JP6315763B2 - 毛髪化粧料 - Google Patents

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本発明は、特定のポリマーを含有する毛髪化粧料に関する。
整髪に用いる毛髪化粧料において、ヘアスタイルのセット保持力を高めるためには、強固な皮膜を形成するセット用ポリマーや粘着性ポリマーの配合量を増加させ、ポリマー皮膜やポリマーの粘着性によって髪型を固定するのが一般的である。
多くの整髪料は、粘着性によって髪型を固定するとともにその髪型に持続性を与えているが、反面でべたつきが強く発現し、髪を自然な感触に保つことが困難になってしまうことが多く、問題となっていた。また、このような粘着性による整髪料は、髪同士を押さえつけて固着させるため、立体感・ボリューム感を重視した髪型には適していない。
一方、強固な皮膜を形成する整髪料は、べたつきは抑えられるものの、一旦形成された皮膜が破損すると髪型を維持できなくなることが多い。また、このような皮膜形成能による整髪料は、立体感・ボリューム感を重視した髪型を容易に作ることができるが、ごわつきがあり、毛髪に自然な感触を与える点では不十分である。
しかし近年、整髪料の分野では、髪を望む形に固定させることに加えて、同時に髪をごわつかせず、べたつかせない自然な感触に保つことが求められるようになっている。また、整髪料には、従来強く求められていた持続性に加えて、髪を水で濡らしたり整髪料を追使用したりすることなく再整髪できることが強く求められている。すなわち、自然な感触でありながら立体感・ボリューム感のある髪型を維持でき、再整髪できる整髪料が求められている。
特許文献1では、(a)固体のポリアルキレングリコール、(b)液体のアルコール、アルコール若しくはカルボン酸のアルキレンオキシド付加重合体、又はポリアルキレングリコール重合体、(c)皮膜形成性高分子、(d)糖アルコールを特定比率で配合した整髪用化粧料が提案されている。更に特許文献2では、特定の毛髪セット用ポリマーに可塑剤として液体のポリアルキレングリコールを組み合わせた毛髪化粧料が提案されている。これらの毛髪化粧料はいずれも、高い再整髪性によりセットの持続が可能である。
また、特許文献3では、従来両立できなかった毛髪化粧料のべたつき解消と、セット性や再整髪性の向上とを両立させる技術として、アルキレンオキシ鎖を有する特定のポリカーボネート構造を構成単位とするポリエーテルポリカーボネートとアニオン性ポリマーを配合した毛髪化粧料が提案されている。この技術は、自らのポリマー同士の粘着性(以下、「自着力」という)は高いが、他の物に対する粘着性(以下、「他着力」という)は低いという特徴を有する粘着性(以下、「自己選択粘着性」という)を持つポリマーを毛髪化粧料に配合することにより、十分なセット性と再整髪性を有し、かつ、べたつき感やごわつき感のないものとする技術である。
特開2010-275291号公報 特開2010-126523号公報 特開2010-168294号公報
しかし、特許文献1及び2に記載の毛髪化粧料はいずれも、高い再整髪性によりセットの持続が可能ではあるが、根元からしっかりと立ち上げて立体的な束を作り、嵩高さを付与する点では十分とはいえない。また、高い再整髪性を発現させるとべたつきが強くなってしまう場合もあった。一方、特許文献3に記載の毛髪化粧料も、セット性が高く、再整髪が可能でごわつきは少ないが、べたつきの解消はまだ十分とはいえない。また、特許文献3に記載のポリエーテルポリカーボネートは、カーボネート結合を有するため、水やエタノールによる加溶媒分解が生じ、これらを配合した処方系では保存安定性が不十分な場合があった。更に、特許文献3に記載の毛髪化粧料は皮膜が硬く、毛髪に立体的な束感を与える観点についても不十分なものであった。
従って本発明は、セット力が高く、嵩高く立体感のあるスタイルを作ることができ、整髪後のべたつきやごわつきがなく、再整髪が可能な毛髪化粧料に関する。
本発明者らは、特定の構造を有するオキシアルキレン重合体と特定の構造を有する(メタ)アクリル酸系ポリマーを酸型の状態で組み合わせ、更に特定の非イオン界面活性剤を一定比率で配合してなる酸性の毛髪化粧料が、毛髪に適用した際、適度に柔らかい皮膜を形成するにも拘わらず、自己選択粘着性を発現し、また毛髪を根元から立ち上げるのに十分なセット力を有することで、前記要求を満たすものとなることを見出した。
本発明は、次の成分(A)、(B)及び(C)を含有し、成分(C)の含有量が0.03質量%以上5質量%以下であり、成分(C)の含有量に対する成分(A)と成分(B)の合計含有量の質量比[(A)+(B)]/(C)が0.6以上100以下であり、25℃でのpHが6以下である毛髪化粧料を提供するものである。
(A) 下記一般式(a1)で表されるオキシアルキレン重合体
HO−(AO)n−H (a1)
〔式中、Aは炭素数2〜6のアルキレン基を示し、nは50以上30,000以下の数を示す。ただし、n個のAOは、少なくとも2種のアルキレンオキシ基からなり、またその配列は、ランダム、ブロックのいずれでもよい。〕
(B) 下記モノマー(b1)とモノマー(b2)とを共重合してなり、重量平均分子量が5,000以上100万以下である酸価が300以上780以下である共重合体
(b1) アクリル酸又はメタクリル酸
(b2) アクリル酸アルキル又はメタクリル酸アルキル
(C) ポリオキシアルキレンモノアルキルエーテル又はポリオキシアルキレンモノアルケニルエーテル
本発明の毛髪化粧料は、適度な柔らかさの皮膜を形成するにも拘わらず、強いセット性と自己選択粘着性を発現し、嵩高く立体感のあるスタイルを作ることができ、べたつきやごわつきがなく、再整髪が可能である。
<重量平均分子量の測定方法>
本発明において、成分(A)、成分(B)及びその他の重合体の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算値をいうものとする。
〔(A):オキシアルキレン重合体〕
一般式(a1)において、nは、毛髪化粧料の乾燥後に十分な自己選択粘着性を得る観点から、50以上であり、更には100以上、更には150以上、更には1,000以上であることが好ましい。また、毛髪化粧料の乾燥後に十分な自己選択粘着性を発揮すると共に、組成物の粘度増加に伴う使用性低下を回避する観点から、30,000以下であり、12,000以下、更には4,000以下、更には3,000以下、更には2,500以下であることが好ましい。
また、一般式(a1)において、Aは炭素数2〜6のアルキレン基であり、n個のAOは少なくとも2種のアルキレンオキシ基の組み合わせからなるが、n個のAOは、炭素数2〜4の2種以上のアルキレンオキシ基の組み合わせであることが好ましく、更には炭素数2と炭素数3とのアルキレンオキシ基の組み合わせ、すなわちエチレンオキシ基とプロピレンオキシ基との組み合わせであることが好ましい。また、(AO)nにおける2種以上のAOの配列形態は、ランダム重合、ブロック重合のいずれでもよい。
成分(A)のオキシアルキレン重合体は、毛髪化粧料の乾燥後において自己選択粘着性を発現する観点から、成分(A)の全体中におけるプロピレンオキシ基の割合が、1質量%以上であることが好ましく、更には3質量%以上、更には5質量%以上、更には10質量%以上であることが好ましい。また、水への溶解及び分散性を良好なものとし、毛髪化粧料の乾燥後に十分な自己選択粘着性を得る観点から、成分(A)の全体中におけるプロピレンオキシ基の割合が、60質量%以下であることが好ましく、更には50質量%以下、更には40質量%以下、更には30質量%以下、更には15質量%以下であることが好ましい。
成分(A)のオキシアルキレン重合体の重量平均分子量は、毛髪化粧料の乾燥後に十分な自己選択粘着性を得る観点から、3,000以上が好ましく、更には5,000以上、更には7,000以上、更には1万以上、更には5万以上が好ましい。また、毛髪化粧料の乾燥後に十分な自己選択粘着性を発揮すると共に、粘度増加に伴う使用性低下を回避する観点から、150万以下が好ましく、更には60万以下、更には20万以下、更には15万以下、更には10万以下が好ましい。
成分(A)の製造方法は特に限定されないが、アルキレンオキシド等の酸素を含む環状化合物の開環重合によって製造されるのが好ましく、その重合の触媒としては塩基触媒あるいは酸触媒のいずれが用いられても良い。
本発明の毛髪化粧料における成分(A)のオキシアルキレン重合体の含有量(エアゾール式の場合は原液中の含有量。以下同じ)は、毛髪化粧料の乾燥後における整髪性及びヘアスタイル保持性を良好なものとする観点から、0.01質量%以上、更には0.05質量%以上、更には0.1質量%以上、更には1質量%以上が好ましい。また、適度な整髪のしやすさを確保する観点から、20質量%以下、更には15質量%以下、更には10質量%以下、更には5質量%以下が好ましい。
〔(B):モノマー(b1)とモノマー(b2)との共重合体〕
モノマー(b1)とモノマー(b2)との共重合体は、毛髪化粧料をセット性と再整髪性に優れ、ごわつき感のないものとする観点から、モノマー(b1)に由来する構成単位は、そのほとんどが未中和の酸型のまま存在することが必要である。モノマー(b1)に由来する構成単位は、一部中和されていてもよいが、毛髪化粧料が自己選択粘着性を発現する観点から、毛髪化粧料のpHが、6以下であることが必要であり、更には5.9以下、更には5.8以下であることが好ましい。一方、毛髪化粧料の乾燥後において自己選択粘着性が良好なものとする観点から、毛髪化粧料のpHが2以上、更には2.5以上、更には3以上、更には3.5以上、更には4以上であることが好ましい。また、成分(B)の共重合体における、中和前の酸型のカルボキシ基に対する中和に用いる塩基の当量の割合は、0〜40%、更には、0〜20%、更には、0〜10%が好ましい。
モノマー(b2)の(メタ)アクリル酸アルキルが有するアルキル基の炭素数は、毛髪化粧料をべたつき感が少ないものとする観点から、好ましくは2以上、より好ましくは10以上、更に好ましくは14以上であり、また、成分(B)の水や低級アルコールへの溶解性や分散性を良好なものとする観点から、好ましくは22以下、より好ましくは20以下、更に好ましくは18以下である。
また、成分(B)の酸価は、毛髪化粧料の乾燥後において自己選択粘着性が良好なものとする観点から、300以上であり、350以上、更には390以上であることが好ましい。また、成分(B)の酸価は、780以下であるが、毛髪上に形成された皮膜が硬くなるのを抑制し、再整髪性に優れたものとする観点から、710以下、更には630以下であることが好ましい。
また、成分(B)の製造に用いるモノマー(b1)とモノマー(b2)の質量比(b1)/(b2)は、毛髪化粧料の乾燥後において自己選択粘着性が良好なものとする観点から、好ましくは50/50以上、より好ましくは55/45以上、更に好ましくは60/40以上である。また、質量比(b1)/(b2)は、100/0以下であるが、毛髪上に形成された皮膜が硬くなるのを抑制し、再整髪性に優れたものとする観点から、好ましくは90/10以下、より好ましくは80/20以下、より好ましくは70/30以下である。
また、成分(B)の重合体は、モノマー(b1)、(b2)以外のモノマーに由来する構成単位を有していてもよいが、そのような構成単位は、成分(B)全体の30質量%以下、更には20質量%以下、更には15質量%以下、更には10%以下であることが好ましい。モノマー(b1)、(b2)以外のモノマー由来の構成単位としては、例えば、ビニルピロリドン、ビニルカプロラクタム、酢酸ビニル等のビニルの構造を有する化合物や、アルキルアクリルアミド、N,N-ジアルキルアクリルアミド、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、(メタ)アクリル酸メトキシPEG等の構造を有する化合物に由来するノニオン性の構成単位;N,N-ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、ジメチルアミノエチルアクリルアミド等の化合物に由来するカチオン性の構成単位;クロトン酸等の(メタ)アクリル酸以外のモノカルボン酸や、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等のジカルボン酸、ビニルスルホン酸等のスルホン酸類、アクリロイルオキシエチルホスフェート等のリン酸類などに由来するアニオン性の構成単位;カルボキシベタイン、スルホベタイン、ホスホベタイン等の構造を有する化合物に由来する両性の構成単位が挙げられる。
また、成分(B)の共重合体の製造方法は特に限定されないが、モノマー(b1)及び(b2)を既存の重合方法、例えばラジカル重合、リビング重合、リビングラジカル重合、官能基移動重合(Group-Transfer polymerization)、開環重合等によって重合体にせしめることによって製造できる。この場合の共重合体の構造様式は特に限定されず、ランダム重合体、ブロック重合体、グラフト重合体のいずれでも構わないが、オキシエチレン重合体と共に充分な選択自着性を発揮させる観点から、ランダム重合体が好ましい。
成分(B)の重量平均分子量は、毛髪化粧料の乾燥後において自己選択粘着性が良好なものとする観点から、5,000以上であり、7,000以上、更には1万以上が好ましい。また、毛髪上に形成された皮膜が硬くなるのを抑制し、再整髪性に優れたものとする観点から、100万以下であり、10万以下、更には5万以下、更には2万以下が好ましい。
本発明の毛髪化粧料における成分(B)の含有量は、毛髪化粧料の乾燥後における整髪性及びヘアスタイル保持性を良好なものとする観点から、0.01質量%以上、更には0.05質量%以上、更には0.1質量%以上、更には1質量%以上が好ましい。また、適度な整髪のしやすさを有するものとする観点から、20質量%以下、更には15質量%以下、更には10質量%以下、更には5質量%以下が好ましい。
本発明の毛髪化粧料における成分(A)と成分(B)の質量比(A)/(B)は、毛髪化粧料の乾燥後において自己選択粘着性が良好なものとする観点から、30/70以上が好ましく、35/65以上、更には40/60以上が好ましい。また、毛髪化粧料の乾燥後において自己選択粘着性が良好なものとする観点から、70/30以下、更には65/35以下、更には60/40以下が好ましい。
また、本発明の毛髪化粧料における成分(A)と成分(B)の合計量は、べたつき感、ごわつき感を抑えつつ、嵩高いスタイルを作る観点から、0.15質量%以上、更には0.5質量%以上、更には1.0質量%以上が好ましく、また、30質量%以下、更には15質量%以下、更には10質量%以下が好ましい。
〔(C):ポリオキシアルキレンモノアルキルエーテル又はポリオキシアルキレンモノアルケニルエーテル〕
本発明の毛髪化粧料は、自己選択粘着性を発現しつつ、毛髪に束感を与え、更に嵩高いスタイルを作る観点から、成分(C)として、ポリオキシアルキレンモノアルキルエーテル又はポリオキシアルキレンモノアルケニルエーテルを含有する。
成分(C)のポリオキシアルキレンモノアルキルエーテル又はポリオキシアルキレンモノアルケニルエーテルにおけるポリオキシアルキレンとしては、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレンが好ましく、これらの2種以上の組み合わせでもよい。またこれらポリオキシアルキレンの付加形態は、ランダム、ブロックのいずれでもよい。
成分(C)のポリオキシアルキレンモノアルキルエーテル又はポリオキシアルキレンモノアルケニルエーテルにおけるポリオキシアルキレン重合度は、嵩高いスタイルを作ることができ、再整髪が可能なものとすると共に、べたつき感、ごわつき感を抑える観点より、好ましくは2以上、より好ましくは3以上、更に好ましくは5以上であり、また、好ましくは75以下、より好ましくは50以下、更に好ましくは45以下である。
成分(C)のポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルにおけるアルキル基、又はポリオキシアルキレンモノアルケニルエーテルにおけるアルケニル基としては、直鎖でも分岐鎖でもよい。アルキル基又はアルケニル基の炭素数は、好ましくは2以上、より好ましくは3以上であり、更に好ましくは4以上であり、また、好ましくは22以下、より好ましくは20以下、更に好ましくは18以下である。
また、仕上がりが柔らかく、ごわつき感がより低減する観点から、ポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルとしては、第2級アルコールエトキシレートが好ましい。
好ましい成分(C)としては、(C12-14)パレス-3(株式会社日本触媒製、ソフタノール30)、(C12-14)パレス-5(株式会社日本触媒製、ソフタノール50)、(C12-14)パレス-7(株式会社日本触媒製、ソフタノール70)、(C12-14)パレス-9(株式会社日本触媒製、ソフタノール90)、(C12-14)パレス-12(株式会社日本触媒製、ソフタノール12)、(C12-14)パレス-30(株式会社日本触媒製、ソフタノール300)、PPG-8.5 (C12-14)パレス-7(株式会社日本触媒製、ソフタノールEP7085)、PPG-17ブテス-17(日油株式会社製、ユニルーブ50MB-26)、PPG-40ブチル(日油株式会社製、ユニルーブMB-370)が挙げられる。
本発明の毛髪化粧料における成分(C)の含有量に対する成分(A)と成分(B)の合計含有量の質量比[(A)+(B)]/(C)は、再整髪性を損なわず、かつべたつき感を抑制し、仕上がりの重さを抑える観点より、0.6以上であり、0.8以上、更には1.2以上が好ましい。また、質量比[(A)+(B)]/(C)は、嵩高いスタイルを作ることができ、再整髪が可能なものとすると共に、ごわつき感を抑える観点より、100以下であり、80以下、更には40以下が好ましい。
本発明の毛髪化粧料における成分(C)の含有量は、嵩高いスタイルを作ることができ、再整髪が可能なものとすると共に、べたつき感、ごわつき感を抑える観点より、0.03質量%以上であり、0.05質量%以上、更には0.075質量%以上、更には0.1質量%以上が好ましい。また、再整髪性を損なわず、かつべたつき感やごわつき感を抑制する観点より、5質量%以下であり、4質量%以下、更には3質量%以下、更には2.5質量%以下が好ましい。
〔他のセット用ポリマー〕
本発明の毛髪化粧料において、成分(A)及び(B)に加え、更に他のセット用ポリマーを任意成分として加えることで、更にセット保持力を向上させることができる。かかるセット用ポリマーとしては、ユカフォーマーR205、ユカフォーマー301(以上、三菱化学社)、RAMレジン(大阪有機化学社)等の(メタクリロイルオキシエチルカルボキシベタイン/メタクリル酸アルキル)コポリマー;ダイヤフォーマーZ-651(三菱化学社)等の(アクリレーツ/アクリル酸ラウリル/アクリル酸ステアリル/メタクリル酸エチルアミンオキシド)コポリマー;ウルトラホールド8、ウルトラホールドStrong(以上、BASFジャパン社)等のアクリル酸/アクリル酸アミド/アクリル酸エチル共重合体;ルビフレックスSilk(BASFジャパン社)等のアクリル酸アルキル・メタクリル酸・シリコーン共重合体;ルビセットP.U.R.(BASFジャパン社)等のポリウレタン;ルビスコールPlus(BASFジャパン社)等のポリビニルカプロラクタム;ルビマー100P、ルビマー30E(以上、BASFジャパン社)等のアクリル酸アルキル共重合体;アンフォーマー28-4910、アンフォーマーLV-71(以上、アクゾノーベル社)等の(オクチルアクリルアミド/アクリル酸ヒドロキシプロピル/メタクリル酸ブチルアミノエチル)コポリマー;アンフォーマーHC(アクゾノーベル社)等の(アクリル酸アルキル/オクチルアクリルアミド)コポリマー;レジン28-2930(アクゾノーベル社)等の(酢酸ビニル/クロトン酸/ネオデカン酸ビニル)コポリマー;ダイナムX(アクゾノーベル社)等のポリウレタン-14・AMP-アクリレーツコポリマー;アクアフレックスSF-40(アイエスピー・ジャパン社)等の(PVP/ビニルカプロラクタム/アクリル酸DMAPA)コポリマー;アクアフレックスFX-64(アイエスピー・ジャパン社)等の(イソブチレン/エチルマレイミド/ヒドロキシエチルマレイミド)コポリマー;スタイリーゼCC-10(アイエスピー・ジャパン社)等の(ビニルピロリドン/アクリル酸DMAPA)コポリマー;PVP/VA E-735(アイエスピー・ジャパン社)や、ルビスコールVA64P(BASFジャパン社)等の(ビニルピロリドン/酢酸ビニル)コポリマーなどが挙げられる。
上記セット用ポリマーの中でも、アクリル酸/アクリル酸アミド/アクリル酸エチル共重合体、アクリル酸アルキル/メタクリル酸/シリコーン重合体、ポリウレタン、(メタクリロイルオキシエチルカルボキシベタイン/メタクリル酸アルキル)コポリマー、(オクチルアクリルアミド/アクリル酸ヒドロキシプロピル/メタクリル酸ブチルアミノエチル)コポリマー、アクリル酸/アクリル酸アミド/アルキル酸エチル共重合体、ポリビニルカプロラクタム、(アクリル酸アルキル/オクチルアクリルアミド)コポリマーが好ましく、更には、アルキルアクリルアミド/アクリレート/アルキルアミノアルキルアクリルアミド/ポリエチレングリコールメタクリレート共重合体、アルキルアクリルアミド/アルキルアミノアルキルアクリルアミド/ポリエチレングリコールメタクリレート共重合体が好ましい。これら成分(A)及び(B)以外のセット用ポリマーは、2種以上を併用することもできる。
またその含有量は、本発明の毛髪化粧料における優れた自己選択粘着性という特長を保持する観点から、成分(A)及び(B)の合計量と、それ以外のセット用ポリマーとの質量比〔(A)+(B)〕/〔他のセットポリマー〕が、60/40以上、更には70/30以上、更には80/20以上となる範囲とするのが好ましい。
〔媒体〕
溶媒(支持媒体)としては、水、低級アルコール(エタノール、イソプロパノール等)、ラクトン類等を使用することができ、これらは単独で又は混合して用いることができる。これらのうち、汎用性及び化粧料組成物の溶解性、分散性確保の観点から、水、エタノール又は水とエタノールの混合系が好ましい。
〔任意成分〕
本発明の毛髪化粧料中には、上記成分のほかに、自己選択粘着性を損なわないかたちで適度な粘着性、再粘着性を付与する目的で、成分(C)以外の可塑剤成分を加えることができる。このような可塑剤成分としては、グリセリン、1,3-ブタンジオール、ジプロピレングリコール等の多価アルコール類、成分(C)以外の非イオン界面活性剤等が挙げられる。
また、本発明の効果を妨げない限度内(0.1〜10質量%)で、化粧料用油剤を添加することができる。このような化粧料用油剤としては、ヒマシ油、カカオ油、ミンク油、アボカド油、オリーブ油等のグリセライド類;ミツロウ、鯨ロウ、ラノリン、カルナウバロウ等のロウ類;セチルアルコール、オレイルアルコール、ヘキサデシルアルコール、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、2-オクチルドデカノール等の高級アルコール類;ミリスチン酸イソプロピル、ラウリル酸ヘキシル、乳酸セチル、モノステアリン酸プロピレングリコール、オレイン酸オレイル、2-エチルヘキサン酸ヘキサデシル、ミリスチン酸オクチルドデシル酸のエステル類;流動パラフィン、ワセリン、スクワラン、水添ポリイソブテン等の炭化水素油類;ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル等のシリコーン誘導体などが挙げられる。更にこれらの化粧料用油剤を乳化安定化するために乳化剤を添加することができる。乳化剤としてはアニオン性、両性、カチオン性、非イオン性のいずれの界面活性剤も使用することができる。
更に、本発明の毛髪化粧料には、商品価値を高めるために香料や色素、毛髪化粧料の経日的変質防止のために防腐剤や酸化防止剤を添加することができ、また、更に必要に応じて、グリセリン、プロピレングリコール等の調湿剤、硬化剤、帯電防止剤、消泡剤、分散剤、増粘剤、紫外線吸収剤、有色染料、染料定着剤、噴射剤等を添加することもできる。
〔剤型〕
本発明の毛髪化粧料の剤型としては、特に制限はなく、透明液状、ローション状、乳液状、霧状(エアゾール、ノンエアゾール)、泡状(エアゾール、ノンエアゾール)などが可能である。
エアゾール式毛髪化粧料は、以上の毛髪化粧料を噴射剤と共に耐圧容器に充填することにより製造される。噴射剤としては、液化石油ガス(LPG)、ジメチルエーテル(DME)、炭酸ガス、窒素ガス、これらの混合物等が挙げられる。また、HFC-152a等の代替フロンを使用することもできる。噴射剤の量は、良好な噴射特性と良好な粘着特性を得るために、原液と噴射剤の質量比で、原液/噴射剤=5/95〜99/1、特に20/80〜95/5の範囲が好ましい。また、耐圧容器内の圧力が良好な噴射特性と良好な粘着特性を得るためには、25℃の温度で0.12〜0.45MPaになるように調整するのが好ましい。
〔整髪方法〕
本発明の毛髪化粧料は、整髪剤として好適に使用することができる。整髪剤としての使用方法、すなわち整髪方法としては、i)本発明の毛髪化粧料を毛髪に適用するステップ、ii)毛髪化粧料を適用した毛髪を整え、髪型を作るステップを含む方法であればどのような方法を採用することもできる。本発明の毛髪化粧料は、濡れ髪に適用してもよく、乾き髪に適用してもよい。
例えば、濡れた髪に対し、本発明の毛髪化粧料を使用する場合、i)のステップを行う前に濡らした毛髪をタオルドライするのが好ましい。また、ii)のステップにおいて、毛髪を整える際にアイロン又はドライヤーを用いて乾燥させたり形付けをしたりすることができる。このような方法により、毛髪に対し効果的に形状をつけることができ、その形状を持続させることができる。また、濡らした毛髪をタオルドライした後、i)のステップで本発明の毛髪化粧料を毛髪の根元や内側から全体的に均一に塗布し、ii)のステップで毛髪を整える際にドライヤーを用いて乾燥させると、見た目や感触をボリュームアップさせることができる点で好ましい。
また、i)のステップで乾いた毛髪の形状を変化させたい部位に部分的に適用することで、軽い毛束を作り、毛髪の形状を変化させることもできる。
更にii)のステップで指を通しながら毛流れを整え、指先で毛先をつまみながら動きやはねをつけて整髪し、その後毛髪を適量引き出して立体感のある束を作ると、嵩高く、ふんわりとした立体感があり、自然な動きのあるスタイルを作ることができる。
また、本発明の毛髪化粧料を毛髪に適用し、毛髪をセットした後、ドライヤーやアイロンを使わず、セットした髪型を作り変えたり、乱れた髪型を元の形状に整えたりすることもできる。このような一度セットした後における整髪は、手指によって簡便に行うことができる。
以上述べた実施形態に関し、以下に本発明の好ましい態様を更に開示する。
<1> 次の成分(A)、(B)及び(C)を含有し、成分(C)の含有量が0.03質量%以上5質量%以下であり、成分(C)の含有量に対する成分(A)と成分(B)の合計含有量の質量比[(A)+(B)]/(C)が0.6以上100以下であり、25℃でのpHが6以下である毛髪化粧料。
(A) 下記一般式(a1)で表されるオキシアルキレン重合体
HO−(AO)n−H (a1)
〔式中、Aは炭素数2〜6のアルキレン基を示し、nは50以上30,000以下の数を示す。ただし、n個のAOは、少なくとも2種のアルキレンオキシ基からなり、またその配列は、ランダム、ブロックのいずれでもよい。〕
(B) 下記モノマー(b1)とモノマー(b2)とを共重合してなり、重量平均分子量が5,000以上100万以下で、酸価が300以上780以下である共重合体
(b1) アクリル酸又はメタクリル酸
(b2) アクリル酸アルキル又はメタクリル酸アルキル
(C) ポリオキシアルキレンモノアルキルエーテル又はポリオキシアルキレンモノアルケニルエーテル
<2> 成分(A)のオキシアルキレン重合体の重量平均分子量が、好ましくは3,000以上、より好ましくは5,000以上、更に好ましくは7,000以上、更に好ましくは1万以上、更に好ましくは5万以上であり、また、好ましくは150万以下、より好ましくは60万以下、更に好ましくは20万以下、更に好ましくは15万以下、更に好ましくは10万以下である<1>記載の毛髪化粧料。
<3> 好ましくは成分(A)のオキシアルキレン重合体の(AO)nがランダム構造である<1>又は<2>記載の毛髪化粧料。
<4> 成分(A)の全体中におけるプロピレンオキシ基の割合が、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは5質量%以上、更に好ましくは10質量%以上であり、また、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下、更に好ましくは40質量%以下、更に好ましくは30質量%以下、更に好ましくは15質量%以下である<1>〜<3>のいずれかに記載の毛髪化粧料。
<5> 成分(B)の重合体の重量平均分子量が、好ましくは7,000以上、より好ましくは1万以上であり、また、好ましくは10万以下、より好ましくは5万以下である<1>〜<4>のいずれかに記載の毛髪化粧料。
<6> 好ましくは、成分(C)のポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルが有するポリオキシアルキレンが、ポリオキシエチレン及びポリオキシプロピレンから選ばれる1種又は2種である請求項<1>〜<5>のいずれかに記載の毛髪化粧料。
<7> 成分(C)のポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルのポリオキシアルキレン重合度が、好ましくは2以上、より好ましくは3以上、更に好ましくは5以上であり、また、好ましくは75以下、より好ましくは50以下、更に好ましくは45以下である<1>〜<6>のいずれかに記載の毛髪化粧料。
<8> 成分(C)のポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルにおけるアルキル基、又はポリオキシアルキレンモノアルケニルエーテルにおけるアルケニル基の炭素数が、好ましくは2以上、より好ましくは3以上、更に好ましくは4以上であり、また、好ましくは22以下、より好ましくは20以下、更に好ましくは18以下である請求項<1>〜<7>のいずれかに記載の毛髪化粧料。
<9> 成分(A)の含有量が、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは1質量%以上であり、また、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下、更に好ましくは10質量%以下、更に好ましくは5質量%以下である<1>〜<8>のいずれかに記載の毛髪化粧料。
<10> 成分(B)の含有量が、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは1質量%以上であり、また、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下、更に好ましくは10質量%以下、更に好ましくは5質量%以下である<1>〜<9>のいずれかに記載の毛髪化粧料。
<11> 成分(C)の含有量が、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.075質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上であり、また、好ましくは4質量%以下、より好ましくは3質量%以下、更に好ましくは2.5質量%以下である請求項<1>〜<10>のいずれかに記載の毛髪化粧料。
<12> 媒体として、好ましくは水、低級アルコール又はラクトン類を、より好ましくは水、エタノール又は水とエタノールの混合系を、更に好ましくは水を使用するものである<1>〜<11>のいずれかに記載の毛髪化粧料。
<13> 成分(A)と成分(B)の質量比(A)/(B)が、好ましくは30/70以上、より好ましくは35/65以上、更に好ましくは40/60以上であり、また、好ましくは70/30以下、より好ましくは65/35以下、更に好ましくは60/40以下である<1>〜<12>のいずれかに記載の毛髪化粧料。
<14> 成分(C)の含有量に対する成分(A)と成分(B)の合計含有量の質量比[(A)+(B)]/(C)が、好ましくは0.8以上、より好ましくは1.2以上であり、また、好ましくは80以下、より好ましくは40以下である<1>〜<13>のいずれかに記載の毛髪化粧料。
<15> 毛髪化粧料のpHが、好ましくは5.9以下、より好ましくは5.8以下であり、また、好ましくは2以上、より好ましくは2.5以上、更に好ましくは3以上、更に好ましくは3.5以上、更に好ましくは4以上である<1>〜<14>のいずれかに記載の毛髪化粧料。
<16> 次のステップi)及びii)を含む整髪方法。
i)<1>〜<15>のいずれかに記載の毛髪化粧料を毛髪に適用するステップ
ii)毛髪化粧料を適用した毛髪を整え、髪型を作るステップ
<17> 次のステップi)及びii)を含む整髪方法。
i)<1>〜<15>のいずれかに記載の毛髪化粧料を乾いた毛髪の根元や内側全体に均一に塗布するステップ
ii)毛髪化粧料を適用した毛髪を引き出して毛束を作り、髪型を作るステップ
以下の例において、各ポリマーの重量平均分子量は、以下の方法で測定した。
<重量平均分子量の測定方法>
カタログ値がある場合はカタログ値を採用した。カタログ値等が無く、重量平均分子量を測定する必要がある場合は、GPC装置として、商品名「HLC-8220GPC」(東ソー社)を用い、以下の測定条件で測定した。
成分(B)以外の重合体を測定する場合は、
・サンプル濃度:0.25質量%
・サンプル注入量:100μL
・溶離液:クロロホルム
・流速:1.0mL/min
・測定温度:40℃
・カラム:商品名「K-G」(1本)+商品名「K-804L」(2本)(以上、Shodex社製)をつなげて分析した。
成分(B)の重合体を測定する場合は、
・サンプル濃度:0.25質量%
・サンプル注入量:100μL
・溶離液:N,N-ジメチルホルムアミド溶液(60mmol/L H3PO4、50mmol/L LiBr)
・流速:1.0mL/min
・測定温度:40℃
・カラム:商品名「TSKgel α-M」(2本)(以上、東ソー社製)
また、検出器及び標準サンプルは、いずれの測定条件下においても以下に記載のものを使用して測定した。
・検出器:示差屈折計(GPC装置 商品名「HLC-8220GPC」(東ソー社)に付属)
・ポリスチレン標準サンプル:「TSKstandard POLYSTYRENE F-10」(分子量10.2万)、F-1(1.02万)、A-1000(870)(以上、東ソー社)、及び「POLYSTYRENE STANDARD」(分子量90万、3万;西尾工業社)
<酸価の測定方法>
カタログ値がある場合はカタログ値を採用した。カタログ値等が無く、成分(B)の酸価を測定する必要がある場合は、日本医薬部外品原料規格2006に記載の酸価測定法(第2法)に従って測定を行った。成分(B)が溶液または分散液である場合は溶液又は分散液の酸価を測定し、成分(B)の濃度に応じて、以下の計算式でポリマーの酸価を算出した。
ポリマーの酸価=ポリマー溶液又は分散液の酸価÷ポリマーの濃度(%)×100
合成例1 アクリル酸アルキル/アクリル酸(*3)の合成
テフロン(登録商標)製三日月型撹拌翼、還流冷却器、温度計を備えた500mLガラス製セパラブルフラスコにイソプロピルアルコール82.1gを仕込んだ。次に、反応器内を20kPaに減圧した後、常圧の窒素を吹込む置換操作を3回行った。その後、フラスコをオイルバスにつけ、100rpmで撹拌しながら反応液を80℃まで昇温した。昇温を確認後、98質量%アクリル酸180.9g、アクリル酸ステアリル89.1g及びイソプロピルアルコール73.4gの混合溶液と、ジメチル2,2'-アゾビス(2-メチルプロピオネート)1.44g及びイソプロピルアルコール13.0gの混合溶液をそれぞれ別々に反応溶液に4時間かけて滴下した。内温を80℃に保ったまま更に1時間撹拌し、次にジメチル2,2'-アゾビス(2-メチルプロピオネート)0.72g及びイソプロピルアルコール6.5gの混合溶液を30分かけて反応溶液に滴下した。内温を80℃に保ったまま更に6時間撹拌し、反応溶液を室温まで冷却した。その後、イソプロピルアルコールを留去し、ポリマーを得た。得られたポリマーは酸価472、重量平均分子量1.4万であった。
合成例2 アクリル酸アルキル/アクリル酸(*4)の合成
テフロン(登録商標)製三日月型撹拌翼、還流冷却器、温度計を備えた500mLガラス製セパラブルフラスコにイソプロピルアルコール82.0gを仕込んだ。次に、反応器内を20kPaに減圧した後、常圧の窒素を吹込む置換操作を3回行った。その後、フラスコをオイルバスにつけ、100rpmで撹拌しながら反応液を80℃まで昇温した。昇温を確認後、98質量%アクリル酸216.0g、アクリル酸ステアリル54.0g及びイソプロピルアルコール73.4gの混合溶液と、ジメチル2,2'-アゾビス(2-メチルプロピオネート)1.43g及びイソプロピルアルコール12.9gの混合溶液をそれぞれ別々に反応溶液に3時間かけて滴下した。内温を80℃に保ったまま更に1時間撹拌し、次にジメチル2,2'-アゾビス(2-メチルプロピオネート)0.72g及びイソプロピルアルコール6.5gの混合溶液を30分かけて反応溶液に滴下した。内温を80℃に保ったまま更に6時間撹拌し、反応溶液を室温まで冷却した。その後、イソプロピルアルコールを留去し、ポリマーを得た。得られたポリマーは酸価562、重量平均分子量1.7万であった。
実施例1〜19、比較例1〜9
表1〜3に示す処方のポンプミスト組成物を常法により調製した。なお、pHは、2-アミノ-1-メチル-1-プロパノールを用いて、常法により調整した。これらのポンプミスト組成物について、以下の評価方法に従い評価した。
<自着力/他着力の官能評価方法>
各ポンプミスト組成物0.4gを、二軸延伸PETフィルム(東レ社製、ルミラーL-38-T60)製の樹脂シート上に30mm×20mmの範囲に塗布し、25℃、40%RHで24時間放置して乾燥組成物を作製し、25℃、40〜65%RHの環境下において、以下の方法により自着力及び他着力の官能評価を行った。
(自着力)
1g/cm2の力で乾燥キャスト膜同士を張り合わせて、1秒後にT字型剥離形式で剥離速度30mm/secで引き剥がしたときの抵抗力について、実施例5の自着力をスコア5、比較例1の自着力をスコア1として、5段階にスコア化して、パネラーが官能により評価した。
(他着力)
1g/cm2の力で乾燥キャスト膜を指で押さえた後、0.1秒後に100mm/sで指を剥がすときに感じる抵抗力について、比較例8の他着力をスコア5、比較例5の他着力をスコア1として、5段階にスコア化して、パネラーが官能により評価した。
<整髪しやすさの評価(形付けやすさ)>
アジア人毛、ショートカットヘアのウィッグに対し、各処方の毛髪化粧料をウィッグ全体に2.0g塗布し、指を通しながら毛流れを整え、指先で毛先をつまみながら動きやはねをつけて整髪を行った。この際、毛流れ、毛先の動き、毛先のはねの作りやすさを観点とし、7名のパネラーに、「形付けやすい」/「どちらともいえない」/「形付けにくい」のいずれであるかを択一的に選択させた。「形付けやすい」/「どちらともいえない」/「形付けにくい」と答えたパネラーの人数を順に示す。
<整髪しやすさの評価(立体感のある束の作りやすさ)>
形付けやすさを評価した後のウィッグを用いて、毛髪を指でつまんで適量引き出して束をつくり、束を根本から中間部分を頭髪から浮かせて、束の先端を頭髪にゆっくり置くことでふんわり持ち上がった束が容易に形成できたかを観点とし、7名のパネラーに、「立体感のある束を作りやすい」/「どちらでもない」/「立体感のある束を作りにくい」のいずれであるかを択一的に選択させた。「立体感のある束をつくりやすい」/「どちらでもない」/「立体感のある束を作りにくい」と答えたパネラーの人数を順に示す。
<仕上がりの評価(嵩高い立体感のあるスタイル)>
形付けやすさと立体感のある束の作りやすさを評価した方法と同様の操作を行い、1分間静置したときに嵩高い立体感のあるスタイルができているかを観点とし、7名のパネラーに、「嵩高い立体感のあるスタイルができた」/「どちらともいえない」/「嵩高い立体感のあるスタイルができなかった」のいずれであるかを択一的に選択させた。「嵩高い立体感のあるスタイルができた」/「どちらともいえない」/「嵩高い立体感のあるスタイルができなかった」と答えたパネラーの人数を順に示す。
<再整髪性>
嵩高い立体感のあるスタイルを作った後に、5回クシ通し(滝川株式会社製 デルリンスムーズコーム#802(ストレート))をしてスタイルを崩し、その後再度手指を使って、元のスタイルへ再整髪した。この際、7名のパネラーに、「元のスタイルへ再整髪できた」/「どちらともいえない」/「元のスタイルへ再整髪できなかった」のいずれであるかを択一的に選択させた。「元のスタイルへ再整髪できた」/「どちらともいえない」/「元のスタイルへ再整髪できなかった」と答えたパネラーの人数を順に示す。
<べたつき感のなさ・ごわつき感のなさ>
嵩高い立体感のあるスタイルを作った後のウィッグを用いて、7名のパネラーが髪の感触について評価した。べたつき感のなさについては、「べたつきを感じなかった」/「どちらともいえない」/「べたつきを感じた」のいずれであるかを択一的に選択させた。「べたつきを感じなかった」/「どちらともいえない」/「べたつきを感じた」と答えたパネラーの人数を順に示す。
また、ごわつき感のなさについては、「ごわつきを感じなかった」/「どちらともいえない」/「ごわつきを感じた」のいずれであるかを択一的に選択させた。「ごわつきを感じなかった」/「どちらともいえない」/「ごわつきを感じた」と答えたパネラーの人数を順に示す。
表1〜3中の注釈(*1〜*14)については、以下のとおりである。
*1:重量平均分子量100,000、EO/PO質量比=90/10、ランダム重合(明成化学工業株式会社製アルコックスEP1010N)
(EO/PO質量比から算出した重合度:EOは2045、POは172)
*2:重量平均分子量5,000、EO/PO質量比=70/30、ランダム重合(株式会社ADEKA製アデカポリエーテルPR5007)
(EO/PO質量比から算出した重合度:EOは80、POは26)
*3:アクリル酸/アクリル酸ステアリル=67/33(質量比)、酸価472、重量平均分子量14,000
*4:アクリル酸/アクリル酸ステアリル=80/20(質量比)、酸価562、重量平均分子量17,000
*5:日本触媒社ソフタノール30
*6:日本触媒社ソフタノール50
*7:日本触媒社ソフタノール70
*8:日本触媒社ソフタノール90
*9:日本触媒社ソフタノール120
*10:日本触媒社ソフタノール300
*11:日本触媒社ソフタノールEP7085
*12:日油株式会社ユニルーブMB-370
*13:POE(10)POP(30)(三洋化成株式会社製ニューポールPE-62)
*14:メタクリロイルオキシエチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキル共重合体(三菱化学株式会社製ユカフォーマー301(乾燥固形分換算)
Figure 0006315763
Figure 0006315763
Figure 0006315763

Claims (9)

  1. 次の成分(A)、(B)及び(C)を含有し、成分(C)の含有量に対する成分(A)と成分(B)の合計含有量の質量比[(A)+(B)]/(C)が0.6以上100以下であり、25℃でのpHが6以下である毛髪化粧料。
    (A) 下記一般式(a1)で表されるオキシアルキレン重合体
    HO−(AO)n−H (a1)
    〔式中、Aは炭素数2〜6のアルキレン基を示し、nは50以上30,000以下の数を示す。ただし、n個のAOは、少なくとも2種のアルキレンオキシ基からなり、またその配列は、ランダム、ブロックのいずれでもよい。〕
    (B) 下記モノマー(b1)とモノマー(b2)とを共重合してなり、重量平均分子量が5,000〜100万で、酸価が300以上780以下である共重合体であって、その中和度が0〜40%である共重合体
    (b1) アクリル酸又はメタクリル酸
    (b2) アクリル酸アルキル又はメタクリル酸アルキル
    (C) ポリオキシアルキレンモノアルキルエーテル又はポリオキシアルキレンモノアルケニルエーテル
  2. 成分(A)のオキシアルキレン重合体の重量平均分子量が3,000以上150万以下である請求項1記載の毛髪化粧料。
  3. 成分(A)の全体中におけるプロピレンオキシ基の割合が1質量%以上60質量%以下である請求項1又は2に記載の毛髪化粧料。
  4. 成分(A)と成分(B)の質量比(A)/(B)が30/70以上70/30以下である請求項1〜3のいずれかに記載の毛髪化粧料。
  5. 成分(C)のポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルが有するポリオキシアルキレンが、ポリオキシエチレン及びポリオキシプロピレンから選ばれる1種又は2種である請求項1〜4のいずれかに記載の毛髪化粧料。
  6. 成分(C)のポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルのポリオキシアルキレン重合度が3以上75以下である請求項1〜5のいずれかに記載の毛髪化粧料。
  7. 成分(A)の含有量が、0.01質量%以上20質量%以下である請求項1〜6のいずれかに記載の毛髪化粧料。
  8. 成分(B)の含有量が、0.01質量%以上20質量%以下である請求項1〜7のいずれかに記載の毛髪化粧料。
  9. 水を媒体とするものである請求項1〜8のいずれかに記載の毛髪化粧料。
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