JP6319851B2 - 粘性係数算出装置、押込試験装置、引張試験装置、粘性係数算出方法およびプログラム - Google Patents

粘性係数算出装置、押込試験装置、引張試験装置、粘性係数算出方法およびプログラム Download PDF

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Description

本発明は、粘性係数算出装置、押込試験装置、引張試験装置、粘性係数算出方法およびプログラムに関する。
物質の粘弾性は、物質が有する弾性と粘性とを併せ持った特性である。よって粘弾性の特性を知るには、押込試験等に基づいて、縦弾性係数と粘性係数を同定することが好ましい。押込試験等に基づいて縦弾性係数等を同定する方法として、例えば特許文献1がある。特許文献1においては、3要素固体モデルを用い、3つの押込速度における変形量と力との関係を計測し、当該力を細かく区切った各レベルにおける3つの変形量の比較に基づいて、3要素固体モデルの2個の弾性要素と1個の粘性要素の物性値を非線形パラメータとして同定する。
特許文献1 特開2011−137667号公報
しかしながら、上記特許文献1の方法は、物性値の同定にあたり計測したデータに複雑な逐次処理を施すという、難しい分析手法を用いている。よって、粘弾性の粘性係数の値をより簡便かつ正確に同定することが求められている。
本発明の第1の態様においては、粘性係数算出装置であって、試料に荷重をかけた場合の、特定の歪が生じるまでの複数の時間ごとに、フック則に従うとみなしたときの見かけの弾性係数に対応する変形抵抗率の値を取得する抵抗率取得部と、粘弾性モデルの構成式から得られる応力とひずみの一階微分方程式に変形抵抗率を代入することにより解析的に得られ、時間についての分数関数となる、変形抵抗率と粘性係数とを関係付ける関係式を用いて、抵抗率取得部により取得された複数の時間ごとの変形抵抗率の値から、試料の粘性係数の値を出力する出力部とを備える。
本発明の第2の態様においては、押込試験装置であって、試料に圧子を押し込む押込部と、押込部により圧子を互いに異なる速度で押し込んだ場合の、複数の速度に対応付けて、圧子の荷重および荷重に対する試料の押込量を複数取得する荷重取得部と、荷重取得部により取得された複数の荷重および押込量から、ヘルツの弾性接触理論に基づく式により、複数の時間ごとに、フック則に従うとみなしたときの見かけの弾性係数に対応する変形抵抗率の値を算出する抵抗率算出部と、粘弾性モデルの構成式から得られる応力とひずみの一階微分方程式に変形抵抗率を代入することにより解析的に得られ、時間についての分数関数となる、変形抵抗率と粘性係数とを関係付ける関係式を用いて、抵抗率算出部により算出された複数の時間ごとの変形抵抗率の値から、試料の粘性係数の値を出力する出力部とを備える。
本発明の第3の態様においては、引張試験装置であって、試料を引っ張る引張部と、引張部により試料を複数の異なる速度で引っ張った場合の、複数の速度に対応付けて、引っ張りの荷重および荷重に対する試料の引っ張り量を複数取得する荷重取得部と、荷重取得部により取得された複数の荷重および引っ張り量から、複数の時間ごとに、フック則に従うとみなしたときの見かけの弾性係数に対応する変形抵抗率の値を算出する抵抗率算出部と、粘弾性モデルの構成式から得られる応力とひずみの一階微分方程式に変形抵抗率を代入することにより解析的に得られ、時間についての分数関数となる、変形抵抗率と粘性係数とを関係付ける関係式を用いて、抵抗率算出部により算出された複数の時間ごとの変形抵抗率の値から、試料の粘性係数の値を出力する出力部とを備える。
本発明の第4の態様においては、粘性係数算出方法であって、試料に荷重をかけた場合の、特定の歪が生じるまでの複数の時間ごとに、フック則に従うとみなしたときの弾性係数に対応する変形抵抗率の値を取得する抵抗率取得段階と、粘弾性モデルの構成式から得られる応力とひずみの一階微分方程式に変形抵抗率を代入することにより解析的に得られ、時間についての分数関数となる、変形抵抗率と粘性係数とを関係付ける関係式を用いて、抵抗率取得段階により取得された複数の時間ごとの変形抵抗率の値から、試料の粘性係数の値を出力する出力段階とを備える。
本発明の第5の態様においては、プログラムであって、コンピュータを試料に荷重をかけた場合の、特定の歪が生じるまでの複数の時間ごとに、フック則に従うとみなしたときの見かけの弾性係数に対応する変形抵抗率の値を取得する抵抗率取得部と、粘弾性モデルの構成式から得られる応力とひずみの一階微分方程式に変形抵抗率を代入することにより解析的に得られ、時間についての分数関数となる、変形抵抗率と粘性係数とを関係付ける関係式を用いて、抵抗率取得部により取得された複数の時間ごとの変形抵抗率の値から、試料の粘性係数の値を出力する出力部として機能させる。
なお、上記の発明の概要は、本発明の特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
粘弾性を有する試料のモデルの一例である3要素固体モデルを示す。 粘弾性体に対する応力ひずみ線図を概念的に示す。 試料の粘性係数μを同定する、押込試験システムの概略斜視図を示す。 粘性係数算出装置12の機能ブロックを示す。 粘性係数算出装置12の動作の一例を示すフローチャートである。 第1実施例における、押込試験装置からの出力の一例を示す。 第1実施例における、試験の結果から算出した時間tおよび平均抵抗率Dの値と、計算値とを示す。 第1実施例における、各試料に対する、粘性係数μ、短期縦弾性係数Dおよび長期縦弾性係数Dの値を示す。 第1の比較例における、各試料に対する、粘性係数μ、短期縦弾性係数Dおよび長期縦弾性係数Dの値を示す。 第2実施例における、試験の結果から算出した時間tおよび平均抵抗率Dの値と、計算値とを示す。 第2実施例における、βゲルに対する、粘性係数μ、短期縦弾性係数Dおよび長期縦弾性係数Dの値を示す。 粘弾性を有する試料のモデルの一例であるマクスウェルモデルを示す。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
本実施形態は、粘弾性を有する試料の粘性係数μの値を算出する。この場合に、フック則に従うとみなしたときの見かけの弾性係数に対応する変形抵抗率Dを用いる。さらに、粘弾性モデルの構成式から得られる応力とひずみの一階微分方程式に当該変形抵抗率Dを代入することにより解析的に得た、変形抵抗率Dと粘性係数μとを関係付ける関係式を用いる。当該関係式は、時間tについての分数関数となる。まず、当該関係式について説明する。
図1は、粘弾性を有する試料のモデルの一例である3要素固体モデルを示す。弾性部のひずみε、縦弾性係数E、粘弾性部のばね要素の縦弾性係数Eve、そこに生じる応力σve、ダッシュポット要素の粘性コンプライアンスC、そこに生じる応力σ、ひずみεについて、下記数式1から数式6の関係が成り立つ。
なお、各物理量の示す記号に付されたオーバードットは、時間微分を示し、文中では上付き「・」で代用する。また、各物理量にオーバーラインが付されたものを文中で上付き「−」で代用する。
上記数式1から6に基づき、当該モデルの構成式は数式7のように表される。
図2は、粘弾性体に対する応力ひずみ線図を概念的に示す。試料が粘弾性体である場合には、当該試料が有する粘性により、ひずみ速度εが大きいほど、図中の傾きである、見かけの縦弾性係数が大きくなる。なお、図2では、当該試料についていずれのひずみ速度εでも、応力σとひずみεとが線形関係にあるとみなした直線が描かれている。
ここで、試料がフック則に従うとみなしたときの見かけの弾性係数に対応する変形抵抗率Dを導入する。まず、数式8に示すように、ひずみ0の状態から特定のひずみ量εに達するまでの時間tにおいて、便宜的にその間のひずみ速度εが一定であると仮定する。同様に、応力0からσに達するまで、便宜的にその間の応力速度σが一定であると仮定する。
さらに、ひずみ量εと応力σとが図2に示すように線形関係にあるとみなし、その場合の下記数式9で変形抵抗率D[kPa]を定義する。言い換えると、変形抵抗率Dは、粘弾性体のひずみ量εおよび応力σとがフック則に従うとみなしたときの、見かけの弾性係数に対応する。「見かけの弾性係数」であるのは、当該変形抵抗率Dには粘性の影響が含まれていることによる。
本願発明の発明者らは、モデルの構成式である上記数式7に、数式9で定義される変形抵抗率Dを代入すると、変形抵抗率Dが時間tについての応力とひずみとの一階微分方程式から算出される分数関数として解析的に得られることを見出した。すなわち、数式7に数式9を代入して整理すると、下記数式10が得られる。数式10は、変形抵抗率Dと粘性コンプライアンスC等とを関係付ける関係式となっている。
上記数式10によれば、時間tとそのときの変形抵抗率Dとの組が与えられれば、パラメータとしての粘性コンプライアンスCおよび縦弾性係数E、Eveを同定することができる。同定するパラメータが3つあるので、時間tと変形抵抗率Dとの組の値は3つか、それ以上あることが好ましい。
ここで時間tは、数式8で仮定した特定のひずみ量εに達するまでの時間であり、以下のように求められる。まず、粘弾性体のような軟材料を球圧子で押し込む過程において、荷重面にかかる表面形状が大きく変化することから分かるように、圧子の押込みによって試料の変形領域が著しく変化する現象が現れる。そこで、押込みによる変形を、軟材料でない場合にも生じる圧子の接触変形と、軟材料である場合に生じる圧縮変形との重ね合せで表現する。
この場合に、接触変形はヘルツの弾性接触理論によるヘルツひずみε で表わし、圧縮変形は領域体積の変化率ε で表すものとし、下記数式11を定義する。数式11は、押込み過程で試料中に生じる3次元的なひずみ分布を、それと等価な単軸ひずみで表そうとしたものであり、ε は「相当押込みひずみ」と呼ばれる。
ヘルツひずみε は、数式12で表される。ただし、δ[m]は押込量、φ[m]は圧子の直径、ν[−]は試料のポアソン比である。
また、圧縮変形による領域体積の変化率ε は、数式13で表される。ただし、h[m]は試料厚さである。
任意の相当押込みひずみε に達するまでの時間tは、相当押込みひずみの変化量Δε と相当押込みの速度ε とを用いると、数式14で表される。
押込試験における押込速度δ[m/s]は押込量δを用いて、数式15で表される。
数式14に、数式11から13、15を代入して整理することにより、時間tについての数式16を得る。
ここで、t→0のときの変形抵抗率Dを短期縦弾性係数Dとし、t→∞のときの変形抵抗率Dを長期縦弾性係数Dとする。数10から、短期縦弾性係数Dおよび長期縦弾性係数Dは数式17および数式18のように求まる。
長期縦弾性係数Dは、ひずみ速度εが無限小の場合に相当する。よって、長期縦弾性係数Dは、粘性の影響を排除したパラメータであり、したがって、フック則により定義されるヤング率Eと等価である。
次に、図1の粘性コンプライアンスCと粘性係数μとの関係を説明する。粘性コンプライアンスC[Pa−1・s−1]は数式19で定義される。
3次元における等方性の粘性弾性体について、粘性によるひずみ変化εV・は、等方弾性体の場合によく用いられる式との類似から、粘性係数μを用いて、数式20で表される。
ただし、{σ'}は偏差応力であり、x方向について数式21で定義される。
ここで、押込試験が単軸応力下での計測であると仮定すると、数式21を数式20に代入することにより、数式22を得る。
数式22を数式19と比較することにより、数式23の通り、粘性コンプライアンスCと粘性係数μ[Pa・s]との関係が得られる。従って、数式10で粘性コンプライアンスCの値が同定されれば、粘性係数μの値も同定される。
以上、変形抵抗率Dが時間tについて分数関数で表され、当該分数関数を用いることにより、変形抵抗率Dおよび時間tの値が与えられれば粘性係数μの値が同定されることを説明した。ただし、変形抵抗率Dおよび時間tが直接的に与えられない場合があるので、さらに、これらと、押込試験装置から直接的に得られる物理量である押込量δおよび押込荷重Fとの関係を説明する。
ヘルツの弾性接触理論に基づき、押込量δ、押込荷重Fおよび変形抵抗率Dには数式24の関係がある。
そこで、試料に生じ得るひずみ量の標準値から便宜的にひずみの変化量Δε の値を仮定して、押込試験装置から直接的に得られる押込量δ、押込速度δおよび押込荷重Fの実測値から、数式24を用いて変形抵抗率Dの値を算出するとともに、数式16から時間tの値を算出する。これら変形抵抗率Dおよび時間tを用いて、数式10により粘性コンプライアンスCの値を同定し、さらに数式23により粘性係数μの値を同定する。
なお、これまで、3要素モデルの構成式である数式7が数式9によって解析的に解けるとは考えられていなかった。解析的に解くことに代えて、近似的に解く方法があるので、比較例として説明する。
第1の比較例は、数式7に対して、数式25に示す、時間tについての指数関数となる解を仮定する方法である。数式25はステップひずみε=1(t)を与えた場合の応力応答を示している。
ここで、Eおよびμは、各ばね要素の弾性係数とダッシュポット要素の粘性係数である。時間tについては任意である。数式25を仮定して数式7を近似的に解くと、任意の時刻tにおけるせん断弾性係数G(t)が数式26のように得られる。ここで、Gは短期線弾性係数、Gは長期線弾性係数、βは減衰係数である。
数式26に対して、せん断弾性係数Gと縦弾性係数Eとの関係における縦弾性係数Eを変形抵抗率Dに置き換えることにより、数式27が得られる。
この場合に、減衰係数βと粘性係数μとの関係は数式28で与えられる。
以上により、第1の比較例においても、数式7を近似的に解いて、平均抵抗率Dの値から粘性係数μの値を同定することができる。しかしながら、第1の比較例の数式27は平均抵抗率Dが時間tに関して指数関数を用いて表されているので、数値による実際の計算が複雑となる。さらに、時間tは任意なので、いずれの時間tにおける平均抵抗率Dを用いて粘性係数μを同定するかで粘性係数μの値が大きく変わる。
これに対し、本実施形態によれば、数式10は分母と分子の両方に時間tの1次の項を含む分数関数である。よって、数値による実際の計算も容易であり、粘性係数μの値の算出において時間の影響を近似的に相殺することができる。また、数式10におけるパラメータを同定するときの時間tとして、数式16を用いることにより、より統一した条件で粘性係数μの値を同定することができる。
第2の比較例は、上記特許文献1で用いられている方法である。上記の通りこの方法においては、同定するパラメータが3つであることに対応して、3つの押込速度δにおける押込量δと荷重Fとの関係を計測する。さらに、当該荷重Fを細かく区切った各レベルにおける3つの押込量δの比較に基づいて、3要素固体モデルの2個の弾性要素と1個の粘性要素の物性値を非線形パラメータとして同定する。この場合に、計測データを逐次処理する。
よって、第2の比較例によれば、逐次処理のために計測データを多く用いることになり、例えば100から200程度かそれ以上の計測点を用いることになる。従って、押込試験等の試験時間がかかる。さらに、逐次処理の計算量も多くなり、計算時間がかかる。
これに対し、本実施形態によれば、時間tでの平均抵抗率Dの値を用いて、数式10におけるパラメータを直接的に同定する。従って、当該パラメータおよびそこから導かれる粘性係数μの値の同定精度が高い。さらに時間tと平均抵抗率Dとの組の値の数はパラメータの個数程度あればよいので、試験にかかる時間も短く、計算時間も短い。
図3は、試料20の粘性係数μの値を同定する、押込試験システムの概略斜視図を示す。押込試験システムは、押込試験装置10と、当該押込試験装置10との間で情報を送受信する粘性係数算出装置12とを有する。
押込試験装置10は、ベース100と、ベース100上に設けられたフレーム102と、フレーム102に支持されたヘッド104とを有する。ベース100上にはステージ114が移動可能に配される。ステージ114には試料20が載置される。
ヘッド104は、フレーム102上を水平方向に移動可能である。ヘッド104は、アクチュエータ106、ロードセル108、荷重軸110および球圧子112を支持している。アクチュエータ106は、ロードセル108、荷重軸110および球圧子112を一体的に鉛直方向に移動する。ロードセル108、荷重軸110および球圧子112は、直列的にこの順で配される。
制御部116は、ヘッド104の水平方向の移動を制御するとともに、アクチュエータ106の鉛直方向の移動を制御する。制御部116はさらに、球圧子112の鉛直方向の位置およびロードセル108にかかる荷重Fを取得する。
上記押込試験装置10において、制御部116は、粘性係数算出装置12等からの指示に基づいた押込量δおよび押込速度δで、アクチュエータ106を駆動して球圧子112を試料20に押し込む。制御部116は、押込み中のロードセル108の荷重Fを取得する。
制御部116は、押込量δ、押込速度δおよび荷重Fを粘性係数算出装置12に出力する。この場合に、制御部116は、押込量δ等を時々刻々と出力してもよいし、押込みの開始から終了までログとして記録しておき、押込みの終了後または粘性係数算出装置12からの要求があった場合に、粘性係数算出装置12へ出力してもよい。
図4は、粘性係数算出装置12の機能ブロックを示す。粘性係数算出装置12の一例はパーソナルコンピュータである。
粘性係数算出装置12は、荷重取得部120と、抵抗率算出部122と、抵抗率取得部124と、出力部126とを有する。出力部126はさらに、粘性算出部128および格納部130を有する。それぞれの機能は後述するが、これらの機能が、パーソナルコンピュータにソフトウェアプログラムをインストールすることにより実現されてもよい。
図5は、粘性係数算出装置12の動作S10の一例を示すフローチャートである。まず、荷重取得部120は、押込速度δに対応付けて、荷重Fおよび押込量δを押込試験装置10から取得する(S100)。
この場合に、押込試験装置10では、押込速度δを一定にして試料20に球圧子112押し込んだときの、荷重F、および、当該荷重Fに対応する押込量δを計測する試験を、互いに異なる複数の押込速度δについて行う。例えば、数式10において同定するパラメータが3つであることに対応して、押込試験装置10が3つの押込速度δについて試験を行い、荷重取得部120は、3つの押込速度δのそれぞれに対応付けて、荷重Fおよび押込量δを取得する。
抵抗率算出部122は、荷重取得部120により取得された、押込量δおよび荷重Fから、数式24を用いて変形抵抗率Dを算出する(S102)。例えば、数式24における荷重F、および、当該荷重Fに対応する押込量δの計算値を、荷重取得部120により取得された荷重Fおよび押込量δの実測値にフィッティングさせることにより、変形抵抗率Dを算出する。この場合に、抵抗率算出部122は、荷重取得部120により取得された、複数の押込速度δについて、それぞれに対応した変形抵抗率Dを算出する。フィッティングに用いる押込量δの範囲は、各押込速度δに対して同一の範囲をとることが好ましい。
抵抗率算出部122は、さらに、荷重取得部120により取得された、押込速度δ、押込量δおよびひずみの変化量Δε から、数式16を用いて時間tを算出する(S104)。この場合に、抵抗率算出部122は、荷重取得部120により取得された、複数の押込速度δについて、それぞれに対応した時間tを算出する。なお、ステップS102とS104の順序は問わない。
粘性算出部128は、数式10の粘性コンプライアンスCおよび縦弾性係数E、Eveを同定する(S106)。この場合に、粘性算出部128は、抵抗率取得部124が抵抗率算出部122から取得した、平均抵抗率Dと時間tとの複数の組について数式29の最小二乗法を用いて、粘性コンプライアンスCおよび縦弾性係数E、Eveを特定する(同ステップ)。
粘性算出部128は、ステップS106で特定した粘性コンプライアンスCから、数式23を用いて粘性係数μを算出し(ステップS108)、結果をパーソナルコンピュータのディスプレイ、メモリ等に出力する。粘性算出部128はさらに、ステップS106で特定した縦弾性係数E、Eveから、数式18を用いて長期縦弾性係数Dおよび短期縦弾性係数Dを算出して出力してもよい。以上により動作S10を終了する。
上記数式29を含む、動作S10で用いられる各関係式は格納部130に予め格納されており、各ステップにおいて粘性算出部128等により参照される。また、試験おいて予め与えられている、球圧子112の直径φ等の数値も、格納部130に予め格納されている。これに代えて、予め与えられている球圧子112の直径φ等の数値を、荷重取得部120がステップS100において押込試験装置10等から取得してもよい。
[第1実施例]
第1実施例として、粘弾性体の複数の試料について、上記実施形態に基づいて粘性係数μの値を算出した。押込試験装置として、株式会社堀内電機製作所製の卓上型押込試験機「SoftMeasure HS−3001」を用いた。球圧子の直径φとして、10mmのものを用いた。
試料として、株式会社ビューラックス製の肌模型材料「BIOSKIN」のLV2、LV4、LV6、LV8の4種類を用いた。各試料は、デュロメータ硬さで硬い方からLV2、LV4、LV6、LV8となっている。試料の厚さhは中心部において15mmである。
各試料に対して、押込速度δを一定にして試料の中央部に球圧子を押し込んだときの、荷重F、および、当該荷重Fに対応する押込量δを計測した。押込速度δとして、0.5mm/s、0.05mm/s、0.001mm/sの3つについて試験を行った。
図6は、第1実施例における、押込試験装置からの出力の一例を示す。図6は、試料LV2に対する押込速度δが0.5mm/sのときの、荷重Fと押込量δとの関係を示している。灰色の線「Exp.」が押込試験装置から出力された実測値である。
押込試験装置から出力された、押込速度δ、荷重Fおよび押込量δを用いて、数式24により、平均抵抗率Dを算出した。ここで、試料のポアソン比ν[−]を全て0.45と仮定した。同定に用いる押込量δの範囲は圧子接触点から0.5mmまでで共通とした。ひずみの変化量Δε は0.01(=1%)とおいた。図6の実線「App.」が、数式24に基づく計算値である。当該計算値による曲線部分を実測値にフィッティングすることにより、平均抵抗率Dを同定した。
これにより得られた、各押込速度δに対する平均抵抗率Dを表1に示す。ただし、同一の押込速度δについて試験を5回行って得られた結果の平均値を示した。
さらに、押込試験装置から出力された、押込速度δ、荷重Fおよび押込量δを用いて、数式16の時間tを算出した。これにより得られた、各押込速度δに対する時間tを表2に示す。
各試料について、表1および表2に示した時間tおよび平均抵抗率Dの3つの組を用いて、数式29の関数fを最小化する粘性コンプライアンスCおよび縦弾性係数E、Eveを特定した。
図7は、第1実施例における、試験の実測値から算出した時間tおよび平均抵抗率Dと、最小二乗法により特定した粘性コンプライアンスCおよび縦弾性係数E、Eveを数式10に用いた計算値とを示す。試験の結果から算出した値は「Exp.」で示されており、最小二乗法による計算値は「App.」で示されている。
特定された粘性コンプライアンスCから、数式23を用いて粘性係数μを算出した。さらに、特定された縦弾性係数E、Eveから、数式17および数式18を用いて、短期縦弾性係数Dおよび長期縦弾性係数Dを算出した。
図8は、第1実施例における、各試料に対する、粘性係数μ、短期縦弾性係数Dおよび長期縦弾性係数Dを示す。以上の通り、各試料について、弾性の影響を排除した粘性係数μ、および、粘性の影響を排除したヤング率に対応する長期縦弾性係数Dが算出された。
図8によれば、試料LV2は他の試料に比べて粘性係数μおよび短期縦弾性係数Dが大きい値となっているので、ひずみ速度εに対する依存性がより強いことが読み取れる。LV4とLV6については長期縦弾性係数Dの値が互いに近いが、デュロメータ硬さではLV4の方が硬いので、粘性係数μと短期縦弾性係数Dとの比較から、粘性係数μも硬さに対して影響を持つと考えられる。よって、粘弾性体の変形特性の評価にはヤング率Eだけでなく、粘性係数μも考慮すべきことが分かった。さらに、LV2とLV8とでは長期縦弾性係数Dの値に10倍ほどの差があるので、ヤング率Eで比較した場合に、LV2がLV8の10倍程度大きい値であることが分かった。
図9は、第1の比較例を用いた、各試料に対する、粘性係数μ、短期縦弾性係数Dおよび長期縦弾性係数Dを示す。図9に示すように、数式27の平均抵抗率Dが時間tに関して指数関数であるのに対応して、時間tに大きく依存した結果として、粘性係数μの値が図8に比べて2倍程度大きく算出された。
[第2実施例]
第2実施例として、粘弾性体であるβゲルについて、上記実施形態に基づき第1実施例同様に粘性係数μを算出した。押込試験装置と球圧子の直径φは、第1実施例と同じである。
試験に用いた上記のβゲルは、原料が主にシリコーンであり、幅50mm、奥行50mm、高さ20mmの直方体である。βゲルは、αゲルに良く似た性質を有する。
βゲルに対して、押込速度δを一定にしてβゲルの中央部に球圧子を押し込んだときの、荷重F、および、当該荷重Fに対応する押込量δを計測した。押込速度δとして、0.5mm/s、0.125mm/s、0.01mm/sの3つについて試験を行った。
押込試験装置から出力された、押込速度δ、荷重Fおよび押込量δを用いて、数式24により、変形抵抗率Dを算出した。ここで、試料のポアソン比ν[−]を第1実施例と同様に0.45と仮定した。同定に用いる押込量δの範囲は圧子接触点から0.5mmまでで第1実施例と共通とした。ひずみの変化量Δε も第1実施例と同様に0.01(=1%)とおいた。第1実施例と同様の手法により、各押込速度δにおける荷重Fと押込量δとの関係をグラフ化し、数式24に基づく計算値による曲線部分を実測値にフィッティングすることによって、変形抵抗率Dを同定した。なお、第1実施例と同様に、第2実施例でも各押込速度δについて試験を5回ずつ行ってその平均をとった。
さらに、押込試験装置から出力された、押込速度δ、荷重Fおよび押込量δを用いて、数式16の時間tを算出した。各押込速度δに対応する、時間tおよび変形抵抗率Dの3つの組を用いて、数式29の関数fを最小化する粘性コンプライアンスCおよび縦弾性係数E、Eveを特定した。
図10は、第2実施例における、試験の実測値から算出した時間tおよび変形抵抗率Dと、最小二乗法により特定した粘性コンプライアンスCおよび縦弾性係数E、Eveを数式10に用いた計算値とを示す。試験の結果から算出した値は「Exp.」で示されており、最小二乗法による計算値は「App.」で示されている。なお、図10には、比較用に第1実施例のデータも示されている。
特定された粘性コンプライアンスCから、数式23を用いて粘性係数μを算出した。さらに、特定された縦弾性係数E、Eveから、数式17および数式18を用いて、短期縦弾性係数Dおよび長期縦弾性係数Dを算出した。
図11は、第2実施例における、βゲルに対する、粘性係数μ、短期縦弾性係数Dおよび長期縦弾性係数Dを示す。図11には、比較用に第1実施例のデータも示されている。このように、βゲルについて、弾性の影響を排除した粘性係数μ、および、粘性の影響を排除したヤング率に対応する長期縦弾性係数Dが算出された。
図11によれば、βゲルの短期縦弾性係数Dと長期縦弾性係数Dとは、それぞれ62.2kPaと51.2kPaであって、互いに差が小さく、且つ、互いに小さい。これより、βゲルはひずみ速度εに対する依存性が小さいことが読み取れる。さらに、βゲルの粘性係数は約250Pa・sであって、第1実施例の各試料に比べて非常に大きい。これより、βゲルは衝撃吸収の特性を有することが読み取れる。以上の通り、βゲルは、ひずみ速度εが速い領域でも軟らかく、粘性だけが非常に高いので、弾性の部分は物質として殆ど被支配的であって、粘性の特性だけを持った固体という特徴を有することが確認できた。
以上、本実施形態によれば、より簡便かつ正確に粘性係数μを同定することができる。特に、数式7を解析的に解いた数式10を用いているので、より正確に粘性係数μを同定することができる。さらに、数式10は分母と分子の両方に時間tの1次の項を含む分数関数である。よって、数値による実際の計算も容易であり、粘性係数μの算出において時間の影響を近似的に相殺することができる。また、数式10におけるパラメータを同定するときの時間tとして、数式16を用いることにより、より統一した条件で粘性係数μの値を同定することができる。さらに、時間tと変形抵抗率D(平均抵抗率Dを含む。)との組の数はパラメータの個数程度あればよいので、試験にかかる時間も短く、計算時間も短い。
なお、図4に示した粘性係数算出装置12において、抵抗率取得部124が外部から変形抵抗率Dおよび時間tを直接的に取得できる場合には、荷重取得部120および抵抗率算出部122はなくてもよい。また、粘性係数算出装置12の機能の一部または全部が、押込試験装置10に内蔵されていてもよい。
押込試験装置10において、球圧子112を例として説明したが、圧子の形状は球状に限られない。他の例として、円筒や立方体の形状などを採用することができる。圧子の材質としては、金属および/あるいは樹脂材料などを採用することができる。
球圧子112を用いる場合、直径φは1×10−8〜1mの範囲内にあることが好ましい。試料20の厚さhが球圧子112の直径φより大きいと、ヘルツの理論解と同等の結果を得られるという利点がある。試料20の厚さhが球圧子112の直径φ以下であると、ヘルツの理論では同定することが困難であったヤング率を同定できるという利点がある。
球圧子112を用いる場合、押込速度δは1nm/sから10m/sの範囲内にあることが好ましい。球圧子112の押込速度δが1nm/s以上であると、計測に時間がかからないという利点がある。球圧子112の押込速度δが10m/s以下であると、装置を安全に稼働できるという利点がある。
球圧子112と試料20の接触面での粘着を低減する方法としては、試料接触面にタルク粉を塗布する方法、油を塗布する方法などを採用することができる。なお、球圧子112と試料20の接触面での粘着性が小さい場合は、これらの処理を省略することができる。
本実施形態で粘性係数μ等を計測する試料20として、ポリウレタン、シリコーンゴム、ポリオレフィンゴム、天然ゴム、軟質ビニールを含む高分子材料、皮膚や筋肉を含む生体組織、ゼリーやゼラチンを含む食品等があげられる。特に、試料20を切り出さずに球圧子押込試験が実施できれば、低侵襲なin situ計測によるヒト軟組織の粘弾性挙動における非線形物性値の同定も可能となる。
試料20のヤング率Eは、10Paから100MPaの範囲内にあることが好ましい。ヤング率Eが10Pa以上であると、試料20が押込みに伴って崩れたり破壊したりしないという利点がある。試ヤング率Eが100MPa以下であると、軟らかめの圧子も利用できるという利点がある。
試料20の粘性係数μは、10Pa・sから100MPa・sの範囲内にあることが好ましい。粘性係数μが100MPa・s以下であると、粘性挙動を同定できるという利点がある。粘性係数μが10Pa・s以上であると、試料の崩れ無しで計測できるという利点がある。
本実施形態において、粘弾性を有する試料20のモデルの一例である3要素固体モデルを用いたが、他のモデル、例えば2要素固体モデルであるマクスウェルモデルやフォークトモデルが用いられてもよい。また、押込試験装置を使った押込試験に代えて、引張試験装置を用いた引っ張り試験を用いてもよい。この場合には、上記実施形態の押込速度δ、押込量δおよび押込荷重Fに代えて、引張速度、引張量および引っ張りの荷重を用いればよい。
ここで、本実施形態における、上記の2要素固体モデルであるマクスウェルモデルを用いた場合の、変形抵抗率Dを時間tについての分数関数として解析的に得る方法を簡単に説明する。図12は、粘弾性を有する試料のモデルの一例であるマクスウェルモデルを示す。
弾性部の縦弾性係数E、粘性部であるダッシュポット要素の粘性コンプライアンスCについて、下記数式30の関係が成り立つ。
上記数式30に変形抵抗率Dを代入して整理することで、下記数式31が得られる。下記数式31は、2要素固体モデルであるマクスウェルモデルを用いた場合の、変形抵抗率Dを時間tについての分数関数として表した式である。
上記数式31によれば、時間tとそのときの変形抵抗率Dとの組が与えられれば、パラメータとしての粘性コンプライアンスCおよび縦弾性係数Eを同定することができる。さらに、3要素固体モデルを用いた手法と同様に、粘性コンプライアンスCの値を同定することで、粘性係数μの値を同定することができる。このように、本実施形態において、粘弾性を有する試料20のモデルの一例として、2要素固体モデルであるマクスウェルモデルを用いることができる。例えば液体系に近い粘弾性体である試料20に対して、液体系に向いている2要素固体モデルを用いても良い。
ここで、本実施形態の応用例として、円管表面での粘性係数算出の方法を説明する。円管として、動脈を一例に挙げて説明する。ここで説明する動脈の粘性係数算出の方法は、まず、動脈の脈動により変動する動脈の径の相対変位を測定し、動脈の脈動により変動する動脈の血圧を測定し、これら測定した相対変位および血圧から動脈の径の絶対変位および動脈の変形抵抗率の代表値を算出し、さらに算出した絶対変位から変形抵抗率の変動値を算出するものである。
血管のような円筒の形状を有するものについては、厚肉円筒や薄肉円筒の変形モデルを用いることで、円筒に作用する圧力と変形量(変位)の関係から弾性係数(ヤング率)など客観的な力学情報を得ることが原理的に可能である。両端が固定されて内部から圧力Pを受ける厚肉円筒殻の変形は、下記数式32によって表すことができる。
ここで、u、E、ν、φ1、φiは半径の絶対変位、円筒の材料のヤング率、ポアソン比、円筒殻の外直径、内直径をそれぞれ表している。なお、半径の絶対変位uは、基準とする円筒中心の軸から半径方向の外向きに計測した値であり、メートル単位で表す。
上記数式32で表される変位uは、ヤング率Eが定数である場合には圧力Pの増減にのみ比例して変化するが、生体軟組織である血管では粘性効果による変形抵抗の影響を考慮した評価が必要である。この影響を考慮するため、ヤング率Eに代わって、ここでは変形抵抗率Dを用いた下記数式33により血管の変形挙動を評価する。血圧Pの変動に伴う血管変形の相対変位Δuの測定は可能であり、この変動する相対変位Δuを基に血管の絶対変位uを算出することで血管の変形挙動を評価することができる。
絶対変位uを相対変位Δuから算出すべく、変動する変位Δuを血管変形の最小変位の絶対値u0を基準とした相対値として計測することを考える。このとき、この最小の絶対変位u0から相対変位Δuを計測すると考えることによって、血圧Pの変動に伴う血管変形の絶対変位uは時刻tの関数として下記数式34で表すことができる。
上記数式34の絶対変位u(t)を用いることで、時刻tの関数として変動する血圧P(t)も用いながら変形抵抗率D(t)を下記数式35によって表すことができる。
ここで、さらに変動する変形抵抗率D(t)の代表値となる定数Dを考えることにより、この代表する変形抵抗率Dと基準絶対変位u0を変数とする下記数式36に示す関数f(D、u0)を新たに定義する。
次に、適宜センサー等で血圧P(t)、動脈の変形、動脈の流速をそれぞれ測定し、各測定値を得る。
上記数式36の関数f(D、u0)を最小化する変数(D、u0)を最小二乗法によって算出することによって、時刻tの関数として変動する血圧P(t)と相対変位Δu(t)の値から変形抵抗率Dと基準絶対変位u0を算出する。
さらに、この求めた基準変位u0と上記数式35を用いることによって、時刻tの関数として変動する変形抵抗率D(t)を算出できる。
そして、本実施形態で説明した上記数式10に、ここで算出される時間tとそのときの変形抵抗率Dとの組を代入することで、本実施形態の粘性係数算出方法で用いているパラメータとしての粘性コンプライアンスCおよび縦弾性係数E、Eveを同定することができる。さらに、本実施形態で説明した上記数式23に同定した粘性コンプライアンスCの値を代入することで、粘性係数μの値を同定することができる。
本実施形態の他の応用例として、円管表面での粘性係数算出の他の方法を説明する。円管として、動脈を一例に挙げて説明する。ここで説明する動脈の粘性係数算出の方法は、まず、動脈の脈動によって生じる変動する荷重を動脈に押し付けた圧子で測定し、動脈の変動する血圧を測定し、これら測定した荷重および血圧から圧子間距離と動脈の外径が等しくなるときの圧力および動脈の変形抵抗率の代表値を算出し、さらに算出した圧力から変形抵抗率の変動値を算出するものである。
2つの平行な剛体円柱の圧子と、それに挟み込まれるように直交する弾性円柱の試料の接触を考える。この時、接触により発生する荷重をF、押込量をδ、圧子直径をφ0、試料直径をφ1、試料のYoung率をE、ポアソン比をν、直径φ0とφ1の比から定まる近接量に関するヘルツ係数をλとすると、ヘルツの弾性接触理論から下記数式37を得る。
またこの時、接触面積Sが楕円になると仮定すると、長軸半径a、単軸半径bはそれぞれ下記数式38で表される。
なお、αとβは接触楕円の長短半径に関するヘルツ係数である。上記数式37および数式38から、接触面積Sは下記数式39で表される。また、下記数式40のように各物性値が表される。
試料にかかる内圧をPとすると、接触と内圧Pによって発生する荷重Fは下記数式41の関係となる。
しかし、実際の脈動中の動脈においては、押込量δを測定することは困難である。そこで、圧子間距離と試料外径が等しくなるときの圧力をP0、内圧0の状態における押込量をδ0、時間tにおける内圧をP(t)、P(t)における押込量をΔδとすると、F(t)は下記数式42で求められる。
ここで、内圧を受ける薄肉円筒殻の変形を考える。動脈の変形では粘性による変形抵抗が生じるため、その影響を考慮するため、弾性係数の代わりに変形抵抗率Dを用いると、時間tにおける変位量u(t)は下記数式43となる。
ただし、半径方向の変形量をu、内直径をφiとする。圧力の変化に伴う変形量u(t)を圧子の押込量Δδ(t)と考え、さらに式(数12)から圧力P0と押込量δ0の関係を考えた上で上記数式42に代入すると、下記数式44を得る。
定数Dを変形抵抗率Dの代表値として、次式の残差f(D、P0)を定義する。
次に、適宜センサー等で血圧P(t)、動脈を挟む圧子に発生する荷重、動脈の流速をそれぞれ測定し、各測定値を得る。
上記数式45のf(D、P0)を最小化する(D、P0)を最小二乗法により算出することで、荷重F(t)、圧力P(t)からP0を算出する。求めたP0を、上記数式44に代入することで、変形抵抗率D(t)を算出する。
そして、本実施形態で説明した上記数式10に、ここで算出される時間tとそのときの変形抵抗率Dとの組を代入することで、本実施形態の粘性係数算出方法で用いているパラメータとしての粘性コンプライアンスCおよび縦弾性係数E、Eveを同定することができる。さらに、本実施形態で説明した上記数式23に同定した粘性コンプライアンスCの値を代入することで、粘性係数μの値を同定することができる。
以上、本実施形態の応用例として、円管表面での粘性係数算出方法を2つ説明した。検出されるパラメータが、圧力壁の変動する相対変位であるか、圧力壁の脈動によって生じる変動する荷重であるかによって、それぞれの算出方法を使い分けることができる。
以上のとおり、本実施形態によれば、試料20の形状によって観察できるデータが異なる場合であっても、当該形状の幾何学モデルを利用して、当該実験データから粘弾性モデルの物理量を算出し、当該物理量を用いて、粘性係数を同定することができる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、請求の範囲の記載から明らかである。
請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
10 押込試験装置、12 粘性係数算出装置、20 試料、100 ベース、102 フレーム、104 ヘッド、106 アクチュエータ、108 ロードセル、110 荷重軸、112 球圧子、114 ステージ、116 制御部、120 荷重取得部、122 抵抗率算出部、124 抵抗率取得部、126 出力部、128 粘性算出部、130 格納部

Claims (8)

  1. 試料に荷重をかけた場合の、特定の歪が生じるまでの複数の時間ごとに、フック則に従うとみなしたときの見かけの弾性係数に対応する変形抵抗率の値を取得する抵抗率取得部と、
    粘弾性モデルの構成式から得られる応力とひずみの一階微分方程式に前記変形抵抗率を代入することにより解析的に得られ、時間についての分数関数となる、前記変形抵抗率と粘性係数とを関係付ける関係式を用いて、前記抵抗率取得部により取得された前記複数の時間ごとの前記変形抵抗率の値から、前記試料の粘性係数の値を出力する出力部と
    を備える粘性係数算出装置。
  2. 前記粘弾性モデルは3要素固体モデルである請求項1に記載の粘性係数算出装置。
  3. 前記試料に荷重をかける複数の速度のそれぞれに対応付けて、前記荷重および前記荷重に対する前記試料への押込量および引っ張り量の一方を複数取得する荷重取得部と、
    前記荷重取得部により取得された、前記押込量および前記引っ張り量の前記一方、および、前記荷重から、前記複数の時間ごとの前記変形抵抗率の値を算出し前記抵抗率取得部へ出力する抵抗率算出部と
    をさらに備える請求項1または2に記載の粘性係数算出装置。
  4. 前記出力部は、
    前記関係式を格納した格納部と、
    前記複数の時間ごとの前記変形抵抗率の値を前記抵抗率取得部から取得し、前記格納部に格納された前記関係式を参照することにより、前記試料の粘性係数の値を算出する粘性算出部と
    を有する請求項1から3のいずれか1項に記載の粘性係数算出装置。
  5. 試料に圧子を押し込む押込部と、
    前記押込部により前記圧子を互いに異なる速度で押し込んだ場合の、複数の前記速度に対応付けて、前記圧子の荷重および前記荷重に対する前記試料の押込量を複数取得する荷重取得部と、
    前記荷重取得部により取得された複数の前記荷重および前記押込量から、ヘルツの弾性接触理論に基づく式により、複数の時間ごとに、フック則に従うとみなしたときの見かけの弾性係数に対応する変形抵抗率の値を算出する抵抗率算出部と、
    粘弾性モデルの構成式から得られる応力とひずみの一階微分方程式に前記変形抵抗率を代入することにより解析的に得られ、時間についての分数関数となる、前記変形抵抗率と粘性係数とを関係付ける関係式を用いて、前記抵抗率算出部により算出された前記複数の時間ごとの前記変形抵抗率の値から、前記試料の粘性係数の値を出力する出力部と
    を備える押込試験装置。
  6. 試料を引っ張る引張部と、
    前記引張部により前記試料を複数の異なる速度で引っ張った場合の、複数の前記速度に対応付けて、引っ張りの荷重および前記荷重に対する前記試料の引っ張り量を複数取得する荷重取得部と、
    前記荷重取得部により取得された複数の前記荷重および前記引っ張り量から、ヘルツの弾性接触理論に基づき、複数の時間ごとに、フック則に従うとみなしたときの見かけの弾性係数に対応する変形抵抗率の値を算出する抵抗率算出部と、
    粘弾性モデルの構成式から得られる応力とひずみの一階微分方程式に前記変形抵抗率を代入することにより解析的に得られ、時間についての分数関数となる、前記変形抵抗率と粘性係数とを関係付ける関係式を用いて、前記抵抗率算出部により算出された前記複数の時間ごとの前記変形抵抗率の値から、前記試料の粘性係数の値を出力する出力部と
    を備える引張試験装置。
  7. 試料に荷重をかけた場合の、特定の歪が生じるまでの複数の時間ごとに、フック則に従うとみなしたときの弾性係数に対応する変形抵抗率の値を取得する抵抗率取得段階と、
    粘弾性モデルの構成式から得られる応力とひずみの一階微分方程式に前記変形抵抗率を代入することにより解析的に得られ、時間についての分数関数となる、前記変形抵抗率と粘性係数とを関係付ける関係式を用いて、前記抵抗率取得段階により取得された前記複数の時間ごとの前記変形抵抗率の値から、前記試料の粘性係数の値を出力する出力段階と
    を備える粘性係数算出方法。
  8. コンピュータを
    試料に荷重をかけた場合の、特定の歪が生じるまでの複数の時間ごとに、フック則に従うとみなしたときの見かけの弾性係数に対応する変形抵抗率の値を取得する抵抗率取得部と、
    粘弾性モデルの構成式から得られる応力とひずみの一階微分方程式に前記変形抵抗率を代入することにより解析的に得られ、時間についての分数関数となる、前記変形抵抗率と粘性係数とを関係付ける関係式を用いて、前記抵抗率取得部により取得された前記複数の時間ごとの前記変形抵抗率の値から、前記試料の粘性係数の値を出力する出力部と
    して機能させるプログラム。
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