち、被閲覧数が所定数(閾値)以上の商品(例えば、単位期間あたりの被閲覧数の合計が所定数以上の商品)を、クーポン発行条件を満たす発行対象商品として特定する。或いは、この場合、システム制御部4は、過去の平均増加数または直近の期間の増加数に対する単位期間あたりの被閲覧数の増加数の差分が所定値(閾値)以上の商品(所謂、トレンド商品)を、クーポン発行条件を満たす発行対象商品として特定してもよい。一方、例えば、上記(VI)の条件が満たされることにより、図16に示す処理が開始された場合、システム制御部4は、例えば、商品情報データベース24に登録された商品のうち、売上額が所定額(閾値)未満(または以下)の商品を、クーポン発行条件を満たす発行対象商品として特定する。図17(A)は、ステップS71で特定された発行対象商品の店舗商品コード、共通商品コード、店舗コード、及び価格の一覧を示す図である。図17(A)の例では、3つの発行対象商品が特定されている。
次いで、システム制御部4(比較対象商品特定部41c)は、ステップS71で特定された発行対象商品毎に、当該発行対象商品と比較対象となる比較対象商品の特定処理を実行する(ステップS72)。なお、ステップS72では、上述したステップS57と同様の比較対象商品の特定処理(例1)、(例2)または(例5)が実行される。これにより、比較対象商品が特定される。次いで、システム制御部4(対象ユーザ特定部41a)は、ステップS72で特定された比較対象商品毎に、当該比較対象商品に興味のあるユーザUnを、電子クーポンの発行対象となる対象ユーザとして特定(例えば、ユーザIDで特定)する(ステップS73)。例えば、システム制御部4は、比較対象商品の店舗商品コードが含まれる履歴情報(例えば、閲覧履歴)をユーザ情報データベース23から検索し、検索された履歴情報に対応付けられたユーザIDのユーザUnを、当該比較対象商品に興味のあるユーザUnとして特定する。なお、システム制御部4は、比較対象商品の店舗商品コードが含まれる履歴情報に基づいて、当該比較対象商品の閲覧回数が所定回数(閾値)以上であるユーザUnを、当該比較対象商品に興味のあるユーザUnとして特定してもよい。また、比較対象商品の店舗商品コードが履歴情報に含まれないユーザUnであっても、システム制御部4は、図10(A),(B)に示す想定閲覧商品特定処理により、ユーザUn毎に特定された想定閲覧商品の店舗商品コードが、上記比較対象商品の店舗商品コードと一致する場合、当該ユーザUnを、当該比較対象商品に興味のあるユーザUnとして特定してもよい。図17(B)は、ステップS72で特定された比較対象商品の店舗商品コード、共通商品コード、店舗コード、及び価格と、ステップS73で比較対象商品毎に特定された対象ユーザのユーザIDとを示す図である。図17(B)の例では、比較対象商品に対応する対象ユーザは「1」で示されている。
次いで、システム制御部4は、ステップS71で特定された発行対象商品の価格と、当該発行対象商品と比較対象としてステップS72で特定された比較対象商品の価格(比較対象商品が複数ある場合、最も安い価格)との差額を、ステップS73で特定された対象ユーザ毎(または、対象ユーザ毎、且つ発行対象商品毎)に算出する(ステップS74)。次いで、システム制御部4は、ステップS74で算出された差額に応じたクーポン額を、対象ユーザ毎(または、対象ユーザ毎、且つ発行対象商品毎)に決定する(ステップS75)。図18(A)は、対象ユーザ毎、且つ発行対象商品毎に決定されたクーポン額の一覧を示す図である。図18(A)の例では、1人の対象ユーザ(例えば、ユーザIDがU-01のユーザ)に対応付けられた2つの発行対象商品それぞれに対してクーポン額が決定されているが、このような場合、何れか1つの発行対象商品に対するクーポン額が最終的に決定される。これは、1人のユーザに対して1つの電子クーポンを発行するためである。なお、2つの発行対象商品のうち、クーポン額が安い方の発行対象商品を最終的に電子クーポンの発行対象とすることが望ましい。
次いで、システム制御部4(原資特定部41h)は、ステップS75で決定されたクーポン額の原資として利用可能な電子クーポン原資を、上述したステップS62と同様の方法で特定する(ステップS76)。次いで、システム制御部4は、ステップS76で特定された電子クーポン原資のうち、上記発行対象商品と上記対象ユーザとの少なくとも何れか一方に対応付けられる電子クーポン原資を、ステップS63と同様の方法で対象ユーザ毎(または、対象ユーザ毎、且つ発行対象商品毎)に特定する(ステップS77)。図18(B)は、対象ユーザ毎に特定された電子クーポン原資の一覧を示す図である。図18(B)の例では、対象ユーザ毎に特定された電子クーポン原資は「1」で示されている。なお、ステップS78〜S83の処理は、対象ユーザ毎(または、対象ユーザ毎、且つ発行対象商品毎)にステップS64〜S69の処理が適用されて行われる。
以上説明したように、上記実施形態によれば、システム制御部4は、電子クーポンの発行対象となる発行対象商品と、当該電子クーポンの発行対象となる対象ユーザと、発行対象商品と比較対象となる比較対象商品とを特定し、当該発行対象商品の価格と比較対象商品の価格との差額に応じた特典を決定して当該特典を示す電子クーポンを対象ユーザに対して発行するように構成したので、例えば商品の販売状況や商品の購入希望者の動向などに応じて、迅速かつ柔軟に電子クーポンの特典を設定して当該電子クーポンを発行することができる。