JP6322109B2 - 車両の走行制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、走行環境を認識し、自車両の走行情報を検出して自動運転制御を行う車両の走行制御装置に関する。
近年、車両においては、ドライバの運転を、より快適に安全に行えるように自動運転の技術を利用した様々なものが開発され提案されている。例えば、特開2003−63373号公報(以下、特許文献1)では、ステアリングシステムに故障が発生した場合、左右の車輪に付与するブレーキ力を制御して車両の進路を変更して所定の退避領域内に車両を停止させる車両の自動退避装置の技術が開示されている。
特開2003−63373号公報
上述の特許文献1の車両の自動退避装置の技術に開示されるように、各輪のブレーキ制御等によって車両にヨーモーメントを付加した場合、実際に発生するヨーレートはハンドルを保舵しているか否かによって大きく異なる。例えば、ドライバがハンドルから手を放している場合は、ヨーモーメントによる車両旋回状態に応じたセルフステアが生じ、舵角が固定されている場合とは異なるヨーレートで車両は旋回してしまう。そこで、ドライバの操舵状態を操舵トルクセンサや操舵角センサ等により検出し、検出したドライバの操舵状態に応じて付加ヨーモーメントを調整することも考えられるが、操舵系に異常が生じている状況下では、操舵トルクや操舵角のセンサ信号が得られない可能性も高く、ドライバの操舵状態を検出できずに、十分なヨーモーメント制御ができなくなる虞がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、自動運転制御において、たとえ操舵系に異常が生じてブレーキ力等により車両にヨーモーメントを付加する代替制御を行う場合であっても、ドライバの保舵状態に依らず代替制御を確実に機能させ、車両の安全を確保することができる車両の走行制御装置を提供することを目的とする。
本発明の車両の走行制御装置の一態様は、自車両が走行する走行環境情報を取得する走行環境情報取得手段と、自車両の走行情報を検出する走行情報検出手段とを備え、上記走行環境情報と上記自車両の走行情報に基づいて自動運転制御を実行する車両の走行制御装置において、上記走行環境と上記走行情報に基づいて自車両が車線変更する車線変更位置を認識し設定する車線変更位置設定手段と、自車両の操舵系の異常を検出する操舵系異常検出手段と、ドライバの保舵状態に依存することなく車両をヨーモーメント制御自在な車速を車線変更時車速として算出する車線変更時車速算出手段と、上記車線変更位置で車線変更する際、上記操舵系異常検出手段で自車両の操舵系の異常が検出されている場合に、上記車線変更時車速に基づいて車両にヨーモーメントを付加して上記車線変更位置を通過する、上記操舵系以外のヨーモーメント制御手段とを備えた。
本発明による車両の走行制御装置によれば、自動運転制御において、たとえ操舵系に異常が生じてブレーキ力等により車両にヨーモーメントを付加する代替制御を行う場合であっても、ドライバの保舵状態に依らず代替制御を確実に機能させ、車両の安全を確保することが可能となる。
本発明の実施の一形態による、車両の走行制御装置の全体構成図である。 本発明の実施の一形態による、分岐路進入時における自動運転制御のフローチャートである。 本発明の実施の一形態による、ヨーブレーキ車線変更時車速の説明図である。 本発明の実施の一形態による、車線変更が行われる例の説明図で、図4(a)は分岐路の場合を示し、図4(b)は路肩に退避する場合を示し、図4(c)は合流する場合を示す。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1において、符号1は、車両の走行制御装置を示し、この走行制御装置1には、走行制御部10に、周辺環境認識装置11、走行パラメータ検出装置12、自車位置情報検出装置13、車車間通信装置14、道路交通情報通信装置15、スイッチ群16の各入力装置と、エンジン制御装置21、ブレーキ制御装置22、ステアリング制御装置23、表示装置24、スピーカ・ブザー25の各出力装置が接続されている。
周辺環境認識装置11は、車両の外部環境を撮影して画像情報を取得する車室内に設けた固体撮像素子等を備えたカメラ装置(ステレオカメラ、単眼カメラ、カラーカメラ等:図示せず)と、車両の周辺に存在する立体物からの反射波を受信するレーダ装置(レーザレーダ、ミリ波レーダ、超音波レーダ等:図示せず)で構成されている。
周辺環境認識装置11は、カメラ装置で撮像した画像情報を基に、例えば、距離情報に対して周知のグルーピング処理を行い、グルーピング処理した距離情報を予め設定しておいた三次元的な道路形状データや立体物データ等と比較することにより、車線区画線データ、道路に沿って存在するガードレール、縁石等の側壁データ、車両等の立体物データ等を自車両からの相対的な位置(距離、角度)を、速度と共に抽出する。
また、周辺環境認識装置11は、レーダ装置で取得した反射波情報を基に、反射した立体物の存在する位置(距離、角度)を、速度と共に検出する。このように、周辺環境認識装置11は走行環境情報取得手段として設けられている。
走行パラメータ検出装置12は、自車両の走行情報、具体的には、車速、ハンドル角、ヨーレート、アクセル開度、スロットル開度、及び走行する路面の路面勾配、路面摩擦係数推定値等を検出する。このように、走行パラメータ検出装置12は、走行情報検出手段として設けられている。
自車位置情報検出装置13は、例えば、公知のナビゲーションシステムであり、例えば、GPS[Global Positioning System:全地球測位システム]衛星から発信された電波を受信し、その電波情報に基づいて現在位置を検出して、フラッシュメモリや、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、ブルーレイ(Blu−ray;登録商標)ディスク、HDD( Hard disk drive)等に予め記憶しておいた地図データ上に自車位置を特定する。
この予め記憶される地図データとしては、道路データおよび施設データを有している。道路データは、リンクの位置情報、種別情報、ノードの位置情報、種別情報、および、ノードとリンクとの接続関係の情報、すなわち、道路の分岐(図4(a)参照)、合流(図4(c)参照)地点情報と分岐路における最大車速情報等を含んでいる。施設データは、施設毎のレコードを複数有しており、各レコードは、対象とする施設の名称情報、所在位置情報、施設種別(デパート、商店、レストラン、駐車場、公園、車両の故障時の修理拠点の別)情報を示すデータを有している。そして、地図位置上の自車位置を表示して、操作者により目的地が入力されると、出発地から目的地までの経路が所定に演算され、ディスプレイ、モニタ等の表示装置24に表示され、また、スピーカ・ブザー25により音声案内して誘導自在になっている。このように、自車位置情報検出装置13は、走行環境情報取得手段として設けられている。
車車間通信装置14は、例えば、無線LANなど100[m]程度の通信エリアを有する狭域無線通信装置で構成され、サーバなどを介さずに他の車両と直接通信を行い、情報の送受信を行うことが可能となっている。そして、他の車両との相互通信により、車両情報、走行情報、交通環境情報等を交換する。車両情報としては車種(本形態では、乗用車、トラック、二輪車等の種別)を示す固有情報がある。また、走行情報としては車速、位置情報、ブレーキランプの点灯情報、右左折時に発信される方向指示器の点滅情報、緊急停止時に点滅されるハザードランプの点滅情報がある。更に、交通環境情報としては、道路の渋滞情報、工事情報等の状況によって変化する情報が含まれている。このように、車車間通信装置14は、走行環境情報取得手段として設けられている。
道路交通情報通信装置15は、所謂、道路交通情報通信システム(VICS:Vehicle Information and Communication System:登録商標)で、FM多重放送や道路上の発信機から、渋滞や事故、工事、所要時間、駐車場の道路交通情報をリアルタイムに受信し、この受信した交通情報を、上述の予め記憶しておいた地図データ上に表示する装置となっている。このように、道路交通情報通信装置15は、走行環境情報取得手段として設けられている。
スイッチ群16は、ドライバの運転支援制御に係るスイッチ群で、例えば、速度を予め設定しておいた一定速で走行制御させるスイッチ、或いは、先行車との車間距離、車間時間を予め設定しておいた一定値に維持して追従制御させるためのスイッチ、走行車線を設定車線に維持して走行制御するレーンキープ制御のスイッチ、走行車線からの逸脱防止制御を行う車線逸脱防止制御のスイッチ、先行車(追い越し対象車両)の追い越し制御を実行させる追い越し制御実行許可スイッチ、これら全ての制御を協調して行わせる自動運転制御を実行させるためのスイッチ、これら各制御に必要な車速、車間距離、車間時間、制限速度等を設定するスイッチ、或いは、これら各制御を解除するスイッチ等から構成されている。
エンジン制御装置21は、例えば、吸入空気量、スロットル開度、エンジン水温、吸気温度、酸素濃度、クランク角、アクセル開度、その他の車両情報に基づき、車両のエンジン(図示せず)についての燃料噴射制御、点火時期制御、電子制御スロットル弁の制御等の主要な制御を行う公知の制御ユニットである。
ブレーキ制御装置22は、例えば、ブレーキスイッチ、4輪の車輪速、ハンドル角、ヨーレート、その他の車両情報に基づき、4輪のブレーキ装置(図示せず)をドライバのブレーキ操作とは独立して制御可能で、公知のアンチロック・ブレーキ・システム(Antilock Brake System)や、横すべり防止制御等の車両に付加するヨーモーメントを制御するヨーモーメント制御を行う公知の制御ユニットである。そして、ブレーキ制御装置22は、走行制御部10から、各輪のブレーキ力が入力された場合には、該ブレーキ力に基づいて各輪のブレーキ液圧を算出し、ブレーキ駆動部(図示せず)を作動させる。このように、ブレーキ制御装置22は、ヨーモーメント制御手段を構成している。
ステアリング制御装置23は、例えば、車速、操舵トルク、ハンドル角、ヨーレート、その他の車両情報に基づき、車両の操舵系に設けた電動パワーステアリングモータ(図示せず)によるアシストトルクを制御する、公知の制御装置である。また、ステアリング制御装置23は、上述の走行車線を設定車線に維持して走行制御するレーンキープ制御、走行車線からの逸脱防止制御を行う車線逸脱防止制御が可能となっており、これらレーンキープ制御、車線逸脱防止制御に必要な操舵角、或いは、操舵トルクが、走行制御部10により算出されてステアリング制御装置23に入力され、入力された制御量に応じて電動パワーステアリングモータが駆動制御される。また、ステアリング制御装置23では、操舵機構を含む操舵系の異常を検出するようになっており、走行制御部10により操舵系の異常状態の発生が監視されている。このように、ステアリング制御装置23は、操舵系異常検出手段として設けられている。
表示装置24は、例えば、モニタ、ディスプレイ、アラームランプ等のドライバに対して視覚的な警告、報知を行う装置である。また、スピーカ・ブザー25は、ドライバに対して聴覚的な警告、報知を行う装置である。
そして、走行制御部10は、上述の各装置11〜16からの各入力信号に基づいて、障害物等との衝突防止制御、定速走行制御、追従走行制御、レーンキープ制御、車線逸脱防止制御、その他追い越し制御等を協調させて行って自動運転制御等を実行する。この際、例えばナビゲーションシステムによる誘導経路等で、自車両の走行路上に車線の分岐路等の自車両が車線変更する車線変更位置を認識した場合に、この車線の分岐部分を車線変更位置として設定する。具体的には、ナビゲーションシステムの地図データを形成する現在走行中の車線のリンクと分岐車線のリンクの交点近傍のノード位置、或いは、走行車線に対する分岐路の地図データ上での(道路が交わる部分の)形状、位置に応じて適宜設定される。そして、自車両の操舵系の異常が検出されている場合は、ドライバの保舵状態に依存することなく車両をヨーモーメント制御自在な車速を車線変更時車速として算出し、車線変更時車速に基づいてブレーキ力により車両にヨーモーメントを付加して(ヨーブレーキ制御を実行して)、車線変更位置を通過する。このように、走行制御部10は、車線変更位置設定手段、車線変更時車速算出手段として設けられ、前述のブレーキ制御装置22と共にヨーモーメント制御手段として設けられている。
次に、走行制御部10で実行される、分岐路進入時における自動運転制御を、図2のフローチャートで説明する。
まず、ステップ(以下、「S」と略称)101では、自動運転制御が実行されている自動運転状態か否か判定され、自動運転状態ではない場合は、プログラムを抜け、自動運転状態の場合には、S102に進み、前方に車線の分岐部分が存在し、車線変更位置として設定されているか否か判定される。
S102の判定の結果、車線変更位置が設定されておらず、分岐路に進入しない場合には、プログラムを抜ける。逆に、車線変更位置が設定されて、分岐路に進入する場合には、S103に進む。
S103に進むと、操舵系の異常が検出されているか否か判定され、操舵系の異常が検出されていない場合は、S104に進み、減速制御が実行される。
以下、図4(a)を基に、減速制御について説明する。
加減速開始時の初速(現在の車速)をV0とし、予め設定しておいた加減速度を(dX/dt)とし、加減速開始地点から車線変更位置までの時間をtとすると、車線変更位置での目標車速Vtは、以下の(1)式により得られる。
Vt=V0+(dX/dt)・t ・・・(1)
このときの距離、すなわち、加減速開始地点から車線変更位置までの距離Lxは、以下の(2)式により得られる。
Lx=V0・t+(1/2)・(dX/dt)・t ・・(2)
以上の(1)式、(2)式より、以下の(3)式が得られる。
Lx=(Vt−V0)/(2・(dX/dt)) ・・(3)
ここで、目標車速Vtは、地図データ、或いは、分岐路の走行車線に対する角度、道路幅等に応じて予め実験、計算等により設定しておいた既知の速度であるため、自車両が、現在位置から、(3)式で算出されるLxの距離に到達したときから、加減速度(dX/dt)を発生させる減速制御を開始させることにより、車線変更位置を目標車速Vtで通過させることができる。
この際、走行制御部10からブレーキ制御装置22に出力される各輪のブレーキ力(左前輪のブレーキ力Ffl、右前輪のブレーキ力Ffr、左後輪のブレーキ力Frl、右後輪のブレーキ力Frr)は、例えば、以下の(4)式、(5)式により、算出される。
Ffl=Ffr=(dx/2)・Fx ・・・(4)
Frl=Frr=((1−dx)/2)・Fx ・・・(5)
ここで、dxは減速度制御の前後制動力配分比(前輪側制動力/総制動力)であり、Fxは目標加減速度に応じたブレーキ力の総和で、以下の(6)式で算出される。
Fx=−m・(dX/dt) ・・・(6)
ここで、mは車両質量である。
尚、この減速度制御において、車線変更位置が車線を変更する地点として不適切であれば、加減速の開始点や減速度を調整して適切な位置になるように調整される。
その後、S105に進み、舵角制御が実行される。
以下、車両の車線変更と、それに伴う舵角制御について説明する。
自車両が車線変更する際の車両軌跡を、その一例として、走行距離をx方向とし、横移動量(車線変更幅)をy方向とする2次元座標上において、ジャーク(∫dy/dx)最小軌跡の正規化多項式で求めるものとする。
この場合、y(0)=0、y(1)=1、dy(0)/dx=dy(0)/dx=0、dy(1)/dx=dy (1)/dx=0を満足するものとして、以下の(7)式が得られる。
y=6・x−15・x+10・x ・・・(7)
この(7)式を微分処理し、以下の(8)、(9)、(10)式を得る。
dy/dx=30・(x−2・x+x)・・・(8)
y/dx=60・(2・x−3・x+x)・・・(9)
y/dx=60・(6・x−6・x+1)・・・(10)
そして、上述の(10)式により、dy/dx=0となるときのxを逆算すると、以下の(11)式が得られる。
x(dy/dx=0)=(3±31/2)/6・・・(11)
このxの値から、(9)式により、dy/dxを算出して、この正規化曲率値を横加速度の最大値の絶対値|(dy/dx)max|とすると、以下の(12)の値を得る。
|(dy/dx)max|=10・31/2/3≒5.77・・・(12)
また、上述の横加速度の最大値(dy/dx)maxを用いて、車線変更時の最大横加速度(dY/dt)max_c(予め設定する値)を表現すると、車線変更に要する走行距離をLyとし、車線変更幅をWとして以下の(13)式となる。
(dy/dx)max・W/(Ly/V)=(dY/dt)max_c
・・・(13)
この(13)式を走行距離Lyについて解くと、以下の(14)式が得られる。
Ly=(5.77・W・V/(dY/dt)max_c)1/2
・・・(14)
また、推定される自車両のx方向の正規化した走行距離をxeとすると、
xe=(∫V・dt)/Ly ・・・(15)
となる。目標ヨーレートγtと車速Vと横加速度(dy/dx)の関係は、以下の(16)式で表されるため、目標ヨーレートγtは、前述の(9)式を用いて、以下の(17)式となる。
γt・V=(dy/dx)・W/(Ly/V)・・・(16)
γt=60・(2・xe−3・xe+xe)・W・V/Ly
・・・(17)
この目標ヨーレートγtを、以下の目標ハンドル角θHtの関係式((18)式)に代入することにより、制御に必要な(ステアリング制御装置23に出力される)目標ハンドル角θHtが求められる。
θHt=γt・n/Gγ ・・・(18)
ここで、nはステアリングギヤ比であり、Gγはヨーレートゲインであり、ヨーレートゲインGγは、例えば、以下の(19)式により算出できる。
Gγ=(1/(1+A・V))・(V/l)・・・(19)
ここで、lはホイールベース、Aは車両固有のスタビリティファクタで、例えば、以下の(20)式により算出される。
A=−(m/(2・l))・(lf・Kf−lr・Kr)/(Kf・Kr)
・・・(20)
ここで、Kfは前輪のコーナリングパワ、Krは後輪のコーナリングパワ、lfは前軸−重心間距離、lrは後軸−重心間距離である。
すなわち、このS105では、車線変更位置における、前述の(14)式で算出される車線変更に要する走行距離Lyで規定される車線変更制御開始の地点に自車両が到達した場合に、上述の(18)式で算出される目標ハンドル角θHtをステアリング制御装置23に出力することにより舵角制御を行うものである。
一方、前述のS103で、操舵系の異常が検出されている場合は、S106に、以下の(21)式により、ブレーキ力により車両にヨーモーメントを付加するヨーブレーキ制御の車線変更時車速(ヨーブレーキ車線変更時車速)Vaveを算出する。
Vave=((2・l・Kr)/m)1/2 ・・・(21)
以下、ヨーブレーキ車線変更時車速Vaveの意味について説明する。
まず、ドライバがハンドルを操作/固定している場合の車両運動は、以下の(22)式、(23)式で与えられる。
2・(Kf+Kr)・β+(m・V+(2/V)
・(lf・Kf−lr・Kr))・γ=2・Kf・δ ・・・(22)
2・(lf・Kf−lr・Kr)・β+(2・(lf・Kf
+lr・Kr)/V)・γ=2・lf・Kf・δ+Mz ・・・(23)
ここで、βは車体すべり角、γはヨーレート、δは前輪舵角、Mzは付加ヨーモーメントである。
(22)式、(23)式より、ヨーレートγは、以下の(24)式により得られる。
γ=(1/(1+A・V))・(V/l)・(δ+((Kf+Kr)
/(2・l・Kf・Kr))・Mz) ・・・(24)
このヨーレートγの特性を図3の実線で示す。尚、図3の実線の特性は、ドライバがハンドルを中立位置で保舵したときのものである。
一方、ドライバがハンドルから手を放している場合は、セルフアライニングトルクに応じて前輪が自由に転舵して横力は発生しないので、この時の車両運動は、(22)式、(23)式のKfを0と置いた以下の(25)式、(26)式で与えられる。
2・Kr・β+(m・V−(2/V)・lr・Kr)・γ=0
・・・(25)
−2・lr・Kr・β+((2・lr・Kr)/V)・γ=Mz
・・・(26)
(25)式、(26)式より、ヨーレートγは、以下の(27)式により得られる。
γ=Mz/(m・lr・V) ・・・(27)
このヨーレートγの特性を図3の破線で示す。
(24)式、(27)式、図3からも明らかなように、ブレーキ力により車両のヨーモーメント制御を行う場合、ヨーモーメント制御によって発生するヨーレートγは、舵角が固定されている場合と、セルフアライメントトルクによって舵角が変化する場合とで異なる。しかし、これら2つの場合(ハンドルが保舵された場合、保舵されていない場合)であっても、発生するヨーレートが一致する車速域がある。本願発明者は、この事象に着目して本願を発明するに至ったものであり、車速を、この車速に制御してヨーモーメント制御することにより、たとえ操舵系に異常が生じてブレーキ力等により車両にヨーモーメントを付加する代替制御を行う場合であっても、ドライバの保舵状態に依らず代替制御を確実に機能させ、車両の安全を確保することができるようにするものである。
すなわち、上述の(24)式、(27)式を基に、
γ=(1/(1+A・V))・(V/l)・(δ+((Kf+Kr)/(2・l・Kf・Kr))・Mz)=Mz/(m・lr・V) ・・(28)
の式をVについて解いた車速の値が、ドライバの保舵状態に依存することなく車両をヨーモーメント制御自在な車線変更時車速Vaveであり、前述の(21)式で表されるものである。
このS106の後は、S107に進み、ヨーブレーキ制御を実行する。
具体的には、前述のヨーブレーキ車線変更時車速Vaveを目標車速Vtとする減速制御と、ヨーブレーキ車線変更時車速Vaveに基づくヨーモーメント制御が実行される。
すなわち、減速制御の開始位置は、前述の(3)式と同様、
Lx=(Vave−V0)/(2・(dX/dt)) ・・(29)
で設定される。
また、ブレーキ制御装置22で発生させる目標ヨーモーメントMztは、前述の(27)式の関係があるから、車速Vを時々刻々の実車速vとし、前述の(17)式の目標ヨーレートγtを用いて、以下の(30)式により算出する。
Mzt=m・lr・v・γt ・・・(30)
そして、この目標ヨーモーメントMztを基に、目標ヨーモーメントに応じた左右輪ブレーキ力差の総和Fyは、トレッドをdとして、以下の(31)式により算出される。
Fy=Mzt/d ・・・(31)
以上により、ヨーブレーキ制御による、各輪のブレーキ力(旋回内側前輪のブレーキ力Ffi、旋回外側前輪のブレーキ力Ffo、旋回内側後輪のブレーキ力Fri、旋回外側後輪のブレーキ力Fro)は、以下の(32)式〜(35)式により算出され、ブレーキ制御装置22に出力される。
Ffi=(dx/2)・Fx+dy・Fy ・・・(32)
Ffo=(dx/2)・Fx−dy・Fy ・・・(33)
Fri=((1−dx)/2)・Fx+(1−dy)・Fy ・・・(34)
Fro=((1−dx)/2)・Fx−(1−dy)・Fy ・・・(35)
ここで、dyはヨーモーメント制御の前後軸配分比(前軸のヨーモーメント/総ヨーモーメント)である。
そして、このS107の次は、S108に進み、表示装置24のディスプレイ、モニタ、アラームランプ、及び、スピーカ・ブザー25が作動され、操舵系に異常が生じていること、及び、この操舵系の異常によりヨーブレーキ制御が実行されていることがドライバに報知される。
このように、本発明の実施の形態によれば、自動運転制御の際、自車両の走行路上に車線の分岐路等の自車両が車線変更する車線変更位置を認識した場合に、この車線の分岐部分を車線変更位置として設定する。そして、自車両の操舵系の異常が検出されている場合は、ドライバの保舵状態に依存することなく車両をヨーモーメント制御自在な車速を車線変更時車速Vaveとして算出し、この車線変更時車速Vaveに基づいてヨーブレーキ制御を実行して車線変更位置を通過する。このため、自動運転制御において、たとえ操舵系に異常が生じてブレーキ力等により車両にヨーモーメントを付加する代替制御を行う場合であっても、ドライバの保舵状態に依らず代替制御を確実に機能させ、車両の安全を確保することが可能となる。
尚、本発明の実施の形態では、車両が自動運転制御中に車線変更を状況として分岐路に進入する場合(図4(a)のような場合)を例に説明したが、路肩へ退避させる制御を実行する場合(図4(b)参照)においても同様に適用できる。この場合、路肩への車線変更は、例えば、ターンシグナルランプの作動状態、検出される先行車両、前方障害物の位置、車両の走行車線に対するヨー角、前方道路の状態、車車間通信装置14からの情報、道路交通情報通信装置15からの情報等に基づいて路肩への退避を推定し、車線変更位置を推定して、上述の分岐路進入の場合の制御と同様に、減速、車線変更して実行できる。
また、図4(c)に示すような、本線に合流する状況においても本発明は適用できる。この場合、車速は減速ではなく、加速することになるが、加速度はエンジン駆動力やモータ駆動力(ハイブリッド車両、電気自動車)で得るようにして、車両に付加するヨーモーメントは、例えば、左輪側と右輪側とにクラッチ手段を設け、これらクラッチ手段等の締結・開放を制御することによって得るようにし、加速、車線変更して実行できる。
1 走行制御装置
10 走行制御部(車線変更位置設定手段、車線変更時車速算出手段、ヨーモーメント制御手段)
11 周辺環境認識装置(走行環境情報取得手段)
12 走行パラメータ検出装置(走行情報検出手段)
13 自車位置情報検出装置(走行環境情報取得手段)
14 車車間通信装置(走行環境情報取得手段)
15 道路交通情報通信装置(走行環境情報取得手段)
16 スイッチ群
21 エンジン制御装置
22 ブレーキ制御装置(ヨーモーメント制御手段)
23 ステアリング制御装置(操舵系、操舵系異常検出手段)
24 表示装置
25 スピーカ・ブザー

Claims (4)

  1. 自車両が走行する走行環境情報を取得する走行環境情報取得手段と、自車両の走行情報を検出する走行情報検出手段とを備え、上記走行環境情報と上記自車両の走行情報に基づいて自動運転制御を実行する車両の走行制御装置において、
    上記走行環境と上記走行情報に基づいて自車両が車線変更する車線変更位置を認識し設定する車線変更位置設定手段と、
    自車両の操舵系の異常を検出する操舵系異常検出手段と、
    ドライバの保舵状態に依存することなく車両をヨーモーメント制御自在な車速を車線変更時車速として算出する車線変更時車速算出手段と、
    上記車線変更位置で車線変更する際、上記操舵系異常検出手段で自車両の操舵系の異常が検出されている場合に、上記車線変更時車速に基づいて車両にヨーモーメントを付加して上記車線変更位置を通過する、上記操舵系以外のヨーモーメント制御手段と、
    を備えたことを特徴とする車両の走行制御装置。
  2. 上記ヨーモーメント制御手段は、各輪のブレーキ力を制御することにより車両にヨーモーメントを付加するブレーキ制御手段であって、
    上記車線変更位置で車線変更する際、上記操舵系異常検出手段で自車両の操舵系の異常が検出されている場合に、上記車線変更時車速に基づいて各輪のブレーキ力を制御し、車両の減速制御とヨーモーメント制御を実行して上記車線変更位置を通過することを特徴とする請求項1記載の車両の走行制御装置。
  3. 上記車線変更位置で車線変更する際、上記操舵系異常検出手段で自車両の操舵系の異常が検出されていない場合は、車両のヨーモーメント制御は上記操舵系により実行することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車両の走行制御装置。
  4. 上記車線変更時車速算出手段は、上記車線変更時車速を、車両のホイールベースと後輪のコーナリングパワと車両質量に基づいて算出することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一つに記載の車両の走行制御装置。
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