JP6321779B2 - 嗜好性が改善された水溶性多糖類 - Google Patents

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Description

本発明は、嗜好性が改善された水溶性多糖類、及びこれらを調製する方法に関する。
序説
水溶性多糖類及び多糖類誘導体は、食品、食品原料成分、または栄養補助食品において広い範囲の用途を見出されている。
1つの最終用途は、「食物繊維」として知られる。この用語はしばしば、上部腸管の酵素により消化されない非デンプン水溶性多糖類及び多糖類誘導体を説明するために使用される。食物繊維は、肥満及び非肥満個体の痩身補助物として、及び/または膨張性下剤として使用することができる。いくつかの食物繊維、例えばグアーガム、メチルセルロース、またはヒドロキシプロピルメチルセルロースは、水中で粘性溶液を形成し、個体での満腹の誘発で、及び/または体重減少を引き起こすことにおける減少で有効であることが示されている。
国際公開第WO2005/020718号は、アルギン酸塩、ペクチン、カラゲナン、アミド化ペクチン、キサンタン、ジェラン、ファーセレラン、カラヤガム、ラムザン、ウェラン、ガティガム、及びアラビアガムから選択される、非デンプン多糖類などの、ヒトまたは動物で満腹を誘発するための多数のバイオポリマーの使用を開示する。これらのうち、アルギン酸塩は、特に好ましいと記載されている。あるいは、ガラクタマンナン、グアーガム、ローカストビーンガム、タラガム、イスパキュラ、P−グルカン、コンニャクグルコマンナン、メチルセルロース、トラガカントガム、デタリウム、またはタマリンドから選択される中性非デンプン多糖類を使用することができる。
国際公開第WO92/09212号は、これらの種類の多糖類の使用の1つの主な不利益は、それらの膨潤挙動を制御することの困難であると説明する。乾燥食物繊維は、通常、水性媒体中に分散され、したがって水分子の多糖類への結合を通して非常に速い膨潤をもたらす、すなわち、繊維の溶解はいくぶん瞬時に起こる。次いで形成される非常に粘性の分散体は、即座に取り込まれない場合、摂取することが困難になり、口中で粘液性または粘着性の感覚を与える。この問題を克服するために、国際公開第WO92/09212号は、35℃以下の曇天を有する水溶性非イオン性セルロースエーテル、例えばエチルヒドロキシエチルセルロース、及び荷電界面活性剤、例えばアルキルアンモニウム化合物またはアルキルエーテル硫酸塩、例えばドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を含む食物繊維組成物を提案する。SDSは、洗剤組成物で大量に使用されるが、動物研究は、SDSが皮膚及び眼の刺激を引き起こすことを示唆している。
したがって、水溶性多糖類の、具体的には非デンプン水溶性多糖類の嗜好性を改善する別の方法を発見することは望ましい場合がある。荷電モノマー界面活性剤を利用せず、水溶性多糖類の嗜好性を改善することは特に望ましい場合がある。
驚くべきことに、水溶性非デンプン多糖類の嗜好性は、それをある特定のメチルセルロースで少なくとも部分的にコーティングすることにより改善することができることが発見された。
したがって、本発明の一態様は、1−4結合により結合したアンヒドログルコース単位を有するメチルセルロース(B)で少なくとも部分的にコーティングされた非デンプン水溶性多糖類(A)であり、アンヒドログルコース単位のヒドロキシ基は、s23/s26が0.36以下であるようにメチル基で置換され、s23は、アンヒドログルコース単位の2位及び3位の2つのヒドロキシ基のみがメチル基で置換されるアンヒドログルコース単位のモル分率であり、s26は、アンヒドログルコース単位の2位及び6位の2つのヒドロキシ基のみがメチル基で置換されるアンヒドログルコース単位のモル分率であり、非デンプン水溶性多糖類(A)は、上記メチルセルロース(B)とは異なる。
本発明の別の態様は、上記に挙げられる少なくとも部分的にコーティングされた多糖類を含む、食品、食品原料成分、または栄養補助食品である。
本発明のさらに別の態様は、非デンプン水溶性多糖類の嗜好性を改善する方法であり、この方法は、非デンプン水溶性多糖類(A)を上記に挙げられるメチルセルロース(B)で少なくとも部分的にコーティングするステップを含み、但し、非デンプン水溶性多糖類(A)は、上記メチルセルロース(B)とは異なる。
本発明で有用な非デンプン水溶性多糖類(A)は、25℃及び1気圧で、蒸留水中で少なくとも1g、より好ましくは少なくとも2gの溶解性を有する。
非デンプン多糖類の例としては、マンノース繰り返し単位を含有する多糖類ヒドロコロイドを含む天然ガム、カラゲナン、ペクチン、アミド化ペクチン、キサンタンガム、カラヤガム、トラガカントガム、アルギン酸塩、ゲランガム、グアー誘導体、キサンタン誘導体、ファーセレラン、ラムザン、セルロース誘導体、またはこのような多糖類のうちの2つ以上の混合物が挙げられる。
ヒドロコロイドは、当業者に周知であり、多糖類ヒドロコロイドは、水中でコロイド状分散体(「コロイド状溶液」とも呼ばれる)を形成する多糖類系組成物である。典型的に、それらは、ゲルを形成することもできる。好ましい実施形態では、多糖類ヒドロコロイドは、グルコマンナン、ガラクトマンナン、及びこれらの混合物から選択される。典型的に、天然ガムは、植物性ガム、例えばコンニャクガム、コロハガム、グアーガム、タラガム、ローカストビーンガム(カロブガム)、またはこれらのうちの少なくとも2つの混合物である。
カラゲナンは、ガラクトース及び3,6−アンヒドロガラクトース(3,6−AG)の、両方とも硫酸化及び非硫酸化された、繰り返し単位からなる多糖類である。これらの単位は、1α→3及び1β→4グリコシド結合を交互にすることにより結合される。
グアー誘導体及びキサンタン誘導体は、欧州特許第EP0504870B号、3ページ25〜56行、及び4ページ1〜30行でより詳細に説明される。有用なグアー誘導体は、例えばカルボキシメチルグアー、ヒドロキシプロピルグアー、カルボキシメチルヒドロキシプロピルグアー、またはカチオン化グアーである。好ましいヒドロキシプロピルグアー及びこれらの生成は、米国特許第4,645,812号、カラム4〜6で説明される。
セルロース誘導体は、好ましくは非イオン性セルロースエーテル、より好ましくはアルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、またはヒドロキシアルキルアルキルセルロース、例えばC−C−アルキルセルロース、C−C−アルキルヒドロキシ−C1−3−アルキルセルロース、ヒドロキシ−C1−3−アルキルセルロース、混合ヒドロキシ−C−C−アルキルセルロース、または混合C−C−アルキルセルロースであり、但し、セルロースエーテルは、以下にさらに説明されるメチルセルロース(B)とは異なる。有利に、非デンプン多糖類(A)は、メチルセルロースではない。このことは、セルロースエーテルで、アンヒドログルコース単位のヒドロキシル基の少なくとも一部がアルコキシル基もしくはヒドロキシアルコキシル基、またはアルコキシル及びヒドロキシアルコキシル基の組み合わせにより置換されることを意味する。典型的に、1種類または2種類のヒドロキシアルコキシル基が、セルロースエーテル中に存在する。好ましくは、単一の種類のヒドロキシアルコキシル基、より好ましくはヒドロキシプロポキシルが存在する。
混合アルキルヒドロキシアルキルセルロースを含む好ましいアルキルヒドロキシアルキルセルロースは、ヒドロキシアルキルメチルセルロース、例えばヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、もしくはヒドロキシブチルメチルセルロース;またはヒドロキシアルキルエチルセルロース、例えばヒドロキシプロピルエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシプロピルセルロース、もしくはエチルヒドロキシブチルセルロース;またはエチルヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルヒドロキシプロピルメチルセルロース、もしくはアルコキシヒドロキシエチルヒドロキシプロピルセルロースであり、アルコキシ基は直鎖または分枝鎖であり、2〜8個の炭素原子を含有する。好ましいヒドロキシアルキルセルロースは、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、もしくはヒドロキシブチルセルロース;または混合ヒドロキシルキルセルロース、例えばヒドロキシエチルヒドロキシプロピルセルロースである。
ヒドロキシアルキルアルキルセルロースは好ましく、ヒドロキシアルキルメチルセルロースはより好ましく、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、好ましくは以下に説明されるMS(ヒドロキシアルコキシル)及びDS(アルコキシル)を有するものは最も好ましい。ヒドロキシアルコキシル基によるアンヒドログルコース単位のヒドロキシル基の置換度は、ヒドロキシアルコキシル基のモル置換、MS(ヒドロキシアルコキシル)により表される。MS(ヒドロキシアルコキシル)は、セルロースエーテル中のアンヒドログルコース単位当たりのヒドロキシアルコキシル基の平均モル数である。ヒドロキシアルキル化反応中、セルロース骨格に結合したヒドロキシアルコキシル基のヒドロキシル基は、アルキル化剤、例えばメチル化剤、及び/またはヒドロキシアルキル化剤によりさらにエーテル化され得ることが理解されるべきである。アンヒドログルコース単位の同じ炭素原子位置についての多数の続くヒドロキシアルキル化エーテル化反応は、側鎖を産生し、多数のヒドロキシアルコキシル基は、エーテル結合により互いに共有結合され、各側鎖は全体として、セルロース骨格にヒドロキシアルコキシル置換基を形成する。用語「ヒドロキシアルコキシル基」はしたがって、ヒドロキシアルコキシル置換基の構成単位としてのヒドロキシアルコキシル基を指すものとしてMS(ヒドロキシアルコキシル)の文脈で解釈されなければならず、これは、単一のヒドロキシアルコキシル基または上記に概略される側鎖のいずれかを含み、2つ以上のヒドロキシアルコキシ単位は、エーテル結合により互いに共有結合される。この定義では、ヒドロキシアルコキシル置換基の末端ヒドロキシル基がさらにアルキル化、例えばメチル化されるかどうかは重要ではなく、アルキル化及び非アルキル化ヒドロキシアルコキシル置換基の両方が、MS(ヒドロキシアルコキシル)の決定に含まれる。本発明のヒドロキシアルキルアルキルセルロースは一般的に、0.05〜1.00、好ましくは0.08〜0.70、より好ましくは0.10〜0.50、さらにより好ましくは0.10〜0.40、最も好ましくは0.10〜0.35の範囲のヒドロキシアルコキシル基のモル置換を有する。
アンヒドログルコース単位当たりのアルコキシル基、例えばメトキシル基により置換されるヒドロキシル基の平均数は、アルコキシル基の置換度、DS(アルコキシル)と呼ばれる。上記に与えられるDSの定義では、用語「アルコキシル基により置換されるヒドロキシル基」は、本発明で、セルロース骨格の炭素原子に直接的に結合したアルキル化ヒドロキシル基のみでなく、セルロース骨格に結合したヒドロキシアルコキシル置換基のアルキル化ヒドロキシル基も含むと解釈されるべきである。本発明に従うヒドロキシアルキルアルキルセルロースは、好ましくは1.0〜2.5、より好ましくは1.1〜2.2、最も好ましくは1.1〜1.6の範囲のDS(アルコキシル)を有する。最も好ましくは、セルロースエーテルは、DS(アルコキシル)について上記に示される範囲内のDS(メトキシル)、及びMS(ヒドロキシアルコキシル)について上記に示される範囲内のMS(ヒドロキシプロポキシル)またはMS(ヒドロキシエトキシル)を有するヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはヒドロキシエチルメチルセルロースである。アルコキシル基の置換度及びヒドロキシアルコキシル基のモル置換は、セルロースエーテルのヨウ化水素でのツァイゼル開裂及び続く定量的ガスクロマトグラフィー分析により決定することができる(G.Bartelmus and R.Ketterer,Z.Anal.Chem.,286(1977)161−190)。
多糖類(A)、好ましくはメチルセルロース(B)とは異なるセルロースエーテルの粘度は一般的に、DIN51562−1:1999−01(1999年1月)に従うウベローデ粘度測定により20℃±0.1℃で水中の2.0重量%溶液として測定される、10,000mPa・sより高く、好ましくは25,000〜2,000,000mPa・s、より好ましくは50,000〜800,000mPa・s、最も好ましくは100,000〜500,000である。多糖類(A)は、一般的に微粒子形態で、好ましくは粉末形態で、または顆粒形態である。
非デンプン水溶性多糖類(A)は、メチルセルロース(B)で少なくとも部分的にコーティングされる。メチルセルロース(B)は、1−4結合により結合したアンヒドログルコース単位を有する。各アンヒドログルコース単位は、2、3、及び6位でヒドロキシル基を含有する。これらのヒドロキシルの部分的なまたは完全な置換は、セルロース誘導体を創成する。例えば、セルロース繊維の苛性溶液、続いてメチル化剤での処理は、1つ以上のメトキシ基で置換されたセルロースエーテルを産生する。他のエーテル基でさらに置換されない場合、このセルロース誘導体は、メチルセルロースとして知られる。本発明の本質的な特徴は、1−4結合により結合したアンヒドログルコース単位を有する特定のメチルセルロースの使用であり、アンヒドログルコース単位のヒドロキシ基は、s23/s26が0.36以下、好ましくは0.33以下、より好ましくは0.30以下、最も好ましくは0.27以下、または0.26以下、具体的には0.24以下または0.22以下であるように、メチル基で置換される。典型的には、s23/s26は、0.08以上、0.10以上、0.12以上、0.14以上、または0.16以上である。本明細書で使用される、用語「アンヒドログルコース単位のヒドロキシ基がメチル基で置換される〜」は、ヒドロキシ基中の水素が、メチル基により置き換えられてメトキシ基を形成することを意味する。s23/s26の比では、s23は、アンヒドログルコース単位の2位及び3位の2つのヒドロキシ基のみがメチル基で置換されるアンヒドログルコース単位のモル分率であり、s26は、アンヒドログルコース単位の2位及び6位の2つのヒドロキシ基のみがメチル基で置換されるアンヒドログルコース単位のモル分率である。s23を決定するために、用語「アンヒドログルコース単位の2位及び3位の2つのヒドロキシ基のみがメチル基で置換されるアンヒドログルコース単位のモル分率」は、2位及び3位の2つのヒドロキシ基がメチル基で置換され、6位が非置換ヒドロキシ基であることを意味する。s26を決定するために、用語「アンヒドログルコース単位の2位及び6位の2つのヒドロキシ基のみがメチル基で置換されるアンヒドログルコース単位のモル分率」は、2位及び6位の2つのヒドロキシ基がメチル基で置換され、3位が非置換ヒドロキシ基であることを意味する。
以下の式Iは、アンヒドログルコース単位のヒドロキシ基の番号付けを示す。
Figure 0006321779
メチルセルロース(B)は、好ましくは1.55〜2.25、より好ましくは1.65〜2.20、最も好ましくは1.70〜2.10のDS(メチル)を有する。メチルセルロースのメチル置換度、DS(メチル)は、DS(メトキシル)とも呼ばれ、アンヒドログルコース単位当たりのメチル基で置換されたOH基の平均数である。メチルセルロース(B)中の%メトキシルの決定は、米国薬局方(USP34)に従って行われる。得られた値は、%メトキシルである。これらは、続いてメチル置換基の置換度(DS)に変換される。変換において塩の残留量を考慮した。
メチルセルロース(B)の粘度は、2重量%水溶液として5℃で、10s−1のせん断速度で測定される場合、好ましくは2.4〜10,000mPa・s、より好ましくは3〜8,000mPa・s、さらにより好ましくは4〜6,000mPa・s、最も好ましくは4〜1000mPa・s、具体的には4〜400mPa・sである。
メチルセルロース(B)を、1つ以上の非デンプン水溶性多糖類(A)と接触させ、非デンプン水溶性多糖類(複数可)(A)を少なくとも部分的にコーティングする。非デンプン水溶性多糖類(A)は一般的に、非コーティング多糖類(A)の総重量に基づいて、0.1〜20%、好ましくは0.5〜10%、より好ましくは1〜5%のメチルセルロース(B)でコーティングされる。
非デンプン水溶性多糖類(A)上にメチルセルロース(B)のコーティングを調製するために、メチルセルロース(B)及び液体希釈剤の合計重量に基づいて、一般的に0.1〜30%、好ましくは1〜25%、より好ましくは2〜20%のメチルセルロース(B)、及び99.9〜70%、好ましくは99〜75%、より好ましくは98〜80%の液体希釈剤を含む、流体組成物を調製する。用語「液体希釈剤」は、常圧及び25℃で液体である希釈剤を意味する。好ましくは、液体希釈剤は、水、または50重量%より多い、好ましくは少なくとも70重量%の水と50重量%より少ない、好ましくは最大30重量%のアルコール、例えばエタノールとの配合物である。任意選択で少量のアルコールと配合される、水中のメチルセルロース(B)の溶液を生成するために、メチルセルロース(B)を典型的に、攪拌しながら水及び任意選択でアルコールと接触させる。任意選択でアルコールと混合される、水の開始温度は、水中の良好な分散体を達成するために、好ましくは20℃以上、典型的には22〜40℃である。混合物をその後好ましくは、攪拌しながら1〜5℃の温度まで冷却し、メチルセルロースを溶液にする。好ましくは、メチルセルロース(B)の溶液は、冷却状態で多糖類(A)に適用される。
メチルセルロース(B)及び液体希釈剤を含む流体組成物、好ましくはメチルセルロース(B)の水溶液は、既知の様式で、典型的に微粒子形態、好ましくは粉末形態または顆粒形態である非デンプン水溶性多糖類(A)に適用することができる。例えば、流体組成物を、多糖類微粒子上に噴霧することができ、またはそうでなければ多糖類微粒子を、流体組成物と配合することができる。コーティングステップを行うための装置、例えば高せん断造粒機、リング層混合機、または流動床コーティング設備は、本分野で知られる。あるいは、例えば国際公開第WO03/020244号及び同第WO03/020247号で説明されるように、流体組成物を、気体と接触させて発泡流体を生成させ、生成した発泡流体を、多糖類(A)の微粒子と接触させる。発泡流体及び多糖類微粒子は、好ましくはメチルセルロース(B)と多糖類(A)の微粒子との間の上記に挙げられる重量比が達成される量で、選択される。有利に、既知の混合装置、例えば高せん断混合装置、低せん断混合装置、流動床造粒機、ローラコンパクタ、または噴霧乾燥器が使用される。接触ステップに、既知の様式で行うことができる乾燥ステップが続く。泡沫層板は、接触及び/または乾燥ステップ中に壊れ、これにより泡沫がつぶれ、多糖類微粒子はメチルセルロース(B)で少なくとも部分的にコーティングされる。多糖類(A)の微粒子は一般的に、発泡流体組成物との接触に際して造粒される。生成された、一般的に顆粒状の材料は、1つ以上の既知の調合ステップ、例えば任意選択の原料成分との混合に供することができる。任意選択の原料成分の例は、砂糖、人工甘味料、着色料、風味剤、またはこれらの組み合わせである。
非コーティング水溶性多糖類(A)が水性媒体中に分散された場合、それは水分子の多糖類との結合を通して迅速に膨潤し、非常に粘性の分散体をもたらし、これは摂取することが困難になり、口中で粘液性または粘着性の感覚をもたらす。乾燥形態の水溶性多糖類(A)を摂取しようとした場合でさえも、唾液中の水分子の多糖類への迅速な結合が起こる。
上記で説明されるようにメチルセルロース(B)で少なくとも部分的にコーティングされた非デンプン水溶性多糖類(A)は、改善された嗜好性を有することが、驚くべきことに発見された。口中の少なくとも部分的にコーティングされた非デンプン水溶性多糖類(A)の過度の粘度増大は、少なくとも5分間、典型的に少なくとも10分間遅延させることができることが分かった。口中の食品製品の平均滞留時間は、約2〜3分間であるので、許容されないレベルまでの粘度増大のこの遅延は、水溶性多糖類(A)の摂取に際して口中の粘液性または粘着性の感覚をかなりの程度まで減少させるのに十分である。また、上記で説明されるメチルセルロース(B)は、アンヒドログルコース単位のヒドロキシ基が、s23/s26が0.36より高くなるようにメチル基で置換された、対応するメチルセルロースより、非デンプン水溶性多糖類(A)の嗜好性を改善することにおいてより有効であることが、驚くべきことに発見された。
本発明で使用されるメチルセルロースを作製する方法は、実施例でより詳細に説明される。一般的に、セルロースパルプは、苛性物質、例えばアルカリ金属水酸化物で処理される。好ましくは、セルロース中のアンヒドログルコース単位のモル当たり約1.5〜約3.0モルNaOHが使用される。パルプ中の均一な膨潤及びアルカリ分布は、任意選択で混合及び攪拌により制御される。水性水酸化アルカリの添加速度は、発熱アルカリ化反応中に反応器を冷却する能力により管理される。一実施形態では、有機溶媒、例えばジメチルエーテルは、希釈剤及び冷却剤として反応器に添加される。このように、反応器の頭隙を、任意選択で、不活性気体(例えば窒素)でパージし、酸素との不必要な反応及びメチルセルロースの分子量低下を最小限にする。一実施形態では、温度は、45℃以下に維持される。
また、メチル化剤、例えば塩化メチルは、セルロースパルプに従来の手段により、苛性物質の前、後、またはそれと同時のいずれかで、一般的にセルロース中のアンヒドログルコース単位のモル当たり2.0〜3.5モルメチル化剤の量で、添加される。好ましくは、メチル化剤は、苛性物質の後に添加される。一旦、セルロースを苛性物質及びメチル化剤と接触させたら、反応温度を、約75℃まで増大させ、この温度で約30分間反応させる。
好ましい実施形態では、段階的添加が使用される、すなわち、第2の量の苛性物質を、少なくとも30分間、好ましくは少なくとも45分間にわたり混合物に添加し、その間、温度は少なくとも55℃、好ましくは少なくとも65℃に維持する。好ましくは、セルロース中のアンヒドログルコース単位のモル当たり2〜4モルの苛性物質が使用される。段階的な第2の量のメチル化剤は、苛性物質の前、後、またはそれと同時のいずれかで、一般的にセルロース中のアンヒドログルコース単位のモル当たり2〜4.5モルメチル化剤の量で、混合物に添加される。好ましくは、第2の量のメチル化剤は、第2の量の苛性物質の前に添加される。
メチルセルロースは、塩及び他の反応副産物を除去するために洗浄される。塩が可溶性である任意の溶媒を使用することができるが、水が好ましい。メチルセルロースは、反応器内で洗浄することができるが、好ましくは反応器の下流に位置する別々の洗浄器内で洗浄される。洗浄前または後に、メチルセルロースから、蒸気への露出により除去して、残留の有機物質含有量を減少させることができる。セルロースエーテルは、続いて部分脱重合プロセスに供することができる。部分脱重合プロセスは、本分野で周知であり、例えば欧州特許出願第EP1,141,029号、同第EP210,917号、同第EP1,423,433号、及び米国特許第4,316,982号で説明される。あるいは、部分脱重合は、セルロースエーテルの生成中に、例えば酸素または酸化剤の存在により達成することができる。
メチルセルロースを乾燥させて、水分及び揮発性物質含有量を減少させ、好ましくはメチルセルロースの重量に基づいて0.5〜10.0重量%の水、より好ましくは0.8〜5.0重量%の水及び揮発性物質にする。水分及び揮発性物質含有量の減少は、メチルセルロースを製粉して微粒子形態にすることを可能にする。メチルセルロースは、所望のサイズの微粒子に製粉される。所望の場合、乾燥及び製粉は、同時に行うことができる。
本発明のいくつかの実施形態はここで、以下の実施例で詳細に説明される。
特に指示のない限り、全ての部及び割合は、重量による。実施例では、以下の生成及び試験手順が使用される。
0.36以下のs23/s26を有するメチルセルロース(B)の生成
メチルセルロース(B)を、以下の手順に従って生成した。細かくひいた木材セルロースパルプを、被覆攪拌反応器に装填した。反応器を排気し、窒素でパージして酸素を除去し、次いで再び排気した。反応を2段階で行った。第1段階では、50重量%の水酸化ナトリウム水溶液を、レベルがセルロースのアンヒドログルコース単位のモル当たり1.8モルの水酸化ナトリウムに達するまで、セルロース上に噴霧し、次いで温度を40℃に調節した。水性水酸化ナトリウム溶液及びセルロースの混合物を40℃で約20分間攪拌した後、アンヒドログルコース単位のモル当たり1.5モルのジメチルエーテル及び2.3モルの塩化メチルを反応器に添加した。反応器の内容物を、次いで60分以内に80℃まで加熱した。80℃に達した後、第1段階の反応を5分間進めた。次いで、反応を20分以内に65℃まで冷却させた。
反応の第2段階を、アンヒドログルコース単位のモル当たり3.4モル当量の塩化メチルの量の塩化メチルの添加により開始した。塩化メチルの添加時間は20分間であった。次いで、50重量%の水酸化ナトリウム水溶液をアンヒドログルコース単位のモル当たり2.9モルの水酸化ナトリウムの量で、45分間の期間にわたり添加した。添加速度は、1分間当たり、アンヒドログルコース単位のモル当たり0.064モルの水酸化ナトリウムであった。第2段階の添加が完了した後、反応器の内容物を20分以内に80℃まで加熱し、次いで80℃の温度で120分間維持した。
反応後、反応器を通気し、約50℃まで冷却させた。反応器の内容物を除去し、湯を含有するタンクに移した。粗MCを次いで、蟻酸で中和し、湯で塩化物を含有しないように洗浄し(AgNO凝集試験により評価した)、室温まで冷却させ、通気乾燥器中で、55℃で乾燥させ、続いてひいた。
メチルセルロースを、それを1000gのメチルセルロース当たり1.5gの気体状HClと60℃の温度で15分間接触させることにより部分脱重合させて、300〜400mPa・sの定常せん断流粘度η(5℃、10s−1、2重量%MC)を達成し、HCl気体を排気により除去し、メチルセルロースを室温まで冷却させ、続いて重炭酸ナトリウムで中和した。
メチルセルロース(B)は、1.88のDS(メチル)(30.9重量%メトキシル)、0.3276±0.0039のモル分率(26−Me)、0.0642±0.0060のモル分率(23−Me)、0.20±0.02のs23/s26、及び320mPa・sの定常せん断流粘度η(5℃、10s−1、2重量% MC)を有した。メチルセルロース(B)の特性を、以下に説明されるように測定した。
メチルセルロース(B)のDS(メチル)の決定
メチルセルロース中の%メトキシルの決定を、米国薬局方(USP34)に従って行った。得られた値は、%メトキシルであった。これらを続いてメチル置換基の置換度(DS)に変換した。変換において塩の残留量を考慮した。
メチルセルロース(B)の粘度の測定
別段に示さない限り、水性2重量%メチルセルロース(B)溶液の定常せん断流粘度η(5℃、10s−1、2重量% MC)を、5℃で、10s−1のせん断速度で、アントンパールPhysica MCR501レオメータ及び円錐平板試料固定具(CP−50/1、50mm直径)で測定した。
メチルセルロース(B)のs23/s26の決定
メチルセルロース中のエーテル置換基を測定するためのアプローチは、一般的に知られる。例えば、principle for Ethyl Hydroxyethyl Cellulose in Carbohydrate Research,176(1988)137−144,Elsevier Science Publishers B.V.,Amsterdam、DISTRIBUTION OF SUBSTITUENTS IN O−ETHYL−O−(2−HYDROXYETHYL)CELLULOSE,by Bengt Lindberg,Ulf Lindquist,and Olle Stenbergで説明されるアプローチを参照のこと。
具体的には、s23/s26の決定は、以下のように起こった。
10〜12mgのメチルセルロースを4.0mLの乾燥分析用ジメチルスルホキシド(DMSO)(Merck,Darmstadt,Germany、0.3nm分子ふるいビーズ上で保管)中に約90℃で攪拌しながら溶解し、次いで室温まで冷却させた。溶液を室温で一晩攪拌し、完全な可溶化/溶解を確実にした。メチルセルロースの可溶化を含む過エチル化全体を、乾燥窒素大気を用いて4mLのねじ蓋バイアル中で行った。可溶化後、溶解したメチルセルロースを22mLのねじ蓋バイアルに移し、過エチル化プロセスを開始した。粉末化水酸化ナトリウム(新たにすりつぶされたもの、分析用、Merck,Darmstadt,Germany)、及びヨウ化エチル(合成用、銀で安定化されたもの、Merck−Schuchardt,Hohenbrunn,Germany)を、メチルセルロース中のアンヒドログルコース単位のレベルに対して30倍モル過剰量で導入し、混合物を環境温度で3日間、暗条件で、窒素下で激しく攪拌した。過エチル化を、第1の試薬添加と比較して3倍量の試薬、水酸化ナトリウム及びヨウ化エチルの添加で繰り返し、室温での攪拌をさらなる2日間続けた。任意選択で、反応混合物を、反応過程中の良好な混合を確実にするために、最大1.5mLのDMSOで希釈することができる。次に、5mLの5%水性チオ硫酸ナトリウム溶液を反応混合物に注ぎ、混合物を次いで4mLのジクロロメタンで3回抽出した。合わせた抽出物を、2mLの水で3回洗浄した。有機相を、無水硫酸ナトリウム(約1g)で乾燥させた。ろ過後、溶媒を穏やかな窒素流で除去し、試料を必要になるまで4℃で保管した。
約5mgの過エチル化試料の加水分解を、窒素下で2mLのねじ蓋バイアル中で、1mLの90%水性蟻酸で、攪拌下で、100℃で1時間行った。酸を窒素流中で35〜40℃で除去し、加水分解を1mLの2M水性トリフルオロ酢酸で、120℃で3時間、不活性窒素大気中で攪拌しながら繰り返した。完了後、酸を、窒素流中で、環境温度で、共蒸留のために約1mLのトルエンを用いて乾燥するまで除去した。
加水分解の残留物を、2N水性アンモニア溶液(新たに調製した)中の0.5mLの0.5Mホウ素重水素化ナトリウムで、室温で3時間攪拌しながら還元した。過剰の試薬を、約200μLの濃縮酢酸の一滴ずつの添加により破壊した。得られた溶液を、窒素流中で約35〜40℃で乾燥するまで蒸発させ、続いて真空下で、室温で15分間乾燥させた。粘性残留物を、メタノール中の0.5mLの15%酢酸中に溶解し、室温で乾燥するまで蒸発させた。これを5回行い、純粋なメタノールでさらに4回繰り返した。最後の蒸発後、試料を真空下で、室温で一晩乾燥させた。
還元の残留物を、600μLの酢酸無水物及び150μLのピリジンで、90℃で3時間アセチル化した。冷却後、試料バイアルをトルエンで充填し、窒素流中で、室温で乾燥するまで蒸発させた。残留物を4mLのジクロロメタン中に溶解し、2mLの水中に注ぎ、2mLのジクロロメタンで抽出した。抽出を3回繰り返した。合わせた抽出物を4mLの水で3回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。乾燥ジクロロメタン抽出物を、続いてGC分析に出した。GCシステムの感受性により、抽出物のさらなる希釈が必要である場合があった。
ガス−液体(GLC)クロマトグラフィー分析を、Agilent6890Nタイプのガスクロマトグラフィー(Agilent Technologies GmbH,71034Boeblingen,Germany)で、1.5バールのヘリウム担体気体で作動されるAgilent J&W毛細管カラム(30m、0.25mmID、0.25μm相層厚)で装備して行った。ガスクロマトグラフィーを、60℃で1分間定常を保持し、20℃/分の速度で200℃まで加熱し、4℃/分の速度で250℃までさらに加熱し、20℃/分の速度で310℃までさらに加熱し、ここでさらに10分間定常を保持する、温度プロファイルでプログラム化した。注入装置温度を280℃に設定し、水素炎イオン化検出器(FID)の温度を300℃に設定した。正確に1μLの各試料をスプリットレスモードで、0.5分弁時間で注入した。データを得、LabSystems Atlasワークステーションで処理した。
定量的モノマー組成データは、FID検出でGLCにより測定されたピーク領域から得られた。モノマーのモル応答を有効炭素数(ECN)概念に即して、以下の表で示されるように改変して、計算した。有効炭素数(ECN)概念は、Ackman(R.G.Ackman,J.Gas Chromatogr.,2(1964)173−179、及びR.F.Addison,R.G.Ackman,J.Gas Chromatogr.,6(1968)135−138)により説明されており、Sweet et.al(D.P.Sweet,R.H.Shapiro,P.Albersheim,Carbohyd.Res.,40(1975)217−225)により部分アルキル化酢酸アルジトールの定量分析に適用されている。
ECN計算に使用されたECN増分:
[表]
Figure 0006321779
モノマーの様々なモル応答について修正するために、ピーク領域に、2,3,6−Meモノマーに比例する応答として定義されるモル応答要素MRFモノマーを掛ける。2,3,6−Meモノマーは、s23/s26の決定で分析した全ての試料に存在したので、参照として選択した。
MRFモノマー=ECN2,3,6−Me/ECNモノマー
モノマーのモル分率を、以下の式に従って、修正したピーク領域を修正したピーク領域全体で割ることにより計算した。
(1)s23は、以下の条件[アンヒドログルコース単位の2位及び3位の2つのヒドロキシ基がメチル基で置換され、6位が置換されない(=23−Me)]に適合するアンヒドログルコース単位のモル分率の合計であり、
(2)s26は、以下の条件[アンヒドログルコース単位の2位及び6位の2つのヒドロキシ基がメチル基で置換され、3位が置換されない(=26−Me)]に適合するアンヒドログルコース単位のモル分率の合計である。モル分率(26−Me)、モル分率(23−Me)、及びs23/s26の平均値±2標準偏差(2σ)を計算した。
比較のMETHOCEL(商標)A4Cメチルセルロース
1.7〜1.9のDS(メチル)(27.5〜31.5重量%メトキシル)、0.38〜0.42のs23/s26、及び400〜450mPa・sのASTM D1347−72(1995年に再承認された)に従って水中の2.0重量%溶液として20℃で測定されるウベローデ粘度を有する、従来のメチルセルロースを使用した。メチルセルロースは、The Dow Chemical CompanyからMETHOCEL(商標)A4Cセルロースエーテルの商品名で市販される。
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)
非デンプン水溶性多糖類(A)は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースであり、これは、The Dow Chemical CompanyからMETHOCEL(商標)K250Mセルロースエーテルの商品名で市販される。METHOCEL(商標)K250Mセルロースエーテルは、約1.2〜1.5のDS(メトキシル)及び約0.1〜0.3のMS(ヒドロキシプロポキシル)に対応する、19〜24%のメトキシル含有量及び7〜12%のヒドロキシプロポキシル含有量を有する。METHOCEL(商標)K250Mは、DIN51562−1:1999−01(1999年1月)に従うウベローデ粘度測定により水中の2.0重量%溶液として20℃±0.1℃で測定される、約250,000mPa・sの粘度を有する。METHOCEL(商標)K250Mセルロースエーテルは、粉末形態で使用した。
比較実施例I
水中のMETHOCEL(商標)K250Mセルロースエーテルの粘度蓄積を、METHOCEL(商標)K250Mセルロースエーテルをコーティングステップに供することなく評価した。
実施例1及び2
水中の3重量%のメチルセルロース(B)を含む水溶液を、この水溶液を空気流と接触させることにより既知の様式で発泡させた。泡沫を生成する方法は、国際公開第WO03/020244号で説明される。発泡水溶液を、Powrex Corporationからの垂直高せん断造粒機で100g/分の速度で500gのMETHOCEL(商標)K250Mセルロースエーテルと接触させた。METHOCEL(商標)K250Mセルロースエーテルとメチルセルロース(B)との間の重量比は、発泡水溶液をMETHOCEL(商標)K250Mセルロースエーテルに添加する期間により制御した。
実施例1では、1.5重量%のメチルセルロース(B)を98.5重量%のMETHOCEL(商標)K250Mセルロースエーテルに添加する、発泡流体の添加期間は、2.5分間であった。実施例2では、3重量%のメチルセルロース(B)を97重量%のMETHOCEL(商標)K250Mセルロースエーテルに添加する、発泡流体の添加期間は、5分間であった。
泡沫はつぶれ、METHOCEL(商標)K250Mセルロースエーテル微粒子上にコーティングを形成した。粉末を造粒した。顆粒を、流動床を用いて60℃で60分間、またはオーブンを用いて50℃で120分間によるいずれかで、乾燥させた。
比較実施例II
従来のMETHOCEL(商標)A4Cメチルセルロース(0.38〜0.42のs23/s26を有する)をメチルセルロース(B)(0.36以下のs23/s26を有する)の代わりに使用したことを除いては、実施例2を繰り返した。
水中のコーティングされたHPMC及び非コーティングHPMCの粘度の測定
実施例1及び2のコーティングされたHPMC、比較実施例Iの非コーティングHPMC、及び比較実施例IIのコーティングされたHPMCを、63.5mmのロータ直径及び10.16mmのプロペラ外直径と据付けとの間の間隙距離を有し、90℃の温度の水中で、300rpmで走行するYamato LT400ラボオーバーヘッドミキサを用いて攪拌下で別々に分散させ、各分散体が、0.5重量%のHPMC(非コーティングHPMCとして計算される)を含有するようにした。水温は、20分以内に20℃まで減少させた。
実施例1及び2のコーティングされたHPMC、ならびに比較実施例の非コーティングHPMCの水和挙動を、300rpmで20℃でのHPMCを含む水性組成物の攪拌の0分、2分、5分、10分、30分、60分、及び120分後に測定した。粘度を、Brookfield LV粘度計(モデルDVII)を用いてスピンドル3を用いて30rpmで測定した。
結果を以下の表1に列挙する。
Figure 0006321779
表1の結果は、本発明のコーティングされた非デンプン水溶性多糖類が、粘度増大の遅延を示すことを示し、このことは水溶性多糖類の経口摂取に際して個人の口中で粘液性または粘着性の感覚を有効に減少させるために非常に有益である。さらに、粘度増大の遅延は、メチルセルロース(B)により提供されるコーティングの量を制御することにより特定の最終用途での要求にカスタマイズすることができる。メチルセルロース(B)により提供されるコーティングの量が多くなればなるほど、水中の非デンプン水溶性多糖類(A)の粘度増大はより遅延する。HPMCが従来のメチルセルロースでコーティングされ、この従来のメチルセルロースではアンヒドログルコース単位のヒドロキシ基がs23/s26が0.36より高くなるようにメチル基で置換された、比較実施例IIのコーティングされたHPMCは、粘度増大の遅延においてより有効でない。
[表]
Figure 0006321779
1組のタンパク質ピーナッツバーは、5重量%の実施例2のコーティングされたHPMCを含んだ。他の組のタンパク質ピーナッツバーは、5重量%の比較実施例IIのコーティングされたHPMCを含み、第3の組のタンパク質ピーナッツバーは、5重量%の比較実施例Iの非コーティングHPMCを含んだ。感覚試験では、11人の参加者が3つのタンパク質ピーナッツバーの嗜好性を試した。参加者に、最も粘液性の、及び最も粘液性でない、タンパク質ピーナッツバーを示すように頼んだ。全ての参加者は、実施例2のコーティングされたHPMCを含むタンパク質ピーナッツバー、比較実施例IIのコーティングされたHPMCを含むタンパク質ピーナッツバー、及び比較実施例Iの非コーティングHPMCを含むタンパク質ピーナッツバーを試した。全ての参加者は、実施例2のコーティングされたHPMCを含むタンパク質ピーナッツバーを、最も粘液性でないものとして示した。
実施例3
メチルセルロース(B)−2を、乾燥させてひいたメチルセルロースを次に説明されるように様々な様式で部分脱重合させたことを除いては、メチルセルロース(B)について上記に説明されるものと同じ様式で生成した。メチルセルロースを、それを550gのメチルセルロース当たり1.07gの気体状HClと70℃の温度で3.6時間接触させることにより部分脱重合させた。HCl気体を排気により除去し、メチルセルロースを室温まで冷却させ、続いて重炭酸ナトリウムで中和した。
メチルセルロース(B)−2は、1.88のDS(メチル)(30.9重量%メトキシル)、0.3276±0.0039のモル分率(26−Me)、0.0642±0.0060のモル分率(23−Me)、0.20±0.02のs23/s26、及び水中の2重量%溶液として5℃でショット・ウベローデ管粘度計を用いて測定される43mPa・sの粘度を有する。
実施例4
The Dow Chemical CompanyからMETHOCEL(商標)SGA16Mセルロースエーテルの商品名で市販されるメチルセルロースを使用し、これは、1.9のDS(メチル)(約31重量%メトキシル)、0.27〜0.32のs23/s26、及びDIN51562−1:1999−01(1999年1月)に従うウベローデ粘度測定により水中の2.0重量%溶液として20℃で測定される約16000mPa・sの粘度を有する。
部分脱重合を、メチルセルロースを550gのメチルセルロース当たり1.07gの気体状HClと70℃の温度で3時間接触させ、続いて重炭酸ナトリウムで中和することにより行った。部分脱重合したメチルセルロースは、ショット・ウベローデ管粘度計を用いて水中の2重量%溶液として5℃で測定される61mPa・sの粘度を有した。このメチルセルロースは、メチルセルロース(B)−3として示される。
比較実施例III:METHOCEL(商標)A4Mメチルセルロース
1.7〜1.9のDS(メチル)(27.5〜31.5重量%メトキシル)、0.38〜0.42のs23/s26、及び4000mPa・sのASTM D1347−72(1995年に再承認された)に従って水中の2.0重量%溶液として20℃で測定されるウベローデ粘度を有する、従来のメチルセルロースを使用した。このメチルセルロースは、The Dow Chemical CompanyからMETHOCEL(商標)A4Mセルロースエーテルの商品名で市販される。部分脱重合を、メチルセルロースを550gのメチルセルロース当たり1.07gの気体状HClと65℃の温度で3時間接触させ、続いて重炭酸ナトリウムで中和することにより行った。部分脱重合したメチルセルロースは、ショット・ウベローデ管粘度計を用いて水中の2重量%溶液として5℃で測定される52mPa・sの粘度を有した。
コーティング実験
METHOCEL(商標)K250Mセルロースエーテル微粒子を造粒し、同時にGlatt Powrex Model FM−VG−10高せん断造粒機(Glatt Air Techniques Inc.Ramsey,NJ USA)中でコーティングした。500rpmの主羽根車スピード及び1800rpmの側面細断刃スピードを、造粒ステップ中維持した。ロットサイズは、500gであった。実施例3のメチルセルロース(B)−2、実施例4のメチルセルロース(B)−3、または比較実施例IIIのMETHOCEL(商標)Aメチルセルロースいずれかの3%水溶液を、ノズルを用いてMETHOCEL(商標)K250Mセルロースエーテル上に噴霧した。水性メチルセルロース溶液の噴霧速度は、10〜12g/分であった。全部で500gの各コーティング溶液を適用し、これは、それぞれ、3.0重量%メチルセルロースの添加と等しい。必要な量のコーティング溶液の添加に達した後、造粒を停止した。造粒ステップの終わりに、凝集した生成物を、紙で裏打ちしたプラスティックトレイ上に平らに噴霧し、43℃の対流式オーブン内で一晩乾燥させた。
水中のコーティングされたHPMC及び非コーティングHPMCの粘度の測定
実施例3のメチルセルロース(B)−2で、実施例4のメチルセルロース(B)−3で、または比較実施例IIIのMETHOCEL(商標)AメチルセルロースでコーティングしたHPMC、及び比較実施例Iの非コーティングHPMCを、63.5mmのロータ直径及び10.16mmのプロペラ外直径と据付けとの間の間隙距離を有し、90℃の温度の水中で、300rpmで走行するYamato LT400ラボオーバーヘッドミキサを用いて攪拌下で別々に分散させ、各分散体が、0.5重量%のHPMC(非コーティングHPMCとして計算される)を含有するようにした。水温を、20分以内に20℃まで減少させた。
実施例3及び4の、及び比較実施例IIIのコーティングされたHPMC、ならびに比較実施例Iの非コーティングHPMCの水和挙動を、HPMCを含む水性組成物の300rpmで20℃での攪拌の0分、2分、5分、10分、30分、60分、及び120分後に測定した。粘度を、Brookfield LV粘度計(モデルDVII)を用いてスピンドル3を用いて30rpmで測定した。
結果を以下の表2に列挙する。
Figure 0006321779
表2中の結果は、本発明のコーティングされた非デンプン水溶性多糖類が、粘度増大の遅延を示すことを示し、このことは、水溶性多糖類の経口摂取に際して個人の口中で粘液性または粘着性の感覚を有効に減少させるために非常に有益である。HPMCが従来のメチルセルロースでコーティングされ、この従来のメチルセルロースではアンヒドログルコース単位のヒドロキシ基が、s23/s26が0.36より高くなるようにメチル基で置換された、比較実施例IIIのコーティングされたHPMCは、粘度増大の遅延においてより有効でない。
表2で報告される数連の実験は、表1で報告される数連の実験の数ヶ月後に行った。このことは、表1及び表2で報告される比較実施例Iの非コーティングHPMCについての結果における相違をもたらしたが、これらは正常な実験誤差内である。
(態様)
(態様1)
1−4結合により結合したアンヒドログルコース単位を有するメチルセルロース(B)で少なくとも部分的にコーティングされた非デンプン水溶性多糖類(A)であって、アンヒドログルコース単位のヒドロキシ基が、s23/s26が0.36以下であるようにメチル基で置換され、s23が、前記アンヒドログルコース単位の2位及び3位の2つのヒドロキシ基のみがメチル基で置換されるアンヒドログルコース単位のモル分率であり、s26が、前記アンヒドログルコース単位の2位及び6位の2つのヒドロキシ基のみがメチル基で置換されるアンヒドログルコース単位のモル分率であり、
前記非デンプン水溶性多糖類(A)が、前記メチルセルロース(B)とは異なる、少なくとも部分的にコーティングされた多糖類(A)。
(態様2)
前記水溶性多糖類(A)が、前記メチルセルロース(B)とは異なる水溶性セルロースエーテルである、態様1に記載の少なくとも部分的にコーティングされた多糖類。
(態様3)
前記水溶性多糖類(A)が、水溶性C −C −アルキルセルロース、C −C −アルキルヒドロキシ−C 1−3 −アルキルセルロース、ヒドロキシ−C 1−3 −アルキルセルロース、混合ヒドロキシ−C −C −アルキルセルロース、または混合C −C −アルキルセルロースである、態様2に記載の少なくとも部分的にコーティングされた多糖類。
(態様4)
前記水溶性多糖類(A)が、ヒドロキシプロピルメチルセルロースである、態様3に記載の少なくとも部分的にコーティングされた多糖類。
(態様5)
前記メチルセルロース(B)が、2重量%水溶液として5℃で、10s −1 のせん断速度で測定された場合、2.4〜10,000mPa・sの粘度を有する、態様1〜4のいずれか一項に記載の少なくとも部分的にコーティングされた多糖類。
(態様6)
前記メチルセルロース(B)が、2重量%水溶液として5℃で、10s −1 のせん断速度で測定された場合、4〜1000mPa・sの粘度を有する、態様5に記載の少なくとも部分的にコーティングされた多糖類。
(態様7)
前記メチルセルロース(B)が、1.55〜2.25のDS(メチル)を有する、態様1〜6のいずれか一項に記載の少なくとも部分的にコーティングされた多糖類。
(態様8)
前記メチルセルロース(B)が、1−4結合により結合したアンヒドログルコース単位を有し、アンヒドログルコース単位のヒドロキシ基が、s23/s26が0.33以下であるようにメチル基で置換される、態様1〜7のいずれか一項に記載の少なくとも部分的にコーティングされた多糖類。
(態様9)
前記メチルセルロース(B)が、1−4結合により結合したアンヒドログルコース単位を有し、アンヒドログルコース単位のヒドロキシ基が、s23/s26が0.26以下であるようにメチル基で置換される、態様8に記載の少なくとも部分的にコーティングされた多糖類。
(態様10)
前記非コーティング多糖類(A)の重量に基づいて0.5〜10%の前記メチルセルロースでコーティングされた、態様1〜9のいずれか一項に記載の少なくとも部分的にコーティングされた多糖類。
(態様11)
前記水溶性多糖類(A)が、水中の2.0重量%溶液として20℃で測定される10,000mPa・sより高い粘度を有するヒドロキシプロピルメチルセルロースであり、
前記メチルセルロース(B)が、アンヒドログルコース単位のヒドロキシ基が、s23/s26が0.33以下であるようにメチル基で置換された、1−4結合により結合したアンヒドログルコース単位と、1.55〜2.25のDS(メチル)と、2重量%水溶液として5℃で、10s −1 のせん断速度で測定される場合、4〜400mPa・sの粘度とを有し、
前記水溶性多糖類(A)が、前記非コーティング多糖類(A)の重量に基づいて0.5〜10%の前記メチルセルロース(B)でコーティングされた、態様1〜10のいずれか一項に記載の少なくとも部分的にコーティングされた多糖類。
(態様12)
前記メチルセルロース(B)が、1−4結合により結合したアンヒドログルコース単位を有し、アンヒドログルコース単位のヒドロキシ基が、s23/s26が0.26以下であるようにメチル基で置換される、態様11に記載の少なくとも部分的にコーティングされた多糖類。
(態様13)
態様1〜12のいずれか一項に記載の多糖類を含む、食品、食品原料成分、または栄養補助食品。
(態様14)
非デンプン水溶性多糖類(A)の嗜好性を改善する方法であって、前記非デンプン水溶性多糖類(A)を1−4結合により結合したアンヒドログルコース単位を有するメチルセルロース(B)で少なくとも部分的にコーティングするステップであって、アンヒドログルコース単位のヒドロキシ基が、s23/s26が0.36以下であるようにメチル基で置換され、s23が、前記アンヒドログルコース単位の2位及び3位の2つのヒドロキシ基のみがメチル基で置換されるアンヒドログルコース単位のモル分率であり、s26が、前記アンヒドログルコース単位の2位及び6位の2つのヒドロキシ基のみがメチル基で置換されるアンヒドログルコース単位のモル分率である、ステップを含み、
但し、前記非デンプン水溶性多糖類(A)が、前記メチルセルロース(B)とは異なる、方法。
(態様15)
前記水溶性多糖類(A)の経口摂取に際して個人の口中で粘液性または粘着性の感覚が、減少される、態様14に記載の方法。

Claims (10)

  1. 1−4結合により結合したアンヒドログルコース単位を有するメチルセルロース(B)で少なくとも部分的にコーティングされた非デンプン水溶性多糖類(A)であって、アンヒドログルコース単位のヒドロキシ基が、s23/s26が0.36以下であるようにメチル基で置換され、s23が、前記アンヒドログルコース単位の2位および3位の2つのヒドロキシ基のみがメチル基で置換されるアンヒドログルコース単位のモル分率であり、s26が、前記アンヒドログルコース単位の2位および6位の2つのヒドロキシ基のみがメチル基で置換されるアンヒドログルコース単位のモル分率であり、
    前記非デンプン水溶性多糖類(A)が、前記メチルセルロース(B)とは異なり、および、
    前記非デンプン水溶性多糖類(A)が微粒子形態である、少なくとも部分的にコーティングされた多糖類(A)。
  2. 前記水溶性多糖類(A)が、前記メチルセルロース(B)とは異なる水溶性セルロースエーテルである、請求項1に記載の少なくとも部分的にコーティングされた多糖類。
  3. 前記水溶性多糖類(A)が、水溶性C−C−アルキルセルロース、C−C−アルキルヒドロキシ−C1−3−アルキルセルロース、ヒドロキシ−C1−3−アルキルセルロース、混合ヒドロキシ−C−C−アルキルセルロース、または混合C−C−アルキルセルロースである、請求項2に記載の少なくとも部分的にコーティングされた多糖類。
  4. 前記水溶性多糖類(A)が、ヒドロキシプロピルメチルセルロースである、請求項3に記載の少なくとも部分的にコーティングされた多糖類。
  5. 前記メチルセルロース(B)が、2重量%水溶液として5℃で、10s−1のせん断速度で測定された場合、2.4〜10,000mPa・sの粘度を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の少なくとも部分的にコーティングされた多糖類。
  6. 前記メチルセルロース(B)が、2重量%水溶液として5℃で、10s−1のせん断速度で測定された場合、4〜1000mPa・sの粘度を有する、請求項5に記載の少なくとも部分的にコーティングされた多糖類。
  7. 前記メチルセルロース(B)が、1.55〜2.25のDS(メチル)を有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の少なくとも部分的にコーティングされた多糖類。
  8. コーティング多糖類(A)の重量に基づいて0.5〜10%の前記メチルセルロースでコーティングされた、請求項1〜7のいずれか一項に記載の少なくとも部分的にコーティングされた多糖類。
  9. 前記水溶性多糖類(A)が、水中の2.0重量%溶液として20℃で測定される10,000mPa・sより高い粘度を有するヒドロキシプロピルメチルセルロースであり、
    前記メチルセルロース(B)が、アンヒドログルコース単位のヒドロキシ基が、s23/s26が0.33以下であるようにメチル基で置換された、1−4結合により結合したアンヒドログルコース単位と、1.55〜2.25のDS(メチル)と、2重量%水溶液として5℃で、10s−1のせん断速度で測定される場合、4〜400mPa・sの粘度とを有し、
    前記水溶性多糖類(A)が、非コーティング多糖類(A)の重量に基づいて0.5〜10%の前記メチルセルロース(B)でコーティングされた、請求項1〜8のいずれか一項に記載の少なくとも部分的にコーティングされた多糖類。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の多糖類を含む、食品、食品原料成分、または栄養補助食品。
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