JP6320449B2 - 繊維強化樹脂成形品の圧縮成形方法および金型 - Google Patents

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本発明は、炭素繊維、ガラス繊維等の強化繊維を含有したいわゆる繊維強化樹脂から成形品を成形する繊維強化樹脂成形品の圧縮成形方法、および金型に関するものである。
炭素繊維、ガラス繊維等の強化繊維を含有させたいわゆる繊維強化樹脂から成形される成形品、つまり繊維強化樹脂成形品は、軽量でありながら高い強度を備えている。従って、繊維強化樹脂成形品は色々な分野で利用され、例えば自動車部品に多く採用されている。自動車の底面に設けられているアンダーカバーも繊維強化樹脂成形品であり、比較的大型であるが十分な強度が得られるので薄肉に形成され軽量化が図られている。
繊維強化樹脂成形品は、色々な成形方法によって成形することができ、例えば型締めした金型に繊維強化樹脂を射出して成形品を得る射出成形によって成形することもできる。しかしながら、比較的薄肉の成形品を成形する場合には、いわゆるプレス成形つまり圧縮成形が有利である。圧縮成形は一対の金型を開き、この金型内に溶融状態の繊維強化樹脂を投入し、一対の金型を締める。繊維強化樹脂の冷却固化を待って金型を開くと、所望の形状に賦形された繊維強化樹脂成形品が得られる。
特開平5−131456号公報
圧縮成形によって繊維強化樹脂成形品を得るとき、強化繊維を含む溶融状態の樹脂を金型内に投入するが、樹脂は金型のキャビティに触れている部分が急激に冷却されて流動性を失うので、圧縮成形後に得られる繊維強化樹脂成形品は、フローマークが形成されたり表面に強化繊維が露出したりして、品質に問題が生じ易い。特許文献1には、フローマークの形成や強化繊維の露出を防止することができる金型が記載されている。特許文献1に記載の金型50は圧縮成形用の金型であり、図6に示されているように上金型51と下金型52からなる。下金型52には成形用突起54が形成され、この成形用突起54の上に鋼板56が固着され、そしてこの鋼板56の表面には断熱性を備えた被膜58が形成されている。被膜58は、圧縮成形の対象となる樹脂よりも熱変形温度が10℃以上高く、熱伝導率が小さい樹脂から形成されており、例えばポリエチレンテレフタレート等から形成されている。上金型51には凹部59が形成されており、下金型52の被膜58と上金型51の凹部59とから圧縮成形用のキャビティが構成されるようになっている。この金型50においては、金型50を開いて材料のシート状の溶融樹脂61を上金型52の上に載せ、金型50を締める。つまり下金型52に対して上金型51を押し付ける。そうすると溶融樹脂61はキャビティによって圧縮され、冷却固化を待って金型50を開くと所望の形状の成形品が得られる。ところで上金型52の上に載せられたシート状の溶融樹脂61は、熱伝導率の小さい被膜58の上に載せられるので、急激に冷却することはなく流動性が低下することはない。従って、圧縮成形により得られる成形品にはフローマークは形成されない。ところでこの金型50は、繊維強化樹脂の圧縮成形にも適しており、強化繊維入りの溶融樹脂を成形する場合においてもフローマークは形成されないし、成形される成形品において強化繊維が表面に露出することもない。
特許文献1に記載の金型50は、断熱性を備えた被膜58が設けられているので、溶融樹脂の急激な冷却を防止することができ、従って繊維強化樹脂から圧縮成形によって成形品を得るとき、フローマークが形成されたり成形品の表面に強化繊維が露出することがなく、品質の高い成形品が成形できる。つまり品質が高い繊維強化樹脂成形品が得られるので、優れてはいる。しかしながら若干の解決すべき問題も見受けられる。まず、被膜58の耐久性の問題をあげることができる。被膜58はポリエチレンテレフタレート等の樹脂からなるので、比較的耐久性は備えていると言えるが、成形を繰り返し実施すると摩耗したり劣化する。または成形毎に加熱・冷却が繰り返されるが、これによって熱膨張による伸縮が頻繁に発生する。そうすると鋼板56から被膜58が剥離してしまう。このように被膜が摩耗、劣化したり剥離してしまうと、断熱性を維持することができなくなり、品質の高い繊維強化樹脂成形品が得られなくなる。次に、生産性の低下の問題をあげることができる。特許文献1に記載の金型50において、品質の高い繊維強化樹脂成形品を成形するためには、被膜58は十分な断熱性を備える必要がある。そうすると被膜58は所定の膜厚から形成する必要があるが、断熱性を十分に高くすると、冷却の効率が低下してしまう。つまり材料の溶融樹脂61を圧縮した後に、樹脂を冷却するとき時間を要してしまう。そうすると成形サイクルが長くなって成形コストが大きくなる。
本発明はこのような問題を解決することを目的としており、具体的には、繊維強化樹脂から成形品を成形するとき、成形品にフローマークが形成されたり強化繊維が露出することがなく、成形を繰り返しても金型が摩耗したり劣化することもなく、生産性が高い繊維強化樹脂成形品の圧縮成形方法、およびその圧縮成形方法に使用される金型を提供することを目的としている。
本発明は上記目的を達成するために、繊維強化樹脂成形品の圧縮成形方法として構成される。圧縮成形方法は、金型のキャビティ内に強化繊維を含む溶融樹脂である材料樹脂を投入する材料樹脂投入工程と、金型を型閉じ方向に駆動してキャビティ内に材料樹脂を充填させて繊維強化樹脂成形品を成形する圧縮工程とからなる。本発明において材料樹脂投入工程は、予め前記金型のキャビティの上方において複数本のロッドを金型の側方から突き出して、材料樹脂を複数本のロッドの側面に載せ、それによって材料樹脂とキャビティの表面の接触を阻害するようにする。そして圧縮工程は、複数本のロッドを待避させて材料樹脂がキャビティの表面に載置されるようにし、金型を型閉じ方向に駆動するように構成する。
すなわち本発明の請求項1に係る発明は、型開きされた金型のキャビティ内に強化繊維を含む溶融樹脂である材料樹脂を投入する材料樹脂投入工程と、前記金型を型閉じ方向に駆動して前記キャビティ内に前記材料樹脂を充填させて繊維強化樹脂成形品を成形する圧縮工程とからなる繊維強化樹脂成形品の圧縮成形方法において、前記材料樹脂投入工程は、予め前記金型の前記キャビティの上方において複数本のロッドを前記金型の側方から突き出して、前記材料樹脂を前記複数本のロッドの側面に載せ、それによって前記材料樹脂と前記キャビティの表面の接触を阻害するようにし、前記圧縮工程は、前記複数本のロッドを待避させて前記材料樹脂が前記キャビティの表面に載置されるようにし、前記金型を型閉じ方向に駆動するようにすることを特徴とする繊維強化樹脂成形品の圧縮成形方法として構成される。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の圧縮成形方法において、前記材料樹脂投入工程において前記材料樹脂はシート状に形成して前記キャビティ内に投入するようにすることを特徴とする繊維強化樹脂成形品の圧縮成形方法として構成される。
請求項3に記載の発明は、強化繊維を含む溶融樹脂である材料樹脂を圧縮成形して繊維強化樹脂成形品を得る圧縮成形用金型であって、前記金型は、強化繊維を含む溶融樹脂である材料樹脂をそれらの側面において載せるための複数本のロッドが設けられ、前記複数本のロッドは前記金型の側方から前記金型の上方に位置するように進退自在に突き出されるようになっていることを特徴とする繊維強化樹脂成形品の圧縮成形用金型として構成される。
以上のように本発明は、型開きされた金型のキャビティ内に強化繊維を含む溶融樹脂である材料樹脂を投入する材料樹脂投入工程と、金型を型閉じ方向に駆動してキャビティ内に材料樹脂を充填させて繊維強化樹脂成形品を成形する圧縮工程とからなる繊維強化樹脂成形品の圧縮成形方法を対象としている。そして本発明によると材料樹脂投入工程は、予め金型のキャビティの上方において複数本のロッドを金型の側方から突き出して、材料樹脂を複数本のロッドの側面に載せ、それによって材料樹脂とキャビティの表面の接触を阻害するように構成されている。材料樹脂はキャビティの表面に接触すると急激に冷却されて流動性を失ってしまうが、本発明によると材料樹脂はキャビティ表面に接触しない。つまり材料樹脂はロッドの側面に載せられるので、材料樹脂とキャビティ表面の間には断熱性の高い空気層が介在することになる。これによって材料樹脂の急激な冷却を防止して流動性が維持されることになる。そして本発明によると圧縮工程は、複数本のロッドを待避させて材料樹脂がキャビティの表面に載置されるようにし、金型を型閉じ方向に駆動するようにするので、複数本のロッドは圧縮工程の妨げにならず、材料樹脂は圧縮されてキャビティ全体に充填されることになる。つまり本発明によると、材料樹脂は流動性が維持された状態でキャビティ内に充?されるので、得られる繊維強化樹脂成形品はフローマークが形成されず、その表面に強化繊維が露出することもない。つまり品質の高い繊維強化樹脂成形品を成形することができる。そして複数本のロッドは、金属から形成すれば耐久性は高く、繊維強化樹脂成形品の成形を繰り返し実施しても摩耗や劣化の問題はない。そして圧縮工程においては材料樹脂はキャビティの表面に接触するので速やかに冷却されることになる。つまり冷却効率が高いので繊維強化樹脂成形品の成形サイクルを短くすることができ、生産コストを小さくすることができる。他の発明によると材料樹脂投入工程において材料樹脂はシート状に形成してキャビティ内に投入するように構成されている。シート状に形成するので、材料樹脂がキャビティ全体を覆った状態になるように材料樹脂を投入することができる。そうするとその後実施される圧縮工程において、材料樹脂の流動する量を小さくすることができる。これによって確実にフローマークの形成や強化繊維の露出を防止することができる。
本発明の第1の実施の形態にかかる繊維強化樹脂成形品の圧縮成形用金型を示す正面断面図である。 本発明の実施の形態に係る繊維強化樹脂成形品の圧縮成形方法を模式的に示す図で、その(ア)〜(オ)は圧縮成形方法の各工程における本実施の第1の形態に係る圧縮成形用金型を示す正面断面図である。 材料樹脂が投入された状態の本発明の第1の実施の形態にかかる繊維強化樹脂成形品の圧縮成形用金型を示す正面断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る繊維強化樹脂成形品の圧縮成形用金型を示す図で、その(ア)は正面断面図、その(イ)は下金型の上面図である。 本発明の実施の形態に係る繊維強化樹脂成形品の圧縮成形方法の各工程における本実施の第2の形態に係る圧縮成形用金型を示す正面断面図である。 従来例の圧縮成形用金型を示す正面断面図である。
本発明の実施の形態について説明する。本発明の第1の実施の形態に係る圧縮成形用金型1は、強化繊維を含有する樹脂つまり繊維強化樹脂からなる繊維強化樹脂成形品を圧縮成形方法により成形する金型である。圧縮成形用金型1は、図1に示されているように、上金型2と下金型3とから構成され、図に示されていないプレス機によって型開きされたり、型閉じ方向に駆動されるようになっている。上金型2にはその中央部に凸部5が形成されている。下金型3には、この凸部5と対応するように中央部に凹部6が形成されている。この凸部5と凹部6から繊維強化樹脂成形品を成形するキャビティが構成されるようになっている。つまり凸生5と凹部6の表面がキャビティ表面7、8になっている。
圧縮成形用金型1は、下金型3に本発明に特有の構造が設けられている。すなわちキャビティ表面8から進退自在な複数本のロッド9、9、…が設けられている。ロッド9、9、…は本実施の形態においては所定径の円柱状に形成されており、下金型3のキャビティ表面8に開口している穴に挿入されている。ロッド9、9、…の下端部は下金型3内の空間に達し、空間内に収納されているプレート11に固着されている。プレート11を上方に駆動するとロッド9、9、…はキャビティ表面8から突き出ることになり、下方に駆動するとロッド9、9、…は待避するようになっている。待避した状態においてロッド9、9、…の先端の面、つまり上面はキャビティ表面8と滑らかに接続される。このときロッド9、9、…の上面はキャビティ表面8の一部を構成することになる。なお本実施の形態において、複数本のロッド9、9、…の長さは均一ではない。図1に示されているように凹部6の中央部、つまりキャビティ表面8の中央部は周辺に比して若干盛り上がっている。この盛り上がった位置に設けられているロッド9、9、…は盛り上がりの程度に応じて長さが選定されており、これによってプレート11を駆動してロッド9、9、…が待避したときに全てのロッド9、9、…の上面がキャビティ表面8と滑らかに連続することになる。
本実施の形態に係る圧縮成形用金型1によって、繊維強化樹脂成形品を成形する方法を説明する。最初に成形品の材料について説明する。材料は熱可塑性樹脂を母材とする強化繊維を含有したいわゆる繊維強化樹脂、つまり複合材料からなり、本実施の形態においては、例えば炭素繊維を含有するポリアミド合成樹脂からなる繊維強化樹脂が使用されている。本実施の形態に係る圧縮成形方法では、材料である繊維強化樹脂を溶融状態にして、プランジャ式射出装置、連続可塑化射出装置等によりTダイから押し出す。Tダイから押し出された溶融状態の繊維強化樹脂はシート状に形成されるが、このシート状の繊維強化樹脂を圧縮成形の材料である材料樹脂として使用する。なお、強化繊維を含まない樹脂の場合には溶融状態になっているときは流動性が高いが、強化繊維を含む繊維強化樹脂の場合には母材の樹脂が溶融状態であっても流動性が比較的小さい。従って材料樹脂は、強化繊維を含んでいるので、溶融状態であってもシート状の形状を維持して圧縮成形用金型1に運搬することができる程度に流動性が小さい。
まず、材料樹脂投入工程を実施する。すなわち、図2の(ア)に示されているように、圧縮成形用金型1を開くと共にプレート11を駆動して複数本のロッド9、9、…が下金型3のキャビティ表面8から突き出され、それによってロッド9、9、…の上面がキャビティの上方に位置するようにする。シート状の材料樹脂13を下金型3のキャビティ内に投入する。そうすると材料樹脂13は、図2の(イ)に示されているように、凹部6の略全体つまりキャビティ表面8の略全体を覆うが、ロッド9、9、…の先端によって支持されることになる。これによって、図3において拡大して示されているように、材料樹脂13は下金型3のキャビティ表面8から突き出たロッド9、9、…の高さだけ、つまりlだけ浮いた状態になる。つまり材料樹脂13とキャビティ表面8の間には高さがlの断熱性が高い空気層が形成されることになる。これによって材料樹脂13は冷却されずに流動性は失わずに維持される。
材料樹脂投入工程の次に、圧縮工程を実施する。すなわち図2の(ウ)に示されているようにプレート11を駆動してロッド9、9、…を待避させる。そうするとロッド9、9、…の上面はキャビティ表面8の一部を構成し、材料樹脂13はキャビティ表面8に全体的に接触する。接触と同時にキャビティ表面8に接している材料樹脂13の冷却が始まるが、材料樹脂13の流動性が確保されている間に、図2の(エ)に示されているように上金型2を型閉じ方向に駆動する。そうすると材料樹脂13が圧縮されてキャビティ内に充填される。溶融状態の材料樹脂13は流動性が高くキャビティ表面7、8に沿って滑らかに流動し、転写性に優れた繊維強化樹脂成形品14が成形される。なお圧縮工程において、ロッド9、9、…の待避と上金型2の駆動は同時に実施してもよい。同時に実施するようにすると材料樹脂13の冷却による流動性の低下の問題はほとんど生じない。圧縮工程後、冷却固化を待って、図2の(オ)に示されているように圧縮成形用金型1を開く。このときプレート11を駆動して複数本のロッド9、9、…を成形品突き出し用ロッドのように突き出してもよい。このようにして品質の高い繊維強化樹脂成形品14が得られる。以下、同様にして成形する。
材料樹脂13はキャビティ表面8に接すると速やかに冷却されるが、ロッド9、9、…によって支持されてキャビティ表面8との間に空気層が確保されていると、材料樹脂13の冷却は抑制される。このことは材料樹脂13から下金型3のキャビティ表面8に流れる単位時間あたりの熱量、つまり熱流束を考えると明らかである。図3に示されているように、材料樹脂13の厚さはlあるが、材料樹脂13の温度をT、材料樹脂13の熱伝導率をλとし、もし空気層が無かったら、つまり材料樹脂13が金型温度Tのキャビティ表面8に直接載っていたら、材料樹脂13から下金型3に流れる熱流束qは1式のように与えられる。これに対して、図3に示されているように、ロッド9、9、…によって高さlで熱伝導率をλの空気層が確保されていたら、材料樹脂13から下金型3に流れる熱流束qは2式のように与えられる。
Figure 0006320449
材料樹脂13の熱伝導率をλは、0.2〜0.3W/m・Kであるのに対し、乾燥空気の熱伝導率λは、0.0241W/m・Kと非常に小さい。従って1式、2式から明らかに熱流束は、q>>qとなる。そうすると、ロッド9、9、…によって支持されている材料樹脂13は熱量が下金型3から奪われにくく、冷却し難い。つまり流動性を失わないことが分かる。
次に、本発明の第2の実施の形態に係る圧縮成形用金型1’について説明する。本発明の第2の実施の形態に係る圧縮成形用金型1’は、図4に示されているように構成されているが、前実施の形態に係る圧縮成形用金型1と同様の部材については、同じ符号を付して説明を省略する。圧縮成形用金型1’は、下金型3’において複数本のロッド9’、9’、…が側方から進退自在に突き出されるように設けられている点に特徴がある。つまり、複数本のロッド9’、9’、…は、下金型3’の左右から中央に向かって、キャビティ表面8の上方に位置するように突き出されるようになっている。この実施の形態に係る圧縮成形用金型1’において材料樹脂投入工程を実施すると、図5の(ア)に示されているように、材料樹脂13は、複数本のロッド9’、9’、…の腹、つまり側面において支持されることになる。材料樹脂13はキャビティ表面8への接触が阻害される。圧縮工程においては、複数本のロッド9’、9’、…を図5の(イ)に示されているように待避させ、材料樹脂13がキャビティ表面8に載せられるようにし、上金型2を型閉じ方向に駆動する。前実施の形態と同様に繊維強化樹脂成形品14が成形される。
本実施の形態に係る圧縮成形用金型1、1’は色々な変形が可能である。例えば本明細書においてロッド9、9、…、ロッド9’、9’、…は、大径の棒状部材を連想させる「ロッド」として表現されているが、その径つまり太さは任意に選定することができる。つまり「ピン」として表現される方が適切な小径の棒状部材から構成されていてもよく、本明細書においては材料樹脂13を支持できる部材は径の大小に拘わらず「ロッド」として表現されている。材料樹脂投入工程において材料樹脂13と下金型3のキャビティ表面8の接触を阻害するようになっていれば径の大小にこだわる必要がないからである。またロッド9、9、…は円柱状であるように説明したが、三角柱、四角柱等の角柱状に形成されていてもよい。さらには他の形状から構成されていてもよい。さらにはロッド9、9、…はその軸方向において径が一定である必要はなく、例えば上端部が大径で下方に向かって細くなっていてもよい。第1の実施の形態に係る圧縮成形用金型1の場合には、ロッド9、9、…はキャビティ表面8から突き出すことができ、そして待避したときにロッド9、9、…の上面がキャビティ表面8を構成するようになっていれば問題なく、第2の実施の形態に係る圧縮成形用金型1’の場合には、ロッド9’、9’、…はキャビティの上方に位置するように進退自在になっていれば問題無く、これらの形状は問わないからである。さらには、ロッド9、9’、…の突き出し方向についても変形が可能である。第1の実施の形態においてはロッド9、9、…は垂直に、第2の実施の形態においてはロッド9’、9’、…は水平に突き出されるようになっているが、斜めに突き出すことも可能であり突き出し方向は任意にすることができる。
ところで、本実施の形態に係る圧縮成形方法の説明では、材料樹脂投入工程において材料樹脂13はキャビティ表面8との接触が全くないように説明している。つまりロッド9、9’、…によって完全に接触が阻害さされているように説明している。しかしながら、概ね接触が阻害されていれば、材料樹脂13の一部がキャビティ表面8と接触してしまっても構わない。接触範囲が小さくなっていれば、全体は冷却されず流動性は失わないからである。またその後に実施する圧縮工程において樹脂がほとんど流動しない部分であれば、材料樹脂投入工程において材料樹脂13がキャビティ表面8と接触して冷却により流動性が低下しても影響は小さいからである。
1 圧縮成形用金型 2 上金型
3 下金型 5 凸部
6 凹部 7 キャビティ表面
8 キャビティ表面 9 ロッド
11 プレート 13 材料樹脂
14 繊維強化樹脂成形品

Claims (3)

  1. 型開きされた金型のキャビティ内に強化繊維を含む溶融樹脂である材料樹脂を投入する材料樹脂投入工程と、前記金型を型閉じ方向に駆動して前記キャビティ内に前記材料樹脂を充填させて繊維強化樹脂成形品を成形する圧縮工程とからなる繊維強化樹脂成形品の圧縮成形方法において、
    前記材料樹脂投入工程は、予め前記金型の前記キャビティの上方において複数本のロッドを前記金型の側方から突き出して、前記材料樹脂を前記複数本のロッドの側面に載せ、それによって前記材料樹脂と前記キャビティの表面の接触を阻害するようにし、
    前記圧縮工程は、前記複数本のロッドを待避させて前記材料樹脂が前記キャビティの表面に載置されるようにし、前記金型を型閉じ方向に駆動するようにすることを特徴とする繊維強化樹脂成形品の圧縮成形方法。
  2. 請求項1に記載の圧縮成形方法において、前記材料樹脂投入工程において前記材料樹脂はシート状に形成して前記キャビティ内に投入するようにすることを特徴とする繊維強化樹脂成形品の圧縮成形方法。
  3. 強化繊維を含む溶融樹脂である材料樹脂を圧縮成形して繊維強化樹脂成形品を得る圧縮成形用金型であって、
    前記金型は、強化繊維を含む溶融樹脂である材料樹脂をそれらの側面において載せるための複数本のロッドが設けられ、前記複数本のロッドは前記金型の側方から前記金型の上方に位置するように進退自在に突き出されるようになっていることを特徴とする繊維強化樹脂成形品の圧縮成形用金型。
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