JP6315885B2 - 酸素消費電極をマイクロギャップ配置において用いるアルカリ金属塩化物の電気分解法 - Google Patents

酸素消費電極をマイクロギャップ配置において用いるアルカリ金属塩化物の電気分解法 Download PDF

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Description

本発明は、特に操作パラメーターに適合する、酸素消費電極によるアルカリ金属塩化物の水溶液の電気分解法に関する。
本発明は、ガス拡散電極の形態を取り、および電気伝導性担体および触媒活性成分を含むガス拡散層を典型的に含む酸素消費電極を用いる水性アルカリ金属塩化物の電気分解のためのそれ自体既知の電気分解法に由来する。
酸素消費電極の工業規模の電解セル中における操作の種々の提案が、先行技術から原理上知られている。基本概念は、電気分解において(例えばクロルアルカリ電気分解において)水素発生カソードを、酸素消費電極(カソード)に置き換えることである。可能なセル設計および解決策の概説は、Moussallem等による出版物、「Chlor−Alkali Electrolysis with Oxygen Depolarized Cathodes: History, Present Status and Future Prospects」、J.Appl.Electrochem、第38巻、(2008年)、第1177〜1194頁に見出し得る。
酸素消費電極(以下、略して、OCEとも称する)は、工業的電解槽において使用され得るために一連の要件を充足する必要がある。例えば、用いる触媒および全ての他の物質が、濃縮アルカリ金属水酸化物溶液および典型的には80〜90℃の温度において純粋酸素に対して化学的に安定性である必要がある。同様に、電極は、通常、2m(工業規模)を越える面積の大きさを有する電解槽中において設置および操作されるので、高度の機械的安定性が要求される。更なる所望の特性は、以下の通りである:高い電気伝導性、小さい層厚み、大きい内部表面積および電気分解触媒の高い電気化学活性。適当な疎水性および親水性細孔およびガスおよび電解質の伝導のための適切な細孔構造が必要となる。長期安定性および低い製造コストは、工業的に使用可能な酸素消費電極についての更なる特定の要件である。
電解質ギャップが膜およびOCEの間に存在するカソード要素におけるOCEの配置の場合、陰極液側では、静水圧が圧力勾配を電極の高さにわたり形成するのに対し、ガス側ではその高さにわたり一定圧となることから問題が生じる。この影響により、より低い電極の領域において、疎水性細孔も浸水し、および液体がガス側へ入ることがある。他方では、OCEの上部において過度に高いガス圧の場合、液体は、親水性細孔から置換され、酸素が陰極液へ入ることがある。これらはいずれも、OCEの性能を低下させる。実際には、この影響により、OCEの構築高さは、更なる手段が取られない限り約30cmに限定される。工業的電気分解では、電極は、典型的には1mまたはより高い高さで構築される。このような構築高さの実現について、種々の技術が記載された。
WO2001/57290A1は、略して流下薄膜と呼ばれる、OCEに沿った自由落下液体薄膜の種類において、パーコレーターと呼ばれる、液体が上部から下流へOCEおよびイオン交換膜の間に配置された平坦細孔要素より導入されるセルを記載する(有限ギャップ配置)。この配置では、液体カラムは、OCEの液体側で影響を与えず、および静水圧プロファイルは、セルの構築物高さにわたり構成されない。しかしながら、WO2001/57290A1に記載の構築物は、極めて複雑である。均質なアルカリ流および均質なOCEと陰極液との接触を確保するために、パーコレーター、イオン交換膜およびOCEは極めて正確に配置されなければならない。
他の実施態様では、イオン交換膜は、電解セルにおいて、アノード空間と、直接OCEへ接触するカソード空間とを、アルカリ金属水酸化物溶液を導入し、および除去する介在空間を伴わずに分割する。この配置は、ゼロギャップ配置と称される。また、ゼロギャップ配置は典型的には、燃料電池技術に用いられる。ここでは、形成するアルカリ金属水酸化物溶液を、ガス側へOCEを通過させ、次いでOCEにて下流へ流れる必要がある欠点がある。この過程では、OCEにおける細孔は、アルカリ金属水酸化物溶液によりブロックされてはならず、アルカリ金属水酸化物の結晶化が細孔に存在してはならない。極めて高いアルカリ金属水酸化物溶液濃度がここで生じ得ることが見出されたが、この高い濃度において、イオン交換膜は、長期安定性を欠くことが述べられている(Lipp等、J.Appl.Electrochem.第35巻、2005年、第1015頁−Los Alamos National Laboratory、「Peroxide formation during chlor−alkali electrolysis with carbon−based ODC」)。
更なる配置は、「ゼロギャップ」と称されることもあるが、より正確には、「マイクロギャップ」として定められ、JP3553775およびUS6117286A1に記載される。この配置では、その吸収性により、形成された水性アルカリを吸収し、アルカリの少なくとも一部を下方へ排出する細孔親水性物質の更なる層が、イオン交換膜とOCEとの間に存在する。水性アルカリの排出の手段は、OCEおよびセル設計の導入により決定される。この配置の優位性は、下方へOCEの逆側へ流れるアルカリの量がより少なくなることである。その結果、ガス側に面するOCEの側(逆側)は、酸素へより接触することとなる。さらに、OCEの細孔系は、少量の液体へ曝され、その結果、より大きい細孔容積がガスの移動に利用される。上記有限ギャップ配置とは対照的に、非水性アルカリ金属水酸化物溶液(アルカリ)は、適用および排出の結果、OCEおよびイオン交換膜の間のギャップより導入され、マイクロギャップ中に存在する細孔物質は、水性アルカリを吸収し、水平または垂直方向に向かってマイクロギャップを通過する。JP3553775およびUS6117286A1に記載の配置は、以下、「マイクロギャップ」と称する。マイクロギャップ配置を有する高性能電解セルは、有限ギャップ配置における電解セルより構築および操作し易い。
酸素消費電極は、典型的には、担体要素、例えば多孔質金属のプレートまたは金属ワイヤーメッシュ、および電気化学触媒活性被覆物から構成される。電気化学触媒活性被覆物は、微小孔質であり、親水性および疎水性成分から構成される。疎水性成分は、電解質が浸透することを困難とし、従ってOCEにおける対応する細孔を、酸素の触媒活性部位への移動のために非ブロック化状態にする。親水性成分は、電解質を触媒活性部位へ浸透し、水酸化物イオンをOCEから離れて輸送することを可能とする。使用する疎水性成分は、一般には、フッ素化ポリマー、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)であり、これは、触媒の粒子のためのポリマーバインダーとして更に働く。銀触媒を有する電極の場合には、例えば銀は、親水性成分として働く。多くの化合物が、酸素の還元のための電気化学触媒として記載された。しかしながら、白金および銀だけが、アルカリ溶液中における酸素の還元のための触媒としての実際的重要性を得た。
白金は、酸素の還元のための極めて高い触媒活性を有する。白金の高い費用に起因して、専ら担体形態でのみ使用される。好ましい担体物質は、炭素である。しかしながら、炭素担持白金系電極についての安定性は、長期間の操作において、おそらく、白金が担体物質の酸化も触媒するので不十分である。炭素は、酸化を同じく引き起こすHの望ましくない形成を更に促進する。銀もまた、酸素の還元のための高い触媒活性を有する。銀は、炭素担持形態で、また微細金属銀として用いることができる。炭素担持銀触媒は、相当するプラチナ触媒より耐久性を有するが、酸素消費電極における操作条件下での長期安定性は、特にクロルアルカリ電解のための使用の場合に制限される。
非担持銀触媒を含むOCEの製造の場合、銀は、好ましくは、金属銀へ還元される銀酸化物の形態で少なくとも部分的に導入される。還元は、一般的には、電解セルをまず立ち上げる場合に行う。また、銀化合物の還元は、結晶の配置における変化を生じさせ、より具体的には、個々の銀粒子間で架橋をもたらす。これは、構造の全体的な連結をもたらす。
電解電流が切られた場合には、銀触媒が再び酸化され得ることが観測された。酸化は、酸素および湿気によりハーフセルにおいて明らかに促進される。酸化は、触媒構造における再配置をもたらすことが可能であり、これは、触媒の活性について、従ってOCEの性能について悪影響を有する。
性能、特に必要な電電圧は、銀触媒を有するOCEにおいて、開始条件にかなり依存することも見出された。これは、OCEの第1開始およびシャットトダウン後の更なる開始はいずれにも当てはまる。本発明の課題の1つは、OCEの高い性能を確保する操作、特に銀触媒を有するOCEの運転停止および始動のための特定の条件を見出すことである。
電解セルの更なる主要な要素は、イオン交換膜である。膜は、カチオンおよび水に浸透性であるが、アニオンに実質的に不浸透性である。イオン交換膜は、電解セルにおいて、強いストレスに曝される:これらは、アノード側で塩素に対して安定性であり、強いアルカリストレスについてカソード側で約90℃の温度において安定性である必要がある。パーフッソ化ポリマー、例えばPTFE等は、典型的にはこれらのストレスに耐える。イオンは、これらのポリマー中へ重合される酸性スルホネート基および/またはカルボキシレート基より運ばれる。カルボキシレート基は、高い選択性を示し、カルボキシレート基を含有するポリマーは、スルホネート基を含有するポリマーより低い水吸収性を有し、より高い電気抵抗を有する。一般に、多層膜は、アノード側でスルホネート基を含有する厚い層およびカソード側でカルボキシレート基を含有する薄い層で用いる。膜は、カソード側または両側に親水性層が与えられる。機械特性を向上するために、膜は、織物またはニットの埋め込みにより強化され、補強は、好ましくは、スルホネート基を含有する層へ組み込まれる。
複合材料構造に起因して、イオン交換膜は、これを取り囲む媒体における変化に敏感である。異なったモル濃度は、アノードおよびカソード間の著しい浸透圧勾配の形成をもたらし得る。電解質濃度が減少する場合には、膜は、向上した吸水により膨潤する。電解質濃度が向上した場合には、膜は水を放出し、その結果収縮し、極端な場合には、水の離脱が膜における固体の析出を引き起こし得る。従って、濃度変化は、膜において崩壊および損傷がもたらし得る。これは、層構造の層間剥離を生じさせ得(ブリスター形成)、この結果、物質移動および膜の選択性が悪化する。
さらに、望ましくない陽極液および陰極液の混合をもたらし得るピンホールおよび極端な場合にはクラックが生じ得る。
製造プラントでは、電解セルを、数年の期間にわたり、その間に開放することなく操作することが望ましい。しかしながら、要求体積の変化および電気分解の上流および下流の製造部分における障害に起因して、製造プラントにおける電解セルは、必然的に、繰り返し運転停止し、および再び始動する必要がある。
電解セルの停止および再始動により、セル要素への損傷をもたらし、およびその寿命を著しく低下させ得る条件が生じる。より具体的には、酸化損傷は、OCEへの損傷および膜への損傷を有するが、カソード空間に見出される。
先行技術は、電解セルへの損傷の虞が、始動および停止の間に低減し得る操作の態様をほとんど開示しない。
従来法による膜電気分解から既知の測定は、分極電圧の維持であり、これは、電気分解が終了する場合に、電位差がゼロへ下方調節されないが、分極電圧の水準において維持されることを意味する。実際面においては、分極に必要な電圧より幾分高い電圧が、一定の低電流および結果として僅かな電気分解をもたらすように設定される。しかしながら、OCEの使用の場合には、この測定は単独では、始動および運転停止の過程でのOCEへの酸化損傷を防止するのに不十分である。
公報明細書JP2004−300510Aは、カソード空間における腐食が、ガス空間を水酸化ナトリウム溶液でセルの停止によりマイクロギャップ配置を用いる電気分解法を記載する。従って、ガス空間の水酸化ナトリウム溶液での流入は、腐食からカソード空間を保護するが、電極および膜への損傷からの不適切な保護を、停止および開始により、または停止期間の間に与える。
US4578159A1は、ゼロギャップ配置を用いる電気分解法のために、カソード空間を35%水酸化ナトリウム溶液でセルの始動前にパージすること、セルを低電流密度で始動し、および電流密度を徐々に増加させることが、膜および電極への損傷を防止し得ることを記載する。この手順は、始動の間に膜およびOCEへの損傷の虞を低下するが、停止中および停止時に損傷からの保護を与えない。
文献US4364806A1は、酸素の窒素との交換が電解電流を下方調節した後に、カソード空間における腐食を防止することを開示する。WO2008009661A2によれば、水素の窒素への少ない割合の添加は、腐食損傷からの保護における改良を生じさせる。しかしながら、記載の方法は、特に安全面の観点から複雑であり、窒素および酸素供給のための更なる設備の導入を必要とする。再始動の際、OCEの細孔は、窒素および/または水素により部分的に充填され、これは、酸素の反応性部位への供給を防止する。該方法は、イオン交換膜への損傷からの保護を与えず、および爆発性ガス混合物の回避についての高い安全性を要件とする。
Jerzy Chlistunoffによる最終技術報告書「Advanced Chlor−Alkali Technology」(Los Alamos National Laboratory、DOE Award 03EE−2F/Ed190403、2004年)は、一時的な停止およびゼロギャップセルの始動についての条件を詳述する。運転停止の場合には、電解電流が停止した後、酸素供給を停止し、窒素により置換する。ガス流の湿潤を、残存水酸化ナトリウム溶液を洗い流すために増加させる。アノード側では、塩水は、熱水(90℃)で置換される。この手順は、安定性電圧(開路電圧)が得られるまで繰り返される。次いでセルを冷却し、次いで湿潤窒素の供給およびアノード側の水のポンプ循環を停止する。
再始動のために、まず、アノード側を塩水で充填し、カソード側で、水および窒素を導入する。次いでセルを80℃へ加熱する。次いでガス供給を酸素へ切り替え、低電流フローでの分極電圧を適用する。次いで、電流密度を増加し、カソードにおける圧力を増加し、温度を90℃へ昇温する。次いで塩水および水の供給を調節し、所望の濃度をアノード側およびカソード側で得る。
記載の手順は極めて複雑であり、より具体的には、工業用電気分解法について極めて高い水準の複雑性が要件となる。
OCEの始動および運転停止のためにこれまで記載された技術は、不利であり、損傷からの不適切な保護のみを与えることを記載するべきである。
国際公開第2001/57290A1号パンフレット 特許第3553775号公報 米国特許第6117286号明細書 特開第2004−300510号公報 米国特許第4578159号明細書 米国特許第4364806号明細書 国際公開第2008/009661号パンフレット
Moussallem、「Chlor−Alkali Electrolysis with Oxygen Depolarized Cathodes: History, Present Status and Future Prospects」、J.Appl.Electrochem、第38巻、2008年、第1177〜1194頁 Lipp、「Peroxide formation during chlor−alkali electrolysis with carbon−based ODC」−Los Alamos National Laboratory、J.Appl.Electrochem.第35巻、2005年、第1015頁 Jerzy Chlistunoff、「Advanced Chlor−Alkali Technology」、Los Alamos National Laboratory、DOE Award 03EE−2F/Ed190403、2004年
本発明の目的は、実施するのが簡単であり、および適合性が膜、電極および/または他の電解セルの成分への損傷を防止する、OCEを、マイクロギャップ配置および電気触媒物質としての銀触媒で用いる、クロルアルカリ電気分解のための電解セルの始動および介在する運転停止期間のための適当な操作パラメーターを提供することである。
上記目的は、銀触媒を有するOCEおよびマイクロギャップ配置での電解セルの始動の際に、カソード空間およびOCEを塩素イオンでの低汚染を有するアルカリ水で湿潤することにより達成される。銀触媒およびマイクロギャップ配置を有する電解セルの運転停止の際、電解電圧を切った後、陽極液を放出し、アノード空間をフラッシュし、引き続きの工程においてなお存在する陰極液を放出し、カソード空間をフラッシュする。
本発明は、マイクロギャップ配置における電解セルでのクロルアルカリ電気分解のための方法であって、該セルは、アノードおよびアルカリ金属塩化物を含む陽極液での少なくとも1つのアノード空間、イオン交換膜、酸素消費電極をカソードとして有するカソード空間を有し、該カソードは、銀含有触媒を含み、および0.01mm〜2mmの厚みを有し、および陰極液が流入するOCEおよび膜の間に配置された平坦細孔要素を含み、および酸素含有ガスのためのガス空間を更に含み、アノードおよびカソードの間の電解電圧の適用前に、最初の工程において、酸素消費電極をガス側で、1000ppm以下、好ましくは700ppm以下、より好ましくは500ppm以下の塩化物イオンの含有量を有するアルカリ金属水酸化物水溶液で湿潤し、引き続きの陽極液のアノード空間への導入および酸素性ガスのカソード空間のガス空間への導入後に、電解電圧を適用することを特徴とする方法を提供する。
本発明は、更に、マイクロギャップ配置における電解セルでのクロルアルカリ電気分解のための方法であって、該セルは、アノードおよびアルカリ金属塩化物を含む陽極液での少なくとも1つのアノード空間、イオン交換膜、少なくとも酸素消費電極をカソードとして含んでなるカソード空間を有し、該カソードは、銀含有触媒を含み、および0.01mm〜2mmの厚みを有し、および陰極液が流入するOCEおよび膜の間に配置された平坦細孔要素を含み、および酸素含有のためのガス空間を更に含み、電解操作の終わりに、運転停止のために、少なくとも以下の工程:
・電解電圧を低下し、および十分な塩素を陽極液から除去して、10ppm未満の活性塩素を陽極液において得る工程、
・陽極液を60℃未満の温度へ低下し、およびアノード空間を排出する工程、
・好ましくは、アノード空間を、以下の液体の1つで再充填し、次いでアノード空間を排出する工程:4モル/L以下の希釈アルカリ金属塩化物溶液または脱イオン水、
・カソード空間を、以下の液体の1つで再充填し、次いでカソード空間を排出する工程:4モル/L以下の希釈アルカリ金属塩化物溶液または脱イオン水、
をこの順序で行うことを特徴とする方法を提供する。
これらの2つの上記電気分解法の変法は、好ましい実施態様では、互いに組み合わせ、電気分解のための始動のために、および運転停止のために記載の条件をいずれも適合する。これはまた、以下に記載の好ましい変法を含む。
カソードでは、強い酸化状態が酸素により存在し、これらは、運転停止の際の電解電流によりもはや補正されることがない。電解電流を切った後、更に、塩化物イオンは膜よりカソード空間中へ増加した範囲へ拡散する。塩化物イオンは、腐食プロセスを促進し、さらに、銀触媒の酸化は、不溶性銀塩化物を形成することができる。電極への損傷および全カソード空間への損傷の虞が存在する。
電解電圧を切った場合、電流流れにより生じた膜を通じての物質移動もまた停止する。膜は、水中で不足し始め、収縮および固体の沈殿、次いでピンホール形成が存在し得、膜によるアニオンの通過が促進される。次に、再始動により、過剰に低い含水量が、膜を通じての物質移動を妨害し、この結果、圧力上昇および界面における層間剥離が起こり得る。
膜および/またはOCEにおける水および/またはイオン分布における不均一性は、再始動により、電流および物質移動において局所的な急増を生じさせ、次いで膜またはOCEへの損傷をもたらす。
また、アルカリ金属塩化物塩のアノード側での結晶化による問題が存在する。陽極液および陰極液の間の顕著な浸透性勾配は、アノード空間からカソード空間への水の移動をもたらす。電気分解が操作中である限り、アノード空間からの水の輸送は、塩素およびアルカリ金属イオンの損失により対抗され、アルカリ金属塩化物の濃度は、アノード空間において標準電気分解条件下で低下する。電気分解はスイッチをオフにした場合には、浸透圧により引き起こされたアノード空間からのカソード空間への水の移動が残る。陽極液の濃度は、飽和限界より高くなる。その結果、特に膜への境界領域において、膜への損傷を生じさせ得るアルカリ金属塩化物塩の結晶化が生じる。
本発明の新規な電気分解法の規定に従えば、上記のこれまで知られている問題および欠点が解消される。
これは、意外にも、銀触媒およびマイクロギャップ配置でのOCEを含む電解槽は、これらの比較的簡単な工程の順序より、損傷を伴わずに操作へ繰り返し入れ、および出すことが可能であり、運転停止時においても損傷を受けないことが見出されたからである。本発明の方法は、塩化ナトリウムおよび塩化カリウム水溶液の電気分解に特に適当である。
マイクロギャップ配置は、好ましくは、イオン交換膜およびOCEの間に設置された厚み0.01mm〜2mmの細孔親水性物質の更なる層が、その吸収性に起因して、形成されたアルカリ水を吸収し、アルカリ水を水平および垂直に通過させることを特徴とする。形成されたアルカリ水を、セル設計により、またはセルの部品により可能であれば、親水性物質で充填したマイクロギャップから下流へ排出することもできる。例えば、液体を排出し得るスロットを、底部にて配置することができる。電解セルの開始および運転停止のための操作パラメーターを、2.5〜4.0モル/Lのアルカリ金属塩化物濃度(陽極液)で、および8〜14モル/Lのアルカリ金属水酸化物濃度(陽極液)の確立での始動後に操作する銀触媒およびマイクロギャップ配置でのOCEを有する電解セルのために以下に記載するが、記載の手順の実施に制限されない。上記電解セルの始動および運転停止のために、以下の手順が必要である:始動前に、カソード空間およびOCEを塩化物イオンでの低汚染を有する水酸化ナトリウム溶液で湿潤する。運転停止の際に、電解電圧を切った後、最初の工程において、陽極液を放出し、アノード空間をフラッシュし、引き続きの工程において、カソード空間の残渣を放出した後、カソード空間をフラッシュする。
マイクロギャップ配置、銀触媒を有するOCEおよび先行技術に従ってアルカリ水中に浸したイオン交換膜を有する電解装置の始動を、最初の工程において、カソード空間をアルカリ水で湿潤させることにより行う。湿潤は、例えばカソード空間をアルカリ金属水酸化物溶液で充填し、その直後にアルカリ金属水酸化物溶液を排出することにより行う。用いるアルカリ水の濃度は、1リットル当たり0.01および13.9モル/Lの間、好ましくは0.1〜4モルのアルカリ金属水酸化物である。アルカリ水は、塩化物および塩素酸イオンを実質的にほとんど含んではならない。
好ましいのは、電解電圧の適用前に供給した陰極液に導入したアルカリ金属水酸化物溶液は、1000ppm以下、好ましくは700ppm以下、より好ましくは500ppm以下の塩化物イオンの含有量を有することを特徴とする方法である。
好ましいのは、電解電圧の適用前に供給した陰極液に導入したアルカリ金属水酸化物溶液は、20ppm以下、好ましくは10ppm以下の塩素酸イオンの含有量を有することを特徴とする方法である。
湿潤のためのアルカリ金属水酸化物溶液の温度は、10〜95℃、好ましくは15〜60℃である。
カソード空間におけるアルカリ金属水酸化物溶液の滞留時間は、少なくとも充填完了後および直ぐの排出の間の時間、すなわち、アルカリ金属水酸化物溶液を、充填完了後、カソード空間から再び直ぐに放出することに対応するが、200分以下である。
アルカリ金属水酸化物溶液を、カソード空間から放出した後、酸素を添加する。好ましいのは、水酸化ナトリウム溶液を放出し、酸素で、導入した水酸化ナトリウム溶液を置換するように酸素を添加することである。通常、10〜100ミリバールの大きさのカソードにおける正圧を、セルにおける配置に従って設定する。
濃度は、当業者に既知の滴定または他の方法により決定する。
カソード空間の湿潤のために、好ましいのは、通常の製造からのアルカリ金属水酸化物溶液を用いることである。運転停止操作からのアルカリは、特に、塩化物イオンでの汚染に起因して、セルの始動前の湿潤に適していない。
アルカリ金属水酸化物溶液をカソード空間から放出した後、アノード空間をアルカリ金属塩化物溶液(塩水)で充填する。塩水は、膜電気分解のために従来用いられる純度要件を満たす。アノード空間を充填した後、塩水を、通常の装置条件に従って、アノード空間より循環においてポンプにより導入する。ポンプ循環の過程において、陽極液を加熱することができる。供給した塩水の温度を選択して、30〜95℃の温度をアノード空間からの生産物において確立する。供給された陽極液におけるアルカリ金属塩化物濃度は、150および330g/Lの間である。
アノード空間を充填し、アノード循環を立ち上げた後、電解電圧を次の工程において適用する。これは、アノードの充填および60℃を超えるアノード空間から出る塩水の温度の到達直後に行う。アノード空間の充填に次いで、分極電圧または電解電圧の少なくとも一部を入れる場合、有利である。分極電圧または電解電圧を、0.01A/m〜40A/m、好ましくは10〜25A/mの電流密度を確立するように調節する。この電流密度において時間は、30分以下、好ましくは20分以下とするべきである。
全体的に、始動のための全時間は、最小限に抑えるべきである。アノード空間の塩水での充填および>1kA/mの電解力の到達後の時間は、特に240分未満、好ましくは150分未満とするべきである。電解電流密度は、好ましくは1分当たり3〜400A/mの速度にて増加する。次いで電解セルは、設計パラメーター、例えばアノード空間において1リットル当たり2.5〜4.0モルのアルカリ金属の濃度、2〜6kA/mの電流密度およびガス供給における50%〜100%過剰の酸素で操作する。カソード区画中へ導入する酸素を、室温において水蒸気で好ましく飽和する(周囲温度)。これは、例えば酸素を、カソード区画へ導入する前に水浴を通過させることにより行うことができる。同様に、湿潤を、より高い温度にて行うことも挙げられる。
水酸化ナトリウム溶液濃度を、イオン交換膜および典型的には8および14モル/Lの間のアノード空間におけるアルカリ金属塩化物濃度の選択より本質的に確立する。アルカリ金属水酸化物溶液は、有利には自発的にカソード空間から流れ出る。
記載の方法は、未だ操作していない銀含有、特に酸化銀含有OCEの導入後に電解装置の最初の始動および停止後に電解セルの再始動のいずれについても適している。
電解セルの停止において、以下の工程:
・電解電圧を低下し、および塩素を陽極液から除去して、10ppm未満の活性塩素を陽極液に存在させる工程、
・陽極液の温度を60℃未満(20〜60℃)へ低下し、およびアノード空間を排出する工程、
・好ましくはアノード空間を以下の液体の1つで補充する工程:4モル/L以下の希釈アルカリ金属塩化物溶液または脱イオン水、
・アノード空間を、好ましくは0.01〜200分後に排出する工程、
・以下の液体の1つでカソード空間を充填する工程:0.01〜4モル/L以下の希釈アルカリ金属塩化物溶液または脱イオン水、
・カソード空間を、好ましくは0.01〜200分後に排出する工程
をこの順序で行う。
最初の工程において、電解電圧を下方へ調節する。ここでは、電圧は、ゼロへ下方調節することができる。好ましくは、電解電流を下げた後、電圧を維持し、<10mg/L、好ましくは1mg/L未満のアノード空間中の塩素含有量へ低下後にのみ切る。塩素含有量は、ここでは、0以上の酸化状態中の溶解塩素の全含有量を意味すると理解される。残存塩素は、好ましくは、塩素不含陽極液を、塩素含有陽極液を除去するのと同時に供給するように、または同時の塩素ガスの分離および除去でのアノード回路における陽極液のポンプ循環によりアノード空間から除去する。この操作中の電圧は、0.01〜40A/m、好ましくは10〜25A/mの電流密度を確立するように調節する。
電解電圧を切った後、陽極液を60℃未満の温度へ冷却し、次いで放出する。
その後、アノード空間をフラッシュする。フラッシュは、0.01〜4モル/Lのアルカリ金属塩化物含有量を有する高度に希釈した塩水、水または好ましくは脱イオン水を用いて行う。フラッシュは、好ましくはアノード空間を一度充填し、およびフラッシュ液体をすぐに放出することにより行う。フラッシュは、2以上の工程において、例えば、まず1.5〜2モル/Lのアルカリ金属塩化物含有量を有する希釈塩水で充填し、次いで0.01モル/LのNaCl含有量を有する高度に希釈した塩水でまたは脱イオン水で更に充填し、および排出するように行ってもよい。フラッシュ溶液は、アノード空間を完全に充填した直後に再び放出してよく、または200分間までアノード空間において滞留し、次いで放出してよい。放出後、フラッシュ溶液の少ない残存量がアノード空間中に残る。その後、アノード空間を、周囲の外気へ直接接触することなく包み込むかまたは運転停止した状態にする。
アノード空間を排出した後になお存在する陰極液を、カソード空間から放出し、次いでカソードのガス空間をフラッシュする。フラッシュは、特に、4モル/Lまでのアルカリ金属水酸化物含有量を有する高希釈アルカリ水、水または好ましくは脱イオン水で行う。フラッシュは、好ましくはガス空間を一度充填し、およびフラッシュ液体をすぐに放出することにより行う。フラッシュは、2以上の工程において、例えば、まず1.05〜3モル/Lのアルカリ金属水酸化物含有量を有する希釈アルカリで充填しおよび排出し、次いで0.01モル/Lのアルカリ金属水酸化物含有量を有する高希釈アルカリでまたは脱イオン水でさらに充填しおよび排出することにより行ってもよい。フラッシュ溶液は、カソード空間を完全に充填した直後に再び放出してよく、または200分間までアノード空間中で滞留し、次いで放出してよい。放出後、フラッシュ溶液の少ない残存量が、カソード空間に残る。カソード空間を、周囲の外気へ直接接触することなくケースに入れるかまたは運転停止した状態にする。
酸素供給は、電圧を切った場合に停止することができる。酸素供給は、好ましくは、カソード空間の排出およびフラッシュ後に停止し、酸素供給のためのオリフィスは、充填の過程において、カソード空間の排出または脱気のために働く。
アノード空間およびカソード空間を放出した後、湿潤膜を有する電解セルは、設置された状態で長期にわたり電解セルの性能を低下させることなく、急な始動に備え続けることができる。数週間にわたり延びる停止時間の場合には、安定化のために、アノード空間を希釈アルカリ金属塩化物水溶液で、カソード空間を希釈アルカリ金属水酸化物水溶液で通常の間隔においてフラッシュまたは湿潤させることが適切である。好ましいのは、1〜12週間の間隔にて、特に好ましいのは、4〜8週間の間隔にてフラッシュすることである。フラッシュまたは湿潤のために希釈アルカリ金属塩化物溶液の濃度は、1〜4.8モル/Lである。フラッシュ溶液は、アノード空間を完全に充填した直後に再び放出してよく、または200分間までアノード空間において滞留し、次いで放出してよい。フラッシュまたは湿潤するために用いるアルカリ金属水酸化物溶液の濃度は、0.1〜10モル/L、好ましくは1および4モル/Lの間である。塩水またはアルカリ金属水酸化物溶液の温度は、10および80℃の間、好ましくは15〜40℃の間であり得る。フラッシュ溶液は、カソード空間を完全に充填した直後に再び放出してよく、または200分間までカソード空間において滞留し、次いで放出してよい。
本発明の方法の更なる実施態様は、電解セルのカソードおよびアノード空間を意味すると理解される電極空間を湿潤ガスによりフラッシュする工程を包含する。この目的のために、例えば水飽和窒素を、アノード空間中へ導入する。あるいは、酸素を導入してもよい。ガス体積流量を計測し、2倍〜10倍の体積交換を行うことができる。100リットルのガス体積について、ガス体積流量は、5〜40℃の温度にて1L/時〜200L/時であってよく、ガスの温度は、好ましくは周囲温度、すなわち、15〜25℃である。パージガスは、好ましくは、水でガスの温度にて飽和させる。
上記方法による操作から取り出した電解セルは、操作へ前記方法により再び戻す。記載のプロセス工程での適合性の場合には、電解セルは、セルの性能における障害を伴わずに多くの立ち上げおよび立ち下げサイクルを経ることができる。
実施例1
7重量%のPTFE粉末、88重量%の酸化銀(I)および5重量%の銀粉末からなる粉末混合物を、ニッケルワイヤーのメッシュへ適用し、およびプレスして酸素消費電極を形成した。電極を、DuPONT N2030型のイオン交換膜および0.3mmの厚みを有するZoltekからのPW3MFBP炭素編織布を有する100cmの面積を有する電解装置へ設置した。炭素編織布は、OCEおよび膜の間に設置した。電解装置は、組み立てにおいて、陽極液供給および排出を有し、被覆チタン(混合ルテニウム酸化物被覆物)からできたアノードを有するアノード空間、OCEをカソードとして有し、および酸素および酸素注入口および排出口のためのガス空間を有するカソード空間、液体排出および炭素編織布およびアノード空間およびカソード空間の間に配置されたイオン交換膜を有する。OCE、炭素編織布およびイオン交換膜を、アノード炉より高いカソード炉における圧力により約30ミリバールの圧力でアノード構造上へ圧縮した。
最初の工程において、カソード空間を、20ppmの塩化物イオンの含有量および<10ppmの塩素酸イオンの含有量を有する30重量%水酸化ナトリウム溶液で30℃にて充填し、次いで直ぐに再び排出した。排出の過程において、酸素を供給し、得られるガス空間を酸素で充填した。排出後、30ミリバールの正圧をカソード側で確立した。
次の工程において、アノード空間を、30℃にて210gNaCl/Lの濃度を有する塩素で充填し、およびアノード循環を操作へ置き、塩水を70℃へ加熱した。アノード循環の温度の到達直後に、電解電圧を入れた。電解電流を制御し、1kA/mの電解電流密度を5分後に、および3kA/mの電解電流を30分後に得た。設備を、3日間にわたり、3kA/mの電流密度および1.90〜1.95Vの電解電圧、32重量%の除去した水酸化ナトリウム溶液の濃度および88℃の電解セルにおける温度で操作した。
実施例2
実施例1による電解装置を、3日間の運転後、以下の通り操作から出した:
電解電流を切った。陽極液を排出した。アノード炉を充填して脱イオン水で溢れさせ、再び排出した。
その後、カソード空間中に残存する液体を排出し、酸素供給をスイッチオフし、カソード空間を充填して脱イオン水で溢れさせ、直ぐに再び排出した。
運転停止から50時間後、実施例2からの電解装置を以下の通り操作へ戻した:
最初の工程において、カソード空間を、20ppmの塩化物イオンの含有量および<10ppmの塩素酸イオンの含有量を有する32重量%水酸化ナトリウム溶液で80℃にて充填し、次いで再び排出した。排出の過程において、酸素を供給し、得られるガス空間を酸素で充填した。排出後、30ミリバールの正圧をカソード側で確立した。
次の工程において、アノード空間を、70℃にて210gNaCl/Lの濃度を有する塩素で充填し、およびアノード循環を操作へ置いた。アノード循環の一定運転の到達直後に、電解電圧をスイッチオンした。電解電流を制御し、1kA/mの電解電流を5分後に、3kA/mの電解電流を30分後に、32重量%の除去した水酸化ナトリウム溶液の濃度および88℃の電解セルにおける温度にて得た。
3kA/mでの電解電圧は、1.8〜1.9Vであった。電解装置は、運転停止前の期間と比べて低下を示さず、実際、100mVによる向上を観測した。

Claims (6)

  1. マイクロギャップ配置における電解セルによるクロルアルカリ電気分解のための方法であって、該セルは、アノードおよびアルカリ金属塩化物を含む陽極液での少なくとも1つのアノード空間、イオン交換膜、少なくとも酸素消費電極をカソードとして含むカソード空間を有し、該カソードは、銀含有触媒を含み、および0.01mm〜2mmの厚みを有し、および陰極液が流入する酸素消費電極および膜の間に配置された平坦細孔要素を含み、および酸素含有ガスのためのガス空間を更に含み、アノードおよびカソードの間の電解電圧の適用前に、最初の工程において、酸素消費電極を、1000ppm以下の塩化物イオンの含有量を有するアルカリ金属水酸化物水溶液で湿潤し、引き続きの陽極液のアノード空間への導入および酸素性ガスのカソード空間のガス空間への導入後に、電解電圧を適用することを特徴とする方法。
  2. 電解電圧の適用前にカソード空間を湿潤するために用いたアルカリ金属水酸化物溶液は、20ppm以下の塩素酸イオンの含有量を有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. マイクロギャップ配置における電解セルでのクロルアルカリ電気分解のための方法であって、該セルは、アノードおよびアルカリ金属塩化物を含む陽極液での少なくとも1つのアノード空間、イオン交換膜、少なくとも酸素消費電極をカソードとして含んでなるカソード空間を有し、該カソードは、銀含有触媒を含み、および0.01mm〜2mmの厚みを有し、および陰極液が流入する酸素消費電極および膜の間に配置された平坦細孔要素を含み、および酸素含有ガスのためのガス空間を更に含み、電解操作の終わりに、運転停止のために、少なくとも以下の工程:
    ・電解電圧を低下し、および十分な塩素を陽極液から除去して、10ppm未満の活性塩素を陽極液に存在させる工程、
    ・陽極液を60℃未満の温度へ冷却し、およびアノード空間を排出する工程
    カソード空間を、以下の液体の1つで充填し、次いでカソード空間を排出する工程:4モル/L以下の希釈アルカリ金属水酸化物溶液または脱イオン水
    をこの順序で行うことを特徴とする方法。
  4. 電解セルの運転停止および排出後に、アノード空間を、1〜12週間毎に、1.0〜4.8モル/Lの含有量を有する希釈アルカリ金属塩化物溶液で、およびカソード空間を、0.1〜10モル/Lの含有量を有する希釈アルカリ金属水酸化物溶液で繰り返しフラッシュすることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
  5. 請求項3または4のいずれかに記載の電解セルを含むことを特徴とする、請求項1〜2のいずれかに記載の方法。
  6. アルカリ金属塩化物は、塩化ナトリウムまたは塩化カリウムであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
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