JP6316199B2 - 薬剤収納カセットと、それを装着する薬剤払出装置 - Google Patents
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Description
また、薬剤収納カセットへの薬剤補充は、薬剤払出装置のカセット装着口からカセット本体を引き抜き、次に、カセット本体の上面を覆う蓋を開放させる。このとき、蓋を開ける動作によって、付勢体による薬剤の薬剤払出機構側への付勢が解除される。
つまり、カセット本体内への薬剤補充は、カセット本体をカセット装着口から引き抜き、次に、蓋を開放させることにより、付勢体による薬剤の薬剤払出機構側への付勢を解除した状態で簡単に行うことができる。
(課題を解決するための手段)
そして、上記の目的を達成するために、本発明の薬剤収納カセットは、薬剤払出装置のカセット装着口に装填される薬剤収納カセットであって、引出操作部と、カセット本体と、付勢体と、引出検出部と、付勢規制部と、を備えている。引出操作部は、カセット装着口から引き出す操作を行う。カセット本体は、長手方向における第1端側に薬剤排出機構、その反対の第2端側に引出操作部が設けられており、内部に複数の薬剤を収納する。付勢体は、カセット本体内に収納された薬剤を薬剤排出機構側に付勢する。引出検出部は、薬剤払出装置側のカセット装着口付近に設けられた被当接部に当接する当接部を有しており、引出操作部側にカセット本体が引き出された状態を検出する。付勢規制部は、引出検出部において、当接部が被当接部に当接した状態になり、カセット本体が引き出された状態を検出した場合には、所定の方向へ移動して付勢体による薬剤への付勢を規制する。当接部は、カセット本体に設けられた開口部を介して、カセット本体の内外に出没自在である。引出検出部は、当接部が開口部を介して被当接部に当接することで、薬剤収納カセットがカセット装着口に装着されていることを検出する。
(発明の効果)
以上のように、本発明の薬剤収納カセットによれば、カセット本体を引出操作部側に引き出すだけで、ストッパー機構によって付勢体による薬剤の薬剤払出機構側への付勢を規制することができる。よって、薬剤払出装置のカセット装着口からカセット本体の一部を引き出した状態でも、カセット装着口からカセット本体が完全に引き出された状態でも、付勢体による薬剤の薬剤払出機構側への付勢を規制することができる。この結果、薬剤払出装置のカセット装着口からカセット本体が引き出された状態において、薬剤払出機構側の部分を誤って操作したとしても、意図せずに薬剤が排出されることを防止することができる。
本発明の実施の形態1について、以下で図面を用いて詳細に説明する。
(薬剤払出装置の構成)
本実施形態の薬剤払出装置は、図1から図3に示すように、本体ケース1と、その前面を覆う前扉2と、カセット装着口3(図2参照)と、薬剤収納カセット4と、薬剤を搬送するためのトレイ5を保管する保管部6,7と、取出ヘッド8(図3参照)と、を備えている。そして、本薬剤払出装置は、図2に示すように、前扉2を開放すると、複数のカセット装着口3が外部に露出するように設けられている。カセット装着口3には、それぞれ薬剤収納カセット4が装填される。
つまり、保管部6に保管されていたトレイ5は、図3に示すように、カセット装着口3の下部に移送され、ここで薬剤収納カセット4に収納されていた薬剤が投入された後、図2に示すように、保管部7にて収納される。
つまり、取出ヘッド8の操作部12によって薬剤収納カセット4の取出レバー9が操作されると、薬剤10は、薬剤収納カセット4から取り出され、自重によって転動しながら収納ポケット11内に保管される。
また、本実施形態の薬剤収納カセット4は、図2に示すように、薬剤払出装置のカセット装着口3に対して、挿入されたり引き出されたりすることができる。
(薬剤収納カセット4)
本実施形態の薬剤収納カセット4は、図6〜図13に示すように、取出レバー9と、引出操作部13と、カセット本体14と、付勢体15(図7参照)と、ばね機構17(図8参照)と、付勢規制部23(図11参照)と、薬剤残量確認部30(図13参照)と、を備えている。
取出レバー9は、上述した薬剤払出装置の取出ヘッド8によって操作されると下方へ回動して排出空間を形成することで、カセット本体14内に収納された薬剤10を1本ずつ排出する。
(引出操作部13)
引出操作部13は、カセット本体14における第2端側の端面に取り付けられた取っ手状の部材であって、薬剤払出装置のカセット装着口3から薬剤収納カセット4を引き出す際、カセット装着口3へ薬剤収納カセット4を装填する際に使用される。
カセット本体14は、上面が開口した長方形状の箱型の部材であって、上面の開口部分を覆う開閉蓋14a(図6参照)を有している。そして、カセット本体14は、長手方向における第1端側に薬剤排出機構を構成する取出レバー9、その反対の第2端側に引出操作部13が、それぞれ設けられている。
取出レバー9は、上述したように、薬剤払出装置の取出ヘッド8によって操作されることで、薬剤収納カセット4内の薬剤を1本ずつ排出する。
付勢体15は、図7に示すように、薬剤収納カセット4内において薬剤10を排出方向へ移動させる樹脂製の部材であって、カセット本体14の長手方向に沿って配置されたレール20(図8参照)に沿って移動可能な状態で設けられている。そして、付勢体15は、カセット本体14内に収納された薬剤10の引出操作部13側に当接する当接体15aを有している。
また、付勢体15は、図9および図10に示すように、後述する巻取リール18と一体化して成形されている。なお、巻取リール18については、後段にて詳述する。
ばね機構17は、図8に示すように、付勢体15(当接体15a)を薬剤払出機構側(取出レバー9側)に付勢するためにカセット本体14の側壁に沿って設けられており、巻取リール18と、帯状ばね19と、レール20と、を有している。
巻取リール18は、帯状ばね19を巻き取るために、カセット本体14内の長手方向において移動する付勢体15に一体化した状態で設けられている。これにより、巻取リール18は、帯状ばね19を巻き取ることで、カセット本体14内において付勢体15とともに長手方向に移動する。
これにより、付勢体15は、レール20に沿って、カセット本体14の薬剤払出機構側(取出レバー9側)へと付勢される。
これにより、樹脂製のレールを用いた場合と比較して、付勢体15の直進性を確保することができる。
(付勢規制部23)
付勢規制部23(図11〜図17および図19参照)は、カセット装着口3に装填された薬剤収納カセット4を引出操作部13側に引き出す動作に連動して、付勢体15による薬剤10への付勢を規制する。そして、付勢規制部23は、ラチェット歯車21と、ラチェット爪23a(図19参照)と、当接部23b(図19参照)と、本体部23c(図19参照)と、回動軸23d(図19参照)と、を有している。
ラチェット爪23aは、図11〜図13に示すように、ラチェット歯車21に向かって下向きに突出した爪状の部分であって、カセット本体14内の引出操作部13側に、上下方向に回動可能な状態で設けられている。
このため、ラチェット爪23aが、図16に示すように、上方へ持ち上げられてラチェット歯車21に噛み合っていない状態では、ラチェット歯車21は、フリーに回転することができる。よって、この状態では、帯状ばね22は帯状ばね19の付勢力に負けて引き伸ばされる。そして、付勢体15は、帯状ばね19の付勢力によって、薬剤払出機構側(取出レバー9側)へと付勢される。
これに対して、図13は、カセット本体14がカセット装着口3からその一部が引き出された状態(例えば、図15に示す状態)におけるラチェット歯車21とラチェット爪23aとの噛合状態を示している。
当接部23bは、ラチェット歯車21の外周方向において、ラチェット歯車21より更に下方に延伸するように形成されており、より具体的には、図14に示すように、カセット本体14の底面を貫通し、底面側に露出した状態となっている。
よって、当接部23bは、薬剤払出装置のカセット装着口3へ薬剤収納カセット4を完全に装填した状態とすると、ガイドレール25に接触し、回動軸23dを中心にして上方へと回動する。このとき、付勢規制部23は、ラチェット爪23aおよび本体部23cとともに、回動軸23dを中心に上方へと回動する。このため、ラチェット爪23aは、ラチェット歯車21との噛合状態(図13参照)から非噛合状態(図16参照)へと移行する。
さらに、本実施形態の薬剤収納カセット4では、カセット本体14がカセット装着口3に完全に押し込まれた状態において、薬剤残量確認部30によって、カセット本体14内に残存する薬剤10の量を容易に確認することができる。
具体的には、薬剤残量確認部30は、図13に示すように、確認窓26と、帯状ばね22と、を有している。
帯状ばね22は、ラチェット歯車21の回転軸周りに巻回されており、その表面には、カセット本体14内に薬剤10がどの程度残存しているかを示すための表示が施されている。
これにより、カセット本体14内の薬剤10が少なくなると、カセット本体14内において当接体15aも薬剤払出機構側(取出レバー9側)へと移動するため、帯状ばね22も長く引き出された状態となる。このとき、帯状ばね22が長く引き出された状態になると、確認窓26から見える位置に、数字や色分け等の表示を確認することができる。この結果、薬剤10の残量が少なくなった場合には、薬剤収納カセット4をカセット装着口3から引き出して開閉蓋14aを開けなくても、確認窓26からの表示を確認するだけで容易に残量を認識することができる。
ここでは、付勢規制部23の動作について、以下で詳しく説明する。
図18においては、上下方向に2個の薬剤収納カセット4が装填されるカセット装着口3を示している。図18に示す上方のカセット装着口3には、カセット本体14が装着されている。一方、図18に示す下方のカセット装着口3には、カセット本体14が抜きとられて空間が形成されている。
ガイドレール25は、カセット装着口3において、薬剤収納カセット4(カセット本体14)を挿入したり引き出したりする際にスムーズに前後に案内する。また、本実施形態では、ガイドレール25は、薬剤収納カセット4をカセット装着口3へ装填した状態において、付勢規制部23の当接部23bに接触して押し上げる被当接部として機能する。
このため、ガイドレール25は、薬剤収納カセット4をカセット装着口3内に最後まで押し込んだ状態まで移行して、初めて付勢規制部23(当接部23b)に対して接触する。
つまり、薬剤収納カセット4がカセット装着口3から少しでも引き出された状態では、図14および図15に示すように、付勢規制部23が回動軸23dを中心にして自重で下方へ回動し、当接部23bがカセット本体14の底面から下方へ突出した状態となる。
以上のように、薬剤収納カセット4がカセット装着口3から引き出された状態では、ラチェット歯車21とラチェット爪23aとが噛み合って付勢規制部23による規制が機能する。
つまり、本実施形態においては、薬剤収納カセット4に薬剤10を補充する際には、まず、図5に示すように、カセット装着口3からカセット本体14を途中まで引き出した状態とし、薬剤収納空間の上面を覆う開閉蓋14aを開放する。その後、図7に示すように、付勢体15を引出操作部13側へと手動で引き戻せば、付勢体15は、図7の状態で保持される。このとき、帯状ばね19は伸びた状態、帯状ばね22は巻き取られた状態となる。
ここで、薬剤収納カセット4がカセット装着口3内へ最後まで押し込まれることにより、薬剤収納カセット4がカセット装着口3内へ完全に装填された状態となる。その状態では、カセット装着口3の内に設けられたガイドレール25と、付勢規制部23の当接部23bとが接触し、当接部23bが回動軸23dを中心に回動して上方へと持ち上げられる。その結果、図16に示すように、ラチェット歯車21とラチェット爪23aとの係合が解除され、ラチェット歯車21の回転規制が解除される。
なお、上記実施形態では、付勢体15は、例えば、図8において、下方に伸びるガイド軸(図示せず)を有している。このガイド軸は、カセット本体14の底部に設けたスリット状のガイド溝(図示せず)に係合している。つまり、付勢体15は、カセット本体14のガイド溝に沿って、カセット本体14の引出操作部13側から、薬剤払出機構側(取出レバー9側)に移動する。そして、このとき、帯状ばね19による付勢力が加えられる。
これにより、薬剤収納カセット4を引出操作部13側に引き出すだけで、付勢規制部23によって、付勢体15による薬剤10に対する薬剤払出機構側(取出レバー9側)への付勢を規制することができる。
この結果、カセット装着口3から薬剤収納カセット4の一部あるいは全部が引き出された状態において、薬剤排出機構側を誤って操作してしまった場合でも、意図せずに薬剤10が排出されるのを防止することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(A)
上記実施形態では、薬剤収納カセット4がカセット装着口3から引き出されたことを検出する引出検出部として、付勢規制部23と一体化するように形成された当接部23bを例として挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
この場合でも、引出検出部における検出結果に基づいて、付勢規制部を電気的あるいは機械的に機能させることで、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
(B)
上記実施形態では、付勢体15による薬剤10への付勢を規制する付勢規制部として、ラチェット歯車21,ラチェット爪23aの組合せを用いた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
2 前扉
3 カセット装着口
4 薬剤収納カセット
5 トレイ
6 保管部
7 保管部
8 取出ヘッド
9 取出レバー
10 薬剤
11 収納ポケット
12 操作部
13 引出操作部
14 カセット本体
14a 開閉蓋
15 付勢体
15a 当接体
17 ばね機構(第1のばね機構)
18 巻取リール
19 帯状ばね
20 レール
21 ラチェット歯車
22 帯状ばね(第2のばね機構、表示体)
23 付勢規制部
23a ラチェット爪
23b 当接部(引出検出部)
23c 本体部
23d 回動軸
25 ガイドレール(被当接部)
26 確認窓
30 薬剤残量確認部
Claims (6)
- 薬剤払出装置のカセット装着口に装填される薬剤収納カセットであって、
前記カセット装着口から引き出す操作が行われる引出操作部と、
長手方向における第1端側に薬剤排出機構、その反対の第2端側に前記引出操作部が設けられており、内部に複数の薬剤を収納するカセット本体と、
前記カセット本体内に収納された前記薬剤を前記薬剤排出機構側に付勢する付勢体と、
前記薬剤払出装置側の前記カセット装着口付近に設けられた被当接部に当接する当接部を有しており、前記引出操作部側に前記カセット本体が引き出された状態を検出する引出検出部と、
前記引出検出部において、前記当接部が前記被当接部に当接した状態になり、前記カセット本体が引き出された状態を検出した場合には、所定の方向へ移動して前記付勢体による前記薬剤への付勢を規制する付勢規制部と、
を備え、
前記当接部は、前記カセット本体に設けられた開口部を介して、前記カセット本体の内外に出没自在であって、
前記引出検出部は、前記当接部が前記開口部を介して前記被当接部に当接することで、前記薬剤収納カセットが前記カセット装着口に装着されていることを検出する、
薬剤収納カセット。 - 前記付勢体は、ラチェット歯車に連結された第1のばね機構を有しており、
前記付勢規制部は、前記引出検出部と一体化されたラチェット爪と、前記ラチェット爪と噛み合うことで前記付勢体の付勢を規制する前記ラチェット歯車との組み合わせによって構成されている、
請求項1に記載の薬剤収納カセット。 - 前記付勢規制部は、前記付勢体を前記引出操作部側に付勢する第2のばね機構を有し、
前記第2のばね機構は、その付勢力が前記第1のばね機構の付勢力よりも小さい、
請求項2に記載の薬剤収納カセット。 - 前記カセット本体の内部における前記付勢体の位置を表示する表示体と、
前記カセット本体における前記表示体に対応する位置に開口部として設けられた確認窓と、
を有する薬剤残量確認部を、さらに備えている、
請求項1から3のいずれか1つに記載の薬剤収納カセット。 - 前記確認窓は、前記カセット本体における前記引出操作部が設けられた端面に形成されている、
請求項4に記載の薬剤収納カセット。 - 請求項1から5のいずれか1つに記載の薬剤収納カセットが引き出し自在に装着されるカセット装着口と、
前記薬剤収納カセットの前記薬剤の排出側を操作する取出ヘッド部と、
を備えている薬剤払出装置。
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