JP6316215B2 - コイル巻線装置 - Google Patents

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Description

この発明は、電気機器用のコイルを巻線するコイル巻線装置に関するものである。
従来のコイル巻線装置としては、ボビンに巻回されている線材を送出するテンションプーリと、前記テンションプーリから送出された線材を引き込み、この線材をワークに向かって繰り出してワークに巻回するフライヤと、前記テンションプーリと前記フライヤとの間に設けられるテンション調整機構とを備えたコイル巻線装置が開示されている(特許文献1参照)。
このコイル巻線装置のテンション調整機構は、固定配置された第一プーリと、この第一プーリよりも下流側に固定配置された第二プーリと、前記第一プーリよりも下流側であって前記第二プーリよりも上流側に配置された第三プーリと、支点を中心にして回動自在に設けられ、前記第三プーリを揺動自在に支持することで前記線材に張力を付与するテンションアームと、前記テンションアームの回転位置を検出する回転位置検出部とを備え、巻回時において、線材のテンションプーリからの送出速度、およびフライヤによる引き込み速度の変化により発生する張力変動を前記テンションアームにより緩和している。
また、回転位置検出部の検出結果に基づいて、テンションプーリからの線材の送出速度を決定する。このため、線材のテンションプーリからの送出速度、およびフライヤによる繰り出し速度の変化により、テンションアームが支点を中心に回動した際、テンションアームの慣性モーメントの影響により発生する線材の張力変動を抑制しコイルの巻線不良の発生を防止しようとしている。
特開2010−118452号公報
このようなコイル巻線装置にあっては、ワークへの線材の巻回時に、フライヤによる線材の繰り出し速度の変化、すなわち線加速度の変動により発生する張力変動を抑制するテンション調整機構なるものをフライヤアームとは別の場所に設けている。
その結果、テンション調整機構によりコイルの巻線不良の発生の防止が図れたとしてもコイル巻線装置が大型になってしまうという課題があった。また、線材の繰り出し経路上に線材を曲げる多くのプーリが必要になり、当該部分を通過することにより線材に伸びが生じ、コイルの巻線品質を悪化させるという課題があった。
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、小型で、線材の伸びの増加の要因となる線材繰り出し経路上の屈曲部を減らし、コイルの巻線品質を向上させるとともに、コイル巻回時の線加速度の変動により線材に発生する張力変動を抑制し、コイルの巻線不良の発生を防止できる高精度なコイル巻線装置を提供することを目的とする。
この発明に係るコイル巻線装置は、
ワークを保持するワーク保持部と、
前記ワークに対して線材を繰り出すフライヤノズルを先端に有し、前記ワークに前記線材を巻回するフライヤアームと、
前記フライヤアームを回転させる回転部材と、
前記回転部材を前記回転部材の軸方向に駆動する移動機構とを備えたコイル巻線装置において、
前記回転部材は、前記ワークの中心軸の延長線上に重なる軸心を有し、外部から導かれた前記線材を軸方向に案内する第一案内穴を有するシャフトと、
前記シャフトの前記ワーク保持部側の端部に取り付けられ、前記第一案内穴と連通し、径方向に開口する第二案内穴を有し、前記シャフト側と軸方向反対側に前記フライヤアームを取り付けるフライヤアーム保持部と、
前記第一案内穴を通った前記線材を前記第二案内穴に通して径方向外側に案内するガイドローラとを有し、
前記フライヤアームは、前記回転部材に保持され、前記回転部材の径方向に延在するアームと、前記アームの先端から前記回転部材の軸方向に突出して延在する旋回板とからなり、
前記ガイドローラによって前記回転部材の外部に案内された前記線材を、径方向内側向きに反転させるテンション吸収ガイドを、前記回転部材の径方向に移動可能に弾性部材によって付勢された状態で、前記旋回板の外周面に取り付けたテンション変動抑制機構を備えたものである。
この発明に係るコイル巻線装置は、
前記回転部材は、前記ワークの中心軸の延長線上に重なる軸心を有し、外部から導かれた前記線材を軸方向に案内する第一案内穴を有するシャフトと、
前記シャフトの前記ワーク保持部側の端部に取り付けられ、前記第一案内穴と連通し、径方向に開口する第二案内穴を有し、前記シャフト側と軸方向反対側に前記フライヤアームを取り付けるフライヤアーム保持部と、
前記第一案内穴を通った前記線材を前記第二案内穴に通して径方向外側に案内するガイドローラとを有し、
前記フライヤアームは、前記回転部材に保持され、前記回転部材の径方向に延在するアームと、前記アームの先端から前記回転部材の軸方向に突出して延在する旋回板とからなり、
前記ガイドローラによって前記回転部材の外部に案内された前記線材を、径方向内側向きに反転させるテンション吸収ガイドを、前記回転部材の径方向に移動可能に弾性部材によって付勢された状態で、前記旋回板の外周面に取り付けたテンション変動抑制機構を備えたものなので、
線材の伸びの増加の要因となる線材繰り出し経路上の屈曲部を減らし、コイルの巻線品質を向上させるとともに、コイル巻回時の線加速度の変動により線材に発生する張力変動を抑制し、コイルの巻線不良の発生を防止できる小型で高精度なコイル巻線装置を提供できる。
本発明の実施の形態1に係るコイル巻線装置の構成を示す断面図である。 図1のコイル巻線装置を矢印B方向に見た側面図である。 本発明の実施の形態1に係るコイル巻線装置のテンション変動抑制機構の構成を示す断面詳細図である。 コアの断面と、コアに線材を巻回するフライヤノズルの位置関係を示す模式図である。 コイル巻回中のフライヤノズルの位置(角度)と、フライヤノズルから繰り出される線材の線加速度の関係を示す図である。 線材の張力がテンション変動抑制機構に付与されていない無負荷の状態におけるテンション変動抑制機構の断面を示す模式図である。 コイル巻回時の線材の線加速度の変動によって発生する張力変動よって増大した線材の張力が、テンション変動抑制機構に付与された状態におけるテンション変動抑制機構の断面を示す模式図である。 本発明の実施の形態2に係るコイル巻線装置の構成を示す断面図である。 図8のコイル巻線装置を矢印B方向に見た側面図である。 本発明の実施の形態2に係るコイル巻線装置のテンション変動抑制機構の構成を示す断面詳細図である。 線材の張力がテンション変動抑制機構に付与されていない無負荷の状態におけるテンション変動抑制機構の断面を示す模式図である。 コイル巻回時の線材の線加速度の変動によって発生する張力変動よって増大した線材の張力が、テンション変動抑制機構に付与された状態におけるテンション変動抑制機構の断面を示す模式図である。 本発明の実施の形態3に係るコイル巻線装置の構成を示す断面図である。 図13のコイル巻線装置を矢印B方向に見た側面図である。 本発明の実施の形態3に係るコイル巻線装置のテンション変動抑制機構の構成を示す断面詳細図である。 線材の張力がテンション変動抑制機構に付与されていない無負荷の状態におけるテンション変動抑制機構の断面を示す模式図である。 コイル巻回時の線材の線加速度の変動によって発生する張力変動よって増大した線材の張力が、テンション変動抑制機構に付与された状態におけるテンション変動抑制機構の断面を示す模式図である。
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態1に係るコイル巻線装置を図を用いて説明する。
図1は、コイル巻線装置100の構成を示す断面図である。
図2は、図1のコイル巻線装置100を矢印B方向に見た側面図である。
図3(a)は、図1のコイル巻線装置100のテンション変動抑制機構40の構成を示す断面詳細図である。図1の破線で囲んだ部分の拡大図である。
図3(b)は、図2に示すコイル巻線装置100のテンション変動抑制機構40の構成を示す断面詳細模式図である。図2の破線で囲んだ部分の拡大図である。
まず、コイル巻線装置100の構成について説明する。
ワーク保持部60は、ワークとしてのコア10を保持するための部材であり、例えばクランパ等である。台板21は、コイル巻線装置100の可動部分を載せる台である。リニアガイド22は、台板21上に一対、平行に配置されている。移動台23は、2つのリニアガイド22を介して台板21上に移動可能に配設されている。移動台23の移動方向は、図1の紙面左右方向である。リニアモータ24は、移動台23と台板21との間に配設され、台板21側に固定子24aが、移動台23側に可動子24bがそれぞれ対向して固着されている。リニア位置検出器25は、移動台23に連結して設置され、リニアモータ24の可動子24bの固定子24a上における位置を移動台23を介して検出する。台板21、リニアガイド22、移動台23、リニアモータ24、リニア位置検出器25により移動機構20を構成する。
第1の軸受装置26は、移動台23上に固定され、コア10の中心軸の延長線である軸C上に中心軸が一致するように配置されている。第2の軸受装置28は、台板21上に固定され、軸Cと中心軸が一致するように配置されている。
第2の軸受装置28の内側には、中空のボールスプラインシャフト29aにスプライン係合するボールスプライン外筒29bの外周面が、軸Cを中心軸として回転可能に軸支されている。
ボールスプラインシャフト29aとボールスプライン外筒29bとは相対的に軸方向に移動可能であるので、第2の軸受装置28に対して、ボールスプラインシャフト29aは、軸Cを中心に回転自在、かつ、軸方向に移動自在となる。
回転部材27は、ボールスプラインシャフト29aに連結される部材である。回転部材27は、ボールスプラインシャフト29a内の空洞と連通し、線材12を案内する第一案内穴27a1が貫通するシャフト部27aと、第一案内穴27a1と連通し、第一案内穴27a1に対して垂直方向に開口する第二案内穴27b1を有するフライヤアーム保持部27bからなる。シャフト部27aは、第1の軸受装置26に回転可能に支持されている。また、シャフト部27aの中心軸とボールスプラインシャフト29aの中心軸は、いずれも軸Cと重なる。第二案内穴27b1の内部には、軸Cに対して垂直な回転軸を有し、線材12を径方向外側に案内するガイドローラ27cを備える。なお、以下の明細書中で「軸方向」というときは、回転部材27の軸方向、すなわち軸Cの軸方向をいい、「径方向」というときは軸Cに対して垂直な方向をいうものとする。また、単に「外周面」というときは、この軸Cを中心に部材が回転する時に、外側になる面をいうものとする。
フライヤアーム保持部27bの、シャフト部27aが接続される側と反対側の端面にはフライヤアーム30が取り付けられている。フライヤアーム30は、軸Cに対して垂直なアーム31と、アーム31の端部から回転部材27の軸方向に突出して延在する旋回板32とからなる。旋回板32の軸方向先端には、線材12を送出するフライヤノズル33を径方向内側に向けて備える。また、旋回板32の外周面には、コイル巻回時における線材12の張力変動を抑制する、詳細を後述するテンション変動抑制機構40が取り付けられている。ボールスプラインシャフト29aが回転すると、フライヤノズル33は、コア10の周囲を旋回して線材12を径方向内側に向かって繰り出す。
なお、ここでの説明では、回転部材27とボールスプラインシャフト29aは、カップリング7で外周面を相互に連結されているが、回転部材27とボールスプラインシャフト29aは一体の構成としても良い。
モータ50は、台板21に固定されたモータスタンド51に固定されている。モータ50の回転軸50aには、歯付きプーリ52が固定して取り付けられている。また、ボールスプライン外筒29bの軸方向端面には歯付きプーリ53が同軸に固定して取り付けられている。そして歯付きベルト54が歯付きプーリ52と歯付きプーリ53に掛け回されている。したがって、モータ50が回転すると、ボールスプライン外筒29bを介して、ボールスプラインシャフト29aが回転する。このように、モータ50の回転力をフライヤアーム30に伝達する機構が回転機構である。この回転機構を、軸Cの軸方向に移動させる機構が移動機構20である。
次に、コイル巻線装置100のテンション変動抑制機構40の構成について図3を用いて説明する。テンション変動抑制機構40は、コイル巻回時の線材12の線加速度の変動により線材12に負荷される張力変動を抑制するための機構である。テンション吸収ガイド41は、その外周面に沿わせて、線材12の走行方向を径方向内側に反転させつつ、線材12に負荷される張力変動を吸収するためのガイドである。テンション吸収ガイド41は、図3(a)に示すように、円形の部材を中心を通らない直線で2分割し、中心を含む側を用いている。よって、外周のガイド溝41aは、円形の部材の中心から見て180度分以上あることになる。ガイド溝41aは、線材12が外れないようにするために設けている。テンション吸収ガイド41には、図に示すように軸方向に並んだ2つのガイド棒案内穴41cを設けている。ガイド棒案内穴41cはテンション吸収ガイド41の切断面41bから径方向外側に向かって開けられていて、入り口から所定の範囲分は径の大きな穴であり、その先は径が狭くなる段付き穴に形成されている。
一方、フライヤアーム30の旋回板32の外周面32aには、先述した2つのガイド棒案内穴41cの間隔と同間隔で2つのガイド棒嵌合穴32bが軸方向に並べて開けられている。そして、このガイド棒嵌合穴32bには、それぞれ、ガイド棒42が立設して嵌合されている。このガイド棒42の周囲には弦巻バネ43が通されていている。弦巻バネ43の一端部は、旋回板32の外周面32aに当接し、他端部はガイド棒案内穴41c内の径が細くなる部分に形成されるバネ用座面41dに当接する。そして、それぞれのガイド棒42の旋回板32に固定されていない側の端部は、テンション吸収ガイド41のガイド棒案内穴41cに摺動可能に挿入されている。これにより、テンション吸収ガイド41は、ガイド棒42に案内されて径方向に移動可能となる。
テンション吸収ガイド41の中心には軸Cと垂直に、支持軸Dを設けている。旋回板32の外周面には、テンション吸収ガイド41を挟んで径方向に立設された2つのストッパ45を備える。ストッパ45には、それぞれ径方向に長穴45aが設けられていて、この長穴45aに、支持軸Dの端部がそれぞれ通されている。これにより、テンション吸収ガイド41の移動範囲が規制され、ガイド棒42から脱落することはなく、また弦巻バネ43に初張力を付勢できる。
コイル巻線装置100を用いてコア10に巻回される線材12は、軸Cに沿って、ボールスプラインシャフト29aの中心、第一案内穴27a1の中心を通過する。そして、ガイドローラ27cにより径方向外側に案内されて、開口部27b2から回転部材27の外部に出る。そして、テンション吸収ガイド41のガイド溝41a内に約半周分巻かれる。そして径方向内側に開口するフライヤノズル33に導かれる。
次に、コイル巻線装置100の動作について図を用いて説明する。
コア10がワーク保持部60に保持されると、回転部材駆動用のモータ50が駆動される。すると、歯付きプーリ52が回転し、これに連動して歯付きベルト54を介して歯付きプーリ53が回転し、歯付きプーリ53に固定されたボールスプライン外筒29bが回転する。
先述の通り、ボールスプラインシャフト29aは、ボールスプライン外筒29bとの関係では軸方向には摺動するが、周方向には摺動しないので、ボールスプライン外筒29bの回転に伴ってボールスプラインシャフト29aが回転し、ボールスプラインシャフト29aにカップリング7により結合されている回転部材27が回転する。
図4は、コア10の断面と、コア10に線材12を巻回するフライヤノズル33の位置関係を示す模式図である。
図5は、コイル巻回中のフライヤノズル33の位置(フライヤ角度)と、フライヤノズル33から繰り出される線材12の線加速度の関係を示す図である。
図6、図7は、テンション変動抑制機構40の動作を説明するための模式図である。
図6は、線材12の張力がテンション変動抑制機構40に付与されていない無負荷の状態(仮にコイル巻線装置100によるコイルの巻回を途中停止した状態)におけるテンション変動抑制機構40の断面を示す模式図である。
図7は、コイル巻回時の線材12の線加速度の変動によって発生する張力変動よって増大した線材12の張力が、テンション変動抑制機構40に付与された状態におけるテンション変動抑制機構40の断面を示す模式図である。
回転部材27が回転すると、回転部材27に結合されているフライヤアーム30が回転する。そしてフライヤアーム30の回転により、フライヤノズル33が、図4に例示する任意の周回位置P0より、矢印Aで示す方向にコア10の周囲を周回し、線材12のコア10への巻回を開始する。このとき線材12には、図示しないテンション付与機構により張力が付与される。
この線材12への張力が、図6の矢印Tで示す方向に作用することにより、テンション吸収ガイド41へは、巻付角度θに対応する線材12の張力の分力が、図6の矢印Fで示す方向に発生する。この張力の分力がテンション吸収ガイド41を介して弦巻バネ43に図6の矢印Fsの方向に作用し、テンション吸収ガイド41がガイド棒42に案内されて図6に示す点aから点bまでの線材12の長さXを短縮させるように直動運動を開始する。このとき、コア10とフライヤノズル33との間の線材12の引き回し長さ(線材12がコア10と接触していない部分の長さ)は、図4に示すL0である。
更にフライヤノズル33が周回し、フライヤノズル33が、図4に示すコア10の外周面の切り替え位置(線材12を巻回するコア10の面が切り替わる位置)P1を通過するとき、線材12の引き回し長さが、L44からL1に急峻に短縮変化するため、図5に示すように線材12の線加速度が急峻に増加し、線速に増速変動が発生する。これにより線材12の張力が急峻に増大し、テンション吸収ガイド41を介して弦巻バネ43に作用する分力も急峻に増大し、この張力変動を吸収するため弦巻バネ43が短縮し、テンション吸収ガイド41がガイド棒42に案内されて図6に示す点aから点bまでの線材12の長さXを図7に示すように、さらに短縮させる直動運動を行う。
更にフライヤノズル33が周回し、フライヤノズル33が、コア10の外周面切り替え位置P1からP2の間を移動する間は、コア10とフライヤノズル33間の線材12の引き回し長さがL1からL11に穏やかに伸長変化するため、線材12の線加速度が穏やかに減少し、やがてマイナス加速度となって線速に減速変動が発生する。これにより線材12の張力も穏やかに減少し、テンション吸収ガイド41を介して弦巻バネ43に作用する分力も穏やかに減少し、この張力変動を吸収するため弦巻バネ43が伸長し、テンション吸収ガイド41がガイド棒42に案内されて図6に示すように点aから点bまでの線材12の長さXを緩やかに伸長させる直動運動を行う。
更にフライヤノズル33が周回し、フライヤノズル33が、コア10の外周面の切り替え位置P2を通過するとき、コア10とフライヤノズル33間の線材12の引き回し長さは、L11からL2となり、フライヤノズル33がP1からP2の間を通過しているときよりも急峻に短縮変化するため、線材12の線加速度が急峻に増加し、線速に増速変動が発生する。これにより線材12の張力が急峻に増大し、テンション吸収ガイド41を介して弦巻バネ43に作用する分力も急峻に増大し、この張力変動を吸収するため弦巻バネ43が短縮し、テンション吸収ガイド41がガイド棒42に案内されて図6に示す点aから点bまでの線材12の長さXを図7に示すように短縮させる直動運動を行う。
更にフライヤノズル33が周回し、フライヤノズル33が、コア10の外周面切り替え位置P2からP3の間を移動する間は、線材12の引き回し長さがL2からL22に穏やかに伸長変化するため、線材12の線加速度がマイナスに転じ、線速に穏やかな減速変動が発生する。これにより線材12の張力も穏やかに減少し、テンション吸収ガイド41を介して弦巻バネ43に作用する分力も減少し、この張力変動を吸収するため弦巻バネ43が伸長し、テンション吸収ガイド41がガイド棒42に案内されて図6に示すように点aから点bまでの線材12の長さXを緩やかに伸長させる直動運動を行う。
その後、図4に示す他の外周面切り替え位置P3(L22→L3)においては、外周面切り替え位置P1通過時と同様に線加速度、線速、張力が変動し、テンション吸収ガイド41も同じ動作をする。また、外周面切り替え位置P3からP4(L3→L33)の間においては、外周面切り替え位置P1からP2の間と同様に、線加速度、線速、張力が変動し、テンション吸収ガイド41も同じ動作をする。更に、外周面切り替え位置P4(L33→L4)においては、外周面切り替え位置P2通過時と同様に線加速度、線速、張力が変動し、テンション吸収ガイド41も同じ動作をし、外周面切り替え位置P4からP1の間(L4→L44)においては、外周面切り替え位置P2からP3の間と同様に、線加速度、線速、張力が変動し、テンション吸収ガイド41も同じ動作をする。このように、P1、P2、P3、P4、P1へと1ターン分のコイルを巻回し、これをリニアモータ24を駆動しながら必要ターン数繰り返して、任意の終了位置P6でコイルの巻回を完了する。
本発明の実施の形態1に係るコイル巻線装置100によれば、
テンション変動抑制機構40をフライヤアーム30の旋回板32上に設けることにより、小型のコイル巻線装置100を提供できる。
また、テンション変動抑制機構40を、線材12の張力変動に応じて径方向に移動する簡素な直動機構とし、軽量、小型化できるので、部品点数を削減し省スペースなコイル巻線装置100を提供できる。
また、線材12の伸びの増加の要因となる線材繰り出し経路上の屈曲部を減らすことにより、コイルの巻線品質を向上できる。
さらに、コイル巻回時の線加速度の変動により線材12に発生する張力変動を抑制し、コイルの巻線不良の発生を防止できる。
また、1つの大径のテンション吸収ガイド41を設けることにより、線材12の屈曲部の径を大きく設定できるため線材12の伸びを更に抑制することができる。
なお、この発明に用いるテンション付与機構の仕様に限定はなく、押圧式でも、回転抵抗式でもよい。また、本明細書では、移動装置としてリニアモータ、ボールスプライン、歯付きベルト等を使用して説明しているが、これに限るものではない。また、本実施の形態では、線材12に生じるテンション変動の吸収にガイド棒42と弦巻バネ43を用いたがこれらに替えて、気体又は液体を封入したダンパを用いても良いし、その他の伸縮する弾性部材を用いても良い。
実施の形態2.
以下、本発明の実施の形態2に係るコイル巻線装置200を図に基づいて実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。
図8は、コイル巻線装置200の構成を示す断面図である。
図9は、図8のコイル巻線装置200を矢印B方向に見た側面図である。
図10(a)は、図8のコイル巻線装置200のテンション変動抑制機構240の構成を示す断面詳細図である。図8の破線で囲んだ部分の拡大図である。
図10(b)は、図9に示すコイル巻線装置200のテンション変動抑制機構240の構成を示す断面詳細模式図である。図9の破線で囲んだ部分の拡大図である。
コイル巻線装置200と、実施の形態1で説明したコイル巻線装置100とは、テンション変動抑制機構240の構成が異なる。実施の形態1のテンション吸収ガイド41は、線材12にかかる張力変動に応じて、テンション吸収ガイド41全体が径方向に移動する構成としていた。本実施の形態のテンション吸収ガイド241は、弦巻バネの数を減らし、テンション吸収ガイド241が、一点を中心として揺動するように構成され、テンション変動抑制機構240は片持ちの揺動機構として構成されている。
以下、テンション変動抑制機構240の構成について説明する。
テンション吸収ガイド241は、その外周面に沿わせて、線材12の走行方向を径方向内側に転換しつつ、線材12に負荷される張力変動を吸収するためのガイドである。テンション吸収ガイド241は、図10(a)に示すように、象の頭部のような形状の根本部241hと、それに繋がる先の曲がった鼻のような形状のガイド部241iからなる。テンション吸収ガイド241の径方向の外周には、線材12が外れないように案内するガイド溝241aを備える。
テンション吸収ガイド241は、根本部241hに支持穴241h2を有し、この支持穴241h2には軸K3が通されている。この軸K3の両端は、それぞれ、旋回板32の外周面32a上に軸方向に平行に固定された2枚のテンション吸収ガイド支持板242に固定されている。テンション吸収ガイド支持板242には、テンション吸収ガイド241の揺動範囲(移動範囲)を規制するストッパ245を備える。これにより、テンション吸収ガイド241は、軸K3を中心に、ストッパ245によって規制される範囲内で揺動自在となる。
更に、テンション吸収ガイド241は、ガイド部241iに取り付けたバネガイド246と、旋回板32に取り付けたバネガイド247との間に取り付けられ、ストッパ245によって初張力を付勢された弦巻バネ243によって支持されているので、コイル巻回時の線材12の線加速度の変動により発生する張力変動に追従して回転部材27の径方向に揺動可能となる。
テンション変動抑制機構240は、実施の形態1のテンション変動抑制機構40と比較して、線材12を案内する2箇所のR部が形成されていることにより一見、屈曲部が増加したように見えるが、上記2箇所のR部は軸方向に並べて形成され、同じ巻付け方向かつ同じ曲率であり、2箇所のR部間で案内される線材の直線部を除いてみれば、1つの曲面に巻付けた際の巻付け角度と同等であると考えて問題ない。
次に、コイル巻線装置200のテンション変動抑制機構240の動作について図を用いて説明する。
図11、図12は、テンション変動抑制機構240の動作を説明するための模式図である。
図11は、線材12の張力がテンション変動抑制機構240に付与されていない無負荷の状態(仮にコイル巻線装置200によるコイルの巻回を途中停止した状態)におけるテンション変動抑制機構240の断面を示す模式図である。
図12は、コイル巻回時の線材12の線加速度の変動によって発生する張力変動よって増大した線材12の張力が、テンション変動抑制機構240に付与された状態におけるテンション変動抑制機構240の断面を示す模式図である。
実施の形態1と同様に、フライヤノズル33が図4に示す任意の周回位置P0よりコア10の周囲を矢印Aで示す方向に周回を開始する。このとき線材12には、図示しないテンション付与機構により張力が付勢される。
この線材12への張力が、図11の矢印Tで示す方向に作用することにより、テンション吸収ガイド241の軸K3を支点、ガイド部241iの先端を作用点として、テンション吸収ガイド241への線材12の巻付角度に対応する、線材12の張力の分力が、図11の矢印Fで示す方向に発生する。すると、この張力の分力により軸K3を回転中心とするモーメントが発生し、テンション吸収ガイド241を介して弦巻バネ243に、モーメントによる推力が、図11の矢印Fsで示す方向に作用する。これにより、テンション吸収ガイド241は、ガイド部241iの先端が旋回板32に近づく方向、すなわち図12の矢印Eの方向(径方向)に揺動を開始する。すなわち、図11に示す点aから点bまでの線材12の長さXを短縮させる回動運動を開始する。
更にフライヤノズル33が周回し、フライヤノズル33が、図4に示すコア10の外周面切り替え位置P1を通過するとき、線材12の図4に示す引き回し長さが、L44からL1に急峻に短縮変化するため、図5に示すように線材12の線加速度が急峻に増加し、線速に増速変動が発生する。これにより線材12の張力が急峻に増大し、テンション吸収ガイド241を介して弦巻バネ243に作用するモーメントによる推力も急峻に増大する。すると、この張力変動を弦巻バネ243が吸収し、軸K3を支点として、テンション吸収ガイド241のガイド部241iの先端が図12に示す位置まで、点aから点bまでの線材12の長さXを短縮させる矢印Eに示す回動運動を行う。
更にフライヤノズル33が周回し、フライヤノズル33が、図4に示すコア10の外周面切り替え位置P1からP2の間を移動する間は、コア10とフライヤノズル33間の線材12の引き回し長さがL1からL11に穏やかに伸長変化するため、線材12の線加速度が穏やかに減少し、やがてマイナス加速度となって線速に減速変動が発生する。これにより線材12の張力も穏やかに減少し、テンション吸収ガイド241を介して弦巻バネ243に作用するモーメントによる推力も緩やかに減少する。すると、この張力変動を弦巻バネ243が吸収し、軸K3を支点として、テンション吸収ガイド241が図11に示す位置まで、点aから点bまでの線材12の長さXを伸長させる矢印Eに示す回動運動を行う。
更にフライヤノズル33が周回し、フライヤノズル33が、コア10の外周面の切り替え位置P2を通過するとき、コア10とフライヤノズル33間の線材12の引き回し長さはL11からL2となり、フライヤノズル33がP1からP2の間を通過しているときよりも急峻に短縮変化するため、線材12の線加速度が急峻に増加し、線速に増速変動が発生する。これにより線材12の張力が急峻に増大し、テンション吸収ガイド241を介して弦巻バネ243に作用するモーメントによる推力も急峻に増大する。すると、この張力変動を弦巻バネ243が吸収し、軸K3を支点として、テンション吸収ガイド241が図12に示す位置まで、点aから点bまでの線材12の長さXを短縮させる矢印Eに示す回動運動を行う。
更にフライヤノズル33が周回し、フライヤノズル33が、コア10の外周面切り替え位置P2からP3の間を移動する間は、線材12の引き回し長さがL2からL22に穏やかに伸長変化するため、線材12の線加速度がマイナスに転じ、線速に穏やかな減速変動が発生する。これにより線材12の張力も穏やかに減少し、テンション吸収ガイド241を介して弦巻バネ243に作用するモーメントによる推力も緩やかに減少する。すると、この張力変動を弦巻バネ243が吸収し、軸K3を支点として、テンション吸収ガイド241が図11に示す位置まで、点aから点bまでの線材12の長さXを伸長させる矢印Eに示す回動運動を行う。
その後、図4に示す他の外周面切り替え位置P3においては、外周面切り替え位置P1通過時と同様に線加速度、線速、張力が変動し、テンション吸収ガイド241も同じ動作をする。また、外周面切り替え位置P3からP4の間においては、外周面切り替え位置P1からP2の間と同様に、線加速度、線速、張力が変動し、テンション吸収ガイド241も同じ動作をする。更に、外周面切り替え位置P4においては、外周面切り替え位置P2通過時と同様に線加速度、線速、張力が変動し、テンション吸収ガイド241も同じ動作をし、外周面切り替え位置P4からP1の間においては、外周面切り替え位置P2からP3の間と同様に、線加速度、線速、張力が変動し、テンション吸収ガイド241も同じ動作をする。このように、P1、P2、P3、P4、P1へと1ターン分のコイルを巻回し、これをリニアモータ24を駆動しながら必要ターン数繰り返して、任意の終了位置P6でコイルの製造を完了する。
本発明の実施の形態2に係るコイル巻線装置200によれば、実施の形態1の効果に加えて、テンション変動抑制機構240を簡素な片持ちの揺動機構として軽量かつ小型に構成しているので、さらに、テンション変動抑制機構240の応答性能が高まり、精度の高いコイルを巻回できる。
実施の形態3.
以下、本発明の実施の形態3に係るコイル巻線装置300を図に基づいて実施の形態1、2と異なる部分を中心に説明する。
図13は、コイル巻線装置300の構成を示す断面図である。
図14は、図13のコイル巻線装置300を矢印B方向に見た側面図である。
図15(a)は、図13のコイル巻線装置300のテンション変動抑制機構340の構成を示す断面詳細図である。図13の破線で囲んだ部分の拡大図である。
図15(b)は、図14に示すコイル巻線装置300のテンション変動抑制機構340の構成を示す断面詳細模式図である。図14の破線で囲んだ部分の拡大図である。
コイル巻線装置300と、実施の形態1、2で説明したコイル巻線装置100、200とは、テンション変動抑制機構340の構成が異なる。以下、テンション変動抑制機構340の構成について説明する。テンション吸収ガイド341は、2つのL字型の揺動リンク341eと、それぞれの揺動リンク341eのL字状に折れ曲がった角部に設けた支持穴341e1に通した軸K1に、回転可能に配設された支点プーリ341fと、それぞれの揺動リンク341eの長手方向の端部近傍に設けた支持穴341e2に通した軸K2に回転可能に配設された揺動プーリ341gとからなる。各プーリ341f、341gは、外周面に線材12を案内するガイド溝41aを有する。
支点プーリ341fの軸K1の両端は、それぞれ、旋回板32の外周面32a上に軸方向に平行に固定された2枚のテンション吸収ガイド支持板342に固定されている。2つのテンション吸収ガイド支持板342の間には、揺動リンク341eの揺動範囲(移動範囲)を規制するストッパ345を備える。これにより、揺動プーリ341gは、軸K1を中心に、ストッパ345によって規制される範囲内で揺動自在となる。
更に、テンション吸収ガイド341は、揺動リンク341eに取り付けたバネガイド346と、旋回板32に取り付けたバネガイド347との間に取り付けられ、ストッパ345によって初張力を付勢された弦巻バネ343によって支持されているので、コイル巻回時の線材12の線加速度の変動により発生する張力変動に追従して揺動することとなる。このようにテンション変動抑制機構340は、実施の形態2のテンション変動抑制機構240と同様に片持ちの揺動機構であると同時に、線材12との摩擦を極力低減できる構成となっている。
テンション変動抑制機構340は、実施の形態1のテンション変動抑制機構40と比較して、支点プーリ341fと揺動プーリ341gの2つのプーリを備えるため、一見すると屈曲部が増加したように見える。しかし、上記2つのプーリは、軸Cの方向に並べて配置され、同じ巻付け方向かつ同じ曲率なので、各プーリ間の線材の直線部を除いてみれば、1つのプーリに巻付けた際の巻付け角度と同等であると考えて問題はない。
次に、コイル巻線装置300のテンション変動抑制機構340の動作について図を用いて説明する。
図16、図17は、テンション変動抑制機構340の動作を説明するための模式図である。
図16は、線材12の張力がテンション変動抑制機構340に付与されていない無負荷の状態(仮にコイル巻線装置300によるコイルの巻回を途中停止した状態)におけるテンション変動抑制機構340の断面を示す模式図である。
図17は、コイル巻回時の線材12の線加速度の変動によって発生する張力変動よって増大した線材12の張力が、テンション変動抑制機構340に付与された状態におけるテンション変動抑制機構340の断面を示す模式図である。
実施の形態1と同様に、フライヤノズル33が図4に示す任意の周回位置P0より、図14の矢印Aで示す方向にコア10の周囲の周回を開始する。このとき線材12には、図示しないテンション付与機構により張力が付与される。
この線材12への張力が、図16の矢印Tで示す方向に作用することにより、支点プーリ341fの軸K1を支点、揺動プーリ341gを作用点として、揺動プーリ341gへの線材12の巻付角度に対応する線材12の張力の分力が、図16の矢印Fで示す方向に発生する。すると、この張力の分力により軸K1を回転中心とするモーメントが発生し、揺動リンク341eを介して弦巻バネ343にモーメントによる推力が、図16の矢印Fsで示す方向に作用する。これにより、揺動リンク341eは、揺動プーリ341gが旋回板32に近づく方向、すなわち図17の矢印Eの方向に揺動を開始する。すなわち、図16に示す点aから点bまでの線材12の長さXを短縮させる矢印Eに示す回動運動を開始する。
更にフライヤノズル33が周回し、フライヤノズル33が、図4に示すコア10の外周面切り替え位置P1を通過するとき、線材12の図4に示す引き回し長さが、L44からL1に急峻に短縮変化するため、図5に示すように線材12の線加速度が急峻に増加し、線速に増速変動が発生する。これにより線材12の張力が急峻に増大し、揺動プーリ341gから揺動リンク341eを介して弦巻バネ343に作用するモーメントによる推力も急峻に増大する。すると、この張力変動を弦巻バネ343が吸収し、支点プーリ341fの軸K1を支点として、揺動リンク341eと揺動プーリ341gが図17に示す位置まで、点aから点bまでの線材12の長さXを短縮させる矢印Eに示す回動運動を行う。
更にフライヤノズル33が周回し、フライヤノズル33が、図4に示すコア10の外周面切り替え位置P1からP2の間を移動する間は、コア10とフライヤノズル33間の線材12の引き回し長さがL1からL11に穏やかに伸長変化するため、線材12の線加速度が穏やかに減少し、やがてマイナス加速度となって線速に減速変動が発生する。これにより線材12の張力も穏やかに減少し、揺動プーリ341gから揺動リンク341eを介して弦巻バネ343に作用するモーメントによる推力も緩やかに減少する。すると、この張力変動を弦巻バネ343が吸収し、支点プーリ341fの軸K1を支点として、揺動リンク341eと揺動プーリ341gが図16に示す位置まで、点aから点bまでの線材12の長さXを伸長させる矢印Eに示す回動運動を行う。
更にフライヤノズル33が周回し、フライヤノズル33が、コア10の外周面の切り替え位置P2を通過するとき、コア10とフライヤノズル33間の線材12の引き回し長さはL11からL2となり、フライヤノズル33がP1からP2の間を通過しているときよりも急峻に短縮変化するため、線材12の線加速度が急峻に増加し、線速に増速変動が発生する。これにより線材12の張力が急峻に増大し、揺動プーリ341gから揺動リンク341eを介して弦巻バネ343に作用するモーメントによる推力も急峻に増大する。すると、この張力変動を弦巻バネ343が吸収し、支点プーリ341fの軸K1を支点として、揺動リンク341eと揺動プーリ341gが図17に示す位置まで、点aから点bまでの線材12の長さXを短縮させる矢印Eに示す回動運動を行う。
更にフライヤノズル33が周回し、フライヤノズル33が、コア10の外周面切り替え位置P2からP3の間を移動する間は、線材12の引き回し長さがL2からL22に穏やかに伸長変化するため、線材12の線加速度がマイナスに転じ、線速に穏やかな減速変動が発生する。これにより線材12の張力も穏やかに減少し、揺動プーリ341gから揺動リンク341eを介して弦巻バネ343に作用するモーメントによる推力も緩やかに減少する。すると、この張力変動を弦巻バネ343が吸収し、支点プーリ341fの軸K1を支点として、揺動リンク341eと揺動プーリ341gが図16に示す位置まで、点aから点bまでの線材12の長さXを伸長させる矢印Eに示す回動運動を行う。
その後、図4に示す他の外周面切り替え位置P3においては、外周面切り替え位置P1通過時と同様に線加速度、線速、張力が変動し、テンション吸収ガイド341も同じ動作をする。また、外周面切り替え位置P3からP4の間においては、外周面切り替え位置P1からP2の間と同様に、線加速度、線速、張力が変動し、テンション吸収ガイド341も同じ動作をする。更に、外周面切り替え位置P4においては、外周面切り替え位置P2通過時と同様に線加速度、線速、張力が変動し、テンション吸収ガイド341も同じ動作をし、外周面切り替え位置P4からP1の間においては、外周面切り替え位置P2からP3の間と同様に、線加速度、線速、張力が変動し、テンション吸収ガイド341も同じ動作をする。このように、P1、P2、P3、P4、P1へと1ターン分のコイルを巻回し、これをリニアモータ24を駆動しながら必要ターン数繰り返して、任意の終了位置P6でコイルの製造を完了する。
本発明の実施の形態3に係るコイル巻線装置300によれば、実施の形態1及び実施の形態2と同様の効果に加えて、揺動リンク341eと、この揺動リンク341eに取り付けた支点プーリ341fと揺動プーリ341gにより、線材12とテンション吸収ガイド341との間の摩擦抵抗を低減できるので、テンション吸収ガイド341の動作応答性を向上できる。また、支点プーリ341fと揺動プーリ341gの回転により線材12に施した絶縁被覆の損傷を防止でき、コイルの歩留まりの向上を図ることができる。
尚、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
例えば、実施の形態3のみにおいてプーリをテンション変動抑制機構に用いる例を示したが、実施の形態1のテンション吸収ガイド41を円形のプーリとし、このプーリを支える軸に弾性機能を持たせることにより、テンション変動抑制機構を構成することも可能である。
10 コア、12 線材、100,200,300 コイル巻線装置、21 台板、
22 リニアガイド、23 移動台、24 リニアモータ、24a 固定子、
24b 可動子、25 リニア位置検出器、26,28 軸受装置、27 回転部材、
27a シャフト部、27a1 第一案内穴、27b フライヤアーム保持部、
27b1 第二案内穴、27b2 開口部、27c ガイドローラ、
29a ボールスプラインシャフト、29b ボールスプライン外筒、
30 フライヤアーム、31 アーム、32 旋回板、32a 外周面、
32b ガイド棒嵌合穴、33 フライヤノズル、
40,240,340 テンション変動抑制機構、
41,241,341 テンション吸収ガイド、41a,241a ガイド溝、
41b 切断面、41c ガイド棒案内穴、41d バネ用座面、42 ガイド棒、
43,243,343 弦巻バネ、241h 根本部、241i ガイド部、
241h1,341e1,341e2 支持穴、
242,342 テンション吸収ガイド支持板、341e 揺動リンク、
341f 支点プーリ、341g 揺動プーリ
246,247,346,347 バネガイド、45,245,345 ストッパ、
45a 長穴、50 モータ、50a 回転軸、51 モータスタンド、
52,53 歯付きプーリ、54 歯付きベルト、60 ワーク保持部、
7 カップリング。

Claims (5)

  1. ワークを保持するワーク保持部と、
    前記ワークに対して線材を繰り出すフライヤノズルを先端に有し、前記ワークに前記線材を巻回するフライヤアームと、
    前記フライヤアームを回転させる回転部材と、
    前記回転部材を前記回転部材の軸方向に駆動する移動機構とを備えたコイル巻線装置において、
    前記回転部材は、前記ワークの中心軸の延長線上に重なる軸心を有し、外部から導かれた前記線材を軸方向に案内する第一案内穴を有するシャフトと、
    前記シャフトの前記ワーク保持部側の端部に取り付けられ、前記第一案内穴と連通し、径方向に開口する第二案内穴を有し、前記シャフト側と軸方向反対側に前記フライヤアームを取り付けるフライヤアーム保持部と、
    前記第一案内穴を通った前記線材を前記第二案内穴に通して径方向外側に案内するガイドローラとを有し、
    前記フライヤアームは、前記回転部材に保持され、前記回転部材の径方向に延在するアームと、前記アームの先端から前記回転部材の軸方向に突出して延在する旋回板とからなり、
    前記ガイドローラによって前記回転部材の外部に案内された前記線材を、径方向内側向きに反転させるテンション吸収ガイドを、前記回転部材の径方向に移動可能に弾性部材によって付勢された状態で、前記旋回板の外周面に取り付けたテンション変動抑制機構を備えたコイル巻線装置。
  2. 前記テンション変動抑制機構は、片持ちの揺動機構であり、
    前記テンション吸収ガイドは、前記フライヤノズル側と反対側の根元部が前記旋回板上に軸支されて前記回転部材の径方向に揺動可能である請求項1に記載のコイル巻線装置。
  3. 前記テンション吸収ガイドは、前記線材をガイドするプーリを備える請求項1又は請求項2に記載のコイル巻線装置。
  4. 前記テンション吸収ガイドの外周面は、前記線材を案内するガイド溝を有する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のコイル巻線装置。
  5. 前記テンション変動抑制機構は、前記テンション吸収ガイドの前記回転部材の径方向への移動範囲を規制するストッパを備えた請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のコイル巻線装置。
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