JPH10204670A - 食塩電解槽 - Google Patents

食塩電解槽

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JPH10204670A
JPH10204670A JP9021922A JP2192297A JPH10204670A JP H10204670 A JPH10204670 A JP H10204670A JP 9021922 A JP9021922 A JP 9021922A JP 2192297 A JP2192297 A JP 2192297A JP H10204670 A JPH10204670 A JP H10204670A
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JP
Japan
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gas
cathode
gas diffusion
chamber
oxygen
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Application number
JP9021922A
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English (en)
Inventor
Takayuki Shimamune
孝之 島宗
Masashi Tanaka
正志 田中
Shuhei Wakita
修平 脇田
Takahiro Ashida
高弘 芦田
Yoshinori Nishiki
善則 錦
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De Nora Permelec Ltd
Original Assignee
Permelec Electrode Ltd
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  • Electrolytic Production Of Non-Metals, Compounds, Apparatuses Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来のガス拡散陰極を使用する食塩電解槽に
おける供給ガスが十分かつ均一に前記ガス拡散陰極表面
に到達しないことに起因する陰極性能の低下を防止し、
低い槽電圧で実質的に水素発生のない状態で苛性ソーダ
を得られる食塩電解槽を提供する。 【構成】 電解槽本体1の陰極室4のガス体積率を陰極
室全体積の50%以上とする。陰極室が気液混合状態にあ
っても、ガス体積率を高くしておけば、該陰極室内での
酸素含有ガスの拡散は円滑に行なわれ、ガス拡散陰極6
に十分な酸素が供給されて水素イオンの水への転化が低
エネルギー下で行なわれる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、食塩電解による苛性ソ
ーダ製造に使用する電解槽に関し、より詳細には該電解
に際して大きな省エネルギー効果を達成できるガス拡散
陰極を配置した食塩電解槽に関する。
【0002】
【従来技術とその問題点】クロルアルカリ電解を代表と
する電解工業は素材産業として重要な役割を果たしてい
る。このような重要な役割を持つもののクロルアルカリ
電解に要する消費エネルギーが大きく、日本のようにエ
ネルギーコストが高い国ではその省エネルギー化が大き
な問題となる。例えばクロルアルカリ電解では環境問題
の解決とともに省エネルギー化を達成するために、水銀
法から隔膜法を経てイオン交換膜法へと転換され、約25
年で約40%の省エネルギー化を達成してきた。しかしこ
の省エネルギー化でも不十分で、エネルギーである電力
コストが全製造費の50%を占めているが、現行の方法を
使用する限りこれ以上の電力節約は不可能なところまで
来ている。より以上の省エネルギー化を達成するために
は電極反応を修正する等の抜本的な変化を行なわなけれ
ばならない。その例として燃料電池等で採用されている
ガス拡散電極の使用は現在考えられる中で最も可能性が
高く、電力節約が大きい手段である。
【0003】従来の金属電極を使用する陽極反応が、
陽極としてガス拡散電極を使用すると陽極反応に変換
される。 2NaCl+2H2 0→Cl2 +2NaOH+H2
O =2.21V 2NaCl+ 1/2O2 +H2 O→Cl2 +2NaO
H EO =0.96V つまり金属電極をガス拡散電極に変換することにより、
電位が2.21Vから0.96Vに減少し、理論的には約65%の
省エネルギー化が可能になる。従ってこのガス拡散電極
の使用によるクロルアルカリ電解の実用化に向けて種々
の検討が成されている。ガス拡散電極の構造は一般に半
疎水(撥水)型と言われるもので、表面に白金等の触媒
が担持された親水性の反応層と撥水性のガス拡散層を接
合した構造を有している。反応層及びガス拡散層ともバ
インダーとして撥水性のポリテトラフルオロエチレン
(PTFE)樹脂を使用し、このPTFE樹脂の特性を
利用してガス拡散層ではその割合を多くし、反応層では
少なくして両層を構成している。
【0004】このようなガス拡散電極をクロルアルカリ
電解に使用すると幾つかの問題点が生じる。例えば高濃
度の苛性ソーダ中では撥水材であるPTFE樹脂が親水
化して撥水性を失い易くなる。これを防止するために前
記ガス拡散層のガス室側に薄い多孔性のPTFEシート
を貼ることが試みられている。又このガス拡散電極に酸
素や空気を供給しながら電解を進行させるが、副反応と
して一部過酸化水素が生成しそれが構成材料である炭素
を腐食して炭酸ソーダを生成することがある。アルカリ
溶液中では前記炭酸ソーダは沈澱してガス拡散層を閉塞
したり表面を親水化したりしてガス拡散電極の機能を劣
化させることがある。この炭酸ソーダが生成しなくても
炭素表面に触媒を担持するのみで該触媒による炭素腐食
が生ずることも観察されている。
【0005】この他に、前記ガス拡散電極がクロルアル
カリ電解の陰極として適正に作動するためには十分な量
の酸素含有ガスがガス拡散電極表面に供給されなければ
ならず、ガス供給が不十分であると陰極における反応が
水素発生反応となって、多量のエネルギーが浪費される
とともに、場合によっては供給される酸素含有ガスとの
間で爆発を起こす危険性もある。他方適正な量の酸素含
有ガスが陰極に供給されると、陰極反応が水素イオンと
酸素による水生成反応となって十分な省エネルギー化が
達成される。このようにガス拡散電極は適切な条件で使
用されると極めて高性能を発揮するが、最も良好に性能
を引き出す電解条件特に陰極表面へのガス供給に関して
は殆ど検討されていない。特に従来型の電解槽を殆ど改
良なしに使用できる、陰極液と供給される酸素含有ガス
が陰極室内に共存するタイプの電解槽でこの傾向が強
い。
【0006】
【発明の目的】本発明は、前述の従来技術の問題点、つ
まりガス拡散電極方式の食塩電解特に陰極室に酸素含有
ガスと陰極液が共存する食塩電解においてガス拡散陰極
表面への酸素含有ガスの供給を十分に行ない得ないため
前記ガス拡散陰極の性能を最大限に利用できないという
問題点を解決し、省エネルギー下で食塩から苛性ソーダ
を製造できる食塩電解槽を提供することを目的とする。
【0007】
【問題点を解決するための手段】本発明に係わる食塩電
解槽は、イオン交換膜により陽極室と陰極室に区画され
た該陰極室にガス拡散陰極を配置し、陽極室に食塩水を
陰極室に酸素含有ガスをそれぞれ供給しながら電解し
て、陽極室で塩素を陰極室で苛性ソーダを得るための食
塩電解槽において、陰極室に存在するガスの体積率を陰
極室全体積の50%以上とすることを特徴とする食塩電解
槽であり、陰極室には酸素含有ガスとともに陰極液を供
給するようにしても良い。
【0008】以下本発明を詳細に説明する。従来から酸
素ガス拡散陰極のクロルアルカリ電解等の工業電解への
適用は検討され報告されている。陰極液と供給ガスであ
る酸素含有ガスが共存する陰極室内では、ガス拡散陰極
表面を陰極液の厚い液層で覆われてしまうことがある。
その場合供給ガスは一度陰極液中に溶け込み、厚い液層
を通って初めて電解反応が起きる電極部分に到達できる
ことになる。しかし液中のガス拡散速度は気相での拡散
速度より一般に遙かに小さいためかつガスの溶解度が低
いため、電極へのガス供給が不十分になって酸素ガスと
水素イオン間の反応量が不足して過電圧が上昇してしま
い、目的とする省エネルギー効果が達成できなくなる可
能性が高い。特に液透過型ガス拡散陰極を装備する電解
槽では、ガス拡散陰極中にもほぼ液が満たされた状態に
あると電極面全面に均一にガス供給を行なうことが困難
になる。
【0009】これらの欠点を解消するために、電極構造
に特殊な工夫をしたり、電極面の親水/撥水の度合いを
調節したりしている。即ち電極内の多孔部分の孔の大き
さをガス用と液用に分けられるような孔径分布とすると
同時に電解液との接触角を電極表面の撥水性の度合いを
調節することにより所望の値にしている。しかし陰極室
内の液量が増加しその分ガス量が減少すると、電解液が
イオン交換膜とガス拡散陰極内及びそれらの界面をほぼ
満たすようになり、更にガス拡散陰極のイオン交換膜と
反対側、つまり通常はガスが満たされるガス室にも入っ
てくることになる。この状態では供給ガスが不足し、ガ
スの十分で均一な供給が行なわれにくくなる。これを避
けるために大量の供給ガスを使用することも可能である
が、機器の大型化や供給圧の上昇による機器の損傷等の
問題があり、現実的な解決法ではない。これは電解液中
に供給ガスを送り込む電解方法でも同様である。
【0010】これらの欠点は、全て陰極室内に過剰の陰
極液が存在するからである。従って本発明者らはガス拡
散陰極を使用する陰極室内でのガスと陰極液との割合に
ついて検討を行なったところ、陰極室のガス体積率(供
給ガスの常圧状態の容積の陰極室の全容積に対する百分
率)を50%以上とすると、前述の各欠点に対する顕著な
改良が見いだされた。第1にガス体積率を50%以上とす
ることにより、陰極室内に存在する陰極液量が減少する
ためガス拡散陰極表面が陰極液により覆われる可能性が
少なくなり、供給されるガスが円滑にガス拡散陰極表面
に達して反応に関与し所望反応が進行しやすくなる。
【0011】第2にガス供給が円滑になることから、供
給ガスが容易にガス拡散陰極全面に達しやすくなり、理
論量を僅かに越える量の供給ガスのみで十分に反応を進
行させることができる。従って反応が十分に進行するこ
とによる効率上昇、供給ガス自体のコスト減及びガスを
供給するための手段の簡略化等の理由で大きな省エネル
ギー化を達成できる。これらは陰極室内でのガスの相対
量が増加しつまり大きな体積を占めることによってガス
が十分円滑に拡散できるようになるからであり、しかも
ガス拡散陰極表面の液層の厚さが減少して時間を要する
液中のガス拡散が減るからであると推測できる。更にガ
ス体積率が50%未満であると、陰極液による電極表面の
被覆及びそれによる液層厚の増加による槽電圧の上昇
と、電極表面からの水素発生が生ずることがあるが、ガ
ス体積率を50%以上とすることによりこれらが防止でき
る。
【0012】本発明に係わる食塩電解槽は、陰極室への
液供給が、実質的に陽極室で生成するナトリウムイオン
に随伴してイオン交換膜を透過する水のみである電解槽
(多くの場合、供給ガスに脱イオン水を添加して陰極室
内の水分量を調節するようにしている)、及び該透過水
及び供給(循環)陰極液である電解槽とがあるが、いず
れの電解槽でも上述した効果が達成される。前者の電解
槽では、陰極室の容積を最小限にして設計されるため、
透過水と生成苛性ソーダによる陰極液のの取り出しが不
十分であるとき等にガス体積率が50%未満となることが
ある。この場合には、前記陰極液の取り出しを迅速に行
なうことによりガス体積率を50%以上にする。又ガス体
積率低下が予想される場合には陰極室を比較的大きく設
計してガス体積率が50%未満になりにくくしても良い。
更に陰極室に供給する酸素含有ガス量を増加してガス体
積率を50%にしても良い。又酸素含有ガスを循環するよ
うにして相対的なガス体積を増加することもできる。
【0013】後者の電解槽でガス体積率が50%未満とな
ったときは、陰極室に存在する陰極液を槽外に取り出し
たり、供給ガス量を循環等により増加させたりすれば良
い。電解運転時にガス体積率を直接モニターすることは
できないが、槽電圧をモニターすることによりガス体積
率の低下を大まかに推測でき、この場合には前述のいず
れかの方法でガス体積率を上昇させて槽電圧を元の値に
戻せば良い。本発明に使用するガス拡散陰極は従来のガ
ス拡散電極を制限なく使用でき、白金等の触媒を担持し
たカーボンブラックやグラファイト等の炭素粒子とPT
FE樹脂等のバインダーで反応層やガス拡散層を構成し
て両者を接合した半疎水型電極であっても、生成物をそ
れを通して膜と反対面の陰極室側に取り出す液透過型電
極であっても良い。反応層やガス拡散層等の電極構造体
の材質としては、前述の炭素粒子以外にニッケルやステ
ンレス製等の金属多孔体を使用することもでき、この場
合には炭素の腐食が生じないため、触媒の被毒も起こら
ず、長期間に渡り安定した運転を行なえるとともに、イ
オン交換膜に密着させた形で電解を進行できるため電気
抵抗が極めて小さくなり、電解電圧低下の効果が最も顕
著に現れる。
【0014】図1は、本発明に係わる食塩電解槽の一例
を示す縦断面図である。電解槽本体1は、イオン交換膜
2により陽極室3と陰極室4に区画され、前記イオン交
換膜2の陽極室3側にはメッシュ状の不溶性陽極5が密
着し、該イオン交換膜2の陰極室4側には液透過型ガス
拡散陰極6が密着している。該ガス拡散陰極6の表面に
はメッシュ状の集電体7が接触し、該集電体7を介して
給電されるようになっている。なお8は陽極室底板に形
成された陽極液導入口、9は陽極室天板に形成された陽
極液及びガス取出口、10は陰極室天板に形成された酸素
含有ガス導入口、11は陰極室底板に形成された苛性ソー
ダ取出口である。
【0015】この電解槽本体1の陽極室3に陽極液例え
ば食塩水を供給しかつ陰極室4に酸素含有ガスを供給し
ながら両電極5、6間に通電すると、イオン交換膜2の
陰極室4側表面で苛性ソーダが生成し、この苛性ソーダ
は水溶液としてガス拡散陰極6を透過してその陰極室側
表面に達する。この場合に苛性ソーダ水溶液は実質的に
イオン交換膜2とガス拡散陰極6の界面、該ガス拡散陰
極6内及びその表面に存在する。陰極室4内のガス体積
率が十分に高い場合には、酸素含有ガスがガス拡散陰極
6に円滑に供給されて、低エネルギー消費下で苛性ソー
ダが生成する。しかし透過苛性ソーダが十分に槽外に取
り出されない場合等は、陰極室4のガス体積率が50%未
満に低下することがあり、この場合には苛性ソーダの取
り出しを迅速に行なったり、供給する酸素含有ガスの量
を増やしてガス体積率を50%以上に維持するようにす
る。又本発明の食塩電解槽は図示の電解槽以外に、陰極
室に陰極液が供給されるタイプの電解槽も使用できる
が、この場合には図示の電解槽の場合以上にガス体積率
が50%未満に低下しやすいため、供給ガスの増加や生成
苛性ソーダの迅速な取り出しにより対処する。
【0016】
【実施例】次に本発明に係わる食塩電解槽を使用する電
解の実施例を記載するが、該実施例は本発明を限定する
ものではない。
【0017】
【実施例1】厚さ3mm、空隙率90%のニッケルフォーム
をプレスにより厚さ0.6 mmまで圧縮して多孔板とした。
この多孔板の片面に触媒として平均粒径0.8 μmの活性
な銀粒子を、バインダーであるデュポン社製のPTFE
樹脂懸濁液(商品番号J30)とともに、加熱プレスによ
り付着させ触媒層とした。該多孔板の反対面には裏打ち
材として見掛け厚さ0.5 mmのチタン製エクスパンドメッ
シュを同様にして取付け見掛け厚さ0.8 mmで空隙率約50
%の液透過型ガス拡散陰極を製作した。このガス拡散陰
極の触媒層側を、イオン交換膜として機能するデュポン
社製のナフィオン961 に密着させて陰極室を構成し、か
つ陽極室側に酸化ルテニウムと酸化チタンの複合酸化物
をチタンラス上に被覆した不溶性電極(いわゆるDS
E)を設置し、2室法電解槽とした。
【0018】この電解槽の陰極側に湿潤酸素ガス(酸素
ガスに脱イオン水を添加)を理論量の酸素ガスに対して
20%増となるように供給し、陽極室に200 g/リットル
の食塩水を循環し、温度80℃、電流密度30A/dm2 の条件
で電解を行ない、陰極室で苛性ソーダを得た。陰極室内
のガス体積率を表1に示すように、陰極室厚さを変える
ことにより、70、60、55、50%と変化させて電解を行な
い、それぞれの電解の槽電圧を測定しかつ水素ガスの発
生の有無を調べた。その結果を表1に示した。表1に示
した通り、ガス体積率が50%以上であると槽電圧が2.15
V以下で、かつ水素発生もガス体積率50%において僅少
量が観察されたのみであった。
【0019】
【比較例1】陰極室内のガス体積率を表1に示すよう
に、45、40、25%と変化させて電解を行なったこと以外
は実施例1と同一条件で電解を行ない実施例1と同様に
してそれぞれの電解の槽電圧を測定しかつ水素ガスの発
生の有無を調べ、その結果を表1に示した。表1に示し
た通り、ガス体積率が50%を超えると槽電圧が急速に上
昇し、かつ顕著な水素発生が観察された。
【0020】
【表1】
【0021】
【実施例2】多孔板の触媒層の存在しない面のエクスパ
ンドメッシュに半ロール掛けして凹凸を形成するととも
に、PTFE樹脂量を増加して疎水性を向上させた。こ
のガス拡散陰極を使用して実施例1と同様にして2室型
電解槽を構成した。なお陰極の見掛け厚さが0.5 mm厚く
なったので、その厚さ分だけ陰極室の幅を厚くすること
により調節した。この電解槽の陰極側に32%の苛性ソー
ダ水溶液と酸素ガス(理論量の50%増)をその比率を変
えて循環させ、陽極室には200 g/リットルの食塩水を
循環し、温度80℃、電流密度30A/dm2 の条件で電解を行
ない、陰極室で苛性ソーダを得た。陰極室内のガス体積
率を表2に示すように、70、60、55、50%と変化させて
電解を行ない、それぞれの電解の槽電圧を測定しかつ水
素ガスの発生の有無を調べ、その結果を表2に示した。
【0022】
【比較例2】陰極室内のガス体積率を表2に示すよう
に、45、40、20、10%と変化させて電解を行なったこと
以外は実施例1と同一条件で電解を行ない実施例1と同
様にしてそれぞれの電解の槽電圧を測定しかつ水素ガス
の発生の有無を調べ、その結果を表2に示した。
【0023】
【表2】
【0024】表2に示した通り、ガス体積率が50%より
少ないと槽電圧が急速に上昇し、かつ顕著な水素発生が
観察された。特にガス体積率が20%以下になると殆どガ
ス拡散陰極としての働きはなくなり(槽電圧の異常な上
昇に起因)水素ガス発生のみが生じた。
【0025】
【発明の効果】本発明の食塩電解槽は、イオン交換膜に
より陽極室と陰極室に区画された該陰極室にガス拡散陰
極を配置し、陽極室に食塩水を陰極室に酸素含有ガスを
それぞれ供給しながら電解して、陽極室で塩素を陰極室
で苛性ソーダを得るための食塩電解槽において、陰極室
に存在するガスの体積率を陰極室全体積の50%以上とす
ることを特徴とする食塩電解槽である。なお陰極室には
酸素含有ガスに加えて陰極液を供給しても良い。従来の
ガス拡散陰極を使用する食塩電解槽では、陰極室におけ
る過剰な陰極液により前記ガス拡散陰極の表面が覆われ
て十分なガス供給が行なわれず、供給ガスが陰極液に溶
解した状態で陰極表面に達したりする不都合に起因し
て、生成苛性ソーダ量の減少、及びエネルギーの浪費と
いう問題が生じていた。
【0026】本発明では、食塩電解槽の陰極室における
ガス体積率を50%以上に維持することにより、陰極室内
での供給ガスの拡散が円滑に行なわれるようになり、ガ
ス拡散陰極の性能が最大限に発揮される。又供給する酸
素含有ガスも理論量より僅かに上回る量で電極反応が十
分進行する。更に陰極から水素ガスが発生すると供給さ
れる酸素含有ガスとの間で爆発を誘起する恐れがある
が、本発明ではガス拡散陰極に十分にガスが供給され水
素イオンがほぼ完全に水に転化されるため、前記爆発の
恐れはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる食塩電解槽の一例を示す縦断面
図。
【符号の説明】
1・・・電解槽本体 2・・・イオン交換膜 3・・・
陽極室 4・・・陰極室 5・・・陽極 6・・・ガス
拡散陰極 7・・・集電体

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イオン交換膜により陽極室と陰極室に区
    画された該陰極室にガス拡散陰極を配置し、陽極室に食
    塩水を陰極室に酸素含有ガスをそれぞれ供給しながら電
    解して、陽極室で塩素を陰極室で苛性ソーダを得るため
    の食塩電解槽において、陰極室に存在するガスの体積率
    を陰極室全体積の50%以上とすることを特徴とする食塩
    電解槽。
  2. 【請求項2】 イオン交換膜により陽極室と陰極室に区
    画された該陰極室にガス拡散陰極を配置し、陽極室に食
    塩水を陰極室に陰極液及び酸素含有ガスをそれぞれ供給
    しながら電解して、陽極室で塩素を陰極室で苛性ソーダ
    を得るための食塩電解槽において、陰極室に存在するガ
    スの体積率を陰極室全体積の50%以上とすることを特徴
    とする食塩電解槽。
JP9021922A 1997-01-22 1997-01-22 食塩電解槽 Pending JPH10204670A (ja)

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Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9021922A JPH10204670A (ja) 1997-01-22 1997-01-22 食塩電解槽
US09/012,001 US6113757A (en) 1997-01-22 1998-01-22 Electrolytic cell for alkali hydroxide production

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017502169A (ja) * 2013-12-04 2017-01-19 エボニック デグサ ゲーエムベーハーEvonik Degussa GmbH 電力を融通自在に使用するための装置および方法

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JP2017502169A (ja) * 2013-12-04 2017-01-19 エボニック デグサ ゲーエムベーハーEvonik Degussa GmbH 電力を融通自在に使用するための装置および方法

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