以下に図面を用いて本発明による学習支援システムの実施形態を説明する。なお、本発明の記憶装置および処理装置は概念的なものであり、それぞれが独立した装置であることを意味するものではない。すなわち、記憶装置および処理装置の各機能部は、一つの装置に配置することもできるし、物理的に分離した複数の装置に分散配置することも可能である。
〔全体構成〕
図1は、本実施形態における学習支援システムのシステム構成図である。図に示すように、学習支援システムは、管理サーバ1,教員用端末2,複数の学習者用端末3(本発明の通信端末),複数の無線アクセスポイント4(以下、無線AP4と略記する)から構成されている。
本実施形態では、説明を簡単にするために、3年A組,3年B組,3年C組のそれぞれが使用する3つの教室Ca,Cb,Ccがあり、各組には3名の学習者が所属しているものとする。当然ながら、組の数、教室の数、学習者の数等は、各々の学校に適合されるものである。
教員用端末2は各々の教員が使用する通信端末であり、学習者用端末3は各々の学習者が使用する通信端末である。また、無線AP4は、授業が行われる各教室に設置されている。
図1に示すように、本実施形態では、3つの教室Ca,Cb,Ccにはそれぞれ無線AP4a,4b,4cが設置されている。また、教室Caには1台の教員用端末2aと、3台の学習者用端末3a1〜3a3が設置されている。一方、教室Cbには1台の教員用端末2bと、3台の学習者用端末3b1〜3b3が設置されている。他方、教室Ccには1台の教員用端末2cと、3台の学習者用端末3c1〜3c3が設定されている。
管理サーバ1は、汎用のコンピュータによって構成されており、学習支援システム全体を制御する。本実施形態では、管理サーバ1と各無線AP4とは、有線LAN(Local Area Network)によって接続されているが、無線LANで接続されても構わない。
教員用端末2および学習者用端末3は、無線AP4と無線通信によって接続可能となっている。本実施形態では、無線通信として無線LANを用いる。また、本実施形態では、教員用端末2および学習者用端末3は、いわゆるタブレットPCによって構成されているが、無線LAN接続可能であればデスクトップPC等他の端末であっても構わない。ただし、本発明の技術背景は、普通教室において、従来コンピュータ教室で行われていたコンピュータを用いた学習を実現する点にあるため、教員用端末2および学習者用端末3としてはノート型PC等の可搬型端末が好ましい。なお、教員用端末2および学習者用端末3には、それぞれを一意に特定可能な端末識別情報が付与されている。
本実施形態の無線AP4は、IEEE 802.11シリーズの規格に準拠した無線通信が可能となっている。したがって、各々の無線AP4は、ESSID(Extended Service Set Identifier),BSSID(Basic Service Set Identifier)が付与されている。また、本実施形態の無線AP4は、マルチESSID機能を有しており、以下の説明では各々の無線AP4は2つのESSIDを有するものとする。2つのESSIDの第1のESSIDは通信端末のローミングに用いられる。したがって、第1のESSIDは複数の無線AP4において共通の値となる。一方、第2のESSIDおよびBSSIDは、各々の無線AP4に固有の値であり、第2のESSIDとBSSIDとが本発明のAP識別情報に相当する。
ESSIDとは、複数の無線APを有する無線通信ネットワークにおいて、ネットワーク通信の混線を防止するために、無線通信ネットワーク内の各無線APを識別するために任意に設定される識別子のことをいう。
BSSIDとは、無線APを一義的に識別するために付与された識別子であり、無線AP毎に固定的に設定される。なお、本発明においては、無線APを一義的に識別する無線AP識別情報として利用する。
マルチESSID機能とは、無線APが持つ機能の一つで、一台の無線APに対して複数のESSIDを割り当てることができるという機能のことをいう。複数のESSIDを保有することにより、ESSID毎にアクセス方法を使い分けることができるという効果がある。本実施形態では、第1のESSIDはローミング接続に使用し、第2のESSIDは個別接続用に使用しており、通信端末との通信接続方法によって各ESSIDを使い分けている。
ローミングとは、無線APと通信接続している通信端末が接続中の無線APの通信接続範囲の外に移動した場合に、その無線APとは別の無線APに対して通信接続を開始することにより、ネットワーク接続状態を維持するという機能のことをいう。学校という広範囲に広がる建物および敷地内において、タブレットPCのような持ち運びが可能な通信端末を常にネットワークに接続された状態に保つためには、このローミング機能を用いるのが好適である。ローミングを有効にするためには、無線通信ネットワーク内に設置されている複数の無線APのESSIDを全て共通のものとする必要がある。本実施形態では、ローミング機能を実現するために、上述したように、全ての無線AP(マルチESSID機能を持つ無線AP)の第1のESSIDを同一に設定している。
図2は、実施例1における学習支援システムの機能ブロック図である。なお、図には教員用端末2,学習者用端末3がそれぞれ1台しか表されていないが、他の教員用端末2,学習者用端末3も同様の構成である。
本実施形態における各機能部および各手段は、その機能を論理的に区別するものであり、物理的あるいは事実上区別されることなく実装されても構わない。また、図2は、本発明において必要となる最小限度の機器、構成部および手段等のみを記載しており、その他の機器、構成部及び手段等についてはその記載を省略している。
〔管理サーバ〕
本実施例における管理サーバ1は、AP情報記憶部101,名簿情報記憶部102,通信端末情報取得部103,通信状態情報管理部104,授業開始情報取得部105,授業参加端末判定部106,授業実施AP特定部107,通信制御実行部108,を備えている。
本実施例では、管理サーバ1が、本発明の記憶装置および処理装置の機能部の大部分を備えた構成としている。なお、上述したように、記憶装置および処理装置の機能部は複数の装置に分散配置することが可能である。管理サーバ1が実行する各機能(各手段)は、その処理を実行するプログラムが読み込まれることで実現される。
AP情報記憶部101には、各々の教室に設置されている無線AP4に関する情報(AP情報)が記憶される。様々なAP情報の形式が考えられるが、各々の無線APのAP識別情報と、その無線APが設置された教室を一意に特定可能な情報(教室情報)とを関連付けた形式が好適である。本実施例のようにマルチSSID機能を有する無線APを利用する場合には、図3に示すように、各々の無線AP4のAP情報として、AP識別情報としての無線AP4の名称,BSSID,第1のESSIDおよび第2のESSIDと、その無線AP4が設置されている教室の教室情報(教室名等)と、を関連付けた形式すると好適である。図3の例では、無線AP4a,4b,4cの名称はそれぞれ、APa,APb,APcとしている。また、教室Ca,Cb,Ccの教室情報はそれぞれCa,Cb,Ccとしている。AP情報記憶部101は、HDDやフラッシュメモリ等の不揮発性記憶媒体やRAM等の揮発性記憶媒体で構成することができる。
名簿情報記憶部102には、学習支援システムが設置されている学校に所属している教員および学習者に関する情報(名簿情報)が記憶される。様々な名簿情報の形式が考えられるが、教員および学習者を一意に特定可能なユーザ識別情報と、教員および学習者の所属しているカテゴリを指し示す所属情報とを関連付けた形式が好適である。本実施例では、ユーザ識別情報として教員または学習者の氏名,学習支援システムにログインする際のユーザIDを用いている(図4参照)。その他に、学生番号または教員番号等をユーザ識別情報として用いても構わない。また、所属情報としては、各々の教員や学習者が所属している学年およびクラス名等を用いている(図4参照)。その他、「飼育係」等の担当係情報、又は「美術クラブ」等の所属クラブ情報、選択科目に関する情報等を所属情報として用いてもよい。名簿情報記憶部102は、HDDやフラッシュメモリ等の不揮発性記憶媒体やRAM等の揮発性記憶媒体で構成することができる。
通信端末情報取得部103は、無線通信ネットワークに接続されている学習者用端末3に関する情報を収集し、通信端末情報取得部103内に備えられた通信端末情報生成手段103bにおいて、収集した情報を関連付けた通信端末情報が生成され、その通信端末情報を取得する。具体的には、学習者用端末3を一意に特定する端末識別情報や、学習者用端末3を使用する学習者を一意に特定するユーザ識別情報等を、通信端末情報として取得する。これらの通信端末情報を取得する手段としては、学習者用端末3が無線通信ネットワークに接続する際に行うログイン処理を利用し、接続された学習者用端末3から入手可能な端末識別情報や、ログイン時に学習者が入力するユーザ識別情報(ユーザID)等を通信端末情報として取得すると好適である。
本実施例では、通信端末情報取得部103は、無線通信ネットワークに接続されている学習者用端末3が接続している無線APについて、その無線APを一意に特定するAP識別情報を取得する接続先AP情報取得手段103aをその内部に有する構成とすることもできる。この場合、通信端末情報取得部103の内部に備えられた通信端末情報生成手段103bは、学習者用端末3から取得した端末識別情報、ユーザ識別情報、および接続先AP情報取得手段103aによって取得した学習者用端末3がログイン時に無線通信接続している無線APのAP識別情報を関連付けた通信端末情報を生成する。このような構成を採用することにより、通信端末情報を管理する通信状態情報管理部104において、学習者用端末3が通信接続している無線APに関する情報も含めた管理を行うことが可能となる。なお、本実施例では、接続先AP情報取得手段103aおよび通信端末情報生成手段103bは必須の構成ではない。
通信状態情報管理部104は、通信端末情報取得部103において取得した通信端末情報の管理を行う。具体的には、無線通信ネットワークに接続中の学習者用端末3に関する通信端末識別情報を記憶し、接続中の学習者端末において通信端末情報に変更があった場合は、随時最新の内容に修正する。なお、無線通信ネットワークから切断された学習者用端末3の情報については、通信状態情報管理部104の管理対象外となるため、その学習者用端末3の情報は削除される。
なお、通信状態情報管理部104は、学習者用端末3から取得した通信端末情報と、名簿情報記憶部102においてユーザ識別情報毎に管理されている所属情報とを関連付けて通信状態情報を生成する通信状態情報生成手段104aを有する。具体的には、通信状態情報生成手段104aは、通信端末情報に含まれるユーザ識別情報を基準(検索キー)として名簿情報記憶部102を検索し、検索キーと同一のユーザ識別情報を有する名簿情報を特定し、その名簿情報に含まれる所属情報を抽出する。そして、抽出した名簿情報を通信端末情報に関連付けることにより通信状態情報を生成する。
授業開始情報取得部105は、授業の開始を通知する授業開始情報を取得する。授業開始情報には、授業が行われる教室を一意に特定する教室情報,および、その開始される授業に参加すべき所属(具体的には、「3年A組」などの学級情報や、「美術クラブ」等の所属クラブ情報等)を示す所属情報が含まれる。本実施例では、後述するように、授業開始情報取得部105は、教員用端末2から送信される授業開始情報を取得する。
授業参加端末判定部106は、授業開始情報と通信端末情報とに基づいて、授業を受講すべき学習者が使用する通信端末3(授業参加端末)を判定する。具体的には、授業開始情報に含まれる所属情報を基準(検索キー)として、通信状態情報管理部104で管理されている通信状態情報を検索し、検索キーと同一の所属情報を含む通信状態情報を特定する。そして、授業参加端末判定部106は、特定した通信状態情報に含まれる端末識別情報を抽出することによって授業参加端末を判定する。
授業実施AP特定部107は、授業開始情報とAP情報とに基づいて、授業開始情報に係る授業が行われる教室に設置されている無線AP4(授業実施AP)を特定する。具体的には、授業開始情報に含まれる教室情報を基準(検索キー)として、AP情報記憶部101に記憶されているAP情報を検索し、検索キーと同一の教室情報を含むAP情報を特定する。そして、授業実施AP特定部107は、特定したAP情報に含まれるAP識別情報を抽出することによって授業実施APを特定する。
通信制御実行部108は、授業参加端末判定部106によって特定された授業参加端末に対して、授業実施AP特定部107によって特定された授業実施APに接続するよう指示を送信する。この指示には、接続指示情報として授業実施APのAP識別情報が含まれる。
〔教員用端末〕
本実施例における教員用端末2は、授業開始情報設定部221を備えている。授業開始情報設定部221は、その教員用端末2を使用する教員が、担当する授業を開始する際に、その授業に関する情報を設定するための機能部である。具体的には、教員は授業を開始する際に、教員用端末2のタッチパネル等を操作して、その授業に参加すべき所属情報およびその授業を実施する教室を識別する情報(教室情報)を授業開始情報として、入力する。入力された授業開始情報は、管理サーバ1に送信される。
〔学習者用端末〕
本実施例における学習者用端末3は、通信端末情報送信部321を備えている。
通信端末情報送信部321は、学習者が学習支援システムを起動し、ログインした際に、管理サーバ1に対して、自身の端末識別情報,学習者用端末3を使用する学習者のユーザ識別情報,学習者用端末3が無線通信接続している無線APのAP識別情報を送信する。なお、上述のユーザ識別情報は、無線通信ネットワークにログインする際に、学習者用端末3を使用する学習者がダイヤログ内に入力した際に、管理サーバ1へ送信する構成としても構わない。
〔処理プロセス〕
以下に、図5のフローチャートを用いて、本実施例における学習支援システムの処理の流れを説明する。この説明では、3年A組の学習者に対して教室Caで授業が開始されるものとする。また、3年A組に所属する学習者S1〜S3はそれぞれ学習者用端末3a1〜3a3を使用するものとする。
まず、各々の学習者は自身が使用する学習者用端末3を起動させ、学習支援システムを起動させる。学習支援システムが起動すると、学習者用端末3のディスプレイには、ログインのための情報入力画面が表示される。学習者は、これに対して、自身のユーザ識別情報およびパスワードを入力し、学習支援システムにログインする(#01)。なお、本実施例では、学習者用端末3の起動時には、無線AP4に対して第1のESSIDを用いて、ローミング接続を行うように設定されており、任意の無線AP4に対して自動的に無線接続されているものとする。ログインが完了すると、学習者用端末3の通信端末情報送信部321が、通信端末情報(ユーザ識別情報、端末識別情報、AP識別情報)を管理サーバ1に送信する(#02)。
管理サーバ1の通信端末情報取得部103は、学習者用端末3から通信端末情報を取得する。そして、通信状態情報管理部104の通信状態情報生成手段104aは、名簿情報記憶部102内を検索し、通信端末情報に含まれるユーザ識別情報から所属情報を抽出し、ユーザ識別情報、端末識別情報、AP識別情報および所属情報を関連付けた通信状態情報を生成する(#03)。生成された通信状態情報は、通信状態情報管理部104によって記憶管理される。
この時点(授業開始前)では、学習者用端末3a2,3a3および3b1が無線AP4aに接続し、学習者用端末3a1および3b2,3b3が無線AP4bに接続し、学習者用端末3c1〜3c3が無線AP4cに接続しているとする。このときのユーザ情報は、図6のようになる。
授業の開始時刻になると、教員は教員用端末2aを操作し、学習者と同様に学習支援システムにログインする。本実施例では、全てのタブレットPCに同一の学習支援システム用のプログラムがインストールされており、ログインする際のユーザ識別情報に応じて、教員用端末2または学習者用端末3として機能するように構成されている。すなわち、ログイン時のユーザ識別情報が教員のものであれば、タブレットPCは教員用端末2として機能し、ログイン時のユーザ識別情報が学習者のものであれば、タブレットPCは学習者用端末3として機能する。
学習支援システムへのログインが完了すると、教員は教員用端末2aを操作し、授業開始情報を入力する(#04)。例えば、教員用端末2aのディスプレイには、図7に示すような授業開始情報入力画面5が表示される。この授業開始情報入力画面5には、授業を行う教室を選択するための教室選択ボタン51が複数含まれている。教員は、教室選択ボタン51のいずれかをタッチすることにより、教室が選択される。なお、授業が行われる教室とその授業を受講する所属とが対応付けられている場合には、この操作によって、教室情報と所属情報との入力が完了する。これらが対応付けられていない場合には、授業開始情報入力画面に、所属を選択するためのボタンを含めればよい。このような、授業開始情報入力画面を用いれば、入力の手間が省けるため、好ましい。入力された授業開始情報は、管理サーバ1に送信される。本例では、授業開始情報として、3年A組(=所属情報)および教室Ca(=教室情報)が入力される。
教員用端末2aから送信された授業開始情報は管理サーバ1の授業開始情報取得部105によって受信される(#05)。授業開始情報を受信した管理サーバ1では、授業参加端末判定部106が、授業開始情報で特定される授業に参加すべき学習者用端末3(授業参加端末)を特定する(#06)。具体的には、まず、授業参加端末判定部106は、名簿情報記憶部102から、授業開始情報に含まれている所属情報に一致する所属情報を持つ全ての学習者のユーザ識別情報を取得する。本例では、所属情報が3年A組である学習者のユーザ識別情報が取得される。したがって、ユーザ識別情報S1、S2,S3が取得される。
次に、授業参加端末判定部106は、ユーザ情報管理部104に管理されているユーザ情報から、取得された各々のユーザ識別情報に関連付けられている各々の端末識別情報を取得する。この取得された端末識別情報を持つ学習者用端末3が授業参加端末となる。本例では、ユーザ識別情報S1,S2,S3の学習者が使用している学習者用端末3a1〜3a3が授業参加端末となる。
次に、管理サーバ1では、授業実施AP特定部107によって授業実施APが特定される(#07)。具体的には、授業実施AP特定部107は、AP情報記憶部101から、授業開始情報に含まれる教室情報と同一の教室情報を持つAP情報を取得する。このAP情報によって特定される無線AP4が授業実施APとなる。本例では、教室Caに設置されている無線AP4aが授業実施APとなる。
授業参加端末と授業実施APとが特定されると、通信制御実行部108は、各々の授業参加端末に対して、授業実施APに接続するように指示するための接続指示情報を送信する(#08)。本例では、学習者用端末3a1〜3a3に対して、授業実施APである無線AP4aのAP識別情報が含まれる接続指示情報が送信される。この接続指示情報を受信した学習者用端末3a1〜3a3は、接続指示情報に含まれるAP識別情報を有する無線AP4aへの接続を実行する。すなわち、ローミング接続している無線AP4との接続状態を切断し、指定された無線AP(授業実施APである無線AP4a)に対して第2のESSIDを用いた接続を実行する。なお、当初ローミング接続していた無線AP4と、授業実施APである無線PA4aが同一の場合であっても、一旦接続を切断(ローミング接続用の第1のESSIDを用いた接続状態を切断)した後に、同一の無線APに対して接続をし直す(第2のESSIDを用いた接続を実行する)という処理を行う。
上述の構成とすることにより、取得した授業開始情報に基づいて、その授業に参加すべき学習者が使用している学習者用端末3の通信接続先を、その授業が実施される教室に設置された無線APに自動的かつ確実に変更させることが可能となる。これにより、同一の授業に参加する学習者が使用する学習者用端末3の接続先が同一の無線APとなるため、これらの学習者用端末3の通信状態の均質化を図ることができる。
〔実施例1の追加構成1〕
実施例1では、授業参加端末に対して接続指示情報を送信することによって、同一の授業に参加する学習者が使用する学習者用端末3を同一の無線AP4に接続させ、これらの学習者用端末3の通信状態の均質化を図った。本構成では、さらに、授業参加端末でなく、授業実施APに接続している学習者用端末3(不正接続端末)に対して、授業実施APへの通信接続状態を解消させる処理(接続禁止指示情報の送信に係る処理)を行う。
図8に、本構成の学習支援システムの機能ブロック図を示す。本構成と実施例1とは、管理サーバ1が、授業実施AP接続端末判定109,不正接続端末特定部110を備えている点、通信端末情報取得部103の接続先AP情報取得手段103aが必須である点、通信状態情報管理部104の通信状態情報生成手段104aが接続先AP情報を関連付けた通信状態情報を生成することが必須である点、において異なっている。
図面において実施例1と同様の機能部および処理には同じ符号を付しており、その説明は省略する。以下では、実施例1と異なる点について説明する。なお、接続先AP情報取得手段103aおよび通信状態情報生成手段104aについては、実施例1中で説明しているため、ここではその説明を省略する。
授業実施AP接続端末判定部109は、授業実施AP特定部107によって特定された授業実施APと通信状態情報管理部104によって管理されている通信状態情報とに基づいて、授業実施APに無線通信接続している学習者用端末3を授業実施AP接続端末として判定する。具体的には、授業実施AP接続端末判定部109は、まず、授業実施APのAP識別情報を基準(検索キー)として通信状態情報管理部104で管理されている通信状態情報を検索する。次に、検索キーと同じAP識別情報を接続先AP情報として含む通信状態情報を特定し、その通信状態情報に含まれる端末識別情報を抽出する。そして、抽出した端末識別情報を授業実施AP接続端末としてリストアップ(判定)する。
不正接続端末特定部110は、授業実施AP接続端末判定部109によって判定された授業実施AP接続端末の中から、その授業実施APが設置されている教室で行われる授業に参加すべきでない学習者が使用する学習者用端末3を不正接続端末として特定する。具体的は、不正接続端末特定部110は、まず、判定された授業実施AP接続端末の所属情報(正確には、授業実施AP接続端末を使用している学習者の所属情報)を、授業実施AP接続端末の端末識別情報を検索キーとして通信状態情報管理部104を検索することにより判定する。次に、授業実施AP接続端末の中から、授業開始情報に含まれる所属情報と同一の所属情報と関連付けられている端末識別情報を除外する。そして、この処理によって残った端末識別情報を有する学習者用端末3を授業に参加すべきでない学習者が使用する学習者用端末(不正接続端末)として特定する。
特定された不正接続端末に関する情報(具体的には、不正接続端末の端末識別情報)は通信制御実行部108に送られ、通信制御実行部108は、不正接続端末に対して、授業実施APへの無線通信接続を切断する指示(接続禁止指示情報)を送信する。この接続禁止指示情報には、授業実施APのAP識別情報が含まれている。
上述したように、通信制御実行部108から送信される指示には、接続指示情報と接続禁止指示情報との2種類があり、ともに授業実施APのAP識別情報が含まれている。そのため、これらの指示には、いずれの指示であるかを判別可能な情報が付加されている。なお、接続指示情報と接続禁止情報とを通信制御指示情報と総称する。
〔処理プロセス〕
以下に、図9のフローチャートを用いて本構成における接続禁止指示情報の送信に係る処理プロセスを説明する。なお、図9において、実施例1と同様の処理には同一の符号を付しており、その説明は省略する。また、図9では、接続指示情報の送信に係る処理と、接続禁止指示情報の送信に係る処理とは直列に行われるように記載されているが、これらの処理は並列に行われても構わない。
管理サーバ1では、授業実施AP接続端末判定部109が、ユーザ情報に基づいて、授業実施APに無線通信接続している学習者用端末3を授業実施AP接続端末として判定する(#09)。本例では、図6に示すユーザ情報の内、AP識別情報が授業実施APであるAP4aであるものが授業実施AP接続端末として特定される。すなわち、学習者用端末3a2,3a3,3b1が授業実施AP接続端末となる。
授業実施AP接続端末が特定されると、不正接続端末特定部110は、授業実施AP接続端末の中から不正接続端末を特定する(#10)。具体的には、不正接続端末特定部110は、授業実施AP接続端末の内、授業参加端末に含まれない学習者用端末3を不正接続端末として特定する。本例の場合には、授業実施AP接続端末が学習者用端末3a2,3a3,3b1であり、授業参加端末が学習者用端末3a1〜3a3である。したがって、学習者用端末3b1が不正接続端末となる。
不正接続端末が特定されると、通信制御実行部108は各々の不正接続端末に対して接続禁止指示情報を送信する(#11)。上述したように、この接続禁止指示情報には、授業実施APのAP識別情報が含まれている。本例では、学習者用端末3b1に対して、授業実施APである無線AP4aのAP識別情報を含む接続禁止指示情報が送信される。接続禁止指示情報を受信した学習用端末3b1は、接続禁止指示情報に含まれるAP識別情報に対応する無線AP(この例では無線AP4a)への接続を切断する。
上述の構成では、同一の授業に参加する学習者が使用する学習者用端末3を同一の無線APに接続させることができるとともに、不正接続端末を排除することができる。これにより、不正接続端末によるデータ送受信に起因する授業実施APと授業参加端末間の無線通信状態への影響を未然に防止することができる。特に、不正接続端末が大量のデータ送受信を実施する場合は、授業実施APと授業参加端末間の無線通信状態への影響が懸念されるため、これを未然に防止するためにも、本機能は有用である。
逆に、授業実施APと授業参加端末間で大量のデータを送受信する場合には、不正接続端末の通信状態に影響が生じるおそれがある(不正接続端末がスムーズにデータを送受信することができなくなる)。すなわち、不正接続端末は、自身の通信状態が、他の授業の内容の影響を受けることとなる。こうした不正接続端末の通信状態を適切に保つという点からも、本機能は有用である。
さらに、二以上の授業が同時に実施される場合には、不正接続端末は別の授業に参加すべき端末である可能性がある。そうした場合において、不正接続端末の通信状態を解消し、正しい授業実施APへの接続を促すという点においても、本機能は有用である。
〔実施例1の追加構成2〕
上述の実施例1および追加構成1では、授業参加端末に対して接続指示情報を送信することによって、同一の授業に参加する学習者が使用する通信端末を同一の無線APに接続させることにより、これらの学習者用端末3の通信状態の均質化を図った。さらに、追加構成1では、不正接続端末に対して接続禁止指示情報を送信することによって、授業実施APへの不正接続端末の接続を解消させた。本構成では、通信制御指示情報を受信した学習者用端末3おける無線APへの再接続のための構成および処理について説明する。
図10に、本構成の学習支援システムの機能ブロック図を示す。本構成と、実施例1の追加構成1とは、管理サーバ1が情報配信部111を備えている点、学習者用端末3が、AP情報管理部322,接続可能AP判定部323,通信制御指示情報受信部324,接続禁止AP除外部325,再接続先AP決定部326,再接続実行部327を備えている点、において異なっている。
図面において実施例1および追加構成1と同様の機能部および処理には同じ符号を付しており、その説明は省略する。以下では、これらと異なる点について説明する。
情報配信部111は、AP情報記憶部101に記憶されているAP情報を各々の学習者用端末3に送信するという機能を有する。AP情報は、所定時刻,学習者用端末3のログイン時等様々なタイミングで送信しても構わない。
AP情報管理部322は、管理サーバ1の情報配信部111から送信されるAP情報を受信するとともに、記録管理する機能を有する。
接続可能AP判定部323は、各々の学習者用端末3が無線通信接続可能な全ての無線AP4を接続可能APとして判定する機能を有する。具体的には、接続可能AP特定部323は、AP情報管理部322に記憶管理されているAP情報(特に教室情報)と、自身の位置と、に基づいて、自身が無線通信接続可能な全ての無線AP4を接続可能APとして特定する。なお、接続可能APの特定方法はこれに限定されるものではなく、例えば、各無線AP4の電波強度等に基づいて特定する等、他の方法を用いても構わない。
通信制御指示情報受信部324は、管理サーバ1の通信制御実行部108からの通信制御指示情報を受信する機能部である。したがって、通信制御指示情報受信部324は、接続指示情報または接続禁止指示情報を受信する。
接続禁止AP除外部325は、通信制御指示情報受信部324で受信した通信制御指示情報が接続禁止指示情報であった場合に、接続可能APのリストから、接続禁止指示情報に含まれるAP識別情報に対応する無線APを削除する。
再接続先AP決定部326は、接続可能AP特定部323によって特定された接続可能APと、管理サーバ1の通信制御実行部108からの指示と、に基づいて、自身が接続すべき無線AP4を再接続先APとして決定する。接続先AP決定部326の処理は、通信制御指示情報受信部324で受信した通信制御指示情報が接続指示情報であるか、接続禁止指示情報であるか、によって異なる。
まず、通信制御指示情報が接続指示情報であった場合には、接続指示情報に含まれるAP識別情報に対応する無線AP4が再接続先APとして決定される。一方、通信制御指示情報が接続禁止指示情報であった場合には、接続可能APの中から一つの無線AP4が再接続先APとして決定される。例えば、接続可能APの一覧を学習者用端末3のディスプレイにリスト表示し、学習者に一つの無線AP4を選択させることによって決定してもよいし、学習者用端末3に最も近い無線AP4を再接続先APに決定してもよいし、もちろん、他の方法によって再接続先APを決定しても構わない。
再接続実行部327は、接続先AP決定部326によって決定された再接続先APへの無線通信接続を実行する。このとき、自身が接続先AP以外の無線AP4に対する無線通信接続を行っている場合には、この無線通信接続を切断し、再接続先APへの接続が実行される。なお、通信制御指示情報受信部324が通信制御指示情報を受信した際に、そのときの無線通信接続を切断しておき、再接続先AP決定部326によって決定された無線AP4に無線通信接続するように構成しても構わない。
〔処理プロセス〕
以下に、通信制御指示情報を受信した学習者用端末3における無線APへの再接続処理プロセスを説明する。
通信制御指示情報を受信した学習者用端末3では、図11のフローチャートに示す処理が行われる。
学習者用端末3では、任意のタイミングで、接続可能AP判定部323が、自身が接続可能な無線AP4を接続可能APとしてリストアップ(判定)する(#21)。例えば、学習者用端末3a1では無線AP4a,4bが接続可能APとして特定され、学習者用端末3b1では無線AP4a,4b,4cが接続可能APとして判定される。
管理サーバ1から送信された通信制御指示情報は、学習者用端末3の通信制御指示情報受信部324により受信される(#22)。このとき、受信した通信制御指示情報が、接続指示情報であるか、接続禁止指示情報であるかが判定される(#23)。
通信制御指示情報が接続指示情報の場合には(#23のYes分岐)、再接続先AP決定部326は接続指示情報に含まれるAP識別情報を持つ無線AP4を再接続先APとして決定する(#24)。なお、このとき、接続指示情報に含まれるAP識別情報を持つ無線AP4が、接続可能APに含まれていない場合には、その学習者用端末3が、授業実施APが設置されている教室、すなわち、参加すべき授業が行われる教室の近辺にないことを示しているため、その学習者用端末3のディスプレイに教室への移動を促すメッセージを表示する等の制御を行っても構わない。
一方、通信制御指示情報が接続指示情報でない、すなわち、接続禁止指示情報である場合には(#23のNo分岐)、接続禁止AP除外部325は接続可能APのリストから接続禁止指示情報に含まれている授業実施APのAP識別情報を有する無線AP4を除外する(#25)。例えば、学習者用端末3b1には、授業実施APである無線AP4aのAP識別情報が含まれる接続禁止指示情報が送信されるため、学習者用端末3b1の接続禁止AP除外部325は、接続可能APのリストから、無線AP4aを除外する。すなわち、学習者用端末3b1では、接続禁止AP除外部325の処理後には、接続可能APは無線AP4b,4cとなる。
その後、再接続先AP決定部326は、接続可能APの内の一つを再接続先APとして決定する(#26)。例えば、学習者用端末3bでは、最も近くにある無線AP4bが再接続先APとして決定される。
このようにして再接続先APが決定されると、再接続実行部327は自身の無線通信接続先が再接続先APとなるように無線通信接続の設定を変更する(#27)。学習者用端末3a1では、現在の接続先が無線AP4bであり、再接続先APが無線AP4aであるため、無線AP4bへの無線通信接続が切断され、無線AP4aへの無線通信接続が行われる。一方、学習者用端末3a2では、現在の接続先が再接続先APとなるため、無線通信接続の変更は行われない。他方、学習者用端末3b1では、現在の接続先が無線AP4aであり、再接続先APが無線AP4bであるため、無線AP4aへの無線通信接続が切断され、無線AP4bへの無線通信接続が行われる。
上述の処理により、教室Caで行われる授業に参加すべき学習者S1,S2,S3が使用する学習者用端末3a1,3a2,3a3は、教室Caに設置されている無線AP4aに接続される。これにより、学習者用端末3a1,3a2,3a3の通信状態を均質化することができる。
また、上述の処理により、教室Caで行われる授業に参加すべきでない学習者S4が使用する学習者用端末3b1は、教室Caに設置されている無線AP4aに接続できなくなる。これにより、教室Caに設置されている無線AP4aに不要な負荷をかけることを回避することができる。
さらに、上述の追加構成2では、再接続先APを決定する際に、学習者用端末3が自身の位置情報と無線AP4の位置情報とを利用することにより、学習者用端末3自身が能動的に再接続先APを決定している。これにより、管理サーバ1によって再接続先APを指定することなく、学習者用端末3自身が最適な再接続先APを決定することが可能となる。つまり、本機能を採用することにより、管理サーバ1の負荷を軽減することができるという効果がある。
本実施例では、管理サーバ1によって記憶装置および処理装置を構成したが、記憶装置および処理装置の機能部を教員用端末2や学習者用端末3に配置することもできる。また、これらの機能部を複数の装置に分散配置することもできる。以下の実施例では、機能部を管理サーバ1,教員用端末2,学習者用端末3に分散配置した例を示すが、この他にも様々な配置をすることができる。以下の実施例では、このような分散配置の例を示している。
図12に、本実施例の学習支援システムの機能ブロック図を示す。本実施例と実施例1とは、主な判定処理や通信制御処理を教員用端末2が実行する点において異なっている。なお、実施例1と同様の機能部には同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。また、実施例1と同様の処理についての説明も省略する。
本実施例における管理サーバ1は、授業参加端末判定部106,授業実施AP特定部107を備えない点、情報配信部111を備える点において、実施例1における管理サーバ1と異なっている。
情報配信部111は、AP情報記憶部101に記憶されている情報、および、名簿情報記憶部102に記憶されている情報を、随時、教員用端末2に送信する。この配信のタイミングはどのようなものでも良く、予め定められた所定期間に所定回数(例えば、年度初めや、月初めに一度など)送信する構成とすることができる。また、AP情報記憶部101や名簿情報記憶部102に記憶されている情報に変更があった際に、配信するように構成すると好適である。このように、管理サーバ1と教員用端末2の双方で保有するAP情報および名簿情報に齟齬が無い限りにおいて、任意のタイミングで情報の配信を行うことができる。
また、情報配信部111は、授業開始情報取得部105から授業開始情報を取得した旨の通知を受け取った際に、通信状態情報管理部104から、授業開始情報取得部105が授業開始情報を受信した時点における通信状態情報を取得し、教員用端末2に送信する。
なお、情報配信部111によるAP情報および名簿情報の送信は、授業開始情報を取得した旨の通知を受け取った際に行われても構わない。
本実施例における教員用端末2は、AP情報記憶部201,名簿情報記憶部202,通信状態情報記憶部203,授業参加端末判定部206,授業実施AP特定部207,通信制御実行部208を備える点において実施例1の教員用端末2と異なっている。
AP情報記憶部201,名簿情報記憶部202および通信状態情報記憶部203は、管理サーバ1の情報配信部111から受信した情報を随時記憶する。なお、情報配信部111から新たな情報を受信した場合は、先に記憶していた情報に代えて、新たに受信した情報を記憶する。
授業参加端末判定部206は、教員用端末2自身が設定した授業開始情報と、教員用端末2(具体的には、通信状態情報記憶部203)に記憶されている通信端末情報とに基づいて、授業を受講すべき学習者が使用する通信端末3(授業参加端末)を判定する。具体的な判定方法については実施例1と同様であるため、ここでは説明を省略する。
授業実施AP特定部207は、教員用端末2自身が設定した授業開始情報と、教員用端末2(具体的には、AP情報記憶部201)に記憶されているAP情報とに基づいて、授業開始情報に係る授業が行われる教室に設置されている無線AP4(授業実施AP)を特定する。具体的な判定方法については実施例1と同様であるため、ここでは説明を省略する。
通信制御実行部208は、授業参加端末判定部206によって特定された授業参加端末に対して、授業実施AP特定部207によって特定された授業実施APに接続するよう指示を送信する。
通信制御実行部208は、実施例1の通信制御実行部108と同様の処理を行う機能部であるが、通信制御実行部108とは教員用端末2に実装されている点が異なる。
〔処理プロセス〕
以下に、図13のフローチャートを用いて本実施例における処理の流れを説明するが、実施例1と同様の処理(#01〜#07に相当する#31〜#37)の詳細な説明は省略する。
まず、学習者が学習支援システムにログインすると(#31)、そのログインに通信端末(学習者用端末3)から、その学習者用端末3の通信端末情報が管理サーバ1に送信される(#32)。一方、管理サーバ1では、通信端末情報に基づいて通信状態情報が生成され(#33)、通信状態情報管理部104によって記憶管理される。
また、管理サーバ1の情報配信部111は、AP情報記憶部101に記憶されている情報および名簿情報記憶部102に記憶されている情報を、教員用端末2に送信する(♯34)。なお、この処理は、ここでは#31〜#33の処理と直列に行われるように記載しているが、上述したように、この処理は他のタイミングで行うことができる。
また、教員は教員用端末2から授業開始情報を入力し(#35)、その授業開始情報は管理サーバ1に送信され、管理サーバ1の授業開始情報取得部105によって受信される(#36)。
授業参加情報を受信した管理サーバ1では、情報配信部111が、授業開始情報取得部105が授業開始情報を受信した時点における通信状態情報を通信状態情報管理部104から取得し、教員用端末2に送信する(#37)。
教員用端末2は、管理サーバ1から送信された通信状態情報を受信し、通信状態情報記憶部203に記憶する(#38)。次に、教員用端末2の授業参加端末判定部206は、教員用端末2自身が設定した授業開始情報と、通信状態情報記憶部203に記憶されている通信端末情報とに基づいて、授業を受講すべき学習者が使用する通信端末3(授業参加端末)を判定する(#39)。さらに、授業実施AP特定部207は、教員用端末2自身が設定した授業開始情報と、AP情報記憶部201に記憶されているAP情報とに基づいて、授業開始情報に係る授業が行われる教室に設置されている無線AP4(授業実施AP)を特定する(#40)。そして、通信制御実行部208は、授業参加端末情報に基づいて通信制御実行部108と同様の処理を行う。具体的には、授業参加端末に対して、授業実施APのAP識別情報を含めた接続指示情報を送信する(#41)。
このような構成によっても、実施例1と同様の作用効果を奏することができる。また、この構成では、授業参加端末の判定から接続指示情報の送信までの処理が教員用端末2で行われるため、管理サーバ1の負担を低減することができる。
なお、本実施例では、教員用端末2において入力された授業開始情報が管理サーバ1に送信され、管理サーバ1から教員用端末2に対して情報が配信された後に授業参加端末の判定が行われたが、教員用端末2において授業開始情報が入力された際に授業参加端末の判定処理を行うように構成しても構わない。
〔実施例2の追加構成1〕
本構成は、実施例1の追加構成1と同様に、実施例2の構成に対して、接続禁止指示情報を送信するための構成を付加したものである。なお、上述のいずれかの構成と同様の機能部には同じ符号を付しており、詳細な説明は省略する。
図14に、本構成の学習支援システムの機能ブロック図を示す。本構成と実施例2の構成とは、教員用端末2が授業実施AP接続端末判定部209および不正接続端末特定部210を備える点において異なっている。
授業実施AP接続端末判定部209は、授業実施AP特定部207によって特定された授業実施APと通信状態情報記憶部203に記憶されている通信状態情報とに基づいて、授業実施APに無線通信接続している学習者用端末3を授業実施AP接続端末として判定する。
不正接続端末特定部210は、授業実施AP接続端末判定部209によって判定された授業実施AP接続端末の中から、その授業実施APが設置されている教室で行われる授業に参加すべきでない学習者が使用する学習者用端末3を不正接続端末として特定する。
〔処理プロセス〕
以下に、図15のフローチャートを用いて本構成における接続禁止指示情報の送信に係る処理プロセスを説明する。なお、図15において、実施例2と同様の処理には同一の符号を付しており、その説明は省略する。
教員用端末2では、実施例1の追加構成1での処理(#09,#10)と同様に、授業実施AP接続端末の判定(#42),不正接続端末の特定(#43)が行われる。
通信制御実行部208は、不正接続端末情報に基づいて実施例1における通信制御実行部108と同様の処理を行う。具体的には、不正接続端末に対して、授業実施APのAP識別情報を含めた接続禁止指示情報を送信する(#44)。
このような構成によっても、実施例1の追加構成1と同様の作用効果を奏することができる。また、この構成では、不正接続端末の判定から接続禁止指示情報の送信までの処理が教員用端末2で行われるため、管理サーバ1の負担を低減することができる。
〔実施例2の追加構成2〕
本構成は、実施例1の追加構成2と同様に、実施例2の構成に対して、通信制御指示情報を受信した学習者用端末3における無線APへの再接続のための構成を付加したものである。なお、上述のいずれかの構成と同様の機能部には同じ符号を付しており、詳細な説明は省略する。
図16に、本構成の学習支援システムの機能ブロック図を示す。本構成と実施例2の追加構成1とは、学習者用端末3が、AP情報管理部322,接続可能AP判定部323,通信制御指示情報受信部324,接続禁止AP除外部325,再接続先AP決定部326,再接続実行部327を備えている点、において異なっている。
これらの機能部はいずれも実施例1の追加構成2の機能部と同様の機能を有している。また、本構成の処理プロセスと実施例1の追加構成2の処理プロセスとは、通信制御指示情報の送信元が、管理サーバ1ではなく教員用端末2となっている点が異なるのみであり、実施的な処理は同様である。
なお、本構成の情報配信部111は、実施例2の追加構成1における情報配信部111の機能に加えて、AP情報記憶部101に記憶されている情報を、随時学習者用端末3にも送信する機能を備えている。
したがって、本構成も、実施例1の追加構成2と同様の作用効果を奏する。
図17に、本実施例の学習支援システムの機能ブロック図を示す。本実施例における学習支援システムは、管理サーバ1が、授業開始情報取得部105,授業参加端末判定部106,授業実施AP特定部107,通信制御実行部108を備えない点、学習者用端末3が、授業開始情報取得部305,授業参加端末判定部306,授業実施AP特定部307,通信状態情報取得部328を備える点、において異なっている。なお、上述の構成と同様の機能部には同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
通信状態情報取得部328は、通信状態情報管理部104から、自身に現在ログインしている学習者のユーザ情報を取得する。具体的には、ログイン時に使用したログインIDと同一のログインIDを含む通信状態情報を取得する。
授業開始情報取得部305は、教員用端末2から送信された授業開始情報を取得する。
授業参加端末判定部306は、通信状態情報取得部328によって取得された通信状態情報に含まれる所属情報と、授業開始情報取得部305によって取得された授業開始情報に含まれる所属情報と、を照合し、現在ログインしている学習者が授業開始情報に係る授業に参加すべき学習者であるか否か、すなわち、自身が授業開始情報に係る授業に対する授業参加端末であるか否かを判定する。
授業実施AP特定部307は、授業開始情報取得部305によって受信された授業開始情報に係る授業が行われる教室に設置されている無線APを授業実施APとして特定する。具体的には、AP情報記憶部101から、授業開始情報に含まれる教室情報を持つAP情報を検索する。
〔処理プロセス〕
以下に、図18のフローチャートを用いて本構成における処理の流れを説明するが、実施例1と同様の処理(#01〜#03,#05,#07に相当する#51〜#53,#55,#59)の詳細な説明は省略する。
まず、学習者が学習支援システムにログインすると(#51)、そのログインに通信端末(学習者用端末3)から、その学習者用端末3の通信端末情報が管理サーバ1に送信される(#52)。一方、管理サーバ1では、通信端末情報に基づいて通信状態情報が生成され(#53)、通信状態情報管理部104によって記憶管理される。
このとき、通信状態情報取得部328は、ログインIDを用いて、管理サーバ1の通信状態情報管理部104から、自身を使用している(ログインしている)学習者に関する通信状態情報を取得する(#54)。
一方、教員は教員用端末2から授業開始情報を入力する(#55)。実施例1,2では、授業開始情報は管理サーバ1に対して送信されたが、本実施例では、授業開始情報はブロードキャスト配信(管理サーバ1,および、ネットワーク内の全ての学習者用端末3に対する一斉配信)される。そのため、いずれの学習者用端末3でも授業開始情報を受信することができる。
学習者用端末3は教員用端末2からブロードキャスト配信された授業開始情報を受信する(#56)。上述したように授業開始情報はブロードキャスト配信されているため、受信した授業開始情報が、その学習者用端末を使用している学習者が受講すべき授業に関するものであるとは限らない。そのため、授業参加端末判定部306において、受信した授業開始情報が、自身を使用している学習者が受講すべき授業に関するものであるか否か、すなわち、自身が授業参加端末であるか否が判定される(#58)。
授業参加端末判定部306は、授業開始情報に含まれる所属情報と通信状態情報に含まれる所属情報とを照合し、これらが一致する場合には自身が授業参加端末であると判定し(#58のYes分岐)、一致しない場合には自身が授業参加端末でないと判定する(#58のNo分岐)。
自身が授業参加端末であると判定された場合には、授業実施APが特定され(#59)、授業参加端末判定部306は接続指示情報を生成する(#60)。実施例1,2では、接続指示情報には授業参加端末の端末識別情報と授業実施APのAP識別情報とが含まれたが、本実施例では授業参加端末は自身であるため、接続指示情報には授業実施APの識別情報のみが含まれる。また、本実施例では、生成された接続指示情報の送信は行われず、後述する再接続実行部327に伝達されるのみである。
このような構成によって、実施例1と同様の作用効果を奏することができる。また、この構成では、学習者用端末3において、授業参加端末であるか否かが判定されるため、管理サーバ1や教員用端末2の負担を低減することができる。
〔実施例3の追加構成1〕
本構成は、接続禁止指示情報を生成するための構成を追加したものである。なお、上述のいずれかの構成と同様の機能部には同じ符号を付しており、詳細な説明は省略する。
図19に、本構成の学習支援システムの機能ブロック図を示す。本構成と実施例3とは、学習者用端末3が不正接続端末特定部310を備えている点において異なっている。
不正接続端末特定部310は、授業参加端末判定部306によって自身が授業参加端末でないと判定された際に、自身が不正接続端末であるか否かを判定する。具体的には、通信状態情報取得部328によって取得された通信状態情報に含まれるAP識別情報と、授業実施AP特定部307によって特定された授業実施APのAP識別情報とを照合し、これらが一致すれば不正接続端末であると判定する。
〔処理プロセス〕
以下に、図20のフローチャートを用いて本構成における接続禁止指示情報の生成に係る処理プロセスを説明する。なお、図20において、実施例3と同様の処理には同一の符号を付しており、その説明は省略する。
まず、実施例3の処理と同様に、学習者のログイン(#51),通信端末情報の管理サーバ1への送信(#52),ユーザ情報の生成(#53),通信状態情報の取得(#54),授業開始情報の入力(#55),授業開始情報の取得(#56)が行われる。
本構成では、実施例3とは異なり、授業開始情報が取得されると、その授業開始情報に係る授業実施APの特定が行われる(#57)。そして、実施例3と同様に、自身が授業参加端末であるか否かが判定される(#58)。ここで、自身が授業参加端末であると判定された場合には(#58のYes分岐)、実施例3と同様に、接続指示情報が生成される(#60)。
一方、自身が授業参加端末でないと判定された場合には(#58のNo分岐)、不正接続端末特定部310によって自身が不正接続端末であるか否かが判定される(#61)。具体手には、授業実施APのAP識別情報と通信状態情報に含まれるAP識別情報とが照合され、これらが一致する場合には、自身を使用している学習者が受講しない授業が行われる教室に設置されている無線AP4に接続しているため、不正接続端末であると判定される(#61のYes分岐)。一方、これらが一致しない場合には、不正接続端末でないと判定される(#61のNo分岐)。
不正接続端末であると判定された場合には(#61のYes分岐)、不正接続端末特定部310によって接続禁止指示情報が生成される(#62)。実施例1,2では、接続指示情報には不正接続端末の端末識別情報と授業実施APのAP識別情報とが含まれたが、本構成では不正接続端末は自身であるため、接続指示情報には授業実施APの識別情報のみが含まれる。また、本実施例では、生成された接続禁止指示情報の送信は行われず、後述する再接続実行部327に伝達されるのみである。
このような構成によって、実施例1の追加構成1と同様の作用効果を奏することができる。また、この構成では、学習者用端末3において、授業参加端末であるか否かの判定処理から、不正接続端末であるか否かの判定処理までが実行されるため、管理サーバ1や教員用端末2の負担を低減することができる。
〔実施例3の追加構成2〕
本構成は、実施例3の構成に対して、学習者用端末3における通信制御指示情報に基づく無線APへの再接続のための構成を付加したものである。なお、上述のいずれかの構成と同様の機能部には同じ符号を付しており、詳細な説明は省略する。
図21に、本構成の学習支援システムの機能ブロック図を示す。本構成と実施例3の追加構成1とは、学習者用端末3が、AP情報管理部322,接続可能AP判定部323,接続禁止AP除外部325,再接続先AP決定部326,再接続実行部327を備えている点、において異なっている。これらの機能部はいずれも実施例1の追加構成2の機能部と同様の機能を有しているため、各機能部の説明は省略する。
〔処理プロセス〕
以下に、通信制御指示情報を生成した際の学習者用端末3における無線APへの再接続処理プロセスを図22のフローチャートを用いて説明する。この処理プロセスは、図20の#60または#62において通信制御指示情報(接続指示情報または接続禁止指示情報)が生成されたことをトリガとして開始される。
通信制御指示情報が生成されると、#21と同様の処理によって接続可能APが特定される(#71)。そして、生成された接続指示情報が接続指示情報の場合には(#72のYes分岐)、#24と同様の処理によって再接続先APが決定される(#73)。一方、生成された接続指示情報が接続禁止指示情報の場合には(#72のNo分岐)、#25,#26と同様の処理によって、再接続先APの決定が行われる(#75)。このようにして、再接続先APの決定が完了すると、再接続実行部327は自身の無線通信接続先が再接続先APとなるように無線通信接続の設定を変更する(#76)。
このような構成によって、実施例1の追加構成2と同様の作用効果を奏することができる。また、この構成では、学習者用端末3において、授業参加端末であるか否かの判定処理から、無線通信の再接続処理までが実行されるため、管理サーバ1や教員用端末2の負担を低減することができる。
〔別実施形態〕
(1)上述の実施形態では、授業開始情報は、教員用端末2に対するユーザ(教員)の入力操作に基づいて生成されたが、例えば、管理サーバ1が授業に関する情報を記憶しておき、現在時刻が授業開始時刻になった際に、その授業に関する授業開始情報を生成する等、他の方法によって授業開始情報を生成しても構わない。
(2)上述の実施形態の機能部に加えて、学習者用端末3に、通信制御指示情報に基づいて無線AP4への接続を完了した旨の接続制御完了情報を送信する接続制御完了情報送信部を備え、管理サーバ1および教員用端末2の少なくとも一方に、接続制御完了情報を受信する接続制御完了情報取得部と、受信した接続制御完了情報と授業参加端末情報および不正接続端末情報とに基づいて、授業に参加すべき全ての学習者が使用する学習者用端末3のみが、その授業が行われる教室に設置されている無線AP4に接続されたことを判定する接続完了判定部を備える構成とすることもできる。この構成では、授業を開始する際に、不正接続端末がなく、全ての授業参加端末がその授業が行われる教室に設置されている無線APに無線通信接続されていることを確認することができる。また、接続完了判定部の判定結果を教員用端末2のディスプレイに表示するように構成すれば、教員は視覚的に判定結果を確認できる。
(3)上述の実施例1において、授業実施APに対する授業参加端末の再接続が完了した後、別の学習者用端末3(授業参加端末ではない端末)が、授業実施APに対してローミング接続を実行しないように、管理サーバ1の通信制御実行部108に、再接続禁止処理手段(図示せず)を備えても構わない。再接続禁止処理手段は、無線通信ネットワーク内の授業参加端末以外の学習者用端末3に対し、再接続禁止AP情報として授業実施APのAP識別情報を配信する。なお、上述の実施例2の場合は、教員用端末2の通信制御実行部208に、再接続禁止処理手段(図示せず)を備える構成とすると好適である。これにより、授業参加端末以外の学習者用端末3による授業実施APへの再接続を防止し、授業参加端末の通信状態を、当該授業が終了するまで均質化した状態に保ち続けることができる。
(4)上述の実施形態では、通信端末を用いた学校での授業を支援する場合について説明したが、本発明は、学校教育分野以外にも利用することができる。例えば、一般企業において、社員が使用する通信端末が無線通信によって接続されている場合において、同一の会議に参加する社員が使用する通信端末の通信状態を均質にするための、会議支援システムとして利用することも可能である。
具体的には、上述の実施例における「学校」を「会社」と、「教室」を「会議室」と、「授業」を「会議」と、「学習者」を「社員」と、「教師」を「議長(又は上司、司会者、主催者など)」と、「名簿情報」を「社員情報」と、「受講」を「参加」と、いうように、各々の用語を一般企業における対応する用語に置き換える(読み替える)ことで、本発明を一般企業における会議支援システムに利用することを想起可能である。
本発明を一般企業における会議支援システムに転用した場合の好適な実施形態の一つとしては、会社で利用する機器に関する情報と、当該会社に所属する社員に関する情報を記憶する記憶装置と、処理装置と、を備え、前記会社において会議を行う各会議室に設置された無線アクセスポイント(無線AP)を介して無線通信接続された同一会議に参加する複数の通信端末の通信状態を均質化する学習支援システムであって、前記記憶装置は、前記無線APのAP識別情報と当該無線APが設置された前記会議室の会議室情報とを関連付けたAP情報を記憶するAP情報記憶部と、前記社員のユーザ識別情報と所属情報とを関連付けた社員情報を記憶する社員情報記憶部と、を備え、前記処理装置は、前記通信端末の端末識別情報と、当該通信端末を使用する前記社員のユーザ識別情報と、を通信端末情報として取得する通信端末情報取得部と、前記通信端末情報と前記社員情報とを関連付けて通信状態情報として管理する通信状態情報管理部と、会議が行われる前記会議室の前記会議室情報と、当該会議に参加すべき前記社員の前記所属情報と、が関連付けられた会議開始情報を取得する会議開始情報取得部と、前記会議開始情報と前記通信状態情報とに基づいて、前記通信端末が、前記会議開始情報に係る会議に参加すべき前記社員が使用する会議参加端末であるか否かを判定する会議参加端末判定部と、前記会議開始情報と前記AP情報とから前記会議開始情報に係る会議が行われる前記会議室に設置された前記無線APを会議実施APとして特定する会議実施AP特定部と、前記会議参加端末に対して、前記会議実施APに接続するよう接続指示を行う通信制御実行部と、を備える構成が考えられる。
この構成では、同一の会議に参加すべき社員が使用している全ての社員用端末を、その会議が行われる会議室に設置されている無線APに接続させることができる。これにより、同一の会議に参加すべき社員が使用している全ての社員用端末の通信状態を均質化することができる。
本実施例における所属情報とは、会社内において社員がどの部署(グループ、又はカテゴリ)に所属しているかを示す情報をいう。なお、この所属情報は、上述の実施例と同様、上司によって一時的にグループ化したものを登録することもできるといったように、柔軟な登録設定ができる。
本発明を一般企業における会議支援システムに転用した場合の好適な実施形態の一つとしては、前記通信端末情報取得部は、前記通信端末が無線通信接続している無線APのAP情報を接続先AP情報として取得する接続先AP情報取得手段を備え、前記通信状態情報管理部は、前記通信端末情報と前記社員情報と前記接続先AP情報とを関連付けて前記通信状態情報として管理し、前記処理装置は、さらに、前記会議実施APと前記通信状態情報と基づいて、当該会議実施APに無線通信接続している会議実施AP接続端末を判定する会議実施AP接続端末判定部と、前記会議実施AP接続端末から、前記会議参加端末以外の前記通信端末を不正接続端末として特定する不正接続端末特定部と、を備え、前記通信制御実行部は、前記不正接続端末に対して前記会議実施APに対する無線通信接続を切断するよう指示する、という構成が考えられる。
この構成では、ある会議が行われる会議室に設置されている無線APに対して、その会議に参加すべきでない社員が使用している社員用端末が無線通信接続することを禁止することができる。これにより、ある会議が行われる会議室に設置されている無線APには、その会議に参加すべき社員が使用している社員用端末のみが無線通信接続することとなり、その無線APに不要な負荷をかけることを回避することができる。
本発明を一般企業における会議支援システムに転用した場合の好適な実施形態の一つとしては、前記処理装置は、さらに、前記AP情報と前記通信端末の位置情報とに基づいて、前記通信端末が無線通信接続可能な範囲内に設置されている前記無線APを接続可能APとして判定する接続可能AP判定部と、前記接続可能APと、前記通信制御実行部からの前記接続指示と、に基づいて、新たに無線通信接続する再接続先APを決定する再接続先AP決定部と、前記再接続先APに対して新たに無線通信接続を実行する再接続実行部と、を備える、という構成が考えられる。
この構成では、通信端末が現状の接続関係を切断して、新たに再接続する無線APを決定する際に、無線APおよび通信端末の現在位置に関する情報を利用して、再接続先となる無線AP(再接続先AP)を自動的に特定することができる。これにより、再接続先APを別途指定せずとも、通信端末の状況に応じて適切な無線APに自動的に無線通信接続することが可能となる。
また、本実施例の会議支援プログラムの好適な実施形態の一つでは、会社で利用する機器に関する情報と、当該会社に所属する社員に関する情報を記憶する記憶装置と、処理装置と、を備え、前記会議を行う各会議室に設置された無線アクセスポイント(無線AP)を介して無線通信接続された同一会議に参加する複数の通信端末の通信状態を均質化する会議支援システムに用いられる会議支援プログラムであって、前記処理装置に、前記通信端末の端末識別情報と、当該通信端末を使用する前記社員のユーザ識別情報と、を通信端末情報として取得する通信端末情報取得機能と、前記通信端末情報と、前記社員のユーザ識別情報と所属情報とを関連付けた社員情報と、を関連付けて通信状態情報として管理する通信状態情報管理機能と、会議が行われる前記会議室の前記会議室情報と、当該会議に参加すべき前記社員の前記所属情報と、が関連付けられた会議開始情報を取得する会議開始情報取得機能と、前記会議開始情報と前記通信状態情報とに基づいて、前記通信端末が、前記会議開始情報に係る会議を受講すべき前記学習者が使用する会議参加端末であるか否かを判定する会議参加端末判定機能と、前記会議開始情報と前記AP情報とから前記会議開始情報に係る会議が行われる前記会議室に設置された前記無線APを会議実施APとして特定する会議実施AP特定機能と、前記会議参加端末に対して、前記会議実施APに無線通信接続するよう指示する通信制御実行機能と、を実現させる。
このような会議支援プログラムも上述の会議支援システムと同様の作用効果を奏し、また、上述の会議支援システムの付加的な構成を適用することができる。
一般的に、会社における会議室は、一区画内に複数の部屋を隣接させた形で設けられている。この形式は、学校における教室と同様であると言える。また、各会議室で行われる会議は、基本的に互いに独立して進行するものであり、その点においても学校における授業と同様であると言える。そのため、各会議室に無線APを一台ずつ設置した場合に発生する課題は、本発明における各教室に無線APを一台ずつ設置した場合に発生する課題と同様であり、本実施例(会社における会議室支援システム)によってもたらされる効果も、本発明(学校における学習支援システム)によってもたらされる効果と同様である。