JP6322008B2 - 流動層反応器の設計方法 - Google Patents
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Description
前記除熱管の除熱機能が、当該除熱管による冷却効果の無駄時間+1次遅れ系の関数で表現でき、かつ、この関数におけるこれら無駄時間と1次遅れ時定数の各パラメータが前記除熱管からの距離および除熱管長さに依存することを利用して前記除熱管の系列数と除熱管の配置パターンを決定する、というものである。
前記温度不安定系における前記流動層反応器の内部温度の時間変化を記述する微分方程式を構築し、
その微分方程式に前記除熱管による冷却・制御項を加え、
前記除熱管の種々の配置パターンおよび種々の除熱変化量でシミュレーションを行い、温度が発散しない配置パターンと除熱量変動の組み合わせを導き、前記除熱管の系列数と除熱管の配置パターンを決定することができる。
・実施する反応がプロパンおよび/またはプロピレンを原料とする気相アンモ酸化反応であり、反応の生成物がアクリロニトリルであることを特徴とする流動層反応器。
・実施する反応が1−ブテン、2−ブテン、1−ブテンまたは2−ブテンを含む混合物を原料とする気相酸化脱水素反応であり、反応の生成物が1,3−ブタジエンであることを特徴とする流動層反応器。
・実施する反応がn−ブタン、1−ブテン、2−ブテン、ブタジエン、ベンゼンから選ばれる一つ以上を原料とする気相酸化反応であり、反応の生成物が無水マレイン酸であることを特徴とする流動層反応器。
・実施する反応がi−ブテンおよび/またはi−ブタンを原料とする気相アンモ酸化反応であり、反応の生成物がメタクリロニトリルであることを特徴とする流動層反応器。
・実施する反応がo−キシレンおよび/またはナフタレンを原料とする気相酸化反応であり、反応の生成物が無水フタル酸であることを特徴とする流動層反応器。
・実施する反応がフェノールおよびメタノールを原料とする気相酸化反応であり、反応の生成物が2,6−キシレノールおよび/またはo−クレゾールであることを特徴とする流動層反応器。
・実施する反応がメタンおよび/またはメタノールを原料とする気相アンモ酸化反応であり、反応の生成物が青酸(HCN)であることを特徴とする流動層反応器。
・実施する反応がエタン、エテン、エタノールから選ばれる一つ以上を原料とする気相アンモ酸化反応であり、反応の生成物がアセトニトリルであることを特徴とする流動層反応器。
[1]まず、系の温度の時間変化を記述する簡単な微分方程式を構築する。
[2]その微分方程式に温度調節用除熱管7による冷却・制御項を加える。これは、数式上では制御項qc(温度調節用除熱管7による除熱効果)の項を数式に加えることに該当するものであり、その詳細については後述する。
[3]温度調節用除熱管7の除熱機能を無駄時間+1次遅れ系で表現し、かつこれらのパラメータを温度調節用除熱管7からの距離および温度調節用除熱管7の長さの関数として表現する。これは流動層での簡易テスト情報から整理する。
[4]さまざまな温度調節用除熱管7の配置パターンおよびさまざまな除熱変化量でシミュレーションを行い、温度が発散しない配置パターンと除熱量変動の組み合わせを導く。微分方程式を解く方法としては、例えばルンゲクッタギル法がある。
MCp(dT/dt)=△q ‥‥(1)
ここでM, Cp, Tおよびtはそれぞれ系内質量、系の比熱、系内温度および時間である。
△q=[(反応発熱量)−(供給ガス顕熱除熱量)−(放熱量)]−(除熱管除熱量)
=[正味発熱量] −(除熱管除熱量) ‥‥(2)
と表され、[正味発熱量]の温度依存性を運転点T[℃]の近傍で直線近似すると、
[正味発熱量]=a・T+C (a, Cは系固有の定数) ‥‥(3)
と表される。除熱量は、加圧水(沸点Tj)による潜熱除熱とすると、
(除熱管除熱量)=UA(T−Tj) ‥‥(4)
と表現できる。ここで、U,Aは除熱管6の総括伝熱係数および伝熱面積である。
d(δT)/dt=[(a−UA)/(MCp)]・(δT) ‥‥(5)
d(δT)/dt=ε・(δT)+qc/(MCp) ‥‥(6)
直径が7.8mの流動層反応器1内に、長さ10.4mの温度調整用除熱管7を7セット(合計長さ10.4×7=72.8m)設置した(図8参照)。7セットは互いの除熱管7の制御エリアができるだけオーバーラップしないよう効率よく配置すると、温度調整用除熱管7からもっとも遠い位置では距離X=1.95mとなる。長さ10.4mかつX=1.95mでの無駄時間および1次遅れ時定数を図6および図7より読みとり、式(6)にもとづきシミュレーションを行った。温度調整用除熱管7の除熱量として総除熱量の2%を与えた場合について計算をおこなったところ図9のごとく、高温側に発散していくこともなければ、低温側に発散することもなく温度として±0.5℃の範囲に収めることができていることから、当該温度調整用除熱管7から最遠点でも温度制御が可能であることが判った。
比較例として、図10のごとく温度調整用の除熱管長さが72.8mで1セットの除熱管7を、流動層反応器1の中心に設置した。これは実施例1と温度調整用除熱管7の合計長さが同一であり除熱能力としては同一のものである。温度調整用除熱管7からもっとも遠い位置での距離X=3.9mとなる。長さ72.8mかつX=3.9mでの無駄時間および1次遅れ時定数を図6および図7より読みとり、式(6)にもとづきシミュレーションを行うと図11のごとく最遠点では、除熱の応答が遅く温度制御できないことが判った。
2 触媒流動層
3 酸素供給管
4 原料供給管
5 反応生成ガス抜き出し管
6 除熱管
7 温度調整用除熱管
8 調節弁
9 温度指示計
10 温度検出部
Claims (10)
- 温度不安定系の流動層反応器で該流動層反応器の内部温度を検出する複数の温度検出部と、調節弁を有しない除熱管と、複数系列の冷却用であり、全開と全閉とをステップ的に切り替える調整弁を備えた温度調整用除熱管とを有し、前記温度調整用除熱管に通ずる冷媒量を、前記調節弁の全開と全閉とをステップ的に切り替えることにより調整し、温度制御する方式の温度不安定系の流動層反応器の設計方法であって、
前記温度調整用除熱管の除熱機能が、当該除熱管による冷却効果の無駄時間+1次遅れ系の関数で表現でき、かつ、この関数におけるこれら無駄時間と1次遅れ時定数の各パラメータが前記温度調整用除熱管からの距離および温度調整用除熱管長さに依存することを利用して前記温度調整用除熱管の系列数と温度調整用除熱管の配置パターンを決定する、流動層反応器の設計方法。 - 前記温度不安定系における前記流動層反応器の内部温度の時間変化を記述する微分方程
式を構築し、
その微分方程式に前記温度調整用除熱管による冷却・制御項を加え、
前記除熱管の種々の配置パターンおよび種々の除熱変化量でシミュレーションを行い、温度が発散しない配置パターンと除熱量変動の組み合わせを導き、前記温度調整用除熱管の系列数と除熱管の配置パターンを決定する、請求項1に記載の流動層反応器の設計方法。 - 実施する反応がプロパンおよび/またはプロピレンを原料とする気相アンモ酸化反応であり、反応の生成物がアクリロニトリルであることを特徴とする請求項1または2に記載の設計方法。
- 実施する反応が1−ブテン、2−ブテン、1−ブテンまたは2−ブテンを含む混合物を原料とする気相酸化脱水素反応であり、反応の生成物が1,3−ブタジエンであることを特徴とする請求項1または2に記載の設計方法。
- 実施する反応がn−ブタン、1−ブテン、2−ブテン、ブタジエン、ベンゼンから選ばれる一つ以上を原料とする気相酸化反応であり、反応の生成物が無水マレイン酸であることを特徴とする請求項1または2に記載の設計方法。
- 実施する反応がi−ブテンおよび/またはi−ブタンを原料とする気相アンモ酸化反応であり、反応の生成物がメタクリロニトリルであることを特徴とする請求項1または2に記載の設計方法。
- 実施する反応がo−キシレンおよび/またはナフタレンを原料とする気相酸化反応であり、反応の生成物が無水フタル酸であることを特徴とする請求項1または2に記載の設計方法。
- 実施する反応がフェノールおよびメタノールを原料とする気相酸化反応であり、反応の生成物が2,6−キシレノールおよび/またはo−クレゾールであることを特徴とする請求項1または2に記載の設計方法。
- 実施する反応がメタンおよび/またはメタノールを原料とする気相アンモ酸化反応であり、反応の生成物が青酸(HCN)であることを特徴とする請求項1または2に記載の設計方法。
- 実施する反応がエタン、エテン、エタノールから選ばれる一つ以上を原料とする気相アンモ酸化反応であり、反応の生成物がアセトニトリルであることを特徴とする請求項1または2に記載の設計方法。
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