JP6315884B2 - 酸素消費電極を用いるアルカリ金属塩化物の電気分解法 - Google Patents

酸素消費電極を用いるアルカリ金属塩化物の電気分解法 Download PDF

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Description

本発明は、特に操作パラメーターに適合する、酸素消費電極によるアルカリ金属塩化物の水溶液の電気分解法に関する。
本発明は、ガス拡散電極の形態をとり、および電気伝導性担体および触媒活性成分を含むガス拡散層を典型的に含む酸素消費電極を用いる水性アルカリ金属塩化物の電気分解のためのそれ自体既知の電気分解法に由来する。
酸素消費電極の工業規模の電解セル中における操作の種々の提案が、先行技術から原理上知られている。基本概念は、電気分解において(例えばクロルアルカリ電気分解において)水素発生カソードを、酸素消費電極(カソード)に置き換えることである。可能なセル設計および解決策の概説は、Moussallem等による出版物、「Chlor−Alkali Electrolysis with Oxygen Depolarized Cathodes: History, Present Status and Future Prospects」、J.Appl.Electrochem、第38巻、(2008年)、第1177〜1194頁に見出し得る。
酸素消費電極(以下、略して、OCEとも称する)は、工業電解槽において用い得るために一連の要件を充足する必要がある。例えば、用いる触媒および全ての他の物質が、濃縮アルカリ金属水酸化物溶液および典型的には80〜90℃の温度において純粋酸素に対して化学的に安定性である必要がある。同様に、電極は、通常、2m(工業規模)を越える面積の大きさを有する電気分解槽中において設置および操作されるので、高度の機械的安定性が要求される。更なる所望の特性は、以下の通りである:高い電気伝導性、小さい層厚み、大きい内部表面積および電解触媒の高い電気化学活性。同様に、適当な疎水性および親水性細孔およびガスおよび電解液の伝導のための対応する細孔構造も必要であり、これは、ガスおよび液体空間が、互いに分離された状態を維持するように不透過性である。長期安定性および低い製造コストは、工業的に使用可能な酸素消費電極についての更なる特定の要件である。
カソード要素におけるOCEの配置の場合には、陰極液側では、静水圧が勾配を電極の高さにわたり形成するのに対し、ガス側ではその高さにわたり一定圧となることから問題が生じる。この影響により、低い電極の領域において、疎水性細孔も浸水し、および液体がガス側へ入ることがある。他方では、OCEの上部において過度に高いガス圧の場合、液体は、親水性細孔から置換され、酸素が陰極液へ入ることがある。これらはいずれも、OCEの性能を低下させる。実際には、この影響により、OCEの構築高さは、更なる手段が取られない限り約30cmに限定される。
この問題に対する好ましい解決策は、略して流下薄膜と呼ばれる、OCEに沿った自由落下液体薄膜の種類において、陰極液が、上部から下流へOCEおよびイオン交換膜の間に配置された平坦細孔要素より導入されるパーコレーターと呼ばれる配置から得られる。この配置では、液体カラムは、OCEの液体側に影響を与えず、および静水圧プロファイルは、セルの構築物高さにわたり構成されない。この配置の説明は、WO2001/57290A1に見出し得る。
他の方法では、イオン交換膜は、電解セルにおいて、アノード空間とカソード空間とを、略して陰極液ギャップと呼ばれるアルカリの流れのための介在空間を伴わずに分割し、OCEへ直接的に接触する。この配置は、アルカリ金属水酸化物溶液が、OCEおよび膜の間での特定の狭ギャップより導かれる「有限ギャップ」配置とは対照的に「ゼロギャップ」配置とも称される。また、ゼロギャップ配置は典型的には、燃料電池技術に用いられる。ここでは、形成するアルカリ金属水酸化物溶液が、OCEよりガス側へ通過し、次いでOCEにおいて下流へ流れる必要があることが欠点である。この過程では、OCEにおける細孔は、アルカリ金属水酸化物によりブロックされてはならず、アルカリ金属水酸化物の結晶化が細孔において起こってはならない。極めて高いアルカリ金属水酸化物濃度も、ここで実際に生じ得ることが見出されたが、イオン交換膜がこの高い濃度において長期安定性を欠くことが記載されている(Lipp等、J.Appl.Electrochem.第35巻、2005年、第1015頁−Los Alamos National Laboratory、「Peroxide formation during chlor−alkali electrolysis with carbon−based ODC」)。
酸素消費電極は、典型的には、担体要素、例えば多孔質金属のプレートまたは金属ワイヤーメッシュ、および電気化学触媒活性被覆物から構成される。電気化学触媒活性被覆物は、微小孔質であり、親水性および疎水性成分から構成される。疎水性成分は、電解質が浸透し難くし、従ってOCEにおける対応する細孔を、酸素の触媒活性部位への移動のために非ブロック化した状態にする。親水性成分は、電解質を触媒活性部位へ浸透させ、水酸化物イオンをOCEから移動させることを可能とする。使用する疎水性成分は、一般には、フッ素化ポリマー、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)であり、これは、触媒の粒子のためのポリマーバインダーとして更に働く。銀触媒を有する電極の場合には、例えば銀は、親水性成分として働く。
多くの化合物が酸素の還元のための電気化学触媒として記載された。しかしながら、白金および銀だけが、アルカリ溶液中における酸素の還元のための触媒としての実際的重要性を得た。
白金は、酸素の還元のために極めて高い触媒活性を有する。白金の高い費用に起因して、専ら担体形態でのみ使用される。好ましい担体物質は、炭素である。しかしながら、炭素担持および白金系電極について安定性は、長期間の操作において、おそらく、白金は担体物質の酸化も触媒するので不十分である。炭素は、酸化を同様に引き起こすHの望ましくない形成を更に促進する。銀もまた、酸素の還元のために高い触媒活性を有する。
銀は、炭素担持形態で、また微細金属銀として用いることができる。炭素担持銀触媒は、相当する白金触媒より耐久性を有するが、酸素消費電極の1つにおける条件下での長期安定性は、特にクロルアルカリ電解のための使用の場合に制限される。
非担持銀触媒を含むOCEの製造の場合、銀は、好ましくは、金属銀へ還元される銀酸化物の形態で少なくとも部分的に導入される。還元は、一般的には、電解セルをまず立ち上げる場合に行う。また、銀化合物の還元は、結晶の配置における変化を生じさせ、より具体的には、個々の銀粒子間で架橋をもたらす。これは、構造の全体的な連結をもたらす。
電解電流を切った場合、銀触媒が再び酸化され得ることが観測された。酸化は、酸素および湿気により半セルにおいて明らかに促進する。酸化は、触媒構造における再配置をもたらすことが可能であり、これは、触媒の活性について、従ってOCEの性能について悪影響を有する。
性能、特に必要な電解電圧は、銀触媒を有するOCEにおいて、始動条件にかなり依存することも見出された。これは、OCEの最初の始動および運転停止後の更なる始動のいずれにも当てはまる。本発明の課題の1つは、OCEの高い性能を確保する操作、特に銀触媒を有するOCEの始動のための特定の条件を見出すことである。
電解セルの更なる主要な要素は、イオン交換膜である。膜は、カチオンおよび水について浸透性であるが、アニオンについて実質的に不浸透性である。イオン交換膜は、電解セルにおいて、強いストレスに曝される:これらは、アノード側で塩素に対して安定性であり、カソード側で強いアルカリストレスについて約90℃の温度において安定性である必要がある。パーフッソ化ポリマー、例えばPTFE等は、典型的にはこれらのストレスに耐える。イオンは、これらのポリマー中へ重合されるスルホネート基またはカルボキシル基より運ばれる。カルボキシル基は、スルホネート基より高い選択性であり、より低い水吸収性を有し、より高い電気抵抗を有する。一般に、多層膜は、アノード側でスルホネート基を含有する厚い層およびカソード側でカルボキシル基を含有する薄い層で用いる。膜は、カソード側または両側に親水性層が与えられる。機械特性を向上するために、膜は、織物またはニットの埋め込みにより強化され、補強は、好ましくは、スルホネート基を含有する層へ組み込まれる。
複合材料構造に起因して、イオン交換膜は、これを取り囲む媒体における変化に敏感である。異なったモル濃度は、アノードおよびカソード間の著しい浸透圧勾配の形成をもたらし得る。電解質濃度が減少する場合には、膜は、向上した吸水により膨潤する。電解質濃度が向上した場合には、膜は水を放出し、その結果収縮し、極端な場合には、水の離出が膜における固体の析出および膜の機械的破壊を引き起こし得る。
従って、濃度変化は、膜において崩壊および損傷をもたらし得る。これは、層構造の層間剥離を生じさせ得(ブリスター形成)、この結果、膜を通じての物質移動は悪化する。
さらに、陽極液および陰極液の混合をもたらし得るピンホールおよび極端な場合にはクラックが生じ得る。
製造プラントでは、電解セルを、数年までの期間にわたり、その間に開放することなく操作することが望ましい。しかしながら、要求体積の変化および電気分解の上流および下流の製造部分における障害に起因して、製造プラントにおける電解セルは、必然的に、繰り返しスイッチを切り、および再びスイッチを入れる必要がある。
電解セルの運転停止および再始動により、セル要素への損傷をもたらし、およびその寿命を著しく低下させ得る条件が生じる。より具体的には、酸化損傷は、OCEへの損傷および膜への損傷を有し、カソード空間に見出される。
先行技術は、電解セルへの損傷の虞が、始動および運転停止の間に低減し得る操作の態様をほとんど開示しない。
従来法による膜電気分解から既知の測定は、分極電圧の維持であり、これは、電気分解が終了する場合に、電位差がゼロへ低下しないが、分極電圧の水準において維持されることを意味する。実際面では、分極に必要な電圧より幾分高い電圧が設定され、一定の低電流が流れ、および電気分解はわずかな程度進む。しかしながら、OCEの使用の場合には、この測定は、停止されたOCEへの酸化損傷を防止するのに不十分である。
公報明細書JP2004−300510Aは、カソード空間における腐食が、セルの運転停止によりガス空間に水酸化ナトリウム溶液が流入することにより防止されるマイクロギャップ配置を用いる電気分解法を記載する。従って、ガス空間の水酸化ナトリウム溶液による流入は、腐食からカソード空間を保護するが、電極および膜への損傷からの不適切な保護を、停止および開始により、または停止期間の間に与える。
US4578159A1は、ゼロギャップ配置を用いる電気分解法のために、カソード空間を35%水酸化ナトリウム溶液でセルの始動前にパージすること、セルを低電流密度で始動し、および電流密度を徐々に増加させることが、膜および電極への損傷を防止することを記載する。この手順は、始動の間に膜およびOCEへの損傷の危険性を低減するが、停止中におよび停止時に損傷からの保護を与えない。
文献US4364806A1は、酸素の窒素による交換が電気分解電流を下方調節した後に、カソード空間における腐食を防止することを開示する。WO2008009661A2によれば、水素の窒素への少ない割合の添加は、腐食損傷からの保護における改良を生じさせる。しかしながら、記載の方法は、複雑であり、窒素および酸素供給のための更なる設備の導入を必要とする。さらに、水素の添加は、酸素の残渣がカソード空間中に存在し得るので、このような電気分解槽の操作の過程において、爆発性ガス混合物の形成より安全性リスクを増加させる。再始動により、OCEの細孔は、窒素により部分的に充填され、これは、酸素の反応性部位への供給を防止する。該方法は、イオン交換膜への損傷からの保護を与えない。
Jerzy Chlistunoffによる最終技術報告書「Advanced Chlor−Alkali Technology」(Los Alamos National Laboratory、DOE Award 03EE−2F/Ed190403、2004年)は、一時的な運転停止およびゼロギャップセルの始動についての条件を詳述する。運転停止の場合には、電解電流が停止した後、酸素供給を停止し、窒素により置換する。ガス流の湿潤を、残存NaOHを洗い流すために増加させる。アノード側では、塩水は、熱水(90℃)で置換される。この手順は、安定性分極電圧(開路電圧)が得られるまで繰り返される。次いでセルを冷却し、次いで湿潤窒素の供給およびアノード側の水のポンプ循環を停止する。
再始動のために、まず、アノード側を塩水で充填し、カソード側で、水および窒素を導入する。次いでセルを80℃へ加熱する。次いでガス供給を酸素へ切り替え、低電流フローでの分極電圧を適用する。次いで、電流密度を増加し、カソードにおける圧力を増加し、温度を90℃へ昇温する。次いで塩水および水の供給を調節し、所望の濃度をアノード側およびカソード側で得る。
記載の既知の方法は、実施するには複雑であり、特に、安全面がより一層重要である工業用電気分解設備の場合に当てはまる。さらに、全ての方法は、有限ギャップ配置を有する電解セルへ当てはまるとは限らない。
OCEの始動および運転停止のためにこれまで記載された技術は、不利であり、損傷からの不適切な保護のみを与えることを記載すべきである。
国際公開第2001/57290号パンフレット 特開第2004−300510号明細書 米国特許第4578159号明細書 米国特許第4364806号明細書 国際公開第2008/009661号パンフレット
Moussallem、「Chlor−Alkali Electrolysis with Oxygen Depolarized Cathodes: History, Present Status and Future Prospects」、J.Appl.Electrochem、第38巻、2008年、第1177〜1194頁 Lipp、Los Alamos National Laboratory、「Peroxide formation during chlor−alkali electrolysis with carbon−based ODC」、J.Appl.Electrochem、第35巻、2005年、第1015頁 Jerzy Chlistunoff、「Advanced Chlor−Alkali Technology」、Los Alamos National Laboratory、DOE Award 03EE−2F/Ed190403、2004年
本発明の目的は、銀触媒を電気触媒物質として有するOCEによる電解セルの始動および運転停止のための適当な操作パラメーターでOCEを有限ギャップ配置において用いるクロルアルカリ電気分解のための、実施するのが簡単であり、および適合性が膜、電極および/または他の電解セルの成分への損傷を防止する向上した電気分解法を提供することである。
上記目的は、カソード側に銀触媒を有するOCEでの有限ギャップ配置において電解セルの始動の際に、まず、塩素、場合により他のアニオンでの低汚染を有するアルカリ金属水酸化物水溶液を導入することにより、およびアノード空間を陰極液循環の開始後のみに塩水で充填することにより、およびこれとは独立して、最初の工程において電解セルの運転停止により、電解電圧を切った後に、陽極液を濃縮し、次いで冷却し、次いで放出し、引き続きの工程において、陰極液を放出することにより達成される。
本発明は、好ましくは有限ギャップ配置の原則に従って、特に好ましくは流下薄膜セルの原則に従って操作され、電解セルは、アノードおよびアルカリ金属塩化物を含む陽極液を有する少なくとも1つのアノード空間、イオン交換膜、銀含有触媒を含む酸素消費電極をカソードとして有するカソード空間、および陰極液が流れる酸素消費電極および膜の間の電界液ギャップを有し、アノードおよびカソードの間での電解電圧の適用前に、体積流量および/またはギャップへ供給する陰極液の組成の調節を行って、カソードギャップから出るアルカリ金属水酸化物の水溶液を、多くとも1000ppm、好ましくは多くとも700ppm、より好ましくは多くとも500ppmの塩化物イオンの含有量とし、電解電圧を陽極液および酸素ガスのカソード空間への導入後に適用することを特徴とする、酸素消費電極を有する電解セルでのクロルアルカリ電気分解の方法を提供する。
本発明における「有限ギャップ配置」は、電解質ギャップを酸素消費電極および陰極液が流れる膜の間に有する電解セルの配置を意味し、該ギャップは、少なくとも0.1mmのギャップ幅、特に多くとも5mmのギャップ幅を有する。好ましく用いられる流下薄膜セルの原理に従う電解セルでは、陰極液が重力に従って、垂直配置電解セルにおいて、上から下へ流れる。他の流れ方向での他の配置または水平に配置された電解セルもまた、本発明により包含される。
本発明は、電解セルは、アノードおよびアルカリ金属塩化物を含む陽極液を有する少なくとも1つのアノード空間、イオン交換膜、銀含有触媒を含む酸素消費電極を有するカソード空間、および陰極液が流れる酸素消費電極および膜の間での電界質ギャップを有し、電気分解操作の終わりに、電解電圧を切った後、最初の工程において、アノード空間から除去したアルカリ金属塩化物溶液の濃度を上昇させ、次いでアノード空間を新たなアルカリ金属塩化物溶液で、陽極液中の0または0より大きい酸化状態の塩素含有量が、特に10ppm未満となるまでフラッシュし、次いで陽極液温度が上昇し、次いで陽極液をアノード空間から放出し、引き続きの工程において、陰極液の供給を終了し、陰極液を電解質ギャップから放出することを特徴とする、好ましくは有限ギャップ原理に従って操作される酸素消費電極を有する電解セル、例えば流下薄膜セルでのクロルアルカリ電気分解の方法を更に提供する。
これらの2つの電気分解法の変法は、好ましい実施態様では、互いに組み合わされ、電気分解のための始動のために、および運転停止のために記載の条件はいずれも適合する。これはまた、以下に記載の好ましい変法を包含する。
カソードでは、強い酸化状態が酸素により存在し、これは、運転停止の際の電解電流によりもはや補正されることがない。電解電流を切った後、塩化物イオンは更に、膜よりカソード空間中へ増加した範囲へ拡散する。塩化物イオンは、腐食プロセスを促進し、さらに、銀触媒の酸化は、不溶性銀塩化物を形成し得る。電極への損傷および全カソード空間への損傷の虞が存在する。
電解電圧を切る場合、電流の流れにより生じた膜を通じての物質移動もまた停止し、さらに、塩水およびアルカリ金属水酸化物溶液の濃度における望ましくない変化もまた生じ得る。膜は、水中で欠損し始め、収縮および固体の沈殿、次いでピンホール形成が存在し得、アニオンの膜を通じての通過が促進される。次に、再始動により、過度に低い含水量が、膜からの物質移動を妨害し、この結果、浸透圧における上昇およびスルホン酸基を含有する層およびカルボン酸基を含有する層およびこのような膜に典型的に用いるカルボン酸基を含有する層の間の界面における層間剥離が起こり得る。
膜および/またはOCEにおける水および/またはイオン分布の不均一性は、再始動により、電流および物質移動において局所的な急増を生じさせ、次いで膜またはOCEへの損傷をもたらす。
また、アルカリ金属塩化物塩のアノード側での析出による問題が存在する。陽極液および陰極液の間の顕著な浸透性勾配は、アノード空間からカソード空間への水の移動をもたらす。電気分解が操作中である限り、アノード空間からの水の移動は、塩化物およびアルカリ金属イオンの損失により対抗され、アルカリ金属塩化物の濃度は、アノード空間において標準電気分解条件下で低下する。電気分解を切った場合、浸透圧により引き起こされたアノード空間からのカソード空間への水の移動が残る。陽極液の濃度は、飽和限界より高くなる。その結果、アルカリ金属塩化物塩の析出が特に膜への境界領域においてまたは膜において生じ、膜への損傷が生じ得る。
本発明の新規な電気分解法の規定に従えば、上記のこれまで知られている問題および欠点が解消される。
これは、意外にも、銀触媒を有するOCEを含む電解槽は、これらの比較的簡単な工程の順序より、損傷を伴わずに繰り返し操作し、および停止することが可能であり、運転停止時においても損傷を受けないことが見出されたからである。本発明の方法は、塩化ナトリウムおよび塩化カリウム水溶液の電気分解に特に適当である。
OCEを有する電解セルの始動および運転停止のための操作パラメーターは、以下の通り操作することができる銀触媒を有するOCEおよび有限ギャップ配置を有する電解セルについて以下に記載する:2.9〜4.3モル/Lのアルカリ金属塩化物溶液(陽極液)および8.0〜12モル/Lのアルカリ金属水酸化物−濃縮(陰極液)の濃度を、特定の実施態様として詳細に記載するが、実施を記載の方法へ制限することを意図しない。より具体的には、このような電解セルの始動または運転停止のために、始動の間に、アルカリギャップから流れ出るアルカリ金属水酸化物溶液の水溶液における塩化物および他のアニオンの汚染を、陰極液循環の始動後までアルカリ金属塩化物水溶液で充填せず、および運転停止の間に、濃度変化の順序および陽極液の放出、および引き続きの陰極液の放出を行う更なる実施態様を用い得る。有限ギャップ配置、銀触媒を有するOCEおよび先行技術に従って浸されたイオン交換膜での電解装置の始動を、例えば以下の通り行う:
→始動、陰極液側
陰極液循環の始動前に、湿った酸素を添加し、一般に、アノードにおける圧力に対して10〜100ミリバールの大きさのセルにおける配置に対応する正圧を、カソード半セルにおいて確立する。酸素の純度は、OCEでの電気分解において従来用いられる濃度および純度に対応し、好ましくは<10体積%の残存ガス含有量での酸素である。
酸素は、室温またはセル中に存在する温度において湿らせることができる。より具体的には、湿潤は、セル温度に対応する温度において行うことができる。
陰極液循環は、酸素供給の始動後に操作を開始する。陰極液(アルカリ金属水酸化物水溶液)は、ここで供給することができる。陰極液(アルカリ金属水酸化物溶液)をここでは、例えば上部からカソードギャップ中へ供給し、カソードギャップより流し、より低い領域で再び除去され、およびポンプにより濃度を調節した後、カソードギャップの上部領域中へ再生することができる。体積流量を最小化するために、流れ制限器、例えば平坦細孔要素を、カソードギャップ中へ導入することができる。この工程において供給されたアルカリ水酸化物溶液の濃度は、後の電気分解における濃度より3.5mol/Lまで低く維持された濃度を好ましく有し、これは、好ましくは7.5〜10.5モル/Lである。後の電気分解におけるアルカリ金属水酸化物溶液の濃度は、典型的には8〜12モル/L、好ましくは9.5〜11.5モル/Lの範囲である。
除去された陰極液における塩化物イオンの濃度は、1000ppmを超えず、好ましくは<700ppm、より好ましくは<500ppmである。本発明では、基本は、陰極液におけるアルカリ金属水酸化物の上記濃度である。
除去された陰極液におけるアルカリ金属塩素酸塩、特に塩化ナトリウムの濃度は、20ppmを超えず、好ましくは<15ppm、より好ましくは<10ppmである。本発明では、基本は、陰極液におけるアルカリ金属水酸化物の上記濃度である。
濃度は、当業者に原則既知の滴定または他の分析により決定される。
陰極液循環の始動のために、好ましくは、通常の製造からのアルカリ金属水酸化物溶液を用いることである。運転停止操作からのアルカリ金属水酸化物溶液は、特に塩化物イオンでの汚染に起因して、始動についてあまり適当ではない。供給された陰極液の温度を調節して、50〜95℃、好ましくは75〜90℃の温度を、カソード空間からの生産物において確立する。存在する陰極液の温度は、陽極液の温度より更に影響を受け得る。例えば、陽極液供給温度を低下させることにより、陰極液供給温度を増加させることができる。20℃未満の陽極液供給および陰極液排出の間の温度差を確立することが好ましい。
特定の実施態様では、新規方法は、陰極液の導入の開始および電解電圧の適用の間が240分より短く、好ましくは150分より短くなるように用いる。陰極液の電気分解槽における連続的部分交換により、陰極液循環は、電流を伴わずに360分まで延長することができる。この交換は、カソードギャップから出るアルカリ金属水酸化物溶液中の塩化物イオン濃度を低く保つ。
→アノード側始動
陰極液循環の始動後に、アノード空間を、濃縮水性アルカリ金属塩化物溶液で充填する。該工程において供給されたアルカリ金属塩化物溶液の濃度は、好ましくは、後の電気分解において0.5〜1.5モル/L高く維持され、好ましくは2.9〜5.4モル/Lである。後の電気分解において供給されたアルカリ金属塩化物溶液の濃度は、典型的には4.8〜5.5モル/L、好ましくは5.0〜5.4モル/Lの範囲である。塩水は、膜電気分解について従来用いられる純度要件を満たす。アノード空間を充填した後、塩水を、通常の装置条件に従って、アノード空間よりポンプによる循環において導入する。塩水の温度は、アノード空間からの生産物において、電解電圧を適用する前に、50〜95℃、好ましくは70〜90℃となる。温度が低い場合には、陽極液を回路において加熱する。
アノード空間を充填し、アノード循環を始動し、60〜70℃の温度を得た後、電解電圧を、次の工程に適用する。全体的に、始動のための全期間を最小に維持するべきである。陰極液回路および陽極液循環の始動および電解電流を入れる間を、240分より短く、好ましくは150分より短くすべきである。例えば2.7mの面積を有する工業的電気分解では、電流は、好ましくは、0.05〜1kA/分の速度にて目標電流の到達まで増加させる。次いで、電解セルは、設計パラメーターで、例えばアノード空間において1リットル当たり2.9〜4.3モルのアルカリ金属塩化物の濃度およびカソードドレインにおいて1リットル当たり8〜12モルのアルカリ金属水酸化物の濃度、3〜6kA/mの電流密度およびガス供給において30%〜100%過剰の酸素で動作させる。記載の方法は、銀含有、特に酸化銀含有OCEの導入後の電気分解装置の最初の始動のためにおよびOCEを有する電解セルの運転停止後の始動のために適当である。
電解セルの運転停止は、例えば以下の通り行う:
→運転停止−アノード側
電解セルの運転停止のための特定の条件を包含する本発明の方法では、5〜35A/mの電流密度への電解電流の低下に続いて、4.0〜5.3モル/Lへのアノード空間から流れ出る塩水の濃度の上昇が起こる。
電解セルの運転停止のための特定の条件を包含する本発明の他の好ましい実施態様では、電解電圧は、<10mg/L、好ましくは<1mg/Lの陽極液における塩素含有量の到達後に切る。塩素含有量は、ここでは、陽極液に溶解した0またはより高い酸化状態における塩素の全含有量を意味すると理解される。
特に好ましいのは、アノード空間に対して>10ミリバールのカソード空間ガスの正圧を、カソード空間の排出および洗浄の終わりまで維持することである。これは、機械応力およびクラックを膜にもたらし得る操作中の膜の振動を防止する。
陽極液の塩素を含まないようにするために(10ppmを超えない0以上の酸化状態のCl)、4.0〜5.5モル/L、好ましくは4.3〜5.4モル/Lのアルカリ金属塩化物含有量を有する塩水を供給する。供給した濃縮陽極液の温度は、アノード空間における残存塩素含有量および電解電圧に導かれる。70℃未満の温度では、分極電圧は上昇し、塩素が再び発生する。従って、供給された陽極液の温度を調節し、70℃を超える温度を排出において確立する。塩素不含状態、すなわち、陽極液中の塩素の<10ppmの到達および濃縮塩水での交換後、入ってくる塩水の温度を調節し、出て行く塩水の温度を45〜55℃へ低下し、次いで塩水をアノード空間から排出する。濃縮陽極液の少ない残存量が、アノード空間に残る。
分極電圧を、陽極液を放出するまで維持することができる。分極電圧は、好ましくは、≦10ppm、より好ましくは<1ppmのアノード空間における塩素含有量の到達後に切る。
→カソード空間運転停止
アノード空間を排出した後、陰極液循環もまた停止し、および残存陰極液を放出する。カソードギャップは、水性アルカリ金属水酸化物溶液でフラッシュすることもできる。フラッシングに用いるアルカリ金属水酸化物溶液の濃度は、2〜10モル/L、好ましくは4〜9モル/Lである。
更なる実施態様では、陰極液空間の下部3分の1をフラッシュする。これは、例えばアルカリ金属水酸化物溶液をカソード空間中へ底部から導入し、次いで再び放出することにより行うことができる。アルカリ金属水酸化物水溶液の少ない残存量は、カソードギャップ中に残る。
酸素供給は、電解電圧を切った場合に調節することができる。酸素供給は、好ましくは、カソード空間を排出した後に調節し、酸素供給は、アルカリ金属水酸化物溶液でカソード空間をフラッシュする前、その間またはその後に、調節することができる。アノード空間に対する約10〜100ミリバールのカソード空間における正圧は、運転停止操作の間、維持される。
→運転停止期間
アノード空間およびカソード空間を排出した後、湿潤膜を有する電解セルは、更なる始動のための準備を、長期間にわたり導入された状態において電解セルの性能を低下させることなく維持することができる。数週間にわたり延長される運転停止期間の場合には、安定化のために、アノード空間を希釈アルカリ金属塩化物水溶液で、カソード空間を希釈アルカリ金属水酸化物水溶液で一定間隔においてフラッシュすることが適切である。
電解セルの運転停止のための特定の条件を包含する本発明の他の実施態様では、電解セルの運転停止および排出後に、アノード空間を1〜12週間毎に、好ましくは4〜8週間毎に、2.2〜4.8モル/Lの含有量を有する希釈アルカリ金属塩化物水溶液でフラッシュし、カソード空間を、4〜10モル/Lの含有量を有するアルカリ金属水酸化物溶液でフラッシュする。
本発明の更なる実施態様は、電解セルのカソード空間およびアノード空間を意味すると理解される電極空間を湿潤ガスでフラッシュすることを包含する。この目的のために、例えば水−飽和窒素をアノード空間へ導入する。あるいは、酸素を導入することもできる。ガス体積を計測し、2倍〜10倍の体積交換を行うことができる。ガス体積流量は、5〜40℃の温度にて1L/時〜200L/時であってよく、ガスの温度は、好ましくは周囲温度、すなわち、15〜25℃である。パージガスは、ガスの温度にて飽和である。
手順は、カソード空間について同じである。より好ましくは、カソード側のガスは酸素である。
本発明の方法の更なる実施態様は、アノードおよびカソード空間を周囲空気から分離することを包含する。該空間は、例えば排出後に密閉することができる。環境における温度変化および体積における付随した変化を補うために、該空間を液体浸漬により密閉することもできる。
上記方法による操作を停止した電解セルは、前記方法により操作を再び開始する。記載のプロセス工程での適合性の場合には、電解セルは、セルの性能における障害を伴わずに多くの運転始動および運転停止サイクルを経ることができる。
実施例1
7重量%のPTFE粉末、88重量%の酸化銀(I)および5重量%の銀粉末からなる粉末混合物を、ニッケルワイヤーのメッシュへ適用し、およびプレスして酸素消費電極(OCC)を形成した。酸素消費電極は、有限ギャップ配置で電気分解装置へ設置した。同時に、水酸化ナトリウム溶液を、膜(イオン交換膜:N2030型、製造業者:DuPont)およびOCEの間のギャップへ供給し、該ギャップは、多孔質編織布を含有する。電解装置は、組み立てにおいて、陽極液供給および排出を有し、被覆チタン(混合酸化ルテニウム酸化イリジウム被覆物)からできたアノードを有するアノード空間、OCEをカソードとして有し、および酸素および酸素注入口および排出口を有するカソード空間、液体排出およびギャップにおける水酸化ナトリウム溶液のための注入口および排出口、およびアノード空間およびカソード空間の間に配置されたイオン交換膜を有する。ギャップは、約1mmであった。アノードは、前記被覆物を有するUhdeからのチタンアノードであった。水酸化ナトリウム溶液体積流量は、1平方メートル当たり約110L/時の幾何学的カソード面積であった。底部において、水酸化ナトリウム溶液を、ギャップからガス空間中へおよびその前に、排出菅よりカソード空間から排出する。
陰極液循環の始動前に、水−飽和酸素をカソード空間へ室温にて供給し、40ミリバールのアノード空間に対する正圧をカソード空間において確立した。
酸素の量を制御して、確立した電流に基づいて必要となる酸素の量に対して1.5倍化学両論的過剰を、常に供給した。
その後、カソード回路を、30重量%水酸化ナトリウム溶液で約50℃にて操作へ入れた。
次の工程において、アノード空間を、50℃にて230〜300gNaCl/Lの濃度を有する塩水で充填し、アノード回路を操作へ入れた。アノード循環を維持しながら、アノード回路内に組み込まれた熱交換器における陽極液の加熱を開始した。
膜およびOCEの間のギャップから出る水酸化ナトリウム溶液は、320ppmの塩素イオンの含有量および<10ppmの塩素酸ナトリウムの含有量を有した。
70℃の排出陽極液および70℃の排出陰極液の温度の達成直後に、電解電圧を適用した。電解電流を制御し、1kA/mの電解電流を6分後におよび4kA/mの電解電流を30分後に達成した。セル電圧は4kA/mにおいて2.1ボルトであり、排出電解質の温度は、約88℃であった。
始動後、濃度を制御し、排出塩水の濃度は約230g/Lであり、水酸化ナトリウム溶液の濃度は約31.5重量%であった。
実施例2
実施例1による電気分解装置は、10日間の運転時間の後、以下の通り、操作を停止した。
電気分解電流は、18A/mへ下方調節した。
陽極液回路の操作は、300g/Lの濃度を有する塩素不含塩水の連続供給により継続した。この時間内に、陽極液を75℃へ冷却した。排出陽極液中の1mg/Lの塩素含有量の到達後、電解回路を切った。その後、陽極液を更に冷却し、同時に250〜270g/Lの濃度へ水の添加のために希釈し、および50℃の温度にて放出した。
陽極液を放出した後、酸素供給を停止し、陰極液供給を停止し、陰極液を放出した。
運転停止から48時間後、電解装置を以下の通り操作を再開した:
まず、水飽和酸素(99.9体積%)を室温にてカソード空間へ供給し、これを用いてカソード空間に対して40ミリバールの正圧を確立した。最初の工程において、カソード回路を、20ppmの塩化物イオンの含有量および<10ppmの塩素酸ナトリウムの含有量を有する30%水酸化ナトリウム溶液で50℃において充填した。
次の工程において、アノード空間を、50℃にて250gNaClの濃度を有する塩水で充填し、アノード回路を操作に入れた。約70℃の排出菅における電解質の更なる加熱および電解質(陽極液および陰極液)の温度の到達直後、電解電圧を適用した。約70℃の排出における電解質の更なる加熱および電解質(陽極液および陰極液)の温度の到達直後、電解電圧を適用した。除去した水酸化ナトリウム溶液の濃度は31.5重量%であり、排出における塩水濃度は210g/Lであり、排出電解質の温度は88〜99℃であった。
4kA/mでの電解電圧は、2.1Vであった。運転停止期間は、電解装置の性能の低下を生じさせなかった。
実施例3
実施例2からの電解装置は、150日間操作した。この期間内に、電解装置は、実施例2における条件に従って11回操作を停止し、各時間に対応して操作を復帰した。運転停止期間は、10回の運転停止期間において4時間および48時間の間であり、1回の運転停止期間において140時間であった。長期間の運転停止期間の間、カソードおよびアノード空間を、排出後、空気からしっかりと密封し、残存湿気を逃さなかった。
150日後、電解セルの幾つかの要素は、実施例2における条件に従って操作を停止し、次いで開放した。目視試験により、膜への固体析出物、沈着物、損傷またはOCEまたはカソードへの腐食損傷がないことは明らかであった。
実施例4
実験室セルにおいて、酸素消費カソードの性能上の水酸化ナトリウム溶液中の異なった塩化物含有量の影響を調査した(実施例1の組成物)。実験室セルは、OCE面積、膜面積およびアノード面積がいずれの場合にも100cmであった。アノード(実施例1のような被覆チタンアノード)を十分な量の塩水と接触し、セルから排出する塩水は、210g/Lの濃度および90℃の温度を有した。セルから排出する水酸化ナトリウム溶液の濃度は、32重量%であり、および水酸化ナトリウム溶液は、90℃の温度を有した。膜(実施例1の型)およびOCEの間のアルカリギャップは3mmであった。アルカリは、ギャップより底部から上向きに送り出した。実験条件を選択し、排出アルカリ中の塩化物含有量を、結果表に示される通り得た。セル電圧を決定した電流密度は4kA/mであった。
結果
Figure 0006315884
1000ppmの塩化物において、性能の顕著な損失が観測されるが、250ppm未満では性能の損失はなかった。

Claims (13)

  1. 酸素消費電極を有する電解セルを用いるクロルアルカリ電気分解のための方法であって、該電解セルは、アノードおよびアルカリ金属塩化物を含む陽極液を有する少なくとも1つのアノード空間、イオン交換膜、銀含有触媒を含む酸素消費電極をカソードとして有するカソード空間、および陰極液が流入する酸素消費電極および膜の間での電解質ギャップを有し、アノードおよびカソードの間での電解電圧の適用前に、体積流量および/またはギャップへ供給する陰極液の組成の調節を行って、カソードギャップから出るアルカリ金属水酸化物の水溶液を、多くとも1000ppm塩化物イオンの含有量とし、および電解電圧を、陽極液および酸素ガスのカソード空間への導入後に適用することを特徴とする、方法。
  2. 用いる電解セルは、流下薄膜セルであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 電解電圧の適用前に陰極液供給に導入したアルカリ金属水酸化物溶液は、多くとも20ppm塩素酸アルカリ金属の含有量を有することを特徴とする、請求項1および2のいずれかに記載の方法。
  4. 陰極液の導入の開始および電解電圧の適用の間は、240分未満あることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 20℃未満の陽極液供給および陰極液排出の間の温度差を、陰極液および陽極液の導入の開始後に確立することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 酸素消費電極を有する電解セルを用いるクロルアルカリ電気分解のための方法であって、該セルは、アノードおよびアルカリ金属塩化物を含む陽極液を有する少なくとも1つのアノード空間、イオン交換膜、銀含有触媒を有する酸素消費電極を有するカソード空間、および陰極液が流入する酸素消費電極および膜の間の電解質ギャップを有し、電気分解操作の終わりに、電解電圧を切った後、最初の工程において、アノード空間から除去したアルカリ金属塩化物溶液の濃度を上昇させ、次いでアノード空間を、新たなアルカリ金属塩化物溶液で、陽極液中の0または0を超える酸化状態の塩素含有量が10ppm未満となるまでフラッシュし、次いで陽極液温度を低下させ、次いで陽極液をアノード空間から放出し、引き続きの工程において、陰極液の導入を終了し、陰極液を電解質ギャップから放出することを特徴とする、方法。
  7. 排出陽極液の濃度は、2.2〜4.8モル/Lアルカリ金属塩化物含有量を有することを特徴とする、請求項6に記載の方法。
  8. 用いる電解セルは、流下薄膜セルであることを特徴とする、請求項6または7に記載の方法。
  9. 電解電圧は、<10mg/L陽極液中の塩素含有量の到達後に切ることを特徴とする、請求項6〜8のいずれかに記載の方法。
  10. 0ミリバール超えのアノード空間に対する正圧を、排出およびフラッシングの終わりまでカソード空間において維持することを特徴とする、請求項6〜9のいずれかに記載の方法。
  11. 電解セルの運転停止および排出後に、アノード空間を、1〜12週間毎に.2〜4.8モル/Lの含有量を有する希釈アルカリ金属塩化物溶液で、およびカソード空間を4〜10モル/Lの含有量を有するアルカリ金属水酸化物溶液で繰り返しフラッシュすることを特徴とする、請求項6〜10のいずれかに記載の方法。
  12. 請求項1〜5のいずれかに記載の方法と組み合わせることを特徴とする、請求項6〜11のいずれかに記載の方法。
  13. アルカリ金属塩化物は、塩化ナトリウムまたは塩化カリウムあることを特徴とする、請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
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