JP6324741B2 - 食感評価システム、食感評価プログラム、記録媒体および食感評価方法 - Google Patents

食感評価システム、食感評価プログラム、記録媒体および食感評価方法 Download PDF

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Description

本発明は、食品の食感評価技術に関するものであり、特に、ゲル状食品の表面的印象の評価技術に関する。
高齢者や障害者向けに、舌と口蓋で押しつぶして摂食すること(舌式摂食)が可能な介護食ゼリーなどのゲル状食品や、ミキサー食、おかゆなどのペースト状食品が開発されている。このようなゲル状、ペースト状食品においては、摂食・嚥下の安全性と“おいしさ”が高次元で両立することが望まれる。“おいしさ”は、味や臭いといった食品の化学特性のみでなく、食品の力学特性、すなわち摂食・嚥下過程における食品の力応答と形態変化に起因したテクスチャ(舌触り、口溶け、喉越し、など)にも強く依存する。
従来、テクスチャはヒトの感覚特性に基づく官能評価によって定義されている。官能評価は、ヒトの感覚がそのまま数値化されるというメリットがあるが、再現性の高い評価のためには、訓練された評価者(パネル)を数多く養成する必要があり、コストと時間がかかる。
そこで、力学試験機を用いて食感を評価する技術が提案されている(例えば、特許文献1〜3、非特許文献1)。特許文献1に記載の技術では、食品を押圧して破断曲線を取得し、該破断曲線のパワースペクトルの所望周波数領域上での特定ピークを供試食品の食感評価値として算出する。特許文献2に記載の技術では、押圧中の荷重及び歪率を連続的に測定し、荷重及び歪率の値を基に、歪率−荷重曲線における極大値に到達する以前の曲線部分の変曲点における接線の傾きを食品咀嚼時における食品の硬さを表す指標としている。また、非特許文献1に記載の技術では、食品の押圧を2回繰り返し、最大応力、負の応力などから「かたさ」、「付着性」、「凝集性(まとまり感)」といった食感を評価している(テクスチャープロファイルアナリシス:TPA)。さらに、特許文献3に記載の技術では、可視光から赤外線領域の特定波長領域の光を用いる分光分析計測システムによって、ゲル形成性食品の品質(成分や物性)を判定している。
特開2001-133374号公報 特開2010-223737号公報 特開2003-106995号公報
Bourne, M. C. 2002. Food Texture and Viscosity 2nd Edition. 182-184 pages. Academic Press, New York
しかしながら、特許文献1および2に記載の技術によって得られる食感の指標は、単に食品の「かたさ」(機械的特性)を表わしているにすぎない。また、非特許文献1に記載の技術によって得られる「付着性」や「凝集性」などの指標も、口腔内で感じる「付着感」や「まとまり感」とは異なって評価されることが多い。また、特許文献3に記載の技術によって判定される食感も、主に「かたさ」に起因するものである。
食品全体の印象は、従来技術である押圧試験における応力応答特性との対応付けが比較的容易であるが、「モチモチ感」、「ねっとり感」、「ざらざら感」、「つるつる感」、「べたつき感」などの表面的印象については、舌表面、口腔粘膜、咽頭などの触感分布に依存するものであり、単に応力応答を観測するだけでは、これと官能評価を結びつけることは困難であった。特に、ゲル状食品の食感は、どの程度の圧力や歪を加えたときに破断するかだけでなく、破断したあとどの様な形状を取っているか、破片がどのように流動していくか、さらに、それぞれの破片がどのような力応答を示すかによって大きく異なる。また、食品の「口どけ感」は、口腔内における食品の温度変化による食品の粘弾性の変化の影響を受けやすく、一定温度における応力応答の観測結果は官能評価と相関しないことが多い。そのため従来技術では、ゲル状食品の表面的印象を評価することが難しかった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであって、幾何学的特性に強く依存した表面的印象の客観的・数値的な評価が可能な食感評価システムおよび方法の提供を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る食感評価システムは、試料を押圧する押圧装置と、前記試料の押圧時に前記試料から受ける圧力分布の経時的変化を計測する計測装置と、前記圧力分布から得られた特徴量に基づいて前記試料の食感を評価する食感評価手段とを備えることを特徴とする。また、本発明に係る食感評価方法は、試料を押圧する押圧ステップと、前記試料の押圧時に前記試料から受ける圧力分布の経時的変化を計測する計測ステップと、前記圧力分布に基づいて前記試料の食感を評価する食感評価ステップとを有することを特徴とする。
上記構成では、試料の破断前(圧縮フェーズ)および破断後(破断フェーズ)の両方のフェーズの圧力分布を用いて、試料の食感が評価される。よって、ゲル状もしくはペースト状食品の「モチモチ感」、「ねっとり感」、「ざらざら感」、「つるつる感」、「べたつき感」といった表面的印象の客観的・数値的な評価が可能となる。
また、破断フェーズ終了後から5〜10秒間のフェーズ(保持フェーズ)の圧力分布のデータを加えることにより、ゲル状もしくはペースト状食品の「口溶け感」の客観的・数値的な評価が可能となる。このとき押圧装置のうち、食感の評価対象物である試料と接触する一部もしくは全部の温度を人の体温付近に調節するとさらに評価精度が向上する。
また、上記食感評価システムにおいて、前記計測装置は、前記圧力分布を示す複数フレームの画像情報を前記食感評価手段に出力し、前記食感評価手段は、各フレームの前記画像情報から、空間濃度レベル依存法を用いてテクスチャ特徴量を抽出する特徴量抽出手段と、前記テクスチャ特徴量に基づいて、前記特徴量である特徴量ベクトルを算出する特徴量ベクトル算出手段と、前記特徴量ベクトルから主成分ベクトルを算出する主成分ベクトル算出手段と、前記主成分ベクトルから食感の評価結果を示す推定印象レベルを算出する推定印象レベル算出手段とを有することを特徴とする。
また、上記食感評価システムは、前記押圧装置の前記試料と接する一部もしくは全体を25℃から40℃に調整する機構を有することを特徴とする。
また、上記食感評価システムにおいて、前記推定印象レベル算出手段は、推定式(1)に基づいて前記推定印象レベルを算出することを特徴とする。
また、上記食感評価システムにおいて、前記推定式(1)は、あらかじめ官能評価され印象レベルが定まった基準食品に対し、前記押圧装置による押圧、前記計測装置による前記圧力分布の経時的変化の計測、前記特徴量抽出手段による前記テクスチャ特徴量の抽出、前記特徴量ベクトル算出手段による前記特徴量ベクトルの算出、及び、前記主成分ベクトル算出手段による前記主成分ベクトルの算出を行い、さらに、前記主成分ベクトルと印象レベルとの関係を表す重回帰モデルを作成することによって得られることを特徴とする。
また、上記食感評価システムの各手段としてコンピュータを動作させるための食感評価プログラム、及び、当該食感評価プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明によれば、従来の力学測定等による食感評価技術では評価できなかった表面的印象の客観的・数値的な評価が可能となる。そのため、本発明は、食べ易いだけでなく好ましい食感をもつゲル状食品の開発に有用である。
本発明の一実施形態に係る食感評価システムの概略図である。 試料の一例を示す写真である。 (a)〜(c)は、試料の押圧時の状態を示す写真である。 (a)は、プレートの下降変位を示すグラフであり、(b)は、ロードセルが検出する力応答の時間変化を示すグラフである。 (a)〜(c)は、試料の押圧時に圧力分布センサが計測した圧力分布データの画像情報の一例を示している。 制御PCの機能を説明するためのブロック図である。 食感評価手順を示すフローチャートである。 (a)〜(e)は、濃度共起行列から算出された5種類の特徴量について、フレームごとの変化を示すグラフである。 それぞれ印象レベルが異なる3種類のゼリー食品(C〜E)を圧縮破断させた際にロードセルから得られた力応答データを示している。
以下、本発明の実施形態一例について添付図面を参照して説明する。
(装置構成)
図1は、本発明の一実施形態に係る食感評価システム1の概略図である。食感評価システム1は、押圧装置2、圧力分布センサ3および制御PC4を備えている。
押圧装置2は、食感の評価対象物である試料5を押圧するための装置であり、2つのプレート21・22、リニアスライダ23およびロードセル24を備えている。下側のプレート21は、押圧装置2が設置される土台に固定されている。プレート21の上面に、圧力分布センサ3が載置され、圧力分布センサ3上に試料5が載置される。
上側のプレート22は、圧力分布センサ3と上下方向に対向する位置に設けられ、リニアスライダ23に接続されている。リニアスライダ23は、制御PC4からの押圧動作制御信号に応じて圧力センサ面に対して鉛直方向に駆動される。これにより、制御PC4は、押圧装置2による試料5の押圧動作を制御することができる。
また、上下のプレート21、22、圧力分布センサ3のうち任意の1つ、2つもしくは全部を温度制御できる電熱ヒーターなどで、人の口腔内温度(25℃〜40℃)に保温することもできる。
ロードセル24は、プレート22からの力応答を検出するものである。ロードセル24が検出した力応答のデータは、制御PC4に出力される。
圧力分布センサ3は、試料5の押圧時に試料5から受ける圧力分布の経時的変化を計測する計測装置である。本実施形態では、圧力分布センサ3として、空間分解能1[mm]、時間分解能10[ms]、測定範囲44×44[mm]の多点式の圧力センサを用いている。計測された圧力分布の経時的変化は、画像情報の圧力分布データとして制御PC4に出力される。
制御PC4は、押圧動作制御信号を出力して押圧装置2による押圧動作を制御するとともに、圧力分布センサ3からの圧力分布データに基づいて試料5の食感を評価する機能を有している。制御PC4の具体的な機能は、後述する。
(試料の押圧)
図2は、試料5の一例を示す写真である。試料5は、直径20[mm]、高さ10[mm]の円柱形のゼリー食品である。
図3(a)〜(c)は、試料5の押圧時の状態を示す写真である。具体的には、図3(a)は、試料5の押圧開始直後の状態を示しており、図3(b)は、試料5の破断直前の状態を示しており、図3(c)は、試料5の破断後の状態を示している。
図4(a)は、プレート22の下降変位を示すグラフであり、図4(b)は、ロードセル24が検出する力応答の時間変化を示すグラフである。図4(a)に示すように、プレート22は、速度2[mm/s]で下降動作した後、圧力分布センサ3に接触する寸前(プレート22と圧力分布センサ3が1〜3mmの距離なった時点)において5〜10秒間保持される。図4(b)に示すように、プレート22が試料5を圧縮するにつれ、力応答は上昇する。この間を圧縮フェーズとする。その後、力応答が極大となるt = 2.3[s] で試料5が破断し始める。このとき、力応答が一度下降するが、試料5は押圧され続けるため、プレート22が停止するまで再び上昇し続ける。また、プレート22が停止した後、応力は降下する。試料5の破断開始後からプレート22の停止までの間を破断フェーズとする。さらに、プレート22が停止した後を保持フェーズとする。また、ペースト状食品など試料よっては力応答の極大が見られない場合があり、この場合は、押圧開始時の1フレーム目を圧縮フェーズとし、プレート22停止時までの期間を破断フェーズとする。
図5(a)〜(c)は、試料5の押圧時に圧力分布センサ3が計測した圧力分布データの画像情報の一例を示している。具体的には、図5(a)は、試料5の押圧開始直後の圧力分布を示しており、図5(b)は、試料5の破断直前の圧力分布を示しており、図5(c)は、試料5の破断後の圧力分布を示している。これらの圧力分布画像は、一連の圧縮破断操作中に圧力分布センサ3から得られた圧力値を、例えば、3〜80[kPa] の範囲で4.8[kPa] ごとに16分割し、それぞれ0〜15の圧力レベル値に変換し、このように変換された圧力分布データを、N=16段階の濃度レベルを持つ44×44[pixel] の画像情報のフレーム群として取り扱うことにより得られる。各画像において、色の濃いブロックほど圧力が高い。図5(a)、(b)から、圧力分布がゼリー底面形状である円状を象りながら上昇していくことが分かる。その後ゼリーは破断し、図5(c)では破断中のゼリーの幾何学的および力学的状態が確認できる。
(制御PCの機能)
図6は、制御PC4の機能を説明するためのブロック図である。制御PC4は、押圧動作制御部41および食感評価部42を有している。
押圧動作制御部41は、ユーザの指示等に応じて、リニアスライダ23の位置および速度を制御するための押圧動作制御信号を押圧装置2に出力する。押圧装置2に押圧動作制御信号が入力されると、リニアスライダ23が駆動され、試料5に対する押圧動作が開始される。
食感評価部42は、特徴量抽出部42a、特徴量ベクトル算出部42b、主成分ベクトル算出部42c、推定印象レベル算出部42dおよび推定式記憶部42eを有している。
食感評価部42は、ハードウェア的に実現してもよいし、CPUを用いてソフトウェア的に実現してもよい。食感評価部42をソフトウェア的に実現する場合、コンピュータである制御PC4が食感評価プログラムを実行することによって、食感評価部42の各部が実現される。食感評価プログラムは、CD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録してもよいし、制御PC4を通信ネットワークと接続し、通信ネットワークを介して食感評価プログラムのプログラムコードをダウンロードしてもよい。
特徴量抽出部42a、特徴量ベクトル算出部42b、主成分ベクトル算出部42cおよび推定印象レベル算出部42dは、圧力分布センサ3から入力される圧力分布データと、推定式記憶部42eに記憶された下記の推定式(1)とに基づいて、試料5の食感を評価する。
推定式(1)の変数は、官能評価によって印象レベルが確認されている多数の試料から得られた主成分ベクトルを説明変数、印象レベルを目的変数とした重回帰分析によってあらかじめ導出されたものである。推定式(1)から導出された推定印象レベルは、評価した食感ごとに設定され、例えばモチモチ感について、その印象が強い(モチモチしている)ほど数値が大きく、印象が低い(モチモチしていない)ほど数値が小さくなるように設定されている。
(食感評価の手順)
図7は、食感評価手順を示すフローチャートである。以下、図6および図7を参照して、食感評価手法について説明する。
まず、試料5が押圧されている間(ステップS1)、特徴量抽出部42aは、圧力分布センサ3から圧力分布データを取得するとともに、ロードセル24から力応答データを取得する(ステップS2)。続いて、特徴量抽出部42aは、空間濃度レベル依存法を用いて、圧力分布データの各フレームについてテクスチャ特徴量を抽出する(ステップS3)。続いて、抽出された特徴量に基づいて、特徴量ベクトル算出部42bが特徴量ベクトルを算出する(ステップS4)。続いて、主成分ベクトル算出部42cが特徴量ベクトルから主成分ベクトルを算出する(ステップS5)。最後に、推定印象レベル算出部42dが推定式(1)を用いて、主成分ベクトルから食感の評価結果を示す推定印象レベルを算出し(ステップS6)、当該評価結果が表示部43に出力される(ステップS7)。以下、ステップS3〜S6について具体的に説明する。
(特徴量の抽出)
ステップS3について具体的に説明する。まず、特徴量抽出部42aは、各フレームの画像情報から濃度共起行列S(d,θ)を算出する。濃度共起行列とは、画像内におけるピクセル間の濃度関係を表す行列である。g(x, y)をピクセル(x, y)の濃度レベルとし、d、θをそれぞれ走査距離、走査方向とする。画像内において、相対的な位置関係が(d,θ)で与えられるピクセル対(x1,y1)および(x2,y2)について、濃度対がg(x1,y1)=pおよびg(x2,y2)=qであるとする。ただし、p={0,1, . . . ,N-1}、q={0,1, . . . , N-1}、Nは濃度レベル数である。このとき、濃度共起行列S(d,θ)の第(p,q)要素をカウントアップする。画像内の全ピクセルに対して、(d,θ)に関する走査を行うことにより、濃度対(p,q)の存在頻度を示す濃度共起行列
が決定する。ここでは、各フレームについて、d=1,2,4,8,16[pixel]、θ=0,45,90, 135[deg]を組み合わせた計20通りの濃度共起行列S(d,θ)を算出する。ここで、S(d,θ)の各要素S(d,θ) (p, q)を、次式で表される確率値P(d,θ) (p, q) に変換する。
このようにして得た濃度共起行列を、以下に示す式(2)〜(6)に代入し、5種類の特徴量として、エネルギー、エントロピー、慣性、相関、局所一様性を算出する。
・エネルギー
・エントロピー
・慣性
・相関
・局所一様性
ただし、式(5)のE、E、D、Dは、以下の通りである。
以上の計算によって、各フレームにつき、濃度共起行列20個×特徴量5種類=計100種類の特徴量を算出する。
このように、ステップS3では、空間濃度レベル依存法によって、各フレームについてテクスチャ特徴量を抽出する。これにより、ある瞬間において、試料5にどの様な亀裂が入るか、分断された破片がどの様に広がっているかなどといった特徴を総合的に捉えることができる。
図8(a)〜(e)は、d=1[pixel]、θ=0[deg] の濃度共起行列P(d,θ)から算出された5種類の特徴量について、破断フェーズ内でのフレームごとの変化を示すグラフである。なお、その他のd、θ の場合でも、各特徴量の傾向は同様である。
(特徴量ベクトルの算出)
続いて、ステップS4について具体的に説明する。図8(a)〜(e)に示す特徴量は、時間に応じて各フレームで変化するため、印象レベル間の違いが顕著に現れているフレームの特徴量を代表特徴量として採用する。図8より、エネルギー、慣性、局所一様性、エントロピーおよび相関の5種類の特徴量において各フェーズにおける代表特徴量を算出する。各フェーズにおける代表特徴量の個数は、1つ以上であればいくつでもよいが、通常1〜5つ採用する。例えば、それぞれのフェーズ内での「平均値」、「最大値」、「最小値」、「標準偏差」、「範囲」などを代表特徴量として採用する。代表特徴量をE個採用した場合、1つの試料5の圧力分布データに対して、使用するフェーズの数(D個)×各フェーズの代表特徴量(E個)×特徴量の種類(100)個と各フェーズのフレーム数D個(圧縮フェーズ,破断フェーズ(2個)もしくは圧縮フェーズ,破断フェーズ,保持フェーズ(3個))を合わせたF=D×100×E+D次元の特徴量 ベクトルx=[x,x, . . ., x]を得る。
(主成分ベクトルの算出)
続いて、ステップS5について具体的に説明する。ステップS4で得た特徴量ベクトルxを、以下のように標準化する。
この標準化ベクトル(バーx)を用いて、次式のように未知食品の主成分ベクトルyを算出する。
(推定印象レベルの算出)
ステップS6では、推定印象レベル算出部42dが、次の推定式(1)に基づいて試料5の食感を評価する。
このように、本実施形態では、圧縮フェーズ、破断フェーズ、保持フェーズの圧力分布の経時的変化を示すフレーム画像に基づいて、試料5の食感が評価される。よって、ゲル状食品の「モチモチ感」、「ねっとり感」、「ざらざら感」、「つるつる感」といった表面的印象や「口どけ感」、「べたつき感」といった人の口腔内の感覚的印象の客観的・数値的な評価が可能となる。
(印象レベル推定式の導出)
続いて、上述の推定式(1)の変数を導出するための手法について説明する。準備として、ヒトによる官能評価済みの試験食品を複数用意し、これらを、圧力分布と印象レベル値の関係をモデル化するための基準食品と定義する。また、評価したい食感(〇〇感,〇〇感,など)ごとに、印象レベルnを設定しておく。これらの基準食品に対して、以下の手順によって印象レベルの推定式を導出する。
まず、咀嚼実験モデルを用いた圧力分布のセンシングを行う。舌式摂食を人工的に再現するために、図1に示す押圧装置2を用いて摂食実験モデルを構築する。ヒトは、舌式摂食において、食品破断中の形態変化と力応答を同時に感知している。この基本原理に基づいて、押圧装置2を用いて、印象レベルが異なる基準食品を圧縮破断する過程の圧力分布の経時的変化を計測する。
続いて、テクスチャ解析による印象レベルと圧力分布の経時的変化とのモデリングを行う。すなわち、圧力分布の経時的変化と印象レベルとの関係をモデル化する。はじめに、圧力分布データに画像テクスチャ解析手法を適用し、空間濃度レベル依存法により求められる特徴量ベクトルxを算出する。次に、これらの特徴量に対する主成分ベクトルyを算出する。最後に、重回帰分析を行い、主成分ベクトルyと印象レベルnとの関係を表す重回帰モデルを作成することによって、印象レベルの推定式を導出する。得られた印象レベルの推定式を用いることにより、未知食品の食感を推定することができる。
(圧力分布センシングの具体例)
基準食品として、M個のゼリーを使用し、評価したい食感ごとに、各ゼリーの官能評価による印象レベルをn1、、n…nとする。そして、各ゼリーに対して上記実験モデルにおける圧力分布データを取得する。
(印象レベルと圧力分布の経時的変化とのモデリングの具体例)
既に説明した図7に示すステップS3・S4と同様に、M個のゼリーについて、空間濃度レベル依存法を用いて、圧力分布データの各フレームについてテクスチャ特徴量(エネルギー、エントロピー、慣性、相関、局所一様性)を抽出し、当該特徴量に基づいて特徴量ベクトルを算出し、F次元の特徴量ベクトルx=[x,x, . . ., x]を得る。
続いて、特徴量間での高い相関関係を除去するために主成分分析を施し、特徴量ベクトルxの次元を圧縮する。摂食実験から得た圧力分布データの総数をMとし、圧力分布データk (k = 1, 2, . . .,M) から得た特徴量ベクトルを、
とする。続いて、次式のように、全特徴量ベクトルを並べた行列Xを作成する。
さらに、次式のように、列ベクトルを定める。
次に、行列Xの相関係数行列Rを算出し、行列Rの固有値λ(i=1,2, . . ., F)と、 大きさ1の固有ベクトルuから成る行列Uを次式のように算出する。
ただし、ri,jは、ベクトルx(i=1,2, . . ., F)とx(j=1,2, . . ., F)との相関係数を表す。 行列Uから、λ≧1の固有値に対応する固有ベクトルuを抽出し、次式の行列を作成する。
ただし、Lはλ≧1を満たす固有値の総数であり、u(l)(l=1,2, . . ., L) は、λ≧1を満たす固有値に対応する固有ベクトルuである。次に、行列Xを構成するxを標準化して、次のような行列を用意する。
ただし、
である。
最後に、主成分ベクトルを構成する行列Yを次式のように算出する。
上記式中のyが、圧力分布データkの主成分ベクトルであり、
となる。このようにして、主成分ベクトルが算出される。
続いて、重回帰分析による印象レベル推定式の導出について説明する。
主成分ベクトルyを説明変数、印象レベルnを目的変数として重回帰モデルを作成し、印象レベルの推定式を獲得する。主成分ベクトルyと印象レベルnとの関係が、線形回帰式
で与えられるものと仮定する。ただし、
である。また、aは定数項、a(l=1,2, . . . ,L)は各主成分に対する偏回帰係数である。全試験食品データk(k=1,2, . . . ,M) に式(7)を適用し、次式を得る。
n=Za (8)
ただし、
である。式(8)より、定数項と偏回帰係数の推定値を次式で算出する。
ただし、Z=(ZZ)−1は、Zの擬似逆行列である。以上の手順により、圧力分布データkから得た主成分ベクトルyに対する印象レベルの推定式
を得る。なお、定数項および偏回帰係数a=0の帰無仮説について検定を行い、危険率5%以上の定数項あるいは偏回帰係数項を除去して、再度重回帰分析を行う。この作業を、全ての定数項および偏回帰係数の危険率が5%以下になるまで繰り返し、最終的な印象レベルの推定式を決定する。
[ゼリー状食品の「モチモチ感」、「ねっとり感」、「ざらざら感」、「つるつる感」の推定]
本実施例では、食感の異なる5種類(A〜E)のゼリー食品について、本発明の食感評価方法により推定印象レベルを得るとともに、当該推定値を8名の評価者による実際に官能評価をして得られた印象レベルと比較した。
[モデルゼリー食品(A〜E)調製法]
ゲル化剤として、脱アシル型ジェランガム(商品名:ケルコゲル、三栄源エフ・エフ・アイ社)、ネイティブ型ジェランガム商品名:ケルコゲルLT−100、三栄源エフ・エフ・アイ社)、寒天(商品名:ゲルアップJ−3531、三栄源エフ・エフ・アイ社)、カッパカラギナン(商品名:カラギニンCS−606、三栄源エフ・エフ・アイ社)、及びイオタカラギナン(商品名:カラギニンCS−599、三栄源エフ・エフ・アイ社)を用いた。10gのショ糖と表1に示す分量のゲル化剤を粉体混合した。イオン交換水をA、Bの場合は90℃、C-〜Eの場合は80℃に加温後、これをプロペラ攪拌機を用いて1200rpmで撹拌しながらイオン交換水に添加し、10分間撹拌し続けた。これにA、Bの場合は0.1gの乳酸カルシウム、Dの場合は0.1g塩化カリウムを撹拌しながら加え、イオン交換水で全量を100gに調製した後に8℃の恒温水槽で冷却してゲル化させた。
表中の数値の単位は、ゼリー食品100gに含まれる各成分の重量(g)である。
[官能評価法(印象レベル取得方法)]
1. 20℃の試料を各8名の被験者に全量口に含ませた後、自由に摂食させた。各ゼリーの形状は、直径20mm、高さ10mm の円柱形(約7g)とした。
2. 試料摂食後に、「モチモチ感」、「ねっとり感」、「ざらざら感」、「つるつる感」の4項目について、被験者に長さ100mmの直線の任意の位置に線を引かせることによって、印象レベルnを評価させた。直線の左端を0点、右端を100点とした。
3. 点数は、次の基準で採点させた。
0点:全く「モチモチ(など)」していない
50点:小さめの一口サイズとして標準的な「モチモチ(など)感」を有している
100点:小さめの一口サイズでゲル状食品を食べるときの想像しうる最も「モチモチ(など)」している状態
[推定印象レベル取得方法]
1. 直径20mm、高さ10mm の円柱形のゼリーを、フィルム式圧力分布センサI−Scan40(ニッタ株式会社製、空間分解能1[mm]、時間分解能10[ms]、測定範囲44×44[mm]の多点式の圧力センサ)の上に置き、円筒ゲル上面を垂直に剛体の平面プランジャーで圧縮して、円筒ゲル下面と接触している多点式センサにかかる圧力の経時変化を測定した(各ゼリーにつき18個ずつ、計90個のゼリーを測定した)。全ての測定は室温(20℃)で行った。なお、このとき、本実施例で使用した5種類のゼリーの応力応答には全て極大値が存在し、圧縮フェーズと破断フェーズを容易に分離することができた。
2. 圧力分布データの各フレームについてテクスチャ特徴量(エネルギー、エントロピー、慣性、相関、局所一様性)を抽出し、当該特徴量に基づいて特徴量ベクトルを算出する。このとき、圧縮フェーズおよび破断フェーズの各フレームにおける特徴量の「平均値」を代表特徴量とした(代表特徴量の総数は、各フェーズにつき「濃度共起行列」(20個)×「特徴量」(5種類)×「代表特徴量」(1種類)=100個得られる)。これにより、1種類のゼリーの圧力分布データに対して、圧縮フェーズの代表特徴量100個とフレーム数1個,破断フェーズの代表特 徴量100個とフレーム数1個を合わせたF=202次元の特徴量 ベクトルを得た。
3. 算出された202次元の特徴量ベクトルを主成分分析によって6次元まで圧縮した。
4. 6次元の主成分ベクトルを説明変数、印象レベルを目的変数とした重回帰分析によって推定印象レベルを得た。
結果を表2〜5に示す。
表2〜5は、それぞれゼリー食品A〜Eの「モチモチ感」、「ねっとり感」、「ざらざら感」、「つるつる感」について、官能評価値による印象レベルと推定印象レベルの関係を示している。
表2〜5から、ゼリー食品A〜Eの4項目の食感について、食感評価方法による推定値は実際の官能評価から得られた印象レベルに近似していることが分かる。本実施例の結果から、本発明の食感評価システムおよび方法によって、「ざらざら感」「つるつる感」「モチモチ感」「ねっとり感」といった表面的印象が精度よく推定できることが示された。
[市販ゼリー食品の「モチモチ感」、「ねっとり感」、「ざらざら感」、「つるつる感」の推定]
本実施例では、実施例1で使用した5種類(A〜E)のゼリー食品に加えて、以下の方法で調製した食感の異なる10種類(F〜O)のゼリー食品を用いた。これら15種類のゼリーから得られた代表特徴量ベクトルと印象レベルを重回帰分析することにより食感評価モデルを構築した。また、この食感評価モデルを用い、官能評価値が未知である市販のゼリー食品(a〜h)の「モチモチ感」、「ねっとり感」、「ざらざら感」、「つるつる感」を推定した。
[モデルゼリー食品(F〜O)調製法]
ゲル化剤として、脱アシル型ジェランガム(商品名:ケルコゲル、三栄源エフ・エフ・アイ社)、ネイティブ型ジェランガム商品名:ケルコゲルLT−100、三栄源エフ・エフ・アイ社)、2種類の寒天(商品名:ゲルアップJ−4503、ゲルアップJ−4504、いずれも三栄源エフ・エフ・アイ社)、カッパカラギナン(商品名:カラギニンCS−606、三栄源エフ・エフ・アイ社)、マンナン(商品名:サンサポートP−180、三栄源エフ・エフ・アイ社)、ヒドロキシプロピル化デンプン(商品名:サンサポートP−181)及び5種類の増粘多糖類製剤(商品名:サンサポートK−S(F)、サンサポートG−1016、サンサポートG−1028、サンサポートG−1014、サンサポートG−1054、いずれも三栄源エフ・エフ・アイ社)を用いた。10gのショ糖もしくは0.1gの甘味料製剤(商品名:サンスイートSU−100、三栄源エフ・エフ・アイ社)と表6、7に示す分量のゲル化剤を粉体混合した。F、G、Hの場合は90℃、I、J、L、Nの場合は80℃に加温後、これをプロペラ攪拌機を用いて1200rpmで撹拌しながらイオン交換水に添加し、10分間撹拌し続けた。これにF、J、Nの場合は表6、7に記載の分量の乳酸カルシウム、Iの場合は0.1g塩化カリウムを撹拌しながら加え、イオン交換水で全量を100gに調製した後に8℃の恒温水槽で冷却してゲル化させた。K、M、Oの場合は、これをプロペラ攪拌機を用いて1200rpmで撹拌しながらイオン交換水に添加し、80℃に加温後、10分間撹拌し続けた。これにK、Mの場合は表7に記載の分量の乳酸カルシウムを撹拌しながら加え、イオン交換水で全量を100gに調製した後に8℃の恒温水槽で冷却してゲル化させた。
表中の数値の単位は、ゼリー食品100gに含まれる各成分の重量(g)である。
[官能評価法(印象レベル取得方法)]
モデルゼリー食品(A〜O、15種類)および市販ゼリー食品(a〜h、8種類)を実施例1の官能評価法[官能評価法(印象レベル取得方法)]と同じ方法で官能評価を行った。
[食感評価モデル構築法]
1.直径20mm、高さ10mm の円柱形のモデルゼリー食品(A〜O、15種類)を、フィルム式圧力分布センサI−Scan40の上に置き、円筒ゲル上面を垂直に剛体の平面プランジャーで圧縮して、円筒ゲル下面と接触している多点式センサにかかる圧力の経時変化を測定した(各ゼリーにつき6個ずつ、計90個のゼリーを測定した)。全ての測定は室温(20℃)で行った。なお、このとき、本実施例で使用したG以外の14種類のゼリーの応力応答には全て極大値が存在し、圧縮フェーズと破断フェーズを容易に分離することができた。Gのゼリーの応力応答には極大値が存在しないため、押圧開始時の1フレーム目を圧縮フェーズとし、剛体プランジャー停止時までの期間を破断フェーズとした。
2.圧力分布データの各フレームについてテクスチャ特徴量(エネルギー、エントロピー、慣性、相関、局所一様性)を抽出し、当該特徴量に基づいて特徴量ベクトルを算出する。このとき、圧縮フェーズおよび破断フェーズの各フレームにおける特徴量の「平均値」、「最大値」、「最小値」、「標準偏差」、「範囲」の5種類値を代表特徴量とした(代表特徴量の総数は、各フェーズにつき「濃度共起行列」(20個)×「特徴量」(5種類)×「代表特徴量」(5種類)=500個得られる)。これにより、1種類のゼリーの圧力分布データに対して、圧縮フェーズの代表特徴量500個とフレーム数1個,破断フェーズの代表特徴量500個とフレーム数1個を合わせたF=1002次元の特徴量 ベクトルを得た。
3.算出された1002次元の特徴量ベクトルを主成分分析によってL次元まで圧縮した。なお、Lは値が1以上である固有値の総数である。
4.L次元の主成分ベクトルを説明変数、印象レベルを目的変数とした重回帰分析によって推定印象レベルの回帰直線(食感評価モデル)を得た。
[市販ゲル状食品の推定印象レベル取得方法]
1.a〜hの8種類の市販ゼリー食品試料を直径20mm、高さ10mm の円柱形に整形し、フィルム式圧力分布センサI−Scan40の上に置き、円筒ゲル上面を垂直に剛体の平面プランジャーで圧縮して、円筒ゲル下面と接触している多点式センサにかかる圧力の経時変化を測定した(各ゼリーにつき6個ずつ、計48個のゼリーを測定した)。全ての測定は室温(20℃)で行った。なお、このとき、本実施例で使用した8種類のゼリーの応力応答には全て極大値が存在し、圧縮フェーズと破断フェーズを容易に分離することができた。
2.圧力分布データの各フレームについてテクスチャ特徴量(エネルギー、エントロピー、慣性、相関、局所一様性)を抽出し、当該特徴量に基づいて特徴量ベクトルを算出する。このとき、圧縮フェーズおよび破断フェーズの各フレームにおける特徴量の「平均値」、「最大値」、「最小値」、「標準偏差」、「範囲」の5種類値を代表特徴量とした(代表特徴量の総数は、各フェーズにつき「濃度共起行列」(20個)×「特徴量」(5種類)×「代表特徴量」(5種類)=500個得られる)。これにより、1種類のゼリーの圧力分布データに対して、圧縮フェーズの代表特徴量500個とフレーム数1個、破断フェーズの代表特徴量500個とフレーム数1個を合わせたF=1002次元の特徴量 ベクトルを得た。
3.算出された1002次元の特徴量ベクトルを主成分分析によってL次元まで圧縮した。なお、Lは値が1以上である固有値の総数である。
4.L次元の主成分ベクトルを上記の[食感評価モデル構築法]で構築した重回帰式(食感評価モデル)に代入して推定印象レベルを得た。
結果を表8〜11に示す。
表8〜11は、それぞれゼリー状食品a〜hの「モチモチ感」、「ねっとり感」、「ざらざら感」、「つるつる感」について、官能評価値による印象レベルと推定印象レベルの関係を示している。
表8〜11から、市販ゼリー食品a〜hの4項目の食感について、食感評価方法による推定値は実際の官能評価から得られた印象レベルに近似していることが分かる。本実施例の結果から、本発明の食感評価システムおよび方法によって、「ざらざら感」「つるつる感」「モチモチ感」「ねっとり感」といった表面的印象が精度よく推定できることが示された。
[市販ペースト食品の口腔内および咽頭通過時の「べたつき感」の推定]
本実施例では、食感の異なる4種類(i〜l)の市販ペースト食品を用いて本発明の食感評価方法により口腔内および咽頭通過時における「べたつき感」の推定印象レベルを得るとともに、当該推定値を8名の評価者による実際に官能評価をして得られた印象レベルと比較した。
[官能評価法(印象レベル取得方法)]
1.20℃の市販ペースト食試料を各8名の被験者に全量口に含ませた後、自由に摂食させた。各ペースト食品の重量は10gとした。
2.試料摂食後に、「べたつき感(口腔内)」、「べたつき感(咽頭通過時)」の2項目について、被験者に長さ100mmの直線の任意の位置に線を引かせることによって、印象レベルnを評価させた。直線の左端を0点、右端を100点とした。
3.点数は、次の基準で採点させた。
0点:全く「べたつき感」がない
50点:小さめの一口サイズとして標準的な「べたつき感」を有している
100点:小さめの一口サイズでゲル状食品を食べるときの想像しうる最も「べたつき感」がある状態
[推定印象レベル取得方法]
1.3gの市販ペースト食品を、フィルム式圧力分布センサI−Scan40の上に置き(形状は任意)、ペースト食品の上面を垂直に剛体の平面プランジャーで圧縮して、ペースト食品の下面と接触している多点式センサにかかる圧力の経時変化を測定した(各ペースト食品につき6個ずつ、計24個のペースト食品を測定した)。なお、このとき、本実施例で使用した4種類のペースト食品の応力応答には全て極大値が存在せず、押圧開始時の1フレーム目を圧縮フェーズとし、剛体プランジャー停止時までの期間を破断フェーズとした。
2.圧力分布データの各フレームについてテクスチャ特徴量(エネルギー、エントロピー、慣性、相関、局所一様性)を抽出し、当該特徴量に基づいて特徴量ベクトルを算出する。このとき、圧縮フェーズおよび破断フェーズの各フレームにおける特徴量の「平均値」、「最大値」、「最小値」、「標準偏差」、「範囲」の5種類値を代表特徴量とした(代表特徴量の総数は、各フェーズにつき「濃度共起行列」(20個)×「特徴量」(5種類)×「代表特徴量」(5種類)=500個得られる)。これにより、1種類のペースト食品の圧力分布データに対して、圧縮フェーズの代表特徴量500個とフレーム数1個,破断フェーズの代表特徴量500個とフレーム数1個を合わせたF=1002次元の特徴量 ベクトルを得た。
3.算出された501次元の特徴量ベクトルを主成分分析によってL次元まで圧縮した。なお、Lは値が1以上である固有値の総数である。
4.L次元の主成分ベクトルを説明変数、印象レベルを目的変数とした重回帰分析によって推定印象レベルを得た。
結果を表12〜13に示す。

表12〜13から、市販ペースト食品i〜lの2項目の食感について、食感評価方法による推定値は実際の官能評価から得られた印象レベルに近似していることが分かる。本実施例の結果から、本発明の食感評価システムおよび方法によって、ペースト食品の「べたつき感(口腔内)」、「べたつき感(咽頭通過時)」といった表面的印象が精度よく推定できることが示され、本発明は保形性の良いゲル食品だけでなくペースト食品などゾル状の食品にも適用できることが確認された。
[市販ゼリー食品の「口どけ感」の推定]
本実施例では、食感の異なる5種類(P〜T)のモデルゼリー食品を用いて得られた代表特徴量ベクトルと官能評価から得られた印象レベルを重回帰分析することにより食感評価モデルを構築した。また、この食感評価モデルを用い、官能評価値が未知である市販のゼリー食品(f,h,m)の「口どけ感」を推定した。
[モデルゼリー食品(P〜T)調製法]
ゲル化剤として5種類の増粘多糖類製剤(商品名:サンサポートG−1043、サンサポートG−1015、サンサポートG−12、サンサポートG−22、サンサポートG−1066、いずれも三栄源エフ・エフ・アイ社)を用いた。イオン交換水に2gのヤシ油を添加し、これに10gのショ糖、6gの脱脂粉乳、表14に示す分量のゲル化剤およびグリセリン脂肪酸エステル(商品名:ホモゲンDM−S、三栄源エフ・エフ・アイ社)の粉体混合物を加え、これをプロペラ攪拌機を用いて1200rpmで撹拌しながらP以外の場合は80℃に、Pの場合は90℃に加温後、10分間撹拌し続けた。これをイオン交換水で全量を100gに調製し、高圧ホモジナイザーを用いて150kg/m、75℃でホモジナイズし、さらに85℃で30分加熱した後、8℃の恒温水槽で冷却してゲル化させた。
表中の数値の単位は、ゼリー食品100gに含まれる各成分の重量(g)である。
[官能評価法(印象レベル取得方法)]
モデルゼリー食品(P〜T)および市販のゼリー食品(f,h,m)を用い、実施例1の官能評価法[官能評価法(印象レベル取得方法)]と同じ方法で官能評価を行った。
[食感評価モデル構築法1(室温(20℃で押圧、保持フェーズなし)]
1.直径20mm、高さ10mm の円柱形のモデルゼリー食品(P〜T、5種類)を、フィルム式圧力分布センサI−Scan40の上に置き、円筒ゲル上面を垂直に剛体の平面プランジャーで圧縮して、円筒ゲル下面と接触している多点式センサーにかかる圧力の経時変化を測定した(各ゼリーにつき6個ずつ、計30個のゼリーを測定した)。全ての測定は室温(20℃)で行った。なお、このとき、本実施例で使用した5種類のゼリーの応力応答には全て極大値が存在し、圧縮フェーズと破断フェーズを容易に分離することができた。
2.圧力分布データの各フレームについてテクスチャ特徴量(エネルギー、エントロピー、慣性、相関、局所一様性)を抽出し、当該特徴量に基づいて特徴量ベクトルを算出する。このとき、圧縮フェーズおよび破断フェーズの各フレームにおける特徴量の「平均値」、「最大値」、「最小値」、「標準偏差」、「範囲」の5種類値を代表特徴量とした(代表特徴量の総数は、各フェーズにつき「濃度共起行列」(20個)×「特徴量」(5種類)×「代表特徴量」(5種類)=500個得られる)。これにより、1種類のゼリーの圧力分布データに対して、圧縮フェーズの代表特徴量500個とフレーム数1個、破断フェーズの代表特徴量500個とフレーム数1個を合わせたF=1002次元の特徴量 ベクトルを得た。
3.算出された1002次元の特徴量ベクトルを主成分分析によってL次元まで圧縮した。なお、Lは値が1以上である固有値の総数である。
4.L次元の主成分ベクトルを説明変数、印象レベルを目的変数とした重回帰分析によって推定印象レベルの回帰直線(食感評価モデル)を得た。
[市販ゲル状食品の推定印象レベル取得方法1]
1.(f,h,m)の3種類の市販ゼリー食品試料を直径20mm、高さ10mm の円柱形に整形し、フィルム式圧力分布センサI−Scan40の上に置き、円筒ゲル上面を垂直に剛体の平面プランジャーで圧縮して、円筒ゲル下面と接触している多点式センサにかかる圧力の経時変化を測定した(各ゼリーにつき6個ずつ、計18個のゼリーを測定した)。全ての測定は室温(20℃)で行った。なお、このとき、本実施例で使用した3種類のゼリーの応力応答には全て極大値が存在し、圧縮フェーズと破断フェーズを容易に分離することができた。
2.圧力分布データの各フレームについてテクスチャ特徴量(エネルギー、エントロピー、慣性、相関、局所一様性)を抽出し、当該特徴量に基づいて特徴量ベクトルを算出する。このとき、圧縮フェーズおよび破断フェーズの各フレームにおける特徴量の「平均値」、「最大値」、「最小値」、「標準偏差」、「範囲」の5種類値を代表特徴量とした(代表特徴量の総数は、各フェーズにつき「濃度共起行列」(20個)×「特徴量」(5種類)×「代表特徴量」(5種類)=500個得られる)。これにより、1種類のゼリーの圧力分布データに対して、圧縮フェーズの代表特徴量500個とフレーム数1個、破断フェーズの代表特徴量500個とフレーム数1個を合わせたF=1002次元の特徴量 ベクトルを得た。
3.算出された1002次元の特徴量ベクトルを主成分分析によってL次元まで圧縮した。なお、Lは値が1以上である固有値の総数である。
4.L次元の主成分ベクトルを上記の[食感評価モデル構築法1(室温(20℃で押圧、保持フェーズなし)]で構築した重回帰式(食感評価モデル)に代入して推定印象レベルを得た。
[食感評価モデル構築法2(押圧装置を40℃に調温、保持フェーズあり)]
1.直径20mm、高さ10mm の円柱形のモデルゼリー食品(P〜T、5種類)を、フィルム式圧力分布センサI−Scan40の上に置き、円筒ゲル上面を垂直に剛体の平面プランジャーで圧縮して、円筒ゲル下面と接触している多点式センサーにかかる圧力の経時変化を測定した(各ゼリーにつき6個ずつ、計18個のゼリーを測定した)。このとき、フィルム式圧力分布センサをヒーターで40℃に温度調節した。なお、このとき、本実施例で使用した5種類のゼリーの応力応答には全て極大値が存在し、圧縮フェーズと破断フェーズを容易に分離することができた。また、剛体の平板プランジャーが停止した後10秒間の圧力分布も測定し、これを保持フェーズとした。
2.圧力分布データの各フレームについてテクスチャ特徴量(エネルギー、エントロピー、慣性、相関、局所一様性)を抽出し、当該特徴量に基づいて特徴量ベクトルを算出する。このとき、圧縮フェーズ、破断フェーズおよび保持フェーズの各フレームにおける特徴量の「平均値」、「最大値」、「最小値」、「標準偏差」、「範囲」の5種類値を代表特徴量とした(代表特徴量の総数は、各フェーズにつき「濃度共起行列」(20個)×「特徴量」(5種類)×「代表特徴量」(5種類)=500個得られる)。これにより、1種類のゼリーの圧力分布データに対して、圧縮フェーズの代表特徴量500個とフレーム数1個、破断フェーズの代表特徴量500個とフレーム数1個、保持フェーズの代表特徴量500個とフレーム数1個を合わせたF=1503次元の特徴量 ベクトルを得た。
3.算出された1503次元の特徴量ベクトルを主成分分析によってL次元まで圧縮した。なお、Lは値が1以上である固有値の総数である。
4.L次元の主成分ベクトルを説明変数、印象レベルを目的変数とした重回帰分析によって推定印象レベルの回帰直線(食感評価モデル)を得た。
[推定印象レベル取得方法2(押圧装置を40℃に調温、保持フェーズあり)]
1.(f,h,m)の3種類の市販ゼリー食品試料を直径20mm、高さ10mm の円柱形に整形し、フィルム式圧力分布センサI−Scan40の上に置き、円筒ゲル上面を垂直に剛体の平面プランジャーで圧縮して、円筒ゲル下面と接触している多点式センサにかかる圧力の経時変化を測定した(各ゼリーにつき6個ずつ、計18個のゼリーを測定した)。このとき、フィルム式圧力分布センサをヒーターで40℃に温度調節した。なお、このとき、本実施例で使用した3種類のゼリーの応力応答には全て極大値が存在し、圧縮フェーズと破断フェーズを容易に分離することができた。また、剛体の平板プランジャーが停止した後10秒間の圧力分布も測定し、これを保持フェーズとした。
2.圧力分布データの各フレームについてテクスチャ特徴量(エネルギー、エントロピー、慣性、相関、局所一様性)を抽出し、当該特徴量に基づいて特徴量ベクトルを算出する。このとき、圧縮フェーズ、破断フェーズおよび保持フェーズの各フレームにおける特徴量の「平均値」、「最大値」、「最小値」、「標準偏差」、「範囲」の5種類値を代表特徴量とした(代表特徴量の総数は、各フェーズにつき「濃度共起行列」(20個)×「特徴量」(5種類)×「代表特徴量」(5種類)=500個得られる)。これにより、1種類のゼリーの圧力分布データに対して、圧縮フェーズの代表特徴量500個とフレーム数1個、破断フェーズの代表特徴量500個とフレーム数1個、保持フェーズの代表特徴量500個とフレーム数1個を合わせたF=1503次元の特徴量 ベクトルを得た。
3.算出された1503次元の特徴量ベクトルを主成分分析によってL次元まで圧縮した。なお、Lは値が1以上である固有値の総数である。
4.L次元の主成分ベクトルを上記の[食感評価モデル構築法2(押圧装置を40℃に調温、保持フェーズあり)]で構築した重回帰式(食感評価モデル)に代入して推定印象レベルを得た。
結果を表15に示す。
表15は、それぞれ市販ゼリー状食品f〜hの「口どけ感」について、官能評価値による印象レベルと「推定印象レベル取得方法1(常温(20℃)で押圧、保持フェーズなし)」および「推定印象レベル取得方法2(押圧装置を40℃に調温、保持フェーズあり)」の2種類の方法で取得した推定印象レベルの関係を示している。どちらの方法で取得した推定印象レベルも実際の官能評価から得られた印象レベルと近い値を示したが、押圧装置を人の口腔内温度に近い40℃に調温し、押圧が停止した後の期間(保持フェーズ)の圧力分布の変化を評価系に加えた「推定印象レベル取得方法2」で取得した推定印象レベルのほうがより近似していた。試料(食品)の温度変化の影響を受けやすい「口どけ感」のような食感を評価する場合、押圧装置を人間の体温に近づけ、押圧後しばらく保持すると、より精度よく表面的印象を推定できることが示された。
なお、本実施例においては「モチモチ感」、「ねっとり感」、「ざらざら感」、「つるつる感」、「べたつき感」、「口どけ感」を評価したが、他の食感についても印象レベルを取得することにより、本発明によって同様に評価することができる。
(従来方法との比較)
ここで、比較例として、力応答に基づく従来のテクスチャプロファイル法による食感評価の精度を検証した。
図9は、それぞれ印象レベルが異なる3種類のゼリー食品(C〜E)を圧縮破断させた際にロードセル24から得られた力応答データを示している。図9から、ゼリー食品Cのゼリーの力応答を残りの2種類のゼリーの力応答と区別することは容易である。しかしながら、ゼリー食品Dとゼリー食品Eについては、両者を力応答に基づいて区別することは困難であることが分かる。すなわち、従来のテクスチャプロファイル法によって、食品素材の違いおよびそれらの幾何学的特性に基づく食品テクスチャの違いを評価することは困難といえる。
一方、本実施形態では、従来のテクスチャプロファイル法では判別困難なゼリー食品DおよびEについても、表2〜5に示すように両者の違いを明快に判別可能であることが分かる。
(総括)
以上のように、本実施形態の食感評価システムでは、試料を押圧することによって破断したときの圧力分布の変化を計測し、この計測データから空間濃度レベル依存法を用いて、複数の特徴量を抽出する。抽出された特徴量群の中から試料固有の特徴をよりよく示すパラメータを主成分分析によって算出し、このパラメータを用いて食感との重回帰モデルを作成する。この重回帰モデルを用いることにより,圧力分布の経時的変化から食感を評価する。空間濃度レベル依存法は、ある瞬間において、食品にどの様な亀裂が入るか、分断された破片がどの様に広がっているか、さらに、それぞれの破片がどのような力応答を示すかなどといった特徴を総合的に捉えることができる。したがって、実施形態の食感評価システムは、食品の押圧による破断様式を総合的に評価でき、様々な食感の評価に適している。特に、従来技術では評価が難しかった、ゲル状食品の表面的印象を評価するのに適している。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内で種々の変更が可能であり、上記実施形態に開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる形態も、本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明によって、様々な喫食者にとって最適な食感をもった飲食品を提供することができる。特に、本発明は、摂食・嚥下の安全性と“おいしさ”が高次元で両立するゲル状食品の開発に適用でき、例えば、介護食用に調製された(例えば「ねっとり感」が抑えられた)水分補給ゼリー、デザートゼリー、プリン、卵豆腐などといった一般食用のゼリーの食感改良に適用できる。
1 食感評価システム
2 押圧装置
21 プレート
22 プレート
23 リニアスライダ
24 ロードセル
3 圧力分布センサ
4 制御PC(食感評価手段)
41 押圧動作制御部
42 食感評価部(食感評価手段)
42a 特徴量抽出部(特徴量抽出手段)
42b 特徴量ベクトル算出部(特徴量ベクトル算出手段)
42c 主成分ベクトル算出部(主成分ベクトル算出手段)
42d 推定印象レベル算出部(推定印象レベル算出手段)
42e 推定式記憶部
43 表示部
5 試料

Claims (7)

  1. 試料を押圧する押圧装置と、
    前記試料の押圧時に前記試料から受ける圧力分布の経時的変化を計測する計測装置と、
    前記試料の破断前および破断後の圧力分布から得られた特徴量に基づいて前記試料の食感を評価する食感評価手段と
    を備え
    前記計測装置は、前記圧力分布を示す複数フレームの画像情報を前記食感評価手段に出力し、
    前記食感評価手段は、前記画像情報の各フレームの画像情報から、空間濃度レベル依存法を用いて、前記特徴量であるテクスチャ特徴量を抽出する特徴量抽出手段と、
    前記テクスチャ特徴量に基づいて特徴量ベクトルを算出する特徴量ベクトル算出手段と、
    前記特徴量ベクトルから主成分ベクトルを算出する主成分ベクトル算出手段と、
    前記主成分ベクトルから食感の評価結果を示す推定印象レベルを算出する推定印象レベル算出手段と
    を有することを特徴とする食感評価システム。
  2. 前記押圧装置の前記試料と接する一部もしくは全体を25℃から40℃に調整する機構を有することを特徴とする請求項1に記載の食感評価システム。
  3. 前記推定印象レベル算出手段は、下記推定式(1)に基づいて前記推定印象レベルを算出することを特徴とする請求項に記載の食感評価システム。
  4. 前記推定式(1)は、
    あらかじめ官能評価された基準食品に対し、前記押圧装置による押圧、前記計測装置による前記圧力分布の経時的変化の計測、前記特徴量抽出手段による前記テクスチャ特徴量の抽出、前記特徴量ベクトル算出手段による前記特徴量ベクトルの算出、及び、前記主成分ベクトル算出手段による前記主成分ベクトルの算出を行い、
    さらに、前記主成分ベクトルと印象レベルとの関係を表す重回帰モデルを作成することによって得られることを特徴とする請求項に記載の食感評価システム。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載の各手段としてコンピュータを動作させるための食感評価プログラム。
  6. 請求項に記載の食感評価プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  7. 試料を押圧する押圧ステップと、
    前記試料の押圧時に前記試料から受ける圧力分布の経時的変化を計測する計測ステップと、
    前記試料の破断前および破断後の圧力分布から得られた特徴量に基づいて前記試料の食感を評価する食感評価ステップと
    を有し、
    前記計測ステップでは、前記圧力分布を示す複数フレームの画像情報を生成し、
    前記食感評価ステップは、
    前記画像情報の各フレームの画像情報から、空間濃度レベル依存法を用いて、前記特徴量であるテクスチャ特徴量を抽出する特徴量抽出ステップと、
    前記テクスチャ特徴量に基づいて特徴量ベクトルを算出する特徴量ベクトル算出ステップと、
    前記特徴量ベクトルから主成分ベクトルを算出する主成分ベクトル算出ステップと、
    前記主成分ベクトルから食感の評価結果を示す推定印象レベルを算出する推定印象レベル算出ステップと
    を有することを特徴とする食感評価方法。
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