JP6315222B2 - 車両用空調装置の構成ユニット - Google Patents

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本発明は、車両用空調装置の構成ユニットに関する。
従来、ヒートポンプを利用して車室内の冷房および暖房を行う車両用空調装置が提案されている(例えば特許文献1を参照)。
また、以前より、エンジン冷却液の熱を利用して車室内の暖房を行う車両用空調装置がある。さらに、エンジン冷却液をヒートポンプの高温高圧冷媒によりさらに加熱して、この冷却液で車室内の暖房を行う車両用空調装置の提案もある(例えば特許文献1の図18)。
特開平8−197937号公報
しかしながら、エンジン冷却液の熱を利用して車室内の暖房を行う従来の車両用空調装置では、エンジン冷却液の水温が高くない場合に、車室内を暖房することができないという課題がある。
近年では、エンジンの高効率化に伴って、エンジン稼働中でもエンジン冷却液の水温が余り高くならない車両がある。さらに、アイドリングストップ車、HEV(Hybrid Electric Vehicle)、P−HEV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle)などでは、エンジンの稼働が間欠的になることで、エンジン冷却液の水温が余り高くならない状況がしばしば生じる。
一方、エンジン冷却液をヒートポンプの高温高圧冷媒によりさらに加熱して、この冷却液で車室内の暖房を行う上記従来の車両用空調装置では、エンジン冷却液の水温が余り高くならない状況でも、車室内の暖房を行うことが可能となる。しかしながら、このような車両用空調装置では、外気温が低く、エンジン冷却液の水温が余り高くない場合に、暖房効率が低下するということが分かった(詳細は、図5および図6を用いて後述する)。
このような課題は、電気自動車において、走行用の電力を供給する二次電池、または、走行用の電気モータ等、エンジン以外の発熱部品から排熱を得て暖房に利用する場合にも、同様に生じる。
本発明の目的は、外気温が低く、車両の発熱部品から多くの排熱を得られない場合でも、高い効率で車室内の暖房を行うことのできる車両用空調装置の構成ユニットを提供することである。
本発明の一態様に係る車両用空調装置の構成ユニットは、ヒートポンプにおける低温低圧の冷媒と冷却液との間で熱を交換して冷媒を気化させる第1水冷媒熱交換器と、前記ヒートポンプにおける高温高圧の冷媒と冷却液との間で熱を交換して冷媒を凝縮させる第2水冷媒熱交換器と、前記第1水冷媒熱交換器および前記第2水冷媒熱交換器を収容して一体化する筐体と、前記第2水冷媒熱交換器へ前記筐体の外部から高温高圧の冷媒を導入する冷媒導入管と、前記第1水冷媒熱交換器から前記筐体の外部へ低圧の冷媒を導出する第1冷媒導出管と、前記第2水冷媒熱交換器から前記筐体の外部へ冷媒を導出する第2冷媒導出管と、前記第2水冷媒熱交換器から前記第1水冷媒熱交換器へ冷媒を導出する第3冷媒導出管と、前記冷媒導入管、前記第2水冷媒熱交換器、前記第2冷媒導出管の順に冷媒が流れる状態と、前記冷媒導入管、前記第2水冷媒熱交換器、前記第3冷媒導出管、前記第1水冷媒熱交換器、前記第1冷媒導出管の順に冷媒が流れる状態とを切替え可能な切替手段と、前記第1水冷媒熱交換器の冷却液の入口を前記筐体の外部に導く第1導入管と、前記第1水冷媒熱交換器の冷却液の出口を前記筐体の外部に導く第1導出管と、前記第2水冷媒熱交換器の冷却液の入口を前記筐体の外部に導く第2導入管と、前記第2水冷媒熱交換器の冷却液の出口を前記筐体の外部に導く第2導出管と、を具備し、前記第1導入管には、暖房運転時において、冷却液が所定の温度未満の場合に発熱部品の冷却用の通路からの冷却液が導入され、前記所定の温度以上の場合に前記発熱部品の冷却用の通路からの冷却液が導入されない
本発明によれば、外気温が低く、車両の発熱部品から多くの排熱を得られない場合でも、高い効率で車室内の暖房を行うことができる。
本発明の実施の形態の車両用空調装置を示す構成図 エンジン冷却液の中温時における暖房モードの動作を説明する図 エンジン冷却液の中温時における除湿モードの動作を説明する図 エンジン冷却液の高温時における暖房モードの動作を説明する図 エンジン冷却液の中温時における本実施の形態(A)と従来例(B)との暖房効率を説明する図 エンジン冷却液の中温時における本実施の形態(A)と比較例(B)との暖房効率を説明する図
以下、本発明の各実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態の車両用空調装置を示す構成図である。
本発明の実施形態の車両用空調装置1は、エンジン(内燃機関)を有する車両に搭載されて、車室内の暖房、除湿および冷房を行う装置である。
実施形態の車両用空調装置1は、構成ユニット10、コンプレッサ(圧縮機)38、エンジン冷却部40、三方弁42,43、ヒーターコア44、エバポレータ48、膨張弁37、室外コンデンサ39、逆止弁15、および、これらの間を結ぶ冷却液の配管および冷媒配管等を具備する。ヒーターコア44と、エバポレータ48とは、HVAC(Heating, Ventilation, and Air Conditioning)70の吸気通路内に配置される。HVAC70には、吸気を流すファンF1が設けられている。
コンプレッサ38は、エンジンの動力または電気により駆動して、吸入した冷媒を高温高圧に圧縮して吐出する。圧縮された冷媒は、構成ユニット10へ送られる。
エンジン冷却部40は、エンジンの周囲に冷却液を流すウォータジャケットと、ウォータジャケットに冷却液を流すポンプとを具備し、ウォータジャケットに流れる冷却液へエンジンから熱を放出させる。ポンプは、例えば、エンジンの動力により回転する。エンジン冷却部40には、エンジンの排熱の量が多くなった場合に、熱を外気に放出するラジエータが備わっていてもよい。
ヒーターコア44は、冷却液と空気との間で熱交換を行う機器であり、車室内へ空気を供給するHVAC70の吸気通路内に配置される。ヒーターコア44には、加熱された冷却液が供給され、暖房運転時に車室内へ送られる吸気に熱を放出する。
三方弁42,43は、エンジン冷却部40の冷却液の通路を、構成ユニット10側へ連通させるか、ヒーターコア44の側へ連通させるかを切り替える弁である。なお、この切り替えを行う手段としては、三方弁に限られず、例えば複数の弁を組み合わせて構成することもできる。三方弁42,43は、例えば電気的な制御により、上記の切り替えを行うことができる。
エバポレータ48は、低温低圧の冷媒と、空気との間で熱交換を行う機器であり、HVAC70の吸気通路内に配置される。エバポレータ48には、冷房運転時または除湿運転時に低温低圧の冷媒が流され、車室内へ供給される吸気を冷却する。
膨張弁37は、高圧の冷媒を低温低圧に膨張して、エバポレータ48に吐出する。膨張弁37は、エバポレータ48に近接して配置されている。
室外コンデンサ39は、冷媒を流す通路と、空気を流す通路とを有し、例えばエンジンルーム内の車両の先頭付近に配置されて、冷媒と外気との間で熱交換を行う。室外コンデンサ39には、冷房モードおよび除湿モードのときに、高温高圧の冷媒が流されて、冷媒から外気へ熱を排出させる。室外コンデンサ39には、例えば、ファンにより外気が吹き付けられる。
構成ユニット10は、筐体10Aにより覆われて一体的に構成されている。構成ユニット10には、第1水冷媒熱交換器11と、第2水冷媒熱交換器12と、開閉弁13と、電磁弁付き膨張弁14と、ウォータポンプ16と、アキュムレータ17とが含まれる。
第1水冷媒熱交換器11は、低温低圧の冷媒を流す通路と、冷却液を流す通路とを有し、冷媒と冷却液との間で熱交換を行う。第1水冷媒熱交換器11には、所定の運転モードのときに、低温低圧の冷媒が供給され、且つ、エンジン冷却部40との間で冷却液が循環的に流されて、冷却液から低温低圧冷媒へ熱を移動させる。
第2水冷媒熱交換器12は、高温高圧の冷媒を流す通路と、冷却液を流す通路とを有し、冷媒と冷却液との間で熱交換を行う。第2水冷媒熱交換器12には、所定の運転モードのときに、ヒーターコア44との間で冷却液が循環的に流されて、高温高圧冷媒から冷却液へ熱を放出させる。
第1水冷媒熱交換器11の冷却液の入口と出口とにそれぞれ接続されている2つの配管h1,h2は、そのまま筐体10Aの外部まで延設されて、三方弁42,43に接続されている。
第2水冷媒熱交換器12の冷却液の入口と出口とにそれぞれ接続されている2つの配管h3,h4には、何れか一方にウォータポンプ16が設けられている。これら2つの配管h3,h4は、筐体10Aの外部まで延設されて、ヒーターコア44に接続されている。また、これら2つの配管h3,h4の途中には、エンジン冷却部40から三方弁42,43を介して延設された配管が合流接続されている。
ウォータポンプ16は、例えば電気的な駆動により、第2水冷媒熱交換器12とヒーターコア44との間で冷却液を循環させることが可能なポンプである。
第2水冷媒熱交換器12の冷媒の入口に接続されている冷媒配管j1は、筐体10Aの外部まで延設されてコンプレッサ38の吐出口に接続されている。第2水冷媒熱交換器12の冷媒の出口に接続されている冷媒配管j2は、筐体10Aの内部で2つに分岐している。そして、分岐した内の一方の冷媒配管は、開閉弁13を介して、筐体10Aの外部まで延設されている。分岐した内の他方の冷媒配管j3は、電磁弁付き膨張弁14を介して第1水冷媒熱交換器11の冷媒の入口に接続されている。
第1水冷媒熱交換器11の冷媒の出口に接続されている冷媒配管j4は、アキュムレータ17を介して筐体10Aの外部まで延設され、コンプレッサ38の冷媒吸入口に接続されている。コンプレッサ38の冷媒吸入口には、エバポレータ48の冷媒配管も合流接続されている。
開閉弁13は、例えば電気的な制御により、冷媒配管の開閉を切り替える弁である。
電磁弁付き膨張弁14は、例えば電気的な制御により、冷媒配管の開閉を切り替えられるとともに、開としたときに膨張弁として機能する弁である。
アキュムレータ17は、第1水冷媒熱交換器11を通過した気化した冷媒と未気化の冷媒とを分離して、気化した冷媒のみをコンプレッサ38へ送る。
逆止弁15は、コンプレッサ38とエバポレータ48との間に設けられ、室外コンデンサ39およびエバポレータ48に冷媒が流されない運転モードのときに、冷媒の逆流を防ぐ弁である。
この逆止弁15は、次のような効果をもたらす。例えば、開閉弁13が閉じられて、第1水冷媒熱交換器11と第2水冷媒熱交換器12とを通る冷媒回路に冷媒が流される運転モードを考察する。この運転モードでは、開閉弁13が閉じられていることで、室外コンデンサ39とエバポレータ48とを通る冷媒回路は遮断される。しかしながら、この場合でも、外気が低いと、外気にさらされた室外コンデンサ39等で冷媒が寝込んでしまい、室外コンデンサ39およびエバポレータ48における冷媒圧力が低くなることがある。そして、この圧力低下があると、第1水冷媒熱交換器11および第2水冷媒熱交換器12の冷媒回路に流れている冷媒が、エバポレータ48側の冷媒回路へ逆流してしまう。この結果、第1水冷媒熱交換器11と第2水冷媒熱交換器12とを通る冷媒回路の冷媒量が最適な範囲から逸脱してしまい、このヒートポンプサイクルの効率が低下してしまう。しかしながら、逆止弁15があることで、このような不都合を回避することができる。
次に、車両用空調装置1の動作について説明する。
[エンジン冷却液の中温時における暖房モード]
図2は、エンジン冷却液の中温時における暖房モードの動作を説明する図である。
エンジン冷却液が中温時(例えば60℃未満)において暖房モードの運転が要求された場合には、図2に示すように、開閉弁13が閉、電磁弁付き膨張弁14が開、ウォータポンプ16がオン作動、三方弁42,43の通路が第1水冷媒熱交換器11側に切り替えられる。
さらに、コンプレッサ38が作動することで、冷媒は、第2水冷媒熱交換器12、電磁弁付き膨張弁14、第1水冷媒熱交換器11、アキュムレータ17、および、コンプレッサ38を、この順で循環的に流れる。
その際、コンプレッサ38により圧縮された高温高圧冷媒は、第2水冷媒熱交換器12にて冷却液へ熱を放出して凝縮する。また、電磁弁付き膨張弁14により膨張された低温低圧冷媒は、第1水冷媒熱交換器11にて冷却液から熱を吸収して気化する。
冷却液は、2経路に分かれて各々独立的に流れる。第1経路の冷却液は、エンジン冷却部40と第1水冷媒熱交換器11との間を循環的に流れる。第1経路の冷却液は、エンジン冷却部40においてエンジンを冷却し、第1水冷媒熱交換器11において低温低圧の冷媒に熱を放出する。
第2経路の冷却液は、ウォータポンプ16により第2水冷媒熱交換器12とヒーターコア44との間を循環的に流れる。第2経路の冷却液は、第2水冷媒熱交換器12において高温高圧の冷媒から熱を吸収し、ヒーターコア44において車室内へ送られる吸気へ熱を放出する。
これにより、車室内の暖房が行われる。
[エンジン冷却液の中温時における除湿モード]
図3は、エンジン冷却液の中温時における除湿モードの動作を説明する図である。
エンジン冷却液が中温時(例えば60℃未満)において除湿モードの運転が要求された場合には、図2の中温時の暖房モードの状態から、開閉弁13が開に切り替えられる。
この開閉弁13の切り替えにより、図2の中温時の暖房モードの冷媒の流れに加えて、コンプレッサ38、第2水冷媒熱交換器12、室外コンデンサ39、膨張弁37、および、エバポレータ48を、この順で循環する冷媒の流れが生じる。
そして、この冷媒の流れにより、エバポレータ48に低温低圧の冷媒が流れて、車室内へ送られる吸気の除湿を行うことができる。
[エンジン冷却液の高温時における暖房モード]
図4は、エンジン冷却液の高温時における暖房モードの動作を説明する図である。
エンジン冷却液が高温時(例えば60℃以上)において暖房モードの運転が要求された場合には、図4に示すように、開閉弁13が開、電磁弁付き膨張弁14が閉、ウォータポンプ16が作動オフ、三方弁42,43の通路がヒーターコア44側に切り替えられる。
この切り替えにより、高温の冷却液がヒーターコア44を流れて、車室内へ送られる吸気を温めることができる。
また、除湿等が必要な場合には、コンプレッサ38が作動することで、冷媒は、第2水冷媒熱交換器12、室外コンデンサ39、膨張弁37、エバポレータ48、および、コンプレッサ38を、この順で循環的に流れる。
その際、コンプレッサ38により圧縮された高温高圧冷媒は、冷却液の流れない第2水冷媒熱交換器12をほぼ熱交換なく通過し、室外コンデンサ39にて外気に熱を放出して凝縮する。次いで、膨張弁37により膨張された低温低圧冷媒は、エバポレータ48にて車室内へ送られる吸気から熱を吸収して気化する。これにより、吸気の除湿を行うことができる。
冷房モードのときには、図4の冷媒と冷却液の流れのまま、ヒーターコア44の扉が閉じられる。これにより、HVAC70を通過する吸気は、エバポレータ48により冷却されて、ヒーターコア44を通過せずに、そのまま車室内へ送られて、車室内を冷房することができる。
[暖房効率の比較1]
図5は、エンジン冷却液の中温時における本実施の形態(A)と従来例(B)との暖房効率を説明する図である。図5においては、冷却液の流れを示す矢印の傍らに、各部に流れる冷却液の安定的な温度の一例を示す。
ここでは、アイドリングストップ或いは電気モータ走行との併用等によりエンジン40Aの温度が余り高くなく、且つ、外気温が低い状況を想定し、本実施の形態の中温時の暖房モード(A)と、従来例の暖房モード(B)との比較を行う。
図5(B)の従来例は、コンプレッサ51、コンデンサとして機能する水冷媒熱交換器52、膨張弁53、エバポレータとして機能する室外熱交換機54からなるヒートポンプシステムを有する構成である。エンジン冷却液は、水冷媒熱交換器52で加熱されてヒーターコア44に送られる。この構成は、特許文献1の図18の構成に対応している。
図5(A)に示すように、本実施の形態のエンジン冷却液の中温時における暖房モードでは、エバポレータとして機能する第1水冷媒熱交換器11に、中程度の温度の冷却液が供給される。このため、第1水冷媒熱交換器11において、低温低圧の冷媒と冷却液との安定的に且つ高効率の熱交換が行われ、低温低圧の冷媒を容易に気化させることができる。
これにより、ヒートポンプシステムが効率良く稼働して、少ない電力消費で、第1水冷媒熱交換器11から第2水冷媒熱交換器12へ大きな熱量を移動することができる。よって、第2水冷媒熱交換器12は高温に維持され、ヒーターコア44に高温の冷却液を供給して車室内を十分に温めることができる。
一方、図5(B)の従来例では、エバポレータとして機能する室外熱交換機54には低温の外気が供給されるため、低温低圧の冷媒に安定的に熱を与えることができず、ヒートポンプシステムを高効率に稼働することが困難になる。
このため、コンデンサとして機能する水冷媒熱交換器52を高温に維持することが困難となる。さらに、エンジン40Aの温度が低いことで、水冷媒熱交換器52、ヒーターコア44、およびエンジン40Aを循環して流れる冷却液の温度はさほど高くならず、ヒーターコア44による車室内の暖房効率が低くなる。
これらの比較から、本実施の形態のエンジン冷却液の中温時における暖房モードは、従来例と比較して暖房効率が高くなることが分かる。
また、図5(B)の従来例では、ヒーターコア44を流れる冷却液の量が、エンジン40Aの冷却液ポンプの回転数に依存する。一方、本実施の形態の車両用空調装置では、ヒーターコア44の冷却液の流量を、エンジン40Aの冷却液の流量と独立して制御することができる。したがって、本実施の形態では、アイドリングストップなどでエンジン40Aが停止したときでも、ヒーターコア44に冷却液を流して車室内の暖房能力を維持することができる。
[暖房効率の比較2]
図6は、エンジン冷却液の中温時における本実施の形態(A)と比較例(B)との暖房効率を説明する図である。図6においては、冷却液の流れを示す矢印の傍らに、各部に流れる冷却液の安定的な温度の一例を示す。また、図6(B)においては、冷却液の非安定的な温度を括弧書きで示している。
図6(B)の比較例は、本実施の形態と同様のヒートポンプシステムを有する一方、冷却液をヒーターコア44、第1水冷媒熱交換器11、エンジン40Aの冷却通路、第2水冷媒熱交換器12に、この順で循環して流すようにした構成である。
図6(B)の比較例において、コンプレッサ38を本実施の形態と同様に駆動し、且つ、ヒーターコア44に本実施の形態と同様に高温(例えば非安定的な温度(1)70℃)の冷却液を供給した場合を想定する。
図6(B)の比較例では、ヒーターコア44を通過した冷却液は、第1水冷媒熱交換器11に送られる。よって、上記想定の場合、第1水冷媒熱交換器11に入力される冷却液の温度は、本実施の形態よりも高くなる(例えば非安定的な温度(1)50℃)。その結果、第1水冷媒熱交換器11を通過してエンジン40Aに送られる冷却液の温度も、本実施の形態よりも高くなる(例えば非安定的な温度(1)25℃)。
ここで、エンジン40Aの温度が低いと、第1水冷媒熱交換器11から送られてくる冷却液とエンジン40Aとの温度差が小さくなることから、エンジン40Aから冷却液への放熱量が小さくなる。さらに、図6(B)の比較例では、エンジン40Aの冷却液は第2水冷媒熱交換器12へ送られる。このため、上記想定の場合、第2水冷媒熱交換器12へ入力される冷却液の温度は、本実施の形態よりも低くなる(例えば非安定的な温度(1)40℃)。
この結果、第2水冷媒熱交換器12から出力される冷却液は、上記想定の高い温度が維持できずに温度が低くなる(例えば非安定的な温度(2)65℃)。
このような作用により、図6(B)の比較例の各部の冷却液の安定的な温度は、本実施の形態との比較で、ヒーターコア44側で低くなり、エンジン40A側で高くなる。つまり、図6(B)の比較例は、本実施の形態のエンジン冷却液の中温時における暖房モードに比べて、暖房効率が低くなることが分かる。
また、図6(B)の従来例では、ヒーターコア44の冷却液の流量が、エンジン40Aの冷却液ポンプの回転数に依存する。一方、本実施の形態の車両用空調装置では、エンジン40Aの冷却液の流量と独立して、ヒーターコア44の冷却液の流量を制御することができる。したがって、本実施の形態では、例えば、アイドリングストップなどでエンジン40Aが停止したときでも、ヒーターコア44に冷却液を流して車室内の暖房を継続して暖房能力を維持することができる。
[実施の形態の効果]
以上のように、本実施の形態の車両用空調装置1によれば、外気温が低く、エンジンの温度が余り高くない場合でも、高い効率で車室内の暖房を行うことができる。
また、本実施の形態の車両用空調装置1は、従前の空調設備を有する車両に対して、構成ユニット10を追加して配管の接続を変えるだけで、車両用空調装置1を搭載できるという効果がある。例えば、従前の車両の中には、温暖時にヒートポンプを使用して車室内の冷房を行う一方、寒冷時にはエンジン冷却液の熱を利用して車室内の暖房を行うようにした空調設備を有するものがある。このような空調設備は、室外コンデンサ39、コンプレッサ38、膨張弁37、エバポレータ48、エンジン冷却部40、および、ヒーターコア44を具備する。よって、このような車両に対しては、構成ユニット10を追加して、配管接続を変更するだけで、本実施の形態の車両用空調装置1を実現することができる。
また、本実施の形態の車両用空調装置1によれば、比較例2の空調装置と比べた場合に、次のような優位性がある。ここで、比較例2の空調装置としては、冷房運転時に冷媒から外気に熱を排出させる室外熱交換機(本実施の形態の室外コンデンサ39に相当)を、暖房運転時に外気から冷媒に熱を取り込むエバポレータとして使用する車両用空調装置を想定する。室外熱交換機をエバポレータとして使用して、低温低圧の冷媒に熱を取り込むことで、ヒートポンプにより車室内の暖房を行うことができる。
比較例2の構成では、温暖時にコンデンサとして使用するように設計された室外交換機を、寒冷時にエバポレータとして使用することになる。これら2つの使用条件は大きく異なるため、比較例2の構成では、室外熱交換機をエバポレータとして使用する場合に、熱交換の効率が上がらないという課題が生じる場合がある。例えば、室外熱交換機に霜および凍結が生じやすいという課題が生じることがある。また、高温高圧冷媒に適合させた冷媒通路が、低温低圧に膨張された冷媒に適合せずに、十分な熱交換量が得られないという課題が生じることがある。
しかしながら、本実施の形態の車両用空調装置1によれば、室外コンデンサ39をエバポレータとして使用することはなく、暖房運転時には、エンジン冷却液が供給される第1水冷媒熱交換器11により低温低圧冷媒との熱交換を行わせて、冷媒の気化を行わせる。よって、暖房運転時における低温低圧冷媒への熱の供給および低温低圧冷媒の気化を簡単確実に行うことができ、暖房能力の向上を図ることができる。
以上、本発明の各実施の形態について説明した。
なお、上記実施の形態で説明した具体的な構成は一例であり、様々に変更することが可能である。例えば、構成ユニット10のアキュムレータ17は、第1水冷媒熱交換器11による冷媒の気化が十分に行えることから、省略することができる。また、開閉弁13、および、ウォータポンプ16は、構成ユニット10に含めずに、構成ユニット10の外部に設けてもよい。また、電磁弁付き膨張弁14は、開閉弁と膨張弁とからなる2つの部品に代替してもよく、逆止弁15は電磁開閉弁に代替してもよい。
さらに、上記実施の形態では、室外コンデンサ39へ高温高圧冷媒を供給する経路として、第2水冷媒熱交換器12を通過させる経路を例にとって説明した。しかしながら、冷媒の通路はコンプレッサ38の後段で2分岐させて、コンプレッサ38から吐出した冷媒を、室外コンデンサ39又は第2水冷媒熱交換器へ切り替えて送るように構成することもできる。
また、上記実施の形態では、エンジン冷却液の通路を切り替える構成(三方弁42,43)を含んでいるが、この構成を省略してもよい。
また、上記実施の形態では、車両の加熱部品としてエンジンを例にとって説明した。しかしながら、車両の加熱部品は、電気自動車における走行用の電気モータ、走行用の電力を供給する二次電池など、様々な加熱部品を採用してもよい。
本発明は、エンジン車、電気自動車、或いは、HEV車など各種車両に搭載される車両用空調装置に利用できる。
1 車両用空調装置
10 構成ユニット
11 第1水冷媒熱交換器
12 第2水冷媒熱交換器
13 開閉弁
14 電磁弁付き膨張弁
15 逆止弁
16 ウォータポンプ
37 膨張弁
38 コンプレッサ
39 室外コンデンサ
40 エンジン冷却部
42,43 三方弁
44 ヒーターコア
48 エバポレータ
70 HVAC
h1 配管(第1導入管)
h2 配管(第1導出管)
h3 配管(第2導入管)
h4 配管(第2導出管)
j1 冷媒配管(冷媒導入管)
j4 冷媒配管(冷媒導出管)

Claims (4)

  1. ヒートポンプにおける低温低圧の冷媒と冷却液との間で熱を交換して冷媒を気化させる第1水冷媒熱交換器と、
    前記ヒートポンプにおける高温高圧の冷媒と冷却液との間で熱を交換して冷媒を凝縮させる第2水冷媒熱交換器と、
    前記第1水冷媒熱交換器および前記第2水冷媒熱交換器を収容して一体化する筐体と、
    前記第2水冷媒熱交換器へ前記筐体の外部から高温高圧の冷媒を導入する冷媒導入管と、
    前記第1水冷媒熱交換器から前記筐体の外部へ低圧の冷媒を導出する第1冷媒導出管と、
    前記第2水冷媒熱交換器から前記筐体の外部へ冷媒を導出する第2冷媒導出管と、
    前記第2水冷媒熱交換器から前記第1水冷媒熱交換器へ冷媒を導出する第3冷媒導出管と、
    前記冷媒導入管、前記第2水冷媒熱交換器、前記第2冷媒導出管の順に冷媒が流れる状態と、前記冷媒導入管、前記第2水冷媒熱交換器、前記第3冷媒導出管、前記第1水冷媒熱交換器、前記第1冷媒導出管の順に冷媒が流れる状態とを切替え可能な切替手段と、
    前記第1水冷媒熱交換器の冷却液の入口を前記筐体の外部に導く第1導入管と、
    前記第1水冷媒熱交換器の冷却液の出口を前記筐体の外部に導く第1導出管と、
    前記第2水冷媒熱交換器の冷却液の入口を前記筐体の外部に導く第2導入管と、
    前記第2水冷媒熱交換器の冷却液の出口を前記筐体の外部に導く第2導出管と、
    を具備し、
    前記第1導入管には、暖房運転時において、冷却液が所定の温度未満の場合に発熱部品の冷却用の通路からの冷却液が導入され、前記所定の温度以上の場合に前記発熱部品の冷却用の通路からの冷却液が導入されない、
    車両用空調装置の構成ユニット。
  2. 前記第1冷媒導出管から導出された冷媒は、冷媒を圧縮するコンプレッサを介して前記冷媒導入管に流れる、
    請求項1に記載の車両用空調装置の構成ユニット。
  3. 前記第2冷媒導出管から導出された冷媒は、冷媒から外気に熱を放出させて冷媒を凝縮させる室外コンデンサと、車室内へ送られる吸気から熱を吸収して冷媒を気化させるエバポレータと、前記コンプレッサを介して前記冷媒導入管に流れる、
    請求項2に記載の車両用空調装置の構成ユニット。
  4. 暖房運転時において、前記第1導入管に前記発熱部品の冷却用の通路からの冷却液が導入される場合、前記第2導入管には、車室内へ空気に熱を与えるヒーターコアから流れる冷却液が導入され、前記第2導出管からは、前記ヒーターコアに冷却液が導出される、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両用空調装置の構成ユニット。
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