JP6323900B2 - 抗水銀剤 - Google Patents

抗水銀剤 Download PDF

Info

Publication number
JP6323900B2
JP6323900B2 JP2014007226A JP2014007226A JP6323900B2 JP 6323900 B2 JP6323900 B2 JP 6323900B2 JP 2014007226 A JP2014007226 A JP 2014007226A JP 2014007226 A JP2014007226 A JP 2014007226A JP 6323900 B2 JP6323900 B2 JP 6323900B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
mehg
flask
added
mmol
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014007226A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015134735A (ja
Inventor
正子 清野
正子 清野
小林 義典
義典 小林
辰弥 白畑
辰弥 白畑
亮介 中村
亮介 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kitasato Institute
Original Assignee
Kitasato Institute
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kitasato Institute filed Critical Kitasato Institute
Priority to JP2014007226A priority Critical patent/JP6323900B2/ja
Publication of JP2015134735A publication Critical patent/JP2015134735A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6323900B2 publication Critical patent/JP6323900B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Saccharide Compounds (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Description

本発明は、サポニン化合物又はサポニン化合物のアグリコンを有効成分として含有する抗水銀剤に関する。
水俣病の原因物質であるメチル水銀は毒性が強く、排出規制が厳しく行われている。しかしながら水銀は地殻由来の成分であり、環境中を循環しており、メチル水銀は食物連鎖を通してマグロなどの高次消費者に生物濃縮している。現在、我々はマグロをはじめとする食品から微量ながらも持続的にメチル水銀(MeHg)を摂取し、低濃度のメチル水銀が体内に蓄積されている。MeHgは消化管、肺、皮膚のいずれの経路でも吸収率が高く、ヒトでの消化管吸収率は95%以上である。吸収されたMeHgはシステインに結合するとメチオニンに類似した構造になり、血液‐脳関門や胎盤を通過して脳や胎児に蓄積することが報告されている。例えば、WHOが定める安全基準では、成人の毛髪水銀値が50ppmまでとするべきと推奨されているが、マグロ等の水産物を多く摂取する習慣のある人々のなかでは、毛髪水銀値が50ppmをはるかに超える場合があることが知られている。低濃度メチル水銀の長期間摂取によるヒトへの影響は解明されていないが、様々な影響が懸念されている。
非特許文献1には、チオールがMeHgと結合することが開示されている。MeHgを解毒する作用を有する薬剤については、非特許文献2〜3に報告されている。しかし、MeHgを解毒する薬剤についてはほとんど研究されていない。
Simpthon RB, Association Constants of Methylmercury with Sulfhydryl and Other Bases., J. Am. Chem. Soc., 83, 4711-4717 (1961) Carvalho MC, Franco JL, Ghizoni H, Kobus K, Nazari EM, Rocha JB, Nogueira CW, Dafre AL, Mueller YM, Farina M., Effects of 2,3-dimercapto-1-propanesulfonic acid (DMPS) on methylmercury-induced locomotor deficits and cerebellar toxicity in mice., Toxicology, 239, 195-203 (2007) Ballatori N, Lieberman MW, Wang W.N-Acetylcysteine as an Antidote in Methylmercury Poisoning, Environ. Health. Perspect. 106, 267-271 (1998)
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、抗水銀作用を有する抗水銀剤の提供を課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、ある種のサポニン化合物及びサポニン化合物のアグリコンが、細胞での水銀毒性軽減効果および臓器への水銀蓄積抑制効果を有することをを見出した。
すなわち、本発明は、下記の特徴を有する抗水銀剤を提供するものである。
[1]下記一般式(1)で表される化合物を有効成分として含有することを特徴とする抗水銀剤。
[式(1)中、Xは、水素原子、−COOR、−OR、ハロゲノ基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基、ホルミル基、ホルミルオキシ基、炭素数2〜5のアルキルカルボニル基、炭素数2〜5のアルキルカルボニルオキシ基又は炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基を表す。
は、水素原子、−COOR、−OR、ハロゲノ基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ヒドロキシアルキル基、ホルミル基、ホルミルオキシ基、炭素数2〜5のアルキルカルボニル基又は炭素数2〜5のアルキルカルボニルオキシ基を表す。R及びRはそれぞれ独立して水素原子、又は置換基を有していてもよい糖鎖基を表す。
式(1)中、Xで表される基及びXで表される基の水素原子以外の水素原子は、ハロゲノ基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ヒドロキシ基、炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基、ホルミル基、ホルミルオキシ基、カルボキシ基、炭素数2〜5のアルキルカルボニル基、炭素数2〜5のアルキルカルボニルオキシ基又は炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基によって置換されていてもよい。
がヒドロキシ基である場合、該ヒドロキシ基と分子内の他の−OHとが一緒になってエーテル結合を形成し、5〜6員環を形成してもよい。]
[2]前記一般式(1)が、下記一般式(2)で表される化合物である前記[1]に記載の抗水銀剤。
[式(2)中、R及びRはそれぞれ独立して水素原子、又は置換基を有していてもよい糖鎖基を表す。式(2)中、R及びRで表される基の水素原子以外の水素原子は、ハロゲノ基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ヒドロキシ基、炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基、ホルミル基、ホルミルオキシ基、カルボキシ基、炭素数2〜5のアルキルカルボニル基、炭素数2〜5のアルキルカルボニルオキシ基又は炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基によって置換されていてもよい。]
[3]前記一般式(1)が、下記一般式(3)で表される化合物である前記[1]又は[2]に記載の抗水銀剤。
[式(3)中、R及びRはそれぞれ独立して水素原子、又は置換基を有していてもよい糖鎖基を表す。R、R、及びRはそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲノ基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ヒドロキシ基、炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基、ホルミル基、ホルミルオキシ基、カルボキシ基、炭素数2〜5のアルキルカルボニル基、炭素数2〜5のアルキルカルボニルオキシ基又は炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基を表す。
式(3)中、R、R、R、R、及びRで表される基の水素原子以外の水素原子は、ハロゲノ基、メチル基、メトキシ基、ヒドロキシメチル基、又はヒドロキシ基によって置換されていてもよい。]
[4]前記R及びRはそれぞれ独立して水素原子、又は置換基を有していてもよい糖鎖基を表す。前記R、R、及びRはそれぞれ独立して、水素原子、メチル基、メトキシ基、ホルミル基、ホルミルオキシ基、カルボキシ基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシ基、アセチル基、アセトキシ基又はメトキシカルボニル基を表す前記[3]に記載の抗水銀剤。
[5]前記糖鎖基の糖が、グルコース、ガラクトース、フルクトース、キシロース、マンノース、グルクロン酸、ガラクツロン酸、フコース、ラムノース、アピオース、アラビノース、及びN−アセチルグルコサミンからなる群より選ばれるいずれか1種以上の糖であり、該糖鎖基単糖数が、1〜5個である前記[1]〜[4]のいずれか一つに記載の抗水銀剤。
[6]前記糖鎖基が、Glc−、Glc−Glc−、Glc−GlcA−、GlcA−GlcA−、Glc−Fuc−、Xyl−Rha−Fuc−、Gal−Xyl−Rha−Fuc−、Gal−Xyl−Rha−Fuc(−Rha)−、Xyl−Rha(−Api)−Fuc−、又はAra−Xyl−Rha(−Api)−Fuc−である前記[1]〜[5]のいずれか一つに記載の抗水銀剤。
本発明の抗水銀剤は、その水銀毒性軽減効果及び水銀蓄積抑制効果により、水銀中毒の予防、軽減、又は治療に用いることが可能である。
試験例1における、サンプル化合物及びMeHgの投与スケジュールを説明する図である。 比較試験例における、MeHg毒性軽減試験の結果を示すグラフである。 試験例1(条件A−1)における、MeHg毒性軽減試験の結果を示すグラフである。 試験例1(条件C)における、MeHg毒性軽減試験の結果を示すグラフである。 試験例1(条件D)における、MeHg毒性軽減試験の結果を示すグラフである。 試験例1(条件A−2)における、MeHg毒性軽減試験の結果を示すグラフである。 試験例1(条件B)における、MeHg毒性軽減試験の結果を示すグラフである。
本発明の抗水銀剤の作用対象とする水銀としては、金属水銀、Hg、Hg2+、HgCl等の無機水銀及び有機水銀のいずれも対象とする。有機水銀としては、メチル水銀、ジメチル水銀、フェニル水銀等を挙げることができ、なかでも毒性及び摂取機会の高さからメチル水銀を作用対象とすることが好ましい。
本発明の抗水銀剤は、オレアナン系サポニン化合物又はオレアナン系サポニン化合物のアグリコンである下記一般式(1)で表される化合物を有効成分として含有する。
[式(1)中、Xは、水素原子、−COOR、−OR、ハロゲノ基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基、ホルミル基、ホルミルオキシ基、炭素数2〜5のアルキルカルボニル基、炭素数2〜5のアルキルカルボニルオキシ基又は炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基を表す。Xは、水素原子、−COOR、−OR、ハロゲノ基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ヒドロキシアルキル基、ホルミル基、ホルミルオキシ基、炭素数2〜5のアルキルカルボニル基又は炭素数2〜5のアルキルカルボニルオキシ基を表す。R及びRはそれぞれ独立して水素原子、又は置換基を有していてもよい糖鎖基を表す。
式(1)中、Xで表される基及びXで表される基の水素原子以外の水素原子は、ハロゲノ基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ヒドロキシ基、炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基、ホルミル基、ホルミルオキシ基、カルボキシ基、炭素数2〜5のアルキルカルボニル基、炭素数2〜5のアルキルカルボニルオキシ基又は炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基によって置換されていてもよい。
がヒドロキシ基である場合、該ヒドロキシ基と分子内の他の−OHとが一緒になってエーテル結合を形成し、5〜6員環を形成してもよい。]
前記ハロゲノ基のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
前記炭素数1〜4のアルキル基としては、直鎖状でも分岐鎖状であってもよく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。前記炭素数1〜4のアルコキシ基としては、直鎖状でも分岐鎖状であってもよく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、t−ブチルオキシ基等が挙げられる。前記ヒドロキシアルキル基は、前記炭素数1〜4のアルキル基の一個又は複数個の水素原子がヒドロキシ基に置換した基が好ましく、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基等が挙げられる。
前記炭素数2〜5のアルキルカルボニル基、前記炭素数2〜5のアルキルカルボニルオキシ基及び前記炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基におけるアルキル部分又はアルコキシ部分は、前記炭素数1〜4のアルキル基又は前記炭素数1〜4のアルコキシ基において説明したものを同様に挙げることができる。
前記アルキル基、アルコキシ基、及びヒドロキシアルキル基の炭素数は1〜4であり、1〜2が好ましい。前記アルキルカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、及びアルコキシカルボニル基の炭素数は2〜5であり、2〜3が好ましい。
前記一般式(1)中、Xが−COORであり、Xが−ORである場合、下記一般式(2)で表される化合物が挙げられる。
[式(2)中、R及びRは前記一般式(1)と同様である。式(2)中、R及びRで表される基の水素原子以外の水素原子は、ハロゲノ基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ヒドロキシ基、炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基、ホルミル基、ホルミルオキシ基、カルボキシ基、炭素数2〜5のアルキルカルボニル基、炭素数2〜5のアルキルカルボニルオキシ基又は炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基によって置換されていてもよい。]
前記一般式(2)で表される化合物としては、下記一般式(2−1)〜(2−4)が挙げられる。
[式中、Rは単糖を表し、n及びmは前記糖鎖基の単糖数を表す。]
n及びmはそれぞれ独立に、1〜5の整数であり、1〜3の整数であることが好ましく、1〜2の整数であることがより好ましい。
本発明の抗水銀剤が有効成分として含有する化合物は、抗水銀活性の観点から、糖鎖基を有していることが好ましい。例えば、前記一般式(2)で表される化合物においてR及び/又はRが糖鎖基を表すことが好ましく、Rが糖鎖基を表す若しくはR及びRが糖鎖基を表すことがより好ましく、R及びRが糖鎖基を表すことがさらに好ましい。すなわち、前記一般式(2−1)〜(2−4)のうちでは、(2−2)、(2−3)、又は(2−4)で表される化合物が好ましく、(2−3)又は(2−4)で表される化合物がより好ましく、(2−4)で表される化合物がさらに好ましい。
また、前記一般式(1)で表される化合物は、下記一般式(3)で表される化合物であることが好ましい。
[式(3)中、R及びRは前記一般式(1)と同様である。R、R、及びRはそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲノ基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ヒドロキシ基、炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基、ホルミル基、ホルミルオキシ基、カルボキシ基、炭素数2〜5のアルキルカルボニル基、炭素数2〜5のアルキルカルボニルオキシ基又は炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基を表す。
式(3)中、R、R、R、R、及びRで表される基の水素原子以外の水素原子は、ハロゲノ基、メチル基、メトキシ基、ヒドロキシメチル基、又はヒドロキシ基によって置換されていてもよい。]
さらに前記一般式(3)で表される化合物は、R及びRはそれぞれ独立して水素原子、又は置換基を有していてもよい糖鎖基を表し、R、R、及びRはそれぞれ独立して、水素原子、メチル基、メトキシ基、ホルミル基、ホルミルオキシ基、カルボキシ基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシ基、アセチル基、アセトキシ基又はメトキシカルボニル基であることがより好ましい。
なかでも、前記一般式(3)においてR、R、及びRはそれぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、又はアセチル基であることがさらに好ましい。
前記一般式(3)で表される化合物として、例えば、下記一般式(3−1)〜(3−3)で表される化合物が挙げられる。
[式中、R及びRは前記一般式(1)と同様である。]
前記R及び/又はRが、置換基を有していてもよい糖鎖基である場合、該糖鎖基の糖としては、特に制限されないが、なかでもグルコース(Glc)、ガラクトース(Gal)、フルクトース(Fru)、キシロース(Xyl)、マンノース(Man)、グルクロン酸(GlcA)、ガラクツロン酸(GalA)、フコース(Fuc)、ラムノース(Rha)、アピオース(Api)、アラビノース(Ara)、及びN−アセチルグルコサミン(GlcNAc)からなる群より選ばれるいずれか1種以上の糖であることが好ましい。前記糖鎖基の単糖数は、抗水銀活性を損なわない範囲で適宜定めることができるが、1〜5個であることが好ましく、1〜3個であることがより好ましく、1〜2個であることがさらに好ましい。
前記糖鎖基の一例としてGlc−、Glc−Glc−、Glc−GlcA−、GlcA−GlcA−、Glc−Fuc−、Xyl−Rha−Fuc−、Gal−Xyl−Rha−Fuc−、Gal−Xyl−Rha−Fuc(−Rha)−、Xyl−Rha(−Api)−Fuc−、Ara−Xyl−Rha(−Api)−Fuc−を例示することができる。
前記R及び/又はRが、置換基を有していてもよい糖鎖基である場合、該置換基としては、ケイ皮酸およびその誘導体から1個以上の水素原子を除いた基、カフェー酸およびその誘導体から1個以上の水素原子を除いた基、没食子酸およびその誘導体から1個以上の水素原子を除いた基等を例示できる。
前記ケイ皮酸誘導体としては、2−ヒドロキシケイ皮酸、4-メトキシケイ皮酸、p−メトキシケイ皮酸、3,4−ジメトキシケイ皮酸、3,4,5−トリメトキシケイ皮酸等が挙げられ、なかでも下記式(4−1)で表される3,4−ジメトキシケイ皮酸が好ましい。
以下に、前記一般式(3−1)で表される化合物の具体例を例示する。
以下に、前記一般式(3−2)又は(3−3)で表される化合物の具体例を例示する。
本発明の抗水銀剤が抗水銀作用を奏するメカニズムについては、次のように考えられる。例えば、前記一般式(1)で表される化合物は、細胞内又は体内へと取り込まれた水銀の蓄積を抑制する作用を有することで、抗水銀作用を奏することが考えられる。蓄積抑制は、体外又は細胞外への排出促進の結果として表れている可能性もある。別の作用として、前記一般式(1)で表される化合物は、水銀の吸収抑制作用を有してい可能性が考えられる。吸収抑制は消化管の上皮細胞において示されるかもしれない。又は、前記一般式(1)で表される化合物は体内への吸収は妨げないが、臓器への水銀の移行抑制作用を有しているとも推測できる。
本発明の抗水銀剤は、前記一般式(1)で表される化合物のうち、1種類を含有していてもよく、2種類以上を含有していてもよい。また、本発明の抗水銀剤は、本発明の効果を損なわない範囲で、上記に挙げた有効成分の他に他の成分を含んでいてもよく、例えば、従来公知の抗水銀作用を有する化合物であるDPQ、N‐アセチル‐L‐システイン(NAC)、2,3‐ジメルカプト‐1‐プロパンスルホン酸(DMSA)等をさらに含んでもよい。
本発明の抗水銀剤における製剤化の例としては、必要に応じて糖衣を施した錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、マイクロカプセル剤として経口的に使用されるものが挙げられる。または、水もしくはそれ以外の薬学的に許容し得る液との無菌性溶液、又は懸濁液剤の注射剤の形で非経口的に使用されるものが挙げられる。更には、薬理学上許容される担体若しくは媒体、具体的には、滅菌水や生理食塩水、植物油、乳化剤、懸濁剤、界面活性剤、安定剤、香味剤、賦形剤、ベヒクル、防腐剤、結合剤等と適宜組み合わせて、一般に認められた製薬実施に要求される単位用量形態で混和することによって製剤化されたものが挙げられる。
錠剤、カプセル剤に混和することができる添加剤としては、例えば、ゼラチン、コーンスターチ、トラガントガム、アラビアゴムのような結合剤、結晶性セルロースのような賦形剤、コーンスターチ、ゼラチン、アルギン酸のような膨化剤、ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、ショ糖、乳糖又はサッカリンのような甘味剤、ペパーミント、アカモノ油又はチェリーのような香味剤が用いられる。調剤単位形態がカプセルである場合には、上記の材料にさらに油脂のような液状担体を含有することができる。注射のための無菌組成物は注射用蒸留水のようなベヒクルを用いて通常の製剤実施に従って処方することができる。
注射用の水溶液としては、例えば生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張液、例えばD−ソルビトール、D−マンノース、D−マンニトール、塩化ナトリウムが挙げられ、適当な溶解補助剤、例えばアルコール、具体的にはエタノール、ポリアルコール、例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、非イオン性界面活性剤と併用してもよい。
油性液としてはゴマ油、大豆油があげられ、溶解補助剤として安息香酸ベンジル、ベンジルアルコールと併用してもよい。また、緩衝剤、例えばリン酸塩緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝液、無痛化剤、例えば、塩酸プロカイン、安定剤、例えばベンジルアルコール、フェノール、酸化防止剤と配合してもよい。調製された注射液は通常、適当なアンプルに充填させる。
本発明の抗水銀剤の投与は、例えば、動脈内注射、静脈内注射、皮下注射などのほか、鼻腔内的、経気管支的、筋内的、経皮的、または経口的に当業者に公知の方法により行いうる。投与量は、非投与者の体重や年齢、投与方法などにより変動するが、当業者であれば適当な投与量を適宜選択することが可能である。
例えば、投与量は抗水銀剤の血中濃度により定めてもよく、本発明の抗水銀剤の種類により抗水銀剤の血中濃度の好ましい値を適宜選択することが可能である。例えば、前記一般式(1)で表される化合物の血中濃度(モル比)を0.01μM〜10μM程度となるよう投与量を定めることが挙げられ、その種類により、前記一般式(1)で表される化合物の血中濃度(モル比)を0.01μM〜0.1μM、0.1μM〜1μM、1μM〜10μM、0.01μM〜0.07μM、0.1μM〜0.7μM、1μM〜7μM、等の濃度から適宜選択してもよい。又は、前記一般式(1)で表される化合物を一過的に投与する場合は、例えば、抗水銀剤の培養液中の濃度(モル比)が0.5μM〜500μM程度となるよう投与してもよく、0.5μM〜5μM、5μM〜50μM、50μM〜500μM、等の濃度から適宜選択してもよい。
若しくは、本発明の抗水銀剤の好ましい投与量は、水銀量に対して定めてもよい。この場合の水銀量とは、例えば臓器中の水銀蓄積量を基準とすることが挙げられ、前記一般式(1)で表される化合物の血中濃度を当該水銀量(モル比)の0.01倍〜0.1倍、0.1倍〜1倍、1倍〜10倍、0.01倍〜0.07倍、0.1倍〜0.7倍、1倍〜7倍、0.005倍〜0.05倍、0.05倍〜0.5倍、0.5倍〜5倍、0.003倍〜0.03倍、0.03倍〜0.3倍、0.3倍〜3倍、等の濃度から適宜選択してもよい。又は、前記一般式(1)で表される化合物を細胞等の微生物に一過的に投与する場合は、前記一般式(1)で表される化合物の培養液中の濃度を当該水銀量(モル比)の0.1倍〜2倍、2倍〜20倍、20倍〜200倍等の濃度から適宜選択してもよい。
前記一般式(1)で表される化合物の投与量は、症状により差異はあるが、経口投与の場合、体重1kgにおいて1日あたり、0.5mg〜100mgを投与することが好ましく、5mg〜70mgを投与することがより好ましく、10mg〜50mgを投与することがさらに好ましい。
より具体的な前記一般式(1)で表される化合物の投与量は、例えば、体重1kgにおいて1日あたり30mg〜50mgを投与することが例示できる。
次に実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
前記式(3−1−1)で表される化合物であるSA001(入手元:東京化成株式会社製、製品番号:O 0317)を用い、前記式(3−1−2)で表される化合物であるSA002、前記式(3−1−4)で表される化合物であるSA003、前記式(3−1−3)で表される化合物であるSA005、及び前記式(3−1−5)で表される化合物であるSA006を合成した。
SA002は、化合物A、Cを経て以下の様に合成した。
(化合物A)
3-O-triethylsilyl oleanolic acid (A)
一口50 mLナス型フラスコにマグネットを入れ、真空ポンプで減圧しながらヒートガンでフラスコ内の水分を完全に取り除いた。フラスコが冷めたところで窒素置換した。(以下の反応は、全て窒素雰囲気下で行った。)
Oleanolic acid (21) (1.0 g, 2.19 mmol)を加え、シリンジを用いて無水CH2Cl2 (15 mL)で溶解後、2,6-lutidine (2.59 mL)、TESOTf (2.48 mL)を加え、室温で2時間撹拌した。その後、反応液をエバポレーターで濃縮し、反応を停止した。
反応液にCHCl3 (30 mL) を加え、有機層をH2O (30 mL) で1回洗浄を行い、無水 Na2SO4 で乾燥した。その後、濾過し、エバポレーターで濃縮した後、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (シリカゲル 250 g, 展開溶媒 ; hexane : AcOEt = 7 : 1) 中で6時間静置した。その後精製し、エバポレーターで濃縮した。さらに、真空ポンプで溶媒を留去し、白色固体物質 A (1.13 g, 1.97 mmol, 90%) を得た。
(化合物B)
2, 3, 4, 6-Tetra-O-acetyl-α-D-glucopyranosyl trichloroacetimidate (B)
一口100 mLナス型フラスコにマグネットを入れ、真空ポンプで減圧しながらヒートガンでフラスコ内の水分を完全に取り除いた。フラスコが冷めたところで窒素置換した。(以下の反応は、全て窒素雰囲気下で行った。)
Penta-O-acetyl-β-D-glucopyranose (東京化成工業より購入、製品コード、P0028、1.0 g, 2.56 mmol)を加え、シリンジを用いて無水DMF (20 mL)で溶解後、hydrazine acetate (330 mg, 3.59 mmol)を加え室温で1時間撹拌した。その後、氷冷しながらH2O (30 mL)をゆっくり加えて反応を停止した。
反応液をAcOEt (60 mL)を用いて3回抽出し、有機層をH2O (60 mL)で5回、飽和NaCl水溶液 (60 mL)で1回洗浄し三角フラスコへ移した。無水Na2SO4を加え、乾燥後、一口100 mLナス型フラスコへ溶液を濾過し、エバポレーターで濃縮した。その後、マグネットを入れ、真空ポンプで乾燥し、粗生成物を得た。
前述の粗生成物とマグネットの入った一口100 mLナス型フラスコを、真空ポンプで減圧してフラスコ内を窒素置換した。(以下の反応は、全て窒素雰囲気下で行った。)
シリンジを用いて無水CH2Cl2 (20 mL)を加えて溶解後、Cl3CCN (3.10 mL, 30.7 mmol)、DBU (38.1 μL, 0.26 mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。その後、エバポレーターで濃縮した。
得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (シリカゲル 100 g, 展開溶媒 ; hexane : EtOAc = 4 : 1)で精製し、透明油状物質 B (2 steps, 64%)を得た。
(化合物C)
Olean-12-en-28-oic acid, 3-O-triethylsilyl-, 2, 3, 4, 6-Tetra-O-acetyl-β-D-glucopyranosyl ester (C)
一口10 mLナス型フラスコにマグネットとモレキュラーシーブス4オングストローム(MS4Å) (100 mg) を入れ、真空ポンプで減圧しながらヒートガンでフラスコ内の水分を完全に取り除き、フラスコが冷めたところで窒素置換した。(以下の反応は、全て窒素雰囲気下で行った。)
グリコシルドナー B(化合物B) (47.1 mg, 0.0956 mmol)、グリコシルアクセプター A (化合物A) (54.6 mg, 0.0956 mmol)を加えた後、シリンジを用いて無水CH2Cl2 (1.75 mL) で溶解し、−40 ℃に冷却した。次にBF3・OEt2 (1.20 μL, 0.00956 mmol) を加え−40 ℃で1時間撹拌した。その後triethylamine (2.0 μL)を加えて室温に戻して反応を停止した。
反応液にAcOEt (10 mL)を用いてセライト濾過した後、エバポレーターで濃縮して、粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (シリカゲル 15 g, 展開溶媒 ; hexane : AcOEt = 6 : 1) で精製し、エバポレーターで濃縮した。さらに、真空ポンプで溶媒を留去し、無色油状物質 C (62.7 mg, 0.0696 mmol, 73%) を得た。
(SA002)
Olean-12-en-28-oic acid, 3-hydroxy-,β-D-glucopyranosyloxy ester (SA002)
一口50 mL ナス型フラスコにマグネットを入れ、真空ポンプで減圧しながらヒートガンでフラスコを熱し、フラスコ内部の水分を完全に取り除いた。フラスコが冷めたところで窒素置換した。(以下の反応は、全て窒素雰囲気下で行った。) C(化合物C)(289 mg, 0.320 mmol) を加え、シリンジを用いて無水 MeOH (7.0 mL) を加えて室温で撹拌し、完全に溶かした。次に、 NaH (1.28 mg, 0.0320 mmol, 60% disp.) を加えた。 NaH を量るのに使用した薬さじ・薬包紙は直ちに水で洗浄した。室温下、1時間撹拌した後、エバポレーターで溶媒を留去し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (シリカゲル 80 g, 展開溶媒 ; CHCl3 : MeOH = 15 : 1) で精製した。エバポレーターで濃縮し、さらに真空ポンプで溶媒を留去する事により、白色固体物質 SA002 (208 mg, 0.337 mmol, quant.) を得た。
SA003は、化合物D、Eを経て以下の様に合成した。
(化合物D)
Olean-12-en-28-oic acid, 3-hydroxy-, 2, 3, 4, 6-tetra-O-acetyl-β-D-glucopyranosyl ester (D)
一口30 mLナス型フラスコにマグネットを入れ C(化合物C)(300 mg, 0.331 mmol) を加え、真空ポンプで減圧してフラスコ内を窒素置換した。以下の反応は、全て窒素雰囲気下で行った。
次に、シリンジを用いてTBAF 1M THF溶液 (1.7 mL, 1.66 mmol) を加え、室温で14時間撹拌後、 飽和アンモニア水 (10 mL) を加えて反応を止めた。その後、反応液を分液漏斗に移し、CH2Cl2 (30 mL) で2回抽出を行い、有機層を炭酸水素ナトリウム水 (30 mL)で3回、brine (30 mL) で1回洗浄し、無水Na2SO4 で乾燥させた。その後、濾過し、エバポレーターで濃縮した後、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (シリカゲル 60 g, 展開溶媒 ; hexane : AcOEt = 3 : 1 → 5 : 2 → 2 : 1) で精製し、エバポレーターで濃縮した。さらに、真空ポンプで溶媒を留去し、白色固体物質 D (176 mg, 0.224 mmol) を得た。
(化合物E)
Olean-12-en-28-oic acid, 3-[(2, 3, 4, 6, -tetra-O-acetyl-β-D-glucopyranosyl) oxy]-, 2, 3, 4, 6-tetra-O-acetyl-β-D-glucopyranosyl ester (E)
一口10 mLナス型フラスコにマグネットとMS4Å(200 mg) を入れ、真空ポンプで減圧しながらヒートガンでフラスコ内の水分を完全に取り除き、フラスコが冷めたところで窒素置換した。以下の反応は、全て窒素雰囲気下で行った。
グリコシルアクセプター D(化合物D) (86.9 mg, 0.104 mmol)、グリコシルドナー B (化合物B) (163 mg, 0.331 mmol) を加えた後、シリンジを用いて無水CH2Cl2 (10 mL) で溶解させ、反応溶液を−40 ℃に冷却した。次にTMSOTf (2.00 μL, 1.17 μmol) を500 μLの無水CH2Cl2に溶解したものを滴下し、−40 ℃で10分間撹拌した。その後triethylamine (2.0 μL)を加えて室温に戻して反応を停止させた。
反応液にAcOEt (10 mL)を用いてセライト濾過した後、エバポレーターで濃縮して、粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (シリカゲル 20 g, 展開溶媒 ; hexane : AcOEt = 3 : 1) で精製し、エバポレーターで濃縮した。さらに、真空ポンプで溶媒を留去し、白色固体物質 E (116 mg, 0.0975 mmol, 94%) を得た。
(SA003)
Olean-12-en-28-oic acid, 3-(β-D-glucopyranosyloxy)-, β-D-glucopyranosyl ester (SA003)
一口30 mL ナス型フラスコにマグネットを入れ、真空ポンプで減圧しながらヒートガンでフラスコを熱し、フラスコ内部の水分を完全に取り除いた。フラスコが冷めたところで窒素置換した。以下の反応は、全て窒素雰囲気下で行った。
そのフラスコにE(化合物E)(47.9 mg, 0.0429 mmol) を加え、シリンジを用いて無水 MeOH (1.5 mL) を加えて室温で撹拌し、完全に溶解させた。次に、 NaH (85.8 μg, 2.15 μmol, 60% disp.) を加えた。 NaH を量るのに使用した薬さじ・薬包紙は直ちに水で洗浄した。室温下、15分間撹拌した後、水 5 mL で希釈した。続いて、反応液をDIAION(登録商標) HP-20 (15 cc)を用いて、H2O (100 mL)、H2O : MeOH = 1 : 1 (150 mL) で分画し、H2O : MeOH = 1 : 1画分をエバポレーターで濃縮し、粗生成物を得た。得られた粗生成物をHPLC (YMC-Pack Pro C18, H2O : MeOH = 1 :9, flow rate = 8.0 mL/min, retention time = 6.8 min)で精製し、エバポレーターで濃縮後、真空ポンプで溶媒を留去する事により、白色固体物質 SA003 (28.8 mg, 0.0369 mmol, 86%) を得た。
SA005は、化合物G、H、I、J、K、L、Mを経て以下の様に合成した。
(化合物G)
1, 2-Di-O-acetyl-3-O-(4-methoxybenzyl)-4, 6-O-(4-methoxybenzylidene)-α(and/or β)-D-glucopyranose (G)
一口500 mL ナス型フラスコにマグネットを入れ F(化合物F) (3-O-(4-methoxybenzyl)-4, 6-O-(4-methoxybenzylidene)-D-glucal, 4.10 g, 10.7 mmol) を加え、真空ポンプで減圧してフラスコ内を窒素置換した。以下の反応は、全て窒素雰囲気下で行った。
次に溶媒装置を用いて無水CH2Cl2 (100 mL) を加え、iodobenzene diacetate (4.12 g, 12.8 mmol) を加えた。−40 ℃で撹拌し、 BF3・OEt2(402 μL, 3.20 mmol) を加え、3時間撹拌後、 pyridine (50 mL)と Ac2O (50 mL) を加え、室温に戻し、17時間撹拌した。その後、0 ℃に氷冷し、H2O (100 mL) を加えて反応を停止させた。
次に反応液を AcOEt (200 mL) を用いて 1 回抽出した後、有機層を 飽和CuSO4 (80 mL) で1回、H2O (100 mL) で 5回、飽和NaCl水溶液 (100 mL) で 1 回洗浄を行い、無水 Na2SO4 で乾燥した。その後、濾過し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (シリカゲル 250 g, 展開溶媒 ; hexane : AcOEt = 2 : 1) で精製し、エバポレーターで濃縮した。さらに、真空ポンプで溶媒を留去し、白色固粉体物質 G (4.32 g, 8.60 mmol, 81%, α : β = 12 : 88) を得た。
(化合物H)
1, 2-Di-O-acetyl-3, 6-O-(4-methoxybenzyl)- α (and/or β)-D-glucopyranose (H)
一口500 mLナス型フラスコにマグネットを入れ G(化合物G)(5.29 g, 10.5 mmol) を加え真空ポンプで減圧してフラスコ内を窒素置換した。(以下の反応は、全て窒素雰囲気下で行った。)
次に溶媒装置を用いて無水CH2Cl2 (130 mL)を加えて溶解し、別途調製したMS4Å(30 g) を加え、フラスコを氷冷して 0 ℃にした。(一口300 mLナス型フラスコにMS4Å(30 g)を入れ、真空ポンプで減圧しながらヒートガンでフラスコ内の水分を完全に取り除いた。フラスコが冷めたところで窒素置換した。反応にはこのMS4Åを直前に調製し、使用した。)一方、一口200 mLナス型フラスコを真空ポンプで減圧しながらヒートガンでフラスコ内の水分を完全に取り除き、フラスコが冷めたところで窒素置換した。この100 mLナス型フラスコにSodium Cyanoborohydride (6.62 g, 105 mmol) を入れ、シリンジを用いて無水THF (45 mL) に溶解させながら、一口500 mLナス型フラスコ内に加えた。続いてシリンジを用いてTFA (16.1 mL, 211 mmol) をゆっくり滴下し、室温に戻して15時間撹拌した。
その後、CH2Cl2 を用いてセライト濾過し、濾液を 飽和NaHCO3水溶液 (90 mL) を用いて 3 回洗浄した後、 CH2Cl2 (100 mL) で 1 回抽出し、さらにH2O (100 mL) で 5回、飽和NaCl水溶液 (100 mL) 1 回洗浄し、無水 Na2SO4 で乾燥した。その後、濾過し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (シリカゲル 250 g, 展開溶媒 ; toluene : AcOEt = 4 : 1) で精製し、エバポレーターで濃縮した。さらに、真空ポンプで溶媒を留去し、無色透明油状物質 H (2.32 g, 4.60 mmol, 44%, α : β= 7 : 93) を得た。
(化合物I)
1, 2-Di-O-acetyl-3, 6-O-(4-methoxybenzyl)-4-O-[(E)-3, 4-dimethoxycinnamoyl]- α(and/or β)-D-glucopyranose (I)
一口 200 mL ナス型フラスコにマグネットを入れ H(化合物H) (980 mg, 1.94 mmol)を加え、真空ポンプで減圧してフラスコ内を窒素置換した。(以下の反応は、全て窒素雰囲気下で行った。)
次に溶媒装置を用いてCH2Cl2 (30 mL) と乾燥したMS4Å(3.1 g) を加え、フラスコを氷冷して 0 ℃にした。次に、3, 4-dimethoxycinnamic acid (607 mg, 2.91 mmol) とDCC (401 mg, 1.94 mmol) とDMAP (23.7 mg, 0.194 mmol) を加えた。なお、 DCC を扱う時は、ゴム手袋を着用した。続いて、反応温度を室温に戻し、 22 時間撹拌した。
その後、CH2Cl2 を用いてセライト濾過し、濾液を 5% aq. Na2CO3 (30 mL) で 2 回、 飽和NaCl水溶液 (30 mL) で 1 回洗浄した後、無水 Na2SO4 で乾燥した。その後、濾過し、エバポレーターで濃縮後、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (シリカゲル 100 g, 展開溶媒 ; hexane : AcOEt = 2 : 1) で精製した。はじめに、hexane (1 L)を流した後に、展開溶媒を hexane : AcOEt = 2 : 1 に変更し、エバポレーターで濃縮した。さらに、真空ポンプで溶媒を留去し、黄色固粉体物質 I (1.37 g, 1.97 mmol, quant., α : β = 1 : 99) を得た。
(化合物J)
2-O-acetyl-3, 6-O-(4-methoxybenzyl)-4-O-[(E)-3, 4-dimethoxycinnamoyl]- α(and/or β)-D-glucopyranose (J)
一口100 mLナス型フラスコにマグネットを入れ I(化合物I) (335 mg, 0.482 mmol) を加え、真空ポンプで減圧してフラスコ内を窒素置換した。(以下の反応は、全て窒素雰囲気下で行った。)
次に、シリンジを用いて無水DMF (10 mL) を加え撹拌して完全に溶解した。続いてhydrazine acetate (2.4 mg, 0.0256 mmol) を加え、室温で1時間撹拌後、 0 ℃のH2O (10 mL) を加えて反応を止めた。その後、反応液を分液漏斗に移し、AcOEt (30 mL) で1回抽出を行い、有機層をH2O (20 mL)で3回、brine (20 mL) で1回洗浄し、無水Na2SO4 で乾燥させた。その後、濾過し、エバポレーターで濃縮した後、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (シリカゲル 50 g, 展開溶媒 ; hexane : AcOEt = 1 : 1) で精製し、エバポレーターで濃縮した。さらに、真空ポンプで溶媒を留去し、無色油状物質 J (277 mg, 0.424 mmol, 88%, α : β = 73 : 27) を得た。
(化合物K)
2-O-acetyl-3, 6-O-(4-methoxybenzyl)-4-O-[(E)-3, 4-dimethoxycinnamoyl]-α(and/or β)-D-glucopyranosyl trichloroacetimidate (K)
一口50 mLナス型フラスコにマグネットを入れ J(化合物J) (261 mg, 0.400 mmol) を加え、真空ポンプで減圧してフラスコ内を窒素置換した。以下の反応は、全て窒素雰囲気下で行った。
次に、シリンジを用いて 無水CH2Cl2 (8 mL) を入れ撹拌して完全に溶解し、Cl3CCN (485 μL, 4.80 mmol) 、DBU (8.0 μL, 0.0800 mmol) の順にシリンジで加え、室温で1時間半撹拌した。反応液をシリカゲル(10 g)とセライト(10 g)を詰めたカラム管でAcOEtを用いて素早く濾過し、反応を止め、エバポレーターで濃縮して粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (シリカゲル 30 g, 展開溶媒 ; hexane : AcOEt = 2 : 1) で精製し、エバポレーターで濃縮後、さらに真空ポンプで溶媒を留去し、無色油状物質 K (302 mg, 0.0379 mmol, 95%, α : β = 93 : 7) を得た。
(化合物L)
Olean-12-en-28-oic acid, 3-O-triethylsilyl-, 2-O-acetyl-, 3, 6-O-(4-methoxybenzyl)-,4-O-[(E)-3, 4-dimethoxycinnamoyl]-β-D-glucopyranosyl ester (L)
一口30 mLナス型フラスコにマグネットとMS4Å(1.0 g) を入れ、真空ポンプで減圧しながらヒートガンでフラスコ内の水分を完全に取り除き、フラスコが冷めたところで窒素置換した。(以下の反応は、全て窒素雰囲気下で行った。)
グリコシルドナー A(化合物A) (327 mg, 0.410 mmol)、グリコシルアクセプター K (化合物K) (234 mg, 0.410 mmol)を加えた後、シリンジを用いて無水CH2Cl2 (5.0 mL) で溶解し、−40 ℃に冷却した。次にBF3・OEt2 (5.15 μL, 0.0410 mmol) を加え−40 ℃で30分間撹拌した。その後triethylamine(10.0 μL)を加えて室温に戻して反応を停止した。
反応液にAcOEt(10 mL)を用いてセライト濾過した後、エバポレーターで濃縮して、粗生成物を得た。得られた粗生成物を シリカゲルカラムクロマトグラフィー (シリカゲル 50 g, 展開溶媒 ; hexane : AcOEt = 4 : 1) で精製し、エバポレーターで濃縮した。さらに、真空ポンプで溶媒を留去し、無色油状物質 L (301 mg, 0.250 mmol, 61%) を得た。
(化合物M)
Olean-12-en-28-oic acid, 3-hydroxy-, 3, 6-O-(4-methoxybenzyl)-,4-O-[(E)-3, 4-dimethoxycinnamoyl]-β-D-glucopyranosyl ester (M)
一口30 mL ナス型フラスコにマグネットを入れ、真空ポンプで減圧しながらヒートガンでフラスコを熱し、フラスコ内部の水分を完全に取り除いた。フラスコが冷めたところで窒素置換した。以下の反応は、全て窒素雰囲気下で行った。
L(化合物L) (188 mg, 0.156 mmol) を加え、シリンジを用いて無水CH2Cl2 (2.0 mL)、無水 MeOH (8.0 mL) を加えて室温で撹拌し、完全に溶かした。次に、 NaH (40 mg, 5.13 mmol, 60% disp.) を加えた。 NaH を量るのに使用した薬さじ・薬包紙は直ちに水で洗浄した。室温下、1.5時間撹拌した後、エバポレーターで溶媒を留去し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (シリカゲル 100 g, 展開溶媒 ; hexane : EtOAc = 3 : 1) で精製した。エバポレーターで濃縮し、さらに真空ポンプで溶媒を留去する事により、白色固体物質 M (106 mg, 0.101 mmol, 65%) を得た。
(SA005)
Olean-12-en-28-oic acid, 3-hydroxy-, 4-O-[(E)-3, 4-dimethoxycinnamoyl]- β-D-glucopyranosyl ester (SA005)
一口30 mL ナス型フラスコにマグネットを入れ M(化合物M) (82.0 mg, 0.0781 mmol) を加えた。続いてCH2Cl2 (7.40 mL)、H2O (0.411 mL) を加えて撹拌して完全に溶かし、DDQ (35.5 mg, 0.156 mmol) を加えて室温で17時間撹拌した。その後、無水Na2SO4を加え、反応を停止させた。
続いて、CH2Cl2 を用いてセライト濾過し、エバポレーターで溶媒を留去して粗生成物を得た。得られた粗生成物をprep. TLC (hexane : AcOEt = 1 : 3) 、HPLC (PEGASIL Silica SP100, hexane : AcOEt = 3 :2)で精製し、エバポレーターで濃縮後、真空ポンプで溶媒を留去する事により、白色固体物質 SA005 (22.1 mg, 0.0273 mmol, 35%) を得た。
SA006は、化合物N、Oを経て以下の様に合成した。
(化合物N)
Olean-12-en-28-oic acid, 3β-D-pentaacetlyglucopyranosyl, tert-butyl-diphenylsiloxy ester (N)
一口30 mLナス型フラスコにマグネットとMS4Å(200 mg) を入れ、真空ポンプで減圧しながらヒートガンでフラスコ内の水分を完全に取り除き、フラスコが冷めたところで窒素置換した。(以下の反応は、全て窒素雰囲気下で行った。)
グリコシルドナー B (108mg, 0.221 mmol)、文献(Biao Yuら、Synlett 2004年、2巻、259-262)に従って調整したグリコシルアクセプター(100 mg, 0.147 mmol)を加えた後、シリンジを用いて無水CH2Cl2 (2.0 mL) で溶解し、−40 ℃に冷却した。次にTMSOTf (266 μL, 0.0147 mmol) を加え−40 ℃で30分間撹拌した。その後triethylamine(10.0 μL)を加えて室温に戻して反応を停止した。
反応液にAcOEt(10 mL)を用いてセライト濾過した後、エバポレーターで濃縮して、粗生成物を得た。得られた粗生成物を シリカゲルカラムクロマトグラフィー (シリカゲル 50 g, 展開溶媒 ; hexane : AcOEt = 5 : 1) で精製し、エバポレーターで濃縮した。さらに、真空ポンプで溶媒を留去し、無色油状物質 N (139.3 mg, 0.136 mmol, 92%) を得た。
(化合物O)
3β-D-pentaacetylglucopyranosyl olean-12-en-28-oic acid (O)
一口30 mLナス型フラスコにマグネットを入れ N(化合物N) (134.1 mg, 0.131 mmol) を加え、真空ポンプで減圧してフラスコ内を窒素置換した。(以下の反応は、全て窒素雰囲気下で行った。)
次に、シリンジを用いてTBAF 1M THF溶液 (1.3 mL, 1.31mmol) を加え、室温で14時間撹拌後、 飽和塩化アンモニア水 (1 mL) を加えて反応を止めた。その後、反応液を分液漏斗に移し、CH2Cl2 (10 mL) で2回抽出を行い、有機層を炭酸水素ナトリウム水 (10 mL)で3回、brine (10 mL) で1回洗浄し、無水Na2SO4 で乾燥させた。その後、濾過し、エバポレーターで濃縮した後、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (シリカゲル 20 g, 展開溶媒 ; hexane : AcOEt = 5 : 1 → 4 : 1) で精製し、エバポレーターで濃縮した。さらに、真空ポンプで溶媒を留去し、白色固体物質 O (26.3 mg, 0.033 mmol, 26%) を得た。
(SA006)
3β-D-glucopyranosyl olean-12-en-28-oic acid (SA006)
一口10 mL ナス型フラスコにマグネットを入れ、真空ポンプで減圧しながらヒートガンでフラスコを熱し、フラスコ内部の水分を完全に取り除いた。フラスコが冷めたところで窒素置換した。(以下の反応は、全て窒素雰囲気下で行った。)
そのフラスコにO(化合物O) (17.0 mg, 0.021 mmol) を加え、シリンジを用いて無水 MeOH (0.5 mL) を加えて室温で撹拌し、完全に溶解させた。次に、 NaH (85.8 μg, 2.15 μmol, 60% disp.) を加えた。 NaH を量るのに使用した薬さじ・薬包紙は直ちに水で洗浄した。室温下、2時間撹拌した後、水 5 mL で希釈した。続いて、反応液をDIAION(登録商標) HP-20 (10 cc)を用いて、H2O (50 mL)、H2O : MeOH = 1 : 1 (50 mL) で分画し、H2O : MeOH = 1 : 1画分をエバポレーターで濃縮し、粗生成物を得た。得られた粗生成物をODSカラム (80% MeOH)で精製し、エバポレーターで濃縮後、真空ポンプで溶媒を留去する事により、白色固体物質 SA006 (2.84 mg, 4.59 μmol, 21%) を得た。
前記式(3−2−1)で表される化合物であるSA004をオンジ(Polygala senega)より単離した。
(SA004)
SA004の単離方法は以下の通りである。
Polygala senega (500 g, 栃本天海堂) を5等分し、それぞれを1 Lナス型フラスコに入れ、それぞれにMeOH (1 L) を加え室温で1週間、放置抽出した。その後、吸引濾過してエバポレーターで濃縮し、凍結乾燥し、MeOH抽出物 (131.6 g) を得た。
P. Senega MeOH 抽出物 (3 g) を500 mLナス型フラスコ (1 neck) に入れ、1M aq. KOH (200 mL) を加えて4時間refluxし、その後、0 ℃に冷却した。続いて、反応液をDIAION(登録商標) HP-20 (200 cc) を用いて、H2O (300 mL)、50% MeOH (100 mL)、80% MeOH (100 mL)、MeOH (400 mL) で分画し、80% MeOH、MeOH画分を濃縮し、粗生成物を得た。得られた粗生成物をDIOLシリカカラムクロマトグラフィー (DIOLシリカ 50 cc, 展開溶媒 ; CHCl3 : MeOH = 10 : 1 → CHCl3 : MeOH = 5 : 1 → CHCl3 : MeOH = 3 : 1 → MeOH) で精製し、エバポレーターで濃縮した。50 mLナス型フラスコに移し変えて濃縮し、真空ポンプで溶媒を留去し、黄色固粉体物質SA004 (194 mg, 1.94% w/w : from Polygala senega) を得た。
前記SA004を用い、前記式(3−2−2)で表される化合物であるSA007、及び前記式(3−3−1)で表される化合物であるSA008を合成した。
SA007は、化合物P、Qを経て以下の様に合成した。
(化合物P)
Hepta -O-(Acetyl)-Tenuifolin (P)
一口30 mLナス型フラスコにマグネットを入れ、真空ポンプで減圧しながらヒートガンでフラスコ内の水分を完全に取り除いた。フラスコが冷めたところで窒素置換した。(以下の反応は、全て窒素雰囲気下で行った。)
SA004 (150 mg, 0.220 mmol) を加え、シリンジを用いてpyridine (4 mL)で溶解後、Ac2O (207 μL, 2.20 mmol)、DMAP (2.69 mg, 0.0220 mmol) を加え、60 ℃で2時間撹拌した。反応終了後、水 10 mLを加え反応を停止した。
続いてAcOEt (20 mL) で抽出を行った後、有機層をCuSO4aq (15 mL) で1回、水 (15 mL)で3回、飽和食塩水 (15 mL) で1回洗浄を行い、無水 Na2SO4 で乾燥した。その後、濾過し、エバポレーターで濃縮した後、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (シリカゲル 30 g, 展開溶媒 ; CHCl3 : MeOH = 80 : 1 → 50 : 1) で精製し、エバポレーターで濃縮した。さらに、真空ポンプで溶媒を留去し、黄色固体物質 P (172 mg, 0.194 mmol, 88%) を得た。
(化合物Q)
Olean-12-en-23, 28-dioic acid, 3-(β-D-glucopyranosyloxy)-2, 27-dihydroxy-3, 6-O-(4-methoxybenzyl)-,4-O-[(E)-3, 4-dimethoxycinnamoyl]-β-D-glucopyranosyl ester (Q)
一口10 mLナス型フラスコを真空ポンプで減圧しながらヒートガンでフラスコの、フラスコ内の水分を完全に取り除き、フラスコが冷めたところで窒素置換した。(以下の反応は、全て窒素雰囲気下で行った。)この10 mLフラスコにグリコシルアクセプター P(化合物P) (80.8 mg, 0.0907 mmol)、グリコシルドナー K(化合物K) (72.3 mg, 0.0907 mmol) を加えた後、シリンジを用いて無水CH2Cl2 (10 mL) に溶解させ、サンプル調製溶液とした。
一方、一口100 mLナス型フラスコを真空ポンプで減圧しながらヒートガンでフラスコ内の水分を完全に取り除き、フラスコが冷めたところで窒素置換した。この100 mLナス型フラスコにシリンジを用いて無水CH2Cl2 (50 mL)を入れ、TMSOTf (8.2 μL, 0.0454 mmol) を加えTMSOTf調製溶液とした。
調製したそれぞれの溶液を各10 mLずつ 10 mLのガスタイトシリンジに取り、マイクロフローリアクターに接続したテフロン(登録商標)製チューブ (長さ:試料導入部 48 cm, 反応溶液部 100 cn) に取り付けた。シリンジポンプを用いて、シリンジから同じ流量でテフロン(登録商標)製チューブへと溶液を流し、マイクロフローリアクター内で毎分0.2mL、−40 ℃で反応させた。その際、反応液をtriethylamine 100 μLをCH2Cl2 5 mLで薄めたtriethylamine溶液に直接滴下して反応を停止させた。流路混合時間は9.0 min, フロー終了時間は 100 minであった。
その後、反応液をエバポレーターで濃縮して、粗生成物 Q (115 mg, Q ; 64%) を得た。
(SA007)
Olean-12-en-23, 28-dioic acid, 3-(β-D-glucopyranosyloxy)-2, 27-dihydroxy-4-O-[(E)-3, 4-dimethoxycinnamoyl]-β-D-glucopyranosyl ester (SA007)
一口30 mL ナス型フラスコにマグネットを入れ Q (化合物Q) (16.7 mg, crude) を加えた。続いてCH2Cl2 (1.9 mL)、H2O (0.11 mL) を加えて撹拌して完全に溶かし、DDQ (14.4 mg, 0.0636 mmol) を加えて室温で1時間撹拌した。その後、無水Na2SO4を加え、反応を停止させた。
続いて、CH2Cl2 を用いてセライト濾過し、エバポレーターで溶媒を留去して粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ODSシリカゲル 30 g, 展開溶媒 ; acetonitrile : H2O = 3 : 7) で精製し、エバポレーターで濃縮し、混合物として粗生成物 SA007 (16.2 mg, SA007 ; 47%)を得た。
SA008は、化合物Rを経て以下の様に合成した。
(SA008)
Olean-12-en-23, 28-dioic acid, 3-[(2, 3, 4, 6, -tetra- O-acetyl--β-D-glucopyranosyl) oxy] -2, 27-dihydroxy-, 2, 3, 4, 6-tetra-O-acetyl-β-D-glucopyranosyl ester (R)
一口10 mLナス型フラスコを真空ポンプで減圧しながらヒートガンでフラスコの、フラスコ内の水分を完全に取り除き、フラスコが冷めたところで窒素置換した。(以下の反応は、全て窒素雰囲気下で行った。)この10 mLフラスコにグリコシルアクセプター P(化合物P) (71.0 mg, 0.0797 mmol)、グリコシルドナー D(化合物D) (78.5 mg, 0.159 mmol) を加えた後、シリンジを用いて無水CH2Cl2 (7.5 mL) に溶解させ、サンプル調製溶液とした。
一方、一口100 mLナス型フラスコを真空ポンプで減圧しながらヒートガンでフラスコ内の水分を完全に取り除き、フラスコが冷めたところで窒素置換した。この100 mLナス型フラスコにシリンジを用いて無水CH2Cl2 (75 mL)を入れ、TMSOTf (14.0 μL, 0.0797 mmol) を加えることでTMSOTf調製溶液とした。
調製したそれぞれの溶液を各7.5 mLずつ10 mLのガスタイトシリンジに取り、マイクロフローリアクターに接続したテフロン(登録商標)製チューブ (長さ:試料導入部 48 cm, 反応溶液部 100 cn) に取り付けた。シリンジポンプを用いて、シリンジから同じ流量でテフロン(登録商標)製チューブへと溶液を流し、マイクロフローリアクター内で毎分0.1mL、−40 ℃で反応させた。その際、反応液をtriethylamine 100 μLをCH2Cl2 3 mLで薄めたtriethylamine溶液に直接滴下して反応を停止させた。流路混合時間は4.5 min, フロー終了時間は 75 minであった。
その後、溶液をエバポレーターで濃縮して、粗生成物を得た。得られた粗生成物を シリカゲルカラムクロマトグラフィー (ODSシリカゲル 40 g, 展開溶媒 ; MeOH : H2O = 3 : 2 → 7 : 3 → 4 : 1 ) で精製し、エバポレーターで濃縮した。さらに、真空ポンプで溶媒を留去し、黄色固体物質 R (64.7 mg, 0.0530 mmol, 66%) を得た。
(SA008)
Olean-12-en-23, 28-dioic acid, 3-(β-D-glucopyranosyloxy-, 2-acetyl-, 27-hydroxy-β-D-glucopyranosyl ester (SA008)
一口10 mL ナス型フラスコにマグネットを入れ、真空ポンプで減圧しながらヒートガンでフラスコを熱し、フラスコ内部の水分を完全に取り除いた。フラスコが冷めたところで窒素置換した。(以下の反応は、全て窒素雰囲気下で行った。)
R(化合物R) (23.7 mg, 0.0194 mmol) を加え、シリンジを用いて無水 MeOH (0.5 mL) を加えて40 ℃で撹拌し、完全に溶かした。次に、 NaH (77.0 μg, 0.00194 mmol, 60% disp.) を加えた。 NaH を量るのに使用した薬さじ・薬包紙は直ちに水で洗浄した。40 ℃で24時間撹拌した後、水 5 mL で希釈した。続いて、反応液をDIAION(登録商標) HP-20 (15 cc)を用いて、H2O (100 mL)、MeOH (50 mL) で分画し、MeOH分画をエバポレーターで濃縮し、粗生成物を得た。得られた粗生成物を シリカゲルカラムクロマトグラフィー (ODSシリカゲル 20 g, 展開溶媒 ; MeOH : H2O = 7 : 3 ) で精製し、エバポレーターで濃縮した。さらに、真空ポンプで溶媒を留去する事により、黄色固体物質 SA008 (12.8 mg, 0.0145 mmol, 74%) を得た。
《比較試験例:Caco−2細胞での、抗酸化剤によるMeHg毒性軽減試験》
MeHg毒性軽減効果を奏する物質として、抗酸化剤であるDPQが知られている。そこでまず、DPQのMeHg毒性軽減効果をヒト結腸癌由来細胞であるCaco−2細胞を用いて確認した。さらに、抗酸化剤として知られるビタミンC(VC)、ビタミンE(VE)、ビタミンK(VK)、β‐カロテン、カテキン、クルクミン、及びレスベラトロールについても同様の試験を行った。
試験は、Caco-2細胞にMeHgと、既知の抗酸化剤とを添加し、数日間培養した後に、MTT試験により細胞生存率を算出することにより行った。なお、試験条件は後述の条件A−1である。
抗酸化剤によるMeHg毒性軽減試験を行った結果を図2に示す。結果は、表中に記載の抗酸化剤の添加濃度ごとに示す。表の横軸は添加したMeHgの濃度を表す。表の縦軸はMTT試験により算出した細胞数を表し、コントロールであるMeHg添加量が0μMでサンプル化合物の添加量が0μMの値を100%とした相対値で示す。
図2に示されるように、従来MeHg毒性軽減が報告されているDPQは、MeHg毒性軽効果を有することが示された。特に、MeHg:5μM、DPQ:10μM添加条件で、有意なMeHg毒性軽効果が示された(P<0.05vscontrol)。しかし、その他の抗酸化剤では、顕著なMeHg毒性軽減効果は認められなかった。
《試験例1:Caco−2細胞での、サポニン化合物によるMeHg毒性軽減試験》
ヒト結腸癌由来細胞であるCaco−2細胞を用いて試験を行った。試験は、Caco−2細胞にMeHgと、サンプル化合物(SA001〜SA003及びSA005〜SA008のいずれかの化合物)とを添加し、数日間培養した後に、MTT試験により細胞生存率を算出することにより行った。試験は、細胞の培養状態、MeHgとサンプル化合物との投与条件を変えた下記の計5条件により行った。
条件A−1:浮遊、前投与・Washなし
条件A−2:接着、前投与・Washなし
条件B :接着、前投与・Washあり
条件C :浮遊、同時投与
条件D :浮遊、後投与・Washなし
条件A−1の試験は、以下のように行った。96 well plateに、Caco-2 細胞を1.5× 10 cells/100μL/well 密度となるよう播種した後、サンプル化合物を所定の終濃度となるよう添加して1時間培養した後、MeHgを所定の終濃度となるよう添加して24時間培養し、その後培地交換を行い、さらに24時間培養し、ウェル内へとMTT試薬(ナカライテスク社、品番:23506−80)10μLを添加した後4時間培養を行い、ウェル内へとMTT可溶化液(ナカライテスク社、品番:23506−80)100μLを添加して、570nmの吸光度を測定した。なお、前記培養は全て37℃, 5.0% CO条件下で行った。
条件A−2の試験は、Caco-2 細胞を播種した後、サンプル化合物を添加する前に24時間培養を行い、細胞をウェルへと接着させた後にサンプル化合物を添加して行った以外は、前記条件A−1と同様の方法により行った。
条件Bの試験は、サンプル化合物を添加して1時間培養後、ウェルをリン酸緩衝液により洗浄した後でMeHgを添加して行った以外は、前記条件A−2と同様の方法により行った。
条件Cの試験は、Caco-2細胞を播種したのちに、サンプル化合物及びMeHgを同時に添加して行った以外は、前記条件A−1と同様の方法により行った。
条件Dの試験は、Caco-2 細胞を播種した後、MeHgを添加して1時間培養した後、サンプル化合物を添加して培養した以外は、前記条件A−1と同様の方法により行った。
条件A〜DのMeHgとサンプル化合物との投与条件のタイミングを説明する図を図1に示す。
[試験例1−1:条件A−1]
前記条件A−1の方法でMeHg毒性軽減試験を行った。結果を表中に記載のサンプル化合物の添加濃度ごとに示す。表の横軸は添加したMeHgの濃度を表す。表の縦軸はMTT試験により算出した細胞数を表し、コントロールであるMeHg添加量が0μMでサンプル化合物の添加量が0μMの値を100%とした相対値で示す。
本試験において、SA003、SA005、SA006、SA007、及びSA008のサンプル化合物がMeHg毒性軽減効果を有することが示された。結果を図3に示す。特に、SA003を用いた試験においては、MeHg:1μM,SA003:0.032μM添加条件、MeHg:1μM,SA003:0.32μM添加条件、MeHg:5μM,SA003:0.0032μM添加条件、及びMeHg:5μM,SA003:0.32μM添加条件で、有意なMeHg毒性軽効果が示された。SA006を用いた試験においては、MeHg:2.5μM,SA006:2.42μM添加条件で、有意なMeHg毒性軽効果が示された。SA007を用いた試験においては、MeHg:5μM,SA007:0.0242μM添加条件で、有意なMeHg毒性軽効果が示された。SA008を用いた試験においては、MeHg:5μM,SA007:0.0242μM添加条件で、有意なMeHg毒性軽効果が示された。SA008を用いた試験においては、MeHg:2.5μM,SA008:0.283μM添加条件、及びMeHg:2.5μM,SA008:2.83μM添加条件で、有意なMeHg毒性軽効果が示された。
[試験例1−2:条件C]
前記条件Cの方法でMeHg毒性軽減試験を行った。本試験においてSA001、SA002、及びSA003のサンプル化合物が、MeHg毒性軽減効果を有することが示された。結果を図4に示す。特に、SA002を用いた試験において、MeHg:1μM,SA002:0.0404μM添加条件、MeHg:1μM,SA002:4.04μM添加条件で有意なMeHg毒性軽効果が示された。
[試験例1−3:条件D]
前記条件Dの方法でMeHg毒性軽減試験を行った。本試験において、SA002、及びSA005のサンプル化合物が、MeHg毒性軽減効果を有することが判明した。結果を図5に示す。特に、SA002を用いた試験において、MeHg:1μM,SA002:0.0404μM添加条件で有意なMeHg毒性軽効果が示された。
[試験例1−4:条件A−2]
前記条件A−2の方法でMeHg毒性軽減試験を行った。本試験においてSA001、SA003、SA005、及びSA006のサンプル化合物が、MeHg毒性軽減効果を有することが示された。結果を図6に示す。特に、SA006を用いた試験において、MeHg:1μM,SA006:0.0242μM添加条件で有意なMeHg毒性軽効果が示された。
[試験例1−5:条件B]
前記条件Bの方法でMeHg毒性軽減試験を行った。本試験においてSA001、SA002、SA003、SA005、及びSA006のサンプル化合物が、MeHg毒性軽減効果を有することが示された。結果を図7に示す。特に、SA003を用いた試験においては、MeHg:1μM,SA003:1μM添加条件で有意なMeHg毒性軽効果が示された。SA005を用いた試験においては、MeHg:1μM,SA005:1μM添加条件、及びMeHg:1μM,SA005:10μM添加条件で、有意なMeHg毒性軽効果が示された。SA006を用いた試験においては、MeHg:5μM,SA006:1μM添加条件で有意なMeHg毒性軽効果が示された。
以上の結果から、本試験に用いたサンプル化合物は優れたMeHg毒性軽減効果を有することが示された。
また、上記条件Bにおいて得られた試験結果によれば、MeHg暴露よりも先にサンプル化合物を投与することでもMeHg毒性軽減効果がみられたことから、特にSA001、SA002、SA003、SA005、及びSA006のサンプル化合物が、MeHg中毒の予防効果を有することが示された。
《試験例2:マウスでの、サポニン化合物による抗MeHg効果試験》
試験例1において優れたMeHg毒性軽効果を示したサポニン化合物のうち、特に優れたMeHg毒性軽効果を示したSA003を選定し、マウスを用いたMeHg毒性軽効果試験を行った。
試験対象としては、NC/Ngaマウス(オス)を用いた。表1に示される量のMeHg、及び40mg/kgのSA003を1回分(1日分)としてマウスへ経口投与し、これを週に5回(週に5日)のペースで4週間行った。これをSA003投与群(SA003[+]群)とする。40mg/kgとは、マウス体重1kgあたり40mgのMeHgをマウスに投与したことを示す。その後マウスを解剖し、肝臓及び腎臓の各臓器の重量の平均と、肝臓、及び腎臓の各臓器、並びにマウス体毛における総水銀蓄積量の平均を求めた(n = 4〜6)。また、比較試験として、表1に示される量のMeHgをマウスへ経口投与し、SA003は投与しない条件でも試験を行った。これをSA003非投与群(SA003[−]群)とする。
なお、本試験では、アトピー性皮膚炎モデルマウスであるNC/Ngaマウスを用い、さらに、試験に用いた全てのマウスにダニ抗原(DA、エル・エス・エル社製、品番:LG5449)を0.2mg/kgを1回分(1日分)として、週に2回(週に2日)投与された条件の下、MeHg及びSA003のMeHg毒性軽減に係る効果を検証したが、健常マウスを用いてダニ抗原の投与を行わなかった場合でも、本試験と同等の結果が得られると期待される。
試験例2において測定された肝臓及び腎臓の重量を表1に示す。
表1において示されるように、本試験においては、マウスの各臓器重量は、MeHgの暴露濃度の違いによる有意な変化は見られなかった。
試験例2において測定された肝臓、腎臓、及びマウス体毛での総水銀蓄積量を表2に示す。
表2中の記号は、p<0.05 vs.MeHg(0 mg/kg)、**p<0.01 vs.MeHg(0 mg/kg)、#p<0.05 vs.SA003[−]、##p<0.01 vs.SA003[−]であることを示す。
表2において示されるように、MeHgおよびSA003を同時に経口投与した群のMeHgの臓器への蓄積は、MeHgのみを経口投与した群に比べて低下した。なかでも、SA003[+]MeHg(0.02mg/kg)群での肝臓及び腎臓中の総水銀濃度は、SA003[−] MeHg (0.02mg/kg)群と比較して特に有意に低下していた。
従って、SA003は、MeHgの臓器への移行性を腸管からの吸収を抑制する、あるいは排出を促進することにより体内へのメチル水銀の蓄積性を低下させ、MeHgを解毒する可能性が示唆された。
本発明の抗水銀剤は、優れた水銀毒性軽減効果および水銀蓄積抑制効果を有するため、水銀の摂取を原因とするあらゆる症状の治療、原因解明等に利用可能である。

Claims (3)

  1. 下記一般式(3)で表される化合物を有効成分として含有することを特徴とする抗水銀剤。
    [式(3)中、R は、水素原子を表し、R は、糖鎖基単糖数が1個の糖鎖基を表す 及び それぞれ独立して炭素数1〜4のアルキル基を表し、R は水素原子を表す。]
  2. 前記R 及び メチル基表す請求項1に記載の抗水銀剤。
  3. 前記糖鎖基の糖が、グルコース、ガラクトース、フルクトース、キシロース、マンノース、グルクロン酸、ガラクツロン酸、フコース、ラムノース、アピオース、アラビノース、及びN−アセチルグルコサミンからなる群より選ばれるいずれか1種の糖である請求項1又は2に記載の抗水銀剤。
JP2014007226A 2014-01-17 2014-01-17 抗水銀剤 Active JP6323900B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014007226A JP6323900B2 (ja) 2014-01-17 2014-01-17 抗水銀剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014007226A JP6323900B2 (ja) 2014-01-17 2014-01-17 抗水銀剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015134735A JP2015134735A (ja) 2015-07-27
JP6323900B2 true JP6323900B2 (ja) 2018-05-16

Family

ID=53766887

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014007226A Active JP6323900B2 (ja) 2014-01-17 2014-01-17 抗水銀剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6323900B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015134735A (ja) 2015-07-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20230293458A1 (en) Multibiotic agents and methods of using the same
US8741871B2 (en) Trehalose compound, method for producing same, and pharmaceutical product containing the compound
JPH04503363A (ja) 新規リピドa誘導体およびその用途
Chen et al. Absorption characteristics of chitobiose and chitopentaose in the human intestinal cell line Caco-2 and everted gut sacs
JP2011525486A (ja) 活動亢進性免疫系を治療するためのシクロリグナンの使用
ES2362065B1 (es) Compuestos con actividad antiinflamatoria.
CA2692075A1 (en) Pharmaceutical composition comprising a trihydroxy-chromen-one derivative
JP6323900B2 (ja) 抗水銀剤
EP3728280B1 (en) Method for improving the oral bioavailability of a drug
JP4930929B2 (ja) シアリルラクトサミン結合デンドリマー化合物
CN105503988B (zh) 天然抗癫痫活性化合物及其在药物制剂中的用途
JPH10287617A (ja) 新規ジテルペン類及びジテルペン類を有効成分とする抗ウイルス剤
JP6917662B2 (ja) 腸内細菌叢改善組成物
WO2008084561A1 (ja) α-N-アセチルグルコサミニル結合単糖誘導体を含有するピロリ菌増殖抑制剤
Zhou et al. A purified fraction of polysaccharides from the fruits of Lycium barbarum L. improves glucose homeostasis and intestinal barrier function in high-fat diet-fed mice
WO2014173957A2 (en) Compound
JP2000239169A (ja) 抗発癌プロモーター剤
JP6397695B2 (ja) 抗ピロリ菌剤
CA2308806C (en) Flavone analogues useful as antirejection agents
JP5283033B2 (ja) シアリルα(2→6)ラクトース含有化合物及びその使用
CN1658865A (zh) 10-氧-对羟基苯甲酰桃叶珊瑚苷的护肝活性
JP2006320329A5 (ja)
JP2009242387A (ja) チオシアロシド型オリゴ糖を含む糖鎖デンドリマーの製造方法及びその利用
JP2002179574A (ja) アジュバント活性物質
Walkowicz Design and Synthesis of Quillaja Saponin Adjuvants and Synthesis of Lablaboside Saponins

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160818

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170523

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20170719

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170911

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20171205

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180201

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20180209

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180327

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180406

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6323900

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250